JP2015017597A - インペラ、及び回転機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】羽根の後縁部での剥離位置を安定させることが可能なインペラ、及び、回転機械を提供する。
【解決手段】遠心ポンプ100のインペラ1において、径方向外側に向かうに従って周方向に湾曲する圧力面4a及び負圧面4bを有して、これら圧力面4a及び負圧面4bに沿って流体Fを径方向外側に流通させる羽根4を備え、羽根4は、圧力面4aの径方向外側の端部に、圧力面4aに沿って流通した流体Fを圧力面4aから剥離させる剥離促進部としてのエッジ形成面6を有することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、回転機械におけるインペラの羽根形状に関するものである。
回転機械の一例としてのポンプは、インペラを回転させて流体を径方向へ流通させることで、遠心力によって流体の昇圧を行なうものである(例えば、特許文献1)。近年、このポンプの市場においてはコストダウンと性能確保との両立が求められている。
ここで、図9に示すように、インペラ200の羽根201の後縁側の端部は、製造コスト低減の目的から、インペラ200の周方向に沿って軸方向視で略直線状に切り落とされたような形状(図9のB部参照)に形成されているものがある。この場合、羽根201は回転方向の後方に向かって湾曲して形成されていることから、羽根201の後縁部は、背側となる圧力面202と羽根201の径方向外側を向く面203とのなす角が鈍角となった形状をなしていることになる。
特開2001−73993号公報
しかしながら、羽根の後縁部が上述したように鈍角形状を有していることで、圧力面に沿って流通する流体の後縁部での剥離位置を安定させることが難しい。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、羽根の後縁部での剥離位置を安定させることが可能なインペラ、及び、回転機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
即ち、本発明に係るインペラは、径方向外側に向かうに従って周方向に湾曲する圧力面及び負圧面を有して、これら圧力面及び負圧面に沿って流体を径方向外側に流通させる羽根を備え、前記羽根は、前記圧力面の径方向外側の端部に、該圧力面に沿って流通した流体を該圧力面から剥離させる剥離促進部を有することを特徴とする。
このようなインペラによると、羽根が剥離促進部を有することで、圧力面に沿って流通する流体の出口となる径方向外側の端部において、圧力面から流体を剥離させることが可能となり、流体の剥離点を一定の位置に固定できる。従って、羽根における径方向外側の端部形状によらず、剥離促進部を設けるのみによって剥離位置を明確にすることができる。
また、前記剥離促進部は、軸線方向視において、前記圧力面の径方向外側の前記端部に接続されて径方向内側に向かって延在することで、前記圧力面とともに交差稜線を形成するエッジ形成面であってもよい。
このように、剥離促進部をエッジ形成面とし、圧力面との間に交差稜線を形成することで、この位置で角部が形成されることになるため、この位置で流体の剥離を促進することが可能となる。
さらに、前記エッジ形成面は、前記圧力面と前記負圧面との間に形成された端面から径方向内側に向かって凹むように形成された凹部の前記圧力面側の側底面であってもよい。
このように凹部を形成することで、簡易な加工によってエッジ形成面を設けることが可能となるため、さらにコストを抑えながら圧力面の径方向外側の端部での流体の剥離を促進することができる。
また、前記エッジ形成面は、前記圧力面と前記負圧面との間に形成された端面と、前記負圧面とに開口するように形成されたスリット部の底面であってもよい。
このように、羽根にスリット部を形成することで、簡易な加工によってエッジ形成面を設けることが可能となり、圧力面の径方向外側の端部での流体の剥離を促進することができる。また、このようなスリット部を軸方向に複数形成することで、さらなる剥離促進が可能となる。
さらに、前記エッジ形成面は、前記圧力面と前記負圧面との間に形成された端面であるとともに、該端面は、前記圧力面から前記負圧面に向かうに従って、径方向内側に向かって傾斜する部分を有していてもよい。
