JP2015001043A - 地盤改良方法 - Google Patents

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【課題】経済性に優れなおかつ環境への負荷も小さい地盤改良方法を提供する。【解決手段】本発明に係る地盤改良方法においては、まず、透水孔が多数形成された浸透注入管1を液状化防止の対象地盤2に埋設し、次いで、該浸透注入管を介して動植物由来のナノファイバー、本実施形態ではセルロースナノファイバーが添加混合されてなるナノファイバー水溶液を対象地盤2に浸透注入する。セルロースナノファイバーは例えば、パルプ等の植物繊維を超高圧ホモジナイザー処理でせん断力を加えることでミクロフィブリル化した10〜100nm径のセルロースナノファイバーを用いることができる。ナノファイバー水溶液は、セルロースナノファイバーの濃度が例えば0.01〜0.1重量%となるように作製すればよい。【選択図】 図1

Description

本発明は、液状化防止や支持力向上等を目的として、主に軟弱地盤に適用される地盤改良方法に関する。
地震による液状化は、地盤が鉛直支持力を失って建物の倒壊を招くほか、地盤の側方流動によって杭が損壊するなどの被害を引き起こすため、従来からさまざまな対策工が研究開発されており、過剰間隙水圧を消散させるドレーン工法や地下水位低下工法のほか、地盤改良による対策工としては、薬液注入等による固結工法や、サンドコンパクションパイル等による締固め工法などが知られている。
また、建築土木工事を行うにあたり、地盤の強度が不足している場合には、本体工事に先立って地盤改良を行う必要があり、それらの対策工としては、水ガラス溶液を主剤とした薬液を地盤内に浸透注入する薬液注入工法や、地盤内の所定領域に拡がる土を切削しつつ原位置でセメント系の硬化材と攪拌混合することで、強度が改善された改良体を地盤内に造成する方法などが知られている。
特開2012−251368号公報
ここで、薬液注入による対策工は、液状化防止や地盤改良のために広く採用されており信頼性も高いが、コストが割高になるため、対象が広範囲にわたるときには採用が難しくなる場合がある。
一方、セメント等の水硬性材料を用いて液状化防止や地盤改良を図る場合には、十分な強度が期待できるものの、pH環境がアルカリ側に遷移することによって植物の生長を阻害したり、重金属を溶出させたりといった問題を引き起こす。
例えば、地盤中に自然に存在する鉛やセレンといった有害物質は、溶出量が環境基準以下であれば何ら問題がないにもかかわらず、地盤がアルカリ環境に変化したことにより、環境基準を超えて溶出する場合がある。
また、セメントに六価クロムが含まれることがあるが、本来であれば水和反応によって固定されるため、何ら問題とはならないところ、何らかの理由で水和反応が阻害されると、六価クロムが地盤中に溶出することもある。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、経済性に優れなおかつ環境への負荷も小さい地盤改良方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る地盤改良方法は請求項1に記載したように、動植物由来のナノファイバーが添加混合されてなるナノファイバー水溶液を液状化防止の対象地盤に浸透注入するものである。
また、本発明に係る地盤改良方法は、地盤支持力向上の対象地盤を攪拌しつつその攪拌領域に動植物由来のナノファイバーを添加し又は該ナノファイバーが添加混合されたナノファイバー水溶液を注入することで前記攪拌領域に拡がる攪拌土と前記ナノファイバー又は前記ナノファイバー水溶液とを混合するものである。
また、本発明に係る地盤改良方法は、掘削土、発生土その他の原料土に動植物由来のナノファイバー又は該ナノファイバーが添加混合されたナノファイバー水溶液を添加し、次いでこれらを混合することでナノファイバー混合土を作製し、該ナノファイバー混合土を、埋戻し材、盛土材その他の改良土として施工するものである。
また、本発明に係る地盤改良方法は、前記改良土を盛土材として敷設し、ついで該盛土材を転圧するものである。
また、本発明に係る地盤改良方法は、前記ナノファイバー若しくは前記ナノファイバー水溶液の注入若しくは添加と同時に又は相前後して、セメント系硬化材を注入又は添加するものである。
また、本発明に係る地盤改良方法は、前記ナノファイバーをセルロースナノファイバーとするものである。
