JP2015014039A - 焼結用造粒原料の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

焼結用造粒原料の製造方法およびその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大型のドラムミキサーのみによって解砕を伴う撹拌混合を行ないながら造粒を続けることにより、結合強度の弱い粗大な擬似粒子が発生するのを阻止して、粒径が比較的揃った粒度分布が小さくかつ結合強度の強い擬似粒子を製造する方法を開発すること。
【解決手段】焼結配合原料をドラムミキサー内の長手方向に沿って移動させる間に、ドラム内で該原料を転動させて撹拌しながら造粒する際に、該焼結配合原料のドラムミキサー内移動時間のうちの前半部分において、転動する原料層表層部に滞留する擬似粒子に対し、解砕作用を加える焼結用造粒原料の製造方法および製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、DL式焼結機で使用される焼結用造粒原料の製造方法およびその製造装置に関する。
高炉原料となる焼結鉱は、粉状の鉄鉱石およびその他の原料を混合造粒し、得られたその造粒物を焼結機に装入して焼結することで得られる。前記の造粒に際しては、配合原料に水分を添加して粉粒状物どうしを互いに凝集させて擬似粒子とている。この擬似粒子の存在はDL式焼結機のパレット上に装入して焼結するときに通気性確保の上で効果的に作用し、焼結の円滑な進行に寄与する。
近年、焼結原料となる鉄鉱石は、高品質鉄鉱石の枯渇による低品位化、例えばスラグ成分の増加や微粉化の傾向が顕著であり、アルミナ含有量の増大、微粉比率の増大による造粒性の低下が懸念されている。一方、高炉での溶銑製造コストの低減やCO発生量の低減という観点から、高炉で使用する焼結鉱としては、低スラグ比、高被還元性、高強度のものが求められている。
焼結原料用鉄鉱石を取り巻くこのような状況の中で、シンターフィードと呼ばれる粉鉱石(125〜1000μm程度)よりも粒径がさらに小さいペレットフィード(63μm程度)と呼ばれるペレット製造用の難造粒性の微粉鉄鉱石を使って、高品質の焼結鉱を製造するための技術が提案されている。例えば、こうした従来技術の1つに、Hybrid pelletized Sinter法(以下、「HPS」という)がある。この技術は、ペレットフィードのような微粉鉄鉱石やテーリング鉱のような難造粒性の微粉鉄鉱石を多量に含む配合原料をドラムミキサーとペレタイザーとを使って混合造粒して擬似粒子とし、その擬似粒子を用いて焼結することにより、低スラグ比・高被還元性の焼結鉱を製造しようというものである(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
特公平2-4658公報 特公平6-21297公報 特公平6-21298公報 特公平6-21299公報 特公平6-60358公報
しかしながら、ペレットフィードなどの微粉鉄鉱石を多量に含む配合原料を造粒すると、水分が微粉鉄鉱石に優先的に吸収されるため、微粉同士のみが互いに凝集し、微粉鉄鉱石を多く含む結合強度の弱い粗大な擬似粒子を生成するという問題があった。その原因は、微粉鉄鉱石は、濡れ性が同じであれば、比表面積の大きい微粉ほど水分を吸収しやすく、かつ粉体間に多くの水分を保持しやすいからである。
結合強度の弱い粗大な擬似粒子が生成すると、図1(a)に示すように、粒径が不揃いで粒度分布が大きくなるため、焼結機上へ充填したときに密な充填構造となり、かさ密度が大きくなる。しかも、このような結合強度の弱い粗大な擬似粒子は、焼結機のパレット上に装入されたときに形成される擬似粒子充填層の中で圧縮されて変形しやすいため、該原料充填層の空隙率が下がり、ひいては通気性の悪化を招いて焼結機操業の阻害要因となる。また、造粒に用いられるバインダーである生石灰の使用量を増加せざるを得なくなり、焼結鉱製造コストの増大を招くという問題もあった。