このように羽根の端面自体を傾斜させることで、簡易な加工でエッジ形成面を設けることができ、さらにコストを抑えながら圧力面の径方向外側の端部での流体の剥離を促進することができる。
また、前記エッジ形成面は、前記傾斜する部分が前記圧力面から前記負圧面に向かうに従って、径方向内側に向かって湾曲する曲面であってもよい。
このように湾曲面とした端面をエッジ形成面とすることで、圧力面との間に交差稜線を容易に形成することができる。よって、この位置で角部が形成され、流体の剥離を促進することが可能となる。
さらに、前記剥離促進部は、前記圧力面の径方向外側の前記端部に形成された凹凸部であってもよい。
このような凹凸部によって、この位置で圧力面に沿って流通する流体が剥離し易くなる。
また、本発明に係る回転機械は、上記のインペラと、前記インペラを取り付けた回転軸と、前記インペラ及び前記回転軸を回転可能に外周側から覆うケーシングとを備えることを特徴とする。
このような回転機械によると、インペラの羽根における剥離促進部によって、圧力面の径方向外側の端部において圧力面から流体を剥離させることが可能となり、羽根における径方向外側の端部形状によらず、剥離促進部を設けるのみによって剥離位置を明確にすることができる。
本発明のインペラ、及び、回転機械によると、羽根に剥離促進部を設けたことで、羽根の後縁部での剥離位置を安定させることが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る遠心ポンプの全体断面図である。 本発明の第一実施形態に係る遠心ポンプにおけるインペラの拡大断面図である。 本発明の第一実施形態に係る遠心ポンプにおけるインペラを軸線方向から見た図である。 本発明の第一実施形態に係る遠心ポンプにおけるインペラに関し、羽根の後縁部周辺の拡大図であって、図3のA部を示すものである。 本発明の第二実施形態に係る遠心ポンプにおけるインペラに関し、羽根の後縁部周辺の拡大図であって、図3のA部と同じ位置を示すものである。 本発明の第三実施形態に係る遠心ポンプにおけるインペラに関し、羽根の後縁部周辺の拡大図であって、図3のA部と同じ位置を示すものである。 本発明の第三実施形態の変形例に係る遠心ポンプにおけるインペラに関し、羽根の後縁部周辺の拡大図であって、図3のA部と同じ位置を示し、(a)は第一変形例を、(b)は第二変形例を、(c)は第三変形例を示す図である。 本発明の第四実施形態に係る遠心ポンプにおけるインペラに関し、羽根の後縁部周辺の拡大図であって、図3のA部と同じ位置を示すものである。 従来の遠心ポンプにおけるインペラに関し、要部を拡大して示す図である。
〔第一実施形態〕
以下、本発明の実施形態に係る遠心ポンプ100(回転機械)について説明する。
図1に示すように、遠心ポンプ100は、例えば給水ポンプであり、本実施形態では多段ポンプとなっている。そしてこの遠心ポンプ100は、外部ケーシング102と、外部ケーシング102の内部に配置されている内部ケーシング103と、内部ケーシング103を貫通するように配置された軸線Pを中心に延在する回転軸104と、回転軸104に一体回転可能に固定された両吸込インペラ105、及び複数のインペラ1とを主に備えている。
外部ケーシング102は、中空形状をなし、径方向内側に向かって流体を吸い込む吸込口108と、径方向外側に向かって流体を吐き出す吐出口109が形成されている。
また、外部ケーシング102の一端部(図1の左端部)にケーシングカバー110が装着されているとともに、外部ケーシング102の他端部にケーシングカバー120が装着され、ケーシングカバー110、120がそれぞれ複数の締結ボルト130、140により固定されることで、外部ケーシング102、内部ケーシング103、及びケーシングカバー110、120が一体化されている。また、吸込口108には、不図示の復水回収ラインが連結され、吐出口109には不図示の給水ラインが接続されている。
内部ケーシング103は、外部ケーシング102の内部に配置されており、複数のリング部材103aを軸線P方向に配列して構成されている。また、この内部ケーシング103には、吸込口108及び吐出口109にそれぞれ連通して、縮径及び拡径を繰り返す内部空間が形成されている。