第1の発明に係る地盤改良方法においては、動植物由来のナノファイバーが添加混合されてなるナノファイバー水溶液を液状化防止の対象地盤に浸透注入する。
このようにすると、ナノファイバーは、繊維径がnmオーダーであるため、対象となる地盤が十分に締め固められていないこととも相俟って、土粒子の間隙を流路として広く拡散し、その後、浸透注入された範囲内で土粒子と絡み合う。
そして、地震時においては、土粒子に絡み付いたナノファイバーが該土粒子のずれや移動に抵抗する繊維補強作用を発揮し、その結果、地盤全体のせん断変形が抑制されるとともに、土粒子間の間隙水圧の上昇、ひいては液状化の発生が未然に防止される。
また、セメント系の硬化材を用いないため、浸透注入する際に注入元又はその近傍の地盤に目詰まりが生じて浸透が阻害されるおそれはないし、有害物質が溶出する懸念もない。
対象となる地盤としては、主として十分に締め固められていない緩い飽和砂質地盤であり、第1の発明でいう土粒子は主として砂粒子の意味で用いる。
第2の発明に係る地盤改良方法においては、地盤支持力向上の対象地盤を攪拌しつつその攪拌領域に動植物由来のナノファイバーを添加し又は該ナノファイバーが添加混合されたナノファイバー水溶液を注入することで、攪拌領域に拡がる攪拌土と上述のナノファイバー又はナノファイバー水溶液とを混合する。
このようにすると、ナノファイバーは、繊維径がnmオーダーであるため、攪拌土の土粒子と絡み合って該土粒子のずれや移動に抵抗する繊維補強作用を発揮し、その結果、地盤の支持力が増大する。
また、セメント系の硬化材を用いないため、注入する際に注入元又はその近傍の地盤に目詰まりが生じて注入が阻害されるおそれはないし、地盤がアルカリ環境となって有害物質が溶出するといった懸念もない。
ナノファイバー又はナノファイバー水溶液を添加混合するにあたっては、中空ロッドの周面に攪拌翼を突設してなる攪拌混合装置で切削及び攪拌混合を行いつつ、該中空ロッドの吐出孔からナノファイバー又はナノファイバー水溶液を噴出させるように構成してもよいし、これらを圧縮空気や水とともに高圧噴射する構成としてもよい。
これらのうち、高圧噴射による添加混合は、セメントミルク等の硬化材を用いて地盤に改良体を造成する際に用いられる工法、例えば地盤内に挿入された多重管ロッドを回転させつつ前進又は後退させるとともに、該多重管ロッドに設けられた吐出口から硬化材や水あるいは圧縮空気を地盤内に高圧噴射するジェットグラウト工法あるいは高圧噴射攪拌工法と呼ばれる高圧噴射攪拌工法を用いて行うことが可能であり、高圧噴射される流体の種類や噴射の仕方によって、JSG工法、CJG工法、CCP工法、RJP工法などさまざまな工法が開発されているため、これらから適宜選択すればよい。
第3の発明に係る地盤改良方法においては、掘削土、発生土その他の原料土に動植物由来のナノファイバー又は該ナノファイバーが添加混合されてなるナノファイバー水溶液を添加し、次いでこれらを混合することでナノファイバー混合土を作製し、該ナノファイバー混合土を、埋戻し材、盛土材その他の改良土として施工する。
このようにすると、ナノファイバーの繊維径がnmオーダーであるため、ナノファイバー混合土は、ナノファイバーが原料土の土粒子と絡み合った状態で作製される。
したがって、ナノファイバー混合土を改良土として施工した場合、ナノファイバーは土粒子のずれや移動に抵抗する繊維補強作用を発揮し、その結果、施工された地盤の支持力が増大する。
ここで、改良土を盛土材として敷設し、ついで該盛土材を転圧するようにしたならば、該転圧によって上述の繊維補強作用がさらに高まるため、変形特性に優れた盛土を造成することが可能となる。
また、ナノファイバー自体が通水路となり、又はナノファイバーと土粒子との間あるいはナノファイバー同士の間に形成された間隙が通水路となるため、排水性に優れた盛土を造成することが可能となる。
第1乃至第3の発明に係る各地盤改良方法は、上述したようにナノファイバーやナノファイバー水溶液を対象地盤や原料土に浸透注入、注入あるいは添加するようにしたものであって、セメント系の硬化材を用いることに起因する諸問題を懸念する必要がなくなるという作用効果を奏するが、これら本発明は、液状化対策あるいは地盤改良のために従来から用いられている硬化材や薬液との併用を排除するものではない。
すなわち、ナノファイバーは、化学的に安定した素材であるため、従来公知の硬化材や薬液、例えばセメント系の硬化材や水ガラス系の薬液と併用することが可能である。
