JP2015010110A - 導電性粘着テープ - Google Patents

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航大 中尾
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Abstract

【課題】長期間にわたる使用や過酷な環境条件下での使用においても、低抵抗値で安定した導電性(電気伝導性)を発揮できる導電性粘着テープの提供。【解決手段】本発明の導電性粘着テープは、導電性粒子が分散されている粘着剤層を有する導電性粘着テープであって、前記導電性粒子の粒径d50(μm)が、12.5μm以上100μm以下であり、前記導電性粒子の粒径d50(μm)と前記粘着剤層の厚みt(μm)との割合t/d50が、0.2以上4.0以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性粘着テープに関する。
金属粉等からなる導電性粒子が分散されている粘着剤層(感圧性接着剤層)を備えた導電性粘着テープが知られている。この種の導電性粘着テープは、例えば、特許文献1に示されるように、太陽電池セルの電極と配線部材との間の電気的な接続のように、離隔した2か所間を電気的に導通させる用途で利用されている。また、その他に、導電性粘着テープは、電気・電子機器やケーブルの電磁波シールド用途や、プリント配線基板、電子機器の外装シールドケース等の接地用途等にも利用されている。
特開2007−214533号公報
近年、電子機器の高機能化や使用態様の多様化に伴い、導電性粘着テープには、より長い期間、より過酷な環境条件下で使用された場合であっても、安定した導電性(電気伝導性)を発揮し続けることが求められている。
例えば、特許文献1に示されるように、太陽電池セルの電極に貼り付けられる導電性粘着テープの場合、その貼り付けられている部分の接触抵抗が時間の経過とともに、徐々に高くなってしまい、太陽電池セルの発電効率が低下することがあった。
また、他の用途においても、導電性粘着テープの抵抗値が経時的に上昇して、様々な不具合が発生する虞があった。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、長期間にわたる使用や過酷な環境条件下での使用においても、低抵抗値で安定した導電性(電気伝導性)を発揮できる導電性粘着テープを提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、導電性粒子を含む粘着剤層を有する導電性粘着テープであって、前記導電性粒子の粒径d50(μm)が、12.5μm以上100μm以下であり、前記導電性粒子の粒径d50(μm)と前記粘着剤層の厚みt(μm)との割合t/d50が、0.2以上4.0以下である導電性粘着テープが、長期間にわたる使用や過酷な環境条件下での使用においても、低抵抗値で安定した導電性(電気伝導性)を発揮できることを見出し、本発明の完成に至った。
前記導電性粘着テープにおいて、前記導電性粒子は、前記粘着剤層中に0.01体積%以上5体積%以下含まれるものであってもよい。
前記導電性粘着テープにおいて、片面又は両面に前記粘着剤層が形成される導電性基材を有するものであってもよい。
本発明によれば、長期間にわたる使用や過酷な環境条件下での使用においても、低抵抗値で安定した導電性(電気伝導性)を発揮できる導電性粘着テープを提供することができる。
粘着剤層のみからなる導電性粘着テープの模式図 導電性基材の両面にそれぞれ粘着剤層が形成された導電性粘着テープの模式図 導電性基材の片面に粘着剤層が形成された導電性粘着テープの模式図 導電性粘着テープのヒートサイクル試験において用いられる評価用基板の一例を示す模式図 導電性粘着テープのヒートサイクル試験において用いられる評価用基板における電気回路の等価回路を示す模式図 導電性粘着テープのヒートサイクル試験において用いられる抵抗評価用サンプルの一例を示す模式図(図4の貼付部分における断面図) 導電性粘着テープのヒートサイクル試験における設定温度(ヒートサイクル条件)の、2サイクル目までのプロファイルを示す図 実施例の恒温恒湿試験において用いた評価用基板を示す模式図(平面図)
(導電性粘着テープ)
本実施形態に係る導電性粘着テープは、導電性粒子が分散されている粘着剤層を有するものからなる。
なお、一般的に「導電性粘着テープ」は、「導電性粘着シート」、「導電性粘着フィルム」等と異なった名称で呼ばれることもあるが、本明細書では、表現を「導電性粘着テープ」に統一する。また、導電性粘着テープにおける粘着剤層の表面を、「粘着面」と称する場合がある。
本実施形態の導電性粘着テープは、テープの両面が粘着面となっている両面粘着型であってもよいし、テープの片面のみが粘着面となっている片面粘着型であってもよい。
両面粘着型の導電性粘着テープとしては、金属箔等の導電性基材を備えていない、いわゆる基材レス導電性両面粘着テープであってもよいし、前記導電性基材を備えている、いわゆる基材付き導電性両面粘着テープであってもよい。
前記基材レス導電性両面粘着テープとしては、例えば、図1に示されるように、粘着剤層2のみからなる導電性粘着テープ1が挙げられる。これに対し、前記基材付き導電性両面粘着テープとしては、例えば、図2に示されるように、導電性基材3の両面にそれぞれ粘着剤層2が形成された導電性粘着テープ1Aが挙げられる。
また、片面粘着型の導電性粘着テープとしては、例えば、図3に示されるように、金属箔等の導電性基材3の片面に、粘着剤層2が形成された導電性粘着テープ1Bが挙げられる。なお、図1〜3において、粘着剤層2中に含まれる導電性粒子4が模式的に示されている。
(導電性基材)
前記導電性基材は、金属箔等の導電性を有する薄手の基材からなる。導電性基材としては、自己支持性を有し、かつ導電性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜、選択される。導電性基材としては、金属箔が好ましい。導電性基材に利用される金属箔の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、鉄、鉛、及びこれらの合金等が挙げられる。それらの中でも、導電性、加工性、コスト等の観点より、アルミニウム箔、銅箔が好ましく、より好ましくは銅箔である。なお、前記金属箔には、錫メッキ、銀メッキ、金メッキ等の各種表面処理が施されていてもよい。前記金属箔としては、腐食による導電性の低下や外観不良等を抑制する等の理由により、錫メッキによるコーティングが施された銅箔(錫コート銅箔)が特に好ましい。
導電性基材の厚みは、特に制限されないが、例えば、前記導電性基材の厚み(下限値)は、好ましくは5μm以上であり、更に好ましくは8μm以上であり、特に好ましくは10μm以上である。また、前記導電性基材の厚み(上限値)は、好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、特に好ましくは150μm以下である。前記導電性基材の厚みが、このような範囲であると、導電性粘着テープの強度が十分確保され、加工や貼付等の作業性が向上する。
(粘着剤層)
前記粘着剤層は、導電性粘着テープの粘着面を提供しつつ、導電性(電気伝導性)を備える層となっている。粘着剤層の粘着面が、導体等の被着体に貼り付けられると、被着体と粘着剤層との間の電気的導通が確保される。
