JP2015014547A - 表面増強ラマン散乱素子、及び、表面増強ラマン散乱素子を製造する方法 - Google Patents

表面増強ラマン散乱素子、及び、表面増強ラマン散乱素子を製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】設計の自由度の低下を抑制可能であると共に、ナノギャップを安定して形成可能な表面増強ラマン散乱素子、及び、表面増強ラマン散乱素子を製造する方法を提供する。
【解決手段】
SERS素子2は、表面21aを有する基板21と、表面21a上に形成され、複数のピラー27を有する微細構造部24と、表面21a及び微細構造部24を連続的に覆うように表面21a及び微細構造部24上に形成された第1の導電体層31と、表面増強ラマン散乱のための複数のギャップG1,G2を形成するように第1の導電体層31上に形成された第2の導電体層32と、を備え、第1の導電体層31及び第2の導電体層32は、互いに同一の材料から構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、表面増強ラマン散乱素子、及び、表面増強ラマン散乱素子を製造する方法に関する。
従来の表面増強ラマン散乱素子として、表面増強ラマン散乱(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)を生じさせる微小金属構造体を備えるものが知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。このような表面増強ラマン散乱素子においては、ラマン分光分析の対象となる試料が微小金属構造体に接触させられ、その状態で当該試料に励起光が照射されると、表面増強ラマン散乱が生じ、例えば10倍程度にまで増強されたラマン散乱光が放出される。
ところで、例えば特許文献2には、基板と、基板の一面に形成された複数の微小突起部と、微小突起部の上面及び基板の一面に形成された金属層とを備える微量物検出素子が記載されている。特に、この微量物検出素子においては、微小突起部の上面に形成された金属層と、基板の一面に形成された金属層とを非接触状態とすることにより、それらの間に5nm〜10μm程度の間隔を形成している。
特開2011−33518号公報 特開2009−222507号公報
"Q-SERSTM G1 Substrate"、[online]、株式会社オプトサイエンス、[平成25年7月5日検索]、インターネット<URL:http://www.optoscience.com/maker/nanova/pdf/Q-SERS_G1.pdf>
上述したように、いわゆるナノギャップが微小金属構造体に形成されていると、励起光が照射された際に局所的な電場の増強が起こり、表面増強ラマン散乱の強度が増大される。
しかしながら、特許文献2に記載の微量物検出素子においては、微小突起部の側面及び基板の一面の一部分が金属層から露出している。このため、微小突起部及び基板を構成する材料によっては、微小突起及び基板から発生するガス等の影響により、金属層に汚染が生じる場合がある。したがって、微小突起部及び基板を構成する材料として、金属層に汚染を生じさせるガス等が発生しないような材料を選択する必要がある。その結果、設計の自由度が低下する。また、好適なナノギャップを形成しようとすると、微小突起部の形状を工夫する必要があった。
そこで、本発明は、設計の自由度の低下を抑制可能であると共に、ナノギャップを安定して形成可能な表面増強ラマン散乱素子、及び、表面増強ラマン散乱素子を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明に係る表面増強ラマン散乱素子は、主面を有する基板と、主面上に形成され、複数の凸部を有する微細構造部と、主面及び微細構造部を連続的に覆うように主面及び微細構造部上に形成された第1の導電体層と、表面増強ラマン散乱のための複数のギャップを形成するように第1の導電体層上に形成された第2の導電体層と、を備え、第1及び第2の導電体層は、互いに同一の材料から構成されている。
この表面増強ラマン散乱素子においては、基板の主面及び微細構造部を連続的に覆うように主面及び微細構造部の上に第1の導電体層が形成されている。そして、その第1の導電体層の上に、表面増強ラマン散乱のための複数のギャップ(すなわち、表面増強ラマン散乱の強度の増大に寄与するナノギャップ)を構成するように第2の導電体層が形成されている。このため、基板や微細構造部等の下地部分からガス等が発生したとしても、第1の導電体層によって、第2の導電体層へのそのガス等の影響を低減することができる。したがって、基板や微細構造部等を構成する材料を、第2の導電体層に汚染を生じさせるガス等が発生しないような材料に制限する必要がないため、設計の自由度の低下を抑制可能である。また、第2の導電体層が、同一の材料から構成される第1の導電体層の上に形成されるため、ナノギャップを安定して形成可能である。
本発明に係る表面増強ラマン散乱素子においては、第2の導電体層は、主面に沿うように形成されたベース部と、凸部のそれぞれに対応する位置においてベース部から突出する複数の突出部と、を有し、ベース部には、凸部が突出する方向から見た場合に凸部のそれぞれを包囲するように複数の溝が形成されており、ギャップは、少なくとも溝内に形成されてもよい。このように、第2の導電体層は、微細構造部の凸部に対応する突出部と、凸部を包囲するように溝が形成されたベース部とを有する。このため、各溝内において好適にナノギャップを構成することが可能である。
本発明に係る表面増強ラマン散乱素子においては、ギャップは、溝内においてベース部と突出部とによって形成される第1のギャップ、及び、溝内においてベース部と第1の導電体層とによって形成される第2のギャップの少なくとも一方を含んでもよい。このように、溝内においては、第2の導電体層の部分同士によって形成される第1のギャップをナノギャップとして機能させることができるし、第1の導電体層と第2の導電体層とによって形成される第2のギャップをナノギャップとして機能させることもできる。
