JP2014534318A - 油をアップグレードする方法、燃料生成物、及び炭化水素生成物フラクション - Google Patents
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Abstract
熱分解油をアップグレードする方法。本方法は、熱分解油と少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素の混合物から水を蒸発させることを含む。本方法によって脱水した熱分解油混合物が得られる。好ましい態様で、本方法は、脱水した熱分解油混合物を炭化水素転化プロセスにおいて転化させ、炭化水素転化プロセスの生成物を分離して炭化水素生成物フラクションを得ることを更に含む。また、燃料生成物及び炭化水素生成物フラクションも特許請求する。【選択図】 なし
Description
本発明は、熱分解油をアップグレードする方法に関する。本方法はまた、アップグレードした熱分解油をベースとする燃料生成物、及びアップグレードした熱分解油をベースとする炭化水素生成物フラクションにも関する。
原油供給量の減少に伴って、液体および気体燃料、例えば輸送用燃料及び固定用途のための燃料を製造するプロセスのための供給材料として再生可能なエネルギー源を用いることが益々重要になる。燃料を製造するためにバイオマスを用いることは、原油の使用と比べてCO2バランスを向上させる有利性を有する。
植物バイオマスを転化させるための現行のプロセスは、バイオマス中に存在するリグノセルロース材料を熱分解して熱分解油を得る工程を含む。リグノセルロース材料を含むバイオマスから得られる熱分解油は、一般に、炭化水素類、糖類、有機酸及びフェノール類のような酸素化化合物類、不溶性のリグニン、及び水を含む可能性がある。好適には、熱分解油中に存在する水の一部は出発バイオマス由来のものである可能性があり、他の部分は熱分解生成物である可能性がある。含水率は25〜30重量%又はこれより更に多い量である可能性がある。熱分解油中に水及び酸素化化合物が存在することは、熱分解油の熱量値のためには不利である。酸素化化合物の含量は、水素化脱酸素工程で減少させることができる。水は蒸発によって除去することができる。
熱分解油は、アップグレードして液体及び/又は気体燃料を得ることができる。アップグレードプロセスは、好ましくは製油所の標準的な装置内で行う。しかしながら、製油所装置内で熱分解油をアップグレードすることは、その高い含水率、有機酸の存在、及び炭化水素液体との非相溶性のために煩雑である可能性がある。現在では、製油所装置内での熱分解油のアップグレードは、腐食及び付着を抑止するために改造することが必要である。燃料成分として熱分解油を用いる目的のためには、乳化剤を用いてエマルジョンを形成することによって炭化水素との相溶性を向上させることが提案されているが、かかるエマルジョンの安定性が満足できないことが分かる場合がある。
熱分解油から水を除去することによって、熱分解油の熱量値が向上し、炭化水素液体との相溶性が向上するであろう。しかしながら、蒸発によって熱分解油から水を除去すると、非常に粘稠性のタール状の物質(これは炭化水素液体中に容易に溶解させることができない)の形成のような望ましくない結果を引き起こした。上記の欠点の1以上を有しない熱分解油のアップグレード方法を提供することは、当該技術における進歩であろう。
ここで、予期しなかったことに、熱分解油及び比較的高い沸点の炭化水素の混合物から水を蒸発させると、熱分解油からの水の蒸発において非常に向上した結果が得られることを見出した。而して、熱分解油及び高沸点炭化水素の混合物から水を蒸発させると、非常に粘稠性のタール状の物質の形成は引き起こされず、その代わりに液体混合物を得ることができる。不溶性の物質の形成は無視できるほど低いことが分かった。更に、蒸発を高沸点炭化水素の存在下で行うと、得られる残留液体は、好適には出発熱分解油と比べて少ない有機酸及び他の軽質酸素化物を含む。
理論に縛られることは望まないが、高沸点炭化水素の存在下で水を蒸発させると、熱分解油中に存在する例えばアルデヒドタイプ及びフェノールタイプの成分からのタールの形成を触媒又は促進することができるグリコール酸、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、及び酪酸のような有機酸の相当量が、炭化水素の不存在下におけるよりも混合物からより容易に蒸発すると考えられる。有機酸の除去のさらなる利点は、油の酸性と腐食性を低くすることができることである。
また、本発明にしたがって形成される混合物の安定性は、特に高沸点炭化水素が例えばそのH/C比にしたがって芳香族性のものであり、さらに、とりわけ、高沸点炭化水素がアスファルテンを含む場合に、大きく向上させることができることも見出された。
而して、本知見は、有利には、船舶用及び/又は固定用途のための燃料油成分として、並びに液化石油ガス、ガソリン、灯油、ディーゼル燃料、及び燃料油を製造するための炭化水素転化プロセスのための供給材料として熱分解油を用いる新しい機会を提供する。
したがって、本発明はまた、熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を含む混合物から水を蒸発させることを含む、熱分解油をアップグレードする方法も提供する。
本発明はまた、本発明の方法を用いることによって得られる燃料生成物も提供する。
好ましくは、この方法は、熱分解油及び炭化水素を混合することによって混合物を形成する工程を更に含む。
好ましくは、本発明の方法は、
・熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を含む混合物から水を蒸発させて脱水した熱分解油混合物を得て;
・脱水した熱分解油混合物を炭化水素転化プロセスにおいて転化させ;そして
