JP2015023631A - 電磁界抑制器、それを用いたワイヤレス送電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】自動的にチューニング可能な電磁界抑制器を提供する。
【解決手段】アンテナ60は、コイルLPXを含む。自動チューニング補助回路100は、アンテナ60とカップリングされる。自動チューニング補助回路100の第1端子P1および第2端子P2は、アンテナ60とカップリングされる。複数のスイッチは、N個(Nは自然数)の補助キャパシタCと、第1端子、第2端子の間に設けられる。コントローラ102は、複数のスイッチSWそれぞれを、ワイヤレス送電器と同期してスイッチングする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ワイヤレス給電技術に関する。
近年、携帯電話端末やノート型コンピュータなどの電子機器、あるいは電気自動車に対する給電技術として、ワイヤレス(非接触)電力伝送が着目されている。ワイヤレス送電は、主に電磁誘導型、電波受信型、電場・磁場共鳴型、の3つに分類される。
電磁誘導型は短距離(数cm以内)において利用され、数百kHz以下の帯域で数百Wの電力を伝送することができ、電力の利用効率は60〜98%程度となっている。
数m以上の比較的長い距離に給電する場合、電波受信型が利用される。電波受信型では、中波〜マイクロ波の帯域で数W以下の電力を伝送することができるが、電力の利用効率は低い。数m程度の中距離を、比較的高い効率で給電する手法として、電場・磁場共鳴型(以下、単に共鳴型という)が着目されている(非特許文献1参照)。
図1は、比較技術に係るワイヤレス送電システムを示す図である。ワイヤレス送電システム1rは、ワイヤレス送電器(Wireless Power Transmitter)2rおよびワイヤレス受電器(Wireless Power Receiver)4rを備える。ワイヤレス送電器2rは、送信コイル(1次コイル)LTX、共振用キャパシタCTX、交流電源22を備える。ワイヤレス受電器4rは、受信コイル(2次コイル)LRX、共振用キャパシタCRX、整流回路42、平滑コンデンサ44、負荷46を備える。
共鳴型のワイヤレス電力伝送システムは、ケーブルレスで充電できるという利便性から、電気自動車の充電システムなど、幅広い応用が期待されている。その一方で解決すべき課題のひとつとして、ワイヤレス送電器と他の機器の電磁干渉(EMI:Electromagnetic Interferece)がある。すなわち、ワイヤレス送電器2rの送信コイルLTXに駆動電流が流れることにより、送信コイルLTXと鎖交する磁束Φが発生する。このとき、送信コイルLTXと受信コイルLRXの結合係数κが1であれば、すべての磁束Φが受信コイルLRXとも鎖交する。
共鳴型のワイヤレス電力伝送システムでは、結合係数κが1より小さい状態で動作することが多く、送信コイルLTXと鎖交する磁束Φのうち、一部Φ12は受信コイルLRXと鎖交し、この磁束Φ12に応じた磁界が電力信号S1としてワイヤレス受電器4rに送信される。一方、送信コイルLTXが発生する磁束Φのうち、電力信号S1に寄与しない成分、すなわち受信コイルLRXと鎖交しない成分Φ11は、漏洩磁界S2となり外部の機器に干渉する。
放射界を用いた電波受信型の送電システムでは、電波を遮蔽するための金属シールを配置すれば足りる場合が多く、EMI対策は比較的簡単である。一方、共鳴型ワイヤレス送電システムでは、結合係数κが1より小さい系において、送信コイル(1次コイル)が発生する磁束Φを利用して電力伝送を行うものであるから、漏洩磁界に起因するEMIの低減は、その機能と本質的に矛盾するものであり、このことが共鳴型ワイヤレス送電システムにおけるEMI対策を難しくしている。
たとえば特許文献1には、漏洩磁界を低減するために、直列に設けられたコイルアンテナおよびコンデンサを含むノイズキャンセル回路が開示されている。このノイズキャンセル回路は、漏洩磁界と逆相の磁界を発生させ、これにより漏洩磁界を打ち消している。
国際公開第10/001540号パンフレット 特表2003−521049号公報 特表2001−507451号公報 特開2010−278518号公報
A. Karalis, J.D. Joannopoulos, M. Soljacic、「Efficient wireless non-radiative mid-range energy transfer」、ANNALS of PHYSICS Vol. 323, pp.34-48, 2008, Jan.
特許文献1の構成では、低減できる磁界の周波数が、ノイズキャンセル回路の共振周波数の近傍に限定される。したがって、周波数が変動するシステムに適用することが難しい。加えて、高効率な電力伝送を実現するためには、ワイヤレス送電器およびワイヤレス受電器を含む系全体において、共振条件を満たす必要がある。ワイヤレス受電器は移動するため、アンテナ間の結合係数は時々刻々と変化し、その結果、共振条件も時々刻々と変動する。共振条件の変動にともない、ノイズキャンセル回路の近傍の漏洩磁界の位相も変動する。特許文献1の構成では、漏洩磁界のある位相であるときにはそれをキャンセルすることができるが、位相変動が生ずると、それをキャンセルすることができない。この問題は、コンデンサの容量値を可変とし、キャンセルすべき漏洩磁界の位相に応じて容量値を制御することにより解決可能であるかのように思われる。しかしながら現実的には、刻々と変化する漏洩磁界の位相を検出することは極めて難しい。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、漏洩電磁界を低減する抑制器の提供にある。
本発明のある態様は、共鳴型のワイヤレス送電システムに使用される電磁界抑制器に関する。電磁界抑制器は、コイルを含むアンテナと、アンテナと直列にカップリングされる自動チューニング補助回路と、を備える。自動チューニング補助回路は、アンテナと接続される第1端子および第2端子と、N個(Nは自然数)の補助キャパシタと、それぞれが、第1端子、第2端子、N個の補助キャパシタの端子のうち2つの間に設けられた複数のスイッチと、複数のスイッチそれぞれを、ワイヤレス送電器が送信する電力信号の周波数の整数倍のスイッチング周波数で、ワイヤレス送電器と同期してスイッチングするコントローラと、を備える。
本発明の別の態様もまた、電磁界抑制器である。この電磁界抑制器は、コイルを含むアンテナと、アンテナとカップリングされる自動チューニング補助回路と、を備える。自動チューニング補助回路は、N個(Nは自然数)の補助キャパシタと、アンテナに流れる電流によってN個の補助キャパシタそれぞれを充電および放電するために設けられた複数のスイッチと、複数のスイッチをスイッチングすることにより、N個の補助キャパシタそれぞれの両端間にキャパシタ電圧を発生させるとともに、N個の補助キャパシタそれぞれのキャパシタ電圧に応じた補正電圧を、アンテナに印加せしめるコントローラと、を備える。
本発明のさらに別の態様もまた、電磁界抑制器である。この電磁界抑制器は、コイルを含むアンテナと、アンテナとカップリングされ、アンテナに補正電流を注入し、またはアンテナから補正電流を引き抜く自動チューニング補助回路と、を備える。自動チューニング補助回路は、アンテナとカップリングされる第1端子および第2端子と、N個(Nは自然数)の補助コイルと、それぞれが、第1端子、第2端子、N個の補助コイルの端子のうち2つの間に設けられた複数のスイッチと、複数のスイッチそれぞれを、ワイヤレス送電器が送信する電力信号の周波数の整数倍のスイッチング周波数で、ワイヤレス送電器と同期してスイッチングするコントローラと、を含む。
