JP2014534421A - 疎水性置換クロマトグラフィーのための中性双性イオン性置換剤分子 - Google Patents

疎水性置換クロマトグラフィーのための中性双性イオン性置換剤分子 Download PDF

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Abstract

逆相置換クロマトグラフィーによって混合物から有機化合物を分離するための方法であって、疎水性固定相を提供する工程;該疎水性固定相に、分離される有機化合物を含む混合物を適用する工程;非界面活性疎水性中性双性イオン性置換剤分子および必要に応じて有機溶媒を含む水性組成物をそれに適用することにより、該疎水性固定相から該有機化合物を置換する工程;および該分離した有機化合物を含む、該疎水性固定相から溶出した複数の画分を採集する工程を含み、ここで該非界面活性疎水性中性双性イオン性置換剤分子が、本開示で定義したとおりの一般式[CM−R*−CM’]を有する中性双性イオン性を含む。

Description

置換クロマトグラフィー(DC)は、カラムクロマトグラフィーの3つの明確に定義された型−溶出、置換、前端(frontal)の1つである。DCは、主として分取法であるが、また、充填された「狭口径」またはキャピラリーカラムを有する「マイクロ分取」DCを用いる分析的適用もある。
置換クロマトグラフィーは、適切な高純度置換剤分子が利用可能であれば、4つの一般クロマトグラフ法のどれを用いても実行され得る。DCは、(a)イオン交換クロマトグラフィー(カチオン置換、アニオン置換)、(b)疎水性クロマトグラフィー(逆相、疎水的相互作用、疎水的電荷誘導、チオフィリック)、(c)親水的相互作用クロマトグラフィー(HILIC)を含む順相クロマトグラフィー、(d)固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー(IMAC)において使用される。
最適化されたDCを用いて、同時に、高純度(高分解能)、高回収(高収量)および高カラム処理量(高容量)が得られ得る。後者は、過負荷分取溶出クロマトグラフィーよりもずっと高い。ほとんどの場合、これらの利点は、DCの欠点(流速が遅い、実行時間が長い、高純度の置換剤が必要)を補って余りある。
置換クロマトグラフィーは、(a)適用可能なクロマトグラフィー方法、(b)適切な寸法を有する適したクロマトグラフィーカラム、(c)適切な移動相条件、(d)適した置換剤分子および(e)適切に設定されたLC機器とともに適した操作プロトコルを選択することで実行される。最初は、適した「弱置換移動相」(キャリア)が選択され、カラムは適切な流速で平衡化される。キャリアは、有用なpH値に調整されたpH緩衝性化合物を含有し得る。最適な置換流速は遅い傾向にあり、典型的には35〜105cm/時間の範囲であるが、時折より速い。適切な量の試料溶液が、試料負荷流速でカラムに負荷される。試料溶液は、試料または置換剤分子が荷電されているかまたは双性イオン性であれば、適切なレベルのイオン対形成剤またはイオン対形成塩とともに、キャリア内に精製されるべき物質を含有する。典型的な試料負荷は、操作ブレークスルー容量の50〜80%である。次に、キャリア溶液中で適切な濃度にて適した置換剤化合物から調製された置換剤移動相(置換剤緩衝液)が、置換剤のブレークスルーが観察されるまで、置換流速でカラムにポンプで送給される。精製された試料は、置換剤ブレークスルー前端の前に、カラムから落ちる。カラムからの画分は集められ、内容物および純度について別々に分析される。最終的に、置換剤は、「置換剤除去溶液」を用いてカラムから除かれ、次いで、カラムはきれいにされ、保存または次の使用のために最初の状態に再生される。
いくつかの局面において、溶出クロマトグラフィーとは異なるが、置換クロマトグラフィーは、理解が容易であり、かつ実施も容易である。DCにおいて、試料は、移動相によりカラムから「溶出」されるよりも、置換剤によりカラムから「置換」される。カラムの生成物がオンラインでモニタリングされると(例えば、UV吸収、pH、または伝導度を介して)、「溶出クロマトグラム」よりも「置換トレーン(displacement train)」が得られる。置換トレーンは、クロマトグラムの溶媒分離「溶出ピーク」よりも、並んだ「置換バンド」から構成される。置換バンドが固定相を飽和するのに十分に大きければ、台形の「飽和バンド」が形成される。置換バンドが固定相を飽和するのに十分に大きくなければ、小さな三角形の「非飽和バンド」が形成される。飽和バンドの高さは、操作時点の結合等温線により決定される。台形バンドまたは三角バンドの面積は、成分の量に比例する。
疎水性クロマトグラフィーは、ほぼ例外なく、水の独特の溶媒和特性に依存する。この溶媒和特性は、高度に構造化され、自己会合し、水素結合した液体から生じる。従来の逆相クロマトグラフィー固定相(非荷電のC18カラム)にとって、結合は通常エントロピー(+TΔS)により実行され、これは、しばしば、好ましくないエンタルピー(+ΔH)を乗り越えなければならない。それゆえ、クロマトグラファーによってよく使われる温度範囲(10〜70℃)にわたって、しばしば、温度の増加に伴って分析物結合および置換剤結合がより強くなる。疎水性クロマトグラフィーのもう1つの有用な特徴は、水ベースの溶媒の自己水素結合の構造と強さとの両方を改変する添加剤の使用である。これらの添加剤としては、以下が挙げられる:塩(NaCl、KHPO、(NHSO)、有機溶媒(MeCN、MeOH、EtOH)、および極性有機分子(尿素、オリゴ−エチレングリコール)(クロマトグラフィー緩衝液中)。
疎水性置換クロマトグラフィーは、キラル分析物、キラル置換剤およびキラルクロマトグラフィーマトリックスを使用して実行することができる。これらの条件下で、アキラルな置換剤が使用され得るが、キラルな置換剤のラセミ体混合物は使用され得ない。ラセミ体のキラルな分析物はまた、アキラルなクロマトグラフィーカラムとアキラルな置換剤を用いて精製され得る。この場合において、ジアステレオマーを含む不純物は、目的のラセミ混合物から除去されるが、エナンチオマーのキラル分割はない。有用な逆相の分取置換クロマトグラフィーの開発が、適切な高純度の置換剤分子が利用できないことにより妨げられてきた。我々は、本明細書において、疎水性置換クロマトグラフィーの種々の形態において有用性を有する新規な置換剤分子およびそれらの使用方法を記載する。
良好な疎水性置換剤分子は、それらが効果的に機能するために、化学的および物理的特性の独特の組合せを有するべきである。いくつかの可溶な疎水性分子は、置換剤として機能し得るが、限られた少ない機能のみがよく機能する。本明細書に記載の分子の多くは、充分に機能する置換剤に必要とされる要求を満たす。
有用な逆相の分取置換クロマトグラフィーの開発が、適切な高純度の置換剤分子が利用できないことにより妨げられてきた。例えば、米国特許第6,239,262号は、低分子量界面活性化合物を置換剤として用いる様々な逆相液体クロマトグラフィーシステムを記載している。米国特許第6,239,262号は、疎水性部分と結合し、置換剤として使用される開示された界面活性化合物を形成し得る、極端に広い範囲の可能な荷電部分を開示するが、開示された置換剤の界面活性特性を軽減するために高い比率の有機溶媒を含む必要があることを開示している。そのような高い比率の有機溶媒の存在は、顕著にプロセスを変え、逆相疎水性置換クロマトグラフィーの利点を損なう。さらに、米国特許第6,239,262号に開示された強界面活性置換化合物はよく機能せず、「精製された」生産物中に有意レベルの不純物が存在し得る相対的に不十分〜並の品質の置換トレーンを生じる。
我々は、疎水性置換クロマトグラフィーにおける良好な置換剤挙動に必要な化学的特性および物理的特性の組合せを独特に有する中性疎水性双性イオン性または二双性イオン性化合物のクラスを発見し、開発した。
したがって、本発明は、1つの実施形態では、逆相置換クロマトグラフィーによって混合物から有機化合物を分離するための方法であって、
疎水性固定相を提供する工程;
該疎水性固定相に、分離される有機化合物を含む混合物を適用する工程;
非界面活性疎水性中性双性イオン性置換剤分子を含む水性組成物をそれに適用することにより、該疎水性固定相から該有機化合物を置換する工程;および
該分離した化合物を含む、該疎水性固定相から溶出した複数の画分を採集する工程を含み、
ここで該非界面活性疎水性中性双性イオン性置換剤分子が、一般式:
[CM−R−CM’]
を有する疎水性中性双性イオン性分子を含み、
ここで該一般式において、CMが、四級アンモニウム(I)、四級ホスホニウム(II)、スルホニウム(III)、スルホキソニウム(IV)、イミダゾリニウム(アミジニウム)(V)、グアニジニウム(VI)、イミダゾリウム(VII)、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニウム(VIII)、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニウム(IX)、イソインドリニウム(X)、インドリニウム(XI)、ベンズイミダゾリウム(XII)、ピリジニウム(XIIIa,XIIIb,XIIIc,XIIId)、キノリニウム(XIV)、イソキノリニウム(XV)から選択される形式正(+)電荷を有する独立した疎水性化学部分であり、そしてCM’が、カルボキシレート(XVI)、N−アシル−α−アミノ酸(XVII)、スルホネート(XVIII)、硫酸モノエステル(XIX)、リン酸モノエステル(XX)、リン酸ジエステル(XXI)、ホスホン酸モノエステル(XXII)、ホスホネート(XXIII)、テトラアリールボレート(XXIV)、ボロネート(XXV)、ボロン酸エステル(XXVI)から選択される形式負(−)電荷を有する独立した疎水性化学部分であり;ここで、化学部分(I)〜(XXVI)が、以下の化学構造を有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式において、CMおよびCM’が、分子が全体として操作pHにてゼロの形式電荷を有する電気的に中性の双性イオンであるように、反対の形式電荷を有する独立した荷電化学部分であり;そしてCMおよびCM’は、二重連結化学部分Rにより互いに化学的に付着され、該二重連結化学部分Rは、CM上の1つのR、R(存在するならば)、R(存在するならば)またはR(存在するならば)化学部分を置換し、かつCM’上の1つのR1’、R2’(存在するならば)、R3’(存在するならば)またはR4’(存在するならば)化学部分を置換し(本明細書中においては、CM’上のR基を、プライム(’)と共に称する、例えば、R1’は、CM’上のR基である);
ここでR、R1’、R、R2’、R、R3’、RおよびR4’の各々が、式:
−C2x−2r−AR−C2u−2s−AR
によって独立して定義された直鎖状または分岐状化学部分であり、
が、直接化学結合であるか、または式:
−C2x−2r−AR−C2u−2s
によって定義されたCMをCM’に連結する二重連結直鎖状または分岐状化学部分であり、
そして、RおよびR5’が独立して、式
−C2x−2r−AR
によって定義された直鎖状または分岐状化学部分であり;
ここで各ARが独立して、二重連結メチレン部分(−CX−、メタン由来)、二重連結フェニレン部分(−C−、ベンゼン由来)、二重連結ナフチレン部分(−C10−、ナフタレン由来)または二重連結ビフェニレン部分(−C12−、ビフェニル由来)であり;
ここで各ARが独立して、水素(−H)、フッ素(−F)、フェニル基(−C)、ナフチル基(−C10)またはビフェニル基(−C12)であり;
ここで各X、XおよびXが個々にかつ独立して、−H、−F、−Clまたは−OHであり;
ここで任意の−C2x−2r−内または任意の−C2u−2s−内または任意の−(CX−内の任意のメチレン部分(−CX−)が個々にかつ独立して、独立したエーテル酸素原子−O−、独立したチオエーテル硫黄原子−S−、または独立したケトンカルボニル基−C(O)−と、各エーテル酸素原子、各チオエーテル硫黄原子または各ケトンカルボニル基がそれぞれの側で脂肪族炭素原子または芳香族炭素原子に結合されるように置換されてもよく;
ここで2以下のエーテル酸素原子、2以下のチオエーテル硫黄原子および2以下のケトンカルボニル基が、任意の−C2x−2r−または任意の−C2u−2s−に置換されてもよく;
ここでmが、エーテル酸素原子、チオエーテル硫黄原子およびケトンカルボニル基と置換されている各−C2x−2r−におけるメチレン基の総数であり、そしてmが、エーテル酸素原子、チオエーテル硫黄原子およびケトンカルボニル基と置換されている各−C2u−2s−におけるメチレン基の総数であり;
ここでGが個々にかつ独立して、−H、−F、−Cl、−CH、−OH、−OCH、−N(CH、−CF、−COMe、−CONH;−CONHMe、−CONMeの任意の組み合わせであり;
ここでGが個々にかつ独立して、−F、−Cl、−R、−OH、−OR、−NR、−CF、−COMe、−CONH;−CONHMe、−CONMeの任意の組み合わせであり;
ここでR、R2’、R、R3’、RおよびR4’の対が、R/R、R/R、R/R、R2’/R3’、R2’/R4’またはR3’/R4’が個々にかつ独立して、−(CX−(ここでp=3、4、5または6)であるような単一化学部分を含んでもよく;
