本発明は、順次下塗り処理した印刷基材に関する。本発明の利点は、印刷基材を使用できる実質上全ての用途において享受され得る。印刷基材は、製品包装、容器、壁紙、固定テープ、装飾テープ、食品用ラップ、紙製品、化学雑巾などに使用できる。本発明は、製品包装の好ましい実施形態として図に関して、本明細書において開示する。
本明細書で使用するとき、用語「基材」は、その上に印刷することができる任意の材料を指す。基材は、プラスチック、プラスチックフィルム、布地、紙、ポリマーフィルム、不織布ウェブ又は布地、織布ウェブ又は布地などの材料を含むが、これらに限定されない。織布ウェブ及び不織布ウェブは、単一成分繊維、二成分系繊維、多成分繊維、毛管繊維などから形成できる。基材はまた、低密度ポリエチレンと、線状低密度ポリエチレン、メタロセン、エチレンビニルアセテート、サーリン、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、及びナイロンとのブレンドのインフレーションフィルム又はキャストフィルム材料を含む。基材は、2枚以上の基材が共に積層されていてもよい。基材は、金属化されていてもよい。基材は、着色されていてもよい。基材は、透明であってもよい。基材は、不透明であってもよい。
本明細書で使用するとき、用語「フィルム」は、消費財用のバッグ及びポーチのパッケージ並びにそれ自体が消費財の一部であるパッケージでの使用に好適な厚さを有するフィルムを示す。好ましくは、フィルムは、例えば、フィルム厚さが約10〜約250マイクロメートルである薄フィルムである。薄フィルムは、ポリオレフィン樹脂から作られてもよい。構成成分の多くの異なるブレンドがポリオレフィンに使われ、構成成分は強度及び不透明度などの様々な特性に対して選択される。ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレンLDPE、線状低密度ポリエチレンLLDPE、高密度ポリエチレンHDPE、中密度ポリエチレンMDPE、メタロセンポリエチレンmPE、エチル酢酸ビニルEVA、及びそれらの混合物)及びポリプロピレン、並びにそれらのブレンドが、薄フィルムを製造するのに使用されることが多い2種の材料である。薄フィルムは、吹き込みフィルム、鋳造フィルム、及び押出しベースプロセスを用いて製造することができる。前述の薄フィルムはいずれも、次に重合される生物由来(部分又は全体)の重合体又は単量体を含むことができる。前述の合成ポリマーのいずれかは、再生可能資源から誘導されたモノマーと非再生可能資源(例えば、石油)から誘導されたモノマーとの組み合わせを使用して形成されてもよいことを認識する必要がある。
可撓性フィルムは、フィルムの個々のシート若しくは断片の形態、又はフィルムの連続ウェブの形態で提供されてもよい。フィルムは、材料の巻取りロールとして提供されてもよい。提供されるフィルムは、第1面及び第2面を有するとして記載されることができる。提供されるフィルムの寸法は、ウェブの厚さ寸法が、提供されるフィルムの長さ又は幅よりも実質的に小さいようなものである。フィルムウェブの巻取りロールをほどき、変換プロセスに通過させてもよく、このプロセスは、ウェブのロールをほどき、ウェブを運び、プロセス工程を通して移動するウェブの制御において所望の張力を維持することを目的としたウェブ取り扱い器具を使用する、開示した方法の工程を含む。用語「薄フィルム」又は「プラスチックフィルム」又は「可撓性フィルム」又は単に「フィルム」は、交換可能に使用され、本明細書では本質的に熱可塑性材料から作製された任意のフィルムを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「インキ」は、一般的な印刷プロセスを介して基材上に施された材料を示し、その主要機能は、色の搬送である。インキは、液体形態であることが多く、少なくとも1種の顔料又は染料を含む。化学的に、多くのインキは、有機顔料又は無機顔料の懸濁液であり、安定化のためにポリマー樹脂に組み込まれている。これらの系の担体は、溶剤である。溶剤は、水、炭化水素又はこれらの混合物(例えばアルコール、エステル、アセテート、エーテルなど)であってよく、熱又は赤外線(IR)を介して乾燥される。
