JP2015012735A - 掴線器 - Google Patents

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伸也 岩田
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Abstract

【課題】 一対の挟持体間に架空線の端部を把持させる作業が簡単に行えるとともに、くさび作用によって架空線を強固に挟み込むことができる掴線器を実現する。【解決手段】 把持用金具と一対のチェーンとリング状の引っ掛け金具と、を備えた掴線器において、前記把持用金具は、先端が各々くさび状をなす一対の把持部材と、把持部材をスライド可能に保持する収納部を有する本体部と、本体部に各々回動可能に装着され、一対のチェーンの一端がそれぞれ連結される一対の作動レバーと、該一対の作動レバーの回動を前記一対の把持部材の往復移動に変換するリンク機構と備え、一対の把持部材と本体部との間には、前記一対の把持部材が先端方向へ移動されると間隔が狭くなるように変位させる変位手段を設け、チェーンからの張力により作動レバーが回動されると、一対の把持部材が先端方向へ移動され線状部材を挟み込むように構成した。【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄道のトロリー線(架空電車線)や吊架線のような架空線を把持するための掴線器に関する。
鉄道においては、事故等によりトロリー線が切断された場合の復旧工事の際に、掴線器あるいはチャックと呼ばれる金具で架空線の端部を把持し、該掴線器にシメラー(張線器)を連結してクレーン(吊り上げ機)等で持ち上げる作業を行なっている。
従来、上記のような作業に使用される架空線の掴線器に関する発明としては、例えば特許文献1に開示されているように、円筒状の部材を縦割りにしてヒンジによって開閉可能に連結した一対の挟持体で架空線の端部を把持し、ヒンジと反対側をボルトとナットによって締め付けて結合するように構成したものや、特許文献2に開示されているように、一対の把持部材と、各把持部材に一端部が枢着された一対のレバーと、該レバーの他端側に設けられた開脚装置とを備えたものがある。
特開平09−019038号公報 実開平02−114310号公報
特許文献1に開示されている掴線器(架空線用締結具)は、挟持体の内側に半円筒状をなす一対の把持部材と該把持部材を内側方向へ押圧可能な締め付けカムとを設けて、把持部材を締め付けカムで軸芯方向へ押圧する構成とすることで、架空線の端部をしっかりと把持できるようにしている。しかし、この掴線器は、一対の挟持体で架空線の端部を把持した後に、ボルトとナット(2組)を締め付ける必要があるため、作業が面倒であり時間もかかってしまうという課題がある。
特許文献2に開示されている掴線器は、カムを有する開脚装置により一対のレバーを回動させて把持部材を開かせて架空線の端部を挿入した後、レバーを逆方向へ回動させて把持部材で架空線を挟み込むことで、把持するようにしている。しかし、この掴線器においては、カムとリンク機構によって一対の把持部材の間隔を広げたり狭めたりするとともに、シメラー(張線器)の引張力を、レバーによって把持部材による架空線の挟み込み力に変換しているだけであるため、架空線を挟み込む力が弱いとともに、一対の把持部材の平行度を保つのが困難であり把持部材の内面全体で架空線を均一に挟むことが難しいという課題がある。
本発明の目的は、一対の把持部材間に架空線の端部を把持させる作業が簡単に行えるとともに、くさび作用によって架空線を強固に挟み込むことができる掴線器を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、
把持用金具と、該把持用金具に張力を与える一対のチェーンと、該一対のチェーンの他端が共通に係合されるリング状の引っ掛け金具と、を備えた掴線器であって、
前記把持用金具は、
先端が各々くさび状をなす一対の把持部材と、
前記把持部材をスライド可能に保持する収納部を有する本体部と、
前記本体部に各々回動可能に装着され、前記一対のチェーンの一端がそれぞれ連結される一対の作動レバーと、
