以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)と、遊技盤を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリアが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリアとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤の盤面上に形成された遊技領域2には、画像表示装置5の天辺よりも左側の左遊技領域2A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域2B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域2の内部における画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域2に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。このように、左遊技領域2Aには、常時遊技球が進入(通過)可能な第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能または通過(進入)困難な第2可変状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bなどの配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)したりすることが不可能または困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)することが不可能または困難である。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、2つの特別可変入賞球装置(上特別可変入賞装置7A、下特別可変入賞装置7B)が設けられている。上特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す上大入賞口扉用のソレノイド82Aによって開閉駆動される上大入賞口扉を備え、その上大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する上大入賞口を形成する。一例として、上特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、上特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を開放状態にする。上特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す上大入賞口スイッチ23Aによって検出される。
下特別可変入賞球装置7Bは、図2に示す下大入賞口扉用のソレノイド82Bによって開閉駆動される下大入賞口扉71を備え、その下大入賞口扉71によって開放状態と閉鎖状態とに変化する下大入賞口を形成する。一例として、下特別可変入賞球装置7Bでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオフ状態であるときに下大入賞口扉71が下大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、下特別可変入賞球装置7Bでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオン状態であるときに下大入賞口扉71が下大入賞口を開放状態にする。下特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す下大入賞口スイッチ23Bによって検出される。
上特別可変入賞球装置7Aが形成する上大入賞口や下特別可変入賞球装置7Bが形成する下大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、多数の遊技球が賞球として払い出される。すなわち、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。下特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉71により下大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、上特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。下特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉71により下大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。なお、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
下特別可変入賞球装置7Bの内部には、図3に示すように、下大入賞口扉71により開放状態となった下大入賞口に進入した遊技球が、所定の確変領域を通過して、あるいは通過せずに、下特別可変入賞球装置7Bからの排出経路まで誘導する誘導経路が設けられている。下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球は、まず入賞した遊技球を検出するための下大入賞口スイッチ23Bが設けられた経路を通過したのち、確変領域への誘導路と、確変領域を通過せず排出経路に誘導する誘導路と、への分岐点に誘導される。分岐路に誘導された遊技球が確変領域への誘導路を流下すると、この遊技球が確変領域スイッチ24Aによって検出されることで、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。すなわち、確変領域スイッチ24Aの設置箇所を確変領域とし、この確変領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定の確変制御条件を成立させることができる。確変領域は下特別可変入賞球装置7Bの内部にあるので、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球のみが通過可能である。
確変領域は、確変領域蓋用のソレノイド82Cによって駆動される確変領域蓋72によって、遊技球が通過可能な開放状態と通過不可能な閉鎖状態とに変化する。一例として、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオフ状態であるときに確変領域蓋72が確変領域を塞ぐ(閉鎖する)位置(規制位置)に移動し、確変領域を閉鎖状態にする(図3(A))。その一方で、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオン状態であるときに確変領域蓋72が確変領域を塞がない(閉鎖しない)位置(許容位置)に移動し、確変領域を開放状態にする(図3(B))。確変領域が閉鎖状態にあるときに分岐点に到達した遊技球は確変領域を通過せず共通排出経路74に誘導され、下特別可変入賞装置7Bから排出される(図3(A))。この場合、遊技球は共通排出経路74への誘導路に設置された排出スイッチ24Bによって検出される。一方、確変領域が開放状態にある時に分岐点に到達した遊技球は、確変領域を通過し(図3(B))、確変領域に設置された確変領域スイッチ23Bによって検出される。そして、確変領域を通過した遊技球は共通排出経路74に誘導され、下特別可変入賞装置7Bから排出される。下特別可変入賞装置7Bに入賞した遊技球が確変領域を通過することで、確変領域スイッチBが確変領域を通過した遊技球を検出したことに基づいて、後述する確変状態に制御される。このため、遊技球が下特別可変入賞装置7Bに入賞する割合、及び、確変領域蓋73が許容位置にある時間の長さとそのタイミングを調節することで、確変状態に制御する割合を好適に設定することが出来る。
なお、確変領域から共通排出経路74に至る誘導経路には、遊技球の流下速度を減速して共通排出経路への到達を遅延する遅延部73が設けられている。遅延部73は、例えば減速用の突起であればよい。遅延部73によって、異なるタイミングで第1可変入賞装置に入賞した遊技媒体の一方が確変領域を通過し、他方が通過せず、それぞれ共通排出経路74に到達したとしても、到達のタイミングを異ならせることができる。そのため、共通排出経路74で遊技球が球詰まりを起こすことを防止できる。
遊技盤の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域2の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域2の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域2における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、上特別可変入賞球装置7A、下特別可変入賞球装置7B等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域2に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域2の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
右遊技領域2Bにおいて普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
本実施の形態では、後述する確変状態とは異なる通常遊技状態では、普通可変表示装置6Bは第2可変状態(閉鎖状態)であるので、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。よって、第2特図を用いた特図ゲームは開始されない(あるいは、開始が困難である。)。そこで、未だ確変状態に制御されない通常遊技状態においては、遊技者は遊技球を左遊技領域2Aへと誘導して、第1始動入賞口への入賞に基づく第1特図を用いた特図ゲームの開始と、該特図ゲームの「大当り」を目指すこととなる。第1特図を用いた特図ゲームの結果「大当り」の可変表示結果が導出された事に基づく大当り遊技状態においては、特定のラウンド(14又は16ラウンド)にて下特別可変入賞装置7Bに遊技球が進入し、さらに確変領域を通過することが可能となる。確変領域を遊技球が通過すると、後述する確変確定フラグがセットされ、確変状態に制御される特別遊技状態への移行が確定する。その後大当り遊技状態が終了すると、確変状態に制御され、普通可変表示装置6Bが第1可変状態(開放状態)に変化して、第2始動入賞口を遊技球が通過可能となる。後述するように、本実施形態では第2特図ゲームは第1特図ゲームよりも有利である。そのため、遊技者は遊技球を右遊技領域2Aへと誘導して、第2始動入賞口への入賞に基づく第2特図を用いた特図ゲームの開始と、該特図ゲームの「大当り」を目指すこととなる。このような構成により、遊技状態に応じて変化する多様な遊技体験を遊技者に提供できる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、上大入賞口または下大入賞口が開放状態となって上特別可変入賞球装置7Aまたは下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば20秒間、約27秒間、又は、57ミリ秒間)あるいは所定個数(例えば6個)の遊技球が上大入賞口または下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、上大入賞口または下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。上大入賞口に遊技球が進入したときには、上大入賞口スイッチ23Aにより入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。下大入賞口に遊技球が進入したときには、下大入賞口スイッチ23Bにより入賞球が検出され、同様に所定個の遊技球が払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。本実施の形態では、下大入賞口から下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の確変領域への通過を、確変領域スイッチ24Aが検出することが確変制御条件となる。この確変状態は、所定回数の可変表示(例えば50回)が実行されるまで継続するように制御される。即ち、所定回数の可変表示の終了が、確変終了条件である。
確変状態では、通常状態では第2可変状態(閉鎖状態)にある普通可変入賞球装置6Bを、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と不可能(又は困難)な第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。このように、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、電チュー開放制御と称される。本実施形態では、後述するように、遊技球が第2始動入賞口を通過したことに基づき開始される第2特図ゲームが、通常状態でも通過可能な第1始動入賞口を通過したことに基づき開始される第1特図ゲームよりも遊技者にとって有利である。そのため、電チュー開放制御が実行される確変状態は通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、電チュー開放制御が行われない場合があってもよい。例えば可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態にて上大入賞口や下大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、遊技球が通過(進入)困難または通過(進入)不可能なラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される場合がある。このような場合は、大当り種別が「突確」(「突然確変」ともいう)であるとも称される。そして、電チュー開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、電チュー開放制御が行われないようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当りとなった場合により有利な大当り遊技状態(例えば第2大当り遊技状態)が選択される割合が第2割合(例えば1/2)よりも高い第1割合(例えば、1/1)となること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「16」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
この実施の形態では、後述する大当り種別にかかわらず、特定遊技状態にて16回(16ラウンド)のラウンド遊技が実行される。このうち、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」、及び、「16」となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」及び「16」以外であるときには、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて上特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。14回目と16回目に実行されるラウンド遊技では、下特別可変入賞球装置7Bが第1状態(開放状態)となり下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過しうるため、これらのラウンド遊技は確変開放ラウンド遊技とも言う。これに対し、ラウンド遊技は、1〜13・15回目の上特別可変入賞球装置7Aが第1状態(開放状態)となるラウンド遊技を、通常開放ラウンド遊技とも言う。