前記粘着剤層は、導電性を確保するために導電性粒子を含有している。粘着剤層としては、特に限定されないが、例えば、導電性粒子及びベースポリマーを含有し、更に必要に応じて、その他の成分(添加剤)を本発明の目的を損なわない範囲で含有する粘着剤組成物から形成された粘着剤層が挙げられる。
前記ベースポリマーは、粘着剤層を構成する粘着剤の主成分である。ベースポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、天然ゴムや各種の合成ゴム[例えば、ポリイソプレンゴム、スチレン・ブタジエン(SB)ゴム、スチレン・イソプレン(SI)ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)ゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)ゴム、再生ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンや、これらの変性体等]等のゴム系ポリマー;アクリル系ポリマー;シリコーン系ポリマー;ビニルエステル系ポリマー等の公知の粘着剤に用いられるベースポリマー等が挙げられる。前記ベースポリマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
前記ベースポリマーの中でも、耐久性、耐候性、耐熱性、ポリマーの設計の容易さ、粘着剤層における粘着力の調整のし易さ等の観点から、アクリル系ポリマーが好ましい。即ち、本実施形態の粘着剤層は、アクリル系ポリマーを、ベースポリマーとして含有するアクリル系粘着剤層であることが好ましく、特に、アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含有する粘着剤組成物から形成された粘着剤層(アクリル系粘着剤層)であることが好ましい。前記アクリル系粘着剤層(100質量%)中のアクリル系ポリマーの含有量は、特に限定されないが、例えば、前記アクリル系ポリマーの含有量(下限値)は、好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは35質量%以上であり、特に好ましくは40質量%以上である。また、前記アクリル系ポリマーの含有量(上限値)は、99質量%以下である。
前記アクリル系ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを必須のモノマー成分(単量体成分)として構成されるアクリル系ポリマーであることが好ましい。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」(「アクリル」及び「メタクリル」のうち、何れか一方又は両方)を表すものとする。
上述した直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、単に「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」と称する場合がある)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)、アクリル酸n−ブチル(BA)がより好ましい。
前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル[アルコキシアルキル(メタ)アクリレート]としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−エトキシブチル等が挙げられる。前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、アクリル酸2−メトキシエチル(2MEA)、アクリル酸エトキシエチル等が好ましい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの含有量(下限値)は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100質量%)に対して、好ましくは50質量%以上であり、更に好ましくは55質量%以上であり、特に好ましくは60質量%である。また、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの含有量(上限値)は、好ましくは100質量%以下であり、更に好ましくは99質量%以下であり、特に好ましくは98質量%以下である。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの両方が用いられている場合には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量と(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの含有量の合計量(合計含有量)が上記の範囲を満たしていればよい。
前記アクリル系ポリマーは、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル、前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル以外にも、極性基含有モノマー(特に、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー)を共重合モノマー成分として構成されることが好ましい。更に、必要に応じて、多官能性モノマー等のその他の共重合モノマー成分を構成成分として含んでいてもよい。
前記極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー(無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマーも含む);(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコール等のヒドロキシル基(水酸基)含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート等のリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー等が挙げられる。前記極性基含有モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。前記極性基含有モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基(水酸基)含有モノマーが好ましい。
前記極性基含有モノマーの含有量(下限値)は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100質量%)に対して、好ましくは0.1質量%以上である。また、前記極性基含有モノマーの含有量(上限値)は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100質量%)に対して、好ましくは30質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下である。
