JP2015023677A - ステッピングモータの制御装置、ステッピングモータの制御方法および光学機器 - Google Patents

ステッピングモータの制御装置、ステッピングモータの制御方法および光学機器 Download PDF

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Abstract

【課題】進角を利用したフィードバック制御において脱調を回避すること【解決手段】ステッピングモータ106aの制御装置は、エンコーダ107と、レンズIC111を有する。レンズIC111は、進角とステッピングモータの角速度を算出し、ステッピングモータが取り得る進角と角速度の関係を表す情報を記憶し、オープンループ制御とフィードバック制御によってステッピングモータを制御することができる。レンズIC111は、オープンループ制御中に算出した所定の角速度における進角を基準進角として取得し、記憶された情報と所定の角速度と前記基準進角に基づいて、フィードバック制御における進角の上限値を設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、エンコーダを備えたステッピングモータの制御装置および制御方法、ならびに光学機器に関する。
ステッピングモータは、オープンループ制御であるため、高負荷時や高速回転時に脱調するおそれがある。そこで、特許文献1は、ステッピングモータにエンコーダを搭載し、移動量によりオープンループ制御とフィードバック制御(クローズドループ制御)を切り替える方法を提案している。また、ステッピングモータの位置決めを高精度に行いつつ駆動時の騒音を低減する駆動方法として、駆動波形に正弦波を印加するマイクロステップ駆動は知られている。
外部負荷によってモータ速度が目標速度から低下した場合に進角を上げてもモータ速度が戻らず、フィードバック制御によって進角を上げ続ける結果、脱調する場合がある。これを回避するため、特許文献2は、モータの現在速度と目標速度との差分に基づいて進角を設定し、現在速度が所定速度未満であれば予めメモリに記憶された進角を用いてモータの回転速度を制御するモータ制御装置を開示している。
特開平10−150798号公報 特開2011−239599号公報
製造誤差や温度・姿勢などの特性のばらつきによって、角速度と進角の関係は変化するが、特許文献2のメモリに記憶される進角は定数であり、ばらつきを考慮していない。このため、適切な進角の設定が行われないおそれがある。
本発明は、進角を利用したフィードバック制御において脱調を回避することが可能なステッピングモータの制御装置および制御方法、ならびに光学機器を提供することを例示的な目的とする。
本発明のステッピングモータの制御装置は、励磁電流の供給に基づいて回転磁界を生じる励磁コイルを有するステータと、前記ステータの発生する回転磁界を受けることで回転するマグネットロータと、を有するステッピングモータの制御装置であって、前記ステッピングモータの回転に応じた信号を生成するエンコーダと、前記エンコーダが生成する前記信号から前記ステッピングモータの回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記エンコーダが生成する前記信号の時間的変化から前記ステッピングモータの角速度を算出する角速度算出手段と、前記励磁電流と前記回転位置検出手段の出力との位相差である進角を算出する進角算出手段と、前記ステッピングモータの前記進角と前記角速度の関係を表す情報を記憶する記憶手段と、オープンループ制御及びフィードバック制御によって前記ステッピングモータを制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、オープンループ制御中に前記角速度算出手段が算出した所定の角速度において前記進角算出手段が算出した進角を基準進角として取得し、前記記憶手段に記憶された前記情報と、前記所定の角速度および前記基準進角に基づいて、フィードバック制御における前記進角の上限値を設定することを特徴とする。
本発明によれば、進角を利用したフィードバック制御において脱調を回避することが可能なステッピングモータの制御装置および制御方法、ならびに光学機器を提供することができる。
本実施形態のカメラシステムのブロック図である。(実施例1、2、3) 図1に示すフォーカス駆動部の斜視図である。(実施例1、2、3) 図2に示すステッピングモータのステータとマグネットロータとの関係を示す図である。(実施例1、2、3) 図2に示すステッピングモータの励磁切替えタイミングと発生トルクの変化関係を示す図である。(実施例1、2、3) 本発明のステッピングモータの進角と角速度の関係を示す図である。(実施例1) 本発明のステッピングモータの制御方法を説明するためのフローチャートである。(実施例1) 本発明のステッピングモータの駆動速度の時間変化と進角の時間変化を示す図である。(実施例1) 本発明のステッピングモータの進角と角速度の関係を示す図である。(実施例2) 本発明のステッピングモータの制御方法を説明するためのフローチャートである。(実施例2) 負荷トルクの変動による角速度と進角の特性の変化を示す図である。(実施例3)
図1は、本実施形態のカメラシステム(光学機器)100のブロック図である。カメラシステムは、交換レンズ(レンズ装置、光学機器)と、交換レンズが装着されたカメラ本体と、から構成される。カメラ本体はレンズ交換式の撮像装置(光学機器)であり、一眼レフカメラでもよいし、ミラーレスカメラでもよい。また、本発明の光学機器は、デジタルカメラなどのレンズ一体型の撮像装置、顕微鏡などでもよい。
