JP2015021626A - 液体燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料ポンプのエア噛みの発生を防止できる、液体燃料供給装置を提供する。
【解決手段】循環燃料タンク22の内部空間は、仕切壁26により、A室27とB室28とに仕切られている。液体燃料は、循環燃料タンク22から燃料供給管34を通して液体燃料電池2に供給され、液体燃料電池2から燃料帰還管37を通して循環燃料タンク22のA室27に戻される。B室28には、A室27からオーバフローする液体燃料が貯留される。液体燃料電池2の通常の発電動作中は、B室28と燃料供給管34とが連通し、B室28に貯留されている液体燃料の液面がB室28の底面に対して急傾斜する状況であるか否かの判断の指標となる値が所定値を超えているときには、A室27と燃料供給管34とが連通するように、三方弁33が制御される。
【選択図】図1
【解決手段】循環燃料タンク22の内部空間は、仕切壁26により、A室27とB室28とに仕切られている。液体燃料は、循環燃料タンク22から燃料供給管34を通して液体燃料電池2に供給され、液体燃料電池2から燃料帰還管37を通して循環燃料タンク22のA室27に戻される。B室28には、A室27からオーバフローする液体燃料が貯留される。液体燃料電池2の通常の発電動作中は、B室28と燃料供給管34とが連通し、B室28に貯留されている液体燃料の液面がB室28の底面に対して急傾斜する状況であるか否かの判断の指標となる値が所定値を超えているときには、A室27と燃料供給管34とが連通するように、三方弁33が制御される。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体燃料電池に液体燃料を供給する液体燃料供給装置に関する。
近年、液体燃料電池を電源として搭載する車両の開発が進められている。
液体燃料電池は、たとえば、固体高分子膜の両側にアノード(燃料極)およびカソード(酸素極)を貼り合わせて一体化した膜/電極接合体を備えている。アノードに液体燃料が供給され、カソードに空気が供給されると、発電反応が生じ、アノードとカソードとの間に起電力が発生する。
液体燃料は、燃料タンクに貯留されている。燃料タンクには、燃料供給管の一端が接続されている。燃料供給管の他端は、液体燃料電池のアノードに接続されている。燃料供給管の途中部には、燃料ポンプが介装されている。燃料ポンプが駆動されると、燃料タンクから燃料供給管に液体燃料が吸い出され、その液体燃料が燃料供給管を介して液体燃料電池のアノードに供給される。
かかる構成では、車両が急加減速したときに、燃料タンク内で液体燃料が加速度の方向に偏り、液体燃料の液面が燃料タンクの底面に対して大きく傾き、燃料タンクにおける燃料供給管の接続口(燃料流出口)から液体燃料がなくなるおそれがある。燃料ポンプの駆動中に、燃料供給管の接続口から液体燃料がなくなり、燃料ポンプのエア噛みが発生すると、燃料ポンプの送液能力が低下し、液体燃料の供給不良による液体燃料電池の発電性能の低下を招き、最悪の場合には、液体燃料電池の発電停止に至る。
本発明の目的は、燃料ポンプのエア噛みの発生を防止できる、液体燃料供給装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る液体燃料供給装置は、液体燃料を貯留する燃料タンクと、燃料タンクから液体燃料電池に供給される液体燃料が流通する燃料供給路と、燃料供給路に介装され、吸込口が燃料タンクの最下部よりも下方に配置された燃料ポンプと、燃料タンク内に形成されて、燃料タンクの内部空間を上部で互いに連通する第1室および第2室に仕切る仕切壁と、液体燃料電池から第1室に戻される液体燃料が流通する燃料帰還路と、第1室および第2室を燃料供給路と選択的に連通させる三方弁と、第2室に貯留されている液体燃料の液面が第2室の底面に対して急傾斜する状況であるか否かの判断の指標となる値を取得する指標値取得手段と、液体燃料電池の通常の発電動作中は、第2室と燃料供給路とが連通し、指標値取得手段によって取得された値が所定値を超えているときには、(第2室に貯留されている液体燃料の液面が第2室の底面に対して急傾斜する状況であると判断して、)第1室と燃料供給路とが連通するように、三方弁の切り替えを制御する三方弁制御手段とを含む。
