JP2015018589A - 光記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型かつ低消費電力動作が可能な光メモリの実現を課題とする。【解決手段】本発明は、線欠陥導波路が形成されたフォトニック結晶共振器であって、前記線欠陥導波路中に、活性層領域と、前記活性層と同一組成からなる可飽和吸収領域と、前記活性層領域と前記可飽和吸収領域とを電気的に分離する分離層とが形成された、フォトニック結晶共振器により構成され、前記フォトニック結晶共振器の共振器波長は、前記半導体スラブ構造及び前記分離層のバンドギャップ波長に対して長波長に設定され、前記分離層のバンドギャップ波長は、前記活性層領域と前記可飽和吸収領域のバンドギャップ波長よりも短波長に設定されることを特徴とする光記憶装置である。【選択図】図1
Description
本発明は、ルータ及びスイッチなどの光信号処理装置に関するものであり、より詳細には、光信号を扱う為の光記憶装置および光バッファに関するものである。
近年のネットワークトラフィック量の増大に対応すべく、通信システムの大容量化が著しい。光ファイバ通信システムは、これらネットワークの大容量化をもたらすべく発展を続けている。特に大容量化のブレークスルーとなったのは波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing)技術である。波長分割多重技術では、一本の光ファイバ上に複数波長に情報を載せることで飛躍的な大容量化が進み、実験レベルでは100Tb/sを超える伝送容量が実現されている。これら光伝送の高速・大容量化に伴い、ネットワーク装置における部品点数の増加、高速化による消費電力の増大が課題として顕在化してきた。そのため、効率的・経済的なネットワーク運用をめざし、光のままで経路を切り替えて光−電気変換の回数を削減し、低消費電力、低遅延、さらに柔軟なネットワーク構成を可能とするフォトニックネットワークの検討が加速している。現在はROADMなどのパスルーティングに基づいたネットワーク構築が実用化段階であり、究極的には、全ての光信号をバースト及びパケット単位で光のまま経路を切り替えて低消費電力・低遅延を実現する、バーストスイッチング、パケットスイッチングを用いた光ルータの実現が期待される。光ルータの実現においては、光パケットの衝突回避の為にパケットをバッファリングする機構が必須であるが、これまで、実用レベルの光メモリが実現していないことから、全光信号処理の実用化には至っていない。
M. Takenaka and Y. Nakano, "Multimode Interference Bistable Laser Diode," IEEE Photonics Technology Letters, vol. 15, no.8, August 2003, pp. 1035-1037.
光メモリとしては、小型、低消費エネルギー、さらには集積性が求められる。これまでに、光半導体を用いた光メモリが報告されており、レーザの双安定動作、光フィルタの透過特性の双安定動作を用いた光メモリが提案されている。中でも双安定レーザはメモリの保持時間に制限がないことから、システムを構築する際にバッファ時間を自由に設定することができる。双安定レーザについては、これまでに可飽和吸収や面発光レーザの偏光切替、DBRレーザの発振波長切替などの手法が報告されている。特に可飽和吸収型の半導体レーザは、駆動方法や素子構成が簡易であることが特徴である。しかし、これまでに報告されている可飽和吸収型の半導体レーザは、DFBレーザ型、MMI型、共に素子長が数100μm程度以上であり、素子サイズと動作パワーが大きく、多ビット化に向けた集積化が困難であることが課題であった。
以上の背景を鑑み、本発明では、小型かつ低消費電力動作が可能な光メモリの実現を課題とする。
このような課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、周期的なエアホールを有する半導体スラブ構造に形成された線欠陥導波路中に、活性層領域と、前記活性層領域と同一組成からなる可飽和吸収領域と、前記活性層領域と前記可飽和吸収領域とを電気的に分離する分離層とが、前記線欠陥導波路の長手方向に沿って該直線状に形成されたフォトニック結晶共振器を備え、前記フォトニック結晶共振器の共振器波長は、前記半導体スラブ構造及び前記分離層のバンドギャップ波長に対して長波長に設定され、前記分離層のバンドギャップ波長は、前記活性層領域と前記可飽和吸収領域のバンドギャップ波長よりも短波長に設定されることを特徴とする光記憶装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光記憶装置であって、前記半導体スラブ構造上の前記活性層領域の両側に、電流注入のための不純物領域を前記活性