JP2015008778A - 眼科用レーザ手術装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者眼の透明組織を、簡易な構成で適切に処置することができる眼科用レーザ手術装置を提供する。【解決手段】眼科用レーザ手術装置は、パルスレーザ光を患者眼の透明組織内に集光させることで、透明組織におけるパルスレーザ光の集光位置に非線形相互作用を生じさせて、透明組織を処置する。眼科用レーザ手術装置は、レーザユニット10と照射手段とを備える。レーザユニットは、パルスレーザ光を発振する発振器を有すると共に、パルス幅が1ピコ秒以上200ピコ秒以下、且つ波長が300ナノメートル以上700ナノメートル以下のパルスレーザ光を出射可能である。照射手段は、レーザユニット10によって出射されたパルスレーザ光を、透明組織内の三次元上の目標位置に集光させる。【選択図】図2

Description

本発明は、パルスレーザ光による非線形相互作用を利用して、主に患者眼の透明組織(例えば、角膜、水晶体等)を処置する眼科用レーザ手術装置に関する。
従来、患者眼の透明組織の処置(例えば、切断、破砕等)をレーザ光で行うために、種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1が開示する眼科用レーザ装置は、エキシマ・レーザとfsレーザを備える。エキシマ・レーザは、角膜組織を除去するために、紫外領域の波長(193ナノメートル)のレーザ光を出射する。fsレーザは、非線形相互作用によって角膜にフラップを形成するために、赤外領域の波長(1020ナノメートル〜1070ナノメートル)のレーザ光を出射する。なお、特許文献1では、fsレーザによって生成されるパルスレーザ光のパルス幅(パルス継続時間)は、100フェムト秒〜800フェムト秒である。
特許文献2が開示する装置は、特許文献1のfsレーザによる処置の原理とは異なり、プラズマ発光を伴わないプラズマを誘起させることで処置を行う。特許文献2では、パルスレーザ光の波長は300ナノメートル〜1000ナノメートルであり、パルス幅は300ピコ秒〜20ナノ秒である。(便宜的に、以下では、特許文献2で例示される処置方法を「サブナノ秒レーザによる処置方法」という。)
特表2012−520695号公報 米国特許公開2010/0163540号公報
特許文献1に例示される従来のフェムト秒レーザ(パルス幅がフェムト秒オーダーのパルスレーザ)で処置を行う場合、レーザ発振器によって発振されたパルスレーザ光を増幅させる必要がある。MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)に例示される増幅機構でフェムト秒レーザを増幅させると、パルスレーザ光のパルス幅が小さいので、増幅中の自己収束が原因で光の強度が過度に高くなる場合がある。この場合、増幅部の光学系の損傷等が生じ得る。従って、フェムト秒レーザの増幅には、MOPA等の増幅方法よりも複雑な増幅方法(例えば、チャープパルス増幅法(CPA法)等)を用いる必要がある。
また、特許文献2に例示されるサブナノ秒レーザによる処置方法では、フェムト秒レーザによる処置方法に比べてパルス幅が大きい。従って、意図しない熱の影響が、集光位置の周辺組織に表れる可能性がある。
本発明は、患者眼の組織を、簡易な構成で適切に処置することができる眼科用レーザ手術装置を提供することを典型的な目的とする。
本発明の眼科用レーザ手術装置は、パルスレーザ光を患者眼の透明組織内に集光させることで、前記透明組織におけるパルスレーザの集光位置に非線形相互作用を生じさせて前記透明組織を処置することが可能な眼科用レーザ手術装置であって、パルスレーザ光を発振する発振器を有すると共に、パルス幅が1ピコ秒以上200ピコ秒以下、且つ波長が300ナノメートル以上700ナノメートル以下のパルスレーザ光を出射可能なレーザユニットと、前記レーザユニットによって出射されたパルスレーザ光を前記透明組織内の三次元上の目標位置に集光させる照射手段とを備える。
本発明の眼科用レーザ手術装置は、患者眼の透明組織を、簡易な構成で適切に処置することができる。
眼科用レーザ手術装置1の概略構成を示す図である。 レーザユニット10の概略構成を示す図である。 増幅部110の概略構成を示す図である。 眼科用レーザ手術装置1が実行する処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の典型的な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施形態の眼科用レーザ手術装置1の概略構成について説明する。以下の説明では、患者眼Eの軸方向をZ方向、水平方向をX方向、鉛直方向をY方向とする。
<全体構成>
本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、患者眼Eの透明組織を処置するために使用される。本実施形態では、患者眼Eの角膜および水晶体を処置することが可能な眼科用レーザ手術装置1を例示する。本実施形態のレーザ手術装置1は、レーザユニット10、照射ユニット30、位置検出ユニット55、観察・撮影ユニット60、操作ユニット70、および制御ユニット76を備える。
<レーザユニット>