このような問題に対しては、予備造粒技術を採用するとよいことが知られている。例えば、粒径0.5mm以下の部分が30mass%以上の焼結原料粉を造粒するに際しては、該原料を実質的に破砕することなく剪断力を与えながら混合し、この混合の際に焼結原料の含水量を6.5〜10.0%とする焼結原料の事前処理方法が提案されている(特許第2790008号)。
この方法は、撹拌羽根を内蔵した混合機を用いることによって、鉄鉱石粉を破砕するのではなく剪断力を加えること、及び水分の均一化を促進することにより、粒度分布の均一化を図る技術である。しかし、前記混合機を用いる方法では、この混合機内に装入された全ての配合原料にこの処理を施す必要が生じて種々の弊害が生じるという問題があった。さらに、破砕することなく剪断力を与えながら混合した後に造粒するので、微粉どうしが単に凝集したにすぎない結合強度の弱い粗大な擬似粒子(凝集粒子)となることもあり、上述した問題の解決には不十分であった。
そこで、本発明は、造粒時に、難造粒性の微粉鉄鉱石を使用する場合でも、細粒や微粉どうしが凝集した結合強度の弱い粗大な擬似粒子(単に凝集しているにすぎない擬似粒子)になるのを阻止し、好ましくは核粒子を中心としたような均一な大きさの擬似粒子を造粒することができる技術を提案する。
即ち、本発明は、図1(b)で示すように、望ましくは核粒子のまわりに粉が付着したような構造の、粒径が比較的揃った粒度分布の狭い擬似粒子(焼結用造粒原料)の製造を目指している。このような粒子は、焼結機のパレット上に装入されたときに良好な通気性を示すようになる。さらに、本発明は、このような焼結用造粒原料を用いて焼結鉱を製造することにより、燃焼効率や融液生成条件の改善を通じて、焼結鉱強度の向上や生産性を向上させ、このことによって、溶銑製造コストの低減や高炉からのCO発生量の低減を図ることのできる技術を提案する。
図2は、従来の焼結原料である粉鉄鉱石(シンターフィード)(平均粒径:積算頻度分布で50%を示す粒径が約1000μmのもの)だけでなく、平均粒径が63μm以下の微粉(ペレットフィード)、5μm以下の超微粉(テーリング鉱)の粒度分布を示すものである。本発明は正に、シンターフィードだけでなく、ペレットフィードやテーリング鉱をも焼結原料として利用するための提案である。
一般に、ペレットフィードのような難造粒性の微粉鉄鉱石(−63μm)などを含む配合原料を造粒する場合、粉や微粉、超微粉どうしが互いに凝集して結合強度の弱い粗大な擬似粒子が生成しやすくなる。このような擬似粒子は、大きな粒度分布をもつことが多く、焼結機の操業時に、パレット上の原料充填層の通気性を悪化させる。そこで、本発明ではこのような問題を克服できる技術の開発を目指した。そのための方法として、本発明では、大型のドラムミキサーのみによって解砕を伴う撹拌混合を行ないながら造粒を続けること(以下、「解砕造粒」という)により、結合強度の弱い粗大な擬似粒子が発生するのを阻止して、粒径が比較的揃った粒度分布が小さくかつ結合強度の強い擬似粒子を製造する方法を開発することに成功した。
即ち、本発明は、1つの大型ドラムミキサーによる撹拌混合−造粒する処理において、その造粒中に発生する結合強度の弱い粗大な擬似粒子を対象として、これを早いうちに選択的に解砕しながら引き続き本来の造粒処理を行なっていく方法である。即ち、配合原料は、ドラムミキサー内では液体の介在(架橋)による微粒子どうしの凝集による擬似粒子の成長と球形化が起こり、その過程で、ドラム内を流動する原料の表層部(軸中心寄り)付近に優先的に粗大な粒子が多く生成して偏在するために、この位置に、撹拌羽根を備える小型解砕機をドラム軸方向に平行に内挿配設し、原料移動時間内の後半部分を除くドラム軸方向の前半部分で粗粒化した擬似粒子を対象として選択的に解砕し、その解砕によって発生した微粉、微粒子はそのまま前記ドラムミキサー内において再造粒に供することにより、望ましい焼結用造粒原料とする方法である。
