JP2015005426A - 非水電解質電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温下での放電特性が改善された非水電解質電池を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、正極活物質として式LixCoaM1bO2によって表される化合物と、式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2によって表される化合物とを含む非水電解質電池が提供される。正極層のX線回折パターンにおいて、式LixCoaM1bO2によって表される化合物の結晶の(003)面に由来するピークP1が18.8°≦2θ≦19.4°の範囲に現れ、式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2によって表される化合物の結晶の(003)面に由来するピークP2が18.2°≦2θ≦18.8°の範囲に現れる。ピークP1の半値幅は0.13以上0.20以下であり、ピークP1の積分強度I1の前記ピークP2の積分強度I2に対するピーク強度比I1/I2は0.1以上1.0以下である。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、非水電解質電池に関する。
近年、ハイブリッド電気自動車用の電源として、また太陽光や風力などの自然エネルギーを使った発電機に備えられる蓄電装置として、非水電解質二次電池が注目されている。リチウムチタン複合酸化物を負極に用いた非水電解質電池は、急速充放電を安定に行うことができ、また、カーボンを負極に用いた非水電解質電池に比べて寿命も長い。リチウムチタン複合酸化物を負極に用いた非水電解質二次電池について、サイクル特性や貯蔵特性の向上、並びに、抵抗の低減などの、電池特性のさらなる改善が求められており、低温下での放電特性を改善することも課題となっている。
低温下での放電特性が改善された非水電解質電池を提供することを目的とする。
実施形態によれば、正極と、負極と、非水電解質とを具備する非水電解質電池が提供される。正極は、正極集電体と該正極集電体上に設けられた正極層とを含む。正極層は、式LixCoaM1bO2によって表される化合物と、式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2によって表される化合物とを含む。式LixCoaM1bO2において、M1は、Mg、Al、Si、Ti、Zn、Zr、CaおよびSnから成る群より選択される少なくとも1種の元素を表し、x、a、及びbは、それぞれ、不等式0.9≦x≦1.1、0.85≦a≦1、0≦b≦0.1によって表される関係を満たす。式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2において、M2は、Mg、Al、Si、Ti、Zn、Zr、Ca及びSnから成る群より選択される少なくとも1種の元素を表し、y、c、d及びeは、それぞれ、不等式0.9<y≦1.25、0<c≦0.30、0<d≦0.45、0≦e≦0.1によって表される関係を満たす。
正極層を、CuKα線を用いたX線回折測定に供して得られるX線回折パターンにおいて、式LixCoaM1bO2によって表される化合物の結晶の(003)面に由来するピークP1が18.8°≦2θ≦19.4°の範囲に現れ、前記式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2によって表される化合物の結晶の(003)面に由来するピークP2が18.2°≦2θ≦18.8°の範囲に現れる。ピークP1の半値幅は0.13以上0.20以下であり、ピークP1の積分強度I1の前記ピークP2の積分強度I2に対するピーク強度比I1/I2は0.1以上1.0以下である。
以下に、実施形態について図面を参照しながら説明する。各図は発明の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
図1は、実施形態に係る一例の非水電解質二次電池の模式的断面図である。図2は図1のA部の拡大断面図である。
電池1は、非水電解質電池の一例である扁平型である。電池1は、外装部材2と、外装部材2に収容された電極群3とを含む。ここでは、電極群3として扁平形状の捲回電極群を用いている。外装部材2は、袋状の形状を有する。外装部材2の内部には、さらに非水電解質(図示せず)が含まれている。
電極群3は、図2に示すように、正極4と、負極5と、複数枚のセパレータ6とを含む。電極群3は積層体が渦巻き状に捲回した構成を有する。この積層体は、これに限定されないが、セパレータ6、正極4、セパレータ6、及び負極5をこの順で重ねた構成を有する。図1及び図2に示す扁平状の捲回電極群は、このような積層体を負極が最外周に位置するように捲回し、次いで加熱しながらプレスすることにより作製される。
図3に、正極4の断面模式図を示す。正極4は、正極集電体4aと、正極活物質含有層(以降、「正極層」と称する)4bとを含む。正極層4bは、正極集電体4aの両面に設けられている。正極層4bは、正極活物質9と、導電剤10と、結着剤(図示せず)とを含む。
