JP2015013269A - 気流式粉体ふるい分け装置及び粉体ふるい分けシステム - Google Patents

気流式粉体ふるい分け装置及び粉体ふるい分けシステム Download PDF

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Abstract

【課題】粉体原料が気流に同伴されて供給されるタイプの気流式粉体ふるい分け装置において、エアブラシ回転のような可動機構を必要とせずにふるい網の連続的な目詰まり防止の作用を可能にする。【解決手段】気流式粉体ふるい分け装置100の原料供給口109から粉体原料を同伴して供給された気体は、ふるいケース103の外部に設けられた連通部105に流入、分布し、蓋部107との間の隙間119からふるいケース内部の第1部分空間113に入る。その流入の向きがふるい網101のなす面と平行に形成されたことから、第1部分空間113の内部に旋回気流を生じ、ふるい網101によって粉体が連続的にふるい分けられると共に、ふるい網101のなす面に沿った旋回気流の作用によってふるい網101の目詰まりを防止する。【選択図】図2

Description

本発明は、気流を制御して粉体原料をふるい分けする気流式粉体ふるい分け装置及び粉体ふるい分けシステムに関する。
原料を粉砕して生成する粉体の粒子を、そのサイズ(粒度)ごとに分けて揃えることを、分級という。分級の目的には、所定の粒度よりも微細な粒子の除去と、所定の粒度よりも粗い粒子の除去とがある。例えば、分級のための装置(分級機)2台を縦続に接続して、一方で微粉を除去し他方で粗粉を除去することにより、その中間のシャープな粒度分布に揃えた粉体製品を生産することができる。
粉体の分級方法として、ふるい分け、乾式分級(気流分級)、湿式分級等が挙げられる。このうち乾式分級(気流分級)は、気流に乗せた粉体の粒子サイズによる運動特性の差を利用して、粉体の粒子を分級する方法である。中でも、慣性力と重力とのバランスにより粉体の粒子を分級する方法は、遠心力の利用により1μm程度の微粒領域の分級も可能である特徴を持つが、その半面、分級精度に限界がある(微粒子側に粗大粒子が、粗大粒子側に微粒子が混入する率が相対的に高い)。
例えば、分級機を付加した粉砕機(分級機付き粉砕機)が知られている。分級機付き粉砕機が行う分級は、多くの場合気流分級である。そのため、目的とする粒度を上回る粗粉が粉砕生成品に紛れ込む可能性がある。その対策として、分級機付き粉砕機の後段に、粗粉を除去するための分級機を設けることがある。
一方、ふるい網によりふるい分けは、ふるい分け精度(分級精度)の点で優れており、特にふるい網の目開きより大きな粒子が微粒子側には入り込まないという特長を有する。しかし、ふるい網の網目が微細になればなるほど目詰まりし易くなるので、分級可能な微粒子領域が限られるという問題がある。
気流分級とふるい分けを併用するいくつかの方法も知られている。それらの方法では、粉体原料を気流に乗せて運動させると共にふるい網を通過させる。そのための気流式粉体ふるい分け装置には、粉体原料と気流が個別に供給されるタイプと、粉体原料が気流に同伴されて供給されるタイプがある。粉砕機の後段に接続され、粉砕機から排気流と共に粉砕によって生成された粉体を供給されてふるい分けるような装置は、後者のタイプの一例である。
これに対し、粉体原料と気流が個別に供給される前者のタイプの気流式粉体ふるい分け装置を用いて、粉体ふるい分けシステムを構成した従来技術による例を、図8に示す。図8に示す粉体ふるい分けシステム80は、供給装置500、粉砕装置600、サイクロン160、気流式粉体ふるい分け装置180、粗粉回収部700、バグフィルタ801及び802並びにブロワ901及び902を含む。なお、気流式粉体ふるい分け装置180は、例えば本願発明者の発明に関わる特許文献1において開示された装置である。
図8において、粉砕装置600は供給装置500から供給された粉体の原料を粉砕し、粉砕によって生じた粗粉をバグフィルタ801に回収させると共にブロワ901に向けて排気する。粉砕装置600が目的物として生成した粉体はサイクロン160によって捕集され、気流式粉体ふるい分け装置180の原料供給口に供給される。
気流式粉体ふるい分け装置180はふるい網を内蔵し、その周囲から吸入した空気流を制御して粉体をふるい分ける。粒度によってふるい分けられた粉体は、粗粉回収部700及びバグフィルタ802にそれぞれ回収され、空気流はブロワ902から排気される。
図8に示したもののほかにも、気流式粉体ふるい分け装置を含む複数種類の装置を組み合わせて粉体の生成、分級等を行うシステムが知られている。前述した分級機付き粉砕機と分級機の組み合わせも、その一例である。このほか、粉砕機、分級機、噴霧乾燥機(溶媒に溶解した物質あるいは分散媒に分散した粒子を槽内にスプレーノズルで噴霧すると同時に、加熱した気体を吹き込み、溶媒又は分散媒を揮発させて、乾燥した粉末を得る装置。)等の装置を別の分級機と組み合わせたり、3台以上の装置を組み合わせたりすることがある。
このように他の装置と組み合わせて使用される気流式粉体ふるい分け装置に関しては、粉体原料が気流に同伴されて供給されるタイプの方が、ラインのシンプル化に寄与する意味で、粉体と気流が個別に供給されるタイプよりも好適である。そこで、後者のタイプに属し、かつ、ふるい網の目詰まりの軽減を意図した技術が開示されている(例えば、特許文献2又は非特許文献1参照。)。
上記の特許文献2に記載された微粉砕粉製造装置は、高速微粉砕機で得られた粉体を分級する空気分級機を備える。当該空気分級機は、上部ケーシングと下部ケーシングを有して構成され、これらケーシングの境界部に分級スクリーンを設けている。高速微粉砕機から空気分級機に導入された粉体を同伴する気流は、分級スクリーン及び上部ケーシングに設けられた粉体出口を通過して、外部のエア吸引源により吸引される。
