JP2014534947A - 芳香族炭化水素をトランスアルキル化する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、芳香族炭化水素供給流をトランスアルキル化区域中に導入して、トランスアルキル化の目的を満足しながら副生成物として高純度のベンゼンを得ることを含む、芳香族炭化水素化合物をトランスアルキル化する方法である。供給流を、トランスアルキル化区域内において、ベンゼンの純度及びトランスアルキル化性能を制御するように調節した条件下で触媒と接触させる。【選択図】なし

Description

[0001]本出願は、2011年9月14日に出願された米国出願13/232,019に対する優先権を主張する。
[0002]本発明は、概して芳香族炭化水素化合物をトランスアルキル化するための改良された方法に関する。より詳しくは、本発明はキシレン類及びベンゼンを製造する芳香族トランスアルキル化プロセスに関する。
[0003]キシレン異性体(キシレン類)及びベンゼンは、ナフサの改質によって石油から大量に製造されている。しかしながら、キシレン類もベンゼンも需要を満足するのに十分な体積は製造されていない。したがって必然的に、トランスアルキル化、不均化、異性体化、及び脱アルキル化のようなプロセスによって他の炭化水素を転化させて、キシレン類及びベンゼンの収量を増加させている。例えば、トルエンは通常は脱アルキル化してベンゼンを製造している。或いは又は更には、トルエンを不均化してベンゼン及びC芳香族化合物を得ることができ、これから個々のキシレン異性体が回収されている。
[0004]より最近では、開発は、トルエン及び/又はベンゼンを用いてC9+芳香族化合物のようなより重質の芳香族化合物を選択的にトランスアルキル化して、芳香族化合物複合施設からのキシレン類及びベンゼンの収量を増加させることに向けられている。これに関連して、これらのプロセスのために種々の触媒が開発されている。例えば、モルデナイトなどの広範囲のゼオライトが有効なトランスアルキル化触媒として開示されている。成形触媒、複式ゼオライト、金属変性剤、及び水蒸気か焼のような処理が、触媒の有効性を増加させるものとして記載されている。
[0005]公知の触媒がキシレン類及びベンゼンを製造するために有効である。具体的には、十分な金属機能を有する触媒は、トランスアルキル化プロセスにおいて、C9+芳香族化合物のようなより重質の芳香族化合物をキシレン類及びベンゼンに転化させ、向上した触媒の安定性を与えるのに好適である。しかしながら、かかる触媒を用いるトランスアルキル化プロセスにおいては、芳香族環が飽和するようになるか又は更には開裂して、ナフテン及び非環式パラフィン(非芳香族化合物)の共生成をもたらす可能性があり、これによって価値のある芳香族化合物の損失が引き起こされる可能性がある。また、非芳香族化合物の幾つかはベンゼンと同等の沸点を有する(ベンゼン共沸騰物)ので、商業的用途のために望ましい純度を有するベンゼン生成物を達成するためにこれらを容易に除去できない。ベンゼン共沸騰物は溶媒を用いて抽出することができるが、かかるプロセスは高価であり、通常は更なる装置を必要とする。
[0006]したがって、高純度のベンゼン生成物を生成させるトランスアルキル化プロセスを提供することが望ましい。同時に、高い活性及びコーキングに対する強い抵抗性を示す触媒を与えて、触媒を交換又は再生する前に使用することができる時間を延ばすようにすることが望ましい。更に、高い活性及びコーキングに対する強い抵抗性をなお維持しながら未分別のキシレンカラム塔底流に由来する残留成分を含むもののような非常に重質の供給材料を処理して、それによってキシレンの収量を更に増加させて、触媒寿命にわたって高純度のベンゼン生成物を達成しながら長い触媒寿命が達成されるようにすることができることが非常に望ましいであろう。未分別のキシレンカラム塔底流に由来する残留成分を含むもののような重質の供給材料を標準的なトランスアルキル化条件下で処理しながら長い触媒寿命を与える高い安定性及び活性を有する触媒は、本来、その寿命の初期段階と同じ条件で高いベンゼン純度を達成することは困難である。而して、本発明の非常に望ましい特徴は、満足される長い触媒寿命及び運転全体にわたる高いベンゼン純度を達成しながら、非常に重質の供給成分を処理するという3つの目標全てを可能にする運転方法を提供することである。而して、本発明は、これらの複数の目標を同時に満足することを可能にする独特の運転方法を提供する。
[0007]本発明の他の望ましい特徴及び特性は、以下の本発明の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
[0008]本発明において提案するようなトランスアルキル化のための高い活性及び安定性のトランスアルキル化触媒は、特にプロセスサイクルの初期部分中における通常運転の厳しさがより低い条件中にベンゼン共沸騰物を生成して、許容できないベンゼン生成物の純度をもたらす傾向がある。しかしながら、ベンゼンの純度を指向する条件におけるプロセスサイクルの初期段階中における初期運転は、多少より迅速な触媒の失活を与えながら、ベンゼン共沸騰物の生成も減少させ、トランスアルキル化反応生成物流のベンゼンフラクションの許容できる純度を同時に可能にしながらそれらの分解を良好に可能にすることが見出された。而して、本発明は、プロセスサイクルの初期部分中においてベンゼン共沸騰物の量及び生成物を分離するための蒸留の後に回収されるベンゼン生成物流の得られる純度を制御するので、更に高い活性及び安定性のトランスアルキル化触媒をベンゼン純度の要求に合致させることができる。