この構成によれば、燃料タンクの内部空間は、仕切壁により、第1室と第2室とに仕切られている。第1室と第2室とは、燃料タンク内の上部で互いに連通している。液体燃料は、燃料タンクから燃料供給路を通して液体燃料電池に供給され、液体燃料電池から燃料帰還路を通して燃料タンクの第1室に戻される。第1室が液体燃料で満杯になった状態で、液体燃料が第1室に戻されると、第1室から第2室に液体燃料がオーバフローし、第2室に液体燃料が貯留される。
第1室および第2室は、三方弁の切り替えにより、燃料供給路と選択的に連通される。
液体燃料電池の通常の発電動作中は、第2室と燃料供給路とが連通するように、三方弁が制御される。そして、燃料ポンプが駆動されることにより、第2室に貯留されている液体燃料が燃料供給路を通して液体燃料電池に供給される。第2室から燃料供給路に液体燃料が送出され、液体燃料が第1室に戻されるので、正常な状態では、第1室に液体燃料が満杯に溜められ、第1室から第2室に液体燃料がオーバフローしている。
第2室に貯留されている液体燃料の液面が第2室の底面に対して急傾斜する状況であるか否かの判断の指標となる値が所定値を超えると、第1室と燃料供給路とが連通するように、三方弁が切り替えられる。そして、その指標となる値が所定値を超えている間、三方弁が第1室と燃料供給路とを連通させる状態に維持される。このとき、燃料ポンプの作用により、第1室から燃料供給路に液体燃料が吸い出され、その液体燃料が燃料供給路を通して液体燃料電池に供給される。第1室には、液体燃料が満杯に溜まっている。そのため、液体燃料電池の急加減速または車両の走行路面の勾配により、燃料タンク内で液体燃料が加速度の方向に偏っても、第1室と三方弁とを連通する部分が液体燃料で満たされた状態を維持することができる。よって、燃料ポンプのエア噛みの発生を防止することができる。
また、本願出願人は、燃料タンクの内部空間を第1室および第2室に仕切る仕切壁と、第1室および第2室を燃料供給路と選択的に連通させる三方弁とが設けられた構成を先に提案している。この提案に係る構成から新たな部品などを追加することなく、液体燃料電池が急加減速状況下に置かれたときの燃料ポンプのエア噛みの発生を防止することができる。よって、先の提案に係る構成を基に、燃料ポンプのエア噛みの発生を防止する構成を低コストで実現することができる。
液体燃料電池の発電動作が停止された後も、第1室に貯留されている液体燃料の液面が第2室に貯留されている液体燃料の液面よりも高い状態が維持されるので、燃料ポンプの起動時には、第1室と燃料供給路とが連通するように、三方弁が制御されることが好ましい。これにより、燃料ポンプの起動時のエア噛みの発生を防止することができる。
本発明によれば、燃料ポンプのエア噛みの発生を防止することができる。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<燃料電池システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る液体燃料供給装置3を含む燃料電池システム1の構成図である。
燃料電池システム1は、たとえば、モータを走行用駆動源として搭載した車両(自動車)に搭載される。燃料電池システム1は、液体燃料電池2および液体燃料供給装置3を含む。
液体燃料電池2は、所定数(たとえば、100〜200)のセルが一方向に積層された、いわゆるセルスタックを有している。各セルは、膜/電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)、膜/電極接合体の両側に配置されたセパレータ、および膜/電極接合体と各セパレータとの間に介在されたガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)を備えている。
膜/電極接合体は、固体高分子膜11の両側にアノード(燃料極)12およびカソード(酸素極)13を貼り合わせて一体化したものである。固体高分子膜11は、たとえば、アニオン(OH−)を透過させる性質を有する。
セパレータの両面には、たとえば、葛折り状に屈曲した凹溝(図示せず)が形成されている。アノード12に対向する凹溝は、燃料流路として形成されている。燃料流路の一端および他端は、それぞれ燃料入口14および燃料出口15に接続されている。膜/電極接合体のカソード13に対向する凹溝は、エア流路として形成されている。エア流路の一端および他端は、それぞれエア入口16およびエア出口17に接続されている。
液体燃料供給装置3は、燃料供給タンク21、循環燃料タンク22および気液分離器23を備えている。
