JP2015011010A - 血液情報測定装置及び測定方法 - Google Patents

血液情報測定装置及び測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015011010A
JP2015011010A JP2013138836A JP2013138836A JP2015011010A JP 2015011010 A JP2015011010 A JP 2015011010A JP 2013138836 A JP2013138836 A JP 2013138836A JP 2013138836 A JP2013138836 A JP 2013138836A JP 2015011010 A JP2015011010 A JP 2015011010A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
light
wavelength
plasma
wavelength region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013138836A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6161065B2 (ja
Inventor
大輔 迫田
Daisuke Sakota
大輔 迫田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2013138836A priority Critical patent/JP6161065B2/ja
Publication of JP2015011010A publication Critical patent/JP2015011010A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6161065B2 publication Critical patent/JP6161065B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)

Abstract

【課題】流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化を光学的に測定する測定装置及び測定方法の提供。【解決手段】測定装置は、血液の流動方向と略垂直方向から光束を与える光源と、光束の反射光を受光する受光器と、光源の光束を制御しつつ受光器で受光された強度信号を処理する制御装置と、を含む。この制御装置は、(1)受光器で受光され、所定波長よりも小さい第1波長領域における第1の信号列を得るとともに、(2)受光器で受光され、所定波長よりも大きい第2波長領域における第2の信号列を得て、(3)第2の信号列を第1の信号列で補正して、血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報を得る、ものである。【選択図】図2

Description

本発明は、血液の情報を光学的に測定する測定装置及び測定方法に関し、特に、流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化を光学的に測定する測定装置及び測定方法に関する。
例えば、人工心肺、血液透析、ベッドサイド型人工膵臓など、血液を体外へと脱血させ人工的な血液回路を経由させながら必要な処理を施し、体内へと戻すような医療が知られている。体内外で血液を循環させながら各種血液情報をリアルタイムで測定するには、迅速な測定が可能であって、血流に影響を与えないような非接触の光学測定によることが好ましい。ここで血液に可視光若しくは近赤外光を照射すると、血液中の各種の状態に対応して散乱及び吸収が観察され、これを分析することで血液中の様々な成分量を定量化でき得る。そこで、かかる方法を用いた各種光学測定装置が提案されている。
例えば、特許文献1では、血液に光を照射し透過光で散乱を測定する光学的手法を用い、ヘマトクリット等の血液パラメータをオンラインで連続的に監視し、血液透析を最適化する装置を開示している。血中電解質の組成、例えばナトリウムの血中濃度変化が照射された光束の散乱を変化させるが、この散乱変化を測定することで血中ナトリウム濃度を測定するとしている。ここでは複数のフォトダイオードをLED光源からの光軸上及びこれからオフセットされた位置に一列に配置し、LED光源から血液を透過し直接到達する光及び血液中で散乱しながら透過してくる散乱光を測定している。
また、特許文献2では、血液に照射された光の反射光及び透過光で散乱を測定する光学的手法を用い、血液中の赤血球濃度に比例した信号を得る装置を開示している。キュベット中の血液の流動経路にLED光源から所定波長の光を照射し、透過光を測定する第1のフォトダイオードと、透過経路に対してほぼ90度で散乱光を測定する第2のフォトダイオードとをキュベットの周囲にそれぞれ設け、散乱信号と透過信号との比を得る。この散乱信号と透過信号との比は赤血球濃度に比例するとしている。また、上記した所定波長は、酸素飽和の影響が最小となる等濃度点において好ましく、805nm、若しくは、548nmから586nmの波長範囲でも良いとしている。
