最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電力供給装置は、電力供給装置であって、回路基板と、上記回路基板において発生する熱を放熱するための放熱体と、上記回路基板および上記放熱体を収容するための筐体とを備え、上記電力供給装置は、上記回路基板および上記放熱体の組を複数備え、各上記組は、上記筐体の上下方向に並んで配置され、上記各組の全部または一部の上記放熱体は、上記筐体の内部から外部への異なる方向を向くように設けられている。
このような構成により、ある組の放熱体において温められた空気が上昇し、当該温められた空気が他の組の放熱体に当たる可能性を低くすることができる。
これにより、当該他の組の放熱体の放熱量の低下を抑制することができるので、回路基板において発生する熱を良好に放熱し、電力供給装置における冷却性能を向上させることができる。
(2)好ましくは、上記電力供給装置は、さらに、上記組に対応して設けられ、対応の上記組の上記放熱体が固定され、上記筐体に固定される複数の板部材を備え、各上記板部材における上記放熱体の配置は共通である。
このような構成により、板部材および放熱体の仕様を統一することができるので、板部材および放熱体の設計コストおよび製造コストを減少させることができる。
また、板部材および放熱体の仕様が統一されることにより、たとえば、電力供給装置に電気的に接続される発電装置、負荷、電池盤および商用電源の構成の変更に対しても、筐体に固定される板部材、および放熱体の組の個数を増減させることで容易に対応することができる。すなわち、ユニット化された組を用いて、小ロットかつ多品種の電力供給装置を低コストかつ短納期で実現することができる。
(3)より好ましくは、上記回路基板は、上記放熱体に固定される。
このような構成により、たとえば、回路基板に配置される回路の仕様が変更になる場合においても、軽くて小さい放熱体および回路基板の仕様変更を行うことにより対応することができるので、重くて大きい板部材については仕様変更を行うことなくそのまま使用することができる。
(4)より好ましくは、各上記組は、上記筐体の上下方向に並んで配置されるとともに、上記筐体の水平方向に並んで配置され、上記組において上記放熱体および上記回路基板は接続されており、上記放熱体において、上記回路基板と接続されている面の反対側の面が上記筐体の外部へ向いており、かつ、上記回路基板において、上記放熱体と接続されている面の反対側の面が上記筐体の内部へ向いている。
このような構成により、筐体の水平方向に並んで配置される組において、回路基板間を接続するケーブルの配線を簡易にすることができるので、当該ケーブルを効率よく配線することができる。
(5)好ましくは、上記電力供給装置は、さらに、上記組に対応して設けられ、対応の上記組の上記放熱体が固定され、上記筐体に固定される複数の板部材を備え、上記組において上記放熱体および上記回路基板は接続され、上記放熱体は、絶縁体を介して上記板部材に固定される。
このような構成により、回路基板から放熱体を経由して板部材へ流れる漏えい電流を低減することができる。
(6)より好ましくは、上記電力供給装置は、さらに、上記組に対応して設けられ、対応の上記組の上記放熱体が固定され、上記筐体に固定される複数の板部材と、上記組に対応して設けられ、対応の上記組の上記回路基板に電気的に接続された複数のインダクタとを備え、各上記板部材に対する上記インダクタの配置は共通であり、各上記組は、上記筐体の上下方向に並んで配置されるとともに、上記筐体の水平方向に並んで配置され、上記水平方向に並んで配置される2つの上記組に対応する上記板部材は、上記2つの組に対応する上記インダクタの巻線における電流の流れ方向が互いに反対になるように、上記筐体に固定される。
このような構成により、一方の組におけるインダクタにより生成される磁場の方向、および他方の組におけるインダクタにより生成される磁場の方向は、上記2つの組のインダクタ間において互いに反対であるので、上記2つの組のインダクタ間における磁場を弱めることができる。
これにより、電力供給装置において、誘導ノイズの影響をあまり受けることなく上記2つの組のインダクタ間にケーブルを配線することができるので、電力供給装置におけるケーブルの配線の自由度を高めることができる。
また、組ごとにインダクタの方向およびインダクタの種類を変更する必要がないので、インダクタを板部材に組み付ける際に、インダクタを組み付ける方向、および組み付けるインダクタの種類を誤ってしまうことを回避することができる。
(7)本発明の実施の形態に係る電力供給装置は、電力供給装置であって、回路基板と、上記回路基板において発生する熱を放熱するための放熱体と、上記回路基板および上記放熱体を収容するための筐体とを備え、上記電力供給装置は、上記回路基板および上記放熱体の組を複数備え、各上記組は、上記筐体の水平方向に並んで配置され、上記各組の上記放熱体は、上記筐体の内部から外部への異なる方向を向くように設けられている。
このような構成により、ある組の放熱体において温められた空気が上昇し、当該温められた空気が他の組の放熱体に当たる可能性を低くすることができる。
これにより、当該他の組の放熱体の放熱量の低下を抑制することができるので、回路基板において発生する熱を良好に放熱し、電力供給装置における冷却性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[電力供給システム]
図1は、本発明の実施の形態に係る電力供給システムの構成を示す図である。
図1を参照して、電力供給システム401は、発電装置511A,511B,511Cと、電力供給装置101と、電池盤B1と、商用電源512と、負荷513とを備える。電力供給装置101は、負荷513を含んでいてもよい。電力供給装置101は、回路ユニット10A,10B,10Cを含む。回路ユニット10Aは、制御部15Aと、コンバータ回路31Aと、インバータ回路33Aとを含む。回路ユニット10Bは、制御部15Bと、コンバータ回路31Bと、インバータ回路33Bとを含む。回路ユニット10Cは、制御部15Cと、コンバータ回路31Cと、双方向コンバータ回路34とを含む。
以下、発電装置511A,511B,511Cの各々を発電装置511とも称する。回路ユニット10A,10B,10Cの各々を回路ユニット10とも称する。制御部15A,15B,15Cの各々を制御部15とも称する。コンバータ回路31A,31B,31Cの各々をコンバータ回路31とも称する。インバータ回路33A,33Bの各々をインバータ回路33とも称する。
