JP2014532874A - 2次的液体を使って懸濁液の成分を分離するための方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
懸濁液の成分物質を分離するための方法およびシステムを開示する。一面によると、目的物質を含むと思われる懸濁液および2次的流体がチューブに加えられる。前記2次的流体は懸濁液より大きい濃度をもち、懸濁液と不混和性であり、懸濁物質に関し不活性である。フロートをチューブに挿入し、チューブ、フロート、懸濁液、および2次的流体を一緒に遠心分離する。2次的流体はチューブの底に位置する。フロートは2次的流体の濃度より小さい濃度をもち、軸方向に分離された懸濁液に浮く。その結果、フロートは、フロートの表面とチューブの内壁との間で、目的物質を含む層の軸方向の長さを伸張する。
Description
この発明は、一般に、濃度ベースの流体分離に関し、特に、遠心分離によって層状にされる懸濁成分を分離し軸方向拡張するための方法およびシステムに関する。
懸濁液は、分析のために検出し、抽出し、分離することが困難な関心のある物質をしばしば含んでいる。たとえば、全血は、流体中の物質の懸濁液である。この物質は、数十億の赤血球、白血球および血漿と呼ばれるタンパク液中の血小板を含む。全血は、癌細胞、卵子、寄生虫、微生物、および炎症細胞などの異常な組織および細胞の存在、ならびにHIV、サイトメガロウィルス、C型肝炎ウィルス、エプスタインバー(Epstein-Barr)ウィルスなどのウィルスに関して日常的に検査される。医師、研究者その他血液サンプルの仕事をする人は、試験のために末梢の血液サンプルの所定の成分を分離し、隔離し、抽出しようとする。血液サンプルを分析するのに使われる典型的な技術は、サンプルをスライド上に塗りつけ、明視野の顕微鏡により視覚的に検査することができるように染色するステップを含む。
一方、懸濁液中に非常に低い密度で生じる関心ある物質は、多くの既存の技術を使って検出し分析することが不可能ではないにしても格別困難である。たとえば、腫瘍から離れて血流の中を巡回し、別の組織においてさらなる腫瘍(すなわち転移)を成長させる種となりうるガン細胞である、巡回腫瘍細胞(CTC)を考えよう。CTCを正確に検出し分析する能力は、腫瘍学者およびガン研究者にとって特に関心が高い。しかし、CTCは、末梢全血サンプルには非常に少ない数しか生じない。たとえば、5つという少数のCTCを含む7.5 mlの末梢全血サンプルは、ガン患者を診断し治療するうえで臨床的に有意義だと考えられる。言い換えると、7.5 mlの血液サンプル中に1つのCTCを検出することは、約100億の赤血球および白血球という背景で1つのCTCを検出することと等価であり、これは、血液フィルム分析を使うと、極度に時間を消費し、高コストであり達成困難である。
関連出願の相互参照
この出願は、2011年11月8日に出願された仮出願第61/556,882号の利益を主張する。
この出願は、2011年11月8日に出願された仮出願第61/556,882号の利益を主張する。
その結果、医師、研究者、懸濁液の仕事をする人は、関心ある物質の有無について懸濁液を正確に分析する方法およびシステムを求め続けている。
懸濁液中の成分物質を分離するための方法およびシステムが開示される。目的物質を含むと疑われる懸濁液および2次的流体がチューブに加えられる。2次的流体は、懸濁液よりも大きな濃度をもち、懸濁液に非混和性であり、懸濁物質に関し不活性である。フロートがチューブに加えられ、チューブ、フロート、懸濁液および2次的流体が一緒に遠心分離され、懸濁液中の様々な物質が、それぞれの物質の濃度にしたがってチューブの軸方向長さに沿って複数の異なる層へと分離し、2次的流体はチューブの底部を占める。フロートは、2次的流体の濃度よりも低い濃度をもち、目的物質の濃度にほぼ一致するよう選ばれる。2次的流体は、フロートが懸濁液の軸方向に層状になった物質の中に浮くことを可能にする。その結果、フロートは、フロートの外表面とチューブの内表面との間で目的物質を含む層の軸方向の長さを延ばす。
懸濁液の成分物質を分離するための方法およびシステムを開示する。詳細な説明は、2つの章に分かれており、第1章は、種々のチューブ、フロートのシステムを説明し、第2章は、チューブ、フロートのシステムを使って懸濁液の成分物質を分離するための方法およびシステムの例を説明する。
チューブ、フロートのシステム
