JP2015000439A - 締付工具用回転動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転動力の入力側の回転数に対し出力側の回転数を減じることができる締付工具用回転動力伝達装置を提供すること。【解決手段】ナットランナー1の回転動力伝達経路に組み込まれる締付工具用回転動力伝達装置4であって、着座トルク値に達するまでは、圧縮コイルばね24による駆動ピン19のリード溝13の始端の溝面13aへの当接力によって、駆動軸11と駆動ハウジング12との間で回転動力が伝達されるようにするとともに、着座トルク値に達すると、駆動軸11に対して駆動ハウジング12が相対回転し、駆動ピン19がリード溝13に沿って移動して該リード溝13の終端に当接することによって、駆動軸11と駆動ハウジング12との間で回転動力が伝達されるようにする。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、ナットランナー等の締付工具の回転動力伝達経路に組み込まれて好適な締付工具用回転動力伝達装置に関するものである。
従来、被締結物(ワーク)をボルトやナット(以下、「ボルト等」という。)で自動締付する締付工具として、ナットランナーがある。
一般的に、ナットランナーは、ナットランナー本体から延びる主軸(出力軸)に同軸でソケットを連結して構成され、ソケットを締付対象のボルト等に嵌めて、ナットランナー本体の駆動にてボルト等を締め付けることができるようになっている。
ナットランナーの制御方法としては、ボルト等の締付トルクで締付精度を評価するトルク方式が一般的である。
このトルク方式によるナットランナーにおいて、ナットランナー本体は、主に電動モータ、減速機及びトルクセンサを備えてなるものを用い、制御装置からの制御信号に基づいて電動モータを駆動制御し、電動モータからの回転動力を減速機や主軸を介してソケットに伝達してボルト等の締付動作を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−131377号公報
この種のナットランナーにおいて、ボルト等がワークに着座するまでは、締付サイクルタイムを短縮するためにナットランナーを高速回転させている。
ボルト等の着座時における着座トルクの値は、電動モータの回転速度切換タイミングの判断のためのデータとして予め制御装置に記憶されており、図6のグラフにおける時刻t1において、トルクセンサによって検出されるトルク検出値が着座トルク値に達すると、制御装置から電動モータに向けて減速指令が発せられて減速動作が実施される。
しかし、減速指令が発せられてから実際に回転速度が切り換わるまでにある程度の時間(例えば、15msec)がかかるため、ボルト等の着座までの高速化が進むにつれて、電動モータや減速機等の回転系の慣性の影響を大きく受けて、図6において一点鎖線で示すように目標締付トルク値を超えてしまうことがある。
ところで、減速指令後の回転速度切換に要する時間が、例えば、15msec程度で、使用時の回転速度が約4000回転/minのナットランナーにおいて、回転動力伝達経路における回転動力の入力側の回転数に対し出力側の回転数を約1回転減じることができれば、15msecの時間を稼げることになり、減速指令後の回転速度の切換が間に合い、締付トルクのオーバシュートを防止することができる。
このため、電動モータからソケットに至る回転動力伝達経路の途中において、回転動力の入力側の回転数に対し出力側の回転数を減じることができる装置の出現が望まれている。