なお、図1では、3つの発電装置511を代表的に示しているが、2つ以下または4つ以上の発電装置511が設けられてもよい。また、図1では、1つの電力供給装置101を代表的に示しているが、複数の電力供給装置101が設けられてもよい。また、図1では、3つの回路ユニット10を代表的に示しているが、2つ以下または4つ以上の回路ユニット10が設けられてもよい。また、図1では、1つの負荷513を代表的に示しているが、複数の負荷513が設けられてもよい。また、図1では、1つの電池盤B1を代表的に示しているが、複数の電池盤B1が設けられてもよい。
電力供給システム401は、たとえば、発電電力が変動する太陽光発電および風力発電等から出力されるエネルギーのバッファ、停電対策および商用系統への売電のために用いられる。
より詳細には、電力供給システム401における発電装置511A,511Bは、具体的には太陽光発電装置である。発電装置511A,511Bは、たとえば、太陽光を受けると、受けた太陽光のエネルギーを直流電力に変換し、変換した直流電力を電力供給装置101へ出力する。また、発電装置511Cは、具体的には風力発電装置である。発電装置511Cは、たとえば、風の力を受ける風車から生成される運動エネルギーを直流電力に変換し、変換した直流電力を電力供給装置101へ出力する。
電力供給装置101は、たとえば、商業施設の屋上または山上等の設置スペースが限られた場所に設置される。電力供給装置101は、たとえば、発電装置511から受けた電力を変換し、変換した電力を商用電源512、負荷513および電池盤B1へ出力する。また、電力供給装置101は、たとえば、電池盤B1から受けた電力を変換し、変換した電力を商用電源512および負荷513へ出力する。
より詳細には、電力供給装置101において、回路ユニット10は、たとえば発電装置511に対応して設けられている。各回路ユニット10における制御部15は、発電装置511の発電量、商用電源512の状態、負荷513の大きさ、および電池盤B1の蓄電量等の情報を互いにやり取りしながら、当該各回路ユニット10を制御する。
具体的には、回路ユニット10A,10B,10Cは、それぞれ、制御部15A,15B,15Cによる制御に従って、発電装置511A,511B,511Cから受ける電力を変換する。また、回路ユニット10Cは、制御部15Cによる制御に従って、電池盤B1から受ける電力を変換する。回路ユニット10A,10B,10Cは、それぞれ、制御部15A,15B,15Cによる制御に従って、変換した電力を商用電源512,負荷513,電池盤B1へ出力する。
回路ユニット10におけるコンバータ回路31は、発電装置511から受ける直流電力すなわち直流電圧を昇圧し、昇圧した電圧をインバータ回路33および双方向コンバータ回路34へ出力する。
インバータ回路33は、コンバータ回路31および双方向コンバータ回路34から受けた直流電圧から交流電圧を生成し、生成した交流電圧を負荷513または商用電源512へ出力する。また、インバータ回路33は、たとえば、負荷513および商用電源512へ出力する交流電流の位相を揃える。
負荷513は、たとえば、通信機器または監視カメラであり、インバータ回路33Bから受ける交流電圧により動作する。
双方向コンバータ回路34は、たとえば、電池盤B1における蓄電池の電圧および温度を監視し、監視結果に基づいて電池盤B1における蓄電池の充放電制御を行う。
より詳細には、双方向コンバータ回路34は、コンバータ回路31から受ける直流電圧を昇圧または降圧することで、電池盤B1における蓄電池を充電する。また、双方向コンバータ回路34は、電池盤B1における蓄電池から受ける直流電圧を昇圧または降圧し、インバータ回路33へ出力する。
電池盤B1は、電力供給装置101における双方向コンバータ回路34から受ける直流電力を充電し、また、当該電池盤B1が蓄積するエネルギーを直流電力として双方向コンバータ回路34へ放電する。
[電力供給装置の構成]
図2は、本発明の実施の形態に係る電力供給装置を、その右側面側から見た斜視図である。
図2を参照して、電力供給装置101は、各部材を収容する筐体2と、図1に示す回路ユニット10に相当する回路ユニット10E,10W,10F,10Rとを備える。以下、回路ユニット10E,10W,10F,10Rの各々もまた回路ユニット10とも称する。
図3は、本発明の実施の形態に係る回路ユニットを、その内側から見た斜視図である。
図4は、図3に示す回路ユニットを、その内側から見た正面図である。
図5は、図3に示す回路ユニットの側面図である。
図3を参照して、回路ユニット10は、回路基板41と、放熱体42と、インダクタ44DC,44ACと、絶縁体45A,45Bと、制御基板47と、板部材48とを含む。図4〜図5を参照して、回路ユニット10は、通信用端子46を含む。
以下、インダクタ44DC,44ACの各々をインダクタ44とも称する。絶縁体45A,45Bの各々を絶縁体45とも称する。
再び図2を参照して、回路ユニット10F,10R,10W,10Eは、たとえば、筐体2の上下方向に並んで配置されるとともに、筐体2の水平方向に並んで配置される。そして、回路ユニット10F,10R,10W,10Eにおける放熱体42は、たとえば、筐体2の内部から外部への異なる方向を向くように設けられている。
具体的には、回路ユニット10F,10R,10W,10Eにおける放熱体42は、それぞれ筐体2の前側,後側,左側,右側を向くように設けられている。
より詳細には、筐体2は、たとえば、1または複数の回路ユニット10を収容し、具体的には、19インチラックである。筐体2は、天板21と、底板23と、前側の支柱11FW,11FEと、後側の支柱11RW,11REとを含む。以下、支柱11FW,11FE,11RW,11REの各々を支柱11とも称する。
支柱11FWは、天板21の左前側の隅に固定された第1端と、底板23の左前側の隅に固定された第2端とを有する。支柱11FEは、天板21の右前側の隅に固定された第1端と、底板23の右前側の隅に固定された第2端とを有する。支柱11REは、天板21の右後側の隅に固定された第1端と、底板23の右後側の隅に固定された第2端とを有する。支柱11RWは、天板21の左後側の隅に固定された第1端と、底板23の左後側の隅に固定された第2端とを有する。
図6は、本発明の実施の形態に係る電力供給装置における放熱体が向く方向を模式的に示す図である。
図6には、電力供給装置101を、その上側から見た場合の断面図が示される。なお、図6において、放熱体42の向きおよび筐体2の構造の理解を容易にするため、回路ユニット10の一部を図示していない。