また、特許文献3では、光学濃度の高い懸濁液である血液に照射した光の反射光を測定する光学的手法を用い、フィルタを通って延びる二次循環ラインで血液を検出する検出装置を開示している。光透過性で柔軟なチューブをハウジングの平坦面に押しつけチューブ壁を平坦にした平坦面に対し、約400nmから700nmの範囲内の波長を放出する白色LEDの光軸を実質的に垂直になるようにして与える。更に、光検出器を光出射器に対して、互いの光軸を約45°とし、光軸の交点をチューブ壁/輸送液体との媒体境界面に位置するように与える。ヘモグロビンが光検出器の位置に到達すると光吸収が増えて固有波長での反射量が減少する。事前に測定しておいた基準信号と比較した信号偏差で血液アラームを発するとしている。なお、400〜450nmの間のヘモグロビンピークはマーカー物質として含まれる可能性があるビリルビンのピークと重なっていることに留意すべきであることを述べている。
特開平06−38947号公報 特開2002−531824号公報 特表2009−541755号公報
上記したように、血液に可視光若しくは近赤外光を照射し、散乱及び吸収を測定、分析することで、血液中の様々な成分量の定量化が可能と考えられる。しかしながら、散乱を生じさせる散乱因子は複数存在するため、測定された散乱変化は複数の散乱因子による散乱変化の重畳結果であって、その定量化は必ずしも容易ではない。例えば、流動する血液についての散乱変化を光学的に測定した場合、少なくとも血漿及び赤血球に起因する散乱変化が同時に生じると考えられる。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化を光学的に測定する測定装置及び測定方法の提供にある。
血液に入射した光の吸収は、可視光波長域又は近赤外波長域において、主に、赤血球内のヘモグロビンによって生じる。他にも、血漿タンパクや血糖値等、これらに関連する物質の吸収特性に応じても生じる。そこで、血液の構成物質とその成分量の分析には、分光光度測定などの光学的手法を利用して、吸光スペクトルを測定することで行われ得る。一方で、血液に入射した光は、血液中の赤血球と血漿との間の屈折率差で散乱を生じ、吸光スペクトルはこの影響による歪を生じる。つまり、吸光スペクトルの測定では、散乱の影響を補正しなければならない。
ところで、赤血球濃度が変化したり、血漿の屈折率が変化すると、散乱も変化し、その補正は容易ではない。例えば、医療現場では、輸液及び透析液によって血漿を希釈したり、人工心肺装置で溶血を生じることがあるなど、血漿の屈折率が逐次変化し、散乱も変化することとなる。
そこで、本発明者は、吸光スペクトルを歪せる要因である散乱変化の要因を特定し補正を行うことを考慮して、本発明に至った。
つまり、本発明による流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報を光学的に測定する血液情報測定装置は、前記血液の流動方向と略垂直方向から前記血液へ向けて光束を与える光源と、前記光束の反射光を受光する受光器と、前記光源の前記光束を制御しつつ前記受光器で受光された強度信号を処理する制御装置と、を含み、前記制御装置は、(1)前記受光器で受光され、所定波長よりも小さい第1波長領域における第1の信号列を得るとともに、(2)前記受光器で受光され、所定波長よりも大きい第2波長領域における第2の信号列を得て、(3)前記第2の信号列を前記第1の信号列で補正して、前記血漿及び前記赤血球のそれぞれの変化情報を得る、ものであることを特徴とする。
かかる発明によれば、ヘモグロビンによる吸収の極端に大きい第1波長領域で測定された第1の信号列で、同吸収の小さい第2波長領域で測定された第2の信号列を補正することで、血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報を正確に得ることができるのである。また反射光だけを測定するので、光をほとんど透過しないような大きな散乱を与える血液の如きであってもそのまま測定可能である。
上記した発明において、前記血液は少なくとも前記第1及び第2波長領域の光を透過する可撓性管体内を流動させ、前記光源及び前記受光器の一対は前記可撓性管体の一部を押圧して形成された平面部に前記光束を与えるとともにその反射光を受光することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、同一の平面部において光を入射及び出射させて反射光を計測することで、血液の流路サイズに依存せず測定でき、また光を透過しないような特に大きな散乱を与える血液の如きであってもそのまま測定可能である。更に、流路形状を急激に変化させる不連続部となるフローセルの接続部のような箇所を与えず、血液の流動するチューブを連続的に変化させてその外部から直接測定できるから血液の淀みによる血液凝固リスクを低減できるのである。
上記した発明において、前記所定波長はヘモグロビンの吸光波長であることを特徴としてもよい。また、前記第1波長領域及び前記第2波長領域はそれぞれ波長600nmを挟んだ両側にあることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報を正確に得ることができるのである。
