JP2014531030A - ディスク遠心分離による試料の定量化 - Google Patents
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Abstract
Description
試料は、ディスク遠心分離機へと導入される。典型的に、試料は、定量化されるべきウイルス粒子を含む。試料中のウイルス粒子濃度は、典型的に未知である。ウイルス粒子は、凝集していない(単量体)場合もあり、かつ/または凝集している場合もある。一部の実施形態ではまた、試料が、ウイルス粒子に加えて、無傷の細胞、細胞破砕物、ならびに/または可溶性タンパク質およびDNAなど、他の細胞構成物質など、細胞の構成要素も含む。無傷の細胞および細胞破砕物は、感染後における細胞培養培地中に存在する可能性があり、細胞の細胞内内容物は、例えば、ウイルス感染後における自発的な細胞溶解に起因して、培地へと放出されうる。加えて、試料は、他の物質、例えば、細胞基質またはそれらの残留物、細胞性核酸(例えば、DNA)、卵タンパク質なども含有しうる。ウイルスがインフルエンザウイルスである場合、試料は、ウイルスタンパク質、例えば、NS1、PB−1−F2、ヘマグルチニン、ノイラミニダーゼ、マトリックスタンパク質(M1および/またはM2)、リボ核タンパク質、核タンパク質、ポリメラーゼ複合体(PB1、PB2、PA)、またはそのサブユニット、核外搬出タンパク質などを含みうる。ウイルスタンパク質は、凝集していない場合もあり、かつ/または凝集している場合もある。インフルエンザウイルスタンパク質の凝集体は典型的に、マトリックスタンパク質、例えば、ヘマグルチニン−マトリックスタンパク質の凝集体などを含む。試料はまた、非生物学的粒子も含む。
ウイルス粒子は一般に、単量体、「凝集していない」粒子として存在する。ウイルス粒子はまた、凝集体も形成しうる。凝集体は、ウイルス粒子だけを含む場合(すなわち、2つ以上のウイルス粒子)もあり、他の物質、例えば、無傷の細胞、細胞破砕物または細胞断片など、細胞の構成要素を含む場合(すなわち、他の物質へと付着した1または複数のウイルス粒子)もある。これらは、凝集粒子、ウイルス凝集体、凝集ウイルス、またはウイルス性凝集体と様々に称する。ウイルス凝集体のサイズおよび質量は、単量体の非凝集ウイルス粒子のサイズおよび質量より大きい。
ディスク遠心分離は、粒子サイズ分布の迅速な決定を可能とする(3〜15分間以内であることが典型的)。ディスク遠心分離は、直径約2nm〜約80μmの間の粒子を解析し、100ng未満まで秤量することが可能である。ディスク遠心分離は、サイズの差が約2%というわずかな差の粒子を分解しうる。ディスク遠心分離は、例えば、化学物質、医薬(例えば、薬物送達用粒子、診断用粒子、細胞破壊のモニタリング、タンパク質クラスター、リポソーム、マイクロカプセル化された薬物)、半導体、印刷および塗装、ナノ粒子開発など、広範囲にわたる適用において用いられる。先行技術では、ディスク遠心分離を用いて試料中のウイルス粒子を定量化しうることが開示されていない。小型粒子サイズ分布に対するディスク遠心分離の適用可能性から、試料中の凝集しないウイルス粒子および/または凝集するウイルス粒子の存在の決定(しかし、定量化ではない)におけるその使用がもたらされている(例えば、参考文献1を参照されたい)。ナノ粒子(しかし、ウイルス粒子ではない)についての研究は、粒子サイズ分布には、相対データおよび定量データをもたらす可能性があることを見出した(参考文献2を参照されたい)。
単独の非凝集粒子を含む試料は、単一モードのサイズ分布を提示する(例えば、図1を参照されたい)。したがって、単一モードのサイズ分布の存在は、非凝集粒子の存在を表す。
サイズ分布の最大重量(すなわち、最大値)は、試料中の、大部分が凝集していない粒子の量と相関する。サイズ分布の最大重量は、例えば、図1上の垂線により示され、また、図5および8によっても示される(「最大値」と表示される)、粒子サイズ分布データ内のピークから決定することができる。サイズ分布の最大重量は、定量化する(例えば、参照と比較することにより)こともでき、相対的に規定することもできる。
サイズ分布の積分重量は、試料中の、大部分が凝集していない粒子の量および/または大部分が凝集している粒子、例えば、ウイルス粒子の量と相関する。サイズ分布の積分重量は、図2の曲線下の影を付した面積により示されるサイズ分布データから決定することができ、また、図5および8の曲線下の影を付した面積により示されるサイズ分布データから決定することもできる(「ピーク積分」と表示される)。サイズ分布の積分重量は、定量化することもできる(例えば、参照と比較することにより)、相対的に規定することもできる。凝集粒子は、複数のモードを引き起こしうるので、積分重量は、近似粒子サイズ範囲内で決定して、非標的凝集体の影響を最小化することが好ましい。凝集体は、複数の単量体粒子、例えば、複数のウイルス粒子を含みうる。例えば、単量体粒子(例えば、ウイルス粒子)について予測されるサイズに、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上を乗じることにより、凝集体サイズの範囲を推定することが可能である。
