JP2015018109A - 光変調装置および光変調器の駆動方法 - Google Patents

光変調装置および光変調器の駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】関連する光変調器では、デコイ方式の量子鍵配送装置において必要とされる光パルスを精度よく生成することが困難である。【解決手段】本発明の光変調装置は、連続する光パルスを入力する光変調器と、光変調器を駆動するための信号を生成し光変調器に印加する駆動回路、を有し、駆動回路は、連続する光パルスの繰り返し周期と等しい時間間隔である繰り返し周期期間のうち、光パルスが光変調器を通過する時間帯である光パルス通過時間帯に、光パルスを変調する変調信号を印加し、繰り返し周期期間のうち、光パルス通過時間帯以外の期間の少なくとも一部の時間帯に、変調信号を反転した反転信号を印加する。【選択図】 図3

Description

本発明は、光変調装置および光変調器の駆動方法に関し、特に、量子鍵配送装置に用いられる光変調装置および光変調器の駆動方法に関する。
近年、盗聴行為に対する絶対安全性を持つ暗号化通信を実現する方法として、量子鍵配送(Quantum Key Distribution:QKD)方式が活発に研究され、実用化に向けた開発が進んでいる(非特許文献1参照)。
非特許文献1において提案された方式では、量子鍵配送(QKD)の光源として単一光子光源を用いることとしているが、現状では単一光子光源は開発段階にあり、実用的なレベルには達していない。そのため単一光子光源の代替として、通常のレーザー光源の出力パワーを極度に弱めることによって擬似的な単一光子光源として用いる方式が主流となっている。
この場合、理想的な単一光子光源とは異なり1パルス中に一定の確率で2つ以上の光子が発生する。そのため、光子数分割攻撃(Photon Number Splitting Attack:PNS攻撃)と呼ばれる盗聴攻撃が可能となり、量子鍵配送(QKD)の安全性が大きく損なわれることが指摘されている(非特許文献2参照)。
このようなPNS攻撃を回避する手段としてデコイ方式が提案されている(非特許文献3参照)。ここで、デコイ(decoy)とは囮(おとり)の意味である。デコイ方式によれば、量子鍵配送(QKD)に用いる光パルスの強度を適宜変化させることにより、PNS攻撃の有無を検知することが可能である。そのため、実用的な量子鍵配送(QKD)の開発においては、デコイ方式を採用することが必須であると考えられている。
デコイ方式では3種類の光強度を用いるのが一般的である。ここで、1パルス中に含まれる平均光子数をそれぞれs、d、zで表すこととする。平均光子数がsである光パルスを信号(signal)光として用い、これから得られた情報を量子暗号鍵として利用する。50km伝送の典型的なQKDシステムにおいては、s=0.5程度である。一方、平均光子数がdおよびzである光パルスは、盗聴を検知するための囮(おとり、decoy)パルスとして用いられる。典型的にはd=0.2程度、z=0である。以下の説明では、「平均光子数がs(d,z)である光パルス」を簡単のためS(D,Z)と表す。デコイ方式を用いたQKDシステムにおいては、送信パルスのほとんどをSとし、送信パルスの一部にDまたはZを混入させて盗聴を検知することとしている。典型的には送信パルスのうち、Sが90%、Dが6%、Zが4%程度である(非特許文献4参照)。
一方、一般に高速電子回路では3値信号を扱うことは簡単ではないため、主として2値信号のみを扱う。このため3種類の光強度を生成するためには2系統の2値信号が必要となる。それによって生成された4つの状態の内の3状態を利用してデコイ状態の3種類を生成することができる。2系統の信号を用いるため、デコイ方式の実装には2台の強度変調器または1台の二電極型変調器を用いるのが一般的である。
