JP2015001878A - 生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラム - Google Patents

生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】居住者の例えば安否確認を行い得る生活状況を推定することができるようにする。【解決手段】スマートメーター1によって世帯9全体でのエネルギー使用量の計測が行われるステップ(S1)と、計測の結果に基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値が算出されるステップ(S2)と、直近過去短時間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表す短期変動幅が算出されるステップ(S3)と、直近過去所定期間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表す長期変動幅が算出されるステップ(S4)と、直近過去長期間内の複数の短期変動幅の値の昇順配列若しくは降順配列におけるXパーセンタイル値が長期変動幅閾値として決定されるステップ(S5)と、長期変動幅の値と長期変動幅閾値とが対比されて生活状況が推定されるステップ(S6)とを有するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、特に高齢者や身体障害者の単身世帯や高齢者及び身体障害者のみで構成される世帯における居住者の安否確認に用いて好適な技術に関する。
居住者の安否確認を行う従来のシステムとして、例えば、安否確認対象者宅における寝床の配される所定の部屋をはじめとする各所に設けられて人体からの赤外線に感応する複数の赤外線センサと、当該赤外線センサの感応信号に基づいて人体の存在場所すなわち対象者の居場所を判定する居場所判定手段とを備えた生活見守りシステムにおいて、寝床のみにおける人体に感応する寝床センサを更に備え、居場所判定手段が、寝床センサの感応があったときは当該寝床センサのみに基づいて寝床に人体が存在するか否かを判定し、否の時、赤外線センサによる判定を行なうものがある(特許文献1)。
また、近年、地球温暖化や電力需給の逼迫等を背景に、ITを活用した電力系統の最適制御によって効率的なエネルギー利用を図る「スマートグリッド」への関心が世界的に高まる中、スマートグリッドを構成する重要な一要素である双方向通信機能を有する電子式メーター、いわゆる「スマートメーター」の導入が、各国において検討または実施されている。我が国においても、通信機能を有する電力量計であるスマートメーターの普及が、経済産業省等を中心として進められている。このスマートメーターは、遠隔検針及び遠隔開閉の機能を有し、電力用スマートメーターであれば電力使用量(具体的には、積算電力量正方向計測値)及び逆潮流値(具体的には、積算電力量逆方向計測値)並びに時刻情報を30分間隔で、ガス用スマートメーターであればガス使用量及び時刻情報を60分間隔で、それぞれ、電力等使用情報として提供することが要件とされている(非特許文献1)。なお、経済産業省が設置したスマートメーター制度検討会における議論を経て平成23年2月にとりまとめられたスマートメーターの基本要件(非特許文献1)のことを、以下の説明では「経産省基本要件」と呼ぶ。また、水道用スマートメーターについては、前記検討会における議論を参考に引き続き技術的検証を進めることが期待されるとされている。
特開2003−317165号
スマートメーター制度検討会:「スマートメーター制度検討会 報告書」,平成23年2月
特許文献1の生活見守りシステムでは、安否確認対象者宅の各所に複数の赤外線センサを設ける必要がありコスト高となってしまう。また、安否確認対象者宅の各所に赤外線センサを設けて当該赤外線センサの感応信号に基づいて居住者の居場所を判定するということは、安否確認対象者宅の居住者にとっては生活状況の細部が第三者から常に監視され生活態様が知られてしまうようで心地の良いものではなく、居住者に不快感を与える可能性があるという問題がある。
また、スマートメーターの導入により、提供されるエネルギー使用情報を活用した新しいサービスの創出による生活の質の向上、さらには関連産業の創出による経済の活性化(グリーンイノベーション)等も期待されている。
そこで、本発明は、社会的インフラ(具体的にはスマートメーター)を活用し、世帯内に付加的な機能や装置を設けることなく、且つ、世帯内の居住者の居場所など具体的な生活状況の情報を必要とすることなく、居住者の例えば安否確認を行い得る生活状況を推定することができる生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の生活状況の推定方法は、スマートメーターによって世帯全体でのエネルギー使用量の計測が行われるステップと、計測の結果に基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値が算出されるステップと、直近過去短時間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の短期変動幅が算出されるステップと、直近過去所定期間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の長期変動幅が算出されるステップと、直近過去長期間内の複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅の値の昇順配列若しくは降順配列におけるXパーセンタイル値(Xの値は予め設定される)が長期変動幅閾値として決定されるステップと、エネルギー使用量合計値の長期変動幅の値と長期変動幅閾値とが対比されて世帯の居住者の生活状況が推定されるステップとを有するようにしている。
また、本発明の生活状況の推定装置は、スマートメーターによって計測された世帯全体でのエネルギー使用量のデータを記憶装置から読み込む手段と、エネルギー使用量のデータに基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値を算出する手段と、直近過去短時間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の短期変動幅を算出する手段と、直近過去所定期間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の長期変動幅を算出する手段と、直近過去長期間内の複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅の値の昇順配列若しくは降順配列におけるXパーセンタイル値(Xの値は予め設定される)を長期変動幅閾値として決定する手段と、エネルギー使用量合計値の長期変動幅の値と長期変動幅閾値とを対比して世帯の居住者の生活状況を推定する手段とを有するようにしている。
また、本発明の生活状況の推定プログラムは、スマートメーターによって計測された世帯全体でのエネルギー使用量のデータを記憶装置から読み込む手段、エネルギー使用量のデータに基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値を算出する手段、直近過去短時間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の短期変動幅を算出する手段、直近過去所定期間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の長期変動幅を算出する手段、直近過去長期間内の複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅の値の昇順配列若しくは降順配列におけるXパーセンタイル値(Xの値は予め設定される)を長期変動幅閾値として決定する手段、エネルギー使用量合計値の長期変動幅の値と長期変動幅閾値とを対比して世帯の居住者の生活状況を推定する手段としてコンピュータを機能させるようにしている。
なお、スマートメーターは、従来の電力メーターやガスメーター(また、水道メーター)に代わって屋外に設置されることが想定され、世帯全体での電力量やガス使用量(また、水道使用量)を計測して時刻情報と共に電力等使用情報として所定の時間間隔(経産省基本要件では、電力は30分,ガスは60分)で提供する。