交換レンズは被写体の光学像を形成する撮影光学系を有する。撮影光学系は、固定レンズ101、ズームレンズ102、絞り羽根103、シフトレンズ104、フォーカスレンズ105を含む。図1では、各レンズは、便宜上一つのレンズとして示されているが、実際には一または複数のレンズ群として構成されている。
ズームレンズ102(変倍レンズ)は、ズーム駆動部110によって光軸方向に移動されて焦点距離を変更する。絞り羽根103は、絞り駆動部109によって駆動され、カメラ本体の撮像素子112に入射する光量を調節する。シフトレンズ(補正レンズ)104は、シフト駆動部108によって光軸に直交する方向に移動され、像ぶれを補正する。なお、「直交する方向」は光軸に直交する成分があれば足り、光軸に斜めに移動されてもよい。フォーカスレンズ105は、フォーカス駆動部106によって光軸方向に移動され、焦点調節を行う。
交換レンズには、シフト駆動部108、絞り駆動部109、ズーム駆動部110を制御するレンズIC(レンズ制御手段)111が設けられる。レンズIC111は、カメラ本体のカメラIC(カメラ制御手段)と通信する。レンズIC111は、後述するように、エンコーダ107の出力に基づいてフォーカス駆動部106の駆動も制御する。
カメラ本体は、撮像素子112、CDS/AGC回路113、撮像処理回路114、モニタ115、記憶装置116、AF処理回路117、カメラIC118を有する。
撮像素子112は、撮影光学系が形成した被写体の光学像を光電変換し、CCDやCMOSセンサなどによって構成される。CDS/AGC回路113は、撮像素子112の出力をサンプリングしてゲインを調整する。CDS/AGC回路113は、前段に相間二重サンプリングによって撮像素子112の出力信号からアンプ雑音とリセット雑音を除去するCDS回路、後段に出力に応じてゲインを自動調整するAGC回路を備える。
撮像処理回路114は、CDS/AGC回路113からの出力信号に対して、カメラIC118からの指令に従って各種の画像処理を施し画像を生成する信号処理手段である。モニタ115は、撮像処理回路114の出力から得られる画像を不図示のエンコーダ回路を介して出力表示する表示部であり、それ以外にも撮影前のプレビュー画像や、撮影モードに関する各種の設定情報、焦点検出時の合焦状態の情報などを表示する。
記憶装置116はカメラIC118からの指令に基づいて撮像処理回路114の出力から得られる画像を指定の形式に圧縮後、着脱可能な半導体メモリなどの記憶媒体に保存する。AF処理回路117は、CDS/AGC回路113からの全画素出力信号のうちに焦点検出に用いられる画素のみの信号を通し、高周波成分や輝度差成分などを抽出したAF評価値を生成する。AF評価値を基にカメラIC118は合焦位置を判定し、レンズIC111に各駆動部材に対しての駆動命令を発行する。フォーカス駆動部106、シフト駆動部108、絞り駆動部109、ズーム駆動部110はレンズIC111からの駆動命令に従い、それぞれの駆動部材であるフォーカスレンズ105、シフトレンズ104、絞り羽根103、ズームレンズ102を駆動する。
図2は、フォーカス駆動部106及びエンコーダ107から構成されるフォーカスモータユニットの外観斜視図である。フォーカスモータユニットは、ステッピングモータ106a、回転軸106b、エンコーダマグネット106c、モータドライバ106d、エンコーダホルダ106e、ラック106f、ホールIC107aから構成される。エンコーダマグネット106cとホールIC107aは、ステッピングモータの回転に応じた信号を生成するエンコーダを構成する。
ステッピングモータ106aは、励磁電流の供給に基づいて回転磁界を生じる不図示の励磁コイルを含む90度間隔に配置された2相のステータと、外周を10極均一に着磁されたマグネットロータと、を有する。マグネットロータと回転軸106bとは物理的に接続されている。
回転軸106bは、フォーカスレンズ105と接続されたラック106fと係合している。ステッピングモータ106aの回転トルクは回転軸106bとラック106fを介してフォーカスレンズ105の直線駆動に変換される。
エンコーダマグネット106cは、回転軸106bに取り付けられている。エンコーダマグネット106cは、ステッピングモータ106aのマグネットロータ同様に、外周を10極で着磁されており、円筒形状の永久磁石で構成される。
モータドライバ106dは、レンズIC111の駆動命令を受けて所定周波数の励磁波形を生成し、ステッピングモータ106aの励磁コイルに印加する。また、レンズIC111の命令によって所定のタイミングで励磁する相を切替えることでステッピングモータ106aを回転駆動させる。
エンコーダホルダ106eは、回転軸106bの先端部と接触し、回転を支持する軸受の役割を担う。また、エンコーダマグネット106cの直下にエンコーダ部が配置されるよう、エンコーダホルダ106e上の機械的に設計された位置にホールIC107aが取り付けられる。
ホールIC107aは、エンコーダマグネット106cの回転によって生じる磁界の変化をホールIC107a内のサンプリング間隔で検出し、出力信号を発生する。本実施例で使用するホールIC107aは単一の素子から2種類の交番検知信号が得られる。ホールIC107aが受ける磁界が閾値を超えたタイミングで出力値が変化し、出力信号は2値のデジタル出力である。なお、エンコーダはデジタル出力である必要はなく、ホール素子などのアナログ信号を出力する構成でもよい。エンコーダとレンズIC111は、ステッピングモータ106aの制御装置を構成する。