C. H. Bennett and G. Brassard, "Quantum Cryptography: Public key distribution and coin tossing", in Proceedings of the IEEE International Conference on Computers, Systems, and Signal Processing, Bangalore, India, p. 175 (1984) N. Lutkenhaus, "Security against individual attacks for realistic quantum key distribution," Physical Review A, vol. 61, p. 052304 (2000) W. Y. Hwang, "Quantum key distribution with high loss: toward global secure communication," Physical Review Letters, Vol. 91, p. 057901 (2003) M. Hayashi, "Upper bounds of eavesdropper's performances in finite-length code with the decoy method," Physical Review A, Vol.76, p. 012329 (2007)
まず、上述したデコイ状態を生成するための具体的な変調方法について説明する。2台の強度変調器を用いるよりも1台の二電極型変調器を用いる方がサイズやコストなどの点で有利である。そのため、以下では図5に示すような関連する二電極型変調器300を用いる場合について説明する。二電極型変調器300は入力光パルス401を入力し、入力光パルス401に対し位相変調φ1、φ2を施して出力する。ここで、φ1、φ2はそれぞれ二電極型変調器300の2つの電極による位相変調の大きさ(位相変調量)を示す。なお、二電極型変調器300の構成から明らかなように、2つの位相変調器を並列に接続した場合であっても、同様の方法によりデコイ状態を生成することが可能である。
一般的に用いられる関連する光パルスの変調方法について、図6を用いて説明する。位相変調量φ1、φ2をともに0°とした場合、入力光パルス401は変調を受けずに二電極型変調器300を通過する。この状態の光パルスを信号光パルスS402として用いる。また、位相変調量φ1を0°としたままで、φ2を180°とすることによって消光した状態を、第2のおとり光パルスZ404として用いる。さらに、位相変調量φ2を0°とした状態でφ1の位相変調量θを調整することにより任意の強度の光パルスを生成し、第1のおとり光パルスD403として用いる。このとき、φ1=θ、φ2=180°となる状態も生成可能であるが、この状態の光強度は第1のおとり光パルスD403を生成する際に必要とされる位相変調量θによって既に決まってしまっている。そのため、任意の強度とすることができないので、この状態の光パルスは使用していない。
以上述べたように、2系統の2値信号から生成可能な4つの状態の中から3つの状態を選択することにより、デコイ法に必要な3種類の強度の光パルスを得ることができる。
上述したように、典型的なQKDシステムでは信号光として用いられるS(平均光子数がsである光パルス)が90%を占める。そのため、関連する光パルスの変調方法を用いると、φ1とφ2がともに0°である状態が90%となる。しかし、一般の電子回路は2値信号(0,1)のうち「1」となる割合(マーク率)が50%であることを想定して設計されている。そのため、マーク率が50%から大きく外れると電子回路の出力波形が歪み、または最大出力振幅が減少するなどの問題が生じる。これにより、正しく変調を行うことが困難となり、デコイ方式を実装する際の安全性が確保できなくなるという問題があった。
また、通常の運用時にはS、D、Zの3種類の光強度の光パルスを用いるが、所望の光強度となるように変調器の駆動信号を調整する際には、全ての光パルスをS(またはD、Z)とする必要がある。これは、通常の運用時における光パルス列の中から光強度がS(D,Z)である光パルスのみを選択的に測定することは困難なためである。しかしながら、全ての光パルスをS(D,Z)とすると、位相変調量をφ1またはφ2とする駆動信号のマーク率が100%または0%となり、駆動信号は直流となってしまう。一方、高速電子回路や光変調器においては一般に、AC(alternating current)結合することにより直流成分を除去する構成を採用している。そのため、光変調器の光強度を正しく調整することが困難であるという問題があった。
このように、関連する光変調器では、デコイ方式の量子鍵配送装置において必要とされる光パルスを精度よく生成することが困難である、という問題があった。
