図示を簡明にするために、図面は、構成の概括的な態様を示し、周知の構成及び手法の説明及び詳細は、本発明の記載された実施例の説明を不必要にわかりにくくすることがないように割愛し得る。更に、図面中の構成要素は、必ずしも縮尺通りで描かれたものでない。例えば、図中の構成要素の一部の寸法を他の構成要素に対して強調して、本発明の実施例の理解を高めることに寄与し得る。現実世界の状況下では、対称性及び整然性がかなり低くなる可能性が高くなる、直線、鋭角、及び/又は平行平面を有する構造を示す場合等など、理解を助けるために、理想化されたやり方で特定の図を示し得る。別々の図における同じ参照符号は同じ構成要素を表す一方、同様な参照符号は、必ずしもそうではないが、同様な構成要素を表し得る。
特定の連続した順序又は時間的順序を表すためでは必ずしもないが、同様な構成要素を区別するために、明細書及び特許請求の範囲において「第1の」、「第2の」、「第3の」、及び「第4の」等の語が使用される。本明細書において記載した本発明の実施例が例えば、本明細書で例証したか、又は他の態様で説明したもの以外の順序で動作することができるように、前述のように使用される語は適切な状況下で入れ替え可能である。同様に、方法が、一連の工程を含むとして本明細書及び特許請求の範囲に開示されている場合、本明細書及び特許請求の範囲記載の前述の工程の順序は必ずしも、前述の工程を行い得る唯一の順序でなく、記載された工程の一部は場合によっては割愛し得、かつ/又は、本明細書及び特許請求の範囲に記載されていない特定の他の工程を場合によっては方法に追加し得る。更に、「備える」、「含む」、「有する」の語、及びそれらの何れかの変形は、非排他的な包含関係を包含することが意図され、構成要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は必ずしも前述の構成要素に限定されるものでないが、明示的に記載されていないか、又は前述のプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の構成要素を含み得る。
明細書及び特許請求の範囲における「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、「上方」、「下方」等の語は、説明の目的で使用され、明示的に、又は前後関係により、別途示されていることがない限り、恒久的な相対位置を表すためでないものとする。本明細書において記載した本発明の実施例が例えば、本明細書で例証したか、又は他の態様で説明したもの以外の他の向きで動作が可能であるように、前述のように使用される語は適切な状況下で入れ替え可能であるものとする。本明細書及び特許請求の範囲で使用する「結合」の語は、電気的又は非電気的な態様で直接、又は間接的に接続されるものとして定義される。互いに「隣接している」として本明細書に記載した物体は、上記句が使用される前後関係に適切であるように、互いに物理的に接しているか、互いに近接しているか、又は互いに概ね同じ領域又はエリアにあり得る。本明細書中の「一実施例における」との句が記載されていることは、必ずしも全てが同じ実施例を表している訳でないものとする。
一局面では、本発明の実施例では、導電構造における結晶面方位に沿って主チャネルを形成することにより、導電構造内の複数の主チャネルを含む多孔質構造の表面積を増加させる、エネルギ蓄積デバイス、及びエネルギ蓄積デバイスを形成する方法を説明する。一実施例では、主チャネルはそれぞれ、多孔質構造の主表面に対して鋭角に配向した結晶面方位に沿って導電構造内に延びる。一実施例では、サイド・チャネルは、例えば、電気化学エッチング浴槽内のエッチング電流方向に沿って、導電構造内に主チャネルそれぞれの側表面から延びる。
一局面では、本発明の実施例は、エネルギ蓄積デバイスと、拡散経路長を削減して、エネルギ蓄積デバイスを形成する方法とを開示する。一実施例では、エネルギ蓄積デバイスは、線形テーパー型の複数の主チャネルを含む多孔質構造を含む。例えば、線形テーパー型の主チャネルは、非線形的態様で電気化学エッチング電流を変えることによって形成し得る。別の実施例では、電気化学エッチング電流は、複数の主チャネルにおいて貯留部を形成するよう非線形的に変えることが可能である。前述の構造は、イオンの拡散経路長を削減し得、それにより、拡散時定数を低減し、より高い電力で前述のエネルギ蓄積デバイスの動作を可能にする。
一局面では、本発明の実施例は、エネルギ蓄積デバイスと、多孔質構造を強化して、エネルギ蓄積デバイスを形成する方法とを開示する。一実施例では、エネルギ蓄積デバイスは、一次表面形状と、一次表面形状上に重ねた二次表面形状とを含む複数の主チャネルを含む多孔質構造を含む。一実施例では、二次電気化学エッチング電流変動が、一次電気化学電流変動上に重ねられる。例えば、二次電気化学エッチング電流変動は、正弦関数の線形加算であり得る。前述の正弦変動は、多孔性における急峻な変化をなくし得、それにより、応力集中が低減し、多孔質構造が強化される。
一局面において、本発明の実施例は、エネルギ蓄積デバイス、及びエネルギ蓄積デバイスを形成する方法において、電気化学エッチング条件は、孔サイズを削減するよう制御され、それにより、エネルギ蓄積デバイスの静電容量及び孔表面積が増加する、エネルギ蓄積デバイス、及びエネルギ蓄積デバイスを形成する方法を開示する。一実施例では、電気化学エッチング浴槽は、おおよそ室温以下で動作させる。一実施例では、電気化学エッチング浴槽は、HF:アルコールの濃度が2:1以上のHF濃度を含む。一実施例では、アルコールは、イソプロピル・アルコール又はエチル・アルコールであり得る。
一局面では、本発明の実施例は、エネルギ蓄積デバイスの2つの電極間の表面積を増加させることにより、実効直列抵抗を削減して、エネルギ蓄積デバイスを形成する方法、及びエネルギ蓄積デバイスを開示する。一実施例では、表面積は、多孔質電極構造の一方又は両方の多孔質構造の主表面におけるV溝部又はピラミッドの凹部のアレイを形成することにより、増加させる。
一局面では、本発明の実施例は、エネルギ蓄積デバイスを形成するための混合材料手法を開示する。一実施例では、第1の多孔質電極は、導電基板において多孔質構造を電気化学エッチングすることによって形成される。一実施例では、第1の多孔質電極は、導電基板において他の回路と一体化し得る。セパレータ及び第2の多孔質電極を次いで、薄膜蒸着手法を利用して第1の多孔質電極上に蒸着させ得る。
一局面では、本発明の実施例は、エネルギ蓄積デバイスと、自立性多孔質構造を得るために領域電子化学エッチングを利用して、エネルギ蓄積デバイスを形成する方法とを開示する。一実施例では、多孔質構造は、電気化学エッチング浴槽に沈めた導電基板において形成され、続いて、電気化学エッチング電流を増加させて導電基板から多孔質構造を放出する。放出された多孔質構造をセパレータ層及び第2の多孔質層と結合させてエネルギ蓄積デバイスを形成する。
本明細書の記載の大半は、(疑似コンデンサ及び電気二重層コンデンサを含む)電気化学コンデンサに焦点を当てているが、「エネルギ蓄積デバイス」との呼称は明示的には、ECに加えて、ハイブリッドEC、及び、バッテリ、燃料電池、並びにエネルギを蓄積する同様なデバイスを含む。本発明の実施例によるエネルギ蓄積デバイスは、自動車、バス、電車、飛行機、他の輸送車両、家庭用エネルギ蓄積装置、太陽エネルギ発電機又は風力エネルギ発電機(特に、環境エネルギ発電装置)によって発生するエネルギ用の蓄積デバイス他多くを含む。
電気化学コンデンサは、従来の平行板コンデンサを支配する原理と同様な原理に応じて動作するが、特定の重要な相違点があてはまる。重要な相違点の1つは、電荷分離の機構である。重要な1つのクラスのECの場合、これは通常、従来のコンデンサの誘電体の形態でなく、いわゆる電気二重層すなわちEDLの形態をとる。EDLは、電解質と、高表面積電極との間の界面におけるイオンの電気化学挙動によって生成され、層が互いに近いことにもかかわらず、電荷が事実上分離することをもたらす。(物理的離間距離は単一のナノメータ程度である。)よって、通常のEDLコンデンサは、そのEDLにおいて電荷を蓄積しているものとみなし得る。EDLの各層は導電性を有しているが、二重層の特性により、電流がそれらの間の境界を流れることが妨げられる。(EDLは更に、図2に関して以下に説明する。)