特に、ナノファイバー若しくはナノファイバー水溶液の注入若しくは添加と同時に又は相前後して、セメント系硬化材を注入又は添加するようにしたならば、上述したナノファイバーによる繊維補強作用に加えて、セメント系硬化材による強度増大作用が発揮されるとともに、ナノファイバー又はナノファイバー水溶液を単体で用いる場合ほどではないにしろ、セメント系硬化材の使用量を減らすことができるため、注入する際に目詰まりが生じて注入が阻害されたり、地盤がアルカリ環境となって有害物質が溶出するといった懸念を低減することが可能となる。
上述した各発明におけるナノファイバーは、第1の発明においては、浸透注入であるために水溶液の形で用いるが、第2,3の発明においては、水溶液のほか、粉体の形で用いるようにしてもかまわない。
また、各発明のナノファイバーは、径をnmオーダー、すなわち1μm未満とすることにより、土粒子と絡み合って繊維補強作用を発揮する限り、その具体的構成は問わないが、径が10〜100nm、長さが1〜10μm程度のナノファイバーとした場合においては、土粒子との良好な絡み合いにより、上述した繊維補強作用がさらに向上する。
動植物由来のナノファイバー、すなわちバイオナノファイバーは、甲殻類などの動物由来資源から得られるキチンナノファイバーで構成することも可能であるが、セルロースナノファイバー(セルロースミクロフィブリル)で構成するようにすれば、これを木材、パルプ、紙、布といった地球上に豊富に存在する植物由来資源から取り出すことができるので、経済性に優れた地盤改良方法を実現することが可能となる。
特に、上述の植物由来資源を、建設時に発生する廃棄木材や製紙製材工場の残材、稲わらや麦わら、間伐材や流木といった従来であれば焼却処分されていたもので構成すれば、バイオマスとは異なり、植物が光合成の際に吸収した二酸化炭素を大気に戻すことなく固定する形で有効利用することが可能となり、かくして低炭素社会の実現に大きく寄与する。
第1実施形態に係る地盤改良方法の実施状況を示した鉛直断面図。 第1実施形態に係る地盤改良方法の作用を示した説明図。 第2実施形態に係る地盤改良方法の実施状況を示した鉛直断面図。 第1実施形態に係る地盤改良方法を示した概念図。
以下、本発明に係る地盤改良方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る地盤改良方法を示した鉛直断面図である。同図に示すように、本実施形態に係る地盤改良方法においては、まず、透水孔が多数形成された浸透注入管1を液状化防止の対象地盤2に埋設し、次いで、該浸透注入管を介して動植物由来のナノファイバー、本実施形態ではセルロースナノファイバーが添加混合されてなるナノファイバー水溶液を対象地盤2に浸透注入する。
セルロースナノファイバーは例えば、パルプ等の植物繊維を超高圧ホモジナイザー処理でせん断力を加えることでミクロフィブリル化した10〜100nm径のセルロースナノファイバー、具体的にはダイセルファインケム株式会社から「セリッシュ」の商品名で販売されている微小繊維状セルロースを用いることができる。
ナノファイバー水溶液は、セルロースナノファイバーの濃度が例えば0.01〜0.1重量%となるように作製すればよい。
このようにナノファイバー水溶液を対象地盤2に浸透注入すると、図2(a)に示すように、セルロースナノファイバー21は、繊維径がnmオーダーであるため、対象地盤2が十分に締め固められていないこととも相俟って、土粒子22の間隙を流路として広く拡散し、その後、浸透注入された範囲内で土粒子22と絡み合う。
かかる状態で地震が発生すると、土粒子22に絡み付いたセルロースナノファイバー21は同図(b)に示すように、土粒子22のずれや移動に抵抗する繊維補強作用を発揮する。
以上説明したように、本実施形態に係る地盤改良方法によれば、浸透注入管1を介してセルロースナノファイバー21が添加混合されてなるナノファイバー水溶液を対象地盤2に浸透注入するようにしたので、地震時においては、土粒子22に絡み付いたセルロースナノファイバー21が該土粒子のずれや移動に抵抗する繊維補強作用を発揮し、その結果、対象地盤2全体のせん断変形が抑制されるとともに、土粒子22間の間隙水圧の上昇、ひいては液状化の発生が未然に防止される。
また、本実施形態に係る地盤改良方法によれば、セメント系の硬化材を用いないため、浸透注入する際に注入元又はその近傍の地盤に目詰まりが生じて浸透が阻害されるおそれはないし、有害物質が溶出する懸念もない。