本発明の目的は、上述した課題である、関連する光変調器では、デコイ方式の量子鍵配送装置において必要とされる光パルスを精度よく生成することが困難である、という課題を解決する光変調装置および光変調器の駆動方法を提供することにある。
本発明の光変調装置は、連続する光パルスを入力する光変調器と、光変調器を駆動するための信号を生成し光変調器に印加する駆動回路、を有し、駆動回路は、連続する光パルスの繰り返し周期と等しい時間間隔である繰り返し周期期間のうち、光パルスが光変調器を通過する時間帯である光パルス通過時間帯に、光パルスを変調する変調信号を印加し、繰り返し周期期間のうち、光パルス通過時間帯以外の期間の少なくとも一部の時間帯に、変調信号を反転した反転信号を印加する。
本発明の光変調器の駆動方法は、連続する光パルスを入力する光変調器に対して、連続する光パルスの繰り返し周期と等しい時間間隔である繰り返し周期期間のうち、光パルスが光変調器を通過する時間帯である光パルス通過時間帯に、光パルスを変調する変調信号を印加し、繰り返し周期期間のうち、光パルス通過時間帯以外の期間の少なくとも一部の時間帯に、変調信号を反転した反転信号を印加する。
本発明の光変調装置および光変調器の駆動方法によれば、デコイ方式の量子鍵配送装置において必要とされる光パルスを精度よく生成することができる。
本発明の第1の実施形態に係る光変調装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る光変調装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る光変調装置の動作を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る光変調装置の別の動作を説明するための図である。 関連する二電極型変調器の構成を示すブロック図である。 関連する光パルスの変調方法について説明するための図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光変調装置100の構成を示すブロック図である。光変調装置100は、連続する光パルスである入力光パルス101を入力する光変調器110と、光変調器110を駆動するための信号を生成し光変調器110に印加する駆動回路120を有する。
駆動回路120は、連続する光パルスの繰り返し周期と等しい時間間隔である繰り返し周期期間のうち、光パルスが光変調器110を通過する時間帯である光パルス通過時間帯に、光パルスを変調する変調信号を印加する。また駆動回路120は、繰り返し周期期間のうち、光パルス通過時間帯以外の期間の少なくとも一部の時間帯に、変調信号を反転した反転信号を印加する。
このような構成とすることにより本実施形態の光変調装置100によれば、光パルスの繰り返し周期Tと等しい時間間隔である繰り返し周期期間内に、変調信号とその反転信号の2値の駆動信号が含まれることになる。そのため、駆動回路120が生成する光変調器110の駆動信号のマーク率を50%とすることができる。
具体的には例えば、入力光パルス101を構成する各光パルスの時間幅を、繰り返し周期期間の半分以下とする。このとき、上述した変調信号が印加される時間帯が、繰り返し周期期間の半分の期間である第1の期間に含まれように構成する。そして、反転信号が印加されている時間帯が、繰り返し周期期間のうち第1の期間の残りの期間である第2の期間に含まれ、第1の期間には、光パルス通過時間帯が含まれるように構成する。これにより、駆動信号のマーク率を50%とすることができる。
上述したように、本実施形態の光変調装置100を2台用いることにより、デコイ法による量子鍵配送装置に必要な3種類の強度の光パルスを生成することができる。このとき、光変調装置100では駆動信号のマーク率は50%であるので、駆動回路120の出力波形の歪み、または最大出力振幅の減少等が生じることはない。また、すべての光パルスを同一の光強度に変調して用いる場合であっても、駆動信号のマーク率は50%に保たれる。そのため、AC結合が可能であり、光変調器の光強度を正しく調整することが可能となる。
このように、本実施形態の光変調装置100によれば、デコイ方式の量子鍵配送装置において必要とされる光パルスを精度よく生成することができる。なお、光変調装置100は、デコイ方式を用いた量子鍵配送装置であれば、タイムビン(Time−bin)コーディングや偏光コーディングなどを採用した量子鍵配送装置においても用いることができる。