ここでx、r、u、s、m、mの各々の整数値が、各R、R1’、R、R2’、R、R3’、R、R4’、R、R5’およびRについて独立して選択され、整数値rおよびsは、含有され単離されたシス/トランスオレフィン(アルケン)基の総数+含有された単純単環式構造の総数であり、かつ0≦r≦2および0≦s≦2の範囲内にあり、数量x+u−m−mが0≦x+u−m−m≦11の範囲内にあり;
ここで少なくとも1つの芳香族化学部分、複素環芳香族化学部分、イミダゾリン化学部分、アミジン化学部分またはグアニジン化学部分がCMまたはCM’内に含有され;
ここで各R化学部分についての基疎水性指数(n)が、脂肪族炭素原子数+オレフィン炭素原子数+チオエーテル硫黄原子数+塩素原子数+1/5×フッ素原子数+1/2×エーテル酸素原子数+1/2×ケトン炭素原子数+1/2×芳香族炭素原子数の合計に数値的に等しく、6からヒドロキシル酸素原子数(1を超える)を引いた数を超えるものであり;
ここで各[CM−R−CM’]についての全体疎水性指数(N)が、脂肪族炭素原子数+オレフィン炭素原子数+チオエーテル硫黄原子数+塩素原子数+1/5×フッ素原子数+1/2×エーテル酸素原子数+1/2×ケトン炭素原子数+1/2×芳香族炭素原子数の合計に数値的に等しく、6からヒドロキシル酸素原子数(1を超える)を引いた数を超えるものであり;
ここでRおよびR1’についての基疎水性指数(nおよび1’n)の各々が、4.0<n,1’n<12.0の範囲内にあり、R、R2’、R、R3’、R、R5’、Rについての基疎水性指数(n、2’n、n、3’n、n、5’nおよびn)の各々が、存在する場合、0.0≦n,2’n,n,3’n,n,5’n,n<12.0の範囲内にあり、そしてRおよびR4’についての基疎水性指数(nおよび4’n)が、存在する場合、0.0≦n,4’n≦5.0の範囲内にあり;
ここで該全体疎水性指数(N)が、10.0≦N<24.0の範囲内にあり;
ここで環式化学部分について算出した基疎水性指数の数値が、該2つのそれぞれのR化学部分間で等しく分割され;
ここで1つのこのような化学部分のみがCMまたはCM’に付着されている場合、Rが、そのR化学部分として同定され;ここでCMまたはCM’に付着された1より多くのこのようなR化学部分が存在する場合、Rが、基疎水性指数の最大値を有するそのR化学部分として同定され;ここでCMまたはCM’に付着された3より多くのこのような化学部分が存在する場合、Rが、基疎水性指数の最小値を有するそのR化学部分として同定される、
方法に関する。
一般に、本明細書中において、CMはカチオンであり、そしてCM’はアニオンであり、そしてCMおよびCM’の各々は、[CM−R−CM’]の電気的中性が維持される限り、1より多くのカチオンまたはアニオンをそれぞれ含み得る。
1つの実施形態では、非界面活性疎水性置換剤分子を含む水性組成物は、pH緩衝液以外の添加塩を含まない。
1つの実施形態では、CMは、一般式IまたはIIを有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式IまたはIIにおいて、RがC〜C11ヒドロカルビル部分であり、RおよびRが独立してC〜Cヒドロカルビル部分またはベンジルであり、そしてRがベンジル、ハロ置換ベンジル、4−アルキルベンジル、4−トリフルオロメチルベンジル、4−フェニルベンジル、4−アルコキシベンジル、4−アセトアミドベンジル、HNC(O)CH−、PhHNC(O)CH−、ジアルキル−NC(O)CH−(ここでアルキルがC〜Cである)から選択され、但し、CMに存在するベンジル基が1以下である。
1つの実施形態では、CMは、一般式IまたはIIを有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式IまたはIIにおいて、RおよびRが独立してC〜Cアルキルまたはシクロヘキシルであり、RがC〜Cアルキルであり、そしてRがフェニル、2−、3−もしくは4−ハロフェニル、ベンジル、2−、3−もしくは4−ハロベンジル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジハロベンジル、2,4,6−もしくは3,4,5−トリハロベンジル、CCHCH−または2−、3−もしくは4−トリフルオロメチルベンジルである。
1つの実施形態では、CMは、一般式VIII、IX、XまたはXIを有し、RがC〜C11アルキルであり、そしてRがC〜Cアルキルであり、そしてGは上に定義したとおりである。
1つの実施形態では、CMは、一般式IまたはIIを有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式IまたはIIにおいて、RがC〜C11アルキルであり、RおよびRが独立してC〜Cアルキルであり、そしてRがPhC(O)CH−、4−FCC(O)CH−、4−CHC(O)CH−、4−CFC(O)CH−、4−ClCC(O)CH−、4−BrCC(O)CH−、dl−PhC(O)CH(Ph)−、Ph(CH−、Ph(CH−、Ph(CH−、dl−PhCHCH(OH)CH−、t−PhCH=CHCH−、1−(CH)ナフチレン、9−(CH)アントラセン、2−、3−もしくは4−FCCH−またはベンジルである。
1つの実施形態では、CMは、一般式IまたはIIを有し:
Figure 2014534421
がC〜C11アルキルであり、RおよびRが一緒になって−(CH−であり、そしてRが、PhC(O)CH−、4−FCC(O)CH2−、4−CHC(O)CH−、4−CFC(O)CH−、4−ClCC(O)CH−、4−BrCC(O)CH−、dl−PhC(O)CH(Ph)−、Ph(CH−、Ph(CH−、Ph(CH−、dl−PhCHCH(OH)CH−、t−PhCH=CHCH−、2−、3−もしくは4−FCCH−、ベンジル、3−ClCCH−、2,6−FCH−、3,5−FCH−、4−CHCH−、4−CHCHCH−、4−CHOCCH−、(CHNC(O)CH−または(CHCHNC(O)CH−である。
1つの実施形態では、CMは、一般式IまたはIIを有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式IまたはIIにおいて、RがC〜Cアルキル、ベンジルまたは2−、3−もしくは4−FCCH−であり、RおよびRが独立してC〜Cアルキル、CH(OCHCH−、CHCHOCHCHOCHCH−またはCHCHOCHCH−であり、そしてRが、Ph(CH−、4−PhCCH−、4−FCCH−、4−CFCH−、PhC(O)CH−、4−FCC(O)CH−、4−PhCC(O)CH−、4−PhCCH−、ナフチレン−1−CH−、アントラセン−9−CH−またはPh(CH−(ここでn=5〜8)である。
1つの実施形態では、CMは、一般式[(RNCHG]2+を有し、ここでRがC〜C11アルキルであり、RおよびRが独立してC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRが一緒になって−(CH−であり、そしてGがHまたはFである。
1つの実施形態では、CMは、一般式[RNCH−CCHNR2+を有し、ここでRがC〜C11アルキルであり、RおよびRが独立してC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRが一緒になって−(CH−である。
1つの実施形態では、CMは、一般式IIIまたはIVを有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式IIIまたはIVにおいて、RがC〜C11アルキルまたは4,4’−CH(CH−CCH−であり、RがC〜Cアルキルまたは4−FCCH−であり、そしてRがC〜Cアルキルである。
1つの実施形態では、CMは、一般式XIVまたはXVを有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式XIVまたはXVにおいて、RがC〜C11アルキルであり、そして各GおよびRは上に定義したとおりである。
1つの実施形態では、CMは、一般式XIIIa、XIIIb、XIIIc、XIIIdまたはXIIIeを有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式XIIIa、XIIIb、XIIIc、XIIIdまたはXIIIeにおいて、RがC〜C11アルキルまたはC〜C11 4−フェニルであり、RがH、C〜Cアルキルもしくはアルコキシ、2−ピリジル、C〜Cアルキル置換2−ピリジル、またはピロリジニルであり、そして各Gは上に定義したとおりである。
1つの実施形態では、CMは、一般式VIIを有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式VIIにおいて、RがC〜C11アルキルであり、RおよびRが独立してHまたはC〜Cアルキルまたはフェニルである。
1つの実施形態では、CMは、一般式XIIを有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式XIIにおいて、RがC〜C11アルキルであり、RおよびRが独立してHまたはC〜Cアルキルまたはフェニルであり、そしてGは上に定義したとおりである。
1つの実施形態では、CM’は、一般式XXIVまたはXXVを有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式XXIVにおいて、Rがフェニル、4−EtC−、4−PrC−、4−BuC−、4−MeOC−、4−FC−、4−MeC−、4−MeOC−、4−EtC−、4−ClC−、またはC−であり;そしてR、RおよびRの各々が独立してフェニル、4−FC−、4−MeC−、4−MeOC−、4−EtC−、4−ClC−またはC−であり;そして
ここで該一般式XXVにおいて、Rが4−(4−BuC)C−または4−(4−BuC)−3−ClC−である。
1つの実施形態では、CM’は、4−RSOH、5−R−2−HO−CSOH、4−R−C−CX−4’−SOH、および4−R−C−CX−3’−SOHから選択される一般式を有し、ここでRがCH(CH−であり、ここでn=4〜10そしてXがHまたはOHである。
1つの実施形態では、CM’は、一般式XVIIIまたはXXIIIを有し:
Figure 2014534421
ここで該一般式XVIIIにおいておよび該一般式XXIIIにおいて、RがC(CH−であり、ここでn=5〜11である。
1つの実施形態では、CM’は、5−R−2−HO−CCOHおよびRC(O)NHCH(C)COHから選択される一般式を有し、ここでRがCH(CH−であり、ここでn=4〜10である。
1つの実施形態では、CM’は、一般式4−RPOを有し、ここでRがCH(CH−であり、ここでn=4〜10である。
1つの実施形態では、水性組成物はさらに有機溶媒を、約25容積%未満、または約20容積%未満、または約15容積%未満、または約10容積%未満、または約5容積%未満の量で含む。
図1Aは、本発明の例示の実施形態に従う置換クロマトグラフィー方法について、時間(X軸)対相対吸光単位(Y軸)をプロットする、粗合成ペプチドの精製に関する置換トレースである。
本明細書中において使用されるように、本発明に従って用いられる中性双性イオン性非界面活性置換剤化合物に関して、「非界面活性」とは、そのように記載された化合物が、本発明による置換クロマトグラフィー方法で用いられる化合物の濃度より大きい臨界ミセル濃度(「CMC」)を有することを意味する。1つの実施形態では、非界面活性置換剤化合物の濃度は、CMCに影響し得る有機溶媒、塩、または他の薬剤の非存在下、水中にあるその化合物についてのCMCの約80%未満である。1つの実施形態では、非界面活性置換剤化合物の濃度は、CMCに影響し得る有機溶媒、塩、または他の薬剤の非存在下、水中にあるその化合物についてのCMCの約60%未満である。1つの実施形態では、非界面活性置換剤化合物の濃度は、CMCに影響し得る有機溶媒、塩、または他の薬剤の非存在下、水中にあるその化合物についてのCMCの約50%未満である。
1つの実施形態では、本発明に従って用いられる非界面活性疎水性中性双性イオン性置換剤分子を含む水性組成物は、以下の1つまたは2つもしくはそれ以上の組み合わせによって、不利な界面活性特性を示さない:(1)そのCMCより低い濃度で双性イオン性非界面活性置換剤化合物が存在する;(2)各[CM−R−CM’]についての全体疎水性指数(N)が10≦N<24の範囲内にある;(3)RまたはR1’についての基疎水性指数(n)が、4<n<12の範囲内にあり、R、R2’、R、R3’、R、R5’およびR(存在する場合)の各々についての基疎水性指数(n、n、nおよびn)が、0≦n,n,n,n<12の範囲内にあり、そしてRまたはR4’(存在する場合)についての基疎水性指数(n)が、0≦n≦5の範囲内にある;(4)組成物が約5容積%またはそれ以上より多くの有機溶媒を含有する;(5)組成物が、組成物のpHの調節および制御に必要なpH緩衝液以外に0.1M未満の塩または1.0Mより多くの塩を含有する。
本明細書中において使用されるように、「低有機溶媒含量」とは、例えば、本発明に従う中性双性イオン性非界面活性置換剤化合物を含む水性「キャリア」組成物中で、約25容積%未満の有機溶媒含量を一般にいう。1つの実施形態では、水性「キャリア」組成物の有機溶媒含量は、約20容積%未満の任意の有機溶媒を含有する。1つの実施形態では、水性「キャリア」組成物の有機溶媒含量は、約15容積%未満の任意の有機溶媒を含有する。1つの実施形態では、水性「キャリア」組成物の有機溶媒含量は、約10容積%未満の任意の有機溶媒を含有する。1つの実施形態では、水性「キャリア」組成物の有機溶媒含量は、約5容積%未満の任意の有機溶媒を含有する。1つの実施形態では、水性「キャリア」組成物は、有機溶媒を含有しない。