前記一対の作動レバーの回動を前記一対の把持部材の往復移動に変換するリンク機構と、備え、
前記一対の把持部材と前記本体部との間には、前記一対の把持部材が先端方向へ移動されると間隔が狭くなるように変位させる変位手段が設けられ、前記チェーンからの張力によって前記一対の作動レバーが回動されると、前記一対の把持部材が先端方向へ移動され、該一対の把持部材の間に置かれた線状部材の外面と前記収納部の壁面との間に、前記一対の把持部材のくさび状先端部が押し込まれて、前記一対の把持部材によって前記線状部材を挟み込むように構成した。
上記した手段によれば、作動レバーを回動させるだけで把持部材間に架空線の端部を把持させることができるため作業が簡単に行えるとともに、一対の把持部材の間に置かれた線状部材としての架空線の外面とホルダの収納部の壁面との間に、把持部材のくさび状先端部を押し込んで線状部材を挟み込む構成であるため、くさび作用によって架空線を強固に挟み込むことができる。また、チェーンに働く引張力が把持部材間に挟持されている架空線の中心線とほぼ同一の方向に作用するため、作業後の架空線に癖が付きにくくなる。
また、望ましくは、前記一対の作動レバーの各回動中心と前記一対のチェーンからの張力が作用する点までの距離は、前記一対の作動レバーの各回動中心から該作動レバーと前記リンク機構との連結部の中心までの距離よりも大きくなるように設定する。
これにより、作動レバーに作用する力を増幅して把持部材に伝えることができるため、より強固に架空線を把持部材間に強固に挟み込むことができる。
さらに、望ましくは、前記一対の作動レバーの各回動中心と、前記作動レバーと前記リンク機構を構成する部材との連結点とを結ぶ線が、前記一対の把持部材の移動方向とほぼ直交するように設定する。
これにより、作動レバーに作用した力を、不要な方向へ分散させることなく効率良く把持部材の前後方向への力に変換して伝えることができる。
さらに、望ましくは、前記一対の作動レバーと前記リンク機構を構成する部材との間には、前記把持部材を先端方向へ移動させるように復元力が作用する付勢手段が介挿されるように構成する。
これにより、付勢手段に抗して作動レバーを回動させて把持部材間を広げて架空線の端部を入れ、作動レバーへの力を除くと、付勢手段の付勢力によって把持部材間が閉じる方向に移動され、架空線を挟むことができるため、架空線を把持させる作業が簡単に行なえるようになる。
また、望ましくは、前記付勢手段は、前記一対の作動レバーのうちいずれか一方の作動レバーの回動中心となる支軸に装着されたトーションバネであり、前記一対の把持部材間には互いに接近、離反可能に連結する連結ピンが横架されるように構成する。
かかる構成によれば、片方の作動レバーに作用するバネの復元力で、一対の把持部材の両方を同時に前方へ移動させることができる。
さらに、望ましくは、前記本体部には、前記一対の把持部材の上方を覆う位置と上方を開放する位置に移動可能な押えプレートが回動可能に装着されるように構成する。
これにより、把持部材間に挟み込んだ架空線が引張方向と直交する方向へ外れるのを確実に防止することができる。
さらに、望ましくは、前記引っ掛け金具には、該引っ掛け金具が前記チェーンによる引張方向と直交する軸の回りに回転するのを防止する回転防止手段を設ける。
これにより、引っ掛け金具が回転してチェーンがねじれることで、チェーン余分に応力が生じて変形したり破損したりするのを防止することができる。
本発明によれば、一対の把持部材間に架空線の端部を把持させる作業が簡単に行えるとともに、くさび作用によって架空線を強固に挟み込むことができる掴線器を実現することができるという効果がある。
本発明に係る掴線器の一実施形態を示す平面図である。 図1の実施形態の掴線器を構成する把持用金具の詳細を示す平面図である。 (a)は図2の把持用金具の側面図、(b)は図2の把持用金具の正面図である。 図2の把持用金具の底面図である。 図2の把持用金具を底部側から見た斜視図である。 図2の把持用金具を構成する把持部材を4つの方向から見た拡大図および歯部の拡大図である。 図2の把持用金具を構成するホルダの正面図、平面図および側面図である。 図1の実施形態の掴線器において引っ掛け金具を反転させた状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る掴線器の全体構成を示す。
