JP2015005692A - リニアソレノイド - Google Patents
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Abstract
Description
従来技術におけるリニアソレノイドの一例として、電磁弁に用いられるリニアソレノイドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来技術のリニアソレノイドは、
・軸方向へ摺動自在に支持されるムービングコアと、
・このムービングコアの周囲において筒状に巻回される励磁コイルと、
・この励磁コイルの発生磁力によりムービングコアを磁気吸引する磁気吸引コアと、
を用いて構成されている。
上記リニアソレノイドの作動を説明する。
励磁コイルが通電されると、磁気吸引コアがムービングコアを磁気吸引する。
すると、可動部材(ムービングコアや、ムービングコアにより駆動されるバルブ等)が固定部材(ストッパや、バルブシート等)に衝突した際に衝突音(「カチッ」などの作動音)が発生する。
この衝突音が「気になる人」や「不快に感じる人」が存在する。このため、リニアソレノイドの作動に伴う衝突音を低減させる要求がある。
このように、逆起電力(α、β)を任意に操作することで、ムービングコア(1)の移動速度を制御することができ、リニアソレノイドの作動に伴う衝突音を抑えることが可能になる。
なお、以下の実施例は、具体的な一例を示すものであって、本発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。
電磁弁の用途も限定するものではないが、具体的な一例として自動車に搭載される蒸発燃料処理装置または蒸発燃料蒸散防止装置に用いられる「通路の開閉または切替え」を実施するものである。
なお、以下では、図1(a)の左側を「左」、図1(a)の右側を「右」と称して説明するが、この左右方向は実施例説明のための方向であり、実際の搭載方向を限定するものではない。
・軸方向へ摺動自在に支持されるムービングコア1と、
・このムービングコア1の周囲に筒状に巻回される励磁コイル(メインコイル)2と、
・この励磁コイル2の発生磁力によりムービングコア1を磁気吸引する磁気吸引コア3を有するステータコア4と、
・励磁コイル2の外側で磁路を形成するヨーク5と、
・ムービングコア1と軸方向に交差する位置に配置されるダミーコイル6と、
を備えて構成される。
具体的に励磁コイル2が巻回されたボビン8は、ステータコア4に外嵌されるものであり、励磁コイル2が通電されてムービングコア1が停止位置から左方へ移動することで、励磁コイル2に対するムービングコア1の侵入量が増加する。
なお、磁気受渡コア10には、外径方向に広がるフランジが設けられおり、このフランジがヨーク5と磁気的に結合される。
具体的な一例として、ダミーコイル6は、絶縁被覆が施された導線(エナメル線等)を励磁コイル2の周囲等に局部的に所定回数巻回したものであり、ダミーコイル6の両端は抵抗体11を介してショートされている。即ち、ダミーコイル6の抵抗値は、抵抗体11を用いて設定されている。
図2を参照して、ダミーコイル6を用いない場合におけるムービングコア1の動きを説明図する。なお、図中、ダミーコイル6を用いない場合におけるムービングコア1のストローク量を実線A0、励磁コイル2の電流値を実線B0に示す。
(2)ムービングコア1が素早く移動することで、図2(b)に示すように励磁コイル2に逆起電力αが発生する。すると、ムービングコア1の移動を妨げる方向に励磁コイル2が磁力(反発磁界)を発生する。その結果、ムービングコア1の移動速度が遅くなる。
(3)ムービングコア1の移動速度が低下したことで、図2(c)に示すように励磁コイル2に生じていた逆起電力αが減少し、ムービングコア1の移動速度が再び上昇する。
次に、図1を参照して、ダミーコイル6を追加した場合におけるムービングコア1の動きを説明する。なお、図中、励磁コイル2の軸方向の略中央部にダミーコイル6を配置した場合におけるムービングコア1のストローク量を破線A1、ダミーコイル6の電流値を破線C1に示す。
(2’)ムービングコア1が素早く移動することで、上記(2)と同様、励磁コイル2に逆起電力αが発生し、励磁コイル2が反発磁界を発生して、ムービングコア1の移動速度が遅くなる。
(3’)ムービングコア1の移動速度が低下したことで、励磁コイル2に生じていた逆起電力αが減少するが、続いてダミーコイル6に逆起電力βが発生する。すると、ムービングコア1の移動を妨げる方向にダミーコイル6が磁力(反発磁界)を発生し、ムービングコア1の移動速度を遅くする。
続いて、ダミーコイル6の軸方向の配置位置によってムービングコア1の移動速度を制御する例を、図3を参照して説明する。
(i)ダミーコイル6を励磁コイル2の略中央に配置した場合におけるムービングコア1のストローク量を破線A1、ダミーコイル6の電流値を破線C1に示し、
(ii)ダミーコイル6を励磁コイル2の左側に配置した場合におけるムービングコア1のストローク量を一点鎖線A2、ダミーコイル6の電流値を一点鎖線C2に示し、
(iii)ダミーコイル6を励磁コイル2の右側に配置した場合におけるムービングコア1のストローク量を二点鎖線A3、ダミーコイル6の電流値を二点鎖線C3に示す。