・炭化水素転化プロセスの生成物を炭化水素生成物フラクションに分離する;
ことを含む。
・熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を含む混合物から水を蒸発させて脱水した熱分解油混合物を得て;
・脱水した熱分解油混合物を炭化水素転化プロセスにおいて転化させ;そして
・炭化水素転化プロセスの生成物を炭化水素生成物フラクションに分離する;
ことを含む。
本発明はまた、熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を配合して混合物にし、混合物の含水率が最大で5重量%となるように混合物から水を蒸発させることによって得られる燃料生成物も提供する。
本発明はまた、熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を配合して混合物にし、混合物から水を蒸発させることによって得られる、熱分解油の重量に対して最大で10重量%の固形分含量(固形分含量は、熱濾過試験において用いたフィルターを規定通りにすすいだ後にエタノールですすぐように修正したASTM−D4870による熱濾過試験を用いることによって測定する)を有する燃料生成物も提供する。
本発明はまた、熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を配合して混合物にし、混合物から水を蒸発させることによって得られる燃料組成物であって、燃料生成物のASTM−D445にしたがって50℃において測定される動粘度が、50℃での14日間の貯蔵中に15%以内であるように一定な燃料生成物も提供する。
本発明はまた、熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を配合して混合物にし、混合物から水を蒸発させることによって得られる燃料組成物であって、商A/B(ここで、AはASTM−D664を用いて測定した熱分解油の全酸価を表し、Bは熱分解油及び高沸点炭化水素を含む混合物中の熱分解油の重量分率である)の最大で20%の全酸価を有する燃料生成物も提供する。
本発明はまた、
・熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を配合して混合物にし、混合物から水を蒸発させて脱水した熱分解油混合物を得て;
・脱水した熱分解油混合物を炭化水素転化プロセスにおいて転化させ;そして
・炭化水素転化プロセスの生成物を炭化水素生成物フラクションに分離する;
ことによって得られる炭化水素生成物フラクションも提供する。
・熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を配合して混合物にし、混合物から水を蒸発させて脱水した熱分解油混合物を得て;
・脱水した熱分解油混合物を炭化水素転化プロセスにおいて転化させ;そして
・炭化水素転化プロセスの生成物を炭化水素生成物フラクションに分離する;
ことによって得られる炭化水素生成物フラクションも提供する。
本発明において用いるための熱分解油は、リグノセルロース材料を含むバイオマスから得られるか又は誘導される。リグノセルロース材料とは、本発明においては、好ましくはセルロース、リグニン、及び場合によってはヘミセルロースを含む材料と理解される。
バイオマスは、一般に植物由来のものであってよい。例えば、バイオマスは、農業廃棄物、森林残渣、木材チップ、藁、籾殻、穀類、芝類、トウモロコシ、トウモロコシ殻、バガス、海藻、水生植物、干し草、及び任意のセルロース含有材料、又は生体由来の材料を含んでいてよく、都市廃棄物又は紙くずも含まれる。好ましくは、バイオマスは森林残渣又は農業残渣を含む。
バイオマスの熱分解によって、本発明において用いるための熱分解油が与えられる。熱分解とは、本発明においては、好ましくは、バイオマスを高温において、好ましくは酸素の不存在下で、気体、液体、及び固体生成物に分解するプロセスと理解される。熱分解蒸気の凝縮可能なフラクションが熱分解油を形成する。400℃〜800℃の範囲、より好ましくは450℃〜700℃の範囲、好ましくは500℃〜650℃の範囲の高い温度が好ましい。幾つかの方法においては、バイオマスを予備処理するために化学物質を用いることができ、或いは熱分解混合物に触媒を加えることができる。例えば、H. Wang cs., "Effect of acid, alkali, and steam explosion pretreatment on characteristics of bio-oil produced from pinewood", Energy Fuels (2011), 25, p.3758-3764を参照。
一般にフラッシュ熱分解プロセスと呼ばれる好ましい熱分解プロセスにおいては、バイオマスを酸素の不存在下において400℃〜600℃の範囲の温度に急速に加熱し、その温度に短時間保持する。熱分解油の含水率は40重量%以下の量であると報告されている。かかるフラッシュ熱分解プロセスは、例えばUS−A−5395455から公知である。