上記した発明において、前記制御部は、血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報から、ヘモグロビン濃度及び/又は血中赤血球濃度を与えることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報の1つとしての情報を正確に得ることができるのである。
更に、本発明による流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化を光学的に測定する血液情報測定方法は、前記血液の流動方向と略垂直方向から前記血液へ向けて光束を与える光源と、前記光束の反射光を受光する受光器と、前記光源の前記光束を制御しつつ前記受光器で受光された強度信号を処理する制御装置と、において、前記制御装置は、(1)前記受光器で受光され、所定波長よりも小さい第1波長領域における第1の信号列を得るステップと、(2)前記受光器で受光され、所定波長よりも大きい第2波長領域における第2の信号列を得るステップと、(3)前記第2の信号列を前記第1の信号列で補正して、前記血漿及び前記赤血球のそれぞれの変化情報を得るステップと、を与えることを特徴とする。
かかる発明によれば、ヘモグロビンによる吸収の極端に大きい第1波長領域で測定された第1の信号列で、同吸収の小さい第2波長領域で測定された第2の信号列を補正することで、血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報を正確に得ることができるのである。また反射光だけを測定するので、光をほとんど透過しないような大きな散乱を与える血液の如きであってもそのまま測定可能である。
上記した発明において、前記血液を少なくとも前記第1及び第2波長領域の光を透過する可撓性管体内を流動させ、前記光源及び前記受光器の一対は前記可撓性管体の一部を押圧して形成された平面部に前記光束を与えるとともにその反射光を受光することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、同一の平面部において光を入射及び出射させて反射光を計測することで、血液の流路サイズに依存せず測定でき、また光を透過しないような特に大きな散乱を与える血液の如きであってもそのまま測定可能である。更に、流路形状を急激に変化させる不連続部となるフローセルの接続部のような箇所を与えず、血液の流動するチューブを連続的に変化させてその外部から直接測定できるから血液の淀みによる血液凝固リスクを低減できるのである。
上記した発明において、前記所定波長はヘモグロビンの吸光波長であることを特徴としてもよい。また、前記第1波長領域及び前記第2波長領域はそれぞれ波長600nmを挟んだ両側にあることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報を正確に得ることができるのである。
上記した発明において、前記情報処理ステップは、血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報から、ヘモグロビン濃度及び/又は血中赤血球濃度を与えるステップを含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報の1つとしての情報を正確に得ることができるのである。
本発明による血液情報測定装置の取付けに関するブロック図である。 本発明による血液情報測定装置の測定方法を示すブロック図である。 本発明による血液情報測定装置の取付部を示す断面図である。 本発明による血液情報測定装置により血液を測定したときの波長−相対光強度の関係を示すグラフである。 血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)を変化させたときの波長−相対光強度変化率の関係を示すグラフである。 ヘマトクリット(赤血球数、HCT)を変化させたときの波長−相対光強度変化率の関係を示すグラフである。 血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)−相対光強度指標値の関係を示すグラフである。 血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)を変化させたときのヘマトクリット(HCT)−相対光強度平均の関係を示すグラフである。
以下に、本発明による血液情報測定装置の1つの実施例について、図1乃至5を用いて説明する。
図1に示すように、本実施例に係る血液情報測定装置1は、血液の情報を光学的に測定する測定装置であって、体内から血液を脱血させて体外の血液処理回路101に導き必要な処理を施して体内へと戻す医療などに用いられる。この血液情報測定装置1は、後述するように、流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化を光学的に測定することを可能とし、体内から血液処理回路101に血液を導くための管体(図1の位置A)、血液処理回路101中の管体(図1の位置B)、及び/又は、血液処理回路101から体内へと血液を戻すための管体(図1の位置C)において、外部より取り付けられて用いられる。