図6を参照して、筐体2の前側において、支柱11FW,11FEの前後方向の厚み、天板21および底板23で規定される空間である側部22Fが形成される。筐体2の右側において、支柱11FE,11REの左右方向の厚み、天板21および底板23で規定される空間である側部22Eが形成される。筐体2の後側において、支柱11RE,11RWの前後方向の厚み、天板21および底板23で規定される空間である側部22Rが形成される。筐体2の左側において、支柱11RW,11FWの左右方向の厚み、天板21および底板23で規定される空間である側部22Wが形成される。以下、側部22F,22E,22R,22Wの各々を側部22とも称する。
回路ユニット10Fの放熱体42は、たとえば、側部22Fから筐体2の外部への方向に向くように設けられている。回路ユニット10Eの放熱体42は、たとえば、側部22Eから筐体2の外部への方向に向くように設けられている。回路ユニット10Rの放熱体42は、たとえば、側部22Rから筐体2の外部への方向に向くように設けられている。回路ユニット10Wの放熱体42は、たとえば、側部22Wから筐体2の外部への方向に向くように設けられている。すなわち、各回路ユニット10の放熱体42は、たとえば、筐体2の異なる側部22から筐体2の外部への方向に向くように設けられている。
また、各回路ユニット10の放熱体42は、たとえば、筐体2の略水平方向に向くように設けられている。
回路ユニット10Fの放熱体42は、たとえば、その一部または全部が側部22Fに含まれるように設けられている。回路ユニット10Eの放熱体42は、たとえば、その一部または全部が側部22Eに含まれるように設けられている。回路ユニット10Rの放熱体42は、たとえば、その一部または全部が側部22Rに含まれるように設けられている。回路ユニット10Wの放熱体42は、たとえば、その一部または全部が側部22Wに含まれるように設けられている。なお、回路ユニット10の放熱体42は、たとえば、側部22から筐体2の外部へはみ出さない。
図7は、本発明の実施の形態に係る電力供給装置における放熱体が向く方向を模式的に示す図である。
図7には、電力供給装置101を、その上側から見た場合の断面図が示される。なお、図7において、放熱体42の向きおよび筐体2の構造の理解を容易にするため、回路ユニット10の一部を図示していない。
図7を参照して、筐体2には、たとえば、その前側,右側,後側,左側に、それぞれ側板24F,24E,24R,24Wが設けられてもよい。より詳細には、筐体2には、たとえば、天板21から下方へ延びる側板24F,24E,24R,24Wが設けられる。そして、底板23は、側板24F,24E,24R,24W間に亘って延びる。以下、側板24F,24E,24R,24Wの各々を側板24とも称する。
各支柱11は、たとえば、天板21、側板24および底板23により構成されるケーシングに含まれる。
側板24F,24E,24R,24Wの電力供給装置101外部側の面は、それぞれ筐体2の側面25F,25E,25R,25Wを形成する。以下、側面25F,25E,25R,25Wの各々を側面25とも称する。
図7に示す構成の場合、回路ユニット10Fの放熱体42は、たとえば、筐体2の前側の側面25Fに対向するように設けられている。また、回路ユニット10Eの放熱体42は、たとえば、筐体2の右側の側面25Eに対向するように設けられている。また、回路ユニット10Rの放熱体42は、たとえば、筐体2の後側の側面25Rに対向するように設けられている。また、回路ユニット10Wの放熱体42は、たとえば、筐体2の左側の側面25Wに対向するように設けられている。すなわち、各回路ユニット10の放熱体42は、たとえば、筐体2の異なる側面25に対向するように設けられている。
[回路ユニットの構成]
再び図3〜図5を参照して、回路基板41は、たとえば、放熱体42に固定される。具体的には、回路基板41は、たとえば、図5に示すように、放熱体42側の主表面である外部側実装面77と、外部側実装面77の反対側の内部側実装面78とを有する。外部側実装面77および内部側実装面78の形状は、略長方形である。
放熱体42は、たとえば、電力供給装置101の完成時において筐体2の内部側を向く主表面である熱受容面75と、熱受容面75の反対側の放熱面76とを有する。熱受容面75は図3において示され、放熱面76は図2において示されている。放熱体42の熱受容面75および放熱面76の形状は、略長方形である。
回路基板41は、たとえば、図3に示すように、放熱体42の熱受容面75および当該回路基板41の外部側実装面77が略平行であり、かつ、板部材48と接触しないように、当該放熱体42の熱受容面75にスペーサ61を介してボルトにより固定される。
回路基板41における外部側実装面77には、たとえば、図5に示すように、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の冷却を要する電子部品79が固定される。また、回路基板41における内部側実装面78には、たとえば、図3に示すように、キャパシタおよびチョークコイルといった体積が大きい電子部品、および当該回路基板41を他の回路と電気的に接続するためのケーブルの端子を受けるためのコネクタ等が固定される。
また、図4に示すように、回路基板41の両実装面における領域RgCには、たとえばコンバータ回路31を構成する電子部品が主に配置される。回路基板41の両実装面における領域RgIには、たとえばインバータ回路33を構成する電子部品が主に配置される。
放熱体42は、たとえば、回路基板41と接続される。具体的には、図5に示すように、放熱体42における熱受容面75(図5では図示していない)は、回路基板41の外部側実装面77に固定された冷却を要する電子部品79と接続される。より詳細には、放熱体42における熱受容面75と回路基板41に固定された冷却を要する電子部品79とは、たとえば、熱伝導率がよく、かつ、絶縁性を有する薄い板である接続板を介して接続される、すなわち熱伝導的に接触される。
再び図2を参照して、放熱体42における放熱面76には、筐体2の上下方向に沿って一の方向に延伸するように突設された複数のフィン43が形成される。放熱体42は、放熱面76および複数のフィン43により、回路基板41において発生した熱を放熱する。
この際、複数のフィン43間における空気が温められる。温められた空気は、複数のフィン43間から電力供給装置101の上方へ移動する。そして、複数のフィン43間には、電力供給装置101の下方から新たな空気が入り込む。すなわち、冷却のための空気の流路の方向が電力供給装置101の下側から上側への方向となる。