本発明において用いるための熱分解油は、好ましくは炭化水素、酸素化化合物、及び水を含む。酸素化化合物は、アルデヒド、有機酸、炭水化物、フェノール類、フルフラール類、アルコール、及びケトンを含んでいてよい。好ましくは、熱分解油の炭素含量は、35重量%〜75重量%の範囲、より好ましくは40重量%〜55重量%の範囲、例えば45重量%〜50重量%の範囲であってよい。水素含量は、4重量%〜7重量%の範囲、より好ましくは5重量%〜6重量%の範囲であってよい。酸素含量は、15重量%〜55重量%の範囲、より好ましくは40重量%〜50重量%の範囲、例えば45重量%〜50重量%の範囲であってよい。窒素含量は、0.05重量%〜1重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%〜0.5重量%の範囲であってよい。イオウ含量は、0.005重量%〜0.05重量%の範囲、より好ましくは0.01重量%〜0.02重量%の範囲であってよい。好ましくは、含水率は、少なくとも1重量%又は少なくとも2重量%、より好ましくは15重量%〜40重量%、例えば20重量%〜35重量%の範囲であってよい。好ましくは、熱分解油の全酸価は、最大で250mg KOH/g、より好ましくは5mg KOH/g〜200mg KOH/gの範囲、例えば10mg KOH/g〜150mg KOH/gの範囲であってよい。本明細書において用いる炭素含量、水素含量、及び窒素含量はASTM−D5291によって測定されるものであり、イオウ含量はASTM−D2622によって測定されるものである。酸素含量は、炭素含量、水素含量、酸素含量、窒素含量、及びイオウ含量の合計が100重量%になるように差によって算出する。含水率はASTM−E203によって測定されるものである。本明細書において用いる全酸価は、ASTM−D664を用いることによって測定されるものである。
本発明によれば、少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素と混合して存在する熱分解油から水を蒸発させる。炭化水素とは、本発明においては、好ましくは水素原子及び炭素原子の両方を含む化合物と理解され、より好ましくは炭化水素は水素原子及び炭素原子から構成される化合物であってよい。少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素は、下記において「高沸点炭化水素」の用語を用いることによって呼称することがある。当業者であれば、かかる混合物を形成することができるためには、高沸点炭化水素を、熱分解油自体に既に存在しうる任意の炭化水素に加えて、存在させることを認識するであろう。リグノセルロース材料を含むバイオマスの熱分解以外の供給源から得られるかかる炭化水素は、本発明においては外部炭化水素とも呼ぶ。好ましくは、高沸点炭化水素は石油由来の炭化水素である。石油由来の炭化水素とは、本発明においては、好ましくは所謂石油系原油から誘導される炭化水素と理解される。
高沸点炭化水素は単一の炭化水素であってよい。しかしながら好ましくは、高沸点炭化水素混合物を用いる。かかる高沸点炭化水素混合物は、好適には2種類以上の高沸点炭化水素を含む。好ましくは、かかる高沸点炭化水素混合物は、粗鉱油(mineral crude)の蒸留フラクションのような製油所流(refinery stream)を含んでいてよい。好ましくは、高沸点炭化水素混合物は、常圧軽油、真空軽油、フラッシュ留出物、コーカー軽油、残留燃料油、常圧残渣(ロングレジデューとも呼ばれる)、又は真空残渣(ショートレジデューとも呼ばれる)、或いはかかる製油所流のブレンドを含む。当業者であれば、高沸点炭化水素が製油所流を含む場合には、これは、それらの分子構造内にイオウ及び/又は窒素のようなヘテロ原子が含まれている炭化水素をある程度含む可能性があることを認識するであろう。
本発明によれば、高沸点炭化水素の常圧沸点は少なくとも130℃である。好ましくは、炭化水素の沸点は、少なくとも150℃、より好ましくは少なくとも180℃である。高沸点炭化水素混合物を用いる場合には、高沸点炭化水素混合物の常圧初留点は少なくとも130℃であってよく、好ましくは、高沸点炭化水素混合物の常圧初留点は少なくとも150℃、より好ましくは少なくとも180℃であってよい。好ましい態様においては、高沸点炭化水素混合物の常圧沸点範囲は、220℃〜800℃、より好ましくは300℃〜700℃であってよい。
好ましい態様においては、高沸点炭化水素混合物の水素/炭素重量比(H/C比)は、最大で0.15w/w、より好ましくは0.1〜0.14w/wの範囲、更により好ましくは0.11〜0.13w/wの範囲であってよい。
好ましい態様においては、高沸点炭化水素混合物のアスファルテン含量は、高沸点炭化水素混合物の重量に対して0.2重量%(重量パーセント)以上、より好ましくは0.7重量%以上、更により好ましくは2.0重量%以上、更により好ましくは0.8〜30重量%の範囲、更により好ましくは2.0重量%〜30重量%の範囲であってよい。最も好ましくは、アスファルテン含量は、高沸点炭化水素混合物の重量に対して0.9〜15重量%の範囲、又は2.0〜15重量%の範囲である。
本明細書において用いる沸点とは、他に示さない限りにおいて常圧沸点であり、常圧沸点は100kPa(即ち0.1MPa)の圧力において測定される沸点である。本明細書において用いる高沸点炭化水素混合物の初留点及び沸点範囲はASTM−D2887によって測定されるものである。本明細書において用いる圧力は絶対圧である。本明細書において用いるH/C比はASTM−D5291によって測定されるものである。本明細書において用いるアスファルテン含量又はC7−アスファルテン含量は、溶媒としてn−ヘプタンを用いてIP−143によって測定されるものである。
熱分解油及び高沸点炭化水素の混合物は、当業者に公知の任意の方法で形成することができる。熱分解油を高沸点炭化水素に加えることができ、或いは高沸点炭化水素を熱分解油に加えることができ、或いは熱分解油及び高沸点炭化水素の流れを合わせることができる。好適には、熱分解油及び高沸点炭化水素の配合物を混合することができる。好ましくは、熱分解油及び高沸点炭化水素は、それぞれ少なくとも0.5/99.5、より好ましくは少なくとも1/99、更により好ましくは少なくとも2/98の熱分解油と高沸点炭化水素との重量比(熱分解油のグラム数/高沸点炭化水素のグラム数)で配合することができる。好ましくは、熱分解油及び高沸点炭化水素は、それぞれ最大で75/25、より好ましくは最大で70/30、更により好ましくは最大で60/40、最も好ましくは最大で50/50の熱分解油と高沸点炭化水素との重量比(熱分解油のグラム数/高沸点炭化水素のグラム数)で配合することができる。上記に説明したように、高沸点炭化水素はまた高沸点炭化水素混合物であってもよく、かかる場合には同等の重量比が好ましい。