本発明は、焼結配合原料をドラムミキサー内の長手方向に沿って移動させる間に、ドラム内で該原料を転動させて撹拌しながら造粒する際に、該焼結配合原料のドラムミキサー内移動時間のうちの前半部分において、転動する原料層表層部に滞留する擬似粒子に対し、解砕作用を加えることを特徴とする焼結用造粒原料の製造方法を提案する。
本発明は、焼結原料粉の混合・造粒用ドラムミキサーからなる製造装置であって、そのドラムミキサーの長手方向における装入原料のドラム内移動時間のうちの前半部分を解砕整粒域とすると共に、その後半部分を造粒域としてなる焼結用造粒原料の製造装置を提案する。
本発明のより好ましい解決手段は、
(1)解砕の対象とする擬似粒子は、粒径が8mm以上の大きさの擬似粒子であること、(2)前記解砕作用は、ドラムミキサーの原料装入側からドラム全長の略中間の位置までの間に、軸表面に複数の撹拌羽根を突設してなる横型解砕機をドラム軸方向の原料層の表面に沿って挿入配設すると共に、回転する該撹拌羽根を原料層表面部の粗大擬似粒子に接触させることによって生じさせること、
(3)前記解砕機は、ドラムミキサーのドラム軸中心から半径方向の下方に偏心した位置に配設され、該ドラムの回転方向とは逆向きに回転するものであること、
(1)本発明によれば、ペレットフィードなどのような難造粒性の微粉鉄鉱石を焼結原料用鉄鉱石として多量に使用することができるようになると共に、それでも高被還元性、高強度の焼結鉱を有利に製造することができるようになる。
(2)また、本発明によれば、製造される成品焼結鉱の強度を上げることができると共に歩留を向上させることができるから、粉コークス使用量の低減が可能となる。また、配合原料中の粉コークスの使用量が少なくなることから、焼結鉱製造時のCO発生量の低減にも寄与する。
(3)さらに、本発明によれば、微粉鉄鉱石の造粒時に使用されるバインダーの量を削減することができるから、焼結鉱の製造コストを低減させることができる。
従来の粒子堆積層(a)と本発明の粒子堆積層(b)の比較図である。 粉鉱石、微粉鉱石、超微粉鉱石の平均粒子径の比較グラフである。 擬似粒子の構造(a)、(b)の模式図である。 微粉鉄鉱石配合の有無における擬似粒子の粒度分布の比較グラフである。 ドラムミキサーでの装入原料の撹拌造粒時間を説明する図である。 造粒試験時の撹拌解砕位置と造粒粒子平均径との関係を示すグラフである。 造粒試験時の撹拌解砕位置と均等数との関係を示すグラフである。 造粒試験時の撹拌解砕位置と通気性指数との関係を示すグラフである。 造粒試験時の撹拌解砕位置と歩留との関係を示すグラフである。 造粒試験時の撹拌解砕位置と焼結時間との関係を示すグラフである。 造粒試験時の撹拌解砕位置と生産率との関係を示すグラフである。 本発明に係る焼結用造粒原料製造プロセスの一例を示す模式図である。 本発明に係る焼結用造粒原料の製造装置(ドラムミキサー式解砕造粒装置)の略線図である。 ドラムミキサー内での造粒(a)および解砕の様子を示す従来法(b)と発明法(c)との比較写真である。
図3(a)、(b)は、焼結用造粒原料である擬似粒子の構造的特徴を模式図として示したものである。このような擬似粒子は、一般的な従来の焼結用造粒原料製造プロセスでは、配合槽から切り出された鉄鉱石粉や副原料粉を、まず、ドラムミキサー2にて混合し、次いで、混合後の配合原料をパンペレタイザー等の造粒機に送給して造粒処理することによって得られる。なお、混合工程および造粒工程では、それぞれ水添加され、所定の造粒水分になるように加湿調整されて所定の擬似粒子となる。
これに対し、本発明は、ドラムミキサーによる混合工程及びパンペレタイザーによる造粒工程からなる従来の焼結用造粒原料の製造に代えて、図12に示すように、好ましくはドラム長の長い大型のドラムミキサー1基のみにて、混合工程と造粒工程の両方を行なわせる方法及び装置を提案する。特に、該ドラムミキサー内に装入した配合原料の全移動時間のうちの前半部分では撹拌混合による解砕作用を伴う撹拌解砕処理を行なうと同時に、その後の後半部分で正規の造粒処理を行なう、所謂、「解砕造粒」を行なう点に特徴がある。