図2に示すように、血液情報測定装置1は、光源及び受光素子を含む光源・受光ユニット10と、光源・受光ユニット10の光源を制御し受光素子からの信号を受信して処理する本体装置20とを含む。
光源・受光ユニット10は、光源からの光(図2のA参照)を管体14の内部を流動する液体16に対して略垂直に入射させ、この入射光経路とほぼ同じ経路を辿って戻ってくる反射光(図2のB参照)を受光素子で受光可能な公知のユニットである。例えば、光源からの光の入射経路から反射光を分離してフォトダイオードなどの受光素子でこれを受光できるようにハーフミラーを介在させたユニットや、光源を中心にその周囲に受光素子を設けたユニットなどであっても良い。
光源・受光ユニット10の光源は、受光素子、後述する分光部23とともに分光光度計を構成する。すなわち、一般には、光源には白色光源が用いられて、プリズムで分光された単色光を液体16に与えるが、適宜、光源に可変波長光源を用いることもできる。
光源制御部22は、中央制御部21からの信号を受けて、光源・受光ユニット10の図示しない光源を制御する。
分光部23は、中央制御部21からの信号を受けて、光源・受光ユニット10の図示しない受光素子からの信号を受けてこれを処理する。
データ処理部24は、中央制御部21からの信号を受けて、分光部23において処理された信号を適宜、処理し、必要なデータを与える。
ここで、図3に示すように、上記した血液処理回路101に接続される、若しくは、血液処理回路101の内部で用いられる血液を流すための管体14は、円形のチューブ断面を有し(図3(b)参照)、塩化ビニル等の柔軟性の高い可撓性を有する透明高分子チューブである。かかる管体14は、血液情報測定装置1の光源・受光ユニット10の取付部において、内部を流れる液体16(ここでは、血漿と赤血球からなる血液)の流れを妨げない程度に、光学的に透明な板材、例えば、アクリル等の透明板材12を押しつけられて平面部を与えられる(図3(c)参照)。光源・受光ユニット10の光源からの光は、透明板材12、管体14を通過して、管体14の内部へと照射される。一方、管体14の内部からの反射光は、逆に管体14、透明板材12を通過して、光源・受光ユニット10の受光素子に到達する。
上記した血液情報測定装置1によれば、光源・受光ユニット10によって反射光だけを測定するので、液体16が光をほとんど透過しないような大きな散乱を与える血液の如きであってもそのまま測定可能となる。また、透明板材12を押しつけられて形成される平面部において光を入射及び出射させて反射光を計測するので、液体16の流路サイズに依存せず測定できる。更に、流路形状を急激に変化させる不連続部を与えず、液体16の流動するチューブを連続的に変化させてその外部から直接測定できるから液体16の淀みによる諸問題、例えば、液体16が血液であるとき、凝固してしまうことなどを低減できるのである。
次に、上記した血液情報測定装置1により、液体16として血液を測定する方法について説明する。
図4には、血液情報測定装置1において、液体16として生理食塩水を流した場合を基準に、液体16として血液を流したときの波長−相対光強度の典型的なグラフを示した。ここでは、縦軸の相対光強度として、([血液の測定光強度]/[生理食塩水の測定光強度])の比の常用対数値に−1を掛けた値を採用している。つまり、ヘモグロビンの吸光波長に近い波長約600nmでは、相対強度はほぼゼロであって、([血液の測定光強度]/[生理食塩水の測定光強度])=1、すなわち、生理食塩水と血液の測定光強度がほぼ等しいことを表している。また、この波長約600nmよりも短波長側の波長領域201では、相対光強度は正であって、[血液の測定光強度]<[生理食塩水の測定光強度]であった。一方、長波長側の波長領域202では、相対光強度は負であって、[血液の測定光強度]>[生理食塩水の測定光強度]であった。
以上のように、液体16としての血液の測定では、短波長側の波長領域201では、反射光強度は弱く光を吸収し、他方、長波長側の波長領域202では、反射光強度が強い。なお、波長約600nmよりも短波長側の波長領域201では、ヘモグロビンによる吸光が非常に大きく、波長約600nm近傍を境界に、長波長側の波長領域202では、ヘモグロビンによる吸光が急激に小さくなる。
ところで、光源・受光ユニット10によって測定される反射光は、血液表面の血漿で反射した光と、血液の中に浸透して赤血球に衝突して散乱した光とを含み得る。
ここで、ヘモグロビンによる吸収が大きい短波長側の波長領域201の波長による測定では、赤血球に衝突した光のほとんどが吸収されて消失してしまう。つまり、ほぼ血液表面の反射光のみが光源・受光ユニット10によって測定される。故に、流動する血液についての血漿の変化情報を光学的に測定できるのである。
