JP2014528726A - デヒドロゲナーゼ変異体およびこれをコードするポリヌクレオチド - Google Patents

デヒドロゲナーゼ変異体およびこれをコードするポリヌクレオチド Download PDF

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Abstract

本発明は、3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ変異体に関する。本発明はまた、これらの変異体をコードするポリヌクレオチド;ポリヌクレオチドを含む核酸構築物、ベクターおよび宿主細胞;ならびに、変異体を使用する方法に関する。

Description

配列表の参照
本出願は、コンピュータ読み取り可能な形態の配列表を含んでおり、これは本明細書において参照により援用される。
背景
3−ヒドロキシプロピオン酸(3−HP)は、発酵によって製造することができる上位12の高ポテンシャルビルディングブロック化学物質の1つとして米国エネルギー省によって同定された炭素数3のカルボン酸である。乳酸(2−ヒドロキシプロピオン)酸の異性体である3−HPの別名として、エチレン乳酸および3−ヒドロキシプロピオン酸塩が挙げられる。3−HPは、グルコース、複数の官能基からの100%理論収率を有する魅力的な再生可能プラットフォーム化学物質であり、これによって、様々な化学反応に参加することが可能になり、しかも毒性が低い。3−HPは、1,3−プロパンジオール、マロン酸、アクリルアミド、およびアクリル酸などの数種の汎用化学製品を形成する基質として用いることができる。アクリル酸は、アクリル酸エステルおよび高吸収性ポリマーを製造するのに用いられる大量生産型化学製品(>70億lb/年)であり、プロピレンの接触酸化から容易に得られる。3−HPの発酵生産は、これらの商業的に重要な化学製品の供給原料として石油化学に対する持続可能な代替物を提供することになり、これによって、エネルギー消費、海外の石油供給に対する依存、ならびに温室効果ガス生成が低減する。
3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ(3−HPDH)は、マロン酸セミアルデヒドを3−HPに変換する酵素である(図1)。特定の3−HPDH酵素は、補因子NADP(H)(EC1.1.1.298)を使用する。しかし、何らかの操作された代謝経路を用いて、3−HPDH酵素が、NADP(H)ではなく補因子NAD(H)を用いるようにすることが望ましい場合もある(例えば、レドックスバランスを改善するために)。従って、当分野では、NADP(H)と比較して、補因子NAD(H)に対する増大した特異性を有するデヒドロゲナーゼ変異体を開発する必要がある。本明細書に、この要求を満たすデヒドロゲナーゼ変異体を記載する。
概要
本明細書には、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応する1つまたは複数(例えば、2つ、数個)の位置に置換を含む3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ変異体が記載され、これらの変異体は、3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ活性を有する。いくつかの態様では、変異体は、配列番号2の10位に対応する位置に欠失を含む。いくつかの態様では、変異体は、NADP(H)と比較して、補因子NAD(H)に対する増大した特異性を有する。
また、これらの変異体をコードする単離されたポリヌクレオチド;ポリヌクレオチドを含む核酸構築物、ベクターおよび宿主細胞;ポリヌクレオチドを含む宿主細胞を用いて、ヒドロキシプロピオン酸(3−HP)を製造する方法;ならびに変異体を製造する方法も記載される。
3−HPを生成する経路を示す。 大腸菌(E.coli)ydfG、イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c、及びサッカロマイセス・セレビシエ(S.cerevisiae)YMR226c(それぞれ、配列番号2、4、及び6)の在来のデヒドロゲナーゼ配列のアラインメントを示す。補因子結合に関与する残基には下線を引く。触媒関与する残基は太字で示す。 在来の大腸菌(E.coli)デヒドロゲナーゼ(配列番号2)と比較した、変異体デヒドロゲナーゼmut1〜mut25(それぞれ、配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、および33)のN末端領域;在来のイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)デヒドロゲナーゼ(配列番号4)と比較した、変異体デヒドロゲナーゼmut26及びmut27(それぞれ、配列番号80及び81)の部分配列アラインメントを示す。 pTrc99Aのプラスミドマップを示す。 pMcTs108のプラスミドマップを示す。 pMcTs116のプラスミドマップを示す。 p1045168のプラスミドマップを示す。 pMcTs77のプラスミドマップを示す。 p11AAT5WPのプラスミドマップを示す。 pMcTs78のプラスミドマップを示す。 pMcTs115のプラスミドマップを示す。 p11AA2GJPのプラスミドマップを示す。 pMcTs102のプラスミドマップを示す。
定義
3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ:「3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ」(3−HPDH)という用語は、NAD(H)またはNADP(H)補因子の存在下で、マロン酸セミアルデヒドと3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ(3−HP)の相互変換を触媒する酵素を意味する。3−HPデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素は、それらが、NAD(H)補因子を用いる場合には、EC1.1.1.59として分類され、それらが、NADP(H)補因子を用いる場合には、EC1.1.1.298として分類される。EC1.1.1.298として分類される酵素はまた、マロン酸セミアルデヒドレダクターゼとも呼ばれる。当業者であれば、3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼが、2つ以上の基質について特異性を持ちうることは認識されよう。例えば、配列番号2の大腸菌(E.coli)3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼは、セリンと2−アミノマロン酸セミアルデヒド(すなわち「セリンデヒドロゲナーゼ」)の相互変換、および3−HPとマロン酸セミアルデヒド(すなわち、3−HPDH)の相互変換の両方を触媒しうる。
3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ活性は、実施例に記載するマロン酸セミアルデヒドレダクターゼアッセイに従って決定することができる。一態様では、本発明の変異体は、配列番号2、4、もしくは6の3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼの少なくとも20%、例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%を有する。
活性3−HP経路:本明細書で用いる「活性3−HP経路」を有する宿主細胞は、発酵性糖から3−HPへの代謝経路における各反応を触媒するのに必要な活性酵素を産生し、従って、少なくとも1つの発酵性糖の存在下、発酵条件下で培養すると、3−HPを測定可能な収量で産生することができる。活性3−HP経路を有する宿主細胞は、1つまたは複数の3−HP経路遺伝子を含む。本明細書で用いる「3−HP経路遺伝子」とは、活性3−HP経路に関与する酵素をコードする遺伝子を指す。活性3−HP経路および活性3−HP経路に関与する対応酵素の一例を図1に示す。
活性3−HP経路での各反応を触媒するのに必要な活性酵素は、内在性遺伝子発現の活性、異種遺伝子発現の活性、または内在性および異種遺伝子発現の活性の組合せから起こりうる。
対立遺伝子変異体:「対立遺伝子変異体」という用語は、同一の染色体座を占有する遺伝子の2つ以上の代替的な形態のいずれかを意味する。対立遺伝子変異は、突然変異を介して自然に生じ、また、個体群中の多型性によりもたらされ得る。遺伝子突然変異は、サイレント(コードされるポリペプチドにおける変化無し)であることが可能であり、または、改変されたアミノ酸配列を有するポリペプチドがコードされ得る。ポリペプチドの対立遺伝子変異体は、遺伝子の対立遺伝子変異体によってコードされたポリペプチドである。
コード配列:「コード配列」という用語は、ポリペプチドのアミノ酸配列を特定するポリヌクレオチド配列を意味する。コード配列の境界は、一般に、オープンリーディングフレームによって決定されるが、これは、通常、ATG開始コドン、またはGTGおよびTTGなどの別の開始コドンで開始し、TAA、TAG、またはTGAなどの終止コドンで終了する。コード配列は、ゲノムDNA、cDNA、合成ポリヌクレオチド、および/または組換えポリヌクレオチドの配列のいずれであってもよい。
制御配列:「制御配列」という用語は、ポリペプチド発現に必要な核酸配列を意味する。制御配列は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して在来もしくは外来のものであっても、互いに在来もしくは外来のものであってもよい。このような制御配列としては、限定するものではないが、リーダ配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモータ配列、シグナルペプチド配列、および転写ターミネータ配列が挙げられる。制御配列は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのコード領域と制御配列の連結を容易にする特定の制限部位を導入する目的で、リンカーを備えていてもよい。
発現:「発現」という用語は、限定するものではないが、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾および分泌物を含むポリペプチドの生成に関与するいずれかのステップを含む。発現は(例えば、発現の増大を検出する目的で)例えば、mRNAおよび/または翻訳ポリペプチドのレベルを測定するなどの当分野では公知の技術によって、測定することができる。
発現ベクター:「発現ベクター」という用語は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、また、制御配列に作動可能にリンクされている直鎖または環状DNA分子を意味し、ここで、制御配列は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現をもたらす。少なくとも、発現ベクターは、プロモータ配列、ならびに転写および翻訳終止シグナル配列を含む。
発酵培地:「発酵培地」という用語は、1つまたは複数(例えば、2つ、数個)の糖、例えば、グルコース、フルクトース、スクロース、セロビオース、キシロース、キシルロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、および/または可溶性オリゴ糖などを含む培地を指し、ここで、培地は、部分的に、活性3−HP経路を有する宿主細胞によって、3−HPに変換(発酵)することができる。場合によっては、発酵培地は、テンサイ、デンプン、またはセルロースなどの天然の供給源から得られ、また、酵素加水分解(糖化)によって供給源を前処理して得られたものでもよい。
断片:「断片」という用語は、当該ポリペプチド配列のアミノおよび/またはカルボキシル末端から1つまたは複数(例えば、2つ、数個)のアミノ酸が欠失しているポリペプチドを意味する。一態様では、断片は、3−HPDH活性を有する。別の態様では、断片中のアミノ酸残基の数は、例えば、本明細書に記載するいずれかの3−HPDHの少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、85%、90%、もしくは95%、例えば、配列番号2、4、もしくは6のアミノ残基の数の少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、85%、90%、もしくは95%である。
異種ポリヌクレオチド:「異種ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書では、宿主細胞に対して在来ではないポリヌクレオチド;1つまたは複数(例えば、2つ、数個)の構造的修飾が、コード領域に実施された在来のポリヌクレオチド;組換えDNA技術(例えば、ポリヌクレオチドにリンクされた、異なる(外来)プロモータ)によるDNAの操作の結果、発現が量的に変化した在来のポリヌクレオチド;または宿主細胞への1つまたは複数のポリヌクレオチドの追加コピーの導入により、発現が量的に変化した在来のポリヌクレオチドとして定義される。
宿主細胞:「宿主細胞」という用語は、本明細書に記載のポリヌクレオチド(例えば、3−HPDHをコードするポリヌクレオチド)を含む核酸構築物または発現ベクターによる形質転換、形質移入、形質導入等に対する感受性を有するあらゆる細胞型を意味する。「宿主細胞」という用語は、複製の最中に生じる突然変異による親細胞と同じではない親細胞のあらゆる子孫を包含する。
増大した特異性:「NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する増大した特異性」という用語は、当該ポリペプチドが、その他は同じ条件下で、NADP(H)と比較して、NAD(H)の存在下でより大きな3−HPDH活性を有することを意味する。いくつかの態様では、当該変異体は、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対し2倍超、例えば、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、もしくは1000倍を超える特異性を有する。
単離された:「単離された」という用語は、自然界においては生じない形態または環境にある物質を意味する。単離された物質の非限定的な例としては、(1)いずれかの非天然物質、(2)限定するものではないが、自然界において関連している天然構成成分の1種または複数種もしくは全てから少なくとも部分的に取り出されたいずれかの酵素、変異体、核酸、タンパク質、ペプチドもしくは補因子を含むいずれかの物質;(3)自然界において見出される物質に対して人為的に修飾されたいずれかの物質;または、(4)自然界で関連する他の成分に対して物質量の増加により修飾されたいずれかの物質(例えば、物質をコードする遺伝子の複数のコピー;物質をコードする遺伝子と自然界で関連するプロモータより強力なプロモータの使用)が挙げられる。単離された物質は、発酵ブロスサンプル中に存在してもよい。
突然変異体:「突然変異体」という用語は、変異体をコードするポリヌクレオチドを意味する。
核酸構築物:「核酸構築物」という用語は、1つまたは複数(例えば、2つ、数個)の制御配列を含むポリヌクレオチドを意味する。ポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖のいずれであってもよく、これは、天然の遺伝子から単離されるか、もしくは、そうでなければ自然に存在しないであろう様式で核酸のセグメントを含有するよう修飾されても、合成物であってもよい。
作動可能にリンクされた:「作動可能にリンクされた」という用語は、制御配列がコード配列の発現を指令するように、ポリヌクレオチドのコード配列に対して適切な位置に制御配列を配置する構造を意味する。
親または親3−HPDH:「親」または「親3−HPDH」という用語は、本発明の酵素変異体を生成するような改変が実施される3−HPDHを意味する。親は、天然に存在する(野生型)ポリペプチドまたはその変異体もしくは断片であってもよい。
配列同一性:2つのアミノ酸配列間または2つのヌクレオチド配列間の関連性は、「配列同一性」というパラメータによって表される。
本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列間の配列同一性の程度は、好ましくはバージョン5.0.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276−277)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman−Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443−453)を用いて判定される。用いられるパラメータは、10のギャップオープンペナルティ、0.5のギャップエクステンションペナルティおよびEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。
本発明の目的のために、2つのデオキシリボヌクレオチド配列間の配列同一性の程度は、好ましくはバージョン5.0.0以降のEMBOSSパッケージ(前述のEMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman−Wunschアルゴリズム(前述のNeedleman and Wunsch,1970)を用いて判定される。用いられるパラメータは、10のギャップオープンペナルティ、0.5のギャップエクステンションペナルティおよびEDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。
緊縮条件:緊縮条件は、本明細書において、2つのDNA配列を比較する際に、ハイブリダイゼーションを実施するために用いる。
「極めて低度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理および修飾済みのサケ精子DNA、ならびに、25%ホルムアミドでのプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、45℃で15分間ずつ3回洗浄される。
「低度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理および修飾済みのサケ精子DNA、ならびに、25%ホルムアミドでのプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、50℃で15分間ずつ3回洗浄される。
「中度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理および修飾済みのサケ精子DNA、ならびに、35%ホルムアミドでのプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、55℃で15分間ずつ3回洗浄される。
「中−高度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理および修飾済みのサケ精子DNA、ならびに、35%ホルムアミドでのプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、60℃で15分間ずつ3回洗浄される。
「高度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理および修飾済みのサケ精子DNA、ならびに、50%ホルムアミドでのプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、65℃で15分間ずつ3回洗浄される。
「極めて高度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理および修飾済みのサケ精子DNA、ならびに、50%ホルムアミドでのプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、70℃で15分間ずつ3回洗浄される。
サブ配列:「サブ配列」という用語は、当該ヌクレオチド配列の5’および/または3’末端から欠失された1つまたは複数(例えば、2つ、数個)のヌクレオチドを有するポリヌクレオチドを意味する。一態様では、サブ配列は、3−HPDH活性を有する断片をコードする。別の態様において、サブ配列中のヌクレオチド残基の数は、例えば、本明細書に記載する3−HPDHをコードするいずれかの配列中のヌクレオチド残基の数の少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、85%、90%、もしくは95%、例えば、配列番号1、3、もしくは5のヌクレオチド残基の数の少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、85%、90%、もしくは95%である。
変異体:「変異体」という用語は、1つまたは複数(例えば、2つ、数個)の位置で、親3−HPDHに対する改変、すなわち置換、挿入、および/または欠失を含む3−HPDHを意味する。置換とは、ある位置のアミノ酸の異なるアミノ酸による置き換えを意味し;欠失とは、ある位置のアミノ酸の除去を意味し;また、挿入とは、ある位置のアミノ酸に隣接し、かつすぐ後に位置する1アミノ酸を付加することを意味する。
野生型:「野生型」3−HPDHまたは「在来の」3−HPDHという用語は、天然に存在する細菌、酵母、または糸状真菌などの天然に存在する微生物によって発現される3−HPDHを意味する。
変異体の命名規則
本明細書に記載する目的のために、配列番号2を用いて、他の3−HPDH酵素中のアミノ酸番号付けを決定する。別の3−HPDHのアミノ酸配列を配列番号2とアラインメントし、このアラインメントに基づき、配列番号2に開示されるポリペプチド中のいずれかのアミノ酸残基に対応するアミノ酸位置番号を、好ましくはバージョン5.0.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276−277)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman−Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443−453)を用いて決定する。用いるパラメータは、10のギャップオープンペナルティ、0.5のギャップエクステンションペナルティ、およびEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。
別の3−HPDH中の対応するアミノ酸残基の同定は、いくつかのコンピュータプログラムを用いた複数のポリペプチド配列のアラインメントによって決定することができ、このようなプログラムとして、限定するものではないが、以下:MUSCLE(Log予想による多重配列比較;バージョン3.5以降;Edgar,2004,Nucleic Acids Research 32:1792−1797)、MAFFT(バージョン6.857以降;KatohおよびKuma,2002,Nucleic Acids Research 30:3059−3066;Katoh et al.,2005,Nucleic Acids Research 33:511−518;KatohおよびToh,2007,Bioinformatics 23:372−374;Katoh et al.,2009.Methods in Molecular Biology 537:39−64;KatohおよびToh,2010,Bioinformatics 26:1899−1900)、ならびにClustalWを用いたEMBOSS EMMA(1.83以降;Thompson et al.,1994,Nucleic Acids Research 22:4673−4680)があり、それぞれのデフォルトパラメータを用いる。
他の酵素配列が配列番号2から分岐して、伝統的な配列ベースの比較でそれらの関係性を検出できない場合(LindahlおよびElofsson,2000,J.Mol.Biol.295:613−615)、別のペアワイズ配列比較アルゴリズムを用いることができる。データベースをサーチするのにポリペプチドファミリーの確率表示(probabilistic representation)を使用するサーチプログラム(プロファイル)を用いて、配列ベースのサーチにおいて、より高い感度を達成することができる。例えば、PSI−BLASTプログラムは、反復データベースサーチ法によってプロファイルを作成し、遠隔相同体を検出することができる(Atschul et al.,1997,Nucleic Acids Res.25:3389−3402)。ポリペプチドのファミリーもしくはスーパーファミリーが、タンパク質構造データベース中に1つまたは複数の代表を有していれば、さらに高い感度の取得も可能である。GenTHREADER(Jones,1999,J.Mol.Biol.287:797−815;McGuffinおよびJones,2003,Bioinformatics 19:874−881)などのプログラムは、問合せ配列の構造フォールドを推定するニューラルネットワークに対する入力として、様々なソース(PSI−BLAST、二次構造推定、構造アラインメントプロファイル、および溶媒和ポテンシャル)からの情報を使用する。同様に、Gough et al.,J.Mol.Biol.313:903−919の方法を用いて、SCOPデータベースに存在するスーパーファミリーモデルと、未知構造の配列をアラインメントすることができる。また、これらのアラインメントは、ポリペプチドの相同性モデルを作成するのに用いることもでき、こうしたモデルは、専用に開発された様々なツールを用いて、精度について評価することができる。
既知構造のタンパク質の場合、構造アラインメントを検索し、作成するためのいくつかのツールおよび手段が入手可能である。例えば、タンパク質のSCOPスーパーファミリーが構造的にアラインメントされており、こうしたアラインメントは、閲覧およびダウンロードが可能である。様々なアルゴリズムを用いて、2つ以上のタンパク質構造をアラインメントすることが可能であり、そのようなアルゴリズムとして、ディスタンスアラインメントマトリックス(HolmおよびSander,1998、Proteins 33:88−96)またはコンビナトリアルエクステンション(ShindyalovおよびBourne,1998,Protein Engineering 11:739−747)があり、さらに、これらのアルゴリズムの実装を用いて、考えられる構造相同体を発見するために、目的の構造を含む構造データベースを問い合わせることもできる(例えば、HolmおよびPark,2000,Bioinformatics 16:566−567)。
本発明に記載の変異体を説明するに際し、以下に記載する命名法を、参照しやすいように変える。公認のIUPAC1文字または3文字アミノ酸略号を用いる。
置換。アミノ酸置換については、以下の命名法を用いる:本来のアミノ酸、位置、置換されたアミノ酸。従って、226位のトレオニンのアラニンによる置換は、「Thr226Ala」または「T226A」と称する。同じ位置での二者択一の置換は、スラッシュによって分ける。例えば、226位のトレオニンのアラニンまたはバリンによる置換は、「Thr226Ala/Val」または「T226A/V」と称し、T226AまたはT226V置換を表す。多重突然変異は、プラス記号(「+」)によって分け、例えば、「Gly205Arg+Ser411Phe/Tyr」または「G205R+S411F/Y」は、205位および411位での、グリシン(G)のアルギニン(R)での置換、ならびにフェニルアラニン(F)またはチロシン(Y)によるセリン(S)の置換をそれぞれ示している。
欠失。アミノ酸欠失については、以下の命名法を用いる:本来のアミノ酸、位置、*。従って、195位のグリシンの欠失は、「Gly195*」または「G195*」と称する。多重欠失は、例えば、「Gly195*+Ser411*」または「G195*+S411*」のように、プラス記号(「+」)によって分ける。
挿入。アミノ酸欠失については、以下の命名法を用いる:本来のアミノ酸、位置、本来のアミノ酸、挿入されたアミノ酸。従って、195位のグリシンの後のリシンの挿入は、「Gly195GlyLys」または「G195GK」と称する。複数のアミノ酸の挿入は、[本来のアミノ酸、位置、本来のアミノ酸、挿入されたアミノ酸#1、挿入されたアミノ酸#2;等]と称する。例えば、195位のグリシンの後のリシンおよびアラニンの挿入は、「Gly195GlyLysAla」または「G195GKA」と称する。
このような場合、挿入されたアミノ酸残基は、挿入されたアミノ酸残基の前のアミノ酸残基の位置番号に小文字を加えることによって番号付けする。前述の例の場合、配列は、以下のようになる:
Figure 2014528726
本明細書において、値またはパラメータの前の「約」は、その値またはパラメータ自体に関する態様(aspect)を含む。例えば、「約X」という表現は、態様「X」を含む。測定された値と組み合わせて用いられる場合、「約」は、少なくとも、特定の値を測定する方法に伴う不確実性を包含する範囲を含み、表示された値に2つの標準偏差を足した、または引いた範囲を含みうる。
本明細書において、また添付の請求の範囲において、単数形「1つの(a)」、「または」および「その」は、文中に明らかに別に記載のない限り、複数の指示対象を含む。本明細書に記載する態様は、態様から「構成される」および/または態様から「実質的に構成される」を含むことを理解されたい。
別途記載されているか、文脈から明らかに示されるのでない限り、本明細書で用いる技術および科学用語は全て、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
