JP2022157050A - 燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池システムにおいて、氷点下環境での使用時に、発電安定性および燃料電池の劣化抑制を両立しながらセル電圧低下の回復を行うことができる燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法、およびプログラムを提供する。【解決手段】実施形態の燃料電池システムは、燃料電池スタックと、アノードオフガスを流通させる流通路と、流通路に設けられる気液分離部と、気液分離部内に貯留する貯留液水の水量を取得する水量取得手段と、貯留液水の凍結又は非凍結を判定する凍結判定処理を行う制御部と、を備え、制御部は、起動時の凍結判定処理によって貯留液水が凍結状態であると判定した場合に、凍結した貯留液水の解凍処理を開始し、制御部は、起動時に、取得手段により得られる気液分離部内の凍結した貯留液水の水量と、気液分離部の所定の貯水量と、に基づいて燃料電池スタックの出力を制限する。【選択図】図6
Description
本発明は、燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法、およびプログラムに関する。
従来、燃料電池システムでは、電解質膜を挟んで一対の電極が配置されたセル構造体を複数積層したセル構造体を備えた燃料電池スタックを有する。このような燃料電池システムでは、アノード電極とセパレータとの間にアノードガス(燃料ガス)として水素ガスを供給するとともに、カソード電極とセパレータとの間にカソードガス(酸化剤ガス)として空気を供給する。これにより、アノード電極で触媒反応により発生した水素イオンが、電解質膜を透過してカソード電極まで移動し、カソード電極で空気中の酸素と電気化学反応を起こし、発電が行われる。この発電に伴って、燃料電池内部で水が生成される。
このような燃料電池を備える燃料電池システムでは、例えば氷点下環境で使用されると、燃料電池システムの停止中に内部に残留している液水が凍結してしまうおそれがある。ここで、燃料電池システム内部の液水を回収する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の場合、燃料電池システム内の液水を全て回収することは難しく、残留液水の凍結が生じ得る。この場合、回起動時にアノードガス及びカソードガスの循環が妨げられるため、発電安定性の低下や、燃料電池の劣化が課題となる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、燃料電池システムにおいて、氷点下環境での使用時に、発電安定性および燃料電池の劣化抑制を両立しながらセル電圧低下の回復を行うことができる燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
この発明に係る燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る燃料電池システムは、電解質膜を挟んで一対の電極が配置されたセル構造体を複数積層して構成され、酸化剤ガスおよび燃料ガスが供給されて発電を行う燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックにアノードガスを供給し且つ前記燃料電池スタックから排出されるアノードオフガスを流通させる流通路と、前記流通路に設けられ、前記燃料電池スタックから排出される前記アノードオフガスに含まれる液水を分離し、前記アノードオフガスをガス排出部から排出し、かつ前記液水を液水排出部から排出する気液分離部と、前記気液分離部内に貯留する貯留液水の水量を取得する水量取得手段と、前記貯留液水の凍結状態であるか非凍結状態であるかを判定する凍結判定処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、起動時の前記凍結判定処理によって前記貯留液水が凍結状態であると判定した場合に、凍結した前記貯留液水の解凍処理を開始し、前記制御部は、前記起動時に、前記水量取得手段により得られる前記気液分離部内の凍結した前記貯留液水の水量と、前記気液分離部の所定の貯水量と、に基づいて前記燃料電池スタックの出力を制限する、燃料電池システムである。
(1):この発明の一態様に係る燃料電池システムは、電解質膜を挟んで一対の電極が配置されたセル構造体を複数積層して構成され、酸化剤ガスおよび燃料ガスが供給されて発電を行う燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックにアノードガスを供給し且つ前記燃料電池スタックから排出されるアノードオフガスを流通させる流通路と、前記流通路に設けられ、前記燃料電池スタックから排出される前記アノードオフガスに含まれる液水を分離し、前記アノードオフガスをガス排出部から排出し、かつ前記液水を液水排出部から排出する気液分離部と、前記気液分離部内に貯留する貯留液水の水量を取得する水量取得手段と、前記貯留液水の凍結状態であるか非凍結状態であるかを判定する凍結判定処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、起動時の前記凍結判定処理によって前記貯留液水が凍結状態であると判定した場合に、凍結した前記貯留液水の解凍処理を開始し、前記制御部は、前記起動時に、前記水量取得手段により得られる前記気液分離部内の凍結した前記貯留液水の水量と、前記気液分離部の所定の貯水量と、に基づいて前記燃料電池スタックの出力を制限する、燃料電池システムである。
(2):上記(1)の態様において、燃料電池システムは、前記制御部は、凍結した前記貯留液水の水量および前記気液分離部の液水貯留上限値に基づき、前記燃料電池システムの起動後に生成される液水の前記気液分離部への貯留可能容量を算出する処理を行い、前記制御部は、前記燃料電池スタックの出力により生成される前記液水の水量が前記貯留可能容量に達する時間が、凍結した前記貯留液水の前記解凍処理に要する時間より長くなるように前記燃料電池スタックの出力を制限するものである。
(3):上記(1)または(2)の態様において、燃料電池システムは、前記水量取得手段は、前記燃料電池システムが前回停止した時の前記燃料電池スタックの温度及び湿度情報と前記流通路を流通する前記アノードオフガスの体積情報とに基づいて前記貯留液水の水量を算出するものである。
(4):上記(1)または(2)の態様において、燃料電池システムは、前記水量取得手段は、前記燃料電池システムの前回運転時の前記液水を排出する液水排出部における開弁間隔に対する前記生成水の生成量に基づいて前記貯留液水の水量を算出するものである。
(5):上記(1)の態様において、燃料電池システムは、前記燃料電池スタックは複数設けられ、前記制御部は、複数の前記燃料電池スタックのうち、前記電極の劣化状態が相対的に大きい一方の前記燃料電池スタックにて安定出力発電を行い、前記電極の劣化状態が相対的に小さい他方の前記燃料電池スタックにて過渡応答発電を行うよう制御し、前記制御部は、前記凍結判定処理により他方の前記燃料電池スタックに接続される前記気液分離部の前記貯留液水の凍結を判定した場合に、他方の前記燃料電池スタックにて安定出力発電を行い、一方の前記燃料電池スタックにて過渡応答発電を行い、かつ、他方の前記燃料電池スタックの出力の制限分を一方の前記燃料電池スタックにて補うよう制御するものである。
(6):この発明の他の態様に係る燃料電池システムの制御方法は、電解質膜を挟んで一対の電極が配置されたセル構造体を複数積層して構成され、酸化剤ガスおよび燃料ガスが供給されて発電を行う燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックにアノードガスを供給し且つ前記燃料電池スタックから排出されるアノードオフガスを流通させる流通路と、前記流通路に設けられ、前記燃料電池スタックから排出される前記アノードオフガスに含まれる液水を分離し、前記アノードオフガスをガス排出部から排出し、かつ前記液水を液水排出部から排出する気液分離部と、前記気液分離部内に貯留する貯留液水の水量を取得する水量取得手段と、を有する燃料電池システムと、前記貯留液水の凍結又は非凍結を判定する凍結判定処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、起動時の前記凍結判定処理によって前記貯留液水の凍結を判定した場合に、凍結した前記貯留液水の解凍処理を開始し、前記制御部は、前記起動時に、前記水量取得手段により得られる前記気液分離部内の凍結した前記貯留液水の水量と、前記気液分離部の所定の貯水量と、に基づいて前記燃料電池スタックの出力を制限する制御を行う燃料電池システムの制御方法である。
(7):この発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、電力により作動する電動装置に搭載された燃料電池システムの気液分離部の貯留液水の凍結又は非凍結を判定した凍結判定処理の結果を取得させ、凍結した前記貯留液水の解凍処理を開始させ、前記気液分離部内の凍結した前記貯留液水の水量と、起動後に生成される生成水の生成量と、に基づいて前記燃料電池スタックの出力を制限させる、プログラムである。
上記(1)~(7)の態様によれば、燃料電池システムにおいて、氷点下環境での使用時に、発電安定性および燃料電池の劣化抑制を両立しながらセル電圧低下の回復を行うことができる。
(第一実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。実施形態に係る燃料電池システムは、例えば、電力により作動する電動装置に搭載される。電動装置には、例えば、電動車両や鉄道車両、飛行体(例えば、航空機、ドローン等)、船舶、ロボット等の移動体が含まれる。また、電動装置には、定置型の装置(例えば、燃料電池システム)が含まれてもよい。以下では、燃料電池システムが、電動車両に搭載されている例について説明する。電動車両は、例えば、燃料電池において発電された電力を走行用の電力または車載機器の動作用の電力として用いる燃料電池車両である。電動車両は、二輪や三輪、四輪等の自動車である。また、電動車両は、例えば、後述する燃料電池システムを複数搭載することが可能なバスやトラック等の大型車両であってもよい。