インキは、グラビア印刷、フレキソ印刷、並びにオフセット印刷、凸版印刷、石版印刷、プレートレス印刷、ポストプレス印刷、デジタル印刷及びスクリーン印刷を含むがこれらに限定されない、当業者に周知の任意の方法を用いて配置できる。グラビア印刷では、液体インキが、金属画像担体から基材に直接転写される。画像は、画像担体基材の表面より低い位置にある。フレキソ印刷では、液体インキが、感光性樹脂画像担体から基材に直接転写される。画像は、画像担体基材の表面の上に隆起される。オフセット印刷では、ペーストインキが、基材と薄金属画像担体との中間であるゴム「ブランケット」から基材に間接転写される。プレートレス印刷の例には、電子印刷、インキジェット印刷、マグネトグラフィー、イオンデポジション印刷、直接帯電式蒸着印刷、及びMead社のサイカラー写真カプセルプロセスなどが挙げられる。
溶剤系インキは、熱乾燥できる第1インキ層がフィルムに塗布されると、その中に含まれている溶媒は、蒸発できるか、又は蒸発を引き起こすことができる。上述の特許に記載されているような印刷システムを使用すると、次のインキ層を塗布するまでの時間が短縮されるように、熱又は押込空気によって溶剤の蒸発が発生することが好ましい。第1インキ層を塗布すると、その後のインキ層(存在する場合には)はいずれも、同様の標準的な方法で塗布される。
本明細書で使用するとき、「放射線硬化型」は、材料を電離放射線に曝露することを指す。これにより、材料を重合化及び/又は架橋する。本発明のワニスでは、硬化することにより、基礎となる印刷マーキング面上に硬化型「シェル」が提供される。電離放射線の有用なタイプには、紫外線、電子線(電子ビーム)、X線、コロナ放電など、かつて好ましいとされていたものが挙げられる。源に関係なく、電離放射線の線量は、ワニスと重合化し、架橋するほど十分に高いが、基礎となる印刷マーキング又はフィルム表面を劣化させるほど高くはない線量であることが好ましい。
本明細書で使用するとき、用語「印刷フィルム」は、フィルムの片面又は両面に配置された1つ又は複数のインキ層を有するフィルムを指す。フィルム上のインキを減少させるには、一般的に、被印刷材料上でインキ粒子の転送、分配、及び乾燥を行う一組の印刷シリンダー及びローラーを用いて、連続モードで行う。フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、デジタル印刷、及びオフセット印刷などの様々な印刷技術が存在するが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「プライマー」は、一般的な印刷プロセスを用いて基材上に施される材料を指し、その主要な機能として、下部の材料層とその後に印刷された層との間に(a)接着(b)防壁を作り出す。この場合、「接着」を促進させるとは、材料が互いに結合し、正常な使用下において分離しないように、下部の材料層とその後に印刷された層との間にフィルムの結合を作り出すことを意味する。化学的に、プライマーは、溶媒マトリックス(いくつかの炭化水素の混合物)でのポリマー樹脂の懸濁液、又は、水中におけるポリマー樹脂の懸濁液である。プライマーは、重合化(熱乾燥のみ)の有無にかかわらず、一液系又は二液系であってよい。化学的に(例えばイソシアネート及びウレタン)又は放射線(ラジカル放射線源又はカチオン放射線源、紫外線、電子ビーム又はその他)によって、重合化を引き起こすことができる。
本明細書で使用するとき、用語「ワニス」は、通常、液体の顔料非含有材料を指す。一般に、ワニスは3つの主要成分(1)水溶性であり得る又は溶媒中に存在し得る結合剤である樹脂、(2)樹脂を溶解する溶剤又は水、及び(3)添加物を有する。好ましくは、ワニスは紫外線硬化型であり、これは、紫外線を用いて硬化されることを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「着色基材」は、着色された基材を指す。
本明細書で使用するとき、用語「低ゲージ」は、250マイクロメートル未満の厚さを有する基材を指す。
本明細書で使用するとき、用語「指標」は、情報を伝達するために使用できるマーク又は表示を指す。伝達される情報とは、製造元、パッケージ内の製品の特性、パッケージ内の製品数量、パッケージ内の製品の品質又はその他のあらゆる情報の表示であり得る。指標は、特定の建物用断熱材の製造元を示すために薄いピンクなどの単色とすることができる。指標は、特定の小売店舗を示すために、射手の訓練に使用される、的に似た図形などの記号であってよい。指標は、任意の言語での文章又は言語コミュニケーションの代表的な言語を組み合わせた文章であってよい。指標には、スコッチキルトによく見られるような色、線又はこれらの組み合わせのパターンであってよく、また、粘着テープの製造元を示すためにも使用可能である。指標は、特定のコンピューターブランドの製造元を示すアップルなど、有形物の図であってもよい。指標は、有形物又は想像上の構成又はあらゆる種類のマーキングを表現するアートワークであってもよい。1つの単色ドットも指標になり得る。パッケージを形成するために使用した材料がかさかさと音を立てるとき、その種類、質感、嗅覚又は音が指標となり得る。指標は、前述の指標のいずれか及び全ての組み合わせであってよい。
