JP2015008136A - 金属ナノ粒子分散物を作成する方法およびこれによって作られる分散物 - Google Patents

金属ナノ粒子分散物を作成する方法およびこれによって作られる分散物 Download PDF

Info

Publication number
JP2015008136A
JP2015008136A JP2014121603A JP2014121603A JP2015008136A JP 2015008136 A JP2015008136 A JP 2015008136A JP 2014121603 A JP2014121603 A JP 2014121603A JP 2014121603 A JP2014121603 A JP 2014121603A JP 2015008136 A JP2015008136 A JP 2015008136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
dispersion
reducing agent
conductivity
nanoparticles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014121603A
Other languages
English (en)
Inventor
ピン・リウ
Liu Pin
イリアン・ウー
Yiliang Wu
アンソニー・ジェームズ・ウィグルスワース
Anthony James Wigglesworth
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Xerox Corp
Original Assignee
Xerox Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Xerox Corp filed Critical Xerox Corp
Publication of JP2015008136A publication Critical patent/JP2015008136A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F1/00Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F1/00Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
    • B22F1/05Metallic powder characterised by the size or surface area of the particles
    • B22F1/054Nanosized particles
    • B22F1/0545Dispersions or suspensions of nanosized particles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/52Electrically conductive inks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/54Inks based on two liquids, one liquid being the ink, the other liquid being a reaction solution, a fixer or a treatment solution for the ink
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F2998/00Supplementary information concerning processes or compositions relating to powder metallurgy
    • B22F2998/10Processes characterised by the sequence of their steps
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F3/00Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
    • B22F3/22Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces for producing castings from a slip

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

【課題】ほとんどの金属ナノ粒子分散物は、空気に安定ではなく、冷温環境又は減圧状態であっても、金属ナノ粒子表面に特定の酸化度の金属酸化物を生成し、熟成した金属ナノ粒子インクでは、導電性が顕著に下がることがあるため、塾成した金属ナノ粒子分散物の導電性を高めるのに有効な方法の提供。【解決手段】溶媒と;金属ナノ粒子の上に形成された酸化物を含む複数の金属ナノ粒子と;還元剤とを含む金属ナノ粒子分散物。還元剤は、酸化物と反応し、堆積させ加熱するプロセスを用いて金属ナノ粒子分散物から作ることができる金属膜の導電性を、同じ堆積させ加熱するプロセスを用い、還元剤を用いない以外は同じナノ粒子組成物から作ることができる金属膜の導電性と比較して顕著に上げるのに十分な量で含まれる。金属ナノ粒子は濃度が15〜90重量%で、Ag、Al、Au、Cu等から選ばれる少なくとも一つの金属である分散物。【選択図】なし