そのために、本発明では、ドラムミキサー内の前記前半部分(原料の全移動時間の略半分)に、回転軸の表面から多数の撹拌羽根を半径方向に突設してなる解砕機を配設して、該ドラム内の原料(流動)層表層部において、細粒および/または微粉同士が水分を介して互いに凝集して生成した擬似粒子、特に粗大化した擬似粒子のうちの一定の大きさ以上のものを対象として、これを解砕して整粒化させることを目指している。例えば、該ドラムミキサー内に滞留している原料(流動)層の軸中心側表層部に現われる、例えば、粒径がmm以上になるような大きな擬似粒子を、ドラムの装入前半部分において、これらが集積している該原料(流動)層表層部にある擬似粒子を、前記解砕機を介して解砕しつつ、その後引き続き造粒する解砕造粒を行なう方法である。
このような考え方に想到した理由は次のとおりである。即ち、粉鉄鉱石(シンターフィード)の他にペレットフィードなどの微粉鉄鉱石を配合して造粒したときの擬似粒子は、図4に示す粒度分布から明らかなように、例えば、微粉鉄鉱石(ペレットフィード)を40mass%配合した擬似粒子は細粒が増加すると同時に、それ以上に粗粒も増加する。しかも、この粗粒は、上述したように、多くの場合、微粉どうしが単に凝集したものであることが多く、結合強度が弱いために、焼結過程で簡単に粉化して通気性障害を招きやすいので、解消することが必要である。
この点に関し、本発明では、ドラムミキサー内に解砕機を配設した場合、微粉鉄鉱石を多く含むために結合強度の弱い粗大な擬似粒子は容易に解砕することができ、引き続く転動によって結合強度の強い、粒径の揃った粒度分布の小さい擬似粒子に変化させることができる現象を利用したのである。なお、この擬似粒子の表面には、さらに別のドラムミキサーなどにより、コークス粉等の固体燃料や必要に応じて用いられる副原料をコーティングして焼結鉱製造用の原料である焼結用造粒原料としてもよい。
そこで、発明者らはこのことを確かるために、粉鉄鉱石(シンターフィード:平均粒径mm以下)の他に、微粉鉄鉱石(ペレットフィード:63μm以下)を配合してなる配合原料を用い、複数のパンペレタイザーとドラムミキサーとの組み合わせに係る図3(c)に示すような従来の焼結用造粒原料製造装置に代えて、解砕機つきの一のドラムミキサーにて撹拌解砕し造粒するという実験を行なった。
この実験は、ドラムミキサーで撹拌混合して造粒する全工程の処理を300秒で行なった例である。図5は、ドラムミキサー内に装入した配合原料の撹拌(解砕造粒)時間を微粉鉄鉱石等の配合条件(シンターフィド:ペレットフィード:テーリング鉱=80mass%:16mass%:4mass%)と共に、8水準に分けて行なった例を図表で示したものである。
この実験の結果によると、造粒実験1、2のように、単純撹拌、即ち解砕を行なわない場合、図6、図7に示すように、ペレットフィードやテーリング鉱を配合すると、造粒粒子の平均粒子径が低下した。しかし、実験3〜5のように、装入原料のドラムミキサー内を移動する時間の造粒前半だけを撹拌すると、粗粒は解砕されるものの、全体の平均粒径はやや大きくなった。また、実験6〜8のように、前半だけでなく後半までも撹拌して解砕を続けると、粗粒だけでなく中間粒も解砕されてしまい、平均粒径が小さくなった。一方、図7に示す均等数では、実験1〜実験2のように、ペレットフィードやテーリング鉱などの微粉鉄鉱石を配合すると、造粒粒子の粒度分布の幅が増加し、均等数が低下した。基本的に、撹拌解砕するほどに均等数は増加傾向が認められた。しかし、後半まで撹拌解砕すると、均等数が増加して造粒粒子の整粒化は進むが、造粒粒子の平均粒径が小さくなるため、通気性を悪化させることがわかった。