したがって、これらの生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、世帯で計測されたエネルギー使用量が用いられて長期変動幅閾値が世帯毎に設定されるようにしているので、世帯毎のエネルギー使用の特性(言い換えると、生活パターン)が反映された閾値が設定される。しかも、世帯毎の閾値が自動的に設定される。
そして、これらの生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、社会的インフラとしてのスマートメーターによって得られる計測データを活用するようにしているので、独自の特別な付加的な計測機器を設けることなく、居住者による屋内での活動に伴う電気機器やガス設備(また、水道設備)の使用の有無を判断して居住者が健常に生活しているか否かが推定される。
これらの生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、また、世帯全体での電力量やガス使用量(また、水道使用量)を計測するスマートメータによって得られる計測データを活用するようにしているので、居住者の屋内における居場所など具体的な生活状況の情報を使うことなく、更に言えば、世帯内に配設された特定の(言い換えると、個別の)電気機器やガス設備(また、水道設備)の使用情報を使うことなく、居住者による屋内での活動に伴う電気機器やガス設備(また、水道設備)の使用の有無を判断して居住者が健常に生活しているか否かが推定される。
これらの生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、さらに、スマートメーターが設置された世帯から離れた場所で居住者の生活状況を確認するようにできるので、居住者の世帯に直接出向くことなく、居住者が健常に生活しているか否かを確認することができる。また、複数の世帯の状況を一台の装置に集約して確認するようにできるので、普段の運用上は少ない労力で、複数の世帯の居住者が健常に生活しているか否かを確認することができる。
また、これらの生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、スマートメーターの有効活用が図られる。
また、本発明の生活状況の推定方法は、一日の時間帯が区分され、各ステップの処理が時間帯の区分毎に行われるようにしても良く、本発明の生活状況の推定装置は、一日の時間帯が区分され、各手段の処理が時間帯の区分毎に行われるようにしても良く、本発明の生活状況の推定プログラムは、一日の時間帯が区分され、各手段の処理が時間帯の区分毎に行われるようにコンピュータを機能させるようにしても良い。これらの場合には、一日の生活時間帯の区分毎に各値が算出・決定された上で生活状況が推定される。
本発明の生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、世帯毎のエネルギー使用の特性(言い換えると、生活パターン)が反映された閾値を自動的に設定することができるので、計測データを目視等して閾値を設定するという手間と経験とが必要な作業を行なう必要がなく、例えば多数の世帯を同時に推定の対象にする場合であっても個々の世帯について適切な閾値を迅速に設定することが可能になる。
本発明の生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、また、世帯のエネルギー使用パターンは季節変化などに応じて変化するものであるところ、閾値を自動的に設定することができるので、エネルギー使用パターンの変化を反映させて閾値を常時更新し、世帯毎の生活状況を常に適切に推定することが可能になる。しかも、閾値を設定する際に直近の計測データを使用することで閾値を世帯の直近のエネルギー使用パターンを反映させた値にすることができるので、世帯の現状に沿った適切な推定を常に行うことが可能になる。
本発明の生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、また、独自の特別な付加的な計測機器を設けることなく、居住者による屋内での活動に伴う電気機器やガス設備(また、水道設備)の使用の有無を判断して居住者が健常に生活しているか否かという生活状況を推定することができるので、生活状況推定システムとしての整備コストを低減させることが可能であり、生活状況推定システム普及のコスト面の障害を軽減して生活状況推定システムの普及を促進し、例えば高齢者単身世帯や高齢者のみ世帯などの生活安全性の向上を図ることが可能になる。
本発明の生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、また、居住者の屋内における居場所など具体的な生活状況の情報を使うことなく、更に言えば、世帯内に配設された特定の(言い換えると、個別の)電気機器やガス設備(また、水道設備)の使用情報を使うことなく、居住者による屋内での活動に伴う電気機器やガス設備(また、水道設備)の使用の有無を判断して居住者が健常に生活しているか否かという生活状況を推定することができるので、生活状況の細部が第三者に常に監視され生活態様が知られてしまうなどの不快感を居住者に与えることを防止することが可能であり、生活状況推定システム普及のプライバシー面の障害を軽減して生活状況推定システムの普及を促進し、例えば高齢者単身世帯や高齢者のみ世帯などの生活安全性の向上を図ることが可能になる。
本発明の生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、さらに、居住者の世帯に直接出向くことなく、居住者が健常に生活しているか否かという生活状況を確認することができるので、例えば高齢者単身世帯や高齢者のみ世帯などの生活安全性の向上を図ることが可能になる。また、普段の運用上は少ない労力で、複数の世帯の居住者が健常に生活しているか否かという生活状況を確認することができるので、生活状況推定システム普及のコスト面の障害を軽減して生活状況推定システムの普及を促進し、例えば高齢者単身世帯や高齢者のみ世帯などの生活安全性の向上を図ることが可能になる。
また、本発明の生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、スマートメーターの有効活用を図ることができるので、提供されるエネルギー使用情報を活用した新しいサービスの創出による生活の質の向上を図ることが可能になり、また、見守りサービスという関連産業の創出による経済の活性化への貢献を図ることが可能になる。
また、一日の時間帯が区分されて各処理が時間帯の区分毎に行われるようにした場合には、一日の生活時間帯の区分毎に各値が算出・決定された上で生活状況を推定することができるので、一日の生活パターンの変化をより一層詳細に捉えることによる生活状況の推定を行うようにすることができ、延いては、生活状況の推定を通しての例えば世帯の見守りをきめ細かく行うことが可能になる。
本発明の生活状況の推定方法の実施形態の一例を説明するフローチャートである。 本発明に纏わる機器の全体構成を示す図である。 実施形態の生活状況の推定方法を生活状況の推定プログラムを用いて実施する場合の当該プログラムによって実現される生活状況の推定装置の機能ブロック図である。 実施例1の或る世帯に関するエネルギー使用量合計値の推移及びエネルギー使用量合計値の短期変動幅の一例を示す図である。 実施例1の或る世帯に関するエネルギー使用量合計値とエネルギー使用量合計値の長期変動幅と長期変動幅閾値との推移の一例を示す図である。 実施例1の或る世帯に関するエネルギー使用量合計値の短期変動幅の値を昇順配列した上での長期変動幅閾値の決定の一例を示す図である。 実施例1の或る世帯に関するエネルギー使用量合計値とエネルギー使用量合計値の長期変動幅と長期変動幅閾値との推移の一例を示す図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図3に、本発明の生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムの実施形態の一例を示す。なお、世帯9内の屋内回線には例えばテレビや冷蔵庫や照明器具など種々の電気機器が接続されている。また、世帯9内には例えばガスコンロやガス湯沸かし器などのガス設備が備えられている。また、世帯9内には例えば流し台や洗面台や浴室などの水道設備が設けられている。
