JP2015013069A - 超音波診断装置及びその制御プログラム - Google Patents

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【課題】意図した刺入経路に沿って容易に穿刺針を刺入することができる超音波診断装置を提供する。【解決手段】超音波の走査面の位置及び向きの情報を、三次元空間に形成された座標系において特定する走査面特定部と、前記走査面についてのBモード画像BIが表示される表示部6と、前記Bモード画像BIにおいて、操作者が所望の点を指示する入力を行なう入力部と、前記被検体に刺入される穿刺針の位置及び向きの情報を、前記三次元空間に形成された座標系において特定する穿刺針特定部と、前記走査面特定部及び前記穿刺針特定部の情報に基づいて、前記三次元空間における前記点と前記穿刺針又は穿刺針の延長線との距離を示す距離インジケータInDを前記表示部6に表示させる距離インジケータ表示制御部と、を備えることを特徴とする。【選択図】図12

Description

本発明は、被検体に対して穿刺針が刺入される時に用いられる超音波診断装置及びその制御プログラムに関する。
超音波診断装置では、被検体の超音波画像をリアルタイム(real time)で表示することができる。従って、被検体内における腫瘍などの病変部や病変部と疑われる部位に穿刺針を刺入する時に、穿刺針の位置をリアルタイムの超音波画像によって確認することができる(例えば、特許文献1参照)。従来、穿刺手技が行われる時には、穿刺針の刺入方向をガイド(guide)するブラケットが超音波プローブに装着されている(例えば、特許文献2参照)。このようなブラケットを用いることにより、意図した刺入経路に沿って穿刺針を刺入することが容易になる。
特開2012−245092号公報 特開2009−291387号公報
穿刺針は、病変部などの穿刺対象に対して、できるだけ最短距離になるように刺入されることが望ましい。しかし、ブラケットを装着した超音波プローブの形状と穿刺箇所によっては、ブラケットでガイドされた穿刺針を、穿刺対象に対して最短距離で刺入することが物理的に不可能な場合がある。そこで、ブラケットを用いずとも、意図した刺入経路に沿って穿刺針を刺入することが容易な超音波診断装置が求められている。
上述の課題を解決するためになされた発明は、三次元空間に形成された座標系における被検体に対して、超音波の送受信を行なう超音波プローブと、この超音波プローブによって形成される超音波の走査面の位置及び向きの情報を、前記三次元空間に形成された座標系において特定する走査面特定部と、前記走査面についての超音波画像が表示される表示部と、前記超音波画像において、操作者が所望の点を指示する入力を行なう入力部と、前記被検体に刺入される穿刺針の位置及び向きの情報を、前記三次元空間に形成された座標系において特定する穿刺針特定部と、前記走査面特定部及び前記穿刺針特定部の情報に基づいて、前記三次元空間における前記点と前記穿刺針又は該穿刺針の延長線との距離を示す距離インジケータを前記表示部に表示させる距離インジケータ表示制御部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
上記観点の発明によれば、前記超音波画像において指示された点と前記穿刺針又はこの穿刺針の延長線との距離を示す距離インジケータが表示される。従って、操作者が前記超音波画像において、例えば穿刺針の刺入経路上の点を指示する入力を行なった場合、前記距離インジケータを参照することにより、意図した刺入経路に沿って容易に穿刺針を刺入することができる。
本発明の実施形態における超音波診断装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 図1に示された超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。 穿刺針が刺入される前において、Bモード画像に第一マーカー及び第二マーカーが設定するまでの処理を示すフローチャートである。 操作者が被検体に超音波プローブを当接して超音波の送受信を行ない、穿刺経路を探すことを説明する図である。 表示部に表示された超音波画像を示す図である。 表示部に表示された超音波画像に第一マーカー及び第二マーカーが設定された状態を示す図である。 穿刺針が刺入される時の処理を示すフローチャートである。 穿刺針が刺入される時に、操作者が被検体に超音波プローブを当接して超音波の送受信を行なうことを説明する図である。 リアルタイムのBモード画像と、このBモード画像と被検体において同一面についての医用画像とが表示された表示部を示す図である。 