次に、本実施形態による光変調器の駆動方法について説明する。本実施形態の光変調器の駆動方法では、まず、連続する光パルスを入力する光変調器に対して、連続する光パルスの繰り返し周期と等しい時間間隔である繰り返し周期期間のうち、光パルスが光変調器を通過する時間帯である光パルス通過時間帯に、光パルスを変調する変調信号を印加する。一方、上述の繰り返し周期期間のうち、光パルス通過時間帯以外の期間の少なくとも一部の時間帯に、変調信号を反転した反転信号を印加する。
具体的には例えば、光パルスの時間幅を、繰り返し周期期間の半分以下とする。このとき、変調信号が印加される時間帯が、繰り返し周期期間の半分の期間である第1の期間に含まれるように構成する。そして、反転信号が印加されている時間帯が、繰り返し周期期間のうち第1の期間の残りの期間である第2の期間に含まれ、第1の期間には、光パルス通過時間帯が含まれるように構成することができる。
本実施形態の光変調器の駆動方法によれば、繰り返し周期期間内に、変調信号とその反転信号の2値の信号を含む駆動信号を生成することができる。そのため、駆動信号のマーク率を50%とすることができ、デコイ方式の量子鍵配送装置において必要とされる光パルスを精度よく生成することが可能となる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2は、本発明の第2の実施形態に係る光変調装置200の構成を示すブロック図である。本実施形態による光変調装置200は第1の実施形態に係る光変調装置100と同様に、連続する光パルスである入力光パルス101を入力する光変調器210と、光変調器210を駆動するための信号を生成し光変調器210に印加する駆動回路220を有する。
本実施形態では、光変調器210を二電極型変調器の構成とした。すなわち、光変調器210は、連続する光パルスを分岐した第1の光パルスを入力する第1の光変調器211と、光変調器210を構成し、連続する光パルスを分岐した第2の光パルスを入力する第2の光変調器212とを備える。
駆動回路220は、第1の光パルスが第1の光変調器211を通過し、第2の光パルスが第2の光変調器212を通過する時間帯である光パルス通過時間帯に、第1の光パルスを変調する第1の変調信号を第1の光変調器211に印加する。このとき、第2の光変調器212には第2の光パルスを変調する第2の変調信号を印加する。ここで、光パルス通過時間帯は、連続する光パルスの繰り返し周期Tと等しい時間間隔である繰り返し周期期間に含まれる。
そして、駆動回路220は上述した繰り返し周期期間のうち光パルス通過時間帯以外の期間の少なくとも一部の時間帯に、第1の変調信号を反転した第1の反転信号を第1の光変調器211に印加する。このとき、第2の光変調器212には第2の変調信号を反転した第2の反転信号を印加する。
このような構成とすることにより本実施形態の光変調装置200によれば、繰り返し周期期間内に、第1の変調信号と第1の反転信号、および第2の変調信号と第2の反転信号という2値の駆動信号がそれぞれ含まれることになる。そのため、駆動回路220が生成する第1の光変調器211および第2の光変調器212に対する駆動信号のマーク率をそれぞれ50%とすることができる。
ここで、本実施形態の光変調装置200は二電極型変調器の構成である。これより、駆動回路220を以下の構成とすることによって、光変調装置200がデコイ法による量子鍵配送装置に必要な3種類の強度の光パルスを生成することが可能となる。
すなわち、駆動回路220は、光パルス通過時間帯であって第1の光パルス通過時間帯において、第1の光変調器211の出力信号と第2の光変調器212の出力信号の和である出力光パルスの強度が、入力光パルス101の強度と略等しくなるように第1の光変調器211と第2の光変調器212をそれぞれ駆動する。そして、光パルス通過時間帯であって第2の光パルス通過時間帯において、出力光パルスの強度が、入力光パルス101の強度よりも小さくかつゼロとならないように第1の光変調器211と第2の光変調器212をそれぞれ駆動する。さらに、光パルス通過時間帯であって第3の光パルス通過時間帯において、出力光パルスの強度がゼロとなるように第1の光変調器211と第2の光変調器212をそれぞれ駆動する。
