JP2015002591A - 金車装置 - Google Patents

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Keiji Sato
恵二 佐藤
典幸 島田
Noriyuki Shimada
典幸 島田
熊谷 幸治
Koji Kumagai
幸治 熊谷
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Abstract

【課題】電線を金車に安定的に導通する金車装置を提供する。【解決手段】外周の周方向に沿って所定の溝幅で設けられ電線を延線方向に案内する溝部を有する円盤状の金車と、金車の中心軸を、金車が回転可能な状態で支持する支持部と、中心軸に連結され、金車の中心軸から外周よりも外側まで延在する連結部と、連結部に連結され、電線を溝部に案内するガイド部と、を有し、ガイド部は、電線の延線方向に貫通し内部に電線を案内する開口を有するとともに、閉じられた枠状である。【選択図】図1

Description

本発明は、電線を導通する金車装置に関する。
送電線や配電線などの電線を布設する際、鉄塔に金車を取り付け、その金車の外周に沿って設けられた溝部に電線を導通することにより、電線が延線される(例えば、特許文献1参照)。
特開昭56−94910号公報
電線の線路が直線状である場合、金車は鉛直方向に対して傾斜することなく、電線は金車の溝部の中央を通り、円滑に延線される。一方で、電線の線路が鉄塔を介して曲がっている場合、電線を導通する金車は鉛直方向に対して傾斜する。このとき、電線が引っ張られる方向と、金車の溝部方向と、は一致しないことがある。このため、電線は金車の溝部の端部または側面部に接しながら進行することによって、電線は導通方向を軸として回転するような挙動を示す可能性がある。
このように電線が回転する挙動を示した場合、延線することが困難となったり、電線の形状または特性に影響を及ぼしたりする可能性がある。
本発明の目的は、電線を金車に安定的に導通する金車装置を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、
外周の周方向に沿って所定の溝幅で設けられた電線を延線方向に案内する溝部を有する円盤状の金車と、
前記金車の中心軸を、前記金車が回転可能な状態で支持する支持部と、
前記中心軸に連結され、前記金車の前記中心軸から前記外周よりも外側まで延在する連結部と、
前記連結部に連結され、前記電線を前記溝部に案内するガイド部と、
を有し、
前記ガイド部は、
前記電線の導通延線方向に貫通し内部に前記電線を案内する開口を有するとともに、閉じられた枠状である金車装置が提供される。
本発明の第2の態様によれば、
前記ガイド部の前記開口は、前記電線が前記開口の縁部に接したときに、前記電線が前記溝部の両端に接しないように配置される
第1の態様に記載の金車装置が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
前記ガイド部は、前記開口側で前記導通方向に沿って回転可能に設けられたロール部を有する
第1または第2の態様に記載の金車装置が提供される。
本発明の第4の態様によれば、
前記ガイド部は、前記中心軸に平行な方向の端で前記連結部に連結される連結端部を有し、
前記溝幅をW、前記開口の前記中心軸に平行な方向の幅をW、前記金車の最大外周半径をR、前記金車の前記中心軸から前記電線が接する前記溝部の底部までの半径をR、前記中心軸に平行な方向から見て前記中心軸から前記連結端部までの長さをL、前記中心軸に平行な方向から見て径方向に前記中心軸から前記連結部を介して前記電線まで延長させた直線のうち前記連結端部から前記電線と交わる点までの線分の長さをL、前記中心軸に平行な方向から見て前記連結端部から前記開口の上端までの高さをhとしたとき、前記開口の前記中心軸に平行な方向の幅Wは、下記の式(1)を満たす
第1〜第3の態様に記載の金車装置が提供される。
Figure 2015002591
本発明の第5の態様によれば、
前記連結部は、前記中心軸を回転軸として回転可能である
第1〜第4の態様に記載の金車装置が提供される。
本発明の第6の態様によれば、
前記ガイド部は、
前記中心軸に平行な方向の端で前記連結部に連結される連結端部を有し、
前記連結端部から前記中心軸に沿った方向を軸として回転可能である
第1〜第5の態様のいずれかに記載の金車装置が提供される。
本発明によれば、電線を金車に安定的に導通する金車装置が提供される。
(a)は本発明の一実施形態に係る金車装置を示す上面図であり、(b)は本発明の一実施形態に係る金車装置を示す正面図であり、(c)は本発明の一実施形態に係る金車装置を示す側面図である。 (a)は本発明の一実施形態に係るガイド部を示す模式図であり、(b)は本発明の一実施形態の変形例1に係るガイド部を示す模式図であり、(c)は本発明の一実施形態の変形例2に係るガイド部を示す模式図である。 (a)は本発明の一実施形態の変形例3に係るガイド部を示す模式図であり、(b)は本発明の一実施形態の変形例4に係るガイド部を示す模式図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る金車装置を傾斜させた場合を示す上面図であり、(b)は本発明の一実施形態に係る金車装置を傾斜させた場合を示す正面図であり、(c)は本発明の一実施形態に係る金車装置を傾斜させた場合を示す側面図である。 (a)は比較例に係る金車装置を示す上面図であり、(b)は比較例に係る金車装置を示す正面図であり、(c)は比較例に係る金車装置を示す側面図である。
<本発明の第1実施形態>
(1)金車装置の構造
本発明の一実施形態に係る金車装置10について、図1を用いて説明する。図1(a)は本発明の一実施形態に係る金車装置を示す上面図であり、(b)は本発明の一実施形態に係る金車装置を示す正面図であり、(c)は本発明の一実施形態に係る金車装置を示す側面図である。なお、図1(a)の矢印は、電線100の延在方向(導通方向)Dを示している。
本実施形態に係る金車装置10は、電線100を延線する際に、例えば鉄塔などに取り付けられ、電線100を支持しながら延線方向に導通するよう構成される。本実施形態における「電線100」とは、例えば、鋼心アルミ撚り線(ACSR:Aluminum Conductor Steel Reinforced)、硬銅撚り線、または光ファイバ複合架空地線(OPGW:Optical Fiber Composite Overhead Ground Wire)である。