好ましい態様においては、熱分解油及び高沸点炭化水素混合物を含む混合物中の熱分解油の量は、高沸点炭化水素混合物のアスファルテン含量によって変動させる。これにより、熱分解油及び高沸点炭化水素を含む混合物の最適の安定性を可能にすることができる。例えば、0.2重量%以下のアスファルテンを含む高沸点炭化水素混合物を用いる場合には、熱分解油と高沸点炭化水素混合物との重量比(熱分解油のグラム数/高沸点炭化水素のグラム数)は、好ましくは10/90以下、より好ましくは0.5/99.5以上で10/90以下の範囲である。0.2重量%より多く0.5重量%以下の範囲のアスファルテンを含む高沸点炭化水素混合物を用いる場合には、熱分解油と高沸点炭化水素混合物との重量比(熱分解油のグラム数/高沸点炭化水素のグラム数)は、好ましくは15/85以下、より好ましくは0.5/99.5以上で15/85以下の範囲である。0.5重量%より多く1.3重量%以下の範囲のアスファルテンを含む高沸点炭化水素混合物を用いる場合には、熱分解油と高沸点炭化水素混合物との重量比(熱分解油のグラム数/高沸点炭化水素のグラム数)は、好ましくは20/80以下、より好ましくは0.5/99.5以上で20/80以下の範囲である。1.3重量%より多く2.3重量%以下の範囲のアスファルテンを含む高沸点炭化水素混合物を用いる場合には、熱分解油と高沸点炭化水素混合物との重量比(熱分解油のグラム数/高沸点炭化水素のグラム数)は、好ましくは30/70以下、より好ましくは0.5/99.5以上で30/70以下の範囲である。2.3重量%より多いアスファルテンを含む高沸点炭化水素混合物を用いる場合には、熱分解油と高沸点炭化水素混合物との重量比(熱分解油のグラム数/高沸点炭化水素のグラム数)は、好ましくは60/40以下、より好ましくは0.5/99.5以上で60/40以下の範囲である。
熱分解油及び高沸点炭化水素は、混合に好適である当業者に公知の任意の方法で、例えばミキサー、又は1以上のバッフルによって混合することができる。
水を蒸発させることは、通常の蒸留装置内で行うことができる。好ましくは、蒸留装置及び蒸留装置を運転する条件は、水が蒸発し、水富化留出物フラクションとして凝縮され、高沸点炭化水素が塔底内に残留して、高沸点炭化水素が富化した塔底フラクションが与えられるように選択する。好ましい態様においては、フラッシュ蒸留装置、又は分離カラムを有する蒸留装置を選択することができる。分離カラムは、好ましくは、それが最大で50(これを含む)、より好ましくは最大で40(これを含む)、特に最大で30(これを含む)の理論段を含むように選択及び運転することができる。好ましくは、分離カラムは、好ましくは、それが最大で10(これを含む)、又は最大で5(これを含む)の理論段を含むように選択及び運転することができる。水を蒸発させることは、連続運転、又はバッチ運転で行うことができる。
好ましくは、塔底温度は、塔底フラクションが十分に低粘度であり、また、水の蒸発速度が実施される圧力において十分に高く、塔底フラクションの含水率が低い場合に十分に高く維持されるように選択する。好適には、50℃〜200℃の範囲、より好適には80℃〜150℃の範囲の塔底温度を選択することができる。圧力は、好適には、0.01kPa〜120kPaの範囲、より好適には0.1kPa〜60kPaの範囲、好ましくは0.2kPa〜10kPa(キロパスカル)の範囲で選択することができる。上記においては高沸点炭化水素をその常圧沸点又は常圧沸点範囲によって規定しているが、当業者であれば、常圧沸点又は常圧沸点範囲は、水を蒸発させて水が富化した留出物フラクションとして凝縮させ、高沸点炭化水素を塔底内に残留させて、高沸点炭化水素が富化した塔底フラクションを与えながら、蒸留装置を常圧以外の圧力において運転することができるものとして特定されることを認識するであろう。
水を蒸発させることは、好ましくは、塔底フラクションの重量に対して最大で5重量%、より好ましくは最大で2重量%、好ましくは最大で1重量%の含水率を有する塔底フラクションが得られる程度まで行うことができる。本発明の通常の実施においては、得られる塔底フラクションの含水率は、塔底フラクションの重量に対して少なくとも0.001重量%又は少なくとも0.01重量%であってよい。以下において、かくして得られる塔底フラクションは「脱水した熱分解油混合物」の用語で呼ぶことがある。
予期しなかったことに、本発明による水の蒸発中においては不溶の物質の形成は低いことが分かった。好ましくは、脱水した熱分解油混合物の固形分含量は、脱水した熱分解油混合物の重量に対して最大で1重量%、より好ましくは最大で0.5重量%にすることができる。実施においては、脱水した熱分解油混合物の固形分含量は、脱水した熱分解油混合物の重量に対して少なくとも0.005重量%、より好ましくは少なくとも0.01重量%にすることができる。好ましくは、脱水した熱分解油混合物の固形分含量は、水を蒸発させる前の熱分解油及び高沸点炭化水素の混合物中に存在する熱分解油の重量に対して最大で10重量%、より好ましくは最大で5重量%にすることができる。実施においては、脱水した熱分解油混合物の固形分含量は、水を蒸発させる前の熱分解油及び高沸点炭化水素の混合物中に存在する熱分解油の重量に対して少なくとも0.05重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%にすることができる。本発明において、固形分含量は、熱濾過試験において用いたフィルターを規定通りにすすいだ後にエタノールによるすすぎを行うように修正したASTM−D4870にしたがう熱濾過試験を用いることによって測定されるものである。
