JP2011216206A

JP2011216206A - 電力光複合ケーブル

Info

Publication number: JP2011216206A
Application number: JP2010080508A
Authority: JP
Inventors: Yoshiharu Nakamura; 良晴中村
Original assignee: Furukawa Electric Co Ltd; Fujikura Ltd; Viscas Corp
Current assignee: Furukawa Electric Co Ltd; Fujikura Ltd; Viscas Corp
Priority date: 2010-03-31
Filing date: 2010-03-31
Publication date: 2011-10-27

Abstract

【課題】電力光複合ケーブルに対しその電力線心ユニットの撚りが緩む向きに捻れが加わった場合でもその光ケーブルに加わる伸び歪みを極力緩和できる構造の電力光複合ケーブルを提供する。
【解決手段】３本の電力線心２を撚り合わせてなる電力線心ユニット３と、電力線心ユニット３を周囲から押さえた状態で覆う筒状の被覆体４と、電力線心ユニット３を構成している相隣接する電力線心２と被覆体４との間に形成される空隙５に設けられた光ケーブルユニット６と、電力線心ユニット３に捻りによる歪みが加わった場合に被覆体４の径方向への光ケーブルユニット６の可動域を確保するべく空隙５に設けられたスペーサ部材７と、を有する。
【選択図】図１

Description

この発明は、海底ケーブルなどに使用される電力光複合ケーブルに関する。

従来の電力光複合ケーブルの構造の一例を図２に示す。この電力光複合ケーブル２０は、３本の電力線心２１を撚り合わせて電力線心ユニット２２が形成され、その撚り合わせによって相隣接する電力線心２１の外側に形成される空隙２３に光ケーブルユニット２４が配置されている。空隙２３には介在物２５が充填され、空隙２３の部分を含めて電力線心ユニット２２全体の断面が円形になるように形成されている。その外側に順次、押さえテープ２６、座床プラスチック紐２７、亜鉛メッキ鉄線２８、外層プラスチック紐２９が被覆されている。電力線心２１は、導体３０の外側に順次、内部半導電層３１、絶縁体３２、外部半導電層３３、半導電性水密層３４、鉛被３５、座庄テープ３６を被覆してなる。

実公昭６０−２６４１０号公報特開平５−１６６４２２号公報特開２００５−３７８００号公報

光ケーブル２４は複合ケーブルを構成する他の部材に比べて張力が加わった際の性能への影響が大きいので、製造時、保管時、輸送時、敷設作業時及び使用時のいずれにおいても曲げなどによって許容限度以上の伸び歪みが加わらないように細心の注意が必要である。
しかし、海底ケーブルなどに使用される電力光複合ケーブル２０は長尺であるため、コイル状或いはドラム状に巻き回した形態で保管及び輸送される場合が多い。電力光複合ケーブル２０の巻き回し（コイリング）は、ケーブル２０を床面に落とし込みながら円形に巻き取っていく手法で行われる。その際、電力光複合ケーブル２０には、その電力線心ユニット２２を構成している電力線心２１の撚りが緩む向きに捻れが加わるため、電力線心ユニット２２の外側に設けられている光ケーブル２４に伸び歪みが加わる。電力線心ユニット２２は押さえテープ２６などによって周囲から押さえられているため、電力線心２１の撚りが緩む向きに捻れが加わっても膨らむことができず伸張することになり、光ケーブル２４は介在物２５によって空隙２３内での移動が束縛されているため、電力線心ユニット２２の伸び歪みがそのまま光ケーブル２４に加わってしまうのである。

本発明が解決しようとする課題は、電力光複合ケーブルに対し、その電力線心ユニットに捻れが加わった場合でも、その光ケーブルに加わる伸び歪みを緩和できる構造の電力光複合ケーブルを提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明の電力光複合ケーブルは、導体を絶縁体で被覆してなる電力線心を複数本撚り合わせた電力線心ユニットと、前記電力線心ユニットを周囲から押さえた状態で覆う筒状の被覆体と、前記電力線心ユニットを構成している相隣接する電力線心と前記被覆体との間に形成される空隙に設けられた光ケーブルと、前記電力線心ユニットに捻りによる歪みが加わったときに前記被覆体の径方向への前記光ケーブルの可動域を確保するべく前記空隙に設けられたスペーサ部材と、を有する。

また、本発明において、前記スペーサ部材は、前記空隙の長手方向に延びるプラスチック製の部材であることが望ましい。
さらに、前記スペーサ部材は、前記空隙の長手方向の所々に設けられてもよい。
さらに、前記スペーサ部材は、前記電力線心ユニットを構成している相隣接する両電力線心と前記被覆体とに同時に接触して当該電力線心相互の動きを抑制するように構成された部材であることが望ましい。

本発明の電力光複合ケーブルは、電力光複合ケーブルに対し電力線心ユニットの撚りが緩む向きに捻れが加わった場合でも、光ケーブルがスペーサ部材によって確保された可動域内で変位できるため、光ケーブルに加わる伸び歪みを極力緩和できる。