具体的には、上述した第1の光パルス通過時間帯における出力光パルスを信号光として用いる構成とすることができる。そして、第2の光パルス通過時間帯における出力光パルスを第1の囮(おとり)パルスとして用い、第3の光パルス通過時間帯における出力光パルスを第2の囮(おとり)パルスとして用いることができる。したがって、本実施形態の光変調装置200は上述の信号光から得た情報を量子暗号鍵として用いる量子鍵配送装置に用いることができる。
上述したように、光変調装置200を構成する第1の光変調器211および第2の光変調器212に対する駆動信号のマーク率は50%であるので、駆動回路220の出力波形の歪み、または最大出力振幅の減少等が生じることはない。また、すべての光パルスを同一の光強度に変調して用いる場合であっても、各駆動信号のマーク率は50%に保たれる。そのため、AC結合が可能であり、光変調器の光強度を正しく調整することが可能となる。
このように、本実施形態の光変調装置200によれば、デコイ方式の量子鍵配送装置において必要とされる光パルスを精度よく生成することができる。
次に、本実施形態による光変調装置200の動作について詳細に説明する。図3は、本実施形態による光変調装置200の動作について説明するための図である。
入力光パルス101のパルス幅は、繰り返し周期T(典型的には約1ns程度)の半分T/2以下(典型的には約100ps程度)とした。信号光パルスS202を生成するためには、入力光パルス101の到着時刻に合わせて、第1の光変調器211における位相変調量φ1および第2の光変調器212における位相変調量φ2をともに0°とする。これにより、入力光パルス101は第1の光変調器211および第2の光変調器212をそのまま通過する。そのため、第1の光変調器211の出力信号と第2の光変調器212の出力信号の和である出力光パルスの強度は、入力光パルス101の強度と略等しくなる。以下では、このような変調信号を{φ1,φ2}={0,0}と表記する。
ここで、入力光パルス101のパルス幅をT/2以下としているので、T/2の時間だけ{0,0}の状態とすることにより目的の信号光パルスS202を得ることができる。その後、残りのT/2の期間は、φ1およびφ2ともに前半期間とは異なる値である{θ,180}とする。この時間帯には入力光は存在しないため、どのような変調を施しても光変調装置200の出力に影響することはない。以上により、信号光パルスSのみを生成する場合であっても、駆動信号のマーク率を50%とすることができる。なお、入力光パルス101のパルス幅を繰り返し周期Tの半分T/2以下としているので、目的とする変調信号を印加している期間がT/2であっても問題なく変調を行うことができる。
第1のおとり光パルスD203および第2のおとり光パルスZ204を生成する場合にも同様の方法を用いることができる。すなわち、第1のおとり光パルスD203を生成する場合には、入力光パルス101の到着時刻を含むT/2の期間は{θ,0}、残りのT/2の期間は{0,180}の状態とすることができる。また、第2のおとり光パルスZ204を生成する場合は、入力光パルス101の到着時刻を含むT/2の期間は{0,180}、残りのT/2の期間は{θ,0}の状態とする。以上により、目的とする第1のおとり光パルスD203および第2のおとり光パルスZ204の状態を生成することができる。
このように、本実施形態の光変調装置200によれば、デコイ方式に必要な各状態について各変調器の駆動信号のマーク率を50%とすることができる。これにより駆動回路の出力波形の歪み、または最大出力振幅の減少を防ぐことができる。さらに、全ての光パルスをS(D,Z)とした場合であっても、光強度を正しく調整すること可能となる。その結果、量子鍵配送(QKD)装置に必要なデコイ状態を正確に生成できるため、量子鍵配送(QKD)装置の安全性を向上させることができる。
なお、図3では、繰り返し周期Tの半分T/2の期間の間は、連続した位相変調量を用いる場合を示した。しかし、これに限らず、図4に示すように、光パルス通過時間帯以外の期間においては、異なる位相変調量を与える駆動信号を切り替えて印加することとしてもよい。すなわち、入力光パルス101が存在する時間帯のみ連続した位相変調量であれば、他の時間帯では2種類の変調を任意のタイミングで切り替えることとしてもよい。