本実施形態に係る金車装置10は、例えば、外周の周方向に沿って所定の溝幅(W)で設けられ電線100を電線を延線方向(導通方向)Dに案内する円盤状の金車(ホイール)200と、金車200の中心軸202を、金車200が回転可能な状態で支持する支持部300と、中心軸202に連結され、金車200の中心軸202から外周よりも外側まで延在する連結部400と、連結部400に連結され、電線100を溝部220に案内するガイド部500と、を備える。ガイド部500は、電線100の延線方向Dに貫通し内部に電線100を案内する開口520を有するとともに、閉じられた枠状である。以下詳細を説明する。
(金車および支持部)
図1(b)に示されているように、金車200は、外周に沿って電線100を導通するよう構成され、例えば円盤状である。金車200の中心軸202は、金車200が回転する際の回転軸であり、支持部300は、例えばベアリング(不図示)を介して、金車200を、中心軸202を軸として回転可能な状態で支持している。
図1(c)に示されているように、支持部300は、例えば、支持ワイヤ320を介して、送電線路の鉄塔(耐張鉄塔)800などに取り付けられる。支持ワイヤ320は例えば柔軟性を有しており、金車200は、電線100を延線する際の電線100の張力方向に応じて、鉄塔800に対して傾斜することが可能である。
図1(a)に示されているように、金車200の外周には、その周方向に沿って電線100を導通する溝部220が設けられる。具体的には、例えば、金車200は、中心軸202の方向の両端に設けられた二つのつば部210を有し、二つのつば部210の間に金車200の溝部220が設けられる。
溝部220の断面は、例えば二つのつば部210を両端とする半円状に構成される。溝部220は、二つのつば部210の間の中央に設けられ金車200の径方向に最も深くに位置する底部222と、底部222とそれぞれのつば部210との間に設けられた側面部224と、を有する。なお、ここでいう溝部220の「半円状」の断面形状とは、少なくとも底部222を含む部分が半真円状または半楕円状である断面形状のことをいう。溝部220の断面の少なくとも半円部分の曲率半径は、例えば電線100の半径よりも大きい。電線100は、溝部220の底部222を通ることにより、円滑に延線される。
電線100の直径(太さ)に応じて、本実施形態の金車装置10に係る各寸法が設定される。電線100の直径は、例えば5mm以上200mm以下であり、好ましくは、5mm以上60mm以下である。
このとき、金車200の最大外周半径(つば部210を含めた金車200の半径)(R)(mm)は、例えば100mm以上700mm以下である。また、金車200の中心軸202から電線100が接する溝部220の底部222までの半径(R)(mm)は、例えば40mm以上600mm以下である。すなわち、溝部220の深さは、例えば10mm以上100mm以下であり、好ましくは30mm以上80mm以下である。
また、溝部220の溝幅(W)(mm)は例えば60mm以上200mm以下であり、好ましくは60mm以上160mm以下である。溝部220の断面は、例えば、上記の溝幅(W)を直径として半円状に設けられる。
(連結部およびガイド部)
図1(a)および(b)に示されているように、金車装置10は、中心軸202に連結された連結部400を有する。連結部400は金車200の径方向に金車200の外周よりも外側まで延在し、その延在した部分にはガイド部500が連結されている。連結部400が金車200の中心軸202に連結されガイド部500を支持していることにより、ガイド部500によって電線100が金車200に導入される方向が安定する。
連結部400およびガイド部500は、少なくとも金車200に対する電線100の入射側に設けられる。これにより、電線100は、ガイド部500によって電線100の金車200に対する入射方向が所定範囲に規制された状態で金車200の溝部220に導入される。
また、連結部400は、例えば、金車200を挟んで中心軸202の方向の両側に設けられ、その二つの連結部400によってガイド部500が支持される。これにより、二つの連結部400によってガイド部500の位置が安定する。
また、連結部400は、例えば、中心軸202を回転軸として回転可能である。ガイド部500と連結部400との重さにより、ガイド部500は、電線100にぶら下がる。これにより、ガイド部500は、電線100の鉛直方向の動きに追従するように、金車200の外周に沿って移動することができる。
連結部400が中心軸202を軸として支持部300に対して回転する角度は、例えば連結部400に回転ストッパー(不図示)を設けることなどにより、所定の角度で制限される。具体的には、連結部400が支持部300に対して回転する角度は、支持部300から片側に0°以上180°以下である。これにより、電線100を延線する際に、連結部400が金車200を半回転以上回転することを抑制し、作業性や安全性を向上することができる。
図1(c)に示されているように、ガイド部500は、電線100の延線方向Dに貫通する開口520を有し、開口520内を通した電線100を溝部220に案内するよう構成される。ガイド部500の開口520は、電線100が開口520の縁部に接したときに電線100が溝部220の両端(つば部210)に接しないように配置される。なお、ここでいう「開口520の縁部」とは、ガイド部500の内壁と言い換えることができる。
例えば、電線100の線路が曲がっている場合(線路が水平角を有する場合)、電線100は、鉛直方向に対して傾斜する。この電線100の鉛直方向に対する傾斜角度のことを電線100の「横振角」という。電線100の横振角は、線路の水平角、電線張力、電線質量、鉄塔間隔、鉄塔間の高低差に依存する。このとき、電線100は、ガイド部500の主に水平方向の縁部で接しながら、金車200の溝部220に導入される。これにより、電線100が溝部220の両端(つば部210)に接することを抑制することによって、電線100が延線方向Dを軸として回転することを抑制することができる。
また、ガイド部500は閉じられた枠状に設けられ、すなわち、ガイド部500は電線100の外周を囲むように連結されている。なお、本実施形態において、「閉じられた枠状」とは、不定形の枠状、多角形の枠状、円環状または楕円環状を含む。ガイド部500が閉じられた枠状であることにより、電線100が金車200の溝部220以外の場所に接することが抑制される。
