JP2015000545A - グリーンケースの組込み装置及び組込み方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤの製造過程におタイヤの製造過程において、グリーンケースを組込み装置に装着する際に生じうるビード部の変形を抑制することが可能な、グリンケースの組込み装置及び組込み方法を提供する。
【解決手段】グリーンケースGを外周側から把持する外側把持部3と、グリーンケースGを内側から支持する内側支持部5と、を備えたグリーンケースの組込み装置1であって、内側支持部5は、支持軸7と環状フランジ9とを有し、環状フランジ9は、外側把持部3がグリーンケースGを外周側から把持した把持状態で、径方向外側に拡大してビード部Bに嵌合し、グリーンケースGの内部空間を封止するものであり、外側把持部3は、封止されたグリーンケースGの内部空間に気体が供給されるまで、把持状態を維持するものであることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】グリーンケースGを外周側から把持する外側把持部3と、グリーンケースGを内側から支持する内側支持部5と、を備えたグリーンケースの組込み装置1であって、内側支持部5は、支持軸7と環状フランジ9とを有し、環状フランジ9は、外側把持部3がグリーンケースGを外周側から把持した把持状態で、径方向外側に拡大してビード部Bに嵌合し、グリーンケースGの内部空間を封止するものであり、外側把持部3は、封止されたグリーンケースGの内部空間に気体が供給されるまで、把持状態を維持するものであることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤの製造過程で用いる、グリーンケースの組込み装置及び組込み方法に関する。
従来、空気入りタイヤの製造過程において、インナーライナーやカーカスプライ等の部材で構成されたタイヤの骨格部分となる円筒状のグリーンケースを成形した後、当該グリーンケースの外周面にトレッドとなるシート状のゴム部材を巻き付けて積層する、いわゆるラミネーション方式による成形方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記のようなラミネーション方式によるタイヤの製造方法では、例えば、成形ドラム上で成形された円筒状のグリーンケースを搬送装置により外周側から把持して搬送し、組込み装置の支持軸上で、外周側からの把持を解除して、グーンケースのビード部を支持軸に設けられたフランジで支持するように載置する。その後、作業員の手作業により、支持軸周りでグリーンケースを回転させながら気体供給用のカプラを接続し、グリーンケースの内部空間に気体を充填する。グリーンケースは充填された気体の内圧によって膨出変形し、グリーンケースは組込み装置に装着される。そして、組込み装置に装着されたグリーンケースの外周面にトレッド部材を巻き付けて、グリーンタイヤを成形する。
このようなグリーンケースの組込み方法においては、図2に示すように、組込み装置21にグリーンケースGを載置し、内圧を付与するまでの間、グリーンケースGの全重量がビード部Bに集中してビード部が変形し、製造後のタイヤに悪影響を及ぼす虞がある。また、このようなビード部の変形は、とりわけ重荷重用等の大型タイヤにおいて顕著に現れやすい。
それゆえ本発明は、タイヤの製造過程において、グリーンケースを組込み装置に装着する際に生じうるビード部の変形を抑制することが可能な、グリーンケースの組込み装置及び組込み方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のグリーンケースの組込み装置は、グリーンケースを外周側から把持する外側把持部と、前記グリーンケースを径方向内側から支持する内側支持部と、を備えたグリーンケースの組込み装置であって、前記内側支持部は、支持軸と環状フランジとを有し、前記環状フランジは、前記外側把持部が前記グリーンケースを外周側から把持した把持状態で、径方向外側に拡大して前記ビード部に嵌合し、グリーンケースの内部空間を封止するものであり、前記外側把持部は、封止された前記グリーンケースの内部空間に気体が供給されるまで、前記把持状態を維持するものであることを特徴とする。