以下、図面を参照し、本発明の燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。実施形態に係る燃料電池システムは、例えば、電力により作動する電動装置に搭載される。電動装置には、例えば、電動車両や鉄道車両、飛行体(例えば、航空機、ドローン等)、船舶、ロボット等の移動体が含まれる。また、電動装置には、定置型の装置(例えば、燃料電池システム)が含まれてもよい。以下では、燃料電池システムが、電動車両に搭載されている例について説明する。電動車両は、例えば、燃料電池において発電された電力を走行用の電力または車載機器の動作用の電力として用いる燃料電池車両である。電動車両は、二輪や三輪、四輪等の自動車である。また、電動車両は、例えば、後述する燃料電池システムを複数搭載することが可能なバスやトラック等の大型車両であってもよい。
[電動車両]
図1は、実施形態の燃料電池システムが搭載された電動車両の構成の一例を示す図である。図1に示すように、電動車両10は、例えば、モータ12と、駆動輪14と、ブレーキ装置16と、車両センサ20と、変換器32と、BTVCU(Battery Voltage Control Unit)34と、バッテリシステム40と、表示装置50と、車両制御装置80と、統括ECU(Electronic Control Unit)100と、記憶部150と、一以上のFC(Fuel Cell)システム(燃料電池システム)200とを備える。図1に示す例では、複数のFCシステム200A、200B、が示されているが、それぞれを個別に区別しない場合には、単に「FCシステム200」と称する場合がある。FCシステム200は、「燃料電池システム」の一例である。各FCシステムの第一制御部246A、第二制御部246Bについて、それぞれを個別に区別しない場合は、単に「制御部246」と称する場合がある。
図1は、実施形態の燃料電池システムが搭載された電動車両の構成の一例を示す図である。図1に示すように、電動車両10は、例えば、モータ12と、駆動輪14と、ブレーキ装置16と、車両センサ20と、変換器32と、BTVCU(Battery Voltage Control Unit)34と、バッテリシステム40と、表示装置50と、車両制御装置80と、統括ECU(Electronic Control Unit)100と、記憶部150と、一以上のFC(Fuel Cell)システム(燃料電池システム)200とを備える。図1に示す例では、複数のFCシステム200A、200B、が示されているが、それぞれを個別に区別しない場合には、単に「FCシステム200」と称する場合がある。FCシステム200は、「燃料電池システム」の一例である。各FCシステムの第一制御部246A、第二制御部246Bについて、それぞれを個別に区別しない場合は、単に「制御部246」と称する場合がある。
モータ12は、例えば、三相交流電動機である。モータ12のロータは、駆動輪14に連結される。モータ12は、FCシステム200により発電された電力とバッテリシステム40により蓄電された電力とのうち少なくとも一方を用いて、電動車両10の走行に用いられる駆動力を駆動輪14に出力する。また、モータ12は、車両の減速時に車両の運動エネルギーを用いて発電する。
ブレーキ装置16は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータとを備える。ブレーキ装置16は、ブレーキペダルの操作によって発生した油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置16は、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
車両センサ20は、例えば、アクセル開度センサと、車速センサと、ブレーキ踏量センサとを備える。アクセル開度センサは、運転者による加速指示を受け付ける操作子の一例であるアクセルペダルに取り付けられ、アクセルペダルの操作量を検出し、アクセル開度として車両制御装置80に出力する。車速センサは、例えば、各車輪に取り付けられた車輪速センサと、速度計算機とを備え、車輪速センサにより検出された車輪速を統合して車両の速度(車速)を導出し、車両制御装置80および表示装置50に出力する。ブレーキ踏量センサは、ブレーキペダルに取り付けられ、ブレーキペダルの操作量を検出し、ブレーキ踏量として車両制御装置80に出力する。
車両センサ20には、電動車両10の加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、電動車両10の向きを検出する方位センサ等が含まれてもよい。また、車両センサ20には、電動車両10の位置を検出する位置センサが含まれてもよい。位置センサは、例えば、電動車両10に搭載されたGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や、GPS(Global Positioning System)装置から電動車両10の位置情報を取得する。また、車両センサ20には、FCシステム200の温度を測定する温度センサが含まれてもよい。車両センサ20により検出された各種情報は、車両制御装置80に出力される。
変換器32は、例えば、AC-DC変換器である。変換器32の直流側端子は、直流リンクDLに接続されている。直流リンクDLには、BTVCU34を介してバッテリシステム40が接続されている。変換器32は、モータ12により発電された交流電圧を直流電圧に変換して直流リンクDLに出力する。
BTVCU34は、例えば、昇圧型のDC―DCコンバータである。BTVCU34は、バッテリシステム40から供給される直流電圧を昇圧して直流リンクDLに出力する。BTVCU34は、モータ12から供給される回生電圧、または、FCシステム200から供給されるFC電圧をバッテリシステム40に出力する。
バッテリシステム40は、例えば、バッテリ42と、バッテリセンサ44とを備える。バッテリ42は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池である。バッテリ42は、例えば、モータ12またはFCシステム200において発電された電力を蓄え、電動車両10の走行のため、または車載機器を動作させるための放電を行う。
バッテリセンサ44は、例えば、電流センサ、電圧センサ、温度センサを備える。バッテリセンサ44は、例えば、バッテリ42の電流値、電圧値、温度を検出する。バッテリセンサ44は、検出した電流値、電圧値、温度等を車両制御装置80に出力する。
バッテリシステム40は、例えば外部の充電設備と接続して充放電装置から供給される電力をバッテリ42に充電させてもよい。
表示装置50は、例えば、表示部52と、表示制御部54と、を備える。表示部52は、例えば、メータ内またはインストルメントパネルに設けられた表示部、またはヘッドアップディスプレイ(HUD)である。表示部52は、表示制御部54の制御に応じた各種情報を表示する。表示制御部54は、バッテリシステム40により出力される情報やFCシステム200により出力される情報に基づく画像を表示部52に表示させる。また、表示制御部54は、車両センサ20や車両制御装置80により出力される情報に基づく画像を表示部52に表示させる。また、表示制御部54は、車両センサ20により出力される車速等を示す画像を表示部52に表示させる。また、表示装置50は、音声を出力するスピーカを備え、表示部52に表示された画像に対応付けられた音声または警報等を出力してもよい。
車両制御装置80は、電動車両10における走行および車載機器の動作等を制御する。例えば、車両制御装置80は、電動車両10からの要求電力に応じてバッテリシステム40に充電された電力やFCシステム200で発電した電力の供給等を制御する。電動車両10からの要求電力とは、例えば、電動車両10の負荷が駆動または動作するために要求する総負荷電力である。負荷には、例えば、モータ12やブレーキ装置16、車両センサ20、表示装置50、その他の車載機器等の補機が含まれる。また、車両制御装置80は、電動車両10の走行制御等を行ってもよい。車両制御装置80の機能の詳細については後述する。
統括ECU100は、例えば、車両制御装置80からの制御情報等に基づいて、複数のFCシステム(FCシステム200A、200B、…)のそれぞれの発電量を統括的に制御する。統括ECU100の機能の詳細については後述する。
記憶部150は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現される。記憶部150には、例えば、FCシステム200の燃料電池スタックのセル電圧の状態に関する情報、プログラム、およびその他の各種情報が記憶される。
各FCシステム200は同様の構成を備える。第一FCシステム200Aを例に説明する。FCシステム200は、例えば、燃料電池を含む。燃料電池は、例えば、アノードの燃料とカソードの酸化剤とが反応することによって発電する電池である。燃料電池は、例えば、燃料ガスに燃料として含まれる水素と、空気に酸化剤として含まれる酸素とが反応することによって発電する。FCシステム200は、統括ECU100の制御により、指示された発電量の発電を行い、発電した電力を、例えば、変換器32とBTVCU34との間の直流リンクDLに出力して給電を行う。これによって、FCシステム200により供給される電力は、車両制御装置80等の制御により、変換器32を介してモータ12に供給されたり、BTVCU34を介してバッテリシステム40に供給され、バッテリ42に蓄電されたり、他の補機等に必要な電力が供給されたりする。
[FCシステム]
