(第1の実施形態)
図1〜図3を参照して、情報中継サーバ、情報中継システム、および、情報中継方法の第1の実施形態について説明する。
[情報中継システムの構成]
図1を参照して、情報中継システムの構成、および、情報中継システムに含まれる情報中継サーバの構成について説明する。
図1に示されるように、情報中継システムは、情報中継サーバ10と、ウェブサーバ20と、1以上の設置端末30と、1以上の携帯端末40と、を含む。情報中継サーバ10とウェブサーバ20と設置端末30と携帯端末40とは、インターネット等のネットワークNWに接続されており、情報中継サーバ10は、設置端末30および携帯端末40と相互にデータを送受信する。また、ウェブサーバ20も、設置端末30および携帯端末40と相互にデータを送受信する。情報中継サーバ10は、設置端末30および携帯端末40とプッシュ型の通信を行う。情報中継サーバ10と設置端末30および携帯端末40との通信には、WebSocketによる双方向通信を用いることが好ましい。
設置端末30は、共有端末の一例であって、ウェブブラウザと、ウェブブラウザを起動できるOS(オペレーティング・システム)とがインストールされたコンピュータ端末である。設置端末30は、ウェブブラウザによってウェブページが表示される表示部を備えており、例えば、大型のディスプレイを有するデジタルサイネージ等に具体化される。設置端末30は、複数の人が同時に利用できる端末であり、設置端末30に表示される画像や、設置端末30から発せられる音声を、複数の人が同時に視聴することができる。設置端末30は、例えば、情報中継システムの複数の利用者が設置端末30を見ることができる位置に設置される。あるいは、設置端末30は、車両等に設置されて移動してもよい。設置端末30の表示部には、ウェブサーバ20が提供するウェブページがウェブブラウザによって表示される。
携帯端末40は、占有端末の一例であって、ウェブブラウザと、ウェブブラウザを起動できるOSとがインストールされた携帯可能なコンピュータ端末である。携帯端末40は、ウェブブラウザによってウェブページが表示される表示部を備えており、例えば、スマートフォン等に具体化される。携帯端末40は、一機会につき一人の人が占有して利用する端末であり、携帯端末40に対する操作は一人の人によって行われる。なお、互いに異なる機会であれば、互いに異なる人が同一の携帯端末40を使用してもよい。また、携帯端末40は、一機会に一人の人が占有して利用することを想定した構成を有していればよく、状況によっては複数の人によって同時に利用されることがあってもよい。携帯端末40の表示部には、ウェブサーバ20が提供するウェブページがウェブブラウザによって表示される。
携帯端末40は、ユーザが行う操作を検出する入力装置を備えている。入力装置は、例えば、タッチパネルやプッシュボタン等を利用した指による入力、マイクを利用した音声による入力、カメラによって撮影された画像の認識、加速度センサーによる端末の動きの検出、磁気センサーによる端末の方位の検出、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)受信機による端末の位置情報の検出、NFC(ニア・フィールド・コミュニケーション)やBluetooth(登録商標)やWi−Fi(ワイヤレス・フィデリティー)や赤外線通信等による通信を利用した外部機器からの情報の取得、圧力や温度や湿度やにおいの検出等に基づいて、入力信号を生成する。要は、入力装置は、ユーザの動作あるいはユーザの動作に起因した周囲の環境の変化を検出して入力信号に変換する装置であればよい。
入力装置から所定の入力信号が入力されると、携帯端末40は、情報中継サーバ10にユーザによる操作が行われたことを示す操作情報を送信する。
情報中継サーバ10は、設置端末30と携帯端末40とから構成される複数の端末の間で情報の中継を行うサーバである。情報中継サーバ10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを備えている。通信部11は、受信部の一例であって、情報中継サーバ10と接続先の装置との接続処理を実行する。また、通信部11は、接続先となる装置との間でデータの送信および受信を行う。
制御部12は、出力部の一例である中継処理部12aを備えている。中継処理部12aは、情報の送信元の端末の識別や、情報の送信先の端末の識別を行う。また、中継処理部12aは、送信先の端末に送信する情報を整える。例えば、中継処理部12aは、1つの送信元の端末から送られてきた情報を、1つあるいは複数の送信先の端末へ通信部11を介して送る。また、例えば、中継処理部12aは、複数の送信元の端末から送られてきた情報をまとめた情報を生成し、生成した情報を1つあるいは複数の送信先の端末へ通信部11を介して送る。また、例えば、中継処理部12aは、所定の条件が満たされた場合に、送信元の端末から送られてきた情報を他の端末に送ることを制限したり、送信元の端末から送られてきた情報に他の情報を付加して送信先の端末へ送ったりする。
記憶部13は、通信部11や制御部12の処理に必要な情報の一時的な記憶や永続的な記憶を行う。例えば、記憶部13は、端末の識別情報を一時的に記憶する。また、例えば、記憶部13は、中継処理部12aが複数の送信元の端末から送られてきた情報をまとめるための条件や、中継処理部12aが情報の送信の制限や送信する情報の付加を行う際の条件を含む中継プログラムを永続的に記憶する。
ウェブサーバ20は、ウェブブラウザに対して、情報中継システムに用いられるウェブページの表示データを提供するサーバである。情報中継システムに用いられるウェブページには、設置端末30に表示される設置端末用ページと携帯端末40に表示される携帯端末用ページとが含まれる。
ウェブサーバ20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを備えている。通信部21は、ウェブサーバ20と接続先の装置との接続処理を実行する。また、通信部21は、接続先となる装置との間でデータの送信および受信を行う。
制御部22は、データ読み出し部22aを備えている。データ読み出し部22aは、設置端末30からの要求に応じて、設置端末用ページの表示に必要なデータを記憶部23から読み出す。また、データ読み出し部22aは、携帯端末40からの要求に応じて、携帯端末用ページの表示に必要なデータを記憶部23から読み出す。
記憶部23は、ウェブページデータ23aとして、設置端末用ページおよび携帯端末用ページの表示に必要なデータを記憶している。ウェブページデータ23aは、例えば、HTMLファイルやウェブページを構成する画像ファイルあるいは音声ファイル等に具体化される。ウェブページデータ23aは、ウェブブラウザによって解釈可能な言語や仕様で構成されていればよく、例えば、HTML(ハイパー・テキスト・マークアップ・ランゲージ)やCSS(カスケーディング・スタイル・シート)やJavaScript(登録商標)を用いて表現される。
なお、設置端末30にも、携帯端末40と同様に、ユーザの動作あるいはユーザの動作に起因した周囲の環境の変化を検出して入力信号に変換する入力装置が備えられてもよい。この場合、入力装置から所定の入力信号が入力されると、設置端末30は、情報中継サーバ10にユーザによる操作が行われたことを示す操作情報を送信する。
[情報の中継の手順]
図2および図3を参照して、情報中継システムによって情報が中継される手順を説明する。なお、以下では、情報中継システムが適用される情報伝達の形態の例として、複数の携帯端末40についての操作に関する情報が複数の設置端末30のうちの1以上の設置端末30に伝えられて、設置端末30の表示内容が変化する形態について説明する。まず、図2を参照して、設置端末30および携帯端末40に、情報の中継を行うための環境が構築される手順について説明する。
図2に示されるように、設置端末30がウェブサーバ20に、設置端末用ページの表示データを要求する(ステップS10)。表示データの要求は、例えば、URL(ユニフォーム・リソース・ロケータ)の入力や所定のウェブサイトを通じたアクセスによって行われる。
設置端末30からの要求を受けると、ウェブサーバ20のデータ読み出し部22aは、要求されたURLに対応する設置端末用ページの表示データを記憶部23のウェブページデータ23aから読み出す。読み出された表示データは、ウェブサーバ20から設置端末30に送信される(ステップS11)。このとき、ウェブサーバ20は、識別情報を付加して、表示データを設置端末30に送信する。識別情報としてはcookieの情報であるクッキー情報等を用いることができる。
ウェブサーバ20から表示データを受信すると、設置端末30は、ウェブブラウザを用いて、表示部に設置端末用ページを表示する(ステップS12)。設置端末用ページには、例えば画像等の、携帯端末40の操作状況によって変化する表示物が表示される領域が設けられている。また、設置端末用ページには、設置端末30を見るユーザに対する指示等が表示されてもよい。なお、互いに異なる設置端末30には、互いに異なる設置端末用ページが表示されてもよく、同一の設置端末用ページが表示されてもよい。
また、携帯端末40がウェブサーバ20に、携帯端末用ページの表示データを要求する(ステップS13)。表示データの要求は、例えば、二次元コードやICタグに含まれるURL等の情報が携帯端末40によって読み取られることによって、携帯端末40が取得した情報に基づいて行われる。二次元コードやICタグは、ユーザが利用可能な箇所に配置される。なお、表示データの要求は、URLの入力や所定のウェブサイトを通じたアクセスによって行われてもよい。
携帯端末40からの要求を受けると、ウェブサーバ20のデータ読み出し部22aは、要求されたURLに対応する携帯端末用ページの表示データを記憶部23のウェブページデータ23aから読み出す。読み出された表示データは、ウェブサーバ20から携帯端末40に送信される(ステップS14)。このとき、ウェブサーバ20は、クッキー情報を付加して、表示データを携帯端末40に送信する。
ウェブサーバ20から表示データを受信すると、携帯端末40は、ウェブブラウザを用いて、表示部に携帯端末用ページを表示する(ステップS15)。携帯端末用ページには、ユーザに対する携帯端末40の操作の指示等が表示されている。なお、互いに異なる携帯端末40には、互いに異なる携帯端末用ページが表示されてもよく、同一の携帯端末用ページが表示されてもよい。
なお、設置端末30における設置端末用ページの表示と携帯端末40による携帯端末用ページの表示とが行われる順序は任意であり、携帯端末40による携帯端末用ページの表示が先に行われてもよく、複数の設置端末30における設置端末用ページの表示と複数の携帯端末40における携帯端末用ページの表示とが無作為の順序で行われてもよい。
また、情報中継サーバ10と設置端末30および携帯端末40とがWebSocketによる双方向通信を行う場合には、各端末への上記ウェブページの表示に加えて、設置端末30および携帯端末40の各々が情報中継サーバ10にアクセスして、各端末と情報中継サーバ10との間の接続を確立しておくことが好ましい。なお、例えば、情報中継サーバ10とウェブサーバ20とが1つのサーバ装置として実現される場合等、ウェブサーバ20と設置端末30および携帯端末40との間の接続を情報中継サーバ10が利用できる場合には、各端末にて上記ウェブページの表示データの取得が行われる際に、各端末と情報中継サーバ10との間の接続を確立することができる。
次に、図3を参照して、情報中継サーバ10によって情報が中継される手順を説明する。
図3に示されるように、ユーザが携帯端末40に対して所定の操作を行うことによって、携帯端末40の入力装置から入力信号が入力される(ステップS20)。所定の操作は、例えば、携帯端末用ページにて指示されてもよいし、携帯端末40を所持するユーザが見ることができる設置端末30に表示される設置端末用ページにて指示されてもよい。あるいは、所定の操作は、例えばイベントの司会者等によって、口頭で指示されてもよい。所定の操作は、例えば、携帯端末40が有するタッチパネルにて所定の図形を描く操作や、携帯端末40を振る操作等、携帯端末40の入力装置が検出できる操作であれば、適宜の操作が設定できる。