これに伴い、粉体のうち分級スクリーンを通過した微粉は気流と共に粉体出口から排出され、分級スクリーンに阻止された粗粉は下部ケーシングに装着された粉体収容ポットに収容される。分級スクリーンの上方に設けたスクリーン用エアブラシから、分級スクリーンに向って高圧エアを吹き付けることにより、分級スクリーンの目詰まりの軽減を図る。
上記の非特許文献1に記載されたふるい機は、粉末原料を同伴する気流を供給口から吸い込み、粉末原料が一様な霧状をなすように飛散撹拌してスクリーンへ到達させる。粉体のうち、スクリーンを通過した微粉は、排出口を経てサイクロン等の捕集装置へ送られる。
スクリーンに阻止された粗粉は、吸気によってスクリーンに付着した後、スクリーンをはさんで反対側に設けられたエアブラシから吹き付ける高圧エアでスクリーンから吹き飛ばされて落下し、機外に排出される。エアブラシからスクリーンに対して高圧エアを吹き付けることにより、スクリーンの目詰まりの軽減を図る。
特許第4889663号公報 特開平8−126848号公報
著者名不詳、"分級:ブロースルー式高性能ふるい機"、[online]、掲載年月日不詳、東洋ハイテック株式会社、[平成25年6月25日検索]、インターネット<URL:http://www.toyohi.co.jp/products/bunkyu/hib/>
上記の特許文献2に記載された空気分級機は、ふるい分け及び気流分級を併用する装置である。外部のエア吸引源により上方に向かって吸引される気流に同伴する粉体は、気流の慣性力によって粉体の導入管から上向きに移動して分級スクリーンに到達し、そのうちの分級スクリーンを通過しきれない粗粉が分級スクリーンに付着したまま目詰まりを引き起こす。
この目詰まりは、気流の慣性力と逆の向きの重力の作用により部分的に緩和されるが、それだけで十分ではないので、エアブラシから分級スクリーンに対して高圧エアを吹き付ける。詳細にいえば、エア放出スリットを長手方向に形成した中空直管をエアブラシに用いて、分級スクリーンのなす面を走査するように回転させつつ高圧エアを吹き付けるというものである。したがって、エアブラシを回転させるための機構を必要とする一方で、高圧エアの吹き付けによる目詰まり防止の作用が間欠的なものにとどまるという問題がある。
上記の非特許文献1に記載されたふるい機は、エアブラシを構成するパイプに切ったスリットから高圧エアを噴射しつつ回転させるという、特許文献2記載の空気分級機と類似の構成を用いている。したがって、エアブラシを回転させるための機構を必要としながら目詰まり防止の作用が間欠的なものにとどまるという問題がある。
本発明は、そのような問題点を解決するためになされたもので、粉体原料が気流に同伴されて供給されるタイプの気流式粉体ふるい分け装置において、ふるい網のなす面と平行な向きを含む気流の旋回を制御することにより、エアブラシ回転のような可動機構を必要とせずに、ふるい網の連続的な目詰まり防止の作用を可能にすることを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の気流式粉体ふるい分け装置は、ふるい網と、内部が中空に形成されると共に、該内部の空間が前記ふるい網によって第1の部分空間と第2の部分空間に区切られ、かつ、前記第1の部分空間を囲む面の一部が前記ふるい網のなす面に平行するふるい網平行面として形成されたふるいケースと、前記ふるいケースに対して外側から接続され、かつ、内部が気体の流路をなすと共に前記第1の部分空間との間で通気するように設けられた連通部と、前記ふるいケースの外側から前記連通部に対して接続され、粉体原料を気体に同伴させて前記連通部に供給することができる原料供給部と、前記ふるいケースの第2の部分空間の外側から前記ふるいケースに対して接続され、前記粉体原料を同伴する気体を前記第1の部分空間から前記第2の部分空間への向きに吸引し排気することができる排気部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の粉体ふるい分けシステムは、粉体原料を気体に同伴させて排出することができる第1の装置と、前記第1の装置の後段に接続されると共に、ふるい網と、内部が中空に形成されると共に、該内部の空間が前記ふるい網によって第1の部分空間と第2の部分空間に区切られ、かつ、前記第1の部分空間を囲む面の一部が前記ふるい網のなす面に平行するふるい網平行面として形成されたふるいケースと、前記ふるいケースの外面に接続され、かつ、内部が気体の流路をなすと共に前記第1の部分空間との間で通気するように設けられた連通部と、前記第1の装置から前記連通部に対して接続され、前記粉体原料を同伴した気体を前記連通部に供給することができる原料供給部と、前記ふるいケースの第2の部分空間の外側から前記ふるいケースに対して接続され、前記粉体原料を同伴する気体を前記第1の部分空間から前記第2の部分空間への向きに吸引することができる排気部とを備えた気流式粉体ふるい分け装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、粉体原料が気流に同伴されて供給されるタイプの気流式粉体ふるい分け装置において、ふるい網のなす面と平行な向きを含む気流の旋回を制御することにより、エアブラシ回転のような機構を必要とせずに、ふるい網の連続的な目詰まり防止の作用を可能にすることができる。