FCシステム200について具体的に説明する。図2は、実施形態に係るFCシステム200の構成の一例を示す図である。図2に示す構成は、電動車両10に搭載される複数のFCシステム200のそれぞれに適用可能である。本実施形態に係るFCシステム200については、以下の構成に限定されるものではなく、例えばアノードとカソードによって発電するシステム構成であれば如何なる構成であってもよい。図2に示すFCシステム200は、例えば、FCスタック210と、コンプレッサ214と、封止入口弁216と、加湿器218と、気液分離器220(気液分離部)と、排気循環ポンプ(P)222と、水素タンク226と、水素供給弁228と、水素循環部230と、気液分離器232(気液分離部)と、流通路と、温度センサ(T)と、コンタクタ242と、FCVCU(Fuel Cell Voltage Control Unit)244と、制御部246と、FC冷却システム280とを備える。FCシステム200は、水素タンク226およびコンプレッサ214からFCスタック210を経て、排気再循環路254または酸化剤ガス排出路252に流通路を備える。流通路は、FCスタック210にアノードガスを供給するアノードガス流通路(例えば燃料ガス供給路256)と、FCスタック210のカソード排出口212bから排出されるアノードオフガス流通路(例えば排気再循環路254、燃料ガス供給路256)とを含む。
FCシステム200について具体的に説明する。図2は、実施形態に係るFCシステム200の構成の一例を示す図である。図2に示す構成は、電動車両10に搭載される複数のFCシステム200のそれぞれに適用可能である。本実施形態に係るFCシステム200については、以下の構成に限定されるものではなく、例えばアノードとカソードによって発電するシステム構成であれば如何なる構成であってもよい。図2に示すFCシステム200は、例えば、FCスタック210と、コンプレッサ214と、封止入口弁216と、加湿器218と、気液分離器220(気液分離部)と、排気循環ポンプ(P)222と、水素タンク226と、水素供給弁228と、水素循環部230と、気液分離器232(気液分離部)と、流通路と、温度センサ(T)と、コンタクタ242と、FCVCU(Fuel Cell Voltage Control Unit)244と、制御部246と、FC冷却システム280とを備える。FCシステム200は、水素タンク226およびコンプレッサ214からFCスタック210を経て、排気再循環路254または酸化剤ガス排出路252に流通路を備える。流通路は、FCスタック210にアノードガスを供給するアノードガス流通路(例えば燃料ガス供給路256)と、FCスタック210のカソード排出口212bから排出されるアノードオフガス流通路(例えば排気再循環路254、燃料ガス供給路256)とを含む。
FCスタック210A,210Bは、複数の燃料電池セルが積層された積層体(図示略)と、積層体を積層方向の両側から挟み込む一対のエンドプレート(図示略)とを備える。電解質膜を挟んで一対の電極が配置されたセル構造体を複数積層して構成され、酸化剤ガスおよび燃料ガスが供給されて発電を行う複数の燃料電池スタックを有する。燃料電池セルは、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、膜電極接合体を接合方向の両側から挟み込む一対のセパレータとを備える。膜電極接合体は、例えば、アノード触媒およびガス拡散層からなるアノードと、カソード触媒およびガス拡散層からなるカソードと、アノードおよびカソードによって厚さ方向の両側から挟み込まれた陽イオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜とを備える。
アノードには、燃料として水素を含む燃料ガスが水素タンク226から供給される。カソードには、酸化剤として酸素を含む酸化剤ガス(反応ガス)である空気がコンプレッサ214から供給される。アノードに供給された水素は、アノード触媒上で触媒反応によりイオン化され、水素イオンは、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介してカソードへと移動する。水素イオンの移動に伴って発生する電子は直流電流として外部回路(FCVCU244等)に取り出し可能である。アノードからカソードのカソード触媒上へと移動した水素イオンは、カソードに供給された酸素と、カソード触媒上の電子と反応して、水を生成する。
コンプレッサ214は、制御部246により駆動制御されるモータ等を備え、このモータの駆動力によって外部から空気を取り込んで圧縮し、圧縮後の空気をカソードに接続された酸化剤ガス供給路250に送り込むことで、燃料電池に酸化ガスを圧送する。
封止入口弁216は、コンプレッサ214と、FCスタック210Aのカソードに空気を供給可能なカソード供給口212aとを接続する酸化剤ガス供給路250に設けられ、制御部246の制御によって開閉される。封止入口弁216は、流量調整手段の一例である。
加湿器218は、コンプレッサ214から酸化剤ガス供給路250に送り込まれた空気を加湿する。例えば、加湿器218は、例えば中空糸膜等の水透過膜を備え、コンプレッサ214からの空気を、水透過膜を介して接触させることで水分を空気に添加して空気を加湿する。
封止入口弁216と、カソード供給口212aとの間に給気循環ポンプ223が設けられている。給気循環ポンプ223は、コンプレッサ214から酸化剤ガス供給路250に流入した空気を、封止入口弁216からカソード供給口212aに向かい供給する。給気循環ポンプ223は送気手段の一例である。
コンプレッサ214と加湿器218との間の酸化剤ガス供給路250には、流量調整弁270が設けられている。流量調整弁270は、制御部246の制御によって開閉される。
気液分離器220は、カソード消費されることなく、カソード排出口212bから酸化剤ガス排出路252に排出されたカソード排ガスと液水とをカソードの排気路262を介して大気中に排出させる。また、気液分離器220は、酸化剤ガス排出路252に排出されたカソード排ガスと液水とを分離し、分離されたカソード排ガスのみを排気再循環路254に流入させてもよい。気液分離器220は、後述する気液分離器232と同様の構成を有する。
排気循環ポンプ222は、排気再循環路254に設けられ、気液分離器220から排気再循環路254に流入したカソード排ガスを、封止入口弁216からカソード供給口212aに向かい酸化剤ガス供給路250を流通する空気と混合し、カソードに再び供給する。排気循環ポンプ222は、送気手段の一例である。
水素タンク226は、水素を圧縮した状態で貯留する。水素供給弁228は、水素タンク226と、FCスタック210のアノードに水素を供給可能なアノード供給口212cとを接続する燃料ガス供給路256に設けられている。水素供給弁228は、制御部246の制御によって開弁した場合に、水素タンク226に貯留された水素を燃料ガス供給路256に供給する。燃料ガス供給路256には、インジェクタ271およびエゼクタ236が設けられている。
水素循環部230は、例えば、燃料電池に燃料ガスを循環供給するポンプである。水素循環部230は、例えば、アノードで消費されることなく、アノード排出口212dから燃料ガス排出路258に排出されたアノード排ガスを、気液分離器232を経て燃料ガス供給路256に循環させる。
気液分離器232は、水素循環部230の作用により燃料ガス排出路258から燃料ガス供給路256に循環するアノード排ガスと液水とを分離する。図5は気液分離器232の構成を示す模式図である。気液分離器232は、貯留部91と、流入口92と、排気口93(ガス排出部)と、液水排出口(液水排出口)98と、ドレインヒータ95と、アノードドレイン弁96と、を含んで構成されている。貯留部91内で液水から分離されたアノード排ガスは、排気口93からFCスタック210のアノード供給口212cに供給される。具体的には、液水から分離されたアノード排ガスは、排気口93から排気再循環路254に流れ、FCスタック210のアノード供給口212cに供給される。気液分離器220では、アノードガスが燃料ガス供給路256に流れる。液水排出口98は、貯留部91の下部に設けられている。液水排出口98とアノードドレイン弁96との間には排水路971を有する。アノードドレイン弁96が閉弁されると、排水路971および貯留部91の下部に液水が溜まる。溜まった液水を貯留液水と称する。流入口92から貯留部91に排出され、気液分離された液水は、アノードドレイン弁96が開弁されると、液水排出口98からドレイン管264へ流出し、大気中に排出される。ドレインヒータ95は、貯留部91の下端部かつ、液水排出口98の近傍に配置されている。ドレインヒータ95は、ケーブル951を介して通電可能なヒータである。アノードドレイン弁96は、排水路971の開閉を行うバルブである。アノードドレイン弁96は例えばソレノイドバルブである。
温度センサは、FCスタック210のアノードおよびカソードの温度を検出し、検出信号(温度情報)を制御部246に出力する。
コンタクタ242は、FCスタック210のアノードおよびカソードと、FCVCU244との間に設けられている。コンタクタ242は、制御部246からの制御に基づいて、FCスタック210とFCVCU244との間を電気的に接続させ、または遮断する。
FCVCU244は、例えば、昇圧型のDC―DCコンバータである。FCVCU244は、コンタクタ242を介したFCスタック210のアノードおよびカソードと電気負荷との間に配置されている。FCVCU244は、電気負荷側に接続された出力端子248の電圧を、制御部246によって決定された目標電圧に昇圧する。FCVCU244は、例えば、FCスタック210から出力された電圧を目標電圧に昇圧して出力端子248に出力する。
制御部246は、統括ECU100による発電制御にしたがって、FCシステム200における発電の開始や終了、発電量、ドレインヒータ95の発電の開始や終了等を制御する。制御部246は、FC冷却システム280を用いてFCシステム200の温度調整に関する制御を行う。制御部246は、例えばFC-ECUといった制御装置に置き換えられてもよい。制御部246は、統括ECU100や車両制御装置80と連携して電動車両10の給電制御を行ってもよい。