本発明は、上記の事情に鑑み、回転動力の入力側の回転数に対し出力側の回転数を減じることができる締付工具用回転動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の締付工具用回転動力伝達装置は、締付工具の回転動力伝達経路に組み込まれる締付工具用回転動力伝達装置であって、互いに同心をなして軸線回りに相対回転可能に嵌挿される第1の回転体及び第2の回転体と、第1の回転体の周面に設けられた螺旋状のリード溝と、該リード溝に沿って移動可能に挿入される第2の回転体に設けられた突起と、第1の回転体に対して第2の回転体を軸方向に押し付ける押付力を発生させる押付力発生手段とを備え、所定の回転トルク値に達するまでは、押付力発生手段の押付力による前記突起の第1の回転体のリード溝の始端の溝面への当接力によって、第1の回転体と第2の回転体との間で回転動力が伝達されるようにするとともに、所定の回転トルク値に達すると、第1の回転体に対して第2の回転体が相対回転し、前記突起が第1の回転体のリード溝に沿って移動して該リード溝の終端に当接することによって、第1の回転体と第2の回転体との間で回転動力が伝達されるようにしたことを特徴とする。
この場合において、第2の回転体は、第1の回転体に軸方向に沿って移動自在に外嵌される中空状の内側回転体と、該内側回転体を軸方向に相対移動可能に収容する中空状部を有する外側回転体とを備えてなり、内側回転体と外側回転体との軸方向の相対移動を許容しつつ、内側回転体と外側回転体との間で回転動力が伝達されるようにする係合手段を設けるとともに、前記押付力発生手段により、内側回転体を第1の回転体に対して軸方向に押し付けるようにすることができる。
また、第1の回転体のリード溝の終端と始端とを、軸方向に直線状に延びるガイド溝によって繋ぐようにすることができる。
また、押付力発生手段が、圧縮コイルばねからなるものとすることができる。
本発明の回転動力伝達装置においては、第2の回転体における突起が第1の回転体のリード溝の始端の溝面に押付力発生手段の押付力によって押し付けられる。
所定の回転トルク値に達するまでは、押付力発生手段の押付力による突起のリード溝の始端の溝面への当接力によって、第1の回転体と第2の回転体との間で回転動力が伝達される。
所定の回転トルク値に達すると、第1の回転体に対して第2の回転体が相対回転され、突起がリード溝に沿って移動されて該リード溝の終端に当接することによって、第1の回転体と第2の回転体との間で回転動力が伝達される。
本発明の回転動力伝達装置によれば、所定の回転トルク値に達すると、突起がリード溝に沿って移動されて該リード溝の終端に当接するまで第1の回転体に対して第2の回転体が相対回転されるので、回転動力の入力側の回転数に対し出力側の回転数をその相対回転分だけ減じることができ、例えば、ナットランナーの回転動力伝達経路に組み込んだ場合、ナットランナーの締付トルクが目標締付トルク値を超えてしまうといった不具合の発生を未然に防ぐことができる。
また、第2の回転体は、第1の回転体に軸方向に沿って移動自在に外嵌される中空状の内側回転体と、該内側回転体を軸方向に相対移動可能に収容する中空状部を有する外側回転体とを備えてなり、内側回転体と外側回転体との軸方向の相対移動を許容しつつ、内側回転体と外側回転体との間で回転動力が伝達されるようにする係合手段を設けるとともに、前記押付力発生手段により、内側回転体を第1の回転体に対して軸方向に押し付けるようにすることにより、第1の回転体に対して第2の回転体を相対回転させる機構と、第1の回転体と第2の回転体との間で回転動力を伝達する機構とコンパクトな構成で構築することができる。
また、第1の回転体のリード溝の終端と始端とを、軸方向に直線状に延びるガイド溝によって繋ぐようにすることにより、突起をガイド溝に沿って移動させることで該突起をリード溝の終端から始端へと移動させることができ、使用可能な状態に容易に復帰させることができる。
また、押付力発生手段が、圧縮コイルばねからなるものとすることにより、簡易かつ安価な構成で第1の回転体に対して第2の回転体を軸方向に押し付ける押付力を発生させることができる。