本実施形態の生活状況の推定方法は、図1に示すように、スマートメーター1によって世帯9全体でのエネルギー使用量の計測が行われるステップ(S1)と、計測の結果に基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値が算出されるステップ(S2)と、直近過去短時間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の短期変動幅が算出されるステップ(S3)と、直近過去所定期間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の長期変動幅が算出されるステップ(S4)と、直近過去長期間内の複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅の値の昇順配列若しくは降順配列におけるXパーセンタイル値(Xの値は予め設定される)が長期変動幅閾値として決定されるステップ(S5)と、エネルギー使用量合計値の長期変動幅の値と長期変動幅閾値とが対比されて世帯9の居住者の生活状況が推定される、具体的には、世帯9の居住者の屋内での活動が継続している生活状況であるのか或いは直近過去所定期間に亘って沈静化している生活状況であるのかが判断されるステップ(S6)とを有する。
また、本実施形態の生活状況の推定装置は、スマートメーター1によって計測された世帯9全体でのエネルギー使用量のデータを記憶装置としてのデータサーバ(16)から読み込む手段(11a)と、エネルギー使用量のデータに基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値を算出する手段(11b)と、直近過去短時間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の短期変動幅を算出する手段(11c)と、直近過去所定期間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の長期変動幅を算出する手段(11d)と、直近過去長期間内の複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅の値の昇順配列若しくは降順配列におけるXパーセンタイル値(Xの値は予め設定される)を長期変動幅閾値として決定する手段(11e)と、エネルギー使用量合計値の長期変動幅の値と長期変動幅閾値とを対比して世帯9の居住者の生活状況を推定する、具体的には、世帯9の居住者の屋内での活動が継続している生活状況であるのか或いは直近過去所定期間に亘って沈静化している生活状況であるのかを判断する手段(11f)とを有する。
さらに、本実施形態の生活状況の推定プログラムは、スマートメーター1によって計測された世帯9全体でのエネルギー使用量のデータを記憶装置としてのデータサーバ(16)から読み込む手段(11a)、エネルギー使用量のデータに基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値を算出する手段(11b)、直近過去短時間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の短期変動幅を算出する手段(11c)、直近過去所定期間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の長期変動幅を算出する手段(11d)、直近過去長期間内の複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅の値の昇順配列若しくは降順配列におけるXパーセンタイル値(Xの値は予め設定される)を長期変動幅閾値として決定する手段(11e)、エネルギー使用量合計値の長期変動幅の値と長期変動幅閾値とを対比して世帯9の居住者の生活状況を推定する、具体的には、世帯9の居住者の屋内での活動が継続している生活状況であるのか或いは直近過去所定期間に亘って沈静化している生活状況であるのかを判断する手段(11f)としてコンピュータを機能させる。
そして、生活状況の推定方法の実行にあたっては、まず、スマートメーター1により、世帯9全体でのエネルギー使用量の計測が行われると共に、計測データの送信が行われる(S1)。
本発明におけるエネルギー使用量は、居住者の世帯9内での活動に伴って使用されるエネルギーや資源の量であり、具体的には電力量,ガス使用量,水道使用量が考えられる。
そして、本発明におけるスマートメーター1は、例えば、経産省基本要件を満たしているスマートメーターであれば良い。具体的には、電力用スマートメーターであれば、世帯9内に配設された電気機器による総使用電力の積算値、即ち世帯9全体での積算電力量を計測する機能と、当該積算電力量の計測データを時刻情報と共に30分間隔で外部へ送信する通信機能とを備える。
また、ガス用スマートメータであれば、世帯9内に備えられたガス設備による総使用ガスの積算値、即ち世帯9全体での積算ガス使用量を計測する機能と、当該積算ガス使用量の計測データを時刻情報と共に60分間隔で外部へ送信する通信機能とを備える。
また、水道用スマートメーターについては引き続き技術的検証を進めることが期待されるとされて「経産省基本要件」では具体的な要件には言及されていないものの、水道用スマートメーターであれば、世帯9内に設けられた水道設備による総使用水道の積算値、即ち世帯9全体での積算水道使用量を計測する機能と、当該積算水道使用量の計測データを時刻情報と共に所定の間隔で外部へ送信する通信機能とを備えるものが想定される。
ただし、経産省基本要件が変更されたとしても、少なくとも、世帯9全体での積算電力量,積算ガス使用量,積算水道使用量のうちのいずれか(以下、積算エネルギー使用量という)を計測する機能と、当該積算エネルギー使用量の計測データを時刻情報と共に所定の間隔で外部へ送信する通信機能とを備える機器であれば、本発明におけるスマートメーター1として用いられ得る。なお、上述における「積算」とは、計測時点までの過去に使ったエネルギー使用量の総量(即ち、累積積算値)のことである。
また、所定の間隔で、世帯9全体での使用エネルギー(積算値ではなくて瞬間値:エネルギーは、具体的には電力,ガス流量,水道流量)を計測する機能と、当該使用エネルギーの計測データを時刻情報と共に外部へ送信する通信機能とを備える機器であっても良い。このような瞬間の使用エネルギーの計測機能と通信機能とを備える機器も、本件発明においては、便宜上、スマートメーター1と呼ぶ。
つまり、本発明におけるスマートメーター1としては、世帯9全体での使用エネルギーや資源(電力,ガス流量,水道流量)を計測し積算し続けて累積積算値として所定の間隔で外部へ送信するもの、或いは、世帯9全体での使用エネルギーや資源(電力,ガス流量,水道流量)を計測して瞬間値として所定の間隔で外部へ送信するものが用いられ得る。
以下においては、スマートメーター1によって計測される、居住者の世帯9内での活動に伴って使用されるエネルギーや資源の量のことを、積算値であるものも瞬間値であるものも含めてエネルギー使用量と呼んで説明する。
そして、スマートメーター1は、世帯9全体でのエネルギー使用量を計測し、当該計測によって取得されたエネルギー使用量の計測データを、時刻情報と共に、所定の間隔で計測値データサーバ2に送信する。なお、時刻情報とは、計測の日付の情報を含むものである。
計測値データサーバ2では、スマートメーター1から送信された時刻情報及びエネルギー使用量の計測データが、世帯別に(言い換えると、世帯の識別情報と対応づけられて)、時刻tでのエネルギー使用量E(t)として蓄積される。
本実施形態では、スマートメーター1によって計測されたエネルギー使用量の計測データは、計測値データサーバ2に一旦蓄積され、この計測値データサーバ2からデータサーバ16に供給される。
計測値データサーバ2は、スマートメーター1から送信されたエネルギー使用量の計測データを受信して蓄積する。なお、経産省基本要件では、スマートメーターの電力等使用情報の提供先として需要家(世帯)及び電力会社・ガス会社が挙げられている。本実施形態では、電力会社・ガス会社・水道事業者の管理下におかれる計測データ蓄積用記憶装置としての計測値データサーバ2にスマートメーター1から送信されたエネルギー使用量の計測データが蓄積される。