位置合わせ処理が行われる時の表示部を示す図である。 被検体に対する穿刺針の刺入を説明する図である。 距離インジケータが表示された表示部を示す図である。 穿刺針又は穿刺針の延長線とマーカーとの距離を説明する図であり、前記送受信面及び前記マーカーが設定された点を通り、前記送受信面と直交する面を示す図である。 穿刺針又は穿刺針の延長線とマーカーとの距離を説明する図であり、送受信面と直交する面を示す平面図である。 二つのマーカーに対応する二つの点が、穿刺針又はその延長線に対して互いに反対側に位置していることを説明する図である。 マーカーが設定された点を、穿刺針が通る場合の距離インジケータを示す図である。 送受信面と直交する面から穿刺針が逸脱した状態を示す図である。 図17の状態において表示された距離インジケータを示す図である。 図18に示された一方の距離インジケータの拡大図である。 送受信面と直交する面から穿刺針が逸脱した場合において、マーカーが設定された点と穿刺針又はその延長線との距離を説明する図である。 三角形の距離インジケータを示す図である。 送受信面と直交する面から穿刺針が逸脱した状態を示す図であり、図17とは反対側に穿刺針が逸脱した状態を示す図である。 図22の状態において表示される距離インジケータを示す図である。 第一マーカー及び第二マーカーの設定位置の他例を示す図である。 Bモード画像を模した画像に表示された距離インジケータ及び穿刺針インジケータを示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送受信ビームフォーマ3、エコーデータ処理部4、表示制御部5、表示部6、操作部7、制御部8、記憶部9を備える。送受信ビームフォーマ3、エコーデータ処理部4、表示制御部5、表示部6、操作部7、制御部8、記憶部9は超音波診断装置1の装置本体に設けられている。また、この装置本体と前記超音波プローブ2がケーブルを介して接続されている。
前記超音波プローブ2は、アレイ状に配置された複数の超音波振動子(図示省略)を有して構成され、この超音波振動子によって被検体に対して超音波を送信し、そのエコー信号を受信する。
前記超音波プローブ2には、例えばホール素子で構成される前記第一磁気センサ10が設けられている。この第一磁気センサ10により、例えば磁気発生コイルで構成される磁気発生部11から発生する磁気が検出されるようになっている。前記磁気発生部11から発生する磁気により、三次元空間における座標系が形成される。この座標系は、本発明において、三次元空間に形成された座標系の実施の形態の一例である。
前記第一磁気センサ10における検出信号は、前記表示制御部5へ入力されるようになっている。前記第一磁気センサ10における検出信号は、図示しないケーブルを介して前記表示制御部5へ入力されてもよいし、無線で前記表示制御部5へ入力されてもよい。前記磁気発生部11及び前記第一磁気センサ10は、後述のように前記超音波プローブ2の位置及び傾きを検出するために設けられている。
前記第一磁気センサ10は、本発明における第一磁気センサの実施の形態の一例である。また、前記磁気発生部11は、本発明における磁気発生部の実施の形態の一例である。
前記送受信ビームフォーマ3は、前記超音波プローブ2から所定の走査条件で超音波を送信するための電気信号を、前記制御部8からの制御信号に基づいて前記超音波プローブ2に供給する。また、前記送受信ビームフォーマ3は、前記超音波プローブ2で受信したエコー信号について、A/D変換、整相加算処理等の信号処理を行ない、信号処理後のエコーデータを前記エコーデータ処理部4へ出力する。
前記エコーデータ処理部4は、前記送受信ビームフォーマ3から出力されたエコーデータに対し、超音波画像を作成するための処理を行なう。例えば、前記エコーデータ処理部4は、対数圧縮処理、包絡線検波処理等のBモード処理を行ってBモードデータを作成する。
前記表示制御部5は、図2に示すように、走査面特定部51、穿刺針特定部52、超音波画像データ作成部53、表示画像制御部54、マーカー設定部55、インジケータ表示制御部55を有する。前記走査面特定部51は、前記第一磁気センサ10からの磁気検出信号に基づいて、前記磁気発生部11を原点とする三次元空間の座標系における前記超音波プローブ2の位置及び向きの情報(以下、「プローブ位置情報」と云う)を算出する。さらに、前記走査面特定部51は、前記プローブ位置情報に基づいてエコー信号の前記三次元空間の座標系における位置情報(座標)、すなわち前記超音波プローブ2によって形成される超音波の走査面の前記三次元空間の座標系における位置及び向きを特定する(走査面特定機能)。