レーザユニット10は、パルスレーザ光を出射する。本実施形態では、レーザユニット10によって出射されたパルスレーザ光は、非線形相互作用によって透明組織にプラズマを誘起するために用いられる。非線形相互作用とは、光と物質とによって生じる相互作用の1つであり、光の強度(つまり、光子の密度)に比例しない応答が現れる作用である。本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、パルスレーザ光を患者眼Eの透明組織内に集光(合焦)させることで、集光位置で多光子吸収を生じさせる。多光子吸収が生じる確率は、光の強度に比例せず、非線形となる。多光子吸収によって励起状態が生じると、透明組織内にプラズマが発生し、組織の切断・破砕等が行われる。以上の現象は、光破壊(optical ablation)と言われる場合もある。非線形相互作用による光破壊では、パルス幅が小さいパルスレーザ光が用いられるので、レーザ光による熱の影響が集光位置の周辺に加わり難い。よって、微細な処置が可能である。パルスレーザ光のパルス幅を極力小さくしつつ、光の強度のピークを高くすることができれば、少ないエネルギーで効率よく光破壊が生じ、意図しない熱の影響も生じ難くなる。レーザユニット10の詳細な構成については、図2および図3を参照して後述する。
<照射ユニット>
照射ユニット30は、レーザユニット10によって出射されたパルスレーザ光を患者眼Eに導光し、患者眼Eの透明組織における三次元上の目標位置に集光させる。本実施形態の照射ユニット30は、レーザユニット10側から患者眼E側に向かって順に、ミラー31、ミラー32、ホールミラー33、ビームエキスパンダユニット34、走査部40、レンズ50、レンズ51、ビームコンバイナ52、および対物レンズ53を備える。
ミラー31,32は、レーザユニット10によって出射されたパルスレーザ光を誘導する。ホールミラー33は、パルスレーザ光の光軸L1と、位置検出ユニット55(後述する)の光軸L2とを分ける。ビームエキスパンダユニット34は、レーザスポットをZ方向(光軸L1に沿う方向)に移動させる。走査部40は、レーザスポットをXY方向に移動させる。レンズ50,51は、パルスレーザ光をリレーする。ビームコンバイナ52は、パルスレーザ光の光軸L1と、観察・撮影ユニット60(後述する)の光軸L3とを合波する。対物レンズ53(集光光学系)は、パルスレーザ光を被検眼Eの透明組織に集光させる。
本実施形態のビームエキスパンダユニット34は、凹レンズ36、凸レンズ37、および駆動部38を備える。駆動部38は、凹レンズ36を光軸L1に沿って移動させる。凹レンズ36が移動することで、凹レンズ36を通過したビームの発散状態が変化する。その結果、レーザスポットの集光位置がZ方向に移動する。
本実施形態の走査部40は、Xスキャナ41、Yスキャナ44、およびレンズ47,48を備える。Xスキャナ41は、駆動部43によってガルバノミラー42を揺動させることで、パルスレーザ光をX方向に走査させる。Yスキャナ44は、駆動部46によってガルバノミラー45を揺動させることで、パルスレーザ光をY方向に走査させる。レンズ47,48は、2つのガルバノミラー42,45を瞳共役とする。
また、本実施形態では、対物レンズ53を通過したパルスレーザ光は、眼球固定インターフェース54を経て患者眼Eの透明組織に集光される。詳細は図示しないが、眼球固定インターフェース54は、吸着リングおよびカップを有する。吸着リングには、吸引ポンプ等によって負圧が加えられる。その結果、患者眼Eの前眼部が吸着リングによって吸引固定される。カップは前眼部の周囲を覆う。手術時には、屈折率が角膜の屈折率と同程度の液体がカップ内に満たされる。よって、角膜等によるパルスレーザ光の屈折が弱まり、集光位置の精度が向上する。なお、眼球固定インターフェース54の構成を適宜変更してもよいことは言うまでもない。コンタクトレンズ等を患者眼Eに装着してもよい。眼球固定インターフェース54を使わずに、眼科用レーザ手術装置1による手術を行うことも可能である。
なお、照射ユニット30の構成も適宜変更できる。例えば、眼科用レーザ手術装置1は、ガルバノミラー42,45の変わりに、パルスレーザ光を偏向させる音響光学素子(AOM,AOD)等を用いて、パルスレーザ光のXY方向の走査を行ってもよい。1つの方向の走査を複数の素子で行ってもよい。レゾナントスキャナ、ポリゴンミラー等を用いてもよい。また、眼科用レーザ手術装置1は、レーザユニット10に対して患者眼E(例えば、患者を支持するベッド等)を移動させることで、パルスレーザ光のXY方向の集光位置を変化させてもよい。この場合、患者眼Eを移動させる構成は、照射ユニット30に含まれ得る。また、集光位置をZ方向に移動させるための具体的な構成も変更できる。
<位置検出ユニット>
位置検出ユニット55は、照射ユニット30に対する患者眼Eの位置を検出するために用いられる。詳細には、本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、照射ユニット30に対する患者眼Eの位置を検出することで、パルスレーザ光が集光する位置を、断層画像(詳細は後述する)に対応付ける。集光位置を断層画像に対応付けることで、照射ユニット30等を制御するためのデータを、断層画像を用いて設定することができる。