具体的構成としては、図1(c)に示されているように、例えば、ガイド部500は、電線100の延線方向Dから見て連結部400よりも溝部220側に設けられる。ガイド部500の開口520は、電線100の延線方向Dから見て溝部220と重なるように配置される。好ましくは、ガイド部500は、電線100の延線方向Dから見てガイド部500の開口520の中心が溝部220の中心(底部222)が構成する円弧と重なるように配置される。
また、ガイド部500の開口520は例えば多角形であり、ここでは例えば四角形である。例えば、ガイド部500の開口520の中心軸202に平行な方向の両辺は、溝部220に沿うように設けられる。これにより、電線100が溝部220の底部222から溝部220の外側に向かって傾斜したとき、電線100は、ガイド部500によって金車200の外周に沿った方向に合わせて規制される。
また、ガイド部500は、中心軸202に平行な方向の端で連結部400に連結される連結端部540を有する。連結端部540は、例えば、ガイド部500の上下方向の中心に位置している。
ガイド部500は、連結端部540から中心軸202に沿った方向を軸として回転可能である。加えて、上述したように連結部400が中心軸202を回転軸として回転可能であることにより、ガイド部500は、連結部400およびガイド部500によって電線100に対してかかる負荷が最も低い状態で、電線100に接することができる。
ガイド部500が連結端部540から中心軸202に沿った方向を軸として回転する角度は、例えばガイド部500に回転ストッパー(不図示)を設けることなどにより、所定の角度で制限される。これにより、電線100が金車200に入射する鉛直方向の角度がガイド部500によって制限される。具体的には、ガイド部500が連結部400に対して回転する角度は、中心軸202に沿った方向から見て連結部400に沿った方向を0°としたとき−90°以上+90°以下である。これにより、電線100を延線する際の作業性や安全性を向上することができる。
ここで、電線100が開口520の縁部に接したときに電線100が溝部220の両端に接しないための、ガイド部500の開口520の中心軸202に平行な方向の幅(W)の範囲について考える。
図1(b)に示されているように、中心軸202に平行な方向から見て、それぞれ、金車200の中心軸202を「O点」、電線100が溝部220の底部222から離れる点を「A点」、電線100が金車200の外周から外側に露出する点を「B点」、電線100がガイド部500の開口520の上端と接する点を「C点」、径方向に中心軸202から連結端部540を介して電線100まで延長させた直線が電線100と交わる点を「D点」とする。
また、図1(a)および(b)に示されているように、溝部220の溝幅をW(mm)、ガイド部500の開口520の中心軸202に平行な方向の幅をW(mm)、金車200の最大外周半径をR(mm)、金車200の中心軸202から電線100が接する溝部220の底部222までの半径をR(mm)、中心軸202に平行な方向から見て中心軸202から連結端部540までの長さ(OE)をL(mm)、中心軸202に平行な方向から見て連結端部540から開口520の上端に直線状に接した電線110まで連結部400の延在方向に延伸させた線分(ED)の長さをL(mm)、中心軸202に平行な方向から見て連結端部540から開口520の上端までの高さ(CE)をh(mm)とする。
図1(b)において、三角形CDEは直角三角形であるため、
CD=L −h ・・・(2)
三角形OABは直角三角形であるため、
AB=R −R ・・・(3)
また、三角形ADOは直角三角形であるため、
AD=(L+L−R ・・・(4)
さらに、
AC=AD−CD ・・・(5)
ここで、図1(a)において、電線100が溝部220の両方のつば部210に接し得るときのガイド部500の開口520の中心軸202に平行な方向の幅、すなわち開口520の許容最大幅をWMaxとしたとき、二等辺三角形の相似の関係から、
:WMax=AB:AC
が成り立つ。したがって、
Max=W×AC/AB ・・・(6)
よって、ガイド部500の開口520の中心軸202に平行な方向の幅Wの範囲は、
<WMax
であることから、式(2)〜式(6)により、ガイド部500の開口520の中心軸202に平行な方向の幅Wは、下記の式(1)を満たす。
Figure 2015002591
また、金車装置10に導通可能な電線100の最大直径をφMax、ガイド部500の厚さをtとしたとき、W、h、LおよびLの各寸法は、下記の式(7)〜(10)のように見積もられる。
>φMax=W−5 ・・・(7)
h>0.5φMax ・・・(8)
また、連結部400は、ガイド部500が連結端部540で回転しても金車200の外周に接触しないことが好ましいことから、
>R+h+t ・・・(9)
また、三角形の相似の関係から、
=hL/(R−h) ・・・(10)
具体的には、各寸法は、上記の式(1)、式(7)〜式(10)にさらに裕度(マージン)を加えることにより、以下のように見積もられる。中心軸202に平行な方向から見て中心軸202から連結端部540までの長さLは、例えば、125mm以上800mm以下であり、中心軸202に平行な方向から見て連結端部540から開口520の上端に直線状に接した電線100まで連結部400の延在方向に延伸させた線分の長さLは、例えば、25mm以上160mm以下であり、中心軸202に平行な方向から見て連結端部540から開口520の上端までの高さhは、例えば、25mm以上150mm以下である。したがって、溝部220の溝幅W、が上記したように60mm以上200mm以下であるとき、ガイド部500の開口520の中心軸202に平行な方向の幅Wは、上記の式(1)より、例えば、50mm以上400mm以下である。
なお、ガイド部500の開口520の垂直な方向の長さ(2h)は、例えば、50mm以上300mm以下である。
また、上記した各寸法は、電線100の直径や、電線100に取り付ける延線クランプや引き留めクランプなどの工具もしくは付属品の寸法に応じて、適宜、調整される。
以上のように、ガイド部500の開口520の幅Wを設定することにより、電線100が金車200のつば部210に接触することによって溝部220の底部222へ向かって回転することが抑制される。
(ロール部)
次に、図2(a)を用い、ガイド部500の詳細について説明する。図2(a)は、本実施形態に係るガイド部500を示す模式図である。なお、図2において、「202」の一点鎖線矢印は、中心軸202に平行な方向を示している。また、図2において、後述するロール部580の形状を分かりやすくするために、模式的にロール部580のみが斜めから描かれている。
