JP2015019277A - 無線通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】データを中継する第3のノードにおいて、受信したデータが過去に送信したデータであるか否かを判断する処理を簡略化した無線通信システムを提供する。【解決手段】無線通信システムは、データの送信元である子機1と、データの送信先である親機2と、子機1と親機2との間での無線通信を中継する複数台の中継器3とを備える。各々の中継器3は無線通信部と記憶部と判断部を備える。記憶部は、無線通信部が受信したデータを一時的に保存する受信バッファ、及び、無線通信部から送信したデータの履歴を少なくとも保存するログエリアを有する。判断部は、データ受信時に、受信バッファ内のデータとログエリア内のデータを照合し、受信バッファ内のデータがログエリア内のデータと一致すれば、無線通信部が過去に送信したデータが、送信先である他の第3のノードに受信されたと判断する。【選択図】図1
Description
本発明は、無線通信システムに関するものである。
従来、防犯センサが搭載されているノードN1と、その防犯信号を中継するノードN2〜N4と、サーバに接続されたベースとから構成されるセンサネットワークシステムがあった(例えば特許文献1参照)。
このセンサネットワークシステムでは、各ノード間、及びノード−ベース間が双方向の無線で接続されており、防犯センサの防犯信号はノード間で中継されてベースに送信され、ベースからサーバへ送信されるようになっている。また、このセンサネットワークシステムでは、下位ノードが上位ノードへ信号を送信した際に、上位ノードから下位ノードへACK信号を返信しておらず、上位ノードからさらに上位のノードへと送信された信号を下位ノードが傍受することで、下位ノードは信号の送信に成功したと判断している。すなわち、上位ノードからさらに上位のノードへ送信された信号を、上位ノードから下位ノードに返信するACK信号の代わりとすることで、信号の送信回数を減らして、消費電力の低減を図っている。
ここで、各ノードは、送信元から送信されたデータフレームを一時的に蓄積する受信バッファと、過去に自分が受信したデータを記憶するログエリアと、隣接している次のノードに確実に転送されたデータを記憶するACKエリアの3つのメモリ領域を備えている。
あるノードN2が、他のノードN3から送信されたデータを受信すると、先ず、受信バッファのデータとACKエリアのデータとを比較することによって、受信したデータが過去に自分が送信したデータであるか否かを判断する。
受信バッファのデータがACKエリアのデータと一致すれば、ノードN2は、過去に自分が送信したデータと判断し、データの再送は行わずに受信バッファのデータを削除する。
受信バッファのデータがACKエリアのデータと一致しなければ、ノードN2は、過去に自分が送信したデータではないと判断し、受信バッファのデータとログエリアのデータとを比較する。
受信バッファのデータがログエリアのデータと一致すれば、ノードN2は、過去に自分が受信したデータだと判断する。すなわち、ノードN2は、このデータを過去に受信し、その後、送信したデータがノードN3によって受信され、且つ、このノードN3からさらに上位のノードN4へ送信されたと判断する。そして、このノードN2は、受信バッファのデータと一致したログエリアのデータをACKエリアに移動させ、ログエリアから削除する。
一方、受信バッファのデータがログエリアのデータと一致しなければ、ノードN2は、今までに受信したことのないデータだと判断し、このデータをログエリアに移動させた後、このデータを送信し、受信バッファのデータを削除する。
上記特許文献1に記載されたセンサネットワークシステムでは、あるノードが上位ノードへ送信した信号を、下位ノードへのACK信号として使用することで、ノード間の送信回数を減らしている。このように、あるノードが上位ノードへ送信した信号を、下位ノードへのACK信号とするため、各ノードは、過去に自分が受信したデータを記憶するログエリアと、隣接している次のノードに確実に転送されたデータを記憶するACKエリアとを備えていた。そして、あるノードで、受信したデータが今までに受信したことのないデータと判断するために、受信バッファのデータを先ずACKエリアのデータと比較した後、ログエリアのデータと比較しており、2回の判断が必要であるから処理に時間がかかっていた。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、データを中継する第3のノードにおいて、受信したデータが過去に送信したデータであるか否かを判断する処理を簡略化した無線通信システムを提供することにある。
