JP2015001570A - 光接続装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な手法によって回転方向や中心軸のアライメントを可能にする光接続装置を提供すること。【解決手段】一対のフェルール61,62が、先端受容部である一体スリーブ31とホルダー41とによって軸AX方向に垂直な径方向に関して位置決めされるとともに、一対のフェルールフランジ(フェルール保持部材)43が、軸AX方向のまわりの回転方向に関して直接的又は間接的に位置決めされているので、一対のフェルール61,62に固定された光ファイバー51,52同士の位置決めが達成される。さらに、一対のフェルール61,62の先端部間に挟まれる接続部材10は、一体スリーブ31やホルダー41の中間に形成された保持空間SP内に位置決めされた状態で保持されるので、一対の光ファイバー51,52間に接続部材10を適正に配置することができ、簡易なアライメントを可能にする光接続装置100を提供することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、マルチコアファイバー同士を位置決めして接続するために用いられる光接続装置に関し、特にマルチコアファイバーの端面間に樹脂製の接続素子を位置決めして挟み込むように保持するタイプの光接続装置に関する。
光ファイバー同士を位置決めして接続する際に、光ファイバー間に屈折率整合性を有する接続部材を挟み込む方法がある(特許文献1参照)。この方法では、接続部材に弾性を持たせて変形を許容し、柔軟な突き当てを可能にしている。また、接続部材の周縁部を支持材で支持することによって、接続部材の設置等に際しての取り扱いを容易にしている。接続部材用の支持材の輪郭は、例えば円筒形、四角等とすることができ、接続部材を取り付けた支持材は、一対の光ファイバーを対向配置させる整列部材の溝に嵌め込むように装着される。
しかしながら、上記特許文献1に記載された接続部材は、マルチコアファイバー同士の接続に際して用いられることを前提としていない。このため、接続部材の回転規制等の位置決めに関連する事項については、開示がない。
光通信分野において、情報伝達量の向上のために光ファイバーのコアを多芯化したマルチコアファイバー(以下MCFとも称する)への期待が高まり開発が進んでいる。このようなMCFのコアは、多くの場合、ファイバー中心に1つ、ファイバー中心から一定の距離の円周上に等間隔で複数個並べられている。MCFを実際に使用する場面では、MCF同士の接続技術が重要なものとなる。MCF同士を接続する際に、MCFが挿入されているフェルール同士を直接突き合わせただけでは、例えば周辺のコア間に間隙が生じ情報の伝達効率の低下を招く。そこで、MCF間にMCFのコアと屈折率を整合させた樹脂製の接続素子を挟んで一定以上の力で突き当てて接続素子の厚みを局所的に変化させることにより、各コア間を間隙なく接続することができると考えられる。この種の接続素子は、単なるシート状の部材ではなく、複数のコアの配置に合わせた形状的又は物性的構造を有するものになると考えられる。このため、MCF同士の回転方向や中心軸を一致させるだけでは足りず、接続素子の回転方向や中心軸をMCFの回転方向や中心軸に一致させる必要も生じる。
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、マルチコアファイバーの分野において、簡易な手法によって回転方向や中心軸のアライメントを可能にする光接続装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る光接続装置は、マルチコアファイバーの先端部を周囲から支持する一対のフェルールの先端が両外端部から挿入されることを許容するとともに、一対のフェルールが挿入された場合に当該一対のフェルールを軸方向に垂直な径方向に関して位置決めする筒状の先端受容部と、先端受容部の中間に形成された保持空間内に位置決めされた状態で保持され、一対のフェルールの先端部間に挟まれる接続部材と、一対のフェルールの根元側に固定され、先端受容部に対して軸方向の移動が許容されるとともに、先端受容部に対して軸方向のまわりの回転方向に関して直接的又は間接的に位置決めされる一対のフェルール保持部材と、を備える。
上記光接続装置では、一対のフェルールが先端受容部によって軸方向に垂直な径方向等に関して位置決めされるとともに、フェルール保持部材が軸方向のまわりの回転方向に関して直接的又は間接的に位置決めされているので、一対のフェルールに固定されたマルチコアファイバー同士の位置決めが達成される。さらに、一対のフェルールの先端部間に挟まれる接続部材は、先端受容部の中間に形成された保持空間内に位置決めされた状態で保持されるので、一対のマルチコアファイバー間に接続部材を適正に配置することができ、光接続に際して簡易なアライメントを可能にする光接続装置を提供することができる。