両吸込インペラ105は、外部ケーシング102の内部に収容されており、吸込口108から流体Fを吸込む。
複数のインペラ1は、両吸込インペラ105よりも流体Fの流れの下流側となる軸線P方向の一方側(図1における紙面に向かって右側)で、内部ケーシング103における各々のリング部材103aの上記内部空間に軸線P方向に間隔をあけて複数段(本実施形態では6段)が収容されている。
回転軸104は、内部ケーシング103に収容されたインペラ1及び両吸込インペラ105を取り付けて、これらと共に軸線Pを中心として回転する。またこの回転軸104は図示しない軸受によって外部ケーシング102及び内部ケーシング103に対して回転自在に支持されており、また図示しない原動機によって回転駆動される。
ここで、内部ケーシング103には、各々のインペラ1間を繋ぐように、軸線Pを中心とした環状をなすケーシング流路FC0が形成されている。また、このケーシング流路FC0において、各インペラ1の下流側にはディフューザベーン106が設けられ、また、各インペラ1(流体Fの流れの最上流側に位置する最前段のインペラ1を除く)の上流側にはリターンベーン107が設けられている。
そして、両吸込インペラ105の吐出側が図示しない給水経路を介して流体Fの流れの最上流側に位置する最前段のインペラ1の吸入側に接続され、各々のインペラ1の吐出側は隣接するインペラ1の吸入側にケーシング流路FC0を介して接続されている。また、最後段のインペラ1の吐出側は吐出口109に接続されている。
このようにして、遠心ポンプ100は、回転軸104とともに回転する各インペラ1の遠心力を利用して流体Fを段階的に流通させ、流体Fを昇圧し、吐出口109から吐出する。
次に、各々のインペラ1について説明する。
図2及び図3に示すように、各々のインペラ1は、回転軸104とともに内部ケーシング103によって外周側から覆われて、軸線Pを中心として回転方向Rに回転可能となっている。
また、このインペラ1は、軸線P方向視で略円盤状をなすディスク3と、ディスク3に設けられた複数の羽根4と、これらディスク3及び羽根4を軸線P方向から覆うカバー2とを備えたクローズドインペラとなっている。なお、このインペラ1は、カバー2を備えていないオープンインペラであってもよい。
ディスク3は、軸線P方向の他方側(流体Fの流れの上流側)を向く端面が小径とされ、軸線P方向の一方側(流体Fの流れの下流側)を向く端面が大径とされて、これら二つの端面が軸線P方向の上記他方側から上記一方側に向かうに従って漸次拡径する曲面3aによって接続されることで、軸線P方向視で略円盤状をなし、全体として略傘形状をなす部材である。
また、このディスク3の径方向内側には、軸線Pと同軸上に、該ディスク3を軸線P方向に貫く貫通孔3bが形成されている。この貫通孔3bに回転軸104が嵌まり込むことで、インペラ1が回転軸104に固定されて、相対回転しないようになっている。
各々の羽根4は、上記ディスク3における曲面3aから軸線P方向の上記他方側に立ち上がるように、周方向、即ち、回転方向Rに一定間隔をあけて複数(本実施形態では7枚)設けられている。
また、各々の羽根4は、ディスク3の径方向内側から外側に向かうに従って、回転方向Rの後方側に向かって湾曲するように形成されている。即ち、羽根4は、回転方向Rの前方側を向く圧力面4aが前方側に向かって凸となるように、回転方向Rの後方側を向く負圧面4bが前方側に向かって凹となるように形成されている。
そして、隣接する羽根4同士の間は、径方向内側から外側に向かって流体Fが流通可能なインペラ流路FCとされている。
次に、各々の羽根4について、さらに詳しく説明する。
図3及び図4に示すように、羽根4においては、後縁部がディスク3の径方向外側を向く面に沿って形成された切り落とし形状となっている。即ち、圧力面4aと負圧面4bとの間に径方向を向く端面4cが形成されており、圧力面4aと端面4cとの間のなす角は鈍角となっている。
そして、この端面4cには、圧力面4aの径方向外側の端部に連続するように、径方向内側に向かうに従って回転方向Rの後方側に向かって凹む凹部4dが形成されている。本実施形態では、この凹部4dは、端面4cにおいて軸線P方向の全域に形成されているが、端面4cの一部にのみ形成されていてもよい。