図1Aは、チューブ、フロートのシステム100の一例の斜視図である。システム100は、チューブ102と、懸濁液106内に浮遊されて示されるフロート104とを含む。図1Aの例では、チューブ102は、環状の断面、第1の密閉端108、第2の解放端110を持つ。解放端110は、ストッパーまたはキャップ112を受けるサイズになっている。チューブは、図1Bに示すチューブ、フロートのシステム120の例のようにストッパーまたはキャップを受けるサイズの2つの解放端を持っていてもよい。システム120は、システム100と似ているが、チューブ102がチューブ122で置き換えられている。チューブ122は、キャップ112およびキャップ128を受けるよう構成された2つの解放端124、126を有する。チューブ102、122は、ほぼ円筒形状を有するが、開放端部110、124へ向けて広がるテーパ形状を有してもよい。チューブ102、122は、概して円筒状であるが、それぞれ解放端110、124に向かって広がるテーパ状であってもよい。チューブ102、122は環状の断面を持つが、他の実施形態では、チューブ102、122は、該チューブのほぼ全長にわたって延びる楕円断面、三角形断面、正方形断面、長方形断面、八角形断面その他任意の適当な断面形状を有することができる。チューブ102、122は、フレキシブルなプラスチックその他適当な材料のような透明または半透明のフレキシブル材料で形成することができる。
図1Aは、チューブ、フロートのシステム100の一例の斜視図である。システム100は、チューブ102と、懸濁液106内に浮遊されて示されるフロート104とを含む。図1Aの例では、チューブ102は、環状の断面、第1の密閉端108、第2の解放端110を持つ。解放端110は、ストッパーまたはキャップ112を受けるサイズになっている。チューブは、図1Bに示すチューブ、フロートのシステム120の例のようにストッパーまたはキャップを受けるサイズの2つの解放端を持っていてもよい。システム120は、システム100と似ているが、チューブ102がチューブ122で置き換えられている。チューブ122は、キャップ112およびキャップ128を受けるよう構成された2つの解放端124、126を有する。チューブ102、122は、ほぼ円筒形状を有するが、開放端部110、124へ向けて広がるテーパ形状を有してもよい。チューブ102、122は、概して円筒状であるが、それぞれ解放端110、124に向かって広がるテーパ状であってもよい。チューブ102、122は環状の断面を持つが、他の実施形態では、チューブ102、122は、該チューブのほぼ全長にわたって延びる楕円断面、三角形断面、正方形断面、長方形断面、八角形断面その他任意の適当な断面形状を有することができる。チューブ102、122は、フレキシブルなプラスチックその他適当な材料のような透明または半透明のフレキシブル材料で形成することができる。
図2は、フロート104の斜視図である。フロート104は本体202、円錐状のテーパ端204、ドーム形状の端部206、および本体202上に放射状に配置され軸方向に延びるスプライン208を含む。スプライン208は、チューブ102の内壁との密閉結合を提供する。代替実施例では、スプラインの数、スプライン間隔、スプラインの厚みは、それぞれ独立に変えることができる。スプライン208は、破線状でもよく、区分けされていてもよい。本体202は、チューブ102の内径よりも小さい外径を持つよう形成されており、ボディ202の外面とチューブ102の内壁との間に流体保持チャンネルを規定する。スプライン208間の本体202の表面は、平坦でも曲面など他の適当な形状であってよい。図2の例では、スプライン208および本体202は単一構造を形成する。
実施例にはフロート端のキャップについて他のタイプの形状が含まれる。図3は、2つの円錐形状の端部キャップ302、304を持つフロート300の例を示す。フロート300の本体306は、フロート104と同じ構造エレメント(すなわち、スプラインおよびボアホール)を含む。フロートは、2つのドーム形状の端部キャップを含んでいてもよい。フロート端部キャップは、その他の幾何学的形状をしていてもよく、ここに記載される形状に限定されない。