本実施形態では二電極型変調器を用いた場合について示したが、これに限らず、2台の強度変調器を用いることとしてもよい。
次に、本実施形態による光変調器の駆動方法について説明する。本実施形態の光変調器の駆動方法では、光変調器を構成する第1の光変調器と第2の光変調器とに対して、変調信号を印加する。第1の光変調器は連続する光パルスを分岐した第1の光パルスを入力し、第2の光変調器は連続する光パルスを分岐した第2の光パルスを入力する。
ここで、繰り返し周期期間のうち、第1の光パルスが第1の光変調器を通過し、第2の光パルスが第2の光変調器を通過する時間帯である光パルス通過時間帯に、第1の光パルスを変調する第1の変調信号を第1の光変調器に印加する。このとき、第2の光変調器には第2の光パルスを変調する第2の変調信号を印加する。そして、繰り返し周期期間のうち、光パルス通過時間帯以外の期間の少なくとも一部の時間帯に、第1の変調信号を反転した第1の反転信号を第1の光変調器に印加する。このとき、第2の光変調器には第2の変調信号を反転した第2の反転信号を印加する。
具体的には例えば、光パルス通過時間帯であって第1の光パルス通過時間帯において、第1の光変調器の出力信号と第2の光変調器の出力信号の和である出力光パルスの強度が、光パルスの強度と略等しくなるように第1の光変調器と第2の光変調器をそれぞれ駆動する。また、光パルス通過時間帯であって第2の光パルス通過時間帯において、出力光パルスの強度が、光パルスの強度よりも小さくかつゼロとならないように第1の光変調器と第2の光変調器をそれぞれ駆動する。さらに、光パルス通過時間帯であって第3の光パルス通過時間帯において、出力光パルスの強度がゼロとなるように第1の光変調器と第2の光変調器をそれぞれ駆動する構成することができる。
本実施形態による光変調器の駆動方法によれば、繰り返し周期期間内に、変調信号とその反転信号の2値の信号を含む駆動信号を生成することができる。そのため、駆動信号のマーク率を50%とすることができ、デコイ方式の量子鍵配送装置において必要とされる光パルスを精度よく生成することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
100、200 光変調装置
101、401 入力光パルス
110、210 光変調器
120、220 駆動回路
211 第1の光変調器
212 第2の光変調器
300 二電極型変調器
S202、S402 信号光パルス
D203、D403 第1のおとり光パルス
Z204、Z404 第2のおとり光パルス

Claims (10)

  1. 連続する光パルスを入力する光変調器と、前記光変調器を駆動するための信号を生成し前記光変調器に印加する駆動回路、を有し、
    前記駆動回路は、前記連続する光パルスの繰り返し周期と等しい時間間隔である繰り返し周期期間のうち、前記光パルスが前記光変調器を通過する時間帯である光パルス通過時間帯に、前記光パルスを変調する変調信号を印加し、
    前記繰り返し周期期間のうち、前記光パルス通過時間帯以外の期間の少なくとも一部の時間帯に、前記変調信号を反転した反転信号を印加する
    光変調装置。
  2. 前記光パルスの時間幅は、前記繰り返し周期期間の半分以下であり、
    前記変調信号が印加される時間帯は、前記繰り返し周期期間の半分の期間である第1の期間に含まれ、
    前記反転信号が印加される時間帯は、前記繰り返し周期期間のうち前記第1の期間の残りの期間である第2の期間に含まれ、
    前記第1の期間には、前記光パルス通過時間帯が含まれる
    請求項1に記載した光変調装置。
  3. 前記光変調器は、前記連続する光パルスを分岐した第1の光パルスを入力する第1の光変調器と、前記光変調器を構成し、前記連続する光パルスを分岐した第2の光パルスを入力する第2の光変調器、とを備え、
    前記駆動回路は、
    前記第1の光パルスが前記第1の光変調器を通過し、前記第2の光パルスが前記第2の光変調器を通過する時間帯である光パルス通過時間帯に、
    前記第1の光パルスを変調する第1の変調信号を前記第1の光変調器に印加し、
    前記第2の光パルスを変調する第2の変調信号を前記第2の光変調器に印加し、
    前記光パルス通過時間帯以外の期間の少なくとも一部の時間帯に、
    前記第1の変調信号を反転した第1の反転信号を前記第1の光変調器に印加し、