一方、ヘモグロビンによる吸収が小さい長波長側の波長領域202の波長による測定では、血液表面の反射光と、赤血球に衝突した光の散乱光と、の混在した反射光が光源・受光ユニット10によって測定される。かかる測定では、血漿及び赤血球の両方の変化情報が混在しているが、上記した血漿の変化情報を用いて、これを補正することで、流動する血液についての赤血球の変化情報を得ることができるのである。詳細については、更に、後述する。
次に、血液情報測定装置1により、液体16として血液を測定した1例について説明する。
血液処理回路101として人工心肺回路を構成し、ブタ(ウシ)血液を管体14を用いて循環させた。光源・受光ユニット10の光源には、ハロゲンランプを用い、白色光を光ファイバで透明板材12へと導き、反射光も光ファイバで導いて、分光光度計を構成させた。赤血球のヘマトクリット濃度を変化させて測定を行い、更に、血漿にヘモグロビンを注入して血漿の屈折率を変化させて測定を行った。
図5には、血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)を変化させながら、図4と同様の測定を行ったときの波長−相対光強度変化率の関係を示した。つまり、図4の微分波形を示すグラフを示した。また、同様に、図6には、ヘマトクリット(赤血球数、HCT)を変化させたときのグラフを示した。
図5からわかるように、血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)が変化すると、短波長側の波長領域201の相対光強度変化率も大きく変化する。他方、図6からわかるように、ヘマトクリット(HCT)を変化させても短波長側の波長領域201の相対光強度変化率はほとんど変化しない。このことは、短波長側の波長領域201において、ヘマトクリット(HCT)の変化の影響を受けることなく、血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)の変化のみが光強度に影響を与えこれを測定できることを意味している。
図7には、後述する相対光強度から求められる相対光強度指標値を用いて、図6における短波長側の波長領域201における相対光強度指標値に対して血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)をプロットしたグラフを示した。かかる相対光強度指標値は、2つの所定の波長範囲における相対光強度の平均値の差として定義される。ここでは、短波長側の波長領域201にある540nm〜545nm及び500nm〜515nmの2つの波長範囲における相対光強度の平均値の差を用いている。図7からわかるように、プロット点は直線上に位置する。血液情報測定装置1で測定される短波長側の波長領域201の相対光強度から相対光強度指標値を算出すれば、図7を用いることで血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)を得られるのである。
また、図8には、後述する相対光強度平均を用いて、図7における長波長側の波長領域202における相対光強度平均に対してヘマトクリット(HCT)の濃度をプロットしたグラフを示した。ここでは、血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)に対応してヘマトクリット(HCT)の濃度プロットを示しており、すなわち、血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)で補正されたヘマトクリット(HCT)の濃度プロットを示している。ここで、相対光強度平均は、所定の波長範囲における相対光強度の平均値として定義される。ここでは、長波長側の波長領域202にある650nmから700nmの波長範囲における相対光強度の平均値を用いている。
図8からわかるように、ここでも血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)に関わらず、プロット点は直線上に位置しほぼ勾配も等しい。上記した血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)とともに、血液情報測定装置1で測定される長波長側の波長領域202の相対光強度から相対光強度平均を算出すれば、図8を用いることでヘマトクリット(HCT)の濃度を得られるのである。
以上、本実施例によれば、600nmよりも短波長側のヘモグロビンによる吸収の極端に大きい短波長側の波長領域201で測定された血漿遊離ヘモグロビン濃度(fHb)に対応する第1の信号列で、同吸収の小さい長波長側の波長領域202で測定された第2の信号列を補正することでヘマトクリット(HCT)の濃度を得られ、つまり、血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報を正確に得ることができる。また反射光だけを測定するので、光をほとんど透過しないような大きな散乱を与える血液の如きであってもそのまま測定可能である。
更に、管体14に透明板材12を押しつけられて形成される平面部において光を入射及び出射させて反射光を計測することで、液体16の流路サイズに依存せず測定でき、また光を透過しないような特に大きな散乱を与える血液の如きであってもそのまま測定可能である。