本発明の無線通信システムは、データの送信元である第1のノードと、データの送信先である第2のノードと、前記第1のノードと前記第2のノードとの間での無線通信を中継する複数台の第3のノードとを備え、各々の前記第3のノードは、アンテナを介して無線通信を行う通信部と、前記通信部が受信したデータを一時的に保存する受信バッファ、及び、前記通信部から送信したデータの履歴を少なくとも保存するログエリアを有する記憶部と、前記通信部がデータを受信した際に、前記受信バッファ内のデータと前記ログエリア内のデータを照合し、前記受信バッファ内のデータが前記ログエリア内のデータと一致すれば、前記通信部が過去に送信したデータが、送信先である他の前記第3のノードに受信されたと判断する判断部とを備えたことを特徴とする。
この無線通信システムにおいて、前記データには、前記データの送信順序を示すシーケンス番号が少なくとも付加され、前記受信バッファ及び前記ログエリアには、前記データと対応付けて前記シーケンス番号が保存されており、前記判断部は、前記データに付加された前記シーケンス番号をもとに、前記受信バッファ内のデータが前記ログエリア内のデータと一致するか否かを判断することも好ましい。
この無線通信システムにおいて、前記第2のノードは、前記第3のノードを経由して前記第1のノードから送信された前記データを受信した場合、前記データを受信したことを示すACK信号に、前記データを含めずに送信することも好ましい。
本発明によれば、判断部は、過去に自機が送信した信号が他の第3のノードによって中継送信されるのを受信することによって、自機が送信した信号が他の第3のノードで受信されたと判断しているから、他の第3のノードはACK信号を返信する必要が無い。したがって、第3のノードがACK信号を返信する場合に比べて、信号の送信回数が減り、電力消費を抑制することができる。しかも、記憶部のログエリアには、通信部から送信したデータの履歴が少なくとも保存されており、判断部は、受信バッファのデータをログエリアのデータと照合することで、過去に自機が送信した信号が他の第3のノードで受信されたか否かを判断している。したがって、過去に自機が送信した信号が他の第3のノードで受信されたか否かの判断が、受信バッファのデータをログエリアのデータと照合する1回の処理で済むから、判断の処理を簡略化することができる。
本発明に係る無線通信システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に本実施形態の無線通信システムの概略構成を示す。本実施形態の無線通信システムは、データの送信元である子機1(第1のノード)と、データの送信先である親機2(第2のノード)と、複数台(本実施形態では例えば3台)の中継器3a〜3c(第3のノード)とを備えている。以下の説明において個々の中継器を区別して説明する場合は中継器3a,3b,3cと表記し、個々の中継器を区別せずに全般的な説明を行う場合は中継器3と表記する。なお、本実施形態では3台の中継器3a〜3cを備えているが、中継器の台数は3台に限定されるものではなく、信号の中継に必要な台数があればよい。また、データの送信元である子機1が複数台存在し、親機2が中継器3を介して複数台の子機1からデータを収集するようにしてもよい。
子機1、親機2、及び中継器3a〜3cは、それぞれ、近距離の無線通信方式(例えば特定小電力無線、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)など)の無線通信部を備えている。子機1と親機2との間の距離は、子機1及び親機2がそれぞれ備える無線通信部の電波の到達距離に比べて長いため、子機1と親機2との間で直接無線通信を行うことはできない。そのため、子機1と親機2との間には、子機1と中継器3aの間、隣接する2台の中継器3a,3b間、中継器3b,3c間、及び中継器3cと親機2の間の距離がそれぞれ電波の到達距離よりも短くなるようにして、3台の中継器3a〜3cが配置されている。したがって、子機1から無線送信されたデータは、中継器3a,3b,3cによって中継されて親機2へと送信される。そして、親機2は、中継器3a〜3cを経由して子機1からデータを収集すると、収集したデータを所定の時間毎にネットワーク経由でサーバ4へ送信するように構成されている。ここにおいて、子機1と親機2と中継器3a〜3cには、それぞれ、子機1と親機2の間の通信経路の情報が予め登録されているものとする。