従来のコンデンサにおいてあてはまるように、EDLコンデンサにおける静電容量は、電極の表面積に比例し、電荷離間距離に反比例する。EDLコンデンサにおいて実現可能な非常に高い静電容量は部分的には、上述のような電解質の存在が理由で生じる、EDLに起因するナノメートルスケールの電荷離間距離、及びマルチチャネル多孔質構造に起因する非常に高い表面積による。本発明の実施例によって使用し得る電解質の一タイプは、イオン性液体である。別のタイプは、イオン含有溶剤を含む電解質である。有機電解質、水性電解質、及びソリッドステート電解質も考えられる。
別のクラスの電気化学コンデンサは疑似コンデンサであり、EDL静電容量に加え、更なる蓄積機構(1つは、ファラデー性を有し、静電気を原因としない)が特定のタイプの電極の表面において生じ得る。更なる蓄積機構は通常、「疑似静電容量」と呼ばれ、多くの固体電極バッテリと動作の同様な電荷蓄積プロセスによって特徴付けられる。2つの蓄積機構は互いに補完し、EDL静電容量のみによって可能であるよりも更に大きなエネルギ蓄積の潜在性につながる。通常、疑似コンデンサの電極の一方、MnO2、RuO2、NiOx、Nb2O5、V2O5等などの遷移金属酸化物で、又は、Mo2N、VN、W2N、W2C(タングステン・カーバイド)、Mo2C、VC、適切な導電ポリマー、又は同様な材料を含む他の材料で被覆される。前述の材料は、水酸化カリウム(KOH)溶質などの電解質とともに使用することが可能である。デバイスが充電されると、電解質は上記材料と反応し、エネルギが蓄積される電荷移動反応を促進させる。より具体的には、前述の材料は、高可逆性の表面及び近表面の電子移動(例えば、酸化還元(ファラデー性))反応により、そのエネルギの大半を蓄積し、それにより、高速充放電動力学により、従来のバッテリにおける大容量蓄積よりも高い電力が可能になる。
疑似コンデンサは、上述の電解質とは別の電解質を使用して構成し得る。例えば、Li2SO4又はLiPF6などのイオン含有溶剤を電解質として使用し得、前述は、結合を破壊することなく、ホスト構造の表面への種の挿入が関係するインターカレーション反応をもたらす。上述の他の疑似静電容量性反応のような前述の反応は、電荷の移動をもたらし、これも、ファラデー性を有しており、特殊なタイプの酸化還元反応であるが、酸化還元反応とみなされる。
ハイブリッド電気化学コンデンサは、EC及びバッテリの属性を組み合わせたエネルギ蓄積デバイスである。一例では、ECの高速充放電特性及びバッテリの高エネルギ密度を有するデバイスを作成するために、リチウムイオン材料で被覆した電極を電気化学コンデンサと組み合わせる。一方、バッテリのようなハイブリッドECは、電気化学コンデンサが有するよりも短い期待寿命を有する。
図1は、本発明の実施例による、エネルギ蓄積デバイス100の断面側面図である。図示するように、エネルギ蓄積デバイス100は、電気絶縁体であり、イオン導電体であるセパレータ130により、互いに離間した導電構造110及び導電構造120を備える。セパレータ130は、導電構造110及び120が互いに物理的に接触することを妨げて、電気短絡を妨げる。例えば、セパレータ130は、透過膜又は他の多孔質ポリマー・セパレータであり得る。一般に、セパレータは、イオン電荷キャリアの移動を可能にする一方で、(デバイス内の電気的な故障をもたらす、)陽極及び陰極の物理的接触を妨げる。ポリマー・セパレータに加えて、他のいくつかのセパレータ・タイプが考えられる。前述には、不織布、液体膜、ポリマー電解質、固体イオン導電体等が含まれる。他の実施例では、セパレータは必要でなく、割愛することが可能である。
導電構造110及び120の少なくとも一方は、多孔質構造を有する。図1に示す実施例では、導電構造は何れも導電多孔質構造を有する。一部の実施例によれば、多孔質構造は、複数の主チャネル111及び121を含み、それらはそれぞれ、個別の多孔質構造の主表面に対する開口部を有する。前述の構成は、多孔質構造を形成するために使用される、後述する電気化学エッチング・プロセスの結果であり得る。例として、多孔質構造は、導体材料又は半導体材料などの導電材料内に形成し得る。あるいは、多孔質構造は、導電膜(例えば、窒化チタン(TiN)などのALD導電膜)で被覆している絶縁材(例えば、アルミナ)内に形成し得る。この点で、より大きな導電性を有する材料は実効直列抵抗(ESR)を低下させるので有利である。図示した実施例では、導電構造110及び導電構造120は何れも、前述の多孔質構造を有する。よって、導電構造110は対応する多孔質構造の主表面115に対する開口部112を有する主チャネル111を有し、導電構造120は対応する多孔質構造の主表面125に対する開口部122を有する主チャネル121を有する。導電構造110及び導電構造120の一方のみが、複数の主チャネルを有する多孔質構造を有する実施例では、他方の導電構造は例えば、金属電極、ポリシリコン構造、炭素、炭素ベースの材料、Liイオン含有材料、又は疑似静電容量性材料であり得る。
実施例では、多孔質シリコン構造は、電気化学エッチング浴槽内のフッ化水素酸及びアルコールの混合液により、導電性シリコン基板をエッチングすることによって作成し得る。しかし、本発明の実施例は多孔質シリコン構造に限定されず、本発明の実施例は電気化学エッチングに限定されない。本明細書及び特許請求の範囲では電気化学エッチングは、導電構造において多孔質構造を形成する一方法として説明する。多孔質シリコンの他に、本発明の実施例によるエネルギ蓄積デバイスに特に良く適していることがあり得る特定の他の材料には、多孔質ゲルマニウム及び多孔質スズがある。多孔質シリコンを使用することの考えられる利点には、既存のシリコン技術とのその互換性が含まれる。多孔質ゲルマニウムは、前述の材料の既存技術の結果と同様な利点を享受し、シリコンと比較して、その自然酸化物(ゲルマニウム酸化物)が水溶性を有し、よって、容易に除去される。(シリコンの表面上に生じる自然酸化物は電荷を捕捉し得る。これは、特に、シリコン多孔性が約20%より大きい場合に、望ましくない結果である。)多孔質ゲルマニウムは更に、シリコン技術との互換性が高い。バンドギャップがゼロの材料である多孔質スズを使用することの考えられる利点には、特定の他の導体材料及び半導体材料に対して向上させた導電率が含まれる。シリコン・カーバイド、シリコン及びゲルマニウムの合金などの合金、銅、アルミニウム、ニッケル、カルシウム、タングステン、モリブデン、及びマンガンなどの金属を含む他の材料も多孔質材料に使用し得る。
エネルギ蓄積デバイス100は任意的には、主チャネル111及び/又は主チャネル121の少なくとも一部において、かつ、多孔質構造の少なくとも一部分上に被覆140を含み得る。一実施例では、被覆140は誘電体層である。誘電体層は、エネルギ蓄積デバイスの静電容量を更に向上させるために導入し得、又は、限定列挙でないが、表面パッシベーション及びぬれ性の向上などの他の理由で導入し得る。一実施例では、被覆140は、多孔質構造の導電率を維持し、又は向上させるための導電被覆であり、又は、ESRの削減に寄与し、それにより、特性を向上させ得る。例えば、より低いESRを有するデバイスは、(より大きな加速度、より大きな馬力等の点で表し得る、)より高い電力を供給することができる。対象的に、より高いESR(通常のバッテリ内に存在している状態)は、エネルギの多くが熱として排出されることが理由で、利用可能なエネルギの量を制限する。
更に、電気二重層(EDL)をもたらす電解質150を図1に示す。
EDLは図2に略示する。図2に示すように、EDL230は、主チャネル111の1つにおいて形成されている。EDL230は、2つの電荷層でできている。その一方は、(図2では正であるとして描いているが、負でもよい、)主チャネル111の側壁の電荷であり、その他方は、電解質内の自由イオンによって形成される。EDL230は、表面を電気的に絶縁し、よって、コンデンサが機能するために必要な電荷分離を提供する。EDLCの大きな静電容量、及び、よって、エネルギ蓄積の潜在性が、電解質イオンと電極表面電荷との間の小さな(約1nmの)離間によって生じる。一部の実施例では、電解質150は有機である。本発明の実施例によって使用し得る電解質の一タイプは、イオン性溶質(液体又は固体)である。別のタイプは、イオン含有溶媒を含む電解質(例えば、Li2SO4、LiPF6)である。一例として、電解質は、アセトニトリル中のテトラフルオロほう酸テトラエチルアンモニウムなどの有機材料の液体溶質又は固体溶質であり得る。他の例には、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、又は弱有機酸に基づいた溶質が含まれる。有機電解質及びソリッドステート電解質も考えられる。電解質150(及び本明細書及び特許請求の範囲記載の他の電解質)は、円のランダムな配置を使用して図面において表す。前述の表現は、電解質が、自由イオンを含む物質(ジェルに似た材料を含む液体又は固体)であるという考えを伝えることを意図している。円は便宜のために選んでおり、イオンの数、形状、又はサイズに関する如何なる限定も含む、成分又は品質についての如何なる限定を示唆することも意図していない。