図1は、本発明の実施例1に係る粉体ふるい分けシステムの構成を表す模式図である。 図2(a)は、実施例1に係る気流式粉体ふるい分け装置の内部の構成を装置の側方から見て表す図である。図2(b)は、同装置の断面から見た内部の構成を表す図である。 図3は、実施例2に係る気流式粉体ふるい分け装置の内部の構成を装置の側方から見て表す図である。 図4(a)は、実施例3に係る気流式粉体ふるい分け装置の第一の例において内部の構成を装置の側方から見て表す図である。図4(b)は、同装置の断面から見た内部の構成を表す図である。 図5(a)は、実施例3に係る気流式粉体ふるい分け装置の第二の例において内部の構成を装置の側方から見て表す図である。図5(b)は、同装置の断面から見た内部の構成を表す図である。 図6(a)は、実施例3に係る気流式粉体ふるい分け装置の第三の例において内部の構成を装置の側方から見て表す図である。図6(b)は、同装置の断面から見た内部の構成を表す図である。 図7(a)は、実施例3に係る気流式粉体ふるい分け装置の第四の例において内部の構成を装置の側方から見て表す図である。図7(b)は、同装置の断面から見た内部の構成を表す図である。 図8は、従来技術に係る粉体ふるい分けシステムの構成を表す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態のうち、実施例1に係る粉体ふるい分けシステム10の構成を表す模式図である。粉体ふるい分けシステム10は、実施例1に係る気流式粉体ふるい分け装置100を含む。粉体ふるい分けシステム10は、供給装置500、粉砕装置600、粗粉回収部700、バグフィルタ800及びブロワ900を含む。
図1を参照して、粉体ふるい分けシステム10の動作の概要を説明する。供給装置500は、その後段に設けられた粉砕装置600に対して、図中のハッチングを付したブロック矢印の向きに粉体の原料を供給する。粉砕装置600は、供給された粉体の原料を粉砕することにより粉体を生成する。粉砕装置600は、その後段に設けられた気流式粉体ふるい分け装置100に対して、生成した粉体を気流に同伴させて供給する。
気流式粉体ふるい分け装置100は、後で説明する動作により、気体に同伴して供給された粉体を分級する。分級された後の粗粉は、気流式粉体ふるい分け装置100の図1における下部に設けられた粗粉回収部700に回収される。粗粉回収部700は、例えば重力の作用で粗粉をためておくようなものでもよいが、吸気手段を備えて積極的に粗粉を吸引し回収するような装置でもよい。
分級された後の微粉は、気流式粉体ふるい分け装置100の図1における上部に設けられた排出口から気流と共に排出され、気流式粉体ふるい分け装置100の後段に設けられたバグフィルタ800に回収される。微粉が回収された後の気流は、ブロワ900によって粉体ふるい分けシステム10の外部に排気される。
図2は、気流式粉体ふるい分け装置100の構成を示す図である。図2(a)は、気流式粉体ふるい分け装置100の内部の構成を、図1におけるのと同様にして装置の側方から見て表す図である。図2(b)は、図2(a)に表した水平の一点鎖線A−Aを含む紙面に垂直な断面において、気流式粉体ふるい分け装置100の内部の構成を見上げる向きに表す図である。図2(a)及び(b)は、後で説明する気流の向き及び粉体の運動も模式的に表している。
図2(a)及び(b)に示すように、気流式粉体ふるい分け装置100は、ふるい網101、ふるいケース103、連通部105、蓋部107、原料供給部109及び排気部111を有している。ふるいケース103の外形は、図2(a)における上側寄りの部分が漏斗を伏せたような形状に形成され、図2(a)における下側寄りの部分が円筒状に形成されている。
ふるいケース103は、中空に形成された内部に、ふるい網101を収容している。ふるいケース103の内部の空間は、図2(a)においてふるい網101の下側に位置する第1部分空間113と、ふるい網101の上側に位置する第2部分空間115に区切られている。ふるい網101には、金属製若しくは樹脂製の織網、又は金属製若しくは樹脂製のマイクロシーブなどが使用できる。使用できるふるい網の目開きには特に制限はないが、実用面を考慮すると約1μmから約150μmが好ましく、特に約3μmから約75μmが好ましく、中でも約5μmから約53μmが好ましい。
蓋部107は、その一定の部分が第1部分空間113を囲む面の一部をなし、図2(a)における第1部分空間113の下方から第1部分空間113に蓋をしたように設けられている。図2(a)及び(b)に表したように、蓋部107の中央に当る箇所に孔をあけて粗粉回収口117とすることにより、第1部分空間113を図1に示した粗粉回収部700に接続している。
蓋部107は、粗粉回収口117の箇所を除き、ふるい網101のなす面と平行な面(以下、ふるい網平行面という。)をなして形成されている。ここでいう「平行」とは、幾何学的に厳密な意味での平行だけでなく、後で述べるような第1部分空間113における気流の形成に実質的に寄与し得るふるい網101と蓋部107の相対的位置関係を表す用語として用いる。
連通部105は、その内部が気体の流路をなす管状に形成され(ただし後述する通り、周辺に対して完全に閉じたものではない。)、ふるいケース103の外面を取り囲むように設けられている。連通部105は、その一部において原料供給部109に接続されている。
連通部105は、図2(a)及び(b)に示すように、蓋部107に沿ってふるいケース103の外面を周回すると共にふるいケース103の外面に接続されて設けられている。連通部105とふるいケース103の接続面は、図2(a)の2箇所に太い実線の上下の矢印で示したように、蓋部107との間に隙間119を生じるように(例えば図2(b)に表したふるい網101の外形にほぼ一致する円周の数か所において蓋部107との間にスペーサを置いて)設けられている。したがって、連通部105の内部は、上記の隙間119を介して第1部分空間113と通気する。
排気部111は、ふるいケース103の漏斗形状の先端側において、第2部分空間115に接続されて設けられている。排気部111は図1に示すバグフィルタ800に接続され、第2部分空間115からバグフィルタ800へ向けて気体を吸引し排気する。気体を吸引する手段は排気部111に設けてもよいし、バグフィルタ800に設けてもよい。
図1並びに図2(a)及び(b)を参照して、実施例1に係る気流式粉体ふるい分け装置100の動作を説明する。粉砕装置600は、原料を粉砕して生成した粉体原料を気体に同伴して気流式粉体ふるい分け装置100に供給する。供給された粉体原料及び気体は、原料供給部109を通過して連通部105の内部に入る。