層領域に接するように形成することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光記憶装置であって、前記フォトニクック結晶共振器の前記活性層領域には双安定のレーザ発振状態となるバイアスが印加され、前記活性層領域に第1の光パルスを入射して前記フォトニック結晶共振器から第1の強度の出力光を出力させ、前記活性層領域に第2の光パルスを入射して前記フォトニック結晶共振器から前記第1の強度よりも低い第2の強度の出力光を出力させることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光記憶装置であって、前記第1の光パルスおよび第2の光パルスは、前記活性層領域に直接照射される、あるいは前記線欠陥導波路内から入射されることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の光記憶装置であって、前記バイアスは、光励起によるバイアス、あるいは電流注入によるバイアス、あるいは両者の組み合わせであることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光記憶装置であって、前記活性層領域、前記可飽和吸収領域及び前記分離層は、InGaAsP材料により形成されることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、小型で集積可能、かつ消費電力の低い光メモリを実現することができる。
[装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる光記憶装置の素子100の上面図である。素子100は、InP材料からなる化合物半導体のスラブ構造に周期的なエアホール102を有する2次元フォトニック結晶共振器であり、一列のみエアホールのない、線欠陥導波路103が形成されている。エアホール102の直径は、一例として220nmであり、フォトニック結晶の共振器波長を1.55μmに設定する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる光記憶装置の素子100の上面図である。素子100は、InP材料からなる化合物半導体のスラブ構造に周期的なエアホール102を有する2次元フォトニック結晶共振器であり、一列のみエアホールのない、線欠陥導波路103が形成されている。エアホール102の直径は、一例として220nmであり、フォトニック結晶の共振器波長を1.55μmに設定する。
この線欠陥導波路103の中央部にInGaAsPからなるInGaAaP層110を埋め込む。InGaAaP層110のサイズは、一例として幅0.5μm、線欠陥導波路方向の長さ4μmである。また、InGaAaP層110の中央の一部分には、幅0.5μmからなるInGaAsP分離層111が形成されている。ここでは、InGaAsP分離層111により、InGaAaP層110を、レーザ活性層であるInGaAaP活性層112とInGaAaP可飽和吸収領域層113とに2分割する。InGaAsP分離層111は、InGaAaP活性層112およびInGaAaP可飽和吸収領域層113とは異なる組成で形成されており、それぞれ異なる結晶成長プロセスにて形成する。このとき、InGaAaP分離層111のバンドギャップ波長を、InGaAaP活性層112及びInGaAaP可飽和吸収領域層113のバンドギャップ波長よりも短波長側に設定する。例えばInGaAsP活性層112及びInGaAaP可飽和吸収領域層113のバンドギャップ波長を1.55μm、InGaAsP分離層111のバンドギャップ波長は1.2μmに設定する。InGaAsP活性層112及びInGaAaP可飽和吸収領域層113とInGaAsP分離層111とは実効屈折率が同一となるように設計する。
また、線欠陥導波路103のn型InP領域105側には、光を取り出すための線欠陥導波路である出力導波路104が形成されている。線欠陥導波路103の途中にInGaAaP層110を設けると、線欠陥導波路103を出力導波路として用いるよりも、出力導波路104を線欠陥導波路103と別に設けた方が高い効率で光を出力することができる。出力導波路104が形成されているi型InP領域101のバンドギャップ波長は0.92μmであり、フォトニック結晶の共振器波長1.55μmに対して短波長であるために、光損失のない透明領域となる。線欠陥導波路103の両側には、電流を流すために、Siなどのn型ドーパントとなる不純物を注入したn型InP領域105、Znなどのp型ドーパントとなる不純物を注入したp型InP領域106を形成する。このとき、2分割したInGaAsP層110のInGaAaP活性層112のみに、n型InP領域105とp型InP領域106とが接するようにする。n型InP領域105の上にはn型電極107を、p型InP領域106の上にはp型電極108を、電流注入を行うためにそれぞれ形成する。