本発明に係る表面増強ラマン散乱素子においては、溝は、凸部が突出する方向から見た場合に凸部のそれぞれを包囲するように環状に延在していてもよい。この場合、ナノギャップとして好適に機能するギャップを増加させることができる。
本発明に係る表面増強ラマン散乱素子においては、突出部は、基板側の端部において括れた形状を有していてもよい。この場合、突出部の一部を確実に溝内に位置させて、ベース部と突出部とによって溝内に形成されたギャップを、ナノギャップとして好適に機能させることができる。
本発明に係る表面増強ラマン散乱素子においては、対応する溝内に位置する突出部の一部は、導電体粒子の凝集状態となっていてもよい。また、本発明に係る表面増強ラマン散乱素子においては、ベース部は、溝の外縁に沿って盛り上がっていてもよい。これらの場合、溝内に形成されるギャップをナノギャップとして好適に機能させることができる。
本発明に係る表面増強ラマン散乱素子においては、ベース部と突出部とは、溝の最深部において繋がっていてもよい。或いは、本発明に係る表面増強ラマン散乱においては、ベース部と突出部とは、溝の最深部において離れていてもよい。これらの場合、溝内に形成されるギャップをナノギャップとして好適に機能させることができる。
本発明に係る表面増強ラマン散乱素子においては、凸部は、主面に沿って周期的に配列されていてもよい。この場合、表面増強ラマン散乱の強度を増大させることができる。
本発明に係る表面増強ラマン散乱素子を製造する方法は、複数の凸部を有する微細構造部を基板の主面上に形成する第1の工程と、第1の気相成長法によって、基板の主面及び微細構造部上に第1の導電体層を形成する第2の工程と、第2の気相成長法によって、第1の導電体層上に表面増強ラマン散乱のための第2の導電体層を形成する第3の工程と、を備え、第1の導電体層と第2の導電体層とは、互いに同一の材料から構成され、第2の気相成長法の異方性は、第1の気相成長法の異方性よりも高い。
この方法においては、まず、相対的に異方性の低い第1の気相成長法によって、基板の主面及び微細構造部上に第1の導電体層を形成する。このため、導電体粒子(粒子化した導電体材料)が、基板の主面及び微細構造部に対する入射方向が比較的ランダムな状態において、基板の主面及び微細構造部上に堆積する(すなわち、基板の主面及び微細構造部に対して複数の方向から入射する導電体粒子が基板の主面及び微細構造部上に堆積する)。その結果、基板の主面及び微細構造部を連続的に覆うように第1の導電体層が形成される。一方、この方法においては、相対的に異方性の高い第2の気相成長法によって、第1の導電体層の上に第2の導電体層を形成する。このため、第1の導電体層上において導電体粒子の堆積に偏りが生じる結果、表面増強ラマン散乱のための複数のギャップ(ナノギャップ)を形成するように第2の導電体層が形成される。
したがって、基板や微細構造部等の下地部分からガス等が発生したとしても、第1の導電体層によって、第2の導電体層へのそのガス等の影響を低減することができる。よって、この方法によれば、基板や微細構造部等を構成する材料を、第2の導電体層の汚染を生じさせるガス等が発生しないような材料に制限する必要がないため、表面増強ラマン散乱素子を製造する際に、設計の自由度の低下を抑制可能である。また、この方法によれば、第2の導電体層が、同一の材料から構成される第1の導電体層の上に形成されるため、ナノギャップを安定して形成可能である。
本発明によれば、設計の自由度の低下を抑制可能であると共に、ナノギャップを安定して形成可能な表面増強ラマン散乱素子、及び、表面増強ラマン散乱素子を製造する方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の表面増強ラマン散乱素子が適用された表面増強ラマン散乱ユニットの平面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットのII−II線に沿っての断面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットの底面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットのII−II線に沿っての一部拡大断面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットの表面増強ラマン散乱素子の一部拡大断面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットの表面増強ラマン散乱素子の変形例の一部拡大断面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットがセットされたラマン分光分析装置の構成図である。 図5の表面増強ラマン散乱素子を製造する方法の工程を示す断面図である。 図5の表面増強ラマン散乱素子を製造する方法の工程を示す断面図である。 図5の表面増強ラマン散乱素子を製造する方法の工程を示す断面図である。 図5の表面増強ラマン散乱素子を製造する方法の工程を示す断面図である。 実施例の表面増強ラマン散乱素子の光学機能部のSEM写真である。 実施例の表面増強ラマン散乱素子についてのストークスシフトとシグナル強度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一の要素同士、或いは、相当する要素同士には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
図1及び図2に示されるように、SERSユニット(表面増強ラマン散乱ユニット)1は、SERS素子(表面増強ラマン散乱素子)2と、測定時にSERS素子2を支持する測定用基板3と、SERS素子2を測定用基板3において機械的に保持する保持部4と、を備えている。なお、「機械的に」とは、「接着剤等によらずに、部材同士の嵌め合せによって」との意味である。