次に、子機1、親機2、及び中継器3a〜3cの各々の構成を図2(a)〜(c)に基づいて説明する。
子機1は、図2(a)に示すように、MCU(Micro Control Unit)10と、測定部11と、記憶部12と、無線通信部13と、アンテナ14と、操作部15と、表示部16と、電源部17とを備えている。
MCU10は、子機1の全体的な制御を行う。
測定部11は、例えば温度を測定するためのものであり、周囲温度に応じて電気抵抗が変化するサーミスタを備え、サーミスタの抵抗値を測定することによって周囲温度を測定する。なお、測定部11の測定対象は温度に限定されるものではなく、周囲の湿度や照度など使用目的や用途に応じた物理量を測定すればよい。
記憶部12は、例えばEEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)のような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成されている。記憶部12は、MCU10によってデータの書き込み及び読み出しが行われ、子機1に割り当てられた識別情報や、測定部11による測定データや、通信経路の情報などが保存されている。
無線通信部13は例えば特定小電力無線の通信規格に適合した無線モジュールからなり、アンテナ14を介して無線信号の送信又は受信を行う。
操作部15は、例えば測定部11による測定範囲の下限値及び上限値や、測定間隔や、測定データの送信間隔などを設定するために使用される。
表示部16は例えば1乃至複数個の発光ダイオードからなり、MCU10によって点灯/消灯が制御される。
電源部17は例えば電池を電源として、子機1の内部回路に対して動作に必要な電力を供給する。
親機2は、図2(b)に示すように、MCU20と、記憶部21と、無線通信部22と、アンテナ23と、有線通信部24と、操作部25と、表示部26と、電源部27とを備えている。
MCU20は、親機2の全体的な制御を行う。
記憶部21は、例えばEEPROMのような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成されている。記憶部21は、MCU20によってデータの書き込み及び読み出しが行われ、親機2に割り当てられた識別情報や、子機1から収集した測定データや、通信経路の情報などが保存される。
無線通信部22は例えば特定小電力無線の通信規格に適合した無線モジュールからなり、アンテナ23を介して無線信号の送信又は受信を行う。
有線通信部24は、通信線を介してサーバ4に接続されており、サーバ4との間で有線方式でデータを送受信する。
操作部25は、例えば親機2の動作設定を行うために使用される。
表示部26は例えば1乃至複数個の発光ダイオードからなり、MCU20によって点灯/消灯が制御される。
電源部27は、例えば商用電源から電力の供給を受け、親機2の内部回路に対して動作に必要な電力を供給する。
中継器3は、図2(c)に示すように、MCU30と、記憶部31と、無線通信部32と、アンテナ33と、操作部34と、表示部35と、電源部36とを備えている。
MCU30は、中継器3の全体的な制御を行う。
記憶部31は、例えばEEPROMのような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成されている。記憶部31は、MCU30によってデータの書き込み及び読み出しが行われ、自機に割り当てられた識別情報や、無線通信部32が受信したデータや、無線通信部32が過去に送信したデータや、通信経路の情報などを保存する。
無線通信部32は例えば特定小電力無線の通信規格に適合した無線モジュールからなり、アンテナ33を介して無線信号の送信又は受信を行う。
操作部34は、例えば中継器3の動作設定を行うために使用される。
表示部35は例えば1乃至複数個の発光ダイオードからなり、MCU30によって点灯/消灯が制御される。
電源部36は例えば電池を電源として、中継器3の内部回路に対して動作に必要な電力を供給する。中継器3は電池を電源としているので、中継器3を自由な場所に設置して使用することができる。