更に、図1中の多孔質構造の描写は、一例に過ぎないが、主チャネル111及び121全てが単一方向に延びているとして示しているという点で、非常に理想化しているものであることに留意されたい。実際には、主チャネルは、粗表面を有し、複数の方向に分岐し得る。例示的な多孔質構造を図3、及び図6乃至図7に示す。同様に、図2中の主チャネル111の表面は粗いとして示している。
一実施例では、導電構造110及び/又は120の多孔質構造は導電構造110及び120内に複数の主チャネル111、121を含み、主チャネルはそれぞれ、対応する多孔質構造の主表面115、125に対する開口部112、122を有し、主チャネル111、121はそれぞれ、主表面115、125に対して鋭角で導電構造110、120に延びる。複数の主チャネル111、121は、電気化学エッチング中に局所電流の流れの方向に導電構造にエッチングすることによって「電流線」配向させ得、又は、複数の主チャネル111、121は好ましくは、導電構造に結晶学的方位にエッチングし得る。一実施例では、主表面115は(1011)表面であり、主チャネル111それぞれは、図3に記載する断面側面図に示すように、主表面に対して鋭角で、<100>結晶面方向に沿って導電構造110に延びる。一実施例では、サイド・チャネルは主チャネルそれぞれの側表面から多孔質構造に延びる。図4は、本発明の実施例による、図1に示すものと同様なエネルギ蓄積デバイス100を示す断面側面図である。図示するように、導電構造110及び/又は120の多孔質構造は、対応する多孔質構造の主表面115、125に対する開口部112、122を主チャネルのそれぞれが有する主チャネル111、121を含む。更に、サイド・チャネル117、127が、主表面115、125及び主チャネル111、121の側表面において形成される。
図5は、本発明の実施例による、導電構造110に形成された主チャネル111の拡大断面側面図である。図5に示すように、サイド・チャネル117は好ましくは、側表面111Aでなく、側表面111Bに形成される。一実施例では、サイド・チャネル117の好適な形成は、電気化学エッチング電流方向に沿って行われる。図6は、本発明の実施例により、(322)シリコン表面に形成された多孔質構造の断面側面図である。図示するように、主チャネル111は、多孔質構造の(322)主表面115に対して鋭角で<100>結晶面方位に沿って導電構造110に延びる。サイド・チャネル117は好ましくは、側表面111Aに対して側表面111Bにおいて形成される。図7は、本発明の実施例による、(111)シリコン表面において形成された多孔質構造の断面側面図である。図示するように、主チャネル111は、多孔質構造の(111)主表面115に対して鋭角で<113>結晶面方位に沿って導電構造110に延びる。サイド・チャネル117は好ましくは、側表面111Aに対して側表面111Bにおいて形成される。別の実施例では、主チャネルは、<100>結晶面方位に沿って導電(5512)基板に延びる。
もう一度、図1及び図4を参照すれば、エネルギ蓄積デバイス100は、第1の多孔質構造と、第2の多孔質構造と、第1の多孔質構造と第2の多孔質構造との間のセパレータ130とを含む。第2の多孔質構造は、第2の主チャネルそれぞれが第2の主表面125に対する第2の開口部122を有し、第2の主表面125に対して第2の鋭角で第2の導電構造120に延びる第2の複数の主チャネル121を含み得る。一実施例では、第1の多孔質構造の複数の主チャネル111、及び第2の多孔質構造の複数の主チャネル121は互いに並列である。例えば、主表面115、125は同じ結晶面に沿って形成し得る。一実施例では、主表面は、(1011)、(322)、(111)、又は(5512)結晶面に沿って形成される。
以下に更に詳細に説明するように、主チャネルは拡散時定数を削減するよう構成し得る。一実施例では、主チャネルは線形テーパー型である。一実施例では、主チャネルは貯留部を含む。例えば、主チャネルは、貯留領域及び接続領域を交互に備えた砂時計形状を含み、貯留領域は接続領域よりも幅が広いことがあり得る。
以下に更に詳細に説明するように、主チャネルは、多孔質構造を強化するよう形成し得る。例えば、複数の主チャネルは、一次表面形状と、一次表面形状上に重ねた二次表面形状とを含み得る。一実施例では、一次表面形状は線形又は線形テーパー型である。一実施例では、二次表面形状は正弦である。前述の正弦変動は、多孔性における急峻な変化をなくし得、それにより、応力集中が低減し、多孔質構造が強化される。
以下に更に詳細に説明するように、電気化学エッチング浴槽状態は更に、エッチング浴槽温度を低下させ、エッチング浴槽のフッ化水素酸(HF)濃度を増加させて、酸化及び酸化物除去系列を減速させることにより、孔サイズを削減し、表面積を増加させるよう主チャネルのエッチングの際に制御し得る。
以下の変形の多くを別個に説明しているが、特定の実施例が必ずしも別個でなく、適宜、組み合わせ得る。
一実施例では、多孔質電極は、導電基板の主表面に対する開口部を各主チャネルが有しているように導電基板に複数の主チャネルを電気化学エッチングすることによって形成され、主チャネルはそれぞれ、主表面に対して鋭角で導電基板に延びる。複数の主チャネルは、電気化学エッチング浴槽内の電流の流れの方向に沿って鋭角に形成することが可能であり、又は、導電基板において結晶面方位に沿って形成することが可能である。一実施例では、電気化学エッチングは、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの有機電解質又はフッ化水素酸を含むエッチング浴槽に導電基板を浸漬する工程を含む。電気化学エッチング・プロセスはそれ自体が高異方性を有するが、通常、電気化学エッチング・プロセス中に、第2の異方性エッチング手順が緩慢に行われる。前述の第2のエッチング手順は、エッチング浴槽において存在している種(例えば、水)を酸化させることによる、導体基板(例えば、シリコン)の自発酸化、及びフッ化水素酸によるこの酸化物の除去を含み得る。一実施例によれば、電気化学エッチング浴槽における種を酸化させる量を、等方性エッチング手順の速度を減少させるために削減し、それにより、エッチ全体の異方性が増大する。
図8は、本発明の実施例による、多孔質電極を形成する方法を示すフローチャートである。図示したように、動作810では、導電基板を電気化学エッチング浴槽に浸漬する。動作820では、エッチング電流を導電基板に流す。動作830では、エッチング電流を非線形的に変えて導電基板内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成し、主チャネルそれぞれは、多孔質構造の主表面に対する開口部を有する。
本発明の実施例によれば、図8に示す方法は、拡散経路長が削減されたエネルギ蓄積デバイスを形成するよう利用し得る。それにより、拡散時定数が減少し、より高い電力での前述のエネルギ蓄積デバイスの動作が可能になる。図8に示す方法は更に、図1及び図4に示す導電構造110及び120などの多孔質電極の形成中に、又は、図19乃至図21、及び図24乃至図25などについて後述する他の多孔質構造の形成中に実現し得る。一実施例では、動作830において非線形的にエッチング電流を変える工程は、相対的に高い電流及び低い電流の交互のノードにおけるエッチング電流を変える工程を含む。例えば、これは、図9に示す実施例において示すように交互の貯留領域910及び接続領域920をもたらし得、貯留領域は接続領域よりも広い。一実施例では、主チャネル111は約0.05乃至5μm、より具体的には約0.2μmの平均幅を有し、幅の変動は、貯留領域910と接続領域920との間で約0.01乃至0.25μmである。一実施例では、動作830において非線形的にエッチング電流を変える工程は、エッチング電流を連続して低下させる工程を含む。例えば、これは、図10に示す実施例において示すように主表面115から各主チャネル111の底部への内向きのテーパー状の側壁111A、11Bをもたらし得る。一実施例では、主チャネル111の底部における幅は、主表面115における主チャネル111の幅よりも0.01μm以上0.25μm未満少ない。図9及び図10に示す主チャネル111は主表面に対して鋭角にあるが、前述の図示は例示であり、本発明の実施例はそれに限定されない。例えば、図9の交互の貯留領域及び接続領域、又は図10の内向きのテーパー状の側壁は、主表面に対して直交しているように主チャネルを示す図23B、及び図19乃至図12に示す実施例において実現することが可能である。