入力装置からの入力に基づいて所定の操作が行われたと判断されると、ウェブブラウザが機能して、携帯端末40に対して所定の操作が行われたことを示す操作情報が携帯端末40から情報中継サーバ10に送信される(ステップS21)。このとき、操作情報に加えて、携帯端末40が有しているクッキー情報と送信先情報とが、情報中継サーバ10に送信される。送信先情報は、携帯端末用ページの表示データに付加されている情報であって、携帯端末40が表示データを取得する際に取得される。送信先情報は、携帯端末40からの情報の送信先として、特定の設置端末用ページが開かれている設置端末30を指定する情報である。
携帯端末40から情報を受信すると、情報中継サーバ10の中継処理部12aは、クッキー情報に基づいて携帯端末40を識別する(ステップS22)。また、中継処理部12aは、送信先情報と操作情報とに基づき、中継プログラムに従って、送信先の端末に送信する情報である中継情報を整える(ステップS23)。中継情報は、送信先情報にて指定された設置端末用ページにアクセスしている設置端末30に送信される(ステップS24)。
例えば、中継処理部12aは、携帯端末40から受信した操作情報そのものを中継情報としてもよいし、互いに異なる携帯端末40から受信した操作情報をまとめた中継情報を生成してもよい。互いに異なる携帯端末40から受信した操作情報をまとめた中継情報の例としては、例えば、同一の設置端末30が情報の送信先として設定され、かつ、同じ操作が行われた携帯端末40の数を計測して、合計数を中継情報とする形態が挙げられる。
また、中継処理部12aは、条件によって異なる中継情報を送信してもよい。例えば、中継処理部12aは、所定の条件が満たされた場合には、設置端末30に中継情報を送ることを制限してもよいし、携帯端末40から受信した操作情報に他の情報を付加した情報を中継情報としてもよい。あるいは、中継処理部12aは、所定の条件が満たされた場合にのみ、設置端末30に中継情報を送ってもよい。
情報中継サーバ10から中継情報を受信すると、設置端末30は、中継情報に基づいて、設置端末用ページの表示内容を変更するためのデータである更新データの生成処理を実行する(ステップS25)。中継情報によってどのような更新データを生成するかを規定するプログラムは、設置端末30が設置端末用ページの表示データを取得する際に取得される。上記プログラムは、JavaScript(登録商標)のようなスクリプト言語によって表示データに組み込まれているプログラムであって、ウェブブラウザによって実行されるプログラムでもよいし、表示データとは別のデータであって、ウェブブラウザと連動するソフトウェアによって実行されるプログラムでもよい。
設置端末30が更新データを生成する際に、追加データを必要とする場合には、設置端末30はウェブサーバ20に必要な追加データの要求を行う(ステップS26)。追加データは、例えば、新たな画像のデータあってもよいし、設置端末30が画像を生成するために必要なデータでもよい。設置端末30からの要求を受けると、ウェブサーバ20のデータ読み出し部22aは、要求された追加データを記憶部23のウェブページデータ23aから読み出す。読み出された追加データは、ウェブサーバ20から設置端末30に送信される(ステップS27)。ウェブサーバ20から追加データを受信すると、設置端末30は、受信した追加データを用いて更新データを生成する(ステップS28)。
更新データが生成されると、設置端末30にて、ウェブブラウザが設置端末用ページに更新データを適用する(ステップS29)。これにより、例えば、設置端末用ページに表示されている画像が変更される等、設置端末用ページに表示されている表示物が変化する。
[情報伝達の他の形態]
上記形態を参照して、情報中継システムが適用される情報伝達の形態の他の例について説明する。
まず、複数の携帯端末40についての操作に関する情報が複数の設置端末30と複数の携帯端末40とのうちの1以上の端末に伝えられて、情報が伝えられた端末の表示内容が変化する形態について説明する。この場合、携帯端末用ページには、その携帯端末40あるいは他の携帯端末40の操作状況によって変化する表示物が表示される領域が設けられる。そして、携帯端末用ページの表示データに付加されている送信先情報では、その携帯端末40からの情報の送信先として、特定の設置端末用ページあるいは携帯端末用ページが開かれている端末が指定されている。
先の図3に示される処理手順にこの形態が適用された場合、ステップS24の処理では、送信先情報にて指定された設置端末用ページあるいは携帯端末用ページにアクセスしている端末に、中継情報が送信される。そして、ステップS25〜ステップS29の処理では、中継情報を受信した端末にて、更新データの生成と適用とが行われる。これにより、中継情報を受信した端末にて、設置端末用ページあるいは携帯端末用ページに表示されている表示物が変化する。
次に、複数の設置端末30についての操作に関する情報が複数の携帯端末40のうちの1以上の携帯端末40に伝えられて、携帯端末40の表示内容が変化する形態について説明する。この場合、設置端末30は、入力装置を備えている。また、携帯端末用ページには、設置端末30の操作状況によって変化する表示物が表示される領域が設けられる。設置端末用ページには、操作状況によって変化する表示物が表示される領域は設けられていなくてもよい。設置端末用ページの表示データには送信先情報が付加されており、送信先情報では、その設置端末30からの情報の送信先として、特定の携帯端末用ページが開かれている携帯端末40が指定されている。
先の図3に示される処理手順にこの形態が適用された場合、ステップS20、ステップS21の処理では、設置端末30の入力装置にて入力が行われ、設置端末30から情報中継サーバ10に操作情報が送信される。そして、ステップS24の処理では、送信先情報にて指定された携帯端末用ページにアクセスしている携帯端末40に、中継情報が送信される。そして、ステップS25〜ステップS29の処理では、中継情報を受信した携帯端末40にて、更新データの生成と適用とが行われる。これにより、中継情報を受信した携帯端末40にて、携帯端末用ページに表示されている表示物が変化する。
また、上記形態を組み合わせることによって、複数の設置端末30についての操作に関する情報が複数の設置端末30と複数の携帯端末40とのうちの1以上の端末に伝えられて、情報が伝えられた端末の表示内容が変化する形態にも情報中継システムが適用できる。
また、上記形態を組み合わせることによって、複数の設置端末30と複数の携帯端末40についての操作に関する情報が複数の設置端末30と複数の携帯端末40とのうちの1以上の端末に伝えられて、情報が伝えられた端末の表示内容が変化する形態にも情報中継システムが適用できる。
このように、情報中継サーバ10を用いた情報中継システムでは、情報中継サーバ10や設置端末30や携帯端末40の構成を大きく変更することなく、様々な形態での情報の伝達が可能である。
また、上記形態において、情報中継サーバ10は、端末の操作情報に加えて、端末の表示内容の変更状況を示す情報である変更情報を中継してもよい。例えば、携帯端末40からの操作情報が情報中継サーバ10によって中継されて設置端末30の表示内容が変更された場合に、設置端末30が変更情報を情報中継サーバ10に送信する。情報中継サーバ10は、設置端末30から受信した変更情報に基づいて中継情報を生成して、中継情報を操作情報の送信元である携帯端末40に送信する。携帯端末40は、情報中継サーバ10から受信した中継情報に基づいて、更新データの生成と適用とを行う。これにより、設置端末30における表示内容の変化に応じて、携帯端末40における表示内容が変化する。こうした構成によれば、より多様な形態で情報の伝達を行うことができる。
なお、上記の各形態では、送信先情報として、複数の送信先が指定されていてもよい。また、情報の送信元である端末が情報の送信先となってもよい。また、上記の各形態において、情報の送信先あるいは送信元となる設置端末30は1つであってもよい。また、情報の送信先あるいは送信元となる携帯端末40は1つであってもよい。要は、情報の送信先あるいは送信元として、設置端末30と携帯端末40とが少なくとも1つずつ含まれていればよい。
また、中継情報を受信した端末が行う動作は、表示内容の変更に限られない。例えば、音声の出力や、端末の振動や、端末に備えられたLEDライトの点灯や、端末に接続された外部ディスプレイやロボット等の外部機器の駆動等、ウェブブラウザを通じた制御が可能な出力方法によって、中継情報に応じた動作が行われればよい。
また、操作情報を送信した端末にて表示内容が変化してもよい。この場合、端末が操作情報を送信することに基づいて、上述の表示データに組み込まれているプログラムによって表示内容が変更される。
[作用]
第1の実施形態の情報中継サーバ10、および、情報中継サーバ10を用いた情報中継システムの作用について説明する。
情報中継システムでは、情報の送信元の端末に対して操作が行われると、情報中継サーバ10が情報を中継することにより、情報の送信先の端末が動作する。情報中継サーバ10は、複数の人が共有して利用する端末である設置端末30と、1人の人が占有して利用する端末である携帯端末40との特性の異なる2種類の端末を、情報の送信元あるいは情報の送信先として対等に扱う。したがって、情報の送信元となる端末の種類や数についての自由度が向上するとともに、情報の送信先となる端末の種類や数についての自由度が向上する。その結果、上述のような様々な形態での情報の伝達が可能となる。
設置端末30と携帯端末40とが用いられる情報伝達の形態では、同一の人が設置端末30と携帯端末40とを同時に利用することもできる。例えば、複数の人が、各人ごとの携帯端末40を操作しながら、同一の設置端末30を観ることができる。したがって、情報の送信元の端末と送信先の端末とが、1人の人が占有して利用する端末のみである場合と比較して、本実施形態の情報中継システムは、多様な形態での情報の伝達に利用できる。また、設置端末30と携帯端末40との関係が、表示装置と操作装置という関係に固定されず、各端末が、表示装置もしくは操作装置、あるいは表示装置と操作装置とを兼ねる装置になり得る。こうした点からも、本実施形態の情報中継システムは、多様な形態での情報の伝達に利用できる。
また、情報中継サーバ10は、情報の中継のみを行い、情報の送信先の端末における表示内容を変更するためのデータは、その端末にて生成される。したがって、表示内容を変更するためのデータを情報中継サーバ10が生成して端末に送信する場合と比較して、情報中継サーバ10が保持するデータ量が少ないため、情報中継サーバ10の構成が簡易になる。また、情報中継サーバ10が端末に送信するデータ量も少ないため、情報中継サーバ10と端末との間の通信にかかる負荷が軽減される。
また、ウェブブラウザが機能することによって、情報の送信先の端末が、操作情報に基づく情報である中継情報に応じた動作を行う。したがって、端末は、中継情報に応じた動作を行うための専用のアプリケーションソフトウェアを必要としないため、端末の構成が簡易になる。通常、ウェブブラウザは、インターネットへの接続機能を有する装置の多くにインストールされている一般的なソフトウェアである。したがって、設置端末30および携帯端末40として、新たなソフトウェアをインストールすることなく、様々な装置が利用できるため、情報中継システムの汎用性が高められる。
また、画像の表示機能は、ウェブブラウザが有する基本的な機能の一つであるため、中継情報に応じた動作としてウェブブラウザによって表示される画像の変更が行われることが好ましい。これによれば、ウェブブラウザの機能を生かした態様で、情報の中継が行われる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)設置端末30と携帯端末40との特性の異なる2種類の端末が、情報の送信元あるいは情報の送信先として対等に扱われる。したがって、多様な形態での情報の伝達が可能となる。
(2)情報の送信先の端末における表示部の表示に要するデータが、その端末にて生成される。したがって、情報中継サーバ10が、送信先の端末の表示に要するデータを生成して端末に送信する場合と比較して、情報中継サーバ10の構成が簡易になり、また、情報中継サーバ10と端末との間の通信にかかる負荷が軽減される。
(3)ウェブブラウザが機能することによって、情報の送信先の端末が中継情報に応じた動作を行うため、端末が、中継情報に応じた動作を行うための専用のアプリケーションソフトウェアを必要としない。その結果、端末の構成が簡易になる。
(4)中継情報に応じた動作として、ウェブブラウザによって表示される画像の変更が行われるため、ウェブブラウザの機能を生かした態様で、情報の中継が行われる。