1つの実施形態では、有機溶媒は、メタノール(CHOHまたはMeOH)、エタノール(COHまたはEtOH)またはアセトニトリル(CHCNまたはMeCN)の1つまたは2つもしくはそれ以上の混合物である。1つの実施形態では、水性「キャリア」組成物は、適切な有機溶媒の混合物を含有する。1つの実施形態では、水性「キャリア」組成物は、有機溶媒を含有しない。
疎水性置換クロマトグラフィーは、キラル分析物、キラル置換剤およびキラルクロマトグラフィーマトリックスを用いて実施され得る。これらの条件下では、アキラル置換剤を用いてもよいが、キラル置換剤のラセミ混合物は用いられ得ない。ラセミキラル分析物はまた、アキラルクロマトグラフィーカラムおよびアキラル置換剤を用いて精製され得る。この場合、不純物(ジアステレオマーを含む)が目的のラセミ化合物から取り除かれるが、エナンチオマーのキラル分割はない。
本明細書中に記載の中性双性イオン性置換剤のいくつかは、4つの異なる基が付着した四級窒素を有し、したがって固有にキラルである;例えば、以下の表V中のラセミ置換剤化合物722、736、755参照。さらに、中性双性イオン性置換剤のいくつかは、アキラル窒素原子に付着した1つのキラル基を含有する;例えば、置換剤化合物731参照。キラルクロマトグラフィーマトリックス、移動相およびアキラル置換剤の適切な選択と共に、エナンチオマーは、規定通りに分取分割(分離)される。特定の環境に依存して、良好な鏡像異性的に純粋なキラル置換剤は、キラル固定相上でエナンチオマーの置換分離を実施する際に、良好なアキラル置換剤を超える性能の利点を有し得る。
(有用pH範囲)−一般式AまたはBを有する種々のクラスの中性双性イオン性疎水性置換剤は、荷電部分の化学的性質に依存して異なる有用pH範囲を有する。脱プロトン化可能なカチオン基を含有する中性双性イオン性疎水性置換剤は、実際のpKa値を1〜2単位またはそれ以上下回るpHにて操作されるべきである。プロトン化可能なアニオン基を含有する中性双性イオン性疎水性置換剤は、実際のpKa値を1〜2単位またはそれ以上上回るpHにて操作されるべきである。
・オニウム基−一般に、四級アンモニウム、四級ホスホニウム、三級スルホニウム、三級スルホキソニウムおよび関連カチオン性基(例えば、ピリジニウム、イミダゾリウム、グアニジニウム)は、広範な有用pH範囲(1〜11またはより大きい)を有する。なぜなら、これらの基は、通常の条件下で、脱プロトン化可能なN−H、S−HまたはP−H部分を有しないためである。
・アミンおよびグアニジン基−三級脂肪族アミン(pKa約9.5)および関連置換グアニジン(pKa約13.5)(脱プロトン化可能なN−H部分を有する)は、実際のpKa値を1〜2単位またはそれ以上下回るpHにて操作された場合に有用なカチオン性基である。
・スルホネート基−一般に、脂肪族スルホネート(pKa約−2.0)および芳香族スルホネート(pKa約−2.5)は、それらの非常に低いpKa値のために、広範な有用pH範囲(1〜11)を有する。
・カルボキシレート基−一般に、単純脂肪族カルボキシレート(pKa約3.0〜5.0)、芳香族カルボキシレート(pKa約2.5〜4.5)、グリシン誘導体(ベタインを含む)(pKa約2.0)およびβ−アラニン誘導体(ホモベタインを含む)(pKa約3.5)は、実際のpKa値を1〜2単位またはそれ以上上回るpHにて操作された場合に有用なアニオン性部分である。
・ホスホネート基−ホスホネートは有用なアニオン性基であり得るが、それらの使用は、第二の酸解離(pKa2)により複雑化される。ホスホネート基を含有する中性双性イオン性疎水性置換剤は、実際のpKa1値を1〜2単位またはそれ以上上回り、かつ同時に実際のpKa2値を1〜2pH単位下回るpHにて操作されるべきである。同様に、ホスホネート基を含有する置換剤は、良好なクロマトグラフィー挙動を得るために、実際のpKa2値を1〜2pH単位またはそれ以上上回るpHにて操作されるべきである。一般に、単純脂肪族ホスホネートは、pKa1値およびpKa2値がそれぞれ約2.2および7.7であり、そして単純芳香族ホスホネートは、pKa1値およびpKa2値がそれぞれ約2.0および7.2である。
(置換剤結合強度)−置換剤は、試料の全成分よりも強く、または少なくとも目的の主要成分全てよりも強く、カラムに結合すべきである。確かな経験則では、試料質量のわずか1〜4%しか、置換剤よりも強く結合すべきではない。
最適な置換剤は、固定相への結合が強すぎずかつ弱すぎないものであるべきである。適切な結合強度は、目的の分析物および付随する結合等温線に依存する。通常、広範な結合強度を有する広範な置換剤が、種々の異なるカラムおよび精製されるべき分析物に必要とされる。置換剤の結合が強すぎると、得られる性能は不十分である(例えば、分解能がより低くなる、分析物結合能が低くなる、置換剤の除去が困難、およびサイクル時間が長くなる)。置換剤の結合が弱すぎると、置換剤の下に置換された分析物の「テーリング」が過度に多い不十分な置換トレーンが生じ得るか、または部分的な置換のみとなるか、もしくは全く置換がないものとなり得る。
適切な結合強度を有する置換剤を選択するのに役立つ便利な経験上の方法は、置換実験に用いられるものと同様のカラムおよび移動相を用いて、可能性のある置換剤および分析物の簡易グラジエント溶出クロマトグラフィーを実施することである。第一のスクリーンでは、置換剤は、60分グラジエントで目的の分析物よりも5〜15分遅く溶出するべきである。理想的には、1つの分析物および分析物混合物の等温線を測定するが、これは、時間を要し、かつしばしば非実用的である。それは結合等温線において早期に動作するので、この経験上の方法は、完全ではないが、さらなるDC至適化に好都合な出発点を提供する。
(使用可能な結合等温線)−適切な結合強度とは別に、有用な疎水性置換剤は、特定の他の有用な特徴を有する結合等温線を有するべきである。
(1)置換剤および分析物分子について単峰性で上に凸の等温線(ラングミュア型等温挙動)であることは、イソタクチック置換トレーンの規則的な形成を促進し、そして方法の最適化プロセスを簡素化する。これは、多くの中性双性イオン性置換剤の有用な特性である。これに対し、多くの他の非荷電疎水性置換剤分子(非双性イオン)(例えば、芳香族アルコール(例えば、置換フェノール、ナフトール、ヒドロキシビフェニル)、脂肪族アルコール(例えば、1−ドデカノール、1,2−ドデカンジオール)および非荷電脂肪族カルボン酸(例えば、ミリスチン酸))の結合等温線は、低濃度で正常に挙動し、高濃度になると二峰性になり、再度上昇する(BET型等温挙動)。この結合挙動は、しばしば、各層が異なる結合特徴を有する多層の疎水性置換剤の堆積から生じる。この結合挙動は、置換プロセスおよびその有用な実行を大いに複雑化させる。
(2)DCにおけるクロマトグラフィー結果は、置換剤分子が液中で自己会合を受けた場合に複雑化され得る。濃度が増大するにつれて、置換剤の自己会合の問題が悪化する。また、中性双性イオン性疎水性置換剤における荷電基は、水溶液中の自己会合の問題を減少させるかまたは防ぐ。
(3)生成物および/または不純物の等温線がより高い非線形結合領域で置換剤の等温線と交叉する場合に、さらなる複雑化が生じ得る。この挙動は、置換順序の反転、置換バンド間の重なり領域のブロード化、および共置換の問題を生じる。このような場合、置換剤濃度のわずかな変動が置換トレーンに大きな変化を生じ得、それにより方法の最適化を非常に困難なものとし得る。
我々は、適切に設計した疎水性中性双性イオン性置換剤分子に適切な対イオンおよび少量の選択した有機溶媒を補充することで、ラングミュア型結合挙動および有用範囲の結合強度を有する効果的な疎水性中性双性イオン性置換剤のファミリーを提供することを見出した。
(イオン対形成剤)−それらの多くの利点の全てと共に、疎水性置換剤分子は、分析物にとって良好なイオン対形成剤および中性双性イオン性疎水性置換剤にとって良好なイオン対形成塩の両方を有するべきである。イオン対形成アニオンは、強イオン対形成アニオンおよび弱イオン対形成カチオンを有する塩である。イオン対形成カチオンは、弱イオン対形成アニオンおよび強イオン対形成カチオンを有する塩である。イオン対形成塩は、アニオンおよびカチオンの両方が強イオン対形成特性を有する塩である。実際には、アニオンおよびカチオンの両方ともが過度に強いイオン対形成特性を有する場合、水中であまり良好に溶解しない。イオン対形成塩は、それらのpI付近の中性双性イオン性置換剤および双性イオン性分析物を除いて、本発明にとってほぼ関わりがない。pIは「等電点」であり、これは、正電荷数が負電荷数と等しく、そして双性イオン性化合物全体が正味ゼロ電荷である任意の双性イオン性化学的化合物(しばしばタンパク質またはペプチド)pHまたはpH値範囲である。
イオン対形成剤は、置換剤の結合等温線ならびに置換剤の機能および有用性に有意に影響する。イオン対形成剤の濃度は、イオン対形成アニオンの適量のK、NH ,プロトン化アミン塩またはイオン対形成カチオンのCl/HCO 塩を添加することにより、独立して調整される。荷電疎水性置換剤のイオン対形成対イオンの特性は、その置換特性に強く影響する。これはまた、それほどではないにせよ、中性双性イオン性疎水性置換剤にも当てはまる。少数の対イオンが液中イオン対形成に関与し得、そしてほぼ全ての対イオンが、疎水性クロマトグラフィーマトリックス上で吸着状態にて対イオン形成に関与する。良好なクロマトグラフィー分解能のために、置換剤および分析物について、同じイオン対形成剤が用いられるべきである。有用なイオン対形成対イオンは、通常、一荷電である。それらの高い溶媒和エネルギーのために、通常、二価イオン(SO 2−、Ca2+)および三価イオン(PO 3−、La3+)はやや有用ではないが、いくつかの特殊な場合において用いられ得る。この原則に対する例外は、1つの有機イオン中で離れて位置する複数の一荷電部分(例えば、S(CHSO およびMe(CHMe)である。
対イオンは、疎水性特徴が大きいほど結合強度を増大しかつ溶解度を減少させる傾向にある。さらに、疎水性置換剤塩を用いる場合、DCの分解能は、対イオンそれ自体が過度に疎水性または過度に親水性であれば減少し得る。典型的には、対イオンの中間の疎水性/親水性特徴が最良の結果を与えるが、これは、精製される分子に依存して変動する。各精製について最適な対イオンは、実験的に決定されるべきである。例えば、CHCO 対イオンを有する疎水性四級アンモニウム置換剤は、良好な溶解度および並の分解能を与え、そしてCFCO を有するものは、並であるが許容可能な溶解度および良好な分解能を与え、そしてCClCO を有するものは、不十分な溶解度および並の分解能を与える。揮発性のイオン対形成剤は減圧下で好都合に除去されるが、他方非揮発性のものは他の手段(例えば、ダイアフィルトレーション、沈降または結晶化)によって容易に除去される。表Iは、有用な一価イオン対形成アニオンの部分的な表を示す。表IIは、有用な一価イオン対形成カチオンの部分的な表を示す。プロトン化アミン(pKa約9.8〜11.0)、プロトン化アミジン(pKa約12.5)またはプロトン化グアニジン(pKa約13.5)のイオン対形成剤を用いる場合、操作pHは、それぞれのアミンのpKaを1〜2pH単位またはそれ以上下回るべきである。アニオン性イオン対形成剤を用いる場合、操作pHは、それぞれの酸のpKaを1〜2pH単位またはそれ以上上回るべきである。このガイドラインに対する顕著な例外は、同時にイオン対形成剤およびpH緩衝液の両方として作用するトリフルオロ酢酸である。
Figure 2014534421
Figure 2014534421
(RPマトリックスに対するアニオンの結合を補助するアンモニウムイオン対形成を評価するためのガイドライン)
・疎水性および結合増強は、脂肪族炭素原子数と共に増大する。
・同数の脂肪族炭素原子については、一級アンモニウム基が四級アンモニウム基よりも良好に分析物結合を増強する(ブチル−NH >EtNH >EtMeNH>Me)。
・同数の脂肪族炭素原子については、直鎖状基が分岐状基よりも良好に分析物結合を増強する(ブチル>ブチル)。
・同数の脂肪族炭素原子については、直鎖状基が環状基よりも良好に分析物結合を増強する(ペンチル>シクロペンチル)。
・特定の化学部分については、アンモニウムイオンといくつかの分析物との間の水素結合が分析物結合を増強する;例えば、一級アンモニウムとリン酸ジエステル(オリゴヌクレオチド)およびグアニジニウムとカルボキシレート(Asp含有ペプチドおよびGlu含有ペプチド)。
混合対イオンはしばしばクロマトグラフィー分解能の損失を生じるので、一般には回避されるべきである。しかし、混合対イオンが用いられ得る場合の1つの条件セットがある;すなわち、(a)目的の対イオンが、存在する他の対イオンよりも有意に強いイオン対形成特性を有し、かつ(b)目的の対イオンが、試料負荷混合物中および置換剤緩衝液中で化学量論的に過度に存在する場合である。