詳細な説明
本明細書には、特に、3−HPDH活性を有するポリペプチドが記載される。いくつかの態様において、ポリペプチドは、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応する1つまたは複数(例えば、2つ、数個)の位置に置換を含む変異体である。いくつかの態様では、変異体は、配列番号2の10位に対応する位置に欠失をさらに含む。いくつかの態様では、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する増大した特異性を有するポリペプチド。
3−HPDH活性を有するポリペプチド
一態様では、3−HPDH活性を有するポリペプチドであって、ポリペプチドは:
a)配列番号2、4、もしくは6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチド;
b)低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号1、3、もしくは5の完全長相補ストランドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;または
c)配列番号1、3、もしくは5に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドであり;
ここで、ポリペプチドは、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する増大した特異性(例えば、NADP(H)と比較して、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、もしくは1000倍超のNAD(H)に対する特異性)を有する。
一態様では、ポリペプチドa)は、配列番号2に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有し;b)は、少なくとも低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号1の完全長相補ストランドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされ;および/またはc)は、配列番号1に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされる。
配列番号2に関する上記の態様のいくつかにおいて、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも1つが、配列番号2とは異なる。一実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも2つが、配列番号2と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも3つが、配列番号2と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも4つが、配列番号2と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも5つが、配列番号2と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも6つが、配列番号2と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の全てが、配列番号2と異なる。
別の態様において、ポリペプチドa)は、配列番号4に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有し;b)は、少なくとも低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号3の完全長相補ストランドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされ;および/またはc)は、配列番号3に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされる。
配列番号4に関する上記の態様のいくつかにおいて、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも1つが、配列番号4とは異なる。一実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも2つが、配列番号4と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも3つが、配列番号4と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも4つが、配列番号4と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも5つが、配列番号4と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも6つが、配列番号4と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の全てが、配列番号4と異なる。
別の態様において、ポリペプチドa)は、配列番号6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有し;b)は、少なくとも低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号5の完全長相補ストランドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされ;および/または、配列番号5に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされる。
配列番号6に関する上記の態様のいくつかにおいて、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも1つが、配列番号6とは異なる。一実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも2つが、配列番号6と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも3つが、配列番号6と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも4つが、配列番号6と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも5つが、配列番号6と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも6つが、配列番号6と異なる。別の実施形態では、配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の全てが、配列番号6と異なる。
一態様において、ポリペプチドは、配列番号2の9位に対応する位置に、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValを含みうる。いくつかの実施形態では、9位に対応するアミノ酸は、Glyである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
別の態様では、ポリペプチドは、配列番号2の31位に対応する位置に、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValを含みうる。いくつかの実施形態では、31位に対応するアミノ酸は、AspまたはGluである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
別の態様では、ポリペプチドは、配列番号2の32位に対応する位置に、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValを含みうる。いくつかの実施形態では、32位に対応するアミノ酸は、Leuである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
別の態様では、ポリペプチドは、配列番号2の33位に対応する位置に、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValを含みうる。いくつかの実施形態では、33位に対応するアミノ酸は、SerまたはAsnである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
別の態様では、ポリペプチドは、配列番号2の34位に対応する位置に、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValを含みうる。いくつかの実施形態では、34位に対応するアミノ酸は、AlaまたはProである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
別の態様では、ポリペプチドは、配列番号2の35位に対応する位置に、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValを含みうる。いくつかの実施形態では、35位に対応するアミノ酸は、AlaまたはAspである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
別の態様では、ポリペプチドは、配列番号2の36位に対応する位置に、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、またはValを含みうる。いくつかの実施形態では、36位に対応するアミノ酸は、Alaである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
ポリペプチドの一態様において、9に対応する位置はGlyで、31はAspまたはGluであり;9はGlyで、32はLeu;9はGlyで、33はSerまたはAsnであり;9はGlyで、34はAlaまたはProであり;9はGlyで、35はAlaまたはAspであり;9はGlyで、36はAlaであり;31はAspまたはGluで、32はLeuであり;31はAspまたはGluで、33はSerまたはAsnであり;31はAspまたはGluで、34はAlaまたはProであり;31はAspまたはGluで、35はAlaまたはAspであり;31はAspまたはGluで、36はAlaであり;32はLeuで、33はSerまたはAsnであり;32はLeuで、34はAlaまたはProであり;32はLeuで、35はAlaまたはAspであり;32はLeuで、36はAlaであり;33はSerまたはAsnで、34はAlaまたはProであり;33はSerまたはAsnで、35はAlaまたはAspであり;33はSerまたはAsnで、36はAlaであり;34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;34はAlaまたはProで、36はAlaであり;あるいは、35はAlaまたはAspで、36はAlaである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
ポリペプチドの別の態様において、9に対応する位置はGly、31はAspまたはGluで、32はLeuであり;9はGly、31はAspまたはGluで、33はSerまたはAsnであり;9はGly、31はAspまたはGluで、34はAlaまたはProであり;9はGly、31はAspまたはGluで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、31はAspまたはGluで、36はAlaであり;9はGly、32はLeuで、33はSerまたはAsnであり;9はGly、32はLeu、34はAlaまたはProであり;9はGly、32はLeu、35はAlaまたはAspであり;9はGly、32はLeuで、36はAlaであり;9はGly、33はSerまたはAsnで、34はAlaまたはProであり;9はGly、33はSerまたはAsnで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、33はSerまたはAsnで、36はAlaであり;9はGly、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、34はAlaまたはProで、 36はAlaであり;9はGly、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、32はLeuで、33はSerまたはAsnであり;31はAspまたはGlu、32はLeuで、34はAlaまたはProであり;31はAspまたはGlu、32はLeuで、35はAlaまたはAspであり;31はAspまたはGlu、32はLeuで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsnで、34はAlaまたはProであり;31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsnで、35はAlaまたはAspであり;31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsnで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;31はAspまたはGlu、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、35はAlaまたはAspで、 36はAlaであり;32はLeu、33はSerまたはAsnで、34はAlaまたはProであり;32はLeu、33はSerまたはAsnで、35はAlaまたはAspであり;32はLeu、33はSerまたはAsnで、36はAlaであり;32はLeu、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;32はLeu、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;32はLeu、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;33はSerまたはAsn、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;あるいは、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
ポリペプチドの別の態様において、9に対応する位置はGly、31はAspまたはGlu、32はLeuで、33はSerまたはAsnであり;9はGly、31はAspまたはGlu、32はLeuで、34はAlaまたはProであり;9はGly、31はAspまたはGlu、32はLeuで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、31はAspまたはGlu、32はLeuで、36はAlaであり;9はGly、31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsnで、34はAlaまたはProであり;9はGly、31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsnで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsnで、36はAlaであり;9はGly、31はAspまたはGlu、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、31はAspまたはGlu、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;9はGly、31はAspまたはGlu、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;9はGly、32はLeu、33はSerまたはAsnで、34はAlaまたはProであり;9はGly、32はLeu、33はSerまたはAsnで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、32はLeu、33はSerまたはAsnで、36はAlaであり;9はGly、32はLeu、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、32はLeu、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;9はGly、32はLeu、35はAlaまたはAspで、36はAla;9はGly、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;9はGly、33はSerまたはAsn、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;9はGly、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、32はLeu、33はSerまたはAsnで、34はAlaまたはProであり;31はAspまたはGlu、32はLeu、33はSerまたはAsnで、35はAlaまたはAspであり;31はAspまたはGlu、32はLeu、33はSerまたはAsnで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、32はLeu、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;31はAspまたはGlu、32はLeu、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、32はLeu、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsn、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAla;32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;32はLeu、33はSerまたはAsn、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;32はLeu、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;あるいは、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
ポリペプチドの別の態様において、9に対応する位置はGly、31はAspまたはGluで、32はLeu、33はSerまたはAsnで、34はAlaまたはProであり;9はGly、31はAspまたはGlu、32はLeuで、33はSerまたはAsnで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、31はAspまたはGlu、32はLeuで、33はSerまたはAsnで、36はAlaであり;9はGly、31はAspまたはGlu、32はLeu、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、31はAspまたはGlu、32はLeu、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;9はGly、31はAspまたはGlu、32はLeu、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;9はGly、31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;9はGly、31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsn、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;9はGly、31はAspまたはGlu、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;9はGly、32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;9はGly、32はLeu、33はSerまたはAsn、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;9はGly、32はLeu、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;9はGly、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;31はAspまたはGlu、32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、32はLeu、33はSerまたはAsn、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、32はLeu、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;31はAspまたはGlu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;あるいは、32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
ポリペプチドの別の態様において、9に対応する位置はGly、31はAspまたはGluで、32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、35はAlaまたはAspであり;9はGly、31はAspまたはGluで、32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはProで、36はAlaであり;9はGly、31はAspまたはGluで、32はLeu、33はSerまたはAsn、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;9はGly、31はAspまたはGluで、32はLeu、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;9はGly、31はAspまたはGluで、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;9はGly、32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaであり;あるいは、31はAspまたはGlu、32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
ポリペプチドの別の態様において、9に対応する位置は、配列番号2のGly、31はAspまたはGluで、32はLeu、33はSerまたはAsn、34はAlaまたはPro、35はAlaまたはAspで、36はAlaである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、10位に対応する位置に欠失を含む。
これらの態様のいずれにおいても、ポリペプチドは、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する増大した特異性を有しうる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、NADP(H)と比較して、2倍超、例えば5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、または1000倍超のNAD(H)に対する特異性を有する。
変異体
いくつかの態様において、ポリペプチドは、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位のいずれかに対応する1つまたは複数(例えば、2つ、数個)の位置に置換を含む、親3−HPDHの3−HPDH変異体として表され、この変異体は、3−HPDH活性を有する。例えば、変異体は、置換T/S9G、G/A31D/E、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/P、E35D/A、およびK/R36Aの1つまたは複数(例えば、2つ、数個)を含んでいてよい。いくつかの態様では、変異体は、さらに、10位に対応する位置に欠失を含む。いくつかの態様では、変異体は単離されている。
一実施形態において、変異体は、親3−HPDHに対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の、しかし、100%未満の配列同一性を有する。
一実施形態において、変異体は、配列番号2に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する。
別の実施形態において、変異体は、配列番号4に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する。
別の実施形態において、変異体は、配列番号6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する。
一態様において、本明細書に記載する変異体における改変(置換、欠失、および/または挿入)の数は、1〜20、例えば、1〜10および1〜5、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10の改変である。
一態様において、変異体は、配列番号2の9位に対応する位置に置換を含むか、その置換から構成される。例えば、9位に対応するアミノ酸を、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValで置換してよい。一態様では、9位に対応するアミノ酸は、Glyである。別の態様では、変異体は、置換T/S9G、例えば、配列番号2を含む親の置換T9Gまたは配列番号4もしくは6を含む親の置換S9Gを含むか、これから構成される。
一態様において、変異体は、配列番号2の31位に対応する位置に置換を含むか、その置換から構成される。例えば、31位に対応するアミノ酸を、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValで置換してよい。一態様では、31位に対応するアミノ酸は、AspまたはGluである。別の態様では、変異体は、置換G/A31D/E、例えば、配列番号2を含む親の置換G31D/Eまたは配列番号4もしくは6を含む親の置換A31D/Eを含むか、これから構成される。
一態様において、変異体は、配列番号2の32位に対応する位置に置換を含むか、その置換から構成される。例えば、32位に対応するアミノ酸を、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValで置換してよい。一態様では、32位に対応するアミノ酸は、Leuである。別の態様では、変異体は、置換R32L、例えば、配列番号2、4もしくは6を含む親の置換R32Lを含むか、これから構成される。
一態様において、変異体は、配列番号2の33位に対応する位置に置換を含むか、その置換から構成される。例えば、33位に対応するアミノ酸を、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValで置換してよい。一態様では、33位に対応するアミノ酸は、SerまたはAsnである。別の態様では、変異体は、置換R33S/N、例えば、配列番号2、4もしくは6を含む親の置換R33S/Nを含むか、これから構成される。
一態様において、変異体は、配列番号2の34位に対応する位置に置換を含むか、その置換から構成される。例えば、34位に対応するアミノ酸を、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValで置換してよい。一態様では、34位に対応するアミノ酸は、AlaまたはProである。別の態様では、変異体は、置換L/K/Q34A/P、例えば、配列番号2を含む親の置換Q34A/P、配列番号2を含む親の置換KQ34A/P、または配列番号6を含む親の置換L34A/Pを含むか、これから構成される。
一態様において、変異体は、配列番号2の35位に対応する位置に置換を含むか、その置換から構成される。例えば、35位に対応するアミノ酸を、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValで置換してよい。一態様では、35位に対応するアミノ酸は、AlaまたはAspである。別の態様では、変異体は、置換E35D/A、例えば、配列番号2、4もしくは6を含む親の置換E35D/Aを含むか、これから構成される。
一態様において、変異体は、配列番号2の36位に対応する位置に置換を含むか、その置換から構成される。例えば、36位に対応するアミノ酸を、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrまたはValで置換してよい。一態様では、36位に対応するアミノ酸は、Alaである。別の態様では、変異体は、置換K/R36A、例えば、配列番号2を含む親の置換R36Aまたは配列番号4もしくは6を含む親の置換K36Aを含むか、これから構成される。
