JP2015017342A - セシウムイオン吸着用水処理媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、セシウムイオン吸着剤の脱落が少ないセシウムイオン吸着用水処理媒体およびその製造方法を提供するものである。
【解決手段】
繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmの短繊維が互いに絡まりあった繊維塊からなる水処理媒体であって、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物及びセシウムイオン吸着剤が固着されたことを特徴とするセシウムイオン吸着用水処理媒体、好ましくは、前記繊維塊が30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維からなり、前記繊維塊を構成する短繊維が部分的に融着してなるセシウムイオン吸着用水処理媒体。
【選択図】なし
本発明は、セシウムイオン吸着剤の脱落が少ないセシウムイオン吸着用水処理媒体およびその製造方法を提供するものである。
【解決手段】
繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmの短繊維が互いに絡まりあった繊維塊からなる水処理媒体であって、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物及びセシウムイオン吸着剤が固着されたことを特徴とするセシウムイオン吸着用水処理媒体、好ましくは、前記繊維塊が30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維からなり、前記繊維塊を構成する短繊維が部分的に融着してなるセシウムイオン吸着用水処理媒体。
【選択図】なし
Description
本発明は、セシウムイオン吸着剤の脱落が少ないセシウムイオン吸着用水処理媒体及びその製造方法に関するものである。
ゼオライト、プルシアンブルーは、放射性元素であるセシウムイオンの吸着能が優れていることが知られている。東北地方太平洋沖地震に伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故の後、その性能からセシウムイオン吸着剤として非常に注目されてきており、現在、その放射能の除染事業が進む中、繊維素材にこれらを担持させた吸着材料としてのニーズが高まっている。
繊維素材に各種吸着剤を担持させる方法としては、各種吸着剤をそのまま付加した後に圧延して担持させる圧延方法、各種吸着剤に一次結合剤(バインダー)と併用して担持させる粘着法、噴霧乾燥法などが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、担持した吸着剤の脱落を防止するために、吸着剤担持後に、二次結合剤として、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリル酸エステルなどの接着性バインダーを処理して繊維素材の表面を覆う方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、汚水の浄化を目的として微生物の付着可能で、表面積が大きく、かつ、長期使用に耐えうる微生物担体となる微生物固定化担体となる水処理用担体なども知られている。(例えば、特許文献4〜8)
しかしながら、前記圧延方法、粘着法、噴霧乾燥法などでは、得られる繊維素材の表面における吸着剤濃度を高濃度にできないなどの問題があった。さらには、担持されている吸着剤が脱落することにより、環境汚染が拡大する恐れがあった。特にセシウムイオン吸着用繊維構造体においては、該繊維構造体より放射性セシウムを高濃度に吸着した吸着剤が脱落するとさらなる環境汚染を起こす為、深刻な事態となりうるとの問題があった。
本発明の課題は、上記のような従来技術の欠点を解消することであり、本発明はセシウムイオン吸着剤の脱落が少ないセシウムイオン吸着用水処理媒体およびその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セシウムイオン吸着剤を繊維に固着させるに際し、短繊維を水中に分散させた状態で、カチオン性高分子化合物によるカチオン化処理を行なった後、セシウムイオン吸着剤付与処理を施し、それと同時又はその後に、水中に分散させた短繊維に振動を与えて短繊維を塊状とすることにより、同一槽でセシウムイオン吸着剤の脱落が少ないセシウムイオン吸着用水処理媒体を製造することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(4)を要旨とするものである。
(1)繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmの短繊維が互いに絡まりあった繊維塊からなる水処理媒体であって、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物及びセシウムイオン吸着剤が固着されたことを特徴とするセシウムイオン吸着用水処理媒体。
(2)前記繊維塊が30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維からなり、前記繊維塊を構成する短繊維が部分的に融着してなることを特徴とする(1)記載のセシウムイオン吸着用水処理媒体。