Description

本開示は、導電性金属膜を作成するために使用可能な金属ナノ粒子の分散物を作成する方法に関する。
金属ナノ粒子を含む溶液処理可能な導電性材料は、電気産業界で重要な役割をはたす。溶液処理可能な金属ナノ粒子を使用し、例えば、低コストの溶液堆積技術およびパターン形成技術による電極および電気的なインターコネクタなどの電子機器において種々の導電性形体を製造することができる。金属ナノ粒子から作られる導電性形体を選択し、製造される電子機器を適切に操作することができるようにするのに十分な導電性を与えることができる。
金属ナノ粒子は、液体溶液に分散させ、これを所望な基材に堆積させ、導電性金属膜を作成することができることが知られている。例えば、スピンコーティング技術によって、またはインクジェットプリンタを用いるインクとして、分散物を種々の様式で堆積させることができる。
しかし、金属ナノ粒子インクを含むほとんどの金属ナノ粒子分散物は、空気に安定ではない。ほとんどの金属ナノ粒子分散物は、簡単に酸化し、保存するとき、冷温環境または減圧状態であっても、金属ナノ粒子表面に特定の酸化度の金属酸化物を生成することがある。これにより、熟成した金属ナノ粒子インクでは、導電性が顕著に下がることがある。
熟成した金属ナノ粒子分散物の導電性を高めるのに有効な方法を開発することは、当該技術分野における進歩であると考えられるだろう。
本開示の一実施形態は、金属ナノ粒子分散物に関する。この分散物は、溶媒と;金属ナノ粒子の上に形成された酸化物を含む複数の金属ナノ粒子と;還元剤とを含む成分を混合することによって作られる。還元剤は、酸化物と反応し、堆積させ加熱するプロセスを用いて金属ナノ粒子分散物から作ることができる金属膜の導電性を、同じ堆積させ加熱するプロセスを用い、還元剤を用いない以外は同じナノ粒子組成物から作ることができる金属膜の導電性と比較して顕著に上げるのに十分な量で含まれる。
本開示の別の実施形態は、ある方法に関する。この方法は、(a)溶媒および(b)金属ナノ粒子の上に形成された酸化物を含む複数の金属ナノ粒子を含む成分を混合することによって作られる金属ナノ粒子分散物を与えることを含む。還元剤を金属ナノ粒子分散物と混合する。還元剤は、酸化物と反応し、堆積させ加熱するプロセスを用いて金属ナノ粒子分散物から作ることができる金属膜の導電性を、同じ堆積させ加熱するプロセスを用い、還元剤を用いない以外は同じナノ粒子組成物から作ることができる金属膜の導電性と比較して顕著に上げるのに十分な量で分散物に含まれる。
本開示のさらに別の実施形態は、ナノ粒子分散物に関する。ナノ粒子分散物は、溶媒と;銀および酸化物を含む複数の金属ナノ粒子と、還元剤とを含む成分を混合することによって作られる。還元剤は、ナノ粒子分散物の合計重量を基準として、濃度が約0.01重量%〜約5重量%の範囲の濃度である。
本開示の一実施形態は、金属ナノ粒子分散物に関する。分散物は、溶媒と、複数の金属ナノ粒子と、還元剤とを含む成分を混合することによって作られる。金属ナノ粒子は、金属ナノ粒子の上に形成された酸化物を含む。還元剤は、ナノ粒子の上の酸化物と反応し、金属ナノ粒子分散物から作ることができる金属膜の導電性を顕著に上げるのに十分な量で含まれる。
任意の適切な溶媒を本開示の分散物で使用することができる。一実施形態では、溶媒は、非水性溶媒である。一実施形態では、溶媒は、極性または非極性の有機溶媒である。一実施形態では、溶媒は、金属ナノ粒子の分散を容易にする。
溶媒の例としては、例えば、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン、シアノベンゼン、デカリンおよびテトラリン;約10〜約18個の炭素原子を含むアルカン、アルケンまたはアルコール、例えば、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、1−ウンデカノール、2−ウンデカノール、3−ウンデカノール、4−ウンデカノール、5−ウンデカノール、6−ウンデカノール、1−ドデカノール、2−ドデカノール、3−ドデカノール、4−ドデカノール、5−ドデカノール、6−ドデカノール、1−トリデカノール、2−トリデカノール、3−トリデカノール、4−トリデカノール、5−トリデカノール、6−トリデカノール、7−トリデカノール、1−テトラデカノール、2−テトラデカノール、3−テトラデカノール、4−テトラデカノール、5−テトラデカノール、6−テトラデカノール、7−テトラデカノールなど;アルコール、例えば、テルピネオール(α−テルピネオール)、β−テルピネオール、ゲラニオール、シネオール、セドラール、リナロール、4−テルピネオール、ラバンジュロール、シトロネロール、ネロール、メントール、ボルネオール、ヘキサノール、ヘプタノール、シクロヘキサノール、3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−オール、2−(2−プロピル)−5−メチル−シクロヘキサン−1−オールなど;イソパラフィン系炭化水素、例えば、イソデカン、イソドデカンおよび市販のイソパラフィン混合物、例えば、ISOPAR(登録商標)E、ISOPAR G、ISOPAR H、ISOPAR LおよびISOPAR M(上述のものはすべてExxon Chemical Companyによって製造)、SHELLSOL(登録商標)(Shell Chemical Companyによって製造)、SOLTROL(登録商標)(Philips Oil Co.,Ltd.によって製造)、BEGASOL(登録商標)(Mobil Petroleum Co.,Inc.によって製造)およびIP Solvent 2835(Idemitsu PetroChemical Co.,Ltd.によって製造);ナフテン系油;エーテル、例えば、テトラヒドロフラン;ニトリル、例えば、アセトニトリル;ハロゲン化溶媒、例えば、ジクロロメタン;アミド、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF);および上述のいずれかの溶媒の混合物を挙げることができる。1種類、2種類、3種類またはそれより多い溶媒を使用してもよい。
2種類以上の溶媒を使用する実施形態では、それぞれの溶媒は、任意の適切な体積比または重量比で、例えば、約99(第1の溶媒):1(第2の溶媒)〜約1(第1の溶媒):99(第2の溶媒)で存在していてもよい(約80(第1の溶媒):20(第2の溶媒)〜約20(第1の溶媒):80(第2の溶媒)の体積比または重量モル比を含む)。例えば、溶媒は、テルピネオール、ヘキサノール、ヘプタノール、シクロヘキサノール、3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−オール、2−(2−プロピル)−5−メチル−シクロヘキサン−1−オールなどからなる群から選択される溶媒と、デカリン、ヘキサデカン、ヘキサデセンおよび1,2,4−トリメチルベンゼンからなる群から選択される少なくとも1つの炭化水素溶媒とで構成される混合物であってもよい。
溶媒は、金属ナノ粒子分散物中に、分散物全体の重量%を基準として少なくとも10重量%、例えば、分散物の約10重量%〜約90重量%、約20重量%〜約80重量%、約30重量%〜約70重量%および約40重量%〜約60重量%の量で存在していてもよい。一実施形態では、溶媒は、分散物全体の重量%を基準として、少なくとも50重量%である。
「ナノ」という用語は、「金属ナノ粒子」で用いられる場合、例えば、1,000nm以下の粒径、例えば、約0.5nm〜約1,000nm、例えば、約1nm〜約500nm、約1nm〜約100nm、約1nm〜約25nmまたは約1nm〜約10nmの粒径を指す。粒径は、TEM(透過型電子顕微鏡)によって決定されるような金属粒子の平均直径を指す。一般的に、本明細書に記載するプロセスから得られる金属ナノ粒子中に複数の粒径が存在していてもよい。いくつかの実施形態では、異なる粒径の金属含有ナノ粒子の存在が許容される。
いくつかの実施形態では、金属ナノ粒子は、(i)1つ以上の金属または(ii)1つ以上の金属コンポジットで構成される。任意の適切な金属を使用してもよい。金属の例としては、Al、Ag、Au、Pt、Pd、Cu、Co、Cr、InおよびNi、特に、遷移金属、例えば、Ag、Au、Pt、Pd、Cu、Cr、Ni、およびこれらの混合物が挙げられる。適切な金属コンポジットとしては、Au−Ag、Ag−Cu、Ag−Ni、Au−Cu、Au−Ni、Au−Ag−CuおよびAu−Ag−Pdを挙げることができる。金属コンポジットは、非金属、例えば、Si、CおよびGeを含んでいてもよい。金属コンポジットの種々の構成要素は、例えば、約0.01%〜約99.9重量%、特に約10%〜約90重量%の範囲の量で存在していてもよい。