本実施形態の位置検出ユニット55は、光学系の一部を照射ユニット33と共用する共焦点光学系である。位置検出ユニット55は、ホールミラー33、集光レンズ56、開口板57、および受光素子58を備える。ホールミラー33は、中央に入射した光を透過させると共に、患者眼Eによって反射された光を光軸L2に沿って反射させる。集光レンズ56は、ホールミラー33によって反射された光を、開口板57の開口に集光する。開口板57は、中央に開口を有する共焦点開口板である。開口板57の開口は、患者眼Eにおけるパルスレーザ光の集光位置(レーザスポットの位置)と共役な位置に配置されている。受光素子58は、開口板57の開口を通過した光を受光する。本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、患者眼Eの位置を検出する場合、レーザ光が集光位置で光破壊を生じさせないように、レーザユニット10から出射されるレーザ光の出力を調整する。眼科用レーザ手術装置1は、照射ユニット33によって集光位置を三次元方向に移動させながら、患者眼Eからの反射光を受光素子58によって受光する。
以上のように、本実施形態の位置検出ユニット55は、共焦点関係を利用することで、パルスレーザ光の集光位置を高い精度で検出することができる。なお、照射ユニット30に対する患者眼Eの位置を検出するための構成は、適宜変更することができる。例えば、ホールミラー33の代わりに偏光ビームスプリッタを用いて照射光と反射光を分離してもよい。また、眼科用レーザ手術装置1は、サンプル物質等にパルスレーザ光を照射し、サンプル物質等における実際の集光位置を断層画像(後述する)によって検出してもよい。この場合、眼科用レーザ手術装置1は、照射ユニット30に対する患者眼Eの位置を、位置検出ユニット55を用いずに検出することができる。
<観察・撮影ユニット>
観察・撮影ユニット60は、患者眼Eを術者に観察させると共に、処置対象となる組織を撮影する。一例として、本実施形態の観察・撮影ユニット60は、OCTユニット61および正面観察ユニット65を備える。観察・撮影ユニット60の光軸L3は、ビームコンバイナ52によって、パルスレーザ光の光軸L1と同軸とされる。光軸L3は、ビームコンバイナ63によって、OCTユニット61の光軸L4と、正面観察ユニット65の光軸L5とに分岐する。
OCTユニット61は、光干渉の技術を用いて被検眼Eの組織の断層画像を取得する。詳細には、本実施形態のOCTユニット61は、光源、光分割器、参照光学系、走査部、および検出器を備える。光源は、断層画像を取得するための光を出射する。光分割器は、光源によって出射された光を、参照光と測定光に分割する。参照光は参照光学系に入射し、測定光は走査部に入射する。参照光学系は、測定光と参照光の光路長差を変更する構成を有する。走査部は、測定光を組織上で二次元方向に走査させる。検出器は、組織によって反射された測定光と、参照光学系を経た参照光との干渉状態を検出する。眼科用レーザ手術装置1は、測定光を走査し、反射測定光と干渉光の干渉状態を検出することで、組織の深さ方向の情報を取得する。取得した深さ方向の情報に基づいて、組織の断層画像を取得する。本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、パルスレーザ光が集光する位置を、術前に撮影した患者眼Eの断層画像に対応付ける。その結果、眼科用レーザ手術装置1は、パルスレーザ光を照射する動作(例えば、駆動部38,43,46の動作)を制御するためのデータを、断層画像を用いて作成することができる。なお、OCTユニット61には種々の構成を用いることができる。例えば、SS−OCT、SD−OCT、TD−OCT等のいずれをOCTユニット61として採用してもよい。
正面観察ユニット65は、患者眼Eの正面画像を取得する。本実施形態の正面観察ユニット65は、可視光または赤外光によって照明された患者眼Eを撮影し、モニタ72(後述する)に表示する。術者は、モニタ72を見ることで患者眼Eを正面から観察することができる。
<操作ユニット>
操作ユニット70は、術者からの各種操作指示の入力を受け付ける。一例として、本実施形態の操作ユニット70は、各種操作ボタンを備えた操作部71と、モニタ72の表面に設けられたタッチパネルとを備える。しかし、ジョイスティック、キーボード、マウス等の他の構成も操作ユニット70として採用できる。なお、モニタ72には、例えば、患者眼Eの正面画像、組織の断層画像、各種操作メニュー等、種々の画像を表示させることができる。
<制御ユニット>
制御ユニット76は、CPU77、ROM78、RAM79、および不揮発性メモリ(図示せず)等を備える。CPU77は、眼科用レーザ手術装置1の各種制御を司る。ROM78には、眼科用レーザ手術装置1の動作を制御するための各種プログラム、初期値等が記憶されている。RAM79は、各種情報を一時的に記憶する。不揮発性メモリは、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。
<レーザユニットの構成>
図2および図3を参照して、本実施形態におけるレーザユニット10の構成について詳細に説明する。図2に示すように、本実施形態のレーザユニット10は、発振器101、増幅部110、波長変換部121、切換部125,126、およびパルス選択部128を備える。
発振器101は、レーザ光(パルスレーザ光を含む)を発振することができる。本実施形態では、例えば、モードロック式の発振器(一例として、Nd:YAGレーザ、Yb:YAG固体レーザ、Yb添加ファイバーレーザ、Er添加ファイバーレーザ等)を採用することができる。モードロック式の発振器は、他の発振器に比べて、発振させるパルスレーザ光のパルス幅を小さくし易い。眼科用レーザ手術装置1は、パルス幅を極力小さくすることで、非線形相互作用を生じさせるための閾値以上の強度を有するパルスレーザ光を、より小さいエネルギーで発振させることができる。その結果、余分なエネルギーによる熱の影響が集光位置の周囲に現れ難くなる。よって、微細な処置が効率良く行われる。