ステッピングモータ106aは、マイクロステップで励磁され、目標速度に応じて励磁波形の周波数を変化させる。本実施例において、ステッピングモータ106aは、駆動開始と停止直前の区間(所定の駆動速度以下)ではオープンループ制御で制御され、その間の区間(所定の駆動速度よりも大きな速度)ではフィードバック制御で制御される。オープンループ制御では駆動速度に応じて所定の時間間隔で励磁相を切替え、フィードバック制御ではホールIC107aの出力信号に応じて励磁相を切替える。
ホールIC107aの出力信号と励磁相の切替えタイミングとの関係を以下に説明する。図3は、ステッピングモータ106aのステータの励磁変化に伴うマグネットロータの発生する磁界変化を示す図である。縦軸は磁束、横軸は磁界の位相を表わす。
ステータはマイクロステップの正弦波で励磁され、励磁コイルの磁界変化は、同図に示すように、360度周期の正弦波形を描く。マグネットロータは励磁コイルの磁界変化に追従して回転するため位相上では遅れて回転し、励磁する周波数が高くなると追従の遅れは大きくなる。このことから、励磁コイルの磁界変化に対するマグネットロータの追従遅れの大きさを調整することで、ステッピングモータ106aの回転角速度を制御することができるといえる。
マグネットロータの磁界に対してステータの励磁位相の進み角を「進角」と呼ぶ。本実施形態のフィードバック制御では進角を調整することで、カメラIC118から与えられるフォーカスレンズ105の駆動速度を満足させる。
ステータの励磁変化に対してマグネットロータは遅れて追従するため、駆動状態であれば0度よりも大きい進角が保証される。詳しくは後述するが、進角が90度までは発生トルクは上昇するが、90度を超えるとトルクは低下し、負荷トルクよりも小さくなると脱調する。そのため、進角は0度よりも大きく90度以下の範囲で制限される。
従って、マグネットロータと同様の磁界変化を示すエンコーダマグネット106cの磁界変化をホールIC107aで検出し、角速度偏差があればホールIC107aの出力信号を基に励磁波形の切替えタイミングを遅速させる。なお、角速度偏差はカメラIC118から与えられる目標となる角速度と、ホールIC107aの出力信号から観測されるエンコーダマグネット106cの回転周期である現在の角速度との差分値である。
図3における進角はψ度であり、目標となる角速度に達していなければ、角速度偏差から進角増減量であるΔψ度を算出して現在の進角ψ度に加算した値が進角となるように励磁波形を調整する。進角を調整することでマグネットロータは正弦波の点線のように位相が遅れ、進角調整前よりも大きなトルクを得ることができる。
次に、図4を用いて、励磁の切替えタイミングとトルクの関係について説明する。図4は、励磁の切替えタイミングによって得られるトルクの変化を表わす図である。横軸はマグネットロータの磁界の位相、縦軸にトルクである。ステッピングモータ106aは2相のステータからなり、90度の等間隔で時計回りにA+、B+、A−、B−の励磁コイルが配置される。
図4に示す4つの正弦波は、各励磁コイルそれぞれに位相が90度異なる正弦波を励磁信号として与えた場合のA+とB+、A−とB+、A−とB−、A+とB−の合成波トルクである。ステッピングモータ106aは任意のタイミングで4つの合成波を順次乗り換えることで一方向のトルクを得る。
図4の太線は任意のタイミングで励磁を切替えた際のトルクの変化を表わしており、丸点が励磁の切替りタイミングを表わす。同図において横軸90度地点からみた原点側の丸点(励磁切替えタイミング)までの位相差が進角に相当する。図4(a)〜(d)はそれぞれ、進角10度(図4(a))、進角45度(図4(b))、進角50度(図4(c))、進角90度(図4(d))を表わす。
図4における太線と横軸とで囲まれる面積がトルクの大きさに相当し、第1象限における面積S1Qを正転方向のトルクとすると、第4象限における面積S4Qは逆転方向のトルクとなる。従って、正転方向に駆動するときに得られるトルクはS1QからS4Qを減算した値となる。
進角が90度に近づくほど第1象限における太線と横軸との面積S1Qも大きくなる。また、第4象限における太線と横軸との面積S4Qは進角が大きくなるほど徐々に小さくなり、進角45度以降は零となる。進角が90度で面積S1Qは最大となり、正転方向のトルクは最大となることが図4よりいえる。このことから、進角を所定の値に固定すると、ステッピングモータ106aの発生トルクは時間平均で観測するとほぼ一定となり、負荷トルクが一定ならば所定の駆動角速度に対応する進角は任意の定数値として定まる。
以下、本発明の実施例において、レンズIC111によるステッピングモータ106aの制御について説明する。
各実施例において、レンズIC111は、回転位置検出手段、角速度算出手段、進角算出手段、制御手段として機能すると共に後述する記憶手段を備える。但し、別個のハードウェアモジュールによって、回転位置検出手段、角速度算出手段、進角算出手段、制御手段を別々に構成してもよい。
回転位置検出手段は、エンコーダが生成する信号からステッピングモータ106aの回転位置を検出する。角速度算出手段は、エンコーダが生成する信号の時間的変化からステッピングモータ106aの角速度を算出する。進角算出手段は、励磁電流と回転位置検出手段の出力との位相差である進角を算出する。記憶手段は、後述するように、ステッピングモータ106aが取り得る進角と角速度の関係を表す情報を記憶する。制御手段は、エンコーダが生成する信号を用いないオープンループ制御によってステッピングモータ106aを制御すると共にエンコーダが生成する信号を用いたフィードバック制御によってステッピングモータ106aを制御する。