また予期しなかったことに、脱水した熱分解油混合物の全酸価は、少なくとも混合物から水を蒸発させる前の熱分解油及び高沸点炭化水素を含む混合物中に存在する熱分解油の全酸価に対して著しく低いことも分かった。特に高沸点炭化水素それ自体が低い全酸価を有する場合には、脱水した熱分解油混合物の全酸価は、商A/B(ここで、Aは熱分解油の全酸価を表し、Bは混合物から水を蒸発させる前の熱分解油及び高沸点炭化水素を含む混合物中の熱分解油の重量分率を表す)の好ましくは最大で20%にすることができる。より好ましくは、脱水した熱分解油混合物の全酸価は、商A/Bの最大で10%、特に最大で5%である。しばしば、脱水した熱分解油混合物の全酸価は、少なくとも商A/Bの0.01%、又は少なくとも0.1%である。特にこの文脈においては、高沸点炭化水素の低い全酸価は、好ましくは最大で5mg KOH/g、より好ましくは最大で1mg KOH/gになる。実施においては、高沸点炭化水素の低い全酸価は、少なくとも0.01mg KOH/g、又は少なくとも0.05mg KOH/gにすることができる。脱水した熱分解油混合物の全酸価は、好ましくは最大で15mg KOH/g、より好ましくは最大で10mg KOH/gにすることができる。実施においては、脱水した熱分解油混合物の低い全酸価は、少なくとも0.05mg KOH/g、又は少なくとも0.1mg KOH/gに達することができる。
また予期しなかったことに、脱水した熱分解油混合物それ自体、或いは脱水した熱分解油混合物を含むブレンドの貯蔵安定性は著しく良好であることも分かった。好適には、かかるブレンドは、脱水した熱分解油混合物を上記に規定する高沸点炭化水素混合物とブレンドすることによって形成する。貯蔵安定性の向上は、当業者が脱水した熱分解油混合物又はかかるブレンドを安定化するために乳化剤を用いることを考えないであろうものである。本発明において用いる貯蔵安定性は、50℃における貯蔵中において、ASTM−D445にしたがって測定して50℃における動粘度を追跡することによって測定される。好ましくは、50℃において14日間の貯蔵中に、動粘度の値は一定であるか、或いは貯蔵の開始時における値の最大で15%以内、より好ましくは10%以内、特に貯蔵の開始時における値の5%以内で変動している。
脱水した熱分解油混合物は、そのままで船舶用及び/又は固定用途用の重質燃料の成分として用いることができる。
したがって、本発明はまた、本明細書に記載する熱分解油をアップグレードする方法によって得られる燃料生成物、より具体的には、熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を配合して混合物にし、混合物から水を蒸発させることを含む方法によって得られる燃料生成物も提供する。この「熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を配合して混合物にし、混合物から水を蒸発させることを含む方法」は本明細書に記載する通りであってよく、かかる方法に関する好ましい選択肢も本明細書に記載する通りであってよい。この方法は、好ましくは、熱分解油、少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を配合して混合物にし、混合物の含水率が最大で5重量%、より好ましくは最大で2重量%、最も好ましくは最大で1重量%になるまで混合物から水を蒸発させることを含む。したがって、燃料生成物は、好ましくは、最大で5重量%、より好ましくは最大で2重量%、最も好ましくは最大で1重量%の含水率を有する燃料生成物である。燃料生成物は、熱分解油の重量に対して最大で10重量%、好ましくは最大で5重量%の固形分含量を有することができ、ここで固形分含量は、熱濾過試験において用いたフィルターを規定通りにすすいだ後にエタノールによるすすぎを行うように修正したASTM−D4870による熱濾過試験を用いることによって測定されるものである。燃料生成物は、50℃において14日間の燃料生成物の貯蔵中において、貯蔵の開始時における値に対して15%以内、好ましくは10%以内、最も好ましくは5%以内となるような一定の値を有する50℃において測定される動粘度を有することができ、ここで動粘度はASTM−D445にしたがって測定されるものである。燃料生成物は、商A/B(ここで、Aは熱分解油の全酸価を表し、Bは熱分解油及び高沸点炭化水素を含む混合物中の熱分解油の重量分率を表し、ここで全酸価はASTM−D664を用いることによって測定されるものである)の最大で20%、好ましくは最大で10%、最も好ましくは最大で5%の全酸価(TAN)を有することができる。
脱水した熱分解油混合物は、そのままで船舶用及び/又は固定用途用の重質燃料の成分として用いることができる。或いは、脱水した熱分解油混合物は、水素化脱酸素、熱分解、流動接触分解、及び水素化分解、残油又は原油水素化処理、或いはかかるプロセスの組み合わせのような炭化水素転化プロセスのため、液化石油ガス、ガソリン、灯油、及び/又はディーゼル燃料を製造するための供給材料として用いることができる。これらのプロセスにおける供給材料として使用するためには、脱水した熱分解油混合物はそのまま用いることができ、或いは上記に規定する高沸点炭化水素又は高沸点炭化水素混合物と更にブレンドすることができる。
炭化水素転化プロセスは、それ自体当該技術において公知である。一例として、EP−A−2325281(好適な条件及び触媒を含む好適な流動接触分解プロセス、並びに好適な条件及び触媒を含む好適な水素化脱酸素プロセスが開示されている)を参照することができる。好ましくは、脱水した熱分解油混合物の流動接触分解は、更なる高沸点炭化水素又は更なる高沸点炭化水素混合物をそれと一緒に共供給又は共ブレンドしながら行う。好ましくは、脱水した熱分解油混合物、及び場合によってはそれと共に供給又はブレンドする任意の更なる高沸点炭化水素を、かかる流動接触分解中に、480℃以上で700℃以下の範囲の温度において、好ましくは上昇管反応器内で流動接触分解触媒と接触させる。流動接触分解触媒は、このために好適であることが当業者に公知の任意の触媒であってよい。好ましくは、かかる触媒は、ゼオライトY又はX、超安定ゼオライトY(USY)、希土類ゼオライトY(=REY)、又は希土類USY(REUSY)を含む。