別の態様において、変異体は、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応するいずれか2つの位置の置換を含むか、またはこれらの置換から構成される。例えば、変異体は、上に記載したものなどの、9位および31位;9位および32位;9位および33位;9位および34位;9位および35位;9位および36位;31位および32位;31位および33位;31位および34位;31位および35位;31位および36位;32位および33位;32位および34位;32位および35位;32位および36位;33位および34位;33位および35位;33位および36位;34位および35位;34位および36位;または35位および36位に対応する2つの置換を含むか、またはこれらの置換から構成されてもよい。一態様では、変異体は、以下の置換:T/S9GおよびG/A31D/E;T/S9GおよびR32L;T/S9GおよびR33S/N;T/S9GおよびL/K/Q34A/P;T/S9GおよびE35D/A;T/S9GおよびK/R36A;G/A31D/EおよびR32L;G/A31D/EおよびR33S/N;G/A31D/EおよびL/K/Q34A/P;G/A31D/EおよびE35D/A;G/A31D/EおよびK/R36A;R32LおよびR33S/N;R32LおよびL/K/Q34A/P;R32LおよびE35D/A;R32LおよびK/R36A;R33S/NおよびL/K/Q34A/P;R33S/NおよびE35D/A;R33S/NおよびK/R36A;L/K/Q34A/PおよびE35D/A;L/K/Q34A/PおよびK/R36A;またはE35D/AおよびK/R36Aを含むか、またはこれらから構成される。これらの態様のいずれかにおいて、変異体は、さらに、配列番号2の10位に対応する位置に欠失を含んでもよい。
別の態様において、変異体は、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応するいずれか3つの位置の置換を含むか、またはこれらの置換から構成される。例えば、変異体は、上に記載したものなどの、9位、31位および32位;9位、31位および33位;9位、31位および34位;9位、31位および35位;9位、31位および36位;9位、32位および33位;9位、32位および34位;9位、32位および35位;9位、32位および36位;9位、33位および34位;9位、33位および35位;9位、33位および36位;9位、34位および35位;9位、34位および36位;9位、35位および36位;31位、32位および33位;31位、32位および34位;31位、32位および35位;31位、32位および36位;31位、33位および34位;31位、33位および35位;31位、33位および36位;31位、34位および35位;31位、34位および36位;31位、35位および36位;32位、33位および34位;32位、33位および35位;32位、33位および36位;32位、34位および35位;32位、34位および36位;32位、35位および36位;33位、34位および35位;33位、34位および36位;33位、35位および36位;あるいは、34位、35位および36位に対応する3つの置換を含むか、またはこれらの置換から構成されてもよい。一態様では、変異体は、以下の置換:T/S9G、G/A31D/EおよびR32L;T/S9G、G/A31D/EおよびR33S/N;T/S9G、G/A31D/EおよびL/K/Q34A/P;T/S9G、G/A31D/EおよびE35D/A;T/S9G、G/A31D/EおよびK/R36A;T/S9G、R32LおよびR33S/N;T/S9G、R32LおよびL/K/Q34A/P;T/S9G、R32LおよびE35D/A;T/S9G、R32LおよびK/R36A;T/S9G、R33S/NおよびL/K/Q34A/P;T/S9G、R33S/NおよびE35D/A;T/S9G、R33S/NおよびK/R36A;T/S9G、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;T/S9G、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;T/S9G、E35D/AおよびK/R36A;G/A31D/E、R32LおよびR33S/N;G/A31D/E、R32LおよびL/K/Q34A/P;G/A31D/E、R32LおよびE35D/A;G/A31D/E、R32LおよびK/R36A;G/A31D/E、R33S/NおよびL/K/Q34A/P;G/A31D/E、R33S/NおよびE35D/A;G/A31D/E、R33S/NおよびK/R36A;G/A31D/E、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;G/A31D/E、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;G/A31D/E、E35D/AおよびK/R36A;R32L、R33S/NおよびL/K/Q34A/P;R32L、R33S/NおよびE35D/A;R32L、R33S/Nおよび K/R36A;R32L、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;R32L、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;R32L、E35D/AおよびK/R36A;R33S/N、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;R33S/N、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;R33S/N、E35D/AおよびK/R36A;あるいは、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36Aを含むか、またはこれらから構成される。これらの態様のいずれかにおいて、変異体は、さらに、配列番号2の10位に対応する位置に欠失を含んでもよい。
別の態様において、変異体は、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応するいずれか4つの位置の置換を含むか、またはこれらの置換から構成される。例えば、変異体は、上に記載したものなどの、9位、31位、32位および33位;9位、31位、32位および34位;9位、31位、32位および35位;9位、31位、32位および36位;9位、31位、33位および34位;9位、31位、33位および35位;9位、31位、33位および36位;9位、31位、34位および35位;9位、31位、34位および36位;9位、31位、35位および36位;9位、32位、33位および34位;9位、32位、33位および35位;9位、32位、33位および36位;9位、32位、34位および35位;9位、32位、34位および36位;9位、32位、35位および36位;9位、33位、34位および35位;9位、33位、34位および36位;9位、33位、35位および36位;9位、34位、35位および36位;31位、32位、33位および34位;31位、32位、33位および35位;31位、32位、33位および36位;31位、32位、34位および35位;31位、32位、34位および36位;31位、32位、35位および36位;31位、33位、34位および35位;31位、33位、34位および36位;31位、33位、35位および36位;31位、34位、35位および36位;32位、33位、34位および35位;32位、33位、34位および36位;32位、33位、35位および36位;32位、34位、35位および36位;あるいは、33位、34位、35位および36位に対応する4つの置換を含むか、またはこれらの置換から構成されてもよい。一態様では、変異体は、以下の置換:T/S9G、G/A31D/E、R32LおよびR33S/N;T/S9G、G/A31D/E、R32LおよびL/K/Q34A/P;T/S9G、G/A31D/E、R32LおよびE35D/A;T/S9G、G/A31D/E、R32LおよびK/R36A;T/S9G、G/A31D/E、R33S/NおよびL/K/Q34A/P;T/S9G、G/A31D/E、R33S/NおよびE35D/A;T/S9G、G/A31D/E、R33S/NおよびK/R36A;T/S9G、G/A31D/E、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;T/S9G、G/A31D/E、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;T/S9G、G/A31D/E、E35D/AおよびK/R36A;T/S9G、R32L、R33S/NおよびL/K/Q34A/P;T/S9G、R32L、R33S/NおよびE35D/A;T/S9G、R32L、R33S/NおよびK/R36A;T/S9G、R32L、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;T/S9G、R32L、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;T/S9G、R32L、E35D/AおよびK/R36A;T/S9G、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;T/S9G、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;T/S9G、R33S/N、E35D/AおよびK/R36A;T/S9G、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36A;G/A31D/E、R32L、R33S/NおよびL/K/Q34A/P;G/A31D/E、R32L、R33S/NおよびE35D/A;G/A31D/E、R32L、R33S/NおよびK/R36A;G/A31D/E、R32L、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;G/A31D/E、R32L、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;G/A31D/E、R32L、E35D/AおよびK/R36A;G/A31D/E、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;G/A31D/E、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;G/A31D/E、R33S/N、E35D/AおよびK/R36A;G/A31D/E、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36A;R32L、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;R32L、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;R32L、R33S/N、E35D/AおよびK/R36A;R32L、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36A;あるいは、R33S/N、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36Aを含むか、またはこれらから構成される。これらの態様のいずれかにおいて、変異体は、さらに、配列番号2の10位に対応する位置に欠失を含んでもよい。
別の態様において、変異体は、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応するいずれか5つの位置の置換を含むか、またはこれらの置換から構成される。例えば、変異体は、上に記載したものなどの、9位、31位、32位、33位および34位;9位、31位、32位、33位および35位;9位、31位、32位、33位および36位;9位、31位、32位、34位および35位;9位、31位、32位、34位および36位;9位、31位、32位、35位および36位;9位、31位、33位、34位および35位;9位、31位、33位、34位および36位;9位、31位、33位、35位および36位;9位、31位、34位、35位および36位;9位、32位、33位、34位および35位;9位、32位、33位、34位および36位;9位、32位、33位、35位および36位;9位、32位、34位、35位および36位;9位、33位、34位、35位および36位;31位、32位、33位、34位および35位;31位、32位、33位、34位および36位;31位、32位、33位、35位および36位;31位、32位、34位、35位および36位;31位、33位、34位、35位および36位;あるいは、32位、33位、34位、35位および36位に対応する5つの置換を含むか、またはこれらの置換から構成されてもよい。一態様では、変異体は、以下の置換:T/S9G、G/A31D/E、R32L、R33S/NおよびL/K/Q34A/P;T/S9G、G/A31D/E、R32L、R33S/NおよびE35D/A;T/S9G、G/A31D/E、R32L、R33S/NおよびK/R36A;T/S9G、G/A31D/E、R32L、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;T/S9G、G/A31D/E、R32L、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;T/S9G、G/A31D/E、R32L、E35D/AおよびK/R36A;T/S9G、G/A31D/E、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;T/S9G、G/A31D/E、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;T/S9G、G/A31D/E、R33S/N、E35D/AおよびK/R36A;T/S9G、G/A31D/E、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36A;T/S9G、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;T/S9G、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;T/S9G、R32L、R33S/N、E35D/AおよびK/R36A;T/S9G、R32L、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36A;T/S9G、R33S/N、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36A;G/A31D/E、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;G/A31D/E、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;G/A31D/E、R32L、R33S/N、E35D/AおよびK/R36A;G/A31D/E、R32L、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36A;G/A31D/E、R33S/N、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36A;あるいは、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36Aを含むか、またはこれらから構成される。これらの態様のいずれかにおいて、変異体は、さらに、配列番号2の10位に対応する位置に欠失を含んでもよい。
別の態様において、変異体は、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応するいずれか6つの位置の置換を含むか、またはこれらの置換から構成される。例えば、変異体は、上に記載したものなどの、9位、31位、32位、33位、34位および35位;9位、31位、32位、33位、34位および36位;9位、31位、32位、33位、35位および36位;9位、31位、32位、34位、35位および36位;9位、31位、33位、34位、35位および36位;9位、32位、33位、34位、35位および36位;あるいは、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応する6つの置換を含むか、またはこれらの置換から構成されてもよい。一態様では、変異体は、以下の置換:T/S9G、G/A31D/E、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびE35D/A;T/S9G、G/A31D/E、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/PおよびK/R36A;T/S9G、G/A31D/E、R32L、R33S/N、E35D/AおよびK/R36A;T/S9G、G/A31D/E、R32L、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36A;T/S9G、G/A31D/E、R33S/N、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36A;T/S9G、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36A;あるいは、G/A31D/E、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36Aを含むか、またはこれらから構成される。これらの態様のいずれかにおいて、変異体は、さらに、配列番号2の10位に対応する位置に欠失を含んでもよい。
別の態様において、変異体は、前述したものなど、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応する7つ全ての位置の置換を含むか、またはこれらの置換から構成される。一態様では、変異体は、置換:T/S9G、G/A31D/E、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/P、E35D/AおよびK/R36Aを含むか、またはこれらから構成される。これらの態様のいずれかにおいて、変異体は、さらに、配列番号2の10位に対応する位置に欠失を含んでもよい。
アミノ酸変異は、副次的な性質のものであってもよく、すなわち、タンパク質の折り畳みおよび/もしくは活性に顕著に影響しない保存的アミノ酸置換もしくは挿入;典型的には1〜30アミノ酸の小さな欠失;アミノ−端子メチオニン残基などの小さなアミノ−もしくはカルボキシル−末端伸長;20〜25個以下の残基の小さなリンカーペプチド;または、ポリヒスチジン配列、抗原性エピトープもしくは結合性ドメインなどの変異もしくは他の機能を変化させることによって精製を促進させる小さな伸長であってもよい。
保存的置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシンおよびヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸およびアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミンおよびアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシンおよびバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン)、および、小さいアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、スレオニンおよびメチオニン)の群の範囲内である。特異活性を一般に改変しないアミノ酸置換は技術分野において公知であり、例えば、H.Neurath and R.L.Hill,1979,In,The Proteins,Academic Press,New Yorkに記載されている。頻繁に生じる置換は、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/GluおよびAsp/Glyである。
あるいは、本明細書に記載するように、特定のアミノ酸変更は、ポリペプチドの物理化学的性質が改変されるような性質のものである。例えば、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位のいずれかに対応する位置へのアミノ酸変更(ならびに10位での任意選択的な欠失)は、NADP(H)と比較してNAD(H)に対する特異性を増大するなど、補因子特異性を改変するものであってよい。
ポリペプチドにおける必須アミノ酸は、部位特異的突然変異誘発またはアラニン走査突然変異誘発(Cunningham and Wells,1989,Science 244:1081−1085)などの技術分野において公知である手法に従って同定することが可能である。後者の技術においては、単一のアラニン突然変異が分子中のすべての残基に導入され、得られたミュータント分子が、分子の活性に重要であるアミノ酸残基を同定するために3−HPDH活性についてテストされる。また、Hilton et al.,1996,J.Biol.Chem.271:4699−4708を参照のこと。酵素の活性部位または他の生物学的相互作用は、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異が併用される、核磁気共嗚、結晶構造解析、電子回折または光親和性標識などの技術によって判定される、構造の物理的分析によって判定されることも可能である。例えば、de Vos et al.,1992,Science 255:306−312;Smith et al.,1992,J.Mol.Biol.224:899−904;Wlodaver et al.,1992,FEBS Lett.309:59−64を参照のこと。必須アミノ酸のアイデンティティーは、関連ポリペプチドとのアラインメントから推測することもできる。
例えば、配列番号2の必須アミノ酸は、Yamazawa et al.,2011,J.Biochem.149(6):701−712(Worldwide Protein Data Bank;http://www.wwpdb.org;PDBコード:3ASUおよび3ASVを参照)に記載される結晶学データの分析によって同定することができ、ここでは、106位、134位、147位、および151位の触媒四残基などの活性部位構造が同定されている。そこには、部位指定突然変異誘発研究に基づき、酵素活性に重要な別のアミノ酸残基も同定されている。同様に、配列番号6の必須アミノ酸も、入手可能な結晶学データの分析によって同定することができる(Worldwide Protein Data Bank;http://www.wwpdb.org;PDBコード:3RKUを参照)。配列番号4に対応する必須アミノ酸のアイデンティティーは、図2に示すように、配列番号2および配列番号6とのアラインメントから推測することができる。
いくつかの態様において、変異体は、少なくとも185アミノ酸、例えば、少なくとも200、210、220、230、または240アミノ酸から構成される。
いくつかの実施形態において、変異体は、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対し増大した特異性を有する。いくつかの実施形態では、変異体は、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対し、2倍超、例えば、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、または1000倍を超える特異性を有する。
いくつかの実施形態において、変異体は、親と比較して、1つまたは複数の改善された特性、例えば、改善された触媒効率、改善された触媒速度、改善された化学安定性、改善された酸化安定性、改善されたpH活性、改善されたpH安定性、改善された比活性、貯蔵条件下での改善された安定性、改善された基質結合性、改善された基質切断性、改善された基質特異性、改善された基質安定性、改善された表面特性、改善された熱活性、および/または改善された熱安定性を有する。
親3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ
親3−HPDHは、(a)配列番号2、4、もしくは6に対して、少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド;(b)低度の緊縮条件、配列番号1、3、もしくは5の完全長相補ストランドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;または(c)配列番号1、3、もしくは5に対して、少なくとも60%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドであってよい。
一態様において、親3−HPDHは、配列番号2に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%または100%の配列同一性を有する。一態様では、親のアミノ酸配列は、配列番号2と、10アミノ酸以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10アミノ酸だけ異なる。別の態様では、親は、配列番号2のアミノ酸配列を含むか、またはこの配列から構成される。別の態様では、親は、配列番号2の対立遺伝子変異体である。別の態様では、親は、配列番号2の断片である。
別の態様において、親3−HPDHは、配列番号4に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%または100%の配列同一性を有する。一態様では、親のアミノ酸配列は、配列番号4と、10アミノ酸以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10アミノ酸だけ異なる。別の態様では、親は、配列番号4のアミノ酸配列を含むか、またはこの配列から構成される。別の態様では、親は、配列番号4の対立遺伝子変異体である。別の態様では、親は、配列番号4の断片である。
別の態様において、親3−HPDHは、配列番号6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する。一態様では、親のアミノ酸配列は、配列番号6と、10アミノ酸以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10アミノ酸だけ異なる。別の態様では、親は、配列番号6のアミノ酸配列を含むか、またはこの配列から構成される。別の態様では、親は、配列番号6の対立遺伝子変異体である。別の態様では、親は、配列番号6の断片である。
別の態様において、親は、少なくとも低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号1の完全長相補ストランドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる(Sambrook et al.,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2d edition,Cold Spring Harbor,New York)。別の態様では、親は、少なくとも低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号3の完全長相補ストランドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる。別の態様では、親は、少なくとも低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号5の完全長相補ストランドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる。
配列番号1、3、5のポリヌクレオチド、またはそのサブ配列、ならびに配列番号2、4、6のポリペプチド、またはその断片を用いて、当分野では公知の方法に従い、様々な属もしくは種の系統由来の親をコードするDNAを同定し、クローン化するための核酸プローブを設計することもできる。特に、このようなプローブは、標準的サザンブロティング法の後、目的の細胞のゲノムDNAもしくはcDNAとのハイブリダイゼーションのために用いることができ、これにより、そこで対応する遺伝子を同定および単離することができる。このようなプローブは、完全配列よりはかなり短くてよいが、少なくとも15、例えば、少なくとも25、少なくとも35、または少なくとも70ヌクレオチドの長さでなければならない。好ましくは、核酸プローブは、少なくとも100ヌクレオチドの長さ、例えば、少なくとも200ヌクレオチド、少なくとも300ヌクレオチド、少なくとも400ヌクレオチド、少なくとも500ヌクレオチド、少なくとも600ヌクレオチド、少なくとも700ヌクレオチド、少なくとも800ヌクレオチド、または少なくとも900ヌクレオチドの長さである。DNAおよびRNAプローブのいずれを用いてもよい。プローブは、典型的に、対応遺伝子を検出するために標識されている(例えば、32P、3H、35S、ビオチン、またはアビジンで)。