連通部105は、隙間119を介して第1部分空間113と通気することによる気体の漏れはあるものの、ふるいケース103を取り囲む円環状の気体の流路を形成している。したがって、連通部105の内部に入った粉体原料及び気体は、連通部105に沿ってふるいケース103を取り囲む円環状に分布し、さらに円環状の各部分から隙間119を通過して第1部分空間113の内部に流入する。図2(b)において連通部105の内側に記入した複数の矢印は、その様子を模式的に示すものである。
この場合において、隙間119を通過した粉体原料及び気体は、蓋部107のなすふるい網平行面に沿って第1部分空間113の内部に流入する。第1部分空間113はふるい網101を隔てて第2部分空間115と通気するから、さらにその奥に位置する排気部111に向かって気流が生じる。
上記の第1部分空間113の内部に流入した空気は、まず第1部分空間113の蓋部107寄りの側で上記の円環状の周辺の各方向から中心に向かって流れ、中心に近づくにつれ各方向からの流れが互いにぶつかってふるい網101の方向に流れを変える。
次に上記の円環状の中心において、蓋部107からふるい網101に向かい、第1部分空間113のふるい網101寄りの側でふるい網101の面に沿って円環状の周辺に向かって拡散する。さらにふるいケース103の内周面に近づくにつれて蓋部107の方向に流れを変え、蓋部107のなす面に沿って円環状の周辺から中心に向かう流れに合流して旋回する旋回気流を生じさせると考えられる。図2(a)において第1部分空間113の内側に記入した複数の矢印は、その様子を模式的に示すものである。
したがって、第1部分空間113の内部に流入した粉体原料は、上記の旋回気流に乗って第1部分空間113の蓋部107寄りの中央に運ばれてふるい網101の方へ向かい、次に第1部分空間113のふるい網101寄りの側でふるい網101のなす面に沿って、各方向へ放射状に分散される。これを、粉体原料の流動分散と呼ぶことがある。
ふるい網101を隔てて排気部111の方へ向かう吸引によりふるい網101の全面に分散した粉体原料は、ふるい網101を通過する微粉とふるい網101に阻止される粗粉とにふるい分けられる。ふるい網101を通過した微粉は、第1部分空間113から第2部分空間115への向きに吸引されて排気部111へ向かう気流に乗って排気部111から排出され、その後段の装置によって回収される。
気流式粉体ふるい分け装置100の設置の向きを固定する何らかの手段を付加することにより、第1部分空間113を重力の作用する方向に、第2部分空間115を重力の作用する方向と反対の方向にそれぞれ向けて、気流式粉体ふるい分け装置100を設置することができる。その場合、第1部分空間113の内部に流入して蓋部107寄りの中央に運ばれた粉体原料のうち、質量が大きい粗粉は、重力の作用によって粗粉回収部700に回収される。
したがって、上述した旋回気流の作用によって旋回する微粉は第1部分空間113から第2部分空間115へ向けてふるい網101を通過するのに対し、第1部分空間113の側に残る粗粉は重力の作用によって粗粉回収部700に回収され、その結果、供給される粉体原料を連続的かつ効率的にふるい分けることが可能になる。
気流式粉体ふるい分け装置100は、供給された粉体原料をふるい網101の一部に集中させずに広範な面でふるい分けることができるので、ふるい網101の目詰まりを抑制することができる。
気流式粉体ふるい分け装置100は、設置の向きを上述したように選ぶことによって、粉体原料の粒子に重力とその反対向きの吸引力を作用させ、重力と気流分級のもととなる気流による慣性力の効果を相殺することができる。したがって、ふるい網101の目詰まりを抑制し、又は少なくとも目詰まりの程度を緩和することができる。
さらに、蓋部107のなすふるい網平行面に沿って隙間119から吸い込まれる空気流は、前述のように第1部分空間113において旋回気流となり、ふるい網101のなす面に沿って中央から放射方向に拡散する。この旋回気流及びこれに同伴する粉体原料の粉体流は、ふるい網101の網目に詰まった粒子に作用して掻き取るような清掃効果を発揮することができる。これにより、気流式粉体ふるい分け装置100の目詰まり抑制効果をさらに高めることができる。
実施例1において、連通部105は蓋部107に沿ってふるいケース103の外面に接続して設けられ、連通部105とふるいケース103の接続面が蓋部107との間に隙間119を保つことによって第1部分空間113に通気するものとした。これに限らず、連通部105とふるいケース103の間の接続面に通気口を設けてもよい。その通気口を、例えば図2(b)に表したふるい網101の外形にほぼ一致する円周に亘って複数箇所に設けることにより、隙間119を保つことによって通気させた場合と同等の効果が得られる。
また、粉体原料を同伴する気流をリング状の主配管に供給し、この主配管のリングの複数箇所から分岐する複数のサブ配管を通して第1部分空間113内に粉体原料及び気流を供給してもよい。この場合の主配管が連通部105に相当し、上述したのと同等の効果が得られる。
実施例1において、ふるいケース103の外形を、漏斗を伏せたような形状と円筒形状の組み合わせで表したが、これに限るものではない。例えば、ふるいケース103を図2(b)と同じ向きに見た形状が多角形であってもよく、楕円その他の曲線で囲まれた形状であってもよい。
また、ふるいケース103のうち第2部分空間115の外面に相当する部分を図2(a)と同じ向きに見た形状は、漏斗を伏せたような形状に限らない。当該部分の形状は、排気部111へ向かう吸引によって第1部分空間113の内部に前述した旋回気流を生じ得る限り、どのようなものであってもよい。
図1と図8の比較から明らかなように、実施例1に係る気流式粉体ふるい分け装置100を用いた粉体ふるい分けシステム10は、従来技術による粉体ふるい分けシステム80に比してシンプルに構成することができる。その結果、ふるい分け工程の効率及び信頼性を高めると共に、コストの低減を実現することができる。