本実施の形態では、可変表示結果が「大当り」であった場合の大当り種別として、その「大当り」に基づき制御される大当り遊技状態において、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」及び「16」であるとき(第14及び16ラウンド)に、下大入賞口を開放状態とする上限時間が異なる複数種類の大当り種別がある。一例として、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が52ミリ秒に設定された「第1大当り遊技状態」に制御される。一方、大当り種別が「第2大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が約27秒(27秒+52ミリ秒)に設定された「第2大当り遊技状態」に制御される。第1大当り遊技状態では、開放状態となる制御時間が57ミリ秒と短いため、遊技球が実際に下大入賞口に入賞して下特別可変入賞装置7Bに進入できる割合は低い。したがって、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が低く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しにくい。一方、第2大当り遊技状態では、約27秒間開放されるので、下特別可変入賞装置7Bが設置された右遊技領域2Bに遊技球が誘導されれば高い割合で遊技球が下特別可変入賞装置7Bに進入できる。よって、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。大当り種別を複数種類のいずれとするかは、例えば特図ゲームの開始時に可変表示結果を「大当り」とする決定がなされたことに対応して、所定割合で決定される。下特別可変入賞装置7Bに遊技球が進入すると、所定個の遊技球が払い出されにとどまらず、確変領域蓋72の位置によっては、確変領域を遊技球が通過し可変表示結果が「大当り」となる確率が非確変状態よりも高い確変状態に制御される。よって、第2大当り遊技状態は第1大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利である。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82B、確変領域蓋用のソレノイド82Cに伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L、9Rなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、大入賞口スイッチ(上大入賞口スイッチ23Aおよび下大入賞口スイッチ23B)、確変領域スイッチ24A、排出スイッチ24Bといった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDさらには節電中報知LED9L、9Rの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、主基板11の側において、図4に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
なお、飾り図柄の可変表示態様は、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態となることで、「リーチ」になる。具体的な一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。こうした「リーチ」にはならない飾り図柄の可変表示態様を、「非リーチ」という。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
一例として、RAM102には、図5に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図5に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作ボタン30に対する遊技者の指示操作(例えば押下操作など)を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出ユニット31から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作検出ユニット31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LED、さらには節電中報知LED9L、9Rなどに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図7のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図7に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介して各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、上特別可変入賞球装置7A、下特別可変入賞球装置7Bにおける大入賞口(上大入賞口および下大入賞口)の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、確変領域蓋72の位置と、確変領域の有効・無効と、を制御するための確変領域ソレノイド制御処理を実行する(S16A)。確変領域ソレノイド制御処理実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図8は、特別図柄プロセス処理として、図7のステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図9は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部151Aにセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部151Bにセットされる。なお、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データは、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したときに抽出されるものに限定されず、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときに抽出されるようにしてもよい。
ステップS210の処理に続いて、始動入賞時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。第1始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したことにより第1始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことにより第2始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。また、演出制御基板12に対して合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてもよい。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図7に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、始動入賞判定処理を終了する。
図8に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。図5に示すように、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態において大当り種別に応じたラウンド遊技の実行を開始して上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。本実施の形態では、この大当り開放前処理には、開始されるラウンド遊技が下大入賞口を開放状態とする確変開放ラウンドであるか否かを判定し、確変開放ラウンドである場合には、確変領域蓋72の位置制御の開始と、確変領域の有効・無効の制御の開始と、を指示する共通の制御データとして、確変領域ソレノイド制御コードを1に設定する処理が更に含まれる。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や上大入賞口スイッチ23Aまたは下大入賞口スイッチ23Bによって検出された遊技球の個数などに基づいて、上大入賞口または下大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。本実施の形態では、この大当り開放中処理では、確変開放ラウンドにおいて、図16の下大入賞口検出処理が更に実行される。なお、下大入賞口検出処理は下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球の数と下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数とに基づいて下特別可変入賞球装置7B内の遊技球を計数する処理、遊技球の確変領域への通過を検出したか否かを判定する処理、確変領域が有効なときに確変領域の通過を検出した場合に確変確定フラグをセットする処理、を含む。そして、上大入賞口または下大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。本実施の形態では、この大当り開放後処理は、確変開放ラウンドにおいて、図16の下大入賞口検出処理が更に実行される。また、大当り開放後処理には大入賞口検出処理によって計数された下特別可変入賞球装置7B内の遊技球の数に基づいて、実行中のラウンド後の制御の実行(実行中のラウンドが最後のラウンドであれば大当り遊技状態の終了、最後のラウンドで無ければ次のラウンド)を許容する処理が更に含まれる。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図10は、特別図柄通常処理として、図8のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、確変制御が行われる確変状態であるか否かなどに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図11(A)は、ステップS239の処理における決定例を示している。この決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。即ち、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態よりも遊技者に有利である。
その後、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図指定バッファ値などに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図11(B)は、ステップS242の処理における決定例を示している。この決定例では、開始条件が成立した特図ゲームにて可変表示される特別図柄(変動特図)が、第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。ここで、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第1特図となる。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第2特図となる。図11(B)に示す決定例では、変動特図が第1特図であるときに、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれかに決定される。一方、変動特図が第2特図であるときには、大当り種別が「第2大当り」にのみ決定される。すなわち、大当り種別が「第1大当り」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「第2大当り」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
この実施の形態では、大当り種別にかかわらず、16ラウンドのラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態における所定の確変開放ラウンド(ラウンド遊技の実行回数が「14」である第14ラウンドと「16」である第16ラウンドと)にて下大入賞口を開放状態とする。通常開放ランド(第1〜13・15ラウンド)では上大入賞口を開放状態とする。ここで、大当り種別が「第1大当り」の場合よりも、大当り種別が「第2大当り」の場合に、大当り遊技状態における所定の確変開放ラウンドで、大当り種別が「第1大当り」の場合よりも下大入賞口を開放状態とする上限時間が長くなり、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。図11(B)に示すような決定割合で大当り種別が決定されることにより、変動特図が第2特図であるときには、第1特図であるときよりも高い割合で、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。すなわち、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合には、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合よりも確変制御条件が成立しやすい。
本実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」の場合は、下大入賞口を開放する上限時間が52ミリ秒と短いため、下大入賞口に遊技球が進入する割合は非常に低い。そのため、確変制御条件が成立する割合も非常に低い。一方、「第2大当り」の場合、上限時間が約27秒(27秒+52ミリ秒)であるため、下大入賞口に遊技球が進入する確率は高い。よって、確変制御条件が成立する割合も高い。このため、通常遊技状態から確変状態に制御される特別遊技状態となる割合(いわゆる初当りで確変する敷居)を低くする一方、一旦確変状態に制御された場合には高い割合で「大当り」が続く(所謂連チャン状態)、といった設定が可能となる。