正極活物質9は、式LixCoaM1bO2によって表される化合物と、式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2によって表される化合物とを含む。式LixCoaM1bO2において、M1は、Mg、Al、Si、Ti、Zn、Zr、Ca及びSnから成る群より選択される少なくとも1種の元素を表す。x、a、及びbは、それぞれ、不等式0.9≦x≦1.1、0.85≦a≦1、0≦b≦0.1によって表される関係を満たす。式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2において、M2は、Mg、Al、Si、Ti、Zn、Zr、Ca及びSnから成る群より選択される少なくとも1種の元素を表す。y、c、d及びeは、それぞれ、不等式0.9<y≦1.25、0<c≦0.30、0<d≦0.45、0≦e≦0.1によって表される関係を満たす。以降、式LixCoaM1bO2によって表される化合物をLCOと称し、式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2によって表される化合物をNCMと称する。
LCOの例には、LiCoO2が含まれる。
NCMの例には、LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2、及び、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2が含まれる。
正極活物質は、LCOとNCMのみを含んでも良いが、さらに一以上の他の酸化物を含んでもよい。
他の酸化物としてリチウムが挿入され得る酸化物が用いられる。そのような酸化物の例には、二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LixMn2O4又はLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(例えば、LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えば、LiNi1-yCoyO2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えば、LixMnyCo1-yO2)、リチウムニッケルコバルトアルミ複合酸化物(例えば、LiNi1-y-zCoyAlzO2)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えば、LixMn2-yNiyO4)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えば、LixFePO4、LixFe1-yMnyPO4)、硫酸鉄(例えば、Fe2(SO4)3)、及びバナジウム酸化物(例えば、V2O5)が含まれる。上記の式中、x、y及びzはそれぞれ、不等式0<x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1により表される関係を満たす。
正極活物質9が他の酸化物を含む場合、正極活物質の総質量に対するLCO及びNCMの合計質量の割合は70質量%以上であることが好ましい。この場合、低温下での放電特性を改善する効果が十分に得ることができる。
導電剤10は、集電性能を高めるために必要に応じて用いられる。導電剤の例には、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノファイバー又はカーボンナノチューブなどの炭素材料が含まれる。
結着剤は、活物質、導電剤、及び正極集電体4aを結着させるために必要に応じて用いられる。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)及びフッ素系ゴムが含まれる。
結着剤は、活物質、導電剤、及び正極集電体4aを結着させるために必要に応じて用いられる。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)及びフッ素系ゴムが含まれる。
正極層4bにおいて、活物質、導電剤及び結着剤の含有量は、それぞれ80質量%以上95質量%以下、3質量%以上18質量%以下、及び2質量%以上17質量%以下であることが好ましい。
導電剤の含有量が3質量%以上であると上述した効果を発揮することができる。導電剤の含有量が18質量%以下であると、電池を高温で保存したときに導電剤表面において生じる非水電解質の分解を抑制することができる。
結着剤の含有量が2質量%以上であると十分な正極強度が得られる。結着剤の含有量が17質量%以下であると、内部抵抗の増大を防止できる。
正極集電体4aは、アルミニウム箔、又は、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiから成る群より選択される一以上の元素を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。
正極層を、CuKα線を用いたX線回折(XRD)測定に供すると、XRDパターンにおいて、式LixCoaM1bO2によって表される化合物の結晶の(003)面に由来するピークP1が18.8°≦2θ≦19.4°の範囲に現れ、式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2によって表される化合物の結晶の(003)面に由来するピークP2が18.2°≦2θ≦18.8°の範囲に現れる。