このような他の系統から作製されたゲノムDNAもしくはcDNAライブラリは、前述のプローブとハイブリダイズして、親をコードするDNAについてスクリーニングしてもよい。このような他の系統からのゲノムもしくは他のDNAは、アガロースもしくはポリアクリルアミドゲル電気泳動、または他の分離技術によって分離してもよい。ライブラリからのDNAまたは分離されたDNAをニトロセルロースもしくは他の好適なキャリア材料上に移し、固定化してもよい。配列番号1、3、5、もしくはそのサブ配列とハイブリダイズするクローンまたはDNAを同定するために、キャリア材料をサザンブロットに用いる。
一態様では、核酸プローブは、配列番号1、3、または5を有するポリヌクレオチドである。別の態様では、核酸プローブは、配列番号2、4、6のポリペプチド、またはその断片をコードするポリヌクレオチドである。
別の実施形態において、親は、配列番号1に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされる。別の実施形態では、親は、配列番号3に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされる。別の実施形態では、親は、配列番号5に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされる。
ポリペプチドは、一のポリペプチドの一領域が、他のポリペプチドの一領域のN−末端またはC−末端で融合したハイブリッドポリペプチドであり得る。
親は、他のポリペプチドが本発明のポリペプチドのN−末端またはC−末端で融合した融合ポリペプチドまたは切断可能な融合ポリペプチドであり得る。融合ポリペプチドは、他のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを本発明のポリヌクレオチドに融合させることにより生成される。融合ポリペプチドを生成する技術は、技術分野において公知であると共に、フレーム中に収まり、融合ポリペプチドの発現が同一のプロモータおよびターミネータによる制御下にあるよう、ポリペプチドをコードするコード配列を連結するステップを含む。融合ポリペプチドはまた、翻訳後に融合ポリペプチドが形成されるインテインテクノロジーを用いて構築されてもよい(Cooper et al.,1993,EMBO J.12:2575−2583;Dawson et al.,1994,Science 266:776−779)。
融合ポリペプチドは、2つのポリペプチドの間に切断部位をさらに含んでいることが可能である。融合タンパク質が分泌される際に、この部位が切断されて2つのポリペプチドが遊離される。切断部位の例としては、これらに限定されないが、Martin et al.,2003,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.3:568−576;Svetina et al.,2000,J.Biotechnol.76:245−251;Rasmussen−Wilson et al.,1997,Appl.Environ.Microbiol.63:3488−3493;Ward et al.,1995,Biotechnology 13:498−503;および、Contreras et al.,1991,Biotechnology 9:378−381;Eaton et al.,1986,Biochemistry 25:505−512;Collins−Racie et al.,1995,Biotechnology 13:982−987;Carter et al.,1989,Proteins:Structure,Function,and Genetics 6:240−248;および、Stevens,2003,Drug Discovery World 4:35−48に開示されている部位が挙げられる。
親は、いずれの属の微生物からでも得ることができる。本発明の目的のために、「〜から得られる」という用語は、本明細書において用いられるところ、所与のソースに関連して、ポリヌクレオチドによってコードされた親がソースによって、または、ソースからのポリヌクレオチドが挿入された系統によって生成されることを意味することとする。一態様では、親は、細胞外に分泌される。
親は、細菌性3−HPDHであってもよい。例えば、親は、バチルス属(Bacillus)、クロストリジウム属(Clostridium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ゲオバチルス属(Geobacillus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、オセアノバチルス属(Oceanobacillus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)もしくはストレプトマイセス属(Streptomyces)3−HPDHなどのグラム陽性細菌性ポリペプチド、または、カムピロバクター属(Campylobacter)、大腸菌(E.coli)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、イリオバクター属(Ilyobacter)、ネイッセリア属(Neisseria)、シュードモナス属(Pseudomonas)、サルモネラ属(Salmonella)もしくはウレアプラズマ属(Ureaplasma)3−HPDHなどのグラム陰性細菌性ポリペプチドであってよい。
一態様において、親は、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・シルクランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バシラス・フィルムス(Bacillus firmus)、バチルス・ラウツス(Bacillus lautus)、バチルス・レンツス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、枯草菌(Bacillus subtilis)またはバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)3−HPDHである。
別の態様において、親は、ストレプトコッカス・エクイシミリス(Streptococcus equisimilis)、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・ウベリス(Streptococcus uberis)またはストレプトコッカス・エクイ亜種ズーエピデミカス(Streptococcus equi subsp.Zooepidemicus)3−HPDHである。
別の態様において、親は、ストレプトマイセス・アクロモゲネス(Streptomyces achromogenes)、ストレプトマイセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)、ストレプトマイセス・コエリコロル(Streptomyces coelicolor)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)またはストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)3−HPDHである。
親は、真菌性3−HPDHであってもよい。例えば、親は、カンジダ属(Candida)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、ピチア属(Pichia)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)、ヤロウイア属(Yarrowia)若しくはイサタケンキア(Issatchenkia)属3−HPDHなどの酵母3−HPDH;または、アクレモニウム属(Acremonium)、アガリクス属(Agaricus)、アルテルナリア属(Alternaria)、アスペルギルス属(Aspergillus)、アウレオバシジウム属(Aureobasidium)、ボトリオスペリア属(Botryospaeria)、セリポリオプシス属(Ceriporiopsis)、ケトミジウム属(Chaetomidium)、クリソスポリウム属(Chrysosporium)、クラビセプス属(Claviceps)、コクリオボルス属(Cochliobolus)、コプリノプシス属(Coprinopsis)、コプトテルメス属(Coptotermes)、コリナスクス属(Corynascus)、クリホネクトリア属(Cryphonectria)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、ジプロディア属(Diplodia)、エクシディア属(Exidia)、フィリバシジウム属(Filibasidium)、フザリウム属(Fusarium)、ギベレラ属(Gibberella)、ホロマスチゴトイデス属(Holomastigotoides)、フミコラ属(Humicola)、イルペクス属(Irpex)、レンチヌラ属(Lentinula)、レプトスパエリア属(Leptospaeria)、マグナポルテ属(Magnaporthe)、メラノカルプス属(Melanocarpus)、メリピルス属(Meripilus)、ムコール属(Mucor)、ミセリオフトラ属(Myceliophthora)、ネオカリマスチクス属(Neocallimastix)、ニューロスポラ属(Neurospora)、パエシロマイセス属(Paecilomyces)、ペニシリウム属(Penicillium)、ファネロケーテ属(Phanerochaete)、ピロマイセス属(Piromyces)、ポイトラシア属(Poitrasia)、シュードプレクタニア属(Pseudoplectania)、シュードトリコニムファ属(Pseudotrichonympha)、リゾムコール属(Rhizomucor)、シゾフィルム属(Schizophyllum)、シタリジウム属(Scytalidium)、タラロマイセス属(Talaromyces)、テルモアスクス属(Thermoascus)、チエラビア属(Thielavia)、トリポクラジウム属(Tolypocladium)、トリコデルマ属(Trichoderma)、トリコファエア属(Trichophaea)、ベルチシリウム属(Verticillium)、ボルバリエラ属(Volvariella)もしくはキシラリア属(Xylaria)3−HPDHなどの糸状真菌性3−HPDHであってもよい。
別の態様において、親は、サッカロマイセス・カルスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ジアスタチクス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・ドウグラシイ(Saccharomyces douglasii)、サッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロマイセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)またはサッカロマイセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)3−HPDHである。
別の態様において、親は、アクレモニウム・セルロリチクス(Acremonium cellulolyticus)、アスペルギルス・アクレアツス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フォエティダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニズランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、クリソスポリウム・イノプス(Chrysosporium inops)、クリソスポリウム・ケラチノフィルム(Chrysosporium keratinophilum)、クリソスポリウム・ルクノウェンス(Chrysosporium lucknowense)、クリソスポリウム・メルダリウム(Chrysosporium merdarium)、クリソスポリウム・パンニコラ(Chrysosporium pannicola)、クリソスポリウム・クイーンスランジクム(Chrysosporium queenslandicum)、クリソスポリウム・トロピクム(Chrysosporium tropicum)、クリソスポリウム・ゾナツム(Chrysosporium zonatum)、フザリウム・バクテリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クロークウェレンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミヌム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポルム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンディ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レチクランツム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシヌム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロスム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコテシオイデス(Fusarium trichothecioides)、フザリウム・ベネナツム(Fusarium venenatum)、フミコラ・グリセア(Humicola grisea)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、イルペクス・ラクテウス(Irpex lacteus)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)、ミセリオフトラ・テルモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・フニクロスム(Penicillium funiculosum)、ペニシリウム・プルプロゲヌム(Penicillium purpurogenum)、ファネロケーテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、チエラビア・アクロマチカ(Thielavia achromatica)、チエラビア・アルボミセス(Thielavia albomyces)、チエラビア・アルボピロサ(Thielavia albopilosa)、チエラビア・アウストラレインシス(Thielavia australeinsis)、チエラビア・フィメティ(Thielavia fimeti)、チエラビア・ミクロスポラ(Thielavia microspora)、チエラビア・オビスポラ(Thielavia ovispora)、チエラビア・ペルビアナ(Thielavia peruviana)、チエラビア・セトサ(Thielavia setosa)、チエラビア・スペデドニウム(Thielavia spededonium)、チエラビア・スブテルモフィラ(Thielavia subthermophila)、チエラビア・テルレストリス(Thielavia terrestris)、トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギイ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアツム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)またはトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)3−HPDHである。
一態様において、親3−HPDHは、大腸菌(E.coli)由来のものであり、例えば、配列番号2の大腸菌(E.coli)3−HPDHである。別の態様では、親3−HPDHは、イサタケンキア(Issatchenkia)属由来のものであり、例えば、配列番号4のイサタケンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)3−HPDHである。別の態様では、親3−HPDHは、サッカロマイセス(Saccharomyces)属由来のものであり、例えば、配列番号6のサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)3−HPDHである。
前述の種について、本発明は、知られている種の名称に関わらず、完全および不完全世代の両方、ならびに、例えば無性世代などの他の分類学上の同等物を含むことが理解されるであろう。当業者は、適切な同等物のアイデンティティーを容易に認識するであろう。
これらの種の系統は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC:American Type Culture Collection)、ドイツ微生物細胞培養コレクション(DSMZ:Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)、オランダ微生物株保存センター(CBS:Centraalbureau Voor Schimmelcultures)、および、農業研究局特許培養物コレクション(Agricultural Research Service Patent Culture Collection、北方リサーチセンター(NRRL:Northern Regional Research Center)などの多数の微生物保存機関において公共に容易に利用可能である。
親は、前述のプローブを用いて天然(例えば、汚染物、コンポスト、水など)から単離された微生物、または天然物質(例えば、汚染物、コンポスト、水など)から直接得られるDNAサンプルを含む他のソースから同定し、取得することもできる。微生物およびDNAを自然環境から直接単離する技術は、当分野において周知である。次いで、親をコードするポリヌクレオチドは、他の微生物または混合DNAサンプルのゲノムDNAもしくはcDNAライブラリを同じようにスクリーニングすることにより得られ得る。一旦、親をコードするポリヌクレオチドがプローブで検出されたら、ポリヌクレオチドは、当業者に既知である技術(例えば、前述のSambrook et al.,1989を参照のこと)を利用することにより単離またはクローン化されることが可能である。
変異体の作製
また、3−HPDH活性を有する変異体を取得する方法も記載され、これは、(a)親3−HPDHに、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位、および36位に対応する1つまたは複数(例えば、2つ、数個の)位置で、置換を導入するステップ;ならびに(b)変異体を回収するステップを含む。
変異体は、部位指定突然変異誘発、合成遺伝子構築、半合成遺伝子構築、ランダム突然変異誘発、シャッフリングなどの当分野では公知のいずれかの突然変異誘発方法を用いて、作製することができる。
部位指定突然変異誘発は、親をコードするポリヌクレオチドの1つまたは複数の確定部位に1つまたは複数(例えば、数個)の突然変異を導入する技術である。
部位指定突然変異誘発は、所望の突然変異を含むオリゴヌクレオチドの使用を含むPCRによって、in vitroで達成することができる。部位指定突然変異誘発は、カセット突然変異誘発によって、in vitroで達成することができ、これは、親をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミド中の部位で制限酵素による切断の後、ポリヌクレオチド中に突然変異を含むオリゴヌクレオチドを連結することを含む。通常、プラスミドおよびオリゴヌクレオチドを消化する制限酵素は同じであり、これによって、プラスミドの付着末端と挿入断片が相互に連結することが可能になる。例えば、SchererおよびDavis,1979,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:4949−4955;ならびにBarton et al.,1990,Nucleic Acids Res.18:7349−4966を参照されたい。
部位指定突然変異誘発はまた、当分野では公知の方法によって、in vivoで達成することもできる。例えば、米国特許出願第2004/0171154号明細書;Storici et al.,2001,Nature Biotechnol.19:773−776;Kren et al.,1998,Nat.Med.4:285−290;ならびにCalissanoおよびMacino,1996,Fungal Genet.Newslett.43:15−16を参照されたい。
本明細書に記載する変異体を作製するのに、いずれの部位指定突然変異誘発を用いてもよい。例えば、用いることができる多数の市販のキットがある。
合成遺伝子構築は、目的のポリペプチドをコードするように設計されたポリヌクレオチド分子のin vitro合成を含む。遺伝子合成は、多数の方法を用いて実施することができ、例えば、Tianら(2004,Nature 432:1050−1054)によって記載されているマルチプレックスマイクロチップを用いた技術および同様の技術があり、これらの方法では、オリゴヌクレオチドを合成し、光プログラム可能なマイクロ流体チップ上で組み立てる。
単一もしくは複数のアミノ酸置換、欠失、および/または挿入を実施し、突然変異誘発、組換え、および/またはシャッフリングの公知の方法を用いて試験した後、関連するスクリーニング方法を実施することができ、このような方法として、以下に開示されたものがある:Reidhaar−OlsonおよびSauer,1988,Science 241:53−57;BowieおよびSauer,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2152−2156;国際公開第95/17413号パンフレット;または国際公開第95/22625号パンフレット。用いることができる他の方法として、変異性PCR、ファージディスプレイ(Lowman et al.,1991,Biochemistry 30:10832−10837;米国特許第5,223,409号明細書;国際公開第92/06204号パンフレット)および領域指定突然変異誘発(Derbyshire et al.,1986,Gene 46:145;Ner et al.,1988,DNA 7:127)が挙げられる。
突然変異誘発/シャッフリング方法は、宿主細胞によって発現されたクローン化突然変異誘発ポリペプチドの活性を検定するために、ハイスループット、自動スクリーニング方法と組み合わせることができる(Ness et al.,1999,Nature Biotechnology 17:893−896)。活性ポリペプチドをコードする突然変異誘発DNA分子を宿主細胞から回収し、当分野における標準的方法を用いて、高速で配列決定することができる。これらの方法によって、ポリペプチドにおける個別のアミノ酸残基の重要性を迅速に決定することが可能になる。
半合成遺伝子構築は、合成遺伝子構築、および/または部位指定突然変異誘発、およびランダム突然変異誘発、および/またはシャッフリングの態様を組み合わせることによって達成される。半合成構築は、PCR技術と組み合わせて、合成されたポリヌクレオチド断片を用いる方法によって代表される。従って、確定した遺伝子の領域をde novo合成しても、部位特異的突然変異誘発プライマーを用いて他の領域を増幅してもよく、また、さらに別の領域を変異性PCRまたは非変異性PCR増幅に付してもよい。次に、ポリヌクレオチドサブ配列をシャッフリングすることができる。
ポリヌクレオチド、核酸構築物、および発現ベクター
一態様では、本明細書に記載するポリペプチドおよび変異体をコードするポリヌクレオチド(例えば、単離されたポリヌクレオチド)、ならびにこれらのポリヌクレオチドを含む核酸構築物および発現ベクターである。
核酸構築物は、本明細書に記載するポリペプチドまたは変異体をコードするポリヌクレオチドを含み、これは、制御配列と適合可能な条件下で、好適な宿主細胞においてコード配列の発現を指令する1つまたは複数の制御配列に作動可能にリンクされている。
ポリヌクレオチドは、多様な方法で処置されて変異体の発現がもたらされ得る。ベクターへ挿入される前のポリヌクレオチドの処置が、発現ベクターに応じて、望ましいか、または、必要であり得る。組換えDNA法を利用するポリヌクレオチドを修飾するための技術は技術分野において周知である。
制御配列は、プロモータ、すなわち、ポリヌクレオチドの発現のために宿主細胞によって認識されるポリヌクレオチドであってもよい。プロモータは、変異体の発現を媒介する転写制御配列を含む。プロモータは、ミュータント、切断およびハイブリッドプロモータを含む宿主細胞において転写活性を示すいずれかのポリヌクレオチドであり得、ならびに、宿主細胞に対して相同性または非相同性である細胞外または細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得られ得る。
細菌宿主細胞において本発明の核酸構築物の転写を指令する好適なプロモータの例としては、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)ペニシリナーゼ遺伝子(penP)、バチルス・ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)マルトジェニックアミラーゼ遺伝子(amyM)、枯草菌(Bacillus subtilis)レバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、枯草菌(Bacillus subtilis)xylAおよびxylB遺伝子、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)cryIIIA遺伝子(AgaisseおよびLereclus、1994、Molecular Microbiology 13:97−107)、大腸菌(E.coli)lacオペロン、大腸菌(E.coli)trcプロモータ(Egon et al.,1988,Gene 69:301−315)、ストレプトマイセス・コエリコロル(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)および原核β−ラクタマーゼ遺伝子(Villa−Kamaroff et al.,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:3727−3731)、ならびに、tacプロモータ(DeBoer et al.,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:21−25)から得られるプロモータがある。さらなるプロモータが、「Useful proteins from recombinant bacteria」,Gilbert et al.,1980,Scientific American 242:74−94;および、前述のSambrook et al.,1989に記載されている。タンデムプロモータの例が、国際公開第99/42835号パンフレットに開示されている。
糸状真菌宿主細胞において本発明の核酸構築物の転写を指令する好適なプロモータの例としては、以下:アスペルギルス・ニズランス(Aspergillus nidulans)アセトアミダーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)中性α−アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)酸安定α−アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)またはアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)グルコアミラーゼ(glaA)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)TAKAアミラーゼ、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)アルカリ性タンパク分解酵素、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)トリオースリン酸イソメラーゼ、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)トリプシン様プロテアーゼ(国際公開第96/00787号パンフレット)、フザリウム・ベネナツム(Fusarium venenatum)アミログルコシダーゼ(国際公開第00/56900号パンフレット)、フザリウム・ベネナツム・ダリア(Fusarium venenatum Daria)(国際公開第00/56900号パンフレット)、フザリウム・ベネナツム・クイン(Fusarium venenatum Quinn)(国際公開第00/56900号パンフレット)、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)β−グルコシダーゼ、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)セロビオヒドロラーゼI、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)セロビオヒドロラーゼII、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)エンドグルカナーゼI、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)エンドグルカナーゼII、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)エンドグルカナーゼIII、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)エンドグルカナーゼIV、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)エンドグルカナーゼV、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)キシラナーゼI、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)キシラナーゼII、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)β−キシロシダーゼ、ならびに、NA2−tpiプロモータ(非翻訳リーダが、アスペルギルス属(Aspergillus)トリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子由来の非翻訳リーダで置換された、アスペルギルス属(Aspergillus)中性α−アミラーゼ遺伝子由来の修飾プロモータ;非限定的例としては、非翻訳リーダがアスペルギルス・ニズランス(Aspergillus nidulans)またはアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)トリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子由来の非翻訳リーダで置換された、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)中性α−アミラーゼ遺伝子由来の修飾プロモータが挙げられる)の遺伝子から得られるプロモータ;ならびに、その突然変異体、切断およびハイブリッドプロモータがある。