他の実施例において、フロート104の本体は、遠心分離中に、目的物質を分離し、チューブ壁を支持し、懸濁液をフロートの周りに向かわせるため、種々の異なる構造をとることができる。図4、図5は、2つの異なるタイプの本体構造エレメントの例を示す。実施例はこの2つの例に限られるわけではない。図4では、フロート400の本体402は、本体402が変形可能なチューブを支持する多数の突起404を備えることを除いてはフロート104に類似している。代替実施例では、突起の数およびパターンを変えることができる。図5で、フロート500の本体502は、本体502の周りを螺旋状に回り螺旋チャンネル506を作る一つの連続螺旋構造すなわち螺旋隆起線(ridge)504を備える。他の実施例では、螺旋隆起線504は、丸みをつけられ、破断または区分けされて、液体が螺旋隆起線の隣の周回との間を流れることができるようにすることができる。種々の実施例において、螺旋隆起線の間隔およびリブの厚みは独立に変えることができる。
フロートは、種々の物質で構成することができ、硬質の有機物質または無機物質、および硬質プラスチック物質、例えば、ポリオキシメチレン(「Delrin(R)」)、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)共重合体、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリエステル、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、エチレンビニルアセテート共重合体、ナイロン、ポリアセタール、ポリアセテート、ポリアクリロニトリルおよび他のニトリル樹脂、ポリアクリロニトリル−塩化ビニル共重合体、ポリアミド、芳香族ポリアミド(「アラミド」)、ポリアミド−イミド、ポリアリレート、ポリアリレーン酸化物、ポリアリレーン硫化物、ポリアリルスルホン、ポリベンゾイミダゾール、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメタクリレート、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリアロマー、ポリオキサジアゾール、ポリパラキシレン、ポリフェニレン酸化物(PPO)、改質PPO、ポリスチレン、ポリスルホン、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールのようなフッ素含有ポリマー、例えばポリビニル塩化物、ポリビニル塩化物−ビニルアセテート共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデン塩化物、特殊ポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(「ABS」)のようなポリビニルハロゲン化物、などが挙げられるが、これらに限定されない。
懸濁液の成分を分離する方法およびシステムの例
図6Aは、関連する物質濃度に従って懸濁液の成分物質を分離するためのシステム600の例を示す。システム600は、図1Aに関連して説明したチューブ、フロートのシステム100を含み、2次的流体602がチューブ102の底に入れられている。流体602は、フロート104の濃度より大きい濃度を持つ液体物質であり、25℃で約500センチストークスより小さい粘性を持つ。その結果、フロート104は図6Aに見られるように流体602の面上に載り、フロートのごくわずかの部分だけが流体602の頂部に入る。言い換えると、流体602の成分は、フロート104が流体602の中にあまり沈まないよう選ばれている。
図6Aは、関連する物質濃度に従って懸濁液の成分物質を分離するためのシステム600の例を示す。システム600は、図1Aに関連して説明したチューブ、フロートのシステム100を含み、2次的流体602がチューブ102の底に入れられている。流体602は、フロート104の濃度より大きい濃度を持つ液体物質であり、25℃で約500センチストークスより小さい粘性を持つ。その結果、フロート104は図6Aに見られるように流体602の面上に載り、フロートのごくわずかの部分だけが流体602の頂部に入る。言い換えると、流体602の成分は、フロート104が流体602の中にあまり沈まないよう選ばれている。
図6Bは、チューブ102に例示の懸濁液604を加えたシステム604を示す。懸濁液604は、懸濁流体中に懸濁している粒子の形の多数の異なる固体物質からなる異種混交的な流体であることができる。流体602は、フロート104のものより大きい濃度をもつことに加えて、懸濁液604の成分物質に関する濃度よりも大きい濃度をもち、懸濁流体の濃度よりも大きい濃度をもつ。流体602の成分は、流体602が懸濁流体に混合せず、懸濁物質に関して不活性であるよう選ばれている。一つまたは複数の物質が分析の対象になることができ、「目的物質」と呼ばれる。フロート104は、目的物質とほぼ同じ濃度をもつよう構成されている。その結果、フロート104は流体602の上の懸濁液604内に浮かぶ。