[0009]広い態様においては、本発明は、芳香族炭化水素化合物を含む供給流を、MOR骨格タイプを有するアルミノシリケートゼオライト成分、場合によっては1種類以上の更なるアルミノシリケートゼオライト成分、無機酸化物バインダー、及び金属成分を含む触媒を含むトランスアルキル化区域に導入し;運転サイクルの初期部分中において、供給流を、ベンゼンの純度を指向するトランスアルキル化条件下においてトランスアルキル化区域内で触媒と接触させ;運転サイクルの後段部分において、供給流を、トランスアルキル化区域内で標準的なトランスアルキル化条件下において触媒と接触させ;そしてキシレン類及び高純度のベンゼンフラクションを含む反応生成物流を生成させる;ことを含む、異なるトランスアルキル化条件下のサイクルの2以上の部分を含む運転サイクル中において、ベンゼン生成物の純度を維持しながら芳香族炭化水素化合物をトランスアルキル化する方法である。
[0010]より具体的な態様は、芳香族炭化水素化合物を含む供給流を、MOR骨格タイプを有するアルミノシリケートゼオライト成分、場合によっては1種類以上の更なるアルミノシリケートゼオライト成分、無機酸化物バインダー、及び金属成分を含む触媒を含むトランスアルキル化区域に導入し;運転サイクルの初期部分中において、運転サイクルの後段部分中において有効な標準的なトランスアルキル化条件と比べてより高い運転温度、より低い運転圧力、及びより低い水素/炭化水素比の1以上を含むベンゼンの純度を指向するトランスアルキル化条件下において、供給流をトランスアルキル化区域内で触媒と接触させ;運転サイクルの後段部分において、供給流を、トランスアルキル化区域内で標準的なトランスアルキル化条件下において触媒と接触させ;そしてキシレン類及び高純度のベンゼンフラクションを含む反応生成物流を生成させる;ことを含む、異なるトランスアルキル化条件下のサイクルの2以上の部分を含む運転サイクル中において、ベンゼン生成物の純度を維持しながら芳香族炭化水素化合物をトランスアルキル化する方法である。
更により具体的な態様は、芳香族炭化水素化合物を含む供給流を、MOR骨格タイプを有するアルミノシリケートゼオライト成分、場合によっては1種類以上の更なるアルミノシリケートゼオライト成分、無機酸化物バインダー、及び金属成分を含む触媒を含むトランスアルキル化区域に導入し;運転サイクルの初期部分中において、運転サイクルの後段部分中において有効な標準的なトランスアルキル化条件と比べてより高い運転温度、より低い運転圧力、及びより低い水素/炭化水素比の1以上を含むベンゼンの純度を指向する運転条件下において、供給流をトランスアルキル化区域内で触媒と接触させ;プロセスサイクルの初期部分中において、処理条件をベンゼンの純度を指向する条件から標準的なトランスアルキル化条件に徐々に移行し;運転サイクルの後段部分において、供給流を、トランスアルキル化区域内で標準的なトランスアルキル化条件下において触媒と接触させ;そしてキシレン類及び高純度のベンゼンフラクションを含む反応生成物流を生成させる;ことを含む、異なるトランスアルキル化条件下のサイクルの2以上の部分を含む運転サイクル中において、ベンゼン生成物の純度を維持しながら芳香族炭化水素化合物をトランスアルキル化する方法である。
[0011]ベンゼンの純度を指向する運転条件は、プロセスサイクルの初期部分中において蒸留によって少なくとも99.9%のベンゼンのベンゼン純度を達成する生成物流を生成させるように適用される。次に、運転サイクルの後段部分中において、触媒が標準的なトランスアルキル化条件において単なる分別によってこのベンゼン純度が達成される生成物流を生成させることができるレベルに触媒が失活した後に、反応条件をより温和な条件に調節するので、触媒の寿命を最大にすることができる。而して、プロセスサイクル全体にわたって、キシレン類及び高純度のベンゼンを含む反応生成物流を生成させながら触媒の満足できる寿命が維持される。
[0012]本発明方法によってトランスアルキル化する芳香族炭化水素としては、一般式:C(6−n)(式中、nは0〜5の整数であり、Rは、任意の組み合わせのCH、C、C、又はCである)のアルキル芳香族炭化水素が挙げられる。非限定的な例としては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、エチルトルエン類、プロピルベンゼン類、テトラメチルベンゼン類、エチルジメチルベンゼン類、ジエチルベンゼン類、メチルエチルベンゼン類、メチルプロピルベンゼン類、エチルプロピルベンゼン類、トリエチルベンゼン類、トリメチルベンゼン類、ジイソプロピルベンゼン類、他のC及びより重質の芳香族化合物、並びにこれらの混合物が挙げられる。供給流には、プロセスの所望の生成物よりも低いレベルのオルトキシレン、メタキシレン、及びパラキシレンが含まれるようにして、生成物異性体比を生成物の要求により近く合致させることができる。
[0013]本明細書において用いる「トランスアルキル化」という用語は、アルキル芳香族化合物の間及びその中、ベンゼンとアルキル芳香族化合物との間のトランスアルキル化を包含し、これは例えばトルエンからベンゼン及びキシレンへの脱アルキル化及び不均化を含む。芳香族炭化水素はまた、ナフタレン及び他のC10及びC11並びにより高級の芳香族化合物を包含することもできる。ここで、炭化水素分子は、C、C、C、・・・C(ここで、「n」は炭化水素分子中の炭素原子の数を表す)と略すことができる。「+」が続く略号は、分子あたりの炭素原子がその数であること又はより多い数であることを示すように用いられ、「−」は分子あたりの炭素原子がその数であること又はより少ない数であることを示すように用いられる。