なお、第1の実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・情報中継サーバ10が、端末からのアクセスごとに端末を異なる端末として認識してもよい場合には、クッキー情報は付加されなくてもよい。
・端末が情報中継サーバ10に送信する送信先情報は、ユーザの選択に基づいて設定されてもよい。例えば、携帯端末用ページに、ユーザが携帯端末40に対して行う操作を反映させる設置端末30を選択する欄が表示され、こうした欄への入力に応じた送信先情報が情報中継サーバ10に送信されてもよい。
(第2の実施形態)
図4〜図9を参照して、情報中継サーバ、情報中継システム、および、情報中継方法の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、情報中継サーバが、設置端末と携帯端末との情報を管理し、情報の送信先を決定する点が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と実質的に同一の構成要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、重複する説明は割愛する。
[情報中継システムの構成]
図4を参照して、情報中継システムの構成、および、情報中継システムに含まれる情報中継サーバの構成について説明する。
第2の実施形態において、複数の設置端末30および複数の携帯端末40の各々には、端末の識別情報が割り当てられている。設置端末30の各々には、各設置端末30に固有の識別情報である設置端末IDが割り当てられている。携帯端末40の各々には、各携帯端末40に固有の識別情報である携帯端末IDが割り当てられている。設置端末IDは、設置端末30に記憶され、携帯端末IDは携帯端末40に記憶されている。
情報中継サーバ10の制御部12は、中継処理部12aに加えて、決定部の一例である端末管理部12bを備えている。端末管理部12bは、設置端末IDや携帯端末ID等の設置端末30や携帯端末40に関する情報を記憶部13へ登録する。また、端末管理部12bは、記憶部13に記憶されている情報を参照して、設置端末30あるいは携帯端末40から送信された情報の送り先となる端末を決定する。
情報中継サーバ10の記憶部13は、設置端末データ13aと携帯端末データ13bとを記憶している。設置端末データ13aと携帯端末データ13bとは、端末管理部12bによって記憶部13に登録される。
設置端末データ13aでは、設置端末IDと座標情報とが対応付けられている。座標情報は、X軸とY軸とを有する直交座標系に複数の設置端末30を配置したと仮定した場合における各設置端末30の座標を示す。換言すれば、座標情報は、複数の設置端末30の表示部が並べられることによって形成される1つの仮想的な平面における各設置端末30の位置情報である。なお、設置端末データ13aでは、座標情報に加えて、設置端末30の現実の設置場所等の設置端末30の特徴を示す属性情報が設置端末IDと対応付けられていてもよい。
携帯端末データ13bでは、携帯端末IDと携帯端末40の属性情報とが対応付けられている。携帯端末40の属性情報には、例えば、携帯端末40の位置情報等の携帯端末40に関する情報や、携帯端末40が情報中継システムを利用して情報の送信を行った回数等の携帯端末40による情報の授受の経過情報や、ユーザの性別等の携帯端末40を所持するユーザに関する情報等が含まれる。
なお、記憶部13は、設置端末データ13aと携帯端末データ13bに加えて、通信部11や制御部12の処理に必要な情報の一時的な記憶や永続的な記憶を行う。例えば、記憶部13は、中継処理部12aが中継情報を生成する際の条件を含む中継プログラムや、端末管理部12bが情報の送り先を決定する際の条件を含む送信先決定プログラムを永続的に記憶する。
[情報中継サーバが有するデータの構成]
図5および図6を参照して、設置端末データ13aのデータ構成について説明する。
図5に示されるように、設置端末データ13aでは、設置端末IDと座標情報とが対応付けられている。例えば、「A507」という設置端末IDには、「X1、Y1」という座標情報が対応付けられ、「C312」という設置端末IDには、「X2、Y1」という座標情報が対応付けられ、「A459」という設置端末IDには、「X3、Y1」という座標情報が対応付けられている。
図6に示されるように、X軸とY軸とを有する直交座標系によって表現される仮想的な平面において、複数の設置端末30の表示部は、連続的な平面を構成している。設置端末データ13aにて、図5に示されるような設置端末IDと座標情報との対応付けがなされている場合、上述の仮想的な平面であるXY平面において、「A507」という設置端末IDを有する設置端末30は、座標(X1、Y1)に位置する。また、XY平面において、「C312」という設置端末IDを有する設置端末30は、座標(X2、Y1)に位置し、「A459」という設置端末IDを有する設置端末30は、座標(X3、Y1)に位置する。
すなわち、図6にて、設置端末ID「C312」の設置端末30の表示部の左側に、設置端末ID「A507」の設置端末30の表示部が配置され、設置端末ID「C312」の設置端末30の表示部の右側に、設置端末ID「A459」の設置端末30の表示部が配置されるように、3つの設置端末30の表示部が連続的な平面を構成している。
このように、設置端末IDと座標情報とが対応付けられることによって、連続的な平面を構成する複数の設置端末30について、各設置端末30の他の設置端末30に対する相対的な位置関係が規定される。
設置端末IDと座標情報との対応付けは、各設置端末30の現実の設置場所や各設置端末30に表示される内容等を考慮して、予め設定され、設置端末データ13aとして記憶部13に登録される。なお、設置端末データ13aでは、上述のように、座標情報に加えて、設置端末30の現実の設置場所の位置情報等の属性情報が設置端末IDと対応付けられていてもよい。なお、図6では、同一のサイズの表示部をタイル状に並べた例で説明したが、サイズの異なる表示部を用いて連続的な平面を構成させてもよい。
図7を参照して、携帯端末データ13bのデータ構成について説明する。携帯端末データ13bは、携帯端末40が携帯端末用ページの表示データを取得した後に、携帯端末40から情報中継サーバ10に携帯端末ID等の情報が送信されることによって構築される。
図7に示されるように、携帯端末データ13bでは、携帯端末IDと携帯端末40の属性情報とが対応付けられている。属性情報は、例えば、位置情報と参加回数とを含む。位置情報は、携帯端末40が携帯端末IDを情報中継サーバ10に送信した際の、携帯端末40の位置情報であって、緯度および経度で表される。位置情報は、携帯端末40が備えるGPS受信機によって取得されて、携帯端末IDとともに情報中継サーバ10に送信される。
参加回数は、携帯端末40が情報中継システムを利用した回数であり、情報中継サーバ10が携帯端末40から同一の携帯端末IDを受信した回数として情報中継サーバ10によって計測される。
属性情報は、位置情報および参加回数に代えて、あるいは、位置情報および参加回数に加えて、他の情報を含んでいてもよい。要は、属性情報は、携帯端末40が情報中継サーバ10に送信できる情報、もしくは、情報中継サーバ10が記録できる情報であればよい。
携帯端末40が情報中継サーバ10に送信できる情報としては、例えば、携帯端末40の機種情報や携帯端末40が搭載しているOSの種類等の、携帯端末40に関する情報が挙げられる。また、携帯端末40が情報中継サーバ10に送信できる情報は、例えば、性別や年齢等のユーザに関する情報であって、携帯端末用ページでの指示に基づいてユーザが携帯端末40に入力する情報であってもよい。
情報中継サーバ10が記録できる情報としては、例えば、携帯端末40から情報中継サーバ10に操作情報が送られた回数等の、携帯端末40による情報の授受の経過情報が挙げられる。また、例えば、情報システムの利用によってポイントが付与される形態に情報中継システムが適用される場合には、その時点までに付与されたポイントが、情報の授受の経過情報として記録されてもよい。
携帯端末データ13bは、携帯端末40から情報中継サーバ10に携帯端末ID等の情報が送信されたときにのみ構築されてもよい。あるいは、例えば、携帯端末40から情報中継サーバ10に操作情報が送られた回数が属性情報とされる場合等、情報の中継によって情報中継サーバ10が新たな属性情報を取得する場合には、携帯端末データ13bは新たな属性情報が取得される度に更新されてもよい。
[情報の中継の手順]
図8および図9を参照して、情報中継システムによって情報が中継される手順を説明する。なお、以下では、情報中継システムが適用される情報伝達の形態の例として、複数の携帯端末40についての操作に関する情報が複数の設置端末30のうちの1以上の設置端末30に伝えられて、設置端末30の表示内容が変化する形態について説明する。
まず、図8を参照して、設置端末30および携帯端末40に、情報の中継を行うための環境が構築される手順について説明する。なお、図8に示される処理は、先の図2に示される第1の実施形態での処理と比較して、ステップS36およびステップS37の処理が主に異なっている。したがって、以下では、これらの処理について詳しく説明する。
図8に示されるように、設置端末30がウェブサーバ20に設置端末用ページの表示データを要求して、ウェブサーバ20が表示データを設置端末30に送信することにより、設置端末30の表示部に設置端末用ページが表示される(ステップS30〜ステップS32)。また、携帯端末40がウェブサーバ20に携帯端末用ページの表示データを要求して、ウェブサーバ20が表示データを携帯端末40に送信することにより、携帯端末40の表示部に携帯端末用ページが表示される(ステップS33〜ステップS35)。なお、第2の実施形態では、設置端末IDおよび携帯端末IDによって端末の識別が行われるため、クッキー情報は送信されなくてもよい。また、設置端末用ページの表示内容は、各設置端末30の設置端末IDに対応付けられている座標情報に従った配列で、複数の設置端末30の表示部が連続した平面を構成するように、設定されている。
携帯端末用ページが表示された後に、携帯端末40は、携帯端末IDと、属性情報のうち携帯端末40が情報中継サーバ10に提供する情報とを、情報中継サーバ10に送信する(ステップS36)。携帯端末IDと属性情報との送信は、携帯端末用ページでの指示に従って、ユーザが携帯端末40を操作することに基づいて行われてもよいし、表示データの取得時に携帯端末40が取得するプログラムによって自動的に行われてもよい。
携帯端末40から携帯端末IDと属性情報とを受信すると、情報中継サーバ10の端末管理部12bは、携帯端末IDと属性情報とを対応付けて、携帯端末データ13bとして記憶部13に登録する(ステップS37)。このとき、端末管理部12bは、属性情報として情報中継サーバ10が記録している情報も携帯端末IDに対応付けて登録する。これにより、携帯端末データ13bが構築される。
次に、図9を参照して、情報中継サーバ10によって情報が中継される手順を説明する。なお、図9に示される処理は、先の図3に示される第1の実施形態での処理と比較して、ステップS41〜ステップS45の処理が主に異なっている。したがって、以下では、これらの処理について詳しく説明する。
図9に示されるように、ユーザが携帯端末40に対して所定の操作を行うことによって、携帯端末40の入力装置から入力信号が入力される(ステップS40)。入力装置からの入力に基づいて所定の操作が行われたと判断されると、操作情報と携帯端末IDとが携帯端末40から情報中継サーバ10に送信される(ステップS41)。なお、第2の実施形態では、情報中継サーバ10が情報の送信先の端末を決定するため、携帯端末40は送信先情報を取得していない。したがって、携帯端末40は情報中継サーバ10に送信先情報を送信しない。
携帯端末40から情報を受信すると、情報中継サーバ10の中継処理部12aは、携帯端末IDに基づいて携帯端末40を識別する(ステップS42)。そして、情報中継サーバ10の端末管理部12bは、情報の送信先となる設置端末30を特定する(ステップS43)。端末管理部12bは、設置端末データ13aや携帯端末データ13bに基づき、送信先決定プログラムに従って、情報の送信先となる設置端末30を決定する。
例えば、設置端末データ13aにて設置端末IDと位置情報とが対応付けられ、携帯端末データ13bにて携帯端末IDと位置情報とが対応付けられている場合、端末管理部12bは、携帯端末IDに対応付けられている位置情報に最も地理的に近い位置情報と対応付けられている設置端末IDに対応する設置端末30を、情報の送信先とする。また例えば、端末管理部12bは、参加回数や性別等、携帯端末データ13bにて携帯端末IDと対応付けられている位置情報以外の属性情報に応じて、情報の送信先となる設置端末30を決定してもよい。