本発明の一実施形態に係る締付工具用回転動力伝達装置を具備するナットランナーの概略システム構成図である。 (a)は同締付工具用回転動力伝達装置の正面要部縦断面図で、(b)は(a)のA−A線断面図である。 同締付工具用回転動力伝達装置の分解図である。 同締付工具用回転動力伝達装置を具備するナットランナーの締付動作説明図で、ボルトがワークに着座した瞬間の状態図である。 同締付工具用回転動力伝達装置を具備するナットランナーの締付動作説明図で、ボルトがワークに着座した後の本締めの状態図である。 ナットランナーの締付トルクの変化の様子を表すグラフである。 駆動軸のリード溝に窪み部を設ける変形例の説明図で、(a)はリード溝の始端溝面に窪み部を設ける態様の説明図、(b)はリード溝の終端端面に窪み部を設ける態様の説明図である。 駆動軸のガイド溝に角度を付ける変形例の説明図である。 駆動軸に2条のリード溝を設ける変形例の説明図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。 同締付工具用回転動力伝達装置が適用された油圧トルクレンチの側面図である。 油圧トルクレンチの打撃トルクの変化の様子を表すグラフで、(a)は同締付工具用回転動力伝達装置の適用なしの場合、(b)は適用ありの場合である。
次に、本発明の締付工具用回転動力伝達装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る締付工具用回転動力伝達装置を具備するナットランナーの概略システム構成図が示されている。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の締付工具用回転動力伝達装置がナットランナーに適用された例であるが、これに限定されるものではなく、その他の締付工具にも適用することができる。
図1に示すナットランナー1は、ナットランナー本体2から下方に延びる主軸3に締付工具用回転動力伝達装置4を介してソケット5を同軸で連結して構成され、ソケット5を締付対象のボルト6(又はナット)に嵌めて、ナットランナー本体2の駆動にてボルト6のワークWへの締付動作を行うことができるようになっている。
ここで、ナットランナー本体2は、主に電動モータ7、減速機8及びトルクセンサ9を備えてなり、締付トルクの検出信号をトルクセンサ9からフィードバックしながら制御装置10から送信される制御信号に基づいて電動モータ7を駆動制御し、電動モータ7からの回転動力を減速機8、主軸3、締付工具用回転動力伝達装置4を介してソケット5に伝達してボルト6の締め付けができるようになっている。
<締付工具用回転動力伝達装置>
図2(a)、図2(b)及び図3に示すように、締付工具用回転動力伝達装置4は、互いに同心をなして相対回転可能に嵌挿される駆動軸11及び駆動ハウジング12を備えている。
<駆動軸の説明>
図2(a)に示すように、駆動軸11は、その先端部に断面四角形状の取付軸部11aを有し、この取付軸部11aにソケット5が回転動力伝達可能に装着されている。
駆動軸11の基端部寄りの外周面には、所定のリード及びリード角の螺旋状の1条のリード溝13が1巻き設けられている。
さらに、駆動軸11の基端部寄りの外周面には、リード溝13の始端と終端とを繋ぐように駆動軸11の軸方向に直線状に延びるガイド溝14が設けられている。
<駆動ハウジングの説明>
駆動ハウジング12は、駆動ブシュ15と駆動ケース16とにより構成され、収容ケース本体17aの先端部に蓋体17bが駆動軸11を貫通させた状態で装着されてなる収容ケース17内に収容されている。
図2(a)及び図2(b)に示すように、駆動ブシュ15は、駆動軸11に軸方向に沿って移動自在に外嵌される円筒状の部材で構成され、この駆動ブシュ15には、駆動軸11に設けられたリード溝13に対応する所定箇所に挿通孔18が設けられ、この挿通孔18に駆動ピン19が差し込まれて該駆動ピン19の先端部が駆動軸11のリード溝13に嵌るようにされている。
ここで、駆動ピン19は、駆動軸11に対し駆動ハウジング12が初期の回転角度位置(0°)にあるときには、図2(a)においてハッチングが施された実線で示すように、リード溝13の始端位置にあり、駆動軸11に対し駆動ハウジング12が初期の回転角度位置から正転方向Rに360°の回転角度だけ相対回転させたときには、同図において二点鎖線で示すように、リード溝13の終端位置にあり、これら始端位置と終端位置との間をガイド溝14に沿って移動自在とされている。