本発明の具体的な側面によれば、上記光接続装置において、先端受容部は、接続部材を径方向と軸方向のまわりの回転方向とに関して位置決めする。これにより、先端受容部を利用した接続部材の正確な位置決めが可能になる。
本発明の別の側面によれば、先端受容部は、前記軸方向に沿って対向するように配置されて軸方向のまわりの回転が互いに規制され、一対のフェルール保持部材にそれぞれ連結されて当該一対のフェルール保持部材を軸方向のまわりの回転方向に関してそれぞれ位置決めする筒状の一対のホルダーと、一対のホルダー内に挿入されて支持され、接続部材を径方向の外側から挿入するための挿入穴が形成された一体スリーブとを有する。この場合、一対のホルダーによってフェルールの回転方向の位置決めを行いつつ一体スリーブによってフェルールの径方向の位置決めを行うことができる。
本発明のさらに別の側面によれば、一対のホルダーは、接続部材の外縁部から半径方向外側に延びる突起部を挟んで対向する。この場合、一対のホルダー間に接続部材を挟んで接続部材の位置決めを行うことができる。
本発明のさらに別の側面によれば、先端受容部は、軸方向に突き合わされることによって軸方向のまわりの回転が互いに規制されるとともに、一対のフェルール保持部材にそれぞれ連結されて一対のフェルール保持部材を軸方向のまわりの回転方向に関してそれぞれ位置決めする一対の分割スリーブである。この場合、先端受容部やその周辺を比較的簡単な構造とすることができる。
本発明のさらに別の側面によれば、一対のホルダーは、リング状部材によって径方向に関して互いに位置決めされた状態で固定される。この場合、一対のホルダーの固定と位置決めとを簡易に信頼性の高いもとできる。
本発明のさらに別の側面によれば、一対のフェルール保持部材にそれぞれ連結されて当該一対のフェルール保持部材を軸方向のまわりの回転方向に関して位置決めする筒状の一対のフレームをさらに備え、先端受容部は、一対のフレームの軸方向のまわりの相対的な回転を規制する連結部材と、一対のフレームに挟まれるように軸方向に沿って対向するように配置されて連結部材によって軸方向のまわりの回転が互いに規制される一対の分割スリーブとを有する。この場合、一対のフェルール保持部材の接続・分離が比較的簡単になる。
本発明のさらに別の側面によれば、接続部材は、一対の分割スリーブに挟まれて連結部材によって軸方向のまわりの回転方向に関して位置決めされた状態で固定されている。この場合、連結部材によって接続部材の位置決めまで一括して行うことができる。
本発明のさらに別の側面によれば、一対のフェルール保持部材が軸方向の先端側に押し付けられて移動する距離を制限する押付制限部を有する。この場合、フェルール保持部材に支持されたフェルールの突出が制限され、接続部材の破損等を確実に防止できる。
本発明のさらに別の側面によれば、一対のフェルールを軸方向に垂直な所定方向に付勢することによって先端受容部内面に密着させる片寄部材を有する。この場合、フェルールのがたつき等を低減することができ、光結合にともなう損失増加を抑制できる。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明に係る第1実施形態の光接続装置について詳細に説明する。
以下、図面を参照して、本発明に係る第1実施形態の光接続装置について詳細に説明する。
図1に示すように、光接続装置100は、接続部材10と、第1コネクター部21と、第2コネクター部22と、アダプター23とを有する。なお、内部構造が分かりやすいように、第1及び第2コネクター部21,22の周辺部分の詳細を省略して一点鎖線で示し、その外側のアダプター23を点線で示している。
図2(A)〜2(C)は、第1コネクター部21と第2コネクター部22との間に介在させる接続部材10を説明する図である。この接続部材10は、合成樹脂の一体成形によって製造された固体状の部材であるが、弾性変形可能になっている。接続部材10は、本体部分10aと、外周部10bと、第1突起部10dと、第2突起部10eとを備える。本体部分10aは、薄い円板状の輪郭を有する。本体部分10aは、中央領域にコア接合部11を有し、そのコア接合部11を囲む外側領域に薄いが略一様な厚みを有する周辺支持部16を有する。本体部分10aは、接続部材10を形成する合成樹脂材料の選択により、マルチコア型の光ファイバー51,52(図1等参照)の伝搬光の波長において高い光透過性を有するとともに、耐候性及び耐熱性において優れる。外周部10bは、第1コネクター部21と第2コネクター部22と共通して設けられた一体スリーブ31(図1等参照)の内径に収まるような外径を有する。第1突起部10dと第2突起部10eとは、第1コネクター部21と第2コネクター部22とを連結する際に、接続部材10の回転方向や軸AXに垂直な径方向に関する位置決めを行うために用いられる。