具体的には、回路ユニット10Eにおける放熱体42を冷却する空気は、たとえば、筐体2における側部22Eの下側から側部22Eの上側への流路81Eを流れる。回路ユニット10Fにおける放熱体42を冷却する空気は、たとえば、筐体2における側部22Fの下側から側部22Fの上側への流路81Fを流れる。以下では一部図示していないが、回路ユニット10Wにおける放熱体42を冷却する空気は、たとえば、筐体2における側部22Wの下側から側部22Wの上側への流路81Wを流れる。回路ユニット10Rにおける放熱体42を冷却する空気は、たとえば、筐体2における側部22Rの下側から側部22Wの上側への流路81Rを流れる。
ここで、複数のフィン43間に新たに進入する空気の温度が低いほど放熱効果は高い。電力供給装置101では、回路ユニット10における放熱体42の上下方向には、他の回路ユニット10における放熱体42が配置されていない。
このような構成により、回路ユニット10における放熱体42において温められた空気が、他の回路ユニット10の放熱体42における複数のフィン43間へ進入することを抑制することができる。これにより、各回路ユニット10では、当該各回路ユニット10において発生した熱を効率よく放熱することができる。
また、電力供給装置101では、自然空冷により放熱体42を冷却するので、たとえば電動ファンを用いて放熱体42を冷却する場合と比べて、電力供給装置101における消費電力を節減することができる。
再び図3〜図5を参照して、板部材48は、たとえば、長方形の主表面を有する板状部材において、当該長方形の短辺と略平行な谷線に沿って当該板状部材をL字状に折り曲げることにより形成される。板部材48は、主内部側面71と、副内部側面73と、主外部側面72と、副外部側面74とを有する。
主内部側面71および副内部側面73は、電力供給装置101の完成時において、筐体2の内部側へ向く面である。主外部側面72および副外部側面74は、電力供給装置101の完成時において、筐体2の外部側へ向く面である。
主内部側面71および副内部側面73は、板部材48におけるL字の谷側の面であり、上記谷線を介して連続している。また、主内部側面71および副内部側面73の形状は、略長方形である。主内部側面71の短辺のうちの1辺および副内部側面73の長辺のうちの1辺は、上記谷線に相当する。
主外部側面72および副外部側面74は、板部材48において、それぞれ主内部側面71および副内部側面73の反対側の面である。また、主外部側面72および副外部側面74の形状は、略長方形である。主外部側面72の短辺のうちの1辺および副外部側面74の長辺のうちの1辺は、上記谷線に対応する山線に相当する。
主内部側面71および主外部側面72の長辺側の端部には、係合部63が設けられている。板部材48は、たとえば、係合部63がボルトおよびナットにより支柱11と係合することにより、筐体2に固定される。
板部材48は、たとえば、貫通穴62を有する。より詳細には、貫通穴62は、たとえば、各板部材48間で共通の位置に形成され、かつ共通の形状および大きさを有する。
具体的には、貫通穴62は、略長方形の断面を有し、主内部側面71および主外部側面72に亘って貫通している。貫通穴62の断面は、たとえば、図4に示すように、放熱体42の熱受容面75および回路基板41の内部側実装面78より一回り大きい。
放熱体42は、たとえば、絶縁体45A,45Bを介して板部材48に固定される。また、たとえば、各板部材48における放熱体42の配置は共通である。より詳細には、放熱体42は、たとえば、各板部材48間で共通の位置および共通の向きで設けられている。
具体的には、絶縁体45A,45Bは、たとえば、アクリル板である。絶縁体45A,45Bの厚さは、たとえば、放熱体42における熱受容面75と回路基板41に固定された冷却を要する電子部品79とを接続する接続板の厚さより厚い。絶縁体45Aおよび45Bは、たとえば、板部材48の主内部側面71における、貫通穴62の近傍であって電力供給装置101の完成時における貫通穴62の水平方向の両側にボルトおよびナットによりそれぞれ固定される。
放熱体42は、たとえば、当該放熱体42の熱受容面75および主内部側面71が略平行であり、かつ、板部材48と接触しないように、ボルトおよびナットにより絶縁体45A,45Bに固定される。この際、放熱体42は、たとえば、当該放熱体42の熱受容面75が筐体2の内部側へ向くように板部材48に固定される。
したがって、板部材48に固定された放熱体42の放熱面76は、電力供給装置101の完成時において筐体2の外部へ向く。また、放熱体42に固定された回路基板41の内部側実装面78は、電力供給装置101の完成時において筐体2の内部へ向く。
また、放熱体42は、たとえば、図4に示すように、主内部側面71に対して垂直方向から見た場合、当該放熱体42および当該放熱体42に固定される回路基板41が貫通穴62に含まれるように、絶縁体45A,45Bに固定される。また、放熱体42は、たとえば、放熱体42におけるフィン43の少なくとも一部が主外部側面72より筐体2の外部側へ突出するように絶縁体45A,45Bに固定される。
上述したように、放熱体42における熱受容面75と回路基板41に固定された冷却を要する電子部品79とは、接続板を介して接続される。したがって、回路基板41において流れる電流、具体的には高周波電流の一部が当該接続板を介して漏えい電流として放熱体42へ流れる場合がある。
そこで、電力供給装置101では、放熱体42は、絶縁体45を介して板部材48に固定される。これにより、回路基板41から放熱体42を経由して板部材48へ流れる漏えい電流の大きさを小さくすることができる。
制御基板47は、たとえば、板部材48における副内部側面73に固定される。より詳細には、制御基板47は、たとえば、図3に示すように、副内部側面73と接触しないようにスペーサ等を介して当該副内部側面73に固定される。制御基板47には、たとえば、回路ユニット10を制御するための制御部15に相当するマイコン、および当該制御基板47を他の回路と電気的に接続するためのケーブルの端子を受けるためのコネクタ等が固定される。
通信用端子46は、たとえば、図5に示すように、板部材48における副外部側面74に固定される。回路ユニット10における通信用端子46は、他の回路ユニット10における通信用端子46等と通信用ケーブルにより接続される。回路ユニット10における制御基板47に固定されるマイコンは、通信用端子46を介して他の回路ユニット10と情報のやり取りを行う。
インダクタ44は、たとえば、回路基板41に電気的に接続される。具体的には、インダクタ44DCは、たとえば、図4に示すように、回路基板41の両実装面における領域RgCに主に配置されるコンバータ回路31に電気的に接続され、発電装置511から受ける直流電圧の昇圧に用いられる。インダクタ44ACは、たとえば、回路基板41の両実装面における領域RgIに主に配置されるインバータ回路33に電気的に接続され、当該インバータ回路33が生成する交流電圧の平滑化に用いられる。