酵母宿主において、有用なプロモータは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO−1)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)ガラクトキナーゼ(GAL1)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)アルコール3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ(ADH1、ADH2/GAP)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)トリオースリン酸イソメラーゼ(TPI)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)メタロチオネイン(CUP1)、およびサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)3−ホスホグリセリン酸キナーゼの遺伝子から得られる。酵母宿主細胞についての他の有用なプロモータは、Romanos et al.,1992,Yeast 8:423−488により記載されている。
制御配列はまた、宿主細胞によって認識されて転写を終結させる転写ターミネータであり得る。ターミネータ配列は、変異体をコードするポリヌクレオチドの3’−末端に作動可能にリンクする。宿主細胞において機能するいずれかのターミネータが用いられ得る。
細菌宿主細胞の好ましいターミネータは、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)アルカリ性プロテアーゼ(aprH)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、および大腸菌(Escherichia coli)リボソームRNA(rrnB)の遺伝子から得られる。
糸状真菌宿主細胞の好ましいターミネータは、アスペルギルス・ニズランス(Aspergillus nidulans)アントラニル酸シンターゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)グルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)α−グルコシダーゼ、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)TAKAアミラーゼおよびフザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)トリプシン−様タンパク分解酵素の遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞の好ましいターミネータは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)チトクロムC(CYC1)およびサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)グリセルアルデヒド−3−リン酸3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼの遺伝子から得られる。酵母宿主細胞の他の有用なターミネータが、前述のRomanos et al.,1992に記載されている。
制御配列は、プロモータの下流で、かつ遺伝子のコード配列の上流のmRNA安定化領域であってもよく、これは、遺伝子の発現を増大させる。
好適なmRNA安定化領域の例は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)cryIIIA遺伝子(国際公開94/25612号パンフレット)および枯草菌(Bacillus subtilis)SP82遺伝子(Hue et al.,1995,Journal of Bacteriology 177:3465−3471)から得られる。
制御配列はまた、リーダ、すなわち、mRNAの非翻訳領域であってもよく、これは、宿主細胞による翻訳にとって重要である。リーダ配列は、変異体をコードするポリヌクレオチドの5’−末端に作動可能にリンクさせる。宿主細胞において機能性であれば、どんなリーダを用いてもよい。
糸状真菌宿主細胞の好ましいリーダは、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)TAKAアミラーゼおよびアスペルギルス・ニズランス(Aspergillus nidulans)トリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞の好適なリーダは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO−1)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)3−ホスホグリセリン酸キナーゼ、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)α−因子およびサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)アルコール3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸3−ヒドロキシプロピオン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)の遺伝子から得られる。
制御配列はまた、変異体コード配列の3’−末端に作動可能にリンクし、転写された場合に、ポリアデノシン残基を転写mRNAに付加するシグナルとして宿主細胞により認識される配列であるポリアデニル化配列であってよい。宿主細胞において機能性であれば、どのポリアデニル化配列を用いてもよい。
糸状真菌宿主細胞の好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギルス・ニズランス(Aspergillus nidulans)アントラニル酸シンターゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)グルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)α−グルコシダーゼ、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)TAKAアミラーゼ、およびフザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)トリプシン様プロテアーゼの遺伝子から得られる。
イースト菌宿主細胞の有用なポリアデニル化配列が、Guo and Sherman,1995,Mol.Cellular Biol.15:5983−5990に記載されている。
制御配列はまた、変異体のN−末端にリンクしたシグナルペプチドをコードし、および、変異体を細胞の分泌経路に送るシグナルペプチドコード領域であり得る。ポリヌクレオチドのコード配列の5’−末端は、変異体をコードするコード配列のセグメントと共に、翻訳読み枠に元々リンクしたシグナルペプチドコード配列を本質的に含有し得る。または、コード配列の5’−末端は、コード配列に対して外来性のシグナルペプチドコード配列を含有し得る。コード配列がシグナルペプチドコード配列を元々含有していない場合には、外来性のシグナルペプチドコード配列が必要とされる場合がある。または、外来性のシグナルペプチドコード配列は単に、変異体の分泌を増強するために天然シグナルペプチドコード配列を置き換えてもよい。しかしながら、発現変異体を宿主細胞の分泌経路に送るいずれかのシグナルペプチドコード配列が用いられてもよい。
細菌宿主細胞の効果的なシグナルペプチドコード配列は、バチルス属(Bacillus)NCIB11837マルトジェニックアミラーゼ、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)サブチリシン、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)β−ラクタマーゼ、バチルス・ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)α−アミラーゼ、バチルス・ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)中性プロテアーゼ(nprT、nprS、nprM)および古草菌(Bacillus subtilis)prsAの遺伝子から得られるシグナルペプチドコード配列である。さらなるシグナルペプチドが、Simonen and Palva,1993,Microbiological Reviews 57:109−137に記載されている。
糸状真菌宿主細胞の効果的なシグナルペプチドコード配列は、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)中性アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)グルコアミラーゼ、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)TAKAアミラーゼ、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)セルラーゼ、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)エンドグルカナーゼV、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)リパーゼおよびリゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼの遺伝子から得られるシグナルペプチドコード配列である。
イースト菌宿主細胞の有用なシグナルペプチドは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)α−因子およびサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)インベルターゼの遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード配列が、前述のRomanos et al.,1992により記載されている。
制御配列はまた、変異体のN−末端でプロペプチド位置をコードするプロペプチドコード配列であり得る。得られたポリペプチドは、酵素原またはプロポリペプチド(または、いくつかの場合においてチモーゲン)として公知である。プロポリペプチドは、一般に非活性であり、プロポリペプチドからのプロペプチドの触媒または自己触媒切断によって活性ポリペプチドに転換されることが可能である。プロペプチドコード配列は、古草菌(Bacillus subtilis)アルカリ性タンパク分解酵素(aprE)、古草菌(Bacillus subtilis)中性タンパク分解酵素(nprT)、ミセリオフトラ・テルモフィラ(Myceliophthora thermophila)ラッカーゼ(国際公開第95/33836号パンフレット)、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼおよびサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)α−因子の遺伝子から得られ得る。
シグナルペプチドおよびプロペプチド配列の両方が存在する場合、プロペプチド配列は変異体のN−末端に隣接して位置されており、また、シグナルペプチド配列は、プロペプチド配列のN−末端に隣接して位置されている。
宿主細胞の増殖に対した変異体の発現を調節する調節配列を付加することが望ましい場合もあり得る。調節系の例は、調節化合物の存在を含む化学的または物理的刺激に応じて、遺伝子の発現をオンオフさせるものである。原核系における調節系としては、lac、tac、およびtrpオペレータ系が挙げられる。イースト菌においては、ADH2系またはGAL1系が用いられ得る。糸状菌においては、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)グルコアミラーゼプロモータ、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)TAKAα−アミラーゼプロモータおよびアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)グルコアミラーゼプロモータが用いられ得る。調節配列の他の例は、遺伝子増幅を可能とするものである。真核系において、これらの調節配列は、メトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、および、重金属を伴って増幅されるメタロチオネイン遺伝子を含む。これらの事例において、変異体をコードするポリヌクレオチドは、調節配列と作動可能にリンクしているであろう。
組換え発現ベクターは、本明細書に記載するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、プロモータ、ならびに、転写および翻訳終止シグナルを含む。様々なヌクレオチドと制御配列を互いに結合して、組換え発現ベクターを形成することもでき、これは、当該部位で、変異体をコードするポリヌクレオチドの挿入または置換を可能にするような、1つまたは複数の好都合な制限部位を含みうる。または、ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含む核酸構築物を発現に適切なベクターに挿入することにより発現され得る。発現ベクターの形成において、コード配列は、コード配列が、発現に適切な制御配列と作動可能にリンクするようベクター中に位置されている。
組換え発現ベクターは、組換えDNA法に簡便に供されることが可能であり、ポリヌクレオチドの発現をもたらすことが可能であるいずれかのベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得る。ベクターの選択は、典型的には、ベクターが導入される宿主細胞に対するベクターの親和性に応じることとなる。ベクターは、直鎖または閉鎖された環状プラスミドであり得る。
ベクターは、例えばプラスミド、染色体外要素、微小染色体または人工染色体といった、自己複製ベクター(すなわち、染色体外のエンティティとして存在し、その複製が染色体複製とは無関係なベクター)であり得る。ベクターは、自己複製を確実とするための何らかの手段を含有し得る。または、ベクターは、宿主細胞に導入された際に、ゲノム中に統合され、および、中に統合された染色体と一緒に複製されるものであり得る。しかも、単一のベクターもしくはプラスミド、または、一緒になって、宿主細胞のゲノムに導入される全DNAを含有する2つ以上のベクターもしくはプラスミド、または、トランスポゾンが用いられてもよい。
ベクターは、形質転換、形質移入、形質導入などされた細胞の選択を容易とする1つまたは複数の選択マーカを含有することが好ましい。選択マーカは、その生成物が、殺生剤またはウイルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求体に対する原栄養性などをもたらす遺伝子である。
細菌性選択マーカの例としては、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)もしくは枯草菌(Bacillus subtilis)dal遺伝子、または、アンピシリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、ネオマイシン、スペクチノマイシン、もしくはテトラサイクリン耐性などの抗生物質耐性を賦与するマーカである。酵母宿主細胞の好適なマーカとしては、限定するものではないが、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1およびURA3が挙げられる。糸状真菌宿主細胞に使用する選択マーカとしては、限定するものではないが、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)およびtrpC(アントラニル酸シンターゼ)、ならびにこれらの同等物が挙げられる。アスペルギルス・ニズランス(Aspergillus nidulans)またはアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)amdSおよびpyrG遺伝子、ならびに、ストレプトマイセス・ハイグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)bar遺伝子が、アスペルギルス属(Aspergillus)細胞での使用に好ましい。
ベクターは、宿主細胞のゲノムへのベクターの統合、または、ゲノムとは無関係の細胞中のベクターの自律複製を許容する要素を含有することが好ましい。
宿主細胞ゲノムへの統合に関して、ベクターは、変異体をコードするポリヌクレオチドの配列、または、相同的もしくは非相同的組換えによるゲノムへの統合に係るベクターのいずれかの他の要素に依存し得る。または、ベクターは、染色体における正確な位置での宿主細胞のゲノムへの相同的組換えによる統合をもたらす追加のポリヌクレオチドを含有していてもよい。正確な位置で統合される可能性を高めるために、統合要素は、相同的組換えの確率を高めるために対応する標的配列に対して高度の配列同一性を有する、100〜10,000塩基対、400〜10,000塩基対および800〜10,000塩基対などの十分な数の核酸を含有しているべきである。統合要素は、宿主細胞のゲノム中の標的配列と相同的であるいずれかの配列であり得る。さらに、統合要素は、非コーディングまたはコーディングポリヌクレオチドであり得る。他方で、ベクターは、非相同的組換えにより宿主細胞のゲノムに統合され得る。
自律複製に関して、ベクターは、対象の宿主細胞におけるベクターの自律的な複製を可能とする複製起点をさらに含んでいてもよい。複製起点は、細胞において機能する自律複製を媒介するいずれかのプラスミドレプリケータであり得る。「複製起点」または「プラスミドレプリケータ」という用語は、インビボでのプラスミドまたはベクターの複製を可能とするポリヌクレオチドを意味する。
細菌性複製起点の例は、大腸菌(E.coli)における複製を許容するプラスミドpBR322、pUC19、pACYC177およびpACYC184の複製起点、ならびに、バチルス属(Bacillus)における複製を許容するpUB110、pE194、pTA1060およびpAMβ1の複製起点である。
イースト菌宿主細胞において用いられる複製起点の例は、2ミクロン複製起点、ARS1、ARS4、ARS1とCEN3との組み合わせ、および、ARS4とCEN6との組み合わせである。
糸状真菌細胞において有用な複製起点の例は、AMA1およびANS1(Gems et al.,1991,Gene 98:61−67;Cullen et al.,1987,Nucleic Acids Res.15:9163−9175;国際公開第00/24883号パンフレット)である。AMA1遺伝子の単離およびAMA1遺伝子を含むプラスミドまたはベクターの構築は、国際公開第00/24883号パンフレットに開示されている方法に従って達成可能である。
本発明のポリヌクレオチドの2つ以上のコピーが宿主細胞に挿入されて、変異体の生成が高められてもよい。ポリヌクレオチドのコピーの数は、配列の少なくとも1つの追加のコピーを宿主細胞ゲノムに統合することにより、または、増幅可能な選択マーカ遺伝子をポリヌクレオチドに含めることにより増加させることが可能であり、ここで、選択マーカ遺伝子の増幅されたコピー、従って、ポリヌクレオチドの追加のコピーを含有する細胞は、適切な選択可能な薬剤中で細胞を培養することにより選択可能である。
上記の要素を連結して本発明の組換え発現ベクターを構築するために用いられる手法は、当業者に周知である(例えば、前述のSambrook et al.,1989を参照のこと)。
宿主細胞
本発明はまた、例えば、活性3−HP経路での使用を目的として、生産を指令する1つまたは複数の制御配列に作動可能にリンクした、本明細書の記載のポリペプチドまたは変異体をコードするポリヌクレオチドを含む組換え宿主細胞に関する。ポリヌクレオチドを含む構築物もしくはベクターは、構築物もしくはベクターが染色体性組み込み体として、もしくは、既述の自己複製余剰−染色体性ベクターとして維持されるよう宿主細胞に導入される。「宿主細胞」という用語は、複製の最中に生じる突然変異により親細胞と同等ではない親細胞のいずれかの子孫を包含する。
いくつかの態様では、宿主細胞は、本明細書に記載するポリペプチドまたは変異体の組換え生産および回収のために選択することができる。他の態様では、宿主細胞は、活性3−HP経路を含み、細胞による3−HPの組換え生産における3−HP経路遺伝子として、本明細書に記載のポリペプチドまたは変異体を発現するように選択される(例えば、国際公開第2012/074818号パンフレットに記載されている通り;尚、その内容は、参照として本明細書に組み込む)。こうした細胞は、発酵性糖またはマロニルセミアルデヒド前駆体から3−HPを産生することができる。
原核宿主細胞は、グラム陽性またはグラム陰性バクテリアのいずれかであり得る。グラム陽性バクテリアとしては、これらに限定されないが、バチルス属(Bacillus)、クロストリジウム属(Clostridium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ゲオバチルス属(Geobacillus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、オセアノバチルス属(Oceanobacillus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)およびストレプトマイセス属(Streptomyces)が挙げられる。グラム陰性バクテリアとしては、これらに限定されないが、カムピロバクター属(Campylobacter)、大腸菌(E.coli)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、イリオバクター属(Ilyobacter)、ネイッセリア属(Neisseria)、シュードモナス属(Pseudomonas)、サルモネラ属(Salmonella)およびウレアプラズマ属(Ureaplasma)が挙げられる。
細菌宿主細胞は、特にこれらに限定されないが、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・シルクランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バシラス・フィルムス(Bacillus firmus)、バチルス・ラウツス(Bacillus lautus)、バチルス・レンツス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、古草菌(Bacillus subtilis)、およびバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)細胞を含むいずれかのバチルス属(Bacillus)細胞であり得る。
細菌宿主細胞はまた、特にこれらに限定されないが、ストレプトコッカス・エクイシミリス(Streptococcus equisimilis)、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・ウベリス(Streptococcus uberis)、およびストレプトコッカス・ズーエピデミカス(Streptococcus equi subsp.Zooepidemicus)細胞のいずれかのストレプトコッカス属(Streptococcus)細胞を含むいずれかのストレプトコッカス属(Streptococcus)細胞であり得る。
細菌宿主細胞はまた、特にこれらに限定されないが、ストレプトマイセス・アウロモゲネス(Streptomyces achromogenes)、ストレプトマイセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)、ストレプトマイセス・コエリコロル(Streptomyces coelicolor)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、およびストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)細胞を含むいずれかのストレプトマイセス属(Streptomyces)細胞であり得る。
バチルス属(Bacillus)細胞へのDNAの導入は、プロトプラスト形質転換(例えば、Chang and Cohen,1979,Mol.Gen.Genet.168:111−115を参照のこと)、コンピテント細胞転換(例えば、Young and Spizizen,1961,J.Bacteriol.81:823−829、またはDubnau and Davidoff−Abelson,1971,J.Mol.Biol.56:209−221を参照のこと)、電気穿孔法(例えば、Shigekawa and Dower,1988,Biotechniques 6:742−751を参照のこと)、または、接合により(例えば、Koehler and Thorne,1987,J.Bacteriol.169:5271−5278を参照のこと)行われ得る。大腸菌(E.coli)細胞へのDNAの導入は、プロトプラスト形質転換により(例えば、Hanahan,1983,J.Mol.Biol.166:557−580を参照のこと)または電気穿孔法により(例えば、Dower et al.,1988,Nucleic Acids Res.16:6127−6145を参照のこと)行われ得る。ストレプトマイセス属(Streptomyces)細胞へのDNAの導入は、プロトプラスト形質転換電気穿孔法(例えば、Gong et al.,2004,Folia Microbiol.(Praha)49:399−405を参照のこと)、接合(例えば、Mazodier et al.,1989,J.Bacteriol.171:3583−3585を参照のこと)、または、形質導入により(例えば、Burke et al.,2001,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:6289−6294を参照のこと)行われ得る。シュードモナス属(Pseudomonas)細胞へのDNAの導入は、電気穿孔法(例えば、Choi et al.,2006,J.Microbiol.Methods 64:391−397を参照のこと)、または、接合により(例えば、Pinedo and Smets,2005,Appl.Environ.Microbiol.71:51−57を参照のこと)行われ得る。ストレプトコッカス属(Streptococcus)細胞へのDNAの導入は、天然コンピテンス(例えば、Perry and Kuramitsu,1981,Infect.Immun.32:1295−1297を参照のこと)、プロトプラスト形質転換(例えば、Catt and Jollick,1991,Microbios 68:189−207を参照のこと)、電気穿孔法(例えば、Buckley et al.,1999,Appl.Environ.Microbiol.65:3800−3804を参照のこと)、または、接合により(例えば、Clewell,1981,Microbiol.Rev.45:409−436を参照のこと)行われ得る。しかしながら、DNAを宿主細胞に導入するための技術分野において公知である方法のいずれかを用いることが可能である。