図2は、図1に記載の光記憶装置の素子100のA−A´に渡る素子の垂直方向の断面図である。半絶縁性(SI)InP基板210の上に、一例としてInPに格子整合するInGaAs層からなる厚さ2μmの犠牲層(InGaAs犠牲層220)を形成する。InGaAs犠牲層202の上に、図1に示したInP材料からなる厚さ250nmのエアブリッジスラブ構造からなるフォトニック結晶共振器層230(光記憶装置素子100)を形成する。このような中空構造のフォトニック結晶デバイスを作製する方法としては、例えば特許文献1などに開示されている。フォトニック結晶共振器層230の共振器のQ値は10000、共振波長は1.55μmである。InGaAaP活性層231は厚さ8nmからなるバンドギャップ波長1.1μmのバリア層を有する5層量子井戸活性層から形成されている。InGaAaP活性層231の一方はドーピング濃度1×1018cm−3のn型不純物領域(n型InP層232)となっており、他方はドーピング濃度1×1018cm−3のp型不純物領域(p型InP層233)となっている。n型InP層232及びp型InP層233には、厚さ300nm、ドーピング濃度1×1019cm−3のInGaAsコンタクト層234、235がそれぞれ形成してあり、コンタクト層234上にはn電極236が、コンタクト層235上にはp電極237が形成してある。
各半導体層の結晶成長は有機気相金属成長法(MOVPE)等の従来型の結晶成長手法で作製可能である。また、InGaAaP活性層およびInGaAsP分離層の作製は、バットジョイント選択成長の手法を用いることにより作製可能である。例えば、InGaAaP活性層の元エピタキシャルウエハを成長後、活性層領域、可飽和吸収領域部分にマスクを形成して、不要部分をエッチングで除去し、InGaAsP分離層を再成長すればよい。エアホールの作成については、電子ビーム露光を用いてマスクパタンを描画し、ウェットエッチングおよびドライエッチングを用いて作製できる。n型領域及びp型領域は、MOVPE等を用いたドーピング領域の選択成長や、イオン拡散、熱拡散による不純物の導入により作製可能である。エアブリッジの作成については、InGaAsの選択エッチングにより作製できる。
図1に記載の光記憶装置の素子100の発振特性を説明する。図3は、図1に記載の光記憶装置の素子100の電流、光出力特性を示す図表である。p側電極、n側電極間に順バイアスを印加し、活性層に電流注入を行う。注入電流を増加させていくと電流値Ith2付近でレーザ発振が生じ、電流−光曲線は急激に立ち上がる。一方、発振状態から電流を下げていくと、出力光が減少していくが、電流値Ith2以下においても発振状態が継続し、Ith1において初めて発振が停止する。すなわち、駆動電流Ith1、Ith2の間で発振出力は双安定状態となる。発振波長は1.55μm付近である。
図1に記載の光記憶装置の素子100の双安定動作について説明する。図4は、図1に記載の光記憶装置の素子100の動作原理を説明する図表である。図4(a)は、図3に示した光記憶装置の素子100の電流、光出力特性を示す図と同一の図表である。図4(b)は図4(a)に示した各発振状態における(1)から(4)に対応する線欠陥導波路内の活性層におけるキャリア分布と利得・吸収(共振器損)分布、発振モード分布を示す。図4(b)は、活性層領域、分離層領域、可飽和吸収領域の実効屈折率を合わせているため、これらの領域を合わせて一つの共振器とみなしたモード分布となる。
図1の素子100は、共振器の一部に活性層が形成されており、図1に示すように、InGaAaP活性層112のみに電流注入を行うように構成されている。活性層領域に電流を注入すると(図4(a)(1)〜(2))、図4(b)(1)(2)に示すように活性層のみにキャリアが励起され、利得が発生する。しかし、可飽和吸収が吸収領域であるために、この領域では利得が吸収を上回らず、発振に至らない。
図4(a)(2)からさらに電流注入量を増加すると(図4(a)(3))、電流値がIth2に達した時点で利得が吸収とつり合い、レーザ発振が生じる。このときのキャリア、利得分布は図4(b)(3)のようになる。
光出力が高くなると、これまで吸収領域であった可飽和吸収領域層は、発振光の注入によって透明領域となる。したがって、注入電流を下げ、電流値がIth2を下回った場合(図4(a)(4))でも、可飽和吸収領域が未だ透明領域となっているために、電流値がIth1に下がるまで発振状態が継続する(図4(b)(4))。
また、図1に記載の光記憶装置の素子100のInGaAaP活性層112に光注入による光励起を行った場合の動作を説明する。図5は、図1に記載の光記憶装置の素子100の光励起、光出力特性を示す図である。