FC冷却システム280は、制御部246による制御にしたがって、例えば、温度センサにより検出されたFCスタック210の温度が閾値以上である場合に、FCシステム200を冷却する。例えば、FC冷却システム280は、FCスタック210内に設けられた流路に冷媒を巡回させてFCスタック210の熱を排出することで、FCスタック210の温度を冷却する。また、FC冷却システム280は、FCシステム200が発電中である場合に、温度センサによる温度が所定温度範囲で維持されるように、FCスタック210を加熱または冷却させる制御を行ってもよい。
[車両制御装置]
図3は、車両制御装置80の構成の一例を示す図である。車両制御装置80は、例えば、モータ制御部82と、ブレーキ制御部84と、電力制御部86と、走行制御部88とを備える。モータ制御部82、ブレーキ制御部84、電力制御部86、および走行制御部88は、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め電動車両10のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで電動車両10のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。上記の記憶装置は、例えば記憶部150である。
図3は、車両制御装置80の構成の一例を示す図である。車両制御装置80は、例えば、モータ制御部82と、ブレーキ制御部84と、電力制御部86と、走行制御部88とを備える。モータ制御部82、ブレーキ制御部84、電力制御部86、および走行制御部88は、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め電動車両10のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで電動車両10のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。上記の記憶装置は、例えば記憶部150である。
モータ制御部82は、車両センサ20の出力に基づいて、モータ12に要求される駆動力を算出し、算出した駆動力を出力させるようにモータ12を制御する。
ブレーキ制御部84は、車両センサ20の出力に基づいて、ブレーキ装置16に要求される制動力を算出し、算出した制動力を出力させるようにブレーキ装置16を制御する。
電力制御部86は、車両センサ20の出力に基づいて、バッテリシステム40とFCシステム200に要求される要求電力量を算出する。例えば、電力制御部86は、アクセル開度と車速に基づいてモータ12が出力すべきトルクを算出し、トルクとモータ12の回転数から求められる駆動軸負荷電力と、補機等が要求する電力とを合計して要求電力量を算出する。また、電力制御部86は、バッテリシステム40の充電状況(蓄電状況)を管理する。例えば、電力制御部86は、バッテリセンサ44の出力に基づいて、バッテリ42のSOC(State Of Charge;バッテリ充電率)を算出する。電力制御部86は、例えば、バッテリ42のSOCが所定値未満である場合には、FCシステム200による発電によってバッテリ42を充電させるための制御を実行したり、外部の充電設備からの電力供給による充電を乗員に促す情報を表示装置50に出力させる。電力制御部86は、バッテリ42のSOCが所定値より大きい場合に充電制御を停止したり、FCシステム200で発電された余剰電力を補機等で消費させるための制御を行ってもよい。
走行制御部88は、例えば車両センサ20により取得される情報に基づいて、電動車両10に対する運転制御を実行する。また、走行制御部88は、車両センサ20により取得される情報に加えて、地図情報や監視ユニット(不図示)から取得される情報に基づいて電動車両10の運転制御を実行してもよい。監視ユニットとは、例えば、電動車両10の外部の空間を撮像するカメラや、電動車両10の外部を検知範囲とするレーダあるいはLIDAR(Light Detection and Ranging)、これらの出力に基づいてセンサフュージョン処理を行う物体認識装置等を含む。監視ユニットは、電動車両10の周辺に存在する物体の種類(特に、車両、歩行者、および自転車)を推定し、その位置や速度の情報と共に走行制御部88に出力する。運転制御とは、例えば、電動車両10の操舵または加減速のうち一方または双方を制御することで、電動車両10を走行させるものである。運転制御には、例えば、ADAS(Advanced Driver Assistance System)等の運転支援制御が含まれる。ADASには、例えば、LKAS(Lane Keeping Assistance System)や、ACC(Adaptive Cruise Control System)、CMBS(Collision Mitigation Brake System)等が含まれる。
[統括ECU]
図4は、統括ECU100の構成の一例を示す図である。統括ECU100は、例えば、流量制御部102と、要求電力取得部104と、出力制御部106と、送気制御部107と、水量取得部103と、解凍制御部105と、発電制御部108とを備える。流量制御部102、要求電力取得部104、出力制御部106、および発電制御部108は、それぞれ、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め電動車両10のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで電動車両10のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。上記の記憶装置は、例えば記憶部150である。
図4は、統括ECU100の構成の一例を示す図である。統括ECU100は、例えば、流量制御部102と、要求電力取得部104と、出力制御部106と、送気制御部107と、水量取得部103と、解凍制御部105と、発電制御部108とを備える。流量制御部102、要求電力取得部104、出力制御部106、および発電制御部108は、それぞれ、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め電動車両10のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで電動車両10のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。上記の記憶装置は、例えば記憶部150である。
要求電力取得部104は、電動車両10からの要求電力量を取得する。例えば、要求電力取得部104は、車両制御装置80により複数のFCシステム200で発電させる要求電力量(つまり、電動車両全体で必要な要求電力量のうちバッテリシステム40が供給する電力量を除いた電力量)を取得する。
流量制御部102は、複数のFCシステム200A、200Bの各FCスタック210A、210Bのうち、電極の劣化状態が相対的に大きい一方のFCスタックを有する一方のFCシステムにて安定出力発電を行い、電極の劣化状態が相対的に小さい他方のFCスタックを有する他方の燃料電池システムにて過渡応答発電を行うよう制御する。
送気制御部107は、例えば、給気循環ポンプ223等の送気手段の稼働状態を制御する。例えば、送気制御部107は、給気循環ポンプ223の出力を増加または減少させることにより、酸化剤ガス供給路250内の空気の流量や流速を制御できる。送気制御部107は、送気制御手段の一例である。
水量取得部103は、気液分離器220,232の貯留部91の下部に溜まっている貯留液水の水量を取得する。水量取得部103は、センサ等を用いて貯留液水の水量を検出する手段、貯留液水の推定水量を算出する手段のいずれか一方、または両方を備えていてもよい。水量取得部103が貯留液水の水量を計測する手段である場合は、例えば、気液分離器220,232に水位センサや温度センサ等を設けてもよい。水量取得部103が貯留液水の水量を推定する手段である場合、例えば、FCシステムの停止前の動作状況(以下、「前回動作状況」と記載する場合がある。)から貯留液水の推定水量を算出してもよい。水量取得部103が貯留液水の水量を推定する手段である場合、例えば、FCスタック210の出力に対応する液水の生成量を示す生成量情報を予め記憶し、記憶された生成量情報に基づき、貯留液水の水量を取得してもよい。
水量取得部103が前回動作状況に基づき貯留液水の推定水量を算出する場合の算出例を示す。例えば、FCシステムの動作時、FCスタック210の出力およびアノードドレイン弁の開弁時間の間隔により、気液分離器内の貯留液水の水量を算出する。例えば、前回動作時、ドレイン弁が開弁されてから閉じるまでの1サイクルの圧力降下特性を取得する。具体的には、FCスタック210の圧力をアノード圧力センサにより取得する。取得した圧力値の単位時間あたりの差ΔPを算出する。
(式1)において、Q:質量流量(単位:Kg/s)、C:流量係数、ΔP:オリフィス差圧(単位:kPA)、Y:流体密度(単位:kg/m3)である。
(式1)に示すオリフィス式にΔPを、ドレイン弁が開弁されてから閉弁までの1ドレインサイクルにおいて、液水が流出する水量を算出する。液水の水量の値を積算して1ドレインサイクルあたりの液水の生成水量を算出する。次に、FCスタック210の電流密度を測定する。1ドレインサイクル毎の液水の生成水量と、FCスタック210の電流密度との関係値を複数取得することにより、FCスタック210の膜透過特性の推定値が得られる。水量取得部103は、低温起動時に取得したFCスタック210の電流密度と、FCスタック210の膜透過特性の推定値とにより、低温起動時の貯留液水の水量を推定する。推定された貯留液水の水量が全て凍結していると推定し、解凍処理を行う。
(式1)に示すオリフィス式にΔPを、ドレイン弁が開弁されてから閉弁までの1ドレインサイクルにおいて、液水が流出する水量を算出する。液水の水量の値を積算して1ドレインサイクルあたりの液水の生成水量を算出する。次に、FCスタック210の電流密度を測定する。1ドレインサイクル毎の液水の生成水量と、FCスタック210の電流密度との関係値を複数取得することにより、FCスタック210の膜透過特性の推定値が得られる。水量取得部103は、低温起動時に取得したFCスタック210の電流密度と、FCスタック210の膜透過特性の推定値とにより、低温起動時の貯留液水の水量を推定する。推定された貯留液水の水量が全て凍結していると推定し、解凍処理を行う。