図2(a)に示されているように、ガイド部500は、連結端部540で連結部400に連結され内部に開口520を形成するフレーム部560と、開口520側で延線方向Dに沿って回転可能に設けられたロール部(回転体部)580と、を有する。ロール部580は、例えば円筒状であり、円筒の軸方向に沿ってフレーム部560に連結される。また、ロール部580は、円筒状の側面である周側部580aを有し、周側部580aは開口520側で電線100に接触することができるように配置される。例えば、金車200が鉛直方向に対して傾斜したときに、電線100は、ロール部580に接触し、ロール部580が回転することによって滑らかに延線方向Dに進行する。これにより、電線100がガイド部500に接触することによる電線100の外傷が抑制される。
例えば、ロール部580は、ガイド部500の開口520の少なくとも中心軸202に平行な方向の両側に設けられ、言い換えれば、少なくとも両方の連結部400側にそれぞれ隣接して設けられる。これにより、金車200が鉛直方向に対して大きく傾斜した際に、電線100はガイド部500の開口520の中心軸202に平行な方向の両側に設けられたロール部580に接することにより、電線100の外傷が抑制される。
好ましくは、ロール部580は、周側部580aが開口520に沿うように複数設けられる。ここでは、ロール部580は、四角形状のフレーム部560の各辺に設けられ、すなわち、ガイド部500の開口520の中心軸202に垂直な方向の両側にも設けられる。これにより、電線100の上下左右の全方向の外傷が抑制される。
(2)本実施形態に係る効果
本実施形態やその変形例によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、金車200は、外周の周方向に沿って所定の溝幅Wで設けられ電線100を延線方向Dに案内する溝部220を有する。連結部400は、中心軸202に連結され、金車200の外周よりも外側まで延在する。ガイド部500は、閉じられた枠状であり、また、電線100の延線方向Dに貫通する開口520を有し、連結部400の外周よりも外側まで延在した部分に連結され、開口520内を通した電線100を溝部220に案内する。これにより、電線100を金車200に安定的に導通することができる。
ここで、図4および図5を用い、比較例と対比しながら、本実施形態の効果について説明する。図4(a)は本実施形態に係る金車装置を傾斜させた場合を示す上面図であり、(b)は本実施形態に係る金車装置を傾斜させた場合を示す正面図であり、(c)は本実施形態に係る金車装置を傾斜させた場合を示す側面図である。図5(a)は比較例に係る金車装置を示す上面図であり、(b)は比較例に係る金車装置を示す正面図であり、(c)は比較例に係る金車装置を示す側面図である。
図5は、比較例として、本実施形態の連結部およびガイド部を有していない金車装置10’を示している。図5(a)〜(c)に示されているように、電線100’の線路が鉄塔800を介して曲がっている場合(線路が水平角を有する場合)、電線100’は鉛直方向に対して傾斜する。
図5(c)に示されているように、電線100’が鉛直方向に対して傾斜したとき、金車200’の重さによって、金車200’は、電線100’に比較して、鉛直方向に対して傾斜し難い。このため、比較例では、電線100’の鉛直方向に対する傾斜に対して、金車200’の鉛直方向に対する傾斜が追従できないことがある。この場合、電線100’の鉛直方向に対する角度は、金車200’の鉛直方向に対する角度よりも大きくなる。また、電線100’が引っ張られる方向と、金車200’の溝部220’方向と、は一致しない。
このとき、例えば、電線100’は、最初に金車200’の溝部220’のつば部210’に接してから、電線100’の張力によって溝部220’の側面部224’に押し付けられ、そして金車200’の回転に伴って溝部220’の側面部224’から底部222’に向かって溝部220’の形状に沿って回転しながら移動しようとする。一方で、金車200’の重さによって、金車200’の電線100’に対する角度は変化しにくく、電線100’は側面部224’に接する位置をつば部210’から底部222’に移行しながら進行していく。したがって、電線100’は、導通進行方向に対して時計回りに回転する。このように、電線100’は金車200’によって導通方向を軸として回転するような挙動を示す可能性がある。
この電線が回転する挙動によって、電線には、次のような影響が生じる可能性がある。
電線が鋼心アルミ撚り線(ACSR)や硬銅撚り線などである場合、電線は素線を撚り合わせただけで被覆されていないものであり、いわゆる裸電線が用いられる。このような電線において、電線が回転した場合、電線の撚りが崩れることによって、電線の素線間に隙間が形成される現象、いわゆる電線の「笑い」が生じる可能性がある。さらには、電線の素線が飛び出したり、折れ曲がったりすることによって、電線を延線することが困難となったり、電線100の補修が必要となったりする可能性がある。
また、電線が回転した場合、電線が伸び縮みすることによって、延線する前に予め精密に測られた電線長さや張力を一定に保つことが困難となる可能性がある。また、精密計尺された電線が用いられるプレハブ架線工法では、条長の精度が損なわれるため、予定された弛みで鉄塔間に電線を張る作業ができなくなる可能性がある。
また、電線が回転した場合、電線が溝部のつば部または側壁部に接することによって電線に外傷が生じる可能性がある。また、電線が光ファイバ複合架空地線(OPGW)である場合、電線の伸び縮みや捻じりによって、光ファイバの伝送損失が増加したり、光ファイバが断芯したりする可能性がある。
これに対して、図4(c)に示されているように、本実施形態では、電線100が鉛直方向に対して傾斜した場合、ガイド部500によって、電線100の溝部220に対する入射角度(入射範囲)が制限される。この場合、電線100は、ガイド部500に接しながら、金車200の溝部220に導入される。電線100がガイド部500に接することによって、電線100の張力が、ガイド部500から連結部400を介して金車200の本体に加わる。これにより、金車200が電線100の張力方向に沿うように、金車200の鉛直方向に対する角度が矯正される。また、電線100が金車200の前後で形成する面と、金車200の溝部220が構成する面と、が近づくように、金車200の鉛直方向に対する角度が矯正される。すなわち、電線100’の鉛直方向に対する傾斜に対して、金車200’の鉛直方向に対する傾斜を追従させることができる。