宿主細胞はまた、哺乳類、昆虫、植物または真菌細胞などの真核生物であり得る。
宿主細胞は真菌細胞であってもよい。本明細書において用いられる「真菌」は、子嚢菌門(Ascomycota)、担子菌門(Basidiomycota)、ツボカビ門(Chytridiomycota)および接合菌門(Zygomycota)、ならびに、卵菌門(Oomycota)およびすべての栄養胞子形成真菌を含む(Hawksworth et al.,In,Ainsworth and Bisby’s Dictionary of The Fungi,8th edition,1995,CAB International,University Press,Cambridge,UKに定義されているとおり)。
真菌宿主細胞はイースト菌細胞であり得る。本明細書において用いられるところ、「イースト菌」は、子嚢菌酵母(エンドミセス目(Endomycetales))、担子菌イースト菌を含み、イースト菌は、不完全菌類(不完全酵母菌類(Blastomycetes))に属する。イースト菌の分類は将来において変更される可能性があるため、本発明の目的について、イースト菌は、Biology and Activities of Yeast(Skinner,,PassmoreおよびDavenport編,Soc.App.Bacteriol.Symposium Series No.9,1980)に記載されているとおりに定義されるものとする。
イースト菌宿主細胞は、クルイベロマイセスラクティス(Kluyveromyces lactis)、サッカロマイセス・カルスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ジアスタチクス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・ドウグラシイ(Saccharomyces douglasii)、サッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロマイセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)、サッカロマイセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)またはヤロウイア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)細胞などのカンジダ属(Candida)、ハンセヌラ属(Hansenula)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、ピチア属(Pichia)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)またはヤロウイア属(Yarrowia)細胞であり得る。
いくつかの態様では、宿主細胞は、イサタケンキア(Issatchenkia)属、カンジダ属(Candida)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、ピチア属(Pichia)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)、トルラスポラ属(Torulaspora)、ジゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)およびサッカロマイセス属(Saccharomyces)から選択される。いくつかの態様では、宿主細胞は、イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)、カンジダ・ランビカ(C.lambica)、またはサッカロマイセス・ブルデリ(S.bulderi)宿主細胞から選択される。
真菌宿主細胞は糸状真菌細胞であり得る。「糸状菌」は、真菌植物門(Eumycota)および卵菌門(Oomycota)亜門(前述のHawksworth et al.,1995で定義されているとおり)のすべてのフィラメント形を含む。糸状菌は、一般に、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナンおよび他の複雑な多糖類から組成される菌糸体壁によって特徴付けられる。栄養成長は菌糸の伸展によるものであり、および、炭素異化は絶対好気性である。対照的に、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などのイースト菌による栄養成長は単細胞葉状体の出芽によるものであり、および、炭素異化は発酵性であり得る。
糸状真菌宿主細胞は、アクレモニウム属(Acremonium)、アスペルギルス属(Aspergillus)、アウレオバシジウム属(Aureobasidium)、ブエルカンデラ属(Bjerkandera)、セリポリオプシス属(Ceriporiopsis)、クリソスポリウム属(Chrysosporium)、コプリヌス属(Coprinus)、コリオルス属(Coriolus)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、フィリバシジウム属(Filibasidium)、フザリウム属(Fusarium)、フミコラ属(Humicola)、マグナポルテ属(Magnaporthe)、ムコール属(Mucor)、ミセリオフトラ属(Myceliophthora)、ネオカリマスチクス属(Neocallimastix)、ニューロスポラ属(Neurospora)、パエシロマイセス属(Paecilomyces)、ペニシリウム属(Penicillium)、ファネロケーテ属(Phanerochaete)、フレビア属(Phlebia)、ピロマイセス属(Piromyces)、プレウロツス属(Pleurotus)、シゾフィルム属(Schizophyllum)、タラロマイセス属(Talaromyces)、テルモアスクス属(Thermoascus)、チエラビア属(Thielavia)、トリポクラジウム属(Tolypocladium)、トラメテス属(Trametes)またはトリコデルマ属(Trichoderma)細胞であり得る。
例えば、糸状真菌宿主細胞は、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フォエティダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニズランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、ヤケイロタケ(Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベスセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パンノシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブロサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ(Ceriporiopsis subrufa)、セリポリオプシス・スブベルミスポラ(Ceriporiopsis subvermispora)、クリソスポリウム・イノプス(Chrysosporium inops)、クリソスポリウム・ケラチノフィルム(Chrysosporium keratinophilum)、クリソスポリウム・ルクノウェンス(Chrysosporium lucknowense)、クリソスポリウム・メルダリウム(Chrysosporium merdarium)、クリソスポリウム・パンニコラ(Chrysosporium pannicola)、クリソスポリウム・クイーンスランジクム(Chrysosporium queenslandicum)、クリソスポリウム・トロピクム(Chrysosporium tropicum)、クリソスポリウム・ゾナツム(Chrysosporium zonatum)、コプリヌス・シネレウス(Coprinus cinereus)、クリオルス・ヒルスツス(Coriolus hirsutus)、フザリウム・バクテリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クロークウェレンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミヌム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポルム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンディ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レチクランツム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシヌム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロスム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコテシオイデス(Fusarium trichothecioides)、フザリウム・ベネナツム(Fusarium venenatum)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)、ミセリオフトラ・テルモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・プルプロゲヌム(Penicillium purpurogenum)、ファネロケーテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、フレビア・ラジアタ(Phlebia radiata)、プレウロツス・エリンギイ(Pleurotus eryngii)、チエラビア・テルレストリス(Thielavia terrestris)、トラメテス・ビロサ(Trametes villosa)、トラメテス・ベルシコロル(Trametes versicolor)、トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギイ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアツム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)またはトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)細胞であり得る。
真菌細胞は、それ自体公知の様式でのプロトプラスト形成、プロトプラストの形質転換、および、細胞壁の再生を含むプロセスにより形質転換され得る。アスペルギルス属(Aspergillus)およびトリコデルマ属(Trichoderma)宿主細胞の形質転換に好適な手法は、欧州特許第238023号明細書、Yelton et al.,1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1470−1474、ならびにChristensen et al.,1988,Bio/Technology 6:1419−1422に記載されている。フザリウム属(Fusarium)種の形質転換に好適な方法は、Malardier et al.,1989,Gene 78:147−156および国際公開第96/00787号パンフレットに記載されている。イースト菌は、Becker and Guarente,In Abelson,J.N.and Simon,M.I.,editors,Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology,Methods in Enzymology,Volume 194,pp 182−187,Academic Press,Inc.,New York;Ito et al.,1983,J.Bacteriol.153:163;および、Hinnen et al.,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1920に記載の手法を用いて形質転換され得る。
いくつかの態様では、宿主細胞は、本明細書に記載のポリペプチドまたは変異体をコードするポリヌクレオチドを含み、かつ、発酵性糖(例えば、グルコース)またはピルビン酸塩から3−HPを生成することができる活性3−HP経路を含む。図1に示す経路などの活性3−HP経路は、当分野では周知である(例えば、国際公開第2012/074818号パンフレットを参照;尚、その内容は、参照として本明細書に組み込む)。宿主細胞は、PEPカルボキシラーゼ活性またはピルビン酸カルボキシラーゼ活性;アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性;アスパラギン酸デカルボキシラーゼ活性;およびβ−アラニン/α−ケトグルタル酸アミノトランスフェラーゼ(BAAT)活性を有する(例えば、国際公開第02/42418号パンフレットおよび国際公開第2008/027742号パンフレットを参照;尚、その内容は、参照として本明細書に組み込む)。このような酵素活性は、内在性遺伝子発現、代謝経路における酵素をコードする異種ポリヌクレオチドの発現から、または1つまたは複数(例えば、2つ、数個)の異種ポリヌクレオチドの発現を追加した内在性遺伝子発現の組合せから起こりうる。いくつかの態様では、宿主細胞は、PEPカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、アスパラギン酸デカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、および/またはBAATをコードする異種ポリヌクレオチドを含む。
いくつかの態様では、宿主細胞は、3−HP耐性宿主細胞である。本明細書で用いる「3−HP耐性宿主細胞」は、4.0未満のpHで、75g/L以上の3−HPを含有する培地中で、少なくとも2.5g/L/時の平均解糖速度を呈示する宿主細胞を指す。このような速度および条件は、3−HPを生成する経済的な方法をもたらす。これらの実施形態のいくつかでは、宿主細胞は、その在来形態で3−HP耐性を示しうる。別の実施形態では、細胞は、突然変異細胞および/または選択細胞が、同じ種の野生型細胞より高度の3−HP耐性を有するように、活性3−HP発酵経路に関する遺伝子改変の導入前、最中、または導入後に、突然変異および/または選択に付してもよい。特定の実施形態では、突然変異および/または選択は、その在来の形態で3−HP耐性を呈示する細胞について実施してもよい。突然変異および/または選択に付した細胞は、3−HP生成のための工業用宿主としてのその能力を決定するために、様々なレベルの3−HPの存在下での糖消費およびその他の特徴について試験してもよい。3−HP耐性以外に、本明細書に記載する宿主細胞は、1つまたは複数の別の有機酸、または他の発酵産物、副産物、もしくは媒質成分に対する耐性のために突然変異および/または選択に付されていてもよい。
3−HPまたは他の化合物に対する耐性の選択は、当分野では公知の方法を用いて達成することができる。例えば、ケモスタットを用いて、選択を実施してもよい。ケモスタットは、微生物(例えば、酵母)の連続的培養を可能にする装置で、そこでは、比増殖速度および細胞数を独立に制御することができる。連続的培養は、主として、定容量のフローシステムであり、そこに培地を連続的に添加し、そこから溢流を連続的に除去することができる。このようなシステムが平衡状態になれば、細胞数および栄養状態は一定に保たれ、システムは定常状態になる。ケモスタットは、希釈率、ならびに炭素または窒素源などの制限栄養因子の濃度の変更によって、培養物の集団密度および比増殖速度の両方を制御することを可能にする。培養物の成長に従って条件を変更する(中でも、例えば、接種系統の増殖に必要な二次炭素源の濃度を低減する)ことによって、変更した条件でより速く増殖することができる集団の微生物が選択されて、新しい条件下でそれほど機能しない微生物より速く成長するであろう。典型的に、このような選択は、ケモスタット培養物の成長過程にわたって少なくとも1つの培養成分の段階的増加または減少を必要とする。ケモスタットの操作および微生物の指向進化におけるその使用は、当分野では周知である(例えば、Novick Proc Natl Acad Sci USA 36:708−719(1950),Harder J Appl Bacteriol 43:1−24(1977)を参照のこと。
いくつかの態様では、上記の宿主細胞は、同じ条件下で培養した場合、本明細書に記載するポリペプチドまたは変異体をコードするポリヌクレオチドを含まない宿主細胞と比較して、増大したレベルの3−HPを分泌する(および/または分泌することができる)。いくつかの実施形態では、上記宿主細胞は、同じ条件下で培養した場合、本明細書に記載するポリペプチドまたは変異体をコードするポリヌクレオチドを含まない宿主細胞と比較して、少なくとも5%、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも300%、または少なくとも500%の増加レベルの3−HPを分泌する、および/または分泌することができる。好適な培養条件の例を以下に記載するが、これらは、本明細書の教示内容に基づき、当業者には容易に理解されよう。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、理論値の少なくとも10%、例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%の収率で、3−HPを産生する(および/または産生することができる)。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、毎時約0.1g/L超、例えば、毎時約0.2g/L、毎時0.5g/L、毎時0.6g/L、毎時0.7g/L、毎時0.8g/L、毎時0.9g/L、毎時1.0g/L、毎時1.1g/L、毎時1.2g/L、毎時1.3g/L、毎時1.5g/L、毎時1.75g/L、毎時2.0g/L、毎時2.25g/L、毎時2.5g/L、もしくは毎時3.0g/Lを超えるか;または毎時約0.1g/L〜毎時約2.0g/L、例えば、毎時約0.3g/L〜毎時約1.7g/L、毎時約0.5g/L〜毎時約1.5g/L、毎時約0.7g/L〜毎時約1.3g/L、毎時約0.8g/L〜毎時約1.2g/L、もしくは毎時約0.9g/L〜毎時約1.1g/Lの3−HPの量的生産率を有する。
宿主細胞は、当分野では公知の方法を用いて、本明細書に記載のポリペプチドおよび変異体の生成に適した栄養培地中で培養することができる。例えば、振盪フラスコ培養、ならびに好適な培地および所望のポリペプチドの発現および/または単離を可能にする条件下で実施される実験用もしくは工業用発酵槽における小規模もしくは大規模発酵(連続式、バッチ式、フェドバッチ式、もしくは固相発酵)によって培養してよい。培養は、当分野で公知の方法を用いて、本明細書に記載するように、炭素および窒素源ならびに無機塩を含む好適な栄養培地中で実施する。好適な培地は、供給業者から市販されており、また、公開された組成(例えば、American Type Culture Collectionのカタログ)に従って調製してもよいし、あるいは、市販の材料から調製することも可能である。
前述したように、本明細書に記載する酵素の酵素活性は、当分野で公知の方法を用いて検出することができる。これらの検出方法は、特定の抗体の使用、酵素産物の形成、または酵素基質の消失を含みうる。例えば、以下の文献を参照されたい:Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,New York (2001);Ausubel et aI.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Baltimore,MD (1999);およびHanai et al., Appl.Environ.Microbiol.73:7814−7818(2007))。
生成方法
本発明はまた、本明細書に記載のポリペプチドまたは変異体を生成する方法にも関し、これは、(a)発現に好適な条件下で、ポリペプチドまたは変異体をコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養するステップ;ならびに(b)ポリペプチドまたは変異体を回収するステップを含む。
宿主細胞は、当分野では公知の方法を用いて、本明細書に記載のポリペプチドまたは変異体の生成に適した栄養培地中で培養する。例えば、細胞は、好適な培地中ならびに変異体の発現および/または単離が許容される条件下で行われる、振盪フラスコ培養により、および、実験用もしくは産業用発酵槽における小規模もしくは大規模発酵(連続式、バッチ式、フェドバッチ式または固体状発酵を含む)により培養され得る。培養は、炭素および窒素源および無機塩を含む好適な栄養培地において、技術分野において公知である手法を用いて行われる。好適な媒体は、商業的な供給者から入手可能であるか、または、公開された組成に従って調製され得る(例えば、American Type Culture Collectionのカタログ)。変異体が栄養培地に分泌される場合、変異体は培地から直接回収可能である。変異体が分泌されない場合、細胞ライセートから回収可能である。
変異体は、変異体に特異的な技術分野において公知である方法を用いて検出され得る。これらの検出方法として、限定するものではないが、特定の抗体の使用、酵素産物の形成、または、酵素基質の消失などが挙げられる。例えば、実施例の項に記載するアッセイなどの酵素アッセイを用いて、酵素活性を決定してもよい。
ポリペプチドまたは変異体は技術分野において公知である方法を用いて回収され得る。例えば、変異体は、特にこれらに限定されないが、収集、遠心分離、ろ過、抽出、噴霧乾燥、蒸発または沈殿を含む従来の手法により栄養培地から回収され得る。
ポリペプチドまたは変異体は、実質的に純粋な変異体を得るために、特にこれらに限定されないが、クロマトグラフィ(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマトフォーカシングおよびサイズ排除)、電気泳動的手法(例えば、分取等電点電気泳動)、較差溶解度(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、SDS−PAGE、または、抽出(例えば、Protein Purification,JansonおよびRyden編,VCH Publishers,New York,1989を参照のこと)を含む技術分野において公知である多様な手法によって精製され得る。
別の態様では、3−HPの生成について本明細書に記載するように、ポリペプチドまたは変異体を回収するのではなく、ポリペプチドを発現する宿主細胞を代謝経路の一部として用いる。
3−HPを生成する方法
本明細書に記載の宿主細胞を3−HPの生成に用いることができる。一態様では、発酵性糖(例えば、グルコース)またはピルビン酸塩から3−HPを生成する方法であって、これは、以下:(a)3−HPを生成するのに好適な条件下で、本明細書に記載の宿主細胞(例えば、活性3−HP経路と、本明細書に記載する3−HPDHをコードするポリヌクレオチドとを含む宿主細胞)のいずれか1つを培地中で培養するステップ;ならびに(b)3−HPを回収するステップを含む。本方法のいくつかの実施形態では、宿主細胞はさらに、PEPカルボキシラーゼ活性またはピルビン酸カルボキシラーゼ活性;アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性;アスパラギン酸デカルボキシラーゼ活性;およびβ−アラニン/α−ケトグルタル酸アミノトランスフェラーゼ(BAAT)活性を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、PEPカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、アスパラギン酸デカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、および/またはBAATをコードする異種ポリヌクレオチドを含む。本方法のいくつかの実施形態において、宿主細胞は、前述したように、3−HP耐性宿主細胞である。
一態様では、発酵性糖(例えば、グルコース)またはピルビン酸塩から3−HPを生成する方法であって、これは、以下:(a)3−HPを生成するのに好適な条件下で、本明細書に記載の宿主細胞(例えば、活性3−HP経路と、本明細書に記載する配列番号2、4もしくは6の3−HPDH変異体をコードするポリヌクレオチドとを含む宿主細胞)のいずれか1つを培地中で培養するステップ;ならびに(b)3−HPを回収するステップを含む。本発明のいくつかの実施形態では、3−HPDH変異体は、配列番号2、4もしくは6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、宿主細胞はさらに、PEPカルボキシラーゼ活性またはピルビン酸カルボキシラーゼ活性;アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性;アスパラギン酸デカルボキシラーゼ活性;およびβ−アラニン/α−ケトグルタル酸アミノトランスフェラーゼ(BAAT)活性を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、PEPカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、アスパラギン酸デカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、および/またはBAATをコードする異種ポリヌクレオチドを含む。本方法のいくつかの実施形態において、宿主細胞は、前述したように、3−HP耐性宿主細胞である。
一態様では、発酵性糖(例えば、グルコース)またはピルビン酸塩から3−HPを生成する方法であって、これは、以下:(a)3−HPを生成するのに好適な条件下で、本明細書に記載の宿主細胞(例えば、活性3−HP経路と、配列番号82に関連する3−HPDHをコードするポリヌクレオチドとを含む宿主細胞)のいずれか1つを培地中で培養するステップ;ならびに(b)3−HPを回収するステップを含む。本発明のいくつかの実施形態では、3−HPDHは、配列番号82のシュードモナス・プチダ(P.putida)3−HPDHに対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、宿主細胞はさらに、PEPカルボキシラーゼ活性またはピルビン酸カルボキシラーゼ活性;アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性;アスパラギン酸デカルボキシラーゼ活性;およびβ−アラニン/α−ケトグルタル酸アミノトランスフェラーゼ(BAAT)活性を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、PEPカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、アスパラギン酸デカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、および/またはBAATをコードする異種ポリヌクレオチドを含む。本方法のいくつかの実施形態において、宿主細胞は、前述したように、3−HP耐性宿主細胞である。
3−HPの生成方法は、1つまたは複数(例えば、2つ、数種)の糖、例えば、グルコース、フルクトース、スクロース、セロビオース、キシロース、キシルロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、および/または可溶性オリゴ糖などを含む発酵性培地において実施することができる。いくつかのケースでは、発酵培地は、テンサイ、デンプン、またはセルロースなどの天然の供給源から得られ、また、酵素加水分解(糖化)によって供給源を前処理して得られたものでもよい。
1つまたは複数(例えば、2つ、数種)の糖からの適切な炭素源に加えて、発酵性培地は、多量栄養素(例えば、窒素源)および微量栄養素(例えば、ビタミン、無機塩、および金属補因子)などの当業者には公知の他の栄養素または刺激因子を含んでもよい。いくつかの態様では、炭素源には、少なくとも1つの窒素原、例えば、酵母エキス、N2、ペプトン(例:Bacto(商標)Peptone)、またはソイトン(例:Bacto(商標)Soytone)を優先的に添加することができる。ビタミンの非制限的例として、複合ビタミン、ビオチン、パントテン酸塩、ニコチン酸、メソ−イノシトール、チアミン、ピリドキシン、パラ−アミノ安息香酸、葉酸、リボフラビン、ならびにビタミンA、B、C、DおよびEが挙げられる。無機塩および金属補因子の例として、限定するものではないが、Na、P、L、Mg、S、Ca、Fe、Zn、MnおよびCuがある。