また例えば、端末管理部12bは、設置端末データ13aにて設置端末IDと対応付けられている座標情報に基づいて、情報の送信先となる設置端末30を決定してもよい。例えば、端末管理部12bは、操作情報を受信した順番に、携帯端末40に対して、座標情報によって規定される設置端末30の配列順に従った順番で、情報の送信先となる設置端末30を割り当てる。
また例えば、端末管理部12bは、携帯端末40から送信された操作情報の内容や操作情報を受信した時刻に応じて、情報の送信先となる設置端末30を決定してもよい。
要は、端末管理部12bが、記憶部13に記憶されている情報に基づいて情報の送信先の端末を決定する態様であれば、端末管理部12bが送信先の端末を決定する際に用いるデータや送信先の端末を決定するための条件は限定されない。
このような送信元の端末に対する送信先の端末の割り当ては、携帯端末40から操作情報を受信する度に、端末管理部12bによって決定されてもよい。あるいは、送信先の端末の決定に操作情報や更新された属性情報が用いられない場合には、送信元の端末に対する送信先の端末の割り当ては、設置端末データ13aと携帯端末データ13bとが構築された時点で端末管理部12bによって決定されて、記憶部13に登録されてもよい。
情報の送信先となる設置端末30が特定されると、中継処理部12aは、送信先と操作情報とに基づいて、中継情報を整える(ステップS44)。中継情報は、端末管理部12bによって送信先として特定された設置端末30に送信される(ステップS45)。
情報中継サーバ10から中継情報を受信すると、設置端末30は、中継情報に基づいて更新データの生成処理を実行する(ステップS46)。更新データの生成に追加データを必要とする場合には、設置端末30はウェブサーバ20に必要な追加データの要求を行って、ウェブサーバ20は設置端末30に追加データを送信する(ステップS47、ステップS48)。設置端末30は、ウェブサーバ20から受信した追加データを用いて更新データを生成する(ステップS49)。
更新データが生成されると、設置端末30にて、ウェブブラウザが設置端末用ページに更新データを適用する(ステップS50)。これにより、設置端末用ページに表示されている表示物が変化する。
[情報伝達の他の形態]
第2の実施形態の情報中継システムは、上記形態に第1の実施形態と同様の変形を加えることによって、情報伝達の他の形態にも適用できる。
すなわち、送信元の端末に対する送信先の端末の割り当てが変更されることによって、複数の携帯端末40についての操作に関する情報が複数の設置端末30と複数の携帯端末40とのうちの1以上の端末に伝えられる形態や、複数の設置端末30についての操作に関する情報が複数の携帯端末40のうちの1以上の携帯端末40に伝えられる形態にも、情報中継システムが適用できる。また、複数の設置端末30についての操作に関する情報が複数の設置端末30と複数の携帯端末40とのうちの1以上の端末に伝えられる形態や、複数の設置端末30と複数の携帯端末40についての操作に関する情報が複数の設置端末30と複数の携帯端末40とのうちの1以上の端末に伝えられる形態にも、情報中継システムが適用できる。
上記形態において、設置端末30が情報の送信元となる場合には、端末管理部12bは、設置端末データ13aにて設置端末IDと対応付けられている座標情報に基づいて、情報の送信先となる端末を決定してもよい。例えば、座標情報によって、XY平面における位置が送信元の設置端末30と隣接する位置に設定されている設置端末30が、情報の送信先の端末に決定される。
また、上記形態において、情報中継サーバ10は、端末の操作情報に加えて、端末の表示内容の変更状況を示す情報である変更情報を中継してもよい。例えば、情報中継サーバ10は、座標情報によって、XY平面における位置が送信元の設置端末30と隣接する位置に設定されている設置端末30に変更情報を送信する。これによれば、連続的な平面を構成する複数の設置端末30において、連続的に画像が表示される。
また、上記形態において、設置端末データ13aおよび携帯端末データ13bは、情報の送信先の決定に限らず、例えば、情報中継サーバ10が、設置端末30に中継情報を送ることを制限する際の条件の判定に用いられてもよい。
[作用]
第2の実施形態の情報中継サーバ10、および、情報中継サーバ10を用いた情報中継システムの作用について説明する。
第2の実施形態の情報中継システムでは、情報中継サーバ10が、記憶部13に記憶されている情報に基づいて、情報の送信先の端末を決定する。したがって、例えば、操作情報を受信した順番や、各端末から操作情報を受信した回数等、変化する情報に基づいて送信先を決定することも可能となる。結果として、送信先の複雑な振り分けが可能となるため、より多様な形態での情報の伝達が可能となる。
また、設置端末データ13aとして各設置端末30を差別化する情報が管理され、携帯端末データ13bとして各携帯端末40を差別化する情報が管理される。これらの情報を用いて、送信先の端末の決定や中継情報の送信の制限等が行われることにより、情報をより複雑に中継することができる。その結果、情報中継システムの用途が多様化される。
また、設置端末データ13aでは、設置端末30の識別情報と、複数の設置端末30の表示部によって構成される仮想的な平面における当該設置端末30の位置を示す座標情報とが対応付けられている。設置端末データ13aを用いて送信先の端末の決定が行われることによって、例えば、複数の設置端末30の表示部が連続的な平面を構成しているように、各端末の表示部に画像を表示させ、表示内容に応じた情報の中継を行うことも可能となる。したがって、より多様な形態での情報の伝達が可能となる。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(4)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(5)情報中継サーバ10が、情報の送信先の端末を決定するため、送信先の複雑な振り分けも可能となる結果、より多様な形態での情報の伝達が可能となる。
(6)設置端末IDと座標情報とが対応付けられた設置端末データ13aを用いて送信先の端末の決定が行われるため、複数の設置端末30の表示部が構成する連続的な平面内での表示内容に応じた情報の中継も可能となる。その結果、より多様な形態での情報の伝達が可能となる。
なお、第2の実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・上述形態では、設置端末データ13aは、予め記憶部13に登録されるものとしたが、設置端末データ13aも、携帯端末データ13bと同様の手順で構築されてもよい。すなわち、設置端末30は、設置端末用ページの表示データを取得した後に、設置端末ID等の情報を情報中継サーバ10に送信する。そして、情報中継サーバ10の端末管理部12bが、受信した設置端末IDに座標情報を割り当てて、設置端末データ13aとして記憶部13に登録する。
また、予め情報中継システムの利用者の登録が行われる場合等には、携帯端末40による携帯端末用ページの表示データの取得よりも前に、携帯端末データ13bが構築されてもよい。
また、端末が操作情報を初めて情報中継サーバ10に送信した際に、端末ID等が登録されて、設置端末データ13aや携帯端末データ13bが構築されてもよい。
・設置端末データ13aでは、すべての設置端末IDが座標情報と対応付けられていなくてもよい。すなわち、情報管理システムには、連続的な平面を構成する設置端末30に加えて、連続的な平面を構成しない独立した設置端末30が含まれてもよい。
・複数の設置端末30によって構成される平面の数が、2以上であってもよい。例えば、X軸とY軸とを有する直交座標系と、M軸とN軸とを有する直交座標系との、互いに異なる2つの直交座標系が設定されて、設置端末データ13aでは、設置端末IDに、いずれかの座標系における座標が対応付けられてもよい。
・設置端末データ13aでは、設置端末IDが属性情報のみと対応付けられてもよい。すなわち、複数の設置端末30によって連続的な平面が構成されなくてもよい。
・携帯端末データ13bにて携帯端末IDと対応付けられている属性情報には、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等の会員制のウェブサイトにおけるユーザの会員情報が含まれてもよい。会員情報は、会員制のウェブサイトの会員が、ウェブサイトにログインする際に用いるログインIDやパスワード等の認証情報を含む。
会員情報は、例えば、携帯端末用ページでの指示に基づいて、ユーザによって携帯端末40に入力され、携帯端末40から情報中継サーバ10に携帯端末IDとともに送信される。ユーザが会員情報を入力する過程では、情報中継サーバ10がユーザに代わって会員制のウェブサイトを提供するサーバにアクセスすることについてのユーザの承認が行われる。
情報中継サーバ10は、会員情報を用いて会員制のウェブサイトを提供するサーバにアクセスすることによって、ユーザの性別や年齢等の属性情報を取得してもよい。また、情報中継サーバ10は、例えば、携帯端末40から特定の操作情報を受信した場合等、所定の条件が満たされたときに、上記サーバに文章や画像等の情報を送信して、ユーザに代わってウェブサイトに文章や画像をアップロードしてもよい。また、情報中継サーバ10は、上記サーバにアクセスして、ユーザが利用しているユーザ名やユーザを紹介するプロフィール画像等を取得し、取得した画像等が設置端末用ページや携帯端末用ページに表示されてもよい。この場合、情報中継サーバ10が、取得した画像をウェブサーバ20に送信して、ウェブサーバ20が、設置端末用ページあるいは携帯端末用ページの表示データに画像を組み込む。
こうした構成によれば、会員制のウェブサイトを提供するサーバが有する情報を、情報中継システムによる情報の中継に利用することができるため、より多様な形態での情報の伝達が可能となる。また、会員制のウェブサイトを提供するサーバが有する情報を、ユーザによる多量の情報の入力を要さずに、情報中継サーバ10が取得できる。
なお、第1の実施形態において、端末の識別が、第2の実施形態と同様に行われてもよい。すなわち、端末からの情報中継サーバ10に情報が送信される際に、設置端末IDもしくは携帯端末IDが送信され、情報中継サーバ10は、これらの端末IDに基づいて、端末を識別する。この場合、設置端末データ13aと携帯端末データ13bとは構築されず、設置端末IDと携帯端末IDとは端末の識別にのみ利用される。また、属性情報が、情報中継サーバ10による情報の中継の過程で蓄積される情報のみである場合には、クッキー情報に属性情報が含められてもよい。
(第3の実施形態)
図10および図11を参照して、情報中継サーバ、情報中継システム、および、情報中継方法の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、情報中継サーバが、送信元の端末から受信した情報に基づいて、情報の送信先の端末における表示の変更内容を指示する点が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と実質的に同一の構成要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、重複する説明は割愛する。
[情報中継システムの構成]
図10を参照して、情報中継システムの構成、および、情報中継システムに含まれる情報中継サーバの構成について説明する。第3の実施形態では、情報中継サーバ10とウェブサーバ20とが相互にデータを送受信する。情報中継サーバ10とウェブサーバ20との間でのデータの送受信に用いられるネットワークは、設置端末30や携帯端末40が接続されたネットワークNWと同一のネットワークでもよいし、異なるネットワークでもよい。
図10に示されるように、情報中継サーバ10の制御部12は、中継処理部12aに加えて、出力部の一例である指示情報生成部12cを備えている。
指示情報生成部12cは、送信元の端末から受信した操作情報に基づいて、指示情報を生成する。指示情報は、設置端末用ページの表示内容を変更するためのデータである更新データの内容を指示する情報である。指示情報は、例えば、表示内容の変化後に端末に表示される画像のデータそのものでもよいし、更新データの生成に用いられる画像を指定する情報でもよい。生成された指示情報はウェブサーバ20に送信される。