その仕組みを具体的に説明すると、第1特図を用いた特図ゲームでは、可変表示結果が「大当り」となった場合に、所定の割合(1/2)で第1大当りとなり、その「大当り」に基づいて制御される大当り遊技状態で確変制御条件(特別条件とも言う)が成立せず、大当り遊技状態が終了した後には、確変状態に制御されない通常遊技状態に移行する。一方、第1特図を用いた特図ゲームで第2大当りとなると、その「大当り」に基づいて制御される大当り遊技状態において高い割合で確変制御条件(特別条件とも言う)が成立し、大当り遊技状態が終了した後に、確変状態に制御される特別遊技状態に制御される。特別遊技状態では、上大入賞口が開放状態に制御され、第2特図を用いた特図ゲームが開始可能となる。第2特図を用いた特図ゲームでは、可変表示結果が「大当り」となった場合には必ず第2大当りとなるため、高確率で大当り遊技状態終了後に再び確変状態に制御される。このため、確変状態において所定回数(例えば50回)の特図ゲームが全て「ハズレ」となり確変終了条件が成立するまでは、「大当り」と確変状態とが連続して続くこととなる。このような構成によれば、通常遊技状態で行われる第1特図ゲームで大当り種別が「第2大当り」の可変表示結果となる割合(所謂、初当りで確変する期待度)を下げる一方、一旦「第2大当り」の可変表示結果が導出された後は連続して確変状態と「大当り」が続く割合が高くなる。そのため、メリハリのある刺激的な遊技体験を提供できる。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。ステップS243の処理では、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファといったRAM102の所定領域に、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することで、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図12は、特別図柄停止処理として、図8のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS265の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS261;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS262)。また、図柄確定時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS263)。例えば、図柄確定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。さらに、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS264)。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS265)、特別図柄停止処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行される。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS261;Yes)特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS266)。このとき、特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS266;No)、特別図柄停止処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行され、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS266にて特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS266;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS267)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS268)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS268;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS269)。このときには、大当り開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS270)。また、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする(ステップS271)。続いて、確変制御を終了するための設定を行う(ステップS272)。例えば、ステップS272の処理として、遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための確変回数カウンタをクリアする処理などが、実行されればよい。
確変回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に、確変制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「50」)が設定されればよい。
ステップS272の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS273)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。
ステップS268にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS268;No)、確変制御を終了させるか否かの判定を行う(ステップS274)。一例として、ステップS274の処理では、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の確変回数カウント値が所定の確変終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、確変終了判定値と合致すれば、所定の確変フラグをクリアすることなどにより、確変制御を終了すればよい。一方、確変終了判定値と合致しなければ、確変フラグの状態を維持するなどして、ステップS274の処理を終了すればよい。
ステップS274の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS275)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“0”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図13は、大当り開放前処理として、図8のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。大当り開始フラグは、大当り遊技状態の開始に対応して、図12に示すステップS271の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS292)。このとき、大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS292;No)、大当り開放前処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放前処理が再び実行され、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS292にて大当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS292;Yes)、大当り遊技状態における最初のラウンド遊技が開始するための処理として、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS293)、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタに、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「1」を設定する(ステップS294)。
ステップS291にて大当り開始フラグがオフであるときや(ステップS291;No)、ステップS294の処理を実行した後には、大当りとなった可変表示において変動した特別図柄が第1特別図柄と第2特別図柄との何れであるかと、可変表示結果として導出された大当り図柄と、を読み出す(ステップS295)。一例として、RAM102の遊技制御フラグ設定部152又は遊技制御バッファ設定部155を参照して、図10のステップS234又はS238でセットされた変動特図指定バッファの値と、S244で決定された確定特別図柄を示すバッファ値と、を読み出せば良い。
次にCPU103は、ステップS295で読み出したデータに基づき大当り種別が「第1大当り」であるか「第2大当り」であるか判別する(ステップS296)。一例として、次のように判定すれば良い。まず、変動特図指定バッファの値が「1」である場合には第1特別図柄が、「2」であれば第2特別図柄が、それぞれ変動特別図柄であると決定する。そして、図242で用いた大当り種別決定テーブルを参照し、変動特別図柄と確定特別図柄に応じた大当り種別を決定して、第1大当りか第2大当りかを判定する。図11(B)の例では、変動特別図柄が第1特別図柄であって大当り図柄が「7」である場合には「第2大当り」、「3」・「5」・「9」である場合には「第1大当り」である。一方、変動特別図柄が第1特別図柄である場合には大当り図柄にかかわらず「第2大当り」である。
CPU103は、大当り種別が「第1大当り」であると判定した場合には(ステップS296;Yes)、例えば遊技制御バッファ設定部155といったRAM102の所定領域に、図14(A)の第1大当り開放パターンテーブルを使用開放パターンテーブルとしてセットする(ステップS297)。一方、「第2大当り」であると判定した場合には(ステップS296;No)、図14(B)の第2大当り開放パターンテーブルを使用開放パターンテーブルとしてセットする(ステップS298)。例えば、開放パターンテーブルは、図14(A)及び(B)に示すように、大当り遊技状態で実行される各ラウンド遊技の情報として、ラウンド数と、そのラウンドで開放される大入賞口を指定する情報と、ソレノイド(上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82B)を制御して大入賞口を好適なタイミングで開閉するための開放パターンを指定する情報と、そのラウンドにおける大入賞口開放上限時間を示す情報と、そのラウンドの大入賞口作動時間(ラウンド遊技の開始からそのラウンドにおいて最後に大入賞口扉を閉鎖するまでの時間)を示す情報と、を対応付けて記憶するテーブルであれば良い。
図14(A)・(B)に示すように、この実施の形態では、ラウンドカウント値が「1」〜「13」・「15」のいずれか(通常開放ラウンド)である場合と、「14」又は「16」(確変開放ラウンド)である場合とで、開放する大入賞口と、大入賞口開放上限時間と、を異ならせている。通常開放ラウンドでは、大当り種別が「第1大当り」・「第2大当り」のいずれである場合にも、20秒を上限に上大入賞口を開放する。そのため、第1・第2大当りの何れの場合にも、通常開放ラウンドでは同程度の賞球の払い出しが発生する。確変開放ラウンドについては、大当り種別が「第1大当り」であるときに、大入賞口開放上限時間が極めて短い時間(52ミリ秒)に設定され、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が極めて低い。一方、大当り種別が「第2大当り」であるときには、ラウンドカウント値が、大入賞口開放上限時間が約27秒(27秒+52ミリ秒)に設定される。したがって、大当り種別が「第2大当り」である場合には、確変開放ラウンドにおける賞球の払出しが第1大当りよりも多いとともに、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が高く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。
次に、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタから、今から開始されるラウンド遊技のラウンド数を示すラウンドカウンタ値を読み出す(ステップS299)。そして、ステップS298又はS297でセットされた使用開放パターンテーブルと読み出したラウンドカウンタ値とに基づいて、開始されるラウンド遊技においてラウンド遊技にて開放状態とする大入賞口を、上特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口または下特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口のいずれかに決定する(ステップS300)。図14(A)及び(B)に示すように、ラウンドカウント値が「1」〜「13」、「15」のいずれかであるとき(通常開放ラウンドであるとき)に、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。一方、ラウンドカウント値が「14」または「16」であるとき(確変開放ラウンドであるとき)には、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。したがって、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」または「16」となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、下特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。
ステップS300の処理により開放する大入賞口を決定することにあわせて、遊技球を有効に検出するための検出有効スイッチを設定してもよい。例えば、ラウンドカウント値が「1」〜「13」、「15」のいずれかであるときには、上大入賞口が開放状態となることにあわせて、上大入賞口スイッチ23Aによる遊技球の検出を有効にする。一方、ラウンドカウント値が「14」または「16」であるときには、下大入賞口が開放状態となることにあわせて、下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出を有効にする。
ステップS300の処理に続いて、例えば大当り種別バッファなどから大当り種別の記憶データを読み出して、ラウンドカウンタ値と大当り種別に応じた大入賞口作動時間を決定する(ステップS301)。大入賞口作動時間は、大当り遊技状態にて実行される各回のラウンド遊技にて、ラウンド遊技の開始から上大入賞口または下大入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変化させるためのソレノイドの制御を実行する時間であって、入出力一致待ち状態と入出力エラー状態とを含まないラウンド遊技の継続時間と一致する。
ステップS301の処理を実行した後には、大入賞口(上大入賞口または下大入賞口)を閉鎖状態から開放状態とするための開放開始制御が行われる(ステップS302)。このときには、ステップS300の処理により決定された開放する大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに駆動信号を送信するための設定が行われる。一例として、上大入賞口を開放状態とする場合には、上大入賞口扉用のソレノイド82Aに駆動信号を送信するための設定を行う。具体的には、ステップS297でセットした開放パターンテーブルが指定するラウンドカウンタ値に応じた開放パターンを参照するためのアドレス値をRAM103の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)にセットすることで、ラウンド開始からの経過時間に応じてソレノイドをオン又はオフとする制御信号を上大入賞口扉用のソレノイド82Aに送信可能とすればよい。一方、下大入賞口を開放状態とする場合には、同様にステップS298でセットした開放パターンテーブルが指定するラウンドカウンタ値に応じた開放パターンを参照するためのアドレス値をRAM103の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)にセットして、下大入賞口扉用のソレノイド82Bに駆動信号を送信するための設定を行う。また、ステップS302では、RAM102の所定領域(例えば遊技制御タイマ設定部153)に設定された、ラウンド開始からの経過時間を計時するためのラウンドタイマの更新を開始する。