なお、スマートメーター1と計測値データサーバ2との間のデータ送信のための通信手段は、特定の仕組みに限定されるものではなく、スマートメーター1が設置されている地域や施設の事情及び計測値データサーバ2が設置されている地域や施設の事情などを考慮して適切なものが適宜選択される。具体的には例えば、光ファイバ,メタル線,PLC(Power Line Communications の略;電力線通信),携帯電話回線,有線電話回線,専用無線回線などの利用が考えられる。なお、経済産業省等が検討しているスマートメーターの要件としてスマートメーター1と計測値データサーバ2との間のデータ送信のための通信手段が特定された場合には、その通信手段が用いられる。
次に、S1の処理によって計測されたエネルギー使用量の計測データを用いてエネルギー使用量合計値Em(t)が算出される(S2)。
ここで、本発明の生活状況の推定方法におけるS2以降の処理は本発明の生活状況の推定装置によって実行され得る。
そして、本発明の生活状況の推定方法におけるS2以降の処理及びこれら処理を実行する生活状況の推定装置は、本発明の生活状況の推定プログラムをコンピュータ上で実行することによっても実現され得る。本明細書では、生活状況の推定プログラムをコンピュータ上で実行することによってS2以降の処理を実行する生活状況の推定装置が実現されると共に生活状況の推定方法におけるS2以降の処理が実行される場合を説明する。
生活状況の推定プログラム17を実行するためのコンピュータ10(本実施形態では、生活状況の推定装置10でもある)の全体構成を図3に示す。このコンピュータ10(生活状況の推定装置10)は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14及びメモリ15を備え相互にバス等の信号回線によって接続されている。また、コンピュータ10には記憶装置としてのデータサーバ16がバス等の信号回線によって接続されており、その信号回線を介してデータや制御指令等の信号の送受信(即ち出入力)が相互に行われる。
制御部11は、記憶部12に記憶されている生活状況の推定プログラム17によってコンピュータ10全体の制御並びに生活状況の推定に係る演算を行うものであり、例えばCPU(中央演算処理装置)である。
記憶部12は、少なくともデータやプログラムを記憶可能な装置であり、例えばハードディスクである。
メモリ15は、制御部11が種々の制御や演算を実行する際の作業領域であるメモリ空間となるものであり、例えばRAM(Random Access Memory の略)である。
入力部13は、少なくとも作業者の命令を制御部11に与えるためのインターフェイスであり、例えばキーボードである。
表示部14は、制御部11の制御によって文字や図形等の描画・表示を行うものであり、例えばディスプレイである。
そして、本実施形態では、上述のS1の処理において計測されて計測値データサーバ2に蓄積されたエネルギー使用量の計測データが、計測値データサーバ2からデータサーバ16に入力され、エネルギー使用量データベース18としてデータサーバ16に格納(保存)される。
具体的には、スマートメーター1によって計測されて送信されたエネルギー使用量E(t)の値と時刻tとの組み合わせデータが、当該データが計測された世帯9の識別情報と対応づけられてエネルギー使用量データベース18に記録される。
なお、計測値データサーバ2とデータサーバ16との間のデータ送信のための通信手段は、特定の仕組みに限定されるものではなく、両サーバが設置されている地域や施設の事情などを考慮して適切なものが適宜選択される。具体的には例えば、光ファイバ,メタル線,PLC(Power Line Communications の略;電力線通信),携帯電話回線,有線電話回線,専用無線回線などの利用が考えられる。なお、前掲の「スマートメーター制度検討会 報告書」(平成23年2月)における「需要家の電力等使用情報の取得ルート」についての構成と対応させると、電力会社等の通信ネットワークとWebとを経由するAルート、或いは、電力会社等以外の第三者(民間企業等)を経由するCルートで計測値データサーバ2から計測データが入手されてデータサーバ16に蓄積されるようにすることが考えられる。
また、後述するS6の処理の最後において過去におけるエネルギー使用量合計値Em(t),エネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t),エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t),長期変動幅閾値Dp_th(t)の値として記録しておくための計算値データファイルが、記憶部12若しくはデータサーバ16或いは他の適当な記憶装置・記憶媒体に格納(保存)される。
そして、コンピュータ10(本実施形態では、生活状況の推定装置10でもある)の制御部11には、生活状況の推定プログラム17を実行することにより、S1の処理においてスマートメーター1によって計測された世帯9全体でのエネルギー使用量のデータを記憶装置としてのデータサーバ16から読み込む処理を行うデータ読込部11aと、エネルギー使用量のデータに基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値を算出する処理を行う合計値算出部11bと、直近過去短時間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の短期変動幅を算出する処理を行う短期変動幅算出部11cと、直近過去所定期間内における複数のエネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の長期変動幅を算出する処理を行う長期変動幅算出部11dと、直近過去長期間内の複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅の値の昇順配列若しくは降順配列におけるXパーセンタイル値(Xの値は予め設定される)を長期変動幅閾値として決定する処理を行う閾値決定部11eと、エネルギー使用量合計値の長期変動幅の値と長期変動幅閾値とを対比して世帯9の居住者の屋内での活動が継続している生活状況であるのか或いは直近過去所定期間に亘って沈静化している生活状況であるのかを判断する処理を行う判定部11fとが構成される。
生活状況の推定プログラム17が実行されることによる具体的な処理としては、まず、コンピュータ10(生活状況の推定装置10)の制御部11に構成されたデータ読込部11aにより、エネルギー使用量の計測データが読み込まれる(S2−1)。なお、以下では、或る一つの世帯9についての処理として説明するが、処理対象の世帯が複数存在する場合には同様の処理が世帯毎に繰り返し行われる。
具体的には、データ読込部11aにより、S1の処理において計測されてデータサーバ16に格納(保存)されているエネルギー使用量データベース18に記録されているエネルギー使用量の計測データ(具体的には、エネルギー使用量E(t)の値と時刻tとの組み合わせデータ)の中から、算出時点から直近過去所定時間m〔分〕の範囲のエネルギー使用量の計測データがデータサーバ16から読み込まれる。
そして、データ読込部11aにより、読み込まれたエネルギー使用量の計測データがメモリ15に記憶させられる。
続いて、制御部11の合計値算出部11bにより、エネルギー使用量のデータに基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値Em(t)が算出される(S2−2)。
具体的には、合計値算出部11bにより、S2−1の処理においてメモリ15に記憶された直近過去所定時間m〔分〕の範囲のエネルギー使用量E(t)の値がメモリ15から読み込まれ、直近過去所定時間m〔分〕の範囲におけるエネルギー使用量E(t)の合計であるエネルギー使用量合計値Em(t)が算出される。
具体的には、エネルギー使用量E(t)が累積積算値である場合には、エネルギー使用量合計値Em(t)はEm(t)=E(t)−E(t−m)により算出される。一方、エネルギー使用量E(t)が瞬間値である場合には、エネルギー使用量合計値Em(t)は時刻[t−m]から時刻tまでのエネルギー使用量E(t)の値の合計値として算出される。なお、エネルギー使用量合計値Em(t)の具体的な算出の仕方は、スマートメーター1による計測の内容及び送信されるデータの内容により、直近過去所定時間m〔分〕の範囲におけるエネルギー使用量E(t)の定義によって適宜調整される。