一実施形態では、金属ナノ粒子は、銀を含む。例えば、ナノ粒子の金属は、銀と、1種類、2種類またはそれより多い他の金属とで構成される金属アロイであってもよく、銀は、例えば、ナノ粒子の少なくとも約20重量%、特に、約50重量%より多く含まれる。特記しない限り、本明細書で金属ナノ粒子の構成要素について引用する重量パーセントは、任意の安定化剤の重量またはナノ粒子の一部であってもよい酸化物の生成を含まない。
金属ナノ粒子は、2種類以上の二元金属系金属ナノ粒子種の混合物、例えば、2008年5月1日に出願されたNaveen Chopraらに対する本出願人に譲渡された米国特許出願第12/113,628号に記載されるもの、または二峰性金属ナノ粒子、例えば、2008年6月5日に出願されたMichelle N.Chretienらに対する米国特許出願第12/133,548号、現在の米国特許第7749300号に記載されるものであってもよい。
本開示の分散物は、任意の適切な量の金属ナノ粒子を含んでいてもよい。一実施形態では、金属ナノ粒子は、分散物の合計重量を基準として、約15重量%〜約90重量%、例えば、約30重量%〜約60重量%、例えば、約40重量%〜約70重量%の範囲の濃度である。
還元剤と混合する前に、金属ナノ粒子は、表面酸化物を含んでいてもよい。酸化物は、分散物の熟成中に作られてもよく、ナノ粒子分散物を用いて作成された膜の導電性が部分的または完全に失われることがある。
金属ナノ粒子から酸化剤を除去することができ、および/またはナノ粒子から作られた膜の導電性を上げることができる任意の適切な還元剤を使用することができる。いくつかの実施形態では、還元剤化合物は、ヒドラジン化合物を含んでいてもよい。本明細書で使用する場合、「ヒドラジン化合物」という用語は、ヒドラジン(N)および置換ヒドラジンを含む。置換ヒドラジンは、置換基として、例えば、任意の適切なヘテロ原子、例えば、SおよびO;例えば、約1〜約30個の炭素原子、約1個の炭素原子〜約25個の炭素原子、約2〜約20個の炭素原子または約2〜約16個の炭素原子を含むヒドロカルビル基を含んでいてもよい。ヒドラジン化合物は、本明細書に列挙するヒドラジン化合物の任意の適切な塩および水和物も含んでいてもよい。このような塩の例としては、ヒドラジン酸性酒石酸塩、ヒドラジン一臭化水素酸塩、ヒドラジン一塩酸塩、二塩化ヒドラジン、ヒドラジン一シュウ酸塩およびヒドラジン硫酸塩が挙げられる。
ヒドラジン化合物の例としては、ヒドロカルビルヒドラジン、例えば、RNHNH、RNHNHR’およびRR’NNHが挙げられ、1個の窒素原子が、RまたはR’で一置換または二置換されており、他の窒素原子が、場合によりRで一置換または二置換されており、RまたはR’は、それぞれヒドロカルビル基である。ヒドロカルビルヒドラジンの例としては、例えば、メチルヒドラジン、tert−ブチルヒドラジン、2−ヒドロキシエチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、フェニルヒドラジン、トリルヒドラジン、ブロモフェニルヒドラジン、クロロフェニルヒドラジン、ニトロフェニルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、1,2−ジエチルヒドラジンおよび1,2−ジフェニルヒドラジンが挙げられる。一実施形態では、還元剤は、フェニルヒドラジンである。
特に指示のない限り、種々のヒドラジン化合物のRおよびR’の置換基を特定するときに、「炭化水素基」または「ヒドロカルビル基」という句は、非置換ヒドロカルビル基および置換ヒドロカルビル基の両方を含む。非置換ヒドロカルビル基は、例えば、直鎖または分枝鎖のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、またはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。アルキル基およびシクロアルキル基は、約1〜約30個の炭素原子、約5〜25個の炭素原子、約10〜20個の炭素原子を含んでいてもよい。アルキル基およびシクロアルキル基の例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、またはエイコサニル、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。アリール基は、約6〜約48個の炭素原子、約6〜約36個の炭素原子または約6〜約24個の炭素原子を含んでいてもよい。アリール基の例としては、例えば、フェニル、メチルフェニル(トリル)、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、トリデシルフェニル、テトラデシルフェニル、ペンタデシルフェニル、ヘキサデシルフェニル、ヘプタデシルフェニル、オクタデシルフェニル、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。置換炭化水素基は、例えば、ハロゲン(塩素、フッ素、臭素およびヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基(メトキシル、エトキシルおよびプロポキシ)、またはヘテロアリールで1つ、2つまたは3つ置換された、本明細書に記載する非置換炭化水素基であってもよい。ヘテロアリール基の例としては、チエニル、フラニル、ピリジニル、オキサゾリル、ピローイル、トリアジニル、イミダゾイル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジアゾイル、ピラゾイル、トリアゾイル、チアゾイル、チアジアゾイル、キノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾイル、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
使用可能なヒドロカルビルヒドラジン塩の例としては、メチルヒドラジン塩酸塩、フェニルヒドラジン塩酸塩、ベンジルヒドラジンシュウ酸塩、ブチルヒドラジン塩酸塩、ブチルヒドラジンシュウ酸塩およびプロピルヒドラジンシュウ酸塩、およびフェニルヒドラジンの塩が挙げられる。
ヒドラジン化合物の例は、さらに、ヒドラジド、例えば、RC(O)NHNH、RC(O)NHNHR’およびRC(O)NHNHC(O)Rが挙げられ、1個または両方の窒素原子が式RC(O)のアシル基で置換され、各Rは、独立して、水素およびヒドロカルビル基から選択され、1個または両方の窒素原子が、場合によりR’で一置換または二置換されており、各R’は、独立して、ヒドロカルビル基から選択される。ヒドラジドの例としては、例えば、ギ酸ヒドラジド、アセトヒドラジド、ベンズヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、ブタノヒドラジド、ヘキサン酸ヒドラジド、オクタン酸ヒドラジド、オキサミド酸ヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、N−メチルヒドラジンカルボキサミドおよびミセカルバジドを挙げることができる。
ヒドラジン化合物の例としては、さらに、カルバジン酸エステルおよびヒドラジノカルボキシレート、例えば、ROC(O)NHNHR’、ROC(O)NHNHおよびROC(O)NHNHC(O)ORも挙げられ、1個または両方の窒素原子が、式ROC(O)のエステル基で置換され、各Rは、独立して、水素およびヒドロカルビル基から選択され、1個または両方の窒素原子は、場合により、R’で一置換または二置換され、各R’は、独立してヒドロカルビル基から選択される。カルバジン酸エステルの例としては、例えば、カルバジン酸メチル(メチルヒドラジノカルボキシレート)、カルバジン酸エチル、カルバジン酸ブチル、カルバジン酸ベンジルおよびカルバジン酸 2−ヒドロキシエチルを挙げることができる。