ここで、図6(a)は、子機1から無線送信されるデータのフレーム構成を示している。1フレームのデータは、識別コードD1と、グループ識別情報D2と、チャンネル番号D3と、アドレス情報D4,D5と、測定部11で測定された測定データD6と、この測定データD6の送信順序を示すシーケンス番号D7と、チェックサムD8からなる。なお識別コードD1は、送信(Tx)又は受信(Rx)を区別するためのコードである。グループ識別情報D2は、例えばSSID(Service Set Identifier)と呼ばれる情報であり、複数のグループが近接して存在する場合に、グループ間で混信しないようにグループを識別するために用いられる情報である。チャンネル番号D3は、通信に使用する周波数チャンネル(CH)を定める情報である。アドレス情報D4は送信先のノード(例えば中継器3a)に割り当てられたID情報(局番)であり、アドレス情報D5は送信元のノード(例えば子機1)に割り当てられたID情報(局番)である。シーケンス番号D7は、個々の測定データD6に対応付けて設定された値であり、各々の測定データD6に対して別個の番号が割り当てられており、シーケンス番号D7をもとに各々の測定データD6の送信順序を把握することができる。
中継器3の記憶部31には、無線通信部32が受信したデータを一時的に保存する受信バッファと、自機が過去に送信した信号及び自機が過去に受信した信号を保存するログエリアとが設けられている。なお本実施形態では記憶部31のログエリアに、自機が過去に受信した信号も保存されているが、自機が過去に送信した信号のみを保存するようにしてもよい。図6(b)はログエリアに保存されるデータのフレーム構成を示している。1フレームのデータは、上述した識別コードD1、グループ識別情報D2、チャンネル番号D3、アドレス情報D4,D5、測定データD6、シーケンス番号D7、チェックサムD8に加えて、データの送信時刻又は受信時刻を示す時間情報D9を含んでいる。
図5は、中継器3の記憶部31に設けられたログエリアに記憶されているデータの一例を示し、本実施形態では、中継器3が送信したデータに加え、中継器3が受信したデータも記憶されている。図5では、ログエリアに記憶されるデータとして、識別コードD1と、時間情報D9と、アドレス情報と、測定データD6と、シーケンス番号D7のみ図示し、図6(b)で説明した他のデータについては図示を省略している。なお、図5の一覧にあるアドレス情報は、送信データの場合は送信先のアドレス情報D4であり、受信データの場合は送信元のアドレス情報D5である。
ここで、子機1から送信されたデータが中継器3a〜3cを経由して親機2に伝送され、親機2から子機1へとACK信号が返信される処理を、図3及び図4のフローチャートに基づいて説明する。
子機1のMCU10は、所定のサンプリング間隔(例えば10分間隔)で測定部11に温度を測定させる(ステップS1)。子機1のMCU10は、測定部11から測定データを取得すると、図6(a)のフレーム構成で送信データを作成し、この送信データを無線通信部13から中継器3aに送信させる(ステップS2)。
子機1の通信圏内には中継器3aしか設置されていないので、子機1から送信された電波は、送信先の中継器3aのみで受信される。中継器3aの無線通信部32が、子機1から送信された信号を受信すると(ステップS11)、中継器3aのMCU30は、無線通信部32が受信した信号が、過去に送信した信号であるか否かの判断を行う(ステップS12)。
この判断処理を図4のフローチャートに基づいて説明する。中継器3aの記憶部31には、無線通信部32が受信した信号を一時的に保存する受信バッファと、自機が過去に送信した信号及び自機が過去に受信した信号を保存するログエリアとが設けられている。中継器3aのMCU30は、無線通信部32が信号を受信すると(ステップS71)、受信バッファのデータと、ログエリアに保存されたデータとを比較する(ステップS72)。ここで、MCU30は、受信バッファのデータに含まれるシーケンス番号と、ログエリアに保存された複数のデータにそれぞれ含まれるシーケンス番号とを比較することによって、受信バッファのデータと同じデータがログエリアに存在するか否かを判断する。
ステップS72の比較を行った結果、受信バッファのデータがログエリアに保存されたデータと一致すると(ステップS73のYes)、MCU30は、受信したデータが、過去に自機が送信したデータであると判断する。すなわち、MCU30は、過去に自機が送信したデータを上位の中継器3が受信し、この中継器3がさらに上位の中継器3に対して送信したデータを自機が受信したものと判断し、受信バッファのデータをクリアする(ステップS74)。この場合、中継器3aは、受信したデータを無線通信部32から送信させる処理は行わない。