測定用基板3の表面3aには、SERS素子2及び保持部4を収容する凹部5が設けられている。一方、図2及び図3に示されるように、測定用基板3の裏面3bには、測定用基板3の厚さ方向に垂直な方向に延在する壁部6,7が形成されるように複数の肉抜き部8が設けられている。一例として、壁部6は、測定用基板3の外縁に沿って環状に形成されており、壁部7は、壁部6の内側において格子状に形成されている。測定用基板3は、長方形板状に形成されている。凹部5及び各肉抜き部8は、直方体状に形成されている。このような測定用基板3は、樹脂(ポリプロピレン、スチロール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、PET、PMMA、シリコーン、液晶ポリマー等)、セラミック、ガラス、シリコン等の材料によって、成型、切削、エッチング等の手法を用いて一体的に形成されている。
図4に示されるように、SERS素子2は、基板21と、基板21上に形成された成形層22と、成形層22上に形成された導電体層23と、を備えている。一例として、基板21は、シリコン又はガラス等によって矩形板状に形成されており、数百μm×数百μm〜数十mm×数十mm程度の外形及び100μm〜2mm程度の厚さを有している。
成形層22は、微細構造部24と、支持部25と、枠部26と、を含んでいる。微細構造部24は、成形層22の中央部において基板21の反対側の表層に形成された周期的パターンを有する領域であり、支持部25を介して基板21の表面(主面)21a上に形成されている。支持部25は、微細構造部24を支持する領域であり、基板21の表面21a上に形成されている。枠部26は、支持部25を包囲する環状の領域であり、基板21の表面21a上に形成されている。
一例として、微細構造部24は、測定用基板3の厚さ方向における一方の側から見た場合に、数百μm×数百μm〜数十mm×数十mm程度の矩形状の外形を有している。微細構造部24には、周期的パターンとして、数nm〜数百nm程度の太さ及び高さを有する複数のピラーが、基板21の表面21aに沿って、数十nm〜数百nm程度のピッチで周期的に配列されている。支持部25及び枠部26は、数十nm〜数十μm程度の厚さを有している。このような成形層22は、例えば、基板21上に配置された樹脂(アクリル系、フッ素系、エポキシ系、シリコーン系、ウレタン系、PET、ポリカーボネート若しくは無機有機ハイブリッド材料等)又は低融点ガラスをナノインプリント法によって成形することで、一体的に形成されている。
導電体層23は、微細構造部24上及び枠部26上に一体的に形成されている。微細構造部24においては、導電体層23は、基板21の反対側に露出する支持部25の表面に達している。SERS素子2では、微細構造部24の表面上、及び基板21の反対側に露出する支持部25の表面上に形成された導電体層23によって、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部20が構成されている。一例として、導電体層23は、数nm〜数μm程度の厚さを有している。このような導電体層23は、例えば、ナノインプリント法によって成形された成形層22に金属(Au、Ag、Al、Cu、又はPt等)の導電体を気相成長させることによって形成されている。
凹部5の底面5aには、SERS素子2の基板21側の一部を収容する凹部9が設けられている。凹部9は、SERS素子2の基板21側の一部と相補関係を有する形状に形成されており、基板21の厚さ方向に垂直な方向へのSERS素子2の移動を規制している。なお、SERS素子2は、凹部9の内面に接着剤等によって固定されておらず、凹部9の内面に接触しているだけである。
保持部4は、基板21の厚さ方向から見た場合に光学機能部20を包囲するように環状に形成された挟持部41と、挟持部41から測定用基板3の裏面3b側に延在する複数の脚部42と、を有している。凹部5の底面5aには、脚部42のそれぞれに対応するように篏合孔11が設けられている。各脚部42は、挟持部41が光学機能部20を包囲し且つSERS素子2の導電体層23に接触した状態で、各篏合孔11に嵌め合わされている。このように、測定用基板3と別体に形成された保持部4は、測定用基板3に機械的に固定されており、凹部9に配置されたSERS素子2は、測定用基板3と保持部4の挟持部41とで挟持されている。これにより、SERS素子2は、測定用基板3に対して機械的に保持される。なお、篏合孔11は、底を有しており、測定用基板3を貫通していない。
一例として、挟持部41は、基板21の厚さ方向から見た場合に外縁が矩形状となり且つ内縁が円形状となるように形成されており、脚部42は、挟持部41の4つの角部のそれぞれから測定用基板3の裏面3b側に延在している。挟持部41の内縁が円形状とされていることで、SERS素子2への局所的な押圧力の作用が回避されている。脚部42及び篏合孔11は、円柱状に形成されている。このような挟持部41及び脚部42を有する保持部4は、樹脂(ポリプロピレン、スチロール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、PET、PMMA、シリコーン、液晶ポリマー等)、セラミック、ガラス、シリコン等の材料によって、成型、切削、エッチング等の手法を用いて一体的に形成されている。
更に、SERSユニット1は、光透過性を有するカバー12を備えている。カバー12は、凹部5の開口部に設けられた拡幅部13に配置されており、凹部5の開口部を覆っている。拡幅部13は、カバー12と相補関係を有する形状に形成されており、カバー12の厚さ方向に垂直な方向へのカバー12の移動を規制している。保持部4の挟持部41の表面41aは、拡幅部13の底面13aと略面一となっている。これにより、カバー12は、測定用基板3だけでなく、保持部4によっても支持されることとなる。一例として、カバー12は、ガラス等によって矩形板状に形成されており、18mm×18mm程度の外形及び0.15mm程度の厚さを有している。なお、図1及び図2に示されるように、SERSユニット1の使用前には、カバー12を覆うように測定用基板3に仮固定フィルム14が貼り付けられており、測定用基板3からのカバー12の脱落が防止されている。