図1に示すように、掴線器は、トロリー線(架空電車線)や吊架線のような架空線の端部を把持するための把持用金具10と、把持用金具10の一対の作動レバー11A,11Bの外端部に一端が結合される一対のチェーン20A,20Bと、該チェーン20A,20Bの他端に結合されシメラー(張線器)のフック(図示省略)が挿通されるリング状の引っ掛け金具30とから構成されている。チェーン20A,20Bや引っ掛け金具30および把持用金具10を構成する部品は、本実施形態では金属製であるが、金属製に限定されるものではない。
把持用金具10は、平行に配設された一対の把持部材12A,12Bと、該把持部材12A,12Bを長手方向にスライド可能に保持するホルダ13と、把持部材12A,12Bがホルダ13から抜けないように押さえる押えプレート14A,14Bと、把持部材12Aと12Bとを連結する連結ピン15と、上記作動レバー11A,11Bの内端部と把持部材12A,12Bの後端部とを連結する一対のリンク部材16A,16Bとを備える。
ここで、把持部材12A,12Bは、その長さ方向(図1の左右方向)がチェーン20A,20Bを引っ張る方向とほぼ一致するような向きに配設されている。
作動レバー11A,11Bは、そのほぼ中心部にて、ホルダ13の後部側から後方へ向かって突出するように形成された互いにほぼ平行をなす一対のアーム13a,13bの先端部に、ショルダーボルトのような端部にネジ部を有する支軸31A,31Bによって回動可能に装着されている。そして、この作動レバー11A,11Bの内端部に支軸32A,32Bによってリンク部材16A,16Bの後端部がそれぞれ連結され、リンク部材16A,16Bの前端部が支軸33A,33Bによって上記把持部材12A,12Bの後端部にそれぞれ連結されている。
しかも、上記作動レバー11A,11Bは、長手方向がホルダ13の中心線C−Cとほぼ直角をなすように、つまり支軸31Aと32Aおよび支軸31Bと32Bとが、ホルダ13の中心線C−Cとほぼ直角をなす線上に位置するように配設されている。
また、作動レバー11A,11Bの外端部には、図2に示すように、上記チェーン20A,20Bの一端を係合させるための係合穴11a,11bがそれぞれ設けられている。なお、上記各支軸の端部のネジ部には、抜け止め用のボルトが螺着されている。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、支軸31Aの中心からチェーン20Aによる引張力の作動点までの距離L1と、支軸31Aと32Aとの距離L2との関係がL1>L2となるように設定されている。具体的には、2つの距離の比L1/L2が、例えば1.2のような値に設定されている。作動レバー11B側も同様である。L1>L2となるように設定することで、てこの原理を利用して、チェーン20A,20Bによる引張力を増幅して作動レバー11A,11Bを前方(左方向)へ押す力に変換して伝達することができる。
また、上述したように、上記作動レバー11A,11Bをホルダ13の中心線C−Cとほぼ直角をなすように配設したことにより、作動レバー11A,11Bに作用した力を、不要な方向へ分散させることなく効率良く把持部材12A,12Bの前後方向への力に変換して伝えることができる。
図3(a)は把持用金具10を図1の矢印Aの側から見た図、図3(b)は把持用金具10を図1の矢印Bの側から見た図、図4および図5は把持用金具10の底面図および斜視図である。また、図6および図7は、把持用金具10の構成部品である上記把持部材12A,12Bとホルダ13の詳細を示す図面である。なお、以下の説明では、図3において、ホルダ13の上方に位置する面を上面、ホルダ13の下方に位置する面を下面と称する。
図3(a)に示すように、ホルダ13には中央部に図1の中心線C−Cに沿って凹部13cが形成され、該凹部13c内に上記把持部材12A,12Bが所定の間隔をおいてスライド可能に収納されている。そして、把持部材12Aの上面を押えプレート14Aの中央側の縁部で抑え、把持部材12Bの上面を押えプレート14Bの中央側の縁部で抑えるように構成されている。