定量化は、絶対定量化の場合もあり、相対定量化の場合もある。
本発明は、エンベロープウイルスおよび非エンベロープウイルスの両方を含めた多様な型のウイルスを定量化するのに有用である。本発明は、RNAゲノム(一本鎖または二本鎖の)を有するウイルスと共に用いることもでき、DNAゲノム(一本鎖または二本鎖の)を有するウイルスと共に用いることもでき、一本鎖ゲノムは、+センス鎖の場合もあり、−センス鎖の場合もある。本発明は、分節化ゲノムを有するウイルスと共に用いることもでき、非分節化ゲノムを有するウイルスと共に用いることもできる。本発明は、カプシド(単一または複数の)を有するウイルスと共に用いることもでき、カプシドを有さないウイルスと共に用いることもできる。したがって、試料は、以下のうちの1または複数を含有しうる。
ウイルスは、任意の適切な基質上、例えば、細胞系培養物中、初代細胞培養物中、卵内などで増殖させることができる。細胞培養物では、ハムスター細胞、畜牛細胞、霊長動物(ヒトおよびサルを含めた)細胞、およびイヌ細胞など、哺乳動物細胞を用いることが多い。腎細胞、線維芽細胞、網膜細胞、肺細胞など、多様な細胞型を用いることができる。適切なハムスター細胞の例は、BHK21またはHKCCという名称の細胞系である。適切なサル細胞は、例えば、Vero細胞系などの腎細胞などのアフリカミドリザル細胞である(参考文献4〜6を参照されたい)。適切なイヌ細胞は、例えば、CLDK細胞系およびMDCK細胞系などの腎細胞である。したがって、適切な細胞系には、MDCK;CHO;293T;BHK;Vero;MRC−5;PER.C6;WI−38などが含まれるがこれらに限定されない。インフルエンザウイルスを成長させるのに好ましい哺乳動物細胞系には、メイディン−ダービーイヌ腎臓に由来するMDCK細胞(参考文献7〜10を参照されたい);アフリカミドリザル(Cercopithecus aethiops)腎臓に由来するVero細胞(参考文献11〜13を参照されたい);またはヒト胚性網膜芽細胞に由来するPER.C6細胞(参考文献14を参照されたい)が含まれる。これらの細胞系は、例えば、American Type Cell Culture(ATCC)コレクション(参考文献15を参照されたい)、Coriell Cell Repositories(参考文献16を参照されたい)、またはEuropean Collection of Cell Cultures(ECACC)から広く入手可能である。例えば、ATCCは、カタログ番号CCL−81、CCL−81.2、CRL−1586、およびCRL−1587の下で多様な異なるVero細胞を提供しており、カタログ番号CCL−34の下でMDCK細胞を提供している。PER.C6は、ECACCから、寄託番号96022940の下で入手可能である。哺乳動物細胞を用いるほかに、ウイルスは、アヒルに由来する細胞系(例えば、アヒル網膜)またはニワトリに由来する細胞系、例えば、ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)などを含めた鳥類細胞または鳥類細胞系において成長させることもできる(例えば、参考文献17〜19を参照されたい)。例には、ニワトリ胚性幹細胞であるEB45、EB14、およびEB14−074(参考文献21を参照されたい)に由来するEBx細胞系を含めた鳥類胚性幹細胞(参考文献17および20を参照されたい)が含まれる。
ワクチン組成物は、生ウイルス、不活化ウイルスを用いて調製することもでき、例えば、スプリットワクチンまたは表面抗原ワクチンをインフルエンザウイルスから調製する場合のように、(1または複数の)免疫原性タンパク質をウイルスから精製することにより調製することもできる。
ディスク遠心分離により得られる粒子サイズ分布データを用いて、粒子濃度を計算しうるのかどうかを決定するために、本発明者らはまず、サイズおよび密度が公知の認定PVC標準粒子(CPS Instruments)を用いて研究を実施した。それらが、その後の実験において用いられるウイルス粒子とほぼ同じサイズであるため、263nmおよび225nmのPVC標準粒子を選んだ。