本発明のさらに別の態様もまた、電磁界抑制器である。この電磁界抑制器は、コイルを含むアンテナと、アンテナとカップリングされ、アンテナに補正電流を注入し、またはアンテナから補正電流を引き抜く自動チューニング補助回路と、を備える。自動チューニング補助回路は、補助コイルを含み、(1)補助コイルがアンテナにカップリングされて、補助コイルに流れる電流に応じた補正電流を、アンテナに注入しもしくはアンテナから引き抜く第1状態と、(2)補助コイルがアンテナから切り離され、補助コイルに流れる電流が、アンテナとは独立した電流経路に流れる第2状態と、を交互に繰り返すよう構成される。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、漏洩電磁界を低減できる。
比較技術に係るワイヤレス送電システムを示す図である。 実施の形態に係る電磁界抑制器を備えるワイヤレス送電システムの構成を示すブロック図である。 第1の実施例に係る電磁界抑制器を示す回路図である。 図4(a)〜(f)は、MOSFETを用いたスイッチの構成例を示す図である。 図3の電磁界抑制器の等価回路図である。 過渡状態および定常状態におけるコイル電流IPXを示す図である。 第2の実施例に係る電磁界抑制器を示す回路図である。 第3の実施例に係る電磁界抑制器を示す回路図である。 図8の中継器の動作波形図である。 第1の変形例に係る電磁界抑制器を示すブロック図である。 第2の変形例に係る電磁界抑制器を示す回路図である。 第3の変形例に係る電磁界抑制器を示す回路図である。 第4の実施例に係る電磁界抑制器を示す回路図である。 図13の電磁界抑制器の動作波形図である。 図13の電磁界抑制器の等価回路図である。 図16(a)、(b)は、図13の自動チューニング補助回路の変形例を示す回路図である。 第5の実施例に係る電磁界抑制器を示す回路図である。 図17の電磁界抑制器の動作波形図である。 図17の自動チューニング補助回路の変形例を示す回路図である。 第6の実施例に係る電磁界抑制器を示す回路図である。 図21(a)〜(f)は、自動チューニング補助回路とアンテナのカップリングの変形例を示す回路図である。 第4の変形例に係る電磁界抑制器を示す回路図である。 第5の変形例に係る電磁界抑制器を示す回路図である。 ワイヤレス送電システムを使用した自動車用の充電システムを示す図である。 変形例に係るワイヤレス送電システムを示すブロック図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」、あるいは「部材Aが、部材Bとカップリングされた状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図2は、実施の形態に係る電磁界抑制器6を備えるワイヤレス送電システム1の構成を示すブロック図である。磁気共鳴型のワイヤレス送電システム1は、図1のワイヤレス送電器2およびワイヤレス受電器4に加えて、電磁界抑制器(Electromagnet Field Suppressor)6を備える。
ワイヤレス送電器2は、ワイヤレス受電器4に対して電力信号S1を送出する。電力信号S1は、電波になっていない電磁波の近傍界(電界、磁界、あるいは電磁界)が利用される。
ワイヤレス送電器2は、送信アンテナ20および電源22を備える。送信アンテナ20は、その一端と他端の間に設けられた送信コイルLTXを含む。共振用キャパシタCTXは、送信コイルLTXと直列に設けられる。共振用キャパシタCTXと送信コイルLTXは入れかえてもよい。
電源22は、送信アンテナ20の両端間に、所定の送信周波数fTXを有する交流の駆動電圧VDRVを印加する。駆動電圧VDRVは、矩形波、台形波、正弦波をはじめとする任意の交流波形であって構わない。電源22は、送信アンテナ20に所定の送信周波数fTXを有する交流電流を供給する電流源であってもよい。送信アンテナ20の送信コイルLTXは、送信コイルLTXに流れる電流に応じて、磁束Φを発生させ、電力信号S1として送信する。
ワイヤレス受電器4は、ワイヤレス送電器2から送信される電力信号S1を受ける。
ワイヤレス受電器4は、受信アンテナ40、整流回路42、平滑コンデンサ44、負荷46を備える。
受信アンテナ40は、その一端と他端の間に直列に設けられた受信コイルLRXおよび共振用キャパシタCRXを含む。磁束Φ1のうち、その一部Φ11が受信コイルLRXと鎖交し、受信コイルLRXには電磁誘導により磁束Φ11の時間変化率に比例した誘導電流が流れる。整流回路42および平滑コンデンサ44は、受信コイルLRXに流れる電流を整流、平滑化する。平滑コンデンサ44に生ずる電圧は負荷46に供給される。
つまり、ワイヤレス送電器2の送信コイルLTXが発生する磁界のうち、送信コイルLTXおよび受信コイルLRXと鎖交する成分が、電力信号S1に相当する。電力信号S1に寄与しない残りの磁束Φ11が、EMIなどの規格により制限の対象となる漏洩磁界S2の原因となる。
実施の形態に係る電磁界抑制器6は、ワイヤレス送電器2が発生する漏洩磁界S2のうち、外部機器に影響を及ぼすおそれがある一部を局所的に低減する。以下、電磁界抑制器6の構成について説明する。
電磁界抑制器6は、アンテナ60および自動チューニング補助回路(ATAC:Automatic Tuning Assist Circuit)100を備える。アンテナ60は、直列に接続されたコイルLPXおよび共振用キャパシタCPXを含む。なお共振用キャパシタCPXは省略してもよい。自動チューニング補助回路100は、アンテナ60とカップリングされる。
自動チューニング補助回路100は、大きく分けて、キャパシタを用いるタイプ(キャパシタ型という)と、インダクタを用いるタイプ(インダクタ型)に分類される。以下、前者を第1の実施の形態において、後者を第2の実施の形態において説明する。
1. 第1の実施の形態
第1の実施の形態では、キャパシタ型の自動チューニング補助回路100を用いた電磁界抑制器6について説明する。
1.1 第1の実施例
図3は、第1の実施例に係る電磁界抑制器6を示す回路図である。
図3の電磁界抑制器6において、自動チューニング補助回路100は、第1端子P1、第2端子P2、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1補助キャパシタCA1、コントローラ102を備える。第1端子P1および第2端子P2の一方は、その電位が固定される。本実施の形態では、第2端子P2が接地されて、その電位が接地電圧VGNDに固定されるものとする。なお、電位を固定すべきノードは、第1端子P1または第2端子P2には限定されず、その他のノードの電位を固定してもよい。
第1スイッチSW1および第1補助キャパシタCA1は、第1端子P1と第2端子P2の間に直列に設けられる。第1スイッチSW1と第1補助キャパシタCA1は入れ替えてもよい。第2スイッチSW2は、第1端子P1と第2端子P2の間に、第1スイッチSW1および第1補助キャパシタCA1に対して並列に設けられる。第1補助キャパシタCA1の容量値は、共振用キャパシタCPXに比べて十分に大きいことが望ましい。
コントローラ102は、複数のスイッチSW1、SW2それぞれを、ワイヤレス送電器2から放射される電力信号S1の整数倍の周波数でスイッチングする。スイッチング周波数は、低減すべき漏洩磁界S2の周波数であり、本実施の形態では、理解の容易化と説明の簡潔化のため、スイッチング周波数と電力信号S1の周波数が等しい場合を説明する。
本実施の形態において、コントローラ102は、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2を、電力信号S1と同じ周波数で、かつワイヤレス送電器2において送信アンテナに印加される駆動電圧(VDRV)に対してある位相差θPXで相補的にスイッチングする。
θPXは、漏洩磁界S2が最も低減される値に最適化される。具体的にはθPXは、送電コイルLTX、受電コイルLRXおよびコイルLPXの位置関係、具体的には、それらの距離、向き、コイルの結合係数等に応じて変化する。
第1スイッチSW1、第2スイッチSW2は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、バイポーラトランジスタ等を用いて構成できる。図4(a)〜(f)は、MOSFETを用いたスイッチの構成例を示す図である。