発振器101に発振させるパルスレーザ光のパルス幅を1ピコ秒よりも小さくすると、パルスレーザ光を増幅させる場合に複雑な構成(例えば、CPA法の構成)が必要となる。CPA法等の増幅方法では、増幅効率も良好とならない場合が多い。また、パルス幅を200ピコ秒よりも大きくすると、余分なエネルギーによる熱の影響が現れやすくなり、且つ、微細な処置を行うことが難しくなる。従って、本実施形態では、発振器101に発振させるパルスレーザ光のパルス幅は、1ピコ秒以上200ピコ秒以下としている。また、5ピコ秒以上30ピコ秒以下の範囲内にパルス幅を設定するのがより望ましい。
発振器101に発振させるパルスレーザ光の繰り返し周波数は、種々のパラメータ(例えば、走査部40の性能等)に応じて適宜設定すればよい。しかし、手術時間を短縮させるためには、発振器101は、より高い繰り返し周波数でパルスレーザ光を発振させることが望ましい。例えば、繰り返し周波数は、1KHz〜5MHzの範囲内に設定すればよい。また、100KHz〜1MHzの範囲内に繰り返し周波数を設定するのがより望ましい。
なお、近年におけるモードロック式の発振器のうち、モードロックYAGレーザ発振器を採用すれば、他のモードロック式の発振器に比べて高出力のパルスレーザ光を処置に利用することができる。本実施形態では、一例として、モードロック式のNd:YAGレーザを発振器101として用いた。発振器101に発振させるパルスレーザ光の波長は1064ナノメートル、パルス幅は約5ピコ秒とした。しかし、これらの条件は一例に過ぎない。複数の発振器を組み合わせることで、所望の波長のパルスレーザ光を発振させてもよい。また、詳細は後述するが、モードロック式以外の発振器(例えば、Qスイッチ式の発振器等)を採用することも可能である。
増幅部110は、発振器101によって発振されたパルスレーザ光の出力を増幅させる。前述したように、本実施形態では、フェムト秒レーザのパルス幅よりも大きいパルス幅でパルスレーザ光が発振される。従って、パルスレーザ光の出力を増幅させる場合でも、CPA法等の複雑な増幅方法を用いずに、簡易な増幅方法を採用することもできる。
図3を参照して、本実施形態の増幅部110の構成について説明する。本実施形態のレーザユニット10は、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)方式のレーザユニットである。図3に例示する増幅部110は、MOPA方式で用いられる増幅部の一例である。増幅部110は、増幅器111A,111B,111Cと、励起光源112A,112B,112Cと、拡大レンズ114A,114Bとを含む。
増幅器111A,111B,111Cの各々は、多重パス増幅器である。増幅器111A,111B,111Cの各々には増幅媒質が含まれる。増幅媒質には、発振器101によって発振される種光の波長に合った媒質を用いればよい。一例として、本実施形態では、Nd:YAGが増幅媒質として使用される。励起光源112A,112B,112Cは、増幅器111A,111B,111Cにそれぞれ対応して設けられている。励起光源112A,112B,112Cは、対応する増幅器に含まれる増幅媒質に励起光を照射して、増幅媒質を励起させる。励起状態にある増幅媒質は、入射したパルスレーザ光を増幅して出射する。拡大レンズ114Aは、増幅器111Aと増幅器111Bの間に設けられ、増幅器111Aから出射されたパルスレーザ光の径を広げる。拡大レンズ114Bは、増幅器111Bと増幅器111Cの間に設けられ、増幅器111Bから出射されたパルスレーザ光の径を広げる。
MOPA方式による増幅の構成は、CPA方式等による増幅の構成に比べて簡易である。なお、増幅部110の構成も適宜変更できる。例えば、眼科用レーザ手術装置1に使用できる増幅部110はバルク型でもよいが、光ファイバー増幅器が複数使用されてもよい。増幅段も適宜設定すればよい。また、眼科用レーザ手術装置1は、MOPA方式以外の増幅方式を用いてパルスレーザ光を増幅させてもよい。
図2の説明に戻る。波長変換部121は、発振器101によって発振されたパルスレーザ光の波長を変換することができる。一例として、本実施形態の波長変換部121は、発振器101によって発振されるパルスレーザ光の波長(1064ナノメートル)を、300ナノメートル〜700ナノメートルの範囲の波長(本実施形態では354ナノメートル)に変換する。詳細には、本実施形態の波長変換部121は、第一波長変換結晶122と、第二波長変換結晶123とを備える。第一波長変換結晶122は、波長が1064ナノメートルのパルスレーザ光を入射し、第二次高調波(波長532ナノメートル)を出射する。第二波長変換素子123は、第二次高調波を入射し、第三次高調波(波長354ナノメートル)を出射する。波長変換結晶122,123には、バルク結晶(例えば、LBO、BBO)等を用いることができる。
なお、波長変換部121の構成も変更できる。発振器101によって発振されるパルスレーザ光の波長と、患者眼Eの組織に照射するパルスレーザ光の波長とに基づいて、波長変換部121の具体的な構成を適宜決定すればよい。例えば、発振器101によって発振されるパルスレーザ光の波長を本実施形態よりも短くし、波長変換部によってパルスレーザ光の波長を長い波長に変換することも可能である。波長変換結晶の数も2つに限られない。また、バルク結晶に換えてQPM素子等を用いても良い。QPM素子を用いる場合、分散によるパルス幅の広がりを考慮して素子を選択するのが望ましい。