本研究において用いられるディスク遠心分離機は、CPS Instruments(モデル:24000UHR)により製造された。2%(w/v)スクロース溶液および8%(w/v)スクロース溶液を用いて、それぞれ、pH7.5の50mM NaPO4ならびにpH7.5の50mM NaPO4および120mMのNaCl中で希釈して、手作業により密度勾配溶液を調製した。次いで、これらの溶液を混合して、2、2.75、3.5、4.25、5、5.75、6.5、7.25、8%(w/v)を含有する9つのスクロース溶液を得た。ディスク遠心分離機は、24000RPMに設定した。24000RPMに達し、蒸発防止カバーをかけた後に、8%(w/v)溶液で始めて2%(w/v)溶液で終わる1.6mlずつのスクロース溶液をディスクへと注入した。蒸発をさらに防止し、安定性を延長するため、0.5mlのドデカンを、確立された密度勾配へと適用した。密度勾配の直線性を可能とする20〜30分間の試行時間の後、正確な容量を注入するため、シリンジを用いて200μLの試料を注入した。測定パラメータは、粒子密度:1.16g/ml、最大サイズ:2μm、最小サイズ:0.04μm、粒子の屈折率:1.54、粒子の吸収:0.001であった。
本発明者らは、粒子濃度と相関するPVCサイズ分布の2つの特徴:サイズ分布の最大重量(すなわち、最大値)およびサイズ分布の積分重量を同定した。結果を、図3〜5に示す。サイズ分布の積分重量および最大重量のいずれも、注入されたPVC粒子濃度に対する線形相関を示した。これは、注入されたPVC粒子濃度とサイズ分布の最大重量および積分重量との高い相関係数により示される(それぞれ、0.9979および0.9977)。全ての値は高度に再現可能であり、標準偏差の最大は5%未満であった。
ディスク遠心分離から導出されるサイズ分布と合成粒子濃度との間には相関を観察しうることを決定したので、本発明者らは、同様の相関が、ウイルス粒子を含む試料を用いて観察しうるのかどうかについても調べた。用いたウイルスは、凝集しないインフルエンザウイルスH3N2(A/Uruguay/716/2007X−175C)株であった(図1を参照されたい)。元のウイルス出発材料を、pH7.5の50mMリン酸ナトリウム中で、出発材料の80%、60%、40%、および20%(v/v)へと希釈した。また、非希釈のウイルス材料も用いた。多様な濃度のウイルス粒子を用いて、40nm〜2μmの範囲のウイルス粒子のサイズ分布の最大重量および積分重量の直線性について調べた。qRT−PCRにより決定される、1ml当たり1.37×1012の保護コピーを含む、元のウイルス調製物について調べた。また、元のウイルス調製物を、50mMのNaPO4中で希釈して、元の材料と比較した80%、60%、40%、20%(v/v)希釈物も用意した。また、非希釈のウイルス調製物についても調べた。
結果を図6〜8に示す。サイズ分布の積分重量および最大重量について、注入された粒子の濃度との高い相関係数が観察された(それぞれ、0.9843および0.987)。これは、(非凝集)ウイルス粒子濃度とサイズ分布特徴との驚くべき線形関係を示す。再現性を評価するために、全ての測定は、3連で実施したところ、最大の標準偏差は13%であった。推定粒子密度を1.16g/cm3としたところ、約95nmの流体力学的径が観察されたが、これは、80〜120nmの間の参照直径[参考文献45]と符合し、単独粒子を示す。測定バッファー中に、凝集体は観察されなかった。
次いで、本発明者らは、PVC標準物質および単一の非凝集ウイルスを用いて観察される相関が、異なる量のウイルス粒子ならびに培地、少量の塩、および生理学的バッファーを含めた異なるバッファー条件を含有するさらなる加工ステップを経たウイルス調製物を、試料中に翻訳するのかどうかについて探索した。本発明者らは、MDCK細胞内で成長させた3つの異なる株(H3N2、H1N1、およびB型)に由来する異なるインフルエンザ調製物について調べた。下流の加工ステップの概要を、図9に提示する。H3N2は凝集しない株であり(図1)、H1N1は凝集する株である(図2を参照されたい)。ウイルス調製物は、収集、限外濾過および透析濾過、クロマトグラフィーによる精製、または密度勾配による精製により得、ディスク遠心分離を用いて測定した。