    前記第2の変調信号を反転した第2の反転信号を前記第2の光変調器に印加する
    請求項1または2に記載した光変調装置。
  4. 前記駆動回路は、前記光パルス通過時間帯であって第1の光パルス通過時間帯において、前記第1の光変調器の出力信号と前記第2の光変調器の出力信号の和である出力光パルスの強度が、前記光パルスの強度と略等しくなるように前記第1の光変調器と前記第2の光変調器をそれぞれ駆動し、
    前記光パルス通過時間帯であって第2の光パルス通過時間帯において、前記出力光パルスの強度が、前記光パルスの強度よりも小さくかつゼロとならないように前記第1の光変調器と前記第2の光変調器をそれぞれ駆動し、
    前記光パルス通過時間帯であって第3の光パルス通過時間帯において、前記出力光パルスの強度がゼロとなるように前記第1の光変調器と前記第2の光変調器をそれぞれ駆動する
    請求項3に記載した光変調装置。
  5. 前記第1の光パルス通過時間帯における前記出力光パルスを信号光として用い、
    前記第2の光パルス通過時間帯における前記出力光パルスを第1のおとりパルスとして用い、
    前記第3の光パルス通過時間帯における前記出力光パルスを第2のおとりパルスとして用い、
    前記信号光から得た情報を量子暗号鍵として用いる量子鍵配送装置に用いられる
    請求項4に記載した光変調装置。
  6. 連続する光パルスを入力する光変調器に対して、
    前記連続する光パルスの繰り返し周期と等しい時間間隔である繰り返し周期期間のうち、前記光パルスが前記光変調器を通過する時間帯である光パルス通過時間帯に、前記光パルスを変調する変調信号を印加し、
    前記繰り返し周期期間のうち、前記光パルス通過時間帯以外の期間の少なくとも一部の時間帯に、前記変調信号を反転した反転信号を印加する
    光変調器の駆動方法。
  7. 前記光パルスの時間幅は、前記繰り返し周期期間の半分以下であり、
    前記変調信号が印加される時間帯は、前記繰り返し周期期間の半分の期間である第1の期間に含まれ、
    前記反転信号が印加される時間帯は、前記繰り返し周期期間のうち前記第1の期間の残りの期間である第2の期間に含まれ、
    前記第1の期間には、前記光パルス通過時間帯が含まれる
    請求項6に記載した光変調器の駆動方法。
  8. 前記光パルス通過時間帯以外の期間において、異なる駆動信号を切り替えて印加する
    請求項6または7に記載した光変調器の駆動方法。
  9. 前記光変調器を構成し、前記連続する光パルスを分岐した第1の光パルスを入力する第1の光変調器と、前記光変調器を構成し、前記連続する光パルスを分岐した第2の光パルスを入力する第2の光変調器、とに対して、
    前記第1の光パルスが前記第1の光変調器を通過し、前記第2の光パルスが前記第2の光変調器を通過する時間帯である光パルス通過時間帯に、
    前記第1の光パルスを変調する第1の変調信号を前記第1の光変調器に印加し、
    前記第2の光パルスを変調する第2の変調信号を前記第2の光変調器に印加し、
    前記光パルス通過時間帯以外の期間の少なくとも一部の時間帯に、
    前記第1の変調信号を反転した第1の反転信号を前記第1の光変調器に印加し、
    前記第2の変調信号を反転した第2の反転信号を前記第2の光変調器に印加する
    請求項6または7に記載した光変調器の駆動方法。
  10. 前記光パルス通過時間帯であって第1の光パルス通過時間帯において、前記第1の光変調器の出力信号と前記第2の光変調器の出力信号の和である出力光パルスの強度が、前記光パルスの強度と略等しくなるように前記第1の光変調器と前記第2の光変調器をそれぞれ駆動し、
    前記光パルス通過時間帯であって第2の光パルス通過時間帯において、前記出力光パルスの強度が、前記光パルスの強度よりも小さくかつゼロとならないように前記第1の光変調器と前記第2の光変調器をそれぞれ駆動し、
    前記光パルス通過時間帯であって第3の光パルス通過時間帯において、前記出力光パルスの強度がゼロとなるように前記第1の光変調器と前記第2の光変調器をそれぞれ駆動する
    請求項9に記載した光変調器の駆動方法。
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