また、粉体の種類によっては、例えば不活性ガスの雰囲気下で処理することが必要な場合がある。そのような粉体は、前段の装置(例えば粉砕装置600)において不活性ガスの雰囲気下で処理されている。その処理に用いて粉体を同伴した不活性ガスを、そのまま気流式粉体ふるい分け装置100に供給すればよく、気流式粉体ふるい分け装置100に改めて外部から不活性ガスを供給する必要はない。
実施例1に係る気流式粉体ふるい分け装置100によれば、シンプルな機器構成によって粉体原料のふるい分けを連続的に、かつ、ふるい網の目詰まりを抑制しながら行うことができる。
以下、図3を参照して、本発明の実施例2を説明する。図3は、実施例2に係る気流式粉体ふるい分け装置140の構成を示す図である。気流式粉体ふるい分け装置140は、実施例1に係る粉体ふるい分けシステム10において、気流式粉体ふるい分け装置100を代替することができる。気流式粉体ふるい分け装置140の構成は、部分的に気流式粉体ふるい分け装置100の構成と共通する。図3は、気流式粉体ふるい分け装置140の内部の構成を、図2(a)におけるのと同様にして装置の側方から見て表す図である。
気流式粉体ふるい分け装置140は、気流式粉体ふるい分け装置100と同様に、ふるい網101、ふるいケース103、連通部105、原料供給部109及び排気部111を有している。また、ふるいケース103の内部の空間がふるい網101によって第1部分空間113と第2部分空間115に区切られることも、気流式粉体ふるい分け装置100と同じである。
気流式粉体ふるい分け装置140は、蓋部147を有している。蓋部147は、その一定の部分が第1部分空間113を囲む面の一部をなし、図3における第1部分空間113の下方から第1部分空間113に蓋をしたように設けられている。蓋部147は、その中央の部分が図3における下方に向かってコーン状に形成され、例えば重力の作用によってコーンの先端の部分にふるい分けされた後の粗粉がたまるように構成されている。
蓋部147は、上記のコーン形状の開口箇所を除き、ふるい網平行面をなして形成されている。ふるい網平行面の定義は、実施例1に関して説明した通りである。蓋部107の中央に当る箇所に粗粉回収口117を空けた実施例1の構成と比較すると、蓋部147の中央に当る箇所がコーン形状の開口に相当する実施例2の構成においては、蓋部147に占めるふるい網平行面の割合が相対的に小さい。
連通部105は、図3に示すように、蓋部147に沿うと共にふるいケース103の外面に接続して設けられている。連通部105とふるいケース103の接続面は、図2(a)に表したのと同様にして、蓋部147との間に(実施例1と同じ)隙間119を生じるように設けられている。したがって、連通部105の内部は、上記の隙間119を介して第1部分空間113と通気する。
図1及び図3を参照して、実施例2に係る気流式粉体ふるい分け装置140の動作を説明する。粉砕装置600は、原料を粉砕して生成した粉体原料を気体に同伴して気流式粉体ふるい分け装置140に供給する。供給された粉体原料及び気体は、原料供給部109を通過して連通部105の内部に入る。
連通部105は、隙間119を介して第1部分空間113と通気することによる気体の漏れはあるものの、ふるいケース103を取り囲む円環状の気体の流路を形成している。したがって、連通部105の内部に入った粉体原料及び気体は、連通部105に沿ってふるいケース103を取り囲む円環状に分布し、さらに円環状の各部分から隙間119を通過して第1部分空間113の内部に流入する。この動作は、実施例1に係る気流式粉体ふるい分け装置100におけるのと同じである。
この場合において、隙間119を通過した粉体原料及び気体は、蓋部147のなすふるい網平行面に沿って第1部分空間113の内部に流入する。第1部分空間113はふるい網101を隔てて第2部分空間115と通気するから、さらにその奥に位置する排気部111に向かって気流が生じる。
上記の第1部分空間113の内部に流入した空気は、実施例1におけると同様に、まず第1部分空間113の蓋部107寄りの側で上記の円環状の周辺の各方向から中心に向かって流れ、中心に近づくにつれ各方向からの流れが互いにぶつかってふるい網101の方向に流れを変える。以下、実施例1と同様の原理で、第1部分空間113の内部に旋回気流を生じさせると考えられる。
この場合において、実施例2では蓋部の構成を除いて実施例1と条件が同じと仮定すると、蓋部147に占めるふるい網平行面の割合が実施例1と比較して相対的に小さいことから、旋回気流を生じる程度は実施例1におけるよりも弱いと考えらえる。そのため、ふるい網101の目詰まり抑制等の効果は実施例1の場合よりも弱いと考えらえる。
その半面、実施例1のように蓋部107に占めるふるい網平行面の割合が相対的に大きい構成では、ふるいケース103の内周面に沿ってふるい網101側から蓋部107側へ向かう気流に同伴する粉体粒子の運動は、蓋部107に含まれるふるい網平行面によって制限される。つまり、粗粉を旋回気流から離脱させて回収するには制約となる。
これに対して、実施例2のように蓋部147に占めるふるい網平行面の割合が相対的に小さい構成では、ふるいケース103の内周面に沿ってふるい網101側から蓋部107側へ向かう気流に同伴する粉体粒子がコーン形状の内部へ流入していく可能性が相対的に高い。すなわち、粗粉の排出効率を上げて分級精度を高める効果が期待される。目的や条件に応じて、実施例1と実施例2の構成を使い分け、又はその中間的な構成を選択することができる。
蓋部147の形状はコーン型に限るものではなく、ふるい網101側から蓋部107側へ向かって流れる粉体粒子の旋回気流からの離脱を助けることができれば、どのような形状であってもよい。また、先端に粗粉がたまるような構成に限らず、例えば何らかの吸引手段に接続されて粗粉を積極的に排出するものであってもよい。
実施例2に係る気流式粉体ふるい分け装置140によれば、粗粉の排出効率を上げて分級精度を高めるという、付加的な効果が得られる。
以下、図4ないし図7を参照して、本発明の実施例3を説明する。実施例3については、実施例1及び実施例2に述べた連通部105を変形した複数通りの例を挙げて説明する。