次に、通気性試験を行なった。この試験結果を図8に示す。この図に示すように、実験1、2のように、ペレットフィードやテーリングなどの微粉鉄鉱石を配合したものをドラムミキサーによって撹拌しないで単純造粒を行なうと、造粒粒子の平均粒径は小さくなり、かつ均等数も低下するため、焼結ベッドの通気性の悪化を招いた。一方、実験3〜5にように、ドラムミキサーによる全造粒時間のうち前半だけを撹拌解砕すると、粗粒は解砕されるものの全体の平均粒径が大きくなり、しかも均等数も増加するため通気性は改善される。しかし、実験6〜8にように、後半まで撹拌解砕し造粒すると、粗粒だけではなく、中間粒も解砕されてしまい、造粒粒子の均等数は増加するものの、小さい粒径のものに整粒されているため、通気性が悪化するという結果となった。
次に、焼結試験を行なった。この試験結果のよると、実験1、2では、ペレットフィードやテーリング鉱などの微粉鉄鉱石を配合したことにより、焼結ベッドの通気性が悪化したため焼結時間が増加したものの歩留は増加した。一方、実験3〜5のように、ドラムミキサーでの処理の前半部分だけを撹拌解砕した場合、通気性が改善されて、焼結時間が短縮したものの、歩留は低下した。これに対し、実験6〜8のように、後半まで撹拌解砕すると、粗粒だけでなく中間粒も解砕されて、通気性が悪化するため、歩留は改善したものの焼結時間が大幅に増加した。
さらに、上記の焼結試験において、生産率についても検討した。この場合でも、実験1、2の場合、ペレットフィードやテーリングなどの微粉原料を配合した結果、歩留は向上したが通気性が悪化して焼結時間が増加したため、生産性が大幅に低下した。一方、実験3〜5のように、ドラムミキサー造粒前半だけ撹拌すると、通気性が改善されて焼結時間が短かくなって生産性が回復した。しかし、実験6〜8にように、後半まで撹拌を延長すると、歩留は向上するものの、通気性の悪化を招いて焼結時間が大幅に増加し、生産性が低下した。
以上の実験結果から、ドラムミキサー1台のみにて撹拌解砕と造粒を行なう場合は、装入原料の全移動時間のうちの前半部分だけは解砕造粒を行ない、その後半部分については解砕は行なわず、単に造粒の処理を行なうようにすることが有効であることがわかった。
このような知見の下で、本発明では、ドラムミキサーによる一部領域(前半部分)でのみ解砕を伴う撹拌を行なうことにしたが、そのための方法として、前述した粗大な擬似粒子が発生し偏在しやすい原料移動時間比率で前半部分において、該ドラムミキサー3内の原料流動層の表層部(軸中心側)に沿って、回転軸の胴周面から多数の解砕用撹拌羽根を突設してなる解砕機を平行に配設して対応することとにした。そして、その解砕機の回転軸及び撹拌羽根を回転させて、望ましくは粗大な擬似粒子のみを解砕しつつ撹拌混合して、さらにドラムミキサーの軸長方向の後半部分に向けて引き続き造粒し、好適な粒径の擬似粒子にすることにしたのである。
この場合において、ドラムミキサー内の焼結配合原料は、反時計回りに回転する該ドラムミキサー本体内において造粒用水分を加えつつ造粒されるが、上述したように、このとき該ドラミムキサーの全移動時間のうちの略前半部分に当たる個所では、解砕機の撹拌羽根により前記粗大な擬似粒子が解砕されつつ未解砕の粉・粒状物と撹拌混合される中で再造粒処理される結果、粒径が比較的揃った擬似粒子が生成する。このようにして生成した適正粒径の擬似粒子は、該ドラムミキサーの排出端からベルトコンベヤ上に排出される。
本発明は、前記解砕造粒の対象となる主に微粉鉄鉱石どうしが多く含む結合強度の弱い粗大な擬似粒子というのは、高水分の細粒や微粉どうしが単に凝集し合って粒状化することで粒径が大きくなったものであり、強度が弱いことから容易に解砕できることを利用している。もし、このような結合強度の弱い粗大な擬似粒子を焼結機のパレット上に一定の層厚で堆積させたときは、該擬似粒子に荷重(圧縮力)が加わったときに圧壊されやすく、空隙率の小さい充填構造の焼結造粒原料層となる。その結果、パレット上の造粒原料層は通気性の悪いものとなって焼結機の操業阻害要因となる。
なお、該ドラムミキサー3内での前記解砕機による解砕の位置は、図12、13に示すように原料装入側の前半部分における前記粗大な擬似粒子表面部の偏在する位置であるが、この位置は、配合原料の粒度や成分、配合量、造粒用水分の量によっても変動するので、適宜に変えることが好ましい。