FCスタック210の膜透過特性は、各FCスタック210により異なる。そこで、複数のFCスタック210について個別に膜透過特性を推定し、各FCスタック210のアノード系における液水の生成水量を個別に取得する。低温起動時、複数のFCスタック210について個別に電流密度を取得し、取得した電流密度の値に基づき、各FCスタック210の液水の生成水量を推定し、気液分離器内の貯留液水の水量を算出する。通常運転時の発電のトレンドを取得し、電流密度毎のアノード系の生成水量を推定し、学習してもよい。各FCスタック210の液水の生成水量を推定することにより、貯留液水の水量の推定値の精度が上がる。この結果、実際の貯留液水の水量に最適な解凍処理を行うことができる。
なお、FCシステムの運転停止後、気温が下降した場合、流路内に結露水が発生する。結露水も凍結する。この場合、算出された液水の生成量に気液分離器内に残留している貯留液水を足した量を貯留液水の推定水量として算出してもよい。
この他、前回停止した時のFCスタックの温度及び湿度情報と流通路を流通するアノードオフガスの体積情報とに基づいて貯留液水の水量を算出してもよい。
解凍制御部105は、貯留液水を解凍する制御を行う。例えば、FCシステム起動時の貯留液水の水量に基づき、アノードヒータの通電時間の制御を行う。例えば、アノードヒータの通電時間の制御とともに、解凍制御中に出力制御部106、送気制御部107において、各FCシステムに対して安定出力発電または過渡応答発電を行う制御情報を送信する制御を行う。
統括ECU100は、流量制御部102、要求電力取得部104、出力制御部106、送気制御部107、および発電制御部108の全てを備える構成に限定されない。例えば、出力制御部106、送気制御部107、要求電力取得部104を備えない統括ECU100であってもよい。
以下の説明では、第一FCシステム200の第一FCスタック210Aの電極の劣化状態が、第二FCスタック210Bの電極より相対的に大きい例を示して説明する。つまり、第一FCスタック210Aが低下燃料電池スタックの例である。
各FCスタック210が有する各セル構造体のセル電圧はセル電圧センサ201により検出される。セル電圧センサ201は、常時または定期的にセル構造体のセル電圧を検出する。セル構造体のセル電圧の検出結果は、記憶部150に記録される。セル電圧センサ201によるセル構造体のセル電圧の検知結果が所定値を下回る場合、流量制御部102は、セル構造体のセル電圧が低下したと判定する。セル電圧の低下が判定されると、流量制御部102は、少なくともセル電圧が低下したセル構造体を有する燃料電池スタックである低下燃料電池スタック(第一FCスタック210A)が安定出力発電を行うよう制御し、かつ、低下燃料電池スタック210Aへ供給される酸化剤ガスおよび燃料ガスのいずれか一方の流量を、セル電圧の低下前の流量と比較して増加させる流量制御を行う。
安定出力発電とは、セル電圧が低下したセル構造体を有するFCスタック210Aの出力を下げ、発電を継続する発電状態をいう。安定出力発電は、凍結解除処理の間、解凍制御部105により、セル構造体を有するFCスタック210Aの出力を下げ、発電を継続する発電状態を含む。
過渡応答発電とは、低下燃料電池スタックを安定出力発電に切り替えた結果、低下した出力を他のFCシステム200Bが補い、システム全体として、要求電力取得部104が取得した要求電力量を発電可能な発電状態をいう。他のFCシステム200Bは、安定出力発電対象のFCシステム200Aの発電量の減少分相当、あるいは減少分以下であるが要求電力量に対応可能な発電量となるように、発電量を上げる。過渡応答発電時、例えば、流量制御部102により、他のFCシステム200Bの発電量を上げる。過渡応答発電は、凍結解除処理を行う場合、解凍処理時に低下した出力を、凍結解除処理の終了時、または後述する解凍処理の終期に発電量を上げ、要求電力量に対応可能な発電量にする発電状態を含む。
例えば、流量制御部102は、セル電圧センサ201の検知結果に基づき、流量調整弁270開閉状態を制御し、酸化剤ガス供給量を調整する。流量制御は、燃料ガスおよび酸化剤ガスの各流路に設けられている弁の開閉状態、開放量を調整し、あるいは、ポンプの出力を調整し、燃料の流通経路における流量を制御する。流量を制御する方法は、セル構造体のセル電圧の状態により選択する。
例えば、酸化剤ガスの流量を増加させる流量制御を行う場合には、流量制御部102は低下燃料電池スタックである第一FCスタック210Aへ供給する燃料ガスの流量も、セル電圧の低下前の流量と比較して増加させる。
流量制御部102が流量制御を開始した後、セル電圧センサ201が低下燃料電池スタックである第一FCスタック210Aのセル構造体のセル電圧が所定のセル電圧以上に上昇したことを検知した場合に、流量制御部102は、酸化剤ガスおよび/または燃料ガスの流量の増加状態を解除し、同時に複数のFCスタック210A,210Bスタックのそれぞれを、セル電圧の低下検知前の発電状態にて発電を行うよう制御する。
出力制御部106は、複数のFCスタック210A、210Bの出力を制御する。出力制御部106は、セル電圧センサ201が低下燃料電池スタック210Aのセル構造体のセル電圧が所定のセル電圧以上に上昇しないことを検知した場合に、低下燃料電池スタック210Aの出力を所定以下に制限する出力制限を行うとともに、過渡応答発電を行う第二FCスタック210Bの出力を出力制限前の出力と比較して上げる出力補完制御を行う。
セル電圧センサ201が出力制限以降も低下燃料電池スタック210Aのセル構造体のセル電圧の低下が継続していることを検知した場合には、出力制御部106は、低下燃料電池スタック210Aによる発電を停止させるとともに過渡応答発電を行う他のFC電池スタック210Bの出力を出力制限時の出力と比較して上げる制御を行う。
[処理フロー]
以下、実施形態に係る燃料電池システムのコンピュータにより実行される処理の流れについてフローチャートを用いて説明する。以下の処理では、主に電動車両10に搭載された複数のFCシステムによる給電制御の処理を中心として説明する。図6は、実施形態に係る燃料電池システムのコンピュータにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図6の処理は、例えば、電動車両10が起動している間に、所定のタイミングまたは所定の周期で繰り返し実行される。
以下、実施形態に係る燃料電池システムのコンピュータにより実行される処理の流れについてフローチャートを用いて説明する。以下の処理では、主に電動車両10に搭載された複数のFCシステムによる給電制御の処理を中心として説明する。図6は、実施形態に係る燃料電池システムのコンピュータにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図6の処理は、例えば、電動車両10が起動している間に、所定のタイミングまたは所定の周期で繰り返し実行される。
図6の例において、まず、例えば、電動車両10の起動時、燃料電池システムが起動すると、統括ECU100は、燃料電池システム近傍の温度情報を取得する。温度情報は、例えば、電動車両10の外気温、電動車両10の燃料電池システム収容部の温度、気液分離器近傍に設けられた温度センサ等により取得する。統括ECU100は、取得した温度情報に基づき、貯留液水の凍結の有無を判定する(ステップS10)。温度情報が摂氏零度より高い場合、後述する凍結解除処理(ステップS11)は行われず、FCシステム200A、200Bは通常運転が行われる。温度情報が統括ECU100は、凍結解除処理を行う(ステップS11)。凍結解除処理が開始されると、統括ECU100は、気液分離器の貯留液水の凍結の有無を判定する(ステップS12)。貯留液水の凍結の有無の判定方法は、例えば、各FCシステム200に備えるアノードドレイン弁の開閉を検知する。アノードドレイン弁の上流端は気液分離器と連通しており、貯留液水と接触している。そのため、貯留液水が凍結していると、アノードドレイン弁も開かない。そこで、例えば、統括ECU100は、各FCシステム200に備えるアノードドレイン弁を開弁させる弁駆動処理を行う。弁駆動処理の結果、アノードドレイン弁が開いたことが検知されない場合、統括ECU100は、貯留液水が凍結している状態であると判定する。貯留液水の凍結の有無の判定に用いる判定手段は、この例に限定されない。例えば、貯留液水の凍結を検出できるセンサを気液分離器内に備えて、凍結の有無を検出してもよい。
統括ECU100は、凍結判定処理(ステップS12)において、貯留液水の凍結が凍結している状態であると判定した場合(YES)、凍結した貯留液水の解凍処理を行う(ステップS13)。具体的には、アノードヒータを通電させ、アノードヒータの温度を上昇させる。アノードヒータは、排水口の近傍かつ、気液分離器の下端部に配置されている。そのため、貯留液水が凍結している場合、凍結している貯留液水に埋もれている、あるいは接触している。アノードヒータを加熱すると、アノードヒータの周囲から貯留液水が次第に解凍される。アノードヒータは、貯留液水の解凍が終わるまで加熱される。統括ECU100は、凍結判定処理(ステップS12)において、貯留液水の凍結が凍結している状態であると判定した場合(NO)、凍結解除処理を終了し、FCシステム200A、200Bは通常運転に切り替えられる。
統括ECU100は、解凍処理開始と同時に、気液分離器内に貯留している貯留液水の水量を取得する(ステップS14)。貯留液水の水量は、センサを用いて検出する手段や、推定水量を算出する手段を含む。例えば、センサを用いる場合、気液分離器に液量を検出するセンサを設けてもよい。推定水量を算出する場合、前回動作状況から推定水量を算出してもよい。具体的には、燃料電池システムの起動時、FCスタック210の出力およびアノードドレイン弁の開弁時間の間隔により、気液分離器内の貯留液水の水量を算出してもよい。この場合、燃料電池システムの停止前の直前におけるアノードドレイン弁96の開弁時間の間隔とFCスタック210の出力とに基づき、生成される液水の生成量を算出してもよい。この場合、算出された液水の生成量に気液分離器内に残留している貯留液水を足した量を貯留液水の推定水量として算出してもよい。他の例として、FCスタック210の出力に対応する液水の生成量を示す生成量情報を予め記憶し、記憶された生成量情報に基づき、貯留液水の水量を取得してもよい。