目的物質を懸濁液604の中の他の物質から分離し隔離するために、図6Bに示すようにチューブ、フロート、懸濁液、および2次的流体は、ある時間、一緒に遠心分離される。遠心分離で生じる遠心力は、懸濁液の物質をチューブ102の長軸に沿って層状に分離させる。物質層は、流体602上に位置する最も高濃度の物質から流体602から最も遠くに位置する最も低濃度の物質へと濃度に従って層状に分離される。流体602は、懸濁流体に混和しないので、流体602は懸濁流体と混合せず、これにより両方の流体の濃度変化が防止され、層状の懸濁物質の濃度勾配が変化することも防止される。
たとえば、懸濁液604が3つの成分物質からなっているとする。図6Cは、遠心分離で懸濁液604の3つの成分物質がチューブの長軸に沿って3つの層606−608に分離されているチューブ、フロートのシステム600を示す。層608は、流体602のすぐ上を占める最高濃度の物質を含み、層606は、フロート104の頂部周りの領域を占める最低濃度の物質を含む。中間層607が目的物質を含んでおり、最低濃度と最高濃度の間の濃度をもっている。図6Cの例では、フロート104は目的物質の濃度にほぼ一致する濃度をもつよう選ばれている。流体602の濃度により、遠心分離中にフロート104は懸濁液604中に浮遊したままになる。言い換えると、物質が分離するに従い、フロート104の主体は目的物質の位置とほぼ一致するよう軸方向に位置づけられる。その結果、フロート104が層607を広げるので、目的物質がフロート104の主体とチューブ102の内壁との間の狭い領域にくる。
他の実施例では、フロートを加える前に懸濁液をチューブに加えることができる。図7Aは、チューブの底に2次的流体602を入れたチューブ102の例を示している。図7Bは、その後、懸濁液604をチューブ102に加えた状態のチューブ102を示す。上述のように、流体602は、懸濁物質および懸濁流体より大きな濃度をもち、懸濁流体と混和せず、懸濁成分物質に関し不活性である。その結果、懸濁液604は、流体602の上に載り、これと混和しない。次いでフロート104をチューブ102に加え、図6B、図6Cを参照して上述したように、遠心分離して成分物質をチューブ102の長軸に沿った層に分離する。
この方法およびシステムは、種々の異なる懸濁液で使用することができる。特に、この方法およびシステムは、生物学的な流体サンプルである懸濁液で使用することができる。生物学的な流体サンプルには、血液、便、精液、脳脊髄流体、乳頭吸引液、唾液、羊水、膣分泌物、粘膜分泌物、水様液、硝子様液、嘔吐物、その他の生理学上の流体または半固体が含まれるがこれに限定されるわけではない。2次的流体は水に混和せず、サンプルの生物学的成分物質に関し不活性である。適当な2次的流体の例には、ペルフルオロシクロペンタノンおよびペルフルオロシクロヘキサノンのようなペルフルオロケトン(perfluoroketones)、フッ化ケトン、ヒドロフルオロエーテル、ヒドロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、シリコン、およびフェニルメチルシロキサンのようなシリコンベースの流体が含まれるがこれに限定されるわけではない。生物学的流体サンプルのため、2次的流体は約1.09g/mL より大きい濃度のフェニルメチルシロキサンであることができ、フロートは約1.0から2.0g/mL のレンジの濃度をもつ。
図8は、2次的流体802がチューブ102の底にある遠心分離されたシステム800の例を示す。チューブ102は全血サンプル804が入れられており、これは遠心分離によって6層に分けられている、すなわち、(1)濃縮赤血球、(2)網状赤血球、(3)顆粒白血球、(4)リンパ球/単核白血球、(5)血小板、および(6)血漿、の6層である。網状赤血球、顆粒白血球、リンパ球/単核白血球、血小板の層がバッフィコートを形成し、これらはなんらかの異常および癌を検出するためによく分析される層である。懸濁液が図8に示すような血液サンプルのときは、フロート104は約1.05g/mL の濃度をもち、選ばれた流体802は約15センチストークスより小さい粘性および約1.679g/mL より大きい濃度をもつ。図8に示すように血液サンプル成分は、流体802の上に位置する赤血球806という最高濃度の物質から流体802から遠く離れている血漿808という最低濃度の物質までのレンジのそれぞれの濃度に従ってチューブ102内で軸方向に分離される。