図10〜11は、H3N2株について、ウイルス/ヘマグルチニン濃度にわたるサイズ分布の最大重量および積分重量を示す。サイズ分布には凝集体が観察されず(図1を参照されたい)、ディスクへと注入されたウイルス粒子の量とサイズ分布の最大値との線形相関が観察された。注入されたウイルス粒子の量とサイズ分布の最大重量との間では、0.8897(qRT−PCR)および0.7252(SRD)という高い相関係数が観察された。また、注入されたウイルス粒子の量とピーク積分との間でも、0.7455(qRT−PCR)および0.8033(SRD)という高い相関係数が観察された。これらは、注入されたウイルス粒子の量とサイズ分布の特性係数との線形関係を示す。低濃度のインフルエンザ粒子を含有する試料については、ヘマグルチニン濃度が、SRDアッセイの定量化限界に達するほど十分には高くなかったために、xの範囲が狭くなり、より低いR2値が結果としてもたらされたことに注意されたい。さらに、SRDの値およびqRT−PCRの値は、それぞれ、10%未満および20%未満の典型的な標準偏差で測定され、このために、既知の値との相関に関連する相関係数の上限が低下したことについても考慮しなければならない。
試料は、収集、限外濾過/透析濾過、クロマトグラフィーによる精製、および密度勾配による精製を含めた異なる作製技法により得た(図9)。したがって、これらの試料は、異なるバッファーならびに凝集ウイルス粒子および非凝集ウイルス粒子の異なる比を含有した。H3N2株については、注入された粒子の量とサイズ分布の最大重量との線形相関が観察され、相関係数は0.9077(qRT−PCR)および0.8826(SRD)であった(図12および13を参照されたい)。注入された粒子の量とウイルスピークの積分重量との間では、0.9734(qRT−PCR)および0.989(SRD)の線形相関が観察された。
勾配調製物にpH7.5の50mMリン酸ナトリウムバッファーを用い、収集、分離収集、限外濾過/透析濾過、および密度勾配またはクロマトグラフィーによる精製材料を用いたところ、このインフルエンザB株は凝集を示さなかった。異なるウイルス含有試料は、qRT−PCRにより測定される、1ml当たり1E10〜2E12の範囲の保護コピーの数により示される、異なる量のウイルス粒子を含有した。サイズ分布の最大重量と1ml当たりの保護粒子の注入された量との間では、高い相関係数(qRT−PCRによる0.8912およびSRDによる0.8801)が観察された(図14を参照されたい)。高い相関係数はまた、積分されたサイズ分布と注入された粒子の濃度との間でも観察され、0.9376(qRT−PCR)/0.7201(SRD)の値であった(図15を参照されたい)。これらの強い相関は、これらのサイズ分布パラメータと注入されたウイルスの濃度との間に強い線形関係を示す。
図16および17に実証される通り、全ての被験インフルエンザ株は、同じ種に属し、形態および構造におけるわずかな差異だけを有する。H1N1株は、pH7.5の50mMリン酸ナトリウムバッファー中で凝集を示したが、120mMのNaClを添加することにより凝集が低減され、サイズ分布の最大重量と注入された粒子の濃度との間に相関が可能となった。120mMのNaClの添加は、他の被験株のサイズ分布に影響を及ぼさなかったので、屈折率などの測定値に影響する他のパラメータは一定のままであった。全ての被験インフルエンザ株は、1ml当たりの保護コピーの濃度とサイズ分布の最大重量との間で、同様の傾きの線形関係を示し、また、積分重量についても、同様のことを示した。
本発明者らは、分離流体(例えば、密度勾配)において用いられるバッファーの選択が、測定される粒子のコンフォメーションに影響しうるのかどうかについて調べた。
結果
本実施例では、生理学的バッファー(50mMのNaPO4、pH7.5)により、H1N1株のわずかな凝集が誘導された(凝集体のほか、単独の非凝集粒子も観察された;図18)。
本発明者らは、本発明のディスク遠心分離方法が、ウイルス定量化のための現行のゴールドスタンダードであるqRT−PCRを含めた先行技術におけるウイルス定量化方法とどのようにして比較するかについて試験した。ベータ−プロピオラクトンによる不活化インフルエンザウイルス試料を、本発明のディスク遠心分離法、TEM、および現行のゴールドスタンダードであるqRT−PCRを用いて測定した。qRT−PCRおよびTEMを用いて測定されるウイルス粒子の量を表1に示し、本発明のディスク遠心分離法を用いて測定されるウイルス粒子の量を図22に示す。
本発明は、試料中の非凝集ウイルス粒子および/または凝集ウイルス粒子を定量化するための迅速な方法であって、物理的な粒子測定法に基づく方法を提供する。本発明の方法は、ウイルス粒子(例えば、インフルエンザ粒子)を含む試料を15分間以内に定量化することを可能とする。本発明者らは、驚くべきことに、光吸収検出器などの検出器と組み合わせたディスク遠心分離を用いて、インフルエンザウイルス粒子などのウイルス粒子を定量化しうることを見出した。本明細書で用いられる実験条件下では、インフルエンザのH3N2株およびB株が、非凝集ウイルスを表す単一モードのサイズ分布を示した。(qRT−PCRにより決定される)インフルエンザ粒子の量と、(SRDにより測定される)ヘマグルチニンの量と、サイズ分布の最大重量との間では、また、サイズ分布の積分重量との間でも、高い相関が観察された。