次に、統括ECU100は、燃料電池スタックの出力制限処理を行う(ステップS15)。気液分離器内に貯留液水が凍結している場合、開弁制御が行われてもアノードドレイン弁が開弁されない、あるいは、凍結している貯留液水が排水されない。このような状態で、燃料電池システムを起動させると、気液分離器内に液水が溜まり、気液分離器内の液水の水位が上昇する。気液分離器で液水の量が許容貯水量を超えるとFCスタック210からのアノード排ガスの排出口に達し、発電効率が低下する。また、電極の劣化の要因となる。そこで、統括ECU100は、貯留液水が解凍され、アノードドレイン弁から排水が可能になるまで、気液分離器内の貯留液水が許容貯水量を超えないようにFCスタック210の出力制限を行う。
出力制限処理(ステップS15)では、統括ECU100は、気液分離器内に流入可能な液水の水量を算出する。図5に示すように、許容水位L1における気液分離器の許容貯水量W1から、ステップS14において取得された貯留液水の水量W2を除いた水量W3が、低温起動時、気液分離器内に新たに流入可能な液水の水量である。低温起動処理時、統括ECU100は、解凍処理(ステップS13)が行われている間、出力制限制御を行う。出力制限制御は、後述する出力制限制御(S108)と同様に行う。例えば、凍結解除処理の間、新たに流入可能な液水の水量に対応する電流密度から逆算し、各FCスタック210の出力を所定値以下に制限する。
解凍処理(ステップS13)および出力制限処理(ステップS15)が行われている間、統括ECU100は、ステップS12と同様に凍結判定処理(ステップS16)を行う。凍結判定処理(ステップS16)において、貯留液水が凍結している(YES)と判定された場合、解凍処理(ステップS13)から出力制限処理(ステップS15)が繰り返される。凍結判定処理(ステップS16)において、統括ECU100は、アノードドレイン弁96が開弁され、貯留液水が排水可能になると貯留液水が解凍されたと判定する。凍結判定処理(ステップS16)において、貯留液水が凍結していない(非凍結)、すなわち解凍されたと判定されると(NO)、凍結解除処理を終了し、FCシステム200A,200Bは通常運転に切り替えられる。
上記の例では、解凍処理(ステップS13)、水量取得処理(ステップS14)、および出力制限処理(ステップS15)を順に開始する例を示したが、各処理(ステップS13、S14、S15)を同時に開始して並行処理を行ってもよい。また、水量取得処理(ステップS14)の後、解凍処理(ステップS13)、および出力制限処理(ステップS15)を行ってもよい。
図7は、燃料電池システムの処理の一例を示すフローチャートである。燃料電池システムは、統括ECU100は、複数のFCシステム200A、200Bを備え、複数のFCスタック210A、200Bのうち、電極の劣化状態が相対的に大きい一方のFCスタック210Aにて安定出力発電を行い、電極の劣化状態が相対的に小さい他方のFCスタック210Bにて過渡応答発電を行うよう制御する。これに加えて、統括ECU100は、凍結判定処理(ステップS12)により複数のFCスタック210のうち、他方のFCスタック210Aに接続される気液分離器の貯留液水の凍結を判定した場合に、他方のFCスタック210Aにて安定出力発電を行い、一方のFCスタック210Bにて過渡応答発電を行い、かつ、他方の前記燃料電池スタックの出力の制限分を一方の燃料電池スタックにて補うよう制御する。
まず、複数のFCスタック210A、200Bのうち、電極の劣化状態の有無の判定、および通常運転モードの統括ECU100の制御を説明する。統括ECU100は、ステップS100で取得したセル電圧の情報に基づき、各FCスタック210のセル電圧低下の有無を判定し、セル電圧低下を検出する(ステップS101)。第一FCスタック210Aでセル電圧低下を検出した場合、流量制御部102は、給気循環ポンプ223と第一FCシステム200Aの流量調整弁270の開放量を調整し、酸化剤ガス供給路250から供給される空気の流量を増やす(ステップS102)。
統括ECU100は、ステップS102の結果、第一FCスタック210Aのセル電圧低下の回復の有無を判定する(ステップS103)。第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復したと判定した場合(YES)、流量制御を通常制御に戻す(ステップS104)。通常制御に戻ると、ステップS100のセル電圧監視を継続する。ステップS103において第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復していない判定した場合(NO)、流量制御部102は、第一FCシステム200Aのパージ弁279を開き、燃料ガスの流量を増やす制御を行う(ステップS105)。
統括ECU100は、ステップS105の結果、第一FCスタック210Aのセル電圧低下の回復の有無を判定する(ステップS106)。第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復したと判定した場合(YES)、流量制御を通常制御に戻す(ステップS104)。通常制御に戻ると、ステップS100のセル電圧監視を継続する。ステップS106において第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復していないと判定した場合(NO)、セル電圧低下は凝縮水によるガス流路閉塞が要因ではなく、別の故障診断を行う必要がある。統括ECU100は、システム異常と判定し、車両制御装置80にシステム異常および修理を促す信号を送信する(ステップS107)。車両制御装置80は、電動車両10の表示装置50または音声システム等により、システム異常および修理の情報を発信する。
次に、第一制御部246Aは、出力制限制御を行う(S108)。出力制御部106は、複数のFCスタック210A、210Bの出力を制御する。出力制御部106は、セル電圧センサ201が低下燃料電池スタック210Aのセル構造体のセル電圧が所定のセル電圧以上に上昇しないことを検知した場合に、低下燃料電池スタック210Aの出力を所定以下に制限する出力制限を行う。同時に、出力制御部106は、過渡応答発電を行う第二FCスタック210Bの出力を出力制限前の出力と比較して上げる出力補完制御を行う。
第一FCシステム200Aの出力制限の結果、燃料ガスおよび/または酸化剤ガスの流路内の堆積物が除去されると、セル電圧低下が解消し得る。統括ECU100は、第一FCスタック210Aのセル電圧低下が下げ止まったか否かを判定する(ステップS109)。第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復したと判定した場合(YES)、セル電圧監視(ステップS100)に戻る。この場合、次回FCシステム200起動時、発電状態を、セル電圧低下を検知する前の発電状態に戻す。ステップS109において第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復していない判定した場合(NO)、統括ECU100は、システム異常と判定し、第一FCシステム200Aのみ発電を停止し、他のFCシステム200は発電を継続する(ステップS110)。このとき、統括ECU100は、他のFCシステム200BにおけるFCスタック210Bの出力を上げる制御を行ってもよい。これにより、本フローチャートの処理は終了する。
第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復したと判定した場合(YES)、流量制御を通常制御に戻してもよい(ステップS104)。通常制御に戻ると、ステップS100のセル電圧監視を継続する。
以上説明した実施形態によれば、複数のFCスタック210の一つにセル電圧低下が発生した場合に、セル電圧低下の影響を抑制しながら、セル電圧低下からの回復制御を行うことができる。
処理フローは図7に示す例に限定されない。例えば、図8に示すフローチャートのような処理フローであってもよい。図8は、燃料電池システムのコンピュータにより実行される処理の流れの他の例を示すフローチャートである。図8の処理は、例えば、電動車両10が起動している間に、所定のタイミングまたは所定の周期で繰り返し実行される。
図8の例において、まず、統括ECU100は、セル電圧を監視する(ステップS200)。具体的には、統括ECU100は、各FCシステム200に備えるセル電圧センサ201により検知されたセル構造体のセル電圧値を取得する。ステップS200の処理において、統括ECU100は、取得したセル電圧情報を記憶部150に記憶させてもよい。
次に、統括ECU100は、ステップS200で取得したセル電圧の情報に基づき、各FCスタック210のセル電圧低下の有無を判定し、セル電圧低下を検出する(S201)。第一FCスタック210Aでセル電圧低下を検出した場合、流量制御部102は、給気循環ポンプ223と第一FCシステム200Aの流量調整弁270の開放量を調整し、酸化剤ガス供給路250から供給される空気の流量を増やし、かつ、第一FCシステム200Aのパージ弁279を開き、燃料ガスである水素の流量を増やす(ステップS202)。このように、流量制御部102は、燃料ガスの流量および酸化剤ガスの流量を同時に増やすことにより、セル電圧低下を短時間で解消できる。この結果、燃料電池システム全体の出力安定性をより高めることができる。