フロート104がないと、バッフィコートを構成する層は薄く分析用に抽出することが困難である。図8の例に見られるように、フロート104は、フロート104の主体とチューブ102の内壁との間でバッフィコートを伸張するので、バッフィコート層および関連する物質をチューブ102の壁を通して分析することが可能になる。流体802は水に混和せず水より大きい濃度をもつので、流体802がバッフィコート層と混ざることはない。さらに流体802はフロート104より大きい濃度をもつので、流体802はチューブ102の底とフロート104との間の空間を満たす。その結果、フロート104はサンプル804と共に浮いたままになる。
懸濁液に目的物質が存在するかどうかを識別するために目的物質に蛍光マーカーでタグ付けすることができる。遠心分離後に、チューブを光で照らすと、蛍光マーカーからフォトンが放出される。蛍光ライトを使って目的物質の有無を確認することができる。たとえば、目的物質粒子は、CTC、小胞(ベシクル)、リポソームなどの細胞、または閉じた薄膜をもつ自然界のもしくは人工的な顕微的なユニットであることができる。蛍光分子は特に目的物質の粒子に結合する分子その他の粒子に結合される。蛍光分子は、適切な刺激が加えられると、個々の蛍光分子に依存して既知のレンジの波長の光を放出する。上述のように、フロートは、チューブ、フロート、2次的流体および懸濁液が一緒に遠心分離されるとき、フロートが目的物質とほぼ同じレベルに位置するよう選ばれた濃度をもつ。遠心分離後に目的粒子は、フロートの外面とチューブの内壁との間に位置し、適当な刺激が加えられるとき、蛍光分子が蛍光する。2次的流体が蛍光分子からの蛍光と干渉するのを防止するため、選ばれた2次的流体は、その刺激にさらされても蛍光せず、蛍光分子に関し不活性である。
2次的流体を含むチューブ、フロートのシステムは、2次的流体なしのチューブ、フロートのシステムを使用してより大きな量の懸濁液を分析するのと同じように少量の懸濁液の分析を可能にする。図9は、2次的流体902がチューブ102の底に位置する遠心分離されたチューブ、フロートのシステム900の例を示す。この例では、分析されている懸濁液は、バッフィコート904であり、非常に少量の生物学的サンプルを含んでいる。図9の例に示されるように、流体902がチューブ102の底とフロート104との間の空間を満たすのでバッフィコート層は円分離中にフロート104の主体とチューブ102の内壁との間で分離され伸張される。この例では、フロート104の濃度は約1.090 g/mL より大きくほぼ1.2g/mL である。言い換えると、2次的流体は、チューブに容量を付加して多量の懸濁液の遠心分離および分析と同様に少量の懸濁液を遠心分離し分析するために使用することができる。
さらに、2次的流体は水に混和せず懸濁液の成分物質と反応しないので、2次的流体は、血液成分の濃度特性の変化を気にすることなく細胞内のタンパク質分析を行うことを可能にする。細胞内タンパク質分析の技術は、細胞内タンパク質の染色、蛍光生体位(in situ)混成(ハイブリッド形成)、または分化(branched)DNA(すなわち、「bDNA」―mRNA表現レベルを分析するためのツール)分析を含む。これらの技術は分析前に目的細胞が隔離され固定されることで助けられる。しかし、2次的流体は、細胞を固定し透過性にした後に(こうしないと、濃度特性が崩壊される)細胞がフロート表面に局在することを可能にする。染色することができる細胞内タンパク質には、サイトケラチン(CK)、アクチン、Arp2/3、コロニン、ジストオロフィン、FtsZ、ミオシン、スペクトリン、チューブリン、コラーゲン、カテプシンD、ALDH、TWIST1、PBGDおよびMAGEがあるが、これに限らない。たとえば、CK染色は、血液サンプル中のCTCの識別、計数およびその後の種々の細胞事象の診断に使用することができる。
以上の記述は、説明目的で、開示の完全な理解を与えるために特定の用語を使用した。しかしながら、当業者であれば分かるように、本明細書中に記載されるシステムおよび方法を実施するために特定の詳細は必要とされない。特定の実施形態の前述した記述は、例示目的および説明目的で与えられる。これらの実施形態の記述は、網羅的となるように意図されておらず、あるいは、この開示を正にその説明した形態に限定しようとするものではない。無論、前述した教示内容を考慮して多くの改変および変形が可能である。実施形態は、この開示の原理および実用的用途を最もうまく説明し、それにより、考えられる特定の用途に適するような様々な変更を伴って他の当業者がこの開示および様々な実施形態を最もうまく利用できるようにするために、図示して説明されている。この開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物により規定されるものである。