かかるグリーンケースの組込み装置にあっては、グリーンケースのビード部に自重による負荷が集中することを防止することで、ビード部の変形を抑制することができる。
なお、本発明のグリーンケースの組込み装置にあっては、前記外側把持部は、上下方向に移動することにより高さ調整が可能であることが好ましく、これによれば、様々なサイズのグリーンケースに対応することができ、また、温度条件等によりグリーンケースが変形した場合にも、高さを調整して、組込み装置への組込みを容易にするとともに、ビード部の変形をより確実に抑制することができる。
また、本発明のグリーンケースの組込み装置にあっては、前記内側支持部に接続されて、前記グリーンケースの内部空間に気体を自動供給する気体供給装置をさらに備えることが好ましく、これによれば、作業員による手作業で行っていた工程を自動化することができるため、品質のバラツキを抑制するとともに、人件費の削減、サイクルタイム短縮によるタイヤ製造効率の向上が可能となる。
また、本発明のグリーンケースの組込み方法は、一対のビード部及び該一対のビード部間に延びる本体部を有する円筒状のグリーンケースを外周側から把持する外側把持部と、前記グリーンケースを径方向内側から支持する内側支持部と、を備えたグリーンケースの組込み装置を用いたグリーンケースの組込み方法であって、前記内側支持部は、水平方向に延びる支持軸と、該支持軸を中心軸として拡縮径可能な環状フランジとを有し、前記外側把持部が前記グリーンケースを外周側から把持した把持状態で、前記環状フランジを径方向外側に拡大して前記ビード部に嵌合させ、前記グリーンケースの内部空間を封止するステップと、前記把持状態で、封止された前記グリーンケースの内部空間に気体を供給するステップと、を含むことを特徴とする。
かかるグリーンケースの組込み方法にあっては、グリーンケースのビード部に自重による負荷が集中することを防止することで、ビード部の変形を抑制することができる。
本発明によれば、タイヤの製造過程において、グリーンケースを組込み装置に装着する際に生じうるビード部の変形を抑制することが可能な、グリーンケースの組込み装置及び組込み方法を提供することが可能となる。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示説明する。
図1に示す符号1は、本実施形態におけるグリーンケースの組込み装置(以下、単に「組込み装置」ともいう。)である。なお、図1、2では、組込み装置およびグリーンケースについてのハッチングを省略している。
図1に示す符号1は、本実施形態におけるグリーンケースの組込み装置(以下、単に「組込み装置」ともいう。)である。なお、図1、2では、組込み装置およびグリーンケースについてのハッチングを省略している。
組込み装置1は、一対のビード部B及び該一対のビード部B間に延びる本体部Mを有する円筒状のグリーンケースGをその外周側から把持する外側把持部3と、グリーンケースをその径方向内側から支持する内側支持部5とを備える。
外側把持部3は、例えば、組合されて円環形状となる8つのセグメントで構成され、それぞれシリンダ等の駆動装置により拡縮径(図1の矢印C)することでグリーケースGを把持する構造とすることができるが、グリーンケースGを外周側から把持することができれば、これに限定されるものではない。また、この例において外側把持部3は、上下方向(図1の矢印D)に移動することにより高さ調整が可能な高さ調整機構(図示省略)を備えており、グリーケースGを把持した状態で、グリーンケースGの開口部11の中心と、取り付け装置1の内側支持部5の軸心とを合せるように高さを調節することができる。