前記走査面特定部51は、本発明における走査面特定部の実施の形態の一例である。また、前記走査面特定機能は、本発明における走査面特定機能の実施の形態の一例である。
前記穿刺針特定部52は、前記磁気発生部11を原点とする三次元空間における座標系における穿刺針12(図1参照)の位置及び向き(座標)を特定する。より詳細に説明すると、前記穿刺針12には、例えばホール素子で構成される第二磁気センサ13が設けられている。この第二磁気センサ13により、前記磁気発生部11から発生する磁気が検出されるようになっている。前記第二磁気センサ13における検出信号は、前記表示制御部5へ入力される。前記穿刺針特定部52は、第二磁気センサ13からの磁気検出信号に基づいて、前記穿刺針12の位置及び向きの特定を行なう(穿刺針特定機能)。前記穿刺針特定部52は、本発明における穿刺針特定部の実施の形態の一例である。また、穿刺針特定機能は、本発明における穿刺針特定機能の実施の形態の一例である。
前記超音波画像データ作成部53は、前記エコーデータ処理部4から入力されたデータを、スキャンコンバータ(Scan Converter)によって走査変換して超音波画像データを作成する。超音波画像データは、例えばBモード画像データである。
前記表示画像制御部54は、前記超音波画像データに基づく超音波画像を前記表示部6に表示させる(表示画像制御機能)。超音波画像は、例えばBモード画像である。
前記マーカー設定部55は、前記操作部7における操作者の入力に基づいて、前記表示部6の超音波画像にマーカーを設定する。また、前記マーカー設定部55は、前記三次元空間の座標系における前記マーカーの位置を特定する。詳細は後述する。
前記インジケータ表示制御部56は、前記三次元空間の座標系における前記マーカーと前記穿刺針12又は前記穿刺針12の延長線との距離を示す距離インジケータを前記表示部6に表示させる(距離インジケータ表示制御機能)。詳細は後述する。前記インジケータ表示制御部56は、本発明における距離インジケータ表示制御部の実施の形態の一例である。また、前記距離インジケータ表示制御機能は、本発明における距離インジケータ表示制御機能の実施の形態の一例である。
また、前記インジケータ表示制御部56は、前記穿刺針12の位置を示す穿刺針インジケータInNを前記表示部6に表示させる。前記インジケータ表示制御部56は、本発明における穿刺針インジケータ表示制御部の実施の形態の一例である。
前記表示部6は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどである。
前記操作部7は、特に図示しないが、操作者が指示や情報を入力するためのキーボード(keyboard)や、トラックボール(trackball)等のポインティングデバイス(pointing device)などを含んで構成されている。前記操作部7は、本発明における入力部の実施の形態の一例である。
前記制御部8は、特に図示しないがCPU(Central Processing Unit)を有して構成される。この制御部8は、前記記憶部9に記憶された制御プログラムを読み出し、前記走査面特定機能、前記穿刺針特定機能、、前記表示画像制御機能、前記距離インジケータ表示制御機能を始めとする前記超音波診断装置1の各部における機能を実行させる。
前記記憶部9は、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)や、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ(Memory)である。
さて、本例の超音波診断装置1の作用について、図3及び図7のフローチャートに基づいて説明する。先ず、図3のステップS1において、操作者は、図4に示すように、被検体の体表面Sに当接する前記超音波プローブ2によって被検体に対する超音波の送受信を開始し、前記表示部6に超音波画像を表示させる。ここでは、図5に示すように、Bモード画像BIが表示されるものとする。そして、操作者はBモード画像BIを確認しながら穿刺針の穿刺経路の探索を行なう。
より詳細に説明する。図4において、符号Brは被検体の肋骨を示し、符号Caは腫瘍を示している。操作者は、肋骨Br,Brの間に前記超音波プローブ2を位置させて超音波の送受信を行なう。操作者は、前記Bモード画像BIを確認しながら、腫瘍Caに対して体表面Sからできるだけ最短距離で穿刺針12を刺入することができる穿刺経路を探す。符号UPは超音波の送受信面を示している。