なお、中継処理部12aは、情報の送信元の端末の識別や、情報の送信先の端末の識別を行う一方で、中継情報の生成は行わない。
また、記憶部13は、指示情報生成部12cが指示情報を生成する際の条件を含む生成プログラムを永続的に記憶する。
ウェブサーバ20の制御部22は、データ読み出し部22aに加えて、データ変換部22bを備えている。データ変換部22bは、情報中継サーバ10から受信した指示情報に基づいて、更新データを生成する。例えば、データ変換部22bは、指示情報に含まれる画像や、ウェブページデータ23aに記憶されている画像であって、指示情報によって指定された画像をHTMLファイルに埋め込むことによって、ウェブブラウザによって表示可能なデータを生成する。生成された指示情報は、情報中継サーバ10が指定した端末に送信される。
[情報の中継の手順]
図11を参照して、情報中継システムによって情報が中継される手順を説明する。なお、以下では、情報中継システムが適用される情報伝達の形態の例として、複数の携帯端末40についての操作に関する情報が複数の設置端末30のうちの1以上の設置端末30に伝えられて、設置端末30の表示内容が変化する形態について説明する。なお、設置端末30および携帯端末40に、情報の中継を行うための環境が構築される手順は、先の図2に示される第1の実施形態と同様であるため、説明を割愛する。また、図11に示される処理は、先の図3に示される第1の実施形態での処理と比較して、ステップS64〜ステップS67の処理が主に異なっている。したがって、以下では、これらの処理について詳しく説明する。
図11に示されるように、ユーザが携帯端末40に対して所定の操作を行うことによって、携帯端末40の入力装置から入力信号が入力される(ステップS60)。入力装置からの入力に基づいて所定の操作が行われたと判断されると、操作情報が携帯端末40から情報中継サーバ10に送信される(ステップS61)。このとき、操作情報に加えて、携帯端末40が有しているクッキー情報と送信先情報とが、情報中継サーバ10に送信される。
携帯端末40から情報を受信すると、情報中継サーバ10の中継処理部12aは、クッキー情報に基づいて携帯端末40を識別する(ステップS62)。また、中継処理部12aは送信先情報に基づいて、情報の送信先となる設置端末30を特定する(ステップS63)。
情報中継サーバ10の指示情報生成部12cは、送信先情報と操作情報とに基づき、生成プログラムに従って、指示情報を生成する(ステップS64)。生成プログラムは、送信先情報と操作情報とによってどのような指示情報を生成するかを規定する。
指示情報が生成されると、情報中継サーバ10は、指示情報と情報の送信先となる設置端末30についての情報とをウェブサーバ20に送信する(ステップS65)。
情報中継サーバ10から情報を受信すると、ウェブサーバ20のデータ変換部22bは、指示情報に基づいて、更新データを生成する(ステップS66)。更新データが生成されると、ウェブサーバ20は、情報中継サーバ10から受信した情報の送信先となる設置端末30についての情報に基づいて、指定された設置端末30に更新データを送信する(ステップS67)。
なお、情報中継サーバ10が指示情報を設置端末30に送信し、設置端末30からウェブサーバ20にデータの生成を要求することで、ステップS66の更新データの生成が行われてもよい。すなわち、指示情報は、情報中継サーバ10から直接ウェブサーバ20に送信されるか、あるいは、端末を介してウェブサーバ20に送信される。
ウェブサーバ20から更新データを受信すると、設置端末30では、ウェブブラウザが設置端末用ページに更新データを適用する(ステップS68)。これにより、設置端末用ページに表示されている表示物が変化する。
このように、第3の実施形態では、情報の送信先である設置端末30は、更新データの生成を行わず、外部の装置から受信した更新データを設置端末用ページに適用する。
[情報伝達の他の形態]
第3の実施形態の情報中継システムは、上記形態に第1の実施形態と同様の変形を加えることによって、情報伝達の他の形態にも適用できる。
すなわち、複数の携帯端末40についての操作に関する情報が複数の設置端末30と複数の携帯端末40とのうちの1以上の端末に伝えられる形態や、複数の設置端末30についての操作に関する情報が複数の携帯端末40のうちの1以上の携帯端末40に伝えられる形態にも、情報中継システムが適用できる。また、複数の設置端末30についての操作に関する情報が複数の設置端末30と複数の携帯端末40とのうちの1以上の端末に伝えられる形態や、複数の設置端末30と複数の携帯端末40についての操作に関する情報が複数の設置端末30と複数の携帯端末40とのうちの1以上の端末に伝えられる形態にも、情報中継システムが適用できる。
また、上記形態において、情報中継サーバ10は、端末の操作情報に加えて、端末の表示内容の変更状況を示す情報である変更情報を中継してもよい。
[作用]
第3の実施形態の情報中継サーバ10、および、情報中継サーバ10を用いた情報中継システムの作用について説明する。
第3の実施形態の情報中継システムでは、情報中継サーバ10が、操作情報に基づいて端末における表示の変更内容を指示する指示情報を生成し、ウェブサーバ20が、指示情報に基づいて端末の表示内容を変更するために必要なデータを生成する。そして、生成された変更データが端末に送信されて、端末の表示内容が変更される。したがって、情報の送信先の端末の表示内容を変更するためのデータが、その端末とは異なる装置で生成されるため、端末の構成が簡易になる。
また、情報中継サーバ10が、情報の送信先の端末における表示の変更内容を管理することができる。したがって、表示の変更内容が条件によって複雑に変わる場合であっても、表示の変更内容を適切に制御できる。また、端末の表示内容を指示するサーバと、端末の表示内容を変更するためのデータを生成するサーバとが異なるサーバであるため、同一のサーバがこれらの機能を有する場合と比較して、各サーバの構成を簡易にすることができる。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)、(3)、(4)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(7)情報の送信先の端末に表示されるデータが、その端末とは異なる装置で生成されるため、端末の構成が簡易になる。
(8)情報中継サーバ10が、情報の送信先の端末に表示させる表示内容を規定する情報を生成する。したがって、端末に表示される画像等の表示内容を情報中継サーバにて管理することができる。また、指示情報を生成するサーバと、端末に表示されるデータを生成するサーバとが異なるサーバであるため、同一のサーバがこれらの機能を有する場合と比較して、各サーバの構成を簡易にすることができる。
なお、第3の実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・情報中継サーバ10が、送信先情報と操作情報とに基づいて、ウェブブラウザによって表示可能なデータを生成してもよい。すなわち、情報中継サーバ10が変更データを生成して、情報の送信先となる端末に送信してもよい。要は、情報の送信先である設置端末30もしくは携帯端末40とは異なる装置が変更データを生成する態様であれば、上記(7)の効果は得られる。
・第2の実施形態と第3の実施形態が組み合わされてもよい。すなわち、情報中継サーバ10が、端末管理部12bおよび指示情報生成部12cを備えて、情報の送信先の決定と指示情報の生成とを行ってもよい。
・第1の実施形態と第3の実施形態とが組み合わされてもよい。すなわち、条件に応じて、情報中継サーバ10が情報の中継のみを行う場合と、情報中継サーバ10が端末における表示内容の指示を行う場合とが、情報中継サーバ10によって選択されてもよい。
(他の実施の形態)
上述の各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・情報中継システムは、複数の情報中継サーバ10を含んでもよい。この場合、各端末から操作情報が送信される情報中継サーバ10が、予め設定される。互いに異なる情報中継サーバ10が情報を送信する端末は、互いに異なってもよいし、同一であってもよい。例えば、1つの設置端末30に表示される設置端末用ページに、表示内容が変更される領域が複数設けられて、各領域では、互いに異なる情報中継サーバ10から送信された情報に基づいて表示内容が変更されてもよい。また、情報中継システムは、複数のウェブサーバ20を含んでもよい。この場合、各端末がウェブページの表示データを取得するウェブサーバ20、および、情報中継サーバ10が指示情報を送信するウェブサーバ20が、予め設定される。
・情報中継サーバ10の有する機能とウェブサーバ20の有する機能とが1つのサーバによって実現されてもよい。
・端末がウェブブラウザとは異なるアプリケーションソフトウェアを搭載し、このアプリケーションソフトウェアが機能することによって、情報の送信先の端末が、操作情報に基づく情報に応じた動作を行ってもよい。
(適用例)
上記の実施形態の情報中継サーバ、情報中継システム、および、情報中継方法を具体的な情報伝達の形態に適用した例について説明する。
<適用例1:人気投票>
図12および図13を参照して、適用例1について説明する。適用例1では、アイドルやキャラクター等の人気投票に第1の実施形態の情報中継システムが用いられる。なお、投票対象は人物に限らず物品や音楽等であってもよい。
図12に示されるように、適用例1の情報中継システムは、設置端末30の一例である個別サイネージ30aおよび全体サイネージ30bと、携帯端末40の一例であるスマートフォン40aとを含む。
個別サイネージ30aと全体サイネージ30bとは、街頭に設置されるデジタルサイネージ等に具体化され、例えば、投票対象の数に応じた数の個別サイネージ30aと1つの全体サイネージ30bとが用意される。個別サイネージ30aには、1つの投票対象についての得票が表示され、全体サイネージ30bには、すべての投票対象についての得票が表示される。スマートフォン40aは、タッチパネルを備えている。
適用例1では、スマートフォン40aの所定の箇所がタップされると、情報中継サーバ10が情報を中継して、個別サイネージ30aおよび全体サイネージ30bに表示されている得票の状態が変化する。
図13を参照して、適用例1における情報の中継の手順について説明する。
まず、各端末がウェブサーバ20から表示データを取得することにより、各端末にウェブページが表示される(ステップS100)。例えば、個別サイネージ30aに表示される設置端末用ページには、投票対象となる人物の画像と、得票を示すグラフ等が表示される。互いに異なる個別サイネージ30aには、互いに異なる設置端末用ページが表示され、各設置端末用ページには、互いに異なる投票対象が表示される。全体サイネージ30bに表示される設置端末用ページには、すべての投票対象の各々についての得票を示すグラフ等が表示される。
スマートフォン40aに表示される携帯端末用ページには、例えば、図12の画面Aに示されるように、投票する際の操作の指示等が表示される。ここで、例えば、投票対象としてAさんが表示されている個別サイネージ30aに表示されている二次元コードCaをスマートフォン40aが読み取ると、スマートフォン40aには、Aさんに投票するための携帯端末用ページが表示される。同様に、投票対象としてBさんが表示されている個別サイネージ30aに表示されている二次元コードCbをスマートフォン40aが読み取ると、スマートフォン40aには、Bさんに投票するための携帯端末用ページが表示される。すなわち、各個別サイネージ30aに表示されている二次元コードは、その個別サイネージ30aに表示されている投票対象に投票するための携帯端末用ページのURL情報を有している。ユーザは、投票したい人物が表示されている個別サイネージ30aの二次元コードをスマートフォン40aで読み取る。なお、個別サイネージ30aには、二次元コードに代えて、URL情報を有するICタグが備えられていてもよい。
ユーザがスマートフォン40aの表示部をタップすることによって、スマートフォン40aの入力装置から入力信号が入力される(ステップS101)。そして、スマートフォン40aに対してタップが行われたことを示す操作情報が、スマートフォン40aから情報中継サーバ10に送信される(ステップS102)。操作情報とともに送信される送信先情報には、情報の送信先として、携帯端末用ページに示されている投票対象に対応する個別サイネージ30aと、全体サイネージ30bとを指定する情報が含まれている。