本実施形態において、ピークP1の半値幅は0.13以上0.20以下である。ピークP1の積分強度I1のピークP2の積分強度I2に対するピーク強度比I1/I2は0.1以上1.0以下である。
ピークP1の半値幅とピーク強度比I1/I2とが上記範囲内であることにより、低温下での放電特性を改善することができる。ピークP1の半値幅は、好ましくは0.14以上である。ピーク強度比I1/I2は、好ましくは0.5以下であり、さらに好ましくは0.4以下である。
XRD測定は、加速電圧40kV、加速電流40mA、走査速度2.0°/minの条件で、θ/2θ連続測定法に従って行うことができる。また、XRD測定は、標準資料のSiをサンプルとして測定を行った際に、2θ=28.5°にピークトップが現れるように装置を設定して行う。電池を製造する前の正極層を測定してもよく、或いは、電池を解体して正極を取り出し、測定に供することもできる。正極を電池から取り出す場合、はじめに電池を放電状態とする。放電状態とはその電池の推奨下限電圧に達するまで電池を放電した状態である。放電状態の電池を不活性雰囲気(例えばアルゴン雰囲気)で電池の外装部材から電極群を取り出す。電極群を解体し正極だけをとりだし、取り出した正極をX線回折パターンの測定に用いるガラス板の大きさに合うように任意の大きさに切り取る。切り取った正極を例えばメチルエチルカーボネート溶媒で洗浄して正極中のリチウム塩を溶出し、洗浄後の正極を減圧乾燥し溶媒を揮発させる。乾燥後の正極を測定用ガラス板にとりつけた後、測定に供する。
得られたXRDパターンにおいて、約18°乃至約19°の2θの範囲に現れる2つのピークの内、高角側のピークがピークP1であり、低角側のピークがピークP2である。なお、2θが18°乃至19°の範囲に確認されるピークが一つである場合、即ち、ピークP1とP2が重複している場合は、X線回折測定付属の解析ソフトを使用してピークの分離を行う。
正極は、例えば正極活物質、結着剤及び導電剤を適切な溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを正極集電体の表面に塗布し、乾燥して正極層を形成した後、プレスを施すことにより作製される。溶媒の例にはN−メチルピロリドンが含まれる。正極はまた、正極活物質、結着剤及び導電剤をペレット状に形成して正極層とし、これを正極集電体上に配置することにより作製されてもよい。
負極5は、負極集電体5aと、負極活物質含有層(以降、「負極層」と称する)5bとを含む。負極層5bは、負極集電体5aの両面に設けられている。但し、電極群3の最外周に位置する部分においては、図2に示すように負極集電体5aの内面側のみに負極層5bが形成される。負極層5bは、負極活物質と、任意に導電剤及び結着剤を含む。
負極活物質として、炭素質物、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、又は合金などが用いられる。炭素質物の例には、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、気相成長炭素繊維、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、及び樹脂焼成炭素が含まれる。金属酸化物の例には、リチウムチタン複合酸化物及びチタン酸化物が含まれる。リチウムイオンの挿入が生じる電位が金属リチウムに対して0.4V以上である金属酸化物が特に好適である。そのような金属酸化物の例には、スピネル構造を有するチタン酸リチウム(例えば、Li4+xTi5O12)、及び、ラムスデライト構造を有するチタン酸リチウム(例えば、Li2+xTi3O7)が含まれる。ここで、xは、いずれも0以上3以下の範囲である。チタン酸化物(例えばTiO2)は、電池の充放電時にリチウムの挿入が生じることによりリチウムチタン酸化物になり得る。金属硫化物の例には、TiS2などの硫化チタン、MoS2などの硫化モリブデン、FeS、FeS2、LixFeS2などの硫化鉄が含まれる。ここでxは電池の充放電により変動する値である。
導電剤は、集電性能を高めるために必要に応じて用いられる。導電剤の例には、アセチレンブラック、カーボンブラック又は黒鉛などの炭素材料が含まれる。
結着剤は、活物質と、導電剤と、負極集電体5aとを結着させるために必要に応じて用いられる。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、及びフッ素系ゴムが含まれる。
負極層5bにおいて、負極活物質、導電剤及び結着剤の含有量は、それぞれ70質量%以上96質量%以下、2質量%以上28質量%以下、2質量%以上28質量%以下であることが好ましい。導電剤の含有量が2質量%以上であると、負極層の集電性能を向上させることができる。また、結着剤の含有量が2質量%以上であると、負極層と集電体の結着性を十分に得ることができる。そのため、サイクル特性を向上させることができる。一方、容量を大きくする観点から、導電剤及び結着剤の含有量はそれぞれ28質量%以下であることが好ましい。