図11は、本発明の実施例による、多孔質電極を形成する方法を示すフローチャートである。図示したように、動作1110では、導電基板を電気化学エッチング浴槽に浸漬する。動作1120では、主チャネルのそれぞれが多孔質構造の主表面に対する開口部を有する、導電基板内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成するために、エッチング電流を導電基板に流し、エッチング電流は、一次電流変動に重ねた二次エッチング電流変動を含む。
本発明の実施例によれば、図11に示す方法は、強化された多孔質構造を有するエネルギ蓄積デバイスを形成するよう利用し得る。図11に示す方法は更に、図1及び図4に示す導電構造110及び120などの多孔質電極の形成中に、又は、図19乃至図21、及び図24乃至図25などについて後述する他の多孔質構造の形成中に実現し得る。一実施例では、一次電流変動は非線形電流変動であり得る。一実施例では、非線形電流変動は、二次多項式、又は三次多項式によって近似される。一実施例では、二次電流変動は正弦関数の線形加算である。前述の正弦変動は多孔性における急激な変動をなくし、それにより、応力集中が削減され、多孔質構造が強化される。図12は、一次線形形状及び重ねた正弦形状を有する側壁111A、111Bを含む主チャネル111を示す図であり、側壁は内向きテーパー状である。図13は、一次線形形状及び重ねた正弦形状を有する側壁111A、111Bを含む主チャネル111を示す図であり、側壁は内向きテーパー状である。一実施例では、主チャネルは約0.05乃至5μm、又は具体的には約0.2μmの平均幅を有し、重ねた二次形状に沿った幅の変動は2乃至50nmであり、これは、多孔性における急激な変動をなくし、高い応力集中を除去するのに十分であり得る。図12乃至図13に示す主チャネル111が主表面に対して鋭角にある一方、前述の例証は例示であり、本発明の実施例はそれに限定されない。例えば、図12及び図13の重ねた正弦形状は、主表面と直交しているとして主チャネルを示す図19乃至図21、及び図23Bに示す実施例において実現することが可能である。
上述のように、電気化学エッチングは、多孔質電極の多孔質構造を形成するために使用し得る。一部の実施例では、表面積を増加させ、又は拡散経路長を削減するために、特定のエッチング手法を行っている。一部の実施例では、孔のサイズを削減するために電気化学エッチング条件が更に制御され、それにより、エネルギ蓄積デバイスの静電容量及び孔表面積が増加する。一実施例では、多孔質電極を形成する方法は、電気化学エッチング浴槽に導電基板を浸漬し、導電基板にエッチング電流を流して、電気化学エッチング浴槽をおおよそ室温以下に維持する一方で、導電基板内の複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成する工程を含む。標準電気化学エッチング・プロセスはエッチング浴槽温度を制御しないことがあり得、多くの場合、電気化学エッチング・プロセス中に室温を上回る温度に加熱する。電気化学エッチングが進むにつれ、エッチングされている基板は酸化し、次いで、酸化物がエッチングで除去される。より高い温度では、酸化及び除去のプロセスは、より速くなる。よって、一実施例では、電気化学エッチング中に室温以下にエッチング浴槽温度を保つことにより、酸化が遅くなり、酸化物エッチング・プロセスにより、孔が小さくなる。
一実施例では、多孔質電極を形成する方法は、HF:アルコール濃度が2:1以上のHF濃度を含む電気化学エッチング浴槽内に導電基板を浸漬し、導電基板にエッチング電流を流して、導電基板内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成する工程を含む。一実施例では、HF:アルコールの濃度が3:1以上のHF濃度である。酸化、及び酸化物の除去という推移は、より低いHF濃度の結果である。よって、一実施例では、HF:アルコール濃度はHFについて2:1に、又は、より具体的には3:1に増加させる。一部の実施例では、エッチング浴槽温度は室温以下に保たれ、HF:アルコール濃度は少なくとも2:1であるか、又は、より具体的には、少なくとも3:1である。
次に図14を参照するに、本発明の実施例による、V溝部又はピラミッドの凹部のアレイを備えた多孔質電極を形成する方法を示す。動作1410では、結晶基板上にハード・マスクをパターニングして線アレイを形成する。動作1420では、次いで、結晶基板をエッチングして、V溝部又はピラミッドの凹部のアレイを結晶基板の主表面に形成する。結晶基板の主表面は本明細書記載の多孔質構造の主表面と同じであり得る。動作1430では、V溝部又はピラミッドの凹部のアレイに開口部を有する複数の主チャネルで、結晶基板内に電気化学的エッチングする。主表面において開口部を有する主チャネルも形成し得る。
図15及び図16は、本発明の実施例による、多孔質構造の主表面115に形成されたV溝部の凹部のアレイを形成する方法の上面図である。図15に示すように、窒化ケイ素(Si3N4)などのハード・マスクが、線アレイ1510における結晶基板上にパターニングされる。図示した特定の実施例では、結晶基板は本明細書記載の導電基板110である一方、限定でないが、導電基板120を含む他の基板でもよい。一実施例では、結晶基板は(100)シリコン基板である。図16を次に参照するに、V溝部の凹部のアレイ1660は結晶基板にエッチングされる。一実施例では、V溝部の凹部のアレイ1660は、(111)面に沿って形成された結晶(100)シリコン基板形成側表面1660A、1660Bにエッチングされる。V溝部の凹部のアレイのエッチングは、水酸化カリウム(KOH)、エチレンジアミン・ピロカテコール(EDP)、又は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの、<111>面方位よりも、<100>面方位において、より高いエッチ選択性を有する適切なエッチング液を含み得る。
図17及び図18は、本発明の実施例による、多孔質構造の主表面115に形成されたピラミッドの凹部のアレイを形成する方法の上面図である。図17に示すように、窒化ケイ素(Si3N4)などのハード・マスクが、線アレイ1510における結晶基板上にパターニングされる。図示した特定の実施例では、結晶基板は本明細書記載の導電構造110である一方、限定でないが、導電構造120を含む他の基板でもよい。一実施例では、結晶基板は(100)シリコン基板である。図18を次に参照するに、ピラミッドの凹部のアレイ1870は結晶基板にエッチングされる。一実施例では、ピラミッドの凹部のアレイ1870は、(111)面に沿って形成された結晶(100)シリコン基板形成側表面1870A、1870B、1870C、1870Dにエッチングされる。ピラミッドの凹部のアレイのエッチングは、水酸化カリウム(KOH)、エチレンジアミン・ピロカテコール(EDP)、又は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの、<111>面方位よりも、<100>面方位において、より高いエッチ選択性を有する適切なエッチング液を含み得る。
もう一度図16及び図18を参照するに、V溝部1660又はピラミッド1870の凹部のアレイのエッチング後のパターニングされたハード・マスク線1510を除去すると、主表面115のほぼ平坦な部分が露出する。しかし、複数の主チャネルを含む多孔質構造はまだ完全に形成されておらず、多孔質構造の主表面115は更に、導電構造110などの導電構造、又は結晶構造の主表面に対応し得る。