上述したSERS素子2について、より詳細に説明する。図5に示されるように、微細構造部24は、基板21の表面21aに沿って周期的に配列された複数のピラー(凸部)27を有している。一例として、ピラー27は、数nm〜数百nm程度の太さ及び高さを有する円柱状に形成されており、基板21の表面21aに沿って数十nm〜数百nm程度(好ましくは、250nm〜800nm)のピッチで周期的に配列されている。
導電体層23は、第1の導電体層31と第2の導電体層32とを有する。第1の導電体層31及び第2の導電体層32は、成形層22上に順に積層されている。第1の導電体層31は、基板21の表面21a及び微細構造部24(成形層22)の全体にわたって、基板21の表面21a及び微細構造部24を連続的に覆うように基板21の表面21a及び微細構造部24上に形成されている。第1の導電体層31は、例えば、Au、Ag、Al、Cu又はPt等の導電体材料によって構成される。第1の導電体層31の厚さは、例えば数nm〜数百nm程度である。
第2の導電体層32は、表面増強ラマン散乱のための複数のギャップ(すなわち、表面増強ラマン散乱の強度の増大に寄与するナノギャップ)を構成するように、第1の導電体層31上に形成されている。より具体的には、第2の導電体層32は、基板21の表面21aに沿うように形成されたベース部33と、各ピラー27に対応する位置においてベース部33から突出する複数の突出部34と、を有している。
ベース部33は、第1の導電体層31を介して支持部25の表面25a上に層状に形成されている。ベース部33の厚さは、例えば数nm〜数μm程度である。したがって、支持部25の表面25a上における第1の導電体層31とベース部33との合計の厚さは、例えば、数nm〜数μm程度であり、ピラー27の高さよりも小さくなっている。突出部34は、各ピラー27を覆うように形成されており、少なくとも基板21側の端部34aにおいて括れた形状を有している。各突出部34においては、少なくとも基板21と反対側の端部(ピラー27の頂部上に位置する部分)が、ベース部33から突出している。
ベース部33には、基板21と反対側に開口する複数の溝33aが形成されている。溝33aは、ピラー27が突出する方向(すなわち、基板21の厚さ方向)から見た場合に、各ピラー27を包囲するように円環状に延在している。突出部34の端部34aは、対応する溝33a内(すなわち、当該突出部34が形成されたピラー27を包囲する溝33a内)に位置している。これにより、各溝33a内には、ベース部33と突出部34とによって、基板21と反対側に開口する第1のギャップG1が形成されている。第1のギャップG1は、ベース部33における溝33aを形成する縁部33bと、突出部34の端部34aとによって形成された(導電体材料からなる部分の間の)微細な隙間である。
一方、突出部34の端部34aは、各溝33aの最深部に達していない。すなわち、ベース部33と突出部34とは、各溝33aの最深部において、互いに離れている。このため、各溝33aの開口付近においては第1の導電体層31が突出部34に覆われており、各溝33aの最深部付近においては第1の導電体層31が突出部34から露出している。これにより、各溝33a内には、ベース部33と第1の導電体層31とによって第2のギャップG2が形成されている。第2のギャップG2は、ベース部33における溝33aを形成する縁部33bと、第1の導電体層31におけるピラー27の根元部分の側面上に形成された部分31bとによって形成された(導電体材料からなる部分の間の)微細な隙間である。
これらの第1のギャップG1及び第2のギャップG2は、一例として、ピラー27が突出する方向から見た場合に、各ピラー27を包囲する円環状に延在しており、0〜数十nm程度の幅を有している。つまり、第1のギャップG1及び第2のギャップG2は、いずれも、表面増強ラマン散乱の強度の増大に寄与するナノギャップとして機能する。なお、溝33aを画定する外側の側面は、ベース部33によって形成されているが、溝33aを画定する内側の側面は、ベース部33によって形成されている場合もあるし、第1の導電体層31によって形成されている場合もある。更に、溝33aを画定する底面は、ベース部33によって形成されている場合もあるし、第1の導電体層31によって形成される場合もある。
このような第2の導電体層32は、基板21の表面21aの全体にわたって(すなわち成形層22の全体にわたって)延在するように第1の導電体層31上に形成されてもよいし、微細構造部24が形成された領域上のみにおいて第1の導電体層31上に形成されてもよい。第2の導電体層32は、第1の導電体層31と同一の材料であって、例えば、Au、Ag、Al、Cu又はPt等の導電体材料によって構成される。
ここで、第1の導電体層31は、例えば上述した導電体材料から、例えばスパッタ法やイオンプレーティング法等の比較的異方性の小さい気相成長法によって形成される。一方、第2の導電体層32は、第1の導電体層31と同一の材料から、例えば蒸着法等の比較的異方性の大きい気相成長法によって形成される。このため、第1の導電体層31は、導電体粒子(粒子化した導電体材料)の微細構造部24(成形層22)への入射方向が比較的ランダムな状態において、導電体粒子が微細構造部24上に堆積して形成される(すなわち、微細構造部24に対して複数の方向から入射する導電体粒子が微細構造部24上に堆積して形成される)。したがって、第1の導電体層31は、基板21の表面21a上の全体にわたって比較的均一に連続的に形成されている。これに対して、第2の導電体層32は、例えば第1の導電体層31に対する入射方向が略一定とされた導電体粒子が第1の導電体層31上に堆積して形成される。したがって、第2の導電体層32には、基板21の表面21a上において部分的に形成されない箇所(溝33a等)が生じる。
なお、図6の(a)に示されるように、第2の導電体層32の突出部34には、導電体粒子が凝集されてなる複数の凝集体(パーティクル)34bが形成される場合がある(すなわち、導電体粒子の凝集状態となっている場合がある)。図6の(a)においては、突出部34におけるピラー27の側面に対応する部分の全体が凝集状態となっている場合が示されているが、対応する溝33a内に位置している端部34aのみが凝集状態となる場合もある。このように、突出部34に複数の凝集体34bが形成されると、ベース部33と凝集体34bとの間のギャップ(第1のギャップG1)に加えて、凝集体34b同士の間にナノギャップとして機能するギャップが形成される場合がある。