負極集電体5aは、アルミニウム箔、又は、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiから成る群より選択される一以上の元素を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。
負極は、例えば負極活物質、結着剤及び導電剤を適切な溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを負極集電体の表面に塗布し、乾燥して負極活物質層を形成した後、プレスを施すことにより作製される。溶媒の例には、N−メチルピロリドンが含まれる。負極はまた、負極活物質、結着剤及び必要に応じて配合される導電剤をペレット状に形成して負極層とし、これを負極集電体上に配置することにより作製されてもよい。
セパレータ6は、例えば、ポリオレフィン、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、又はビニロンなどのポリマーで作られた多孔質フィルム、または、不織布から形成されてよい。セパレータの材料は1種類であってもよく、或いは、2種類以上を組合せて用いてもよい。
非水電解質として、液状非水電解質を用いることができる。液状非水電解質は、電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される。液状非水電解質中の電解質の濃度は0.5モル/L以上2.5モル/L以下であることが好ましい。
電解質の例には、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、及びビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO2)2]などのリチウム塩、及び、これらの混合物が含まれる。電解質は高電位においても酸化し難いものであることが好ましく、LiPF6が最も好ましい。
有機溶媒の例には、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeHF)、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル(AN)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネイト(DMC)、及び、メチルエチルカーボネイト(MEC)が含まれる。これらの有機溶媒は、単独で、又は混合溶媒として用いることができる。
外装部材2として、ラミネートフィルム製容器又は金属製容器を用いることができる。外装部材2の形状は、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、ボタン型、シート型、又は積層型であってよい。外装部材2の形状及び大きさは電池寸法に応じて任意に設計される。例えば、携帯用電子機器等に積載される小型電池用外装部材、又は、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池用外装部材が使用される。
ラミネートフィルムは、金属層と該金属層を被覆する樹脂層とからなる多層フィルムである。金属層は、アルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔であることが好ましい。これにより、電池の重量を減少させることができる。樹脂層は金属層を補強する。樹脂層は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、又はポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子から形成されることができる。外装部材2を形成するラミネートフィルムの厚さは、0.5mm以下であることが好ましく、0.2mm以下であることがより好ましい。ラミネートフィルムは、熱融着することにより所望の形状に成形することができる。
金属製容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などから形成されることができる。アルミニウム合金は、Mg、Zn又はSiなどの元素を含むことが好ましい。合金中にFe、Cu、Ni又はCrなどの遷移金属が含有される場合、その含有量は1質量%以下であることが好ましい。金属製容器を形成する金属板の厚さは1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましく、0.2mm以下であることがさらに好ましい。
図1に示すように、電極群1の外周端近傍において、正極端子7が正極集電体4aに接続されている。また、電極群3の最外周において、負極端子8が負極集電体5aに接続されている。正極端子7及び負極端子8はそれぞれ、外装部材2の開口部から外部に延出されている。
正極端子7は、アルミニウム、又は、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、又はSiから選択される少なくとも一つの元素を含有するアルミニウム合金から形成されることが好ましい。正極集電体4aとの接触抵抗を低減するために、正極端子7は正極集電体4aと同様の材料から形成されることが好ましい。