最も一般的に用いられるイオン対形成アニオンは、ホルメート、アセテート、クロライド、ブロマイド、およびトリフルオロアセテートである。より低いイオン対形成強度のため、ホルメートおよびアセテートは、良好な分解能を得るために慎重な最適化を要する。ブロマイドおよびトリフルオロアセテートは、低pHにてペプチドについて最良の結果を与えると思われる。一般に、良好なクロマトグラフィー結果は、イオン対形成対イオンとしてクロライドおよびブロマイドを用いて得られ得るが、2つの特別な注意が払われるべきである。(1)酸性条件下では、クロマトグラフィー溶液は、気体HClまたはHBrの損失のためにヘリウムパージまたは真空脱ガスによって脱気することができず、それによりpHを変化させ、そしてアニオンの濃度を変化させ得る。この問題は、クロマトグラフィー溶液の調製に脱気蒸留水を用い、そして密閉容器中で当該溶液を保存して空気の再吸着を予防することにより克服される。(2)クロライドおよびブロマイドは、ステンレス鋼HPLC装置を腐食する可能性があるが、PEEK、テフロン(登録商標)、セラミック、ガラス、およびチタンからなる装置は安全である。主な問題は、低pHにて空気(酸素)により引き起こされるステンレス鋼のハライド触媒腐食である。HPLC溶液が適切に脱酸素されれば、ステンレス鋼のハライド促進腐食は大きく減少する。
イオン対形成剤の時間を要する可能性のあるスクリーニングを簡素化するために、種々の分析物のための最初の出発点として、以下の推奨を供する:
・ペプチドおよび小タンパク質(pH=2.0〜3.5):Br、CFCO
・ペプチドおよび小タンパク質(pH=6.5〜8.0):Me、MeNH、MeNEt、MeEtNH
・オリゴヌクレオチド(pH=6.5〜8.0):−NH 11−NH 13−NH
・DMT−Onオリゴヌクレオチド(pH=7.0〜8.0):EtNH 、EtNH
(溶解度)−「疎水性クロマトグラフィー」またはより適切には「疎溶媒性クロマトグラフィー」において、主溶媒成分が水である場合、可能な疎水性置換剤分子はしばしば限られた溶解度を有する。疎水性分子は、当該疎水性分子に付着した「親水基」(例えば、荷電イオン性基、親水性対イオン、極性基、または水素結合供与体もしくは受容体として機能する基)が存在しない限り、通常、感知され得る程度にまで水中に溶解しない。芳香族分子は、パイ電子が弱水素結合受容体として作用する独特の様式のために、独特の様式にて水と相互作用する。さらに、芳香族分子は、水溶液中で直面するパイスタッキングに関与し得る。これらの小さいが重要な効果は、シクロヘキサン(約10μM)およびトランスデカリン(<1μM)と比較してベンゼン(9mM)およびナフタレン(200μM)の方が水中溶解度が高く、非水酸化アレーンと比較してフェノール(960mM)およびβ−ナフトール(7mM)の方が溶解度が高いことに反映されている。有用な置換剤分子の分子構造は、水中または低有機溶媒含量の水中の適度な溶解度(10〜50mM)を促進すべきであり、なお同時に、それが固定相に強く結合するのに十分に疎水性であるべきである。一般に、荷電した置換剤分子は、荷電した種(特に対イオン)の増大した溶媒和エネルギーのために、中性のものよりも良好な溶解度特性を有する。それは、中性双性イオン性分子が良好な置換剤として挙動するために、物理的特性および化学的特性の独特の平衡を必要とする。中性双性イオン性疎水性置換剤は、独特の溶解度特性を呈する。典型的なアニオンまたはカチオン性化合物とは異なり、中性双性イオン性置換剤化合物は、塩濃度が増大するにつれて、しばしば水中溶解度を増大する。この独自の「塩溶」効果は、中性双性イオン性化合物がHICクロマトグラフィーにおける置換剤として用いられることを可能にする。さらに、水性置換剤緩衝液中の少量のエタノールは、有意に溶解度を増大し得るが、他方、同様の量のアセトニトリルはほとんど効果を有しない。
一般的にいえば、不十分な置換剤溶解度を補うために有機溶媒のレベルを増大することが、有用な結果を生じることはまれであることに留意することが重要である。最良のクロマトグラフィー結果は、0〜25%の有機溶媒、またはより好ましくは2〜15%の有機溶媒で得られる。いくつかの場合では、より高い有機溶媒含量(25〜75%)での移動相が用いられ得るが、しばしば容量および分解能が悪くなる。
(還元生成物・置換剤会合)−疎水性置換クロマトグラフィーを用いて生じ得る1つの問題は、溶液中の疎水性分析物と疎水性置換剤との会合である。これは、分解能の顕著な損失およびコンタミネーションを生じ得る。固定相上の吸着した状態での置換剤−分析物会合もまた生じ得るが、適量のイオン対形成剤が存在する場合はそれほど問題ではない。この問題を取り扱うのによい方法は、同じ電荷を有する荷電した分析物および荷電した疎水性置換剤を用いることである。これらの問題は、中性の疎水性置換剤と中性の疎水性分析物とが相互作用する場合に時々生じ得るが、この問題は、中性の置換剤が双性イオン特性を有する場合にはあまり見られない。
(置換剤自己会合およびミセル形成)−化学的構造および物理的特徴が貢献するいくつかの場合において、中性双性イオン性疎水性分子が自己会合し、溶液中でミセルおよびミセル様の自己会合構造を形成し得る。この状況は、DCの分解能の損失ならびに置換剤溶液の望ましくない発泡を生じ得る。溶液中の置換剤は、種々の化学平衡によって相関される種々の形態におかれる。さらに、ミセルは、疎水性分析物分子のためのキャリアとして作用し、それらの分子を種々の形態で溶液中に存在させ得る。この望ましくない現象は濃度依存性であり、そして少量の適切な有機溶媒(例えば、メタノール、エタノールまたはアセトニトリル)の添加によって有効に阻害される。適切に設計された中性双性イオン性置換剤分子はミセル形成を増強することなく、より良好な置換結果を与える。本明細書中に記載の中性双性イオン性置換剤分子は、中性非双性イオン性置換剤分子よりも、溶液中で自己会合構造を形成する傾向がずっと少ない。したがって、R基のR〜Rについて12.0を下回る基疎水性指数を維持することは、望ましくない界面活性の問題を減少する。
(高純度−置換剤中の不純物)−置換剤は、十分な程度の純度で用いられるべきである。分取クロマトグラフィーの目的は、目的の成分から不純物を除去することである。置換物自体と関連した不純物による所望の化合物のコンタミネーションが問題となることはまれであるが、置換剤溶液中の「早期置換」不純物によるコンタミネーションは、場合によっては問題となり得、これは、不純物の量およびそれらの結合特性に依存する。したがって、良好な置換剤は、早期置換不純物をほとんどまたは全く含まないものであるべきである。
(適切なUV吸光度)−DC実験を通して置換剤の位置および量を追跡して、置換剤ブレークスルー曲線を監視しそしてカラム再生手順の間に置換剤除去を追うために、紫外線吸収が中程度である置換剤を有することが有用である。高い吸収は必要ではなく、また高濃度の置換剤および分析物のために好ましくない。一般に、分析物のUV吸光度の領域に対応する低吸光度の戦略的に位置づけられたウインドウを有するUVスペクトルを有する、無色の置換剤が好ましい。それにより、分析物をある周波数で追跡し、かつ置換剤を他の周波数でモニタリングすることができる。
(製造容易性および費用)−化学合成、生産および製造の便利な費用効果の高い方法は、有用な置換剤および合理的な費用を生じるために重要である。さらに、精製(特に、非クロマトグラフィー精製)のための実用的な方法が、費用効果的に純度要求を達成するために必要である。
(化学的安定性、低毒性および長期貯蔵寿命)−他の所望の化学的特性および物理的特性全ての中でも、有用な置換剤分子は、化学的に安定であるべきである。それは、分析物分子に対して不活性であり、かつ水、一般有機溶媒、穏やかな塩基、穏やかな酸、および酸素(空気)に対して化学的に安定(非反応性)であるべきである。それは、典型的な使用および保存条件下で光安定性でありかつ熱的に安定であり、そして、適度な貯蔵寿命を有するべきである。置換剤分子は、視覚的に無色であるにも関わらず、必要レベルのUV吸光度を有することが好ましい。一般に、染料は、疎水性置換クロマトグラフィーにとって有用な置換剤とならない。有用な置換剤分子はまた、作業者の保護のためだけでなく、置換剤と接触し得る生物学的試料および薬物試料の保護のために、低毒性である必要がある。
(適切なクロマトグラフィーカラム):逆相カラムの最も一般的なタイプはオクタデシル被覆シリカであるが、多くの疎水性の固定相がDCにおける有用性を見出している。適切な固定相の例を表IIIに列挙する。最終的には、固定相の最良の選択は、研究中の各システムについて実験的に決定される。
Figure 2014534421
置換クロマトグラフィーにおけるより良好な結果は十分に充填されたカラム長さが長いほど得られ、より良好な回収および収率を与える。表IVは、カラム寸法および初期流速の初期選択のためのガイドを提供する。
Figure 2014534421
適切なカラム長さが良好な結果にとって重要である。それは、置換トレーンを十分にシャープにし、良好な分解能を与えるのに十分な長さであるべきである。なお、過度に長いカラムは分離時間を不要に増大させるので、床の充填が不十分となり、そして分解能を低下させ得る。多くの場合、良好なクロマトグラフィー結果を有する2つの十分に充填された短いカラムが、末端間接合され得る。小さな分子(MW<3KDa)を用いる相当の実験は、最適なカラム長が、5μm粒子について15〜45cmおよび10μm粒子について20〜60cmの範囲内にあることを示している。80〜100Åの孔径を有する多孔性粒子が伝統薬および小さなペプチドに適しており、120〜150Åの孔径が中程度および大きなオリゴペプチドおよびオリゴヌクレオチドに適しており、そして300〜500Åの孔径がほとんどのタンパク質およびDNAに適している。無孔性粒子が用いられ得るが、負荷容量は有意に減少する。
円筒カラムにおいて、流れの軸に対して垂直であるように平面フローフロントを樹立することが重要である。小型のカラムで最適化プロトコルが一旦開発されれば、より大量の試料の精製までスケールアップすることは、置換クロマトグラフィーにおいて簡単かつ容易である。最短の許容可能なカラム長が見出された後、スケールアップは単に、一定の線形流速を維持しながらカラム直径を増大させることにより達成される。適切な改変と共に、置換クロマトグラフィーは、半径流カラムと共に、および軸流モノリスカラムと共に用いられ得る。置換クロマトグラフィーの原理はまた、分析用および分取用の薄層クロマトグラフィーにおいて適用され得る。
(成功した置換クロマトグラフィー実験の実行)
有機化合物、伝統薬およびペプチドの置換クロマトグラフィーは長年にわたって実施されているが、並〜不十分という結果がしばしば得られる。本明細書中に記載するような良好な置換剤、良好なカラムおよび良好な操作プロトコルにより、優れた再現性および顕著に良好なクロマトグラフィー性能に至る。
(置換剤および濃度)−初期評価は、適切な結合強度を有する良好な汎用の中性双性イオン性置換剤を用いて実施される。中性双性イオン性置換剤は、カチオン性、中性非イオン性、中性双性イオン性およびアニオン性の分析物を精製するために用いられ得る。置換剤は、精製されるべき材料よりも強くカラムに結合すべきであるが、置換剤は、過度に強く結合すべきではない。典型的な置換剤濃度は、10〜50mMの範囲内である。初めは、置換剤濃度は10〜15mMに設定される。必要に応じて、pH緩衝液およびイオン対形成剤が置換剤溶液に添加される。置換剤溶液およびキャリア溶液は、置換剤の存在およびイオン対形成塩の濃度を除いて、同一の組成(pHを含む)を有するべきである。置換剤713、738および753(以下の表V参照)は、良好な汎用の中性双性イオン性置換剤の例である。方法の最適化の間、20〜30mMまたはそれ以上まで置換剤濃度を増大させることが有用であり得る。
(イオン対形成剤の選択)−イオン対形成剤を用いないこと、有効でないイオン形成剤を用いること、混合されたイオン対形成剤を用いること、および良好なイオン対形成剤を不十分なレベルで用いることは、置換クロマトグラフィー実験において不十分なクロマトグラフィー性能となる主要原因のいくつかである。表IおよびIIは、疎水性クロマトグラフィーにとって有用である、有用な一価のイオン対形成アニオンおよびイオン対形成カチオンのリストを含む。それらは、分析物または置換剤が荷電されている場合に必要である。荷電した分析物および置換剤について、結合等温線は、対イオンの化学的特性およびその濃度に強く依存する。また、我々のデータは、中性双性イオン性置換剤を有するイオン対形成塩が、疎水性固定相への結合を増強し、よりシャープな置換バンドを生じることを示している。中〜中強の結合特性を有するイオン対形成剤が、通常、使用に最良である。イオン対形成剤を用いて実験を開始するとき、イオン対形成アニオンとしてブロマイドまたはトリフルオロアセテート(遊離酸またはNH 塩)を試み、そしてイオン対形成カチオンについてK、NH またはプロトン化モノ−、ジ−、もしくはトリメチルアミン(遊離アミンまたはギ酸塩)を試みる。初期実験の間は、トリフルオロ酢酸メチルアンモニウム([MeNH][CFCO])で開始する。分析物がイオン対形成剤を必要とする場合、それは、通常、DC実験の間にIP剤の選択を決定づける。分析物および置換剤のイオン対形成剤(塩)は同じであるべきである。
(イオン対形成剤の濃度)−先に述べたように、良好なイオン対形成剤を不十分なレベルで用いることは、置換クロマトグラフィー実験において不十分なクロマトグラフィー性能となる主要原因の1つである。試料溶液中のイオン対形成剤の適切な濃度(CIPS,mM)を算出する式を以下により示す:
IPS=E×C(mM)×G
ここでEは試料についての過剰係数であり、Cは試料濃度(mM)であり、そしてGは操作pHでの試料の正味電荷の絶対値である。Eの最適値は、実験的に決定される必要があるパラメーターである。置換剤溶液中のイオン対形成剤の適切な濃度(CIPD,mM)を算出する式を以下により示す:
IPD=E×C(mM)×G
ここでEは置換剤についての過剰係数であり、Cは置換剤濃度(mM)であり、そしてGは操作pHでの置換剤の正味電荷の絶対値である。Eの最適値は、実験的に決定される必要があるパラメーターである。少なくとも化学量論量のイオン対形成剤が溶液中に存在することが必須である(E≧1.0およびE≧1.0)。実際、我々の経験では、Eは1.1〜10.0の範囲内、より好ましくは1.2〜6.0の範囲内、よりなお好ましくは1.5〜4.5の範囲内にあるべきである。さらに、我々の経験上、Eは1.1〜10.0の範囲内、より好ましくは1.2〜4.0の範囲内にあるべきである。クロマトグラフィー性能の重大な低下は、イオン対形成濃度が最適でないかまたは低すぎる場合、すなわち、E<1.0および/またはE<1.0の場合に生じる。
その等電点付近であるペプチドもしくはタンパク質、または中性双性イオン性置換剤の場合、GおよびGはゼロ付近である。それにもかかわらず、我々は、特定の有用濃度のイオン対形成塩(イオン対形成カチオンとイオン対形成アニオンとの)が、ペプチド/タンパク質(pH約pI)および中性双性イオン性置換剤の置換バンドのシャープさを有意に増強し、それにより、より良好な置換精製に至ることを見出している。
以下の実施例2において、イオン対形成塩を用いた場合、用いない場合よりも良好な結果が得られる。ペプチドはpH6.0にて、2つの1+電荷および2つの1−電荷を有し、正味電荷はゼロ付近である。置換剤はpH6.0にて、1つの1+電荷および1つの1−電荷を有し、正味電荷はゼロ付近である。Gが2でありかつGが1であるとすることにより、良好なクロマトグラフィー結果が得られる。
(RPカラムの選択)−初期の逆相作業について、いくつかの良質のオクタデシル担持シリカおよびフェニルヘキシル担持シリカカラムが評価されるべきである(5μm球状粒子、寸法4.6×250mmを伴う)。より大きな分取カラムへのスケールアップはこれからすることができ、比較的容易である。重要な問題は、適切な孔径を選択することである。過度に大きいまたは過度に小さい孔を有するマトリックスはしばしば、容量低下、および時に分解能低下に至る。上記表IIIおよびIV参照。
(流速)−置換クロマトグラフィーは「準平衡技術」であるので、比較的遅い流速がしばしば必要とされる。最適な流速は、分解能を損失することなく可能な限り最速の流速である。試料負荷の流速および置換剤流速は、ともに35〜105cm/時間の範囲内で、ほぼ同じであるべきである。伝統薬、オリゴペプチドおよびオリゴヌクレオチドについては75cm/時間、またはタンパク質およびDNAについては40cm/時間で開始する。再生流速は、置換流速の2〜8倍であるべきである。逆相カラム上で高温にて薬、ペプチドまたはオリゴヌクレオチドを精製する場合、より速い流速であっても用いられ得る。
(温度)−逆相クロマトグラフィーおよび他の形態の疎水性クロマトグラフィーは大部分は+ΔHと共に+TΔSによって流されるので、温度が高いほど、しばしば結合が強くなり、結合反応速度が速くなり、そして分解能の差異が明瞭となる。結果として、カラムの温度およびある程度は置換剤緩衝液の温度が、バンドのブロード化を防ぐために注意深く制御されるべきである(+/−0.5℃)。初期作業はしばしば25℃にて実施され、次いで試料が許容しかつ有機溶媒の沸点が適切であれば、温度上昇(45、65℃)が試みられる。
(有機溶媒の選択)−ほとんどの水混和性有機溶媒が機能するが、アセトニトリル、メタノールおよびエタノールが最も一般的に用いられる。いくつかのDC精製は、有機溶媒をほとんどまたは全く用いずに実施される。これは、低塩および低有機溶媒による非変性タンパク質の実用的なRPCおよびHIC精製を可能にする。有機溶媒を用いない操作は、揮発性の可燃性の溶媒に関連した安全性の問題がある場合にも有用であり得る。実験する場合、まず、ペプチド、低分子量有機薬物および小さなタンパク質についてアセトニトリル、または大きなタンパク質、オリゴヌクレオチドおよびDNAについてメタノールを試みる。水中の試料の溶解度が許容可能であれば、キャリア緩衝液、置換剤緩衝液、および試料負荷溶液中3%(v/v)MeCN、4%(v/v)EtOHまたは5%(v/v)MeOHで開始する;これらの3つの溶液中の有機溶媒含量は、同じであるべきである。有機溶媒含量は、各試料、カラム、および置換剤について最適化される必要がある重要なパラメーターである。汎用の操作のために、有機溶媒は、約15容積%未満、より好ましくは約10容積%未満、よりなお好ましくは約5容積%未満であるべきである。オクタデシルカラムを用いる場合、2〜3容積%アセトニトリル、3〜4容積%エタノールまたは4〜5容積%メタノールが、通常、マトリックスの最適な機能化のために必要とされる。フェニルヘキシルカラムおよびオクチルカラムは、通常、有機溶媒の非存在を許容し得る。
(pHおよびpH緩衝液の選択)−pH緩衝液は、試料、置換剤、イオン対形成剤中、または固定相上にイオン化可能なプロトンが存在する場合、必要とされる。いくつかの試料は、特定のpH範囲内でのみ安定である。いくつかの試料については、クロマトグラフィー分解能はpH依存性が強い。一般には、カチオン性試料は、中性双性イオン性置換剤およびカチオン性緩衝液を用いて精製される。カチオン性緩衝液と関連したアニオンは、イオン対形成アニオンと同じであるべきである。いくつかの場合において、異なるアニオンは、それが有意に弱いイオン対形成特性を有する限り用いられ得る。同様に、アニオン性pH緩衝液は、それが、原則のイオン対形成アニオンよりずっと弱いイオン対形成特性を有する場合用いられ得る;したがって、ギ酸または酢酸は、トリフルオロ酢酸塩がイオン対形成アニオンである場合、pH緩衝液として用いられ得る。明白な理由で、低pK値を有する中性およびカチオン性のアミンが、有用なpH緩衝液である:N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(5.9,TMEDA)、N,N−ジメチルピペラジン(4.2,DMP)、ジアゾビシクロオクタン(3.0,DABCO)。
同様に、アニオン性試料は、中性双性イオン性置換剤およびアニオン性pH緩衝液を用いて精製される。アニオン性pH緩衝液と関連したカチオンは、イオン対形成カチオンと同じであるべきであるが、ある場合においては、有意に弱いイオン対形成特性を有するカチオンであってもよい。さらに、時にカチオン性pH緩衝液が用いられ得るが、原則のイオン対形成カチオンより弱いイオン対形成特性を有する場合のみである;したがって、時にN−メチルモルホリン(7.4,NMM)、トリエタノールアミン(7.8,TEOA)およびTRIS(8.1)が、トリメチルアンモニウムまたはトリエチルアンモニウムがイオン対形成カチオンである場合、pH緩衝液として用いられ得る。中範囲のpK値を有するアニオン性化合物が、有用なpH緩衝液であり得る:TAPS(8.4)、TAPSO(7.6)、メチルホスホン酸(7.6,MPA)、MOPS(7.2)、MOPSO(6.9)、リン酸(6.8)、モノメチルリン酸(6.3)、亜リン酸(6.3)、MES(6.2)、3,3−ジメチルグルタル酸(5.9,DMG)、コハク酸(5.2,SUC)、酢酸(4.6,HOAc)。
(共置換)−数百もの成分および不純物を含む試料を用いて作業する場合、共置換が、ほとんど回避不能な現象である。DC実験が起こる結合等温線のどこにでも、目的の主成分と共置換するいくつかの微量成分が存在すると思われるためである。幸いなことに、置換クロマトグラフィーにおける共置換は、分取溶出クロマトグラフィーにおける共溶出に比べて遥かに深刻な問題ではない。共置換は、2つの条件下で生じる:(1)結合等温線が非常に類似しており、分解能が不十分である場合、および(2)結合等温線の操作領域近辺で結合等温線の交叉がある場合。幸いなことに、この問題を取り扱う簡単な方法がある:異なる条件下で第二のDC実験を実施することであり、以下により結合等温線上の異なる点で操作することによる:
a.置換剤の濃度を変更する、
b.異なる結合特性を有する異なる置換剤に変更する。
あるいは、等温線自体が、以下により変更され得る:
c.クロマトグラフィーマトリックス(固定相)を変更する、
d.有機溶媒の濃度を変更する、
e.異なる有機溶媒に変更する、
f.異なるイオン対形成剤に変更する、
g.温度を変更する。
第二の「直交」IP−RP DC工程は、典型的には、優れた収率(90〜95%)にて優れた純度(約99.5%)を与える。
(試料負荷の方法)−2つの方法のうち1つを用いて、試料注入バルブを介して試料をカラムに負荷する。試料は、DC実験が起こる結合等温線上の同じ点で、前端クロマトグラフィー条件下にて負荷されるべきである。方法1:試料負荷ポンプが用いられる;方法2:注入ループが用いられる。通常、部分ループ注入のみが用いられる。ループ内の試料は、まずキャリアによって、次いで置換剤溶液によって、カラム上のループ外へ流されるべきである。キャリアによって希釈された試料が負荷されないように、ループ容積の85〜95%以下がカラム上に負荷されるべきである。
(カラム負荷)−DC実験は比較的高い負荷、典型的には、最大負荷容量の60〜80%の範囲内で実施される。操作カラム負荷容量は定数ではなく、むしろ結合等温線上でDC実験が作用する場所に依存する。
使用のために、カラム容量の全部が利用可能であるわけではない(以下の「例外」参照)。実際には、カラム容量の90〜98%のみが使用可能である。試料をカラムに負荷したら、置換剤緩衝液をカラムにポンプ注入する。展開する3つの前端があり、各々が、異なる速度でカラム下方に移動する:(1)液体前端(T,置換剤緩衝液−置換剤)、(2)試料前端(T)および(3)置換剤飽和前端自体(T)。第一の前端は、第二の前端および第三の前端よりも速く移動して、使用可能なカラム容量を制限する。これは、第一の前端が、置換トレーン(T)が外へ出始める前にカラムから出るべきであるためである。これらの前端の実際の速度は、置換流速に直接的に依存する。これらの前端速度の割合α(Vel/Vel)を以下の式によって示す:
α=K/(R×C
ここでKは、Cの置換剤濃度でのマトリックスの置換剤結合容量(mg置換剤/mL充填マトリックス)であり、Cは、置換剤緩衝液中の置換剤濃度(mg置換剤/mL置換剤緩衝液)であり、Rは、カラムの全容積に対するカラム中の液の容積の比(mL液/mL床容積)である。使用可能カラム容量の最大%は、以下により示される:
(100×(α−1))/α。
以下の実施例2では、それぞれのα値は21.98であり、それぞれの最大使用可能容量は95.4%である。Cが増大するにつれてKもまた増大するが、等温線の非線形部の高い部分で操作する場合はそれほどでもないことに留意されたい。したがって、αが減少すると、使用可能カラム容量の最大%は減少する。
前記には例外がある。有意レベルの望ましくない早期置換不純物が試料中に存在する場合は、100%超でさえもカラムの使用可能容量を増大させ得る。これは、カラムを過負荷し、置換剤流を開始させる前の試料負荷の間にこれらの不純物をあふれ出させることによる。したがって、カラム負荷は、全試料に基づき最大105%であり得るが、カラム負荷は、主生成物+後置換不純物の量に基づき80%のみであり得る。
(試料溶液の濃度および容積)−負荷試料の濃度は重要な操作パラメーターである。最適試料負荷濃度(mg/mL)は、置換実験からの精製生成物の出力濃度と同じである−置換トレーンのプラトー領域。結合等温線、カラム結合容量および出力濃度は、初期は不明である。以下に示すような初期概算を用いて試料溶液をカラムに負荷する、最初の置換実験を単に実施する:
(1)作業を望む初期カラム負荷率を選定する、例えば75%。
試料負荷時間=置換剤ブレークスルー時間(T−T)×0.75
=(434分−220分)×0.75=161分(以下の実施例2について)
(2)2つの方法のうち1つにより、試料の初期濃度を選定する:
(a)初期試料濃度(mg/mL)=0.25×置換剤濃度(mM)×処方重量(mg/μモル)=0.25×10mM×1.7466mg/μモル=4.37mg/mL(以下の実施例2について)
(b)試料の概算カラム結合容量を選定する、例えば50mg試料/mLマトリックス。置換流速および試料負荷流速が同じであるとする:
初期試料濃度(mg/mL)=(カラム結合容量(mg/mL)×カラム容積(mL)/((T−T)×試料流速(mL/分))
=(50mg/mL×4.155mL)/((434分−220分)×0.208mL/分)=4.67mg/mL(以下の実施例2について)。
負荷試料を用いた最初のDC実験が過負荷状態(>100%負荷)を生じる場合、試料濃度を半分にして実験を繰り返す。試料を用いる間の最初の成功したDC実験の結果から、実際の負荷濃度および実際のカラム負荷容量が容易に算出され、次いでこれらの値は第二のDC実験のために試料濃度および負荷を調整するのに用いられる。