さらに、押えプレート14Aには、ホルダ13の上面に植設されたピン34Bが挿通された円弧上のガイド孔14a(図1参照)が形成されており、押えプレート14Aは支軸34Aを中心に回動可能に取り付けられている。押えプレート14Aは、内側すなわち把持部材12A,12Bの上方へ回動されると、把持部材12A,12Bによって把持される架空線(例えばトロリー線)が外れないように防止する機能を有する。なお、押えプレート14Aとホルダ13との間には適当な摩擦力が働いて、押えプレート14Aが簡単に回動しないようにピン34Bに組み込まれた座金によって押えられている。
一方、押えプレート14Bはホルダ13の上面にビス35A,35Bによって固定されているとともに、押えプレート14Bの上面には、変形防止プレート17が接合され同じくビス35A,35Bによって固定されている。
そして、上記変形防止プレート17の中央側の縁部は、押えプレート14Bの中央側の縁部よりも内側へ突出するように設定されており、押えプレート14Aが内側へ回動された際に、中央側の縁部が変形防止プレート17の縁部の下側へ入り込むことによって、把持部材12A,12Bによって把持された架空線に対して抜ける方向(図3では上方へ向かう方向)に力が作用してその力が押えプレート14Aに加わったときに、変形防止プレート17によって押えプレート14Aの変形を防止するようになっている。
図3(b)に示すように、ホルダ13の後部側(図では右側)に、後方へ向かって突出するように形成されたアーム13bは、平行な支持片13b1,13b2からなり、この支持片13b1,13b2間に前記作動レバー11Bが支軸31Bによって、回動可能に取り付けられている。図3(b)には示されていないが、作動レバー11Aも同様である。さらに、作動レバー11Bを回動可能に支承する支軸31Bの下端には、トーションバネ18が取り付けられている。
このトーションバネ18は、図4や図5に示すように、一方の端部18aが作動レバー11Bに形成された穴に挿入され、他方の端部18bが支持片13b2に形成された穴に挿入されており、復元力によって作動レバー11Bを矢印D方向へ回動させるような付勢力を付与する。これにより、リンク部材16Bを介して把持部材12A,12Bを前方へ移動させるような力が作用する。また、把持部材12Bに作用した力は、連結ピン15を介して把持部材12Aへ伝達され、把持部材12Aにも前方へ移動させるような力が作用することとなる。その結果、トーションバネ18の復元力以外の力を作用させない状態では、把持部材12A,12Bは互いに接近する状態になっている。
連結ピン15は、把持部材12A,12Bの後端下面に植接された支持ピン19A,19B間にスライド可能に横架されている。具体的には、支持ピン19A,19Bの側面にそれぞれピン穴が形成されており、該ピン穴に連結ピン15の端部がそれぞれ挿入され、支持ピン19A側の端部は固着されるとともに支持ピン19B側は移動可能に係合されている。これによって、把持部材12A,12Bが前後方向(図4の左右方向)に移動される際に、互いに接近する方向または離反する方向へも移動することができる構成とされている。
次に、把持部材12A,12Bの詳細な構成について説明する。
図6は、把持部材12A,12Bのうち把持部材12Aの詳細を示す。把持部材12Aの詳細を示す図6において、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は左側面図である。なお、把持部材12Bは12Aと対称な形状であるので、図示および説明を省略する。図7は、ホルダ13の詳細を示すもので、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。
図6に示すように、把持部材12Aは、楔状の本体部12aと、後端の連結部12bとからなり、本体部12aの外側壁には、先端側へ向かって下傾斜するテーパ面12cが形成されている。また、本体部12aの内側は、図6(d)から分かるように、把持対象の架空線の外周面に対応して円弧状の凹部をなすように形成されており、内面には、摩擦力を高めるための歯部12dが形成されている。この歯部12dは、図6(e)に拡大して示すように、先端側へ向かって下り傾斜したテーパ面を有する断面鋸歯状の溝を刻むことによって摩擦力を高めるように工夫されている。