また、この凹部4dは、径方向内側に位置する底面と、圧力面4a側及び負圧面4b側に位置する一対の側底面とによって形成されており、圧力面4a側の側底面は、圧力面4aとの交差稜線5、即ち、角部を形成するエッジ形成面6(剥離促進部)となっている。即ち、羽根4は圧力面4aとの接続部分から径方向内側に向かって延在するエッジ形成面6を有していることになる。換言すると、エッジ形成面6は、圧力面4aとの接続部分から径方向内側に向かうに従って回転方向Rの後方側に向かって延びて平面状に拡がるように形成されている。
このような遠心ポンプ100においては、インペラ流路FC内を圧力面4aに沿って流通する流体Fの出口となる径方向外側の端部で、凹部4dによってエッジ形成面6が形成され、これによって交差稜線5、即ち角部が形成されることになるため、圧力面4aに沿って流通する流体Fの剥離を、この交差稜線5の位置で促進することができる。
従って、羽根4における径方向外側の端部形状によらず、エッジ形成面6を設けるのみによって、流体Fの剥離点を一定の位置に固定できる。
本実施形態の遠心ポンプ100によると、羽根4に凹部4dを形成する簡易な加工によってコストを抑え、剥離位置を明確にすることができ、設計通りの性能を得ることが可能となる。
なお、エッジ形成面6については、圧力面4aとのなす角をできるだけ低減するように形成することがより好ましく、このなす角が鋭角となっていることがさらに好ましい。この場合、さらなる流体Fの剥離の促進が可能となる。
また、凹部4dの形状は、本実施形態の場合に限定されず、例えば、軸線P方向視でV字形状に形成されることで底面のない形状となっていてもよく、少なくともエッジ形成面6が形成されていればよい。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態に係る遠心ポンプ100Aについて説明する。
なお、第一実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、第一実施形態とはエッジ形成面16が異なっている。
図5に示すように、インペラ1Aの羽根14には、端面4cと負圧面4bとに開口するように、軸線Pの方向に間隔をあけて複数のスリット部14aが形成されている。
より詳しくは、このスリット部14aは、羽根14の径方向外側と、負圧面4b側のインペラ流路FCとを連通しているとともに、羽根14の内部の径方向の中途位置に底面が形成されている。そして、この底面は、圧力面4aとの交差稜線15、即ち、角部を形成するエッジ形成面16(剥離促進部)となっている。よって、羽根4は圧力面4aとの接続部分から径方向内側に向かって延在するエッジ形成面16を有していることになる。換言すると、エッジ形成面16は、圧力面4aとの接続部分から径方向内側に向かうに従って回転方向Rの後方側に向かって延びて平面状に拡がるように形成されている。
本実施形態の遠心ポンプ100Aによると、スリット部14aを形成することで、簡易な加工によってエッジ形成面16を形成することが可能となり、圧力面4aの径方向外側の端部での流体Fの剥離を促進することができ、設計通りの性能を得ることが可能となる。
また、このようなスリット部14aを軸線P方向に複数形成し、これらスリット部14a同士間隔を適宜調整することで、さらなる流体Fの剥離促進が可能となる。
なお、スリット部14aは一つであってもよく、軸線P方向の厚さ寸法も羽根4の強度等を考慮して、適宜設定可能である。
また、第一実施形態と同様に、圧力面4aとエッジ形成面16とのなす角をできるだけ低減するように形成することがより好ましく、このなす角が鋭角となっていることがさらに好ましい。
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態に係る遠心ポンプ100Bについて説明する。
なお、第一実施形態及び第二実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、第一実施形態及び第二実施形態と、エッジ形成面26が異なっている。