(試料調製)−負荷試料溶液は、上記濃度および量にて調製される。ループの過充填または試料負荷ポンプおよび送達ラインのデッドボリュームの充填のために、十分過剰な溶液が必要とされる。pH、pH緩衝液の量および有機溶媒の量は、キャリアおよび置換剤緩衝液と同じである。試料をキャリアに溶解することでそのpHが変化するので、試料溶液のpHは、溶解後に再調整されなければならない。しかし、イオン対形成剤の量は異なっていてもよい。試料溶液において用いられるイオン対形成剤は、置換剤緩衝液において用いられるものと同じでなければならない。これに関して、試料のイオン対形成要件が、試料溶液中および置換剤溶液中でどのイオン対形成剤が用いられるかを決定づける。操作pHでの形式化学電荷および主分析物の濃度に基づいて、イオン対形成剤またはイオン対形成塩の濃度が算出される。上記「イオン対形成剤の濃度」参照。
試料の組成および履歴は既知であるべきである。試料がアニオンまたはカチオンを含有する場合、その化学的性質および量(濃度)もまた既知であるべきである。(a)アニオンまたはカチオンが存在しないことが明らかな場合、試料調製において調整はなされない。(b)試料中のアニオン/カチオンがDCにおいて用いたイオン対形成剤と同じである場合、それに応じて試料溶液へのイオン対形成剤の添加量を減らすべきである。(c)試料中のアニオン/カチオンがDCにおいて用いたイオン対形成剤よりも有意に弱いイオン対形成特性を有する場合、その存在は無視される。(d)試料中のアニオン/カチオンがDCにおいて用いたイオン対形成剤よりも強いイオン対形成特性を有する場合、進める前に、そのアニオン/カチオンは交換または除去されるべきである。
(画分採集)−置換クロマトグラフィーは、優れたクロマトグラフィー分解能を与える(特に、良好なC18逆相カラムを用いる最適化プロトコルの場合)。しかし、分解能は、見るのが困難である。バンドは全て、置換トレーンにおいて相次ぐバンドとして一緒にカラムから出てくるためである。小さな不純物の三角形バンドの多くは、30秒未満の幅である(<100μL)。したがって、置換剤ブレークスルー時間が250分であり、かつ80%試料負荷の実験では置換トレーンは約200分幅であり、画分採集プロセスの間にクロマトグラフィー分解能が失われないように、400を超える画分が採取されなければならない。400画分の分析は実に啓発的であり興味深いが、困難な作業でもある。これは、オンラインのリアルタイム画分分析が有用である場合である。実際には、分解能を幾分か無視し、100〜130のより大きな画分のみを採集し得る。この数の画分ですら分析は、相当量の作業となる。
分取DC実験を実施し、精製された主成分のみを目的とする場合、画分採集プロセスは、大いに簡素化される。種々の周波数(UV)で観察された置換トレーンの形状に基づいて、目的の主バンドの始まりおよび終わりを判断し、次いで両領域において約10画分を分析し、どの画分をプールするかを決定する。100〜130画分の代わりに20画分を分析するのは、より容易な作業である。
以下の実施例2では、分析はずっと容易である。上記方法に基づいて、目的の主バンドの始まりおよび終わりを判断し、いかなる分析を行うこともなく保存的なプールを行い、最終のプールで1つの分析のみを実施する。
(置換剤除去およびカラム再生)−置換剤は、いかなるpH緩衝液またはイオン対形成剤も用いることなく、5〜10カラム容積の95/5(v/v)エタノール−水または80/10/10(v/v/v)アセトニトリル−プロパノール−水を用いて除去される。目的は、最短時間にてカラムから置換剤の99.9%またはそれ以上より多くを効率的に除去することである。マトリックスが増大した背圧を許容する場合、カラム再生プロセスを加速するために流速が増大される(100〜400cm/時間)。置換剤の最大吸収(置換剤の指示書を参照)の付近で置換剤除去を観察することは、再生プロセスがUV検出によって注意深くモニタリングされて最適化されることを可能にする。
(添加塩の効果)−水性溶媒中の塩によって、溶解された疎水性分析物および疎水性置換剤にとってより適切でない溶媒となり、疎水性クロマトグラフィーマトリックスに対するより強い結合を生じさせる。これは、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)の背後にある原理である。分析物の溶解度がこの塩溶液で十分である限り、塩の添加は、疎水性マトリックスへの分析物結合および選択性を調整するために良好な方法である。前記のように、中性双性イオン性疎水性置換剤はこの点に関して独特である。典型的なアニオン性またはカチオン性化合物とは異なり、中性双性イオン性置換剤化合物はしばしば、塩濃度が増大するにつれて溶解度が増大する。この独自の「塩溶」効果は、中性双性イオン性化合物がHICクロマトグラフィーにおいて置換剤として用いられることを可能にする。
ある場合には、疎水性マトリックスに対する分析物結合は非常に弱く、十分な分析物結合を得るために添加塩が必要とされる。一般に用いられる塩溶液は、約0.5〜約2.5Mの濃度として、(NHSO、KSO、NaSO、NaClおよびKClの1つを含む。種々の濃度での多くの異なる塩の助けで、置換モードのHICは、タンパク質の有用なクロマトグラフィー分離に多くのオプションを提供する。
(機器プロトコル)−実施例1のプロトコル例を参照(デュアルポンプ操作)。前の実験から残った置換剤は問題となる可能性があるので、プロトコルは、ラインパージ操作、迅速カラム再生、および平衡操作を有する。HPLCシステムおよびカラムが完全にクリーンであり、試料負荷直前に適切に平衡化されることを確実にするためである。これらのステップは、単に予防であり、常に必要ではない。プロトコルは、1つのプロトコルの間に以下を含む:(a)予備平衡化シークエンス、(b)平衡化シークエンス、(c)試料負荷シークエンス、(d)置換シークエンスおよび(e)再生シークエンス。システムにおけるデッドボリュームの問題を克服するために、カラムにポンプ注入する直前に、負荷緩衝液、置換緩衝液および試料溶液が全て、システムを通じて廃液にパージされる。このように、カラムでは、バルブ切り替え直後に無希釈溶液のシャープな前端が見える。試料溶液は、中で気泡が生じないように脱気されるべきである。注入ループを用いる場合、それらは、約10%過充填される必要がある。過充填は、さらなる使用のために採集され得る。全量ループ注入は用いられるべきではなく、部分ループ注入のみである。経験によれば、ループチューブの内径に依存して、ループ容積の85〜95%のみが用いられ得ることが必要である。試料溶液は、流れる溶液と混合して、それを希釈するためである。ループ内の試料は、負荷緩衝液によってカラムに流されるが、試料負荷プロセスの終わり頃に、流す溶液は置換剤緩衝液に変更される。このことは、置換剤緩衝液それ自体がカラムに直接ポンプ注入される直前に、置換剤緩衝液がシステム全体にわたってパージされることを可能にする。再生プロセスの初期の間は、より遅い流速が用いられる。したがって、高背圧の問題が生じることはまれである。置換剤のほとんどが除去されれば、より高い流速が用いられ得る。
(方法最適化)−全ての形態の分取クロマトグラフィーと同様、クロマトグラフィーの方法および手順の最適化が重要であるが、それは、いくらかの実験を要する。置換クロマトグラフィーの利益は、しばしば時間という代償を伴う。時間を要する要因は、方法最適化の間に最小化され得る。
・分離時間を考慮することなく、置換精製について最適に近い条件を決定する。
・置換剤濃度および試料負荷溶液の濃度を分解度が低下するまで増大する。
・置換流速および試料負荷流速を分解度が低下するまで増大する。
・前平衡シークエンスおよび置換剤除去/カラム再生シークエンスを短縮する。
既存のプロトコルは方法の最適化の有用な開始点を提供するが、それらは、研究中の特定試料について改変を必要とする。試料プロトコル(実施例1)を以下に示すが、これは、時間を考慮することなく純度について最適化したものである。目的の試料の特定の物理的特性およびクロマトグラフィー特性に適応した方法最適化を実施することが重要である。最適化に際し、長いプロセス時間(600〜800分)がしばしば200〜300分に減少され得、またある場合には100〜150分に減少され得る。
置換モードで使用する疎水性クロマトグラフィーは、(a)高マトリックス生産性(マトリックスの寿命にわたるマトリックス1リットル当たりの生成物のグラム)、(b)高容積生産性(カラム容積1リットル当たりの生成物のグラム)、(c)高溶媒生産性(用いた溶媒1リットル当たりの生成物のグラム)を有するが、(d)並の時間生産性(時間単位当たり生成物のグラム)を有し得る。適切な方法最適化は、時間要因を軽減する。
(適切に構成した計装):小型分取HPLCシステムについての典型的な計装構成を以下に示す。
・主ポンプ:ステンレス鋼、チタン、セラミック、PEEK;正確には0.01〜10mL/分 流速;3000〜4500psi圧。
・オプションのカラムバイパスバルブ:2ポジション6ポート切換バルブ(ステンレス鋼、PEEK);カラムインラインまたはバイパスカラム。これは便宜オプションである。
・必要な試料注入バルブ:2ポジション6ポート注入バルブ(ステンレス鋼、PEEK)、注入ループまたは試料注入ポンプ用。
・注入ループ:20〜40mL注入ループ(ステンレス鋼、PEEK)。ループは過負荷(約10%)されるべきである。部分ループ注入のみが用いられ、典型的には、ループ容積の85〜95%以下である。注入ループまたは試料ポンプのいずれか1つを用いる。
・試料ポンプ:これは、試料注入用の主ポンプと同様である。試料はポンプヘッドの流路と適合するものであるべきである。注入ループまたは試料ポンプのいずれか1つを用いる。
2ポンプ操作を用いる場合、2つのポンプの流速は、それらの流れが釣り合うように較正されるべきである。
・グラジエントミキサーは不要:置換クロマトグラフィーにおいてはグラジエントミキサーを回避または除去する。
・UV検出器:多波長またはフォトダイオードアレイ検出器、200〜400nm周波数範囲、短光路低体積石英フローセルを有する(0.2〜2.0mm流路、<10μL流量容積)。
・オプションの電気伝導度検出器:UV検出器後のフローセル(0.1〜200mS、<100μL流量容積)を有する電気伝導度検出器;置換流速<500μL/分にて分析のために画分を採集する場合、伝導度フローセルを回避する。
・画分採集器:10μL〜10mL/画分(時間または滴数による)
・カラム冷却器/加熱器:0〜100℃+/−0.5℃。カラムを周辺温度と実質的に異なる温度で操作する場合、緩衝液溶液を加熱または冷却する配置を行う必要がある。
実施例1:粗合成α−エンドルフィンの精製のための置換プロトコル
(機器構成):主ポンプ(1)(4つの緩衝液ラインを有する)、試料負荷ポンプ(2)(1つの溶媒ラインを有する)、ポンプ選択バルブ、カラムバイパスバルブ
ポンプ選択バルブ:6ポートバルブ(単一チャネルトグルロジックにより制御)(S3=0、ポンプ1からカラム−ポンプ2から廃液、S3=1 ポンプ1から廃液−ポンプ2からカラム)
カラムバルブ:6ポートバルブ(単一チャネルトグルロジックにより制御)(S6=0、液流はカラムを通る、S6=1、液流はカラムを回避する)
カラム後UVフォトダイオードアレイ検出器(フローセル:0.5mm路長、9μL容積)に続き電気伝導度検出器(フローセル:170μL容積);電気伝導度フローセルは、画分を分析のために採集中である場合、除去される。
負荷緩衝液=ポンプ1上のAライン(S1=1、フローオン(flow on)、S1=0 フローオフ(flow off));置換剤緩衝液=ポンプ1上のBライン(S2=1、フローオン、S2=0 フローオフ);置換剤除去緩衝液=ポンプ1上のCライン(S4=1、フローオン、S4=0 フローオフ);カラム保存緩衝液=ポンプ1上のDライン(S5=1、フローオン、S5=0 フローオフ);試料溶液=ポンプ2上のAライン(S7=1,試料フローオン、S7=0 試料フローオフ)。試料溶液を濾過(0.2μ)し、脱気する。
シークエンスの着手前、清浄したカラムをA緩衝液を用いて短時間パージし、カラム保存緩衝液を除去する。他の詳細の説明については実施例2を参照。
置換剤除去緩衝液(C緩衝液)=10%(v/v)1−プロパノール、10%(v/v)DI水(アセトニトリル中)。
カラム保存緩衝液(D緩衝液)=70/30(v/v)メタノール/水(ギ酸(15mM)およびギ酸アンモニウム(15mM)を有する)。
Figure 2014534421
実施例2:pH6.0(pH約pI)にて置換剤740(中性双性イオン性置換剤)を用いる粗合成α−エンドルフィンの置換クロマトグラフィー精製(図1A参照)
(操作条件):
出発ペプチド:脱塩した粗合成α−エンドルフィン(試料B)、59.3%純度、FW 約1.7466mg/μモル、電荷=約0(+2/−2)(pH=6.0にて)。
カラム:Waters Xbridge BEH130、5mm、135Å、4.6×250mm SS,−C18担持シリカ。
流速:負荷=208μL/分;置換=208μL/分。
イオン対形成塩:トリフルオロ酢酸メチルアンモニウム
温度=23℃ pH=6.0
置換剤緩衝液:10.0mM置換剤740+20mM MES(酸)+20mMトリフルオロ酢酸(DI水+5%(v/v)EtOH、pH=6.0+40% MeNH中)。
負荷緩衝液:20mM MES(酸)+20mMトリフルオロ酢酸(DI水+5%(v/v)EtOH、pH=6.0+40% MeNH中).