一方、ステップS72の比較を行った結果、受信バッファのデータがログエリアに保存されたデータと一致しなければ(ステップS73のNo)、MCU30は、受信したデータが、過去に自機が送信したデータではないと判断する。すなわち、受信バッファのデータは新たに受信したデータであるから、中継器3aのMCU30は、受信バッファのデータをログエリアに移動させ(ステップS75)、無線通信部32から送信させた後(ステップS76)、受信バッファのデータをクリアする。
図3のフローチャートにおいて、子機1からのデータを受信した中継器3aは、ステップS12の判断処理の結果、受信したデータは過去に自機が送信したデータではないと判断し、無線通信部32から上位の中継器3bに宛てて送信させる(ステップS13)。また、中継器3aのMCU30は、中継器3bに宛てて送信したデータをログエリアに保存する。
中継器3aから送信されたデータは、送信先の中継器3bの無線通信部32によって受信される(ステップS21)。中継器3bのMCU30は、中継器3aと同様に、図4のフローチャートにしたがって、無線通信部32が受信した信号が、過去に送信した信号であるか否かの判断を行う(ステップS22)。この判断処理は中継器3aと同様であるので詳細な説明は省略するが、中継器3bのMCU30は、受信したデータが、過去に自機が送信したデータではないと判断し、無線通信部32から上位の中継器3cに宛てて送信させる(ステップS23)。また、中継器3bのMCU30は、中継器3cに送信したデータをログエリアに保存する。
中継器3bから送信された信号は、送信先である中継器3cによって受信されるとともに(ステップS41)、通信圏内にある下位の中継器3aによっても受信される(ステップS14)。中継器3a,3cのMCU30は、それぞれ、無線通信部32が受信した信号が、過去に送信した信号であるか否かの判断を行う(ステップS15,S42)。
ステップS15において、中継器3aのMCU30は、受信バッファのデータがログエリア内のデータと一致することから、受信したデータが過去に自機が送信したデータであると判断し、受信したデータの送信は行わない(ステップS16)。すなわち、中継器3aのMCU30は、過去に自機が送信した信号が上位の中継器3bによって中継送信されるのを受信することによって、自機が送信した信号が中継器3bによって受信されたと判断する。よって、上位の中継器3bは、下位の中継器3aからの信号を受信した際に、下位の中継器3aに対してACK信号を返信しないで済むから、信号の送信回数を減らして、電力消費を抑制することができる。なお、下位の中継器3aのMCU30は、ステップS13で信号を送信した時点から所定時間内に、同じ信号が上位の中継器3bによって送信されるのを受信できなければ、信号送信に失敗したと判断して信号の再送処理を行うようにしてもよい。
ステップS42において、中継器3cのMCU30は、中継器3aと同様、図4のフローチャートにしたがって、無線通信部32が受信した信号が、過去に送信した信号であるか否かの判断を行う。この判断処理は中継器3aと同様であるので詳細な説明は省略するが、中継器3cのMCU30は、受信したデータが過去に自機が送信したデータではないと判断し、無線通信部32から親機2に宛てて受信したデータを送信させる(ステップS43)。また、中継器3cのMCU30は、親機2に送信したデータをログエリアに保存する。
中継器3cから送信された信号は、送信先の親機2によって受信されるとともに(ステップS51)、通信圏内にある中継器3bによっても受信される(ステップS24)。中継器3bのMCU30は、無線通信部32が受信した信号が、過去に送信した信号であるか否かの判断を行う(ステップS25)。中継器3bのMCU30は、受信バッファのデータがログエリア内のデータと一致することから、受信したデータが過去に自機が送信したデータであると判断し、受信したデータの送信は行わない(ステップS26)。なお、中継器3bのMCU30は、ステップS23で信号を送信した時点から所定時間内に、同じ信号が上位の中継器3cによって送信されるのを受信できなければ、信号送信に失敗したと判断して信号の再送処理を行うようにしてもよい。
親機2のMCU20は、無線通信部22が子機1からの信号を受信すると、子機1に受信完了を知らせるためのACK信号を含む送信信号を図6(a)のフレーム構成で作成し、無線通信部22から中継器3cに宛てて送信させる(ステップS52)。親機2から返信されるACK信号には、子機1から親機2に宛てて送信された測定データは含まれず、送信元が親機2であることを示すアドレス情報(例えば親機2のアドレス情報など)のみが付加されている。したがって、ACK信号のデータ長を、子機1から親機2に宛てて送信されたデータのデータ長よりも短くでき、送信データが占有する時間が短くなるから、通信信号の衝突が起こりにくくなる。