なお、エネルギー使用量合計値Em(t)の時刻tには、算出時点から直近過去所定時間m〔分〕の範囲における最終の時刻t(言い換えると、算出時点からみて直近の時刻t)の値が割り当てられる。以下では、エネルギー使用量合計値Em(t)に割り当てられる時刻のことを算出時刻tと呼ぶ。
ここで、エネルギー使用量合計値Em(t)を算出するために用いられるエネルギー使用量E(t)の範囲としての時間であるm〔分〕の値は、特定の値に限定されるものではなく、適宜調整され得る。なお、本発明者の検討によれば、15〜120〔分〕程度であることが好ましく、30〜60〔分〕程度であることがより一層好ましい。
そして、合計値算出部11bにより、算出されたエネルギー使用量合計値Em(t)の値が、世帯の識別情報と対応づけられて算出時刻tとの組み合わせデータとしてメモリ15に記憶させられる。
ここで、スマートメーター1による世帯9のエネルギー使用量の計測及び計測データの外部への送信はスマートメーター1の機能として自動的に行われる。一方、S2からS6までの処理は、エネルギー使用量合計値Em(t)を算出する範囲である直近過去所定時間m〔分〕毎に繰り返し行われる。
次に、制御部11の短期変動幅算出部11cにより、直近過去短時間内のエネルギー使用量合計値Em(t)の値に基づいてエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)が算出される(S3)。
まず、短期変動幅算出部11cにより、算出時点から直近過去短時間s〔分〕の範囲のエネルギー使用量合計値Em(t)の値が読み込まれる。具体的には、S2−2の処理においてメモリ15に記憶された算出時刻tにおけるエネルギー使用量合計値Em(t)の値がメモリ15から読み込まれる。また、S6の処理において計算値データファイルに記録されたエネルギー使用量合計値のデータ(具体的には、エネルギー使用量合計値Em(t)の値と算出時刻tとの組み合わせデータ)の中から、時刻[t−s+m]から時刻[t−m]までの範囲のエネルギー使用量合計値Em(t)の値が計算値データファイルから読み込まれる。
そして、短期変動幅算出部11cにより、直近過去短時間s〔分〕におけるエネルギー使用量合計値Em(t)の短期変動幅Ds(t)として、前記s分間における複数のEm(t)の値のばらつきの程度を表す指標が算出される。ばらつきの程度を表す指標は、特定の指標に限定されるものではなく、統計解析などにおいて用いられる種々の指標が用いられ得る。具体的には例えば、Em(t)の最大値と最小値との差,Em(t)の分散,Em(t)の標準偏差などが用いられ得る。なお、エネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の時刻tは、S2−2の処理において決定された算出時刻tと同じにされる。
ここで、エネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)を算出するために用いられるエネルギー使用量合計値Em(t)の範囲としての時間であるs〔分〕の値は、特定の値に限定されるものではなく、適宜調整され得る。なお、本発明者の検討によれば、120〜360〔分〕程度であることが好ましい。なお、エネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の算出に関する時間s〔分〕は、エネルギー使用量合計値Em(t)の算出に関する時間m〔分〕よりも大きい値に設定される。
そして、短期変動幅算出部11cにより、算出されたエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の値が、世帯の識別情報と対応づけられて算出時刻tとの組み合わせデータとしてメモリ15に記憶させられる。
次に、制御部11の長期変動幅算出部11dにより、直近過去所定期間内のエネルギー使用量合計値Em(t)の値に基づいてエネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)が算出される(S4)。
まず、長期変動幅算出部11dにより、算出時点から直近過去所定期間p〔時間 若しくは 日〕の範囲のエネルギー使用量合計値Em(t)の値が読み込まれる。具体的には、S2−2の処理においてメモリ15に記憶された算出時刻tにおけるエネルギー使用量合計値Em(t)の値がメモリ15から読み込まれる。また、S6の処理において計算値データファイルに記録されたエネルギー使用量合計値のデータ(具体的には、エネルギー使用量合計値Em(t)の値と算出時刻tとの組み合わせデータ)の中から、時刻[t−p+m]から時刻[t−m]までの範囲のエネルギー使用量合計値Em(t)の値が計算値データファイルから読み込まれる。
そして、長期変動幅算出部11dにより、直近過去所定期間p〔時間,日〕におけるエネルギー使用量合計値Em(t)の長期変動幅Dp(t)として、前記p〔時間,日〕における複数のEm(t)の値のばらつきの程度を表す指標が算出される。このS4の処理におけるばらつきの程度を表す指標としては、S3の処理において短期変動幅Ds(t)として採用されている指標と同じものが算出される(例えば、Ds(t)を標準偏差としたならば、Dp(t)も標準偏差とする)。なお、エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の時刻tは、S2−2の処理において決定された算出時刻tと同じにされる。
ここで、エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)を算出するために用いられるエネルギー使用量合計値Em(t)の範囲としての期間であるp〔時間,日〕の値は、特定の値に限定されるものではなく、適宜調整され得る。なお、本発明者の検討によれば、1〜5〔日〕(言い換えると、24〜120〔時間〕)程度であることが好ましい。なお、エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の算出に関する期間p〔時間,日〕は、エネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の算出に関する時間s〔分〕よりも長い期間になるように設定される。
そして、長期変動幅算出部11dにより、算出されたエネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の値が、世帯の識別情報と対応づけられて算出時刻tとの組み合わせデータとしてメモリ15に記憶させられる。
次に、制御部11の閾値決定部11eにより、直近過去長期間内のエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の値に基づいて、エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の値が居住者が健常に生活していると判断される値であるのか否かを決めるための長期変動幅閾値Dp_th(t)の値が決定される(S5)。
まず、閾値決定部11eにより、算出時点から直近過去長期間d〔日〕(算出時点の当日も含む)の範囲のエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の値が読み込まれる。具体的には、S3の処理においてメモリ15に記憶された算出時刻tにおけるエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の値がメモリ15から読み込まれる。また、S6の処理において計算値データファイルに記録されたエネルギー使用量合計値の短期変動幅のデータ(具体的には、エネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の値と算出時刻tとの組み合わせデータ)の中から、算出時点から直近過去長期間d〔日〕の範囲のエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の値が計算値データファイルから読み込まれる。
そして、閾値決定部11eにより、直近過去長期間d〔日〕の範囲の複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の値が昇順に並べ替えられ、昇順配列におけるXパーセンタイル値が抽出されて当該値が長期変動幅閾値Dp_th(t)として決定される。なお、長期変動幅閾値Dp_th(t)の時刻tは、S2−2の処理において決定された算出時刻tと同じにされる。