スマートフォン40aから情報を受信すると、情報中継サーバ10の中継処理部12aは、クッキー情報に基づいてスマートフォン40aを識別する(ステップS103)。また、中継処理部12aは、送信先情報と操作情報とに基づき、個別サイネージ30aに送信する中継情報と全体サイネージ30bに送信する中継情報とを整える(ステップS104)。そして、中継情報が、個別サイネージ30aと全体サイネージ30bとにそれぞれ送信される(ステップS105)。ここでは、中継情報は、1台のスマートフォンでタップが行われたことを示す情報であって、個別サイネージ30aと全体サイネージ30bにおける表示内容を指示する情報ではない。全体サイネージ30bに送信される中継情報には、どの投票対象に投票が行われたかを示す情報も含まれている。
個別サイネージ30aは、情報中継サーバ10から中継情報を受信すると、中継情報に基づき、必要に応じてウェブサーバ20から追加データを取得して、設置端末用ページの表示内容を変更するための更新データを生成する(ステップS106)。例えば、更新データは、個別サイネージ30aに表示されているグラフの得票数を1つ増やした画像のデータである。更新データが生成されると、個別サイネージ30aにて、更新データが適用される(ステップS107)。これにより、例えば、設置端末用ページに表示されているグラフの得票数が1つ増える等、個別サイネージ30aの表示内容が変化する。
全体サイネージ30bも、情報中継サーバ10から中継情報を受信すると、中継情報に基づき、必要に応じてウェブサーバ20から追加データを取得して、設置端末用ページの表示内容を変更するための更新データを生成する(ステップS108)。例えば、更新データは、全体サイネージ30bに表示されている投票対象のうち、中継情報によって伝えられた投票対象の得票数を1つ増やした画像のデータである。更新データが生成されると、全体サイネージ30bにて、更新データが適用される(ステップS109)。これにより、例えば、設置端末用ページに表示されている投票対象のうち、中継情報を受信した個別サイネージ30aに表示されている投票対象に対応する投票対象の得票数が1つ増える等、全体サイネージ30bの表示内容が変化する。
スマートフォン40aでは、情報中継サーバ10からの処理結果の通知(ステップS110)を受けて、携帯端末用ページにおける表示内容の変更が行われる(ステップS111)。表示内容の変更に必要なデータは、必要に応じてウェブサーバ20から追加データを取得して、スマートフォン40aが生成する。表示内容が変更された後の携帯端末用ページには、例えば、図12の画面Bに示されるように、イベントの招待券やクーポン等のユーザへの報酬が表示されてもよい。なお、携帯端末用ページにおける表示内容の変更は、個別サイネージ30aや全体サイネージ30bから、得票数を増やす画像の変更がなされたことを示す変更情報が情報中継サーバ10に送信され、その変更情報に基づく中継情報が情報中継サーバ10からスマートフォン40aに送信されることによって行われてもよい。こうした場合には、得票の合計数に応じて、携帯端末用ページに表示される内容が異なってもよい。
以上のように、適用例1では、スマートフォン40aに対してタップが行われることに基づいて、個別サイネージ30aおよび全体サイネージ30bに表示されている特定の投票対象の得票が変化する。なお、例えば、スマートフォン40aに対して連続して行われたタップの回数が多いほど、個別サイネージ30aおよび全体サイネージ30bに表示される得票数が多くなるようにしてもよい。この場合、スマートフォン40aが、連続して行われたタップの回数に応じた操作情報を情報中継サーバ10に送信し、情報中継サーバ10が操作情報に応じた中継情報を個別サイネージ30aおよび全体サイネージ30bに送信する。
なお、適用例1では、第1の実施形態の情報中継システムが適用される例を説明した。これに代えて、第3の実施形態の情報中継システム、すなわち、情報中継サーバ10が端末の表示内容を指示する情報中継システムによっても、スマートフォン40aの操作に基づいて、個別サイネージ30aおよび全体サイネージ30bの表示内容を適用例1と同様に変化させることができる。
<適用例2:デジタルピールオフ広告>
図14および図15を参照して、適用例2について説明する。適用例2では、ピールオフ広告によるクーポンの配布に第2の実施形態の情報中継システムが用いられる。なお、適用例2では、携帯端末40が操作情報を情報中継サーバ10に送信した際に、携帯端末データ13bが構築される。また、設置端末IDは、座標情報と対応付けられておらず、端末の識別にのみ利用される。
図14に示されるように、適用例2の情報中継システムは、設置端末30の一例であるサイネージ30cと、携帯端末40の一例であるスマートフォン40bとを含む。サイネージ30cは、駅等に設置されるデジタルサイネージ等に具体化される。サイネージ30cには、複数のクーポンが表示される。スマートフォン40bは、加速度センサーを備えている。
適用例2では、スマートフォン40bに対して引っ張る操作が行われると、情報中継サーバ10が情報を中継して、サイネージ30cに表示されているクーポンがちぎり取られる。
図15を参照して、適用例2における情報の中継の手順について説明する。
まず、各端末がウェブサーバ20から表示データを取得することにより、各端末にウェブページが表示される(ステップS200)。例えば、サイネージ30cに表示される設置端末用ページには、図14の画面Cに示されるように、ピールオフ広告状に並ぶ複数のクーポンが表示される。各クーポンには、クーポンの内容とクーポンを識別するシリアルコードとが記載されている。スマートフォン40bに表示される携帯端末用ページには、図14の画面Eに示されるように、シリアルコードを入力する欄や操作の指示等が表示される。携帯端末用ページは、例えば、サイネージ30cに表示されているICタグCcが有する情報をスマートフォン40bが読み取ることによって、スマートフォン40bに表示される。なお、サイネージ30cには、ICタグに代えて、URL情報を有する二次元コードが備えられていてもよい。
ユーザは、サイネージ30cに表示されるクーポンのうち、自分が取得したいクーポンのシリアルコードを携帯端末用ページに入力し、スマートフォン40bを振って、クーポンを引っ張るような動作を行う。ユーザの操作に伴い、スマートフォン40bの入力装置から入力信号が入力される(ステップS201)。スマートフォン40bは、スマートフォン40bを振る操作が行われたことと、入力されたシリアルコードとを示す操作情報を、情報中継サーバ10に送信する(ステップS202)。また、スマートフォン40bは、操作情報とともに、そのスマートフォン40bが有する携帯端末IDを情報中継サーバ10に送信する。
スマートフォン40bから情報を受信すると、情報中継サーバ10の中継処理部12aは、携帯端末IDに基づいてスマートフォン40bを識別する(ステップS203)。そして、端末管理部12bが、携帯端末IDと操作情報とに基づいて、携帯端末IDと、スマートフォン40bが振られた回数を示す属性情報とを対応付けて携帯端末データ13bとして登録する(ステップS204)。端末管理部12bは、携帯端末データ13bに基づいて、情報の送信先となる端末を決定する(ステップS205)。具体的には、端末管理部12bは、携帯端末IDと対応付けられているスマートフォン40bが振られた回数が、所定の回数未満である場合、サイネージ30cのみを送信先とする。
中継処理部12aは、操作情報と端末管理部12bが決定した送信先とに基づき、サイネージ30cに送信する中継情報を整え(ステップS206)、中継情報は、サイネージ30cに送信される(ステップS207)。ここで、中継情報は、スマートフォン40bで操作が行われたことを示す情報であって、サイネージ30cにおける表示内容を指示する情報ではない。中継情報には、スマートフォン40bから送信されたシリアルコードに基づく情報として、対象となるクーポンを示す情報も含まれている。
サイネージ30cは、情報中継サーバ10から中継情報を受信すると、中継情報に基づき、必要に応じてウェブサーバ20から追加データを取得して、更新データを生成する(ステップS208)。例えば、更新データは、サイネージ30cに表示されているクーポンのうち、中継情報によって伝えられたクーポンが引っ張られて動く画像のデータである。更新データが生成されると、サイネージ30cにて、更新データが適用される(ステップS209)。これにより、例えば、設置端末用ページに表示されているクーポンが動く等、サイネージ30cの表示内容が変化する。
そして、端末管理部12bによって、携帯端末IDと対応付けられているスマートフォン40bが振られた回数が、所定の回数以上であると判断されるまで、ステップS201〜ステップS209の処理が繰り返される。携帯端末データ13bには、スマートフォン40bが振られた回数が蓄積されて登録される。これにより、ユーザがスマートフォン40bを振るほど、サイネージ30cに表示されているクーポンが動く。
ステップS205にて、スマートフォン40bが振られた回数が所定の回数以上であると判断されると、端末管理部12bは、サイネージ30cとスマートフォン40bとを送信先とする。この場合、ステップS206にて、中継処理部12aは、サイネージ30cに送信する中継情報とスマートフォン40aに送信する中継情報とを整える。ステップS207では、サイネージ30cとスマートフォン40bとの各々に中継情報が送信される。
ステップS208およびステップS209では、中継情報を受信したサイネージ30cが、中継情報に基づいて更新データを生成して、更新データを適用する。ここでは、更新データは、例えば、サイネージ30cに表示されているクーポンがちぎれて消える画像のデータである。これにより、例えば、図14の画面Dに示されるように、設置端末用ページに表示されているクーポンがちぎれてはがされた状態になる等、サイネージ30cの表示内容が変化する。
スマートフォン40bは、情報中継サーバ10から中継情報を受信すると、中継情報に基づき、必要に応じてウェブサーバ20から追加データを取得して、更新データを生成する(ステップS210)。例えば、更新データは、クーポンが所得されたことを示す画像のデータである。更新データが生成されると、スマートフォン40bにて、更新データが適用される(ステップS211)。これにより、例えば、図14の画面Fに示されるように、携帯端末用ページにクーポンの内容が表示される等、スマートフォン40bの表示内容が変化する。
以上のように、適用例2では、スマートフォン40bに対して引っ張る操作が行われることに基づいて、サイネージ30cに表示されている特定のクーポンがちぎり取られる。
なお、情報中継サーバ10が、複数のスマートフォン40bからの情報をサイネージ30cへ中継することにより、複数のユーザが同時にクーポンの取得に参加できるようにしてもよい。また、同一のユーザが複数回クーポンを取得した場合には、取得したクーポンの種類や数によって、その後のクーポンの取得を制限してもよい。この場合、例えば、携帯端末データ13bに、各スマートフォン40bによって取得されたクーポンの数や種類が、携帯端末IDと対応付けられて登録され、取得されたクーポンの数や種類に応じて、スマートフォン40bからサイネージ30cへの情報の中継が制限される。
また、サイネージ30cに表示されるクーポンがすべてなくなった場合に、新しいクーポンがサイネージ30cに表示されるように、サイネージ30cにて更新データが生成されてもよい。
なお、適用例2では、第2の実施形態の情報中継システムが適用される例を説明したが、第1の実施形態第や第3の実施形態の情報中継システムによっても、スマートフォン40bの操作に基づいて、サイネージ30cやスマートフォン40bの表示内容を適用例2と同様に変化させることができる。第1の実施形態のように、携帯端末データ13bが構築されない場合には、サイネージ30cから、クーポンがちぎれてはがされた状態に画像の変更がなされたことを示す変更情報が情報中継サーバ10に送信される。そして、その変更情報に基づく中継情報が情報中継サーバ10からスマートフォン40bに送信されることによって、スマートフォン40bにおける表示内容が変更される。
<適用例3:スポーツバーで応援合戦>
図16および図17を参照して、適用例3について説明する。適用例3では、サッカー等のスポーツの応援合戦に第1の実施形態の情報中継システムが用いられる。