本発明者らは、また、ディスク遠心分離を用いて、例えば、ウイルス粒子の粒子密度を決定することができ、また、例えば、ウイルス粒子の粒子サイズも決定しうるのかどうかについても調べた。これにより、外部で測定された(例えば、先行技術におけるウイルス定量化法のうちのいずれかによる)粒子密度、または文献から導出される粒子密度に対する必要が取り除かれるであろう。この方法は、例えば、粒子密度および/または粒子サイズを決定するのに有用である。粒子は、生物学的粒子、例えば、ウイルス粒子の場合もあり、非生物学的粒子の場合もある。
ディスク遠心分離により粒子密度および粒子サイズを決定するために、上部の濃縮された溶液を下部の濃縮された溶液と混合して、9つの溶液(それぞれ、2%、2.75%、3.5%、・・・8%のスクロースを伴う溶液、および14%、14.75%、・・・20%のスクロースを伴う溶液)を提供することにより、pH7.5の50mM NaPO4中に2〜8%(w/v)および14〜20%(w/v)のスクロース勾配を調製した。非生物学的材料については、pH7.5の50mM NaPO4中に31〜37%(w/v)および51〜57%(w/v)スクロース勾配によりさらなる測定を実施した。ディスクの回転は、生物学的粒子には24000RPMに設定し、非生物学的材料には10000rpmに設定した。設定されたRPMに達した後、最高濃度の溶液で始めて最低濃度の溶液で終わる1.6mlずつのスクロース溶液をディスクへと注入した。次いで、水の蒸発を防止するために、0.5mlのドデカンを注入した。20〜30分間にわたる平衡時間の後、測定を開始した。0.05%のPVCを含有する、226nmおよび263nmの標準物質PVC粒子溶液を較正に用いてから特徴付けを行った。その後のデータ解析のために、試料測定の前後に、100μLの標準物質粒子溶液を測定した。次いで、第2のスクロースバッファー勾配を用いる測定を実施した。全ての試料注射には、Hamilton製のシリンジを用いた。
以下のウイルス粒子溶液:CDM/PF培地中のMDCK細胞(33016 PF)内で成長させた、1つのインフルエンザB株(株B/Brisbane/60/2008)および2つのインフルエンザA(H3N2)株(A/H3N2、株A/Uruguay/716/2007 X−175C、および株A/Victoria/210/2009 X−187);タバコ植物体内で成長させたタバコモザイクウイルス(TMV);タバコ植物体内で成長させたトマトモザイクウイルス(ToMV);ニワトリ胚線維芽細胞内で成長させた狂犬病(Flury LEP)ウイルスを用いた。以下のPVC標準物質:377nmのポリ塩化ビニル粒子溶液、および226nmのポリ塩化ビニル粒子溶液を用いた。また、酸化ケイ素も用いた。
本発明者らは、試料中の粒子の浮遊密度の推定を可能とする、したがって、正確な絶対サイズ(流体力学的径)の推定を可能とするモデルを導出した。モデルは、異なるレオロジー特性を有する(少なくとも)2つの異なる流体中の試料の(少なくとも)1つの測定に続く回帰分析に基づく。粘性および密度が高い分離流体中の粒子は、検出までに長い沈降時間を呈示し、この逆も成り立つことが見出された(図27を参照されたい)。
定常状態における沈殿は、ストークスの法則による抵抗:
Fs=抵抗
D=直径
η=動的粘度
R=半径
t=沈降時間
v=沈降速度]
と、遠心力:
Fc=遠心力
Ρp=粒子密度
ρF=流体密度
ω=角加速度
R=半径]
が釣り合うことから、
粘性を可変とするが既知とすると、式(4)のモデルから、
Ρp,Std=較正標準物質の密度
DStd=較正標準物質の直径
tStd=較正標準物質の沈降時間]
により導出することができる。
・沈降の出発点〜粒子の検出点の沈降距離が一定であること、これは、実際には、適用される勾配流体について、ディスクへと注入される流体体積が同じとなるように適用することである
・少なくとも2つの分離流体のレオロジー特性(密度、粘性など)が異なること
・分離流体の密度は公知でなければならないこと
・密度が公知の標準物質粒子を適用すること
・1分間当たりの回転数が、全ての測定について一定であること
・両方の流体の間で直径の変化が見られないこと(例えば、バッファー1中で粒子の凝集がみられず、かつ、バッファー2中でも凝集がみられないこと)。これには、総密度がディスク密度勾配内の最小密度より大きな試料をディスク内に入れる場合に生じうるストリーミングが含まれる。試料自体または試料流体の部分が、粒子として挙動しうること
である。