たとえば、各板部材48におけるインダクタ44の配置は共通である。より詳細には、インダクタ44は、たとえば、複数の板部材48において、当該複数の板部材48に対して共通の位置および共通の向きで設けられている。
このような構成により、回路ユニット10ごとにインダクタ44の方向およびインダクタ44の種類を変更する必要がないので、インダクタ44を板部材48に組み付ける際に、インダクタ44を組み付ける方向、および組み付けるインダクタ44の種類を誤ってしまうことを回避することができる。
具体的には、インダクタ44DCは、たとえば、図4に示すように、板部材48において、貫通穴62に対して当該板部材48の端部側に配置され、かつ当該インダクタ44DCの巻方向が主内部側面71の短辺に対して直交する面と略平行な面に沿うように配置される。インダクタ44ACは、たとえば、板部材48において、貫通穴62に対して当該板部材48の端部側に配置され、かつ当該インダクタ44ACの巻方向が主内部側面71の短辺に対して直交する面と略平行な面に沿うように配置される。
このようなインダクタ44DC,44ACの配置により、インダクタ44DC,44ACおよび制御基板47を離して配置することができるので、制御基板47において、インダクタ44DC,44ACにより生成される磁場の影響を抑制することができる。
なお、インダクタ44DC,44ACは、たとえば、板部材48における主外部側面72に配置されてもよい。また、インダクタ44DC,44ACは、たとえば、板部材48において、当該インダクタ44DC,44ACの巻方向が主内部側面71の長辺を含む面と略平行な面に沿うように配置されてもよい。
また、回路基板41の両実装面において、領域RgCにはコンバータ回路31を構成する電子部品が主に配置され、また、領域RgIにはインバータ回路33を構成する電子部品が主に配置される構成であるとしたが、これに限定するものではない。1つの回路基板41では、たとえば、コンバータ回路31、インバータ回路33および双方向コンバータ回路34のうち少なくとも1つの回路を構成する電子部品が配置される構成であればよい。
また、回路ユニット10ごとに、回路基板41における回路構成が異なっていてもよい。また、コンバータ回路31、インバータ回路33または双方向コンバータ回路34を構成する電子部品が2以上の回路基板41に亘って配置されてもよい。
[回路ユニットの結合]
図8は、本発明の実施の形態に係る電力供給装置において水平方向に並べられた回路ユニットを、その右側面側から見た斜視図である。
図8には、図2に示す回路ユニット10W,10Eを筐体2からそのまま取り外した状態が示される。
図8を参照して、回路ユニット10Eは、たとえば、回路ユニット10Wと対称となるように筐体2に固定される。回路ユニット10Eは、たとえば、回路ユニット10Wと筐体2の水平方向について対称となるように筐体2に固定される。より詳細には、回路ユニット10E,10Wにおいて、回路ユニット10Wの副外部側面74および回路ユニット10Eの副外部側面74とで形成される面の中心を通り、かつ当該面に垂直な軸が対称軸すなわち2回軸となる。
再び図2を参照して、同様に、回路ユニット10Fは、たとえば、回路ユニット10Rと対称となるように筐体2に固定される。回路ユニット10Fは、たとえば、回路ユニット10Rと筐体2の水平方向について対称となるように筐体2に固定される。より詳細には、回路ユニット10F,10Rにおいて、回路ユニット10Fの副外部側面74および回路ユニット10Rの副外部側面74とで形成される面の中心を通り、かつ当該面に垂直な軸が対称軸すなわち2回軸となる。
具体的には、回路ユニット10Wは、放熱体42が電力供給装置101の左側を向き、かつ副外部側面74が電力供給装置101の前側を向くように、板部材48における係合部63を介して支柱11FW,11RWに固定される。回路ユニット10Eは、放熱体42が電力供給装置101の右側を向き、かつ副外部側面74が電力供給装置101の前側を向くように、板部材48における係合部63を介して支柱11FE,11REに固定される。
回路ユニット10Fは、放熱体42が電力供給装置101の前側を向き、かつ副外部側面74が電力供給装置101の右側を向くように、板部材48における係合部63を介して支柱11FW,11FEに固定される。回路ユニット10Rは、放熱体42が電力供給装置101の後側を向き、かつ副外部側面74が電力供給装置101の右側を向くように、板部材48における係合部63を介して支柱11RE,11RWに固定される。
回路ユニット10W,10Eは、回路ユニット10F,10Rの上側に配置される。なお、回路ユニット10W,10Eは、回路ユニット10F,10Rの下側に配置されてもよい。
再び図8を参照して、亘り板51WEおよび補強板52WEは、たとえば、回路ユニット10Wにおける板部材48と回路ユニット10Eにおける板部材48との間に亘ってそれぞれ固定される。これにより、回路ユニット10W,10Eの結合の強度を高めることができる。また、亘り板51WEおよび補強板52WEをケーブルの支持具として用いることができる。
また、図示していないが、回路ユニット10W,10Eと同様に、回路ユニット10F,10Rにおいても亘り板51FRおよび補強板52FRが、回路ユニット10F,10R間に亘って固定される。
また、回路ユニット10W,10Eにおける回路基板41は、図8に示すように、筐体2において互いに対向する。同様に、回路ユニット10F,10Rにおける回路基板41は、図示していないが筐体2において互いに対向する。
上記のような構成では、筐体2に固定される2個の回路ユニット10における回路基板41および制御基板47が水平方向について対称に配置されるので、たとえば基板間を接続するケーブルを水平方向について対称に配線することができる。
これにより、基板間を接続するケーブルの配線を簡易にすることができるので、基板間を接続するケーブルを効率よく配線することができる。また、当該2個の回路ユニット10間における空間が広くなるので、当該2個の回路ユニット10間のケーブルの配線作業を効率よく行うことができる。
また、当該2個の回路ユニット10において、各制御基板47間の距離を短くすることができるので、各制御基板47間の電気的な接続を効率よく行うことができる。
また、図8に示すように、回路ユニット10Wにおいて、インダクタ44DCの下側にインダクタ44ACが配置される一方、回路ユニット10Eにおいて、インダクタ44ACの下側にインダクタ44DCが配置される。
また、図2に示すように、回路ユニット10Fにおいて、インダクタ44DCの下側にインダクタ44ACが配置される一方、図示していないが、回路ユニット10Rにおいて、インダクタ44ACの下側にインダクタ44DCが配置される。