図4(a)は、Nチャンネル、図4(b)は、PチャンネルのMOSFETを用いた構成を示す。MOSFETのバックゲートをソースと接続すると、バックゲートとドレイン間のボディダイオードがゲート電圧によらずに導通状態となる。したがって、MOSFETを単体で用いたスイッチでは、片方向に対する電流を阻止することができない。本明細書においてこのようなスイッチを片方向スイッチという。
図4(c)〜(f)のスイッチは、2つのNチャンネルMOSFET、もしくは2つのPチャンネルMOSFETが、それらのボディダイオードが逆向きとなるように接続される(バックトゥバック接続)。図4(c)〜(f)では、オフ状態において、いずれの方向にも電流が流れない。本明細書においてこのようなスイッチを、双方向スイッチという。
本実施の形態において、各スイッチSW1、SW2は、片方向スイッチ、両方向スイッチのいずれでも構成することができる。なお、片方向スイッチを用いる場合、それらのスイッチングの位相に注意を払う必要がある。これについては後述する。
以上が第1の実施例に係る電磁界抑制器6の構成である。続いて電磁界抑制器6の動作を説明する。
コントローラ102は、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2を、ワイヤレス送電器2と同期して、より具体的には駆動電圧VDRVと同じ周波数で、かつ駆動電圧VDRVに対してある最適な位相差θPXにて相補的にスイッチングする。
コイル電流IPXは、第1スイッチSW1のオン時間TON1において第1補助キャパシタCA1に流れ、第2スイッチSW2のオン時間TON2において、第2スイッチSW2を介して接地に流れる。つまり、第1補助キャパシタCA1は、コイル電流IPXによって充放電され、その結果、第1補助キャパシタCA1には、キャパシタ電圧VCA1が発生する。
図5は、図3の電磁界抑制器6の等価回路図である。自動チューニング補助回路100は、アンテナ60の一方の端子に補正電圧Vを印加する。補正電圧Vは、第1スイッチSW1がオンの期間TON1において、第1補助キャパシタ電圧VCA1をとり、第2スイッチSW2がオンの期間TON2において、接地電圧VGNDをとる。自動チューニング補助回路100は、補正電圧Vをアンテナ60に印加する補正電源と把握することができる。
図6は、過渡状態および定常状態におけるコイル電流IPXを示す図である。なお、本明細書における波形図やタイムチャートの縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。
波形(I)は、過渡状態におけるコイル電流IPXを示す。スイッチSW1がオンの期間TON1において、第1補助キャパシタCA1は、コイル電流IPXによって充放電される。具体的には、第1補助キャパシタCA1は、コイル電流IPXが正の期間に充電され、負の期間に放電される。その結果、正の期間が長ければキャパシタ電圧VCA1は増大し、負の期間が長ければキャパシタ電圧VCA1は低下する。
あるサイクルのオン時間TON1において、キャパシタ電圧VCA1が増大する。そして、増大したキャパシタ電圧VCA1に応じた補正電圧Vがアンテナ60に印加される。そうすると、次のサイクルでは、コイル電流IPXの位相が前のサイクルより進む。これを繰り返すと、キャパシタ電圧VCA1がサイクル毎に増加しながら、コイル電流IPXの位相が徐々に進んでいき、安定点までシフトしていく。コイル電流IPXの位相が進みすぎると、反対に第1補助キャパシタCA1の放電電流の方が大きくなり、キャパシタ電圧VCA1が低下する方向にフィードバックがかかり、安定点に引き戻される。安定点では1サイクルでの第1補助キャパシタCA1の充電電流と放電電流がバランスし、キャパシタ電圧VCA1が平衡状態となり、波形(II)に示すように、コイル電流IPXの位相が安定する定常状態となる。
つまり、実施の形態に係る電磁界抑制器6によれば、アンテナ60に流れるコイル電流IPXの位相を、第1スイッチSW1のスイッチングの位相と同期してロックすることができる。つまり電磁界抑制器6が発生する磁界の位相を、任意の箇所で固定することができ、電磁界抑制器6が発生する磁界により、ワイヤレス送電器2が発生する漏洩磁界S2を打ち消すことができ、コイルLPXの近傍の磁界が低減される。
また漏洩磁界S2の強度は微弱であるため、アンテナ60に流れるコイル電流IPXも十分に小さいため、自動チューニング補助回路100は小さな電流容量のトランジスタ素子を用いて構成することができる。
電磁界抑制器6を用いたワイヤレス送電システム1において、漏洩磁界S2を抑制するためには、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2を適切な周波数fおよび位相θPXでスイッチングさせる必要がある。そこでワイヤレス送電器2から電磁界抑制器6に対して、周波数fTXおよび位相θRXを示すデータを送信してもよい。あるいは電磁界抑制器6は、位相θPXをスイープし、最適な位相θPXを検出してもよい。後述の実施例においても同様である。
1.2 第2の実施例
続いて電磁界抑制器の第2の実施例について説明する。図7は、第2の実施例に係る電磁界抑制器6aを示す回路図である。図7の電磁界抑制器6aにおいて、自動チューニング補助回路100aは、2個の補助キャパシタを備える。
自動チューニング補助回路100aは、図3の第1端子P1、第2端子P2、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1補助キャパシタCA1、コントローラ102に加えて、第2補助キャパシタCA2を備える。第2補助キャパシタCA2は、第1端子P1と第2端子P2の間に、第2スイッチSW2と直列に設けられる。第2スイッチSW2と第2補助キャパシタCA2は入れ替えてもよい。
図7の自動チューニング補助回路100aにおいて、補正電圧Vは、第1スイッチSW1のオン時間TON1においてキャパシタ電圧VCA1と等しくなり、第2スイッチSW2のオン時間TON2においてキャパシタ電圧VCA2と等しくなる。
自動チューニング補助回路100aを備える電磁界抑制器6aによれば、キャパシタ電圧VCA1、VCA2が自動的に最適化され、これによりコイル電流IPXの位相を、第1スイッチSW1のスイッチングの位相と同期してロックすることができる。
1.3 第3の実施例
続いて電磁界抑制器の第3の実施例について説明する。図8は、第3の実施例に係る電磁界抑制器6bを示す回路図である。図8の電磁界抑制器6bにおいて、自動チューニング補助回路100bは、1個の補助キャパシタを備える点で第1の実施例と共通するが、複数のスイッチのトポロジーが第1の実施例と異なっている。
自動チューニング補助回路100bは、第1端子P1、第2端子P2、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3、第4スイッチSW4、第1補助キャパシタCA1、コントローラ102bを備える。
第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4は、いわゆるHブリッジ(フルブリッジ)回路を構成している。具体的には、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、第1端子P1と第2端子P2の間に直列に設けられる。第3スイッチSW3および第4スイッチSW4は、第1端子P1と第2端子P2の間に、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2に対して並列な経路上に順に直列に設けられる。
第1補助キャパシタCA1は、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2の接続点N1と、第3スイッチSW3と第4スイッチSW4の接続点N2との間の設けられる。第1補助キャパシタCA1の容量値は、共振用キャパシタCPXに比べて十分に大きいことが望ましい。