図4は、実施例3のうちの第一の例である気流式粉体ふるい分け装置200の構成を示す図である。気流式粉体ふるい分け装置200は、実施例1に係る粉体ふるい分けシステム10において、気流式粉体ふるい分け装置100を代替することができる。図4(a)は、気流式粉体ふるい分け装置200の内部の構成を、図2(a)におけるのと同様にして装置の側方から見て表す図である。図4(b)は、図4(a)に表した水平の一点鎖線A−Aを含む紙面に垂直な断面において、気流式粉体ふるい分け装置200の内部の構成を見上げる向きに表す図である。
図4(a)及び(b)に、参照符号101、103、107、109、111及び700を付して示した構成は、同じ参照符号を付して図2(a)及び(b)に示した構成にそれぞれ同じであるから、それらの説明は省略する。また、図2(a)に他の100番台の参照符号を付して示したのと同じ構成を、図4(a)にそれらの参照符号を省いて示している。
気流式粉体ふるい分け装置200は、連通部205を備えている。連通部205は、図4(b)に示すように、ノズル211ないし215が設けられた点で、実施例1の連通部105と異なる。ノズル211ないし215は、二点鎖線で示した配管208に接続されている。配管208には、外部から加圧ガスが供給される。
したがって、気流式粉体ふるい分け装置200によれば、粉体原料を同伴する気体の流路である連通部105の内部に、外部から加圧ガスを供給することができる。
実施例1に係る連通部105の内部においては、原料供給部109から遠ざかるほど、原料供給部109から粉体原料を同伴して供給される気体の流速が低下し、粉体原料の一部が第1部分空間113に流入せずに滞留しがちになる可能性がある。
これに対して、連通部205におけるように、内部に加圧ガスを供給して滞留した粉体原料を吹き飛ばすようにすれば、粉体原料の第1部分空間113への流入を促進することができる。
図4(a)に示すように、ふるいケース103にノズル216及び217を設けて、外部から第2部分空間113の内部に加圧ガスを供給することができるようにしてもよい。こうすれば、ふるい網101を通過したもののふるい網101の表面に滞留している粉体粒子を吹き飛ばして、排気部111からの排出及び回収を促進することができる。
また、図2(a)においてふるい網101を下から上へ通過する風量は、ふるい網101の目詰まりを生じにくい程度に抑える必要があるが、それではふるい網を通過した微粉を排気部111から排出して回収するには不十分である可能性がある。このようなとき、ノズル216及び217を通じて外部から加圧ガスを供給することにより、微粉の回収を補助することができる。
図4(a)及び(b)に示したノズル211ないし217の個数及び配置は、一例を挙げたに過ぎず、条件に応じて任意に設定することができる。
図5は、実施例3のうちの第二の例である気流式粉体ふるい分け装置250の構成を示す図である。気流式粉体ふるい分け装置250は、実施例1に係る粉体ふるい分けシステム10において、気流式粉体ふるい分け装置100を代替することができる。図5(a)は、気流式粉体ふるい分け装置250の内部の構成を、図2(a)におけるのと同様にして装置の側方から見て表す図である。図5(b)は、図5(a)に表した水平の一点鎖線A−Aを含む紙面に垂直な断面において、気流式粉体ふるい分け装置250の内部の構成を見上げる向きに表す図である。
図5(a)及び(b)に、参照符号101、103、107、109、111及び700を付して示した構成は、同じ参照符号を付して図2(a)及び(b)に示した構成にそれぞれ同じであるから、それらの説明は省略する。また、図2(a)に他の100番台の参照符号を付して示したのと同じ構成を、図5(a)にそれらの参照符号を省いて示している。
気流式粉体ふるい分け装置250は、連通部255を備えている。連通部255の内部の気体の流路の断面積は、図5(a)及び(b)に示すように、原料供給部109に接続された箇所から遠い側において、原料供給部109に接続された箇所におけるよりも小さくなるように形成されている。
前述したように、実施例1に係る連通部105の内部においては、原料供給部109から遠ざかるほど、原料供給部109から粉体原料を同伴して供給される気体の流速が低下し、粉体原料の一部が第1部分空間113に流入せずに滞留しがちになる可能性が高くなる。
これに対して、気流式粉体ふるい分け装置250は、連通部255におけるように気体の流速が低下しやすい側で流路の断面積を狭めることにより流速の低下を補うことができるので、粉体原料の第1部分空間113への流入を促進することができる。
図6は、実施例3のうちの第三の例である気流式粉体ふるい分け装置300の構成を示す図である。気流式粉体ふるい分け装置300は、実施例1に係る粉体ふるい分けシステム10において、気流式粉体ふるい分け装置100を代替することができる。図6(a)は、気流式粉体ふるい分け装置300の内部の構成を、図2(a)におけるのと同様にして装置の側方から見て表す図である。図6(b)は、図6(a)に表した水平の一点鎖線A−Aを含む紙面に垂直な断面において、気流式粉体ふるい分け装置300の内部の構成を見上げる向きに表す図である。
図6(a)及び(b)に、参照符号101、103、107、109、111及び700を付して示した構成は、同じ参照符号を付して図2(a)及び(b)に示した構成にそれぞれ同じであるから、それらの説明は省略する。また、図2(a)に他の100番台の参照符号を付して示したのと同じ構成を、図6(a)にそれらの参照符号を省いて示している。
気流式粉体ふるい分け装置300は、連通部305を備えている。連通部305は、図6(b)に示すように、内部の気体の流路の断面積が原料供給部109に接続された箇所から遠ざかるのに伴って漸減し、ついにはゼロになるように形成されている。
図6(b)の右側の部分に示すように、連通部305の外周を形成する材料が、原料供給部109に接続された箇所から遠ざかるのに伴って肉厚になるように形成されている。材料の肉厚を調整するかわりに、材料を圧迫した形で気体の流路の断面積がゼロになるように変形してもよい。