[0014]2〜4個の環を有する多環式芳香族化合物を、本発明の供給流中において用いることができる。非限定的な例としては、インダン類、ナフタレン類、テトラリン類、デカリン類、ビフェニル類、ジフェニル類、及びフルオレン類が挙げられる。
[0015]トランスアルキル化する芳香族炭化水素は、1以上の供給流中でトランスアルキル化区域に導入することができる。本明細書において用いる「区域」という用語は、1以上の装置の要素及び/又は1以上の下位区域を指す可能性がある。装置の要素としては、例えば1以上の容器、加熱器、分離器、交換器、導管、ポンプ、圧縮器、及び制御装置を挙げることができる。更に、装置の要素は1以上の区域又は下位区域を更に含んでいてよい。複数の供給流を有する態様においては、供給流はトランスアルキル化区域に別々に導入することができ、或いは2以上の供給流を、トランスアルキル化区域中にそれらを送る前に任意の形態で混合することができる。
[0016]供給流は、限定なしに接触改質、軽質オレフィン及びより重質の芳香族化合物に富む副生成物を得るためのナフサ、留出物、又は他の炭化水素の熱分解、並びにガソリン範囲の生成物を得るための重質油の接触又は熱分解などの1以上の供給源から誘導することができる。熱分解又は他の分解操作からの生成物は、一般にトランスアルキル化区域に充填する前に、イオウ、オレフィン、及び生成物の品質に影響を与える他の化合物を除去するために当該産業において周知のプロセスにしたがって水素処理する。軽質サイクル油はまた有益には水素化分解してより軽質の成分を得ることができ、これを接触改質して芳香族化合物に富む供給流を得ることができる。供給流が接触改質油である場合には、改質装置は、好ましくは生成物中の非芳香族化合物を低濃度にして高い芳香族化合物の収量を得るために高い厳しさで運転する。改質油はまたオレフィン飽和にかけて、可能性のある生成物汚染物質、及びトランスアルキル化プロセスにおいて重質の転化不能な化合物に重合する可能性がある物質を除去することもできる。かかる処理工程はUS−6,740,788B1(参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
[0017]供給流は、6〜15炭素原子の実質的に純粋なアルキル芳香族炭化水素、複数のかかるアルキル芳香族炭化水素の混合物、或いは複数のかかるアルキル芳香族化合物に富む炭化水素フラクションを含んでいてよい。供給流はまた、ペンタン類、ヘキサン類、ヘプタン類、及びより重質のパラフィンのようなより低い濃度の非芳香族化合物を、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、及びより重質のナフテンに加えてパラフィンと共に含んでいてもよく、ペンタン類及びより軽質のパラフィンは一般に処理の前に除去する。トランスアルキル化混合供給材料は好ましくは10重量%以下の非芳香族化合物を含み;オレフィンは好ましくは、1000以下、より好ましくは500以下の臭素指数に制限される。
[0018]随意的な態様においては、少なくとも2つの供給流:軽質供給流及び重質供給流をトランスアルキル化区域に導入する。軽質芳香族化合物供給流は、ベンゼン及びトルエンの少なくとも1つを含んでいてよい。重質芳香族化合物供給材料の好ましい成分はC9+芳香族化合物であり、これによってトルエン及びC9+芳香族化合物のトランスアルキル化を行って更なるキシレン類が得られる。ベンゼンもトランスアルキル化して更なるトルエンを得ることができる。インダンが重質芳香族化合物供給流中に存在していてもよいが、これはトランスアルキル化区域流出流中のキシレン類の高い収量を与えるための望ましい成分ではない。C10+芳香族化合物も、好ましくは重質芳香族化合物供給材料の30%以下の量で存在していてよい。重質芳香族化合物供給流は、好ましくは少なくとも90質量%の芳香族化合物を含み、同一か又は異なる公知の精製プロセス及び石油化学プロセスからベンゼン/トルエン供給流として誘導することができ、及び/又はトランスアルキル化流出流の分離から再循環することができる。
[0019]トランスアルキル化反応区域への芳香族化合物供給材料は、通常は、まず反応生成物流に対する間接熱交換によって加熱し、次により温かい流れ、水蒸気、又は加熱炉による交換によって反応温度に加熱する。供給材料は、好ましくは蒸気相中及び水素の存在下においてトランスアルキル化する。一態様においては、水素流をトランスアルキル化区域に導入する。水素流は、水素に加えて他の化合物、例えばC〜C炭化水素を含んでいてよい。水素及び炭化水素は、下記に記載するようにしてプロセス内で再循環することができる。存在する場合には、遊離水素を、芳香族化合物1モルあたり0.1モル乃至芳香族化合物1モルあたり10モル以下の量で、供給材料及び存在する場合には再循環される炭化水素に付随して用いる。この水素/芳香族化合物の比は、水素/炭化水素比とも呼ばれる。