上記配置では、回路ユニット10W,10Fにおけるインダクタ44の上下関係と,回路ユニット10E,10Rにおけるインダクタ44の上下関係とがそれぞれ反対になるので、回路ユニット10W,10Fにおけるインダクタ44の巻線に流れる電流の向きと、回路ユニット10E,10Rにおけるインダクタ44の巻線に流れる電流の向きとがそれぞれ反対になる。
図9は、本発明の実施の形態に係る電力供給装置において水平方向に並べられた回路ユニットの図8におけるIX−IX線に沿う断面を示す断面図である。
図9には、回路ユニット10W,10Eにおけるインダクタ44が生成する磁場が代表的に示される。回路ユニット10F,10Rにおけるインダクタ44が生成する磁場についても、回路ユニット10W,10Eにおけるインダクタ44が生成する磁場と同様である。
図9を参照して、回路ユニット10Wにおけるインダクタ44AC,44DCにおいて、たとえば、筐体2を上側から下側への方向に見た場合に時計回りの電流が流れるとき、回路ユニット10Wにおけるインダクタ44AC,44DCは、それぞれインダクタ44AC,44DCにおける巻線の内側において筐体2の上側から下側へ向かう磁場を生成する。したがって、回路ユニット10Wにおけるインダクタ44AC,44DCは、それぞれインダクタ44AC,44DCにおける巻線の外側において筐体2の下側から上側へ向かう磁場を生成する。
一方、回路ユニット10Eは、回路ユニット10Wと水平方向について対称に配置されるので、回路ユニット10Eにおけるインダクタ44AC,44DCの巻線に流れる電流の向きは、回路ユニット10Wにおけるインダクタ44AC,44DCの巻線に流れる電流の向きと反対になる。これにより、回路ユニット10Eにおけるインダクタ44AC,44DCは、以下の磁場を生成する。
すなわち、回路ユニット10Eにおけるインダクタ44AC,44DCでは、筐体2を上側から下側への方向に見た場合に反時計回りの電流が流れるので、回路ユニット10Eにおけるインダクタ44AC,44DCは、それぞれインダクタ44AC,44DCにおける巻線の内側において筐体2の下側から上側へ向かう磁場を生成する。したがって、回路ユニット10Eにおけるインダクタ44AC,44DCは、それぞれインダクタ44AC,44DCにおける巻線の外側において筐体2の上側から下側へ向かう磁場を生成する。
このため、回路ユニット10Wにおけるインダクタ44DCにより生成される磁場の方向および回路ユニット10Eにおけるインダクタ44ACにより生成される磁場の方向は、当該インダクタ44DCの巻線と当該インダクタ44ACの巻線との間において互いに反対であるので、上記2つの巻線間における磁場を弱めることができる。
同様に、回路ユニット10Wにおけるインダクタ44ACにより生成される磁場の方向および回路ユニット10Eにおけるインダクタ44DCにより生成される磁場の方向は、当該インダクタ44ACの巻線と当該インダクタ44DCの巻線との間において互いに反対であるので、上記2つの巻線間における磁場を弱めることができる。
なお、図8に示すように、水平方向に並んで配置される2つの回路ユニット10の放熱体42が反対向きとなる構成でなくても、上記2つの回路ユニット10のインダクタ44の巻線における電流の流れ方向が互いに反対になる構成であれば、2つの巻線間における磁場を弱めることができる。
磁場を弱めあう効果は、回路ユニット10Wにおける主外部側面72および回路ユニット10Eにおける主外部側面72の中間に位置する面である中間面80において高くなる。
したがって、中間面80の近傍では、回路ユニット10W,10Eのインダクタ44DC,44ACにより生成される磁場を小さくすることができるので、中間面80の近傍にケーブルを配線しても、当該ケーブルにおいて当該磁場により生成される誘導ノイズを小さくすることができる。
これにより、電力供給装置101において、誘導ノイズの影響をあまり受けることなく中間面80の近傍にケーブルを配線することができるので、電力供給装置101におけるケーブルの配線の自由度を高めることができる。
なお、本発明の実施の形態に係る電力供給装置101では、たとえば図2に示すように、回路ユニット10W,10E,10F,10Rが筐体2に固定される構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、2個以上の回路ユニット10が筐体2に固定されていればよい。
たとえば、2個の回路ユニット10が筐体2に固定される場合、当該2個の回路ユニット10における放熱体42が、筐体2の内部から外部への異なる方向を向くように設けられていれば、当該2個の回路ユニット10が筐体2の上下方向に並んで配置されてもよいし、当該2個の回路ユニット10が筐体2の水平方向に並んで配置されてもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置101では、筐体2において、回路ユニット10W,10Eと回路ユニット10F,10Rとが上下方向に2段に並んで配置される構成であるとしたが、これに限定するものではない。筐体2において、たとえば回路ユニット10が上下方向に3段以上に並んで配置されてもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置101では、筐体2において、回路ユニット10W,10E、ならびに回路ユニット10F,10Rが水平方向に2個並んで配置されたが、これに限定するものではない。筐体2において、たとえば回路ユニット10が水平方向に3個以上並んで配置されてもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置101では、筐体2において、水平方向に2個並んで配置される回路ユニット10は、各放熱体42が互いに反対方向を向き、かつ各副外部側面74が同じ方向を向くように配置されたが、これに限定するものではない。水平方向に2個並んで配置される回路ユニット10は、各放熱体42が互いに反対方向を向き、かつ各副外部側面74が互いに反対方向を向くように配置してもよい。
具体的には、水平方向に2個並んで配置される回路ユニット10において、たとえば、一方の回路ユニット10における放熱体42および副外部側面74がそれぞれ左側および前側を向くとき、他方の回路ユニット10における放熱体42および副外部側面74がそれぞれ右側および後側を向く。これにより、2個の回路ユニット10を図2に示すように配置する場合と比べて、2個の回路ユニット10を水平方向にコンパクトに配置することができる。
[筐体に他の装置が配置されている場合における電力供給装置の構成]
図10は、本発明の実施の形態に係る電力供給装置を、その右側面側から見た斜視図である。