Claims (22)
- 懸濁液の成分物質を分離するためのシステムであって、
懸濁液を受け入れる解放端をもつチューブと、
懸濁液の目的物質の濃度にほぼ等しい濃度をもつ、前記チューブに挿入するフロートと、
前記フロートよりも大きい濃度をもち、前記懸濁液よりも大きい濃度をもつ、前記チューブに入れられる2次的流体と、
を備えるシステム。 - 前記懸濁液が懸濁流体を含み、前記2次的流体が前記懸濁流体に混和しない、請求項1に記載のシステム。
- 前記2次的流体が懸濁成分物質に関し不活性である、請求項1に記載のシステム。
- 前記目的物質に蛍光分子が加えられ、前記2次流体は、前記蛍光分子を蛍光を刺激する刺激にさらされても蛍光せず、蛍光分子に関し不活性である、請求項1に記載のシステム。
- 前記2次的流体が、ペルフルオロケトン、フッ化ケトン、ヒドロフルオロエーテル、ヒドロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、の一つまたは複数を含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記2次的流体が、シリコン液およびシリコンベースの液体の一つを含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記2次流体が、1.09g/mL より大きい濃度のフェニルメチルシロキサンである、請求項1に記載のシステム。
- 前記2次的流体が、501センチストークスより小さい粘性をもつ、請求項1に記載のシステム。
- 前記フロートが、1.0−20.0 g/mL の濃度をもつ、請求項1に記載のシステム。
- 前記2次的流体が、1.090 b/mL より大きい濃度をもつ、請求項1に記載のシステム。
- 懸濁液の成分物質を分離するための方法であって、
2次的流体をチューブに加えることと、
前記2次的流体の濃度より小さい濃度をもつフロートを前記チューブに挿入することと、
前記2次的流体の濃度より小さい濃度をもつ懸濁液を前記チューブに加えることと、
懸濁液物質を前記チューブの長軸に沿った異なる層に分離し、前記フロートと前記チューブとの間で目的物質を隔離することと、を含み、
前記2次的流体は、前記フロートの底と前記フロートとの間の空間を満たす、前記方法。 - 懸濁液物質を前記チューブの長軸に沿った異なる層に分離することは、前記チューブ、フロート、2次的流体および懸濁液を遠心分離することを含む、請求項11に記載の方法。
- 前記フロートが、前記懸濁液の目的物質と同様の濃度をもつ、請求項11に記載の方法。
- 前記懸濁液の蛍光性を加えられた目的物質の蛍光を刺激する刺激を加えることをさらに含み、前記2次的流体は、前記刺激にさらされても蛍光せず、蛍光分子に関し不活性である、請求項11に記載の方法。
- 前記懸濁液が懸濁流体を含み、前記2次的流体が該懸濁流体に不混和性である、請求項11に記載の方法。
- 前記2次的流体が懸濁成分物質に関し不活性である、請求項11に記載の方法。
- 前記2次的流体が、ペルフルオロケトン、フッ化ケトン、ヒドロフルオロエーテル、ヒドロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロポリエーテル、の一つまたは複数を含む、請求項11に記載の方法。
- 前記2次的流体が、シリコン液およびシリコンベースの液体の一つを含む、請求項11に記載の方法。
- 前記2次的流体が、1.09g/mL より大きい濃度のフェニルメチルシロキサンである、請求項11に記載の方法。
- 前記2次的流体が、501センチストークスより小さい粘性をもつ、請求項11に記載の方法。
- 前記フロートが、1.0−20.0 g/mL の濃度をもつ、請求項11に記載の方法。
- 前記2次的流体が、1.090 b/mL より大きい濃度をもつ、請求項11に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
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