励起光の波長は、活性層InGaAaP112のバンドギャップ波長1.55μmよりも短波長、かつInGaAsP分離層111のバンドギャップ波長1.2μmよりも長波長に設定する。このことにより、InGaAsP分離層111では光吸収によるキャリアは発生せず、活性層のみを励起することができる。波長1.3μmの光をInGaAaP活性層のみに照射し増大させていくと、励起光パワーPth2付近でレーザ発振が生じ、光−光曲線は急激に立ち上がる。一方、発振状態から励起光パワーを下げていくと、出力光が減少していくが、励起光パワーPth2以下においても発振状態が継続し、Pth1において初めて発振が停止する。すなわち、励起光パワーPth1、Pth2の間で発振出力は双安定状態となる。
光記憶装置の素子100のInGaAaP活性層112に光注入による光励起を行った場合の動作原理は、図4に示す電流注入の場合と同様である。従って、本素子は電流励起、光励起共に双安定状態を実現できる。
可飽和吸収領域を用いた双安定動作を実現するためには、活性層領域と可飽和吸収領域の間の電気的な分離が必須である。本発明のような数ミクロン長の微小共振器を用いる場合、キャリアの拡散長と活性層長がほぼ同等となるため、活性層と可飽和吸収領域間のキャリアの移動の抑制が必須となる。本発明では、活性層の両側のみに電流を注入するためのpin構造が形成されており、活性層のみに電流注入を行うことができる。さらに、前述したように、分離層のバンドギャップ波長を活性層のバンドギャップ波長よりも短波長に設定しているため、分離層がキャリアに対する障壁層として機能する。すなわち、活性層に注入されたキャリアが可飽和吸収領域に移動することがなく、図4に示したように、活性層と可飽和吸収領域間で、キャリアの分布が独立に保たれる効果を有する。
次に、図1に記載の光記憶装置の素子100を光メモリとして使用した場合の駆動方法の一例及びその動作について説明する。図6は、図1に記載の光記憶装置の素子100の光メモリ動作を示す図である。図6(a)は、図5に示した光記憶装置の素子100の光励起、光出力特性を示す図表と同一の図表である。図6(b)は、光記憶装置の励起光の入力と出力との関係である。
まず、図1のn電極107、p電極108から中央部分のInGaAsP活性層112に電流注入を行い、電流値をIth1付近に設定する。ここで、図6(a)の(2)(4)に対応する双安定領域付近に波長1.3μmの励起光バイアスを設定し、素子の上部方向から、InGaAsP活性層112のみを励起する。セット光の励起光パワーを図6(a)の(3)の領域、リセット光の励起光パワーを図6(a)の(1)の領域に設定する。
このとき、図6(b−1)のように、中央のInGaAsP活性層112にセット光パルスを入力することにより、素子100は、出力の高い発振状態(4)となり、強い強度の光を出力する。次に、中央のInGaAsP活性層112にリセット光パルスを入力することにより、素子100は、出力の低い状態(2)へと切り替わり、低い強度の光を出力することができる。光記憶装置の素子100は、この強度の違いを0と1に対応させて、メモリとして動作する。
また、図1に記載の光記憶装置の素子100を光メモリとして使用した場合の駆動方法の他の例及びその動作について説明する。
図1に記載の光記憶装置の素子100の中央部分のInGaAsP活性層112に電流注入を行い、電流値をIth1付近に設定する。ここで、図6(a)の(2)(4)に対応する、双安定領域付近に設定した波長1.3μmの励起光バイアスを光記憶装置の素子100の入力導波路103から入射する。このとき、入力側のInGaAsP可飽和吸収層113も励起されるが、主としてInGaAsP活性層112のみが励起されることから、可飽和吸収領域層の機能は、素子の上部方向から中央のInGaAsP活性層112のみを励起する場合とほぼ同等である。セット光の励起光パワーを図6(a)の(3)の領域、リセット光の励起光パワーを図6(a)の(1)の領域に設定する。
このとき、図6(b−1)のように、中央のInGaAsP活性層112にセット光パルスを入力することにより、素子100は、出力の高い発振状態(4)となり、強い強度の光を出力する。次に、中央のInGaAsP活性層112にリセット光パルスを入力することにより、素子100は、出力の低い状態(2)へと切り替わり、低い強度の光を出力することができる。光記憶装置の素子100は、この強度の違いを0と1に対応させて、メモリとして動作する。