ヒドラジン化合物の例としては、さらに、スルホノヒドラジド、例えば、RSONHNH、RSONHNHR’およびRSONHNHSORも挙げられ、1個または両方の窒素原子が、式RSOのスルホニル基で置換され、各Rは、独立して、水素およびヒドロカルビル基から選択され、1個または両方の窒素原子は、場合により、R’で一置換または二置換され、各R’は、独立して、ヒドロカルビル基から選択される。スルホンヒドラジドの例としては、例えば、メタンスルホノヒドラジド、ベンゼンスルホノヒドラジン、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホノヒドラジドおよびp−トルエンスルホノヒドラジドを挙げることができる。
他のヒドラジン化合物としては、例えば、アミノグアニジン、チオセミカルバジド、メチルヒドラジンカルボイミオチオレートおよびチオカルボヒドラジドを挙げることができる。
使用可能な他の還元剤としては、中でも、ギ酸、ギ酸塩、ギ酸エステル、置換または非置換のアミンボラン化合物、シュウ酸、置換または非置換のアルデヒド、アルカリ金属亜硫酸塩およびアルカリ土類金属亜硫酸塩が挙げられる。当業者は、過度な実験をすることなく、上の任意の種類の還元剤のための適切な種を簡単に決定することができるだろう。任意の上述の還元剤の組み合わせを使用することができる可能性がある。
還元剤(例えば、上述のもの)は、ある種の金属ナノ粒子を製造するために当該技術分野で一般的によく知られている。このプロセスは、還元剤と金属前駆体化合物とを反応させ、金属ナノ粒子を製造することを含んでいてもよい。このようなプロセスの例としては、米国特許第8,057,849号;米国特許第7,270,694号;および米国特許第7,494,608号に記載されるものが挙げられる。しかし、還元剤は、金属ナノ粒子を用いて作られるその後の分散剤で使用することは知られていない。
1種類、2種類、3種類またはそれより多い還元剤を使用してもよい。2種類以上の還元剤を使用する実施形態では、各還元剤は、得られる金属層の導電性を望ましい程度まで上げるのに適切な任意の濃度で存在していてもよい。金属ナノ粒子分散物中の還元剤濃度の例は、金属ナノ粒子分散物の合計重量を基準として約0.01重量%〜約5重量%、例えば、約0.05重量%〜約3重量%、または約0.1重量%〜約1または2重量%の範囲の濃度を含む。一実施形態では、還元剤濃度は、金属ナノ粒子分散物の合計重量を基準として2重量%未満、または1重量%未満、または0.8重量%未満、または0.5重量%未満である。
本開示の組成物は、金属ナノ粒子分散物で使用するのに適した1つ以上のさらなる任意要素の成分を含んでいてもよい。このような任意要素の成分の例としては、安定化剤およびポリマーバインダーが挙げられる。
ナノ粒子の分散性を高めるか、または維持するために、および/または分散物中のナノ粒子の凝集を低減するために、安定化剤が、一般的に当該技術分野でよく知られている。任意の適切な安定化剤を使用してもよい。例えば、有機安定化剤は、有機アミン安定化剤、例えば、米国特許第7,270,694号に記載されるものであってもよい。有機アミン安定化剤の例としては、アルキルアミン、例えば、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ヘキサデシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノオクタン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、プロピルブチルアミン、エチルブチルアミン、エチルペンチルアミン、プロピルペンチルアミン、ブチルペンチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミンなど、またはこれらの混合物が挙げられる。
他の有機安定化剤の例としては、チオールおよびその誘導体、−OC(−S)SH(キサントゲン酸)、ポリエチレングリコール、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドンおよび他の有機界面活性剤が挙げられる。有機安定化剤は、チオール、例えば、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、デカンチオールおよびドデカンチオール;ジチオール、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオールおよび1,4−ブタンジチオール;またはチオールとジチオールの混合物からなる群から選択されてもよい。有機安定化剤は、キサントゲン酸、例えば、O−メチルキサンテート、O−エチルキサンテート、O−プロピルキサントゲン酸、O−ブチルキサントゲン酸、O−ペンチルキサントゲン酸、O−ヘキシルキサントゲン酸、O−ヘプチルキサントゲン酸、O−オクチルキサントゲン酸、O−ノニルキサントゲン酸、O−デシルキサントゲン酸、O−ウンデシルキサントゲン酸、O−ドデシルキサントゲン酸からなる群から選択されてもよい。また、金属ナノ粒子を安定化させることができるピリジン誘導体(例えば、ドデシルピリジン)および/または有機ホスフィンを含む有機安定化剤を、潜在的な安定化剤として使用してもよい。
安定化された金属ナノ粒子の例としては、米国特許公開第2009/0148600号に記載されるカルボン酸−有機アミン錯体で安定化された銀ナノ粒子;米国特許公開第2007/0099357 A1号に記載されるカルボン酸安定化剤銀ナノ粒子、および米国特許公開第2009/0181183号に記載される熱によって除去可能な安定化剤およびUVによって分解可能な安定化剤を挙げることができる。
ポリマーバインダーは、本開示の組成物で使用可能な別の任意要素の添加剤である。ポリマーバインダーは、基材に堆積すると、金属ナノ粒子の付着量を増やすことができ、および/または厚みの増えた(例えば、約15マイクロメートルまでの)導電性膜を基材に堆積させることができる。組成物にポリマーバインダーが含まれることで、堆積した導電性形体の機械特性(例えば、耐引っ掻き性)が高まり、柔軟性が高まり、耐割れ性もおそらく高まるだろう。ポリマーバインダーのガラス転移温度が、堆積した組成物の加熱温度より低くなるように、任意のポリマーバインダーが組成物に含まれてもよい。
ポリマーバインダーの例としては、有機ポリマー膜を形成するバインダー、例えば、熱可塑性および熱硬化性樹脂、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアリールエーテル、ポリアリールスルホン、ポリブタジエン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ酢酸ビニル、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリビニルアセタール、ポリアミド、アミノ樹脂、フェニレンオキシド樹脂、テレフタル酸樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレンおよびアクリロニトリルコポリマー、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、アクリレートコポリマー、アルキド樹脂、セルロース膜フォーマー、ポリ(アミドイミド)、スチレンブタジエンコポリマー、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、酢酸ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、スチレン−アルキド樹脂、ポリビニルカルバゾールなどが挙げられる。これらのポリマーは、例えば、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーまたは交互コポリマーであってもよい。
本開示は、さらに、ナノ粒子分散物を製造する方法に関する。この方法は、(a)溶媒と(b)複数の金属ナノ粒子とを含む成分を混合することによって作られる金属ナノ粒子分散物を与えることを含む。金属ナノ粒子は、金属ナノ粒子の上に形成された酸化物を含む。酸化物は、分散物を熟成する間に作られてもよく、例えば、保存中、および/または分散物を運搬する間に生じるかもしれない。
金属ナノ粒子分散物を還元剤と混合する。還元剤は、ナノ粒子の上の酸化物と反応し、金属ナノ粒子分散物から作ることができる金属膜の導電性を顕著に上げるのに十分な量で含まれる。還元剤を金属ナノ粒子分散物と混合した後、得られる銀ナノ粒子分散物は、溶液プロセスによって種々の導電性形体を製造する準備ができている。
このプロセスによって、分散物を長期間保存する能力が得られ、廃棄物が減る可能性があり、および/またはプロセスの柔軟性を高めることができる。本開示の組成物は、使用前に望ましい長い時間(例えば、30日間、60日間、90日間、6ヶ月間または1年以上)保存することができる。