次に、CPU103はステップS300で決定した開放する大入賞口が下大入賞口であるか否かを判定し(ステップS303)、下大入賞口である場合には(ステップS303;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)に設定された確変領域ソレノイド制御コードの値を1に設定する(ステップS304)。なお、確変領域ソレノイド制御コードは、後述する確変領域ソレノイド制御領域にて確変領域ソレノイドを用いた確変領域蓋72の位置制御と、確変領域の有効・無効の制御と、を開始することを指定する制御コードである。このように、確変領域の位置制御と、確変領域の有効・無効の制御と、の開始を共通の制御コード(確変領域ソレノイド制御コード)を用いて開始するので、確変領域の開閉に加えて確変領域の有効・無効の変更を実行するとしても、必要な記憶容量を低減させることができる。ステップS303で下大入賞口を開放するラウンドでないと判定するか(ステップS303;No)、ステップS304の処理を終了すると、PCU103は特図プロセスフラグの値を“5”に更新し(ステップS305)、大当り開放前処理を終了する。ステップS305にて特図プロセスフラグの値が“5”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS115の大当り開放中処理が実行される。
図15は、大当り開放中処理として、図8のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、実行中のラウンド遊技が下大入賞口を開放するラウンドであるか否かを判定する(ステップS311)。一例として、ラウンドカウンタ値が確変開放ラウンドを示す「14」又は「16」である場合に、下大入賞口を開放するラウンドであると決定し(ステップS311;Yes)、下大入賞口に進入した遊技球の検出判定のための下大入賞口入賞検出処理を実行する(ステップS316)。
図16は、下大入賞口入賞検出処理として、図15のステップS316にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。下大入賞口入賞検出処理では、まずCPU103は下大入賞口スイッチ23Bがオン状態となったか否かを判定する(ステップS501)。下大入賞口スイッチ23Bが、下特別可変入賞装置7Bが第1状態(開放状態)となったときに下特別可変入賞装置7Bに進入した遊技球を検出して、オン状態となっていた場合には(ステップS501;Yes)、次に後述する下大入賞口スイッチ無効フラグがオンにセットされているか否か判定する(ステップS502)。なお、下大入賞口スイッチ無効フラグは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152など)に設けられた、後述する図17のステップS549等でオン状態にセットされるフラグであり、入出力エラー状態において、下大入賞口スイッチ23Bが下特別可変入賞装置7Bに進入した遊技球を検出した場合でも、その検出を無効とする制御を実行するために用いられる。
下大入賞口スイッチ無効フラグがオン状態でないと判定すると(ステップS502;No)、CPU103はRAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部153など)に設けられた、下特別可変入賞装置7B内の遊技球の数を示すカウンタである役物遊技中入賞個数カウンタを1加算する(ステップS502A)。役物遊技中入賞個数カウンタの値は、下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数から、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを減算した数に制御される。
ステップS502Aを終了するか、ステップS501でNoと判定された場合や、ステップS502でYesと判定された場合、次にCPU103は確変領域スイッチ24Aがオン状態であるか否か判定する(ステップS503)。確変領域スイッチがオン状態である場合には(ステップS503;Yes)、確変領域を通過して特別可変入賞装置7B内から遊技球が排出されたと考えられるので、役物遊技中入賞個数カウンタを1減算する(ステップS504)。次に、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満であるか否か判定する(ステップS505)。0未満である場合には(ステップS505;Yes)、下特別可変入賞装置7Bに進入した遊技球を下大入賞口スイッチ23Bが正しく検出できなかったと考えられるので、過排出検出時エラー処理を実行して(ステップS512)、下大入賞口入賞検出処理を終了する。本実施の形態では、過排出検出時エラー処理として役物遊技中入賞個数カウンタを0に設定する。これに加え、ホールの管理コンピュータに対して所定のエラー信号を出力してよい。
役物遊技中入賞個数カウンタが0以上であると判定すると(ステップS505;No)、CPU103は次に確変領域検出有効フラグがオン状態にセットされているか否か判定する(ステップS506)。確変領域検出有効フラグは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152など)に設けられた、後述する図20の確変領域ソレノイド制御処理においてオン状態・オフ状態に切り替えられるフラグであり、大当り遊技状態において確変領域の有効・無効を所定のタイミングで切り替える制御を実行するために用いられる。確変領域検出有効フラグがオン状態にセットされていると判定すると(ステップS506;Yes)、CPU103はさらに役物遊技中入賞カウンタが0であるか否か判定する(ステップS507)。役物遊技中入賞個数カウンタが0でない場合には(ステップS507;No)、CPU103はRAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152)に設定された確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS508)。ステップS508において確変確定フラグをオン状態にセットすることにより、実行中の大当り遊技状態終了後に遊技者に有利な確変状態に制御される。一方、役物遊技中入賞個数カウンタが0であると判定した場合には(ステップS507;Yes)、不正が実行されたと考えられるので、ステップS508をスキップして確変確定フラグをオン状態にしない。
ステップS503でNoと判定するか、ステップS506でNoと判定するか、ステップS507でYesと判定するか、ステップS508の処理を終了した場合、次にCPU103は排出スイッチ24Bがオン状態であるか否か判定する(ステップS509)。排出スイッチがオン状態である場合には(ステップS509;Yes)、役物遊技中入賞個数カウンタを1減算する(ステップS510)。次に、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満であるか否か判定する(ステップS511)。0未満である場合には(ステップS511;Yes)、ステップS505でYesと判定した場合と同じく過排出検出時エラー処理を実行して(ステップS512)、下大入賞口入賞検出処理を終了する。また、ステップS509でNoと判定したか、ステップS511でNoと判定した場合には、そのまま下大入賞口入賞検出処理を終了する。
図16の下大入賞口検出処理では、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満である場合(下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数が、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数より少ない場合)に、過排出検出時エラー処理(ステップS512)によって役物遊技中入賞個数カウンタを0に戻してエラー状態を回復することができる。また、ステップS507にて役物遊技中入賞個数カウンタが0である場合(下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数が、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と一致する場合)には、ステップS508をスキップして確変確定フラグをセットしない。そのため、確変領域スイッチ24Aが不正行為によって遊技球を検出した場合でもその検出によっては確変状態に制御しないので、不正行為に対するセキュリティを高めることが出来る。
図15に戻って、ステップS316を終えるか、ステップS311にて下大入賞口を開放するラウンドでないと判定すると(ステップS311;No)、CPU103は開放パターンに基づいて大入賞口を開放するための大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS317)。一例として、まず、図13のS302でセットされた開放パターンにおいて、現在のラウンドタイマ値が示すタイミングにおいて大入賞口を開放状態とするか、閉鎖状態とするか、いずれに設定されているか特定する。そして、特定結果に応じて、ステップS311でNoと判定した場合(通常開放ラウンドである場合)には上大入賞口扉用のソレノイド82Aに、Yesと判定した場合(確変開放ラウンドである場合)には下大入賞口扉用のソレノイド82Bに、ソレノイドを特定結果に応じてオン又はオフ状態とするための制御信号を伝達すればよい。この実施の形態では、開放状態とすると特定した場合にはオン状態にする制御信号を、閉鎖状態とすると決定した場合にはオフ状態にする制御信号を、それぞれ伝達すればよい。
次に、CPU103は大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS318)。このとき、大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS318;No)、上大入賞口スイッチ23Aと下大入賞口スイッチ23Bのうちで、遊技球の検出が有効な大入賞口スイッチから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS319)。
ステップS319にて大入賞口スイッチがオンである場合には(ステップS319;Yes)、入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS320)。入賞個数カウント値は、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられた入賞個数カウンタの格納値であり、1回のラウンド遊技が実行されるあいだに大入賞口スイッチにより検出された遊技球の個数を示すものであればよい。その後、大入賞口スイッチにより遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる遊技球を払い出すための設定を行う(ステップS321)。なお、賞球を直接に払い出すことに代えて、賞球の個数に対応した得点を付与するようにしてもよい。
ステップS319にて大入賞口スイッチがオフである場合や(ステップS319;No)、ステップS321の処理を実行した後には、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値(例えば「6」)に達したか否かを判定する(ステップS322)。このとき、入賞上限判定値に達していなければ(ステップS322;No)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS318にて大入賞口作動時間が経過した場合や(ステップS318;Yes)、ステップS322にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS322;Yes)、CPU103は今回のラウンド遊技を終了すると判断して、大入賞口開放終了処理を実行する(ステップS323)。ここでは、図13のステップS302でセットされた開放パターンをクリアして、ラウンド遊技終了後の大入賞口の開閉を制御する(閉鎖状態に維持する)ための開放後パターンを使用パターンとしてセットする。
ステップS319の処理に続いて、入賞個数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS324)。次に、CPU103はラウンドカウンタ値に基づいて、終了するラウンドが下大入賞口を開放する確変開放ラウンドであるか否かを判定する。(ステップS325)。そして、下大入賞口を開放する確変開放ラウンドであると判定すると(ステップS325;Yes)、ラウンド終了後からの経過時間を計時するために、RAM102の所定領域(例えば遊技制御タイマ設定部153)に設定された入出力一致待ちタイマに、所定の入出力一致待ち制限時間に対応する値を設定し(例えば2740ミリ秒)、タイムアップするまでのカウントを開始する(ステップS326)。ステップ325にて下大入賞口を開放するラウンドでないと判定するか(ステップS325;No)、ステップS326の処理を終了すると、CPU103は特図プロセスフラグの値を“6”に更新してから(ステップS321)、大当り開放中処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“6”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS116の大当り開放後処理が実行される。
図17は、大当り開放後処理として、図8のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、ラウンドカウンタ値に基づいて、実行されたラウンド遊技において下大入賞口を開放したか(確変開放ラウンドであったか)否かを判定する(ステップS541)。下大入賞口を開放した場合には(ステップS541;Yes)、次にCPU103はRAM102の所定領域(例えば、遊技制御フラグ設定部153)に設けられた次移行許容フラグがオン状態にセットされているか否か判定する(ステップS542)。次移行許容フラグは、後述するステップS547にて、実行されたラウンドを終了して次の状態へ移行する(実行中のラウンド後の制御を実行する)条件が成立した場合にオン状態にセットされるフラグであり、実行中のラウンド後の制御の実行を好適に許容するために用いられる。ここで、次の状態とは、実行されたラウンドが大当り遊技状態の最後のラウンドでない場合には次のラウンド、又は、最後のラウンドである場合には大当り遊技状態の終了及び大当り終了後の遊技状態(確変確定フラグがセットされている場合には確変状態へ制御された特別遊技状態、セットされていない場合には確変状態に制御されない通常遊技状態)を示す。次移行許容フラグがオン状態にセットされていなと判定すると(ステップS542;No)、CPU103はRAM102の所定領域(例えば、遊技制御フラグ設定部152)に設けられた入出力エラー中フラグがオン状態にセットされているか否か判定する(ステップS543)。入出力エラー中フラグは、役物遊技中入賞個数カウンターが入出力一致待ち上限時間を過ぎても0にならず、後述する入出力エラー状態(玉詰まり等が発生されたと推測される状態)が開始されたことに基づいて、後述するステップS552にてオン状態にセットされるフラグであり、後述する異常動作等を実行してエラー状態に制御してエラー状態が解消されるまで待ち受けるために用いられる。
入出力エラー中フラグがオン状態でないと判定すると(ステップS543;No)、次にCPU103は図15のステップS326でカウントを開始した入出力一致待ちタイマがアップしたか否か判定する(ステップS544)。図15のステップS326におけるカウント開始から未だ所定の入出力一致待ち上限時間(例えば2740ミリ秒)が経過していない場合には、CPU103はタイマがアップしていないと判定し(ステップS544;No)、図16に示す下大入賞口検出処理を実行する(ステップS545)。ステップS545では、CPU103は図15のステップS316と同様に、下大入賞口スイッチ23B、確変領域スイッチ24A、排出スイッチ24Bの状態に応じて確変確定フラグや役物遊技中入賞個数カウンタを更新する。