図3(A)及び3(B)に拡大して示すように、接続部材10に設けられたコア接合部11は、マルチコアに対応するものとなっており、表面11a側に複数個(具体的には7個)の突起部12aを有し、裏面11b側にも複数個(具体的には7個)の突起部12bを有する。表側の突起部12aと裏側の突起部12bとは、互いに対向して対をなしており、一対の突起部12a,12bを突起対12cと呼ぶ。
以下、図1、4等を参照して、接続部材10の機能及び動作について説明する。接続部材10は、第1コネクター部21と第2コネクター部22との間に挟まれて使用される。ここで、第1コネクター部21は、フェルール61の内部に光ファイバー(マルチコアファイバー)51の先端部51aを固定したものであり、第2コネクター部22は、フェルール62の内部に光ファイバー(マルチコアファイバー)52の先端部52aを固定したものである。図4に示すように、光ファイバー51,52は、マルチコアタイプであり、複数本(具体的には7本)のコア53をクラッド54で覆った構造を有する。光ファイバー51,52を保持する両フェルール61,62の先端61a,62aは、研磨された軸AXに垂直な端面EFをそれぞれ有する。先端61a,62aは、接続部材10を挟んで対向しており、両フェルール61,62の間には、薄板状の接続部材10を配置するための保持空間SPが形成されている。接続部材10のコア接合部11に設けられた各突起対12cは、光ファイバー51,52を構成する各コア53に対応する部分に配置されている。各突起対12cの直径は、各コア53の直径よりも大きく設定されている。
接続部材10は、使用時すなわち光結合状態において、フェルール61とともに光ファイバー51,52に挟まれて圧縮されるような力を受ける。接続部材10の突起部12a,12b又は突起対12cは、圧縮されて弾性変形し、突起部12a,12bの厚みは、位置や圧縮力に応じて変化するものとなっている。突起部12a,12bの弾性変形については、接続部材10を合成樹脂の成形によって形成することによって簡易に達成される。より具体的には、接続部材10をポリマーの架橋によって硬化させること等によって所望の形状を高精度で実現でき、樹脂の選択によって接続時の圧縮力に応じて必要な厚み減少を達成することができる。接続部材10は、突起部12a,12bの変形を利用して密着性を確保するものであるため、突起部12a,12bすなわち接続部材10の材料や形状精度が極めて重要になる。
図1に戻って、第1コネクター部21は、光ファイバー51とこれを保持するフェルール61とを収納して位置決めするための装置部分であり、一体スリーブ31と、ホルダー41と、プラグフレーム42と、フェルールフランジ43と、バネ44と、後方支持部45と、カバー部材46とを備える。ここで、一体スリーブ31とホルダー41とは、一対のフェルール61,62を径方向や回転方向に関して位置決めするための先端受容部ABとして設けられている。
図5(A)〜5(C)に示すように、一体スリーブ31は、例えば金属で形成された割スリーブ状の円筒部材であり、軸AXに沿って延びるスリット31aを有する。一体スリーブ31は、スリット31aを押し広げるような力に対してバネ状の弾性を有し、一体スリーブ31内に一対のフェルール61,62を軸AXに垂直な径方向に関して位置合わせした状態で緩みやがたつき等のないように安定して保持することができる。つまり、一体スリーブ31は、一対のフェルール61を軸AX方向に垂直な所定方向(図示の例では−Z方向)に付勢することによって一体スリーブ31の内面31iに密着させる片寄部材として機能する。なお、一体スリーブ31においてスリット31aは必須のものでなく、図6(A)〜6(C)に示す変形例の一体スリーブ31のように、単なる円筒部材とすることもできる。この際、片寄部材を別途設けることもできるが、スリット31aのない一体スリーブ31によって十分な精度を実現できれば片寄部材を省略することができる。