多様なウイルスおよび非生物学的粒子について測定される粒子密度を表2に示す。トマトモザイクウイルスの粒子密度の推定についての回帰分析を図22に示し、PVC粒子の粒子密度の推定についての回帰分析を図23に示す。参考文献45によれば、全ての測定される粒子についての、「実際の」密度と比較した推定密度の誤差が5%未満であったことから、ディスク遠心分離による最適サイズの近似が裏付けられる。
dStokes=ストークスの直径
dc=円筒直径
l=長さ
β=長さ/軸比]
により推定することができる。
本発明者らはまた、ディスク遠心分離を用いて、試料中の微生物の存在を同定しうるのかどうかについても調べた。微生物粒子は典型的に、直径が1μm以上であり、したがって、大半のウイルス粒子よりはるかに大きい。したがって、それらの各々のピークは、ウイルス粒子および微生物粒子を含む粒子サイズ分布において、互いから容易に識別することができる。図29(曲線A)は、約1.1μmにおいて異なるピークを示し、これは、被験試料中の微生物粒子に対応する。
本発明者らはまた、分割剤を投与することにより、生物学的粒子を分割するのに成功しうるのかどうか、およびどのくらいの分割剤を投与すれば、生物学的粒子を分割するのに成功しうるのかを、ディスク遠心分離を用いて決定しうるのかどうかについても調べた。この場合、生物学的粒子は、ウイルス粒子であった。図30は、インフルエンザ粒子を含有する試料についての粒子サイズ分布を明確に示す(曲線B)。図30(曲線A)は、ウイルスの分割後における同じ試料についての粒子サイズ分布を示す。ウイルスの分割の成功は、ウイルス粒子に対応するピークの有効な除去により明確に明らかである。
本発明者らはまた、ディスク遠心分離を用いて、アジュバント粒子などの無機粒子を再現可能に定量化しうるのかどうかについても調べた。図32は、各々の流体力学的径が約6μmである2つの異なるアジュバント粒子(水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウム)についての粒子サイズの分布3連での測定を示す。図32は、ディスク遠心分離により、アジュバント粒子を正確に、かつ、再現可能に定量化しうることを示す。これらのデータはまた、ディスク遠心分離が、流体力学的径が大きな粒子を解析するのにもまた適することも示す(この場合、約6μm)。
本発明者らは、ディスク遠心分離が、粒子サイズを決定するための迅速な方法であって、粒子の沈降速度および光度検出に基づく方法(参考文献46を参照されたい)もまたもたらすことを見出した。他の先行技術における方法、例えば、動的光散乱と比較して、ディスク遠心分離は、高分解能の結果をもたらす(参考文献47および48を参照されたい)。これは、例えば、流体のレオロジー特性の測定を再現可能で正確なものとする標準物質の適用に起因する。
Claims (37)
- ディスク遠心分離機を用いて試料中のウイルス粒子を定量化するための方法。
- 前記ウイルス試料が、非凝集ウイルス粒子および/または凝集ウイルス粒子を含む、請求項1に記載の方法。
- a.前記試料中の粒子をディスク遠心分離により分離するステップ;
b.粒子検出器を用いて前記粒子を検出するステップ;
c.粒子サイズ分布を測定するステップ;
d.i.単一モードのサイズ分布の存在に基づき、非凝集ウイルス粒子の存在または非存在を同定し、かつ/または
ii.多モードのサイズ分布の存在に基づき、凝集ウイルス粒子の存在または非存在を同定するステップ;
e.i.非凝集ウイルス粒子を含む試料について、前記サイズ分布の最大重量および/もしくは前記サイズ分布の積分重量を決定するか、または
ii.凝集ウイルス粒子を含む試料について、前記サイズ分布の積分重量を決定するステップ;
f.(i)前記試料についての前記サイズ分布の前記最大重量を、参照のサイズ分布の最大重量と比較し、かつ/または(ii)前記試料についての前記サイズ分布の前記積分重量を、参照のサイズ分布の積分重量と比較し、これにより、前記試料中の前記ウイルス粒子を定量化するステップ;
を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。 - 請求項3の(a)において、密度勾配、好ましくはスクロース密度勾配を用いて前記粒子を分離する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 前記密度勾配が、
a)塩、好ましくは塩化ナトリウム、および/または
b)バッファー、好ましくはリン酸ナトリウム