ステップS545を終了すると、CPU103はステップS545で更新した役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判定する(ステップS546)。役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0であると判定した場合には(ステップS546;Yes)、CPU103は次移行許容フラグをセットする(ステップS547)。即ち、下大入賞口スイッチ23Bが検出した下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数(確変領域を通過して下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数)と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数(確変領域を通過せず下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数)とを和した数と、が一致したことに基づき、実行中のラウンドが大当り遊技状態で実行される最後のラウンドである場合には大当り遊技状態の終了を、最後のラウンドでない場合には次のラウンドへの移行を、許容する制御が実行される。
次に、CPU103は入出力エラー中フラグがオン状態であるか否かを、ステップS543と同様に判定する(ステップS548)。入出力エラー中フラグがオン状態で無いと判定した場合(ステップS548;No)、即ち、入出力エラー状態でない場合には、CPU103は大当り開放後処理を終了する。ステップS546にて役物遊技中入賞カウンタが0でなく、実行中のラウンド後の制御の実行(実行中のラウンドが大当り遊技状態で実行される最後のラウンドである場合には大当り遊技状態の終了、最後のラウンドでない場合には次のラウンドへの移行)が許容されないと判定した場合(ステップS546;No)も同様に大当り開放後処理を終了する。
ステップS544にて、下大入賞口が開放されるラウンド遊技において、実行中のラウンド後の制御の実行が許容されないまま、下特別可変入賞球装置7Bを開放状態に変化させる期間が終了した後に所定の入出力一致待ち上限時間(例えば2740ミリ秒)が経過したと判定された場合には(ステップS544;Yes)、CPU103は下大入賞口スイッチ24Aによる遊技球の検出を一時的に無効にするため、下大入賞口スイッチ無効フラグをオン状態にセットする(ステップS549)。この結果、オフ状態に更新されるまで図16のステップS502にてYesと判定されるようになり、下大入賞口スイッチが遊技球を検出しても役物遊技中入賞カウンタが更新されず、検出は無効となる。また、このとき少なくとも排出スイッチ24Bによる検出は有効であり、排出スイッチ24Bの設置部を遊技球が通過すると、図16の下大入賞口検出処理のステップS510に役物遊技中入賞カウンタが1減算される。
次に、CPU103は画像表示装置5に入出力エラー状態であることを示す画面表示を開始するための処理(エラー表示開始処理)を実行する(ステップS550)。具体的には、RAM102の遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファに、エラー表示開始を指示する演出制御コマンドの送信を指定するバッファ値を設定することで、次に実行されるコマンド制御処理(図17のステップS17)においてエラー表示開始を指定する演出制御コマンドが演出制御基板12に対して送信されるようにすれば良い。
次に、ホールの管理コンピュータといった外部装置に対して、下大入賞口スイッチ23Bが検出した下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と、が一致せず入出力一致待ち上限時間を経過したこと(入出力エラーが発生したこと)を伝達するエラー信号を出力する(ステップS551)。エラー信号を出力することにより、エラー信号を受信したホールの管理コンピュータといった外部装置においても入出力エラーの発生を知ることが出来るため、ホールの管理者等が迅速にエラーに対処することができる。
ステップS551が終わると、CPU103は入出力エラー中フラグをオン状態にセットして(ステップS552)、大当り開放後処理を終了する。ステップS549〜S552の処理により、下大入賞口スイッチ23Bが検出した下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と、が一致せず入出力一致待ち上限時間を経過したことに基づき、入出力エラー状態に制御される。
入出力エラー状態に制御されている場合には、大当り開放後処理のステップS543にて入出力エラー中フラグがオンであると判定され(ステップS543;Yes)、ステップS544はスキップされる。また、入出力エラー状態に制御されている場合に、例えば後述する入出力エラー状態における確変領域蓋72の異常時動作によって球詰まりが解消する場合がある。また、エラー状態解消のためパチンコ遊技機1の管理者が下大入賞口扉を手で開けて、遊技球を投入する場合がある。このような場合、詰まっていた遊技球や投入された遊技球を排出スイッチ24Bが検出することにより、下大入賞口入賞検出処理(ステップS545)にて役物遊技中入賞個数カウンタが更新される。このときには、ステップS546にて役物遊技中入賞口数カウンタが0と判定され(ステップS546;Yes)、ステップS547にて次移行許容フラグがオン状態にセットされるのみならず、ステップS548にて入出力エラー中フラグがオン状態であると判定され(ステップS548;Yes)、入出力エラー状態を解消するための処理(ステップS553とS555)が実行される。具体的には、CPU103はステップS553にて入出力エラー中フラグをオフ状態にセットし(ステップS553)、その後下大入賞口スイッチ無効フラグをオフ状態にセットし(ステップS555)、大当り開放後処理を終了する。
ステップS541にて実行されたラウンド遊技が下大入賞口を開放しない通常開放ラウンドであるかと判定されたか(ステップS541;No)、ステップS542にて次移行許容フラグがオン状態であると判定された場合には(ステップS542;Yes)、CPU103は、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた次ラウンド待ちフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS561)。次ラウンド待ちフラグは、大当り遊技状態における次回のラウンド遊技が開始されるまで待機することに対応して、後述するステップS564の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS561にて次ラウンド待ちフラグがオフであるときには(ステップS561;No)、ラウンドカウント値が予め定められたラウンド上限判定値(例えば「16」)に達したか否かを判定する(ステップS562)。このとき、ラウンド上限判定値に達していなければ(ステップS562;No)、次ラウンド待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS563)。そして、次ラウンド待ちフラグをオン状態にセットしてから(ステップS564)、大当り開放後処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行される。
ステップS562にてラウンド上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS562;Yes)、大当り終了前時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS565)。このときには、ラウンドカウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS566)。また、大当りフラグと次移行許容フラグとをクリアしてオフ状態にする(ステップS567)。更に、確変領域ソレノイドコードの値を0にセットして(ステップS567A)、後述する確変領域ソレノイド制御処理における確変領域蓋72の位置制御と確変領域の有効無効の切り替え制御とを停止する。そして、特図プロセスフラグの値を“7”に更新してから(ステップS338)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“7”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS117の大当り終了処理が実行される。
ステップS561にて次ラウンド待ちフラグがオンである場合には(ステップS561;Yes)、次ラウンド待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS569)。そして、次ラウンド待ち時間が経過していなければ(ステップS569;No)、大当り開放後処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行され、次ラウンド待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS569にて次ラウンド待ち時間が経過したときには(ステップS569;Yes)、次移行許容フラグと次ラウンド待ちフラグとをクリアしてオフ状態にする(ステップS570)。また、ラウンドカウント値を1加算するように更新する(ステップS571)。更に、確変領域ソレノイドコードの値を0にセットして(ステップS571A)、後述する確変領域ソレノイド制御処理における確変領域蓋72の位置制御と確変領域の有効無効の切り替え制御とを停止する。そして、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS572)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS114の大当り開放前処理が実行され、新たなラウンド遊技を開始させることができる。
このように、図17・図18の大当り開放後処理においては、ラウンド遊技における大入賞口作動時間が終了した後、所定の入出力一致待ち時間を越えて、実行中のラウンド後の制御の実行が許容がされない場合には、下大入賞口スイッチ無効フラグをオン状態にセットして下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出を無効にする。また、このとき少なくとも排出スイッチ24Bによる有効であり、排出スイッチ24Bの設置部を遊技球が通過すると、図16の下大入賞口検出処理のステップS510に役物遊技中入賞カウンタが1減算される。そのため、例えば下大入賞口扉71を手で開けて遊技球を下特別可変入賞球装置7Bに進入させると、役物遊技中入賞個数カウンタ値は、下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出に基づいては加算されず、排出スイッチ24Bによる検出に基づいて減算される。よって、役物遊技中個数カウンタが0となるまで下大入賞口扉71を手で開けて遊技球を下特別可変入賞球装置7Bに進入させることで、入出力エラー状態を解除することができる。即ち、エラー状態から簡便に復帰することが出来る。
図19は、大当り終了処理として、図8のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了前時間が経過したか否かを判定する(ステップS361)。このとき、大当り終了前時間が経過していなければ(ステップS361;No)、大当り終了処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り終了処理が再び実行され、大当り終了前時間が経過するまで待機する。
ステップS361にて大当り終了前時間が経過した場合には(ステップS361;Yes)、CPU103は、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS363)。
ステップS363にて確変確定フラグがオンであるときには(ステップS363;Yes)、確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS364)。一例として、ステップS364の処理では、確変フラグをオン状態にセットすることに加え、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「50」)を、確変回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS365)。
ステップS363にて確変確定フラグがオフであるときや(ステップS363;No)、ステップS365の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS336)、大当り終了処理を終了する。特図プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図20は、図7の遊技制御用タイマ割り込み処理のステップS16Aで実行される確変領域ソレノイド制御処理の一例を示すフローチャートである。この確変領域ソレノイド制御処理において、CPU103は、まず、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)に設定された確変領域ソレノイド制御コードの値を読み出す(ステップS601)。そして、読み出された制御コードの値が、前回実行された確変領域ソレノイド制御処理で読み出した制御コードの値と同じか否か判定する(ステップS602)。一例として、前回実行された確変領域ソレノイド制御処理のステップS603(後述)においてRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)に設定された比較用の制御コード値格納領域に格納された値と、ステップS601で読み出した値と、が一致した場合には前回と同じであると判定し、異なる場合には同じでないと判定すれば良い。
ステップS602にて前回と同じでないと判定された場合には(ステップS610;No)、次の比較のためステップS601で読み出した値をRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)に設定された比較用の制御コード値格納領域に格納する(ステップS603)。次に、CPU103は確変ソレノイドパターンテーブルを選択するための使用テーブルリストをステップS601で読み出した値に応じて決定する(ステップS604)。ここで、確変ソレノイドパターンテーブルとは、図21のTBL0〜TBL10のように、テーブル毎に、テーブル使用時において、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力を指定するデータ(ソレノイド出力指定データ)と、確変領域が有効か無効かを指定するデータ(確変領域有効/無効指定値)と、そのテーブルの使用時間と、を関連付けて記憶するテーブルである。また、使用テーブルリストとは、読み出した確変領域ソレノイドコードの値が0か1かに応じて、使用する順に確変ソレノイドパターンテーブルを記憶したリストである。本実施の形態では、大当り種別にかかわらず同じ確変ソレノイドパターンテーブルを用いるため、確変領域蓋72の位置と確変領域の有効・無効とを制御するにあたって必要な記憶容量を少なくすることができる。
図21は、ステップS604における使用テーブルリストの決定例である。この例では、ステップS601で読み出した確変領域ソレノイド制御コードの値が0の場合は、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力をオフ状態のまま、確変領域を無効のまま保持する確変ソレノイドパターンテーブル(TBL0)のみを継続使用する使用テーブルリストを決定する。一方、確変領域ソレノイド制御コードの値が1である場合には、指定する確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力のオン・オフと、確変領域の有効・無効と、テーブル使用時間が異なる複数の確変ソレノイドパターンテーブル(TBL1〜TBL10)を、順に切り替えて使用する使用テーブルリストを決定する。TBL1〜TBL10は図24に示す制御例における期間T1〜T10においてそれぞれ使用される。このうち、TBL1〜TBL5は大入賞口作動時間(T1〜T5)中に、TBL6〜TBL9は入出力一致待ち状態の期間(T6〜T9)に、TBL10は入出力一致待ち状態終了後の入出力エラー状態(T10)に、それぞれ使用される。