試料溶液:6.88mg/mLペプチド(DI水+5%(v/v)EtOH中)、20mM MES(酸)+20mMトリフルオロ酢酸(pH=6.0)+40% MeNH
負荷量:226.1mg(負荷ポンプ(ポンプ2)より);負荷時間=158.0分(2.63時間)
画分サイズ:416μL;各画分に5μLギ酸を添加し、pHを3.5に下げる;画分を即座に凍結する(−20℃)(分析またはプールまで)。
(結果):
画分分析:画分分析は実施せず。精製画分を置換トレースの形状に基づいて保存的にプールする。
プール生成物の分析を分析溶出HPLC−IPRPクロマトグラフィーを用いて実施する。画分を215nmでモニタリングする;算出は面積%に基づく。
総実行時間:6.2時間
出力濃度:7.02mg/mL
カラム負荷:全試料基準の最大容量の73.4%
カラム容量:約74.1mgペプチド/mLマトリックス(7.02mgペプチド/mL溶液(全試料基準))
約107μモル置換剤/mLマトリックス(15.0μモル置換剤/mL溶液)
純度%:99.0%
収率%:74%;データは、画分分析なしの保存的画分プールに基づく;実際の収率は、もっと高いと思われる(80〜85%)。
(コメント):試料濃度/出力濃度=0.98
IP塩(試料中)=2.5倍化学量論量(G=2とする)
粗ペプチドから一工程で小型の「分析型」カラムを用いて、負荷容量が適度であり(74.1g/L)、純度に優れかつ収率が適度である(>74%収率にて99.0%純度)という良好な結果が得られる。本実施例は、中性双性イオン性置換剤を用いたpHが約pI(pH=6.0)である場合の粗合成ペプチドの精製を示すように設計される。良好な結果がその非存在下で得られる(データは示さず)が、イオン対形成塩([MeNH][CFCO])の使用によって、よりシャープな置換トレーンとなる。イオン対形成塩の20mM濃度は、G=2、E=2.5、G=1、E=2.0とすることに基づく;上記参照。5容積% EtOHを含有する溶媒は、5容積% MeCNと共に、わずかにより良好な結果を示す(データは示さず)。置換剤置換バンドおよびペプチド置換バンドは、非常にシャープである。カチオン性置換剤を用いたpH=2.0の置換結果(データは示さず)と比べて、双性イオン性置換剤を用いたpH=6.0でのこれらの結果は、幾分低い負荷容量(74g/L対84g/L)にて、わずかにより高い純度(99.0%対98.8%)を示す;収率は比較され得ない。
実施例3:HPLC分析−
方法3a、3b−中性双性イオンについての逆相:以下を用いて分析を実施した:Waters Corp.(Milford,MA)グラジエントHPLC(Waters 996 PDA検出器をDionex/ESA Biosciences(Chelmsford,MA)Corona Plus CAD検出器と並列して備える)およびWaters Xbridge BEH130,5μm、135Å、4.6×250mm SS,−C18担持シリカ、逆相クロマトグラフィーカラム(Chelmsford,MA)。
試料注入:25μLの約1mM試料溶液(A緩衝液中)
UV検出:208〜220nm(分析される化合物に依存)
流速:1.0mL/分。
A緩衝液:5%CHCN(v/v)(HPLCグレード蒸留水中)+0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸
B緩衝液:5%HO(v/v)(HPLCグレードCHCN中)+0.1%(v/v) トリフルオロ酢酸
サーベイグラジエント法:100%A 0〜2分
100%Aから100%B 2〜62分
100%B 62〜70分
分析グラジエント法: 10%B 0〜2分
10%Bから50%B 2〜57分
50%Bから100%B 57〜62分
100%B 62〜67分
方法3c−長鎖アルキルハライドについての逆相:
10a、10bと同じ
試料注入:25μLの約1mM試料溶液(A緩衝液中)
UV検出:200〜220nm(分析される化合物に依存)
流速:1.0mL/分。
A緩衝液:5%CHCN(v/v)(HPLCグレード蒸留水中)+0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸
B緩衝液:5%HO(v/v)(HPLCグレードCHCN中)+0.1%(v/v) トリフルオロ酢酸
グラジエント法: 50%A/50%B 0〜2分
50%A/50%Bから100%B 2〜62分
100%B 62〜70分
実施例4:N−ベンジル−N−メチルオクチルアミン(fw=233.39)の調製
254.5gの新たに蒸留したN−メチルベンジルアミン(2.1モル、fw=121.18、約271mL)を、1Lの4口丸底フラスコ(加熱用マントル、メカニカルスターラー、250mL添加漏斗、還流冷却器およびテフロン(登録商標)コーディング熱電温度計を備える)中で350mLの攪拌中のアセトニトリルに添加する。反応をゆるやかなNパージとともに窒素雰囲気下で実施する。135.2gの新たに蒸留した1−ブロモオクタン(0.70モル、fw=221.19、約121mL)を、反応発熱が55〜65℃の範囲の反応温度を維持するような速度にて、滴下しながら攪拌中の混合物に添加する。これらの条件下、ブロモオクタン添加は、約2時間を要する。全ブロモオクタンを添加し、反応温度が45℃を下回った後、攪拌中の反応混合物を80℃にて2時間加熱し、次いで冷却させた。反応混合物をHPLCによって定期的にモニタリングし、ブロモオクタンが完全に消費されたことを確認する。反応が冷却されるにつれて、生成物のより密度の低い上層が形成し始める。反応が周辺温度にまで冷却されると、100mLの蒸留水を攪拌中の混合物に少しずつ添加し、これにより、層分離を促進しかつ臭化水素酸アミンの結晶化を防ぐ。反応混合物を1L分液漏斗に移し、それらを2時間にわたり約−20℃にまで冷却し、完全な層分離を達成させる。下の層を捨て、上の層を漏斗中に残す。1.0Lの10% w/w NaOH(蒸留水中)を添加し、混合物を十分に混合し、次いで約1時間、沈殿させる。再度層が分離すると、上の生成物層を残し、1.0L蒸留水を混合物に添加し、十分に混合する。約2時間後に層が分離すると、上の生成物層をロータリーエバポレーター(80℃浴温度)に入れ、水、アセトニトリル、および残余する出発アミンを除去する。この手順により、143g(88%)の淡黄色の粘性の液体が、96〜98%の純度にて得られる(GC、HPLC)。主要不純物は出発アミンである(2〜4%)。この物質を減圧蒸留(172〜175℃、1トール)することで、無色液体(99.8%純度)が90%蒸留収率で得られる。出発物の二級アミンおよびハロゲン化一級アルキルがそれら自体純粋であれば、これは、良質な生成物を生じるクリーンな反応である。
実施例5:N−ベンジル−N−メチル−N−オクチルグリシン分子内塩(fw=291.43)の調製
116.7gの蒸留N−ベンジル−N−メチルオクチルアミン(0.50モル、fw=233.39、132mL)を500mLの4口丸底フラスコ(メカニカルスターラー、250mL添加漏斗、およびテフロン(登録商標)コーディング熱電温度計を備える)に添加する。反応をゆるやかなNパージとともに窒素雰囲気下で、溶媒なしで実施する。周辺温度で攪拌中のアミンに、84.2gの蒸留ブロモ酢酸、メチルエステル(0.55モル、fw=152.97、約54mL)を、約45分にわたって滴下しながら添加する。少しではあるが顕著な発熱がある。初期の均質な反応混合物を、これが過粘性となるまで(約1時間)攪拌する。15分以内に、粘性の下方の生成物層が形成する。この混合物を室温にて20時間静置する。この間に、全ての混合物が黄色の粘性油状物になる。過剰なアルキル化剤をデカンテーションにて取り除き、そしてこの粘性油をMTBEにて注意深く数回洗浄する。MTBE洗浄液は捨てる。残余MTBEをロータリーエバポレーターを用いて除去し、粗粘性黄色油を得る。この水溶性の油状生成物を350mL蒸留水に室温にて溶解し、透明な淡黄色の溶液を得る。周辺温度にて、75gの45%KOH水溶液を滴下にて、ポリプロピレンフラスコに入れた攪拌中の水性混合液に添加する。室温にてほぼ即座にエステル鹸化が生じる。混合物を80℃に短時間(30分)加熱し、確実に反応を完了させる。溶媒(水)をロータリーエバポレーターを用いて完全に除去し、粘着性の淡黄色の生成物残渣を生じる。この生成物を最少量のイソプロピルアルコール中に取り込み、次いで濾過し、白色固体(KBr)を除去する。透明な濾液をMTBEで倍散(triturate)すると、淡黄色油を形成する。溶媒をデカンテーションにて取り除き、そして油状生成物をMTBEで洗浄し、MTBEは捨てる。生成物中の残余MTBEをロータリーエバポレーターを用いて除去する。この油を最少量の無水エタノール中に溶解し、次いで水で倍散する。水/エタノール溶媒をデカンテーションにて取り除き、粘性の無色液体を得る。もう一度イソプロパノール/MTBEでの倍散、その後エタノール/水での倍散を実施する。生成物を一晩真空オーブン中で乾燥し、そして室温に冷却し、無溶媒の無色の粘性油として純粋生成物を形成する(117g、80%収率)。この物質は、分析上純粋であり、そして限られたものではあるが十分な蒸留水溶解度を有する。無機塩(KBr、NaCl)および有機塩([MeNH][CFCO])の存在下で、水溶解度は有意に増大する。周辺温度に静置した後、油はゆっくりと固化し、ろう状の低融点固体を形成する。
β−アラニン誘導体を、同様に、ブロモプロピオン酸、メチルエステルから生成する;初期の臭化四級アンモニウムは白色結晶固体であるが、加水分解された双性イオンは粘性液体である。プロパンスルトンおよびブタンスルトンとの反応をアセトニトリル中でアミンを用いて実施する;反応が完了した後、溶媒を除去し、ワークアップ(workup)は同様である。ブロモエタンスルホン酸ナトリウムとの反応を95/5wt%エタノール/水中で実施する。C11、C10およびC化合物のほとんどは、低融点固体として単離される。ほとんどのCおよびC化合物は、粘性液体として単離され、そのうちいくらかはゆっくりと固形化する。
Figure 2014534421
Figure 2014534421

Claims (21)

  1. 逆相置換クロマトグラフィーによって混合物から有機化合物を分離するための方法であって、
    疎水性固定相を提供する工程;
    該疎水性固定相に、分離される有機化合物を含む混合物を適用する工程;
    非界面活性疎水性中性双性イオン性置換剤分子を含む水性組成物をそれに適用することにより、該疎水性固定相から該有機化合物を置換する工程;および
    該分離した有機化合物を含む、該疎水性固定相から溶出した複数の画分を採集する工程を含み、
    ここで該非界面活性疎水性中性双性イオン性置換剤分子が、一般式:
    [CM−R−CM’]
    を有する疎水性中性双性イオンを含み、
    ここで該一般式において、CMが、四級アンモニウム(I)、四級ホスホニウム(II)、スルホニウム(III)、スルホキソニウム(IV)、イミダゾリニウム(アミジニウム)(V)、グアニジニウム(VI)、イミダゾリウム(VII)、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニウム(VIII)、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニウム(IX)、イソインドリニウム(X)、インドリニウム(XI)、ベンズイミダゾリウム(XII)、ピリジニウム(XIIIa,XIIIb,XIIIc,XIIId)、キノリニウム(XIV)、イソキノリニウム(XV)から選択される形式正(+)電荷を有する独立した疎水性化学部分であり、そしてCM’が、カルボキシレート(XVI)、N−アシル−α−アミノ酸(XVII)、スルホネート(XVIII)、硫酸モノエステル(XIX)、リン酸モノエステル(XX)、リン酸ジエステル(XXI)、ホスホン酸モノエステル(XXII)、ホスホネート(XXIII)、テトラアリールボレート(XXIV)、ボロネート(XXV)、ボロン酸エステル(XXVI)から選択される形式負(−)電荷を有する独立した疎水性化学部分であり;ここで、化学部分(I)〜(XXVI)が、以下の化学構造を有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式において、CMおよびCM’が、分子が全体として操作pHにてゼロの形式電荷を有する電気的に中性の双性イオンであるように、反対の形式電荷を有する独立した荷電化学部分であり;そしてCMおよびCM’は、二重連結化学部分Rにより互いに化学的に付着され、該二重連結化学部分RはCM上の1つのR、R(存在するならば)、R(存在するならば)またはR(存在するならば)化学部分を置換し、かつCM’上の1つのR1’、R2’(存在するならば)、R3’(存在するならば)またはR4’(存在するならば)化学部分を置換し;
    ここでR、R1’、R、R2’、R、R3’、RおよびR4’の各々が、式:
    −C2x−2r−AR−C2u−2s−AR
    によって独立して定義された直鎖状または分岐状化学部分であり、
    が、直接化学結合であるか、または式:
    −C2x−2r−AR−C2u−2s
    によって定義された二重連結直鎖状または分岐状化学部分であり、
    そして、Rが、式
    −C2x−2r−AR
    により定義された直鎖状または分岐状化学部分であり;
    ここで各ARが独立して、二重連結メチレン部分(−CX−、メタン由来)、二重連結フェニレン部分(−C−、ベンゼン由来)、二重連結ナフチレン部分(−C10−、ナフタレン由来)または二重連結ビフェニレン部分(−C12−、ビフェニル由来)であり;