図5は、角速度と進角の特性曲線(以下、単に「特性曲線」と称する)Curve00を示す図であり、横軸は進角ψ、縦軸は角速度ωである。負荷トルクがほぼ一定であれば、進角が所定値ψまで大きくなるとステッピングモータ106aは駆動を始め、進角ψの増加に伴って、ほぼ一定の傾きdω/dψで角速度ωも増加する。進角ψ0,limit以降は曲線の傾きは緩やかになり、進角ψ=90度で最高角速度となる。進角ψをさらに大きくすると発生トルクの減少に伴い角速度ωは徐々に下がり、負荷トルクとモータ発生トルクとが釣り合う進角ψoutよりも大きくなると脱調が生じる。
特性曲線Curve00には製造誤差や、温度、経年変化などの使用環境に起因したばらつきがある。しかしながら、図5において進角がψからψ0,limitまでの区間は線形性が維持される区間であり、その傾きdω/dψは、ばらつきに対してロバスト性がある。なお、この線形性が維持される区間を、以下、「線形区間」と称する場合がある。つまり、ばらつきがあると、図5に示す特性曲線(あるいはその線形区間に対応する直線部分)を所定方向に平行移動したようにずれるものの、全体の特性曲線の形状は維持され、ずれの方向も得ることができる。そこで、本実施例は、この線形区間の最大値をフィードバック制御における進角の上限値として設定する。
本実施例のフィードバック制御では、オープンループ制御中に算出した所定の角速度(例えば、800pps)における進角ψ800を測定し、基準進角として設定する。基準進角はψとψ0,limitの間である。(ψ800,800)の点を通る特性曲線は一意に決定されるから、その一意に決定された特性曲線の線形区間の進角の上限値ψ0,limitも決定される。その結果、角速度偏差に対応する進角の増減量Δψを一意に決定することができ、またモータ個体・使用環境に応じて進角の上限値を設定していることから脱調を起こさせずに高トルクの領域まで利用することができる。
図6は、実施例1のレンズIC111によるフォーカスレンズ105の駆動制御方法を示すフローチャートである。「S」はステップを表し、レンズIC111やカメラIC118は、マイクロコンピュータとして具現化されるが、図6及び後述するフローチャートはコンピュータに各ステップの機能を実現させるためのプログラムとして具現化が可能である。
まず、レンズIC111は、カメラIC118から、目標駆動速度、目標位置、パワーレートを含むフォーカスレンズ105の駆動命令を取得する(S101)。なお、カメラIC118は、駆動命令を生成するのに位相差AF方式とコントラストAF方式のどちらの焦点検出方法を使用してもよい。位相差AF方式は、一対の被写体像の像信号の位相差を検出することによって焦点検出を行う方式である。コントラストAF方式は、撮影光学系によって形成される焦点位置と撮像素子の相対位置を変化させるスキャンを行いながら撮像素子が形成した被写体像のコントラストのピーク位置を検出することによって焦点検出を行う方式である。
次に、レンズIC111は、今回の駆動をオープンループ制御のみで行うか、オープンループ制御とフィードバック制御を併用するかを決定する(S102)。レンズIC111は、カメラIC118からの駆動命令において現在位置から目標位置までの駆動量が所定値未満の場合、または目標駆動速度がオープンループ制御の最高駆動速度以下である場合は、オープンループ制御を選択する。
次に、レンズIC111は、現在の制御方式がフィードバック制御か否かを判定する(S103)。フィードバック制御である場合はS114へ、オープンループ制御である場合はS104へ移行する。
S104では、レンズIC111は、駆動速度が未定義であるか、またはオープンループ制御で設定された規定の駆動量を駆動済みであるかを判定し、そうであればS105へ移行し、そうでなければS111へ移行する。本実施例におけるオープンループ制御での駆動は、複数の駆動速度が設定されており、時間的に階段状に加減速を行う。各駆動速度には加速・減速それぞれに規定の駆動量が設定されており、規定の駆動量を駆動後に次の駆動速度へ移行する。
S104において、駆動速度が未定義の場合とは、例えば、停止状態からの駆動の場合が該当する。規定の駆動量を駆動済みとは、現在の駆動速度に対応する規定の駆動量を駆動済みであることを意味する。本実施例は規定の駆動量と比較を行う駆動カウンタを設けており、S111の処理毎にインクリメントされ、同値以上となった場合が規定量駆動済みと判定され、S107で駆動カウンタはクリアされる。
S105では、レンズIC111は、現在の駆動速度が1000ppsであり、かつ、制御方式がオープンループ制御(OP)とフィードバック制御(FB)の併用方式であるかを判定し、そうであればS108へ移行し、そうでなければS106へ移行する。1000ppsは本実施例におけるオープンループ制御の最高駆動速度であり、オープンループ制御からフィードバック制御へ切り替わる駆動速度である。
S106では、レンズIC111は、オープンループ制御における駆動速度を設定する。本処理では、カメラIC118から与えられた目標駆動速度に向かう駆動速度に加速ないし減速する駆動速度を設定する。現在の駆動速度が目標駆動速度であった場合は駆動速度の変更は行わない。
次に、レンズIC111は、S106で設定した駆動速度に対応する規定の駆動量を設定する(S107)。規定の駆動量は、加速ないし減速を判定して駆動速度毎に定められた値を設定する。最高駆動速度の場合は規定の駆動量は駆動ストロークよりも大きな値が設定される。また、前述したように、規定の駆動量との比較変数である駆動カウンタをゼロにクリアする。