図6に示すように、インペラ1Bの羽根24は、後縁部がディスク3の径方向外側を向く面に沿わない形状となっている。即ち、圧力面4aと負圧面4bとの間に形成された端面24cは、圧力面4aから負圧面4bに向かうに従って、径方向内側に向かって平面状をなして傾斜している。これにより、圧力面4aと端面24cとのなす角は、第一実施形態での圧力面4aと端面4cとのなす角と比較して小さくなっている。
そして、この端面24cは、圧力面4aとの間に交差稜線25、即ち、角部を形成するエッジ形成面26(剥離促進部)となっている。よって、羽根4は圧力面4aとの接続部分から径方向内側に向かって延在するエッジ形成面26を有していることになる。換言すると、エッジ形成面26は、圧力面4aとの接続部分から径方向内側に向かうに従って回転方向Rの後方側に向かって延びて平面状に拡がるように形成されている。
本実施形態の遠心ポンプ100Bによると、ディスク3の径方向外側を向く面に対して端面24cを傾斜して形成することで、簡易な加工によってエッジ形成面26を設けることが可能となり、圧力面4aの径方向外側の端部での流体Fの剥離を促進することができ、設計通りの性能を得ることが可能となる。
なお、本実施形態では、端面24cは、軸線P方向に全域にわたって平面状に形成されていなくともよく、例えば、軸線P方向の中途位置まで端面24cが形成され、それよりも軸線P方向のディスク3側では、ディスク3の径方向外側を向く面に沿うように形成されることで、端面が段差面となっていてもよい。
また、第一実施形態及び第二実施形態と同様に、圧力面4aとエッジ形成面26とのなす角をできるだけ低減するように形成することがより好ましく、このなす角が鋭角となっていることがさらに好ましい。
ここで、図7(a)に示すように、羽根24の端面34cは、軸線P方向から見て、V字状に形成されていてもよい。
具体的には、この端面34cは、圧力面4aに連続して、圧力面4aから負圧面4bに向かうに従って径方向内側に向かって傾斜し、羽根24の周方向の中途位置まで平面状をなす第一面35aを有している。さらに、端面34cは、第一面35aに連続して、この第一面35aから負圧面4bに向かうに従って径方向外側に向かって傾斜し、負圧面4bに接続された平面状をなす第二面35bを有している。
このような端面34cの第一面35aによって、圧力面4aとの間に交差稜線25を容易に形成することができる。よって、この位置で角部が形成され、流体Fの剥離を促進することが可能となる。
さらに、図7(b)に示すように、羽根24の端面44cは、湾曲する曲面であってもよい。
具体的には、この端面44cは、径方向外側に凸となるように、圧力面4a及び負圧面4bに連続し、圧力面4aから負圧面4bに向かうに従って、径方向内側に向かって湾曲している。また、圧力面4aとの接続部分には、角部、即ち、交差稜線25が形成されており、負圧面4bとの接続部分には角部が形成されず、滑らかに負圧面4bに連続している。
このような端面44cによっても、圧力面4aとの間に交差稜線25を容易に形成することができ、この位置で角部が形成され、流体Fの剥離を促進することが可能となる。
また、図7(c)に示すように、端面54cは、端面44c同様の曲面であるとともに、負圧面4bとの接続部分にはエッジが形成されていてもよい。即ち、R面取りされていなくともよく、この場合には負圧面4bにおいても、流体Fの剥離を促進できる。
以上、本実施形態において、羽根24の端面24c(34c、44c、54c)は、少なくとも圧力面4aに連続する面が、負圧面4bに向かって、径方向内側に傾斜する部分を有していればよく、平面、曲面等を適宜組み合わせても構わない。
〔第四実施形態〕
次に、本発明の第四実施形態に係る遠心ポンプ100Cについて説明する。
なお、第一実施形態から第三実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、第一実施形態から第三実施形態と羽根64が異なっている。
図8に示すように、インペラ1Cの羽根64は、圧力面4aにおいて、径方向外側の端部に形成された凹凸部64a(剥離促進部)を有している。
この凹凸部64aは、例えば、圧力面4aの表面を粗くした粗面であってもよいし、圧力面4aに小さな突起を取り付けて形成してもよい。