切換部125,126は、波長変換部121によるパルスレーザ光の波長変換を実行するか否かを切り替える。換言すると、切換部125,126は、波長変換されたパルスレーザ光をレーザユニット10から出射するか、波長変換されていないパルスレーザ光をレーザユニット10から出射するかを切り換える。一例として、本実施形態では、パルスレーザ光の光路への挿入および抜き取りが可能なミラーが、切換部125,126として使用される。切換部125,126の各々の光路への挿入および光路からの抜き取りは、挿脱機構(図示せず)によって行われる。切換部125は、波長変換部121よりも光路の上流側に設けられる。切換部126は、波長変換部121よりも光路の下流側に設けられる。切換部125,126が共に光路から抜き取られると、パルスレーザ光は光路L7に沿って進む。この場合、パルスレーザ光は、波長変換部121によって波長変換された後、パルス選択部128に入射する。一方で、切換部125,126が共に光路に挿入されると、パルスレーザ光は光路L8に沿って進む。この場合、パルスレーザ光は、波長変換部121を経ることなくパルス選択部128に入射する。
なお、切換部125,126の具体的な構成も変更できる。例えば、眼科用レーザ手術装置1は、他の構成(例えば、音響光学素子、プリズム、MEMS、半導体ゲート等)を用いてパルスレーザ光の光路を切り換えることで、波長変換を実行するか否かを切り換えてもよい。また、切換部は、パルスレーザ光の光路への波長変換部121自体の挿入および抜き取りを切り換えることで、波長変換を実行するか否かを切り換えてもよい。本実施形態とは逆に、切換部125,126が光路に挿入された場合に波長変換が実行されるように、光学系の配置を設計してもよい。また、眼科用レーザ手術装置1は、複数の波長変換部を用いてもよい。波長が互いに異なる3種類以上のレーザ光を選択的に出射してもよい。
パルス選択部128は、断続的に入射する複数のレーザパルスを、組織に光破壊を生じさせるレーザパルスと、組織に光破壊を生じさせないレーザパルスとに選択的に振り分ける。一例として、本実施形態のパルス選択部128は、音響光学素子(AOM)とビームダンプとを備える。音響光学素子は、レーザパルスを偏向させることができる。パルス選択部128は、組織に光破壊を生じさせないレーザパルスを、音響光学素子によって偏向し、ビームダンプに入射させる。つまり、組織の処置に使用しないレーザパルスをピッキングする。また、パルス選択部128は、組織に光破壊を生じさせるレーザパルスを、偏向させることなくそのまま出射する。眼科用レーザ手術装置1は、各種パラメータ(例えば、走査部40によるレーザパルスの走査速度)に応じてパルス選択部128を駆動することで、適切な処置を行うことができる。
なお、パルス選択部128の構成も適宜変更できる。例えば、パルス選択部128の配置位置を変更してもよい。従って、レーザユニット10の外部にパルス選択部128を配置してもよい。波長変換部121よりも光路の上流側にパルス選択部128を配置してもよい(この場合、パルス選択部128の位置は、増幅部110の上流側でもよいし、下流側でもよい)。また、音響光学素子の代わりに、電気光学変調器(EOM)、光ファイバスイッチング素子、チョッパホイル等を用いても良い。また、本実施形態で例示したパルス選択部128は、レーザパルスを選択的にピッキングする。しかし、処置に使用するパルスを選択するための方法は、レーザパルスをピッキングする方法に限定されない。例えば、パルス選択部128は、組織の処置に使用しないレーザパルスのパラメータ(例えば、パルスエネルギー)の少なくともいずれかを、光破壊を生じない値に変化させることで、処置に使用するレーザパルスと、処置に使用しないレーザパルスとを振り分けてもよい。パルス選択部128自体を省略することも可能である。
以上説明したように、本実施形態のレーザユニット10は、パルス幅が1ピコ秒以上200ピコ秒以下、且つ波長が300ナノメートル以上700ナノメートル以下のパルスレーザ光(以下、「第一パルスレーザ光」という)を少なくとも出射することができる。詳細は後述するが、本実施形態では、特に患者眼Eの角膜を処置する際に第一パルスレーザ光が使用される。
従来のフェムト秒レーザを患者眼Eの透明組織の処置に使用する場合、パルスレーザ光を増幅させる必要がある。しかし、フェムト秒レーザのパルス幅は小さいため、増幅のための構成が複雑となる。これに対し、本実施形態におけるパルスレーザ光のパルス幅は、フェムト秒レーザのパルス幅よりも大きい。従って、眼科用レーザ手術装置1は、仮にパルスレーザ光の増幅を行う場合でも、簡易な方法でパルスレーザ光を増幅させることができる。また、本実施形態の眼科用レーザ手術装置1では、サブナノ秒レーザに比べてパルス幅が小さいパルスレーザ光を出射することができる。従って、眼科用レーザ手術装置1は、意図しない熱の影響を、サブナノ秒レーザを用いる場合に比べて容易に低減しつつ、フェムト秒レーザを用いる場合と同様の非線形相互作用によって処置を行うことができる。換言すると、パルス幅が1ピコ秒以上であれば、眼科用レーザ手術装置1は、パルスレーザ光を増幅させる場合に、CPA法等に比べて簡易な構成で増幅させることができる。パルス幅が200ピコ秒以下であれば、眼科用レーザ手術装置1は、余分なエネルギーによる熱の影響を抑制しつつ、効率良く組織に多光子吸収を生じさせることができる。