長期変動幅閾値Dp_th(t)は、つまり、「その値以下になるエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の個数が、昇順に並べられたエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の総数に対してX%になる値」であり、短期変動幅Ds(t)の総数をn個とすると「n×X/100」番目の短期変動幅Ds(t)の値である。なお、「n×X/100」の値が整数とならない場合は、「n×X/100」の値の小数部分を、切り上げたり、切り捨てたり、四捨五入したりする。
ここで、長期変動幅閾値Dp_th(t)を決定するために用いられるエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の範囲としての期間であるd〔日〕の値は、特定の値に限定されるものではなく、適宜調整され得る。なお、本発明者の検討によれば、5〜30〔日〕程度であることが好ましい。なお、長期変動幅閾値Dp_th(t)の決定に関する期間d〔日〕は、エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の算出に関する期間p〔時間,日〕よりも長い期間になるように設定される。
また、長期変動幅閾値Dp_th(t)として抽出されるパーセンタイル値を定義づけるX〔%〕の値は、特定の値に限定されるものではなく、適宜調整され得る。なお、本発明者の検討によれば、50〜90〔%〕程度であることが好ましい。
ここで、エネルギー使用量合計値Em(t)を算出するために用いられるエネルギー使用量E(t)の範囲である直近過去所定時間m=30〔分〕,エネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)を算出するために用いられるエネルギー使用量合計値Em(t)の範囲である直近過去短時間s=180〔分〕,長期変動幅閾値Dp_th(t)を決定するために用いられるエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の範囲である直近過去長期間d=28〔日〕とすると、長期変動幅閾値Dp_th(t)を決定するために用いられる、エネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の個数は (24時間×60分/30分)×28日=1344〔個〕であり、エネルギー使用量合計値Em(t)の個数は1344+5=1349〔個〕である。
したがって、パーセンタイル値を定義づけるX=90〔%〕とすると、1344×90/100≒1210になる(少数部分を四捨五入)。よって、昇順に並べ替えられた1344個のエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)のうち、小さい方から1210番目の短期変動幅Ds(t)の値が長期変動幅閾値Dp_th(t)として決定される。なお、長期変動幅閾値Dp_th(t)の時刻tは、S2−2の処理において決定された算出時刻tと同じにされる。
そして、閾値決定部11eにより、Xパーセンタイル値として抽出されたエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の値が、長期変動幅閾値Dp_th(t)として、世帯の識別情報と対応づけられて算出時刻tとの組み合わせデータとしてメモリ15に記憶させられる。
次に、制御部11の判定部11fにより、世帯9の居住者の生活状況が推定される(S6)。
具体的には、判定部11fにより、S4の処理においてメモリ15に記憶されたエネルギー使用量合計値の長期変動幅のデータ(具体的には、エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の値と算出時刻tとの組み合わせデータ)のうち算出時刻tにおけるエネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の値がメモリ15から読み込まれると共に、S5の処理においてメモリ15に記憶された長期変動幅閾値のデータ(具体的には、長期変動幅閾値Dp_th(t)の値と算出時刻tとの組み合わせデータ)のうち算出時刻tにおける長期変動幅閾値Dp_th(t)の値がメモリ15から読み込まれる。
そして、判定部11fにより、算出時刻tにおけるエネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の値と長期変動幅閾値Dp_th(t)の値とが対比される。
そして、算出時刻tにおいてエネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)が長期変動幅閾値Dp_th(t)よりも小さい場合には、直近過去所定期間p(例えば1〜5日間)におけるエネルギー使用量の変動の大きさが、直近過去長期間d(例えば5〜30日間)におけるエネルギー使用量の変動の大きさと比べて小さいということである。したがって、Dp(t)<Dp_th(t)(若しくは、Dp(t)≦Dp_th(t))である場合には、世帯9の居住者の屋内での活動が直近過去所定期間pに亘って沈静化している生活状況であると推定され、延いては、居住者が寝たきりになっていたり屋内で倒れていたりするなどの非常状態にある可能性があると判断される。
一方、エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)が長期変動幅閾値Dp_th(t)以上である場合には、直近過去所定期間p(例えば1〜5日間)におけるエネルギー使用量の変動の大きさが、直近過去長期間d(例えば5〜30日間)におけるエネルギー使用量の変動の大きさと同等以上であるということである。したがって、Dp(t)≧Dp_th(t)(若しくは、Dp(t)>Dp_th(t))である場合には、世帯9の居住者の屋内での活動が継続している生活状況であると推定され、延いては、居住者は健在で非常状態にある可能性はないと判断される。
そこで、世帯9として例えば高齢者や身体障害者の単身世帯や高齢者及び身体障害者のみで構成される世帯を抽出し、生活状況の推定装置10が制御部11に通知部11gを更に備えるようにすることにより、世帯9の居住者の安否確認の仕組みとして本発明は適用され得る。
具体的には、Dp(t)<Dp_th(t)(若しくは、Dp(t)≦Dp_th(t))である場合には、通知部11gによって世帯9の居住者の家族や担当医師などが使用する外部機器5に警告情報が送信されるようにし、当該警告情報を受信した家族や担当医師などが居住者に電話連絡等をして安否確認を行ったり、世帯9を訪問して安否確認を行ったりする。これにより、高齢者単身世帯や高齢者のみ世帯等において非常事態が発生した場合にそのことが誰にも知られることなく事態が悪化してしまうことを防ぐことが可能になり、高齢者単身世帯や高齢者のみ世帯等の生活安全性が確保される。
なお、上述のことから分かるように、エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)を算出するために用いられるエネルギー使用量合計値Em(t)の範囲としての期間であるp〔時間,日〕の値は、世帯9において非常状態が発生している可能性があると判断されるまでの経過時間に相当する。
また、算出時刻tにおける処理を終了するにあたり、制御部11により、算出時刻tにおけるものとして算出されてメモリ15に記憶されたエネルギー使用量合計値Em(t),エネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t),エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t),長期変動幅閾値Dp_th(t)のそれぞれの値が、メモリ15から読み込まれ、世帯の識別情報と対応づけられて算出時刻tとの組み合わせデータとして、記憶部12若しくはデータサーバ16或いは他の適当な記憶装置・記憶媒体に格納(保存)されている計算値データファイルに記録される。