一体スリーブ31は、中央部に接続部材10を取り付けるための挿入孔として、一対の対向するスロット31b,31cを有する。図7(A)〜7(C)に示すように、一体スリーブ31に設けた一方のスロット(挿入孔)31bには、接続部材10の第1突起部10dが通されて位置決めされ、他方のスロット(挿入孔)31cには、第2突起部10eが通されて位置決めされる。この際、接続部材10の第1突起部10dに設けた凸部14dの外側の端面が一体スリーブ31の内面31iに当接して接続部材10の−Z方向への移動が阻止され、接続部材10の外周部10bが内面31iに当接し、或いは接続部材10の第2突起部10eに設けた凸部14eが一体スリーブ31のスリット31aに挟まれて(図7(D)参照)、接続部材10の大きな傾きが阻止される。接続部材10が殆ど傾いていない状態に保持された場合、接続部材10は、軸AXに垂直な径方向に関して位置合わせされた状態に保持される。この際、接続部材10は、軸AXのまわりの回転方向に関しても或る程度位置合わせされる。
図8(A)〜8(D)に示すように、一方のホルダー41は、第1コネクター部21を構成する円筒状の部材であり、例えば合成樹脂で形成され、一体スリーブ31のうち光ファイバー51及びフェルール61側の半分を周囲から保持している。ホルダー41の内面41iは、スリーブ31の側面に対向して近接して配置される。ホルダー41は、先端に形成されたフランジ41aの端面部に対向して半径方向に延びる一対の第1及び第2凹部41d,41eを有する。第1及び第2凹部41d,41eは、一体スリーブ31から突出する第1及び第2突起部10d,10eの凸部14d,14e等を受容することによって接続部材10を主に軸AXのまわりの回転方向に関して位置決めする。第1及び第2突起部10d,10eの受容を容易にするため、第1及び第2凹部41d,41eにはテーパー面41tが形成され、対応する凸部14d,14eにも同様のテーパー面14tが形成されている(図2(A)参照)。一方で、ホルダー41の外端部41kでは内径が減少しており、フェルール61をホルダー41の後端の外端部41kから挿入することができるが、ホルダー41に前端から挿入した一体スリーブ31は後ろに抜け出さないようになっている。ホルダー41の外端部41kから中央に向けては、一体スリーブ31のスリット31aに沿って凸条41pが形成されている。この凸条41pは、一体スリーブ31をホルダー41に対して軸AXのまわりの回転方向に関して所定精度以上で位置決めする役割を有する。
図8(E)において、図面左側に示された他方のホルダー41は、第2コネクター部22を構成する円筒状の部材であり、一体スリーブ31のうち光ファイバー52及びフェルール62側の半分を周囲から保持している。なお、第2コネクター部22は、第1コネクター部21と同様の構造を有している。つまり、第2コネクター部22用のホルダー41は、図8(B)等に示す第1コネクター部21用のホルダー41と同様の構造を有する。接続部材10に設けた第1及び第2突起部10d,10eは、第1コネクター部21用のホルダー41と第2コネクター部22用のホルダー41とに挟まれて、一体スリーブ31や光ファイバー51,52に対して位置決めして固定される。
図9に示すように、プラグフレーム42は、ホルダー41を収納する先端側の第1部分42aと、フェルール61の根元側に固定されたフェルールフランジ43等を収納する根元側の第2部分42bとを備える。第1部分42aは、筒状部材であり、筒内に僅かに遊びを持たせた軸AX方向に可動な状態で嵌合するように、ホルダー41をフランジ41a及びその周辺を除いた部分において保持する。第2部分42bは、相対的に外径の大きな筒状部材であり、筒内の奥に遊びを持たせた軸AX方向に可動な状態で嵌合するようにフェルールフランジ43の先端側を支持するとともに、フェルールフランジ43の周囲に巻き付けるように配置されたバネ44を保持する。第1部分42aと第2部分42bとの間に形成された絞り状部分43cは、ホルダー41がフェルールフランジ43側に移動することを防止し、フェルールフランジ43がホルダー41側に移動することを防止している。これにより、フェルールフランジ43を介してバネ44に付勢されたフェルール61の先端がホルダー41のフランジ41aの先端面から必要以上に突起して接続部材10を破損させること等を防止できる。つまり、絞り状部分43cは、フェルールフランジ43が軸AX方向の先端側に必要以上押し付けられて移動することを制限する押付制限部として機能している。