負極端子8は、アルミニウム、又は、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、又はSiから選択される少なくとも一つの元素を含有するアルミニウム合金から形成されることが好ましい。負極集電体5aとの接触抵抗を低減するために、負極端子8は負極集電体5aと同様の材料から形成されることが好ましい。
非水電解質電池は次のように作製される。まず、外装部材2に電極群3を収容し、次いで、外装部材2の開口部から非水電解質を注入する。次いで、非水電解質を電極群に含浸させる。その後、外装部材2の開口部を、正極端子7及び負極端子8を挟んだ状態でヒートシールして、電極群1と非水電解質とを密封する。
NCMとLCOとは、充放電反応を生じる電位が相違する。そのため、正極活物質としてNCMとLCOとを含む電池は、放電時に、高SOC領域においては主にLCOが還元反応を生じ、低SOC領域においては主にNCMが還元反応を生じる。
LCOは低SOC領域における抵抗の増大が著しい。抵抗の増大は、例えば、リチウムイオンが挿入及び放出する際の抵抗や、リチウムイオンが拡散する際の抵抗が増大することによって生じる。このような抵抗の増大は、特に低温下で顕著である。そのため、特に低温下において、低SOC領域における電池の放電特性が低下するという問題がある。なお、ここでSOC(State of Charge)とは充電深度を意味し、SOCが高い程、満充電に近い状態である。従って、低SOC領域とは放電末期を意味する。
そこで、本実施形態によれば、結晶性の低いLCOを正極活物質として用いる。従来の電池は、結晶性の高い酸化物を使用することが一般的である。これは、結晶性が低い酸化物を使用した場合、容量や充放電効率を低下させる要因となり得ると考えられているためである。しかしながら、本発明者らは、結晶性の低いLCOを用いることにより、特に低温下において、放電特性を向上させることが可能であることを見出した。
結晶性の低いLCOを用いた正極は、低SOC領域において電位降下が緩やかである。そのため、より低いSOC領域まで還元反応が継続する。よって、NCMと結晶性の低いLCOとを組み合わせて用いることにより、NCMが還元反応を生じる電位とLCOが還元反応を生じる電位とが重複する範囲を拡大することができる。その結果、特に低温下において、低SOC領域での放電特性を向上させることが可能である。
LCOの結晶性は、ピークP1の半値幅と、ピーク強度比I1/I2とによって表すことができる。ピークP1の半値幅と、ピーク強度比I1/I2とが上記の範囲内である場合、LCOは適度に低い結晶性を有する。
ピークP1の半値幅が低すぎる場合、LCOの結晶性が高い。そのため、低SOC領域においてLCOの還元反応が生じにくい。その結果、放電特性が低下する。一方、ピークP1の半値幅が高すぎると、結晶性が低すぎるため、抵抗が増大する。また、正極活物質が劣化しやすい。そのため、電池特性や放電特性が低下する。
ピーク強度比I1/I2が低すぎる場合、LCOの結晶性が高いか、又は、NCMの結晶性が低いことを意味する。そのため、低SOC領域において、LCOの還元反応が生じないか、又は、抵抗が増大する。その結果、低SOC領域における放電特性が低下する。一方、ピーク強度比I1/I2が高すぎる場合、LCOの結晶性が低すぎるか、又は、NCMの結晶性が高いことを意味する。そのため、抵抗が増大するか、又は、低いSOC領域において放電特性の向上が見られない。
ピークP1の半値幅及びピーク強度比I1/I2が上記範囲であるLCOは、例えば、Coの一部をMg、Al、Si、Ti、Zn、Zr、Ca及びSn等から選択される金属元素で置換し、結晶に歪みを生じさせることにより製造することができる。
正極層において、LCOとNCMの質量比は、1:9乃至4:6の範囲であることが好ましい。質量比が上記範囲内であると、低温下での放電特性を改善する効果を十分に得ることができる。LCOとNCMの合計質量に対するLCOの質量の割合が10%以上であると放電特性がより向上し、40%以下であると容量密度の低下を防ぐことができる。
正極層におけるLCOとNCMとの質量比は、例えば、正極層におけるNiの質量とCoの質量の比により算出することができる。正極層におけるNi及びCoの質量は、解体した電池から正極を取り出し、正極の集電体から正極層を剥離し、それを酸に溶解させ、その溶液のICP発光分析を行うことにより測定することができる。
正極活物質がLCO及びNCMのみである場合、Niの質量W1に対するCoの質量W2の比W2/W1は、0.60以上1.75以下である。
正極層にLCO及びNCM以外の他の化合物であって、コバルト及び/又はニッケルを含む化合物が含まれている場合、走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)による観察、及び、ラマン分光法などの方法によって元素マッピングを行い、存在する元素を調査する。元素マッピングにより、LCO及びNCMの存在、及び、その他の化合物の存在が確認される。また、ICP発光分析を行う。これらの調査の結果を合わせて、存在する化合物の組成を推定し、その結果から比W2/W1を決定する。
LCOは粒子形状を有する。レーザー回折・散乱式粒度分析法による粒度分布測定によって得られる該粒子の粒度累積曲線の50%粒径D50は5μm以上10μm以下であることが好ましい。また、該粒子のBET比表面積は、0.1m2/g以上2m2/g未満であることが好ましい。