燃料供給タンク21には、電解液と混合されていない液体燃料(たとえば、常温のヒドラジン)が貯留されている。燃料供給タンク21には、燃料補給管24の一端が接続されている。燃料補給管24の他端は、循環燃料タンク22に接続されている。燃料補給管24の途中部には、供給ポンプ25が介装されている。
循環燃料タンク22の底面には、仕切壁26が立設されている。循環燃料タンク22の内部空間は、その仕切壁26により、A室27とB室28とに仕切られている。仕切壁26の上端と循環燃料タンク22の天面との間には、隙間が空けられ、その隙間により、A室27とB室28とが互いに連通している。A室27およびB室28には、液体燃料が電解液(たとえば、水酸化カリウム水溶液)と混合された状態で貯留されている。
なお、以下では、特に言及がない限り、電解液と混合された状態の液体燃料を「液体燃料」という。
A室27には、液体燃料の温度を調節するためのヒータ29が設けられている。
また、A室27には、A室液量センサ30が設けられている。A室液量センサ30は、たとえば、フロートガイドパイプ式のレベルスイッチからなる。A室液量センサ30は、A室27内の液体燃料の液面が所定のエンプティ位置よりも高いときにオン信号を出力する。
循環燃料タンク22には、第1流出管31および第2流出管32の各一端が接続されている。具体的には、第1流出管31の一端は、A室27の底面に接続され、第2流出管32の一端は、B室28の底面に接続されている。
また、液体燃料供給装置3は、三方弁33および燃料供給管34を備えている。
三方弁33は、2つの入口ポート33A,33Bと、1つの出口ポートとを有している。入口ポート33Aには、第1流出管31の他端が接続されている。入口ポート33Bには、第2流出管32の他端が接続されている。
燃料供給管34の一端は、三方弁33の出口ポートに接続されている。燃料供給管34の他端は、液体燃料電池2の燃料入口14に接続されている。燃料供給管34の途中部には、循環ポンプ35が介装されている。循環ポンプ35は、その吸込口が循環燃料タンク22の最下部よりも下方に位置するように配置されている。
液体燃料電池2の燃料出口15には、燃料排出管36の一端が接続されている。燃料排出管36の他端は、気液分離器23に接続されている。
気液分離器23の底部には、燃料帰還管37の一端が接続されている。燃料帰還管37の他端は、循環燃料タンク22に接続されている。具体的には、燃料帰還管37の他端は、循環燃料タンク22のA室27の天面に接続されている。
液体燃料電池2のエア入口16およびエア出口17には、それぞれエア供給管41およびエア排出管42が接続されている。
液体燃料電池2による発電のために、三方弁33の入口ポート33A,33Bの1つが選択的に開かれる。そして、循環ポンプ35が駆動される。循環ポンプ35が駆動されると、循環ポンプ35の作用により、循環燃料タンク22から燃料供給管34に液体燃料が吸い出される。そして、燃料供給管34を液体燃料が流通し、その液体燃料が液体燃料電池2の燃料入口14から液体燃料電池2の燃料流路に供給される。
その一方で、エア供給管41にエアが送り込まれる。エア供給管41に送り込まれたエアは、エア供給管41を流通し、液体燃料電池2のエア入口16から液体燃料電池2のエア流路に供給される。
液体燃料電池2の燃料流路を液体燃料が流通し、エア流路をエアが流通すると、液体燃料電池2において、発電反応(電気化学反応)が生じ、その電気化学反応による起電力が発生する。
このとき、燃料排出管36には、未反応の液体燃料とともに、発電反応によって生成された気体(たとえば、窒素ガス)などが液体燃料電池2の燃料出口15から排出される。燃料排出管36に排出された液体燃料および気体は、燃料排出管36を流通し、気液分離器23に流入する。気液分離器23では、燃料排出管36から流入する液体燃料と気体とが分離される。液体燃料は、気液分離器23内の底部に集まり、気体は、排ガス処理器(図示せず)を経由して、大気に放出される。
気液分離器23の底部に集まった液体燃料は、燃料帰還管37を流通して、循環燃料タンク22のA室27に戻る。A室27が液体燃料で満杯になると、A室27からB室28に液体燃料がオーバフローし、B室28に液体燃料が貯留される。
こうして、液体燃料は、循環燃料タンク22、燃料供給管34、液体燃料電池2の燃料流路、燃料排出管36、気液分離器23および燃料帰還管37を含む燃料循環路を循環する。
液体燃料電池2のエア流路を流通したエアは、エア出口17からエア排出管42に排出される。