3−HPの生成方法に用いる好適な条件は、本明細書の教示内容に照らして、当業者が決定することができる。本方法のいくつかの態様では、宿主細胞を約12〜約216時間、例えば、約24〜約144時間、または約36時間〜約96時間培養する。温度は典型的に、約26℃〜約60℃、例えば、約34℃〜約50℃で、pHは、約3.0〜約8.0、例えば、約3.0〜約7.0、約3.0〜約6.0、約3.0〜約5.0、約3.5〜約4.5、約4.0〜約8.0、約4.0〜約7.0、約4.0〜約6.0、約4.0〜約5.0、約5.0〜約8.0、約5.0〜約7.0、または約5.0〜約6.0である。本方法のいくつかの態様では、宿主細胞の、得られる細胞内pHは、約3.0〜約8.0、例えば、約3.0〜約7.0、約3.0〜約6.0、約3.0〜約5.0、約3.5〜約4.5、約4.0〜約8.0、約4.0〜約7.0、約4.0〜約6.0、約4.0〜約5.0、約5.0〜約8.0、約5.0〜約7.0、または約5.0〜約6.0である。培養は、必要に応じて、嫌気性、微好気性、または好気性条件下で実施してよい。いくつかの態様では、嫌気性条件下で培養を実施する。好適な緩衝剤は、当分野では公知である。
培養は、必要に応じて、嫌気性、実質的に嫌気性(微好気性)、または好気性条件下で実施してよい。手短には、嫌気性とは、酸素が全くない環境を指し、実質的に嫌気性(微好気性)とは、酸素の濃度が空気より薄い環境を指し、好気性とは、酸素濃度が空気とほぼ同じか、それより濃い環境を指す。実質的に嫌気性の条件は、例えば、培地中の溶存酸素濃度が、10%未満の飽和を維持するような培養、バッチ式発酵または連続式発酵を含む。実質的に嫌気性の条件はまた、酸素が1%未満の大気で維持された密閉チャンバー内の液体培地中または固体寒天上の成長もしくは休止細胞も包含する。酸素の割合は、例えば、N2/CO2混合物または他の好適な非酸素ガスを培地に注入することによって維持することができる。いくつかの実施形態では、嫌気性条件または実質的に嫌気性条件下で培養を実施する。
本明細書に記載する方法は、いずれの好適な発酵操作方法を使用してもよい。例えば、バッチ式発酵は、密閉系と共に用いることができ、そこで、発酵の開始時に用意した培地および宿主微生物には、試薬、例えば、pH制御、泡制御剤のための特定の試薬、または工程の維持に必要な他の試薬以外は、一切追加投入物を加えない。本明細書に記載する方法はまた、フェドバッチ式または連続式で用いることもできる。
本明細書に記載する方法は、複数のバイオリアクター構成、例えば、撹拌タンク、気泡塔、エアリフト反応器および当業者には公知の他の反応器で実施することができる。
本方法は、必要に応じて、遊離細胞培養または細胞固定化培養で実施することができる。細胞固定化培養のためのいずれの材料支持体を用いてもよく、例えば、アルギン酸塩、繊維層、またはクリソタイル、モンモリロナイトKSFおよびモンモリロナイトK−10などのアーガイル材料がある。
本方法の一態様において、約10g/L超、例えば、約25g/L、50g/L、75g/L、100g/L、125g/L、150g/L、160g/L、170g/L、180g/L、190g/L、200g/L、210g/L、225g/L、250g/L、275g/L、300g/L、325g/L、350g/L、400g/Lもしくは500g/Lを超える;または約10g/L〜約500g/L、例えば、約50g/L〜約350g/L、約100g/L〜約300g/L、約150g/L〜約250g/L、約175g/L〜約225g/L、もしくは約190g/L〜約210g/Lの力価で、3−HPを生成する。本方法の一態様では、炭水化物1グラム当たり約0.01グラム超、例えば、炭水化物1グラム当たり約0.02、0.05、0.75、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1.0グラムを超える力価で、3−HPを生成する。
本方法の一態様において、生成される3−HPの量は、同じ条件下で、3−HPDHをコードするポリヌクレオチドを含まない宿主細胞を培養するのと比較して、少なくとも5%、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも50%、または少なくとも100%大きい。
組換え3−HPは、任意選択で、限定するものではないが、クロマトグラフィ(例えば、サイズ排除クロマトグラフィ、吸着クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ)、電気泳動法、溶解度差、蒸留、抽出(例えば、液体−液体)、浸透蒸発、抽出濾過、膜濾過、膜分離、逆浸透圧法、限外濾過、または結晶化などの当分野では公知のあらゆる方法を用いて、発酵培地から回収および精製することができる。
本方法のいくつかの態様において、任意選択で精製する前および/または後の組換え3−HPは実質的に純粋である。3−HPの生成方法に関して、「実質的に純粋」とは、15%以下の不純物を含む、回収された3−HPの調製物を意味し、ここで、不純物は、3−HP以外の化合物を意味する。一変形例では、実質的に純粋な3−HPの調製物が提供され、調製物は、25%以下の不純物、または20%以下の不純物、または10%以下の不純物、または5%以下の不純物、または3%以下の不純物、または1%以下の不純物、または0.5%以下の不純物を含む。
本明細書に記載する生成方法および宿主細胞についての3−HPの生成を試験する好適なアッセイを、当分野で公知の方法を用いて実施することができる。例えば、最終3−HP(およびその他の有機化合物)は、HPLC(高性能液体クロマトグラフィ)、GC−MS(ガスクロマトグラフィ−マススペクトロスコピー)およびLC−MS(液体クロマトグラフィ−マススペクトロスコピー)または他の好適な分析方法によって、当分野では公知の常用の手順を用いて、分析することができる。また、発酵ブロス中への3−HPの放出も、培養上澄みを用いて試験することができる。発酵培地中の副産物および残留糖(例えば、グルコース)は、例えば、グルコースおよびアルコールについての屈折率検出器、ならびに有機酸についてのUV検出器(Lin et al.,Biotechnol.Bioeng.90:775−779(2005))を用いて、または当分野で公知の他の好適なアッセイおよび検出方法を用いて、HPLCにより定量することができる。
植物
本発明はまた、本明細書に記載のポリペプチドまたは変異体を回収可能な量で発現および産生するように、本明細書に記載のポリヌクレオチドを含む、植物、例えば、トランスジェニック植物、植物部分、または植物細胞にも関する。
トラスジェニック植物は、双子葉植物(dicot)または単子葉植物(monocot)であってよい。単子葉植物の例として、牧草(ナガハグサ、イチゴツナギ(Poa))、ウシノケグサ(Festuca)、ライグラス(Lolium)などの飼料草、ヌカボ(Agrostis)などの寒地型牧草などの草、ならびに穀類、例えば、コムギ、オーツムギ、ライムギ、オオムギ、イネ、モロコシおよびトウモロコシ(コーン)が挙げられる。
双子葉植物の例としては、タバコ、ハウチワマメなどのマメ類、ジャガイモ、テンサイ、エンドウマメ、インゲンマメおよびダイズ、ならびにカリフラワー、ナタネなどのアブラナ科植物(アブラナ科(Brassicaceae)、ならびに近縁のモデル生物であるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)がある。
植物部分の例としては、茎、カルス、葉、根、果実、種子、および塊茎、ならびにこれらの部分を含む個別の組織、例えば、表皮、歯肉、柔組織、導管組織、分裂組織などがある。葉緑体、アポプラスト、ミトコンドリア、液胞、ペロキシソームおよび細胞質などの特定の植物細胞コンパートメントも植物部分であると考えられる。さらに、どの組織由来のものかに関係なく、あらゆる植物細胞が植物部分であると考えられる。同様に、本発明の使用を容易にするために単離された特定の組織および細胞などの植物部分も植物部分であると考えられ、例えば、胚、内胚乳、アリューロンおよび種皮などがある。
変異体を発現するトランスジェニック植物または植物細胞は、当分野では公知の方法に従い構築することができる。手短には、変異体をコードする1つまたは複数の発現構築物を植物宿主細胞ゲノムまたは葉緑体ゲノムに組み込んだ後、得られた修飾済み植物または植物細胞をトランスジェニック植物または植物細胞に増殖させることによって構築する。
発現構築物は、好適には、選択した植物または植物部分におけるポリヌクレオチドの発現に必要な好適な調節配列と作動可能にリンクした変異体をコードするポリヌクレオチドを含む核酸構築物である。さらに、発現構築物は、発現構築物が組み込まれた植物細胞を同定するのに有用な選択マーカ、および対象植物への構築物の導入に必要なDNA配列を含んでもよい(後者は、使用するDNA導入方法に応じて異なる)。
プロモータおよびターミネータ配列、ならびに任意選択でシグナルまたはトランジット配列などの調節配列の選択は、例えば、いつ、どこで、どのように変異体を発現したいのかに応じて決定する。例えば、変異体をコードする遺伝子の発現は、構成性もしくは誘導性であってもよいし、または発生、段階もしくは組織特異的であってもよく、遺伝子産物を種子もしくは葉などの特定の組織もしくは植物部分にターゲティングしてもよい。調節配列は、例えば、Tague et al.,1988,Plant Physiology 86:506に記載されている。
構成性発現の場合、35S−CaMV、トウモロコシユビキチン1、またはイネアクチン1プロモータを用いてもよい(Franck et al.,1980,Cell 21 285−294;Christensen et al.,1992,Plant Mol.Biol.18:675−689;Zhang et al.,1991,Plant Cell 3:1155−1165)。器官特異的プロモータは、以下のものであってよい:例えば、種子、ジャガイモ塊茎、および果実などの貯蔵シンク組織(storage sink tissue)(Edwards and Coruzzi,1990,Ann.Rev.Genet.24:275−303)、または分裂組織などの代謝シンク組織(Ito et al.,1994,Plant Mol.Biol.24:863−878)由来のプロモータ、コメ由来のグルテリン、プロラミン、グロブリン、もしくはアルビンプロモータなどの種子特異的プロモータ(Wu et al.,1998,Plant Cell Physiol.39:885−889)、レグミンB4由来のソラマメ(Vicia faba)プロモータ、ならびにソラマメ(Vicia faba)由来の未知の種子タンパク質遺伝子(Conrad et al.,1998,J.Plant Cell Physiol.152:708−711)、油糧種子ボディタンパク質由来のプロモータ(Chen et al.,1998,Plant Physiol.39:935−941)、セイヨウアブラナ(Brassica napus)由来の貯蔵タンパク質napAプロモータ、または、例えば国際公開第91/14772号パンフレットに記載のように、当分野では公知のその他いずれかの種子特異的プロモータ。さらに、プロモータは、以下のものでもよい:イネもしくはトマト由来のrbcsプロモータなどの葉特異的プロモータ(Kyozuka et al.,1993,Plant Physiol.102:991−1000)、クロレラウイルスアデニンメチルトランスフェラーゼ遺伝子プロモータ(MitraおよびHiggins,1994,Plant Mol.Biol.26:85−93)、イネ由来のaldP遺伝子プロモータ(Kagaya et al.,1995,Mol.Gen.Genet.248:668−674)、あるいは、ジャガイモpin2プロモータなどの傷害誘導性プロモータ(Xu et al.,1993,Plant Mol.Biol.22:573−588)。同様に、プロモータは、温度、乾燥、もしくは塩分の変化などの非生物的処理によって誘導してもよいし、またはプロモータを活性化する細胞外から加える物質、例えば、エタノール、エストロゲン、およびエチレンなどの植物ホルモン(アブシシン酸、およびジベレリン酸など)、ならびに重金属により誘導してもよい。
植物における変異体のより高度の発現を達成するために、プロモータエンハンサーエレメントを用いてもよい。例えば、プロモータエンハンサーエレメントは、イントロンであってもよく、これをプロモータと、変異体をコードするポリヌクレオチドとの間に配置する。例えば、Xuらは、1993年(前掲)、発現の増強を目的とする、イネアクチン1の第1イントロンの使用を開示している。
選択マーカ遺伝子および発現構築物の他のいずれかの部分を当分野で入手可能なものから選択してもよい。
核酸構築物は、アグロバクテリウム媒介形質転換、ウイルス媒介形質転換、マイクロインジェクション、パーティクルガン、微粒子銃、およびエレクトロポレーションなどの植物当分野では公知の従来の技術(Gasser et al.,1990,Science 244:1293;Potrykus,1990,Bio/Technology 8:535;Shimamoto et al.,1989,Nature 338:274)に従って植物ゲノムに組み込む。
アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)媒介の遺伝子移入は、トランスジェニック双子葉植物を作製する方法(概要については、HooykasおよびSchilperoort,1992,Plant Mol.Biol.19:15−38を参照)および単子葉を形質転換する方法であるが、別の形質転換方法をこれらの植物に用いてもよい。トランスジェニック単子葉植物を作製する方法は、胚発生カルスまたは発生中の胚のパーティクルガン(形質転換DNAをコーティングした微細な金もしくはタングステン粒子)である(Christou,1992,Plant J.2:275−281;Shimamoto,1994,Curr.Opin.Biotechnol.5:158−162;Vasil et al.,1992,Bio/Technology 10:667−674)。単子葉の形質転換のための別の方法は、Omirulleh et al.,1993,Plant Mol.Biol.21:415−428によって記載されているように、原形質体形質転換に基づくものである。別の形質転換方法としては、米国特許第6,395,966号明細書および同第7,151,204号明細書(いずれも、その全文を本明細書に参照として組み込む)に記載されているものがある。
形質転換の後、発現構築物が組み込まれた形質転換体を選択し、当分野で公知の方法によって全植物に再生させる。多くの場合、形質転換方法は、再生中、または後の作製時のいずれかに、選択遺伝子の選択的排除のために設計されるが、これは、例えば、2つの個別のT−DNA構築物による共形質転換、または特定のリコンビナーゼによる選択遺伝子の部位特異的切除を用いて行う。
本発明の構築物を含む特定の植物遺伝子型の直接形質転換以外にも、構築物を含まない第2の植物と、構築物を含む植物を交雑させることにより、トランスジェニック植物を作製することもできる。例えば、変異体をコードする構築物を交雑により特定の植物変種に導入することができ、その際、その所定変種の植物を直接形質転換する必要はない。従って、本発明は、本発明に従って形質転換した細胞から直接再生させた植物だけではなく、このような植物の子孫も含む。本明細書で用いる「子孫」は、本発明に従い調製される親植物のあらゆる世代の子孫を指し得る。こうした子孫は、本発明に従い調製したDNA構築物を含んでもよい。交雑の結果、出発系とドナー植物系の交差受粉により、植物系へのトランスジーンの導入が行われる。このようなステップの非制限的例が、米国特許第7,151,204号明細書に記載されている。
戻し交雑法により、植物を作製することもできる。例えば、植物は、戻し交雑遺伝子型、系列、同系繁殖体、またはハイブリッドと称する植物を含む。
1つの遺伝子バックグラウンドから別のものへの本発明の1つまたは複数のトラスジーンの遺伝子移入を促進するために、遺伝子マーカを用いてもよい。マーカ利用選択は、従来の育種に対して、表現型の変化によって起こる誤りを回避するのに用いることができるという利点をもたらす。さらに、遺伝子マーカは、特定の交雑の個別の子孫におけるエリート生殖質の相対割合に関するデータを提供しうる。例えば、通常は非農学的に望ましい遺伝子バックグラウンドを有する所望の特徴を備える植物をエリート親と掛け合わせる場合、遺伝子マーカを用いて目的の特徴を有するだけではなく、比較的大きな割合で所望の生殖質を含む子孫を選択することができる。このようにして、特定の遺伝子バックグラウンドに1つまたは複数の特徴を移入するのに必要な世代数が最小化される。
一態様では、(a)生成が実施可能な条件下でポリペプチドまたは変異体をコードするポリヌクレオチドを含むトランスジェニック植物または植物細胞を培養するステップ;および(b)ポリペプチドまたは変異体を回収するステップを含む、本明細書に記載のポリペプチドまたは変異体を生成する方法である。
以下の実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
緩衝剤および基質として用いられる化学物質は、少なくとも試薬グレードの市販の製品である。
系統
大腸菌(E.coli)系統MG1655(NN059268)をydfG3−HPDH遺伝子をコードするDNAの供給源として用いた。ydfGプラスミドを発現するために、系統MG1655、SoloPack Gold(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA,USA)およびSURE細胞(Agilent Technologies,Inc.)を用いた。
国際公開第2012/074818号パンフレットに記載されているように、イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c 3−HPDH遺伝子をコードするDNAの供給源として、イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)系統MBin500を用いた。イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)系統McTs259(国際公開第2012/074818号パンフレット)を用いて、3−HP生成のために記載の3−HPDHを発現させた。
培地
LB培地は、10gのトリプトン、5gの酵母エキス、5gの塩化ナトリウム、および1リットルまでの脱イオン水から構成された。
2XYTプレートは、16gのトリプトン、10gの酵母エキス、5gのNaCl、15gのBacto agar(寒天)、および1リットルまでの脱イオン水から構成された。
Figure 2014528726
Figure 2014528726
実施例1:大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDH遺伝子の発現ベクターの構築
pTrc99Aへの組込みのために、5’末端にEcoRI制限部位および3’末端にBamHI制限部位を生成するように設計した2つの合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRにより、大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDHコード配列を増幅した(図4;Amann,E.,et al.(1988)“Tightly regulated tac promoter vectors useful for the expression of unfused and fused proteins in Escherichia coli.”Gene 69(2):301−315を参照のこと)。
2XYTプレートから大腸菌(E.coli)MG1655の単一コロニーを単離して、25μl1%Triton X−100、200mM Tris pH8.5、2mM EDTA(CLS溶液)に溶解させ、80℃で10分加熱した後、氷上で冷却することにより、PCR用の大腸菌(E.coli)ゲノムDNAを取得した。3マイクロリットルのこの溶液をPCR反応での鋳型として用いたが、これは、最終容量50μl中に、1X Pfx増幅緩衝剤、それぞれ50ピコモルのプライマー000001および000002、それぞれ0.2mMのdATP、dGTP、dCTP、およびdTTP、ならびに2.5単位のPlatinum(登録商標)Pfx DNAポリメラーゼ(Invitrogen,Carlsbad,CA,USA)をさらに含有した。95℃で2分を1サイクル;ならびに、95℃で30秒、55℃で30秒、および72℃で1分をそれぞれ25サイクルのようにプログラムしたEPPENDORF(登録商標)MASTERCYCLE(登録商標)5333(Eppendorf Scientific,Inc.,Westbury,NY,USA)で、増幅反応を実施した。25サイクルの後、反応物を72℃で3分インキュベートした後、さらに処理するまで10℃で冷却した。
5マイクロリットルのPCR反応混合物を、TBE緩衝剤中に臭化エチジウムを含む1%TBE−アガロースゲル電気泳動に付すことにより、所望の765bp PCR断片を同定した。残る45μlのPCR反応混合物からのPCR断片を、QIAquick PCR Purification Kit(Qiagen,Inc.Valencia,CA,USA)を用いて精製した。精製した断片をEcoRIおよびBamHI(New England Biolabs,Ipswich,MA,USA)で消化した後、臭化エチジウムを含む1%TBE−アガロースゲル上で分析した。
プラスミドpTrc99A(前掲)をEcoRIおよびBamHIで消化し、得られた断片を1%TBE−アガロースゲル電気泳動により分離した後、DARK READER(商標)(Clare Chemical Research,Dolores,CO,USA)で視覚化した。使い捨てのかみそりの刃で所望の4.1kb断片をゲルから切除し、QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen,Inc.)を用いて精製した。
大腸菌(E.coli)ydfGを含有するDNA断片のpTrc99Aへのクローン化をT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を用いて実施した。反応混合物は、10μlの総量中に、1XT4 DNAリガーゼ緩衝剤、1μlT4 DNAリガーゼ、1μlの前記のpTrc99A EcoRI/BamHI消化DNA断片、および5μlの前記のydfG EcoRI/BamHI消化PCR産物を含有していた。反応混合物を16℃で一晩インキュベートした後、製造業者の指示に従い、SUREコンピテント細胞(Agilent Technologies,Inc.)を形質転換するのに用いた。回収時間後、形質転換混合物からの2つの100μlアリコートを、ml当たり100μgのアンピシリンを添加した150mm2XYTプレートに塗布し、37℃で一晩インキュベートした。
形質転換の組換えコロニーを、アンピシリン(100μg/ml)を添加した3mlのLB培地に各々接種した。BIOROBOT(登録商標)9600ワークステーション(Qiagen,Inc.)を用いて、これらの培養物からプラスミドDNAを作製し、EcoRI/BamHI消化の後、1%TBE−アガロースゲル電気泳動により分析した。1コロニーからのプラスミドDNAをpMeJi9と称し、正しい制限消化パターンを有するものを、正しいydfGコード配列の組込みを確認するため、さらに配列分析に付した。
実施例2:大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDH遺伝子の構築
所望のydfG変異体をコードし、5’フランキングEcoRI制限部位および3’NaeI制限部位を含む合成DNA配列を、DNA2.0(Menlo Park,CA,USA)由来のプラスミド構築物に付与した。各プラスミドをEcoRIおよびNaeI制限酵素で消化し、得られた断片を1%TAE−アガロースゲル上で分離した後、DARK READER(商標)(Clare Chemical Research)で視覚化した。ydfG変異体コード配列を含有する所望のDNAバンドを、使い捨てのかみそりの刃でゲルから切除し、NucleoSpin Extract II Kit(Machery−Nagel,Dueren,Germany)を用いて精製した。
プラスミドpMeJi9(前掲)をEcoRIおよびNaeIによる消化で線状化した後、5’リン酸塩の除去のためにアルカリホスファターゼ、Calf Intestinal(CIP)(New England Biolabs)と一緒にインキュベートした。得られた混合物をゲル電気泳動に付し、視覚化した後、前述のように精製して、所望の4657bp DNA断片を取得した。
各ydfG変異体コード配列の線状化pMeJi9へのクローン化を、1X T4 DNAリガーゼ緩衝剤、1μlT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)、2μlEcoRI/NaeI線状化pMeJi9、および15μlの選択EcoRI/NaeI ydfG変異体コード配列(総量20μl)を室温で2時間インキュベートすることによって実施した。インキュベーション反応物の10μlサンプルを用いて、製造業者の指示に従い、SoloPack(登録商標)Goldのケミカルコンピテント細胞を形質転換した。回収時間後、形質転換混合物からの2つの100μlアリコートを、ml当たり100μgのアンピシリンを添加した150mm2XYTプレートに塗布し、37℃で一晩インキュベートした。推定組換えクローンを選択プレートから選択し、BIOROBOT(登録商標)9600ワークステーションを用いて、各々からプラスミドDNAを作製した。配列決定によりクローンを分析した。正しい配列を有するプラスミドを表1に示す。
Figure 2014528726
以下の表2に示す別の変異体は、QuikChange II XL Site−Directed Mutagenesis Kit(Agilent Technologies,Inc.)を用いたPCR反応において、部位指定突然変異誘発および表示のプライマーを用いて構築した。PCR反応物は、1X反応緩衝剤、125ngの各プライマー、30ngのプラスミドDNA鋳型、1X dNTP、1X Quick solution、2.5U PfuUltra HF DNAポリメラーゼを最終的な量50μlに含有していた。95℃で3分を1サイクル;ならびに、95℃で50秒、60℃で50秒、および68℃で6分をそれぞれ18サイクルのようにプログラムしたEPPENDORF(登録商標)MASTERCYCLER(登録商標)5333(Eppendorf Scientific,Inc.)で、増幅反応を実施した。18サイクルの後、反応物を68℃で7分インキュベートした後、さらに処理するまで10℃で冷却した。各PCR反応物に1μlのDpnlを添加し、37℃で1.5時間インキュベートして、鋳型プラスミドDNAを消化した。
各部位指定PCR反応物から、2.5μlの反応物を用いて、製造業者の指示に従い、XL10 Gold Superケミカルコンピテント細胞(Agilent Technologies,Inc.)に形質転換した。回収時間後、形質転換混合物からの2つの100μlアリコートを、ml当たり100μgのアンピシリンを添加した150mm2XYTプレートに塗布し、37℃で一晩インキュベートした。
形質転換の組換えコロニーを、アンピシリンを添加した(100μg/ml)3mlのLB培地に各々接種した。BIOROBOT(登録商標)9600ワークステーション(Qiagen,Inc.)を用いて、これらの培養物からプラスミドDNAを作製して、配列決定分析に付すことにより、ydfGコード配列における部位指定突然変異を確認した。
Figure 2014528726
実施例3:MG1655細胞における大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDH遺伝子変異体の発現
Sheen,J.(1989).“High−Efficiency Transformation by Electroporation.”Current Protocols in Molecular Biology.1.8.4.に記載されている方法に従って、エレクトロコンピテント細胞MG1655を、実施例2から得られたクローニングプラスミド(または対照pMeJi9もしくはpTrc99A)で形質転換した。回収時間の後、形質転換混合物からの2つの100μlアリコートを、ml当たり100μgのアンピシリンを添加した150mm2XYTプレートに塗布し、37℃で一晩インキュベートした。各形質転換について、BIOROBOT(登録商標)9600ワークステーションを用いて、選択した組換えクローンのプラスミドDNAを作製し、配列決定により分析した。次に、選択したクローンを、100μgのアンピシリンを添加した3mlのLB培地の培養物に接種し、振盪しながら37℃で一晩インキュベートした。125mlのバッフル付き振盪フラスコ中で、ml当たり100μgのアンピシリンを添加した25mlのLB培地に一晩培養物250μlを添加し、OD600約0.6のまで増殖させた後、0.5mM IPTGを添加することにより、プラスミドから発現を誘導した。IPTGと1時間インキュベートした後、培養物を遠心分離によって収集し、以下に記載するように、酵素アッセイに付した。培養物からのサンプルも収集し、8〜16%Bio−Rad CriterionステインフリーTris−HClゲル(Bio−Rad Laboratories,Inc.,Hercules,CA,USA)でのSDS−PAGE分析に付した。
実施例4:大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDH遺伝子変異体を発現する細胞の補因子特異性