本実施形態では、セルロースナノファイバー21が添加混合されてなるナノファイバー水溶液を単体で対象地盤2に浸透注入するものとしたが、該ナノファイバー水溶液の浸透注入と同時に又は相前後して、セメント系硬化材を注入するようにしてもかまわない。
かかる構成によれば、セルロースナノファイバー21による上述の繊維補強作用に加えて、セメント系硬化材による強度増大作用が発揮されるとともに、ナノファイバー水溶液を単体で用いる場合ほどではないにしろ、セメント系硬化材の使用量を減らすことができるため、注入する際に目詰まりが生じて注入が阻害されたり、地盤がアルカリ環境となって有害物質が溶出するといった懸念を低減することが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態に係る地盤改良方法においては、図3(a)に示すようにまず、例えばJSG工法に従い、地盤支持力向上の対象となる地盤31にロッド32を挿入し、次いで、該ロッドを材軸回りに回転させかつ材軸に沿って上昇させながら、その下端近傍に設けられた吐出口33を介してナノファイバー水溶液を圧縮空気とともに高圧噴射する。
ナノファイバー水溶液は、第1実施形態と同様、セルロースナノファイバー21が添加混合されてなる水溶液として作製すればよい。
ロッド32は、材軸方向に沿って2つの流路が形成された二重管構造であって、各流路の基端側を地上に設置された圧送装置及びコンプレッサー(図示せず)にそれぞれ連通接続してあるとともに、先端を吐出口33に連通接続してあり、地上から別々に圧送されたナノファイバー水溶液及び圧縮空気を吐出口33から同時に噴出させることができるようになっている。
ナノファイバー水溶液を吐出口33を介して圧縮空気とともに地盤31に高圧噴射すると、地盤31は、高圧噴射による噴流で切削攪拌されるとともに、高圧噴射の形で地盤31に注入されたナノファイバー水溶液は、地盤31中の攪拌土と原位置で混合され、高圧噴射終了後は、高圧噴射が開始された深さ位置から終了する深さ位置までの寸法を高さHとし、噴射圧や地盤性状で定まる吐出口33からの切削可能距離を半径Rとする円柱状のナノファイバー分布領域34が同図(b)のように地盤31内に形成される。
このように地盤31内に形成されたナノファイバー分布領域34においては、セルロースナノファイバー21は、繊維径がnmオーダーであるため、図2で説明したと同様、攪拌土の土粒子と絡み合って該土粒子のずれや移動に抵抗する繊維補強作用を発揮する。
以上説明したように、本実施形態に係る地盤改良方法によれば、地盤31を攪拌しつつその攪拌領域にナノファイバー水溶液を注入することにより、攪拌土とナノファイバー水溶液とが混合されてなるナノファイバー分布領域34を地盤31内に形成するようにしたので、ナノファイバー分布領域34においては、土粒子に絡み付いたセルロースナノファイバー21が該土粒子のずれや移動に抵抗する繊維補強作用を発揮し、その結果、ナノファイバー分布領域34の支持力が増大する。
また、本実施形態に係る地盤改良方法によれば、セメント系の硬化材を用いないため、有害物質が溶出するおそれもない。
本実施形態では、セルロースナノファイバー21を第1実施形態と同様、水溶液の形で地盤31に注入するようにしたが、これに代えて、粉体の形で地盤31に添加するようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、セルロースナノファイバー21が添加混合されてなるナノファイバー水溶液を単体で地盤31に注入するものとしたが、該ナノファイバー水溶液の注入と同時に又は相前後して、セメント系硬化材、例えばセメントミルクを注入するようにしてもかまわないし、上記変形例においては、セルロースナノファイバー21を粉体の形で添加すると同時に又は相前後して、セメント系硬化材、例えばセメントミルクを注入するようにしてもかまわない。
かかる構成によれば、セルロースナノファイバー21による上述の繊維補強作用に加えて、セメント系硬化材による強度増大作用が発揮されるとともに、ナノファイバー水溶液を単体で用いる場合ほどではないにしろ、セメント系硬化材の使用量を減らすことができるため、注入する際に目詰まりが生じて注入が阻害されたり、地盤がアルカリ環境となって有害物質が溶出するといった懸念を低減することが可能となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。なお、第1,2実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態に係る地盤改良方法においては、図4に示すように、原料土である掘削土を攪拌混合槽41に投入するとともに該掘削土にセルロースナノファイバー21を添加し、次いで、これらを攪拌混合槽41内で攪拌混合することでナノファイバー混合土42を作製する。