次に、レンズIC111は、S106で設定された駆動速度を基にステッピングモータ106aを駆動する励磁信号を生成する(S111)。励磁信号はモータドライバ106bに供給され、これによりステッピングモータ106aを駆動する。本処理において、規定の駆動量と比較する駆動カウンタをステッピングモータ106aの回転角に応じてインクリメントする。回転角は励磁方式に依存する。
次に、レンズIC111は、カメラIC118が発行した目標位置に到達したかを判定する(S112)。目標位置に到達していれば停止処理を実施し(S113)、到達していなければS104へ戻る。S113では、レンズIC111は、目標位置で通電を所定時間保持した後に、ステッピングモータ106aの通電を切り、設定した駆動速度や駆動カウンタなどの各種変数のクリアを行う。S113が終了すると、フォーカスレンズ105の駆動処理が終了となる。
一方、レンズIC111は、現在の駆動速度が1000ppsであり、かつ、制御がオープンループ制御とフィードバック制御の併用であると判断すると、駆動速度1000ppsの進角をフィードバック制御の基準進角ψbaseとして設定する(S108)。駆動速度1000ppsは所定の角速度に相当する。S108、S109は本実施例の特徴的なステップである。
S108に移行した時点では、駆動速度1000pps(非低速)で所定時間を超えて定速回転している状態であるため(S104、S105)、ホールIC107aの出力信号から算出する進角も信頼性が高く、図5の関係は保証される。本実施例は、オープンループ制御とフィードバック制御の切り替わりタイミングでの駆動速度に対応する進角を基準進角に設定している。但し、ステッピングモータ106aが所定時間を超えて定速状態を持続していれば、基準進角の設定はオープンループ制御からフィードバック制御へと切替えるタイミングに限定されない。
次に、レンズIC111は、基準進角に基づいて進角の上限値を設定する(S109)。進角の上限値ψlimitは、レンズIC111内にある不図示の記憶手段(メモリ)に記憶される情報である図5の特性曲線Curve00から設定される。
角速度1000ppsに対応する進角ψ1000はS108より基準進角ψbaseとして求まる。所定の角速度1000ppsと基準進角ψbaseを通る特性曲線Curve00を記憶手段に記憶された情報から特定する(対応付ける)。特性曲線Curve00は、ステッピングモータ106aの進角と角速度の実際の関係を表している。そして、本実施例では、レンズIC111は、特性曲線Curve00の線形区間の進角の最大値をフィードバック制御における進角の上限値ψlimitとして設定する。
記憶手段に記憶する情報は、グラフ、表、数式など形式を問わない。例えば、特性曲線Curve00の全領域の式でもよいし、線形区間の直線の式でもよいし、基準進角に対応する進角の上限値のデータ列でもよいし、基準進角と進角の上限値との関係を関数化した情報(数式)でもよい。
なお、レンズIC111は、特性曲線Curve00の0度よりも大きく90度未満の進角をフィードバック制御における進角の上限値として設定してもよい。特性曲線Curve00は、ステッピングモータ106aの進角と角速度の実際の関係を表しているので、従来のように進角の上限値を定数に固定するよりも脱調を回避する可能性が高まる。
次に、レンズIC111は、オープンループ制御からフィードバック制御へと切り替え(S110)、S103へ戻り、S114へと移行する。S108、S109で基準進角を基づいて進角の上限値が設定されており、脱調を回避し易い状態でフィードバック制御に移行する。
S101からS113まではオープンループ制御に係り、S114からS123までは進角を用いたフィードバック制御に関する。
まず、レンズIC111は、フォーカスレンズ105の現在位置がカメラIC118から与えられた目標位置から所定距離以内(つまり目標位置の近傍)であるかを判定し(S114)、そうであればS115へ、そうでなければ116へ移行する。オープンループ制御における1000ppsから停止するまでに必要となる駆動量が所定距離となる。
S115では、レンズIC111は、フィードバック制御からオープンループ制御に切り替える。目標位置までの残り駆動量が、オープンループ制御での1000ppsから停止するまでに必要な駆動量と等しくなると、レンズIC111は、フォーカスレンズ105の現在位置がカメラIC118から与えられた目標位置に所定距離であると判定する。目標位置直前の駆動をオープンループ制御で行うことで高い停止位置精度を得ることができる。その後フローはS103へ戻り、S104へ移行してオープンループ制御での減速・停止処理が実施される。
S116では、レンズIC111は、ホールIC107aの出力信号が変化したかを判定し、変化した場合はS117へ移行し、変化しない場合はS123へ移行する。
S117では、レンズIC111は、ホールIC107aの前回の出力信号変化時からの時間変化よってステッピングモータ106aのマグネットロータの現在の角速度を算出する。
次に、レンズIC111は、カメラIC118から与えられる目標駆動速度とS117で算出された現在の角速度との差分によって角速度偏差を算出する(S118)。角速度偏差がゼロであればフィードバック制御による調整量はゼロであり、ゼロよりも大きければ加速、ゼロよりも小さければ減速方向の調整量が以降のステップで設定される。