本発明に係る電力光複合ケーブルの実施形態を例示する断面図従来の電力光複合ケーブルの構造を例示する断面図

以下、本発明の実施形態について説明する。
図１に例示する電力光複合ケーブル１は、３本の電力線心２を撚り合わせてなる電力線心ユニット３と、電力線心ユニット３を周囲から押さえた状態で覆う筒状の被覆体４と、相隣接する電力線心２と被覆体４との間に形成される空隙５に設けられた光ケーブルユニット６と、を有する。
電力線心２及び光ケーブルユニット６の構造は従来のものと同じである。被覆体４は、電力線心ユニット３の外側に順次、押さえテープ１５、座床プラスチック紐１６、亜鉛メッキ鉄線１７、外層プラスチック紐１８を被覆することにより形成される。この構造も従来と同じである。

空隙５は、被覆体４内が３本の電力線心２によって周方向に仕切られることにより３つ形成されている。各空隙５には、電力線心ユニット３に捻りによる歪みが加わったときに被覆体４の径方向への光ケーブルユニット６の可動域を確保するべくスペーサ部材７が設けられている。光ケーブルユニット６は、３つの空隙５のうちの１つに設けられている。光ケーブルユニット６は、空隙５内で変位できるように非緊張状態で電力線心２に沿わせて設けられている。

スペーサ部材７は、空隙５の長手方向に延びるプラスチック製の部材であり、電力線心ユニット３を構成している相隣接する両電力線心２と被覆体４とに同時に接触して当該電力線心２相互の動きを抑制している。スペーサ部材７は、その断面形状が偏平な略Ｃ字形状であり、その断面形状をＣ字形状としてみたときに開口している側を電力線心ユニット３の中心に向けて設けられている。

この電力光複合ケーブル１は、電力線心ユニット３の互いに隣接する電力線心２間の外側に形成されている３つの溝状の部分（空隙５となる部分）のうちの１つに光ケーブルユニット６を配置した後、全体の断面が円形になるように当該３つの溝状の部分それぞれにスペーサ部材７を配置し、その外側を被覆体４で被覆することにより製造される。製造された電力光複合ケーブル１は、コイル状に巻き回した形態で保管及び輸送がなされる。

電力光複合ケーブル１の巻き回し（コイリング）は、上述した従来の技術と同様、電力光複合ケーブル１を床面に落とし込みながら円形に巻き取っていく手法で行われる。その際、電力光複合ケーブル１には、その電力線心ユニット３を構成している電力線心２の撚りが緩む向きに捻れが加わり、電力線心ユニット３にその径方向への膨張が被覆体４によって規制されることによる伸び歪みが発生する。このため、光ケーブルユニット６に対し電力線心ユニット３の膨張及び伸び歪みに伴う圧縮力や引張力が作用することになるが、空隙５内にはスペーサ部材７によって光ケーブルユニット６の可動域が確保されているため、光ケーブルユニット６は圧縮力や引張力を緩和する方向に移動することができる。その結果、光ケーブルユニット６に加わる伸び歪みが極力緩和される。

以上説明したように、この実勢形態の電力光複合ケーブル１は、電力線心ユニット３の撚りが緩む向きに捻れが加わった場合でも、光ケーブルユニット６がスペーサ部材７によって確保された可動域内で変位できるため、光ケーブルユニット６に加わる伸び歪みを極力緩和することができる。また、従来用いられていた介在物が不要となるため、ケーブル重量を軽減できる。

また、従来海底ケーブルに使用される長尺の電力光複合ケーブルでは、コイリングによって光ケーブルユニットに発生する歪みを低減するためにはコイリングの内径を大きくする必要があったが、この実勢形態の電力光複合ケーブル１によれば、コイリングによって光ケーブルユニットに発生する歪みが緩和される効果により、コイリング径を従来よりも小さくできるので、ケーブルの保管・輸送の面において極めて有利である。

なお、上記の例では、３つある空隙５のうち１つの空隙５のみに光ケーブルユニット６が設けられているが、３つの空隙５全て又はそのうちの２つに各々光ケーブルユニット６を設けてもよい。
また、上記の例では、スペーサ部材７としてその断面形状が偏平な略Ｃ字形状のものを使用しているが、その他の断面形状のスペーサ部材７を使用することも可能である。また、スペーサ部材７は、空隙５の長手方向の所々に設けてもよい。
また、上記の例では、介在物を使用していないが、スペーサ部材７と介在物を併用することも可能である。スペーサ部材７と介在物を併用する場合、介在物として光ケーブルユニット６の動きを許容し得る程度の柔軟なものを使用することが望ましい。

１電力光複合ケーブル
２電力線心
３電力線心ユニット
４被覆体
５空隙
６光ケーブル
７スペーサ部材

Claims

導体を絶縁体で被覆してなる電力線心を複数本撚り合わせた電力線心ユニットと、
前記電力線心ユニットを周囲から押さえた状態で覆う筒状の被覆体と、
前記電力線心ユニットを構成している相隣接する電力線心と前記被覆体との間に形成される空隙に設けられた光ケーブルと、
前記被覆体内での径方向への前記光ケーブルの可動域を確保するべく前記空隙に設けられたスペーサ部材と、を有する電力光複合ケーブル。
前記スペーサ部材は、前記空隙の長手方向に延びるプラスチック製の部材である、請求項１の電力光複合ケーブル。
前記スペーサ部材は、前記空隙の長手方向の所々あるいは全長に亘って設けられている、請求項２の電力光複合ケーブル。
前記スペーサ部材は、前記電力線心ユニットを構成している相隣接する両電力線心と前記被覆体とに同時に接触して当該電力線心相互の動きを抑制する、請求項１乃至３のいずれかの電力光複合ケーブル。