本明細書で使用するとき、用語「クリーニング製品」は、洗剤、液体形態若しくは粉末形態の洗濯洗剤、液体形態若しくは粉末形態の食器洗い機用洗剤、又はクリーニングに使用される他の任意の液体、懸濁液、エマルション、粉末、若しくは顆粒を指す。
本明細書で使用するとき、「第1面」及び「第2面」は、基材表面などの主要平面を指す。例えば、ノート用紙の標準的なシートは、その上に書き込むことができる第1面及び第2面を有すると考えてよい。第1面及び第2面の表面は、平面若しくは曲面又は平面と曲面とを組み合わせたものであってよい。
本発明は、特定のカテゴリー範疇にある消費者製品に限定されるものではないが、本発明が有用である代表的な、非限定的な製品カテゴリーのリストには、発汗抑制剤、ベビーケア製品、コロン、市販製品(消費者向けの消費者製品に類似する、卸売、工業用、及び商業用市場の類似体を含む)、化粧品、防臭剤、食器ケア製品、女性用保護製品、ヘアケア製品、ヘアカラー製品、ヘルスケア製品、住居用洗剤、失禁ケア製品、洗濯製品、口腔ケア製品、紙製品、パーソナルクレンジング、使い捨て吸収性物品、ペット用健康及び栄養製品、処方薬、高級香水、スキンケア製品、スナック及び飲料、特殊布地ケア製品、剃毛及びその他の育毛管理製品、小型電気製品、装置、及び電池が挙げられる。様々な製品形態が、これらの製品カテゴリーそれぞれの範囲に含まれ得る。例示的な製品形態及びブランドが、The Procter & Gamble Companyのウェブサイトwww.pg.com、及びそのサイト上に見出されるリンク先のサイトに記載されている。上に列挙したもの以外の製品カテゴリーの一部である消費者製品もまた、本発明によって考慮され、並びに、上述で確認したウェブサイトに開示されたもの以外の別の製品形態及びブランドもまた、本発明によって包含されることが理解されよう。
洗濯製品カテゴリー内の代表的な製品としては、洗剤(粉末、液体、タブレット、及びその他の形態を含む)、漂白剤、コンディショナー、柔軟剤、静電気防止製品、及びリフレッシャー(液体リフレッシャー及び乾燥機用シートを含む)が挙げられる。口腔ケア製品カテゴリー内の代表的な製品としては、歯磨剤、フロス、歯ブラシ(手動及び電動形態を含む)、口内洗浄剤、歯肉ケア製品、歯用ホワイトニング製品、及びその他のデンタルケア製品が挙げられる。代表的な女性用保護製品としては、パッド、タンポン、陰唇間製品、及びパンティライナーが挙げられる。代表的なベビーケア製品としては、おむつ、ワイプ、よだれかけ、おむつ交換及びベッドマット、並びに手洗い用フォーミングハンドソープが挙げられる。代表的なヘルスケア製品としては、緩下剤、繊維サプリメント、口腔及び局所鎮痛剤、胃腸薬製品、呼吸器及び咳/風邪薬製品、熱送達製品、及び水浄化製品が挙げられる。代表的な失禁ケア製品としては、おむつ、パッド、及びライナーが挙げられる。ベビーケア製品、失禁ケア製品及び女性用保護製品は、尿及び/若しくは便失禁の管理、体外排泄物の吸収若しくは保持、トイレトレーニング、並びに/又は皮膚保護の目的でマーケティングが行われ得る。代表的な紙製品には、トイレットペーパー、ペーパータオル、ティッシュペーパーが挙げられる。代表的なヘアケア製品としては、シャンプー、コンディショナー(洗い流し形態及び洗い流さない(leave-in)形態を包含する)、並びに整髪助剤が挙げられる。代表的な住居用ケア製品としては、スイーパー製品、床掃除製品、木製床用クリーナー、抗菌性フロアクリーナー、布地及び空気リフレッシャー、及び洗車用製品が挙げられる。スキンケア製品には、ボディウォッシュ、顔用クレンザー、ハンドローション、保湿剤、コンディショナー、収斂性化粧水、表面剥離製品、微小皮膚研磨及びピーリング製品、皮膚若返り製品、老化防止製品、マスク、紫外線保護製品、並びにスキンケア用パフ、ワイプ、ディスク、布、シート、用具及び装置(スキンケア組成物の有無を問わず)が挙げられるが、これらに限定されない。