ステップS604で使用テーブルリストを決定すると、CPU103は使用テーブルリストの先頭のテーブルを、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとしてセットする(ステップS605)。そして、セットした確変ソレノイドパターンテーブルからソレノイド出力指定データの値と、確変領域有効/無効指定値の値と、を読み取る(ステップS606)。そして、読み取った確変領域有効/無効指定値に応じて、RAM102の所定領域に設定された確変領域検出有効フラグを更新する(ステップS607)。更に、読み取ったソレノイド出力指定データの値に応じて、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部155)に設定された確変領域ソレノイドバッファを更新することで、ソレノイド出力指定データに応じて確変領域蓋用のソレノイド82Cのオン・オフを制御する(ステップS608)。即ち、確変領域蓋72の位置を制御する。なお、確変領域ソレノイドバッファは、確変領域蓋用のソレノイド82Cにオン・オフを指定する制御信号を出力するための出力バッファであり、このバッファに格納された値に応じて、図7のコマンド制御処理で確変領域蓋用のソレノイド82Cに制御信号が出力される。
次に、ステップS605でセットした使用テーブルのテーブル使用時間をRAM102の所定領域(例えば、遊技制御タイマ設定部153)に設定された確変領域ソレノイドタイマにセットし、計時を開始する。そして、確変領域ソレノイド制御処理を終了する。
確変領域ソレノイド制御コード値は確変開放ラウンドの開始時(図13のステップS304)と終了時(図18のS337AやS341A)とで更新されるため、連続しては更新されない。そのため、ステップS602にて確変領域ソレノイド制御コードの値が前回と異なると判定され使用テーブルリストを決定すると、実行中のラウンドが終了するまで次回以降のループで実行される確変領域ソレノイド制御では、ステップS602にて読出値が前回と同じと判定される(ステップS602;Yes)。この場合、CPU103は確変領域ソレノイドタイマ値を更新し(ステップS610)、次に使用テーブルの使用時間が終了したか否かを判定する(ステップS611)。具体的には、前回以前のループにおいてステップS609においてセットした確変領域ソレノイドタイマが未だアップしていない場合には、使用テーブルの使用時間が終了していないと判定し(ステップS611;No)、確変領域ソレノイド制御処理を終了する。一方、ステップS609においてセットした確変領域ソレノイドタイマがアップしていた場合には、CPU103は使用テーブルの使用時間が終了したと判定し(ステップS611;Yes)、次に使用テーブル番号が0であるか否か(TBL0を使用中であるか)を判定する(ステップS612)。使用テーブル番号が0である場合は(ステップS612;Yes)、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力のオン・オフを切り替えて確変領域蓋72の位置を変化させる制御と、確変領域の有効・無効を切り替える制御と、が開始されていないため、そのまま確変領域ソレノイド制御処理を終了する。
一方、使用テーブル番号が0でない場合には(ステップS612;No)、CPU103は使用テーブル番号が10であるか否か(TBL10を使用中であるか)を判定する(ステップS613)。現在の遊技状態が入出力エラー状態であり、TBL10を使用中である場合には(ステップS613;Yes)、確変領域蓋用のソレノイド82をオフ状態(確変領域蓋72は閉鎖状態)で停止するための処理(確変領域ソレノイド停止処理)を実行して(ステップS615)、確変領域ソレノイド制御処理を終了する。
一方、TBL10を使用中でない場合には(ステップS613;No)、ステップS604で決定した使用テーブルリストにおいて、現在の使用テーブルの次に記録されているテーブルを使用テーブルとしてセットし(ステップS614)、次の使用テーブルのソレノイド出力指定データ・確変領域有効/無効指定データ等についてステップS606〜S609の処理を行って確変領域ソレノイド制御処理を終了する。
確変領域ソレノイド制御処理では、確変領域ソレノイド制御コードの値が0から1に変更されたときに、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力のオン・オフを切り替えて確変領域蓋72の位置を変化させる制御と、確変領域の有効・無効を切り替える制御と、が共に開始される。そのため、確変領域蓋72の位置制御と、確変領域の有効・無効を切り替える制御と、を開始するにあたってRAM102の容量が少なくてすむ。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の画面上では、特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出され、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となったときには、大当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放状態に変化するラウンド遊技が行われることで、遊技者が多数の賞球(または対応する得点)を得られる有利な状態となる。
ラウンド遊技にて開放状態となる大入賞口としては、図1に示す右遊技領域2Bに設けられた特別可変入賞球装置7Aにより形成される上大入賞口と、上大入賞口の下方に設けられた特別可変入賞球装置7Bにより形成される下大入賞口とがある。大当り遊技状態にて実行される複数回のラウンド遊技にて、いずれの大入賞口を開放状態とするかは、図13に示すステップS297・S298の処理にて、図14(A)・(B)に示すようなラウンドカウント値に応じて決定される。また、図13に示すステップS301の処理では、図14(A)・(B)に示すような大当り種別やラウンドカウント値に応じた大入賞口開放上限時間が決定される。
大当り遊技状態の終了後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、通常状態よりも特図表示結果が「大当り」となりやすい確変状態に制御されることがある。一例として、確変領域スイッチ24Aの設置箇所を遊技球が通過し、その遊技球が確変領域スイッチ24Aにより検出されたときに、確変制御条件が成立する。ここで、例えば図22に示すように、確変開放ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7Bにより形成される下大入賞口に進入した遊技球(下大入賞口入賞球)は、下大入賞口スイッチ23Bにより検出された後に、遊技球を確変領域に誘導する誘導路と、確変領域を通過せず共通排出経路74に誘導する誘導路と、の分岐点に誘導される。このとき、確変領域蓋72が規制位置にある場合には、遊技球は確変領域を通過せず共通排出経路74に誘導する誘導路により、排出スイッチ24Bの設置箇所へ誘導され、共通排出経路74に至る。この場合に、分岐路から共通排出経路74に至るまでの平均時間をTL1とする。一方、分岐点に誘導されたときに確変領域蓋72が許容位置にある場合、遊技球は確変領域スイッチ24Aの設置箇所(確変領域)へと誘導される。したがって、下大入賞口入賞球は、確変領域スイッチ24Aにより検出することができる。その後、下大入賞口入賞球は、遅延部73の設置箇所を通過した後に共通排出経路74へと誘導される。遅延部73により流下速度が低下するので、こちらの経路を辿った遊技球が分岐路から共通経路に至るまでの平均時間をTL2は、上述したTL1よりも長くなる。このため、後述する初回開放時(図24のT1)に下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球がTL1の時間で確変領域を通過せず共通排出経路74に至るタイミングに対して、2回目の開放時(図24のT5)に下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球がTL2の時間で確変領域を通過して共通排出経路74に至るタイミングを十分にずらすことができる。
図16に示すステップS503の処理にて確変領域スイッチ24Aがオンであるか否かが判定される。そして、確変領域スイッチ24Aがオンであると判定された場合には、ステップS508の処理により確変確定フラグがオン状態にセットされる。大当り遊技状態の終了時には、図19に示すステップS363の処理により確変確定フラグがオンであると判定された場合に、ステップS364の処理により確変制御を開始するための設定が行われる。こうして、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行中に確変領域スイッチ24Aにより遊技球が検出されたことに基づいて、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御することができる。
なお、通常開放ラウンドにおいて上特別可変入賞球装置7Aにより形成される上大入賞口に進入した遊技球(上大入賞口入賞球)は、上大入賞口スイッチ23Aにより検出された後、確変領域を含む図22に示す何れの誘導路とは異なる誘導路を介して、上特別可変入賞球装置7Aから排出される。
図23は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行例を示す説明図である。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」のいずれに決定された場合でも、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大実行回数は「16」になる(第16ラウンドまで)。そして、ラウンド遊技の実行回数が「1」〜「13」・「15」である第1ラウンド(1R)〜第13ラウンド(13R)及び第15ラウンド(15R)では、図23(A1)および(B1)に示すように、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される(通常開放ラウンド)。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」・「16」である第14ラウンド(14R)及び第16ラウンド(16R)では、図19(A2)および(B2)に示すように、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される(確変開放ラウンド)。この確変開放ラウンドにて下大入賞口を開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)は、図14(A)・(B)に示すような決定により、大当り種別が「第1大当り」である場合に、大当り種別が「第2大当り」である場合よりも極めて短い時間(52ミリ秒)となる。したがって、大当り種別が「第1大当り」である場合には、下大入賞口に遊技球を進入させることが極めて困難または不可能であり、確変制御条件が成立しにくい。
大当り種別は、図10に示すステップS242の処理により、図11(B)に示すような変動特図に応じて異なる割合で決定される。第1特図を用いた特図ゲームは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて実行される。一方、第2特図を用いた特図ゲームは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて実行される。第2始動入賞口は、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片が開放状態または拡大開放状態になることで遊技球が通過(進入)しやすくなり、閉鎖状態または通常開放状態になることで遊技球が通過(進入)不可能あるいは通過(進入)困難になる。普通可変入賞球装置6Bは、第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となり、50/100の割合で第2大当りとなり下大入賞口に進入した遊技球が確変領域を通過したことにより確変制御条件が成立し、確変状態に制御されたときに開放状態または拡大開放状態になる。この場合、大当り種別が所定割合(50/100)で「第1大当り」に決定されることで、確変制御条件が成立しにくい。したがって、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(いわゆる「連チャン率」)が抑制される。ただし、第1ラウンド〜第13ラウンド・第15ラウンドでは上大入賞口を開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)が十分に長い時間(29.5秒)に設定される。これにより、遊技者には多くの賞球(または対応する得点)を得る機会が与えられ、可変表示結果が「大当り」となる遊技興趣が高められる。
通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が所定の割合(50/100)で確変制御条件が成立しにくい「第1大当り」とすることで、連チャン率を抑制する一方、確変状態では特図表示結果が「大当り」となると必ず確変制御条件が成立しやすい「第2大当り」となることで、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合に連チャン率を抑制しつつ、一旦確変状態に制御された場合の連チャン率を高め、メリハリのある遊技体験を提供できる。
図24は、下大入賞口を開放するラウンド遊技(ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」・「16」である第14ラウンド(14R)及び第16ラウンド(16R))における、下大入賞口扉71の開閉制御(開放パターンB)と、確変領域蓋用のソレノイド82Cのオン・オフ制御と、確変領域の有効/無効の制御と、の実行例を示す図である。大当り遊技状態において、確変開放ラウンド(第14及び16ラウンド)のラウンド遊技が開始されると、まず下大入賞口扉が52ミリ秒だけ開放状態に制御される(T1)。このとき、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図21のTBL1がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。期間T1が終わると、下大入賞口扉は閉鎖状態となる。T1における開放は非常に短いので、このときに遊技球が下大入賞口に進入する割合は低い。そして、T1の次の52ミリ秒(T2)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図21のTBL2がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオン(確変領域蓋は許容位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。このように、T2にて確変領域蓋が許容位置に制御されるので、T1における下大入賞口扉の開放時に下大入賞口に進入した遊技球は、T2で確変領域を通過できる場合もある。
期間T2が終わると、次の1000ミリ秒(T3)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図21のTBL3がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。このため、T2で確変領域蓋の設置箇所を通過した遊技球が遅れて確変領域スイッチ24Aの設置箇所を通過した場合でも、確実に検出することができる。