次に、レンズIC111は、S118で算出した角速度偏差と図5に示す線形区間の傾きdω/dψの積によって進角変位量を算出する(S119)。このことから、角速度偏差が大きければ進角変位量Δψの値はより大きくなる。
次に、レンズIC111は、S119で算出した進角変位量Δψと直前にS120で設定した進角ψn-1との和によってフィードバック制御に用いる進角ψを設定する(S120)。初めてS120を行う場合は前回の進角ψn-1は基準進角ψbaseを用いる。
次に、レンズIC111は、進角ψが上限値であるψlimitを超過していないかを判定し(S121)、超過していれば進角ψを進角の上限値ψlimitで再設定し(S122)、超過していなければ、あるいは、S122の後でS123に移行する。S122によって特性曲線の線形区間を逸脱する進角になることを回避することができる。
従来は、S122で設定される上限値は定数であり、上限値を求める特性曲線は実際の特性曲線でなく、また、線形区間の最大値でもなかったため、ばらつきによってフィードバック制御において脱調のおそれがあった。本実施形態では、実際の特性曲線の線形区間の最大値が進角の上限値に設定されるので、脱調を確実に回避することができる。
S123では、レンズIC111は、S111同様に、ステッピングモータ106aを駆動する励磁信号を生成する。励磁信号はS120ないしS122で設定された進角ψを基に生成されるため、ステータとマグネットロータとの位相関係を考慮した信号となる。その後、フローはS114へ移行する。
図7は、本実施例におけるステッピングモータ106aの駆動例をとしての、駆動速度の時間変化と進角の時間変化を示す図である。横軸は時間、縦軸はマグネットロータの角速度ω(実線)と進角ψ(破線)である。
停止状態から駆動を開始し、オープンループ制御で2段の加速を行った後(時間tOP→FB)でフィードバック制御に切り替え、目標角速度ωtargetまで加速する。その後、所定位置から減速を開始し、所定区間減速した後(時間tFB→OP)でオープンループ制御へと切り替え、2段の減速後に停止する。
駆動開始直後は低速であり、また加速中であるため進角は不安定な値をとる。特に本実施例のようにエンコーダの分解能が高くない(相対位置エンコーダの)場合は同領域におけるエンコーダの出力の信頼性は高くない。オープンループ制御の加速2段目を規定量駆動すると時間tOP→FB付近で進角も安定してくる。オープンループ制御からフィードバック制御に切り替えるタイミングで基準進角ψbaseを取得し、以降のフィードバック制御で利用する。
本実施例では制御方式を切替えるタイミングで基準進角を設定したが、エンコーダの出力信号から算出される進角が安定していれば加速1段目から2段目の切り替わり時でも、また安定した段階で基準進角を取得してもよい。
時間tOP→FB後はフィードバック制御に移行し、目標角速度ωtargetまで加速する。進角の変化に遅れて角速度は追従するため、一時的に大きな進角を設定する場合がある。しかし進角の上限値ψlimitを設けているため、90度付近までの進角が設定されることはなく脱調することはない。フィードバック制御の定常領域に入ると進角もほぼ一定の値をとる。減速区間に入ると徐々に進角を小さくすることで角速度を遅くしていき、所定角速度まで減速後に時間tFB→OPでオープンループ制御へ切替え、停止精度が確保される角速度まで減速後に停止する。
本実施例のフォーカスモータユニットは、図1、図2の構成に加え、ステッピングモータ106aに印加される電圧を測定する電圧測定手段を更に有する。
図8は、ステッピングモータ106aに印加する電圧別の角速度と進角の特性曲線を示す図である。特性曲線Curve00の印加電圧はVであり、特性曲線Curve01及びCurve02の印加電圧はそれぞれV、Vである。印加電圧には、V<V<Vの関係があり、いずれもステッピングモータ106aの定格電圧内の値である。ステッピングモータ106aに印加される電圧が大きければより大きなトルクが発生するため、特性曲線の軌跡は印加電圧によって異なる。
よりも大きな印加電圧Vをかけた場合の特性曲線Curve01は、特性曲線Curve00に比べると同じ進角であっても得られるトルクは大きく、その結果より速い角速度が得られる。また進角が90度以上の領域でも、特性曲線Curve00に比べて大きな進角で脱調する。
よりも小さな印加電圧Vをかけた場合の特性曲線Curve02は、特性曲線Curve00に比べると同じ進角であっても得られるトルクは小さくなるため、角速度も遅くなる。またVのように印加電圧が小さいと進角90度を超えた直後に脱調を迎える場合もある。
図8において、線形区間の最大の進角値は、印加電圧別にψ0、limit、ψ1、limit、ψ2、limitで表わされ、ψ1、limit<ψ0、limit<ψ2、limitの関係がある。また、傾きは、dω/dψ<dω/dψ<dω/dψの関係がある。このように、線形区間の最大の進角値と傾きは印加電圧によって変化する。従って、基準進角を取得するタイミングでステッピングモータ106aに印加される電圧も同時に測定し、印加電圧と基準進角から進角の上限値を定める。
本実施例の記憶手段は、印加電圧毎に線形区間の傾きdω/dψと基準進角に対応する進角の上限値の算出関数を記憶してもよいし、印加電圧を変数として傾きdω/dψを求める関数を記憶してもよい。
図9は、実施例2のレンズIC111によるフォーカスレンズ105の駆動制御方法を示すフローチャートであり、「S」はステップを表す。図9が図6と異なるのはS201〜S203が追加されている点であり、以下、それらの相違点について説明する。