第1スイッチSW1から第4スイッチSW4は、片方向スイッチで構成してもよい。この場合、コントローラ102bは、第1スイッチSW1から第4スイッチSW2を、それぞれの逆導通素子に電流が流れない位相θPXでスイッチングする。つまり、位相θPXが制約を受ける。
あるいは第1スイッチSW1から第4スイッチSW4は、双方向スイッチで構成してもよい。この場合、コントローラ102bスイッチングの位相θPXの制約を緩和できる。
以上が電磁界抑制器6bの構成である。続いてその動作を説明する。
図9は、図8の電磁界抑制器6bの動作波形図である。図9は上から順に、第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4、補正電圧V、アンテナ60に流れる共振電流IPX、中継コイルLPXと共振用キャパシタCPXの両端間の共振電圧VPXを示す。スイッチを示す波形は、ハイレベルがオン状態を、ローレベルがオフ状態を示す。また共振電流IPXおよび共振電圧VPXは、自動チューニング補助回路100bを動作させてから十分な時間が経過した後の定常状態における波形を示す。
第1スイッチSW1および第4スイッチSW4を含む第1のペアは、ワイヤレス送電器側の駆動電圧VDRVに対してある位相差θPXで相補的にスイッチングされる。第2スイッチSW2および第3スイッチSW3を含む第2のペアは、第1のペアと相補的にスイッチングされる。コイル電流IPXは、第1のペアのオン時間TON1において、第1スイッチSW1、第1補助キャパシタCA1、第4スイッチSW4を含む経路に流れ、第2のペアのオン時間TON2において、第2スイッチSW2、第1補助キャパシタCA2、第3スイッチSW3を含む経路に流れる。
第1補助キャパシタCA1は、コイル電流IPXによって充放電され、その結果、第1補助キャパシタCA1には、キャパシタ電圧VCA1が発生する。自動チューニング補助回路100bは、アンテナ60の一端に補正電圧Vを印加する。補正電圧Vは、第1のペアがオンの期間TON1において第1の極性をとり、第2のペアがオンの期間TON2において第2の極性をとる。自動チューニング補助回路100bは、補正電圧Vをアンテナ60に印加する補正電源と把握することができる。すなわち、電磁界抑制器6bの等価回路は、図5の等価回路と同等とみなすことができ、その動作原理も同様であることがわかる。
そしてキャパシタ電圧VCA1に応じた補正電圧Vがアンテナ60に印加されることにより、コイル電流IPXの位相がロックされる。つまりスイッチSW1〜SW4の位相θPXを最適化することにより、漏洩磁界S2を打ち消す磁界を発生することができる。
(第1の実施の形態のまとめ)
第1、第2の実施例では、補助キャパシタが1個、または2個の場合を説明したが、当業者であれば、任意の個数の補助キャパシタを用いて、同様の機能を奏する回路を構成しうることが理解されよう。
また、第1、第2の実施例では、スイッチが2個の場合、第3の実施例では、スイッチが4個の場合を説明したが、当業者によれば、複数のスイッチのトポロジーも、補助キャパシタの個数に応じて適宜配置しうる。
つまり、第1から第3の実施例に具現化される第1の実施の形態に係る発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。
(第1の技術的思想)
自動チューニング補助回路100は、アンテナ60とカップリングされる第1端子P1および第2端子P2と、N個(Nは自然数)の補助キャパシタCA1〜CANと、複数M個(Mは自然数)のスイッチSW1〜SWMと、コントローラ102と、を備える。複数のスイッチSW1〜SWMはそれぞれ、第1端子P1、第2端子P2、N個の補助キャパシタCA1〜CANの端子のうち2つの間に設けられる。コントローラ102は、ワイヤレス送電器と同期して、より具体的にはワイヤレス送電器2において送信アンテナ20に印加される駆動電圧VDRVと同期して、複数のスイッチSW1〜SWMそれぞれをスイッチングする。
また、別の観点からみると、以下の技術的思想が導かれる。
(第2の技術的思想)
自動チューニング補助回路100は、N個(Nは自然数)の補助キャパシタCA1〜CANと、複数M個(Mは自然数)のスイッチSW1〜SWMと、コントローラ102と、を備える。複数のスイッチSW1〜SWMは、アンテナ60に流れる電流IPXによってN個の補助キャパシタCA1〜CANそれぞれを充電および放電できるように配置される。コントローラ102は、複数のスイッチSW1〜SWMをスイッチングすることにより、N個の補助キャパシタCA1〜CANそれぞれの両端間にキャパシタ電圧VCA1〜VCANを発生させるとともに、N個の補助キャパシタCA1〜CANそれぞれのキャパシタ電圧VCA1〜VCANに応じた補正電圧Vを、アンテナ60に印加させる。
(第1の実施の形態のまとめ)
したがって、第1から第3の実施例で説明した構成のみでなく、第1または第2の技術的思想によって導かれるさまざまな形式の自動チューニング補助回路が、本発明の技術的範囲に含まれる。
(第1の実施の形態の変形例)
続いて、第1の実施の形態に適用可能ないくつかの変形例を説明する。
(変形例1.1)
図10は、第1の変形例に係る電磁界抑制器6cを示すブロック図である。電磁界抑制器6cは、アンテナ60と、自動チューニング補助回路100と、トランスT1を備える。
電磁界抑制器6cにおいて、自動チューニング補助回路100は、トランスT1を介してアンテナ60と直列にカップリングされる。具体的には、トランスT1の2次巻線W2は第1端子P1と第2端子P2の間に設けられ、その1次巻線W1は、アンテナ60と直列に設けられる。
この電磁界抑制器6cでは、トランスT1を介してアンテナ60と自動チューニング補助回路100の間のエネルギーの授受が行われる。この構成によっても、これまで説明した電磁界抑制器6と同様の効果を得ることができる。
(変形例1.2)
図11は、第2の変形例に係る電磁界抑制器6gを示す回路図である。電磁界抑制器6gは、図2の電磁界抑制器6に加えて、電源回路62を備える。電源回路62は、アンテナ60および自動チューニング補助回路100の両端間に、交流電圧VACを印加する。交流電圧VACは、正弦波であってもよいし、矩形波であってもよい。矩形波の場合、電源回路62は、ハーフブリッジ回路、あるいはHブリッジ(フルブリッジ)回路で構成してもよい。交流電圧VACの周波数は、電力信号S1の周波数および自動チューニング補助回路100のスイッチング周波数と同じである。交流電圧VACの位相は、漏洩磁界S2が最も小さくなるように定めればよい。この変形例において、自動チューニング補助回路100の構成は特に限定されない。
この変形例によれば、アンテナ60の両端間の電圧は、交流電圧VACと自動チューニング補助回路100が生成する補正電圧VCAを合成した電圧となる。したがって、交流電圧VACの位相、振幅を調節することにより、コイルLPXが発生する磁束Φを制御できる。その結果、送信コイルLTXが発生する磁束と打ち消しあう振幅、位相を有する磁束Φを動的に生成できる。
(変形例1.3)
図12は、第3の変形例に係る電磁界抑制器6hを示す回路図である。電磁界抑制器6hは、図2の電磁界抑制器6に加えて、インピーダンス整合回路64を備える。インピーダンス整合回路64は、アンテナ60から見たインピーダンスZ、言い換えれば、アンテナ60を含むコイル電流が流れる経路のインピーダンスを調節するために設けられる。
この変形例によれば、インピーダンス整合回路64のインピーダンスを調節することにより、インピーダンス整合回路64の消費電力を制御できる。これにより電磁界抑制器6hが吸収する電力量を変化させることができ、漏洩磁界S2を低減することができる。
(変形例1.4)
第2の変形例と、第3の変形例の組み合わせも有効である。すなわち電磁界抑制器は、電源回路62とインピーダンス整合回路64の両方を備えてもよい。
2. 第2の実施の形態