液体燃料電池2の発電動作中に、循環燃料タンク22に電解液と混合されていない液体燃料を補給する必要が生じると、供給ポンプ25が駆動される。供給ポンプ25が駆動されると、燃料供給タンク21から燃料補給管24を通して循環燃料タンク22のB室28に電解液と混合されていない液体燃料が供給される。
<燃料電池システムの電気的構成>
図2は、燃料電池システム1の電気的構成の要部を示すブロック図である。
燃料電池システム1は、FC−ECU(電子制御ユニット)4を備えている。FC−ECU4の基板には、CPUおよびメモリなどが実装されている。
FC−ECU4には、燃料電池システム1に設けられた各種センサが接続されており、各種センサの検出信号が入力される。各種センサには、A室液量センサ30が含まれる。
また、FC−ECU4は、車両に搭載されている車両ECU5と双方向に通信可能に接続されている。車両ECU5には、車両の走行速度(車速)を検出する車速センサ51、アクセル開度(アクセルペダルの操作量)を検出するアクセルセンサ52およびブレーキ操作量(ブレーキペダルの操作量)を検出するブレーキセンサ53が接続されており、車速センサ51、アクセルセンサ52およびブレーキセンサ53の各検出信号が入力される。そして、車両ECU5は、その入力される検出信号に基づいて、車両の走行用駆動源であるモータから出力すべき目標トルクを設定し、目標トルクの出力に必要な電力をFC−ECU4に要求する。
FC−ECU4は、車両ECU5からの要求および各種センサから入力される検出信号に基づいて、供給ポンプ25、ヒータ29および循環ポンプ35の駆動を制御し、三方弁33の切り替えを制御する。
なお、ブレーキセンサ53は、ブレーキペダルの操作量を検出するものであってもよいし、ブレーキ操作量に応じて変化するマスタシリンダの油圧を検出するものであってもよい。
<三方弁切替制御>
図3Aおよび図3Bは、三方弁切替制御の流れを示すフローチャートである。
燃料電池システム1の稼働中、FC−ECU4により、三方弁切替制御が繰り返し実行される。たとえば、燃料電池システム1を搭載した車両のイグニッションキースイッチがオンにされている間は、燃料電池システム1が稼働している。
三方弁切替制御では、まず、燃料電池システム1の動作モードが発電モードであるか否かが判断される(ステップS1)。発電モードは、車両の走行用駆動源であるモータに必要な電力を供給するために、液体燃料電池2を発電動作させるモードである。
燃料電池システム1が発電モードに入る前は(ステップS1のNO)、三方弁33の入口ポート33Aが開かれ、入口ポート33Bが閉じられている(ステップS2)。また、循環ポンプ35を駆動するインバータ(図示せず)の出力周波数が0Hzとされ、循環ポンプ35が停止されている。
車両ECU5からFC−ECU4に電力(発電)が要求されると、発電モードに入り、三方弁33の入口ポート33Aが開かれた状態のまま、循環ポンプ35を駆動するインバータの出力周波数が所定の起動周波数(たとえば、60Hz)に制御される(ステップS3)。これにより、循環ポンプ35が駆動され、循環燃料タンク22のA室27から第1流出管31に液体燃料が吸い出されて、その液体燃料が第1流出管31および燃料供給管34を通して液体燃料電池2に供給される。
また、循環ポンプ35の起動と同時に、その起動からの経過時間の計測が開始される(ステップS4)。
そして、循環ポンプ35の起動から所定の呼水時間(たとえば、5.5sec)が経過すると(ステップS5のYES)、三方弁33の入口ポート33Aが閉じられ、入口ポート33Bが開かれる(ステップS6)。これにより、循環燃料タンク22のB室28が第2流出管32を介して燃料供給管34と連通する。また、循環ポンプ35を駆動するインバータの出力周波数が車両ECU5から要求されている電力に応じて設定された周波数に制御される(ステップS6)。これにより、循環ポンプ35が車両ECU5からの要求に応じた能力(車両ECU5で設定された目標トルクに応じた能力)で駆動され、B室28から第2流出管32に液体燃料が吸い出されて、その液体燃料が第2流出管32および燃料供給管34を通して液体燃料電池2に供給される。
その後、循環燃料タンク22のB室28に貯留されている液体燃料の液面がB室28の底面に対して急傾斜する状況であるか否かを判断する指標となる値(指標値)が所定値を超えているか否かが判断される(ステップS7)。