図19乃至図20は、複数の主チャネルの形成後、本発明の実施例による、V溝部1660又はピラミッド1870の凹部のアレイを含むエネルギ蓄積デバイスの多孔質構造を示す断面側面図である。図示するように、複数の主チャネル111は、V溝部1660又はピラミッド1870の凹部のアレイにおいて開口部112を含み得る。図19に示す実施例では、結晶基板110の主表面115における最上位の平坦な部分は存在しない。図20に示す実施例では、V溝部1660又はピラミッド1870の凹部のアレイは、結晶基板110の主表面115内の最上位の平坦な部分116によって離間している。最上位の平坦な部分116の幅、又はそれがないことは、パターニングされたハード・マスク線1510、1710の幅の選択によって制御し得る。
図19及び20に示す実施例では、主チャネル111は、存在する場合、主表面115の平坦な部分116に対して直交している結晶基板110において電気化学的にエッチングされる。例えば、結晶基板が結晶(100)シリコン基板である場合、主チャネル111は、(100)表面に対して直交している<100>面方位において電気化学的にエッチングし得る。図19乃至図20に示す主チャネル111が主表面に対して直交している一方、前述の例証は例示であり、本発明の実施例はそれに限定されない。例えば、主チャネル111は、電流線の電気化学エッチング方向の向きにより、主表面に対して鋭角で形成し得る。
次に図21を参照するに、本発明の実施例による、エネルギ蓄積デバイスの断面側面図を示す。図示したように、エネルギ蓄積デバイス100は、第1の導電構造110及び第2の導電構造120(例えば、多孔質電極)、並びに第1の導電構造110と第2の導電構造120それぞれ内の多孔質構造間のセパレータ130を含み得る。各多孔質構造は、対応するV溝部又はピラミッドの凹部における開口部112、122を各主チャネル111、121が有する、V溝部又はピラミッドの凹部毎に導電構造110、120に延びる複数の主チャネル111、121と、多孔質構造の主表面115、125内のV溝部又はピラミッドの凹部のアレイとを含む。図21に示す実施例では、セパレータ130は、V溝部又はピラミッドの凹部のアレイに延びる。一実施例では、第2の導電構造120の第2の多孔質構造は第1の導電構造110の多孔質構造におけるV溝部又はピラミッドの凹部のアレイに延びる。セパレータ130を種々のやり方で導電構造110上に形成することが可能である。例えば、セパレータ130は、蒸着し、又は積層し得る。一実施例では、セパレータ130は、導電基板110上に配置された伸縮性膜である。
図22は本発明の実施例により、エネルギ蓄積デバイスを形成する方法を示すフローチャートである。図23A乃至図23Bは、本発明の実施例による、エネルギ蓄積デバイス2300の断面側面図である。動作2210において、セパレータ層130が、複数の主チャネル111を含む第1の導電多孔質電極の上に形成され、各主チャネルは、第1の電電多孔質電極の主表面115に対する開口部を有する。セパレータ130は、種々のやり方で第1の導電多孔質電極上に形成することが可能である。例えば、セパレータ130は、蒸着し、又は積層することが可能である。一実施例では、セパレータ130は、第1の導電多孔質電極上に配置された伸縮性膜である。導電多孔質電極は、本明細書及び特許請求の範囲記載の導電構造の何れかであり得る。一実施例では、導電多孔質電極は、図1、図4、図19乃至図21、又はそれらの変形の何れかに示すような導電構造110である。図23Aに示す実施例では、主表面115は比較的平坦である。図23Bに示す実施例では、V溝部1160又はピラミッド1870の凹部のアレイが主表面115において形成される。複数の主チャネル111は、多孔質構造の主表面115に対して直交する導電構造110に延び得、又は、主表面115に対して鋭角で導電構造110に延び得る。動作2220で、第2の導電多孔質電極2320を、化学蒸着(CVD)、スピン・コーティング、物理蒸着(PVD)、及び電気めっきなどの適切な薄膜蒸着手法を使用してセパレータ層130上に蒸着させる。一実施例では、第2の導電多孔質電極130は、炭素、炭素ベースの材料、又は疑似静電容量性材料などの材料であり、第1の導電多孔質電極は、シリコン、シリコン・カーバイド、ゲルマニウム、及びスズを含む群から選択される材料である。一実施例では、第2の導電多孔質電極はリチウムをドープしたCVD蒸着炭素である。一実施例では、第2の導電多孔質電極はナノダイアモンド炭素膜である。ナノダイアモンド炭素膜はヒート・シンクと関連付け得る。図23A乃至図23Bに示すハイブリッド材料手法では、第1の多孔質電極を導電基板において他の回路2330と一体化し得る。例えば、回路2330は、第1の多孔質電極を形成する導電構造110でもあるシリコン基板110内に形成された集積回路であり得る。一実施例では、エネルギ蓄積デバイス2300は、マイクロプロセッサと同じ導電構造110上に配置される。別の実施例では、エネルギ蓄積デバイス2300は、マイクロプロセッサの導電構造110上に配置される。一実施例では、エネルギ蓄積デバイス2300は、携帯電話機、ラップトップ型コンピュータ、又はタブレット型コンピュータなどのモバイル電子デバイスの筐体内に形成される。一実施例では、エネルギ蓄積デバイスは、2つのダイを接続するシリコン・ブリッジ上に形成される。
次に図24を参照するに、エネルギ蓄積デバイスを形成する方法を本発明の実施例によって示す。動作2410では、導電基板は、導電基板から多孔質構造を放出するために電気化学エッチングされる。図25は、本発明の実施例による、電気化学エッチング浴槽2500における導電基板2510から放出される多孔質構造2512の断面側面図である。例証の目的で、電気化学エッチング浴槽2500は、タンク2506の各側部に搭載された白金ネット電極などの電極対2502、2504を含み得る。別の実施例では、電気化学エッチング浴槽は水平エッチング浴槽であり得る。導電基板2510は、分離板2530における開口部の手前に配置し、バヨネット・キャッチで固定することが可能な着脱可能な基板ホルダ2520に搭載することが可能である。キャッチが閉まると、左及び右の区画は互いに電気的に絶縁している。電気化学エッチング浴槽2500は、導電基板2510及び電極2502、2504を被覆するために十分なエッチング溶質2540で充填し得る。例えば、基板がシリコンを含む場合、例示的なエッチング溶質は、フッ化水素酸(HF)及びHFエタノール溶質を含む。
導電基板2510への多孔質構造2512の電気化学エッチングは従来の手法に応じて行い得る。例えば、一定の電流は、負の電極2502と正の電極2504との間に維持することが可能である。エッチング浴槽2500内のエッチング溶質2540の導電率の低下により、電気化学エッチング中に多少、電圧を変えることが必要であり得る。更に、例えば、多孔質電極表面を増加させ、拡散経路を短縮し、孔のサイズを削減し、孔の強度を増加させるなどのために、図24に関して説明した方法と、本明細書及び特許請求の範囲記載のエッチングの変形の何れかを組み合わせ得る。多孔質構造2512は、負に帯電した電極2520の側で基板2510にエッチングし得る。一実施例では、導電基板2510から多孔質構造2512を放出するために領域エッチングを使用する。例えば、電気化学エッチング電流は、多孔質構造2512を放出するために高速で増加させ得る。
もう一度、図24を参照するに、多孔質構造2512を次いで、セパレータ層及び第2の多孔質構造を結合させてエネルギ蓄積デバイスを形成する。結合は種々のやり方で形成し得る。例えば、結合は、多孔質構造上にセパレータ層を蒸着させる工程を含み得る。結合は、セパレータ層上に多孔質構造を積層するか、又は多孔質構造上にセパレータ層を積層する工程を含み得る。結合は更に、セパレータ層上に第2の多孔質構造を積層する工程を含み得る。第2の多孔質構造は、多孔質構造2512と同じか、又は別のやり方で形成し得る。
図26は、本発明の実施例による、モバイル電子デバイス2600を表すブロック図である。図26に示すように、モバイル電子デバイス2600は、マイクロプロセッサ2620、及びマイクロプロセッサ2620に関連付けられたエネルギ蓄積デバイス2630が上に配置された基板2610を有する。エネルギ蓄積デバイス2630は、実線で示すようにマイクロプロセッサ2620と離れた基板2610上に配置することが可能であり、又は、破線で示すように、マイクロプロセッサ2620自体の上に配置することが可能である。一実施例では、エネルギ蓄積デバイス2630は、セパレータにより、互いに離間した第1の導電構造及び第2の導電構造を備え、第1の導電構造及び第2の導電構造の少なくとも一方は複数のチャネルを含む多孔質構造を有する。例として、この実施例は、上述の図の何れかにおいて示し、付随する本文において説明した実施例の1つ又は複数と同様であり得る。