このとき、電線100は、ガイド部500によって、溝部220の側面部224ではなく溝部220の中央に位置する底部222に沿って安定的に導通するように案内される。したがって、電線100が金車200によって延線方向Dを軸として回転することを抑制することができる。また、電線100が溝部220のつば部210または側面部224に接することが抑制されることによって、電線100に外傷が生じることを抑制することができる。以上のように、本実施形態によれば、延線工事を遅滞なく進行することができるとともに、電線100の品質を維持することができる。
(b)本実施形態によれば、ガイド部500は閉じられた枠状に設けられ、すなわち、ガイド部500は電線100の外周を囲むように連結されている。これにより、電線100が金車200から外れることを抑制することができる。
ここで、送電線路では、高低差がある場合や、鉄塔800間の距離が長い場合などのように、電線100が金車200に入射する鉛直方向の角度(カテナリー角)が大きくなることが考えられる。また、1延線区間の電線送り出しと電線巻取りとにおける同期ずれや、ランニングボードや引き留めクランプが金車200を通過するときなどにおいて、電線100の張力変動が生じることがある。このように延線時に電線100の張力変動が生じたとき、金車200が電線100の延線方向の前後に揺れるため、上記したカテナリー角よりもさらに金車200の下側から電線100が入射することも考えられる。
このとき、金車装置がガイド部を有していない場合やガイド部の鉛直方向の上下端が開いている場合では、上記のように電線100が金車200に入射する鉛直方向の角度が大きいときに、電線が金車から外れてしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態によれば、ガイド部500が閉じられた枠状であることにより、例えば電線100が金車200に入射する鉛直方向の角度が大きい場合であっても、電線100の鉛直方向の上下端がガイド部500によって規制される。これにより、電線100が金車200から外れることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上述のように、金車200が鉛直方向に対して傾斜したときに、電線100がガイド部500に接することによって、電線100の張力が、ガイド部500から連結部400を介して金車200の本体に加わる。すなわち、ガイド部500には、ガイド部500の中心軸202に平行な方向の両側を押し広げるような力が加わる。
本実施形態によれば、ガイド部500が電線100の外周を囲むように連結されていることにより、ガイド部500の中心軸202に平行な方向の両側を押し広げるような力が加わってもガイド部500が変形することを抑制することができる。
(c)本実施形態によれば、連結部400は、金車200の中心軸202に連結されている。これにより、連結部400と中心軸202との間で伝達する力のロスを小さくして、金車200の水平方向の向きを電線100の入射方向に正しく向かせることができる。
ここで、金車200の水平方向の向きを電線100の入射方向に正しく向かせるためには、中心軸202に力を加える必要がある。例えば、比較例として、ガイド部が連結された連結部を支持部に連結した場合、金車の水平方向の向きを電線100の入射方向に向ける際に、連結部、支持部、中心軸の順に力が伝搬するため、例えば連結部と支持部との間に捻れが生じる可能性がある。
また、比較例として支持部に連結部を連結する場合、中心軸の周辺には、スペースが限られているため、支持部に連結部を連結する場所を確保することが困難である可能性がある。一方、比較例において、連結部を中心軸から離して支持部の上端付近に連結させる場合では、連結部が回転してもガイド部が金車に接触しないようにするために、連結部を長くする必要がある。この場合、延線作業において、作業性、安全性が低下してしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態のように、連結部400が、支持部300を介さずに直接中心軸202に力を伝達する場合では、連結部400と中心軸202との間で伝達する力のロスを小さくして、金車200の水平方向の向きを電線100の入射方向に正しく向かせることができる。すなわち、連結部と支持部との間に捻れ等が生じることを抑制することができる。また、連結部400が中心軸202と連結することにより、連結部400の所要長さ(中心軸202から連結端部540までの長さL)は、上記の式(9)に示したように金車200の最大外周半径Rにガイド部500が回っても金車200に接触しない裕度分を加算した長さで足りる。また、連結部400が中心軸202を軸として回転可能であることにより、ガイド部500と金車200との間の距離を、ガイド部500が金車200の周方向のどの場所に位置していても、同じ離間距離に維持することができる。
(d)本実施形態によれば、連結部400およびガイド部500は、例えば少なくとも金車200に対する電線100の入射側に設けられる。これにより、電線100の入射側において、以下のように電線100にかかる捻回の力を低下させることができる。
ここで、図5で示した比較例では、入射側の電線100’は、初めに金車200’のつば部210’に接した後、金車200’の最頂部(鉛直方向の最高部)に至るまでに、電線100’が金車200’の側面部224’から受ける圧力は徐々に上昇していく。それに伴い、電線100’は、強い捻回の力を受ける。一方、金車200’の最頂部から出射側では、電線100’が金車200’の側面部224’から受ける圧力は徐々に低下して行き、最後には電線100’は金車200と離れていく。したがって、電線100’が金車200’の側面部224’から受ける力は、金車200’の入射側において支配的になる。
本実施形態によれば、電線100は、ガイド部500によって電線100の金車200に対する入射方向が所定範囲に規制された状態で金車200の溝部220に導入される。これにより、電線100’が金車200’の側面部224’から受ける力が強くなる電線100の入射側において、電線100にかかる捻回の力を低下させることができる。
(e)本実施形態によれば、ガイド部500の開口520の中心軸202に平行な方向の幅Wは、上記の式(1)を満たす。これにより、電線100が金車200の両端に接触することが抑制される。したがって、上記のように電線100の延線方向を軸として回転することを抑制することができる。
(f)本実施形態によれば、ガイド部500は、開口520側で延線方向Dに沿って回転可能に設けられたロール部580を有する。例えば、金車200が鉛直方向に対して傾斜したときに、電線100は、ロール部580に接触し、ロール部580が回転することによって滑らかに延線方向Dに進行する。これにより、電線100がガイド部500に接触することによる電線100の外傷が抑制される。