指標値としては、車両ECU5で設定される目標トルクの変化量、車速センサ51によって検出される車速の時間変化率の絶対値、アクセルセンサ52によって検出されるアクセル開度の時間変化率、ブレーキセンサ53によって検出されるブレーキ操作量の時間変化率などを例示することができる。目標トルクが急増し、目標トルクの変化量が所定値を超えると、その後、車両の走行用駆動源であるモータの出力トルクが急増して、車両が急加速するので、B室28に貯留されている液体燃料の液面がB室28の底面に対して急傾斜する状況であると判断できる。車速の時間変化率の絶対値が所定値を超えているときには、車両が急加速または急減速しているので、B室28に貯留されている液体燃料の液面がB室28の底面に対して急傾斜する状況であると判断できる。アクセル開度の時間変化率が所定値を超えているときには、その後、車両の走行用駆動源であるモータの目標トルクが急増し、モータの出力トルクが急増して、車両が急加速するので、B室28に貯留されている液体燃料の液面がB室28の底面に対して急傾斜する状況であると判断できる。ブレーキ操作量の時間変化率が所定値を超えているときには、その後、車両が急制動によって急減速するので、B室28に貯留されている液体燃料の液面がB室28の底面に対して急傾斜する状況であると判断できる。また、車両の加速度を検出する加速度センサが備えられて、加速度センサによって検出される加速度の絶対値が指標値とされてもよいし、車両の走行路面の勾配を検出する勾配センサが備えられて、勾配センサによって検出される勾配の絶対値が指標値とされてもよい。
また、発電モード中は、A室液量センサ30の出力が監視されており、A室27内の液体燃料の液面が所定のエンプティ位置まで低下し、A室液量センサ30からオフ信号が出力されると、ヒータ29の空焚きを防止するためのフェイルセーフモードが作動する。
指標値が所定値を超えていない場合には(ステップS7のNO)、発電モードが終了か否かが判断され、また、フェイルセーフモードが作動しているか否かが判断される(ステップS8)。
指標値が所定値を超えておらず、発電モードが継続中であって、フェイルセーフモードが作動していなければ(ステップS8のNO)、三方弁33の入口ポート33Bが開かれたまま、循環ポンプ35が駆動され、液体燃料電池2による発電動作が継続される(ステップS6)。
液体燃料電池2の発電動作中に、指標値が所定値を超えると(ステップS7のYES)、循環ポンプ35の駆動が続けられたまま、三方弁33の入口ポート33Bが閉じられ、入口ポート33Aが開かれる(ステップS9)。これにより、循環燃料タンク22のA室27から第1流出管31に液体燃料が吸い出されて、第1流出管31および燃料供給管34を液体燃料が流通する。
その後、指標値が所定値以下に低下するまで、入口ポート33Aが開かれた状態が維持される。指標値が所定値以下に低下すると、三方弁33の入口ポート33Aが閉じられ、入口ポート33Bが開かれる(ステップS6)。これにより、B室28から液体燃料電池2への液体燃料の供給が再開される。
発電モードが終了されるか、または、フェイルセーフモードが作動すると(ステップS8のYES)、三方弁33の入口ポート33Bが閉じられ、入口ポート33Aが開かれる(ステップS11)。また、循環ポンプ35を駆動するインバータの出力周波数が0Hzとされ、循環ポンプ35が停止されて(ステップS11)、三方弁切替制御が終了される。フェイルセーフモードが作動した場合には、ヒータ29の駆動が停止される。
<作用効果>
以上のように、循環燃料タンク22の内部空間は、仕切壁26により、A室27とB室28とに仕切られている。A室27とB室28とは、循環燃料タンク22内の上部で互いに連通している。液体燃料は、循環燃料タンク22から燃料供給管34を通して液体燃料電池2に供給され、液体燃料電池2から燃料帰還管37を通して循環燃料タンク22のA室27に戻される。A室27が液体燃料で満杯になった状態で、液体燃料がA室27に戻されると、A室27からB室28に液体燃料がオーバフローし、B室28に液体燃料が貯留される。
A室27およびB室28は、三方弁33の切り替えにより、燃料供給管34と選択的に連通される。
液体燃料電池2の通常の発電動作中は、B室28と燃料供給管34とが連通するように、三方弁33が制御される。そして、循環ポンプ35が駆動されることにより、B室28に貯留されている液体燃料が燃料供給管34を通して液体燃料電池2に供給される。B室28から燃料供給管34に液体燃料が送出され、液体燃料がA室27に戻されるので、正常な状態では、A室27に液体燃料が満杯に溜められ、A室27からB室28に液体燃料がオーバフローしている。