次に、統括ECU100は、ステップS202の結果、第一FCスタック210Aのセル電圧低下の回復の有無を判定する(ステップS203)。第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復したと判定した場合(YES)、流量制御を通常制御に戻す(ステップS204)。通常制御に戻ると、ステップS200のセル電圧監視を継続する。ステップS203において第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復していない判定した場合(NO)、セル電圧低下は凝縮水によるガス流路閉塞が要因ではなく、別の故障診断を行う必要がある。統括ECU100は、システム異常と判定し、車両制御装置80にシステム異常および修理を促す信号を送信する(ステップS205)。車両制御装置80は、電動車両10の表示装置50または音声システム等により、システム異常および修理の情報を発信する。
次に、第一制御部246Aは、出力制限制御を行う(S206)。出力制御部106は、第一FCシステム200Aの出力を制限する。例えば、出力制御部106は、給気循環ポンプ223の出力を低減する制御や、水素循環部230の流量を低減する制御を行い、燃料ガスや酸化剤ガスの流量を減らし、第一FCシステム200Aの出力を制限する。このとき、統括ECU100は、第二制御部246Bに対して、第二FCシステム200Bにて過渡応答発電が行われるように制御してもよい。
第一FCシステム200Aの出力制限の結果、燃料ガスおよび/または酸化剤ガスの流路内の堆積物が除去されると、セル電圧低下が解消し得る。統括ECU100は、第一FCスタック210Aのセル電圧低下が下げ止まったか否かを判定する(ステップS207)。第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復したと判定した場合(YES)、セル電圧監視(ステップS200)に戻る。この場合、次回FCシステム200起動時、発電状態を、セル電圧低下を検知する前の発電状態に戻す。ステップS207において第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復していない判定した場合(NO)、統括ECU100は、システム異常と判定し、第一FCシステム200Aのみ発電を停止し、他のFCシステム200は発電を継続する(ステップS208)。このとき、統括ECU100は、他のFCシステム200BにおけるFCスタック210Bの出力を上げる制御を行ってもよい。これにより、本フローチャートの処理は終了する。
第一FCスタック210Aのセル電圧低下が回復したと判定した場合(YES)、流量制御を通常制御に戻してもよい(ステップS204)。通常制御に戻ると、ステップS200のセル電圧監視を継続する。
このような燃料電池システムにおいて、起動時の凍結判定処理(ステップS11)によって貯留液水の凍結を判定した場合、凍結した貯留液水の解凍処理(ステップS13)を開始する。統括ECU100は、起動時に、水量取得処理(ステップS14)により得られる気液分離器内の凍結した貯留液水の水量と、気液分離器の所定の貯水量と、に基づいて各FCスタック210A、210Bの出力を制限する制御を行う。
統括ECU100は、凍結判定処理(ステップS11)により他方のFCスタック210Bに接続される気液分離器の貯留液水の凍結を判定した場合に、他方のFCスタック210Bにて安定出力発電を行い、一方のFCスタック210Aにて過渡応答発電を行い、かつ、他方のFCスタック210Bの出力の制限分を一方のFCスタック210Aにて補うように制御する。その結果、凍結した気液分離器を備えるFCシステム200Bは、凍結解除処理が重点的に行われ、凍結していない気液分離器を備えるFCシステム200Aで過渡応答発電を行うことにより、電動車両10を稼働可能な状態にする時間を短縮できる。
以上説明した実施形態によれば、複数のFCスタック210の一つにセル電圧低下が発生した場合に、セル電圧低下の影響を抑制しながら、セル電圧低下からの回復制御を行うことができる。
(第二実施形態)
次に、燃料電池システムの第二実施形態について図9を参照して説明する。本実施形態の説明において、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、各FCシステム200Aに複数のFCスタック210が直列に配置された例である。本燃料電池システムでは、2つのFCスタック210が直列に配置されている。3以上のFCスタック210が直列に配置されてもよい。
次に、燃料電池システムの第二実施形態について図9を参照して説明する。本実施形態の説明において、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、各FCシステム200Aに複数のFCスタック210が直列に配置された例である。本燃料電池システムでは、2つのFCスタック210が直列に配置されている。3以上のFCスタック210が直列に配置されてもよい。
図7に概略構成を示す燃料電池システムは、複数のFCシステム200A、200Bと、電力変換部と、を備える。複数のFCシステム200A、200Bは、それぞれ同様の構成を有する。第一FCシステム200Aを例に説明する。FCシステム200は、2つのFCスタック210と、燃料ガス供給部と、酸化剤ガスの供給部と、冷却機構とを備える。燃料ガス供給部は、水素タンク226から供給され。気液分離器により分離された燃料ガスが直列配置された各FCスタック210にそれぞれ供給される。酸化剤ガス供給部においても、酸化剤ガスが直列配置された各FCスタック210にそれぞれ供給される。第一実施形態と同様に、燃料ガスの流路には、燃料ガスの流量調整手段(例えば、水素循環部230、インジェクタ231、パージ弁279等)が設けられ、酸化剤ガスの流路には、酸化剤ガスの流量調整手段(例えば、給気循環ポンプ223、流量調整弁270、封止入口弁216等)がそれぞれ独立して設けられている。セル電圧センサ201は、各FCスタック210に個別に設けられている。
冷却機構202は、ラジエータ203、冷媒タンク204、冷媒ポンプ206、不図示のファン、およびサーモスタット等を備える。ラジエータ203は、冷媒流路205から流出した高温の冷媒を放熱させるための熱交換器である。冷媒は、例えば水である。また、冷媒は、例えばエチレングリコールを含む水であってもよく、他の冷媒であってもよい。ラジエータ203は、冷媒流路205から流出した冷媒を空気との熱交換によって放熱させる。冷媒ポンプ206は、冷媒流路205を上流から流入する冷媒を圧縮する。冷媒が冷媒流路205を循環することにより、FCスタック210Aの温度が調整される。
燃料電池システムは、統括ECU100の制御により、各FCシステム200の第一制御部246Aおよび第二制御部246BがそれぞれFCシステム200の動作を制御する。
例えば、流量制御部102は、流量制御時、各FCスタック210へ供給する酸化剤ガスの流量を増加させる場合には、低下燃料電池システムである第一FCシステム200Aの各FCスタック210へ供給する燃料ガスの流量も、セル電圧の低下前の流量と比較して増加させる。この流量制御によれば、低下した第一FCスタック210Aは、酸化剤ガスおよび燃料ガスの流量を増加させるため、凝縮水によるガス流路閉塞が解消し得る。その結果、各ガス流路内の閉塞を解消し、セル電圧の回復を効果的に試みることができる。
例えば、酸化剤ガスおよび/または燃料ガスの流量の増加により、低下燃料電池スタックである第一FCスタック210Aのセル構造体のセル電圧が、所定のセル電圧以上に上昇したことをセル電圧センサ201が検知した場合には、流量制御部102は、酸化剤ガスおよび/または燃料ガスの流量の増加状態を解除する制御とともに、各FCシステム200を、セル電圧の低下を検知する前の発電状態にて発電を行うよう制御する。この流量制御によれば、第一FCスタック210Aのセル電圧低下が解消されると、速やかにガス流量が低下前の状態となるように低減する。この結果、燃料ガスの浪費を防止できる。
例えば、低下燃料電池スタックである第一FCスタック210Aのセル構造体のセル電圧が所定のセル電圧以上に上昇しないことをセル電圧センサ201が検知した場合には、出力制御部106は、第一FCスタック210Aの出力を所定以下に制限する制御とともに、過渡応答発電を行う第二FCシステム200BのFCスタック210Bの出力を出力制限前の出力と比較して上げる出力補完制御を行う。このような出力補完制御によれば、第一FCシステム200Aの出力低下を第二FCシステム200Bで保管できる。したがって、第一FCスタック210Aの出力が低下しても、燃料電池システムは、継続稼働できる。
例えば、低下燃料電池スタックである第一FCスタック210Aのセル構造体のセル電圧が出力制限以降も継続して低下していることをセル電圧センサが検知した場合、出力制御部106は、第一FCスタック210Aによる発電を停止させる制御とともに、過渡応答発電を行う第二FCシステム200Bの第二FCスタック210Bの出力を出力制限時の出力と比較して上げる出力補完制御を行う。このような出力補完制御により、第一FCスタック210Aの出力を停止しても、燃料電池システムは継続稼働できる。また、出力補完制御によれば、燃料電池システムの稼働を維持しながら、第一FCスタック210Aの各種回復動作を実行可能である。
例えば、送気制御部107は、第一FCスタック210を、過渡応答発電から安定出力発電に切り替える場合に、発電状態を切り替える前後の安定出力発電による発電量の差分を、過渡応答発電にて補える酸化剤ガスおよび/または燃料ガスの流量を送気するよう送気手段を制御できる。
以上説明した実施形態によれば、各FCシステム200には、セル電圧センサ201、制御部246を備える。そのため、低下燃料電池スタック210Aを有するFCシステム200Aと、他のFCシステム200Bとを独立して制御できる。
以上説明した実施形態によれば、燃料電池システムは、例えば氷点下等、液水が凍結する温度で再起動する際に、気液分離器の貯留部91内の貯留液水の凍結の有無を判定し、貯留液水が凍結していると判定した場合に、解凍処理(ステップS103)を行う。このため、寒冷地等、低温化で停止された燃料電池システムを再起動する際、気液分離器内に液水が凍結していても、解凍処理により円滑に起動できる。さらに、水量取得手段により、貯留部91内の貯留液水の水量を取得し、取得した貯留液水の水量と、気液分離部の所定の貯水量と、に基づいて燃料電池スタックの出力を制限するため、氷点下環境での使用時に、発電安定性および燃料電池の劣化抑制を両立しながらセル電圧低下の回復を行うことができる。