また、親機2のMCU20は、ACK信号を返信した後、子機1から受信した測定データを記憶部21に保存する(ステップS53)。そして、親機2のMCU20は、所定の時間間隔(例えば30分間隔)で、記憶部21に蓄積した測定データを有線通信部24からサーバ4へ送信させる(ステップS54)。
親機2から送信された信号は、送信先の中継器3cによって受信される(ステップS44)。中継器3cのMCU30は、無線通信部32が受信した信号が、過去に送信した信号であるか否かの判断を行う(ステップS45)。中継器3cのMCU30は、受信バッファのデータがログエリア内のデータと一致しないことから、受信したデータが過去に自機が送信したデータではないと判断し、受信したデータを無線通信部32から中継器3b宛てに送信させる(ステップS46)。また、中継器3cのMCU30は、中継器3bに送信したデータをログエリアに保存する。
また、中継器3cのMCU30は、受信した信号の送信元が親機2であることから、ステップS43で送信した信号は親機2から子機1に宛てて送信されたデータであると判断する。なお、中継器3cのMCU30は、ステップS43でデータを送信した時点から所定時間内に、この送信データに対する応答、すなわちACK信号を受信できなければ、信号送信に失敗したと判断して送信データの再送処理を行うようにしてもよい。
ステップS46において中継器3cから送信された信号は、送信先の中継器3bの無線通信部32によって受信される(ステップS27)。中継器3bのMCU30は、図4のフローチャートにしたがって、無線通信部32が受信した信号が、過去に送信した信号であるか否かの判断を行う(ステップS28)。この場合、中継器3bのMCU30は、受信したデータが、過去に自機が送信したデータではないと判断し、受信したデータを無線通信部32から中継器3aに宛てて送信させる(ステップS29)。また、中継器3bのMCU30は、中継器3aに送信したデータをログエリアに保存する。
中継器3bから送信された信号は、送信である中継器3aの無線通信部32によって受信されるとともに(ステップS17)、通信圏内にある中継器3cの無線通信部32によっても受信される(ステップS47)。中継器3a,3cのMCU30は、それぞれ、無線通信部32が受信した信号が、過去に送信した信号であるか否かの判断を行う(ステップS18,S48)。
ステップS48において、中継器3cのMCU30は、受信バッファのデータがログエリア内のデータと一致することから、受信したデータが過去に自機が送信したデータであると判断し、受信したデータの送信は行わない(ステップS49)。なお、中継器3cのMCU30は、ステップS46で信号を送信した時点から所定時間内に、同じ信号が中継器3bによって送信されるのを受信できなければ、信号送信に失敗したと判断して信号の再送処理を行うようにしてもよい。
ステップS18において、中継器3aのMCU30は、図4のフローチャートにしたがって、無線通信部32が受信した信号が、過去に送信した信号であるか否かの判断を行う。中継器3aのMCU30は、受信したデータが、過去に自機が送信したデータではないと判断し、受信したデータを無線通信部32から子機1に宛てて送信させる(ステップS19)。また、中継器3aのMCU30は、子機1に送信したデータをログエリアに保存する。
ステップS19において中継器3aから送信された信号は、送信先である子機1の無線通信部13によって受信されるとともに(ステップS3)、通信圏内にある中継器3bの無線通信部32によっても受信される(ステップS30)。中継器3bのMCU30は、無線通信部32が受信した信号が、過去に送信した信号であるか否かの判断を行う(ステップS31)。中継器3bのMCU30は、受信バッファのデータがログエリア内のデータと一致することから、受信したデータが過去に自機が送信したデータであると判断し、受信したデータの送信は行わない(ステップS32)。なお、中継器3bのMCU30は、ステップS29で信号を送信した時点から所定時間内に、同じ信号が中継器3aによって送信されるのを受信できなければ、信号送信に失敗したと判断して信号の再送処理を行うようにしてもよい。