(3)繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmの短繊維を水中に分散させた状態で、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物によるカチオン化処理を行なった後、セシウムイオン吸着剤付与処理を行い、前記カチオン化処理及び/または前記付与処理と同時又はその後に、水中に分散させた短繊維に振動を与えて短繊維を塊状とすることを特徴とする(1)記載のセシウムイオン吸着用水処理媒体の製造方法。
(4)前記繊維塊が、繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmであり、30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維を水中に分散させた状態で、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物によるカチオン化処理を行なった後、セシウムイオン吸着剤付与処理を行い、前記カチオン化処理及び/または前記付与処理と同時又はその後に、水中に分散させた短繊維に振動を与えて短繊維を塊状とし、次いで熱融着処理を行うことを特徴とする(3)記載のセシウムイオン吸着用水処理媒体の製造方法。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(4)を要旨とするものである。
(1)繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmの短繊維が互いに絡まりあった繊維塊からなる水処理媒体であって、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物及びセシウムイオン吸着剤が固着されたことを特徴とするセシウムイオン吸着用水処理媒体。
(2)前記繊維塊が30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維からなり、前記繊維塊を構成する短繊維が部分的に融着してなることを特徴とする(1)記載のセシウムイオン吸着用水処理媒体。
(3)繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmの短繊維を水中に分散させた状態で、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物によるカチオン化処理を行なった後、セシウムイオン吸着剤付与処理を行い、前記カチオン化処理及び/または前記付与処理と同時又はその後に、水中に分散させた短繊維に振動を与えて短繊維を塊状とすることを特徴とする(1)記載のセシウムイオン吸着用水処理媒体の製造方法。
(4)前記繊維塊が、繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmであり、30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維を水中に分散させた状態で、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物によるカチオン化処理を行なった後、セシウムイオン吸着剤付与処理を行い、前記カチオン化処理及び/または前記付与処理と同時又はその後に、水中に分散させた短繊維に振動を与えて短繊維を塊状とし、次いで熱融着処理を行うことを特徴とする(3)記載のセシウムイオン吸着用水処理媒体の製造方法。
本発明のセシウムイオン吸着用水処理媒体は、繊度が0.1〜25dtex、繊維長が3〜50mmの短繊維を水中に分散させた状態でカチオン化処理を行なった後、セシウムイオン吸着剤付与処理を行った後または同時に短繊維に振動を与えて塊状とすることで、セシウムイオン吸着性能に優れ、吸着剤の脱落が非常に少ない水処理媒体を提供することが可能となる。
さらに好ましくは、繊度が0.1〜25dtex、繊維長が3〜50mmであり、30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維を水中に分散させた状態でカチオン化処理を行ない、次いでセシウムイオン吸着剤付与処理を行った後または同時に短繊維に振動を与えて塊状とした後に熱融着処理を行うことで、セシウムイオン吸着剤をさらに強固に固着にさせることができるため、セシウムイオン吸着性能がいっそう優れ、吸着剤の脱落が極めて少ない水処理媒体を提供することが可能となる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の水処理媒体は、繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmの短繊維が互いに絡まりあった繊維塊からなる水処理媒体であることが必要である。
短繊維の繊度が0.1dtexより細いと、繊維が細すぎるため絡み合った繊維塊が密にすぎることになり、水処理媒体として目詰まりを起こしやすいものとなる。また、25dtexより太いと、絡み合った繊維塊の空間が大きくなりすぎセシウムイオン吸着剤の固着量がすくなくなるため吸着性能が劣るものとなる。
短繊維の繊維長が3mmより短いと繊維塊が形成し難くなり、50mmより長いものを用いると、繊維が分離しにくいほどしっかり固まった結び目を作り、鎖のように連結してかなり長い棒状の繊維塊を形成し、水処理媒体としては使用が困難なものとなる。