S201は、S108とS109の間に配置され、S201は基準進角を取得する(S108)際に(基準進角を取得する時間と同時かその前後で時間差が閾値以下のタイミングで)実行される。S201で、レンズIC111は、ステッピングモータ106aに印加している電圧値を、モータ印加電圧測定手段によって測定(検出)し、これを取得する。測定される電圧はステッピングモータ106aに印加する電圧であることが好ましいが、カメラ本体から交換レンズに供給される電圧から求めてもよく、カメラの構成要素である不図示のバッテリの残量から間接的に導出してもよい。S201によってステッピングモータ106aに印加される電圧が測定され、記憶手段に記憶される印加電圧と比較が行われる。測定値に最も近い記憶手段の印加電圧を選択し、選択された印加電圧に対応する特性曲線の傾きdω/dψ、及び進角上限値の算出関数を読み出す。また選択された印加電圧についてもS113の停止処理が実行されるまでは記憶しておく。もちろん、測定値に対応する特性曲線を数式や補完により算出してもよい。次に、S109に移行する。
S202は、S114でnoとなった場合にS116を行う前に実行される。S202で、レンズIC111は、フィードバック制御において定速状態あり、かつ、ステッピングモータ106aへの印加電圧が変化したかを判定、そうであればS203へ移行し、そうでなければS116へ移行する。駆動中に印加電圧が変化した場合、角速度と進角の関係が変化するため、フィードバック制御中であっても角速度と進角の関係を再設定する。
S203では、レンズIC111は、印加電圧変化に伴い、進角の上限値ψlimitを再設定する。再設定するために、S201で行ったように、測定した印加電圧に最も近い記憶手段の印加電圧を選択し、進角の上限値ψlimitを再設定する。フィードバック制御における速度むらを考慮して、S109での設定と比べて脱調に対してマージンをもった進角の上限値設定が好ましい。S203の後でフローはS116へ移行し、フィードバック制御での駆動が行われる。
本実施例は、印加電圧を考慮して角速度と進角の特性をより正確に把握することができ、フィードバック制御においてステッピングモータ106aの脱調をより確実に防止することができる。
実施例3は、図1に示す実施例1と同一の構成を有し、進角の上限値の設定において実施例1と異なる。実施例3は、基準進角に定数を加算した値を進角の上限値として設定する。ステッピングモータ106aに印加する電圧を一定とすると、特性曲線の線形区間の傾きdω/dψは一定である。
基準進角に定数を加算することは、基準進角における角速度から所定の角速度までの変化を表わすことと同義である。基準進角は所定の角速度の時に取得し、定数の加算による進角の上限値の設定は角速度の上限値を設定することと同義である。
図10は、負荷トルクの変動による角速度と進角の特性の変化を示す図である。同図において、負荷トルクが小さい順にCurve03、Curve04、Curve05の特性曲線が得られる。負荷トルクが変動しても特性曲線における線形性領域の傾きdω/dψはほぼ一定である。基準進角を角速度ω=800ppsで取得するとき、各特性曲線における基準進角ψ3、800、ψ4、800、ψ5、800は異なる値をとる。負荷トルクが小さいほど、基準進角は小さくなる傾向にある。特性曲線の線形区間においては、基準進角に定数を加算した値に対応する角速度は同じ値となる。
図10に示すように、2000ppsを角速度ωの上限値として設けたい場合は、基準進角(ψ3、800、ψ4、800、ψ5、800)に定数を加算した値を進角の上限値(ψ3、limit、ψ4、limit、ψ5、limit)とする。
本発明は、基準進角を求め、これに対応する角速度と進角の実際の関係を取得し、フィードバック制御の角速度の上限値や進角の上限値を設定するのに使用している。駆動毎に基準進角を求めることで、個体間のばらつきだけでなく、温度や姿勢などの使用環境の変化によって生じるモータの性能変化や負荷トルクの変化を考慮することができる。また、角速度と進角の特性曲線において、特に線形性に着目したことで、線形性の領域内で進角を変化させることで脱調となる90度以上の進角が設定されることがない。また線形区間以降の進角では90度を最大値として特性曲線の傾きが緩やかになることから、進角の変化によるトルクの増減量が線形区間に比べると小さくなる。また角速度偏差から進角を求める際に、線形的であれば角速度偏差との積で進角の変位量を求めることができる。複雑な計算式を必要とせず、計算時間が短く済み、高速駆動の実現を可能にする。
本発明の光学機器は、交換レンズ、レンズ一体型カメラ、交換レンズとそれが装着されるカメラ本体からなるカメラシステムに適用することができる。
100…カメラシステム(光学機器)、106a…ステッピングモータ、107…エンコーダ、111…レンズIC(レンズ制御手段)

Claims (13)

  1. 励磁電流の供給に基づいて回転磁界を生じる励磁コイルを有するステータと、前記ステータの発生する回転磁界を受けることで回転するマグネットロータと、を有するステッピングモータの制御装置であって、
    前記ステッピングモータの回転に応じた信号を生成するエンコーダと、
    前記エンコーダが生成する前記信号から前記ステッピングモータの回転位置を検出する回転位置検出手段と、
    前記エンコーダが生成する前記信号の時間的変化から前記ステッピングモータの角速度を算出する角速度算出手段と、
    前記励磁電流と前記回転位置検出手段の出力との位相差である進角を算出する進角算出手段と、