より詳細には、操作者は、腫瘍Caの直上の肋骨Br1,Br2の間に前記超音波プローブ2を位置させて超音波の送受信を行なう。そして、操作者は、前記Bモード画像BIを確認しながら、前記超音波プローブ2の角度や位置を変え、体表面Sに対してできるだけ垂直に穿刺針12を刺入できる穿刺経路を探す。
次に、ステップS2において、操作者は、穿刺断面及び穿刺経路を特定した後、図6に示すように、前記Bモード画像BIにおいて、穿刺経路NL上に第一マーカーMK1及び第二マーカーMK2を設定する。本例では、操作者は、穿刺経路NLと腫瘍Caの輪郭との交点に、前記第一マーカーMK1及び前記第二マーカーMK2を設定する。操作者は、前記穿刺針12を通過させる点に、前記第一マーカーMK1及び前記第二マーカーMK2を設定する。
操作者は、前記操作部7のトラックボール等を用いて、前記第一マーカーMK1及び前記第二マーカーMK2を設定する入力を行なう。前記マーカー設定部55は、前記操作部7の入力に基づいて、前記第一マーカーMK1及び前記第二マーカーMK2を前記Bモード画像BIに設定する。操作者が、前記第一マーカーMK1及び前記第二マーカーMK2を設定する入力は、本発明において、操作者が所望の点を指示する入力の実施の形態の一例である。
前記マーカー設定部55は、前記走査面特定部51によって特定される前記三次元空間の座標系における走査面の位置と、前記Bモード画像BIにおける前記第一マーカーMK1の位置及び前記第二マーカーMK2の位置とに基づいて、前記三次元空間の座標系における前記第一マーカーMK1及び前記第二マーカーMK2の位置を特定する。特定された前記第一マーカーMK1及び前記第二マーカーMK2の位置は、前記記憶部9に記憶される。
ちなみに、図6において二点鎖線で示された前記穿刺経路NLは、説明の便宜上図示されたものであり、前記表示部6には表示されない。
次に、被検体に対して前記穿刺針12が刺入される時の処理について、図7のフローチャートに基づいて説明する。先ず、ステップS11では、操作者は、図8に示すように、穿刺経路を特定した時の位置とは異なる位置に前記超音波プローブ2を当接して超音波の送受信を開始し、前記表示部6にBモード画像BIを表示させる。ここでは、操作者は、肋骨Br2と、この肋骨Br2に対して前記肋骨Br1とは反対側において隣り合う肋骨Br3との間に前記超音波プローブ2を位置させ、超音波の送受信を行なう。
次に、ステップS12では、前記表示画像制御部54が、距離インジケータInD(後述の図12参照)を表示するための参照画像を前記表示部6に表示させる。前記距離インジケータInDは、後述するように、前記第一マーカーMK1及び前記第二マーカーMK2と、被検体に刺入された穿刺針12又はこの穿刺針12の延長線との距離を示す。
本例では、前記参照画像は、図9に示すように、リアルタイムのBモード画像BIと被検体において同一断面についての医用画像MIである。この医用画像MIは、リアルタイムのBモード画像BIとともに前記表示部6に表示されている。この医用画像MIは、前記被検体について予め取得された医用画像データに基づく画像である。医用画像データは、前記記憶部9に記憶されている。
前記医用画像MIは、例えば前記超音波診断装置1以外の医用画像装置で予め取得された医用画像である。例えば、前記医用画像装置は、X線CT(Computed Tomography)装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置などであり、前記医用画像は、これらX線CT装置やMRI装置で予め取得されたX線CT画像やMRI画像などである。これらX線CT画像やMRI画像のデータは、位置情報とともに前記記憶部9に記憶されている。
ただし、前記医用画像は、超音波画像であってもよい。この場合、超音波画像は、前記超音波診断装置1で予め取得された画像であってもよいし、前記超音波診断装置1とは別の超音波診断装置(図示省略)で予め取得された画像であってもよい。この場合、超音波画像のデータ(ローデータ(raw data)又は超音波画像データ)は、位置情報を伴って取得され、この位置情報とともに前記記憶部9に記憶されている。
リアルタイムのBモード画像BIと被検体において同一断面についての医用画像MIを表示させるためには、位置合わせ処理が行われる。この位置合わせ処理は、リアルタイムのBモード画像BIの座標系と医用画像MIの座標系との位置対応関係を特定する処理である。
位置合わせ処理について詳しく説明する。まず、図10に示すように、前記表示画像制御部54は、前記Bモード画像UI及び前記医用画像MIを前記表示部6に並べて表示させる。ただし、ここで表示される前記超音波画像UI及び前記医用画像MIは、被検体の同一断面についての画像ではない。