少なくとも一部の実施例では、エネルギ蓄積デバイス2630は、モバイル電子デバイス2600内に含まれる(全て、図26においてブロック2630で表される)直列に積層し得る複数のエネルギ蓄積デバイスの1つである。前述の実施例の1つ又は複数では、モバイル電子デバイス2600は更に、エネルギ蓄積デバイスに関連付けられたスイッチング・ネットワーク2640を含む。コンデンサは、放電中の場合、一定の電圧を維持する訳でなく、(放電中に電圧が比較的に一定である状態に留まるバッテリと違って)指数関数的に減衰する。スイッチング・ネットワーク2640は、比較的一定の電圧が維持されるように種々のコンデンサを切り替える回路又は特定の他の機構である。例えば、エネルギ蓄積デバイスは、当初、互いに並列に接続し得、次いで、特定量の電圧減衰後、エネルギ蓄積デバイスの部分集合を、スイッチング・ネットワークによって変えて、その個々の電圧寄与分が、低下する全体電圧を増加させることが可能であるように直列に接続することが可能である。一実施例では、スイッチング・ネットワーク2640は、当該技術分野において使用されているような既存のシリコン・デバイス技術(トランジスタ、シリコン制御整流器(SCR)等)を使用して実現し得る一方、他の実施例では、(非常に低い抵抗を有している傾向にある)マイクロ電気機械システム(MEMS)リレー又はスイッチを使用して実現し得る。
一部の実施例では、モバイル電子デバイス2600は更に、エネルギ蓄積デバイス2630に関連付けられたセンサ・ネットワーク2650を備える。少なくとも一部の実施例では、複数のエネルギ蓄積デバイスそれぞれは、エネルギ蓄積デバイスの特定の挙動パラメータを示すそれ自身のセンサを有する。例えば、センサは、特に、使用されている誘電体材料(又は他の電気絶縁体)が線形でないが、電圧とともに変動する誘電率を有する場合には、その何れもスイッチング・ネットワークによって使用し得るパラメータである、現行の放電応答、及び既存の電圧レベルを示し得る。前述の場合、誘電体の挙動が何であるかが分かっている電圧制御装置2660などの有限状態機械をセンサ・ネットワークとともに含めることが効果的であり得、適宜、応答する。誘電体がどのようにして挙動しているかが分かっている電圧制御装置は、何れの非線形性も補償することが可能である。エネルギ蓄積デバイス2630に関連付けられた温度センサ2670を更に、温度(又は他の安全性関連パラメータ)を検知するために含み得る。本発明の特定の実施例では、モバイル電子デバイス2600は、ディスプレイ2681、アンテナ/RFエレメント2682、ネットワーク・インタフェース2683、データ入力デバイス2684(例えば、キーパッド又はタッチ画面)、マイクロフォン2685、カメラ2686、ビデオ・プロジェクタ2687、全地球測位システム(GPS)受信器2688等の1つ又は複数を更に備える。
図27は、本発明の実施例による、マイクロ電子デバイス2700を表すブロック図である。図27に示すように、マイクロ電子デバイス2700は、基板2710、基板2710上のマイクロプロセッサ2720、及びマイクロプロセッサ2720に関連付けられたエネルギ蓄積デバイス2730を含む。エネルギ蓄積デバイス2730は、実線で示すように、マイクロプロセッサ2720と離れて基板2710上に配置し得(例えば、ダイ側コンデンサ)、又は、破線で示すように、マイクロプロセッサ2720自体の上に(例えば、マイクロプロセッサの上のビルドアップ層内に)配置し得る。一実施例では、エネルギ蓄積デバイス2730は、セパレータにより、互いに離間した第1の導電構造及び第2の導電構造を備え、第1の導電構造及び第2の導電構造の少なくとも一方は多孔質構造を有する。例として、この実施例は、上述の図の何れかにおいて示し、付随する本文において説明した実施例の1つ又は複数と同様であり得る。別の実施例では、エネルギ蓄積デバイス2730は、直列に積層された多孔質構造を備える複数の導電構造を備える。一実施例では、エネルギ蓄積デバイス2730は、多孔質構造の主表面に対して鋭角で多孔質構造に延びる複数の主チャネルを含む多孔質構造を含む。一実施例では、エネルギ蓄積デバイス2730は、主構造内にV溝部又はピラミッドの凹部のアレイを含む多孔質構造を含み、複数の主チャネルは、各V溝部又はピラミッドの凹部に延びる。一実施例では、エネルギ蓄積デバイス2730は、一次表面形状と、一次表面形状上に重ねた二次表面形状とを含む側壁を備えた複数の主チャネルを含む多孔質構造を含む。一実施例では、エネルギ蓄積デバイス2730は、シリコン、シリコン・カーバイド、ゲルマニウム、スズ、及び疑似静電容量性材料を含む第1の多孔質電極を含み、エネルギ蓄積デバイス2730は、炭素、炭素ベースの材料、シリコン・カーバイド、及びシリコンを含む第2の多孔質電極を含む。
本明細書及び特許請求の範囲記載のエネルギ蓄積デバイスは一部の実施例では、小型であり。本明細書の別の箇所に記載する理由で、既存の減結合コンデンサよりもずっと高い静電容量及びずっと低いインピーダンスを提供する、マイクロ電子デバイス2700内の減結合コンデンサとして使用し得る。上述のように、エネルギ蓄積デバイス2730は、サポート集積回路(IC)又はチップの一部であり得るか、又は、マイクロプロセッサ・ダイ自体の上に配置し得る。例として、本発明の実施例により、マイクロプロセッサ・ダイ上の多孔質シリコン(又は、上述のような同様なもの)の領域を形成し、次いで、まさにマイクロプロセッサ・ダイの基板上に、高表面積埋め込み減結合コンデンサを作成することができる。シリコンの多孔性が理由で、埋め込みコンデンサは非常に高い表面積を有する。開示されたエネルギ蓄積デバイスの考えられる他の用途には、メモリ蓄積エレメントとしての、又は、(場合によっては、回路ブロック、個々のマイクロプロセッサ・コア等に使用されるための)電圧ブースト回路における電圧変換器の構成部分として、又は、メモリ記憶エレメント(埋め込みDRAM手法のz方向のサイズによる課題は、面積毎ファラドを大きく増加させることによって解決し得る。一実施例では、エネルギ蓄積デバイスは電子デバイス内に内蔵され、エネルギ蓄積デバイスはマイクロプロセッサに関連付けられる。例えば、エネルギ蓄積デバイスは、携帯電話機、ラップトップ型コンピュータ、及びタブレット型コンピュータなどのモバイル電子デバイスの筐体内に形成し得る。一実施例では、エネルギ蓄積デバイスは、2つのダイを接続するシリコン・ブリッジ上に形成される。
例として、この場合には、より高い静電容量値が効果的である。その場合、回路の一部は公称で特定の(比較的低い)電圧で実行され得るが、その場合、速度を増加させるために、より高い電圧が必要な場所(例えば、メモリ、入出力(I/Oアプリケーション)では、電圧を、より高い値に上昇させることが可能である。この種の動作手法は、より高い電圧はどこでも使用されるものよりも好ましい可能性が高い。すなわち、より高い電圧を必要とする回路の量がわずかに過ぎない場合、大半の回路場合のより高いベースライン値から電圧を降下させるよりも回路のその小部分の場合のより低いベースライン電圧から電圧を上昇させることが好ましい。将来の世代のマイクロプロセッサも、ここで説明するタイプの電圧変換器を使用し得る。パッケージ周辺に、又はマイクロプロセッサ周辺に展開するよう、更に多くの静電容量を利用可能にすることは、回路周辺の電圧を伝達するトランジスタ間のインダクタンスが許容できない程度まで高いという既存の課題の解決に寄与し得る。
以下の例は、本発明の実施例の特定の実現形態として提供され、限定でなく、例証であることを意味している。