駆動ケース16は、駆動ブシュ15を軸方向に相対移動可能に収容する中空状部16aを有するとともに、回転動力伝達可能に主軸3に連結される連結部16bとを有している。
<駆動ブシュと駆動ケースの係合手段の説明>
駆動ハウジング12においては、駆動ケース16の中空状部16a内で駆動ブシュ15の軸方向の相対移動を許容しつつ、駆動ブシュ15と駆動ケース16との間で回転動力が伝達されるようにする係合手段20が設けられている。
すなわち、この係合手段20は、駆動ブシュ15の外周面に軸方向に延びるボール溝21を円周方向に等間隔(120°おき)に設け、各ボール溝21に対応するようにスリット22を駆動ケース16に設け、各ボール溝21と各スリット22との間に所要のボール23を配設して構成され、ボール溝21の溝面にボール23が接触して転動することにより、駆動ケース16に対する駆動ブシュ15の軸方向の移動をスムーズに行うことができるとともに、ボール溝21とスリット22との間に挟まったボール23により、駆動ケース16からの回転動力を駆動ブシュ15に伝達することができるようになっている。
こうして、駆動軸11に対して駆動ハウジング12を相対回転させる機構と、駆動軸11と駆動ハウジング12との間で回転動力を伝達する機構とをコンパクトな構成で構築することができる。
<圧縮コイルばねの説明>
駆動ケース16における中空状部16aの奥面と駆動ブシュ15の端面との間には、駆動ケース16と駆動ブシュ15とが軸方向に反発するよう付勢する圧縮コイルばね24が介挿されている。
この圧縮コイルばね24は、リード溝13の一側(図2(a)において下側)の溝面13aに対して駆動ピン19を軸方向に押し付ける押付力を発生させる役目と、当該圧縮コイルばね24を縮めるように駆動ケース16に対し駆動ブシュ15を軸方向に相対移動させたときにその相対移動に抗する反発力を駆動ケース16と駆動ブシュ15との間に発生させる役目とを有する。
こうして、簡易かつ安価な構成で、リード溝13の溝面13aに対して駆動ピン19を軸方向に押し付ける押付力を発生させることができるとともに、駆動ケース16と駆動ブシュ15との間に軸方向に沿う反発力を発生させることができる。
ここで、圧縮コイルばね24のばね力は、後述の図5に示す様態から図4に示す使用可能な状態に自動的に復帰させることができる程度の弱いもので十分である。
<締付動作の説明>
以上に述べたように構成される締付工具用回転動力伝達装置4を具備するナットランナー1による締付動作を、主に、図1、図2(a)及び図4〜図6を用いて、以下に説明する。
まず、図2(a)に示す状態から図4に示す状態、すなわちボルト6の頭部がワークWに着座するまでは、締付サイクルタイムを短縮するため、ナットランナー1を高速回転させる制御信号が図1に示す制御装置10から電動モータ7に送信され、これによりボルト6がワークWに高速でねじ込まれる。
ボルト6の頭部がワークWに着座して所定の回転トルク値(以下、「着座トルク値」という。)に達するまでは、圧縮コイルばね24による駆動ピン19のリード溝13の始端の溝面13aへの当接力によって、駆動ハウジング12と駆動軸11との間で回転動力が伝達される。
なお、駆動ピン19の溝面13aへの当接力は、圧縮コイルばね24から駆動ブシュ15及び駆動ピン19を介して溝面13aへ作用する軸方向の押付力や、駆動ピン19の周面と溝面13aとの間の静摩擦係数、リード溝13のリード角などによって決まるものである。
ここで、上記の着座トルク値は、電動モータ7の回転速度切換タイミングの判断のためのデータとして予め制御装置10に記憶されており、図6のグラフにおける時刻t2において、トルクセンサ9によって検出されるトルク検出値がその着座トルク値に達すると、制御装置10から電動モータ7に向けて減速指令が発せられる。