次に、操作者は、前記表示部6に表示された前記Bモード画像BIと前記医用画像MIとを見比べながら、いずれか一方又は両方の画像の断面を移動させ、同一断面のBモード画像BIと医用画像MIとを表示させる。前記Bモード画像BIの断面の移動は、前記超音波プローブ2の位置を変えることによって行なう。また、前記医用画像MIの断面の移動は、前記操作部7を操作して断面を変更する指示を入力することにより行なう。
同一断面か否かは、例えば操作者が特徴的な部位を参照するなどして判断する。操作者は、同一断面についてのBモード画像BI及び医用画像MIが表示されると、前記操作部7のトラックボール等を用いて、前記超音波画像UIの任意の点を指定する。また、操作者は前記Bモード画像BIにおいて指定された点と同一位置と思われる点を前記医用画像MIにおいても指定する。操作者は、このような点の指定を複数点について行なう。
ここで、前記医用画像MIのデータは位置情報を有している。また、前記走査面特定部51によって超音波の走査面の位置及び向きが特定されるので、リアルタイムの前記Bモード画像BIも位置情報を有している。従って、上述のように前記超音波画像UIと前記医用画像MIとで同一位置と思われる点を指定すると、これらBモード画像BIの座標系と医用画像MIの座標系との対応位置が特定される。そして、前記Bモード画像BIの座標系と医用画像MIの座標系との対応点が複数点特定されることで、前記Bモード画像BIの座標系と前記医用画像MIの座標系との座標変換が可能になる。以上により位置合わせ処理が完了する。
位置合わせ処理が完了すると、前記図9に示すように、同一断面のリアルタイムのBモード画像BIと医用画像MIとが前記表示部6に表示される。前記医用画像MIにおいて、符号brは前記Bモード画像BIと被検体において同一の領域を示している。
次に、ステップS13では、図11に示すように、操作者は、被検体に対して穿刺針12を刺入する。穿刺針12は、前記腫瘍Caの直上の前記肋骨Br1,Br2の間から刺入される。
例えば、操作者が、穿刺針12を刺入する前に、前記距離インジケータInDを表示させる入力を前記操作部7において行なうことにより、前記インジケータ表示制御部56は、前記医用画像MIに、前記距離インジケータInDを表示させる。
図12は、被検体内に穿刺針12が刺入されている状態の前記表示部6を示している。前記距離インジケータInDは、前記穿刺針12又はこの穿刺針12の延長線と前記マーカーMK1との距離d1を示す第一距離インジケータInD1と、前記穿刺針12又はこの穿刺針12の延長線と前記マーカーMK2との距離d2を示す第二距離インジケータInD2を有している。
本例では、前記第一距離インジケータInD1及び前記第二距離インジケータInD2は、前記距離d1,d2に応じた面積を有する四角形である。前記距離d1,d2が大きくなるほど四角形の面積が大きくなり、一方で前記距離d1,d2が小さくなるほど四角形の面積が小さくなる。
前記距離d1,d2について図13及び図14に基づいて説明する。図13には、前記マーカーMK1,MK2が設定された時の前記送受信面UP及び前記マーカーMK1,MK2が設定された点p1,p2を通り、前記送受信面UPと直交する面Pが示されている。また、図14には、前記面Pが示されている。前記距離d1,d2は、図14に示すように、前記面P上における前記穿刺針12又はこの穿刺針12の延長線Lとの距離(前記点p1,p2から前記穿刺針12又は前記延長線Lに対して引いた垂線の長さ)である。
前記医用画像MIにおいて前記第一距離インジケータInD1が表示される位置は、前記マーカーMK1が設定された位置に対応する位置である。また、前記医用画像MIにおいて前記第二距離インジケータInD2が表示される位置は、前記マーカーMK2が設定された位置に対応する位置である。
前記距離インジケータInDは、前記距離d1,d2のほか、前記点p1,p2と前記穿刺針12又はその延長線Lとの位置関係を示していてもよい。例えば、前記距離インジケータInDは、前記点p1,p2が、前記穿刺針12又はその延長線Lに対して、どちら側に位置しているかによって、色や線の種類など表示形態が変わってもよい。具体的には、図15に示されているように、点p1,p2が、前記穿刺針12又はその延長線Lに対して、互いに反対側に位置している場合、マーカーMK1,MK2が互いに異なる色で表示されてもよい。