炭化水素転化プロセスにおいて得られる生成物は、好適には、液化石油ガス、ガソリン、灯油、及び/又はディーゼル燃料を含むフラクションのような炭化水素生成物フラクションに分離することができる。好適な分離方法、例えば蒸留は当該技術において公知である。かかる炭化水素生成物フラクションは、輸送用燃料としてか、又は固定用途用の燃料として用いるのに好適である。
ここで、本発明を以下の実施例によって示す。
実施例1〜4:
フィンランド技術研究センター(VTT)から得た松林残渣由来の約22重量%の含水率を有する熱分解油を、高沸点炭化水素混合物と組み合わせて混合した。実施例1〜3における高沸点炭化水素混合物は、クウェートロングレジデュー(更にKLRと略称する)であった。このクウェートロングレジデューは更に、約0.14mg KOH/gの全酸価を有していた。実施例4における高沸点炭化水素混合物は、サウジアラビアショートレジデュー(更にSASRと略称する)であった。得られた混合物を、標準的な実験室用ロータリーエバポレーターの丸底フラスコ内に配置した。フラスコをロータリーエバポレーターに取り付けた後、フラスコの周りに油浴を配置し、フラスコを回転させながら110℃又は90℃に加熱した。ロータリーエバポレーターの内部の圧力を注意深く0.5kPa(5mbar)に低下させ、即ち混合物の突沸を抑止するようにした(この目的のために、更に多少のガラスビーズを加えた)。2時間かけて水フラクションを留去した。表Iに、高沸点炭化水素混合物のタイプ、材料の投入量、油浴の温度、及び得られた脱水した熱分解油混合物の含水率を示す。高沸点炭化水素混合物に関するC7−アスファルテン含量及び初留点(IBP)は次の通りであった。
フィンランド技術研究センター(VTT)から得た松林残渣由来の約22重量%の含水率を有する熱分解油を、高沸点炭化水素混合物と組み合わせて混合した。実施例1〜3における高沸点炭化水素混合物は、クウェートロングレジデュー(更にKLRと略称する)であった。このクウェートロングレジデューは更に、約0.14mg KOH/gの全酸価を有していた。実施例4における高沸点炭化水素混合物は、サウジアラビアショートレジデュー(更にSASRと略称する)であった。得られた混合物を、標準的な実験室用ロータリーエバポレーターの丸底フラスコ内に配置した。フラスコをロータリーエバポレーターに取り付けた後、フラスコの周りに油浴を配置し、フラスコを回転させながら110℃又は90℃に加熱した。ロータリーエバポレーターの内部の圧力を注意深く0.5kPa(5mbar)に低下させ、即ち混合物の突沸を抑止するようにした(この目的のために、更に多少のガラスビーズを加えた)。2時間かけて水フラクションを留去した。表Iに、高沸点炭化水素混合物のタイプ、材料の投入量、油浴の温度、及び得られた脱水した熱分解油混合物の含水率を示す。高沸点炭化水素混合物に関するC7−アスファルテン含量及び初留点(IBP)は次の通りであった。
・クウェートロングレジデュー(KLR):4.2重量%のC7−アスファルテン、及びIBP>350℃;
・サウジアラビアショートレジデュー(SASR):12.7重量%のC7−アスファルテン、及びIBP>261℃。
・サウジアラビアショートレジデュー(SASR):12.7重量%のC7−アスファルテン、及びIBP>261℃。
実施例1及び2において、水フラクションは、相当量の有機酸、特にギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及びグリコール酸を含んでいたことが分かった。
実施例1〜4の全部において安定な生成物が得られた。安定性は、この場合においては、脱水工程の直後に視認試験を用いて評価し、ここでは視認される相分離又は固形分の形成は観察できなかった。
実施例5:
実施例1〜4に示す方法で、51.84gの同じ熱分解油、並びに170.66gの真空軽油及び36.31gのクウェートロングレジデュー(KLR)を含む206.97gのブレンドを含む混合物から、脱水した熱分解油混合物を得た。クウェートロングレジデューは、350℃より高い初留点、及び4.2重量%のアスファルテン含量を有していた。このクウェートロングレジデューは更に、約0.14mg KOH/gの全酸価を有していた。油浴の温度は110℃であった。脱水した熱分解油混合物の含水率は0.09重量%であった。脱水した熱分解油混合物の試料を、小型の流動接触分解反応器内における接触分解にかけた。アモルファスアルミナマトリクス内に超安定ゼオライトY(USY)を含む商業的な平衡触媒を分解触媒として用いた。60%の転化率を達成するために用いた分解触媒/油の比は4.31であった。反応温度を520℃に維持し、圧力を120kPaに維持した。気相生成物を定量し、オンラインガスクロマトグラフィーによって特性分析した。−15℃において液体生成物流を回収し、真沸点分析及び二次元ガスクロマトグラフィーによって分析した。液化石油ガス(LPG)の収率は10.9重量%であり、ガソリンの収率は42.0重量%であり、軽質サイクル油の収率は26.0重量%であり、コークスの収率は5.08重量%であった。