図4に示す状態において、着座トルク値に達すると、駆動ピン19の溝面13aへの当接力に打ち勝って駆動軸11に対し駆動ハウジング12が相対回転するような回転トルクが駆動軸11と駆動ハウジング12との間に作用するため、回転停止状態の駆動軸11に対し駆動ハウジング12が正転方向Rに相対回転する。
この相対回転は、図6のグラフにおける時刻t2において駆動ピン19がリード溝13の始端から該リード溝13に沿って移動し始めて時刻t3においてそのリード溝13の終端に当接するまで行われ、これによって回転動力の入力側である駆動ハウジング12の回転数に対し回転動力の出力側である駆動軸11の回転数がその相対回転分、本例では1回転だけ減じられることになる。
上記の相対回転は、図6のグラフにおける時刻t2〜t3の間で行われるが、かかる相対回転によって駆動ピン19がリード溝13の始端から終端に向かって該リード溝13に沿って移動して図5に示す状態になると、リード溝13のリード分だけ駆動ブシュ15が駆動ケース16における中空状部16aの奥面に向かって近づくように移動され、これによって圧縮コイルばね24がそのリード分だけ縮められることになる。
したがって、図6のグラフにおける時刻t2〜t3の間において、圧縮コイルばね24の圧縮量に比例してボルト6の締め付けに要する締付トルクが上昇する。
この時刻t2〜t3の間における締付トルク上昇ラインの傾きは、圧縮コイルばね24のばね定数や、駆動ピン19の周面と溝面13aとの間の動摩擦係数、リード溝13のリード角などによって決まるが、主として圧縮コイルばね24のばね定数で決まるため、ワークWの種類や性質、例えば、ソフトジョイントであるかハードジョイントであるかとか、締結物間にパッキンやガスケット等が介在されている否かなどの点を考慮して、圧縮コイルばね24のばね定数を設定し、時刻t2〜t3の間における締付トルク上昇ラインの傾きをワークWの種類等に応じて最適なものに調整するのが好ましい。
図5に示すように、駆動ピン19がリード溝13の終端の端面13bに当接した後においては、主軸3から駆動ケース16に入力された回転動力は、ボール23、駆動ブッシュ15及び駆動ピン19を介して直接的に駆動軸11に伝達されて駆動ハウジング12と駆動軸11とが一体となって回転駆動されるため、図6のグラフにおける時刻t3〜t4の間において、締付トルクが目標締付トルク値に向かって急上昇される。
図5において、駆動ピン19の端面13bへの当接状態は、主軸3から駆動ケース16、ボール23及び駆動ブシュ15を介して駆動ピン19に作用する回転トルクによる駆動ピン19の端面13bへの当接力によって保持される。
なお、かかる当接力は、駆動ピン19に作用する回転トルクによる該駆動ピン19の端面13bへの押付力や、駆動ピン19の周面と端面13bとの間の静摩擦係数などによって決まるものである。
図6のグラフにおける時刻t4において締付動作が完了すると、駆動ピン19に伝達される回転トルクが無くなるため、駆動ピン19の端面へ13bへの当接力が無くなる。
すると、それまでリード溝13のリード分だけ縮められていた圧縮コイルばね24の反発力により、駆動ブシュ15が駆動ケース16における中空状部16aの奥面から離れる方向に移動され、これに伴い駆動ピン19がリード溝13の終端位置から始端位置へとガイド溝14に沿って案内移動されて、図4に示す使用可能な状態に自動的に復帰される。
<作用効果の説明>
本実施形態の締付工具用回転動力伝達装置4によれば、時刻t2において着座トルク値に達すると、時刻t2〜t3の間において駆動ピン19がリード溝13の始端から該リード溝13に沿って移動されて該リード溝13の終端に当接するまで回転停止状態の駆動軸11に対し駆動ハウジング12が相対回転されるので、回転動力の入力側の駆動ハウジング12の回転数に対し出力側の駆動軸11の回転数を1回転だけ減じることができ、その1回転に要する時間分だけ時間を稼ぐことができる。
したがって、時刻t2において発せられる制御装置10から電動モータ7への減速指令による回転速度切換動作が間に合い、電動モータ7の減速動作によって目標締付トルク値を超えることがなく、締付トルクのオーバシュートを防止することができる。