前記カルボキシル基含有モノマーの含有量(下限値)は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100質量%)に対して、好ましくは1質量%以上である。また、前記カルボキシル基含有モノマーの含有量(上限値)は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100質量%)に対して、好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下である。
前記ヒドロキシル基含有モノマーの含有量(下限値)は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100質量%)に対して、好ましくは0.01質量%以上である。また、前記ヒドロキシル基含有モノマーの含有量(上限値)は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100質量%)に対して、好ましくは2質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.08質量%以下である。
前記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
粘着剤組成物に、架橋剤が用いられる場合には、多官能性モノマーを積極的に用いなくてもよいが、架橋剤が用いられない場合、多官能性モノマーの含有量(下限値)は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100質量%)に対して、好ましくは0.001質量%以上であり、更に好ましくは0.002質量%以上である。また、多官能性モノマーの含有量(上限値)は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100質量%)に対して、好ましくは0.5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下である。多官能性モノマーの含有量が、このような範囲であると、粘着剤層の凝集力が高くなり過ぎず、粘着性が向上する。
また、その他の共重合性モノマーとしては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;フェニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等のオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテル等のビニルエーテル類;塩化ビニル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
前記アクリル系ポリマーは、前記モノマー成分を公知乃至慣用の重合方法により重合して調製することができる。アクリル系ポリマーの重合方法としては、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合法や活性エネルギー線照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)等が挙げられる。これらの中でも、導電性粒子の分散性、コスト等の観点より、溶液重合方法、活性エネルギー線重合方法が好ましく、溶液重合方法がより好ましい。
前記アクリル系ポリマーの重合に利用される重合開始剤、連鎖移動剤等は、特に制限されるものではなく、公知のものの中から適宜選択される。
前記重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン等の過酸化物系重合開始剤等の油溶性重合開始剤が挙げられる。前記重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用されてもよい。前記重合開始剤の使用量は、従来、重合開始剤として利用可能な範囲であればよく、例えば、全モノマー成分100質量部に対して、0.01〜1質量部程度の範囲から適宜、選択されてもよい。
前記連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール等が挙げられる。前記連鎖移動剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用されてもよい。
前記アクリル系ポリマーの重合に利用される溶剤(溶媒)としては、各種の一般的な溶剤を用いることができる。前記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等の有機溶剤が挙げられる。前記溶剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用されてもよい。
前記アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、前記アクリル系ポリマーを含む溶液の塗工性等の観点より、例えば、前記重量平均分子量(Mw)の下限値は、好ましくは30万以上であり、更に好ましくは35万以上であり、特に好ましくは40万以上である。また、前記重量平均分子量(Mw)の上限値は、好ましくは120万以下であり、更に好ましくは100万以下であり、特に好ましくは90万以下である。アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、重合開始剤等の各成分の種類、使用量や、重合時間、重合温度等の重合条件等を適宜、調節することにより、制御できる。なお、前記アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定できる。
(導電性粒子)
導電性粒子(導電性フィラー)としては、金属粉等の導電性を有する粒子が利用される。導電性粒子に利用される材質としては、例えば、ニッケル、鉄、クロム、コバルト、アルミニウム、アンチモン、モリブデン、銅、銀、白金、金等の金属、半田、ステンレス等の合金、金属酸化物、カーボンブラック等のカーボン等の導電性材料が挙げられる。導電性粒子としては、前記導電性材料からなる粒子(粉末)であってもよいし、ポリマービーズ、ガラスビーズ等の粒子の表面を、金属被覆した金属被覆粒子であってもよい。導電性粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
導電性粒子としては、良導電性(低電気抵抗値)等の観点より、ニッケル、銀、ステンレス等の金属系粒子、及び金属被覆粒子が好ましく、銀粒子(銀粉)が特に好ましい。
導電性粒子の形状は、球状等からなり、公知のものから適宜、選択される。
導電性粒子の粒径d50(μm)は、12.5μm以上100μm以下に設定される。なお、導電性粒子の粒径d50(μm)の上限値は、好ましくは45μm以下であり、更に好ましくは41μm以下である。導電性粒子の粒径d50(μm)がこのような範囲であると、粘着剤層の粘着力を低下させることなく、粘着剤層の導電性を確保することができる。
なお、導電性粒子の粒径d50とは、粒径(粒度)分布における50%累積値(メディアン径)である。粒径d50は、例えば、後述のレーザー回折・散乱法により測定される。なお、粘着剤層中に2種以上の導電性粒子が含まれている場合には、全ての導電性粒子を混合した分布から上記粒径が算出される。