図12に戻り、前記医用画像MIには、前記距離インジケータInDのほか、穿刺針12の位置を示す穿刺針インジケータInNが表示される。前記インジケータ表示制御部56は、前記穿刺針特定部52によって前記磁気発生部11を原点とする座標系において特定される前記穿刺針12の位置及び向きの情報を、前記医用画像MIの座標系に座標変換して、前記医用画像MIに前記穿刺針インジケータInNを表示させる。本例では、前記穿刺針インジケータInNは、点線で表示され、針先の部分は矢印で表示されている。
前記距離d1,d2が零になった場合、すなわち前記マーカーMK1,MK2が設定された点p1,p2を、前記穿刺針12が通る場合、図16に示すように、前記距離インジケータInDは、十字形状(「+」)になる。従って、操作者は前記距離インジケータInDが十字形状になるように、被検体に対して前記穿刺針12を刺入すれば、意図した刺入経路に沿って前記穿刺針12を刺入することができる。
また、図17に示すように、前記穿刺針12が前記面Pから逸脱した場合、前記インジケータ表示制御部56は、図18に示すように、逸脱した量(角度)に応じた表示形態の距離インジケータInDを表示させてもよい。図18では、前記距離インジケータInDは台形である。
図18に示された距離インジケータInDについて、図19及び図20に基づいて詳細に説明する。図19は、図18に示された距離インジケータInD1の拡大図である。ここでは、前記距離インジケータInD1を例にして説明するが、前記距離インジケータInD2についても同様の説明があてはまる。
前記距離インジケータInD1は、前記マーカーMK1が設定された点p1と前記穿刺針12又はその延長線Lとの距離d1′に応じた面積を有する。この距離d1′について、図20に基づいて説明する。図20において、符号nlで示される直線は、前記穿刺針12及びその延長線Lを示している。前記直線nlに対し前記点p1から垂線を引いて得られる前記直線nl上の交点を点p3とする。前記距離d1′は、前記点p1及び前記点p3の間の距離である。
また、台形の前記距離インジケータInD1における二つの底辺B,Bのうち、短い方の底辺Bsに対する脚Xの角度θ1(θ1≧90°)は、前記直線nlと前記平面Pとの角度(図20では前記直線nlと前記平面Pとの角度)θ2に応じた角度を有する。前記角度θ2は、前記直線nlと前記面Pとの交点を点p4とすると、前記点p1,前記点p4,前記点p3で形成される角である。
前記角度θ2が小さいほど前記角度θ1は小さくなり、前記角度θ2が大きいほど前記角度θ1は大きくなる。前記角度θ2が零である場合、前記角度θ1は90°になり、前記距離インジケータInDは正方形になる。一方、前記角度θ2が所定の角度まで大きくなると、図21に示すように、前記距離インジケータInDは三角形になる。
また、台形の前記距離インジケータInDの二つの底辺B,Bのうち、前記平面Pに対して、前記穿刺針12の針先が存在している側に位置する底辺Bが短くなっている。例えば、図22に示すように、前記穿刺針12の針先が、前記平面Pに対して、図17とは反対側の位置に存在している場合、図23に示すように、前記距離インジケータInDは、図18及び図19とは逆側の底辺Bが短くなる。
このように、操作者は、前記距離インジケータInDの台形の形状によって、前記穿刺針12の向きを知ることができるので、意図した刺入経路に沿って穿刺針12を刺入することができる。
以上説明した本例の超音波診断装置1によれば、操作者は、前記距離インジケータInDを参照することにより、意図した刺入経路に沿って被検体に対して容易に穿刺針12を刺入することができる。
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、上述のステップS1において、操作者は、図24に示すように、Bモード画像BIにおいて、前記第一マーカーMK1を前記穿刺経路NLと体表面との交点に設定し、前記第二マーカーMK2を前記穿刺経路NLにおいて前記腫瘍Caの中心に設定してもよい。また、前記穿刺針を通過させる点として、三つ以上の点をマーカーによって指定してもよい。このように、操作者が前記Bモード画像BIにおいて指示する所望の点の位置や数は、上記実施形態のものに限られるものではない。
また、前記距離インジケータInD及び前記穿刺針インジケータInNは、リアルタイムの前記Bモード画像BIに表示されてもよい。この場合、前記医用画像MIは表示されなくてもよい。
また、前記マーカーを設定したBモード画像BIに基づいて、図25に示すように、このBモード画像BIを模した画像Iを作成し、この画像Iに前記距離インジケータInD及び前記穿刺針インジケータInNが表示されてもよい。前記画像Iは、前記Bモード画像BIと同一形状の輪郭を有している。また、前記画像Iは、前記腫瘍の輪郭Ca′を有していてもよい。この腫瘍の輪郭Ca′は、前記Bモード画像BIにおける画像処理によって抽出されてもよいし、操作者がBモード画像BIにおいて、輪郭を指定する入力を行なうことによって特定されてもよい。