    前記ステッピングモータの前記進角と前記角速度の関係を表す情報を記憶する記憶手段と、
    オープンループ制御およびフィードバック制御によって前記ステッピングモータを制御する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、オープンループ制御中に前記角速度算出手段が算出した所定の角速度において前記進角算出手段が算出した進角を基準進角として取得し、前記記憶手段に記憶された前記情報と、前記所定の角速度および前記基準進角に基づいて、フィードバック制御における前記進角の上限値を設定することを特徴とするステッピングモータの制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記ステッピングモータの前記進角と前記角速度の関係において、前記進角と前記角速度の線形性が維持される区間の前記進角の最大値を前記進角の上限値として設定することを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの制御装置。
  3. 前記進角の上限値は、0度よりも大きく90度よりも小さい値に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載のステッピングモータの制御装置。
  4. 前記ステッピングモータが前記オープンループ制御から前記フィードバック制御に切り替えられる速度で回転しているときに、前記制御手段は、前記基準進角を取得することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のステッピングモータの制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記ステッピングモータが所定時間を超えて定速回転している場合に前記基準進角を取得することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のステッピングモータの制御装置。
  6. 前記ステッピングモータに印加される電圧を測定する電圧測定手段を更に有し、
    前記記憶手段は、前記電圧ごとに前記ステッピングモータの前記進角と前記角速度の関係を表す前記情報を記憶し、
    前記制御手段は、前記基準進角を取得する際に前記電圧測定手段から前記電圧の情報を取得し、前記記憶手段に記憶された前記情報と、前記所定の角速度、前記基準進角および前記電圧の情報を対応付けることにより、前記フィードバック制御における前記進角の上限値を設定することを特徴とする請求項1乃至5のうちずれか1項に記載のステッピングモータの制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記基準進角に定数を加算して前記進角の上限値を算出することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のステッピングモータの制御装置。
  8. 前記進角と前記角速度の関係を表す前記情報は、前記進角と前記角速度の前記関係を表す特性曲線の全領域の式であることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載のステッピングモータの制御装置。
  9. 前記進角と前記角速度の関係を表す前記情報は、前記線形性が維持される前記区間の直線の式であることを特徴とする請求項2に記載のステッピングモータの制御装置。
  10. 前記進角と前記角速度の関係を表す前記情報は、前記基準進角に対応する前記進角の上限値のデータ列であることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のステッピングモータの制御装置。
  11. 前記進角と前記角速度の関係を表す前記情報は、前記基準進角と前記進角の上限値との関係を関数化した情報であることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載のステッピングモータの制御装置。
  12. 請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載のステッピングモータの制御装置を有することを特徴とする光学機器。
  13. 励磁電流の供給に基づいて回転磁界を生じる励磁コイルを有するステータと、前記ステータの発生する回転磁界を受けることで回転するマグネットロータと、を有するステッピングモータの制御方法であって、
    前記ステッピングモータの回転に応じた信号を生成するエンコーダが生成する前記信号から前記ステッピングモータの回転位置を検出するステップと、
    前記エンコーダが生成する前記信号の時間的変化から前記ステッピングモータの角速度を算出するステップと、
    前記励磁電流と前記回転位置を表す出力との位相差である進角を算出するステップと、
    前記ステッピングモータの前記進角と前記角速度の関係を表す情報を記憶するステップと、
    オープンループ制御によって前記ステッピングモータを制御している際に算出された所定の角速度における進角を基準進角として取得し、記憶された前記情報と、前記所定の角速度および前記基準進角に基づいて、フィードバック制御によって前記ステッピングモータを制御する際の前記進角の上限値を設定することを特徴とするステッピングモータの制御方法。
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