連結部12bには、連結ピン15を保持する前記支持ピン19Aが挿入されるピン穴12eと、リンク部材16Aと結合するための前記支軸33Aが挿入される軸穴12fとが設けられている。
把持部材12Aの本体部12aの底面には、図6(c)に示されているように、斜め方向にガイド溝12gが形成されている。このガイド溝12gには、把持部材12Aをホルダ13に収納する際に、図7(b)に示されているホルダ13の凹部13cの上面に植設されている摺動ピン36a,36bが係合されるようになっており、把持部材12Aが中央側へ移動しないように規制する働きをする。
ホルダ13の凹部13cの内側壁には、把持部材12A,12Bのテーパ面12cに接合する同一傾斜角のテーパ面13dが形成されており、把持部材12A,12Bを前方(図の左方)へ移動させると、ホルダ13の凹部13cの内側壁のテーパ面13dに沿って把持部材12A,12Bが移動し、ホルダ13側のテーパ面13dによって把持部材12A,12Bのテーパ面12cが押されることで、内側へ移動するように構成されている。
なお、把持部材12A,12Bの楔状の本体部の外側壁のテーパ面12cの傾斜角は、特に限定されるものではないが、本実施形態では例えば15゜のような角度(鋭角)に設定されている。
次に、上記のような構成を有する掴線器の使用方法および作用について説明する。
例えば事故により切断されてしまったトロリー線を接続するため、トロリー線の端部を掴線器で把持する場合、図2に示すように、押えプレート14Aを外側へ移動させるとともに、作動レバー11A,11Bの外端部を矢印F1,F2の方向へ押して回動させて、把持部材12A,12Bを開いた状態にしてから、把持部材12A,12B間にトロリー線の端部を挿入する。そして、作動レバー11A,11Bへの押圧力を緩めると、トーションバネ18の復元力で把持部材12A,12Bが前方へ移動して間隔が狭くなり、トロリー線が把持部材12A,12Bによって軽く挟まれる。続いて、押えプレート14Aを内側へ移動させて把持部材12A,12B間のトロリー線の上方を覆うようにする。これにより、トロリー線の外れ(上方への抜け)が防止される。
次に、チェーン20A,20Bを図1において右方向へ強く引っ張る。すると、作動レバー11A,11Bの外端部が矢印E1,E2の方向へ回動して、作動レバー11A,11Bの内端部が把持部材12A,12Bの後端面を直接押圧して、把持部材12A,12Bを先端方向(図1の左方向)押し出すような力が作用する。このとき、把持部材12A,12Bの外側にテーパ面12cが形成されているとともに、前述した作動レバー11A,11Bにおける「てこ」の原理で、チェーンの引張力が増幅されて把持部材12A,12Bを前方へ移動させる力に変換されるため、くさび効果で、把持部材12A,12Bを、トロリー線とホルダ13の内側壁のテーパ面13dとの隙間に侵入させることができる。
これにより、把持部材12A,12Bによってトロリー線が強い力で挟まれるとともに、把持部材12A,12Bの内面に歯部12dが形成されているため、トロリー線との間に強い摩擦力が生じ、トロリー線が把持部材12A,12Bから抜けてしまうのを防止することができる。しかも、この実施形態の掴線器においては、把持部材12A,12Bの長さ方向(図1の左右方向)がチェーン20A,20Bを引っ張る方向とほぼ一致するように設計されているため、トロリー線に対して把持部材12A,12Bによる挟む力と直交する方向へ働く力を小さくすることができ、トロリー線に癖が付くのを防止することができる。また、把持部材12A,12Bの上方に押えプレート14Aが設けられているので、トロリー線の外れも防止することができる。