本実施形態の遠心ポンプ100Cによると、圧力面4aにおいてインペラ流路FCの出口付近となる位置に凹凸部64aを形成したことで、簡易な加工によって、圧力面4aの径方向外側の端部での流体Fの剥離を促進することができ、設計通りの性能を得ることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について詳細を説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、多少の設計変更も可能である。
例えば、第一実施形態から第三実施形態でのエッジ形成面は、必ずしも交差稜線を挟んで圧力面4aに連続するように形成されていなくともよく、即ち、エッジ形成面の加工精度の関係で、交差稜線の部分が完全な角部になっていなくともよく、R面取りされたような形状となっていてもよい。
また、上述した実施形態では、回転機械の一例として遠心ポンプ100(100A、100B、100C)の説明を行ったが、インペラによって流体を昇圧する斜流ポンプ、圧縮機、送風機等の他の形式の回転機械にも適用可能である。
1、1A、1B、1C…インペラ 2…カバー 3…ディスク 3a…曲面 3b…貫通孔 4…羽根 4a…圧力面 4b…負圧面 4c…端面 4d…凹部 5…交差稜線 6…エッジ形成面 14…羽根 14a…スリット部 15…交差稜線 16…エッジ形成面 24…羽根 24c…端面 25…交差稜線 26…エッジ形成面 34c…端面 35a…第一面 35b…第二面 44c…端面 54c…端面 64…羽根 64a…凹凸部 100、100A、100B、100C…遠心ポンプ(回転機械) 102…外部ケーシング 103…内部ケーシング 103a…リング部材 104…回転軸 105…両吸込インペラ 106…ディフューザベーン 107…リターンベーン 108…吸込口 109…吐出口 110…ケーシングカバー 120…ケーシングカバー 130…締結ボルト 140…締結ボルト P…軸線 R…回転方向 FC…インペラ流路 FC0…ケーシング流路 200…インペラ 201・・・羽根 202…圧力面 203…径方向外側を向く面

Claims (8)

  1. 径方向外側に向かうに従って周方向に湾曲する圧力面及び負圧面を有して、これら圧力面及び負圧面に沿って流体を径方向外側に流通させる羽根を備え、
    前記羽根は、前記圧力面の径方向外側の端部に、該圧力面に沿って流通した流体を該圧力面から剥離させる剥離促進部を有することを特徴とするインペラ。
  2. 前記剥離促進部は、
    軸線方向視において、前記圧力面の径方向外側の前記端部に接続されて径方向内側に向かって延在することで、前記圧力面とともに交差稜線を形成するエッジ形成面であることを特徴とする請求項1に記載のインペラ。
  3. 前記エッジ形成面は、前記圧力面と前記負圧面との間に形成された端面から径方向内側に向かって凹むように形成された凹部の前記圧力面側の側底面であることを特徴とする請求項2に記載のインペラ。
  4. 前記エッジ形成面は、前記圧力面と前記負圧面との間に形成された端面と、前記負圧面とに開口するように形成されたスリット部の底面であることを特徴とする請求項2に記載のインペラ。
  5. 前記エッジ形成面は、前記圧力面と前記負圧面との間に形成された端面であるとともに、該端面は、前記圧力面から前記負圧面に向かうに従って、径方向内側に向かって傾斜する部分を有していることを特徴とする請求項4に記載のインペラ。
  6. 前記エッジ形成面は、前記傾斜する部分が前記圧力面から前記負圧面に向かうに従って、径方向内側に向かって湾曲する曲面であることを特徴とする請求項5に記載のインペラ。
  7. 前記剥離促進部は、前記圧力面の径方向外側の前記端部に形成された凹凸部であることを特徴とする請求項1に記載のインペラ。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のインペラと、
    前記インペラを取り付けた回転軸と、
    前記インペラ及び前記回転軸を回転可能に外周側から覆うケーシングと、
    を備えることを特徴とする回転機械。
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