[0020]次に、供給材料を、トランスアルキル化触媒を含む1以上の反応器に通して、未転化の供給材料、並びにキシレン類及びベンゼンなどの生成物炭化水素を含む反応生成物流を生成させる。この反応生成物流は、通常は、トランスアルキル化区域に導入される芳香族化合物供給流に対する間接熱交換によって冷却し、空気又は冷却水を用いて更に冷却することができる。反応生成物流は、例えば蒸気−液分離器内で分離して、蒸気相の水素流及び液相の反応生成物流を生成させることができる。蒸気相の水素流は水素及び軽質炭化水素を含み、これは再循環して上記に記載のように供給流と混合することができる。液相の反応生成物流はストリッピングカラム中に送ることができ、そこで実質的に全ての存在するC及びより軽質の炭化水素を塔頂流中に濃縮してプロセスから取り出す。本明細書において用いる「実質的に全て」という用語は、重量基準で、流れの中の化合物又は化合物類の一般に少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最適には少なくとも99%の量を意味する。ストリッピングカラムはまた、最終ストリッパー塔底流(これは、本発明においてはトランスアルキル化区域流出流と呼ぶ)も生成する。
[0021]トランスアルキル化区域流出流は、少なくとも1つの蒸留カラムを含む蒸留区域内で更に分離してベンゼン生成物流を生成させることができる。分別蒸留によってトランスアルキル化区域流出流を分離するための種々のフロースキーム及び複数の蒸留カラムの組み合わせが当該技術において周知である。ベンゼン生成物流に加えて、蒸留区域はトルエン生成物流及びC8+生成物流も生成する可能性がある。例えばUS−7,605,295を参照。また、トランスアルキル化区域ストリッパーカラムを、ベンゼン生成物流を生成させるように設計して運転することができることも公知である。例えばUS−6,740,788を参照。而して、反応生成物流はベンゼンフラクションを含み、これは分別蒸留によって分離してベンゼン生成物流を生成させることができる。本発明にしたがう許容しうる純度のベンゼン生成物は、単に反応生成物の分別蒸留による更なる化学処理に関する仕様を概して満足し、好ましくは限定なしに少なくとも99.9重量%の純度を有するベンゼンである。
[0022]他の態様においては、トランスアルキル化流出流は、蒸留区域において、軽質再循環流、混合C芳香族生成物、及び重質芳香族生成物流に分離する。混合C芳香族生成物は、パラキシレン及び/又は他の異性体の回収に送ることができる。軽質再循環流は、ベンゼン及びトルエン回収のような他の使用に迂回させることができるが、部分的にトランスアルキル化区域に再循環することができる。重質再循環流は、C及びより重質の芳香族化合物の実質的に全部を含み、部分的又は完全にトランスアルキル化反応区域に再循環することができる。
[0023]トランスアルキル化区域中に導入される芳香族供給流は、トランスアルキル化条件において触媒と接触させて、未転化の供給材料、キシレン類、及びベンゼンを含む反応生成物流を生成させる。本明細書において用いる「ベンゼン共沸騰物」という用語は、分子あたり6又は7個の炭素原子を有する非芳香族炭化水素化合物を意味する。分別蒸留によってベンゼンから分離するのが特に困難であるベンゼン共沸騰物としては、シクロヘキサン;メチルシクロペンタン;2,3−ジメチルペンタン;3−メチルヘキサン;及びジメチルシクロペンタン;が挙げられる。
[0024]プロセスサイクルは、供給材料の当初の導入から触媒を再生又は交換するためにプロセスを停止するまで運転する。プロセスサイクルは、運転時間(即ち供給材料を導入している時間);導入した供給材料の量、例えば処理する供給材料の質量又は体積;及び触媒の量(質量又は体積)あたりの供給材料の量(質量又は体積)、例えばポンド(触媒)あたりのバレル(供給材料)(BPP)、触媒の質量又は体積あたりの供給材料の立方メートル(例えば標準又は通常条件)などの種々の方法で測ることができる。プロセスサイクルは、供給材料の導入を停止することによって一時的に停止又は中断することができる。長時間停止する場合には、ユニットをスタンバイモードで保持することができる。しかしながら、触媒を再生又は交換していないならば、供給材料の導入を再開したらプロセスサイクルの長さは累加し続ける。
[0025]プロセスサイクルの初期部分中において、触媒は通常は最も高い活性を示す。したがって、運転温度は、通常はトランスアルキル化反応を行うのに必要な最低温度である。触媒活性を維持し且つ失活を回避しながらトランスアルキル化反応を最適にするように選択される温度、圧力、水素純度、及び水素循環の「標準的な」トランスアルキル化条件は、通常はベンゼン共沸騰物のより多い量をもたらし、而してプロセスサイクルにわたって経験する最も低いベンゼン純度は、一般にこの初期段階中に現れる。プロセスサイクルを継続するにつれて触媒は経時劣化してそのトランスアルキル化活性は失活し、所望のレベルの供給材料の転化を維持するために、通常は反応器温度を上昇させる。いかなる特定の理論にも縛られることは望まないが、ベンゼン共沸騰物は、触媒上の酸部位によって、特に触媒配合物中に含まれる場合にはMFIゼオライトによって、より高い温度でより効率的に分解されることが分かった。而して、プロセスサイクルを継続するにつれ、運転温度を上昇させるにつれてベンゼン生成物純度が向上することが通常は認められる。ベンゼン共沸騰物はより低い圧力及び水素/炭化水素比においてより少なく形成される傾向もあることは注目に値する。