B室28に貯留されている液体燃料の液面がB室28の底面に対して急傾斜する状況であるか否かの判断の指標となる値が所定値を超えると、A室27と燃料供給管34とが連通するように、三方弁33が切り替えられる。そして、その指標となる値が所定値を超えている間、三方弁33がA室27と燃料供給管34とを連通させる状態に維持される。このとき、循環ポンプ35の作用により、A室27から燃料供給管34に液体燃料が吸い出され、その液体燃料が燃料供給管34を通して液体燃料電池2に供給される。A室27には、液体燃料が満杯に溜まっている。そのため、液体燃料電池2の急加減速または車両の走行路面の勾配により、循環燃料タンク22内で液体燃料が加速度の方向に偏っても、第1流出管31が液体燃料で満たされた状態を維持することができる。よって、循環ポンプ35のエア噛みの発生を防止することができる。
液体燃料電池2の発電動作が停止された後も、A室27に貯留されている液体燃料の液面がB室28に貯留されている液体燃料の液面よりも高い状態が維持されるので、循環ポンプ35の起動時には、A室27と燃料供給管34とが連通するように、三方弁33が制御される。これにより、循環ポンプ35の起動時のエア噛みの発生を防止することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態では、循環ポンプ35の起動から所定の呼水時間が経過すると、三方弁33の入口ポート33Aが閉じられ、入口ポート33Bが開かれるとしたが、その切り替えの条件は、それに限定されない。たとえば、燃料供給管34内の圧力が検出されて、その圧力が所定圧を超えると、循環ポンプ35が正常に起動したと判断されて、入口ポート33Aが閉じられ、入口ポート33Bが開かれてもよい。
また、燃料電池システム1が車両に搭載された場合を例にとったが、燃料電池システム1は、船舶や航空機などに搭載されてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 液体燃料電池
3 液体燃料供給装置
4 FC−ECU(指標値取得手段、三方弁制御手段)
22 循環燃料タンク(燃料タンク)
26 仕切壁
27 A室(第1室)
28 B室(第2室)
33 三方弁
34 燃料供給管(燃料供給路)
35 循環ポンプ(燃料ポンプ)
37 燃料帰還管(燃料帰還路)
3 液体燃料供給装置
4 FC−ECU(指標値取得手段、三方弁制御手段)
22 循環燃料タンク(燃料タンク)
26 仕切壁
27 A室(第1室)
28 B室(第2室)
33 三方弁
34 燃料供給管(燃料供給路)
35 循環ポンプ(燃料ポンプ)
37 燃料帰還管(燃料帰還路)
Claims (1)
- 液体燃料を貯留する燃料タンクと、
前記燃料タンクから液体燃料電池に供給される液体燃料が流通する燃料供給路と、
前記燃料供給路に介装され、吸込口が前記燃料タンクの最下部よりも下方に配置された燃料ポンプと、
前記燃料タンク内に形成されて、前記燃料タンクの内部空間を上部で互いに連通する第1室および第2室に仕切る仕切壁と、
前記液体燃料電池から前記第1室に戻される液体燃料が流通する燃料帰還路と、
前記第1室および前記第2室を前記燃料供給路と選択的に連通させる三方弁と、
前記第2室に貯留されている液体燃料の液面が前記第2室の底面に対して急傾斜する状況であるか否かの判断の指標となる値を取得する指標値取得手段と、
前記液体燃料電池の通常の発電動作中は、前記第2室と前記燃料供給路とが連通し、前記指標値取得手段によって取得された値が所定値を超えているときには、前記第1室と前記燃料供給路とが連通するように、前記三方弁の切り替えを制御する三方弁制御手段とを含む、液体燃料供給装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019015195A (ja) * | 2017-07-04 | 2019-01-31 | 鹿島建設株式会社 | オイル配管システム及び給油方法 |
CN110311156A (zh) * | 2019-07-15 | 2019-10-08 | 苏州氢洁电源科技有限公司 | 一种燃料电池用电喷进液装置及其控制方法 |
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2013
- 2013-07-16 JP JP2013147746A patent/JP2015021626A/ja active Pending
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