導電性粒子としては、例えば、商品名「Ag−HWQ−400」、福田金属箔粉工業株式会社製を用いることができる。
導電性粒子の配合量(下限値)は、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物中における粘着剤ベースポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)の固形分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上であり、更に好ましくは0.5質量部以上であり、特に好ましくは1質量部以上である。また、導電性粒子の配合量(上限値)は、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物中における粘着剤ベースポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)の固形分100質量部に対して、好ましくは30質量部以下であり、更に好ましくは20質量部以下であり、特に好ましくは10質量部以下である。導電性粒子の配合量が、このような範囲であると、粘着剤層の粘着力を低下させることなく、粘着剤層の導電性を確保することができる。
前記粘着剤層を形成するための粘着剤組成物(特にアクリル系粘着剤組成物)は、架橋剤が含有されてもよい。架橋剤を用いることにより、粘着剤層を構成するベースポリマー(特に、アクリル系ポリマー)を架橋させ、粘着剤層の凝集力を一層大きくすることができる。架橋剤としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択される。具体的な架橋剤としては、例えば、多官能性メラミン化合物(メラミン系架橋剤)、多官能性エポキシ化合物(エポキシ系架橋剤)、多官能性イソシアネート化合物(イソシアネート系架橋剤)等が挙げられる。前記架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましく、イソシアネート系架橋剤がより好ましい。前記架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]等が挙げられる。
前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂等が挙げられる。市販品としては、例えば、三菱ガス化学(株)製、商品名「テトラッドC」を用いることができる。
粘着剤組成物中の架橋剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤層の場合、架橋剤の含有量の下限値は、前記アクリル系ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.001質量部以上である。また、架橋剤の含有量の下限値は、前記アクリル系ポリマー100重量部に対して、好ましくは10質量部以下であり、更に好ましくは5質量部以下である。
前記粘着剤層は、粘着性向上等の観点より、粘着付与樹脂が含有されてもよい。前記粘着付与樹脂としては、例えば、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂、石油系粘着付与樹脂等が挙げられる。前記粘着付与樹脂としては、ロジン系粘着付与樹脂が好ましい。前記粘着付与樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
前記テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体等のテルペン系樹脂、これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性等)した変性テルペン系樹脂(例えば、テルペンフェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂等)等が挙げられる。
前記フェノール系粘着付与樹脂としては、例えば、各種フェノール類(例えば、フェノール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、p−アルキルフェノール、レゾルシン等)とホルムアルデヒドとの縮合物(例えば、アルキルフェノール系樹脂、キシレンホルムアルデヒド系樹脂等)、前記フェノール類とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒で付加反応させて得られるレゾール、前記フェノール類とホルムアルデヒドとを酸触媒で縮合反応させて得られるノボラック、ロジン類(未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体等)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
前記ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の未変性ロジン(生ロジン)、これらの未変性ロジンを水添化、不均化、重合等により変性した変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、その他の化学的に修飾されたロジン等)、各種のロジン誘導体等が挙げられる。なお、前記ロジン誘導体としては、例えば、未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したロジンのエステル化合物、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等の変性ロジンをアルコール類によりエステル化した変性ロジンのエステル化合物等のロジンエステル類;未変性ロジン、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン類;ロジンエステル類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類;未変性ロジン、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)、不飽和脂肪酸変性ロジン類や不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類におけるカルボキシル基を還元処理したロジンアルコール類;未変性ロジン、変性ロジン、各種ロジン誘導体等のロジン類(特に、ロジンエステル類)の金属塩等が挙げられる。