図10(A)及び10(B)に示すように、フェルール保持部材であるフェルールフランジ43の先端部43aは、フェルール61の根元部分61rに嵌合することによって位置決めされた状態で固定されている。先端部43aは、周囲の4箇所に切欠き43p,43qを有する大径の部分となっている。一方、ホルダー41の周囲には、一対の溝41gが軸AXに沿って延びてフランジ41aに形成された切欠き41sにつながっている。一対の溝41gには、一対の回転規制部材38が圧入等によって固定されて軸AX方向に延びている。回転規制部材38の後端部は、ホルダー41から突起する係合部38kとなっており、フェルールフランジ(フェルール保持部材)43の切欠き43pと嵌合する。これにより、ホルダー41とフェルールフランジ43とが軸AXのまわりの回転方向に関して位置決めされる。回転規制部材38は、図示の第1コネクター部21側から第2コネクター部22側まで延びており、回転規制部材38を介して第1及び第2コネクター部21,22のホルダー41が回転方向に関して相対的に位置決めされ、結果的にフェルール61,62同士すなわち光ファイバー51,52同士が回転方向に関して位置決めされる。ここで、両フェルール61,62は、一体スリーブ31によって軸AXに垂直な径方向に関して位置合わせされている。つまり、両フェルール61,62は、径方向と回転方向とに関して位置決めされた状態となっている。一方、接続部材10は、一体スリーブ31に挿入されるとともに一対のホルダー41に挟まれることによって、光ファイバー51,52に対して径方向と回転方向とに関して位置決めされた状態となっている。この結果、光ファイバー51,52間に接続部材10が適正に位置決めされて挟まれ、光ファイバー51,52間の光結合が完成する(図4参照)。この際、接続部材10には、バネ44によって適切な押圧力が付与され、接続部材10に設けた突起部12a,12bの変形と、光ファイバー51,52のコア53に対する突起部12a,12bの密着とが確保される。なお、回転規制部材38は、一対の対向するホルダー41ごとに設けることができ、この場合、接続部材10又は追加の手段によって一対の対向するホルダー41の位置決めが可能である。
図1に戻って、第1コネクター部21において、バネ44は、後方支持部45に支持されてフェルールフランジ43を前方に付勢する。バネ44は、フェルール61,62による接続部材10の押圧力を調整することで、突起部12a,12bの変形量を調整する。後方支持部45は、光ファイバー51とともにカバー部材46内に保持されて、プラグフレーム42に連結されている。なお、第2コネクター部22も、第1コネクター部21と同様の構造を有し、ホルダー41の他に、プラグフレーム42、フェルールフランジ43、バネ44、後方支持部45、カバー部材46等を備える。第2コネクター部22のうち、第1コネクター部21と同様の部分については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
光接続装置100の接続工程では、プラグフレーム42にホルダー41と一体スリーブ31とを順次差し込んで後方からフェルール61を挿入した第1コネクター部21を準備し、同様に第2コネクター部22を準備する。この際、第2コネクター部22には、重複するので一体スリーブ31を挿入しない。その後、一対のホルダー41間に接続部材10を挟んで第1コネクター部21と第2コネクター部22とを位置決めしつつ突き合わせ、アダプター23によって両コネクター部21,22が分離しないようにする。
以上の説明では、接続部材10を一体スリーブ31の内面31iやスロット31b,31cを利用して一体スリーブ31に位置決めして固定しているが、接続部材10を一体スリーブ31の外周側面等を利用して一体スリーブ31等に固定することができる。
以上のように、第1実施形態の光接続装置100によれば、一対のフェルール61,62が、先端受容部ABである一体スリーブ31とホルダー41とによって軸AX方向に垂直な径方向に関して位置決めされるとともに、一対のフェルールフランジ(フェルール保持部材)43が、軸AX方向のまわりの回転方向に関して直接的又は間接的に位置決めされているので、一対のフェルール61,62に固定された光ファイバー51,52同士の位置決めが達成される。さらに、一対のフェルール61,62の先端部間に挟まれる接続部材10は、一体スリーブ31やホルダー41の中間に形成された保持空間SP内に位置決めされた状態で保持されるので、一対の光ファイバー51,52間に接続部材10を適正に配置することができ、光接続に際して簡易なアライメントを可能にする光接続装置100を提供することができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態の光接続装置について説明する。なお、第2実施形態の光接続装置は、第1実施形態の光接続装置を部分的に変更したものであり、同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。また、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