(g)本実施形態によれば、連結部400は、中心軸202を回転軸として回転可能である。ガイド部500と連結部400との重さによって、ガイド部500は、電線100にぶら下がる。これにより、電線100の鉛直方向の動きに追従するように、ガイド部500が金車200の外周に沿って移動することができる。例えば電線100が金車200に入射する鉛直方向の角度の振れ幅が大きい場合に特に有効である。
(h)本実施形態によれば、ガイド部500は、中心軸202に平行な方向の端で連結部400に連結される連結端部540を有し、連結端部540から中心軸202に沿った方向を軸として回転可能である。加えて、上述したように連結部400が中心軸202を回転軸として回転可能である。例えば、ガイド部500は、開口520が構成する面が電線100に対して垂直な方向に傾いた状態で、電線100に接する。これにより、ガイド部500は、連結部400およびガイド部500によって電線100に対してかかる負荷が最も小さい状態で、電線100に接することができる。
<本実施形態の変形例>
上述の実施形態では、ガイド部500の開口520が四角形である場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
以下の本実施形態の変形例は、ガイド部の開口の形状が上述の本実施形態と異なる。以下、本変形例では、上記した本実施形態と異なる要素についてのみ説明し、本実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、その説明を省略する。
(変形例1)
図2(b)は、変形例1に係るガイド部502を示す模式図である。図2(b)に示されているように、変形例1では、ガイド部502の開口522は、例えば、八角形である。
ガイド部502は、連結部400に連結され内部に開口522を形成するフレーム部562と、開口522側で延線方向Dに沿って回転可能に設けられたロール部582と、フレーム部562の中心軸202に平行な方向に対向する両辺の外側で連結部400に連結される連結端部542と、を有する。ロール部582は、例えばフレーム部562を軸として回転可能に連結される。また、ロール部582は、円筒状の側面である周側部582aを有し、周側部582aが八角形の開口522に沿うように複数設けられる。すなわち、ロール部582は、電線100を金車200に送り出す方向から見て、フレーム部562のうち、中心軸202に平行な方向の両側、中心軸202に平行な方向に対して時計回りに45°傾けた方向の両側、中心軸202に平行な方向に対して反時計回りに45°傾けた方向の両側、中心軸202に垂直な方向の両側に設けられる。
変形例1によれば、ガイド部502の開口522は、八角形である。金車200が鉛直方向に対して傾斜した場合、電線100がガイド部502の中心軸202に平行な方向に対して傾けた方向の辺に接する。これにより、金車200が電線100の張力方向に沿うように、金車200の鉛直方向に対する角度が早急に矯正される。
また、変形例1によれば、ロール部582は、周側部582aが八角形の開口522に沿うように複数設けられる。これにより、電線100がガイド部502の中心軸202に平行な方向に対して傾けた方向から引き入れられた場合でも、電線100の外傷が抑制される。
(変形例2)
図2(c)は、変形例2に係るガイド部504を示す模式図である。図2(c)に示されているように、変形例2では、ガイド部504は、例えば、円環状であり、すなわち、開口524は円形である。
ガイド部504は、変形例1と同様に、開口524を形成するフレーム部564と、ロール部584と、連結部400に連結される連結端部544と、を有する。ロール部584は、周側部584aが円形の開口524に沿うように複数設けられる。すなわち、ロール部584は、フレーム部562の周方向に亘って設けられる。
ガイド部504の開口524の直径は、式(1)において、開口524の中心軸202に平行な方向の幅Wを開口524の直径として求めればよい。
ここで、変形例2のようにガイド部504の開口524が円形である場合、電線100がガイド部504の水平方向から斜めに入射したとき、電線100は、最初に任意の場所でガイド部504のロール部584に接したとしても、後に、ガイド部504の水平方向の縁部、すなわちh=0の場所まで滑って安定する。したがって、開口524の直径(W)が、h=0、L=0のときに、式(1)を満たせばよい。すなわち、開口524の直径(W)は、下記の式(11)を満たす。
Figure 2015002591
変形例2によれば、ガイド部504の開口524は、円形である。金車200が鉛直方向に対して傾斜した場合、電線100がガイド部504の円弧に沿って接する。これにより、金車200が電線100の張力方向に沿うように、金車200の鉛直方向に対する角度が早急に矯正される。
また、変形例2によれば、ロール部584は、周側部584aが円形の開口524に沿うように複数設けられる。これにより、電線100がガイド部504のどの角度から引き入れられた場合でも、電線100の外傷が抑制される。
(変形例3)
図3(a)は、変形例3に係るガイド部506を示す模式図である。図2(c)に示されているように、変形例3は、ロール部586の形状が異なる点で、変形例2と異なる。
ガイド部506は、変形例1と同様に、開口526を形成するフレーム部566と、複数の鼓状のロール部586と、連結部400に連結される連結端部546と、を有する。複数のロール部586は、鼓状のくびれ部分がフレーム部562の周方向に沿うように設けられる。ロール部586の軸方向の中央の直径は、ロール部586の軸方向の両端の直径よりも細い。ロール部586の周側部586aは、電線100の延線方向Dから見て、円弧状である。また、複数の鼓状のロール部586は、開口526側に密に配置される。
変形例3によれば、主に回転可能な複数の鼓状のロール部586のみによって、円形の開口526が形成される。ここで、変形例1のように開口が多角形の場合、電線は多角形の開口における角の位置まで移動してから安定する。これに対して、変形例3では、電線100がどの角度からガイド部506に入射しても、電線100がロール部586の周側部586a上を滑って位置を変えることなく、その場所で安定することができる。また、電線100がロール部586の周側部586a上を滑ることが抑制され、電線100がフレーム部562に当たることが抑制される。これにより、電線100に外傷が生じにくく、電線100の変形などが起こりにくい。さらに、変形例3では、変形例2に比較して、少ないロール部586で開口526を形成することができる。これにより、ガイド部506の部品点数を少なくすることができ、製造コストを低くすることができる。