図16に示されるように、適用例3の情報中継システムは、設置端末30の一例である店舗サイネージ30dおよび全体サイネージ30eと、携帯端末40の一例であるスマートフォン40cとを含む。
店舗サイネージ30dと全体サイネージ30eとは、デジタルサイネージ等に具体化され、店舗サイネージ30dは応援合戦に参加するスポーツバーの各店舗に設置され、全体サイネージ30eは街頭に設置される。店舗サイネージ30dには、その店舗でのユーザの応援の盛り上がりの程度を示す応援レベルが表示され、全体サイネージ30eには、すべての店舗について、各店舗でのユーザの応援の盛り上がりの程度を示す応援レベルが表示される。スマートフォン40cは、加速度センサーと音声の出力装置を備えている。
適用例3では、スマートフォン40cがシェイクされると、情報中継サーバ10が情報を中継して、店舗サイネージ30dおよび全体サイネージ30eに表示されている応援レベルが変化する。
図17を参照して、適用例3における情報の中継の手順について説明する。
まず、各端末がウェブサーバ20から表示データを取得することにより、各端末にウェブページが表示される(ステップS300)。例えば、店舗サイネージ30dに表示される設置端末用ページには、応援レベルを示すメーター等が表示される。全体サイネージ30eに表示される設置端末用ページには、地図上に各店舗の位置や各店舗の応援レベルを示すメーターが表示される。
スマートフォン40cに表示される携帯端末用ページには、例えば、図16の画面Gに示されるように、操作の指示やブブゼラの画像等が表示される。携帯端末用ページは、例えば、店舗サイネージ30dに表示されているICタグや二次元コードをスマートフォン40cが読み取ることによって、スマートフォン40cに表示される。
スポーツバーで放映されている試合の状況に応じて、ユーザがスマートフォン40cをシェイクすることによって、スマートフォン40cの入力装置から入力信号が入力される(ステップS301)。そして、スマートフォン40cがシェイクされたことを示す操作情報が、スマートフォン40cから情報中継サーバ10に送信される(ステップS302)。操作情報とともに送信される送信先情報には、情報の送信先として、スマートフォン40cが読み取ったICタグや二次元コードを備えている店舗サイネージ30dと、全体サイネージ30eとを指定する情報が含まれている。
スマートフォン40cでは、操作情報が送信されることに基づいて、図16の画面Hに示されるように、ウェブブラウザが機能してブブゼラの音が出力される(ステップS303)。
スマートフォン40cから情報を受信すると、情報中継サーバ10の中継処理部12aは、クッキー情報に基づいてスマートフォン40cを識別する(ステップS304)。また、中継処理部12aは、送信先情報と操作情報とに基づき、店舗サイネージ30dに送信する中継情報と全体サイネージ30eに送信する中継情報とを生成する(ステップS305)。例えば、中継処理部12aは、一定時間内に、同一の店舗サイネージ30dを送信先として操作情報を送信したスマートフォン40cの数を集計して、その数を示す情報を中継情報とする。全体サイネージ30eに送信される中継情報には、どの店舗で応援が行われたかを示す情報も含まれている。中継情報は、店舗サイネージ30dと全体サイネージ30eとにそれぞれ送信される(ステップS306)。
店舗サイネージ30dは、情報中継サーバ10から中継情報を受信すると、中継情報に基づき、必要に応じてウェブサーバ20から追加データを取得して、更新データを生成する(ステップS307)。例えば、更新データは、同時にシェイクされたスマートフォン40cの数に応じて、店舗サイネージ30dに表示されている応援のレベルを増減した画像のデータである。更新データが生成されると、店舗サイネージ30dにて、更新データが適用される(ステップS308)。これにより、例えば、設置端末用ページに表示されている応援レベルが上がる等、店舗サイネージ30dの表示内容が変化する。
全体サイネージ30eも、情報中継サーバ10から中継情報を受信すると、中継情報に基づき、必要に応じてウェブサーバ20から追加データを取得して、更新データを生成する(ステップS309)。例えば、更新データは、全体サイネージ30eに表示されている店舗のうち、中継情報によって伝えられた店舗の応援のレベルを増減した画像のデータである。更新データが生成されると、全体サイネージ30eにて、更新データが適用される(ステップS310)。これにより、例えば、設置端末用ページに表示されている店舗のうち、中継情報を受信した店舗サイネージ30dがある店舗の応援レベルが上がる等、全体サイネージ30eの表示内容が変化する。
以上のように、適用例3では、スマートフォン40cがシェイクされることに基づいて、店舗サイネージ30dおよび全体サイネージ30eに表示されている応援レベルが変化する。また、スマートフォン40cがシェイクされることに基づいて、スマートフォン40cから音声が出力される。
なお、全体サイネージ30eにおける表示内容の変更は、店舗サイネージ30dから、応援レベルが上がる画像の変更がなされたことを示す変更情報が情報中継サーバ10に送信され、その変更情報に基づく中継情報が情報中継サーバ10から全体サイネージ30eに送信されることによっても実現できる。
なお、適用例3では、第1の実施形態の情報中継システムが適用される例を説明した。これに代えて、第3の実施形態の情報中継システム、すなわち、情報中継サーバ10が端末の表示内容を指示する情報中継システムによっても、スマートフォン40cの操作に基づいて、店舗サイネージ30dおよび全体サイネージ30eの表示内容を適用例3と同様に変化させることができる。
<適用例4:釣りゲーム>
図18〜図20を参照して、適用例4について説明する。適用例4では、魚を釣るゲームに第2の実施形態の情報中継システムが用いられる。
図18に示されるように、適用例4の情報中継システムは、設置端末30の一例である複数のサイネージ30fと、携帯端末40の一例であるスマートフォン40dとを含む。
サイネージ30fは、街頭に設置されたデジタルサイネージ等に具体化され、複数のサイネージ30fには、複数のサイネージ30fの表示部が繋がっているように、池と魚が表示される。情報中継サーバ10が備える設置端末データ13aにて、現実の設置場所が隣接しているサイネージ30fの設置端末IDには、隣接する座標情報が対応付けられている。スマートフォン40aは、加速度センサーを備えている。
適用例4では、スマートフォン40aが釣竿のように動かされると、情報中継サーバ10が情報を中継して、サイネージ30fに表示されている魚が釣られる。
図19および図20を参照して、適用例4における情報の中継の手順について説明する。
図19に示されるように、各端末がウェブサーバ20から表示データを取得することにより、各端末にウェブページが表示される(ステップS400)。例えば、サイネージ30fに表示される設置端末用ページには、池の中を泳ぐ魚が表示される。そして、各サイネージ30fに表示される池は、隣接するサイネージ30fに表示される池につながっているように表示される。すなわち、複数のサイネージ30fに表示される設置端末用ページによって1つの池が構成される。
スマートフォン40dに表示される携帯端末用ページには、例えば、図18の画面Iに示されるように、釣竿や操作の指示等が表示される。携帯端末用ページは、例えば、サイネージ30fに表示されているICタグや二次元コードをスマートフォン40dが読み取ることによって、スマートフォン40dに表示される。
まず、複数のサイネージ30fの協調動作について説明する。ここでは、例として、サイネージ30fAとサイネージ30fBとの隣接する2つのサイネージ30fの間で協調動作が行われる場合について説明する。
サイネージ30fAにて、表示されている魚が動き、サイネージ30fB側の端に到達すると、サイネージ30fAから、魚が端に到達した画像に表示内容が変更されたことを示す変更情報が情報中継サーバ10に送信される(ステップS401)。また、サイネージ30fAは、変更情報とともに、サイネージ30fAが有する設置端末IDを情報中継サーバ10に送信する。
サイネージ30fAから情報を受信すると、情報中継サーバ10の中継処理部12aは、設置端末IDに基づいてサイネージ30fAを識別する(ステップS402)。そして、端末管理部12bが、設置端末IDと変更情報と設置端末データ13aとに基づいて、情報の送信先となる端末を決定する(ステップS403)。具体的には、端末管理部12bは、設置端末データ13aにて、サイネージ30fAの設置端末IDと対応付けられている座標情報とXY平面上にて隣接する位置の座標情報に対応付けられている設置端末IDに対応するサイネージ30fBを送信先とする。
中継処理部12aは、変更情報と端末管理部12bが決定した送信先とに基づき、サイネージ30fBに送信する中継情報を整え(ステップS404)、中継情報は、サイネージ30fBに送信される(ステップS405)。サイネージ30fBは、情報中継サーバ10から中継情報を受信すると、中継情報に基づいて、更新データを生成する(ステップS406)。例えば、更新データは、サイネージ30fA側の端から魚が動き出す画像のデータである。更新データが生成されると、サイネージ30fBにて、更新データが適用される(ステップS407)。これにより、サイネージ30fAの表示部とサイネージ30fBの表示部が繋がっているように、各サイネージ30fの設置端末用ページに表示されている魚が移動する。
こうした処理が複数のサイネージ30fと情報中継サーバ10との間で繰り返されることによって、複数のサイネージ30fが協調動作し、複数のサイネージ30fに表示される池の中で魚が移動する。
次に、スマートフォン40dからの情報が中継される手順について説明する。
ユーザがスマートフォン40dをシェイクすることによって、スマートフォン40dの入力装置から入力信号が入力される(ステップS408)。そして、スマートフォン40dがシェイクされたことを示す操作情報が、携帯端末IDとともに、スマートフォン40dから情報中継サーバ10に送信される(ステップS409)。
図20に示されるように、スマートフォン40dから情報を受信すると、情報中継サーバ10の中継処理部12aは、携帯端末IDに基づいてスマートフォン40dを識別する(ステップS410)。そして、端末管理部12bが、携帯端末IDと操作情報と設置端末データ13aとに基づいて、情報の送信先となる端末を決定する(ステップS411)。端末管理部12bは、例えば、魚釣りに参加しているスマートフォン40dの数等に応じて、情報の送信先となるサイネージ30fを割り振る。情報の送信元の端末と情報の送信先の端末との組み合わせは、記憶部13に記憶される。ここでは、送信先がサイネージ30fAとされた場合について説明する。
中継処理部12aは、操作情報と端末管理部12bが決定した送信先とに基づき、サイネージ30fAに送信する中継情報を整え(ステップS412)、中継情報は、サイネージ30fAに送信される(ステップS413)。サイネージ30fAは、情報中継サーバ10から中継情報を受信すると、中継情報に基づいて、更新データを生成する(ステップS414)。例えば、更新データは、サイネージ30fAに表示されている池に、釣竿が入れられる画像のデータである。更新データが生成されると、サイネージ30fAにて、更新データが適用される(ステップS415)。これにより、例えば、図18の画面Mに示されるように、設置端末用ページに釣竿が表示される等、サイネージ30fAの表示内容が変化する。
表示内容が変化すると、サイネージ30fAから、表示内容が変更されたことを示す変更情報が設置端末IDとともに情報中継サーバ10に送信される(ステップS416)。
サイネージ30fAから情報を受信すると、情報中継サーバ10の中継処理部12aは、設置端末IDに基づいてサイネージ30fAを識別する(ステップS417)。そして、端末管理部12bが、設置端末IDと変更情報と記憶部13に記憶されたデータとに基づいて、情報の送信先となる端末を決定する(ステップS418)。情報の送信先は、記憶部13に記憶されている情報の送信元の端末と情報の送信先の端末との組み合わせに基づいて、情報中継サーバ10を介してサイネージ30fAに情報を送ったスマートフォン40dとされる。