一実施形態では、本開示の分散物を基材の上に堆積させる。本開示の分散物を、任意の適切な液体堆積プロセスによって堆積させることができる。適切な堆積技術の例としては、スピンコーティング、インクジェット印刷および噴霧技術が挙げられる。当該技術分野でよく知られている他の技術としては、米国特許第8,057,849号に開示されているものが挙げられる。
金属ナノ粒子分散物が堆積する基材は、任意の適切な基材であってもよく、例えば、ケイ素、ガラス板、プラスチック膜、シート、布地または紙を含む。構造的に柔軟なデバイスとして、プラスチック基材、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミドシートなどを使用してもよい。基材は、任意の望ましい厚みを有していてもよく、例えば、約10マイクロメートル〜10ミリメートル超まで、例えば、約50マイクロメートル〜約2ミリメートル、または約0.4ミリメートル〜約10ミリメートルであってもよい。
堆積させた後、液体層を加熱し、望ましい導電層を作成することができる。任意の適切な温度を使用してもよい。使用する温度は、例えば、使用する特定の金属ナノ粒子分散物、基材が高温に耐え得る能力、得られる膜の望ましい特性などを含む種々の因子に依存して変わるだろう。例としては、約80℃〜約200℃または250℃の範囲の温度が挙げられる。例えば、堆積した組成物を、約140℃以下の温度、例えば、約80℃〜約140℃、約80℃〜約130℃、約80℃〜約120℃または約80℃〜約110℃の温度まで加熱し、金属ナノ粒子を誘導または「アニーリング」し、電気伝導性要素として使用するのに適した導電性形体を作成することができる。
加熱を任意の適切な時間範囲、例えば、1分〜約10時間、約5分〜約5時間、約10分〜約3時間行ってもよい。空気中、不活性雰囲気中、例えば、窒素下またはアルゴン下、または還元雰囲気中、例えば、1〜約20容積%の水素を含む窒素下で加熱を行ってもよい。常圧で、または減圧状態で、例えば、約1000mbar〜約0.01mbarで加熱を行うこともできる。
本明細書で使用する場合、「加熱」という用語は、被加熱材料または基材に対し、(1)金属ナノ粒子をアニーリングし、および/または(2)金属ナノ粒子から任意要素の安定化剤を除去するのに十分なエネルギーを付与することができる任意の技術を包含する。加熱技術の例としては、熱による加熱(例えば、ホットプレート、オーブンおよびバーナー)、赤外線(「IR」)照射、レーザー線、マイクロ波、またはUV照射、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
加熱によって、堆積した金属ナノ粒子分散物から電気伝導層を製造する。いくつかの実施形態では、加熱した後、得られた電気伝導層は、厚みが、例えば、約5ナノメートル〜約500マイクロメートル、例えば、約10ナノメートル〜約200マイクロメートル、または約100ナノメートル〜約100マイクロメートル、約1マイクロメートル〜約25マイクロメートル、または約10マイクロメートル〜約20マイクロメートルの範囲である。
本開示の方法によって作られる金属膜は、同じ堆積させ加熱するプロセスを用い、還元剤を用いない以外は同じナノ粒子組成物から作られる膜の導電性よりも顕著に大きな導電性を有する。例えば、還元剤を用いて作られる金属膜の導電性の比率は、還元剤を用いずに作られる同じ膜の導電性に対し、少なくとも1.5、または少なくとも2であってもよいが、数桁大きくてもよい(例えば、5、10、100、1000または10,000)。
本開示の得られた金属膜の導電性は、堆積する金属の種類および使用する堆積プロセスおよびアニーリングプロセスを含む多くの因子によって変わることがある。例としては、1.0×10ジーメンス/センチメートル(「S/cm」)より大きな、例えば、約100,000S/cm、または約10,000S/cm〜約50,000S/cmの導電性を含む。
銀ナノ粒子分散物を使用する実施形態では、比較的低温(例えば、<120℃)でアニーリングすると、1.0×10S/cm以上の導電性を有する金属形体を製造することができる。これらの導電性は、例えば、以下の実施例で記載される新しく調製した銀ナノ粒子インクとほぼ同じレベルである。
本明細書に記載する場合、金属ナノ粒子およびその導電性インクの導電性は、保存するとき、冷蔵庫のような冷温条件および減圧条件下であっても顕著に下がることがわかった。空気中の酸素に対する感度が高いためであろうと思われ、ナノ粒子表面に特定の量の金属酸化物を生じる。
(比較例1Aおよび比較例1B)
このことを観察するために、どちらも約15重量%の銀ナノ粒子を含む2種類の銀ナノ粒子インクを用い、2種類の銀薄膜サンプルをスピンコーティングによって製造した。次いで、それぞれのサンプルを約120℃の温度で約20分アニーリングした。比較的新しい銀ナノ粒子分散物からサンプルBを得て、このサンプルから、高導電性(>10s/cm)膜を得た。サンプルAは、熟成した銀ナノ粒子分散物から得た。サンプルAから作成した膜は、非導電性であった。2種類の銀の膜サンプルについて異なると考えられる価数の銀を調べる光電子放出試験のために2種類の膜サンプル(膜Aおよび膜B)を得た。
実施例1A(膜A)および1B(膜B)の価電子帯高解像スペクトルの結果は、2種類の膜の金属性を示す非常に異なるフェルミ準位を示す。高解像スペクトルから、銀3d5/2および炭素1sのピーク位置を以下の表に示す。
Figure 2015008136
Ag状態の銀は368.2eVであるため、サンプルBは、まだAg状態であることは明らかである。S.Biniakら、J of App.Electrochem.、29(1999)481を参照のこと。しかし、サンプルAは、それほど単純ではない。上の表から明らかであるように、3d5/2の結合エネルギーは、有効プローブ深さを15Åまで移動すると、5Åの表面で、368.26eVから368.36eVまでシフトし、この膜になんらかの化学変化が起こっていることを示唆している。500eVでの銀リファレンス箔のピーク位置が368.3eVであったため、これはおそらく、膜Aの表面が部分的に酸化されていることを示す。表面に近い銀は、膜Aの内部に深くなるにつれて、部分的に酸化されていてもよいことも示唆することができる。
(比較例2:新しい銀ナノ粒子インク)
新しく調製した、ドデシルアミンで安定化した銀ナノ粒子を使用した。トルエン中の固体含有量が15wt%の新しい銀ナノ粒子インク10gを調製し、ガラススライドにスピンコーティングした。膜を約115〜120℃で15分間アニーリングし、厚みが82nmの薄膜を得た。アニーリングした銀膜は、4プローブ法を用いて測定すると、3.6×10S/cmの導電性を示した。新しく調製した、ドデシルアミンで安定化した銀ナノ粒子は、明らかに約120℃の処理温度でアニーリングした後、高い導電性を示した。
(比較例3:熟成した銀ナノ粒子インク)
上の銀ナノ粒子インクを約5℃の冷蔵庫に3ヶ月以上保存した。銀ナノ粒子インクをガラススライドにスピンコーティングした。コーティングされた膜を約115〜120℃で15分アニーリングし、厚みが85nmの銀の薄膜を得た。アニーリングした薄膜は、4プローブ法を用いて測定すると、導電性ではなかった。アニーリングした膜を、130℃で約20分間さらにアニーリングし、銀膜は、非導電性のままであった。熟成したドデシルアミンで安定化した銀ナノ粒子の導電性は、熟成した後に、明らかに低下した。
(実施例1:処理した熟成銀ナノ粒子インク)
比較例3で使用したのと同じ熟成した銀ナノ粒子3gに、十分に混合しつつ、少量のフェニルヒドラジンを加えた(0.01g、約0.3wt%)。この得られたインクから、スピンコーティングによって薄膜を調製した。コーティングした膜を115〜120℃で15分アニーリングした後、得られたAg膜は、4プローブ法を用いて測定すると、約3.8×10S/cmの導電性を示した。
まとめると、上の実施例は、少量の還元剤を加えることが、空気中の酸素によって酸化した、熟成した金属ナノ粒子インクの導電性を回復する有効な様式であることを明らかに示す。この方法によって、熟成した銀ナノ粒子インクが、低い処理温度で新しく調製した銀ナノ粒子インクとほぼ同程度の高い導電性を達成することができる。さらに、この方法は、銀ナノ粒子インクの貯蔵寿命を延ばし、廃棄物を減らすことによって製造費用を顕著に減らす可能性を有する。