上記短繊維は、天然繊維、再生繊維、合成繊維等の有機繊維、及びガラス繊維、金属繊維、鉱物性繊維等の無機繊維などの短繊維を用いることができるが、繊維塊の製造方法、繊維の太さ、長さ、ヤング率、剛さ、密度、摩擦係数、物理的性質、表面構造などによって繊維塊の大きさ、形状は定まるために、必要な塊の形状、大きさなどから必要に応じて適宜選択して用いることが好ましい。
さらに、上記短繊維は、30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維であることが好ましい。
30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維の組み合わせは特に限定されないが、ポリエステル短繊維とポリエチレン短繊維、ポリエステル短繊維とポリプロピレン短繊維、ポリアミド短繊維とポリエチレン短繊維、ポリアミド短繊維とポリプロピレン短繊維、ポリエステル短繊維と第三成分を共重合し低融点化したポリエステル短繊維、熱可塑性短繊維とセルロース系繊維や動物性繊維などの天然繊維、熱可塑性短繊維と活性炭繊維、または上記繊維を構成する複数のポリマーをサイドバイサイド、芯鞘構造等の複合構造とした短繊維、上記天然繊維などを1種または2種以上複合したものなどが挙げられる。本発明においては、後述するように低融点側の短繊維または低融点側のポリマーを含む短繊維を熱融着性短繊維と呼ぶことがある。
なお、30℃以上の融点差とは、単一樹脂からなる2種以上の短繊維の場合はその2種以上の樹脂の融点差をいい、融点が異なる樹脂からなる複合構造とした短繊維の場合はその異なる樹脂の融点差をいい、単一樹脂からなる繊維及び/又は融点が異なる樹脂からなる複合構造とした短繊維の組み合わせの場合は、最も高い融点と最も低い融点との差をいう。
30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維を含む繊維塊とし、後述する所定の熱融着温度に加熱することで低融点側の短繊維またはポリマー(以下、低融点成分と呼ぶことがある。)が軟化して融着性を発揮するようになっているとともに高融点側のポリマーは非融着部としてその繊維構造を保持することができる。
融点差が30℃未満であると、温度差が少ないために、加工温度のブレにより低融点側の短繊維または低融点側のポリマーが熱融着時に繊維構造を保持するための非融着繊維も溶解し、セシウムイオンを含む処理水との接触面積が減少するため吸着能が低下するので好ましくない。
本発明における30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維の形態は特に限定されないが、短繊維、紡績糸などが挙げられる。
さらに、30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維の低融点側の繊維または低融点側のポリマーの融点は、110〜190℃が好ましく、130〜170℃がより好ましい。後述するように、本発明の水処理媒体にセシウムイオン吸着剤を固着する際に熱融着処理することが好ましいため、該低融点成分の短繊維または低融点側のポリマーの融点を110〜190℃とすることで、該熱融着処理においても水処理媒体が形態をより良好に保持できるとともに、保管時の熱安定性がより高く好ましい。
30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維の低融点側の繊維及び低融点側のポリマーの混率は、繊維塊のうち10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がさらに好ましい。該混率を10〜80質量%とすることで、カチオン性高分子化合物によるカチオン化処理、セシウムイオン吸着剤付与処理時に該媒体の空隙を良好に保持することが可能であり、さらには低融点側の繊維及びポリマーの溶解時に該担体の空隙を閉塞させたり、セシウムイオンを含む処理水との接触面積が減少することが少なく好ましい。
本発明の第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物は、第3級アンモニウム基または第4級アンモニウム基を含む高分子化合物であれば特に限定されない。第3級アミノ基を含むカチオン性高分子化合物としては、アルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの重合体、例えば、ジメチル又はジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド,ジメチル又はジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの重合体、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの重合体、例えば、ジメチルまたはジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート,ジメチルまたはジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの重合体、アクリルアミド・スチレン共重合体、第3級アミノ基含有ウレタン系重合体等があげられる。