中継処理部12aは、変更情報と端末管理部12bが決定した送信先とに基づき、スマートフォン40dに送信する中継情報を整え(ステップS419)、中継情報は、スマートフォン40dに送信される(ステップS420)。スマートフォン40dは、情報中継サーバ10から中継情報を受信すると、中継情報に基づいて、更新データを生成する(ステップS421)。例えば、更新データは、池に釣竿が入ったことを示す画像のデータである。更新データが生成されると、スマートフォン40dにて、更新データが適用される(ステップS422)。これにより、例えば、図18の画面Jに示されるように、携帯端末用ページに池に入った釣竿が表示される等、スマートフォン40dの表示内容が変化する。
以後、ステップS408〜ステップS422の処理が繰り返され、情報中継サーバ10がスマートフォン40dとサイネージ30fAとの間で情報を中継することにより、魚釣りゲームが進められる。例えば、スマートフォン40aが傾けられると、サイネージ30fAに表示されている釣竿が動く。また、図18の画面Nに示されるように、サイネージ30fAにて、釣竿が魚にあたって魚が釣竿に食いつくと、図18の画面Kに示されるように、スマートフォン40dに、魚が食いついたことを示す画像が表示される。また、魚が食いついたことを示す画像が表示されているときに、スマートフォン40aがシェイクされると、図18の画面Oに示されるように、サイネージ30fAに表示されている魚が釣り上げられる。サイネージ30fAにて魚が釣り上げられると、図18の画面Lに示されるように、スマートフォン40dに、釣り上げた魚の情報が表示される。
なお、例えば、釣竿に食いついている魚がサイネージ30fAの端に到達した場合、ステップS401〜ステップS407の処理と同様に、情報中継サーバ10がサイネージ30fAとサイネージ30fBとの間で情報を中継することによって、釣竿と魚の表示がサイネージ30fAからサイネージ30fBへ移動する。これに伴い、情報中継サーバ10は、スマートフォン40dからの情報の送信先をサイネージ30fAからサイネージ30fBに切り替える。そして以後は、情報中継サーバ10がスマートフォン40dとサイネージ30fBとの間で情報を中継することによって、サイネージ30fを移動しながらゲームが続けられる。
また、情報中継サーバ10が、複数のスマートフォン40dからの情報をサイネージ30fへ中継することにより、複数のユーザが同時にゲームに参加できる。また、各スマートフォン40dの携帯端末IDと、各スマートフォン40dによって釣られた魚の情報とが対応付けられて携帯端末データ13bに登録され、例えば、釣った魚の大きさ順にランキングが表示されてもよい。
以上のように、適用例4では、スマートフォン40dが操作されることに基づいて、複数のサイネージ30fおよびスマートフォン40dの表示内容が変化して、釣りゲームが行われる。
なお、適用例4では、第2の実施形態の情報中継システムが適用される例を説明した。これに代えて、第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせた情報中継システム、すなわち、情報中継サーバ10が端末の表示内容を指示する情報中継システムによっても、スマートフォン40dの操作に基づいて、サイネージ30fおよびスマートフォン40dの表示内容を適用例4と同様に変化させることができる。
<適用例5:花火大会>
図21〜図24を参照して、適用例5について説明する。適用例5では、花火の打ち上げに第2の実施形態と第3の実施形態とが組み合わされた情報中継システムが用いられる。適用例5では、情報中継サーバ10が、SNS等の会員制のウェブサイトである会員制サイトを提供する会員制サイトサーバ50と連携する。
図21に示されるように、適用例5の情報中継システムは、設置端末30の一例であるサイネージ30gと、携帯端末40の一例であるスマートフォン40eとを含む。
サイネージ30gは、街頭に設置されたデジタルサイネージ等に具体化され、花火と、ユーザが会員制サイトで使用しているユーザ名や自己紹介のためのプロフィール画像等とが表示される。スマートフォン40eは、タッチパネルを備えている。
適用例5では、スマートフォン40eの所定の箇所がタップされると、情報中継サーバ10が情報を中継して、サイネージ30gに表示されている花火の打ち上げの状態が変化する。
図22〜図24を参照して、適用例5における情報の中継の手順について説明する。
図22に示されるように、各端末がウェブサーバ20から表示データを取得することにより、各端末にウェブページが表示される(ステップS500)。例えば、サイネージ30gに表示される設置端末用ページには、花火が打ち上げられる位置を示す画像が表示される。
スマートフォン40eに表示される携帯端末用ページには、例えば、会員制サイトの認証情報を含む会員情報の入力欄や、情報中継サーバ10がユーザに代わって会員制サイトサーバ50にアクセスすることについての許可を求める表示が表示される。ユーザは、携帯端末用ページの指示に従って、情報中継サーバ10が会員制サイトサーバ50にアクセスすることの許可や会員情報の入力を行う。ユーザによって入力された情報は、スマートフォン40eから情報中継サーバ10へ携帯端末IDとともに送信される(ステップS501)。
スマートフォン40eから情報を受信すると、情報中継サーバ10の中継処理部12aは、携帯端末IDに基づいてスマートフォン40eを識別する(ステップS502)。そして、端末管理部12bが、携帯端末IDと会員情報とを対応付けて携帯端末データ13bとして登録する(ステップS503)。
情報中継サーバ10は、携帯端末IDと対応付けられた会員情報を会員制サイトサーバ50へ送信して、会員制サイトサーバ50に会員情報に対応するユーザ名とプロフィール画像のデータとを要求する(ステップS504)。要求を受けた会員制サイトサーバ50は、情報中継サーバ10から受信した会員情報に対して認証を行って、会員情報に対応するユーザ名とプロフィール画像のデータとを情報中継サーバ10に送信する(ステップS505)。
図23に示されるように、会員制サイトサーバ50からデータを受信すると、情報中継サーバ10の指示情報生成部12cは、指示情報を生成する(ステップS506)。指示情報は、会員制サイトサーバ50から受信したユーザ名とプロフィール画像のデータとを含み、設置端末用ページの所定の箇所にユーザ名とプロフィール画像とを表示させることを指示する情報である。なお、情報中継サーバ10は、携帯端末IDと、携帯端末IDに対応付けられている会員情報に対応するユーザ名およびプロフィール画像を表示させる花火の打ち上げ位置とを対応付けて、記憶部13に記憶する。
指示情報が生成されると、情報中継サーバ10は、指示情報と情報の送信先となるサイネージ30gを示す情報とをウェブサーバ20に送信する(ステップS507)。情報中継サーバ10から情報を受信すると、ウェブサーバ20のデータ変換部22bは、指示情報に基づいて、更新データを生成する(ステップS508)。更新データが生成されると、ウェブサーバ20は、サイネージ30gに更新データを送信する(ステップS509)。
ウェブサーバ20から更新データを受信すると、サイネージ30gは、設置端末用ページに更新データを適用する(ステップS510)。これにより、設置端末用ページの花火が打ち上げられる位置にユーザ名とプロフィール画像とが表示される。
会員情報が送信されると、スマートフォン40eはウェブサーバ20から新たな表示データを取得し、携帯端末用ページには、花火の種類や色を選択する選択欄や花火の打ち上げについての操作の指示等が表示される。ユーザが花火の種類や色を選択し、スマートフォン40eの表示部をタップすることによって、スマートフォン40eの入力装置から入力信号が入力される(ステップS511)。そして、スマートフォン40eに対してタップが行われたことと、入力された花火の種類や色とを示す操作情報が、携帯端末IDとともに、スマートフォン40eから情報中継サーバ10に送信される(ステップS512)。
図24に示されるように、スマートフォン40eから情報を受信すると、情報中継サーバ10の中継処理部12aは、携帯端末IDに基づいてスマートフォン40eを識別する(ステップS513)。そして、端末管理部12bが、操作情報を受信したことに基づき、サイネージ30gを情報の送信先とする(ステップS514)。さらに、指示情報生成部12cは、携帯端末IDや操作情報や端末管理部12bが決定した送信先等に基づき、指示情報を生成する(ステップS515)。指示情報は、設置端末用ページにて、携帯端末IDに対応付けられている会員情報に対応するユーザ名およびプロフィール画像が表示されている位置から、操作情報によって示される種類や色の花火が打ち上げられる画像を表示させることを指示する情報である。
指示情報が生成されると、情報中継サーバ10は、指示情報と情報の送信先となるサイネージ30gを示す情報とをウェブサーバ20に送信する(ステップS516)。
情報中継サーバ10から情報を受信すると、データ変換部22bが、指示情報に基づいて、更新データを生成し(ステップS517)、更新データが、サイネージ30gに送信される(ステップS518)。ウェブサーバ20から更新データを受信すると、サイネージ30gは、設置端末用ページに更新データを適用する(ステップS519)。これにより、設置端末用ページには、ユーザ名とプロフィール画像とが表示された位置から、ユーザが指定した種類や色の花火が打ち上げられる画像が表示される。
なお、ステップS511〜ステップS519の処理が繰り返されることによって、スマートフォン40eがタップされるたびに、サイネージ30gにて花火が高く打ち上げられるように表示内容が変更されてもよい。また、情報中継サーバ10が、複数のスマートフォン40eからの情報をサイネージ30gへ中継することにより、複数のユーザが同時に花火大会に参加できる。また、複数のサイネージ30gが用意され、情報中継サーバ10によって複数のサイネージ30gの間で情報が中継されたり、情報中継サーバ10が複数のサイネージ30gへ送信する情報を制御したりすることによって、複数のサイネージ30gにて連携して花火が打ち上げられる画像が表示されてもよい。
また、サイネージ30gに表示された花火の画像のデータが、情報中継サーバ10から会員情報とともに会員制サイトサーバ50に送られて、例えば会員制サイトが有するユーザごとのページに花火の画像が投稿されてもよい。
以上のように、適用例5では、情報中継サーバ10が会員制サイトサーバ50と連携し、スマートフォン40eが操作されることに基づいて、サイネージ30gに花火が打ち上げられる画像が表示される。
<他の適用例>
情報中継サーバ、情報中継システム、および、情報中継方法は、以下の情報伝達の形態に適用してもよい。
・[火の輪くぐりゲーム]スタート位置が表示される設置端末30と、火の輪が表示される設置端末30と、ゴール地点が表示される設置端末30とが用意される。携帯端末40には、猛獣が表示される。猛獣は、例えば、ユーザが育成ゲーム等によって育てている動物でもよい。携帯端末40から設置端末30へ、情報中継サーバ10が情報を中継することによって、猛獣が設置端末30に表示される。そして、各設置端末30の間、および、各設置端末30と携帯端末40との間で、情報中継サーバ10が情報を中継することにより、携帯端末40の操作に基づいて、猛獣が3つの設置端末30の表示部に順に表示され、スタート位置から、火の輪をくぐり、ゴール地点まで動く。
・[課題達成ゲーム]参加申請をした複数の携帯端末40の各々には、課題が表示される。ユーザが課題を達成すると、携帯端末40から設置端末30へ、情報中継サーバ10が情報を中継して、設置端末30に表示される課題の達成度が変化する。複数の携帯端末40にて課題が達成され、課題の達成度が所定の条件を満たすと、設置端末30から携帯端末40へ、情報中継サーバ10が情報を中継して、報酬が携帯端末40に表示される。
・[テレビ会議]設置端末30は、例えば、互いに異なる国に設置されて、テレビ会議等に用いられる。携帯端末40はカメラを備えている。携帯端末40から設置端末30へ情報中継サーバ10が情報を中継することによって、設置端末30に、携帯端末40のカメラで撮られたユーザの顔が、参加者のすべてについて表示される。また、例えば会議の内容等が集約された情報が設置端末30に表示される。
・[注文システム]飲食店等において、席ごとに異なる携帯端末用ページが用意され、ユーザは携帯端末40に表示させた携帯端末用ページに注文を入力する。設置端末30は、飲食店のスタッフが確認可能な位置に設置される。携帯端末40から設置端末30へ、情報中継サーバ10が情報を中継することによって、設置端末30には、注文の内容と注文が行われた席とが表示される。