前記石油系粘着付与樹脂としては、例えば、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂(脂肪族環状石油樹脂)、脂肪族・芳香族系石油樹脂、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加石油樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂等の公知の石油樹脂が挙げられる。具体的には、芳香族系石油樹脂としては、例えば、炭素数が8〜10であるビニル基含有芳香族系炭化水素(スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、インデン、メチルインデンなど)が1種のみ又は2種以上用いられた重合体等が挙げられる。芳香族系石油樹脂としては、ビニルトルエンやインデン等の留分(いわゆる「C9石油留分」)から得られる芳香族系石油樹脂(いわゆる「C9系石油樹脂」)を好適に用いることができる。また、脂肪族系石油樹脂としては、例えば、炭素数4〜5のオレフィンやジエン[ブテン−1、イソブチレン、ペンテン−1等のオレフィン;ブタジエン、ピペリレン(1,3−ペンタジエン)、イソプレン等のジエン等]が1種のみ又は2種以上用いられた重合体等が挙げられる。脂肪族系石油樹脂としては、ブタジエン、ピペリレンやイソプレン等の留分(いわゆる「C4石油留分」や「C5石油留分」等)から得られる脂肪族系石油樹脂(いわゆる「C4系石油樹脂」や「C5系石油樹脂」等)を好適に用いることができる。脂環族系石油樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂(いわゆる「C4系石油樹脂」や「C5系石油樹脂」等)を環化二量体化した後重合させた脂環式炭化水素系樹脂、環状ジエン化合物(シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ジペンテン、エチリデンビシクロヘプテン、ビニルシクロヘプテン、テトラヒドロインデン、ビニルシクロヘキセン、リモネン等)の重合体又はその水素添加物、前記の芳香族系炭化水素樹脂や、下記の脂肪族・芳香族系石油樹脂の芳香環を水素添加した脂環式炭化水素系樹脂等が挙げられる。脂肪族・芳香族系石油樹脂としては、スチレン−オレフィン系共重合体等が挙げられる。脂肪族・芳香族系石油樹脂としては、いわゆる「C5/C9共重合系石油樹脂」等を用いることができる。
前記粘着付与樹脂としては、市販品を用いることが可能であり、例えば、商品名「ハリエスター」(ハリマ化成(株)製)、商品名「エステルガム」、「ペンセル」(荒川化学工業(株)製)、製品名「リカタック」((株)理化ファインテク製)などを使用することができる。
前記粘着剤組成物中の粘着付与樹脂の含有量は、特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤層の場合、アクリル系ポリマー(100質量部)に対して、下限値は、好ましくは0質量部を超え、更に好ましくは10質量部以上であり、特に好ましくは15質量部以上である。また、上限値は、好ましくは50質量部以下であり、更に好ましくは40質量部以下である。粘着付与樹脂の含有量が、このような範囲であると、粘着剤層における粘着力を十分発現させることができる。
前記粘着剤組成物は、本発明の目的を損なわない範囲において、老化防止剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤等の公知の添加剤や溶剤(前述のアクリル系ポリマーの重合に利用される溶剤等)を含有してもよい。
粘着剤層を形成するための前記粘着剤組成物は、例えば、導電性粒子、アクリル系ポリマー(又はアクリル系ポリマー溶液)、架橋剤、溶剤やその他の添加剤を混合することにより、調製できる。
本実施形態の導電性粘着テープにおける粘着剤層の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を、導電性基材又は剥離ライナーに塗布(塗工)し、必要に応じて、乾燥及び/又は硬化する方法が挙げられる。
なお、粘着剤層の形成方法における塗布(塗工)には、公知のコーティング法を用いることができる。コーティング法としては、例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ダイレクトコーター等のコーターを用いる方法が挙げられる。
(粘着剤層の厚みt)
本実施形態の導電性粘着テープにおける粘着剤層の厚みt(μm)は、後述するように、導電性粒子の粒径d50(μm)と粘着剤層の厚みt(μm)との割合t/d50が所定の範囲に設定されれば、特に制限はない。例えば、粘着剤層の厚みt(μm)の下限値は、10μm以上が好ましい。また、粘着剤層の厚みt(μm)の上限値は、100μm以下が好ましく、50μm以下が更に好ましく、40μm以下が特に好ましい。
(t/d50
本実施形態の導電性粘着テープにおいて、導電性粒子の粒径d50(μm)と粘着剤層の厚みt(μm)との割合t/d50は、0.2以上4.0以下に設定される。なお、前記割合t/d50の下限値は、好ましくは0.25以上に設定される。また、前記割合t/d50のt/d50の上限値は、好ましくは4.0未満であり、更に好ましくは3.5以下である。前記割合t/d50が、このような範囲であると、導電性粘着テープは、長期間にわたる使用や過酷な環境条件下での使用においても、低抵抗値で安定した導電性(電気伝導性)を発揮することができる。
本実施形態の導電性粘着テープは、導電性基材、粘着剤層以外にも、本発明の目的を損なわない範囲において、他の層(例えば、中間層、下塗り層等)を備えていてもよい。
本実施形態の導電性粘着テープは、使用時までは、各粘着剤層の粘着面を保護するための剥離ライナーを備えていてもよい。このような剥離ライナーとしては、特に限定されるものではなく、公知の剥離ライナーから適宜選択して用いることができる。
剥離ライナーとしては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤により表面処理されたプラスチックフィルム、紙等の剥離層を有する基材;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系ポリマーからなる低接着性基材;オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)等の無極性ポリマーからなる低接着性基材等が挙げられる。
(粘着剤層中における導電性粒子の含有量)
粘着剤層中における導電性粒子の含有量(体積%)は、特に制限されないが、例えば、下限値は、好ましくは0.01体積%以上であり、更に好ましくは0.1体積%である。また、導電性粒子の含有量(体積%)の上限値は、好ましくは5体積%以下であり、更に好ましくは1.5体積%であり、特に好ましくは1.0体積%である。導電性粒子の含有量(体積%)が、このような範囲であると、粘着剤層の粘着力を低下させることなく、粘着剤層の導電性を確保することができる。
例えば、粘着剤層が導電性粒子と共に、アクリル系ポリマー、粘着付樹脂、及び架橋剤を含む場合において、導電性粒子の含有量(体積%)は、以下の計算式により求められる。
含有量(体積%)={(導電性粒子の配合量(g))/(導電性粒子の比重(g/cm)}/{(アクリル系ポリマーの配合量(g))/(アクリル系ポリマーの比重(g/cm))+(粘着付与樹脂の配合量(g))/(粘着付与樹脂の比重(g/cm))+(架橋剤の配合量(g))/(架橋剤の比重(g/cm))}×100
なお、アクリル系ポリマー、粘着付与樹脂、及び架橋剤等の比重は、一般的に1g/cmとなるため、この値で計算されてもよい。
(粘着力)
本実施形態の導電性粘着テープにおいて、粘着剤層の粘着力(N/20mm)は、4N/20mm以上であり、好ましくは8N/20mm以上であり、更に好ましくは10N/20mm以上である。粘着剤層の粘着力(N/20mm)がこのような範囲であると、導電性粘着テープの被着体に対する接着力(粘着力)が十分であり、作業性にも優れる。なお、粘着剤層の粘着力は、粘着剤層を構成するベースポリマー、粘着付与樹脂、架橋剤等の各種成分の構造、添加量等の諸条件を適宜、選択することにより調整することが可能である。