第1の実施の形態では、キャパシタを用いた自動チューニング補助回路100を備える電磁界抑制器6について説明したが、キャパシタに代えて、インダクタを用いた構成も可能である。
2.1 第4の実施例
図13は、第4の実施例に係る電磁界抑制器6dを示す回路図である。電磁界抑制器6dの自動チューニング補助回路200は、アンテナ60とカップリングされ、アンテナ60に第1補正電流Iを注入(ソース)し、またはアンテナ60から補正電流Iを引き抜く(シンク)ように構成される。図13では、自動チューニング補助回路200は、アンテナ60に直接カップリングされる。本実施の形態では、アンテナ60から自動チューニング補助回路30に向かう向き(シンク)を、補正電流Iの正とする。
自動チューニング補助回路200は、第1端子P1、第2端子P2、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1補助コイルLA1、コントローラ202を備える。
第1端子P1、第2端子P2は、アンテナ60とカップリングされる。第1スイッチSW1および第1補助コイルLA1は、第1端子P1と第2端子P2の間に直列に設けられる。第1スイッチSW1および第1補助コイルLA1は入れ替えてもよい。第2スイッチSW2は、第1補助コイルLA1に対して並列に設けられる。
コントローラ202は、複数のスイッチSW1、SW2それぞれを、ワイヤレス送電器2から放射される電力信号S1の整数倍の周波数でスイッチングする。本実施の形態では、理解の容易化と説明の簡潔化のため、スイッチング周波数と電力信号S1の周波数が等しい場合を説明する。
自動チューニング補助回路200は、第1状態φ1と第2状態φ2を、電力信号S1と同じ周波数で交互に繰り返す。つまり本実施の形態では、スイッチング周波数と電力信号S1の周波数fTXは等しい。
第1状態φ1では、第1スイッチSW1がオン、第2スイッチSW2がオフし、第1補助コイルLA1がアンテナ60にカップリングされて、第1補助コイルLA1に流れる電流ILA1に応じた補正電流Iが、アンテナ60に注入され、もしくはアンテナ60から引き抜かれる。第2状態φ2では、第2スイッチSW2がオン、第1スイッチSW1がオフし、第1補助コイルLA1がアンテナ60から切り離され、第1補助コイルLA1に流れる電流ILA1が、アンテナ60とは独立した電流経路(SW2)に流れる。
コントローラ202は、第1状態φ1と第2状態φ2を、ワイヤレス送電器(不図示)において送信アンテナに印加される駆動電圧VDRVと同じ周波数fTXで、かつ駆動電圧VDRVに対して所定の位相差θPXで切りかえてもよい。
第1の実施の形態と同様に、各スイッチは、片方向スイッチであってもよいし、双方向スイッチであってもよい。なお、片方向スイッチを使用する場合、コントローラ202は、各スイッチを、それぞれの逆導通素子に電流が流れない位相でスイッチングする。
以上が電磁界抑制器6dの構成である。続いてその動作を説明する。
スイッチSW1、SW2はそれぞれ、オフ状態においていずれの方向にも電流を流さない双方向スイッチであるものとする。
図14は、図13の電磁界抑制器6dの動作波形図である。上から順に、コイルLPXと共振用キャパシタCPXの両端間の共振電圧VPX、アンテナ60に流れるコイル電流IPX、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、補正電流I、第1補助コイルLA1の電流ILA1を示す。コイル電流IPXおよび共振電圧VPXは、実線が自動チューニング補助回路200を動作させてから十分な時間が経過した後の定常状態における波形を、破線が自動チューニング補助回路200を動作させない過渡状態における波形を示す。
コントローラ202は、駆動電圧VDRVと同じ周波数で、かつ駆動電圧VDRVに対して所定の位相差θPXで、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2を相補的にスイッチングする。
第1状態φ1と第2状態φ2を繰り返すことにより、第1補助コイルLA1の電流ILA1の大きさおよび向きは、コイル電流IPXの位相が、第1スイッチSW1と同期したある点にロックされるように、自動的に調節される。
第2状態φ2では、電流ILA1は第2スイッチSW2を含むループに流れ、そのレベルは一定に保たれる。そして第1状態φ1では、電流ILA1が、補正電流Iとしてアンテナ60に供給される。つまり自動チューニング補助回路200は、補正電流Iをアンテナ60に供給する補正電流源と把握することができる。
図15は、図13の電磁界抑制器6dの等価回路図である。第1の実施の形態で説明したキャパシタを用いた自動チューニング補助回路100が補正電圧源と把握されるのに対して、コイルを用いた自動チューニング補助回路200は、補正電流Iをアンテナ60に供給する補正電流源と把握することができる。
第2の実施の形態においても、ワイヤレス送電器2から電磁界抑制器6dに対して、周波数fTXおよび位相θPXを示すデータを送信してもよい。あるいは電磁界抑制器6dは、位相θPXをスイープし、最適な位相θPXを検出してもよい。
以上が電磁界抑制器6dの動作である。
図13の電磁界抑制器6dによれば、第1の実施の形態と同様に、漏洩磁界S2を抑制することができる。
図16(a)、(b)は、図13の自動チューニング補助回路200の変形例を示す回路図である。これらの変形例では、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2は、片方向スイッチを用いて構成される。
図16(a)、(b)において、第1スイッチSW1は、片方向スイッチSW1aと、それと直列に設けられた整流ダイオードD1bを含む。整流ダイオードD1bは、片方向スイッチSW1aの逆導通素子である寄生ダイオード(ボディダイオード)D1aと逆向きに配置される。スイッチSW1aと整流ダイオードD1bの順序は入れ替えてもよい。
第2スイッチSW2も第1スイッチSW1と同様に構成され、片方向スイッチSW2aと、それと直列に設けられた整流ダイオードD2bを含む。整流ダイオードD2bは、片方向スイッチSW2aの寄生ダイオード(ボディダイオード)D2aと逆向きに配置される。スイッチSW2aと整流ダイオードD2bの順序は入れ替えてもよい。
整流ダイオードD1b、D2bを、寄生ダイオードD1a、D2aと逆向きに設けることにより、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2が意図せずにオンするのを防止することができる。
なお、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2を双方向スイッチで構成する場合、自動チューニング補助回路200は、正、負両方の補正電流Iを生成可能であった。これに対して、図16(a)の自動チューニング補助回路200aは、正の補正電流Iを生成できるが、負の補正電流Iは生成できない。反対に図16(b)の自動チューニング補助回路200bは、負の補正電流Iを生成できるが、正の補正電流Iは生成できない。したがって、図16(a)、(b)の自動チューニング補助回路200a、200bでは、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2のスイッチングの位相が制約される。
2.2 第5の実施例
図17は、第5の実施例に係る電磁界抑制器6eを示す回路図である。
自動チューニング補助回路200cは、図13の自動チューニング補助回路200に加えて、第3スイッチSW3、第4スイッチSW4、第2補助コイルLA2を備える。第3スイッチSW3および第2補助コイルLA2は、第1端子P1と第2端子P2の間に直列に設けられる。第3スイッチSW3および第2補助コイルLA2は入れ替えてもよい。第4スイッチSW4は、第2補助コイルLA2に対して並列に設けられる。コントローラ202は、第1状態φ1において第1スイッチSW1および第4スイッチSW4をオンし、第2状態φ2において第2スイッチSW2および第3スイッチSW3をオンする。