また、波長が300ナノメートル未満であると、多光子吸収でなく単光子吸収が患者眼Eの角膜等で生じやすくなり、非線形相互作用による組織の処置が困難になる。また、2光子吸収によって角膜等を加工できる波長の上限として適切な値は、約700ナノメートルである(700ナノメートルよりも波長が大きいと3光子吸収となり、角膜に光子が吸収され難い)。本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、300ナノメートル以上700ナノメートル以下の波長の第一パルスレーザ光を出射することで、特に患者眼Eの前側表面に近い透明組織(例えば角膜)の処置を適切に行うことができる。波長が700ナノメートル以下であれば、赤外領域の波長のパルスレーザ光を用いる場合に比べて、微細な処置も行いやすい。
本実施形態のレーザユニット10は、第一パルスレーザ光よりも波長が長い第二パルスレーザ光を出射することもできる。詳細は後述するが、本実施形態では、角膜よりも患者眼Eにおける後側(奥側)に位置する部位(一例として、本実施形態では水晶体)を処置する際に、第二パルスレーザ光が使用される。第二パルスレーザ光は、第一パルスレーザ光よりも波長が長いので、第一パルスレーザ光よりも透明組織を透過し易い。眼科用レーザ手術装置1は、波長が異なる複数のパルスレーザ光を選択的に用いることで、波長の違いによるパルスレーザ光の特性に応じて適切な処置を行うことができる。
第二パルスレーザ光の波長は、400ナノメートル以上1400ナノメートル以下の範囲に設定されるのが望ましい。波長が400ナノメートルよりも短いと、パルスレーザ光は、集光位置に到達する前に水晶体等によって吸収され易い。波長が1400ナノメートルよりも長いと、パルスレーザ光は、組織内の水によって吸収され易い。眼科用レーザ手術装置1は、波長が400ナノメートル〜1400ナノメートルの第二パルスレーザ光を用いることで、角膜よりも後側に位置する透明組織を適切に処置することができる。なお、水晶体手術では、破砕された水晶体核は、吸引装置等によって除去される。従って、第二パルスレーザ光の波長を第一パルスレーザ光の波長よりも長くした影響で、水晶体の細かい処置が困難となっても、影響は少ない。
<手術時の処理>
図4を参照して、本実施形態の眼科用レーザ手術装置1が実行する手術時の処理について説明する。図4に例示する手術時の処理は、パルスレーザ光による手術を実行する指示が操作部71等を介して入力された場合に、制御ユニット76のCPU77によって実行される。CPU77は、ROM78または不揮発性メモリに記憶された制御プログラムに従って、図4に示す処理を実行する。
まず、処置モードの選択指示が受け付けられる(S1)。処置モードとは、眼科用レーザ手術装置による患者眼Eの処置(手術)の態様を決定するためのモードである。本実施形態では、2つの処置モード(第一モードおよび第二モード)が設けられている。第一モードは、患者眼Eの第一部位に対する処置を行うためのモードである。第二モードは、患者眼Eのうち、第一部位よりも後側(眼の奥側)に位置する第二部位に対する処置を行うためのモードである。一例として、本実施形態では、第一部位は角膜であり、第二部位は水晶体である。
術者は、操作部71等を用いて、所望の処置モードの選択指示を入力する。例えば、CPU77は、「角膜処置モード」「水晶体処置モード」等のボタンをモニタ72に表示し、所望のボタンをタッチパネル等によって術者に選択させることで、処置モードの選択指示を受け付けてもよい。また、CPU77は、各モードにおけるパルスレーザ光の波長を、選択肢としてモニタ72に表示してもよい。
処置モードの種類を変更してもよい。例えば、3つ以上の処置モードが設けられていてもよい。水晶体嚢の前面を切開するCCC(Continuous Circular Capsulorrhexis)を実行するための処置モード等、他のモードが設けられていてもよい。なお、本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、第二モードにおいて、CCCと水晶体核の破砕を共に行うこともできる。
次いで、選択された処置モードが第一モードであるか否かが判断される(S2)。第一モードであれば(S2:YES)、患者眼Eの角膜におけるパルスレーザ光の集光位置(目標位置)が設定される(S4)。前述したように、本実施形態では、CPU77は、パルスレーザ光が集光する位置を、位置検出ユニット55によって検出された位置に基づいて、断層画像に対応付ける。従って、CPU77は、パルスレーザ光を実際に集光させる位置を、断層画像によって設定することができる。ただし、集光位置の設定方法は変更してもよい。
次いで、CPU77は、レーザユニット10から出射するパルスレーザ光の出力を設定する(S5)。本実施形態では、S5で設定される出力pは、第二モードにおいて設定される出力P(後述する)よりも小さい。ただし、出力pは固定値である必要は無く、術者が変更できてもよい。本実施形態でも、少なくとも出力pの初期値は後述する出力Pの初期値よりも小さいが、術者は出力pを変更できる。
次いで、パルスレーザ光の照射開始指示が入力されたか否かが判断される(S6)。操作部71等によって照射開始指示が入力されると(S6:YES)、CPU77は、設定した集光位置に従って、ビームエキスパンダユニット34、走査部40、およびパルス選択部128等を駆動しながら第一パルスレーザ光を角膜に出射する(S7)。すべての集光位置に対するパルスレーザ光の出射が完了すると、処理は終了する。なお、本実施形態の第一パルスレーザ光とは、パルス幅が1ピコ秒以上200ピコ秒以下、且つ波長が300ナノメートル以上700ナノメートル以下のパルスレーザ光である。詳細には、本実施形態では、波長変換部121による波長変換を実行することで、波長354ナノメートル、パルス幅5ピコ秒の第一パルスレーザ光が出射される。