励磁コイル2の略中央部にダミーコイル6を配置する場合は、上記「ダミーコイル6を用いる場合の作動例」と同じである。
励磁コイル2の左側にダミーコイル6を配置する場合は、上記「ダミーコイル6を用いる場合の作動例(中央配置例)」よりもムービングコア1がストッパ12に近づいてからダミーコイル6に逆起電力βが発生する。このため、ムービングコア1がストッパ12に近づいてからムービングコア1の移動速度を遅くすることができる。
励磁コイル2の右側にダミーコイル6を配置する場合は、上記「ダミーコイル6を用いる場合の作動例(中央配置例)」よりもムービングコア1の移動開始初期においてダミーコイル6に逆起電力βが発生する。このため、ムービングコア1の移動開始初期におけるムービングコア1の移動速度を遅くすることができる。
次に、ダミーコイル6の巻数の違いによってムービングコア1の移動速度を制御する例を、図4を参照して説明する。
ダミーコイル6の巻数を増やすほど、ダミーコイル6に生じる逆起電力βが大きくなる。このため、図4(a)の実線X1に示すように、ダミーコイル6の巻数を増やすほど、ダミーコイル6が発生する反発磁界の強度を大きくすることができ、図4(b)の実線Y1に示すように、ダミーコイル6の巻数を増やすほど、ムービングコア1がストッパ12に衝突する際の衝突音を小さくすることができる。
次に、抵抗体11の抵抗値の違いによってムービングコア1の移動速度を制御する例を、図5を参照して説明する。
抵抗値を大きくするほど、ダミーコイル6に生じる逆起電力βが抑えられる。このため、図5(a)の実線X2に示すように、抵抗体11の抵抗値を小さくするほど、ダミーコイル6が発生する反発磁界の強度を大きくすることができ、図5(b)の実線Y2に示すように、抵抗体11の抵抗値を小さくするほど、ムービングコア1がストッパ12に衝突する際の衝突音を小さくすることができる。
次に、励磁コイル2の巻数の違いによって励磁コイル2に生じる逆起電力αの発生量を制御する例を、図6を参照して説明する。
励磁コイル2の巻数によって励磁コイル2に発生する逆起電力αを制御することで、ムービングコア1の移動速度を制御する。
このように、励磁コイル2の巻数を変えることで、励磁コイル2の生じる逆起電力αの発生量を任意に制御することができ、結果的にムービングコア1の移動速度を制御することができる。
次に、励磁コイル2の巻き方の違いによって励磁コイル2に生じる逆起電力αの発生量を制御する例を、図7を参照して説明する。
励磁コイル2の巻回量を軸方向で変化させることで、ムービングコア1の移動速度を制御する。
2 励磁コイル
3 磁気吸引コア
6 ダミーコイル
Claims (6)
- 軸方向へ摺動自在に支持されるムービングコア(1)と、
このムービングコア(1)の周囲において筒状に巻回される励磁コイル(2)と、
この励磁コイル(2)の発生磁力により前記ムービングコア(1)を磁気吸引する磁気吸引コア(3)と、
前記励磁コイル(2)とは別に設けられ、前記ムービングコア(1)が前記磁気吸引コア(3)に向かって移動する際に前記ムービングコア(1)と軸方向に交差するダミーコイル(6)と、
を備えるリニアソレノイド。 - 請求項1に記載のリニアソレノイドにおいて、
前記ダミーコイル(6)の軸方向の配置位置によって前記ムービングコア(1)の移動速度を制御することを特徴とするリニアソレノイド。 - 請求項1または請求項2に記載のリニアソレノイドにおいて、
前記ダミーコイル(6)の巻数によって前記ムービングコア(1)の移動速度を制御することを特徴とするリニアソレノイド。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のリニアソレノイドにおいて、
前記ダミーコイル(6)の両端は抵抗体(11)を介して接続され、
前記抵抗体(11)の抵抗値によって前記ムービングコア(1)の移動速度を制御することを特徴とするリニアソレノイド。 - 軸方向へ摺動自在に支持されるムービングコア(1)と、
このムービングコア(1)の周囲において筒状に巻回される励磁コイル(2)と、
この励磁コイル(2)の発生磁力により前記ムービングコア(1)を前記励磁コイル(2)の内側に磁気吸引する磁気吸引コア(3)と、
を備えるリニアソレノイドにおいて、
前記励磁コイル(2)の巻数によって前記励磁コイル(2)に発生する逆起電力(α)を制御することで、前記ムービングコア(1)の移動速度を制御することを特徴とするリニアソレノイド。 - 軸方向へ摺動自在に支持されるムービングコア(1)と、
このムービングコア(1)の周囲において筒状に巻回される励磁コイル(2)と、
この励磁コイル(2)の発生磁力により前記ムービングコア(1)を前記励磁コイル(2)の内側に磁気吸引する磁気吸引コア(3)と、
を備えるリニアソレノイドにおいて、
前記励磁コイル(2)の巻回量を軸方向で変化させることによって、前記励磁コイル(2)に発生する逆起電力(α)を制御し、前記ムービングコア(1)の移動速度を制御することを特徴とするリニアソレノイド。
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