第4級アンモニウム基含有高分子としては、(メタ)アクリロイロキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩の重合体、例えば、2−(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、3−(メタ)アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体など、(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩の重合体、例えば、3−(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−(メタ)アクリロイルアミノ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどの重合体、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルベンジルアンモニウム塩の重合体、例えば、2−(メタ)アクリロイロキシエチルベンジルアンモニウムクロライド,2−(メタ)アクリロイロキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライドの重合体,前2者の単量体とアクリルアミド,ジメチルアミノエチルアクリレートなどの共重合体、アクリルアミドプロピルジメチルベンジルクロライドとN,N−ジメチルアクリルアミド及びN−メチル−N−ベンジルアリルアミン塩とN−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノプロピルアクリルアミドとの共重合体など、その他、例えば、ジメチルまたはジエチルジアリルアンモニウムクロライド,β−ビニルオキシエチルトリアルキルアンモニウム塩、ビニルベンジルアンモニウム塩などの重合体があげられ、これらアンモニウム基含有高分子とビニル系ポリマーからなる共重合物などがあげられる。
本発明のセシウムイオン吸着剤とは、セシウムイオンを吸着するものであれば特に限定されないが、例えば、セシウムイオン吸着性錯体、ゼオライト等が挙げられる。セシウムイオン吸着性錯体とは、例えば、プルシアンブルー型錯体、フタロシアニン型錯体などが挙げられる。
プルシアンブルー型錯体は、一般式AxM[Fe(CN)6]y・zH2O(但し、式中、Aは陽イオン、Mは金属原子を示す)で表される錯体である。Aの陽イオンとしては、アンモニウムイオンなどが挙げられる。Mの金属原子としては、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム、及びカルシウムからなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子が挙げられる。前述の組み合わせの中でも、セシウムイオンの吸着能及び挟雑物共存状態におけるセシウムイオンの選択性の観点から、Fe4[Fe(CN)6]3、FeNH4[Fe(CN)6]が特に好ましい。
プルシアンブルー型錯体の平均一次粒子径は特に限定されないが、セシウムイオン吸着能及び加工適正の観点から、0.001〜100μmが好ましく、0.001〜10μmがより好ましく、0.001〜1μmがさらに好ましく、0.001〜0.05μmがいっそう好ましい。
フタロシアニン型錯体としては、銅フタロシアニン、塩素化銅フタロシアニン、臭素化塩素化銅フタロシアニン、アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。より具体的には、銅フタロシアニンとしては、例えば、Pigment Blue15,Pigment Blue15:3,Pigment Blue76、Ingrain Blue1,Direct Blue86が挙げられる。塩素化銅フタロシアニンとしては、例えば、Pigment Green7が挙げられる。臭素化塩素化銅フタロシアニンとしては、Pigment Green58が挙げられる。
ゼオライトは、アルミノケイ酸塩のなかで結晶構造中に比較的大きな空隙を持つものの総称であり特に限定されないが、例えば、結晶性アルミノシリケート、メタロシリケート、アルミノホスフェート、シリカアルミノホスフェート等が挙げられる。
ゼオライトの平均一次粒子径は特に限定されないが、セシウムイオン吸着能及び加工適正の観点から、0.1〜100μmが好ましく、1.0〜50μmがより好ましく、1.0〜30μmがさらに好ましい。
上記セシウムイオン吸着剤は、剤全体が負に帯電しているため、上記第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物によるカチオン化処理後に該吸着剤の付与処理をすることにより、前記繊維塊に強固且つ高濃度に吸着させることができるものと推測される。
本発明のセシウムイオン吸着剤の固着量は、変退色・液汚染の低減の観点から、水処理媒体を構成する繊維材料に対して0.1〜10質量%が好ましく、セシウムイオン吸着後の吸着材の放射線量の抑制の観点から0.1〜4質量%がより好ましい。
本発明における水処理媒体からのセシウムイオン吸着剤の脱落率は、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、0.5%以下がいっそう好ましい。上記脱落率を5%以下とすることにより、本発明の水処理媒体からのセシウムイオンを吸着した吸着剤の脱落が非常に少なくなるため、吸着された放射性セシウムが環境に流出・拡散する2次的な汚染が拡大する恐れを防止することができる。
以下に、本発明の水処理媒体の製造方法について一例を示す。