また、本実施形態の締付工具用回転動力伝達装置4によれば、主軸3とソケット5との間に組み込むだけで上記の作用効果を得ることができるので、既に使用されているナットランナーにも適用することができる。
以上、本発明の締付工具用回転動力伝達装置について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
例えば、上記の実施形態においては、締付工具用回転動力伝達装置4を主軸3とソケット5との間に組み込む構成とされているが、締付工具用回転動力伝達装置4の主要部分をナットランナー本体2の内部に組み込む態様もあり得る。
また、上記の実施形態における圧縮コイルばね24に代えて、互いに反発する磁石体(図示省略)を用いる態様もあり得る。
また、上記の実施形態における駆動軸11において、例えば、図7(a)に示すように、圧縮コイルばね24の付勢力によって駆動ピン19が押付状態で当接されるリード溝13の始端の溝面13aをやや窪ませて窪み部25を設けるようにしてもよい。
これにより、駆動ピン19がリード溝13の始端に位置された状態がより強固に保たれるので、着座トルク値に達するまでの締付に要する締付トルク値が比較的高い場合などにおいても、着座トルク値に達する前に駆動ピン19がリード溝13に沿って動き出すのを防ぐことができる。
同様に、図7(b)に示すように、駆動軸11において、駆動ピン19に作用する回転トルクによって該駆動ピン19が押付状態で当接されるリード溝13の終端の端面13bをやや窪ませて窪み部26を設けるようにしてもよい。
これにより、駆動ピン19がリード溝13の終端に位置された状態がより強固に保持されるので、圧縮コイルばね24の反発力が比較的高い場合などにおいても、締付動作が完了する前に、駆動ピン19がガイド溝14に沿ってリード溝13の始端側に向けて動き出すのを防ぐことができる。
このほか、図8に示すように、駆動軸11のガイド溝14を、駆動軸11の軸方向に直線状に設けずに、駆動軸11の中心軸Lに対して角度θを付けて設けることにより、駆動ピン19が押付状態で当接されるリード溝13の終端の端面13bに窪み部26を設けるのと同様の作用効果を得るようにしてもよい。
これにより、駆動ピン19がリード溝13の終端に位置された状態がより強固に保持されるので、圧縮コイルばね24の反発力が比較的高い場合などにおいても、締付動作が完了する前に、駆動ピン19がガイド溝14に沿ってリード溝13の始端側に向けて動き出すのを防ぐことができる。
また、上記の実施形態においては、駆動軸11にリード溝13を1条設ける例を示したが、例えば、回転動力の伝達能力を上げるために、図9(a)及び図9(b)に示すように、リード溝13を2条又はそれ以上設けてもよい。
また、図示による説明は省略するが、リード溝13を2巻き以上設ける態様もあり得る。
また、上記の実施形態においては、締付工具の一種であるナットランナー1に本発明の締付工具用回転動力伝達装置4を適用した例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、図10に示すように、締付工具の一種である油圧トルクレンチ31に本発明の締付工具用回転動力伝達装置4を適用することができる。
図10に示す油圧トルクレンチ31において、その本体部分を構成する油圧トルクレンチ本体32は、充電池等の電源33から供給される電力をON、OFFするスタートレバー34を操作することによって電動モータ35を回転駆動し、電動モータ35の回転トルクを、必要に応じ減速機構を介して、内部に作動油を充填した打撃トルク発生装置36に伝達し、この打撃トルク発生装置36において、回転トルクを打撃トルクに変換して主軸37に伝達するように構成されている。
この油圧トルクレンチ31においては、油圧トルクレンチ本体32の主軸37に締付工具用回転動力伝達装置4を介してソケット5を同軸で連結して構成され、ソケット5を締付対象のボルト6(又はナット)に嵌めて、油圧トルクレンチ本体32の駆動にてボルト6をワークWに対し締め付けることができるようになっている。