以上が電磁界抑制器6eの構成である。続いてその動作を説明する。
図18は、図17の電磁界抑制器6eの動作波形図である。
第1状態φ1では、第1補助コイルLA1がアンテナ60にカップリングされて、第1補助コイルLA1に流れる電流ILA1に応じた第1補正電流Iが、アンテナ60に注入され、もしくはアンテナ60から引き抜かれる。このとき、第2補助コイルLA2はアンテナ60から切り離され、第2補助コイルLA2に流れる電流ILA2が、アンテナ60とは独立した電流経路に流れる。
第2状態φ2では、第1補助コイルLA1がアンテナ60から切り離され、第1補助コイルLA1に流れる電流ILA1が、アンテナ60とは独立した電流経路に流れる。このとき、第2補助コイルLA2がアンテナ60にカップリングされて、第2補助コイルLA2に流れる電流ILA2に応じた第2補正電流IA2が、アンテナ60に注入され、もしくはアンテナ60から引き抜かれる。
つまり、2つの補助コイルLA1、LA2が相補的にアンテナ60にカップリングされ、補正電流IA1、IA2が交互にアンテナ60に供給される。別の観点から見ると図17の自動チューニング補助回路200aは、図13の自動チューニング補助回路200を2個備え、それらが逆相で動作するものと理解できる。そして、第1補助コイルLA1による補正電流IA1と、第2補助コイルLA2による補正電流IA2は逆極性となる。アンテナ60に供給される補正電流Iは、2つの補正電流IA1、IA2の合計となる。
この電磁界抑制器6eによれば、第4の実施例と同様の効果を得ることができる。
図19は、図17の自動チューニング補助回路200cの変形例を示す回路図である。この変形例では、第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4は、片方向スイッチを用いて構成される。図19の自動チューニング補助回路200dにおいて、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、図16(a)と同様に構成され、第3スイッチSW3および第4スイッチSW4は、図16(b)と同様に構成される。この変形例によっても、図17の自動チューニング補助回路200cと同様の効果を得ることができる。
2.3 第6の実施例
図20は、第6の実施例に係る電磁界抑制器6fを示す回路図である。
自動チューニング補助回路200eは、Hブリッジ回路を構成する第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4および第1補助コイルLA1を備える。具体的には、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、第1端子P1と第2端子P2の間に直列に設けられる。第3スイッチSW3および第4スイッチは、第1端子P1と第2端子P2の間に直列に、かつ第1スイッチSW1および第2スイッチSW2に対して並列に設けられる。第1補助コイルLA1は、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2の接続点N3と、第3スイッチSW3と第4スイッチSW4の接続点N4と、の間に設けられる。
第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4は、片方向スイッチで構成してもよいし、双方向スイッチで構成してもよい。双方向スイッチを用いる場合、スイッチSW1〜SW4を、図19のスイッチSW1〜SW4のように構成すればよい。
コントローラ202は、第1スイッチSW1および第4スイッチSW4のペアがオンとなる第1状態φ1と、第2スイッチSW2および第3スイッチSW3のペアがオンとなる第2状態φ2と、を電力信号S1と同じ周波数でスイッチングする。
図20の自動チューニング補助回路200eによれば、正負両極性の補正電流を、単一の補正コイルを用いて生成することができる。
(第2の実施の形態のまとめ)
第4、第5の実施例では、補助コイルが1個、または2個の場合を説明したが、当業者であれば、任意の個数の補助コイルを用いて、同様の機能を奏する回路を構成しうることが理解されよう。
また、第4の実施例ではスイッチが2個の場合、第5、第6の実施例では、スイッチが4個の場合を説明したが、当業者によれば、複数のスイッチのトポロジーも、補助コイルの個数に応じて適宜配置しうる。
つまり、第4から第6の実施例に具現化される第2の実施の形態に係る発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。
(第3の技術的思想)
自動チューニング補助回路200は、アンテナ60とカップリングされる第1端子P1および第2端子P2と、N個(Nは自然数)の補助コイルLA1〜LANと、複数M個(Mは自然数)のスイッチSW1〜SWMと、コントローラ202と、を備える。複数のスイッチSW1〜SWMはそれぞれ、第1端子P1、第2端子P2、N個の補助コイルLA1〜LANの端子のうち2つの間に設けられる。コントローラ202は、複数のスイッチSW1〜SWMそれぞれを、ワイヤレス送電器と同期してスイッチングする。
また、別の観点からみると、以下の技術的思想が導かれる。
(第4の技術的思想)
自動チューニング補助回路200は、補助コイルLを含み、(1)補助コイルLがアンテナ60にカップリングされて、補助コイルLに流れる電流ILAに応じた補正電流Iを、アンテナ60に注入しもしくはアンテナ60から引き抜く第1状態φ1と、(2)補助コイルLがアンテナ60から切り離され、補助コイルLに流れる電流ILAが、アンテナ60とは独立した電流経路に流れる第2状態φ2と、を交互に繰り返すよう構成される。
したがって、第4から第6の実施例で説明した構成のみでなく、第3または第4の技術的思想によって導かれるさまざまな形式の自動チューニング補助回路が、本発明の技術的範囲に含まれる。
続いて、自動チューニング補助回路200と、アンテナ60の接続態様の変形例を説明する。
図21(a)〜(f)は、自動チューニング補助回路200とアンテナ60のカップリングの変形例を示す回路図である。図21(a)〜(d)では、自動チューニング補助回路200がアンテナ60と直接カップリングされる。図21(e)、(f)では、自動チューニング補助回路200がアンテナ60と磁気的に結合される。
図21(a)は、図13、図17、図20と同様である。図21(b)では、自動チューニング補助回路200は、共振用キャパシタCPXとカップリングされる。図21(c)のコイルLPXにはタップ63が設けられる。自動チューニング補助回路200の第1端子P1は、タップ63と接続され、第2端子P2は、コイルLPXの一端と接続される。
図21(d)のアンテナ60は、コイルLPXと直列に設けられた2つの共振用キャパシタCPX1、CPX2含む。自動チューニング補助回路200の第1端子P1は、一方の共振用キャパシタCPX2の一端に接続され、第2端子P2は、同じ共振用キャパシタCPX2の他端と接続される。
図21(e)の電磁界抑制器は、コイルLPXと磁気的に結合された第2コイルL2をさらに備える。自動チューニング補助回路200の第1端子P1は、第2コイルL2の一端と接続され、第2端子P2は、第2コイルL2の他端と接続される。
図21(f)の電磁界抑制器は、トランスT2をさらに備える。トランスT2の1次巻線W1は、コイルLPXと直列に設けられる。自動チューニング補助回路200の第1端子P1は、トランスT2の2次巻線W2の一端と接続され、第2端子P2は、2次巻線W2の他端と接続される。
図21(a)〜(f)の変形例、あるいはこれらに類似する回路においても同様の効果が得られる。
また、図21(c)〜(f)の構成では、図21(a)、(b)に比べて、自動チューニング補助回路200の端子P1−P2間の電圧を下げることができる。したがって、自動チューニング補助回路200を構成するスイッチに低耐圧素子を利用することができ、設計が容易となり、あるいは低コスト化できる。