本発明の水処理媒体の製造方法は、まず繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmの短繊維、好ましくは30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維を水中に分散させた状態で、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物によるカチオン化処理を行なった後、セシウムイオン吸着剤の付与処理を行なう。
前記カチオン化処理温度としては、20〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。前記付与処理時間としては、1〜60分が好ましく、5〜40分がより好ましい。
本発明のカチオン性高分子化合物の固着量は、変退色・セシウムイオン吸着剤の脱落低減の観点から、水処理媒体を構成する繊維材料に対し0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。該カチオン性高分子化合物の水処理媒体への吸尽性、浸透性を向上させるために、該浴液にノニオン系またはカチオン系界面活性剤を併用することが好ましい。
本発明においては、変退色・セシウムイオン吸着剤の脱落低減の観点から、上記カチオン化処理を施した後、排水し、必要に応じて水または/および加温水にて未固着のカチオン性高分子化合物を洗浄した後に、セシウムイオン吸着剤の付与処理を行なうことが好ましい。
セシウムイオン吸着剤の付与処理条件はカチオン化処理と同様の条件を選択することができる。具体的には、温度としては、いずれも20〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。また、処理時間としては、いずれも1〜60分が好ましく、5〜40分がより好ましい。
セシウムイオン吸着剤の繊維塊などへの吸尽性、浸透性を向上させるために、該浴液にノニオン系またはアニオン系界面活性剤を併用することが好ましい。
なお、セシウムイオン吸着剤として、プルシアンブルー型錯体を用いる場合は、プルシアンブルー型錯体の構造を好適に保つ観点から、pH7以下の水溶液で前記付与処理を行うことが好ましい。
本発明においては前記カチオン化処理及び/または前記付与処理を行うと同時又はその後に、水中に分散させた短繊維に振動を与えて短繊維を塊状にすることが必要である。工程の簡略化等の観点から、短繊維に振動を与え塊状とする工程を、付与処理と同一の槽で実施することが好ましい。
水中に分散させた短繊維に振動を与えて塊状とする方法としては、既存の技術を用いることができる。一例を具体的に挙げると、付与処理槽として処理槽下部に空気吹き込みノズルがある処理槽を用い、水を満たした処理槽内へ適当量の短繊維を供給し、カチオン性高分子化合物によるカチオン化処理及びセシウムイオン吸着剤付与処理を行った後、または同時に該処理槽の下部にある空気吹き込みノズルより、空気を連続的に処理槽内へ吹き込んで、短繊維群を浮遊させ、流動させる。その結果、吹き込まれた空気の作用によって短繊維は振動し流動して折りたたまれたり、折り曲げられる。以上の作用を繰り返し行うと、隣り合った短繊維は接触して連結しさらには他の短繊維を連結して繊維塊を形成することができる。
その他方法としては、攪拌翼を設置した処理槽を用い、水を満たした処理槽内へ短繊維を所定量投入し、カチオン化処理次いでセシウムイオン吸着剤付与処理を行った後、または同時に処理槽内に設けた攪拌翼にて攪拌を行い、短繊維を浮遊させ流動させる。その結果、攪拌による水流の作用によって短繊維は振動し流動して折りたたまれたり、折り曲げられる。以上の作用を繰り返し行うと、隣り合った短繊維は接触して連結しさらには他の短繊維を連結して繊維塊を形成することができる。
強固な繊維塊とする観点から、上記振動処理時間は10分以上が好ましく、30分以上がより好ましい。
繊維塊の形成率を向上させるためには、上記振動処理時の発泡を抑えることが好ましい。具体的には、消泡剤等を注入し繊維同士が絡みやすくすることが好ましい。繊維塊の形成率を高くすることにより、後述する分離負荷を低減させることができる。
上記振動処理工程後、塊状となった繊維塊と絡み合わなかった繊維を分離することが好ましい。分離方法としては、例えば、処理槽上部にスクリーンを設置し、処理槽に水を注入しながら空気攪拌を行い、絡まりあっていない繊維を外部に流出させる方法、繊維塊が静置時に沈む場合には、静置と攪拌を繰り返し、静置時に水または、蒸気を上部に注入し、絡まりあっていない繊維を浮上させ、処理槽上部から流出させる方法、繊維塊が存在するところより上部に排水口を設け静置時に流出させる方法、などが挙げられる。
本発明においては、繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmであり、30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維を塊状とし所定の処理を行なった後に、さらに熱融着処理を行うことで、セシウムイオン吸着剤を水処理媒体にいっそう強固に固着させることができ好ましい。
本発明における繊維塊の熱融着処理は、上記繊維塊を、水分散液より取り出し乾熱条件にて熱融着処理を行う方法、水中で熱融着処理を行なう方法などにて行うことができるが、生産効率等の観点から、上記付与処理と熱融着処理を同一槽で行う水中で熱融着処理を行う方法が好ましい。