第1の例示的な実施例として、エネルギ蓄積デバイスは、導電構造内の複数の主チャネルを含む多孔質構造を含み、主チャネルそれぞれは、多孔質構造の主表面に対する開口部を有し、主チャネルそれぞれは、主表面に対して鋭角で導電構造に延びる。各主チャネルは、主表面に対して鋭角に配向された結晶面方位に沿って導電構造に延び得る。サイド・チャネルは、主チャネルそれぞれの側表面から導電構造に延び得る。主表面が(1011)表面である場合、主チャネルそれぞれは、主表面に対して鋭角で<100>結晶面方位に沿って導電構造に延びる。サイド・チャネルは更に、<100>結晶面方位に沿って主チャネルそれぞれの側表面から導電構造に延び得る。主表面が(322)表面である場合、主チャネルそれぞれは、主表面に対して鋭角で<100>結晶面方位に沿って導電構造に延びる。サイド・チャネルは更に、<100>結晶面方位に沿って主チャネルそれぞれの側表面から導電構造に延び得る。主表面が(111)表面である場合、主チャネルそれぞれは、主表面に対して鋭角で<113>結晶面方位に沿って導電構造に延びる。サイド・チャネルは更に、<113>結晶面方位に沿って主チャネルそれぞれの側表面から導電構造に延び得る。エネルギ蓄積デバイスは更に、第2の導電構造内の第2の多孔質構造、及び多孔質構造と第2の多孔質構造との間のセパレータを含み得る。第2の多孔質構造は複数の第2の主チャネルを含み得、第2の主チャネルそれぞれは第2の多孔質構造の第2の主表面に対する第2の開口部を有し、第2の主チャネルそれぞれは第2の主表面に対して第2の鋭角で第2の導電構造に延びる。複数の主チャネル及び複数の第2の主チャネルは互いに平行であり得る。主表面及び第2の表面は、(1011)面、(322)面、(111)面、又は(5512)面などの結晶学的平面に沿って形成し得る。エネルギ蓄積デバイスは、電子デバイス内に内蔵し、マイクロプロセッサと関連付け得る。例えば、エネルギ蓄積デバイスは、携帯電話機、ラップトップ型コンピュータ、及びタブレット型コンピュータなどのモバイル電子デバイスの筐体内に形成し得る。エネルギ蓄積デバイスは、2つのダイを接続するシリコン・ブリッジ上に形成し得る。エネルギ蓄積デバイス内の主チャネルはそれぞれ、一次表面形状、及び一次表面形状上に重ねた二次表面形状を含む側壁を有する導電構造に延び得る。例えば、一次表面形状は線形であり得る。例えば、一次表面形状は線形テーパー状であり得る。一実施例では、二次表面形状は正弦である。一実施例では、二次表面形状は、交互の貯留領域及び接続領域を含む。
第2の例示的な実施例では、多孔質電極を形成する方法は、基板の主表面に対する開口部を各主チャネルが有しているように導電基板に複数の主チャネルを電気化学エッチングする工程を含み、主チャネルはそれぞれ、主表面に対して鋭角で基板に延びる。複数の主チャネルは、電気化学エッチング浴槽内の電流の流れの方向に沿って形成し得る。複数の主チャネルは、基板内の結晶学的平面方位に沿って形成し得る。電気化学エッチングは、フッ化水素酸(HF)又はジメチルスルホキシド(DMSO)を含むエッチング浴槽内に基板を浸漬する工程を含み得る。導電基板に複数の主チャネルを電気化学エッチングする工程は更に、導電基板を電気化学エッチング浴槽に浸漬する工程と、導電基板にエッチング電流を流し、非線形的にエッチング電流を変えて、導電基板内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成する工程とを含み得る。非線形的にエッチング電流を変える工程は、相対的に高い電流及び低い電流の交互のノードにおけるエッチング電流を変える工程を含み得る。これは、各主チャネルが交互の貯留領域及び接続領域を含むことをもたらし得、貯留領域は接続領域よりも幅広い。非線形的にエッチング電流を変える工程は、エッチング電流を連続して低下させる工程を含み得る。これは、各主チャネルに、各主チャネルの底面への主表面からの連続して内向きのテーパー状の側壁が含まれることをもたらし得る。複数のチャネルを導電基板に電気化学エッチングする工程は、導電基板を電気化学エッチング浴槽に浸漬する工程と、導電基板にエッチング電流を流して、導電基板内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成する工程とを含み、エッチング電流は、一次エッチング電流変動上に重ねた二次エッチング電流変動を含む。一次エッチング電流変動は非線形電流変動であり得る。二次エッチング電流変動は、正弦関数の線形加算であり得る。非線形電流変動は、二次又は三次の多項式で近似し得る。一実施例では、複数の主チャネルは、一次の線形形状、及び重ねた正弦形状を有する側壁を備える。複数の主チャネルを導電基板に電気化学エッチングする工程は、導電基板から複数の主チャネルを含む多孔質構造を放出するために導電基板を電気化学エッチングする工程を含み得る。複数の主チャネルを導電基板に電気化学エッチングする工程は、おおよそ室温以下に電気化学エッチング浴槽を維持する工程を含み得る。複数の主チャネルを導電基板に電気化学エッチングする工程は、HF:アルコールの濃度が2:1以上のHF濃度を含む電気化学エッチング浴槽内に導電基板を浸漬する工程を含み得る。一実施例では、エッチング浴槽は、HF:アルコールの濃度が3:1以上のHF濃度を含む。
第3の例示的な実施例では、エネルギ蓄積デバイスは、導電構造内に多孔質構造であって、多孔質構造は、多孔質構造の主表面にV溝部又はピラミッドの凹部のアレイを含む多孔質構造と、V溝部又はピラミッドの凹部毎に導電構造に延びる複数の主チャネルとを含み、主チャネルはそれぞれ、対応するV溝部又はピラミッドの凹部内に開口部を有する。主表面は(100)面であり得る。V溝部又はピラミッドの凹部はそれぞれ、導電構造において<111>面方位に沿って延びる側表面を含み得る。エネルギ蓄積デバイスは更に、第2の導電構造内の第2の多孔質構造、及び多孔質構造と第2の多孔質構造との間のセパレータを含み得る。セパレータは、V溝部又はピラミッドの凹部のアレイに延び得る。第2の多孔質構造は、V溝部又はピラミッドの凹部のアレイに延び得る。第2の導電構造は、炭素、炭素ベースの材料、及び疑似静電容量性材料などの材料であり得る。第2の多孔質構造は、第2の多孔質構造の第2の主表面内にV溝部又はピラミッドの凹部の第2のアレイを含み得、主チャネルの第2のアレイは第2の導電構造に延び、主チャネルはそれぞれ、対応するV溝部又はピラミッドの凹部内に開口部を有する。第2の多孔質構造は、多孔質構造のV溝部又はピラミッドの凹部に延び得る。セパレータは、V溝部又はピラミッドの凹部のアレイを完全に充填し得る。エネルギ蓄積デバイスは、2つのダイを接続するシリコン・ブリッジ上に形成し得る。エネルギ蓄積デバイス内の主チャネルはそれぞれ、一次表面形状、及び一次表面形状上に重ねた二次表面形状を含む側壁を有する導電構造に延び得る。例えば、一次表面形状は線形であり得る。例えば、一次表面形状は線形テーパーであり得る。一実施例では、二次表面形状は正弦である。一実施例では、二次表面形状は、交互の貯留領域及び接続領域を含む。エネルギ蓄積デバイス内の主チャネルはそれぞれ、一次表面形状、及び一次表面形状上に重ねた二次表面形状を含む側壁を有する導電構造に延び得る。例えば、一次表面形状は線形であり得る。例えば、一次表面形状は線形テーパーであり得る。一実施例では、二次表面形状は正弦である。一実施例では、二次表面形状は、交互の貯留領域及び接続領域を含む。一実施例では、第2の多孔質電極は、リチウムをドープした炭素を含む。一実施例では、第2の多孔質電極はナノダイアモンド膜を含む。
第4の例示的な実施例として、多孔質電極を形成する方法は、結晶基板上にハード・マスクをパターニングして線アレイを形成する工程と、V溝部又はピラミッドの凹部のアレイを結晶基板の主表面にエッチングする工程と、結晶基板において複数の主チャネルを電気化学エッチングする工程とを含み、複数の主チャネルはそれぞれ、V溝部又はピラミッドの凹部のアレイ内に開口部を有する。一実施例では、結晶基板は、(100)シリコン基板であり、V溝部又はピラミッドの凹部のエッチングは、水酸化カリウム(KOH)のエッチング液を含む。方法は更に、V溝部又はピラミッドの凹部のアレイの上にセパレータ層を形成する工程と、セパレータ層上に多孔質電極を蒸着させる工程とを含み得る。一実施例では、多孔質電極を、化学蒸着(CVD)で蒸着させる。結晶基板内の複数の主チャネルを電気化学エッチングする工程は、結晶基板を電気化学エッチング浴槽内に浸漬する工程と、結晶基板にエッチング電流を流す工程と、非線形でエッチング電流を変えて、結晶基板内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成させる工程とを含み、主チャネルのそれぞれは、V溝部又はピラミッドの凹部のアレイにおける表面に対する開口部を有する。