また、図6の(b)に示されるように、ベース部33と突出部34とは、溝33aの最深部において繋がっている場合もある。この場合には、溝33a内において、第1の導電体層31が露出していないので、上述した第2のギャップG2が形成されず、第1のギャップG1のみが形成される。また、図6の(c)に示されるように、ベース部33と突出部34とが溝33aの最深部において離れており、且つ、ベース部33(特に縁部33b)が、溝33aの外縁に沿って盛り上がっている場合もある。さらに、ベース部33と突出部34とが溝33aの最深部において繋がっており、且つ、ベース部33(特に縁部33b)が、溝33aの外縁に沿って盛り上がっている場合もある。
以上のように構成されたSERSユニット1によるラマン分光分析方法について説明する。ここでは、図7に示されるように、SERSユニット1を支持するステージ51と、励起光を出射する光源52と、励起光を光学機能部20に照射するのに必要なコリメーション、フィルタリング、集光等を行う光学部品53と、ラマン散乱光を検出器55に誘導するのに必要なコリメーション、フィルタリング等を行う光学部品54と、ラマン散乱光を検出する検出器55と、を備えるラマン分光分析装置50において、ラマン分光分析方法が実施される。
まず、SERSユニット1を用意し、測定用基板3から仮固定フィルム14を剥がして、測定用基板3からカバー12を取り外す。そして、保持部4の挟持部41の内側の領域に溶液試料(或いは、水又はエタノール等の溶液に紛体の試料を分散させたもの)を滴下することにより、光学機能部20上に溶液試料を配置する。続いて、レンズ効果を低減させるために、測定用基板3の拡幅部13にカバー12を配置して、溶液試料にカバー12を密着させる。
その後に、ステージ51上に測定用基板3を配置して、SERSユニット1をラマン分光分析装置50にセットする。続いて、光源52から出射されて光学部品53を介した励起光を、光学機能部20上に配置された溶液試料に照射することで、溶液試料を励起させる。このとき、ステージ51は、光学機能部20に励起光の焦点が合うように移動させられている。これにより、光学機能部20と溶液試料との界面で表面増強ラマン散乱が生じ、溶液試料由来のラマン散乱光が例えば10倍程度にまで増強されて放出される。そして、放出されたラマン散乱光を、光学部品54を介して検出器55で検出することにより、ラマン分光分析を行う。なお、これらの形態の場合には、測定時にカバー12を必ずしも配置する必要はない。
なお、光学機能部20上への試料の配置の方法には、上述した方法の他に、次のような方法がある。例えば、測定用基板3を把持して、溶液試料(或いは、水又はエタノール等の溶液に紛体の試料を分散させたもの)に対してSERS素子2を浸漬させて引き上げ、ブローして当該試料を乾燥させてもよい。また、溶液試料(或いは、水又はエタノール等の溶液に紛体の試料を分散させたもの)を光学機能部20上に微量滴下し、当該試料を自然乾燥させてもよい。また、紛体である試料をそのまま光学機能部20上に分散させてもよい。
以上説明したように、SERS素子2においては、基板21の表面21a及び微細構造部24を連続的に覆うように、表面21a及び微細構造部24上に第1の導電体層31が形成されている。そして、その第1の導電体層31の上に、ナノギャップとして機能するギャップ(例えば第1のギャップG1及び第2のギャップG2)を形成するように第2の導電体層32が形成されている。このため、基板21や微細構造部24等の下地部分からガス等が発生したとしても、第1の導電体層31によって第2の導電体層32へのそのガス等の影響を低減することができる。したがって、基板21や微細構造部24等を構成する材料を、第2の導電体層32に汚染を生じさせるガス等が発生しないような材料に制限する必要がないため、設計の自由度の低下を抑制可能である。また、第2の導電体層32が、同一の材料から構成される第1の導電体層31の上に形成されるため、ナノギャップを安定して形成可能である。
また、SERS素子2においては、第2の導電体層は、微細構造部24のピラー27に対応する突出部34と、ピラー27を包囲するように溝33aが形成されたベース部33とを有する。このため、各溝33a内において好適にナノギャップを構成することが可能である。
また、SERS素子2においては、ピラー27が、基板21の表面21aに沿って周期的に配列されている。このため、表面増強ラマン散乱の強度を増大させることができる。
また、SERS素子2においては、溝33aが、ピラー27が突出する方向から見た場合に、各ピラー27を包囲するように環状に延在している。このため、ナノギャップとして好適に機能するギャップ(第1のギャップG1及び第2のギャップG2)を増加させることができる。
また、SERS素子2においては、突出部34が、基板21側の端部34aにおいて括れた形状を有している。これにより、ベース部33に形成された溝33a内に突出部34の端部34aを確実に位置させて、ベース部33と突出部34とによって溝33a内に形成された第1のギャップG1をナノギャップとして好適に機能させることができる。
また、SERS素子2においては、溝33a内に位置している突出部34の端部34aが凝集状態となっていたり、ベース部33が溝33aの外縁に沿って盛り上がっていたりしても、ベース部33と突出部34とによって溝33a内に形成された第1のギャップG1をナノギャップとして好適に機能させることができる。
また、SERS素子2においては、溝33aの最深部においてベース部33と突出部34とが離れている。このため、ベース部33と突出部34とによって形成される第1のギャップG1に加えて、ベース部33と第1の導電体層31とによって形成される第2のギャップG2も、ナノギャップとして好適に機能させることができる。
なお、SERS素子2においては、溝33aの最深部においてベース部33と突出部34とが繋がっていてもよく、その場合にも、ベース部33と突出部34とによって形成される第1のギャップG1をナノギャップとして好適に機能させることができる。