上記熱融着処理を行なう場合は、乾熱条件にて熱融着処理を行う方法、水中または湿熱条件にて熱融着処理を行なう方法、いずれの場合であっても、熱融着性短繊維の融点から20℃程度低い温度から20℃程度高い温度で、繊維塊相互が熱融着しないようにしながら、0.1分〜60分間程度の熱融着処理を施すことが好ましい。
乾熱条件にて熱融着処理を行う場合の処理条件は、水処理媒体の均一な加熱等の観点から、熱融着性短繊維の融点から20℃程度低い温度から20℃程度高い温度で2〜60分程度処理することが好ましい。当該熱融着処理においては、例えば、熱風ドライヤー、熱風循環炉等の熱処理装置を用いることができる。
水中または湿熱条件にて熱融着処理を行う場合の処理条件は、水処理媒体の均一な加熱の観点から、熱融着性短繊維の融点から20℃程度低い温度から20℃程度高い温度で0.1〜60分程度処理することが好ましい。なお、熱融着性短繊維の軟化点以下の温度から、軟化点以上、融点以下の温度範囲内で、かつ融点との温度差が30℃以下の温度まで上昇させるまでの時間を10秒以下としても前記条件と同様の融着効果、つまり長期間の使用においても絡み合いが取れず且つセシウムイオン吸着剤を強固に繊維に固着させることができる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。尚、本発明は以下に示す実施例には限定されない。
実施例、比較例における本発明のセシウムイオン吸着用水処理媒体の評価方法は下記の通りである。
1.セシウムイオン吸着量の評価
120mlのバイアル瓶に、セシウムイオン濃度10ppmの塩化セシウム水溶液100ml、水処理媒体0.2gを投入し(固液比(固:液)=1:500)、振とう装置(タイテック株式会社製 バイオシェーカーBR−300L)を用い、25℃、120rpmで24時間振とう処理を行った。振とう処理前後の処理液中のセシウムイオン濃度をICP−MS(JIS K 01025.5(2008年)及びJIS K 0133(2000年)に準拠して測定した)にて定量し、試料1g当たりのセシウムイオン吸着量(mg)を測定した。
120mlのバイアル瓶に、セシウムイオン濃度10ppmの塩化セシウム水溶液100ml、水処理媒体0.2gを投入し(固液比(固:液)=1:500)、振とう装置(タイテック株式会社製 バイオシェーカーBR−300L)を用い、25℃、120rpmで24時間振とう処理を行った。振とう処理前後の処理液中のセシウムイオン濃度をICP−MS(JIS K 01025.5(2008年)及びJIS K 0133(2000年)に準拠して測定した)にて定量し、試料1g当たりのセシウムイオン吸着量(mg)を測定した。
2.セシウムイオン吸着剤の担持量
セシウムイオン吸着剤を固着した水処理媒体を600℃、30分間の灰化処理後、王水で完全に溶解し、該水溶液中の鉄量をICP発光分光分析法にて定量し水処理担体単位質量当たりの担持量(%)を求めた。なお、本実施例、比較例において、鉄量からセシウムイオン吸着剤量の換算は、下記分子式1に基づいて換算した。
Fe4[Fe(CN)6]3・・・・・・・・・(分子式1)
セシウムイオン吸着剤の担持量(%)=(担持されたセシウムイオン吸着剤(g)/水処理媒体量(g))×100
セシウムイオン吸着剤を固着した水処理媒体を600℃、30分間の灰化処理後、王水で完全に溶解し、該水溶液中の鉄量をICP発光分光分析法にて定量し水処理担体単位質量当たりの担持量(%)を求めた。なお、本実施例、比較例において、鉄量からセシウムイオン吸着剤量の換算は、下記分子式1に基づいて換算した。
Fe4[Fe(CN)6]3・・・・・・・・・(分子式1)
セシウムイオン吸着剤の担持量(%)=(担持されたセシウムイオン吸着剤(g)/水処理媒体量(g))×100
3.セシウムイオン吸着剤の脱落量
120mlのバイアル瓶に、セシウムイオン濃度10ppmの塩化セシウム水溶液100ml、水処理媒体5gを投入し(固液比(固:液)=1:20)、振とう装置(タイテック株式会社製 バイオシェーカーBR−300L)を用い、25℃、120rpmで24時間振とう処理を行った後の処理液中のシアン化合物量をJIS K0102 38.1.2及び38.3(2008年)の方法にて定量し、前述の分子式1に基づいて脱落したセシウムイオン吸着剤を換算した。なお、脱落率は5%以下を合格とした。
セシウムイオン吸着剤の脱落量(%)=(振とう処理にて脱落したセシウムイオン吸着剤量(g)/振とう処理前に担持されていたセシウムイオン吸着剤量(g))×100
120mlのバイアル瓶に、セシウムイオン濃度10ppmの塩化セシウム水溶液100ml、水処理媒体5gを投入し(固液比(固:液)=1:20)、振とう装置(タイテック株式会社製 バイオシェーカーBR−300L)を用い、25℃、120rpmで24時間振とう処理を行った後の処理液中のシアン化合物量をJIS K0102 38.1.2及び38.3(2008年)の方法にて定量し、前述の分子式1に基づいて脱落したセシウムイオン吸着剤を換算した。なお、脱落率は5%以下を合格とした。
セシウムイオン吸着剤の脱落量(%)=(振とう処理にて脱落したセシウムイオン吸着剤量(g)/振とう処理前に担持されていたセシウムイオン吸着剤量(g))×100
実施例1