一方、トロリー線の端部を掴線器から外す場合には、図2に示すように、作動レバー11A,11Bの外端部を矢印F1,F2の方向へ強く押して回動させ、リンク部材16A,16Bを介して把持部材12A,12Bを後方へ移動させて開いた状態に変化させることで、トロリー線を開放することができる。なお、このとき、支軸31Aの中心からチェーン20Aによる引張力の作動中心点までの距離L1と、支軸31Aと32Aとの距離L2との関係がL1>L2となるように設定されているため、くさび効果で把持部材12A,12Bがトロリー線とホルダ13のテーパ面13dとの間に挟まれていて抵抗力が大きくても、作動レバー11A,11Bの先端をハンマーで叩いたりすることなく、作業者の手の力だけで容易に作動レバー11A,11Bを回動させてトロリー線を開放することができる。
逆にいえば、本実施形態の掴線器においては、作業者の手の力だけで容易に作動レバー11A,11Bを回動させてトロリー線を開放することができるように、上記距離L1とL2との比L1/L2が設定されている。因みに、L1/L2が大きいほど小さな力で作動レバー11A,11Bを回動させ、把持部材12A,12Bからトロリー線を開放することができる。
ただし、トロリー線を開放するのに必要な作動レバー11A,11Bを回動させるための力は、把持部材12A,12Bの先端の角度θにも依存し、角度θが小さくなるほど、くさび効果による挟持力が大きくなり、作動レバー11A,11Bを回動させるのに必要な力も大きくなる。
一方、上記距離L1とL2に関しては、L1を長くすると操作に必要な力を下げることができるものの、把持用金具10の幅が大きくなってかさばってしまうとともに、取り扱いが面倒になる。従って、先にL1/L2を決定してから、該L1/L2に設定された作動レバー11A,11Bを作業者の手の力だけで回動させてトロリー線を開放することができるように、角度θを決定するようにしても良い。つまり、把持部材12A,12Bの先端の角度θは、前述した15°に限定されず、くさび効果が生じる鋭角であればどのような角度であっても良い。
また、本実施形態の掴線器においては、図1に示すように、引っ掛け金具30の中央部に一対の反転防止用のリング30A,30Bが固着されている。このリング30A,30Bの外径は、チェーン20A,20Bの端部のリング21A,21Bに形成されている係合穴の径よりも大きい径に設定されている。これにより、図8に示すように、引っ掛け金具30が反転(180°回転)してしまった際に、チェーン20A,20Bが引っ掛け金具30の反対側へ移動するのを防止し、チェーン20A,20Bがねじれることで余分に応力が生じて変形したり破損したりするのを防止することができる。
なお、反転防止用のリング30A,30Bが設けられていたとしても、引っ掛け金具30が一回転するのは防止できないが、チェーン20A,20Bの長さが比較的短いため、引っ掛け金具30が一回転(360°回転)するとチェーン20A,20Bのねじれ量が多くなるため、ねじれ状態を容易に発見することができる。
また、本実施形態の掴線器においては、引っ掛け金具30の反転(180°回転)を防止するためにリング30A,30Bを設けているが、リング30A,30Bの代わりに、図1に二点鎖線で示すように、リング30A,30Bが設けられている部位もしくはその近傍に端部が固着された棒状の回転阻止部材32を横架させるように構成しても良い。これにより、引っ掛け金具30の一回転(360°回転)を防止することができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態においては、押えプレート14Aを作業者が手で回動操作するように構成されたものについて説明したが、把持部材12Aと押えプレート14Aと間に、把持部材12A,12Bのガイド溝12gとホルダ13の凹部13cの上面の摺動ピン36a,36bのような関係のスライド案内機構を設けて、把持部材12Aが前方へ移動すると押えプレート14Aが自動的に内側へ回動し、把持部材12Aが後方へ移動すると押えプレート14Aが自動的に外側へ回動するように構成しても良い。
また、前記実施形態においては、作動レバー11Bとホルダ13のアーム13Bとの間にのみトーションバネ18を介挿しているが、作動レバー11Aとホルダ13のアーム13Aとの間にも上記とは逆の方向に付勢するトーションバネを介挿してもよいし、トーションバネを一切設けずに作業者の手による作動レバー11A,11Bの回動操作で把持部材12A,12Bを開閉させる構成とすることも可能である。また、トーションバネの代わりに引張バネを把持部材12Aまたは12Bとホルダ13との間に介挿してもよい。作動レバー11A,11Bのそれぞれに復帰用のバネを設けた場合、把持部材12A,12B間を連結する連結ピン15を省略しても良い。