次に、SERS素子2を製造する方法の一例について説明する。まず、図8の(a)に示されるように、フィルム基材Fを用意し、フィルム基材Fの表面にUV硬化樹脂を塗布することにより、UV硬化樹脂層R1をフィルム基材F上に形成する。その一方で、マスターモールドMMを用意する。マスターモールドMMは、微細構造部24に対応する微細構造部M24と、微細構造部M24を支持する支持部M25と、を含んでいる。支持部M25上には、後の工程において容易に離型することができるように、離型剤等による表面処理が施されている。
続いて、図8の(b)に示されるように、フィルム基材F上のUV硬化樹脂層R1にマスターモールドMMを押し当てて、その状態でUVを照射してUV硬化樹脂層R1を硬化させることにより、複数の微細構造部M24のパターンをUV硬化樹脂層R1に転写する。続いて、図8の(c)に示されるように、フィルム基材F上のUV硬化樹脂層R1からマスターモールドMMを離型することにより、複数の微細構造部M24のパターンが転写されたレプリカモールド(レプリカフィルム)RMを得る。なお、レプリカモールドRMには、後の工程において容易に離型することができるように、離型剤等による表面処理が施されていてもよい。
続いて、図9の(a)に示されるように、基板21となるシリコンウェハWを用意し、シリコンウェハWの表面にUV硬化樹脂を塗布することにより、成形層22となるナノインプリント層R2をシリコンウェハW上に形成する。続いて、図9の(b)に示されるように、シリコンウェハW上のナノインプリント層R2にレプリカモールドRMを押し当て、その状態でUVを照射してナノインプリント層R2を硬化させることにより、レプリカモールドRMのパターンをナノインプリント層R2に転写する。
続いて、図9の(c)に示されるように、シリコンウェハW上のナノインプリント層R2からレプリカモールドRMを離形することにより、複数の微細構造部24(成形層22)が形成されたシリコンウェハWを得る。つまり、この工程においては、複数のピラー27を有する微細構造部24が基板21の表面21a上に形成される(第1の工程)。
続いて、AuやAg等の金属(上述した導電体材料)を基板21の表面21a及び微細構造部24(成形層22)上に堆積させることにより、第1の導電体層31及び第2の導電体層32を形成する。ここでは、まず、図10に示されるように、スパッタ法やイオンプレーティング法等の比較的異方性の低い第1の気相成長法によって、基板21の表面21a及び微細構造部24上に導電体材料を堆積することにより、基板21の表面21a及び微細構造部24上に第1の導電体層31を形成する(第2の工程)。
この工程では、比較的異方性の低い第1の気相成長法を用いるため、図10の(a)に示されるように、微細構造部24(成形層22)に対する入射方向が比較的ランダムな導電体粒子が微細構造部24(成形層22)上に堆積し(すなわち、複数の方向から微細構造部24に入射する導電体粒子が微細構造部24上に堆積し)、第1の導電体層31が形成される。したがって、第1の導電体層31は、基板21の表面21aの全体を連続的に覆うように表面21a及び微細構造部24上に形成される。第1の導電体層31は、ピラー27の頂部27a、ピラー27の側面27b、及び支持部25の表面25a上において概ね均一の厚さになるように形成される。
続いて、図11に示されるように、蒸着法(例えば、抵抗加熱真空蒸着法、電子ビーム加熱真空蒸着法、及び高周波加熱真空蒸着法等)等の比較的異方性の高い第2の気相成長法によって、第1の導電体層31上に第1の導電体層31と同一の導電材料を堆積することにより、第1の導電体層31上に第2の導電体層32を形成する(第3の工程)。第2の気相成長法の異方性は、第1の導電体層31を形成するための第1の気相成長法の異方性よりも高い。
この工程では、比較的異方性の高い第2の気相成長法を用いるため(例えば、蒸着装置内において蒸着源と第1の導電体層31(微細構造部24)との相対的な位置関係を固定した状態において蒸着法を実施するため)、例えば、第1の導電体層31に対する入射方向が略一定とされた導電体粒子が第1の導電体層31上に堆積し、第2の導電体層32が形成される。なお、第1の導電体層31に対する導電体粒子の入射方向が略一定であるとは、導電体粒子の大部分が第1の導電体層31に対して所定の方向から入射すると共に、少数の導電体粒子が第1の導電体層31に対して所定の方向と異なる方向から入射する場合を含む。したがって、第2の導電体層32は、上述した溝33aのように、基板21の表面21a上において部分的に形成されない箇所が生じる。より具体的には、図11の(a)に示されるように、第1の導電体層31に対して、ピラー27が突出する方向に導電体粒子を堆積させると、図11の(b)に示されるように、第1の導電体層31における支持部25の表面25a上の部分やピラー27の頂部27a上の部分には、導電体粒子が到達し易くなる(導電体粒子が付着し易くなる)。
その一方で、第1の導電体層31におけるピラー27の根元近傍の部分には、ピラー27の頂部27a上に堆積した導電体層(突出部34)の射影効果によって、導電体粒子が到達し難くなる(導電体粒子が付着し難くなる)。これにより、ピラー27を包囲するように、ベース部33に溝33aが形成されることになる。さらに、第1の導電体層31におけるピラー27の側面27b上の部分にも、同様の射影効果によって、導電体粒子が付着し難くなる。これにより、突出部34が端部34aにおいて括れた形状となり、溝33a内に突出部34の端部34aが位置するとこになる。
このように、微細構造部24上に第1の導電体層31を形成し、その上に第2の導電体層32を形成することにより、光学機能部20が形成される。その後、微細構造部24ごとに(換言すれば、光学機能部20ごとに)シリコンウェハWを切断することにより、複数のSERS素子2が製造される。なお、シリコンウェハWを先に切断してチップ形状にした後に、第1の導電体層31及び第2の導電体層32を形成してもよい。