ところで、締付工具用回転動力伝達装置4が装備されていない従来の油圧トルクレンチを用いた締付動作では、ボルト6がワークWに着座した瞬間に最初の打撃トルクが、図11(a)のグラフにおいて図中記号B矢印で示すように、電動モータ35や減速機等の回転系の影響を受けて過剰に跳ね上がってしまうことがある。
そこで、油圧トルクレンチ本体32の主軸37とソケット5との間に締付工具用回転動力伝達装置4を組み込んで油圧トルクレンチ31を構成することにより、回転動力の入力側の駆動ハウジング12の回転数に対し出力側の駆動軸11の回転数を1回転だけ減じることができる、言い換えれば駆動軸11に対し駆動ハウジング12を1回転空回りさせることができるので、図11(b)のグラフに示すように、最初の打撃トルクのピーク値を下げることができ、正常な締付動作を行うことができる。
本発明の締付工具用回転動力伝達装置は、回転動力の入力側の回転数に対し出力側の回転数を減じることができるという特性を有していることから、ナットランナーの締付トルクのオーバシュートの防止や油圧トルクレンチの最初の打撃トルクのピーク値を下げるなどといった締付工具の締付動作改善の用途に好適に用いることができる。
1 ナットランナー(締付工具)
2 ナットランナー本体
3 主軸
4 締付工具用回転動力伝達装置
5 ソケット
6 ボルト
7 電動モータ
8 減速機
9 トルクセンサ
10 制御装置
11 駆動軸(第1の回転体)
12 駆動ハウジング(第2の回転体)
13 リード溝
13a リード溝の溝面
13b リード溝の端面
14 ガイド溝
15 駆動ブシュ(内側回転体)
16 駆動ケース(外側回転体)
16a 中空状部
19 駆動ピン(突起)
20 係合手段
24 圧縮コイルばね(押付力発生手段)
31 油圧トルクレンチ(締付工具)

Claims (4)

  1. 締付工具の回転動力伝達経路に組み込まれる締付工具用回転動力伝達装置であって、互いに同心をなして軸線回りに相対回転可能に嵌挿される第1の回転体及び第2の回転体と、第1の回転体の周面に設けられた螺旋状のリード溝と、該リード溝に沿って移動可能に挿入される第2の回転体に設けられた突起と、第1の回転体に対して第2の回転体を軸方向に押し付ける押付力を発生させる押付力発生手段とを備え、所定の回転トルク値に達するまでは、押付力発生手段の押付力による前記突起の第1の回転体のリード溝の始端の溝面への当接力によって、第1の回転体と第2の回転体との間で回転動力が伝達されるようにするとともに、所定の回転トルク値に達すると、第1の回転体に対して第2の回転体が相対回転し、前記突起が第1の回転体のリード溝に沿って移動して該リード溝の終端に当接することによって、第1の回転体と第2の回転体との間で回転動力が伝達されるようにしたことを特徴とする締付工具用回転動力伝達装置。
  2. 第2の回転体は、第1の回転体に軸方向に沿って移動自在に外嵌される中空状の内側回転体と、該内側回転体を軸方向に相対移動可能に収容する中空状部を有する外側回転体とを備えてなり、内側回転体と外側回転体との軸方向の相対移動を許容しつつ、内側回転体と外側回転体との間で回転動力が伝達されるようにする係合手段を設けるとともに、前記押付力発生手段により、内側回転体を第1の回転体に対して軸方向に押し付けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の締付工具用回転動力伝達装置。
  3. 第1の回転体のリード溝の終端と始端とを、軸方向に直線状に延びるガイド溝によって繋ぐようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の締付工具用回転動力伝達装置。
  4. 押付力発生手段が、圧縮コイルばねからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の締付工具用回転動力伝達装置。
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