選択された処置モードが第二モードであれば(S2:NO)、患者眼Eの水晶体(例えば、水晶体嚢および水晶体核の少なくともいずれか)におけるパルスレーザ光の集光位置が設定される(S11)。次いで、パルスレーザ光の出力が設定される(S12)。S12で設定される出力Pの初期値は、第一モードにおいて設定される出力pの初期値よりも大きい。なお、出力Pは、前述した出力pと同様に、術者によって変更できてもよい。
次いで、照射開始指示が入力されたか否かが判断される(S13)。入力されると(S13:YES)、CPU77は、設定した集光位置に従って、走査部40等を駆動しつつ第二パルスレーザ光を水晶体に出射する(S14)。すべての集光位置に対するパルスレーザ光の出射が完了すると、処理は終了する。なお、本実施形態の第二パルスレーザ光の波長は、第一パルスレーザ光の波長よりも長い。詳細には、本実施形態では、波長が1064ナノメートル、パルス幅5ピコ秒の第二パルスレーザ光が出射される。
以上のように、本実施形態では、第一モードが選択されると第一パルスレーザ光が出射され、第二モードが選択されると第二パルスレーザ光が出射される。波長が短い第一パルスレーザ光は、透明組織によって吸収され易いが、第二パルスレーザ光に比べて微細な処置を行い易い。一方で、波長が長い第二パルスレーザ光は、透明組織に吸収され難い。本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、第二部位(例えば水晶体)よりも前側に位置する第一部位(例えば角膜)を処置する場合には、第二部位を処置する場合に比べてレーザ光の吸収を考慮する必要性が低いので、第一パルスレーザ光によってより細かい処置を行う。第二部位(例えば水晶体)を処置する場合には、組織によって吸収され難い第二パルスレーザ光を用いる。従って、本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、患者眼Eの部位に応じて適切な処置を行うことができる。なお、第二部位が水晶体核である場合、破砕された水晶体核はその後に除去されるため、微細な処置を行えない場合でも影響は少ない。
また、角膜には、極力微細な処置をすることが望まれる。水晶体核は、破砕後に除去されるので、効率良く破砕するのが望ましい。本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、角膜を処置するための第一パルスレーザ光の出力を、水晶体を処置するための第二パルスレーザ光の出力よりも小さくする。その結果、角膜は小さい出力で細かく処置され、水晶体は大きい出力で効率よく処置される。
本発明は上記実施形態に限定されることは無く、様々な変形が可能であることは勿論である。まず、上記実施形態では、モードロック式のNd:YAGレーザを発振器101として用いる場合を例示した(図2参照)。しかし、発振器101の構成は変更してもよい。例えば、Qスイッチレーザ発振器を発振器101として用いてもよい。一般的には、Qスイッチレーザ発振器は、モードロック式のレーザ発振器に比べて、高い出力のパルスレーザ光を発振するのが容易である。従って、パルス幅が1ピコ秒以上200ピコ秒以下のパルスレーザ光を発振可能なQスイッチレーザ発振器(例えば、Qスイッチマイクロチップレーザ等)を発振器101として用いることで、増幅器110(図3参照)の構成を簡略化し易くなる。また、十分な出力を有するQスイッチレーザ発振器を用いれば、増幅器110自体を省略できる可能性もある。
上記実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、波長変換を実行するか否かを切り換えることで、波長の異なる2つのパルスレーザ光を選択的に出射する。従って、波長の違いによる特性に応じた処置を行うことができる。しかし、パルスレーザ光を出射するための構成は変更してもよい。例えば、眼科用レーザ手術装置1は、1種類のパルスレーザ光のみを出射する構成を備えてもよい。この場合、装置構成は簡略化される。また、上記実施形態では、波長変換部121が用いられることで、適切な波長のパルスレーザ光が患者眼Eに出射される。しかし、採用する発振器101によっては、波長変換部121を省略できる場合もあり得る。また、眼科用レーザ手術装置1は、3種類以上のパルスレーザ光を選択的に出射してもよい。
上記実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、波長変換を実行するか否かを切り換えることで、1つの発振器101によって複数のパルスレーザ光を出射する。しかし、眼科用レーザ手術装置1は、異なるパルスレーザ光を出射可能な複数の発振器を使い分けることで、複数のパルスレーザ光を選択的に出射してもよい。
上記実施形態では、角膜および水晶体を処置する場合を例示して説明を行った。しかし、処置する部位を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、角膜のみを処置する場合、水晶体核のみを処置する場合、水晶体嚢のみを処置する場合等にも、上記実施形態で例示した技術の少なくとも一部を適用できる。