Claims (10)

  1. 金属ナノ粒子分散物であって、
    溶媒と;
    金属ナノ粒子の上に形成された酸化物を含む複数の金属ナノ粒子と;
    酸化物と反応し、堆積させ加熱するプロセスを用いて金属ナノ粒子分散物から作ることができる金属膜の導電性を、同じ堆積させ加熱するプロセスを用い、還元剤を用いない以外は同じナノ粒子組成物から作ることができる金属膜の導電性と比較して顕著に上げるのに十分な量の還元剤と
    を含む成分を混合することによって作られる、金属ナノ粒子分散物。
  2. 金属ナノ粒子が、Al、Ag、Au、Pt、Pd、Cu、Co、Cr、InおよびNiからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む、請求項1に記載の分散物。
  3. 金属ナノ粒子がAgを含む、請求項1に記載の分散物。
  4. 金属ナノ粒子は、濃度が約15重量%〜約90重量%の範囲である、請求項1に記載の分散物。
  5. 還元剤が、置換または非置換のヒドラジン、ギ酸、ギ酸塩、ギ酸エステル、置換または非置換のアミンボラン化合物、シュウ酸、置換または非置換のアルデヒド、アルカリ金属亜硫酸塩およびアルカリ土類金属亜硫酸塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1に記載の分散物。
  6. (a)溶媒および(b)金属ナノ粒子の上に形成された酸化物を含む複数の金属ナノ粒子を含む成分を混合することによって作られる金属ナノ粒子分散物を与えることと;
    還元剤と金属ナノ粒子分散物とを混合することとを含み、この還元剤が、酸化物と反応し、堆積させ加熱するプロセスを用いて金属ナノ粒子分散物から作ることができる金属膜の導電性を、同じ堆積させ加熱するプロセスを用い、還元剤を用いない以外は同じナノ粒子組成物から作ることができる金属膜の導電性と比較して顕著に上げるのに十分な量で分散物に含まれる、方法。
  7. 還元剤を混合する前に金属ナノ粒子分散物を少なくとも30日間熟成させた、請求項6に記載の方法。
  8. 基材の上に金属ナノ粒子分散物を堆積させ、ナノ粒子膜を作成することと;
    この堆積させたナノ粒子膜を加熱し、導電性金属膜を作成することとをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  9. 金属ナノ粒子が、Al、Ag、Au、Pt、Pd、Cu、Co、Cr、InおよびNiからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む、請求項6に記載の方法。
  10. 還元剤が、置換または非置換のヒドラジン、ギ酸、ギ酸塩、ギ酸エステル、置換または非置換のアミンボラン化合物、シュウ酸、置換または非置換のアルデヒド、アルカリ金属亜硫酸塩およびアルカリ土類金属亜硫酸塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項6に記載の方法。
JP2014121603A 2013-06-24 2014-06-12 金属ナノ粒子分散物を作成する方法およびこれによって作られる分散物 Pending JP2015008136A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/925,562 US20140377457A1 (en) 2013-06-24 2013-06-24 Method of forming metal nanoparticle dispersion and dispersion formed thereby
US13/925,562 2013-06-24