ポリエチレンテレフタレート短繊維(繊度5.5dtex、繊維長5mm、融点255℃)10kg及び水2.5m3を3m3の繊維塊作成用円筒容器(直径1.5m、高さ1.7m)に投入し、下記処方1にてカチオン化処理を行いながら撹拌することによって繊維を絡み合わせた後、排水し、さらに未固着のカチオン性高分子化合物を除去するために2.5m3の水にてすすぎ5分間を2回実施した。次いで、同処理槽、同浴比で、下記処方2にてセシウムイオン吸着剤付与処理を行いながら、さらに撹拌し繊維を絡み合わせた後、排水し、さらに未固着のセシウムイオン吸着剤を除去するために、2.5m3の水にてすすぎ5分間を2回実施した。
次に絡み合わなかった繊維を除去するために、静置と撹拌を繰り返しながら、上部に設けた排水口より絡み合っていない繊維を排出させた。次いで、沈んでいた繊維塊を取り出し、脱水後60℃×60分にて乾燥し繊維塊を得た。得られたセシウムイオン吸着用水処理媒体は平均直径が5mmの球状であった。
ポリエチレンテレフタレート短繊維(繊度5.5dtex、繊維長5mm、融点255℃)10kg及び水2.5m3を3m3の繊維塊作成用円筒容器(直径1.5m、高さ1.7m)に投入し、下記処方1にてカチオン化処理を行いながら撹拌することによって繊維を絡み合わせた後、排水し、さらに未固着のカチオン性高分子化合物を除去するために2.5m3の水にてすすぎ5分間を2回実施した。次いで、同処理槽、同浴比で、下記処方2にてセシウムイオン吸着剤付与処理を行いながら、さらに撹拌し繊維を絡み合わせた後、排水し、さらに未固着のセシウムイオン吸着剤を除去するために、2.5m3の水にてすすぎ5分間を2回実施した。
次に絡み合わなかった繊維を除去するために、静置と撹拌を繰り返しながら、上部に設けた排水口より絡み合っていない繊維を排出させた。次いで、沈んでいた繊維塊を取り出し、脱水後60℃×60分にて乾燥し繊維塊を得た。得られたセシウムイオン吸着用水処理媒体は平均直径が5mmの球状であった。
(処方1)
カチオン性高分子化合物(山陽色素(株)社製 カチオン化剤CT F1101 固形分15%) 90g/L
処理温度:70℃
処理時間:30分
カチオン性高分子化合物(山陽色素(株)社製 カチオン化剤CT F1101 固形分15%) 90g/L
処理温度:70℃
処理時間:30分
(処方2)
プルシアンブルー(関東化学(株)社製 Fe4[Fe(CN)6]3、疎水性・低純度品固形分11%、平均一次粒子径0.01μm) 40%omf
処理温度:70℃
処理時間:60分
プルシアンブルー(関東化学(株)社製 Fe4[Fe(CN)6]3、疎水性・低純度品固形分11%、平均一次粒子径0.01μm) 40%omf
処理温度:70℃
処理時間:60分
実施例2
高融点繊維として、融点255℃のポリエステル繊維(樹脂:ポリエチレンテレフタレート、繊度5.5dtex、繊維長5mm)10kgと、低融点繊維として、融点110℃の熱融着性繊維(芯鞘構造(芯樹脂:ポリエチレンテレフタレート、鞘樹脂:共重合ポリエチレンテレフタレート)、軟化点50℃、繊度4.4dtex、繊維長5mm)40kgを、3m3の繊維塊作成用円筒容器(直径1.5m、高さ1.7m)に投入し、前述の処方1にてカチオン化処理を行いながら撹拌することによって繊維を絡み合わせた後、排水し、さらに未固着のカチオン性高分子化合物を除去するために2.5m3の水にてすすぎ5分間を2回実施した。次いで、同処理槽、同浴比で、前述の処方2にてセシウムイオン吸着剤付与処理を行いながら、さらに撹拌し繊維を絡み合わせた後、排水し、さらに未固着のセシウムイオン吸着剤を除去するために、2.5m3の水にてすすぎ5分間を2回実施した。
次に絡み合わなかった繊維を除去するために、静置と撹拌を繰り返しながら、上部に設けた排水口より絡み合っていない繊維を排出させた。次いで、同円筒容器を用いて湿熱状態で温度を90℃まで10秒で上昇させ、常圧で繊維同士を融着させて繊維塊を製造した。得られたセシウムイオン吸着用水処理媒体は平均直径が5mmの球状であった。
高融点繊維として、融点255℃のポリエステル繊維(樹脂:ポリエチレンテレフタレート、繊度5.5dtex、繊維長5mm)10kgと、低融点繊維として、融点110℃の熱融着性繊維(芯鞘構造(芯樹脂:ポリエチレンテレフタレート、鞘樹脂:共重合ポリエチレンテレフタレート)、軟化点50℃、繊度4.4dtex、繊維長5mm)40kgを、3m3の繊維塊作成用円筒容器(直径1.5m、高さ1.7m)に投入し、前述の処方1にてカチオン化処理を行いながら撹拌することによって繊維を絡み合わせた後、排水し、さらに未固着のカチオン性高分子化合物を除去するために2.5m3の水にてすすぎ5分間を2回実施した。次いで、同処理槽、同浴比で、前述の処方2にてセシウムイオン吸着剤付与処理を行いながら、さらに撹拌し繊維を絡み合わせた後、排水し、さらに未固着のセシウムイオン吸着剤を除去するために、2.5m3の水にてすすぎ5分間を2回実施した。
次に絡み合わなかった繊維を除去するために、静置と撹拌を繰り返しながら、上部に設けた排水口より絡み合っていない繊維を排出させた。次いで、同円筒容器を用いて湿熱状態で温度を90℃まで10秒で上昇させ、常圧で繊維同士を融着させて繊維塊を製造した。得られたセシウムイオン吸着用水処理媒体は平均直径が5mmの球状であった。
実施例3
湿熱状態での繊維同士の融着に代えて、160℃×60分にて熱融着処理を施し繊維同士を融着させた以外は、実施例2と同様にして繊維塊を得た。得られたセシウムイオン吸着用水処理媒体は平均直径が5mmの球状であった。