粘着剤層の粘着力の上限は、特に制限されないが、例えば、20(N/20mm)以下に設定される。
前記粘着剤層の粘着力は、後述するJIS Z 0237に準拠した180°剥離試験により測定される。
(導電性)
本実施形態の導電性両面テープにおいて、導電性粒子の粒径d50(μm)が、12.5μm以上100μm以下であり、導電性粒子の粒径d50(μm)と粘着剤層の厚みt(μm)との割合t/d50が、0.2以上4.0以下であると、後述するヒートサイクル試験の結果から明らかなように、長期間にわたる使用や過酷な環境条件下での使用においても、低抵抗値で安定した導電性(電気伝導性)を発揮することができる。
本実施形態の導電性粘着テープは、後述のヒートサイクル試験により測定される、1サイクル目の抵抗値の最大値が、好ましくは0.1Ω以下であり、更に好ましくは0.0001Ω以上0.01Ω以下であり、特に好ましくは0.003Ω以上0.01Ω以下である。1サイクル目の抵抗値の最大値が、このような範囲であると、十分な導電性(電気伝導性)を発揮することができる。なお、本明細書において、上記の1サイクル目の抵抗値の最大値を、「初期抵抗値」と称する場合がある。
導電性粘着テープは、後述のヒートサイクル試験において測定される、100サイクル目の抵抗値の最大値が0.01Ω以下である。
前記抵抗値(100サイクル目の抵抗値)は、導電性粘着テープを長期間使用した場合や過酷な環境条件下で使用した場合に、どれだけ安定した電気伝導性を発揮できるのかの指標となる。前記抵抗値が0.01Ω以下であると、安定的に通電させ続けることが可能であり、前記導電性粘着テープを用いた製品は高い信頼性を発揮すると考えられる。一方、前記抵抗値が0.01Ωを超えると、長期間の使用や過酷な環境条件下での使用においては、急激に抵抗値が上昇して導通不良を起こす危険性があり、製品の信頼性が低下すると考えられる。
ヒートサイクル試験は、銀メッキが施された導体パターンに導電性粘着テープを貼付して形成された電気回路を有する評価用基板において、前記電気回路に定電流を流しながら、前記評価用基板を低温と高温とを周期的に変化させる温度雰囲気条件下に暴露し、導電性粘着テープの金属箔と銀メッキが施された導体パターンの間の抵抗(即ち、導電性粘着テープと銀メッキが施された導体パターンとの貼り合わせ部分(貼付部分)の接触抵抗)を連続的に測定する試験である。
上述した1サイクル目の抵抗値の最大値(初期抵抗値)及び100サイクル目の抵抗値の最大値は、次のようにして測定することができる。導電性粘着テープの粘着剤層側を、貼付部分のサイズが5mm×6mm(面積:30mm)となるように銀メッキ(銀メッキが施された導体パターン)に貼付し、貼付部分を含む導電性粘着テープと銀メッキ(銀メッキが施された導体パターン)に2Aの定電流を流す。これを、槽内の設定温度(ヒートサイクル条件)を25℃から−40℃まで降温した後−40℃で10分間保持し、次いで、85℃まで昇温した後85℃で10分間保持し、再び降温して25℃に達するまでを1サイクルとしてこれを繰り返す設定とした恒温槽内に入れて冷却および加熱し、この間、前記貼付部分の抵抗値(接触抵抗値)を連続的に測定する。より具体的には、後述の項目[ヒートサイクル試験]に記載されている内容に従って測定することができる。
[ヒートサイクル試験]
<評価用基板の作製>
銀メッキが施された導体パターンが形成されたガラスエポキシ基板を用い、前記銀メッキが施された導体パターンに導電性粘着テープを貼り合わせ、更に、前記銀メッキが施された導体パターンに定電流電源および電位計を接続することによって電気回路を形成して、評価用基板を作製する。図4には、具体的な評価用基板の構成の一例を示す。ガラスエポキシ基板18a上に、銀メッキが施された導体パターン(以下、単に「導体パターン」と称する場合がある)11a〜11dが形成されており、導体パターン11a〜11dに対して、導電性粘着テープ12(幅:6mm)を、5kgのローラーを1往復させることによって貼付(圧着)する。この際、導体パターン11bと導電性粘着テープとの貼付部分13のサイズが5mm×6mm(面積:30mm)となるように貼付する。この貼付部分13により、導体パターン11bと導電性粘着テープ12の金属箔との間の電気的導通(厚み方向の電気的導通)が確保される。
次いで、導体パターン11bと11dを定電流電源14に接続し、導体パターン11aと11bを電位計15に接続して電気回路を形成し、評価用基板を作製する。なお、特に限定されないが、例えば、前記導体パターンと定電流電源、電位計の接続は、リード線の使用やはんだ付け等の通常の接続手段を利用することによって実施することができる。図5には、図4に示す評価用基板における電気回路の等価回路を示す。図5における17は、図4における貼付部分13の抵抗(接触抵抗)を表す。
<抵抗評価用サンプルの作製>
前記評価用基板における電気回路のうち、少なくとも導体パターンと導電性粘着テープとの貼り合わせ部分(貼付部分)を、ガラスエポキシ基板とガラス板の間でエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)により封止し、抵抗評価用サンプルを作製する。図6には、抵抗評価用サンプルの模式図(図4の貼付部分13における断面図)を示す。抵抗評価用サンプルは、少なくとも導体パターン11bと導電性粘着テープ12による貼り合わせ部分(貼付部分)13が、ガラスエポキシ基板18aおよびガラス板18bの間で、EVA(EVAの硬化物)19によって封止された構成を有する。なお、図4には、EVA(EVAの硬化物)によって封止される領域(封止領域)16の一例を示す。上述のEVAによる封止は、特に限定されないが、例えば、以下のようにして実施することができる。図4に示す評価用基板における封止領域16上に、熱硬化性エチレン−酢酸ビニル共重合体のフィルム(EVAフィルム)(例えば、酢酸ビニル含有量28%の熱硬化性EVAフィルム)を載せ、さらにその上からガラス板を重ねて、「評価用基板/EVAフィルム/ガラス板」の構成を有する積層体とする。前記積層体を、真空プレス機を使用して、まず150℃の状態でプレスを行わず40秒間真空引きを行い、次いで、真空引きをしたままの状態で150℃にて0.1MPaの圧力で400秒間プレスし(真空引きは引き始めてから400秒間で終了させる)、その後真空プレス機から前記積層体を取り出して、150℃オーブンで40分間加熱し、EVAを熱硬化させる。
このように、少なくとも導体パターンと導電性粘着テープとの貼り合わせ部分(貼付部分)をEVAによって封止することによって、貼付部分が固定されるため、誤差が小さく安定した測定結果を得ることができる。
<チャンバー(恒温槽)内の雰囲気温度設定>
チャンバー内の設定温度(ヒートサイクル条件)を下記のようにする。なお、特に限定されないが、下記設定にてチャンバー内の雰囲気温度を変化させる間には、チャンバー内の湿度(相対湿度)の制御は行わなくてもよい。