[0026]標準的なトランスアルキル化条件における純度を、より高い温度、より低い圧力、又はより低い水素/炭化水素比の1以上を含む厳しさがより高いベンゼンの純度を指向するトランスアルキル化条件を与えることによって低くすることができる場合に、ベンゼン純度をプロセスサイクルの初期部分中において制御することができる。かかる条件は触媒の失活速度を増加させる傾向があるが、許容しうる純度のベンゼン生成物の価値は、プロセスサイクルの初期部分中におけるかかる失活を容認するものであると考えられる。本発明をそのようには限定しないが、プロセスサイクルの初期部分中におけるベンゼンの純度を指向するトランスアルキル化条件は、通常は、プロセスサイクルの50%以下、通常は1%〜25%、より通常的には2%〜10%の間与える。ベンゼンの純度を指向するトランスアルキル化条件及び標準的なトランスアルキル化条件に当てるプロセスサイクル及びその相対割合は、触媒の質量あたりの供給材料の質量、例えば触媒1メートルトンあたりの供給材料のメートルトンの基準で決定する。
[0027]ベンゼンの純度を指向する条件と標準的なトランスアルキル化条件との間を単一段階で変化させることよりは、処理条件は、好ましくはプロセスサイクルの初期部分中において徐々に移行させて、ベンゼンの純度を維持しながら触媒の失活を最小にする。例えば、限定ではないが、ベンゼンの純度を指向する条件で運転しながら、下記の漸進的な変化の1以上を時々行うことができる。
・温度:0.5〜10℃;
・圧力:10〜500kPa;
・水素/炭化水素モル比:0.05〜0.5。
他のアプローチは、例えば反応生成物流、トランスアルキル化区域流出流、及びベンゼン生成物流の1以上において測定されるベンゼン純度を制御装置へのフィードバック信号として用いて、自動制御装置によって可変数の温度、圧力、及び水素/炭化水素モル比に対して調節を行うことである。この場合においては、これらの可変数に対する変更は頻繁な時間間隔(例えば1時間毎又は1日毎)で行うことができ;而して、自動制御装置によって行う可変数への変更は上記の範囲内で記載されているものよりも小さい可能性がある。
[0028]標準的なトランスアルキル化条件、即ち活性を維持し且つ触媒の失活を最小にするように最適化したトランスアルキル化条件においてベンゼン生成物の純度の要求が満足される時点で、ベンゼンの純度を指向するトランスアルキル化条件を停止する。ベンゼンの純度は、ベンゼン生成物流の分析によって、及び/又はベンゼンの量に対するベンゼン共沸騰物の量の測定から求めることができる。ベンゼン共沸騰物は、蒸留によってベンゼンから完全に且つ有効に分離することができない炭化水素、例えば上記に記載したような6及び7炭素のナフテン及びパラフィンを含む。「高純度ベンゼンフラクション」は、ベンゼンとこれらの共沸騰物との比、即ちトルエンを分離するための芳香族化合物複合施設における通常の分別によって回収されるベンゼンの純度の観点で評価される。ベンゼンの量に対するベンゼン共沸騰物の量は、例えば反応生成物流、トランスアルキル化区域流出流、及びベンゼン生成物流の任意のものにおいて測定することができる。ベンゼンの純度及びベンゼン共沸騰物の相対量の測定は、試料を手動で得てそれらをオフラインで分析することによるか、又は自動オンライン分析によって行うことができる。これらの工程の手動及び自動モードは、任意の形態で組み合わせることができる。例えば、オンライン分析器によって、反応生成物流中のベンゼンの量に対するベンゼン共沸騰物の量を測定し、信号をプロセス制御装置に送ることができる。次にプロセス制御装置によって、プロセス条件の調節を制御する制御装置に信号を送ることができる。共沸騰物の相対量をベンゼン生成物流の純度に変換することのようなアルゴリズムには、分別蒸留効率及び/又はプロセスにおけるタイムラグを計上する項を含ませることができ、分析器、制御装置、及び制御バルブの任意のものにおいて又はそれによって適用して、信号を発生又は解釈することができる。かかる技術はプロセス制御の技術分野において周知である。
[0029]供給材料と触媒との接触は任意の通常の方法又は他の形態の好都合な方法で行うことができ、バッチ又は連続タイプの操作として行うことができる。一態様においては、触媒を垂直反応器の反応区域内の1以上の固定床内に配置して、床を通して芳香族供給材料及びイオウを上向き又は下向きに導入する。トランスアルキル化条件としては、200℃〜540℃の範囲、好ましくは200℃〜480℃の間の温度;100kPa〜6MPa絶対圧の範囲の圧力;及び0.1〜20時−1の範囲の重量毎時空間速度(WHSV、即ち、触媒の重量あたり1時間あたりに導入する芳香族供給材料の重量):を挙げることができる。
[0030]本発明は、好ましくは、MOR骨格タイプを有するアルミノシリケートゼオライト、場合によって1種類以上の更なるアルミノシリケートゼオライト成分、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、スズ、ゲルマニウム、鉛、インジウム、レニウム、白金、パラジウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含む金属成分、並びに無機酸化物バインダーを含むトランスアルキル化触媒を含む。