前述したように、実施例1に係る連通部105の内部においては、原料供給部109から遠ざかるほど、原料供給部109から粉体原料を同伴して供給される気体の流速が低下し、粉体原料の一部が第1部分空間113に流入せずに滞留しがちになる可能性が高くなる。
これに対して、気流式粉体ふるい分け装置300は、連通部305におけるように気体の流速が低下しやすい側で流路の断面積を狭めることにより流速の低下を補うことができるので、粉体原料の第1部分空間113への流入を促進することができる。
また、原料供給部109に接続された箇所から遠ざかるのに伴って気体の流路の断面積を漸減させるから、流速の空間的に急激な変化を抑えることによって粉体原料の滞留を軽減することができる。さらに、原料供給部109の両側で気体の流路が衝突する前に閉じてしまうから、気流の衝突による減殺効果を抑えることができる。
図7は、実施例3のうちの第四の例である気流式粉体ふるい分け装置400の構成を示す図である。気流式粉体ふるい分け装置400は、実施例1に係る粉体ふるい分けシステム10において、気流式粉体ふるい分け装置100を代替することができる。図7(a)は、気流式粉体ふるい分け装置400の内部の構成を、図2(a)におけるのと同様にして装置の側方から見て表す図である。図7(b)は、図7(a)に表した水平の一点鎖線A−Aを含む紙面に垂直な断面において、気流式粉体ふるい分け装置400の内部の構成を見上げる向きに表す図である。
図7(a)及び(b)に、参照符号101、103、107、109、111及び700を付して示した構成は、同じ参照符号を付して図2(a)及び(b)に示した構成にそれぞれ同じであるから、それらの説明は省略する。また、図2(a)に他の100番台の参照符号を付して示したのと同じ構成を、図7(a)にそれらの参照符号を省いて示している。
気流式粉体ふるい分け装置400は、連通部405を備えている。連通部405は、実施例1の連通部105と同様に形成されてふるいケース103に設けられている。連通部405はその一部において原料供給部109に接続されると共に、他の一部において原料供給部409に接続されている。
原料供給部409は、図7(b)に二点鎖線で示した配管420に接続されている。前段の粉砕機600で生成された粉体原料を同伴する気体が、配管420を通して原料供給部109及び409にそれぞれ供給される。
前述したように、実施例1に係る連通部105の内部においては、原料供給部109から遠ざかるほど、原料供給部109から粉体原料を同伴して供給される気体の流速が低下し、粉体原料の一部が第1部分空間113に流入せずに滞留しがちになる可能性が高くなる。
これに対して、気流式粉体ふるい分け装置400では、粉体原料を同伴する気体を連通部405の複数箇所に供給することができるので、粉体原料が連通部405の内部に滞留するのを抑制し、第1部分空間113への流入を促進することができる。連通部405は、さらに多数の原料供給部に接続されたものであってもよい。
本発明の実施例3によれば、連通部の内部に粉体が滞留する可能性を低くして、ふるい分けの効率を高めることができるという、付加的な効果が得られる。
図4に示した実施例3の第一例のように構成した装置を運転したときのデータを、以下に示す。気流式粉体ふるい分け装置のふるい網の直径は500mm、ふるい網の目開きは25μm、装置の処理量は毎時10kgである。粉体原料は、目詰まり抑制の効果を見るため、空気中の水分で凝集や付着を生じやすい無機粉体とした。ジェットミル(粉砕機)による粉砕処理後の粒度は、50%粒径が約3μm、粒径25μm以上の粉体の割合が1%以下である。
装置の運転条件は、吸引風量が毎分9立方メートル、ふるい網下流の吸引圧が0.8kPa、ノズルの元圧が0.3MPa、ジェットミルの粉砕圧力が0.7MPa、風量が毎分7.9立方メートルである。
以上の条件下で8時間の連続運転を行ったところ、ふるいの目詰まりは発生せず、引き続き運転することが可能な状態であった。また、ふるい目開きに相当する25μm以上、1%程度の粗粉が回収され、粒子が凝集して粗粉回収率を高めてしまう現象は見られなかった。
以上の実施例1ないし実施例3の説明では、ふるいケースに蓋部を組み合わせて第1部分空間及び第2部分空間を形成するものとした。しかしこれに限らず、ふるいケース自体の形状により、蓋部を必要とすることなく第1部分空間及び第2部分空間を形成するように構成することもできる。その場合には、例えばふるいケースの外部に設けた連通部との間に通気口を空けて、連通部に供給された粉体原料を同伴する気体が第1部分空間内に流入させることができる。
なお、必要に応じてハンマリング装置等によりふるいケースまたはふるい網に打撃や振動を与えることで、さらに効果的に目詰まりを解消することが可能となり、ふるい分け精度の更なる向上、長時間の連続運転、および処理速度の向上による作業時間の短縮などの効果が得られる。ハンマリング装置の他にも、振動装置、超音波装置など、従来公知のふるい網の目詰まりを防止するための装置を使用することができる。
以上の実施例1ないし実施例3及びそれらの変形例に記載した構成を、適宜に組み合わせることもできる。また、気流式粉体ふるい分け装置の設置の向きについては第1部分空間を重力の作用する側に向ける例を説明したが、これに限るものではない。各実施例について説明した構成、形状は例示であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまな変形が可能である。
10 粉体ふるい分けシステム
100、140、180、200、250、300、400 気流式粉体ふるい分け装置
101 ふるい網
103 ふるいケース
105、205、255、305、405 連通部
107、147 蓋部
109、409 原料供給部
111 排気部
113 第1部分空間
115 第2部分空間
117 粗粉回収口
119 隙間
211ないし217 ノズル
208、420 配管
500 供給装置
600 粉砕装置