開始温度を25℃とし、25℃から100℃/時間の速度で−40℃まで降温し、−40℃で10分間保持する。次に、−40℃から100℃/時間の速度で85℃まで昇温し、85℃で10分間保持する。その後再び100℃/時間の速度で降温し、25℃に達するまでを1サイクルとし、これを少なくとも200回繰り返す設定とする。なお、1サイクルに要する時間は170分である。図7には、上記のチャンバー内の設定温度(ヒートサイクル条件)の、2サイクル目までのプロファイルを示す。なお、この設定温度(ヒートサイクル条件)は、IEC規格のIEC61215(第2版)、IEC61646(第2版)に準じたものである。
前記チャンバー(恒温槽)としては、公知慣用のチャンバーを用いることができ、特に限定されないが、例えば、商品名「PL−3KP」(エスペック(株)製)、商品名「PWL−3KP」(エスペック(株)製)などの市販品を用いることができる。
<抵抗値の測定>
前記抵抗評価用サンプルにおける電気回路に対し、定電流電源(図4における定電流電源14)により2Aの定電流を流し(即ち、図4における貼付部分13に2Aの定電流を流し)、抵抗評価用サンプルを槽内の雰囲気温度を25℃としたチャンバー内に入れる。次に、上記の設定温度(ヒートサイクル条件)により、抵抗評価用サンプルの冷却および加熱を繰り返し、この間、電位計15によって電圧を連続的に測定(例えば、サンプリング周期:5〜10回/10分)することにより、貼付部分13の抵抗値を連続的に取得する。これにより、1サイクル目の抵抗値の最大値(初期抵抗値)、100サイクル目の抵抗値の最大値を測定する。
(導電性粘着テープの用途)
本実施形態の導電性粘着テープは、離隔した2か所間を電気的に導通させる用途や、電気・電子機器やケーブルの電磁波シールド用途等に好適に使用される。得意、様々な環境下での使用や長期間の使用において、抵抗値が上昇することなく、安定な電気伝導性を発揮することが要求される用途、具体的には、例えば、プリント配線基板の接地、電子機器の外装シールドケースの接地、静電気防止用のアース取り、電源装置や電子機器等(例えば、携帯型情報端末、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパー等の表示装置、太陽電池等)の内部配線等に使用される。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例に用いた導電性粉末の詳細、導電性粘着テープの構成、及び評価結果は、表1に示される。
〔実施例1〕
モノマー成分としてn−ブチルアクリレート(BA)70質量部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)30質量部、アクリル酸(AA)3質量部、及び4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)0.05質量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2質量部、及び重合溶媒としてトルエン27質量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温して10時間反応させ、更にトルエンを加えて濃度を調整し、固形分濃度30質量%のアクリル系ポリマー溶液Aを得た。なお、アクリル系ポリマー溶液A中のアクリル系ポリマーの重量平均分子量は44万であった。
前記アクリル系ポリマー溶液Aに、前記アクリル系ポリマー(固形分)100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)2質量部、粘着付与樹脂(商品名「ペンセル D−125」(重合ロジンペンタエリスリトールエステル)、荒川化学工業株式会社製)30質量部、導電性粒子(商品名「TP35S12」、ポッターズバロティーニ社製、銀コートガラス粉末、d50=35μm、比重:2.7g/cm)2.7質量部、及びトルエン40質量部を添加し、これを攪拌機で混合することによって粘着剤組成物溶液Aを得た。
なお、導電性粒子の粒径d50は、レーザー回折・散乱式マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300(日機装株式会社製)を用いて測定した。
溶媒は、水(屈折率1.33)を使用して、試料濃度がdv値(測定粒子から得られる散乱光量から得られる無次元量の値。測定部の粒子の体積に比例する数値で測定濃度を決定するマイクロトラックでの目安。)が0.02〜0.5の範囲となるように試料(導電性粒子)を添加し、超音波装置(出力40W)を用いて超音波を3分間照射し、流速70%(35cc/分)で循環させながら測定(測定条件:粒子透過性・・・反射)を行った。なお、以降の実施例、比較例についても同様にして、導電性粒子の粒径d50を求めた。
(導電性粘着テープの作製)
剥離ライナーとして、片面がシリコーンで剥離処理されているPET製のフィルム(厚み:50μm)を用意した。また、導電性基材として、錫コート銅箔(錫メッキが施されている銅箔、厚み:35μm)を用意した。
前記粘着剤組成物溶液Aを、剥離処理されている剥離ライナーの片面上に、乾燥後の厚みが28μmとなるように塗布した。次いで、剥離ライナー上の塗布物を、130℃で3分間加熱乾燥させて、厚みが28μmである粘着剤層を形成した。続いて、得られた粘着剤層の表面に錫コート銅箔を貼り合わせ、その後、40℃で2日間エージングして、導電性粘着テープを得た。
なお、粘着剤層の厚みは、JIS B 7503に規定されたダイヤルゲージを用いて測定した。ダイヤルゲージの接触面は平面とし、径は5mmとした。幅150mmの試験片を用いて、1/1000mm目盛りのダイヤルゲージで幅方向に等間隔で5点の厚みを測定し、その測定結果の平均値を粘着剤層の厚みとした。以降の実施例、比較例についても同様にして、粘着剤層の厚みを求めた。
〔実施例2〕
表1に示されるように、使用する導電性粒子を、銀粉末(福田金属箔粉工業株式会社製、粒径d50=40、比重:10.5g/cm)4.8質量部に変更し、導電性基材上に形成される粘着剤層の厚みを、26μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粘着テープを作製した。
〔実施例3〕
表1に示されるように、使用する導電性粒子を、銀粉末(福田金属箔粉工業株式会社製、粒径d50=40、比重:10.5g/cm)2.4質量部に変更し、導電性基材上に形成される粘着剤層の厚みを、11μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粘着テープを作製した。
〔実施例4〕
表1に示されるように、使用する導電性粒子を、銀粉末(商品名「Ag−HWQ−400」、福田金属箔粉工業株式会社製、粒径d50=10、比重:10.5g/cm)70質量部に変更し、導電性基材上に形成される粘着剤層の厚みを、30μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粘着テープを作製した。
〔比較例1〕
表1に示されるように、使用する導電性粒子を、銀粉末(商品名「Ag−HWQ−5μm」、福田金属箔粉工業株式会社製、粒径d50=5、比重:10.5g/cm)35質量部に変更し、導電性基材上に形成される粘着剤層の厚みを、20μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粘着テープを作製した。
〔比較例2〕