内側支持部5は、水平方向に延びる支持軸7と、支持軸7の周りで回転可能な一対の環状フランジ9とを備えている。環状フランジ9は、拡縮径可能であり、拡径した際に、グリーンケースGのビード部Bに全周にわたって嵌合する。これにより、グリーンケースGは、環状フランジ9によって開口部11が封止され、内部空間に気体を充填することで、グリーンケースGに内圧を付与して膨出変形させることができる。ここで、この例において内側支持部5はシールドブラダーを備え、グリーンケースG内のビード部に、膨張させたシールドブラダーを密着させることで、グリーンケースG内に供給された気体が外部に漏れることをより確実に防止することができる。また、この例において、組込み装置1は、上記グリーンケースGの内部空間に気体を自動供給するための図示しない気体供給装置を備える。気体供給装置は、気体を供給するホース先端の供給カプラが、内側支持部5の、例えば環状フランジ9の近傍に設けられたカプラに差し込まれることにより接続され、グリーンケースGの内部空間に気体を充填可能となっている。
以下に、上記の組込み装置1にグリーンケースGを組込む方法について説明する。
まず、未加硫のタイヤケースであるグリーンケースGを成形する。グリーンケースGの成形方法は特に限定されるものではないが、例えば、従来から用いられている一般的なタイヤ製造工程(精錬工程→押出し・ビード工程→圧延・裁断工程→成型工程)によって成形することができる。例えば、成型工程では、バンド成形ドラムにインナーライナー、ワイヤーチェーファー、カーカスプライなどのタイヤ構成部材を巻き付けて中間バンドを成形する。その後、中間バンドをグリーンケース成形ドラムへ移して支持し、ビードコア(スティフナー付き)等をセットする。そして、中間バンドの幅方向外側を折り返し、サイドゴム、各種のパッド、クッションを積層し、その外側にベルトプライ、端クッション等を積層して、グリーンケースGを成形することができる。グリーンケースGは円筒状であり、一対のビード部B間に延びる本体部Mを有する。その後、当該グリーンケースGを組込み装置1の内側支持部5に搬送し、組み込みを行う。
まず、未加硫のタイヤケースであるグリーンケースGを成形する。グリーンケースGの成形方法は特に限定されるものではないが、例えば、従来から用いられている一般的なタイヤ製造工程(精錬工程→押出し・ビード工程→圧延・裁断工程→成型工程)によって成形することができる。例えば、成型工程では、バンド成形ドラムにインナーライナー、ワイヤーチェーファー、カーカスプライなどのタイヤ構成部材を巻き付けて中間バンドを成形する。その後、中間バンドをグリーンケース成形ドラムへ移して支持し、ビードコア(スティフナー付き)等をセットする。そして、中間バンドの幅方向外側を折り返し、サイドゴム、各種のパッド、クッションを積層し、その外側にベルトプライ、端クッション等を積層して、グリーンケースGを成形することができる。グリーンケースGは円筒状であり、一対のビード部B間に延びる本体部Mを有する。その後、当該グリーンケースGを組込み装置1の内側支持部5に搬送し、組み込みを行う。
ここで、グリーンケースGを組込む際には、予め気体供給装置から延びるホース先端の供給カプラが、組込み装置1側のカプラに接続されている事を確認する。なお、カプラの接続は、気体シリンダ等を用いた駆動装置により、自動で差し込むことにより行うことも可能であり、この場合には、供給カプラの蒸気駆動装置の位置を検出することで、接続の有無を確認することができる。
グリーンケースGの成形後、組込み装置1の外側把持部3によって、グリーンケースGの本体部Mを好ましくは全周にわたって把持し、グリーンケースGをグリーンケース成形ドラムから組込み装置1の内側支持部5に搬送する。この時、内側支持部5の環状フランジ9は予め縮径しておくことで、グリーンケースの開口部11を組込み装置1の支持軸7にスムーズに通すことができる。外側把持部3は、内側支持部5の環状フランジ9の径方向外側にグリーンケースGのビード部Bが位置するように配置する。ここで、グリーンケースGのビード部Bと、環状フランジ9との間隔が、上下で一定となるよう外側把持部3の高さを調整する。
次いで、外側把持部3がグリーンケースGを把持した把持状態で、環状フランジ9を拡径してビード部Bと嵌合させ、一対の環状フランジ9を支持軸7に沿って近接させる。さらに気体供給装置によって、圧縮気体を自動供給し、内圧を付与する。グリーンケースGが膨出変形するに伴って外側把持部3は拡径し始め、グリーンケースGが所定の内圧となり、形状が安定した時点で把持を解除する。このようにしてグリーンケースGの組込みが終了し、次いで、トレッド部材であるシート状のゴム部材を巻き付けるラミネーションを行うこととなる。