本素子のサイズは、共振器面積においてμm2のオーダであり、従来構造の導波路型レーザが100μm2のオーダであることと比較して、100分の1以下の小型化を実現することができる。また、本構造では、レーザ共振器をフォトニック結晶により形成したために極めて高いQ値を有しており、レーザの閾値電流は1〜10μA程度である。この値は一般的な導波路型レーザの閾値電流が10〜100mA程度であるのに対して1/10000以下の値である。また、小型の活性層を有するレーザとしては面発光レーザが代表的であるが、閾値は0.1〜1mA程度であり、1/1000〜1/100程度の値での動作が見込まれる。このように、従来の半導体レーザ型光メモリと比較して1/100以下にバイアス電流が抑制されるために、極めて低い消費エネルギーでメモリ動作を行うことが可能である。加えて、応答時間は数10ps以下であり、Gb/sを超える高速なメモリ動作が可能である。
また、図1に記載の光記憶装置の素子構造では、フォトニック結晶スラブのバンドギャップ波長がレーザの動作波長に対して短波長に設定されており、光損失のない透明領域に設定されている。すなわち、フォトニック結晶を用いた導波路や光フィルタ等のパッシブデバイスとの集積が容易であり、本素子を多数集積した多ビット化の構成が容易であることも特徴である。
[その他の構成]
図1において、光記憶装置の素子の材料系としてInGaAsPを用いたが、InGaAlAs等、その他の材料系でも実現可能である。また、光記憶装置の共振器構造には線欠陥導波路を用いたが、その他の共振器構造を用いても同様の効果が得られる。また、光メモリのメモリ動作において、発振付近までの励起は電流を用いたが、光バイアスを用いても同様の効果が得られることは明らかである。
図1において、光記憶装置の素子の材料系としてInGaAsPを用いたが、InGaAlAs等、その他の材料系でも実現可能である。また、光記憶装置の共振器構造には線欠陥導波路を用いたが、その他の共振器構造を用いても同様の効果が得られる。また、光メモリのメモリ動作において、発振付近までの励起は電流を用いたが、光バイアスを用いても同様の効果が得られることは明らかである。
100、230 光記憶装置素子
101 i−InP領域
102 エアホール
103 線欠陥導波路
104 出力導波路
105、232 n−InP領域
106、233 p−InP領域
107、236 n電極
108、237 p電極
110 InGaAaP層
111 InGaAsP分離層
112、231 InGaAaP活性層
113 InGaAaP可飽和吸収領域層
210 半絶縁性InP基板
220 InGaAs犠牲層
234、235 InGaAsコンタクト層
101 i−InP領域
102 エアホール
103 線欠陥導波路
104 出力導波路
105、232 n−InP領域
106、233 p−InP領域
107、236 n電極
108、237 p電極
110 InGaAaP層
111 InGaAsP分離層
112、231 InGaAaP活性層
113 InGaAaP可飽和吸収領域層
210 半絶縁性InP基板
220 InGaAs犠牲層
234、235 InGaAsコンタクト層
Claims (6)
- 周期的なエアホールを有する半導体スラブ構造に形成された線欠陥導波路中に、
活性層領域と、前記活性層領域と同一組成からなる可飽和吸収領域と、前記活性層領域と前記可飽和吸収領域とを電気的に分離する分離層とが、前記線欠陥導波路の長手方向に沿って該直線状に形成されたフォトニック結晶共振器を備え、
前記フォトニック結晶共振器の共振器波長は、前記半導体スラブ構造及び前記分離層のバンドギャップ波長に対して長波長に設定され、前記分離層のバンドギャップ波長は、前記活性層領域と前記可飽和吸収領域のバンドギャップ波長よりも短波長に設定される
ことを特徴とする光記憶装置。 - 前記半導体スラブ構造上の前記活性層領域の両側に、電流注入のための不純物領域を前記活性層領域に接するように形成することを特徴とする請求項1に記載の光記憶装置。
- 前記フォトニクック結晶共振器の前記活性層領域には双安定のレーザ発振状態となるバイアスが印加され、
前記活性層領域に第1の光パルスを入射して前記フォトニック結晶共振器から第1の強度の出力光を出力させ、
前記活性層領域に第2の光パルスを入射して前記フォトニック結晶共振器から前記第1の強度よりも低い第2の強度の出力光を出力させる
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の光記憶装置。 - 前記第1の光パルスおよび第2の光パルスは、前記活性層領域に直接照射される、あるいは前記線欠陥導波路内から入射されることを特徴とする請求項3に記載の光記憶装置。
- 前記バイアスは、光励起によるバイアス、あるいは電流注入によるバイアス、あるいは両者の組み合わせであることを特徴とする請求項3に記載の光記憶装置。
- 前記活性層領域、前記可飽和吸収領域及び前記分離層は、InGaAsP材料により形成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光記憶装置。
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