(第2の実施の形態の変形例)
続いて、第2の実施の形態に適用可能ないくつかの変形例を説明する。
(変形例2.1)
図22は、第4の変形例に係る電磁界抑制器6iを示す回路図である。この電磁界抑制器6iは、第2の実施の形態で説明した第4〜第7の実施例に係る電磁界抑制器6に加えて、電源回路66を備える。電源回路66は、図11の電源回路62に相当し、アンテナ60の両端間に交流電圧VACを印加する。交流電圧VACは、正弦波であってもよいし、矩形波であってもよい。
この変形例によれば、交流電圧VACの位相、振幅を調節することにより、コイルLPXが発生する磁束Φを制御できる。その結果、送信コイルLTXが発生する磁束と打ち消しあう振幅、位相を有する磁束Φを動的に生成できる。
(変形例2.2)
図23は、第5の変形例に係る電磁界抑制器6jを示す回路図である。この電磁界抑制器6jは、第2の実施の形態で説明した第4〜第7の実施例に係る電磁界抑制器6に加えて、インピーダンス整合回路68を備える。インピーダンス整合回路68は、図12のインピーダンス整合回路64に相当し、アンテナ60からみたインピーダンス、言い換えれば、アンテナ60を含むコイル電流が流れる経路のインピーダンスを調節する。
インピーダンス整合回路68の接続箇所は特に限定されない。たとえばインピーダンス整合回路68は、自動チューニング補助回路200に対して並列に設けられてもよい。あるいは、インピーダンス整合回路68は、コイルLPXと直列に設けられてもよい。
図21(b)のトポロジーを採用する場合、インピーダンス整合回路68は、共振用キャパシタCPXと並列な経路上に、自動チューニング補助回路200と直列に接続してもよい。このように、インピーダンス整合回路68はアンテナ60から見たインピーダンスに影響を及ぼしうる箇所に配置すればよい。
この変形例によれば、インピーダンス整合回路68のインピーダンスを調節することにより、インピーダンス整合回路68の消費電力を制御できる。これにより電磁界抑制器6jが吸収する電力量を変化させることができ、漏洩磁界S2を低減することができる。
以上、本発明について、第1、第2の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
続いてワイヤレス送電システム1の用途を説明する。
図24は、ワイヤレス送電システム1を使用した自動車用の充電システム500を示す図である。車両502は、2次電池504、充電回路506およびワイヤレス受電器4を搭載する。充電回路506は、ワイヤレス受電器4が受信した電力を受け、2次電池504を充電する。
たとえばワイヤレス送電器2の送信アンテナ20は、地面に埋め込まれている。車両502の周辺には、電子機器510を持ったユーザ512が接近したり、あるいは車両502の周辺に、据え置き型の電子機器が設置される場合もある。したがって、充電システム500において、送信アンテナ20の漏洩磁場は低減する必要がある。
こうした用途では、送信アンテナ20からの距離に応じて、許容される電磁界強度(EMI強度)の仕様が規定される。電磁界抑制器6は、仕様を見たさない箇所Xに配置される。
電磁界抑制器6の動作は、以下のように把握することができる。
1. 微視的に見れば、電磁界抑制器6は、漏洩磁界S2を打ち消すため磁束Φを発生するものと言える。
電磁界抑制器6が発生した磁束Φには、漏洩磁界S2の低減に寄与しない漏洩磁束Φも含まれ、この漏洩磁束Φが新たなEMIの問題を引き起こすことも考えられる。そこで好ましくは電磁界抑制器6のアンテナ60は地下に埋め込まれる。そして、磁束Φを地下側に集中させることにより、地上側のEMIの問題を解決することができる。
2. 巨視的に見れば、電磁界抑制器6は、ワイヤレス送電器2とワイヤレス受電器4を含む「場」全体に作用し、位置Xの地上側の磁界を低減させるものと言える。この場合、電磁界抑制器6は、ワイヤレス送電器2が生成する漏洩磁束を、地下側に退けていると解釈することもできる。
これまでは図2、図23に示すように、単一の電磁界抑制器6を設ける場合を説明したが、本発明はそれには限定されない。図25は、変形例に係るワイヤレス送電システム1aを示すブロック図である。図25のワイヤレス送電システム1aは、複数の電磁界抑制器6を備える。複数の電磁界抑制器6は、アレー状に配置してもよい。複数の電磁界抑制器6はそれぞれ、自動チューニング補助回路100(200)を備える。
上述のように、電磁界抑制器6は、そのアンテナ60に流れる電流の位相を制御可能であることから、周辺の磁界と共振した状態を作り出すこともできる。つまり、中継器として動作させることも可能である。つまり複数の電磁界抑制器6はそれぞれ、漏洩電磁界を低減する第1モードと、電力信号S1を中継する第2モードが切りかえ可能である。なお、電磁界抑制器6が中継器として動作するか、電磁界抑制器として動作するか否かは、自動チューニング補助回路100(200)のスイッチングの位相θPXなどに依存する。
このワイヤレス送電システム1aによれば、ワイヤレス送電器2とワイヤレス受電器4の位置関係に応じて、各電磁界抑制器6の動作モードを制御することにより、送電と無関係な箇所におけるEMIを低減できる。たとえば図25において、ワイヤレス送電器2からワイヤレス受電器4に至る経路上に存在する電磁界抑制器6xは、第2モードにて動作させ、その経路の周辺の電磁界抑制器6yは、第1モードにて動作させてもよい。さらに離れた箇所の電磁界抑制器6zは動作を停止させてもよい。
実施の形態では、電力信号S1と同じ周波数で電磁界抑制器6の自動チューニング補助回路100(200)をスイッチングする場合について説明したが、本発明はそれには限定されない。ワイヤレス送電システム1において生ずる漏洩磁界S2には、高調波成分も含まれ、高調波成分もEMIの規制の対象となる。特に、車両用の充電システムでは、90kHz付近の電力信号S1が使用され、その高調波はAM帯に存在することになる。かかる状況においては、電磁界抑制器6の自動チューニング補助回路100(200)を、電力信号S1の周波数のN倍(Nは2以上の整数)でスイッチングしてもよい。これにより高調波の漏洩磁界S2を低減することができる。
また実施の形態では、電磁界抑制器6に含まれるスイッチの位相θPXを、ワイヤレス送電器2の駆動電圧VDRVを基準としてとる場合を説明したが、位相の基準はどこであっても構わない。
実施の形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
1…ワイヤレス送電システム、2…ワイヤレス送電器、4…ワイヤレス受電器、6…電磁界抑制器、20…送信アンテナ、LTX…送信コイル、CTX…共振用キャパシタ、40…受信アンテナ、42…整流回路、44…平滑コンデンサ、46…負荷、LRX…受信コイル、CRX…共振用キャパシタ、60…アンテナ、LPX…コイル、CPX…共振用キャパシタ、62…電源回路、64…インピーダンス整合回路、66…電源回路、68…インピーダンス整合回路、100…自動チューニング補助回路、102…コントローラ、P1…第1端子、P2…第2端子、SW1…第1スイッチ、SW2…第2スイッチ、SW3…第3スイッチ、SW4…第4スイッチ、200…自動チューニング補助回路、202…コントローラ、CA1…第1補助キャパシタ、CA2…第2補助キャパシタ、CA3…第3補助キャパシタ、CA4…第4補助キャパシタ、LA1…第1補助コイル、LA2…第2補助コイル、S1…電力信号、S2…漏洩磁界。

Claims (17)

  1. 共鳴型のワイヤレス送電システムに使用される電磁界抑制器であって、
    コイルを含むアンテナと、
    前記アンテナと直列にカップリングされる自動チューニング補助回路と、
    を備え、
    前記自動チューニング補助回路は、
    前記アンテナと接続される第1端子および第2端子と、
    N個(Nは自然数)の補助キャパシタと、
    それぞれが、前記第1端子、前記第2端子、前記N個の補助キャパシタの端子のうち2つの間に設けられた複数のスイッチと、