次に、ナノファイバー混合土42を盛土材として地盤43に敷設するとともに、該盛土材を転圧することで、盛土44を造成する。
このようにすると、セルロースナノファイバー21の繊維径がnmオーダーであるため、ナノファイバー混合土42は、図2で説明したと同様、セルロースナノファイバー21が掘削土の土粒子と絡み合った状態で作製される。
以上説明したように、本実施形態に係る地盤改良方法によれば、ナノファイバー混合土42を改良土である盛土材として施工するようにしたので、含有されるセルロースナノファイバー21が土粒子のずれや移動に抵抗する繊維補強作用を発揮し、その結果、盛土44の支持力が増大する。
また、本実施形態に係る地盤改良方法によれば、盛土材として敷設されたナノファイバー混合土42を転圧するようにしたので、該転圧によって上述の繊維補強作用がさらに高まり、盛土44の変形特性をより向上させることができる。
また、本実施形態に係る地盤改良方法によれば、ナノファイバー混合土42に含有されるセルロースナノファイバー21自体が通水路となり、又はセルロースナノファイバー21と土粒子との間あるいはセルロースナノファイバー21同士の間に形成された間隙が通水路となるため、盛土44の排水性を高めることが可能となる。
また、本実施形態に係る地盤改良方法によれば、セメント系硬化材を用いないため、有害物質が溶出する懸念もない。
本実施形態では、セルロースナノファイバー21を粉体の形で原料土である掘削土に添加するようにしたが、これに代えて、第1,2実施形態と同様、水溶液の形で原料土に添加するようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、セルロースナノファイバー21を単体で原料土である掘削土に添加するものとしたが、該セルロースナノファイバーの添加と同時に又は相前後して、セメント系硬化材、例えばセメントミルクを添加するようにしてもかまわないし、上記変形例においては、セルロースナノファイバー21が添加されてなるナノファイバー水溶液を添加すると同時に又は相前後して、セメント系硬化材、例えばセメントミルクを注入するようにしてもかまわない。
かかる構成によれば、セルロースナノファイバー21による上述の繊維補強作用に加えて、セメント系硬化材による強度増大作用が発揮されるとともに、セルロースナノファイバー21を単体で用いる場合ほどではないにしろ、セメント系硬化材の使用量を減らすことができるため、地盤がアルカリ環境となって有害物質が溶出するといった懸念を低減することが可能となる。
2,31 対象地盤
21 セルロースナノファイバー(動植物由来のナノファイバー)
22 土粒子
42 ナノファイバー混合土(改良土、盛土材)

Claims (6)

  1. 動植物由来のナノファイバーが添加混合されてなるナノファイバー水溶液を液状化防止の対象地盤に浸透注入することを特徴とする地盤改良方法。
  2. 地盤支持力向上の対象地盤を攪拌しつつその攪拌領域に動植物由来のナノファイバーを添加し又は該ナノファイバーが添加混合されたナノファイバー水溶液を注入することで前記攪拌領域に拡がる攪拌土と前記ナノファイバー又は前記ナノファイバー水溶液とを混合することを特徴とする地盤改良方法。
  3. 掘削土、発生土その他の原料土に動植物由来のナノファイバー又は該ナノファイバーが添加混合されたナノファイバー水溶液を添加し、次いでこれらを混合することでナノファイバー混合土を作製し、該ナノファイバー混合土を、埋戻し材、盛土材その他の改良土として施工することを特徴とする地盤改良方法。
  4. 前記改良土を盛土材として敷設し、ついで該盛土材を転圧する請求項3記載の地盤改良方法。
  5. 前記ナノファイバー若しくは前記ナノファイバー水溶液の注入若しくは添加と同時に又は相前後して、セメント系硬化材を注入又は添加する請求項1乃至請求項4のいずれか一記載の地盤改良方法。
  6. 前記ナノファイバーをセルロースナノファイバーとする請求項1乃至請求項5のいずれか一記載の地盤改良方法。
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