湿熱状態での繊維同士の融着に代えて、160℃×60分にて熱融着処理を施し繊維同士を融着させた以外は、実施例2と同様にして繊維塊を得た。得られたセシウムイオン吸着用水処理媒体は平均直径が5mmの球状であった。
実施例4
湿熱状態での繊維同士の融着操作をおこなわない以外は、実施例2と同様にして繊維塊を得た。得られたセシウムイオン吸着用水処理媒体は平均直径が5mmの球状であった。
湿熱状態での繊維同士の融着操作をおこなわない以外は、実施例2と同様にして繊維塊を得た。得られたセシウムイオン吸着用水処理媒体は平均直径が5mmの球状であった。
比較例1
カチオン化処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の水処理媒体を得た。
カチオン化処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の水処理媒体を得た。
比較例2
カチオン化処理を行わない以外は、実施例2と同様にして、比較例2の水処理媒体を得た。
カチオン化処理を行わない以外は、実施例2と同様にして、比較例2の水処理媒体を得た。
比較例3
カチオン化処理を行わない以外は、実施例3と同様にして、比較例3の水処理媒体を得た。
カチオン化処理を行わない以外は、実施例3と同様にして、比較例3の水処理媒体を得た。
実施例、比較例にて得られたセシウムイオン吸着用水処理媒体の評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜4の本発明のセシウムイオン吸着用水処理媒体は、特別な設備を使わずとも、繊維塊の製造と同一槽にて、カチオン性高分子化合物及びセシウムイオン吸着剤を付与することで、低コストで、セシウムイオン吸着性能に優れ、且つ吸着剤の脱落が少ないセシウムイオン吸着用水処理媒体が得られた。特に、実施例2、3の如く、30℃以上融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維を用い熱融着処理を行うことにより、低融点短繊維またはポリマーの溶解によるバインダー効果でセシウムイオン吸着剤をさらに強固に固着するので、吸着剤の脱落が極めて少ないセシウムイオン吸着用水処理媒体が得られた。
一方、比較例1〜3は、カチオン化処理を行なわなかったため、得られた水処理媒体のセシウムイオン吸着能力が低く、またセシウムイオン吸着剤の脱落防止効果が満足できるものではなかった。
一方、比較例1〜3は、カチオン化処理を行なわなかったため、得られた水処理媒体のセシウムイオン吸着能力が低く、またセシウムイオン吸着剤の脱落防止効果が満足できるものではなかった。
Claims (4)
- 繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmの短繊維が互いに絡まりあった繊維塊からなる水処理媒体であって、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物及びセシウムイオン吸着剤が固着されたことを特徴とするセシウムイオン吸着用水処理媒体。
- 前記繊維塊が30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維からなり、前記繊維塊を構成する短繊維が部分的に融着してなることを特徴とする請求項1記載のセシウムイオン吸着用水処理媒体。
- 繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmの短繊維を水中に分散させた状態で、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物によるカチオン化処理を行なった後、セシウムイオン吸着剤付与処理を行い、前記カチオン化処理及び/または前記付与処理と同時又はその後に、水中に分散させた短繊維に振動を与えて短繊維を塊状とすることを特徴とする請求項1記載のセシウムイオン吸着用水処理媒体の製造方法。
- 前記繊維塊が、繊度0.1〜25dtex、繊維長3〜50mmであり、30℃以上の融点差を有する2種以上の短繊維及び/または30℃以上の融点差を有するポリマーが隣接または芯鞘構造となっている短繊維を水中に分散させた状態で、第3級または第4級アンモニウム基を含むカチオン性高分子化合物によるカチオン化処理を行なった後、セシウムイオン吸着剤付与処理を行い、前記カチオン化処理及び/または前記付与処理と同時又はその後に、水中に分散させた短繊維に振動を与えて短繊維を塊状とし、次いで熱融着処理を行うことを特徴とする請求項3記載のセシウムイオン吸着用水処理媒体の製造方法。
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JP2013146558A JP2015017342A (ja) | 2013-07-12 | 2013-07-12 | セシウムイオン吸着用水処理媒体及びその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108286125A (zh) * | 2018-01-30 | 2018-07-17 | 平湖市伊凡家箱包有限公司 | 一种抑菌吸水的功能湿巾 |
-
2013
- 2013-07-12 JP JP2013146558A patent/JP2015017342A/ja active Pending
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