以下、第2実施形態の光接続装置について説明する。なお、第2実施形態の光接続装置は、第1実施形態の光接続装置を部分的に変更したものであり、同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。また、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
図11に示すように、第2実施形態の光接続装置100の場合、第1及び第2コネクター部21,22において、第1実施形態の一体スリーブ31等に代えて一対の分割スリーブ131,132が用いられている。また、分割スリーブ131,132は、図1等に示す第1実施形態の光接続装置100に設けたホルダー41の機能を兼ねており、第2実施形態の場合、ホルダー41が存在しない。
第1コネクター部21側の分割スリーブ131は、円筒状の部材であり、例えば合成樹脂で形成され、フェルール61を内部に直接保持している。分割スリーブ131は、図8(A)等に示すホルダー41と同様に、先端に形成されたフランジ41aの端面部に対向して半径方向に延びる一対の第1及び第2凹部41d,41eを有する。第1及び第2凹部41d,41eは、一対のフェルール61,62の対向面間から突出する第1及び第2突起部10d,10eの凸部14d,14e等を受容することによって、接続部材10を軸AXのまわりの回転方向や軸AXに垂直な半径方向に関して位置決めする。一方で、分割スリーブ131の内径は、フェルール61の外径と略一致しており、外端部41k側から挿入したフェルール61を軸AXに沿って摺動させることができる。分割スリーブ131の外端部41kからは、軸AXに平行に一対の係合部38kが突起しており、フェルールフランジ(フェルール保持部材)43の切欠き43pと嵌合する。これにより、ホルダー41とフェルールフランジ43とが軸AXのまわりの回転方向に関して位置決めされる。
第2コネクター部22側の分割スリーブ132は、第1コネクター部21側の分割スリーブ131と同様の構造を有する。両分割スリーブ131,132は、フランジ41aを突き合わせるように位置決めされ連結された状態で、リング状部材48によって周囲からかしめるように固定されている。これにより、両分割スリーブ131,132は、軸AXに垂直な半径方向に関して互いに位置決めされる。
なお、リング状部材48に代えて同様の機能を有する各種部材を用いることができる。例えば、両分割スリーブ131,132において、フランジ41aの対向面にボス及びボス穴をセットで形成することにより、両分割スリーブ131,132をフランジ41aを介して直接的に位置決めすることもできる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態の光接続装置について説明する。なお、第3実施形態の光接続装置は、第1実施形態の光接続装置を部分的に変更したものであり、同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。また、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
以下、第3実施形態の光接続装置について説明する。なお、第3実施形態の光接続装置は、第1実施形態の光接続装置を部分的に変更したものであり、同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。また、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
図12に示すように、第2実施形態の光接続装置100の場合、第1及び第2コネクター部21,22において、第1実施形態の一体スリーブ31に代えて一対の分割スリーブ231,232が用いられている。また、分割スリーブ231,232は、図1等に示す第1実施形態の光接続装置100に設けたホルダー41の機能を兼ねており、第3実施形態の場合、ホルダー41が存在しない。
第1コネクター部21側の分割スリーブ231は、円筒状の部材であり、例えば合成樹脂で形成され、フェルール61を直接保持している。第2コネクター部22側の分割スリーブ232も、円筒状の部材であり、例えば合成樹脂で形成され、フェルール62を直接保持している。両分割スリーブ231,232は、複数のピン71を介して相互に位置決めされており、軸AX方向に垂直な径方向及び軸AXのまわりの回転方向に関して位置決めされている。分割スリーブ231,232の内径は、フェルール61,62の外径と略一致しており、外端部41k側から挿入したフェルール61,62を軸AXに沿って摺動させることができる。分割スリーブ231,232に連結されるプラグフレーム(フレーム)242は、複数のピン71を介して軸AX方向に垂直な径方向及び軸AXのまわりの回転方向に関して位置決めされている。各プラグフレーム242は、フェルールフランジ43を軸AXに沿って移動可能に保持するとともに、フェルールフランジ43の軸AXのまわりの回転を規制している。