表1に示されるように、使用する導電性粒子を、銀粉末(商品名「Ag−HWQ−1.5μm」、福田金属箔粉工業株式会社製、粒径d50=1.5、比重:10.5g/cm)35質量部に変更し、導電性基材上に形成される粘着剤層の厚みを、20μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粘着テープを作製した。
(180°引き剥がし粘着力)
実施例、比較例で得られた導電性粘着テープから、幅20mm×長さ100mmの測定サンプルを切り出した。サンプルにおける粘着剤層の粘着面を、SUS板(SUS304板)に対して、23℃、60%RHの雰囲気下、重さ2.0kg、幅30mmのローラーを1往復させて貼り合わせた。常温(23℃、60%RH)で30分間放置した後、引張試験機を用いて、JIS Z 0237に準拠して、引張速度300mm/分で、180°剥離試験を行い、引き剥がし粘着力(N/20mm)を測定した。結果は表1に示した。
(ヒートサイクル試験)
実施例、及び比較例で得られた導電性粘着テープに対し、ヒートサイクル試験を行った。試験内容は、以下の通りである。試験結果は、表1に示した。
<評価用基板の作製(図8参照)>
実施例、及び比較例で得られた導電性粘着テープを、幅6mm×長さ60mmのサイズに切り出し、セパレータを剥離して導電性粘着テープ片を得た。
銀メッキが施された導体パターン(Cu18μm/Ni3〜7μm/Au0.03μm/Ag5μm)21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21hが、図8に示す配置で形成されたガラスエポキシ基板(厚さ:1.6mm)を用い、前記導体パターンへの導電性粘着テープの貼付部分23a〜23dのサイズがそれぞれ5mm×6mm(面積:30mm)となるように、5kgのローラーを1往復させて、導電性粘着テープ片(22a,22b)を貼付(圧着)した。次いで、前記導体パターン21a〜21hに定電流電源(24a,24b)および電位計(25a〜25d)を、リード線を用いてはんだ付けによって接続した。
なお、図8に示す評価用基板における電気回路は、図4の評価用基板における電気回路を2個配列したものに相当する。
<抵抗評価用サンプルの作製>
図8に示す評価用基板における領域26に、酢酸ビニル含有量28%の熱硬化型EVAフィルム(厚さ:0.6mm)を重ね、さらに上からガラス板(厚さ:3.2mm)を重ねて、「評価用基板/EVAフィルム/ガラス板」の構成を有する積層体を得た。当該積層体を、真空プレス機を使用して、まず150℃の状態でプレスを行わず40秒間真空引き行い、その後真空引きしたままの状態で150℃にて0.1MPaの圧力で400秒間プレスし(真空引きは引き始めてから400秒間で終了させる)、その後プレス機から前記積層体を取り出して、150℃オーブンで40分間加熱して、EVAを熱硬化させることにより、抵抗評価用サンプルを得た。
<チャンバー内の雰囲気温度設定>
チャンバーとして、商品名「PL−3K」(エスペック(株)製)を用い、チャンバー内の設定温度(ヒートサイクル条件)を下記のように設定した。なお、下記条件にて冷却および加熱を繰り返す間、チャンバー内の湿度(相対湿度)については特に制御を行わず、開始時点におけるチャンバー内の相対湿度は50%RHであった。
開始温度を25℃とし、25℃から100℃/時間の速度で−40℃まで降温し、−40℃で10分間保持する。次に、−40℃から100℃/時間の速度で85℃まで昇温し、85℃で10分間保持する。その後再び100℃/時間の速度で降温し、25℃に達するまでを1サイクルとし、これを100回繰り返す設定とした。
<抵抗値の測定>
上記抵抗評価用サンプルを、定電流電源(24a,24b)によって2Aの定電流を流した状態(即ち、図8における貼付部分23a〜23dに2Aの定電流を流した状態)で、槽内の雰囲気温度を25℃に調整した上記チャンバー内に入れ、上記ヒートサイクル条件にて冷却および加熱を繰り返した。この間、電位計(25a〜25d)によって電圧を連続的に測定し(サンプリング周期:1回/1分)、貼付部分23a〜23dの抵抗値(接触抵抗値)を連続的に取得した。これにより、1サイクル目の抵抗値の最大値(初期抵抗値)および200サイクル目の抵抗値の最大値を測定した。表1には、貼付部分23a〜23dのそれぞれにおいて測定された、初期抵抗値、及び100サイクル目の抵抗値の平均値(N=4)を示した。
Figure 2015010110
なお、表1のヒートサイクル試験の合否判定において示される記号「○」とは、100サイクル目の抵抗値が、0.01Ω以下の場合である。この場合を、長期間にわたる過酷な環境条件下での使用においても、低抵抗値で安定した電気伝導性を発揮できる「合格」と判定した。また、表1のヒートサイクル試験の合否判定において示される記号「×」とは、100サイクル目の抵抗値が、0.01Ωを超える場合である。この場合を、長期間にわたる過酷な環境条件下での使用では、急激に抵抗値が上昇する虞があり、安定した電気伝導性を発揮できない「不合格」と判定した。
表1に示されるように、実施例1〜4の導電性粘着テープは、何れもヒートサイクル試験における100サイクル目の抵抗値(最大値)が、0.01Ω以下であり、長期間にわたる過酷な環境条件下での使用においても、低抵抗値で安定した導電性(電気伝導性)を発揮できることが確かめられた。
なお、表1に示されるように、比較例2のヒートサイクル試験では、100サイクル目の抵抗値の結果が、「測定不可」となっている。これは、サンプルの断線によるものである。
1…導電性粘着テープ、2…導電性基材、3…粘着剤層、4…導電性粒子、11a〜d…銀メッキが施された導体パターン(導体パターン)、12…導電性粘着テープ、13…貼付部分、14…定電流電源、15…電位計、16…エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)によって封止される領域(封止領域)、17…貼付部分の抵抗(接触抵抗)、18a…ガラスエポキシ基板、18b…ガラス板、19…エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の硬化物、21a〜h…銀メッキが施された導体パターン(導体パターン)、22a,22b…導電性粘着テープ(導電性粘着テープ片)、23a〜d…貼付部分(導電性粘着テープと導体パターンの貼り合わせ部分)、24a,24b…定電流電源、25a〜d…電位計、26…エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)によって封止される領域(封止領域)

Claims (3)

  1. 導電性粒子が分散されている粘着剤層を有する導電性粘着テープであって、
    前記導電性粒子の粒径d50(μm)が、12.5μm以上100μm以下であり、
    前記導電性粒子の粒径d50(μm)と前記粘着剤層の厚みt(μm)との割合t/d50が、0.2以上4.0以下であることを特徴とする導電性粘着テープ。
  2. 前記導電性粒子は、前記粘着剤層中に0.01体積%以上5体積%以下含まれる請求項1に記載の導電性粘着テープ。
  3. 片面又は両面に前記粘着剤層が形成される導電性基材を有する請求項1又は2に記載の導電性粘着テープ。
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