50%粒径D50及びBET比表面積が上記範囲内であると、充放電反応の抵抗が小さく、また、電解液との反応性が抑制される。そのため、低温での放電特性がより向上される。
正極層の密度は、2.90g/m3〜3.45g/m3の範囲であることが好ましい。ここで正極層の密度とは、かさ密度を意味する。正極層の密度が上記範囲内であると、エネルギー密度が高く、且つ、電解液の浸透性が高い。そのため、低温での放電特性がより向上される。
電池の放電特性は、次のように評価することができる。電池をSOC100%の状態とした後、−20℃で3時間放置する。その後、−20℃で1C相当の電流で放電を行い、エネルギー量を測定する。また、同様の試験を25℃の環境下で行う。25℃でのエネルギー量に対する−20℃でのエネルギー量の比を算出する。これにより、低温下におけるエネルギー量の維持率が得られる。本実施形態に従って放電特性が向上された電池は、低温下でもエネルギー量の低下が抑制される。
本実施形態によれば、正極活物質としてLCO及びNCMを含み、低温下での放電特性が改善された非水電解質電池を提供することができる。
(実施例1)
正極活物質として、LiCoO2とLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2混合した混合活物質を用いた。導電材としてアセチレンブラックとグラファイトとを用いた。結着剤としてポリフッ化ビニリデンを用いた。LiCoO2とLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2との質量比は、3:7とした。正極活物質、導電材、及び結着剤をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)中に分散し、スラリーを調製した。正極活物質、導電材、及び結着剤は、それぞれ85質量%、10質量%、5質量%の割合で用いた。スラリーを、アルミ箔から成る集電体の両面に塗布し、乾燥し、正極を作製した。
正極活物質として、LiCoO2とLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2混合した混合活物質を用いた。導電材としてアセチレンブラックとグラファイトとを用いた。結着剤としてポリフッ化ビニリデンを用いた。LiCoO2とLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2との質量比は、3:7とした。正極活物質、導電材、及び結着剤をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)中に分散し、スラリーを調製した。正極活物質、導電材、及び結着剤は、それぞれ85質量%、10質量%、5質量%の割合で用いた。スラリーを、アルミ箔から成る集電体の両面に塗布し、乾燥し、正極を作製した。
作製した正極のXRDパターンを上述したように測定したところ、約18.9°にピークP1が現れ、約18.6°にピークP2が現れた。ピークP1の半値幅は0.147であった。ピークP1の積分強度I1とピークP2の積分強度I2とのピーク強度比は、0.419であった。
負極活物質としてLi4Ti5O12を用いた。導電材としてグラファイトを用いた。結着材としてポリフッ化ビニリデンを用いた。負極活物質、導電材、及び結着剤をNMP中に分散し、スラリーを調製した。負極活物質、導電材、及び結着剤は、それぞれ85質量%、10質量%、5質量%の割合で用いた。スラリーを、アルミ箔から成る集電体の両面に塗布し、乾燥し、負極を作製した。
作製した正極と負極を、ポリエチレン樹脂製セパレータを介して積層し、得られた積層体を捲回し、プレスすることにより、扁平形状の電極群を作製した。この電極群をラミネートフィルム製の外装部材に収容した。次いで、外装部材内に非水電解質を注入し、非水電解質二次電池を作製した。非水電解質は、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒に、LiPF6を溶解して調製した。LiPF6の濃度は、1.0mol/Lとした。
(実施例2〜3及び比較例1〜6)
正極のXRDパターンにおけるピークP1の半値幅と、ピークP1の積分強度I1とピークP2の積分強度I2とのピーク強度比I1/I2を、表1に示すようにした以外は、実施例1と同様に実施例2〜3及び比較例1〜6のそれぞれの非水電解質二次電池を作製した。
例として、図4を参照しながら、実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンを説明する。
図4は、実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンを概略的に示したチャートである。図4は、実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンから、バックグランドを差し引いてバックグランド処理を行ったものである。このバックグランド処理により、図4(A)及び図4(B)に示すXRDパターンでは、XRDパターンにおける強度が、ベースラインに対しての相対強度に変換されている。また、図4は、2つのチャートを含んでいるが、これらのチャートは同一のものである。