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015008136A true JP2015008136A (ja) 2015-01-15

Family

ID=52010649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014121603A Pending JP2015008136A (ja) 2013-06-24 2014-06-12 金属ナノ粒子分散物を作成する方法およびこれによって作られる分散物

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20140377457A1 (ja)
JP (1) JP2015008136A (ja)
DE (1) DE102014211907A1 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018169012A1 (ja) * 2017-03-16 2020-01-16 旭化成株式会社 分散体並びにこれを用いた導電性パターン付構造体の製造方法及び導電性パターン付構造体
JP2020073712A (ja) * 2019-09-12 2020-05-14 株式会社新光化学工業所 ニッケル超微粒子の製造方法及び製造装置ならびに微粒子
JP2021077648A (ja) * 2017-07-27 2021-05-20 旭化成株式会社 酸化銅インク及びこれを用いた導電性基板の製造方法、塗膜を含む製品及びこれを用いた製品の製造方法、導電性パターン付製品の製造方法、並びに、導電性パターン付製品
US11109492B2 (en) 2017-07-18 2021-08-31 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Structure including electroconductive pattern regions, method for producing same, stack, method for producing same, and copper wiring
US11177512B2 (en) 2016-12-15 2021-11-16 Honda Motor Co., Ltd. Barium-doped composite electrode materials for fluoride-ion electrochemical cells
US11228026B2 (en) 2018-06-20 2022-01-18 Honda Motor Co., Ltd. Two phase shell formation on metal nanostructures
US11251420B2 (en) 2016-12-15 2022-02-15 Honda Motor Co., Ltd. Composite electrode materials for fluoride-ion electrochemical cells
US11328835B2 (en) 2017-03-16 2022-05-10 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Dispersing element, method for manufacturing structure with conductive pattern using the same, and structure with conductive pattern
US11581582B2 (en) 2015-08-04 2023-02-14 Honda Motor Co., Ltd. Liquid-type room-temperature fluoride ion batteries
US11749797B2 (en) 2016-12-15 2023-09-05 Honda Motor Co., Ltd. Nanostructural designs for electrode materials of fluoride ion batteries

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105788756B (zh) * 2016-01-08 2018-03-09 浙江大学 一种透明金属导电膜及其制备方法
US10214655B2 (en) 2016-04-13 2019-02-26 Xerox Corporation Metal nanoparticle ink dispersion
US9828520B2 (en) 2016-04-15 2017-11-28 Xerox Corporation Interlayer composition and devices made therefrom

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040185388A1 (en) * 2003-01-29 2004-09-23 Hiroyuki Hirai Printed circuit board, method for producing same, and ink therefor
US7125536B2 (en) * 2004-02-06 2006-10-24 Millennium Inorganic Chemicals, Inc. Nano-structured particles with high thermal stability
US7270694B2 (en) 2004-10-05 2007-09-18 Xerox Corporation Stabilized silver nanoparticles and their use
US7749300B2 (en) 2008-06-05 2010-07-06 Xerox Corporation Photochemical synthesis of bimetallic core-shell nanoparticles
US8057849B2 (en) 2009-12-04 2011-11-15 Xerox Corporation Ultra low melt metal nanoparticle composition for thick-film applications