ステップS3において子機1の無線通信部13が親機2からのACK信号を受信すると、子機1のMCU10は、自機が送信した信号が親機2によって受信されたと判断する。なお、子機1のMCU10は、ステップS2で信号を送信した時点から所定の待ち時間が経過するまでの間に、親機2からACK信号を受信できなければ、信号送信に失敗したと判断して、ステップS2で送信した信号を再送する。
以上説明したように、本実施形態の無線通信システムは、データの送信元である子機1(第1のノード)と、データの送信先である親機2(第2のノード)と、子機1と親機2との間での無線通信を中継する中継器3(第3のノード)とを備える。各々の中継器3は、無線通信部32(通信部)と、記憶部31と、MCU30(判断部)とを備える。無線通信部32は、アンテナ33を介して無線通信を行う。記憶部31は、無線通信部32が受信したデータを一時的に保存する受信バッファ、及び、無線通信部32から送信したデータの履歴を少なくとも保存するログエリアを有する。判断部たるMCU30は、無線通信部32がデータを受信した際に、前記受信バッファ内のデータと前記ログエリア内のデータを照合し、前記受信バッファ内のデータが前記ログエリア内のデータと一致すれば、無線通信部32が過去に送信したデータが、送信先である他の中継器3に受信されたと判断する。
このように、中継器3のMCU30は、過去に自機が送信した信号が他の中継器3によって中継送信されるのを受信することによって、自機が送信した信号が他の中継器3に受信されたと判断しているから、他の中継器3はACK信号を返信する必要が無い。したがって、中継器3がACK信号を返信する場合に比べて、信号の送信回数が減り、電力消費を抑制することができる。しかも、記憶部31のログエリアには、無線通信部32が送信したデータの履歴が少なくとも保存されており、MCU30は、受信バッファのデータをログエリアのデータと照合することで、過去に自機が送信した信号が他の中継器3で受信されたか否かを判断する。したがって、過去に自機が送信した信号が他の中継器3で受信されたか否かの判断が、受信バッファのデータをログエリアのデータと照合する1回の処理で済むので、判断処理を簡略化でき、MCU30の処理量を低減することができる。
本実施形態の無線通信システムにおいて、前記データには、前記データの送信順序を示すシーケンス番号が少なくとも付加され、前記受信バッファ及び前記ログエリアには、前記データと対応付けて前記シーケンス番号が保存されている。そして、中継器3のMCU30(判断部)は、前記データに付加された前記シーケンス番号をもとに、前記受信バッファ内のデータが前記ログエリア内のデータと一致するか否かを判断することも好ましい。
これにより、中継器3のMCU30は、シーケンス番号によりユニーク性を確保したデータ構成で、受信バッファのデータとログエリアのデータとを照合することができる。
なお本実施形態の無線通信システムでは、前記データに、無線通信部32が前記データを送信又は受信した時刻情報を付加しており、時刻情報によってもデータのユニーク性が確保できるので、前記データに付加した時刻情報をもとに受信バッファのデータとログエリアのデータとを照合してもよい。
また、本実施形態の無線通信システムにおいて、親機2が、中継器3を経由して子機1から送信された前記データを受信した場合、前記データを受信したことを示すACK信号に、前記データを含めずに送信することも好ましい。
これにより、親機2が、ACK信号に前記データを含めた場合に比べて、ACK信号のデータ長を短くでき、送信信号が占有する時間が短くなるから、通信信号の衝突が起こりにくくなり、無線通信の信頼性が向上する。
なお、図3のフローチャートで説明した中継処理では、親機2が子機1からの信号を受信すると子機1宛てにACK信号を返信しているが、親機2から返信されたACK信号を中継器3c、3b、3aが中継する処理を省略することも可能である。すなわち、ステップS13において中継器3aから中継器3bに送信される信号は、中継器3aの通信圏内にある子機1によっても受信される。したがって、子機1は、中継器3aから中継器3bに送信される信号を受信することによって、自機がステップS2で送信した信号が中継器3aで受信されたことを確認できる。よって、子機1がステップS2で信号を送信してから所定時間内に、中継器3aから中継器3bに送信される信号を受信できなければ、子機1は、中継器3aへのデータ送信が失敗したと判断して、信号の再送処理を行う。これにより、子機1から中継器3aに確実に信号を送信できる。