図4(A)及び図4(B)に示すように、実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンには、約18.88°にピークP1が現れ、約18.64°にピークP2が現れた。また、ピークP1とピークP2との間に、強度が極小の値をとる点B1−2が約18.78°に現れた。
バックグラウンド処理した実施例2のXRDパターンから、図4(A)及び図4(B)に示すように、ピークP1の高角側に、相対強度が0である点B1を約19.2°に見つけることができた。同様に、バックグラウンド処理した実施例2のXRDパターンから、ピークP2の低角側に、相対強度が0である点B2を約18.16°に見つけることができた。
実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンにおけるピークP1及びピークP2の積分強度は、以下のようにして算出した。まず、バックグラウンド処理した実施例2のXRDパターンの強度を、点B1−2から点B1まで積分した。このようにして得られた積分強度をピークP1の強度I1とした。同様に、バックグラウンド処理した実施例2のXRDパターンの強度を、点B2から点B1−2まで積分した。このようにして得られた積分強度をピークP2の強度I2とした。
また、実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンにおけるピークP1の半値幅は、以下のようにして測定した。まず、得られたXRDパターンにおいて、解析ソフト(Jade6)を用いて、図4(B)に示すように、ピークP1とピークP2とを分離した。次に、分離したP1において、ベースラインに対する相対強度がピークトップの相対強度Lの半分L/2である2点を見つけ出した。この2点間の距離を、ピークP1の幅を半値幅とした。
正極のXRDパターンにおけるピークP1の半値幅と、ピークP1の積分強度I1とピークP2の積分強度I2とのピーク強度比I1/I2を、表1に示すようにした以外は、実施例1と同様に実施例2〜3及び比較例1〜6のそれぞれの非水電解質二次電池を作製した。
例として、図4を参照しながら、実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンを説明する。
図4は、実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンを概略的に示したチャートである。図4は、実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンから、バックグランドを差し引いてバックグランド処理を行ったものである。このバックグランド処理により、図4(A)及び図4(B)に示すXRDパターンでは、XRDパターンにおける強度が、ベースラインに対しての相対強度に変換されている。また、図4は、2つのチャートを含んでいるが、これらのチャートは同一のものである。
図4(A)及び図4(B)に示すように、実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンには、約18.88°にピークP1が現れ、約18.64°にピークP2が現れた。また、ピークP1とピークP2との間に、強度が極小の値をとる点B1−2が約18.78°に現れた。
バックグラウンド処理した実施例2のXRDパターンから、図4(A)及び図4(B)に示すように、ピークP1の高角側に、相対強度が0である点B1を約19.2°に見つけることができた。同様に、バックグラウンド処理した実施例2のXRDパターンから、ピークP2の低角側に、相対強度が0である点B2を約18.16°に見つけることができた。
実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンにおけるピークP1及びピークP2の積分強度は、以下のようにして算出した。まず、バックグラウンド処理した実施例2のXRDパターンの強度を、点B1−2から点B1まで積分した。このようにして得られた積分強度をピークP1の強度I1とした。同様に、バックグラウンド処理した実施例2のXRDパターンの強度を、点B2から点B1−2まで積分した。このようにして得られた積分強度をピークP2の強度I2とした。
また、実施例2の非水電解質電池が具備する正極のXRDパターンにおけるピークP1の半値幅は、以下のようにして測定した。まず、得られたXRDパターンにおいて、解析ソフト(Jade6)を用いて、図4(B)に示すように、ピークP1とピークP2とを分離した。次に、分離したP1において、ベースラインに対する相対強度がピークトップの相対強度Lの半分L/2である2点を見つけ出した。この2点間の距離を、ピークP1の幅を半値幅とした。
(電気化学的測定)
実施例1〜3及び比較例1〜6のそれぞれの電池を用いて電気化学的測定を行った。まず、電池をSOC100%の状態とした後、−20℃で3時間放置した。その後、−20℃で1C相当の電流で放電を行い、エネルギー量E-20(mWh)を測定した。次に、電池をSOC100%の状態とした後、25℃で3時間放置した。その後、25℃で1C相当の電流で放電を行い、エネルギー量E25(mWh)を測定した。得られた値を用いて、エネルギー量の比E-20/E25を算出した。その結果を表1に示す。