更に、流路形状を急激に変化させる不連続部となるフローセルの接続部のような箇所を与えず、液体16の流動するチューブを連続的に変化させてその外部から光学的に直接測定できるから液体16を血液としたときにその淀みによる血液凝固リスクを低減できるのである。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
1 血液情報測定装置
10 光源・受光ユニット
12 透明板材
14 管体
16 液体(血液)
20 本体装置
21 中央制御部
22 光源制御部
23 分光部
24 データ処理部
101 血液処理回路

Claims (10)

  1. 流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報を光学的に測定する血液情報測定装置であって、
    前記血液の流動方向と略垂直方向から前記血液へ向けて光束を与える光源と、前記光束の反射光を受光する受光器と、前記光源の前記光束を制御しつつ前記受光器で受光された強度信号を処理する制御装置と、を含み、
    前記制御装置は、
    (1)前記受光器で受光され、所定波長よりも小さい第1波長領域における第1の信号列を得るとともに、
    (2)前記受光器で受光され、所定波長よりも大きい第2波長領域における第2の信号列を得て、
    (3)前記第2の信号列を前記第1の信号列で補正して、前記血漿及び前記赤血球のそれぞれの変化情報を得る、ものであることを特徴とする血液情報測定装置。
  2. 前記血液は少なくとも前記第1及び第2波長領域の光を透過する可撓性管体内を流動させ、前記光源及び前記受光器の一対は前記可撓性管体の一部を押圧して形成された平面部に前記光束を与えるとともにその反射光を受光することを特徴とする請求項1記載の血液情報測定装置。
  3. 前記所定波長はヘモグロビンの吸光波長であることを特徴とする請求項1又は2に記載の血液情報測定装置。
  4. 前記第1波長領域及び前記第2波長領域はそれぞれ波長600nmを挟んだ両側にあることを特徴とする請求項3記載の血液情報測定装置。
  5. 前記制御部は、血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報から、ヘモグロビン濃度及び/又は血中赤血球濃度を与えることを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つに記載の血液情報測定装置。
  6. 流動する血液について血漿及び赤血球のそれぞれの変化を光学的に測定する血液情報測定方法であって、
    前記血液の流動方向と略垂直方向から前記血液へ向けて光束を与える光源と、前記光束の反射光を受光する受光器と、前記光源の前記光束を制御しつつ前記受光器で受光された強度信号を処理する制御装置と、において、
    前記制御装置は、
    (1)前記受光器で受光され、所定波長よりも小さい第1波長領域における第1の信号列を得るステップと、
    (2)前記受光器で受光され、所定波長よりも大きい第2波長領域における第2の信号列を得るステップと、
    (3)前記第2の信号列を前記第1の信号列で補正して、前記血漿及び前記赤血球のそれぞれの変化情報を得るステップと、を与えることを特徴とする血液情報測定方法。
  7. 前記血液を少なくとも前記第1及び第2波長領域の光を透過する可撓性管体内を流動させ、前記光源及び前記受光器の一対は前記可撓性管体の一部を押圧して形成された平面部に前記光束を与えるとともにその反射光を受光することを特徴とする請求項1記載の血液情報測定方法。
  8. 前記所定波長はヘモグロビンの吸光波長であることを特徴とする請求項6又は7に記載の血液情報測定方法。
  9. 前記第1波長領域及び前記第2波長領域はそれぞれ波長600nmを挟んだ両側にあることを特徴とする請求項8記載の血液情報測定方法。
  10. 前記情報処理ステップは、血漿及び赤血球のそれぞれの変化情報から、ヘモグロビン濃度及び/又は血中赤血球濃度を与えるステップを含むことを特徴とする請求項6乃至9のうちの1つに記載の血液情報測定方法。
JP2013138836A 2013-07-02 2013-07-02 血液情報測定装置及び測定方法 Active JP6161065B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013138836A JP6161065B2 (ja) 2013-07-02 2013-07-02 血液情報測定装置及び測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013138836A JP6161065B2 (ja) 2013-07-02 2013-07-02 血液情報測定装置及び測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015011010A true JP2015011010A (ja) 2015-01-19
JP6161065B2 JP6161065B2 (ja) 2017-07-12