期間T3が終わると、次の1600ミリ秒(T4)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図21のTBL4がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。T4の後には下大入賞口扉がこのラウンドで2回目の開放状態となり、遊技球が進入可能となる。T1にて初回の開放を行い、T2にて確変領域蓋を許容位置に制御した後、次の期間T5にて2度目に下大入賞口扉を開放状態とし、確変領域蓋を許容位置とし確変領域を有効にする前に、T4にて1.6秒間は確変領域蓋を規制位置とし、確変領域を無効状態にしたまま待機する待機期間を設けることにより、T2で進入した遊技球はT5で進入した遊技球が共通排出経路74に誘導されるタイミングでは既に共通排出経路74を通過して下特別入賞球装置7Bより排出される。そのため、二つの経路から同時に共通排出経路74に遊技球が到達することにより発生する、球詰まり等の物理的障害を防ぐことが出来る。また、期間T4においては、確変領域蓋を規制位置に制御したのち1000ミリ秒が経過しているため、遅れ玉も既に通過ずみであり、遊技球が正常に確変領域を通過することは考えられない。そこで、確変領域を無効にすることで、本来通過するはずもない遊技球を検出したことにより確変状態に制御されることを防止して、不正行為に対するセキュリティを高めることが出来る。
期間T4が終わると、下大入賞口が27秒間を上限に開放状態に制御される。さらに、次の27356ミリ秒(T5)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図21のTBL5がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオン(確変領域蓋は許容位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。T4の後には下大入賞口扉がこのラウンドで2回目の開放状態となり、遊技球が進入可能となる。大当り種別が「第2大当り」の場合は、T5で下大入賞口が開放されるときに、遊技球が下大入賞口に進入し、確変制御条件が成立する割合が高い。また、下大入賞口が上限の27秒間開放状態に制御された場合でも、その後の1908ミリ秒間は確変領域蓋を許容位置に制御すると共に確変領域を有効とするため、下大入賞口が閉鎖状態に制御される直前に入賞した遊技球についても、確実に確変領域を通過し、該通過に基づいて確変状態に制御することが出来る。
期間T5が終わると、次の1000ミリ秒(T6)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図21のTBL6がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は有効状態に、それぞれ制御される。期間T5の終了間際に確変領域蓋設置箇所を通過した遊技球についても、該通過に基づいて確実に確変状態に制御することが出来る。
期間T6が終わると、次の500ミリ秒(T7)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図21のTBL7がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。期間T7においては、確変領域蓋を規制位置に制御したのち1000ミリ秒が経過しているため、遅れ玉も既に通過ずみであり、遊技球が正常に確変領域を通過することは考えられない。そこで、確変領域を無効にすることで、本来通過するはずもない遊技球を検出したことにより確変状態に制御されることを防止して、不正行為に対するセキュリティを高めることが出来る。
期間T7が終わると、次の240ミリ秒(T8)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図21のTBL8がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオン(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。第2大当り遊技状態において、ラウンド遊技の開始から大当入賞口扉の作動時間(31612ミリ秒)が経過した後所定時間が経過しても、下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数が、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数が一致しない場合は、確変領域蓋に遊技球が挟まった等の物理的な要因で遊技球の移動(流下)が阻害されていることが考えられる。期間T8でTBL8を用いて確変領域蓋を制御することにより、確変領域蓋72を開閉する異常時動作を実行して、球詰まりを解消することができる。
期間T8が終わると、次の1000ミリ秒(T9)は、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図21のTBL9がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御される。期間T9においては、下大入賞口が開放されてから1740ミリ秒が経過しているため、遊技球が正常に確変領域を通過することは考えられない。そこで、確変領域を無効にすることで、本来通過するはずもない遊技球を検出したことにより確変状態に制御されることを防止して、不正行為に対するセキュリティを高めることが出来る。
期間T9が終わると、入出力一致待ち状態の上限時間が経過したことに基づき、図17のステップS544にてYesと判定され、下大入賞口スイッチ無効フラグと入出力エラー中フラグとがオン状態にセットされることにより入出力エラー状態に制御される。そして、入出力エラー状態が解除されるまで、使用する確変ソレノイドパターンテーブルとして図21のTBL10がセットされたことに応じて、確変領域蓋用のソレノイド82Cはオフ(確変領域蓋は規制位置)に、確変領域は無効状態に、それぞれ制御された状態が保持される。この状態では、下大入賞口スイッチ23Bの検出が無効状態(スイッチがオン状態となっても役物遊技中入賞個数カウンタが更新されない)に制御される一方、確変領域スイッチ24Aと排出スイッチ24Bとのうち少なくとも一方は有効状態(スイッチがオン状態となった場合に役物遊技中入賞個数カウンタが更新される)となる。そのため、下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と、が一致するまで
手動で下大入賞口に遊技球を投入することで、入出力エラー状態を解除して通常の遊技に復帰することが出来る。即ち、入出力エラー状態からの復帰が容易である。
期間T1の開始からT4の途中までが、大当り種別が「第1大当り」における下大入賞口扉の作動時間(1960ミリ秒)であり、この期間が終わると第1大当りにおける入出力一致待ち状態に制御される。第1大当りでは、下大入賞口は期間T1(52ms)においてのみ開放状態となる上、開放されるタイミングと、確変領域蓋72が許容位置となる期間(期間T2)とが異なるため、遊技球が確変領域を通過して確変制御条件が成立する割合はきわめて低い。一方、期間T1の開始からT5の最後までが、大当り種別が「第2大当り」における大当入賞口扉の作動時間(31612ミリ秒)であり、この期間が終わると第2大当りにおける入出力一致待ち状態に制御される。第2大当りでは、期間T1(52ms)のみならず期間T5において最大27秒間にわたって下大入賞口が開放状態となるため、高い割合で遊技球が下大入賞口に進入(入賞)する。さらに、期間T5において下大入賞口が開放状態となる全ての期間において、さらにその後閉鎖状態となったあとも約2秒間(期間T5後半)は確変領域蓋72が許容位置に保持される。そのため、第2大当り遊技状態においては、下大入賞口に進入(入賞)した遊技球は、下大入賞口の閉鎖直前に入賞し閉鎖後に分岐点に到達する遊技球(所謂遅れ球)も含めて余さず確変領域を通過する。また、確変領域蓋72が規制位置に変化させた後も1秒間(期間T6)は確変領域を有効とするので、確変領域の閉鎖直前に通過し閉鎖後に確変領域を通過する遊技球(所謂遅れ球)も含めて、余さず検出し、該検出に基づいて確変状態に制御される。このように、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とで、確変制御条件が成立する割合を異にしてメリハリのある遊技を実現できる。
ここで、第1大当りと第2大当りとで、下大入賞口扉の開閉を共通の開放パターン(開放パターンB)を用いて実行するため、複数種別の大当り遊技状態にて、下大入賞口を開放する上限時間を異にするとしても、必要な記憶容量を削減することができる。また、第1大当りと第2大当りと、において共通の確変ソレノイドパターンテーブル(TBL1〜TBL10)を用いて確変領域ソレノイドの制御と確変領域の有効/無効の制御とを実行する。そのため、複数種別の大当り遊技状態にて、確変領域蓋の制御と変領域の有効/無効の制御とを実行するとしても、必要な記憶容量を削減することができる。
以上説明したとおり、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、確変開放ラウンドにおいて、下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と、が一致して役物遊技中入賞個数カウンタが0になったことに基づき、実行中のラウンド後の制御の実行(実行中のラウンドが大当り遊技状態の最後のラウンドである場合には大当り遊技状態の終了を、最後のラウンドでない場合には次のラウンドへの移行)を許容するための次移行許容フラグをオン状態にセットし、前記第1可変入賞装置を前記第1状態に変化させるラウンドにおいて、次移行許容フラグをオン状態にセットされないまま図24の期間T8に達した場合、確変領域蓋を駆動して異常時動作を実行する。役物遊技中入賞個数カウンタが0にならない場合、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球の移動(流下)が確変領域蓋72に引っかかって詰まるなどの物理的な要因で阻害されたことが考えられる。このような構成によれば、異常時動作によって球詰まり等の物理的阻害要因を解消することができるので、遊技の進行に問題が生じる程度を低下することができる。
また、図17の大当り開放後処理においてCPU103が次移行許容フラグがオフ(ステップS542;No)と判定した場合に、ステップS549で下大入賞口スイッチ無効フラグをONにセットすることにより、図16の下大入賞口検出処理にて役物遊技中入賞カウンタを下大入賞口スイッチに応じては変更しない一方、確変領域スイッチと排出スイッチとに応じては変更する。このような構成によれば、次移行許容フラグがオン状態にセットされず入出力一致エラー状態となった場合に、下特別可変入賞球装置7Bに遊技球を手動で入賞させることにより、簡便に入出力一致エラー状態を解消することが出来る。
また、確変開放ラウンドにおいて、大入賞口作動時間が終了した後に次移行許容フラグがオン状態にセットされないまま所定の期間(例えば、図24におけるT7の開始期間までの時間など)が経過した場合には、確変領域スイッチ24Aが遊技球を検出したときであっても該検出に基づいては確変確定フラグをセットしない。このような構成によれば、不正を防止することが出来る。
また、確変開放ラウンドにおいて、次移行許容フラグがオン状態にセットされないまま入出力一致待ちタイマがアップした場合に、図17のステップS550においてエラー表示開始処理と、ステップS551でエラー信号出力処理と、を実行して異常を報知する。このような構成によれば、遊技の進行に問題が生じたことを外部に報知することができる。
また、確変開放ラウンドにおいて、確変領域蓋72を許容位置に変化させた場合に、図24に示すように、下特別可変入賞球装置7Bを閉鎖状態に変化させた後所定の期間として1908ms(期間T5の後半)の間は確変領域蓋72を許容位置に保持する。このような構成によれば、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球が、確変領域蓋72の設置箇所を通過し終わるまでは確変領域蓋72を閉めない(規制位置に変化させない)ので、遊技球が挟まれることを防止することが出来る。さらに、閉鎖状態となる直前に入賞した遊技媒体などが特別可変入賞球装置7Bを閉鎖状態に変化した後に確変領域に到達した場合でも、遊技球が確変領域を好適に通過できる。
また、確変開放ラウンドにおいて、下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と、が一致して役物遊技中入賞個数カウンタが0になった場合には、図16の下大入賞口入賞検出処理にてステップS508をスキップして確変領域スイッチがオンであっても確変確定フラグをセットしない。このような構成によれば、不正を防止することが出来る。
また、下特別可変入賞球装置7Bに入賞したが確変領域を通過せず排出される遊技球と、前記確変領域を通過した遊技球と、は共に共通排出経路74を介して下特別可変入賞球装置7Bから排出される。第2大当り遊技状態において、図24の期間T1で下特別可変入賞球装置7Bを開放状態に変化させた後、所定の待機期間(期間T4)は下特別可変入賞球装置7Bを閉鎖状態に変化させた状態と確変領域蓋72を規制位置に制御させた状態を保持し、期間T4の経過後に下特別可変入賞球装置7Bを開放状態に変化させると共に確変領域蓋72を許容位置に変化させる。このような構成によれば、待機期間を設けることにより、確変領域を通過した遊技球と通過せず排出される遊技球と、が共通排出経路74に到達する時間をずらすことが出来る。そのため、排出経路において遊技球の流下が球詰まり等により阻害されて遊技の進行に問題が生じる程度を低下することができる。
また、ROM101にテーブルTBL1〜TBL10を記憶し、大当り遊技状態として下大入賞口を短期間(52ms)だけ開放状態とする第1大当り遊技状態と、約27秒間と第1大当り遊技状態よりも長く開放状態とする第2大当り遊技状態と、を実行するとともに、1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とで共通のテーブルTBL1〜TBL10を使用して確変領域蓋用のソレノイド82Cを制御する。このような構成によれば、第1特定遊技状態と、第2特定遊技状態と、を実行するとしても必要な駆動データの記憶容量を低減することができる。
また、図21のようなTBL3・TBL7〜TBL10において確変領域の無効を指定する使用テーブルリストを使用リストとして決定した上で、ステップS607にて確変領域有効フラグを現在のタイマ値に応じて更新するので、待機期間の経過に伴って、下大入賞口スイッチ23Bが遊技球を検出したときであっても該検出に基づいては確変成立条件を成立させない。具体的には、図24の期間T4、T6〜T10では図16の下大入賞口検出処理にて確変領域スイッチ24Aがオン状態となった場合でもステップS508をスキップして該検出によっては確変確定フラグをオン状態にセットしない。このような構成によれば、不正を防止することが出来る。
また、確変領域を通過した遊技球が共通排出経路74に到達するまでの経路に遅延部73を更に備える。このような構成によれば、図24の期間T1と期間T5といった、異なるタイミングで下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球の一方が確変領域を通過し、他方が通過せず、それぞれ共通の共通排出経路74に到達するに際して、到達のタイミングを異ならせることができる。そのため、共通排出経路74に付近にて球詰まりが発生する割合を低減できる。