実施例1〜3及び比較例1〜6のそれぞれの電池を用いて電気化学的測定を行った。まず、電池をSOC100%の状態とした後、−20℃で3時間放置した。その後、−20℃で1C相当の電流で放電を行い、エネルギー量E-20(mWh)を測定した。次に、電池をSOC100%の状態とした後、25℃で3時間放置した。その後、25℃で1C相当の電流で放電を行い、エネルギー量E25(mWh)を測定した。得られた値を用いて、エネルギー量の比E-20/E25を算出した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜3に係る電池は、E-20/E25の値が比較例1〜6よりも高く、低温下でもエネルギー量の低下が抑制されている。よって、実施例1〜3に係る電池は、低温下での放電特性が優れていることが示された。
以上に説明した少なくとも1つの実施形態及び実施例によると、非水電解質電池が提供される。この非水電解質電池は、正極層がLCOとNCMとを含む。この正極層をCuKα線を用いたX線回折測定に供して得られるX線回折パターンにおいて、LCOに由来するピークP1と、NCMに由来するピークP2が現れ、ピークP1の半値幅が0.13以上0.20以下であり、ピークP1の積分強度I1のピークP2の積分強度I2に対するピーク強度比I1/I2は0.1以上1.0以下である。このような非水電解質電池は、NCMが還元反応を生じる電位とLCOが還元反応を生じる電位とが重複する範囲を拡大することができ、その結果、特に低温下において、低SOC領域での放電特性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電池、2…外装部材、3…電極群、4…正極、4a…正極集電体、4b…正極層、5…負極、5a…負極集電体、5b…負極層、6…セパレータ、7…正極端子、8…負極端子、9…正極活物質、10…導電剤。
Claims (6)
- 正極と、負極と、非水電解質とを具備する非水電解質電池であって、
前記正極は、正極集電体と該正極集電体上に設けられた正極層とを含み、
前記正極層は、式LixCoaM1bO2によって表される化合物と、式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2によって表される化合物とを含み、前記式LixCoaM1bO2において、M1は、Mg、Al、Si、Ti、Zn、Zr、CaおよびSnから成る群より選択される少なくとも1種の元素を表し、x、a、及びbは、それぞれ、不等式0.9≦x≦1.1、0.85≦a≦1、0≦b≦0.1によって表される関係を満たし、前記式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2において、M2は、Mg、Al、Si、Ti、Zn、Zr、Ca及びSnから成る群より選択される少なくとも1種の元素を表し、y、c、d及びeは、それぞれ、不等式0.9<y≦1.25、0<c≦0.30、0<d≦0.45、0≦e≦0.1によって表される関係を満たし、
前記正極層をCuKα線を用いたX線回折測定に供して得られるX線回折パターンにおいて、前記式LixCoaM1bO2によって表される化合物の結晶の(003)面に由来するピークP1が18.8°≦2θ≦19.4°の範囲に現れ、前記式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2によって表される化合物の結晶の(003)面に由来するピークP2が18.2°≦2θ≦18.8°の範囲に現れ、
前記ピークP1の半値幅は0.13以上0.20以下であり、
前記ピークP1の積分強度I1の前記ピークP2の積分強度I2に対するピーク強度比I1/I2は0.1以上1.0以下である、非水電解質電池。 - 前記正極層において、前記式LixCoaM1bO2によって表される化合物と、前記式LiyNi1-c-dCocMndM2eO2によって表される化合物との質量比は、1:9乃至4:6の範囲である、請求項1に記載の非水電解質電池。
- 前記式LixCoaM1bO2によって表される化合物は粒子形状を有し、該粒子の50%粒径D50は5μm以上10μm以下である、請求項1又は2に記載の非水電解質電池。
- 前記式LixCoaM1bO2によって表される化合物は粒子形状を有し、該粒子のBET比表面積は0.1m2/g以上2m2/g未満である、請求項1〜3の何れか一項に記載の非水電解質電池。
- 前記正極層の密度が2.90g/m3〜3.45g/m3の範囲である、請求項1〜4の何れか一項に記載の非水電解質電池。
- 前記強度比I1/I2が0.1以上0.7以下である、請求項1〜5の何れか一項に記載の非水電解質電池。
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-
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- 2013-06-21 JP JP2013130382A patent/JP2015005426A/ja active Pending
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