図10には、図2に示す電力供給装置101と比べて、回路ユニット10F,10Rを配置しない場合の電力供給装置101が示される。また、図10には、負荷513を含む電力供給装置101が示される。
図10を参照して、たとえば、電力供給装置101が商業施設の屋上または山上等の設置スペースが限られた場所に設置される場合、電力供給装置101における筐体2には、スペースを有効に活用するために、回路ユニット10W,10Eとともに通信機器等の他の装置201A,201B、すなわち負荷513が配置される場合がある。以下、他の装置201A,201Bの各々を他の装置201とも称する。
たとえば、19インチラックに配置される他の装置201は、当該他の装置201の冷却に用いる空気を電力供給装置101の前側から吸気し、温度が高くなった冷却後の空気を電力供給装置101の後側から排気する場合が多い。
より詳細には、他の装置201を冷却する空気は、たとえば、図10に示すように、電力供給装置101の前側から他の装置201へ入る流路82Fを流れる。そして、他の装置201に含まれる部品を冷却して温度が高くなった空気は、他の装置201の後側から筐体2における側部22Rの上側への流路82Rを流れる。
これに対して、回路ユニット10W,10Eにおける放熱体42は、他の装置201を冷却した後の空気の流路82R上に設けられない。
このような構成により、回路ユニット10W,10Eが配置される筐体2に他の装置201が配置される場合であっても、他の装置201を冷却した後の高温の空気が回路ユニット10W,10Eにおける放熱体42に当たることを避けることができる。
これにより、回路ユニット10W,10Eには、温度が低い空気を当てることができるので、回路ユニット10W,10Eにおける放熱体42の冷却効率の低下を抑制することができる。
ところで、特許文献1に記載の蓄電システムでは、たとえば、電池モジュールおよび制御部にヒートシンクが取り付けられている場合において、収納ケースの下の方に配置される電池モジュールは良好に冷却される一方、収納ケースの上の方に配置される制御部の冷却が不十分になる場合がある。
また、上記蓄電システムにおいて、新たに回路基板を収納ケースに配置する場合、新たな回路基板を冷却することが考慮されていない。このため、電源機能を拡張するために新たな回路基板を配置する場合において、たとえば、電池モジュールの代わりに新たな回路基板を収納ケースに配置しても、新たな回路基板を良好に冷却することが困難である。
これに対して、本発明の実施の形態に係る電力供給装置は、回路基板41と、回路基板41において発生する熱を放熱するための放熱体42と、回路基板41および放熱体42を収容するための筐体2とを備える。電力供給装置101は、回路基板41および放熱体42を含む回路ユニット10を複数備える。各回路ユニット10は、筐体2の上下方向に並んで配置される。各回路ユニット10の放熱体42は、筐体2の内部から外部への異なる方向を向くように設けられている。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置は、回路基板41と、回路基板41において発生する熱を放熱するための放熱体42と、回路基板41および放熱体42を収容するための筐体2とを備える。電力供給装置101は、回路基板41および放熱体42を含む回路ユニット10を複数備える。各回路ユニット10は、筐体2の水平方向に並んで配置される。各回路ユニット10の放熱体42は、筐体2の内部から外部への異なる方向を向くように設けられている。
このような構成により、回路ユニット10の放熱体42において温められた空気が上昇し、当該温められた空気が他の回路ユニット10の放熱体42に当たる可能性を低くすることができる。
これにより、当該他の回路ユニット10の放熱体42の放熱量の低下を抑制することができるので、回路基板41において発生する熱を良好に放熱し、電力供給装置101における冷却性能を向上させることができる。
また、たとえば、電源機能を拡張するために電力供給装置101に新たな回路基板41を配置する場合においても、新たな回路基板41において発生する熱を放熱するための放熱体42を、他の回路ユニット10の放熱体42が向く方向と異なる方向へ設けることにより、新たな回路基板41において発生する熱を良好に放熱し、電力供給装置101における冷却性能を向上させることができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置では、複数の板部材48は、回路ユニット10に対応して設けられ、対応の回路ユニット10の放熱体42が固定され、筐体2に固定される。そして、各板部材48における放熱体42の配置は共通である。
このような構成により、板部材48および放熱体42の仕様を統一することができるので、板部材48および放熱体42の設計コストおよび製造コストを減少させることができる。
また、板部材48および放熱体42の仕様が統一されることにより、電力供給システム401における発電装置511、負荷513、電池盤B1および商用電源512の構成の変更に対しても、筐体2に固定する回路ユニット10の個数を増減させることで容易に対応することができる。すなわち、ユニット化された回路ユニット10を用いて、小ロットかつ多品種の電力供給装置101を低コストかつ短納期で、実現することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置では、回路基板41は、放熱体42に固定される。
このような構成により、たとえば、回路基板41に配置される回路の仕様が変更になる場合においても、軽くて小さい放熱体42および回路基板41の仕様変更を行うことにより対応することができるので、重くて大きい板部材48については仕様変更を行うことなくそのまま使用することができる。
これにより、電力供給システム401における発電装置511、負荷513、電池盤B1および商用電源512の電気的な接続の変更に対しても容易に対応することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置では、回路ユニット10は、筐体2の上下方向に並んで配置されるとともに、筐体2の水平方向に並んで配置される。回路ユニット10において放熱体42および回路基板41は接続されている。放熱体42において、回路基板41と接続されている面の反対側の放熱面76が筐体2の外部へ向いており、かつ、回路基板41において、放熱体42と接続されている面の反対側の主内部側面71が筐体2の内部へ向いている。