次に、本発明に係る上記の方法に使用する焼結用原料の製造装置について、図12、図13に基づいて説明する。本発明に係る上記製造装置は、配合槽1から切り出された焼結原料、即ち粉鉄鉱や微粉鉄鉱石、その他の原料(焼結返鋼、生石灰、珪石など)からなる配合原料を、所要の造粒水分(6〜7.5%)にした状態で撹拌混合し、そして造粒する一連の処理を行なう、図示のような大型4〜5mφ、10〜25mL)のドラムミキサー2を主要部とするものである。
このドラムミキサー2は、その原料装入側から軸方向(長手方向)に沿って回転軸3aの胴周面から多数の解砕用撹拌羽根3bを半径方向に突設してなる解砕機3が、原料装入側から軸方向と平行に配設されたものによって構成されている。
即ち、上記撹拌羽根3bの先端が、該ドラム内を流動しながら原料装入側から造粒原料排出側に向って移動する間のうちの、特に全移動時間(約300sec)のうちの前半(150sec)にかかる範囲(整粒域)に、当該解砕機3を配設する。そして、該撹拌羽根3bの先端が、該ドラム内を流動する原料流動層4の表層部4aの、とりわけ粗大な擬似粒子が偏在する部分に接するように配設する。このことによって、上記表層部4aにある結合強度の弱い擬似粒子が解砕されることになり、引き続いて後半(造粒域)に達すると解砕された粉・粒状物を巻き込んで再び造粒活動を続けて適正な粒径のものに造粒される。
なお、図示の5はDL焼結機、6は焼結クーラー、7は石灰石や粉コークスの外装用コンベヤである。
この実施例に用いた試料の主原料は、豪州産鉄鉱石50mass%および南米産鉄鉱石50mass%である。配合原料は、塩基度2.0をベースとし、例えば、ペレットフィードである微粉鉄鉱石を20mass%配合するときには、豪州産鉄鉱石と南米産鉄鉱石の上記配合割合(1:1)は変えずに振り代えることで対応した。なお、その微粉鉄鉱石としては、テーリング鉱石も使用可能であり、また、通常の配合原料をそのまま用いても微粉としての挙動は同じである。ここでテーリング鉱とは、ペレットフィードを製造する過程で発生する残渣のことを表す。
ドラムミキサー2内の結合力の弱い擬似粒子の分布位置は、原料条件・操業度によって変化することから、外部監視による解砕位置の設定が有効である。特に、撹拌羽根3bの先端とドラム内周面とのクリアランスを調整することにより、解砕する粗大擬似粒子の粒径の制御が可能となる。そのため、前記レーザー変位計のような厚み計測機器を設けて対処するが、この調整によって解砕すべき擬似粒子の大きさを調整することができると共に、造粒された最終的な擬似粒子の大きさが決定される。
また、この実施例での上記焼結用造粒原料の製造プロセスにおいて、ドラムミキサー2の前半部分に添加した造粒水分は、ベース条件を7.6mass%とし、ペレットフィード配合条件下では8.2mass%とした。そして、ドラムミキサー2での滞留時間は実機と同一の条件とし、回転数については、フルード数(慣性力/重力)が一定となるように設定した。
即ち、ドラムミキサー2(直径:1.4m、長さ8m)の回転(半時計周り)数は10rpmとし、解砕機3は、回転数:250rpm、撹拌羽根数:10個、羽根高さ:300mmの解砕機を用いた。該ドラムミキサー2内の配合原料流動層4の装入側から配設して、目視にして粗大な擬似粒子が多く存在するドラム半径方向の軸中心から外れた表層部4aの位置にセットして行なった。その撹拌羽根3bの回転方向は、原料の供回り防止のためドラムミキサー2の回転方向とは逆方向とした。また、撹拌羽根3bの先端部とドラムミキサー2内周面とのクリアランスは、mm以上の粒径の粗粒を効率よく解砕するために約mmを基準とした。その結果、粒径がmm以上の前記粗大な擬似粒子は、解砕されて、再造粒に供することができた。