をさらに含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。 - 分離流体のpHがpH3〜9の間である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 前記試料を、生物学的分子に対する特異性を増強させてあり、検出可能な標識を含む化合物で処理する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 前記検出可能な標識が蛍光標識である、請求項7に記載の方法。
- 前記粒子検出器が蛍光検出器である、請求項8に記載の方法。
- 前記ディスク遠心分離機が光沈降速度計である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記粒子検出器が、300〜600nmの範囲の検出波長を用いる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ウイルスがインフルエンザウイルスである、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 元のウイルス出発材料より小さい粒子サイズの比率において相対的増大を検出することにより、ウイルス粒子全体が破壊されたのかどうかを検出するための、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 試料中の汚染ウイルス粒子の存在または非存在を検出するための、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 試料中の汚染微生物粒子の存在または非存在を検出するための、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 前記試料が、分割剤で処理されている、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 前記試料が、分割された粒子を含むのかどうかを決定するための、請求項16に記載の方法。
- 化合物の分割効率を決定するための、請求項16または請求項17に記載の方法。
- 生物学的粒子の分割に対する感受性を決定するための、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
- 抗原が(1または複数の)アジュバント粒子へと吸着されているのかどうかを同定するための、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 前記試料中における、(1または複数の)アジュバント粒子へと吸着されている抗原の比率を同定するための、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- (a)アジュバント粒子および抗原を含む試料へと、(i)アジュバント粒子には結合するが、(ii)可溶性抗原には結合せず、(iii)検出可能な標識を含む(1または複数の)化合物を導入するステップと、
(b)前記試料中の粒子をディスク遠心分離により分離するステップと、
(c)(1または複数の)前記検出可能な標識を検出するのに適する粒子検出器を用いて前記粒子を検出するステップと、
(d)粒子サイズ分布を測定するステップと、
(e)(i)抗原へと吸着されていないアジュバント粒子、
および/または
(ii)抗原が吸着されているアジュバント粒子
に対応する(1または複数の)粒子サイズ分布の存在または非存在を同定するステップと、場合により、
(f)抗原が吸着されているアジュバント粒子の比率を同定するステップと
を含む、請求項20または請求項21に記載の方法。 - 前記アジュバントがアルミニウム塩である、請求項22に記載の方法。
- (a)アジュバント粒子および抗原を含む試料へと、(i)抗原には結合するが、(ii)アジュバントには結合せず、(iii)検出可能な標識を含む(1または複数の)化合物を導入するステップと、
(b)前記試料中の粒子をディスク遠心分離により分離するステップと、
(c)(1または複数の)前記検出可能な標識を検出するのに適する粒子検出器を用いて前記粒子を検出するステップと、
(d)粒子サイズ分布を測定するステップと、
(e)(i)アジュバントへと吸着されていない抗原、
および/または
(iii)アジュバント粒子へと吸着されている抗原
に対応する(1または複数の)粒子サイズ分布の存在または非存在を同定するステップと、場合により、
(f)アジュバントへと吸着されている抗原の比率を同定するステップと
を含む、請求項20から23のいずれか一項に記載の方法。 - (i)抗原には結合するが、(ii)アジュバントには結合せず、(iii)検出可能な標識を含む(1または複数の)前記化合物が、タンパク質特異的および/または核酸特異的である、請求項24に記載の方法。