このような構成により、筐体2の水平方向に並んで配置される回路ユニット10において、回路基板41間を接続するケーブルの配線を簡易にすることができるので、当該ケーブルを効率よく配線することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置では、複数の板部材48は、回路ユニット10に対応して設けられ、対応の回路ユニット10の放熱体42が固定され、筐体2に固定される。回路ユニット10において放熱体42および回路基板41は接続される。放熱体42は、絶縁体45を介して板部材48に固定される。
このような構成により、回路基板41から放熱体42を経由して板部材48へ流れる漏えい電流を低減することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置では、複数の板部材48は、回路ユニット10に対応して設けられ、対応の回路ユニット10の放熱体42が固定され、筐体2に固定される。複数のインダクタ44は、回路ユニット10に対応して設けられ、対応の回路ユニット10の回路基板41に電気的に接続される。各板部材48に対するインダクタ44の配置は共通である。回路ユニット10は、筐体2の上下方向に並んで配置されるとともに、筐体2の水平方向に並んで配置される。そして、水平方向に並んで配置される2つの回路ユニット10に対応する板部材48は、2つの回路ユニット10に対応するインダクタ44の巻線における電流の流れ方向が互いに反対になるように、筐体2に固定される。
このような構成により、一方の回路ユニット10におけるインダクタ44により生成される磁場の方向、および他方の回路ユニット10におけるインダクタ44により生成される磁場の方向は、2つのインダクタ44間において互い反対であるので、2つのインダクタ44間における磁場を弱めることができる。
これにより、上記2つのインダクタ44間にケーブルを配線する場合においても、当該ケーブルにおいて、上記2つのインダクタ44により生成される磁場により発生する誘導ノイズを小さくすることができる。
また、回路ユニット10ごとにインダクタ44の方向およびインダクタ44の種類を変更する必要がないので、インダクタ44を板部材48に組み付ける際に、インダクタ44を組み付ける方向、および組み付けるインダクタ44の種類を誤ってしまうことを回避することができる。
また、磁場を弱めあう効果は、上記2つのインダクタ44を含む平面に直交する面であって、上記2つのインダクタ44の中間に位置する面である中間面80において高くなる。言い換えると、磁場を弱めあう効果は、上記2つのインダクタ44がそれぞれ配置される各板部材48における主外部側面72の中間に位置する中間面80において高くなる。
したがって、中間面80の近傍では、2つの回路ユニット10のインダクタ44により生成される磁場をより小さくすることができるので、中間面80の近傍にケーブルを配線しても、当該ケーブルにおいて当該磁場により生成される誘導ノイズをより小さくすることができる。
これにより、電力供給装置101において、誘導ノイズの影響をあまり受けることなく中間面80の近傍にケーブルを配線することができるので、電力供給装置101におけるケーブルの配線の自由度を高めることができる。
なお、本発明の実施の形態に係る電力供給装置では、筐体2に配置される各回路ユニット10の全部の放熱体42が、筐体2の内部から外部への異なる方向を向くように設けられている構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、複数の回路ユニット10が筐体2の上下方向に並んで配置される場合、各回路ユニット10の一部の放熱体42が、筐体2の内部から外部への異なる方向を向くように設けられている構成であってもよい。
具体的には、筐体2において、たとえば、6個の回路ユニット10が上下方向に2個ずつ3段に並んで配置される場合において、最下段における回路ユニット10の放熱体42が筐体2の前側,後側を向くように設けられているとき、中段および最上段における回路ユニット10の放熱体42は、それぞれ筐体2の右側,左側および前側,後側を向くように設けられる。
上記の場合、最下段および最上段における回路ユニット10の放熱体42が筐体2の内部から外部への同じ方向を向くように設けられるが、最下段および最上段は隣接していないので、最下段における回路ユニット10の放熱体42により温められた空気が最上段における回路ユニット10の放熱体42に当たる量を減らすことができる。
これにより、最上段の回路ユニット10における放熱体42の放熱量の低下を抑制することができるので、回路基板41において発生する熱を良好に放熱し、電力供給装置101における冷却性能を向上させることができる。
すなわち、複数の回路ユニット10が筐体2の上下方向に並んで配置される場合において、隣接する段における各回路ユニット10の放熱体42が筐体2の内部から外部への異なる方向を向くように設けられることにより、各回路ユニット10における放熱体42の放熱量の低下を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置では、筐体2の水平方向に並んで配置された各回路ユニット10における回路基板41が対向する配置となる構成であるとしたが、これに限定するものではない。筐体2の水平方向に並んで配置される各回路ユニット10において、たとえば、放熱体42および回路基板41が接続されており、放熱体42における放熱面76が外部へ向いており、かつ、回路基板41における内部側実装面78が内部へ向いている構成であればよい。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置では、インダクタ44は、板部材48に配置される構成であるとしたが、これに限定するものではない。インダクタ44は、たとえば、回路基板41上に配置される構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置では、水平方向に並んで配置される2つの回路ユニット10の放熱体42が反対向きとなる構成であるとしたが、これに限定するものではない。水平方向に並んで配置される2つの回路ユニット10の放熱体42は、たとえば、反対向きとならない構成であってもよく、筐体2の内部から外部への異なる方向を向くように設けられていればよい。
また、本発明の実施の形態に係る電力供給装置では、発電装置511および電池盤B1から電力を受ける構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、発電装置511および電池盤B1の少なくとも一方が電力供給装置101に含まれる構成であってもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。