700 粗粉回収部
800、801、802 バグフィルタ
900、901、902 ブロワ

Claims (15)

  1. ふるい網と、
    内部が中空に形成されると共に、該内部の空間が前記ふるい網によって第1の部分空間と第2の部分空間に区切られ、かつ、前記第1の部分空間を囲む面の一部が前記ふるい網のなす面に平行するふるい網平行面として形成されたふるいケースと、
    前記ふるいケースに対して外側から接続され、かつ、内部が気体の流路をなすと共に前記第1の部分空間との間で通気するように設けられた連通部と、
    前記ふるいケースの外側から前記連通部に対して接続され、粉体原料を気体に同伴させて前記連通部に供給することができる原料供給部と、
    前記ふるいケースの第2の部分空間の外側から前記ふるいケースに対して接続され、前記粉体原料を同伴する気体を前記第1の部分空間から前記第2の部分空間への向きに吸引し排気することができる排気部と
    を備えたことを特徴とする気流式粉体ふるい分け装置。
  2. 前記粉体原料を同伴する気体を前記排気部に向けて吸引することにより、前記連通部から前記ふるい網平行面に沿って前記第1の部分空間内に吸い込むことができるように前記第1の部分空間を形成したことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  3. 前記粉体原料を同伴する気体を前記排気部に向けて吸引することにより前記連通部から前記第1の部分空間内に吸い込むと共に前記第1の部分空間内において流動させることにより前記粉体原料の流動分散を生起させ、かつ、前記粉体原料が分散した気流を前記第1の部分空間から前記第2の部分空間への向きに前記ふるい網を通して吸引することができることを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  4. 前記ふるい網平行面は、前記第1の部分空間を囲む面の一部を構成する蓋部に含まれて形成され、
    前記連通部は、前記蓋部に沿うと共に前記ふるいケースとの間の接続面が前記蓋部との間に隙間を生じるように設けられたことにより、前記第1の部分空間との間で通気するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  5. 前記ふるいケースの前記連通部と接続された部分に通気口を設けたことにより、前記連通部との間で通気するように前記第1の部分空間を形成したことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  6. 前記第1の部分空間及び前記第2の部分空間を、それぞれ重力の作用する方向及び重力の作用する方向と反対の方向に向けて設置する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  7. 前記連通部は、前記ふるいケースの外面を周回するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  8. 前記連通部は、外部から加圧ガスを取り入れるためのノズルを備えたことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  9. 前記連通部は、前記気体の流路の断面積が、前記原料供給部に接続された箇所から遠い側において、前記原料供給部に接続された箇所におけるよりも小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  10. 前記連通部は、前記気体の流路の断面積が、前記原料供給部に接続された箇所から遠ざかるのに伴ってゼロに至るまで漸減するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  11. 前記ふるいケースの外側から前記連通部に対して接続され、粉体原料を気体に同伴させて前記連通部に供給することができる付加的原料供給部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  12. 前記第1の部分空間は、前記粉体原料がふるい分けられて生じた粗粉の回収手段を接続することができるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  13. 前記第2の部分空間は、前記ふるい網から遠ざかるにつれて先細になる形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の気流式粉体ふるい分け装置。
  14. 粉体原料を気体に同伴させて排出することができる第1の装置と、
    前記第1の装置の後段に接続されると共に、
    ふるい網と、
    内部が中空に形成されると共に、該内部の空間が前記ふるい網によって第1の部分空間と第2の部分空間に区切られ、かつ、前記第1の部分空間を囲む面の一部が前記ふるい網のなす面に平行するふるい網平行面として形成されたふるいケースと、
    前記ふるいケースの外面に接続され、かつ、内部が気体の流路をなすと共に前記第1の部分空間との間で通気するように設けられた連通部と、
    前記第1の装置から前記連通部に対して接続され、前記粉体原料を同伴した気体を前記連通部に供給することができる原料供給部と、
    前記ふるいケースの第2の部分空間の外側から前記ふるいケースに対して接続され、前記粉体原料を同伴する気体を前記第1の部分空間から前記第2の部分空間への向きに吸引することができる排気部と
    を備えた気流式粉体ふるい分け装置と
    を備えたことを特徴とする粉体ふるい分けシステム。
  15. 前記第1の部分空間及び前記第2の部分空間を、それぞれ重力の作用する方向及び重力の作用する方向と反対の方向に向けて、前記気流式粉体ふるい分け装置を設置したことを特徴とする請求項14に記載の粉体ふるい分けシステム。
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