以上のように構成された本発明の生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによれば、世帯9で計測されたエネルギー使用量E(t)が用いられて長期変動幅閾値Dp_th(t)が世帯9毎に設定されるようにしているので、世帯9毎のエネルギー使用の特性(言い換えると、生活パターン)が反映された長期変動幅閾値Dp_th(t)を自動的に設定することができ、計測データを目視等して閾値を設定するという手間と経験とが必要な作業を行なう必要がなく、例えば多数の世帯を同時に推定の対象にする場合であっても個々の世帯について適切な閾値を迅速に設定することが可能になる。
本発明の生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、また、世帯9のエネルギー使用パターンは季節変化などに応じて変化するものであるところ、長期変動幅閾値Dp_th(t)を自動的に設定することができるので、エネルギー使用パターンの変化を反映させて長期変動幅閾値Dp_th(t)を常時更新し、世帯9毎の生活状況を常に適切に推定することが可能になる。しかも、長期変動幅閾値Dp_th(t)を設定する際に直近の計測データを使用することで当該長期変動幅閾値Dp_th(t)を世帯9の直近のエネルギー使用パターンを反映させた値にすることができるので、世帯9の現状に沿った適切な推定を常に行うことが可能になる。
本発明の生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、また、社会的インフラとしてのスマートメーター1によって得られる計測データを活用するようにしているので、独自の特別な付加的な計測機器を設けることなく、居住者による屋内での活動に伴う電気機器やガス設備(また、水道設備)の使用の有無を判断して居住者が健常に生活しているか否かという生活状況を推定することができる。
本発明の生活状況の推定方法、推定装置及び推定プログラムによると、さらに、スマートメーター1が設置された世帯9から離れた場所で居住者の生活状況を確認するようにできるので、居住者の世帯9に直接出向くことなく、居住者が健常に生活しているか否かという生活状況を確認することができ、例えば高齢者単身世帯や高齢者のみ世帯などの生活安全性の向上を図ることが可能になる。また、複数の世帯の状況を一台の生活状況の推定装置10に集約して確認するようにできるので、普段の運用上は少ない労力で、複数の世帯の居住者が健常に生活しているか否かという生活状況を確認することができ、生活状況推定システム普及のコスト面の障害を軽減して生活状況推定システムの普及を促進し、例えば高齢者単身世帯や高齢者のみ世帯などの生活安全性の向上を図ることが可能になる。
なお、上述の形態は本発明の好適な実施の形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態ではS5の処理において長期変動幅閾値Dp_th(t)の値が決定される際に複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の値が昇順に並べ替えられた上でXパーセンタイル値が抽出されるようにしているが、これに限られず、複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の値が降順に並べ替えられた上でXパーセンタイル値が抽出されるようにしても良い。なお、この場合には、長期変動幅閾値Dp_th(t)として抽出されるパーセンタイル値を定義づけるX〔%〕の値は10〜50〔%〕程度であることが好ましい。
また、上述の実施形態ではデータサーバ16と生活状況の推定装置10との各々を独立した装置として有するようにして計測値データサーバ2からデータサーバ16を経由して生活状況の推定装置10にエネルギー使用量の計測データが入力されるようにしているが、これに限られず、計測値データサーバ2から生活状況の推定装置10に計測データが直接入力される(言い換えると、データサーバ16と生活状況の推定装置10とを一体の装置で構成する。具体的には、生活状況の推定装置10の記憶部12を、スマートメーター1から送信された計測データを蓄積する記憶装置として利用する)ようにしても良い。さらに言えば、スマートメーター1から送信された計測データは、生活状況の推定装置10に入力されるのであれば、どのような経路・装置を経由しても構わない。
また、上述の実施形態では一日の生活時間帯の区分が考慮されることなくエネルギー使用量合計値Em(t)並びにエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)及び長期変動幅Dp(t)が算出されると共に長期変動幅閾値Dp_th(t)が決定されて世帯9の居住者の生活状況が推定されるようにしているが、これに限られず、一日の生活時間帯の区分毎に各値が算出・決定されて生活状況が推定されるようにしても良い。具体的には例えば、一日の時間帯が以下の四つの時間帯に区分され、これらの区分毎に上述の各処理が行われるようにしても良い。
第1時間帯T1:午前3時〜午前9時
第2時間帯T2:午前9時〜午後3時
第3時間帯T3:午後3時〜午後9時
第4時間帯T4:午後9時〜翌日の午前3時
すなわち、上記時間帯T1,T2,T3,T4毎に、直近過去短時間s〔分〕におけるエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds_T1(t),Ds_T2(t),Ds_T3(t),Ds_T4(t)が算出される(S3)と共に直近過去所定期間p〔時間,日〕におけるエネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp_T1(t),Dp_T2(t),Dp_T3(t),Dp_T4(t)が算出される(S4)。
その上で、エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の値の判断指標である長期変動幅閾値Dp_th(t)が、上記時間帯T1,T2,T3,T4毎に、直近過去長期間d〔日〕の範囲の複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds_T1(t),Ds_T2(t),Ds_T3(t),Ds_T4(t)それぞれの昇順・降順配列におけるパーセンタイル値の適当な範囲として決定される(S5)。具体的には、上記時間帯T1,T2,T3,T4毎に、昇順・降順配列における下位パーセンタイル値と上位パーセンタイル値との組み合わせの範囲として長期変動幅閾値範囲Dp_th_T1l(t)〜Dp_th_T1h(t),Dp_th_T2l(t)〜Dp_th_T2h(t),Dp_th_T3l(t)〜Dp_th_T3h(t),Dp_th_T4l(t)〜Dp_th_T4h(t)の値が決定される。なお、長期変動幅閾値範囲Dp_th_T1l(t)〜Dp_th_T1h(t)等として抽出されるパーセンタイル値を定義づける下限及び上限のパーセントの値の組み合わせは、特定の値の組み合わせに限定されるものではなく、具体的には例えば10%と90%との組み合わせにされることなどが考えられる。すなわち、例えば、エネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds_T1(t)の昇順配列における10パーセンタイル値が長期変動幅閾値範囲の下限値Dp_th_T1l(t)として抽出されると共に90パーセンタイル値が長期変動幅閾値範囲の上限値Dp_th_T1h(t)として抽出される。
そして、上記時間帯T1,T2,T3,T4毎に、エネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp_T1(t),Dp_T2(t),Dp_T3(t),Dp_T4(t)の値と長期変動幅閾値範囲Dp_th_T1l(t)〜Dp_th_T1h(t),Dp_th_T2l(t)〜Dp_th_T2h(t),Dp_th_T3l(t)〜Dp_th_T3h(t),Dp_th_T4l(t)〜Dp_th_T4h(t)とが対比され、長期変動幅Dp_T1(t)等の値が対応する時間帯の長期変動幅閾値範囲Dp_th_T1l(t)〜Dp_th_T1h(t)等に入っている場合には世帯9の居住者の生活パターンに変化はなかったという意味で生活状況が推定され、長期変動幅Dp_T1(t)等の値が対応する時間帯の長期変動幅閾値範囲Dp_th_T1l(t)〜Dp_th_T1h(t)等に入っていない場合には世帯9の居住者の生活パターンに変化があったという意味で生活状況が推定される(S6)。