以上のようなグリーンケースGの組込み装置1および組込み方法によれば、外側把持部3がグリーンケースGを把持した把持状態で内圧の付与までを行うことで、ビード部Bでグリーンケースの自重を支えることがなくなるため、ビード部Bの変形を抑制することができる。よって、ビード部の厚さをより薄くし、材料コストの削減や、軽量化を図ることもできる。
また、本実施形態によれば、従来、作業員による手作業で行っていた工程を自動化することができるため、品質のバラツキを抑制するとともに、人件費の削減、サイクルタイム短縮によるタイヤ製造効率の向上が可能となる。
また、本実施形態によれば、外側把持部3の高さ調整が可能であるため、グリーンケースGのサイズが異なる場合にも対応することができ、また、温度条件等によりグリーンケースGが変形し、開口位置がずれてビード部Bと環状フランジ9の間隔が上下にずれたような場合にも、高さを調整して、組込みを容易にするとともに、ビード部Bの変形をより確実に抑制することができる。
なお、本発明のグリーンケースGの組込み装置および組込み方法は、特に重量が大きく、ビード部の変形が生じ易い、建設・鉱山車両用タイヤその他の重荷重用タイヤ等の大型タイヤに適用することで、より顕著な効果を奏することができる。
かくして本発明により、タイヤの製造過程において、グリーンケースを組込み装置に装着する際に生じうるビード部の変形を抑制することが可能な、グリーンケースの組込み装置及び組込み方法を提供することが可能となった。
1:グリーンケースの組込み装置、 3:外側把持部、 5:内側支持部、 7:支持軸、 9:環状フランジ、 G:グリーンケース、 B:ビード部、 M:本体部
Claims (4)
- 一対のビード部及び該一対のビード部間に延びる本体部を有する円筒状のグリーンケースを外周側から把持する外側把持部と、
前記グリーンケースを径方向内側から支持する内側支持部と、を備えたグリーンケースの組込み装置であって、
前記内側支持部は、水平方向に延びる支持軸と、該支持軸を中心軸として拡縮径可能な環状フランジとを有し、
前記環状フランジは、前記外側把持部が前記グリーンケースを外周側から把持した把持状態で、径方向外側に拡大して前記ビード部に嵌合し、前記グリーンケースの内部空間を封止するものであり、
前記外側把持部は、封止された前記グリーンケースの内部空間に気体が供給されるまで、前記把持状態を維持するものであることを特徴とするグリーンケースの組込み装置。 - 前記外側把持部は、上下方向に移動することにより高さ調整が可能である、請求項1に記載のグリーンケースの組込み装置。
- 前記内側支持部に接続されて、前記グリーンケースの内部空間に気体を自動供給する気体供給装置をさらに備えた、請求項1又は2に記載のグリーンケースの組込み装置。
- 一対のビード部及び該一対のビード部間に延びる本体部を有する円筒状のグリーンケースを外周側から把持する外側把持部と、
前記グリーンケースを径方向内側から支持する内側支持部と、を備えたグリーンケースの組込み装置を用いたグリーンケースの組込み方法であって、
前記内側支持部は、水平方向に延びる支持軸と、該支持軸を中心軸として拡縮径可能な環状フランジとを有し、
前記外側把持部が前記グリーンケースを外周側から把持した把持状態で、前記環状フランジを径方向外側に拡大して前記ビード部に嵌合させ、前記グリーンケースの内部空間を封止するステップと、
前記把持状態で、封止された前記グリーンケースの内部空間に気体を供給するステップと、を含むことを特徴とするグリーンケースの組込み方法。
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JP2013126937A JP2015000545A (ja) | 2013-06-17 | 2013-06-17 | グリーンケースの組込み装置及び組込み方法 |
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