以上説明したように、このSERS素子2を製造する方法においては、まず、相対的に異方性の低い第1の気相成長法によって、基板21の表面21a及び微細構造部24上に第1の導電体層31を形成する。このため、基板21の表面21a及び微細構造部24を連続的に覆うように表面21a及び微細構造部24上に第1の導電体層31が形成される。一方、この方法においては、相対的に異方性の高い第2の気相成長法によって、第1の導電体層31の上に第2の導電体層32を形成する。このため、導電体粒子の堆積に偏りが生じる結果、ナノギャップを形成するような溝33aを有する第2の導電体層32が形成される。
したがって、基板21や微細構造部24等の下地部分からガス等が発生したとしても、第1の導電体層31によって第2の導電体層32へのそのガス等の影響を低減することができる。よって、この方法によれば、基板21や微細構造部24等を構成する材料を、第2の導電体層32の汚染を生じさせるガス等が発生しないような材料に制限する必要がないため、SERS素子2を製造する際に設計の自由度の低下を抑制可能である。
また、この方法においては、複数のピラー27を有する微細構造部24上に形成された第1の導電体層31の上に、相対的に異方性の高い第2の気相成長法を用いて第2の導電体層32が形成される。このため、上述したように、第2の導電体層32に対して、微細構造部24のピラー27に対応する突出部34と、ピラー27を包囲するように溝33aが形成されたベース部33とが形成される。その結果、各溝33a内において、ナノギャップとして機能する第1のギャップG1や第2のギャップG2が形成されたSERS素子2を製造することが可能である。
また、この方法においては、相対的に異方性の高い第2の気相成長法によって第2の導電体層32を形成するため、ピラー27の側面27b上において第2の導電体層32がほとんど形成されない場合も考えられる。しかしながら、そのような場合であっても、ピラー27の側面27b上には、第1の気相成長法によって第1の導電体層31が予め形成されているため、支持部25の表面25a上の導電体層(第2の導電体層32のベース部33)と、ピラー27の側面27b上の導電体層(第1の導電体層31)との間にナノギャップが確実に形成される。
また、この方法においては、第1の導電体層31の上に、第1の導電体層31と同一の導電体粒子を堆積することによって第2の導電体層32を形成する。このため、第2の導電体層32を形成する際に導電体粒子の凝集性に位置的な偏りが生じることが抑制され、均一な凝集体(パーティクル)を形成することでナノギャップを安定して形成することが可能となる。これに対して、基板21の表面21aや微細構造部24等の下地部分に導電体粒子を直接堆積した場合には、下地部分の材料と導電体材料との相性によって凝集性が異なり、均一にパーティクルが形成されないおそれがある。
なお、第2の導電体層32に対してパーティクルを形成しない場合であっても、第2の導電体層32の下地が同一の材料の第1の導電体層31であることから、好適なナノギャップを安定して形成することができる。つまり、この方法によれば、パーティクルの形成の有無にかかわらず、第2の導電体層32を所望の形状に形成しやすい。
次に、SERS素子の実施例について説明する。図12は、実施例に係るSERS素子の光学機能部のSEM写真(基板の表面に垂直な方向に対して30°傾いた方向から光学機能部を撮影したSEM写真)である。本実施例では、第1の導電体層として、膜厚が50nmとなるようにスパッタ法によりAuを堆積し、第2の導電体層として、膜厚が50nmとなるように蒸着法によりAuを堆積した。図12に示されるように、本実施例のSERS素子においては、微細構造部のピラーを包囲するように第2の導電体層のベース部に溝が形成されていること、溝内に第2の導電体層の突出部の端部が位置していること、及び、ナノギャップとして好適に機能する多数のギャップが溝内に形成されていることが確認された。
本実施例のSERS素子の具体的な作製方法は、次のとおりである。まず、ホール径120nm及びホール深さ180nmのホールがホール間隔(隣り合うホールの中心線間の距離)360nmで正方格子状に配列されたモールドを用いて、ガラスからなる基板上の樹脂をナノインプリント法で成形し、微細構造部を作製した。作製した微細構造部においては、ピラーの直径は120nm、高さは150nm、ピラーピッチ(隣り合うピラーの中心線間の距離)は360nmとなった。
続いて、作製した微細構造部上に、第1の導電体層として、スパッタ法によりAuを50nm堆積した。このスパッタ法においては、ArプラズマガスにAuスパッタ粒子(導電体粒子)が衝突しながら、微細構造部上にAuスパッタ粒子が堆積されるため、ピラー等の構造に対して均一に堆積される。なお、第1の導電体層の密着性を向上させるために、Auの下にバッファ層としてTiを蒸着した後に、そのバッファ層上に第1の導電体層としてAuを堆積してもよい。
続いて、第2の導電体層として、抵抗加熱真空蒸着法によりAuを50nm堆積した。この蒸着法においては、真空中でAuを蒸発させて堆積するために、蒸着源から放射状に直線的に蒸着(堆積)される。これにより、本実施例のSERS素子が作製される。
図13は、本実施例のSERS素子についてのストークスシフトとシグナル強度との関係を示すグラフであり、次のようにラマン分光測定を行った際の結果である。すなわち、本実施例のSERS素子をメルカプト安息香酸エタノール溶液(1mM)に2時間浸漬した後、エタノールでリンスし、窒素ガスで乾燥させて、当該SERS素子の光学機能部上に試料を配置した。その試料について、波長785nmの励起光でラマン分光測定を行った。その結果、図13に示されるように、メルカプト安息香酸のSERSスペクトルが得られ、表面増強ラマン散乱の増強効果が確認された。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ピラー27の配列構造は、2次元の配列に限定されず、1次元の配列であってもよいし、正方格子状の配列に限定されず、三角格子状の配列であってもよいし、周期的な配列でなくてもよい。また、ピラー27の断面形状は、円形に限定されず、楕円、或いは三角形や四角形等の多角形であってもよい。また、基板21の表面21a上に微細構造部24を形成する方法としては、上述したナノインプリントに代えて、熱ナノインプリント、電子線リソグラフィー、及び、光リソグラフィー等を用いることができる。また、溝33aは、ピラー27を円環状に包囲するように形成されたものに限定されず、ピラー27をその他の環状(楕円状等)に包囲するように形成されたものであってもよい。また、溝33aは、ピラー27を連続的に包囲するように形成されたものに限定されず、複数の領域に分割された状態で、ピラー27を断続的に包囲するように形成されたものであってもよい。このように、SERS素子2の各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を適用することができる。