情報伝達は、サービスに関して使用することができる。代表的なサービスとしては、洗車、ドライクリーニング、ヘアサロン、ヒト及びペット用の美容室及びグルーミングサロン、洗濯サービス、飲食サービス(コーヒーサービスを含む)、理容室、カーペット及びフロアクリーニング及び洗浄サービス、家政婦及び清掃サービス、並びに建築装飾サービス及び製品が挙げられる。
本発明は、順次下塗り処理した印刷基材の断面を検査することによって、最もよく理解できる。順次下塗り処理した印刷基材10の断面を図1に示す。順次下塗り処理した印刷基材10は、基材20、1種類又は複数のインキ層30、プライマー層40、及び紫外線ワニス50を含んでもよい。製品の包装に使用される順次下塗り処理した印刷基材は、外面及び内面を有すると記述できる。外面とは、消費者に面するパッケージの表面である。内面とは、パッケージ内に含まれる製品に面するパッケージの表面である。
図1は、順次下塗り処理した印刷基材10を示した断面図である。図1に示すように、1つ又は複数のインキ層30は、基材20上に配置できる。それと共に、基材20及び1つ又は複数のインキ層30は、印刷基材60を形成できる。図1に示すように、第1塗布は、1つ又は複数のインキ層30であってよい。プライマー40は、印刷基材60上に配置できる。紫外線ワニス50は、プライマー40上に配置できる。
基材20は、消費財の包装に使用されるいくつかの種類の可撓性フィルムであり得る。1つ又は複数のインキ層30は、例えば、Siegwerk(ジークブルク、ドイツ)から入手可能な印刷インキシリーズNC 116−8又は類似品のインキなど、様々なインキから選択できる。プライマー40は、INX社(ウェストシカゴ)から入手可能なINX 1421063であってよい。紫外線ワニス50は、INX社(ウェストシカゴ)から入手可能なINX紫外線ワニス1396894であってよい。
基材20は、任意の厚さであってよい。好ましくは、基材20の厚さは6000マイクロメートル未満である。更に好ましくは、基材20の厚さは1000マイクロメートル未満である。更に好ましくは、基材20の厚さは500マイクロメートル未満である。更に好ましくは、基材20の厚さは250マイクロメートル未満である。最も好ましくは、基材20の厚さは100マイクロメートル未満である。
ポリマーフィルム基材については、基材20の厚さは、好ましくは、250マイクロメートル未満である。更に好ましくは、ポリマーフィルム基材での基材20の厚さは、150マイクロメートル未満である。最も好ましくは、ポリマーフィルム基材での基材20の厚さは、100マイクロメートル未満である。
図2は、図1の順次下塗り処理した印刷基材10を示した分解断面図である。
図3は、順次下塗り処理した印刷基材110を示した断面図である。図3に示すように、1つ又は複数のインキ層130を基材120上に設置できる。それと共に、基材120及び1つ又は複数のインキ層130は、印刷基材160を形成できる。図3に示すように、第1塗布は、1つ又は複数のインキ層130であってよい。プライマー140は、印刷基材160上に、1つ又は複数のインキ層130を伴わずに印刷基材160の面上に配置できる。紫外線ワニス150は、プライマー140上に配置できる。図3に示す順次下塗り処理した印刷基材110は、パッケージ内に形成でき、印刷基材は、印刷基材160がパッケージの内面上になるような向きにすることができる。別の方法では、印刷基材160がパッケージの外装となってもよい。
図4は、図3の順次下塗り処理した印刷基材110を示した分解断面図である。
本発明の積層体及び単層フィルムは、魅力的なパッケージを消費者ニーズに適合させるのに特に好適である。例えば、パッケージは、印刷効果、金属化効果、及びホログラフィー効果などの視覚的特徴を付与されてもよい。
基材フィルム表面へのインキの接着性を向上させるために、印刷前に基材フィルム表面を処理又は改質することができる。表面処理及び表面改質には、i)コロナ処理、プラズマ処理及び火炎処理などの機械的処理、並びにii)プライマー処理が挙げられる。表面処理及び表面改質は、当業者には既知である。
表1にいくつかの好ましい材料及び加工条件を示す。
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照することにより組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する範囲については、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。