[0031]MOR骨格を有するアルミノシリケートゼオライトは、Atlas of Zeolite Framework Types, 改訂6版,C.H. Baerlocher, L.B. McCusker,及びD.H. Olson編, Elsevier (2007), pp.218-219に記載されている。MOR骨格は、SiO及びAlO四面体の4員環及び5員環を含んでいて、結晶軸に沿って平行に伸びる12員環チャンネルを含む結晶格子を形成して管状の構造を与えている。一態様においては、MOR骨格を有するアルミノシリケートゼオライトはモルデナイトを含む。モルデナイトが触媒の一成分である場合には、モルデナイトは好ましくは40未満のSi/Alモル比を有する。一態様においては、モルデナイトのSi/Alモル比は25未満であり、他の態様においては、モルデナイトのSi/Alモル比は15〜25の間である。モルデナイトは、10〜20のSi/Alモル比を有して合成することができる。モルデナイトは、好ましくは少なくとも部分的に水素形態であり、及び/又は種々の技術、例えば水蒸気処理及びアルミニウムの酸抽出によって脱アルミニウム化して、モルデナイトのSi/Alモル比を上昇させることができる。
[0032]好ましい態様においては、MOR骨格を有するアルミノシリケートゼオライトはUZM−14を含む。UZM−14はUS−7,687,423(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。UZM−14は、12員環チャンネルを含むMOR骨格タイプ、並びに次の独特の特徴:少なくとも0.10cc/g、好ましくは少なくとも0.13cc/g、より好ましくは少なくとも0.2cc/gのメソ細孔容積;60nm以下、好ましくは50nm以下の12員環チャンネルの方向に平行な平均微結晶長さ;8〜50の間(好ましくは30以下である)のSi/Alモル比;及び少なくとも1×1019のUZM−14材料1gあたりの12員環チャンネルの開口;の1以上を有する微結晶の球状集合体を含む。
[0033]一態様においては、UZM−14は、12員環チャンネルを含むMOR骨格タイプ、8乃至30以下のシリカ/アルミナモル比、少なくとも0.10cc/gのメソ細孔容積、及び60nm以下の12員環チャンネルの方向に平行な平均微結晶長さを有する微結晶の球状集合体を含む。
[0034]UZM−14は、合成したままの形態で、無水ベースで実験式:
n+ p+Al1−xSi
(式中、Mは少なくとも1種類の交換可能なカチオンであり、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、及びこれらの混合物など(しかしながらこれらに限定されない)のアルカリ及びアルカリ土類金属からなる群から選択される)
によって表される実験組成式を有する。Rは、プロトン化アミン、プロトン化ジアミン、第4級アンモニウムイオン、ジ第4級アンモニウムイオン、プロトン化アルカノールアミン、及び4級化アルカノールアンモニウムイオンからなる群から選択される少なくとも1種類の有機カチオンである。この成分に関し、「m」はAlに対するMのモル比であり、0.05〜0.95の範囲であり;「r」はAlに対するRのモル比であり、0.05〜0.95の値を有し;「n」はMの加重平均価数であり、1〜2の値を有し;「p」はRの加重平均価数であり、1〜2の値を有し;「y」はAlに対するSiのモル比であり、3〜50の範囲であり;「z」はAlに対するOのモル比であり、等式:
z=(m・n+r・p+3+4y)/2
によって定められる値を有する。
[0035]好ましい態様においては、1種類以上の更なるアルミノシリケートゼオライト成分は、80未満のSi/Alモル比を有するMFIゼオライトを含む。MFIタイプの骨格を有するかかるゼオライトは、Atlas of Zeolite Framework Types, 改訂6版,C.H. Baerlocher, L.B. McCusker,及びD.H. Olson編, Elsevier (2007)に記載されている。一態様においては、本発明の触媒において場合によって用いるMFIモレキュラーシーブは、40未満、好ましくは25未満、例えば15〜25の間のSi/Alモル比を有する。触媒中に含ませるのに好適なMFIモレキュラーシーブの例としては、US−3,702,886(参照として本明細書中に包含する)において開示されているZSM−5が挙げられるが、これに限定されない。好適なMFIモレキュラーシーブは、例えばConschocken, PennsylvaniaのZeolyst International及び日本国東京のTosoh Corporationから入手することができる。
[0036]触媒の無機酸化物バインダーは、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、トリア、ボリア、マグネシア、クロミア、酸化第2スズなど、並びにこれらの組み合わせ及び複合体、例えばシリカ−アルミナ、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタニア、リン酸アルミニウムなどのような物質を含む。アルミナは好ましい耐熱性無機酸化物バインダーである。当該技術において周知なように、所望の耐熱性無機酸化物の前駆体を用いて、触媒を形成、結合、及び他の形態で製造することができる。かかるバインダー前駆体又は供給源は、例えばか焼によって耐熱性無機酸化物バインダーに転化させることができる。アルミナは、種々のアルミニウムの酸化物、水酸化物、及びゲル、例えばベーマイト、偽ベーマイト、ギブサイト、バイエライトなど、特に遷移及びγ−アルミナの任意のものであってよい。好適なアルミナは、例えばCATAPAL B及びVERSAL 250の商品名で商業的に入手できる。