- ワクチンの製造における使用のための、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- ウイルス粒子の定量化をリアルタイムで実施する、請求項26に記載の方法。
- ワクチンを製造するためのプロセスであって、
(i)先行する請求項のいずれか一項に記載の方法を用いることにより、バルク材料から採取される試料中の非凝集ウイルス粒子および/または凝集ウイルス粒子を定量化するステップと、
(ii)場合により、前記試料中のウイルス粒子の量に基づき、前記バルク材料中の前記ウイルス粒子の濃度を、ワクチン組成物中で用いるのに適する濃度へと調整するステップと、
(iii)前記ワクチンを前記バルク材料から調製するステップと
を含む、プロセス。 - ディスク遠心分離機を用いて粒子密度および/または粒子サイズを決定するための方法であって、
a.少なくとも2つの異なる分離流体中の試料の沈降速度を測定するステップであって、前記流体が、異なるレオロジー特性を有する、ステップ;
b.回帰分析、好ましくは線形回帰分析を実施するステップ、
を含む方法。 - 粒子の沈殿速度を決定するための方法であって、
a.沈降出発点から検出器までの距離を測定するステップ;
b.保持時間を決定するステップ;
c.ステップ(a)から得られる値を、ステップ(b)から得られる値で除するステップ、
を含む、方法。 - 密度および/またはサイズの変化において現れる精子形態の同定に使用するための、請求項29または請求項30に記載の方法。
- (i)精液試料中の精子の密度および/またはサイズを参照と比較するステップと、(ii)前記精液試料中の非典型的な精子の密度および/またはサイズの同定とを含む、請求項31に記載の方法、
精液試料中の精子粒子を特徴付ける方法であって、
(a)前記精液試料中の粒子を、ディスク遠心分離により分離するステップと、
(b)粒子検出器を用いて前記粒子を検出するステップと、
(c)粒子サイズ分布を測定するステップと、
(d)i.単一モードのサイズ分布の存在に基づき、非凝集精子粒子の存在または非存在を同定し、かつ/または
ii.多モードのサイズ分布の存在に基づき、凝集精子粒子の存在または非存在を同定し、ならびに/あるいは
iii.非凝集精子粒子を含む試料について、前記サイズ分布の最大重量および/もしくは前記サイズ分布の積分重量を決定するか、または
iv.凝集精子粒子を含む試料について、前記サイズ分布の積分重量を決定するステップと、
v.前記試料についての前記サイズ分布の最大重量を、参照のサイズ分布の最大重量と比較するか、または
vi.前記試料についての前記サイズ分布の積分重量を、参照のサイズ分布の積分重量と比較し、
これにより、前記試料中の前記ウイルス粒子を定量化するステップと、
場合により、
(A)精子粒子のサイズの変動および/または精子粒子の密度の変動を測定するステップと、
(B)前記精子粒子のサイズの変動および/または精子粒子の密度の変動を、参照の精子粒子のサイズの変動および/または精子粒子の密度の変動と比較し、
これにより、前記試料中の均質でない精子集団の存在または非存在を同定するステップと
を含む、方法。 - 密度および/またはサイズの変化において現れる精子形態を、ディスク遠心分離機を用いて同定する方法であって、
a.精液試料中の精子粒子の沈降速度を測定するステップと、
b.前記精液試料中の精子粒子の前記沈降速度を、沈降速度が公知である参照の沈降速度と比較するステップと、
c.前記精液試料中の前記精子粒子の観察された沈降速度が、前記精液試料中の前記精子粒子の、前記参照に基づき予測される沈降速度と異なるのかどうかを同定するステップと
を含む、方法。 - 生物学的試料中の異常な粒子サイズ、異常な粒子密度、および/または異常な粒子量を、ディスク遠心分離機を用いて同定する方法であって、
a.生物学的試料の粒子サイズ分布を測定するステップと、
b.前記生物学的試料の前記粒子サイズ分布を、対照の粒子サイズ分布と比較するステップと、
c.前記生物学的試料中の前記粒子の前記粒子サイズ分布が、対照試料の粒子サイズ分布と異なるのかどうかを同定するステップと、
d.前記生物学的試料が、前記対照と比較して、異常に高レベルの粒子を含有するのか、異常に低レベルの粒子を含有するのか、正常レベルの粒子を含有するのかを決定するステップと
を含む、方法。 - 前記生物学的試料が、精子試料、血液試料、または唾液試料である、請求項34に記載の方法。
- 先行する請求項のいずれか一項に記載の方法による使用のための、ディスク遠心分離機。
- 請求項26もしくは請求項27に記載の方法または請求項28に記載のプロセスにより作製されるワクチン組成物。
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