    前記複数のスイッチそれぞれを、ワイヤレス送電器が送信する電力信号の周波数の整数倍のスイッチング周波数で、ワイヤレス送電器と同期してスイッチングするコントローラと、
    を備えることを特徴とする電磁界抑制器。
  2. 前記N個の補助キャパシタは、第1補助キャパシタを含み、
    前記複数のスイッチは、第1スイッチおよび第2スイッチを含み、
    前記第1スイッチおよび前記第1補助キャパシタは、前記第1端子と前記第2端子の間に直列に設けられ、
    前記第2スイッチは、前記第1端子と前記第2端子の間に、前記第1スイッチおよび前記第1補助キャパシタに対して並列に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電磁界抑制器。
  3. 前記N個の補助キャパシタは、第2補助キャパシタをさらに含み、
    前記第2補助キャパシタは、前記第1端子と前記第2端子の間に、前記第2スイッチと直列に設けられることを特徴とする請求項2に記載の電磁界抑制器。
  4. 前記複数のスイッチは、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチを含み、
    前記N個の補助キャパシタは、第1補助キャパシタを含み、
    前記第1スイッチおよび第2スイッチは、前記第1端子と前記第2端子の間に直列に設けられ、
    前記第3スイッチおよび前記第4スイッチは、前記第1端子と前記第2端子の間に、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチに対して並列な経路上に順に直列に設けられ、
    前記第1補助キャパシタは、前記第1スイッチと前記第2スイッチの接続点と、前記第3スイッチと前記第4スイッチの接続点との間の設けられることを特徴とする請求項1に記載の電磁界抑制器。
  5. 共鳴型のワイヤレス送電システムに使用される電磁界抑制器であって、
    コイルを含むアンテナと、
    前記アンテナとカップリングされる自動チューニング補助回路と、
    を備え、
    前記自動チューニング補助回路は、
    N個(Nは自然数)の補助キャパシタと、
    前記アンテナに流れる電流によって前記N個の補助キャパシタそれぞれを充電および放電するために設けられた複数のスイッチと、
    前記複数のスイッチをスイッチングすることにより、前記N個の補助キャパシタそれぞれの両端間にキャパシタ電圧を発生させるとともに、前記N個の補助キャパシタそれぞれのキャパシタ電圧に応じた補正電圧を、前記アンテナに印加せしめるコントローラと、
    を備えることを特徴とする電磁界抑制器。
  6. 前記アンテナは、前記コイルと直列に設けられた共振用キャパシタをさらに含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電磁界抑制器。
  7. 前記アンテナおよび前記自動チューニング補助回路の両端間に交流電圧を印加する電源回路をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電磁界抑制器。
  8. 前記アンテナからみたインピーダンスを調節するインピーダンス整合回路をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電磁界抑制器。
  9. 共鳴型のワイヤレス送電システムに使用される電磁界抑制器であって、
    コイルを含むアンテナと、
    前記アンテナとカップリングされ、前記アンテナに補正電流を注入し、または前記アンテナから補正電流を引き抜く自動チューニング補助回路と、
    を備え、
    前記自動チューニング補助回路は、
    前記アンテナとカップリングされる第1端子および第2端子と、
    N個(Nは自然数)の補助コイルと、
    それぞれが、前記第1端子、前記第2端子、前記N個の補助コイルの端子のうち2つの間に設けられた複数のスイッチと、
    前記複数のスイッチそれぞれを、ワイヤレス送電器が送信する電力信号の周波数の整数倍のスイッチング周波数で、ワイヤレス送電器と同期してスイッチングするコントローラと、
    を含むことを特徴とする電磁界抑制器。
  10. 前記複数のスイッチは、第1スイッチおよび第2スイッチを含み、
    前記N個の補助コイルは、第1補助コイルを含み、
    第1スイッチおよび第1補助コイルは、前記第1端子と前記第2端子の間に直列に設けられ、
    前記第2スイッチは、前記第1補助コイルに対して並列に設けられることを特徴とする請求項9に記載の電磁界抑制器。
  11. 前記複数のスイッチは、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチを含み、
    前記N個の補助コイルは、第1補助コイルおよび第2補助コイルを含み、
    前記第1スイッチおよび前記第1補助コイルは、前記第1端子と前記第2端子の間に直列に設けられ、
    前記第2スイッチは、前記第1補助コイルに対して並列に設けら、
    前記第3スイッチおよび前記第2補助コイルは、前記第1端子と前記第2端子の間に直列に設けられ、
    前記第4スイッチは、前記第2補助コイルに対して並列に設けられることを特徴とする請求項9に記載の電磁界抑制器。
  12. 前記複数のスイッチは、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチを含み、
    前記N個の補助コイルは、第1補助コイルを含み、
    前記第1スイッチおよび前記第2スイッチは、前記第1端子と前記第2端子の間に直列に設けられ、
    前記第3スイッチおよび前記第4スイッチは、前記第1端子と前記第2端子の間に直列に、かつ前記第1スイッチおよび前記第2スイッチに対して並列に設けられ、
    前記第1補助コイルは、前記第1スイッチと前記第2スイッチの接続点と、前記第3スイッチと前記第4スイッチの接続点と、の間に設けられることを特徴とする請求項9に記載の電磁界抑制器。
  13. 共鳴型のワイヤレス送電システムに使用される電磁界抑制器であって、
    コイルを含むアンテナと、
    前記アンテナとカップリングされ、前記アンテナに補正電流を注入し、または前記アンテナから補正電流を引き抜く自動チューニング補助回路と、
    を備え、
    前記自動チューニング補助回路は、補助コイルを含み、(1)前記補助コイルが前記アンテナにカップリングされて、前記補助コイルに流れる電流に応じた補正電流を、前記アンテナに注入しもしくは前記アンテナから引き抜く第1状態と、(2)前記補助コイルが前記アンテナから切り離され、前記補助コイルに流れる電流が、前記アンテナとは独立した電流経路に流れる第2状態と、を交互に繰り返すよう構成されることを特徴とする電磁界抑制器。
  14. 前記アンテナの両端間に交流電圧を印加する電源回路をさらに備えることを特徴とする請求項9から13のいずれかに記載の電磁界抑制器。
  15. 前記アンテナからみたインピーダンスを調節するインピーダンス整合回路をさらに備えることを特徴とする請求項9から13のいずれかに記載の電磁界抑制器。
  16. 電界、磁界、電磁界のいずれかを含む電力信号を送信するワイヤレス送電器と、
    前記ワイヤレス送電器からの電力信号を受信するワイヤレス受電器と、
    前記ワイヤレス送電器と前記ワイヤレス受電器の間に配置される請求項1から15のいずれかに記載の電磁界抑制器と、
    を備えることを特徴とするワイヤレス送電システム。
  17. 前記電磁界抑制器は、複数設けられ、各電磁界抑制器は、漏洩電磁界を低減する第1モードと、電力信号を中継する第2モードが切りかえ可能であることを特徴とする請求項16に記載のワイヤレス送電システム。
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