[0037]触媒の金属成分は、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、スズ、ゲルマニウム、鉛、インジウム、レニウム、白金、パラジウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含む。一態様においては、金属成分は、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、レニウム、白金、パラジウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含む。一態様においては、触媒の金属含量は、触媒の全重量を基準で、金属として0.01重量%〜10.0重量%の範囲である。
[0038]金属成分は、キャリア材料との共混練、共沈、又は共ゲル化、イオン交換、或いは含侵のような任意の好適な方法で触媒中に含ませることができる。金属成分は、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、又はオキシハロゲン化物のような化合物として、複合体の1以上の他の成分との化合形態で、又は元素状金属として最終触媒内に存在させることができる。触媒を製造する1つの方法は、金属の水溶性又は溶剤可溶性で分解性の化合物を用いて、モレキュラーシーブを含む担体に含侵させることを伴う。或いは、モレキュラーシーブ成分及びバインダーを化合させる時点で金属化合物を加えることができる。
[0039]存在する場合には随意的なMFIモレキュラーシーブ成分とMOR骨格を有するアルミノシリケートゼオライトとの重量比は、1:10〜5:1の範囲であってよい。一態様においては、MOR骨格を有するアルミノシリケートゼオライト成分は触媒の20重量%〜80重量%を構成し、MFIモレキュラーシーブ成分は触媒の10重量%〜70重量%を構成し、無機酸化物バインダーは触媒の1重量%〜40重量%の間を構成する。
[0040]場合によっては、触媒に、好ましくはMFI、MEL、EUO、FER、MFS、MTT、MTW、MWW、MAZ、TON、及びFAU(ゼオライト命名に関するIUPAC委員会)、並びにUZM−8(US−6,756,030(その全部を参照として本明細書中に包含する)を参照)の1以上から選択される1種類以上の更なるアルミノシリケートゼオライト成分を含ませることができる。場合によっては、触媒に、触媒の全重量を基準として0.1重量%〜5.0重量%のフッ化物の範囲の量のフッ化物成分を含ませることができる。フッ化物成分は、任意の公知の技術、例えば含侵によって触媒中に導入することができる。
[0041]触媒を製造するために用いる技術は当業者に周知である。触媒は、MOR骨格を有するアルミノシリケートゼオライト成分、1種類以上の随意的な更なるアルミノシリケートゼオライト成分、並びに無機酸化物バインダー及び/又はその前駆体を、任意の通常の方法又は他の形態の好都合な方法で配合して、球状体、錠剤、ペレット、顆粒、押出物、又は他の好適な粒子形状を形成することによって形成することができる。例えば、MOR骨格を有する微粉砕アルミノシリケートゼオライト、及びMFIモレキュラーシーブ粒子、並びに金属塩粒子をアルミナゾル中に分散し、次に混合物を高温の油浴中に液滴として分散させて、それによってゲル化を起こして球状ゲル粒子を形成することができる。好ましい方法は、MOR骨格を有する選択されたアルミノシリケートゼオライトの微粉砕形態、MFIモレキュラーシーブ粒子、バインダー及び/又はその前駆体を、金属塩及び場合によっては潤滑剤と混合し;混合物を錠剤又はペレットに圧縮することを含む。或いは更により好ましくは、MOR骨格を有するアルミノシリケートゼオライト、MFIモレキュラーシーブ粒子、バインダー及び/又はその前駆体、及び金属塩を混合して、ミキサー混練器内で解膠剤(希硝酸が好適な解膠剤の一例である)と混合する。得られるドウを、所定の寸法のダイ又はオリフィスを通して押出して押出物の粒子を形成することができ、これを乾燥及びか焼して、そのままで利用することができる。円筒形、四つ葉形、ダンベル形、並びに対称及び非対称多葉形など(しかしながらこれらに限定されない)の複数の異なる押出物の形状が可能であり、三葉形状が好ましい。また、回転円板又はドラムを用いて押出物を球体に成形することもできる。種々の形状で成形された粒子は、次に通常は乾燥及び/又はか焼する。
[0042]上記の形成工程に金属成分が含まれない場合、或いは更なる金属成分を含ませる場合には、上記で製造された成形粒子に、金属成分を含む可溶性で分解性の化合物を含侵させて複合体を形成することができる。例えば、金属成分がモリブデンを含む場合には、用いることができる代表的な化合物としては、アンモニウムヘプタモリブデート、アルカリ金属モリブデート(同様にペルオキソ−、ジ−、トリ−、テトラ−、ヘプタ−、オクタ−、又はテトラデカモリブデート)、モリブデン酸、ホスホモリブデン酸、Mo−Pヘテロポリアニオン化合物、アセチルアセトネート、Mo(0)金属、Mo酸化物、Moペルオキソコンプレックス、及びこれらの混合物が挙げられる。複合体は、好ましくは、空気雰囲気中、425℃〜750℃の温度、好ましくは475℃〜600℃の温度において、0.5〜10時間の間か焼する。通常は、形成された粒子も含侵工程の前に同様の条件でか焼する。触媒の製造には、当該技術において周知の乾燥及び水蒸気処理のような種々の随意的な工程を含ませることができる。
実施例1:
[0043]米国特許7,626,064B1に記載されている手順にしたがって触媒を製造し、標準的なトランスアルキル化試験手順にしたがって芳香族化合物のトランスアルキル化に関して試験した。試験の前に、触媒を当該技術において周知なようにその場で硫化して、か焼触媒のMoOを少なくとも部分的に硫化モリブデンに転化させた。試験への供給材料は、芳香族化合物を重量基準で実質的に以下の割合:
トルエン:50%;
芳香族化合物:38%;
10芳香族化合物:10%;
11+芳香族化合物:1.5%;
で含んでいた。
実施例2:
[0044]試験を制御して、触媒1gあたり1時間あたり3.0gのHCBN供給材料の重量毎時空間速度において供給材料の50重量%の一定の転化レベルを維持した。試験は、触媒1ポンドあたり5バレルの供給材料の触媒寿命を超えて行い、供給材料の転化実験の初期段階(0〜0.7)及び最終段階(5+)において標準的なトランスアルキル化条件を加えた。下表において、「BPP」は触媒1ポンドあたり、而して運転サイクルにおける期間あたりに処理される供給材料のバレル数を示し、「0」はサイクルの開始時である。「温度」はその運転期間に関する加重平均床温度(℃)である。「圧力」は運転圧力(MPa)である。「H/HC」は供給材料の炭化水素に対する水素のモル比である。「純度」は再循環水素中のHのモル%である。「DAR」は50%の転化レベルを維持するのに必要なBPPあたりの失活速度(℃)である。生成物のベンゼンの純度は、「ベンゼン%」として示す。重量毎時空間速度はサイクルを通して3に維持した。
Figure 2014534947
この結果は、ベンゼンは標準的なトランスアルキル化条件におけるプロセスサイクルの初めの部分中においては所望のベンゼン純度を満足しないことを示す。0〜0.7のBPP及び5+のBPPにおける温度、圧力、及び水素/炭化水素比の条件は、一貫して厳しさがより少なく、有効なトランスアルキル化を指向するものであり、サイクル(0〜0.7のBPP)の初期段階において99.9%の仕様を遙かに下回る99.77%のベンゼン純度を与える。0.7のBPP〜4.4のBPPの間の中間段階中においては、温度の上昇、圧力の減少、及び水素/炭化水素比の減少の1以上によるベンゼンの純度を指向するトランスアルキル化条件によって、ベンゼン純度は向上して所望の仕様を満足する。主生成物であるキシレン及びベンゼンの収率も、これらのベンゼンの純度を指向する条件中は許容しうるレベルに維持される。5+のBPPにおいて条件を標準的なトランスアルキル化条件に戻すと、触媒の失活によって、50%の転化率を維持するための運転温度は運転の初期段階と比べて15℃上昇した。したがって、ベンゼン純度は、この時点でこれらの標準的なトランスアルキル化条件において99.9+%の所望のレベルを満足する。失活速度(DAR)もこれらの標準的なトランスアルキル化条件において非常に低く、1.5%のA11+成分を含む実施例1において規定する取扱いが困難な供給材料においても長い触媒寿命が確保される。

Claims (10)

  1. (a)芳香族炭化水素化合物を含む供給流を、MOR骨格タイプを有するアルミノシリケートゼオライト成分、無機酸化物バインダー、及び金属成分を含む触媒を含むトランスアルキル化区域に導入し;
    (b)運転サイクルの1以上の初期部分中において、供給流を、トランスアルキル化区域内で、ベンゼンの純度を指向するトランスアルキル化条件下において触媒と接触させ;
    (c)運転サイクルの後段部分において、供給流を、トランスアルキル化区域内で標準的なトランスアルキル化条件下において触媒と接触させ;そして
    (d)キシレン類及び高純度のベンゼンフラクションを含む反応生成物流を生成させる;
    ことを含む、異なるトランスアルキル化条件下のサイクルの2以上の部分を含む運転サイクル中において、ベンゼン生成物の純度を維持しながら芳香族炭化水素化合物をトランスアルキル化する方法。
  2. 触媒が1種類以上の更なるアルミノシリケートゼオライト成分を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 1種類以上の更なるアルミノシリケートゼオライト成分がMFIを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 金属成分が、モリブデン、スズ、ゲルマニウム、インジウム、レニウム、白金、パラジウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含む、請求項1に記載の方法。
  5. ベンゼンの純度を指向する運転条件が、運転サイクルの後段部分中の標準的なトランスアルキル化条件と比べてより高い運転温度、より低い運転圧力、及びより低い水素/炭化水素比の1以上を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 運転サイクルの初期段階部分中に運転条件を徐々に変化させる、請求項5に記載の方法。
  7. 高純度のベンゼンフラクションが重量基準で少なくとも99.9%のベンゼンを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 反応生成物流を分離して重量基準で少なくとも99.9%のベンゼンを含むベンゼン生成物流を生成させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
  9. プロセスサイクルの50%以下の間にベンゼンの純度を指向する運転条件を適用する、請求項1に記載の方法。
  10. プロセスサイクルの25%以下の間にベンゼンの純度を指向する運転条件を適用する、請求項9に記載の方法。
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