非線形的にエッチング電流を変える工程は、相対的に高い電流及び低い電流の交互のノードにおけるエッチング電流を変える工程を含み得る。これは、各主チャネルが交互の貯留領域及び接続領域を含むことをもたらし得、貯留領域は接続領域よりも幅広い。非線形的にエッチング電流を変える工程は、エッチング電流を連続して低下させる工程を含み得る。これは、各主チャネルに、各主チャネルの底面への主表面からの連続して内向きのテーパー状の側壁が含まれることをもたらし得る。複数のチャネルを結晶基板に電気化学エッチングする工程は、結晶基板を電気化学エッチング浴槽に浸漬する工程と、結晶基板にエッチング電流を流して、結晶基板内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成する工程とを含み、エッチング電流は、一次エッチング電流変動上に重ねた二次エッチング電流変動を含む。一次エッチング電流変動は非線形電流変動であり得る。二次エッチング電流変動は、正弦関数の線形加算であり得る。非線形電流変動は、二次又は三次の多項式で近似し得る。一実施例では、複数の主チャネルは、一次の線形形状、及び重ねた正弦形状を有する側壁を備える。複数の主チャネルを導電基板に電気化学エッチングする工程は、導電基板から複数の主チャネルを含む多孔質構造を放出するために導電基板を電気化学エッチングする工程を含み得る。複数の主チャネルを結晶基板に電気化学エッチングする工程は、おおよそ室温以下に電気化学エッチング浴槽を維持する工程を含み得る。複数の主チャネルを結晶基板に電気化学エッチングする工程は、HF:アルコール濃度が2:1以上のHF濃度を含む電気化学エッチング浴槽内に結晶基板を浸漬する工程を含み得る。一実施例では、エッチング浴槽は、HF:アルコール濃度が3:1以上のHF濃度を含む。
第5の例示的な実施例では、多孔質電極を形成する方法は、導電基板を電気化学エッチング浴槽に浸漬する工程と、導電基板にエッチング電流を流す工程と、非線形的にエッチング電流を変えて、導電基板内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成する工程とを含み、主チャネルそれぞれは、多孔質構造の主表面に対する開口部を有する。非線形的にエッチング電流を変える工程は、相対的に高い電流及び低い電流の交互のノードにおけるエッチング電流を変える工程を含み得る。これは、各主チャネルが交互の貯留領域及び接続領域を含むことをもたらし得、貯留領域は接続領域よりも幅広い。非線形的にエッチング電流を変える工程は、エッチング電流を連続して低下させる工程を含み得る。これは、各主チャネルに、各主チャネルの底面への主表面からの連続して内向きのテーパー状の側壁が含まれることをもたらし得る。
第6の例示的な実施例では、多孔質電極を形成する方法は、導電基板を電気化学エッチング浴槽に浸漬する工程と、導電基板にエッチング電流を流して、導電基板内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成する工程とを含み、主チャネルそれぞれは、多孔質構造の主表面に対する開口部を有し、エッチング電流は、一次エッチング電流変動上に重ねた二次エッチング電流変動を含む。一次エッチング電流変動は非線形電流変動であり得る。二次エッチング電流変動は、正弦関数の線形加算であり得る。非線形電流変動は、二次又は三次の多項式で近似し得る。一実施例では、複数の主チャネルは、一次の線形形状、及び重ねた正弦形状を有する側壁を備える。
第7の例示的な実施例として、エネルギ蓄積デバイスは、導電構造内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を含み、主チャネルそれぞれは、多孔質構造の主表面に対する開口部を有し、主チャネルそれぞれは、一次表面形状と、一次表面形状上に重ねた二次表面形状とを含む側壁を有する導電構造に延びる。例えば、一次表面形状は線形であり得る。例えば、一次表面形状は線形テーパー状であり得る。一実施例では、二次表面形状は正弦である。一実施例では、二次表面形状は、交互の貯留領域及び接続領域を含む。
第8の例示的な実施例として、エネルギ蓄積デバイスを形成する方法は、第1の導電多孔質電極の上にセパレータ層を形成する工程であって、第1の導電多孔質電極は複数の主チャネルを含み、主チャネルそれぞれは、第1の導電多孔質電極の主表面に対する開口部を有する工程と、セパレータ層上に第2の導電多孔質電極を蒸着させる工程とを含む。方法は更に、導電基板を電気化学エッチングして第1の導電多孔質電極を形成する工程を含み得る。第2の導電多孔質電極を蒸着させる工程は、化学蒸着(CVD)、スピン・コーティング、物理蒸着(PVD)、及び電気めっきなどの動作を含み得る。
第9の例示的な実施例として、エネルギ蓄積デバイスは、複数の主チャネルを含む第1の多孔質電極を含み、主チャネルはそれぞれ、第1の多孔質電極の主表面に対する開口部を有し、第1の多孔質電極は、シリコン、シリコン・カーバイド、ゲルマニウム、又はスズを含み、セパレータは第1の多孔質電極上にあり、第2の電極はセパレータ層上にあり、第2の多孔質電極は、炭素、炭素ベースの材料、又は疑似静電容量性材料を含む。一実施例では、第2の多孔質電極は、リチウムをドープした炭素である。一実施例では、第2の多孔質電極はナノダイアモンド膜を含む。
第10の例示的な実施例では、エネルギ蓄積デバイスを形成する方法は、導電基板を電気化学エッチングして導電基板から多孔質構造を放出する工程と、第2の多孔質構造及びセパレータ層と多孔質構造を結合する工程とを含む。結合は、多孔質構造上にセパレータ層を蒸着させる工程を含み得る。結合は、多孔質構造上に多孔質構造を積層する工程を含み得る。結合は、多孔質構造上にセパレータ層を積層する工程を含み得る。結合は、積層されたセパレータ層上に第2の多孔質構造を積層する工程を含み得る。方法は更に、第2の導電基板を電気化学エッチングして、第2の導電基板から第2の多孔質構造を放出する工程を更に含み得る。
第11の例示的な実施例として、多孔質電極を形成する方法は、電気化学エッチング浴槽に導電基板を浸漬し、導電基板にエッチング電流を流して、電気化学エッチング浴槽をおおよそ室温以下に維持する一方で、導電基板内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成する工程を含み、主チャネルそれぞれは、多孔質構造の主表面に対する開口部を有する。一実施例では、エッチング浴槽は、HF:アルコールの濃度が2:1以上のHF濃度を含む。
第12の例示的な実施例として、多孔質電極を形成する方法は、HF:アルコールの濃度が2:1以上のHF濃度を含む電気化学エッチング浴槽内に導電基板を浸漬し、導電基板にエッチング電流を流して、導電基板内に複数の主チャネルを含む多孔質構造を作成する工程を含み、主チャネルそれぞれは、多孔質構造の主表面に対する開口部を有する。一実施例では、エッチング浴槽は、HF:アルコールの濃度が3:1以上のHF濃度を含む。
本発明は、特定の実施例を参照して説明してきたが、本発明の趣旨又は範囲から逸脱しない限り、種々の変更を行い得るということを当業者は理解するであろう。よって、本発明の実施例の開示は本発明の範囲を例証することを意図しており、限定することを意図するものでない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって必要とされる範囲のみに限定されることを意図している。例えば、当業者には、本明細書及び特許請求の範囲記載のエネルギ蓄積デバイス、並びに関連する構造及び方法は種々の実施例で実現し得、前述の実施例のうちの特定のものの上記記載は必ずしも、考えられる実施例全ての完全な記載を表すものでない。
更に、便益、他の利点、及び課題に対する解決策を特定の実施例に関して説明してきた。しかし、前述の便益、利点、課題に対する解決策、及び便益、利点、又は解決策を生じさせ、又はより顕著にさせ得る1つ又は複数の構成要素は、特許請求の範囲の何れか又は全ての重要な、所要の、又は必須の構成若しくは構成要素として解されないものとする。
更に、本明細書及び特許請求の範囲に記載した実施例及び限定は、実施例及び/又は限定が、(1)特許請求の範囲に明示的に記載されていない場合、(2)均等論の下で、特許請求の範囲における明示的な構成要素及び/又は限定の均等物であり、又は潜在的な均等物である場合、公有の原則の下に公共用に提供されるものでない。