以上説明した実施形態によれば、制御部は、凍結した貯留液水の水量および気液分離器の液水貯留上限値に基づき、燃料電池システムの起動後に生成される液水の気液分離器への貯留可能容量を算出する処理を行い、かつ、制御部は、FCスタック210A、210Bの出力により生成される液水の水量が貯留可能容量に達する時間が、凍結した貯留液水の解凍処理に要する時間より長くなるように燃料電池スタックの出力を制限する。そのため、燃料電池システムは、凍結した貯留液水の解凍処理と並行して燃料電池スタックの出力を開始できる。さらに、解凍処理と燃料電池スタックの出力とを並行しても、気液分離器の貯留部91内に、上限値を超えて液水が溜まることを防止できる。したがって、発電安定性および燃料電池の劣化抑制を両立しながらセル電圧低下の回復を行うことができる。
以上説明した実施形態によれば、取得手段は、燃料電池システムが前回停止した時の燃料電池スタックの温度及び湿度情報と流通路を流通するアノードオフガスの体積情報とに基づいて貯留液水の水量を算出して取得するため、貯留液水の水量が迅速に算出され、適正な燃料電池スタックの制限処理を短時間で開始できる。また、前回の運転実績に基づいて貯留液水の水量を算出するため、実際の貯留液水の水量に近似した水量を算出できる。
以上説明した実施形態によれば、燃料電池システムの前回運転時の液水を排出する液水排出部における開弁間隔に対する生成水の生成量に基づいて貯留液水の水量を算出できるため、貯留液水の水量が迅速に算出され、適正な燃料電池スタックの制限処理を短時間で開始できる。また、前回の運転実績に基づいて貯留液水の水量を算出するため、実際の貯留液水の水量に近似した水量を算出できる。
以上説明した実施形態によれば、流量制御部102による流量制御を行ってもセル電圧低下が回復しない場合は、低下燃料電池スタック210Aから取り出す出力のみを制限することにより、さらなるセル電圧低下を回避する。これにより、システム全体としての出力低下を最小限に抑制できる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
上記実施形態では、複数のFCシステムを備える例、およびFCシステムに複数のFCスタックを備える例を説明したが、一つのFCスタックを備える一つのFCシステムにおいても上記システムは適用可能である。
93…排気口(ガス排出部)、98…液水排出口(液水排出部)、100…統括ECU、106…出力制御部、107…送気制御部(送気制御手段)、200A、200B…FCシステム(燃料電池システム)、201…セル電圧センサ、210…FCスタック、220,232…気液分離器(気液分離部)
Claims (7)
- 電解質膜を挟んで一対の電極が配置されたセル構造体を複数積層して構成され、酸化剤ガスおよび燃料ガスが供給されて発電を行う燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックにアノードガスを供給し且つ前記燃料電池スタックから排出されるアノードオフガスを流通させる流通路と、
前記流通路に設けられ、前記燃料電池スタックから排出される前記アノードオフガスに含まれる液水を分離し、前記アノードオフガスをガス排出部から排出し、かつ前記液水を液水排出部から排出する気液分離部と、
前記気液分離部内に貯留する貯留液水の水量を取得する水量取得手段と、
前記貯留液水が凍結状態であるか非凍結状態であるかを判定する凍結判定処理を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、起動時の前記凍結判定処理によって前記貯留液水が凍結状態であると判定した場合に、凍結した前記貯留液水の解凍処理を開始し、
前記制御部は、前記起動時に、前記水量取得手段により得られる前記気液分離部内の凍結した前記貯留液水の水量と、前記気液分離部の所定の貯水量と、に基づいて前記燃料電池スタックの出力を制限する、燃料電池システム。 - 前記制御部は、凍結した前記貯留液水の水量および前記気液分離部の液水貯留上限値に基づき、前記燃料電池システムの起動後に生成される液水の前記気液分離部への貯留可能容量を算出する処理を行い、
前記制御部は、前記燃料電池スタックの出力により生成される前記液水の水量が前記貯留可能容量に達する時間が、凍結した前記貯留液水の前記解凍処理に要する時間より長くなるように前記燃料電池スタックの出力を制限する、請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記水量取得手段は、前記燃料電池システムが前回停止した時の前記燃料電池スタックの温度及び湿度情報と前記流通路を流通する前記アノードオフガスの体積情報とに基づいて前記貯留液水の水量を算出する、請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記水量取得手段は、前記燃料電池システムの前回運転時の前記液水を排出する液水排出部における開弁間隔に対する生成水の生成量に基づいて前記貯留液水の水量を算出する、請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池スタックは複数設けられ、
前記制御部は、複数の前記燃料電池スタックのうち、前記電極の劣化状態が相対的に大きい一方の前記燃料電池スタックにて安定出力発電を行い、前記電極の劣化状態が相対的に小さい他方の前記燃料電池スタックにて過渡応答発電を行うよう制御し、
前記制御部は、前記凍結判定処理により他方の前記燃料電池スタックに接続される前記気液分離部の前記貯留液水の凍結を判定した場合に、他方の前記燃料電池スタックにて安定出力発電を行い、一方の前記燃料電池スタックにて過渡応答発電を行い、かつ、他方の前記燃料電池スタックの出力の制限分を一方の前記燃料電池スタックにて補うよう制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。 - 電解質膜を挟んで一対の電極が配置されたセル構造体を複数積層して構成され、酸化剤ガスおよび燃料ガスが供給されて発電を行う燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックにアノードガスを供給し且つ前記燃料電池スタックから排出されるアノードオフガスを流通させる流通路と、前記流通路に設けられ、前記燃料電池スタックから排出される前記アノードオフガスに含まれる液水を分離し、前記アノードオフガスをガス排出部から排出し、かつ前記液水を液水排出部から排出する気液分離部と、前記気液分離部内に貯留する貯留液水の水量を取得する水量取得手段と、を有する燃料電池システムと、
前記貯留液水の凍結又は非凍結を判定する凍結判定処理を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、起動時の前記凍結判定処理によって前記貯留液水の凍結を判定した場合に、凍結した前記貯留液水の解凍処理を開始し、
前記制御部は、前記起動時に、前記水量取得手段により得られる前記気液分離部内の凍結した前記貯留液水の水量と、前記気液分離部の所定の貯水量と、に基づいて前記燃料電池スタックの出力を制限する制御を行う燃料電池システムの制御方法。 - コンピュータに、
電力により作動する電動装置に搭載された燃料電池システムの気液分離部の貯留液水の凍結又は非凍結を判定した凍結判定処理の結果を取得させ、
凍結した前記貯留液水の解凍処理を開始させ、
前記気液分離部内の凍結した前記貯留液水の水量と、起動後に生成される生成水の生成量と、に基づいて燃料電池システムの燃料電池スタックの出力を制限させる、
プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021061056A JP2022157050A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法、およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021061056A JP2022157050A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法、およびプログラム |
Publications (1)
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JP2022157050A true JP2022157050A (ja) | 2022-10-14 |
Family
ID=83559846
Family Applications (1)
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JP2021061056A Pending JP2022157050A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法、およびプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022157050A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024057877A1 (ja) * | 2022-09-15 | 2024-03-21 | 株式会社アイシン | 気液分離器 |
-
2021
- 2021-03-31 JP JP2021061056A patent/JP2022157050A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024057877A1 (ja) * | 2022-09-15 | 2024-03-21 | 株式会社アイシン | 気液分離器 |
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