上記実施形態で例示した技術の少なくとも一部を、網膜の光凝固治療、選択的レーザ線維柱帯形成術(Selective Laser Trabeculoplasty:SLT)等に利用することも可能である。例えば、上記実施形態における波長変換部121(図2参照)の構成を変更し、発振器101によって発振されるパルスレーザ光の波長(1064ナノメートル)を第二次高調波(波長532ナノメートル)に変換して、第二次高調波を光凝固治療およびSLT等に利用してもよい。この場合、レーザ光の出力等の各種パラメータは、治療部位、治療内容等に応じて適宜設定すればよい(パルスレーザ光でなく連続波としてもよい)。さらに、角膜の処置、水晶体の処置、光凝固治療、SLT等の複数の処置の2以上を、1つの装置で実行できるように、装置を構成してもよい。例えば、発振器101によって発振されるパルスレーザ光を波長変換せずに用いる水晶体処置モード、第二次高調波を用いる光凝固治療モードおよびSLTモード、第三次高調波を用いる角膜処置モードのうちの2以上を、1つの眼科用レーザ処置装置において選択的に実行してもよい。
また、上記実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、出射するパルスレーザ光の種類に応じてレーザの出力を変えることで、処置する部位に応じた処置を行う。しかし、出力を変えずに処置を行うことも可能である。発振器101自体の出力を変えずに、フィルタ等によってパルスレーザ光の出力を減衰させてもよい。
レーザユニット10は、上記実施形態で例示した用途以外の用途にも使用できる可能性がある。レーザユニット10は、以下のように表現することもできる。非線形相互作用による透明組織の処置に用いられるレーザユニットであって、パルスレーザ光を発振する発振器と、前記発振器によって発振されたパルスレーザ光の波長を変換することで、パルス幅が1ピコ秒以上200ピコ秒以下、且つ波長が300ナノメートル以上700ナノメートル以下のパルスレーザ光を生成する波長変換手段と、を備えたことを特徴とするレーザユニット。
1 眼科用レーザ手術装置
10 レーザユニット
30 照射ユニット
77 CPU
101 発振器
110 増幅部
121 波長変換部
125,126 切換部

Claims (7)

  1. パルスレーザ光を患者眼の透明組織内に集光させることで、前記透明組織におけるパルスレーザの集光位置に非線形相互作用を生じさせて前記透明組織を処置することが可能な眼科用レーザ手術装置であって、
    パルスレーザ光を発振する発振器を有すると共に、パルス幅が1ピコ秒以上200ピコ秒以下、且つ波長が300ナノメートル以上700ナノメートル以下のパルスレーザ光を出射可能なレーザユニットと、
    前記レーザユニットによって出射されたパルスレーザ光を前記透明組織内の三次元上の目標位置に集光させる照射手段と
    を備えたことを特徴とする眼科用レーザ手術装置。
  2. 前記レーザユニットは、
    前記発振器によって発振されたパルスレーザ光の波長を変換する波長変換手段と、
    前記波長変換手段によるパルスレーザ光の波長変換を実行するか否かを切り換える切替手段とを備え、
    前記眼科用レーザ手術装置は、
    前記レーザユニットからのレーザの出射を制御する制御手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記切替手段による波長変換の実行の切り替えを制御することで、少なくとも、波長が300ナノメートル以上700ナノメートル以下である第一パルスレーザ光、および、前記第一パルスレーザ光よりも波長が長い第二パルスレーザ光のいずれかを選択的に前記レーザユニットに出射させることを特徴とする請求項1に記載の眼科用レーザ手術装置。
  3. 前記患者眼の第一部位に対する処置を行う第一モード、および、前記患者眼のうち前記第一部位よりも後側に位置する第二部位に対する処置を行う第二モードを含む複数のモードの1つを選択する指示を受け付ける受付手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記受付手段によって前記第一モードの選択が受け付けられた場合に、前記第一パルスレーザ光を前記レーザユニットに出射させると共に、
    前記受付手段によって前記第二モードの選択が受け付けられた場合に、前記第二パルスレーザ光を前記レーザユニットに出射させることを特徴とする請求項2に記載の眼科用レーザ手術装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記第一パルスレーザ光の出力を、前記第二パルスレーザ光の出力よりも小さくすることを特徴とする請求項2または3に記載の眼科用レーザ手術装置。
  5. 前記発振器がQスイッチレーザ発振器であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の眼科用レーザ手術装置。
  6. 前記発振器がモードロックレーザ発振器であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の眼科用レーザ手術装置。
  7. 前記レーザユニットは、
    前記発振器によって発振されたパルスレーザ光を増幅させる増幅部を備えたMOPA(Master Oscillator Power Amplifier)方式のレーザユニットであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の眼科用レーザ手術装置。
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