(変形例4)
図3(b)は、変形例4に係るガイド部508を示す模式図である。図3(b)に示されているように、変形例4は、フレーム部の形状が異なる点で、上記した本実施形態と異なる。
変形例4では、フレーム部568は、開口522側でロール部588を回転可能に支持する第1フレーム部568aと、第1フレーム部568aよりも外側に連結部400に連結される連結端部548を有する連結部400と、を有する。すなわち、連結部400は、ロール部588を支持する第1フレーム部568aを迂回して設けた第2フレーム部568bに連結される。
変形例4によれば、連結部400が第2フレーム部568bに連結される連結部分に近い側のロール部588は、連結部分で分離されていない。これにより、ガイド部508において、電線100がロール部588に接する部分を増やすことができる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、ガイド部500の中心軸202に平行な方向の端で連結部400に連結される連結端部540がガイド部500の上下方向の中心に位置している場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。連結端部はガイド部の上下方向の中心でなくても良い。例えば、連結端部はガイド部の上端または下端の近くに位置していても良い。
また、上述の実施形態では、電線100がガイド部500の上端に接している場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ガイド部は開口の範囲内で電線を案内するよう構成されていればよく、常に電線と接している必要はない。
また、上述の実施形態では、ガイド部500および連結部400が金車200に対する電線100の入射側だけ設けられる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。連結部およびガイド部は、金車に対する電線の出射側だけに設けられていても良い。この場合でも上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。または、連結部およびガイド部は、支持部を挟んで電線の導通方向の両側に設けられていてもよい。言い換えれば、連結部およびガイド部は、金車に対する電線の入射側だけでなく、電線の出射側にも設けられていても良い。これにより、金車が鉄塔に対して傾斜した場合、二つのガイド部によって、金車が電線の張力方向に沿うように、金車の鉄塔に対する角度が矯正され易い。
また、上述の実施形態では、ガイド部500のロール部580が円筒状である場合を図示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ロール部は球体状であってもよい。
また、上述の実施形態では、ガイド部500のロール部580が軸方向に直径が均等な円筒状である場合を図示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ロール部の周側部は周側部の回転方向に沿った溝を有していても良い。これにより、電線が延線方向Dを軸として回転することが抑制される。
また、上述の実施形態では、ガイド部500が常に閉じられている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ガイド部は、開閉自在に閉じられた枠状であってもよい。これにより、ガイド部の一部を開いて広げることにより、ガイド部内に電線を出し入れすることができる。
次に、本発明に係る実施例について比較例と共に説明する。
(金車装置の製作)
表1は、実施例に係る金車装置の各寸法を示している。金車径(溝部220の底部222が構成する円の直径)が約600mmである場合において、実施例1および実施例2として、異なる寸法で金車装置を製作した。なお、ガイド部の開口を四角形とし、ロール部を四角形状のフレーム部の各辺に設けた。
いずれの実施形態においても、金車の溝幅W1は、106mmであり、すなわち、金車装置に導通可能な電線の最大直径φMaxは、100mmである。
実施例1では、ガイド部の連結端部から開口の上端までの高さhは、上記の式(8)を満たすように、電線の最大直径φMaxの半分の長さに10mmの寸法裕度が加算されている。すなわち、hが最小寸法に近い値に設定されている。また、実施例1において、中心軸から連結端部までの長さL、およびガイド部の開口の中心軸に平行な方向の幅Wは、上記したhに合わせて小さい値で設定されている。
一方、実施例2では、中心軸から連結端部までの長さL、を実施例1でのLよりも長く設定されている。また、Lの値に基づいて、実施例2のガイド部の連結端部から開口の上端までの高さhは、実施例1のhよりも大きい値に設定され、ガイド部の開口の中心軸に平行な方向の幅Wは、上記した式(1)を満たす範囲で大きく設定されている。
なお、比較例として、実施例1と同じ金車を用い、ガイド部を有しない金車装置を製作した。
Figure 2015002591
(評価)
各実施例および比較例の金車装置を用い、総距離が約200mである共通の線路において、線路の中央に設けられた鉄塔に金車装置を設置して、電線の延線作業を行った。このとき、線路の水平角が5度および10度の場合のそれぞれにおいて、金車装置を通過する際の電線の回転の回数を測定した。このとき、電線の回転を、電線の周方向の半面にあらかじめ長手方向に直線状のマークを付けて判別するとともに、電線の回転の方向が電線の進行方向に向かって時計回りか反時計回りかであるかを観測して、評価した。
(結果)
表2は、上記した評価を行った結果を示している。
Figure 2015002591
表2に示されているように、比較例では、金車通過に伴って電線の回転が発生した。電線の回転数は100mあたり5回から11回であった。すなわち、比較例では、電線の品質に問題が生じうる程度であった。これに対して、実施例1および実施例2では、電線が円滑に金車装置によって導通され、電線の回転は発生しなかった。
このように、本実施例によれば、電線を金車に安定的に導通する金車装置を提供することができる。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
外周の周方向に沿って所定の溝幅で設けられ電線を延線方向に案内する溝部を有する円盤状の金車と、