さらに、把持部材12A,12Bをホルダに対して着脱可能な構造にし、把持対象の架空線の径等に応じて歯部12dの曲率が異なるように形成された他の把持部材と交換可能に構成しても良い。
また、前記実施形態では、本発明を断面がほぼ円形のケーブルやワイヤなどの架空線の端部を把持する掴線器に適用したものを説明したが、本発明は、平たい帯状の索(ベルト)の端部を把持する掴線器にも広く利用することができる。
10 把持用金具
11A,11B 作動レバー
12A,12B 把持部材
12c テーパ面
12d 歯部
13 ホルダ(本体部)
14A,14B 押えプレート
15 連結ピン
16 リンク部材(リンク機構の構成部材)
18 トーションバネ(付勢手段)
20A,20B チェーン
30 引っ掛け金具

Claims (7)

  1. 把持用金具と、該把持用金具に張力を与える一対のチェーンと、該一対のチェーンの他端が共通に係合されるリング状の引っ掛け金具と、を備えた掴線器であって、
    前記把持用金具は、
    先端が各々くさび状をなす一対の把持部材と、
    前記把持部材をスライド可能に保持する収納部を有する本体部と、
    前記本体部に各々回動可能に装着され、前記一対のチェーンの一端がそれぞれ連結される一対の作動レバーと、
    前記一対の作動レバーの回動を前記一対の把持部材の往復移動に変換するリンク機構と、備え、
    前記一対の把持部材と前記本体部との間には、前記一対の把持部材が先端方向へ移動されると間隔が狭くなるように変位させる変位手段が設けられ、前記チェーンからの張力によって前記一対の作動レバーが回動されると、前記一対の把持部材が先端方向へ移動され、該一対の把持部材の間に置かれた線状部材の外面と前記収納部の壁面との間に、前記一対の把持部材のくさび状先端部が押し込まれて、前記一対の把持部材によって前記線状部材を挟み込むように構成されていることを特徴とする掴線器。
  2. 前記一対の作動レバーの各回動中心と前記一対のチェーンからの張力が作用する点までの距離は、前記一対の作動レバーの各回動中心から該作動レバーと前記リンク機構との連結部の中心までの距離よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の掴線器。
  3. 前記一対の作動レバーの各回動中心と、前記作動レバーと前記リンク機構を構成する部材との連結点とを結ぶ線が、前記一対の把持部材の移動方向とほぼ直交するように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の掴線器。
  4. 前記一対の作動レバーと前記リンク機構を構成する部材との間には、前記把持部材を先端方向へ移動させるように復元力が作用する付勢手段が介挿されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の掴線器。
  5. 前記付勢手段は、前記一対の作動レバーのうちいずれか一方の作動レバーの回動中心となる支軸に装着されたトーションバネであり、前記一対の把持部材間には互いに接近、離反可能に連結する連結ピンが横架されていることを特徴とする請求項4に記載の掴線器。
  6. 前記本体部には、前記一対の把持部材の上方を覆う位置と上方を開放する位置に移動可能な押えプレートが回動可能に装着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の掴線器。
  7. 前記引っ掛け金具には、該引っ掛け金具が前記チェーンによる引張方向と直交する軸の回りに回転するのを防止する回転防止手段が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の掴線器。
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