実施例1〜4に示す方法で、51.84gの同じ熱分解油、並びに170.66gの真空軽油及び36.31gのクウェートロングレジデュー(KLR)を含む206.97gのブレンドを含む混合物から、脱水した熱分解油混合物を得た。クウェートロングレジデューは、350℃より高い初留点、及び4.2重量%のアスファルテン含量を有していた。このクウェートロングレジデューは更に、約0.14mg KOH/gの全酸価を有していた。油浴の温度は110℃であった。脱水した熱分解油混合物の含水率は0.09重量%であった。脱水した熱分解油混合物の試料を、小型の流動接触分解反応器内における接触分解にかけた。アモルファスアルミナマトリクス内に超安定ゼオライトY(USY)を含む商業的な平衡触媒を分解触媒として用いた。60%の転化率を達成するために用いた分解触媒/油の比は4.31であった。反応温度を520℃に維持し、圧力を120kPaに維持した。気相生成物を定量し、オンラインガスクロマトグラフィーによって特性分析した。−15℃において液体生成物流を回収し、真沸点分析及び二次元ガスクロマトグラフィーによって分析した。液化石油ガス(LPG)の収率は10.9重量%であり、ガソリンの収率は42.0重量%であり、軽質サイクル油の収率は26.0重量%であり、コークスの収率は5.08重量%であった。
比較のために、82.5重量%の真空軽油及び17.5重量%のクウェートロングレジデューを含むブレンドの試料を、同じ条件を用いて、同じ小型の流動接触分解反応器内における接触分解にかけた。60%の転化率を達成するために用いた分解触媒/油の比は4.41であった。液化石油ガス(LPG)の収率は10.4重量%であり、ガソリンの収率は42.8重量%であり、軽質サイクル油の収率は23.9重量%であり、コークスの収率は4.82重量%であった。
実施例6:
実施例1〜4に示す方法で、110℃の油浴温度を用いて、10重量%の同じ熱分解油、並びに82.5重量%の真空軽油、及び17.5重量%の実施例5のクウェートロングレジデュー(KLR)を含む90重量%のブレンドを含む混合物から、脱水した熱分解油混合物を得た。
実施例1〜4に示す方法で、110℃の油浴温度を用いて、10重量%の同じ熱分解油、並びに82.5重量%の真空軽油、及び17.5重量%の実施例5のクウェートロングレジデュー(KLR)を含む90重量%のブレンドを含む混合物から、脱水した熱分解油混合物を得た。
実施例7:
実施例1〜4に示す方法で、5重量%の同じ熱分解油、並びに95重量%の実施例5のクウェートロングレジデュー(KLR)を含む混合物から、脱水した熱分解油混合物を得た。油浴の温度は110℃であった。
実施例1〜4に示す方法で、5重量%の同じ熱分解油、並びに95重量%の実施例5のクウェートロングレジデュー(KLR)を含む混合物から、脱水した熱分解油混合物を得た。油浴の温度は110℃であった。
脱水した熱分解油混合物の全酸価は1.06mg KOH/gであった。個々の成分の全酸価に基づいて脱水前の熱分解油混合物の全酸価を計算すると、5mg KOH/gであった。
実施例8:
実施例1〜4に示す方法で、10重量%の同じ熱分解油、並びに90重量%の実施例5のクウェートロングレジデュー(KLR)を含む混合物から、脱水した熱分解油混合物を得た。油浴の温度は110℃であった。1時間かけて水フラクションを留去した。
実施例1〜4に示す方法で、10重量%の同じ熱分解油、並びに90重量%の実施例5のクウェートロングレジデュー(KLR)を含む混合物から、脱水した熱分解油混合物を得た。油浴の温度は110℃であった。1時間かけて水フラクションを留去した。
熱濾過試験において、得られた脱水した熱分解油混合物は0.11重量%の不溶物質を含むことが分かった。熱濾過試験は、熱濾過試験において用いたフィルターを規定通りにすすいだ後にエタノールによるすすぎをおこなうように修正したASTM−D4870にしたがって行った。同じ試験において、クウェート由来のロングレジデューは0.01重量%の不溶物質を含むことが分かった。
熱分解油を、高沸点炭化水素の不存在下(この場合にはクウェート由来のロングレジデューの不存在下)で水を蒸発させることによって脱水すると、熱分解油は実質的に不溶の物質に転化するであろう。
比較例A及び実施例9〜14:
実施例1〜4に示す方法で、熱分解油(比較例A)、又は熱分解油及び高沸点炭化水素混合物を含む混合物(実施例9〜14)から、脱水した熱分解油(比較例A)又は脱水した熱分解油混合物(実施例9〜14)を得た。熱分解油は、Biomass Technology Group, Enschede,オランダから得た。表IIに、高沸点炭化水素混合物のタイプ、材料の投入量、油浴の温度、得られた脱水した熱分解油混合物の含水率を示す。表IIにおいて言及する留出物は、蒸発し、凝縮し、回収された水フラクションを含む。水に加えて、この留出物は凝縮した酸を含む可能性がある。
実施例1〜4に示す方法で、熱分解油(比較例A)、又は熱分解油及び高沸点炭化水素混合物を含む混合物(実施例9〜14)から、脱水した熱分解油(比較例A)又は脱水した熱分解油混合物(実施例9〜14)を得た。熱分解油は、Biomass Technology Group, Enschede,オランダから得た。表IIに、高沸点炭化水素混合物のタイプ、材料の投入量、油浴の温度、得られた脱水した熱分解油混合物の含水率を示す。表IIにおいて言及する留出物は、蒸発し、凝縮し、回収された水フラクションを含む。水に加えて、この留出物は凝縮した酸を含む可能性がある。
実施例12〜14においては混合物を形成することができ、脱水することができたが、これらの実施例は、脱水の後において一定時間後に相分離及び固形分の形成が起こる可能性があるのであまり好ましくない。
比較例Aにおいて得られた脱水した熱分解油をディーゼル船舶燃料タイプA中に溶解する試みは失敗した。
実施例15:
実施例9において得られた脱水した熱分解油混合物と同様の脱水した熱分解油混合物を、残留燃料油(RFO、約10重量%のC7−アスファルテン含量、及び約200℃の初留点を有する)と混合して、10重量%の熱分解油を含み、残りは残留燃料油である混合物(混合物A)を得た。比較の目的のために、10重量%の脱水していない熱分解油を含み、残りは残留燃料油である混合物(混合物B)を調製した。混合物A及びBの試料を、50℃においてガラスビン内に貯蔵し、50℃におけるそれらの動粘度を一定間隔で測定した。混合物の動粘度は14日間の貯蔵期間にわたって実質的に一定であり(即ち5%以内のランダムな散らばりであり)、一方、混合物Bの動粘度は8日間の貯蔵時間内に3倍増加したことが明らかであった。本発明において用いる動粘度は、ASTM−D445にしたがって測定されるものである。
実施例9において得られた脱水した熱分解油混合物と同様の脱水した熱分解油混合物を、残留燃料油(RFO、約10重量%のC7−アスファルテン含量、及び約200℃の初留点を有する)と混合して、10重量%の熱分解油を含み、残りは残留燃料油である混合物(混合物A)を得た。比較の目的のために、10重量%の脱水していない熱分解油を含み、残りは残留燃料油である混合物(混合物B)を調製した。混合物A及びBの試料を、50℃においてガラスビン内に貯蔵し、50℃におけるそれらの動粘度を一定間隔で測定した。混合物の動粘度は14日間の貯蔵期間にわたって実質的に一定であり(即ち5%以内のランダムな散らばりであり)、一方、混合物Bの動粘度は8日間の貯蔵時間内に3倍増加したことが明らかであった。本発明において用いる動粘度は、ASTM−D445にしたがって測定されるものである。
実施例16〜21:
実施例1〜4に示す方法で、表IIIに示す高沸点炭化水素混合物及び熱分解油を含む混合物から、脱水した熱分解油混合物を得た。油浴の温度は110℃に維持した。1時間かけて水フラクションを留去した。高沸点炭化水素混合物の成分に関するC7−アスファルテン含量及び初留点(IBP)は次の通りであった。
実施例1〜4に示す方法で、表IIIに示す高沸点炭化水素混合物及び熱分解油を含む混合物から、脱水した熱分解油混合物を得た。油浴の温度は110℃に維持した。1時間かけて水フラクションを留去した。高沸点炭化水素混合物の成分に関するC7−アスファルテン含量及び初留点(IBP)は次の通りであった。
・クウェートロングレジデュー(KLR):4.2重量%のC7−アスファルテン、及びIBP>350℃;
・ダリアショートレジデュー(DSR):1.2重量%のC7−アスファルテン、及びIBP>350℃;
・バスラショートレジデュー(BSR):4.7重量%のC7−アスファルテン、及びIBP>350℃;
・真空軽油(VGO):0重量%のC7−アスファルテン、及びIBP>239℃。
・ダリアショートレジデュー(DSR):1.2重量%のC7−アスファルテン、及びIBP>350℃;
・バスラショートレジデュー(BSR):4.7重量%のC7−アスファルテン、及びIBP>350℃;
・真空軽油(VGO):0重量%のC7−アスファルテン、及びIBP>239℃。
脱水した混合物を、安定性及び目に見える固形分に関して視認検査した。
Claims (12)
- 熱分解油、及び少なくとも130℃の常圧沸点を有する炭化水素を含む混合物から水を蒸発させることを含む、熱分解油をアップグレードする方法。
- 熱分解油及び炭化水素を混合することによって混合物を形成する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
- 混合物を形成することが、最大で75/25の熱分解油/炭化水素の重量比で熱分解油及び炭化水素を配合することを含む、請求項2に記載の方法。
- 炭化水素が少なくとも150℃の常圧沸点を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 高沸点炭化水素混合物のアスファルテン含量が0.2重量%に等しいかそれより大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 炭化水素が製油所流を含む炭化水素混合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 炭化水素混合物がASTM−D5291によって測定して最大で0.15w/wのH/C比を有し、及び/又は炭化水素混合物が溶媒としてn−ヘプタンを用いてIP143によって測定して少なくとも0.7重量%のアスファルテン含量を有する、請求項6に記載の方法。
- 50℃〜200℃の範囲の塔底温度、及び0.1kPa〜60kPa(絶対圧)の範囲の圧力を用いて水を蒸発させることを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- −脱水した熱分解油混合物を炭化水素転化プロセスにおいて転化させ;そして
−炭化水素転化プロセスの生成物を炭化水素生成物フラクションに分離する;
ことを更に含む、脱水した熱分解油混合物を生成する請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法によって得られる燃料生成物。
- −熱濾過試験において用いたフィルターを規定通りにすすいだ後にエタノールによるすすぎを行うように修正したASTM−D4870による熱濾過試験を用いて測定して、熱分解油の重量に対して最大で10重量%の固形分含量;
−50℃での14日間の燃料生成物の貯蔵中に一定か又は貯蔵の開始時における値に対して最大で15%以内で変化する値を有する、50℃において測定されるASTM−D445にしたがって測定した動粘度;
−商A/B(ここで、Aは熱分解油の全酸価を表し、Bは熱分解油及び高沸点炭化水素を含む混合物中の熱分解油の重量分率を表し、全酸化はASTM−D664を用いて測定される)の最大で20%の全酸価(TAN);
を有する、好ましくは請求項1〜8のいずれかに記載の方法によって得られる燃料生成物。 - 請求項9に記載の方法によって得られる炭化水素生成物フラクション。
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