図13(A)及び13(B)に示すように、分割スリーブ231は、フェルール61を通す内面231iを有する開口を挟んで一対の貫通孔36を有する。一対の貫通孔36の軸AXを中心とする配置関係は、図12に示すプラグフレーム(フレーム)242に形成された挿入穴37の配置関係と一致している。この結果、位置決め用の連結部材であるピン71を分割スリーブ231の貫通孔36を介して挿入穴37に挿入することができる。この際、ピン(連結部材)71の外側面を貫通孔36及び挿入穴37の内側面と密着又はこれに準じた状態とさせることで所望の位置決め精度を確保できる。また、分割スリーブ231の内側の端面には、接続部材10を部分的に嵌め込むため略矩形の凹部241eが形成されている。凹部241eは、フェルール61を通す開口よりも外側まで形成され、ピン71用の貫通孔36の縁の片側に及んでいる。
第2コネクター部22側の分割スリーブ232は、第1コネクター部21側の分割スリーブ231と同様の構造を有する。両分割スリーブ231,232は、フランジ41aを突き合わせるように位置決めされ連結された状態で、一対のピン71を貫通させることで相互に位置決めされる。この際、図12に示すように、ピン71がプラグフレーム42に形成された挿入穴37にも挿入され、分割スリーブ231,232に対してプラグフレーム242も位置決めして固定される。
図14(A)〜14(C)に示す接続部材10は、第1実施形態の場合と同様に合成樹脂によって製造された弾性体である。この接続部材10は、本体部分10aと枠部210eとを備える。枠部210eは、図13(A)の分割スリーブ231の端面に形成された凹部241eに部分的に嵌め込まれて固定される。この際、矩形の縁部210jは、テーパー面を有するように加工されており、接続部材10のはめ込みを確実にする。また、一対の半円形の縁部210kは、分割スリーブ231等の挿入穴37の縁に対応する形状を有しており、接続部材10の回転を規制する。これにより、図13(C)に示すように一対の分割スリーブ231,232間に挟むだけで、ピン71等によって接続部材10の回転や移動が規制され、接続部材10を軸AX方向に垂直な径方向及び軸AXのまわりの回転方向に関して位置決めすることができる。ここで、分割スリーブ231,232とピン71とは、一対のフェルール61,62を径方向や回転方向に関して位置決めするための先端受容部として設けられている。
図15(A)〜15(C)に示すように、プラグフレーム242は、図12に示すフェルール61を収納する先端側の第1部分42aと、図12に示すフェルールフランジ43等を収納する根元側の第2部分42bとを備える。第1部分42aは、円筒状の内面42mを有し、フェルール61の根元側を遊びを持たせた状態で軸AX方向に可動な状態で支持する。第2部分42bは、円筒状の内面42nを有し、フェルールフランジ43の先端側を遊びを持たせた状態で軸AX方向に可動な状態で支持する。さらに、第2部分42bの内面42nには、突起42pが形成されており、フェルールフランジ(フェルール保持部材)43の切欠き43pと嵌合する。これにより、図16(A)及び16(B)に示すように、フェルールフランジ43やフェルール61をプラグフレーム242に対して軸AXのまわりの回転方向に関して正確に位置決めすることができる。
図17は、図12等に示す光接続装置100の変形例を説明する図である。この場合、各分割スリーブ231,232において、片寄部材として弾性を有する付勢部材39が形成されており、各分割スリーブ231,232をZ方向に付勢しつつプラグフレーム242を−Z方向に付勢する。これにより、分割スリーブ231,232等のがたつきをより低減することができる。
以上、実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、接続部材10が板状の部材であるとしたが、コア接合部11及びその周辺が板状であれば、その外側の形状は任意とできる。また、突起部12a,12bの形状も、光ファイバー51,52の仕様等に応じて適宜変更することができる。