このように、一日の生活時間帯の区分毎に各値が算出・決定された上で生活状況が推定されるようにすることにより、一日の生活パターンの変化をより一層詳細に捉えることによる生活状況の推定を行うようにすることができ、延いては、生活状況の推定を通しての例えば世帯の見守りをきめ細かく行うことができるようになる。
本発明の生活状況の推定方法の判定精度を検証するために行った実施例を図4乃至図7を用いて説明する。
本実施例では、11世帯で得られた延べ3,844日分の1分毎の総負荷電流データが用いられた。なお、1分毎の総負荷電流から30分間の平均総負荷電流を求めた上で電圧100V且つ力率1と仮定(十分に許容できると考えられる)して30分間の平均総負荷電流に50を乗じることによって30分間の電力量が求められるが、本実施例では、50を乗じることなく、30分間の平均総負荷電流がそのままエネルギー使用量合計値Em(t)として用いられた(S1及びS2の処理に該当)。
この計測データには、別途行われた聞き取り調査により、居住者が48時間以上連続して不在であったケース(以下、不在ケースと呼ぶ)が18件存在していたと共にその他に48時間以上連続して居住者の屋内での活動が沈静化するような特別な事情・事態はなかったことが予め判明していた。
この不在ケースである18件を確実に検出できることが、本発明を例えば世帯居住者の安否確認の仕組みとして適用した場合の信頼性の確保の観点から重要であり、同時に、在宅にも関わらず長時間不在であると(安全側ではあるものの)推定してしまうことが少ないことが、効率性の観点から重要である。
そこで、本実施例では、48時間に亘って世帯の居住者の屋内での活動が沈静化している生活状況であると推定された場合に警報を発報するものとして、本発明の生活状況の推定方法の判定精度を評価するようにした。
本実施例では、算出時点から直近過去短時間の範囲における複数のエネルギー使用量合計値Em(t)の値のばらつきの程度を表す指標としてEm(t)の最大値と最小値との差が採用された。具体的には、算出時点から直近の過去短時間s=360分間における複数のエネルギー使用量合計値Em(t)の最大値と最小値との差が算出された(S3)。或る世帯9に関するエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の一例として図4に示す結果が得られた。
そして、算出時点から直近過去所定期間の範囲における複数のエネルギー使用量合計値Em(t)の値のばらつきの程度を表す指標としてもEm(t)の最大値と最小値との差が採用され、算出時点から直近の過去所定期間p=48時間における複数のエネルギー使用量合計値Em(t)の最大値と最小値との差が算出された(S4)。或る世帯9に関するエネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の一例として図5に示す結果が得られた。なお、図5には、長期変動幅閾値Dp_th(t)の推移も例示している。
次に、算出時点から直近の過去長期間d日間における複数のエネルギー使用量合計値の短期変動幅Ds(t)の値が昇順に並べ替えられ、この昇順配列におけるXパーセンタイル値が抽出される(S5)。或る世帯9に関する長期変動幅閾値Dp_th(t)の決定の一例としてd=28日間、X=90%とした場合の結果を図6に示す。
次に、算出時刻tにおけるエネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の値と長期変動幅閾値Dp_th(t)の値とが対比された(S6)。そして、処理結果の一例として図7に示すように、或る世帯9において、7月11日にエネルギー使用量合計値の長期変動幅Dp(t)の値が長期変動幅閾値Dp_th(t)の値よりも小さくなり、当該世帯9の居住者の屋内での活動が直近過去48時間に亘って沈静化している生活状況であると推定される結果が得られた。
そして、本発明の生活状況の推定方法の適用の結果、不在ケース18件全てを居住者の屋内での活動が直近過去48時間に亘って沈静化している生活状況であるとして検出することに成功し、且つ、在宅を不在と推定した回数は7回であった。
この結果から、本発明の生活状況の推定方法は、不在ケースを確実に検出することができると共に在宅を不在とする誤推定の回数も少なく、実用に耐え得る十分な判定精度を有していることが確認された。
1 スマートメーター
2 計測値データサーバ
9 世帯
10 生活状況の推定装置

Claims (6)

  1. スマートメーターによって世帯全体でのエネルギー使用量の計測が行われるステップと、前記計測の結果に基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値が算出されるステップと、直近過去短時間内における複数の前記エネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の短期変動幅が算出されるステップと、直近過去所定期間内における複数の前記エネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の長期変動幅が算出されるステップと、直近過去長期間内の複数の前記エネルギー使用量合計値の短期変動幅の値の昇順配列若しくは降順配列におけるXパーセンタイル値(Xの値は予め設定される)が長期変動幅閾値として決定されるステップと、前記エネルギー使用量合計値の長期変動幅の値と前記長期変動幅閾値とが対比されて前記世帯の居住者の生活状況が推定されるステップとを有することを特徴とする生活状況の推定方法。
  2. 一日の時間帯が区分され、前記各ステップの処理が前記時間帯の区分毎に行われることを特徴とする請求項1記載の生活状況の推定方法。
  3. スマートメーターによって計測された世帯全体でのエネルギー使用量のデータを記憶装置から読み込む手段と、前記エネルギー使用量のデータに基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値を算出する手段と、直近過去短時間内における複数の前記エネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の短期変動幅を算出する手段と、直近過去所定期間内における複数の前記エネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の長期変動幅を算出する手段と、直近過去長期間内の複数の前記エネルギー使用量合計値の短期変動幅の値の昇順配列若しくは降順配列におけるXパーセンタイル値(Xの値は予め設定される)を長期変動幅閾値として決定する手段と、前記エネルギー使用量合計値の長期変動幅の値と前記長期変動幅閾値とを対比して前記世帯の居住者の生活状況を推定する手段とを有することを特徴とする生活状況の推定装置。
  4. 一日の時間帯が区分され、前記各手段の処理が前記時間帯の区分毎に行われることを特徴とする請求項3記載の生活状況の推定装置。
  5. スマートメーターによって計測された世帯全体でのエネルギー使用量のデータを記憶装置から読み込む手段、前記エネルギー使用量のデータに基づいて直近過去所定時間内におけるエネルギー使用量合計値を算出する手段、直近過去短時間内における複数の前記エネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の短期変動幅を算出する手段、直近過去所定期間内における複数の前記エネルギー使用量合計値の値のばらつきの程度を表すエネルギー使用量合計値の長期変動幅を算出する手段、直近過去長期間内の複数の前記エネルギー使用量合計値の短期変動幅の値の昇順配列若しくは降順配列におけるXパーセンタイル値(Xの値は予め設定される)を長期変動幅閾値として決定する手段、前記エネルギー使用量合計値の長期変動幅の値と前記長期変動幅閾値とを対比して前記世帯の居住者の生活状況を推定する手段としてコンピュータを機能させるための生活状況の推定プログラム。
  6. 一日の時間帯が区分され、前記各手段の処理が前記時間帯の区分毎に行われるようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項5記載の生活状況の推定プログラム。
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