前記距離インジケータInDは、前記画像Iにおいて、前記マーカーが設定された位置に対応する位置に表示される。
また、距離インジケータInDが表示される画像は二次元に限らず、三次元であってもよい。
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
6 表示部
10 第一磁気センサ
11 磁気発生部
12 穿刺針
13 第二磁気センサ
51 走査面特定部
52 穿刺針特定部
54 表示画像制御部
56 インジケータ表示制御部

Claims (8)

  1. 三次元空間に形成された座標系における被検体に対して、超音波の送受信を行なう超音波プローブと、
    該超音波プローブによって形成される超音波の走査面の位置及び向きの情報を、前記三次元空間に形成された座標系において特定する走査面特定部と、
    前記走査面についての超音波画像が表示される表示部と、
    前記超音波画像において、操作者が所望の点を指示する入力を行なう入力部と、
    前記被検体に刺入される穿刺針の位置及び向きの情報を、前記三次元空間に形成された座標系において特定する穿刺針特定部と、
    前記走査面特定部によって位置及び向きが特定された走査面における前記点の位置と前記穿刺針特定部の情報とに基づいて、前記三次元空間における前記点と前記穿刺針又は該穿刺針の延長線との距離を示す距離インジケータを前記表示部に表示させる距離インジケータ表示制御部と、
    を備えることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記距離インジケータは、前記被検体の参照画像において前記点と対応する位置に表示されることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記被検体の参照画像は、前記被検体について予め取得された医用画像、前記被検体内を模した画像であることを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記距離インジケータは、前記被検体についてのリアルタイムの超音波画像において前記点と対応する位置に表示されることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記三次元空間に設置されて前記座標系を形成する磁気発生部と、
    前記超音波プローブに設けられて前記磁気発生部の磁気を検出する第一磁気センサと、
    前記穿刺針に設けられ、前記磁気発生部の磁気を検出する第二磁気センサと、を備え、
    前記走査面特定部は、前記第一磁気センサの磁気検出信号に基づいて、前記走査面の位置及び向きを特定し、
    前記穿刺針特定部は、前記第二磁気センサの磁気検出信号に基づいて、前記穿刺針の位置及び向きを特定する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記距離インジケータは、前記点と前記穿刺針又は該穿刺針の延長線との位置関係をも示すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  7. 前記表示部に、前記穿刺針を示す穿刺針インジケータを表示させる穿刺針インジケータ表示制御部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  8. コンピュータに、
    三次元空間に形成された座標系における被検体に対して超音波の送受信を行なう超音波プローブによって形成される超音波の走査面の位置及び向きの情報を、前記三次元空間に形成された座標系において特定する走査面特定機能と、
    前記走査面についての超音波画像を表示させる表示画像制御機能と、
    前記被検体に刺入された穿刺針の位置及び向きの情報を、前記三次元空間に形成された座標系において特定する穿刺針特定機能と、
    前記走査面特定機能及び前記穿刺針特定機能の情報に基づいて、前記超音波画像において操作者の入力によって指示された点と、前記穿刺針又は該穿刺針の延長線との前記三次元空間における距離を示す距離インジケータを前記表示部に表示させる距離インジケータ表示制御機能と、
    を備えることを特徴とする超音波診断装置。
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