10…接続部材、 10a…本体部分、 10b…外周部、 10d,10e…突起部、 11…コア接合部、 12a,12b…突起部、 12c…突起対、 14d,14e…凸部、 14t…テーパー面、 21,22…コネクター部、 23…アダプター、 31…一体スリーブ、 31a…スリット、 31b,31c…スロット、 38…回転規制部材、 38k…係合部、 41…ホルダー、 41d,41e…凹部、 41g…溝、 41k…外端部、 41t…テーパー面、 42…プラグフレーム、 43…フェルールフランジ、 43a…先端部、 44…バネ、 45…後方支持部、 46…カバー部材、 48…リング状部材、 51,52…光ファイバー、 51a,52a…先端部、 53…コア、 61,62…両フェルール、 61a,62a…先端、 71…ピン、 100…光接続装置、 131,132…分割スリーブ、 231,232…分割スリーブ、 AX…軸、 EF…端面、 SP…保持空間
Claims (10)
- マルチコアファイバーの先端部を周囲から支持する一対のフェルールの先端が両外端部から挿入されることを許容するとともに、前記一対のフェルールが挿入された場合に当該一対のフェルールを軸方向に垂直な径方向に関して位置決めする筒状の先端受容部と、
前記先端受容部の中間に形成された保持空間内に位置決めされた状態で保持され、前記一対のフェルールの先端部間に挟まれる接続部材と、
前記一対のフェルールの根元側に固定され、前記先端受容部に対して前記軸方向の移動が許容されるとともに、前記先端受容部に対して前記軸方向のまわりの回転方向に関して直接的又は間接的に位置決めされる一対のフェルール保持部材と、
を備える光接続装置。 - 前記先端受容部は、前記接続部材を前記径方向と前記軸方向のまわりの前記回転方向とに関して位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の光接続装置。
- 前記先端受容部は、前記軸方向に沿って対向するように配置されて前記軸方向のまわりの回転が互いに規制され、前記一対のフェルール保持部材にそれぞれ連結されて当該一対のフェルール保持部材を前記軸方向のまわりの回転方向に関してそれぞれ位置決めする筒状の一対のホルダーと、前記一対のホルダー内に挿入されて支持され、前記接続部材を前記径方向の外側から挿入するための挿入穴が形成された一体スリーブとを有することを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の光接続装置。
- 前記一対のホルダーは、前記接続部材の外縁部から半径方向外側に延びる突起部を挟んで対向することを特徴とする請求項3に記載の光接続装置。
- 前記先端受容部は、前記軸方向に突き合わされることによって前記軸方向のまわりの回転が互いに規制されるとともに、前記一対のフェルール保持部材にそれぞれ連結されて前記一対のフェルール保持部材を前記軸方向のまわりの回転方向に関してそれぞれ位置決めする一対の分割スリーブであることを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の光接続装置。
- 前記一対のホルダーは、リング状部材によって前記径方向に関して互いに位置決めされた状態で固定されることを特徴とする請求項5に記載の光接続装置。
- 前記一対のフェルール保持部材にそれぞれ連結されて当該一対のフェルール保持部材を前記軸方向のまわりの回転方向に関して位置決めする筒状の一対のフレームをさらに備え、
前記先端受容部は、前記一対のフレームの前記軸方向のまわりの相対的な回転を規制する連結部材と、前記一対のフレームに挟まれるように前記軸方向に沿って対向するように配置されるとともに前記連結部材によって前記軸方向のまわりの回転が互いに規制される一対の分割スリーブとを有することを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の光接続装置。 - 前記接続部材は、前記一対の分割スリーブに挟まれて前記連結部材によって前記軸方向のまわりの回転方向に関して位置決めされた状態で固定されていることを特徴とする請求項7に記載の光接続装置。
- 前記一対のフェルール保持部材が前記軸方向の先端側に押し付けられて移動する距離を制限する押付制限部を有することを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の光接続装置。
- 前記一対のフェルールを前記軸方向に垂直な所定方向に付勢することによって前記先端受容部内面に密着させる片寄部材を有することを特徴とする請求項1から9までのいずれか一項に記載の光接続装置。
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Cited By (2)
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