また、中継器3a,3b,3cにおいても、上位の中継器にデータを送信してから所定時間内に、上位の中継器からさらに上位の中継器又は親機2にデータが送信されるのを受信できなければ、送信データの再送処理を行うようにする。これにより、子機1から送信された信号は親機2に確実に中継されるから、親機2がステップS52で返信したACK信号を中継器3c、3b、3aが中継して子機1まで送信する必要が無くなる。したがって、中継器3cはステップS45で判断処理を行った結果、自機が送信した信号が親機2で受信されたと判断すれば、中継器3bにACK信号を返信する処理を行わず、ステップS46以降の処理は行われなくなるから、電力消費をさらに低減できる。
また、上述の実施形態では子機1とは別に中継器3が設けられているが、何れかの中継器3で子機1を兼用するようにしてもよい。
1 子機(第1のノード)
2 親機(第2のノード)
3,3a〜3c 中継器(第3のノード)
4 サーバ
30 MCU(判断部)
31 記憶部
32 無線通信部(通信部)
33 アンテナ
2 親機(第2のノード)
3,3a〜3c 中継器(第3のノード)
4 サーバ
30 MCU(判断部)
31 記憶部
32 無線通信部(通信部)
33 アンテナ
Claims (3)
- データの送信元である第1のノードと、
データの送信先である第2のノードと、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間での無線通信を中継する複数台の第3のノードとを備え、
各々の前記第3のノードは、
アンテナを介して無線通信を行う通信部と、
前記通信部が受信したデータを一時的に保存する受信バッファ、及び、前記通信部から送信したデータの履歴を少なくとも保存するログエリアを有する記憶部と、
前記通信部がデータを受信した際に、前記受信バッファ内のデータと前記ログエリア内のデータを照合し、前記受信バッファ内のデータが前記ログエリア内のデータと一致すれば、前記通信部が過去に送信したデータが、送信先である他の前記第3のノードに受信されたと判断する判断部とを備えたことを特徴とする無線通信システム。 - 前記データには、前記データの送信順序を示すシーケンス番号が少なくとも付加され、
前記受信バッファ及び前記ログエリアには、前記データと対応付けて前記シーケンス番号が保存されており、
前記判断部は、前記データに付加された前記シーケンス番号をもとに、前記受信バッファ内のデータが前記ログエリア内のデータと一致するか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。 - 前記第2のノードは、前記第3のノードを経由して前記第1のノードから送信された前記データを受信した場合、前記データを受信したことを示すACK信号に、前記データを含めずに送信することを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の無線通信システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013145787A JP2015019277A (ja) | 2013-07-11 | 2013-07-11 | 無線通信システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013145787A JP2015019277A (ja) | 2013-07-11 | 2013-07-11 | 無線通信システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015019277A true JP2015019277A (ja) | 2015-01-29 |
Family
ID=52439882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013145787A Pending JP2015019277A (ja) | 2013-07-11 | 2013-07-11 | 無線通信システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015019277A (ja) |
-
2013
- 2013-07-11 JP JP2013145787A patent/JP2015019277A/ja active Pending
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