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11581582B2 (en) 2015-08-04 2023-02-14 Honda Motor Co., Ltd. Liquid-type room-temperature fluoride ion batteries
US11251420B2 (en) 2016-12-15 2022-02-15 Honda Motor Co., Ltd. Composite electrode materials for fluoride-ion electrochemical cells
US11749797B2 (en) 2016-12-15 2023-09-05 Honda Motor Co., Ltd. Nanostructural designs for electrode materials of fluoride ion batteries
US11881581B2 (en) 2016-12-15 2024-01-23 Honda Motor Co., Ltd. Composite electrode materials for fluoride-ion electrochemical cells
US11177512B2 (en) 2016-12-15 2021-11-16 Honda Motor Co., Ltd. Barium-doped composite electrode materials for fluoride-ion electrochemical cells
JP2021185269A (ja) * 2017-03-16 2021-12-09 旭化成株式会社 分散体並びにこれを用いた導電性パターン付構造体の製造方法及び導電性パターン付構造体
JPWO2018169012A1 (ja) * 2017-03-16 2020-01-16 旭化成株式会社 分散体並びにこれを用いた導電性パターン付構造体の製造方法及び導電性パターン付構造体
JP7201755B2 (ja) 2017-03-16 2023-01-10 旭化成株式会社 分散体並びにこれを用いた導電性パターン付構造体の製造方法及び導電性パターン付構造体
US11328835B2 (en) 2017-03-16 2022-05-10 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Dispersing element, method for manufacturing structure with conductive pattern using the same, and structure with conductive pattern
US11270809B2 (en) 2017-03-16 2022-03-08 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Dispersing element, method for manufacturing structure with conductive pattern using the same, and structure with conductive pattern
US11109492B2 (en) 2017-07-18 2021-08-31 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Structure including electroconductive pattern regions, method for producing same, stack, method for producing same, and copper wiring
JP2022008655A (ja) * 2017-07-27 2022-01-13 旭化成株式会社 酸化銅インク及びこれを用いた導電性基板の製造方法、塗膜を含む製品及びこれを用いた製品の製造方法、導電性パターン付製品の製造方法、並びに、導電性パターン付製品
JP7076591B2 (ja) 2017-07-27 2022-05-27 旭化成株式会社 酸化銅インク及びこれを用いた導電性基板の製造方法、塗膜を含む製品及びこれを用いた製品の製造方法、導電性パターン付製品の製造方法、並びに、導電性パターン付製品
JP2021077648A (ja) * 2017-07-27 2021-05-20 旭化成株式会社 酸化銅インク及びこれを用いた導電性基板の製造方法、塗膜を含む製品及びこれを用いた製品の製造方法、導電性パターン付製品の製造方法、並びに、導電性パターン付製品
US11760895B2 (en) 2017-07-27 2023-09-19 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Copper oxide ink and method for producing conductive substrate using same, product containing coating film and method for producing product using same, method for producing product with conductive pattern, and product with conductive pattern
JP7403512B2 (ja) 2017-07-27 2023-12-22 旭化成株式会社 酸化銅インク及びこれを用いた導電性基板の製造方法、塗膜を含む製品及びこれを用いた製品の製造方法、導電性パターン付製品の製造方法、並びに、導電性パターン付製品
US11228026B2 (en) 2018-06-20 2022-01-18 Honda Motor Co., Ltd. Two phase shell formation on metal nanostructures
JP2020073712A (ja) * 2019-09-12 2020-05-14 株式会社新光化学工業所 ニッケル超微粒子の製造方法及び製造装置ならびに微粒子

Also Published As

Publication number Publication date
DE102014211907A1 (de) 2014-12-24
US20140377457A1 (en) 2014-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015008136A (ja) 金属ナノ粒子分散物を作成する方法およびこれによって作られる分散物
JP5735788B2 (ja) 圧膜用超低溶融金属ナノ粒子組成物
JP5616597B2 (ja) 銀ナノ粒子の製造方法
Shen et al. Preparation of solid silver nanoparticles for inkjet printed flexible electronics with high conductivity
JP6433361B2 (ja) 銀ナノ粒子に基づく伸縮性導電性膜
Deng et al. Copper nanoparticles: aqueous phase synthesis and conductive films fabrication at low sintering temperature
KR100918231B1 (ko) 은 나노입자 및 은 나노 콜로이드의 제조방법, 및 상기 은나노입자를 포함하는 은 잉크조성물
JP6138133B2 (ja) 導電性材料およびプロセス
KR101462287B1 (ko) 은 나노입자 공정
EP3231847B1 (en) Metal nanoparticle ink dispersion
JP2009295965A (ja) 導電性インク用の二金属ナノ粒子
Wakuda et al. Room-temperature sintering process of Ag nanoparticle paste
JP2011058092A (ja) 安定化金属ナノ粒子の調製法
US20090214764A1 (en) Metal nanoparticles stabilized with a bident amine
JP2009144241A (ja) カルボン酸−有機アミン錯体で安定化されている金属ナノ粒子
CN102574206A (zh) 含有金属纳米粒子的复合物、其分散液以及它们的制造方法
Zhang et al. Tannic acid stabilized silver nanoparticles for inkjet printing of conductive flexible electronics
Ma et al. A drastic reduction in silver concentration of metallic ink by the use of single-walled carbon nanotubes decorated with silver nanoparticles
Dai et al. Self-reducible Cu nanoparticles for conductive inks
JP2011256460A (ja) 低融点有機アミンで安定化された銀ナノ粒子を大スケールで製造するための処理量の向上
JP7200055B2 (ja) 金属ナノ粒子のインク組成物
Mohan et al. Rapid Sintering of Inkjet Printed Cu Complex Inks Using Laser in Air
Wakuda et al. Room temperature sintering of ag nano-scale particles with drying of the solvent
Mun et al. Mohammad Abu Hasan Khondoker