また、図21の確変ソレノイドパターンテーブルのうちTBL4・TBL7・TBL9・TBL10といったテーブルを使用することにより、確変領域蓋72が規制位置にある場合には、確変領域スイッチ24Aがオン状態となった場合でもステップS508をスキップして該検出によっては確変確定フラグをオン状態にセットしない。確変領域蓋72が規制位置であるにも関わらず生じた遊技球の検出は不正行為によるものと考えられる。このような構成によれば、確変領域蓋72が規制位置にあるにある場合に、確変領域への遊技球の通過検出があった場合にはその検出によっては確変制御条件を成立させない(確変確定フラグをオン状態にセットしない)ので、不正行為に対してセキュリティを高めることが出来る。
また、図20の確変領域ソレノイド制御処理のステップS607で確変領域有効フラグを更新して、確変領域スイッチ24Aによる検出の有効・無効を切り替えるにあたって、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態とで、共通の制御データ(ROM101に記憶した確変ソレノイドパターンテーブルTBL1〜10)を用いる。このような構成によれば、第1大当り遊技状態と第2大当り遊技状態、を実行するとしても必要な制御データの記憶容量を低減することができる。
また、図20の確変領域ソレノイド制御処理において、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力制御と、確変領域有効フラグの更新と、を共にテーブルTBL0〜10を用いて実行する。このような構成によれば、確変領域スイッチ24Aによる検出の有効・無効の有効と無効とを切替える制御と、確変領域蓋72の位置の制御とを共通のデータを用いて実行するので、不正行為に対するセキュリティを向上させながら、必要なデータ量の増加を抑制することができる。
また、テーブルTBL0〜10はいずれもRAM101の所定領域に記憶されている。確変領域スイッチ24Aによる検出の有効・無効の有効と無効とを切替える制御と、確変領域蓋72の位置の制御と、に必要なRAMの記憶手段の容量を抑制できる。
また、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力制御と、確変領域有効フラグの更新と、に用いる共通のデータであるテーブルTBL0〜10には、テーブル使用時間が記憶されている。このような構成によれば、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力制御と、確変領域有効フラグの値と、を好適に持続・更新するにあたって、必要なデータ量を抑制できる。
また、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力制御と、確変領域有効フラグの更新制御と、を共通の制御コードである確変領域ソレノイド制御コードの値に応じて開始・停止する。このような構成によれば、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力制御と、確変領域有効フラグの値と、を好適に開始・停止するにあたって、必要なデータ量を抑制できる。
また、確変領域蓋用のソレノイド82Cの出力制御と、確変領域有効フラグの更新制御と、第1大当りか第2大当りかに関わらず同じTBL1〜10を使用して実行する。このような構成によれば、第1大当り遊技状態と第1大当り遊技状態と、を実行するとしても必要なデータ量を低減することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
例えば、上記実施の形態では、入出力エラー状態で実行される、球詰まり等の物理的障害を解消する異常時動作として、確変領域蓋を一度開閉する動作を実行した。しかし、異常時動作はこれに限らず、例えば確変領域蓋を振動させる、確変領域蓋の位置を規制位置から許容位置へ、あるいは、許容位置から規制位置へ、一度だけ変化させる、挟まった遊技球に力を加えるようにソレノイドに電力を供給する、といった物理的障害を解消する任意の動作であってよい。また、異常時動作として、確変領域蓋を駆動するほか、例えば下特別可変入賞球装置の誘導路に設置した振動用モータを駆動するなど、球詰まりなどの物理的障害を解除する他の手段を駆動させてもよい。
また、上記実施の形態では、入出力エラー時(図24のT10)にて、確変領域蓋を規制位置に制御した。しかし、これに限らず、TBL10のソレノイド出力データをオンに設定して、入出力エラー時に確変領域蓋を許容位置に制御してもよい。ただし、この場合でもT10において確変領域有効/無効指定値は「無効」とする。そして、入出力エラー時に、下大入賞口スイッチ23Bを無効として下大入賞口スイッチ23Bがオン状態となっても役物遊技中入賞個数カウンタを加算しない一方、確変領域スイッチ24Aは有効としオン状態となったことに基づき役物遊技中入賞個数カウンタを減算する(ただし確変確定フラグはオン状態にセットしない)。このとき排出スイッチ24Bは無効であってもよい。このような構成によっても、次移行許容フラグがオン状態にセットされず入出力一致エラーが発生した場合に、下特別可変入賞球装置7Bに遊技球を手動で入賞させることにより、簡便に入出力一致エラー状態を解消することが出来る。
また、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球だけが通過可能な特定領域として、遊技球が通過すると確変状態に制御される確変領域を例にとって説明した。しかし、これに限らず、特定領域は遊技球が通過したことに基づき遊技者に有利な特別遊技状態に制御される他の領域であってもよい。このとき、特別遊技状態は、確変状態に限らず、普通可変入賞球装置6Bが開放状態(又は拡大開放状態)となる回数(電チューサポートの回数)が通常状態より多い遊技状態や、大当り遊技状態に移行した場合に実行されるラウンド遊技の数が通常状態よりも多い遊技状態など、通常状態よりも有利な他の遊技状態であってもよい。
また、上記実施の形態で説明した機能のほかに、パチンコ遊技機1は例えば第1大当り遊技状態の確変開放ラウンドにおいて下特別可変入賞球装置7Bに球が進入した場合に、ホールの管理コンピュータ等の外部装置に通知信号を出力してもよい。このためには、例えば図16の下大入賞口検出処理のステップS501とS502との間に、大当り種別が「第1大当り」か否かを判定して、「第1大当り」である場合には通知信号を出力する処理を実行すればよい。第1大当り遊技状態の確変開放ラウンドにおいて下特別可変入賞球装置7Bが開放状態となる時間は極めて短いので、自然に遊技球が進入する割合は低い。このような構成によれば、不正が疑われる状況を外部に伝達することができる。
例えば図10に示すステップS242の処理による大当り種別の決定割合は、図11(B)に示すものに限定されず、通常状態であるときの連チャン率を抑制可能な任意の決定割合に設定されればよい。
上記実施の形態では、上大入賞口に進入した遊技球は確変領域スイッチ24の設置箇所に誘導されることがない一方で、下大入賞口に進入した遊技球はすべて確変領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されるものとして説明した。すなわち、特別可変入賞球装置7Aに遊技球が入賞しても確変制御条件は成立しない一方で、特別可変入賞球装置7Bに遊技球が入賞すれば常に確変制御条件が成立するものとして説明した。
これに対して、遊技球が上大入賞口と下大入賞口のいずれに進入したかに応じて、確変領域スイッチ24の設置箇所へと誘導される割合を異ならせるようにしてもよい。一例として、上大入賞口に進入した上大入賞口入賞球と、下大入賞口に進入した下大入賞口入賞球のいずれであっても、確変領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されることもあれば、特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されずに排出経路へと誘導されることもあるように誘導路を構成する。ここで、確変領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されて確変領域を通過する割合(確変領域通過割合)は、上大入賞口と下大入賞口とで異ならせるように、特別可変入賞球装置7A、7Bの内部構造が形成されればよい。例えば、上大入賞口における確変領域通過割合は、下大入賞口における確変領域通過割合よりも極めて低くなるように設定される。これにより、上大入賞口に進入した遊技球は、下大入賞口に進入した遊技球よりも確変領域を通過しにくくなる。したがって、特別可変入賞球装置7Aにおける入賞球である上大入賞口入賞球は、特別可変入賞球装置7Bにおける入賞球である下大入賞口入賞球よりも確変制御条件を成立させにくい。こうして、特別可変入賞球装置7A、7Bのうちいずれに遊技球が入賞したかに応じて、確変制御条件を成立させる割合を異ならせることができればよい。
この場合、図13に示すステップS295、S297の処理では、図14(A)および(B)に示す決定例のように、開放する大入賞口や大入賞口開放上限時間が決定されてもよい。一方、図13に示すステップS295の処理では、大当り種別が「第1大当り」でラウンドカウント値が「14」または「16」であるときに、開放する大入賞口を上大入賞口に決定してもよい。この決定に対応して、図13に示すステップS297の処理では、大当り種別やラウンドカウント値にかかわらず、大入賞口作動上限時間を一定時間(例えば29.5秒)に決定してもよい。この場合でも、大当り種別にかかわらず、ラウンドカウント値が「14」または「16」のときに実行される大当り開放前処理(図13)において、確変領域ソレノイド制御コードの値を1に設定して、確変領域蓋用のソレノイドの制御及び確変領域の有効無効の制御を、同様にTBL1〜TBL10を用いて開始すれば良い。これらの決定がなされた場合でも、上大入賞口に進入した上大入賞口入賞球が確変領域スイッチ24Aの設置箇所へと誘導される可能性はあることから、大当り種別が「第1大当り」となる場合でも、所定確率で確変制御条件を成立させることができる。
上記実施の形態では、遊技領域2に左遊技領域2Aと右遊技領域2Bとがあり、画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより、左遊技領域2Aと右遊技領域2Bとが区分けされるものとして説明した。これに対して、遊技領域2が区分けされず、遊技領域2へと発射された遊技球が第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれにも誘導され得るようにしてもよい。一例として、普通入賞球装置6Aにより形成される第1始動口の下部であって第1始動口を通過した遊技球が誘導される位置に、普通可変入賞球装置6Bにより形成される第2始動入賞口と、第2始動入賞口を開放状態または拡大開放状態と閉鎖状態または通常開放状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bとを配置しても良い。この場合、遊技領域2へと発射された遊技球は、普通入賞球装置6Aにより形成される第1始動口と、普通可変入賞球装置6Bにより形成される第2始動入賞口のいずれにも、誘導され得るように構成されている。
このような構成において、例えばCPU103が図10に示すような特別図柄通常処理を実行することにより、特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームは、特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されればよい。そして、確変制御が実行されていない通常状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」となる場合が多い。この場合、大当り種別が所定割合(50/100)で「第1大当り」に決定されることで、確変制御条件が成立しにくい。したがって、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(いわゆる「連チャン率」)が抑制される。ただし、第1ラウンド〜第13・第15ラウンドまでは上大入賞口を開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)が十分に長い時間(29.5秒)に設定される。これにより、遊技者には多くの賞球(または対応する得点)を得る機会が与えられ、可変表示結果が「大当り」となる遊技興趣が高められる。したがって、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合に連チャン率を抑制しつつ、上大入賞口は遊技球が進入しやすい開放状態となるラウンド遊技が実行されることで、可変表示結果が「大当り」となる遊技興趣の低下を防止することができる。
上記実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかにかかわらず、大当り遊技状態におけるラウンド遊技が一定の上限回数となる「16」に達するまで繰返し実行され、ラウンド遊技の実行回数が特定回数である「14」又は「16」に達したときの大入賞口開放上限時間を異ならせることにより、大当り種別に応じて確変制御条件の成立しやすさを相違させるものとして説明した。これに対して、大当り種別に応じて、ラウンド遊技を実行する上限回数を異ならせるようにしてもよい。そして、大当り遊技状態のうちには、ラウンド遊技の上限回数が特定回数以上となる大当り遊技状態と、ラウンド遊技の上限回数が特定回数未満となる大当り遊技状態とがあるようにしてもよい。
上記実施の形態において、遊技領域2には上大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7Aと下大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7Bとが設けられ、特定回数以外のラウンド遊技では上大入賞口が開放状態に変化する一方、特定回数のラウンド遊技では下大入賞口が開放状態に変化するものとして説明した。しかしながら、上大入賞口や下大入賞口といった複数の大入賞口と、ラウンド遊技の実行態様(開放する大入賞口、大入賞口開放上限時間など)、確変領域通過割合や確変決定割合といった確変制御条件の成立可能性などとの対応関係は、上記実施の形態とは異なる設定であってもよい。すなわち、複数の大入賞口のうちいずれに遊技球が進入したかに応じて、確変状態となるための確変制御条件が成立する可能性を異ならせたものであれば、それぞれの大入賞口の配置や大当り遊技状態における動作態様などは、任意に変更および修正が可能である。また、第1特図や第2特図といった複数種類の特別図柄を用いた特図ゲームが実行可能な構成において、いずれの特別図柄を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」となったかに応じて、確変領域を遊技球が通過しやすい大入賞口を開放状態に変化させる割合が異なるように設定されていればよい。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。この場合、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」となったかにかかわらず、所定割合で確変領域を遊技球が通過しやすい大入賞口を開放状態に変化させるか否かが決定されてもよいし、いずれの始動入賞口を遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、確変領域を遊技球が通過しやすい大入賞口を開放状態に変化させる割合が異なるように設定されてもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板120に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板120の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。