図14は、ドラムミキサー内部における転動中の擬似粒子の外観写真(a)であり、配合原料流動層の表層部付近の造粒中の粒子の状態を高速度カメラで撮影したものである。図中の(b)と(c)は、従来法によるもの(b)、本発明法によるもの(c)との比較写真である。この図に示すように、ドラムミキサー2の回転運動にともない、装入された配合原料は常に流動すると共に互いに接触し合い、該ドラムミキサー内周面の上方位置に持ち上げられ、やがて自重により下方に向かって落下する運動を繰り返しながら次第に大きな粒子に成長していた。この運動において、未造粒粉や擬似粒子が落下を開始する位置は、ドラムミキサーの回転速度が速いほど、配合原料の付着性が大きいほど、そしてドラムミキサーの傾斜角度が小さいほど、落下開始地点はより上方になることがわかった。
本発明法に基づいて製造した焼結用造粒原料を用いて焼結鉱を製造すると、焼結鉱製造歩留や焼結鉱の強度の向上効果も期待できる。このことは、従来法については粒度の不均一な擬似粒子に粉コークスが被覆されるために、燃焼や着熱が不均一となって歩留が低下するが、本発明の適用により製造された焼結用造粒原料の場合、比較的均一な粒度となるため、粉コークスの賦存状態も適正化される。なお、粉コークスの外装造粒を実施しない場合は、粉コークスや石灰石の均一混合を図るためには造粒前の均一混合が必要となるが、本発明の場合、このような負担は軽減される。
本発明に係る方法(解砕造粒)は、解砕のための別ラインの増設が不要であり、既設の大型ドラムミキサーに撹拌羽根つき解砕機を配設するだけの、シンプルな設備構成となる。
本発明の解砕機つきドラムミキサーは、焼結用造粒原料の製造のみならず、高炉用塊成鉱の製造技術としても適用が可能である。
1 配合槽
2 ドラムミキサー
3 解砕機
3a 回転軸
3b 撹拌羽根
4 原料流動層
4a 原料流動層の表層部
5 焼結機
6 焼結クーラー
7 外装用コンベヤ

Claims (7)

  1. 焼結配合原料をドラムミキサー内の長手方向に沿って移動させる間に、ドラム内で該原料を転動させて撹拌しながら造粒する際に、
    該焼結配合原料のドラムミキサー内移動時間のうちの前半部分において、転動する原料層表層部に滞留する擬似粒子に対し、解砕作用を加えることを特徴とする焼結用造粒原料の製造方法。
  2. 解砕の対象とする擬似粒子は、粒径が8mm以上の大きさの擬似粒子であることを特徴とする請求項1に記載の焼結用造粒原料の製造方法。
  3. 前記解砕作用は、ドラムミキサーの原料装入側からドラム全長の略中間の位置までの間に、軸表面に複数の撹拌羽根を突設してなる横型解砕機をドラム軸方向の原料層の表面に沿って挿入配設すると共に、回転する該撹拌羽根を原料層表面部の粗大擬似粒子に接触させることによって生じさせることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結用造粒原料の製造方法。
  4. 前記解砕機は、ドラムミキサーのドラム軸中心から半径方向の下方に偏心した位置に配設され、該ドラムの回転方向とは逆向きに回転するものであること特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の焼結用造粒原料の製造方法。
  5. 焼結原料粉の混合・造粒用ドラムミキサーからなる製造装置であって、そのドラムミキサーの長手方向における、装入原料のドラム内移動時間のうちの前半部分を解砕整粒域とすると共に、その後半部分を造粒域としてなる焼結用造粒原料の製造装置。
  6. 前記解砕整粒域には、ドラムミキサーの原料装入側から、回転軸の軸表面から多数の撹拌羽根を突設してなる横型解砕機を、ドラム軸方向の原料層表面に沿って挿入配設されたものであることを特徴とする請求項5に記載の焼結用造粒原料の製造装置。
  7. 前記解砕機は、ドラムミキサーのドラム軸中心から半径方向の下方に偏心した位置に配設され、該ドラムの回転方向とは逆向きに回転するものであること特徴とする請求項5または6に記載の焼結用造粒原料の製造装置。
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