ここで、隣り合う一対の凸部(ピラー27に対応するもの)に着目した場合に、一方の凸部の外面に形成された導電体層(例えば第2の導電体層)と、他方の凸部に形成された導電体層との間の距離よりも、ベース部と突出部(及びベース部と第1の導電体層)とによって形成されたギャップの幅は小さくなっている。これにより、微細構造部の構造のみでは得られないような狭いギャップ(ナノギャップとして好適に機能するギャップ)を用意且つ安定的に形成することができる。
また、微細構造部24は、上記実施形態のように、例えば、支持部25を介して、基板21の表面21aに間接的に形成されてもよいし、基板21の表面21a上に直接的に形成されてもよい。また、導電体層23(例えば第1の導電体層31)は、微細構造部24に対する密着性を向上させるためのバッファ金属(Ti、Cr等)層等、何らかの層を介して、微細構造部24上に間接的に形成されてもよいし、微細構造部24上に直接的に形成されてもよい。
また、第1の導電体層31とベース部33との合計の厚さは、ピラー27(凸部)の高さよりも大きくなっていてもよい。この場合には、第2の導電体層32の突出部34のうちベース部33から突出する部分にピラー27が存在しないことから、熱伸縮等によるピラー27の変形の影響を突出部34が受け難くなり、突出部34の形状が安定化する。したがって、ベース部33と突出部34とによって形成された第1のギャップG1が、ナノギャップとして安定的に機能する。また、そもそもピラー27自体が存在しない場合に比べて、微細構造部24から導電体層23(第1の導電体層31及び第2の導電体層32)が剥がれ難くなり、導電体層23の形状が安定する。
さらに、第1の導電体層31を形成するための第1の気相成長法として、蒸着法を用いることもできる。その場合には、第1の気相成長法の異方性を相対的に低くするために、すなわち、導電体粒子の入射方向を比較的ランダムとするために、蒸着装置の基板回転機構(例えば自公転プラネタリ等)やチャンバ真空度等を調整すればよい。
2…SERS素子(表面増強ラマン散乱素子)、21…基板、21a…表面(主面)、24…微細構造部、27…ピラー(凸部)、31…第1の導電体層、32…第2の導電体層、33…ベース部、33a…溝、34…突出部、34a…端部。

Claims (11)

  1. 主面を有する基板と、
    前記主面上に形成され、複数の凸部を有する微細構造部と、
    前記主面及び前記微細構造部を連続的に覆うように前記主面及び前記微細構造部上に形成された第1の導電体層と、
    表面増強ラマン散乱のための複数のギャップを形成するように前記第1の導電体層上に形成された第2の導電体層と、を備え、
    前記第1及び第2の導電体層は、互いに同一の材料から構成されている、
    表面増強ラマン散乱素子。
  2. 前記第2の導電体層は、前記主面に沿うように形成されたベース部と、前記凸部のそれぞれに対応する位置において前記ベース部から突出する複数の突出部と、を有し、
    前記ベース部には、前記凸部が突出する方向から見た場合に前記凸部のそれぞれを包囲するように複数の溝が形成されており、
    前記ギャップは、少なくとも前記溝内に形成されている、
    請求項1に記載の表面増強ラマン散乱素子。
  3. 前記ギャップは、前記溝内において前記ベース部と前記突出部とによって形成される第1のギャップ、及び、前記溝内において前記ベース部と前記第1の導電体層とによって形成される第2のギャップの少なくとも一方を含む、
    請求項2に記載の表面増強ラマン散乱素子。
  4. 前記溝は、前記凸部が突出する方向から見た場合に前記凸部のそれぞれを包囲するように環状に延在している、請求項2又は3に記載の表面増強ラマン散乱素子。
  5. 前記突出部は、前記基板側の端部において括れた形状を有している、請求項2〜4のいずれか一項に記載の表面増強ラマン散乱素子。
  6. 対応する前記溝内に位置する前記突出部の一部は、凝集状態となっている、請求項2〜5のいずれか一項に記載の表面増強ラマン散乱素子。
  7. 前記ベース部は、前記溝の外縁に沿って盛り上がっている、請求項2〜6のいずれか一項に記載の表面増強ラマン散乱素子。
  8. 前記ベース部と前記突出部とは、前記溝の最深部において繋がっている、請求項2〜7のいずれか一項に記載の表面増強ラマン散乱素子。
  9. 前記ベース部と前記突出部とは、前記溝の最深部において離れている、請求項2〜7のいずれか一項に記載の表面増強ラマン散乱素子。
  10. 前記凸部は、前記主面に沿って周期的に配列されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の表面増強ラマン散乱素子。
  11. 複数の凸部を有する微細構造部を基板の主面上に形成する第1の工程と、
    第1の気相成長法によって、前記基板の前記主面及び前記微細構造部上に第1の導電体層を形成する第2の工程と、
    第2の気相成長法によって、前記第1の導電体層上に表面増強ラマン散乱のための第2の導電体層を形成する第3の工程と、を備え、
    前記第1の導電体層と前記第2の導電体層とは、互いに同一の材料から構成され、
    前記第2の気相成長法の異方性は、前記第1の気相成長法の異方性よりも高い、
    表面増強ラマン散乱素子を製造する方法。
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