前記金車の中心軸を、前記金車が回転可能な状態で支持する支持部と、
前記中心軸に連結され、前記金車の前記中心軸から前記外周よりも外側まで延在する連結部と、
前記連結部に連結され、前記電線を前記溝部に案内するガイド部と、
を有し、
前記ガイド部は、
前記電線の延線方向に貫通し内部に前記電線を案内する開口を有するとともに、閉じられた枠状である
金車装置が提供される。
(付記2)
付記1に記載の金車装置であって、好ましくは、
前記ガイド部の前記開口は、前記電線が前記開口の縁部に接したときに、前記電線が前記溝部の両端に接しないように配置される。
(付記3)
付記1または2に記載の金車装置であって、好ましくは、
前記ガイド部は、前記開口側で前記導通方向に沿って回転可能に設けられたロール部を有する。
(付記4)
付記3に記載の金車装置であって、好ましくは、
前記ロール部は、前記開口の少なくとも前記中心軸に平行な方向の両側に設けられる。
(付記5)
付記3または4に記載の金車装置であって、好ましくは、
前記ロール部は、回転方向に沿って設けられた周側部を有し、前記周側部が前記開口に沿うように複数設けられる。
(付記6)
付記1〜5のいずれかに記載の金車装置であって、好ましくは、
前記ガイド部は、前記中心軸に平行な方向の端で前記連結部に連結される連結端部を有し、
前記溝幅をW、前記開口の前記中心軸に平行な方向の幅をW、前記金車の最大外周半径をR、前記金車の前記中心軸から前記電線が接する前記溝部の底部までの半径をR、前記中心軸に平行な方向から見て前記中心軸から前記連結端部までの長さをL、前記中心軸に平行な方向から見て径方向に前記中心軸から前記連結部を介して前記電線まで延長させた直線のうち前記連結端部から前記電線と交わる点までの線分の長さをL、前記中心軸に平行な方向から見て前記連結端部から前記開口の上端までの高さをhとしたとき、前記開口の前記中心軸に平行な方向の幅Wは、式(1)を満たす。
(付記7)
付記1〜6のいずれかに記載の金車装置であって、好ましくは、
前記連結部および前記ガイド部は、少なくとも前記金車に対する前記電線の入射側に設けられる。
(付記8)
付記1〜7のいずれかに記載の金車装置であって、好ましくは、
前記連結部および前記ガイド部は、前記支持部を挟んで前記導通方向の両側に設けられる。
(付記9)
付記1〜8のいずれかに記載の金車装置であって、好ましくは、
前記連結部は、前記中心軸を回転軸として回転可能である。
(付記10)
付記1〜9のいずれかに記載の金車装置であって、好ましくは、
前記ガイド部は、
前記中心軸に平行な方向の端で前記連結部に連結される連結端部を有し、
前記連結端部から前記中心軸に沿った方向を軸として回転可能である。
(付記11)
付記1〜10のいずれかに記載の金車装置であって、好ましくは、
前記開口は多角形である。
(付記12)
付記11に記載の金車装置であって、好ましくは、
前記開口の前記中心軸に平行な方向の両辺は、前記溝部に沿うように設けられる。
(付記13)
付記1〜10のいずれかに記載の金車装置であって、好ましくは、
前記ガイド部は円環状である。
(付記14)
付記1〜13のいずれかに記載の金車装置であって、好ましくは、
前記ガイド部は、前記導通方向から見て前記連結部よりも前記溝部側に設けられる。
(付記15)
付記1〜14のいずれかに記載の金車装置であって、好ましくは、
前記ガイド部の前記開口は、前記電線の導通方向から見て前記溝部と重なるように配置される。
(付記16)
付記1〜15のいずれかに記載の金車装置であって、好ましくは、
前記ガイド部は、前記電線の導通方向から見て前記ガイド部の前記開口の中心が前記溝部の中心が構成する円弧と重なるように配置される。
10 金車装置
100 電線
200 金車
202 中心軸
210 つば部(端部)
220 溝部
222 底部
224 側面部
300 支持部
400 連結部
500 ガイド部
520 開口
540 連結端部
800 鉄塔

Claims (6)

  1. 外周の周方向に沿って所定の溝幅で設けられ電線を延線方向に案内する溝部を有する円盤状の金車と、
    前記金車の中心軸を、前記金車が回転可能な状態で支持する支持部と、
    前記中心軸に連結され、前記金車の前記中心軸から前記外周よりも外側まで延在する連結部と、
    前記連結部に連結され、前記電線を前記溝部に案内するガイド部と、
    を有し、
    前記ガイド部は、
    前記電線の延線方向に貫通し内部に前記電線を案内する開口を有するとともに、閉じられた枠状である
    ことを特徴とする金車装置。
  2. 前記ガイド部の前記開口は、前記電線が前記開口の縁部に接したときに、前記電線が前記溝部の両端に接しないように配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の金車装置。
  3. 前記ガイド部は、前記開口側で前記導通方向に沿って回転可能に設けられたロール部を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の金車装置。
  4. 前記ガイド部は、前記中心軸に平行な方向の端で前記連結部に連結される連結端部を有し、
    前記溝幅をW、前記開口の前記中心軸に平行な方向の幅をW、前記金車の最大外周半径をR、前記金車の前記中心軸から前記電線が接する前記溝部の底部までの半径をR、前記中心軸に平行な方向から見て前記中心軸から前記連結端部までの長さをL、前記中心軸に平行な方向から見て径方向に前記中心軸から前記連結部を介して前記電線まで延長させた直線のうち前記連結端部から前記電線と交わる点までの線分の長さをL、前記中心軸に平行な方向から見て前記連結端部から前記開口の上端までの高さをhとしたとき、前記開口の前記中心軸に平行な方向の幅Wは、下記の式(1)を満たす
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金車装置。
    Figure 2015002591
  5. 前記連結部は、前記中心軸を回転軸として回転可能である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金車装置。
  6. 前記ガイド部は、
    前記中心軸に平行な方向の端で前記連結部に連結される連結端部を有し、
    前記連結端部から前記中心軸に沿った方向を軸として回転可能である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金車装置。
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