Family

ID=52304283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013138836A Active JP6161065B2 (ja) 2013-07-02 2013-07-02 血液情報測定装置及び測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6161065B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002529174A (ja) * 1998-11-06 2002-09-10 メドトロニック・アヴェコア・カーディオヴァスキュラー・インコーポレーテッド 血液パラメータを測定する装置及び方法
JP2005300547A (ja) * 2004-04-14 2005-10-27 Spectromedical Inc 被験物測定のための分光学的測定方法および装置
JP2006503652A (ja) * 2002-10-24 2006-02-02 バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド 臍部駆動血液加工チャンバを用いる血液加工システムおよび方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002529174A (ja) * 1998-11-06 2002-09-10 メドトロニック・アヴェコア・カーディオヴァスキュラー・インコーポレーテッド 血液パラメータを測定する装置及び方法
JP2006503652A (ja) * 2002-10-24 2006-02-02 バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド 臍部駆動血液加工チャンバを用いる血液加工システムおよび方法
JP2005300547A (ja) * 2004-04-14 2005-10-27 Spectromedical Inc 被験物測定のための分光学的測定方法および装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
迫田大輔 ほか: "体外補助循環における血液の非侵襲光診断", 第25回バイオエンジニアリング講演会論文集, vol. No. 12-48, JPN6017008824, 8 January 2013 (2013-01-08), pages 641 - 642, ISSN: 0003565536 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6161065B2 (ja) 2017-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10687743B1 (en) Physiological measurement devices, systems, and methods
US7671974B2 (en) Cuvette apparatus and system for measuring optical properties of a liquid such as blood
JP5901012B2 (ja) 血液情報の測定方法及び装置
US7701581B2 (en) Device for determining of properties in a fluid and/or constituents thereof
AU2016283095B2 (en) Direct light differential measurement system
KR102084826B1 (ko) 자기교정 혈액챔버
JPH0257239A (ja) 光センサ用プローブ
WO2013154308A1 (ko) 헤모글로빈 측정 장치 및 방법
JP2018531366A6 (ja) 直接光の示差測定システム
JP6728043B2 (ja) 溶血を検出するための、又はヘマトクリット値の測定において溶血の影響を補正するための補正因子を決定する方法及び装置
JP7203739B2 (ja) 液体中の血液または血液成分を検出するためのデバイスを校正するための方法およびアセンブリ
US20120108981A1 (en) Apparatus and method for spectrophotometric measurements of blood parameters
JP6161065B2 (ja) 血液情報測定装置及び測定方法
JP6885231B2 (ja) 検出装置および生体情報測定装置
JP2011226966A (ja) 計測方法、計測装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170321

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6161065

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250