    ここで各ARが独立して、水素(−H)、フッ素(−F)、フェニル基(−C)、ナフチル基(−C10)またはビフェニル基(−C12)であり;
    ここで各X、XおよびXが個々にかつ独立して、−H、−F、−Clまたは−OHであり;
    ここで任意の−C2x−2r−内または任意の−C2u−2s−内または任意の−(CX−内の任意のメチレン部分(−CX−)が個々にかつ独立して、独立したエーテル酸素原子−O−、独立したチオエーテル硫黄原子−S−、または独立したケトンカルボニル基−C(O)−と、各エーテル酸素原子、各チオエーテル硫黄原子または各ケトンカルボニル基がそれぞれの側で脂肪族炭素原子または芳香族炭素原子に結合されるように置換されていてもよく;
    ここで2以下のエーテル酸素原子、2以下のチオエーテル硫黄原子および2以下のケトンカルボニル基が、任意の−C2x−2r−または任意の−C2u−2s−に置換されていてもよく;
    ここでmが、エーテル酸素原子、チオエーテル硫黄原子およびケトンカルボニル基と置換されている各−C2x−2r−におけるメチレン基の総数であり、そしてmが、エーテル酸素原子、チオエーテル硫黄原子およびケトンカルボニル基と置換されている各−C2u−2s−におけるメチレン基の総数であり;
    ここでGが個々にかつ独立して、−H、−F、−Cl、−CH、−OH、−OCH、−N(CH、−CF、−COMe、−CONH;−CONHMe、−CONMeの任意の組み合わせであり;
    ここでGが個々にかつ独立して、−F、−Cl、−R、−OH、−OR、−NR、−CF、−COMe、−CONH;−CONHMe、−CONMeの任意の組み合わせであり;
    ここでR、R2’、R、R3’、RおよびR4’の対が、R/R、R/R、R/R、R2’/R3’、R2’/R4’またはR3’/R4’が個々にかつ独立して、−(CX−(ここでp=3、4、5または6)であるような単一化学部分を含んでもよく;
    ここでx、r、u、s、m、mの各々の整数値が、各R、R1’、R、R2’、R、R3’、R、R4’、RおよびRについて独立して選択され、整数値rおよびsは、含有され単離されたシス/トランスオレフィン(アルケン)基の総数+含有された単純単環式構造の総数であり、そして0≦r≦2および0≦s≦2の範囲内にあり、数量x+u−m−mが0≦x+u−m−m≦11の範囲内にあり;
    ここで少なくとも1つの芳香族化学部分、複素環芳香族化学部分、イミダゾリン化学部分、アミジン化学部分またはグアニジン化学部分がCMまたはCM’内に含有され;
    ここで各R化学部分についての基疎水性指数(n)が、脂肪族炭素原子数+オレフィン炭素原子数+チオエーテル硫黄原子数+塩素原子数+1/5×フッ素原子数+1/2×エーテル酸素原子数+1/2×ケトン炭素原子数+1/2×芳香族炭素原子数の合計に数値的に等しく、6からヒドロキシル酸素原子数(1を超える)を引いた数を超えるものであり;
    ここで各[CM−R−CM’]についての全体疎水性指数(N)が、脂肪族炭素原子数+オレフィン炭素原子数+チオエーテル硫黄原子数+塩素原子数+1/5×フッ素原子数+1/2×エーテル酸素原子数+1/2×ケトン炭素原子数+1/2×芳香族炭素原子数の合計に数値的に等しく、6からヒドロキシル酸素原子数(1を超える)を引いた数を超えるものであり;
    ここでRおよびR1’についての基疎水性指数(nおよび1’n)の各々が、4.0<n,1’n<12.0の範囲内にあり、R、R2’、R、R3’、R、R5’、Rについての基疎水性指数(n、2’n、n、3’n、n、5’nおよびn)の各々が、存在する場合、0.0≦n,2’n,n,3’n,n,5’n,n<12.0の範囲内にあり、そしてRおよびR4’についての基疎水性指数(nおよび4’n)が、存在する場合、0.0≦n,4’n≦5.0の範囲内にあり;
    ここで該全体疎水性指数(N)が、10.0≦N<24.0の範囲内にあり;
    ここで環式化学部分について算出した基疎水性指数の数値が、該2つのそれぞれのR化学部分間で等しく分割され;
    ここで1つのこのような化学部分のみがCMまたはCM’に付着されている場合、Rが、そのR化学部分として同定され;ここでCMまたはCM’に付着された1より多くのこのような化学部分が存在する場合、Rが、基疎水性指数の最大値を有するそのR化学部分として同定され;ここでCMまたはCM’に付着された3より多くのこのようなR化学部分が存在する場合、Rが、基疎水性指数の最小値を有するそのR化学部分として同定される、
    方法。
  2. 非界面活性双性イオン性疎水性置換剤分子を含む前記水性組成物が、pH緩衝液以外の添加塩を含まない、請求項1に記載の方法。
  3. CMが一般式IまたはIIを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式IまたはIIにおいて、RがC〜C11ヒドロカルビル部分であり、RおよびRが独立してC〜Cヒドロカルビル部分またはベンジルであり、そしてRがベンジル、ハロ置換ベンジル、4−アルキルベンジル、4−トリフルオロメチルベンジル、4−フェニルベンジル、4−アルコキシベンジル、4−アセトアミドベンジル、HNC(O)CH−、PhHNC(O)CH−、ジアルキル−NC(O)CH−(ここでアルキルがC〜Cである)から選択され、但し、CMに存在するベンジル基が1以下である、請求項1または2に記載の方法。
  4. CMが一般式IまたはIIを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式IまたはIIにおいて、RおよびRが独立してC〜Cアルキルまたはシクロヘキシルであり、RがC〜Cアルキルであり、そしてRがフェニル、2−、3−もしくは4−ハロフェニル、ベンジル、2−、3−もしくは4−ハロベンジル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジハロベンジル、2,4,6−もしくは3,4,5−トリハロベンジル、CCHCH−または2−、3−もしくは4−トリフルオロメチルベンジルである、請求項1または2に記載の方法。
  5. CMが一般式VIII、IX、XまたはXIを有し、RがC〜C11アルキルであり、そしてRがC〜Cアルキルである、請求項1または2に記載の方法。
  6. CMが一般式IまたはIIを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式IまたはIIにおいて、RがC〜C11アルキルであり、RおよびRが独立してC〜Cアルキルであり、そしてRがPhC(O)CH−、4−FCC(O)CH−、4−CHC(O)CH−、4−CFC(O)CH−、4−ClCC(O)CH−、4−BrCC(O)CH−、dl−PhC(O)CH(Ph)−、Ph(CH−、Ph(CH−、Ph(CH−、dl−PhCHCH(OH)CH−、t−PhCH=CHCH−、1−(CH)ナフチレン、9−(CH)アントラセン、2−、3−もしくは4−FCCH−またはベンジルである、請求項1または2に記載の方法。
  7. CMが一般式IまたはIIを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式IまたはIIにおいて、RがC〜C11アルキルであり、RおよびRが一緒になって−(CH−であり、そしてRが、PhC(O)CH−、4−FCC(O)CH2−、4−CHC(O)CH−、4−CFC(O)CH−、4−ClCC(O)CH−、4−BrCC(O)CH−、dl−PhC(O)CH(Ph)−、Ph(CH−、Ph(CH−、Ph(CH−、dl−PhCHCH(OH)CH−、t−PhCH=CHCH−、2−、3−もしくは4−FCCH−、ベンジル、3−ClCCH−、2,6−FCH−、3,5−FCH−、4−CHCH−、4−CHCHCH−、4−CHOCCH−、(CHNC(O)CH−または(CHCHNC(O)CH−である、請求項1または2に記載の方法。
  8. CMが一般式IまたはIIを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式IまたはIIにおいて、RがC〜Cアルキル、ベンジルまたは2−、3−もしくは4−FCCH−であり、RおよびRが独立してC〜Cアルキル、CH(OCHCH−、CHCHOCHCHOCHCH−またはCHCHOCHCH−であり、そしてRが、Ph(CH−、4−PhCCH−、4−FCCH−、4−CFCH−、PhC(O)CH−、4−FCC(O)CH−、4−PhCC(O)CH−、4−PhCCH−、ナフチレン−1−CH−、アントラセン−9−CH−またはPh(CH−(ここでn=5〜8)である、請求項1または2に記載の方法。
  9. CMが一般式[(RNCHG]2+を有し、ここでRがC〜C11アルキルであり、RおよびRが独立してC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRが一緒になって−(CH−であり、そしてGがHまたはFである、請求項1または2に記載の方法。
  10. CMが一般式[RNCH−CCHNR2+を有し、ここでRがC〜C11アルキルであり、RおよびRが独立してC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRが一緒になって−(CH−である、請求項1または2に記載の方法。
  11. CMが一般式IIIまたはIVを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式IIIまたはIVにおいて、RがC〜C11アルキルまたは4,4’−CH(CH−CCH−であり、RがC〜Cアルキルまたは4−FCCH−であり、そしてRがC〜Cアルキルである、請求項1または2に記載の方法。
  12. CMが一般式XIVまたはXVを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式XIVまたはXVにおいて、RがC〜C11アルキルであり、そして各GおよびRは上に定義したとおりである、請求項1または2に記載の方法。
  13. CMが一般式XIIIa、XIIIb、XIIIc、XIIIdまたはXIIIeを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式XIIIa、XIIIb、XIIIc、XIIIdまたはXIIIeにおいて、RがC〜C11アルキルまたはC〜C11 4−フェニルであり、RがH、C〜Cアルキルもしくはアルコキシ、2−ピリジル、C〜Cアルキル置換2−ピリジル、またはピロリジニルであり、そして各Gは上に定義したとおりである、請求項1または2に記載の方法。
  14. CMが一般式VIIを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式VIIにおいて、RがC〜C11アルキルであり、RおよびRが独立してHまたはC〜Cアルキルまたはフェニルである、請求項1または2に記載の方法。
  15. CMが一般式XIIを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式XIIにおいて、RがC〜C11アルキルであり、RおよびRが独立してHまたはC〜Cアルキルまたはフェニルであり、そしてGは上に定義したとおりである、請求項1または2に記載の方法。
  16. CM’が一般式XXIVまたはXXVを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式XXIVにおいて、Rがフェニル、4−EtC−、4−PrC−、4−BuC−、4−MeOC−、4−FC−、4−MeC−、4−MeOC−、4−EtC−、4−ClC−、またはC−であり;そしてR、RおよびRの各々が独立してフェニル、4−FC−、4−MeC−、4−MeOC−、4−EtC−、4−ClC−またはC−であり;そしてここで該一般式XXVにおいて、Rが4−(4−BuC)C−または4−(4−BuC)−3−ClC−である、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  17. CM’が、4−RSOH、5−R−2−HO−CSOH、4−R−C−CX−4’−SOH、および4−R−C−CX−3’−SOHから選択される一般式を有し、ここでRがCH(CH−であり、ここでn=4〜10そしてXがHまたはOHである、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  18. CM’が一般式XVIIIまたはXXIIIを有し:
    Figure 2014534421
    ここで該一般式XVIIIにおいておよび該一般式XXIIIにおいて、RがC(CH−であり、ここでn=5〜11である、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  19. CM’が、5−R−2−HO−CCOHおよびRC(O)NHCH(C)COHから選択される一般式を有し、ここでRがCH(CH−であり、ここでn=4〜10である、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  20. CM’が一般式4−RPOを有し、ここでRがCH(CH−であり、ここでn=4〜10である、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  21. 前記水性組成物がさらに有機溶媒を、約25容積%未満、または約20容積%未満、または約15容積%未満、または約10容積%未満、または約5容積%未満の量で含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
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