実施例3からの培養物を遠心分離(4℃、15,000×gで、10分)によって回収した後、−80℃で保存した。細胞を氷上で解凍し、ペレットを、緩衝剤10mL当たり1錠のRoche Complete Miniプロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche,Basel)を含むpH7.4のリン酸緩衝食塩水(PBS;NaCl、137mM;KCl、2.7mM;Na2HPO4、10mM;KH2PO4、1.76mM)中に再懸濁させた。細胞を3回洗浄した後、2mg/mLの濃度で、リゾチーム(Sigma−Aldrich,Saint−Louis,Mo)を添加したPBSおよびプロテアーゼ阻害剤中に再懸濁させた。次いで、細胞を氷上で30分インキュベートすることにより、細胞質内容物を放出させ、膜残屑を遠心分離(4℃、15,000×gで、30分)によって回収した。粗抽出物(CCE)を含む上澄みを新しい試験管に移し、次の使用まで氷上に保持した。BSAを標準として用いるPierce BCAタンパク質検出キット(Thermo Fisher scientific,Rockford,IL,USA)を用いて、製造業者の推奨事項に従い、CCEタンパク質を定量した。以下に記載するプロトコルの一方または両方を用いて、表示した変異体をCCEからアッセイした。
340nmでの関連する低減補因子の経時的出現を測定することにより、NADP+またはNAD+補因子のいずれかを用いて、リバースセリンデヒドロゲナーゼ活性アッセイを実施した。96ウェルマイクロプレートでアッセイを実施したが、最終容量は300μLであった。270μLのアッセイ緩衝剤(100mM Tris pH8.0、10 mM NaHCO3、5mM MgCl2、400mM L−セリンおよび2mMのNAD+またはNADP+のいずれか)に30μLのCCE(前掲)を添加することにより、反応を開始した。室温(約25℃)で10分にわたり、340nmでの吸光度をマイクロプレートリーダ(Spectra Max 340PC、Molecular Devices LLC,Sunnyvale,CA,USA)で追跡した。1単位は、pH8.0、25℃のL−セリンの存在下で、NADHもしくはNADPHのいずれかを1分に1μモル生成するのに必要な酵素の量として定義した。
セリンデヒドロゲナーゼアッセイ(表3を参照)を用いた結果は、親大腸菌(E.coli)ydfG遺伝子産物(pMeJi9から発現した)、およびydfG遺伝子産物が欠如した対照(ブランク発現ベクターpTrc99A)と比較して、特定のデヒドロゲナーゼ変異体について、NADP(H)に対するNAD(H)の増大した特異性を示している。
Figure 2014528726
340nmでのNADHまたはNADPHのいずれかの経時的消失を測定することにより、フォワードマロン酸セミアルデヒドレダクターゼアッセイを実施した。マロン酸セミアルデヒドは、Yamada and Jacoby(1960)“Direct conversion of malonic semialdehyde to acetyl−coenzyme A”,J.Biol.Chem.,235(3):589−594によって開発されたプロトコルに従って研究室内で合成した。96ウェルマイクロプレートでアッセイを実施したが、最終容量は200μLであった。170μLのアッセイバッファー(2mMマロン酸セミアルデヒド、100mM Tris pH8.0、および0.5mMのNADHまたはNADPHのいずれか)に30μLのCCE(前掲)を添加することにより、反応を開始した。室温(約25℃)で10分にわたり、340nmでの吸光度をマイクロプレートリーダ(Spectra Max 340PC,Molecular Devices LLC)で追跡した。1単位は、pH8.0、25℃で、マロン酸セミアルデヒドの存在下、NADHもしくはNADPHのいずれかを1分に1μモル酸化するのに必要な酵素の量として定義した。
マロン酸セミアルデヒドレダクターゼアッセイ(表4を参照)を用いた結果は、親大腸菌(E.coli)ydfG遺伝子産物(pMeJi9から発現した)、およびydfG遺伝子産物が欠如した対照(ブランク発現ベクターpTrc99A)と比較して、特定の3−HPDHについて、NADP(H)に対するNAD(H)の増大した特異性を示している。
Figure 2014528726
実施例5:イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c3−HPDH遺伝子の発現ベクターの構築
プラスミドpMBin190(国際公開第2012/074818号パンフレット)は、NheI/PacI部位がフランキングする配列番号4の3−HPDHをコードするイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226cヌクレオチド配列を含有する。pMBin190プラスミドをNheIおよびPacIで消化し、Qiagen Gel Extractionキット(Qiagen,Inc.)を用いて、ゲルから単離および精製した後、827bp断片を、XbaIおよびPacIで消化したpMlBa107(国際公開第2012/074818号パンフレット)の7942bp(これは、Qiagen Gel Extractionキットを用いて、ゲルから単離および精製した)と連結させた。pMlBa107へのイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226cポリヌクレオチド含有DNA断片のクローン化を、T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を用いて実施した。反応混合物は、総量10μl中に、1XT4 DNAリガーゼ緩衝剤、1μlT4 DNAリガーゼ、1μlの前記pMlBa107XbaI/PacI消化DNA断片、ならびに5μlの前記YMR226cNheI/PacI消化産物を含有した。反応混合物を室温で少なくとも1時間インキュベートした後、製造業者の指示に従い、One Shot TOP10細胞(Invitrogen)を形質転換するのに用いた。回収時間の後、形質転換混合物からの2つの100μlアリコートを、ml当たり100μgのアンピシリンを添加した150mm2XYTプレートに塗布し、37℃で一晩インキュベートした。形質転換の組換えコロニーを、アンピシリンを添加した(100μg/ml)3mlのLB培地に各々接種した。BIOROBOT(登録商標)9600ワークステーション(Qiagen,Inc.)を用いて、これらの培養物からプラスミドDNAを作製して、制限消化物検査に付した。正しい制限消化パターンを有する1つのクローンからのプラスミドDNAをさらに配列分析に付し、pMBin200と名付けた。
pTrc99A(前掲)への組込みのために、5’末端にEcoRI制限部位を、また3’末端にXmaI制限部位を生成するように設計した2つの合成オリゴヌクレオチドを用いたPCRによって、イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226cコード配列を増幅した。
20ナノグラムのpMBin200プラスミドDNAをPCR反応物における鋳型として用いたが、これは、総量50μlに、1X Phusion HF緩衝剤、各々50ピコモルのプライマー614967および614968、各々0.2mMのdATP、dGTP、dCTP、およびdTTP、ならびに2単位のPhusion(登録商標)Hot Start High Fidelity DNA Polymerase(Finnzymes,Vantaa,Finland)をさらに含有していた。95℃で3分を1サイクル;ならびに、95℃で30秒、56.5℃で30秒、および72℃で1分をそれぞれ30サイクルのようにプログラムしたEPPENDORF(登録商標)MASTERCYCLER(登録商標)5333(Eppendorf Scientific,Inc.)で、増幅反応を実施した。30サイクルの後、反応物を72℃で5分インキュベートした後、さらなる処理まで10℃で冷却した。
PCR反応物からの831bp PCR断片を、TBE緩衝剤中に臭化エチジウムを含む1%TBE−アガロースゲル電気泳動に付し、PCR産物をゲルから切除し、NucleoSpin Extract IIキット(Macherey−Nagel)を用いて精製した。精製した断片をEcoRIおよびXmaI(New England Biolabs)で消化し、プラスミドpTrc99AをEcoRIおよびXmaIで消化した後、得られた断片を1%TBE−アガロースゲル電気泳動により分離した後、DARK READER(商標)(Clare Chemical Research)で視覚化した。使い捨てのかみそりの刃でpTrc99Aおよび819bp YMR226c断片の所望の4.16kb断片をゲルから切除し、NucleoSpin Extract IIキット(Macherey−Nagel)を用いて精製した。
イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226cコード配列を含有するDNA断片のpTrc99Aへのクローン化をT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を用いて実施した。反応混合物は、20μlの総量中に、1XT4 DNAリガーゼ緩衝剤、1μlT4 DNAリガーゼ、1μlの前記pTrc99A EcoRI/XmaI消化DNA断片、および15μlの前記YMR226c EcoRI/XmaI消化PCR産物を含有していた。反応混合物を室温で一晩インキュベートした後、製造業者の指示に従い、Solo Pack Goldスーパーコンピテント細胞(Agilent Technologies,Inc.)を形質転換するのに用いた。回収時間後、形質転換混合物からの2つの100μlアリコートを、ml当たり100μgのアンピシリンを添加した150mm2XYTプレートに塗布し、37℃で一晩インキュベートした。形質転換の組換えコロニーを、アンピシリン(100μg/ml)を添加した3mlのLB培地に各々接種した。
BIOROBOT(登録商標)9600ワークステーション(Qiagen,Inc.)を用いて、これらの培養物からプラスミドDNAを作製し、EcoRI/XmaI消化の後、1%TBE−アガロースゲル電気泳動により分析した。pMcTs103と名付けた1つのクローンに由来し、かつ正しい制限消化パターンを有するプラスミドDNAをさらに配列分析に付して、正しいYMR226cコード配列の組込みを確認した。配列決定から、このYMR226cコード配列が、予想したゲノム配列とは1塩基対だけ異なることが判明した。
pMcTs103における1塩基対の突然変異を訂正するために、プライマー615428および614429を用い、前述したQuikChange II XL Site−Directed Mutagenesis Kit(Agilent Technologies,Inc.)を用いたPCR反応において、鋳型DNAとしてpMcTs103を用い、部位指定突然変異誘発を実施した。
形質転換の組換えコロニーを、アンピシリンを添加した(100μg/ml)3mlのLB培地に各々接種した。BIOROBOT(登録商標)9600 ワークステーション(Qiagen,Inc.)を用いて、これらの培養物からプラスミドDNAを作製して、配列分析に付し、YMR226cコード配列における部位指定突然変異誘発を確認した。配列決定に基づく正しい配列を有するクローンをpMcTs107と名付けた。
実施例6:イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c3−HPDH遺伝子変異体の構築
実施例4に示す知見に基づき、親イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c相同体(配列番号4)を用いて、別の3−HPDH遺伝子変異体を構築した。
配列番号4の45位および46位(配列番号2の31位および32位に対応する)にそれぞれアスパラギン酸およびロイシンのアミノ酸置換を実施するように設計された、プライマー615006および615007を用い、前述したQuikChange II XL Site−Directed Mutagenesis Kit(Agilent Technologies,Inc.)を用いたPCR反応において、鋳型DNAとしてpMcTs107(前掲)を用い、部位指定突然変異誘発を実施し、これにより、変異体mut26(配列番号80)を得た。
形質転換の組換えコロニーを配列分析に付して、YMR226cコード配列における部位指定突然変異誘発を確認した。変異体mut26(配列番号80)をコードする正しい配列を有するクローンをpMcTs110と名付けた。
配列番号80の20位(配列番号2の9位に対応する)にグリシンのアミノ酸置換を導入するように設計された、プライマー615004および615005を用い、前述したQuikChange II XL Site−Directed Mutagenesis Kit(Agilent Technologies,Inc.)を用いたPCR反応において、pMcTs110で部位指定突然変異誘発を実施し、これにより、変異体mut27(配列番号81)を得た。
形質転換の組換えコロニーを配列分析に付して、YMR226cコード配列における部位指定突然変異誘発を確認し、変異体mut27(配列番号81)をコードする正しい配列を有するクローンをpMcTs112と名付けた。
実施例7:イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c3−HPDH遺伝子変異体を発現する細胞の補因子特異性
実施例6から得られたイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)遺伝子変異体をMG1655細胞に発現させ、前述したマロン酸セミアルデヒドレダクターゼアッセイを用いて、3−HPDH補因子特異性を測定した。結果を以下の表5に示す。pMcTs112(配列番号81)から発現されたmut27イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c3−HPDH変異体は、pMcTs107(配列番号4)から発現された親イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c遺伝子産物、およびYMR226c遺伝子産物の欠如した対照(ブランク発現ベクターpTrc99A)と比較して、NADP(H)に対しNAD(H)に対する増大した特異性を示した。
Figure 2014528726
実施例8:イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)adh9091遺伝子座でのイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c3−HPDH遺伝子の組込みのための発現ベクターの構築
フランキング5’NheIおよび3’PacI制限部位を付加するように設計されたプライマーを用いて、pMcTs107(前掲)から、イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226 3−HPDHコード配列を増幅した。50ナノグラムのpMcTs107プラスミドDNAをPCR反応物における鋳型として用いたが、これは、最終量50μl中に、1XPhusion HF緩衝剤、各々50ピコモルのプライマー615485および615486、各々0.2mMのdATP、dGTP、dCTP、およびdTTP、ならびに2単位のPhusion(登録商標)Hot Start High−Fidelity DNA Polymerase(Finnzymes)をさらに含有していた。95℃で3分を1サイクル;ならびに、95℃で30秒、55℃で30秒、および72℃で1分をそれぞれ30サイクルのようにプログラムしたEPPENDORF(登録商標)MASTERCYCLER(登録商標)5333(Eppendorf Scientific,Inc.)で、増幅反応を実施した。30サイクルの後、反応物を72℃で5分インキュベートした後、さらに処理するまで10℃で冷却した。
PCR反応物からの837bp PCR断片を、TBE緩衝剤中に臭化エチジウムを含む1%TBE−アガロースゲル電気泳動に付し、PCR産物をゲルから切除し、NucleoSpin Extract IIキット(Macherey−Nagel)を用いて精製した。精製した断片をNheIおよびPacI(New England Biolabs)で消化し、プラスミドpMBin204(国際公開第2012/074818号パンフレット)をXbaIおよびPacIで消化した後、得られた断片を1%TBE−アガロースゲル電気泳動により分離した後、DARK READER(商標)(Clare Chemical Research)で視覚化した。pMBin204の所望の8.4kb断片および827bp YMR226c断片をゲルから切除し、NucleoSpin Extract IIキット(Macherey−Nagel)を用いて精製した。
イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c3−HPDHのコード配列(配列番号4)を含有するDNA断片のpMBin204へのクローン化をT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を用いて実施した。反応混合物は、総量20μl中に、1XT4 DNAリガーゼ緩衝剤、1μlT4 DNAリガーゼ、1μlの前記pMBin204XbaIおよびPacI消化DNA断片、および5μlの前記YMR226c NheIおよびPacI消化PCR産物を含有していた。反応混合物を室温で1時間インキュベートした後、製造業者の指示に従い、One Shot TOP10細胞(Invitrogen)を形質転換するのに用いた。回収時間後、形質転換混合物からの2つの100μlアリコートを、ml当たり100μgのアンピシリンを添加した150mm2XYTプレートに塗布し、37℃で一晩インキュベートした。形質転換の組換えコロニーを、アンピシリン(100μg/ml)を添加した3mlのLB培地に各々接種した。
BIOROBOT(登録商標)9600ワークステーション(Qiagen,Inc.)を用いて、これらの培養物からプラスミドDNAを作製し、制限消化により分析した。正しい制限消化パターンを有する1クローンからのプラスミドDNAをさらに配列分析に付して正しいYMR226cコード配列を確認し、これをpMcTs108と名付けた(図5)。
実施例9:イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)adh9091遺伝子座でのイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c3−HPDH遺伝子変異体の組込みのための発現ベクターの構築
フランキング5’NheIおよび3’PacI制限部位を付加するように設計されたプライマーを用いて、pMcTs112(前掲)から、イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226変異体mut27のコード配列(配列番号81)を増幅した。50ナノグラムのpMcTs112プラスミドDNAをPCR反応物における鋳型として用いたが、これは、最終量50μl中に、1XPhusion HF緩衝剤、各々50ピコモルのプライマー615485および615486、各々0.2mMのdATP、dGTP、dCTP、およびdTTP、ならびに2単位のPhusion(登録商標)Hot Start High−Fidelity DNA Polymerase(Finnzymes)をさらに含有していた。95℃で3分を1サイクル;ならびに、95℃で30秒、55℃で30秒、および72℃で1分をそれぞれ30サイクルのようにプログラムしたEPPENDORF(登録商標)MASTERCYCLER(登録商標)5333(Eppendorf Scientific,Inc.)で、増幅反応を実施した。30サイクルの後、反応物を72℃で5分インキュベートした後、さらに処理するまで10℃で冷却した。
PCR反応混合物からの837bp PCR断片を、TBE緩衝剤中に臭化エチジウムを含む1%TBE−アガロースゲル電気泳動に付した後、PCR産物をゲルから切除し、NucleoSpin Extract IIキット(Macherey−Nagel)を用いて精製した。精製した断片をNheIおよびPacI(New England Biolabs)で消化し、プラスミドpMBin204をXbaIおよびPacIで消化した後、得られた断片を1%TBE−アガロースゲル電気泳動により分離した後、DARK READER(商標)(Clare Chemical Research)で視覚化した。pMBin204の所望の8.4kb断片および827bp YMR226c変異体断片をゲルから切除し、NucleoSpin Extract IIキット(Macherey−Nagel)を用いて精製した。
イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c3−HPDH変異体mut27のコード配列を含有するDNA断片のpMBin204へのクローン化をT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を用いて実施した。反応混合物は、総量20μl中に、1XT4 DNAリガーゼ衝剤、1μlのT4 DNAリガーゼ、1μlの前記pMBin204XbaIおよびPacI消化DNA断片、および10μlの前記YMR226c変異体NheIおよびPacI消化PCR産物を含有した。反応混合物を室温で1時間インキュベートした後、製造業者の指示に従い、One Shot TOP10細胞(Invitrogen)を形質転換するのに用いた。回収時間後、形質転換混合物からの2つの100μlアリコートを、ml当たり100μgのアンピシリンを添加した150mm2XYTプレートに塗布し、37℃で一晩インキュベートした。形質転換の組換えコロニーを、アンピシリン(100μg/ml)を添加した3mlのLB培地に各々接種した。
BIOROBOT(登録商標)9600ワークステーション(Qiagen,Inc.)を用いて、これらの培養物からプラスミドDNAを作製し、制限消化により分析した。正しい制限消化パターンを有する1クローンからのプラスミドDNAをさらに配列分析に付して正しいYMR226cコード配列を確認し、これをpMcTs116と名付けた(図6)。
実施例10:イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)adh9091遺伝子座での大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDH遺伝子の組込みのための発現ベクターの構築
大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDHのコード配列を、5’XbaI部位および3’PacI制限部位によってフランキングされるイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)DNAについてコドン最適化した後、GeneArtにより、p1045168と称するプラスミドに付与した(図7)。プラスミドp1045168およびプラスミドpMBin204(国際公開第2012/074818号パンフレット)をXbaIおよびPacIで個別に消化した後、得られた断片を1%TBE−アガロースゲル電気泳動により分離した後、DARK READER(商標)(Clare Chemical Research)で視覚化した。pMBin204の所望の8.4kb断片および761bp大腸菌(E.coli)ydfG断片をゲルから切除し、NucleoSpin Extract IIキット(Macherey−Nagel)を用いて精製した。
大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDHのコード配列(配列番号2)を含有するDNA断片のpMBin204へのクローン化をT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を用いて実施した。反応混合物は、総量20μl中に、1XT4 DNAリガーゼ緩衝剤、1μlのT4 DNAリガーゼ、1μlの前記pMBin204XbaIおよびPacI消化DNA断片、および10μlの大腸菌(E.coli)ydfG産物を含有していた。反応混合物を室温で1時間インキュベートした後、製造業者の指示に従い、One Shot TOP10細胞(Invitrogen)を形質転換するのに用いた。回収時間後、形質転換混合物からの2つの100μlアリコートを、ml当たり100μgのアンピシリンを添加した150mm2XYTプレートに塗布し、37℃で一晩インキュベートした。形質転換の組換えコロニーを、アンピシリン(100μg/ml)を添加した3mlのLB培地に各々接種した。
BIOROBOT(登録商標)9600ワークステーション(Qiagen,Inc.)を用いて、これらの培養物からプラスミドDNAを作製し、制限消化により分析した。正しい制限消化パターンを有する1クローンからのプラスミドDNAをpMcTs77と名付けた(図8)。
実施例11:イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)adh9091遺伝子座での大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDH遺伝子変異体の組込みのための発現ベクターの構築
大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDH変異体mut6(配列番号12)のコード配列を、5’XbaI部位および3’PacI制限部位によってフランキングされるイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)DNAについてコドン最適化した後、GeneArtにより、p11AAT5WPと称するプラスミドに付与した(図9)。50ナノグラムのp11AAT5WP DNAをPCR反応物における鋳型として用いたが、これは、最終量50μl中に、1X Expand緩衝剤、各々50ピコモルのプライマー614697および614698、各々0.2mMのdATP、dGTP、dCTP、およびdTTP、ならびに2.6単位のExpand High Fidelity Polymerase(Roche)をさらに含有していた。95℃で2分を1サイクル;ならびに、95℃で30秒、55℃で30秒、および72℃で1分をそれぞれ30サイクルのようにプログラムしたEPPENDORF(登録商標)MASTERCYCLER(登録商標)5333(Eppendorf Scientific,Inc.)で、増幅反応を実施した。30サイクルの後、反応物を72℃で5分インキュベートした後、さらに処理するまで10℃で冷却した。
783bpPCR断片をXbaIおよびPacIで消化した後、やはりXbaIおよびPacIで消化したpMBin204(前掲)の8.4kb断片にクローン化した。組換えクローンを制限消化および配列決定によりスクリーニングし、正しい配列を有する1クローンをpMcTs78と名付けた(図10)。
プラスミドp1045168(前掲:図7も参照)を、前述のようにプライマー615892および615893を用いた部位指定突然変異誘発に付すことにより、野生型大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDHのコード配列(配列番号2)を、置換G31DおよびR32Lを含む大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDH変異体mut25のコード配列(配列番号33)に変更した。形質転換の組換えコロニーを配列決定し、正しいアミノ酸変更を有する3−HPDHをコードするクローンをpMcTs111と名付けた。
プラスミドpMcTs111を、前述のようにプライマー615890および615891を用いた部位指定突然変異誘発に付すことにより、大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDH変異体mut25のコード配列(配列番号33)を、追加のT9G置換を含む大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDH変異体mut22のコード配列(配列番号30)に変更した。形質転換の組換えコロニーを配列決定し、正しいアミノ酸変更を有する3−HPDHをコードするクローンをpMcTs111と名付けた。形質転換の組換えコロニーを配列決定し、正しいアミノ酸変更を有する3−HPDHをコードするクローンをpMcTs113と名付けた。
大腸菌(E.coli)ydfG3−HPDH変異体mut22のコード配列(配列番号30)のpMBin204へのクローン化は、XbaIおよびPacIでpMcTs113を消化し、得られたpMcTs113の761bp断片を、前述のように、やはりXbaIおよびPacIで消化して得られたpMBin204の8.4kbp断片に連結することによって実施した。形質転換の組換えコロニーを制限消化および配列決定によってスクリーニングし、正しい配列を有するクローンをpMcTs115と名付けた(図11)。
実施例12:イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)adh9091遺伝子座でのシュードモナス・プチダ(P.putida)mmsB3−HPDHの組込みのための発現ベクターの構築
シュードモナス・プチダ(P.putida)mmsB3−HPDHのコード配列(配列番号82)を、5’XbaI部位および3’PacI制限部位によってフランキングされるイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)DNAについてコドン最適化した後、GeneArtにより、p11AA2GJPと称するプラスミドに付与した(図12)。プラスミドp11AA2GJPをXbaIおよびPacIで消化し、898bp断片を、前述のようにやはりXbaIおよびPacIで消化したpMBin204の8.4kb断片にクローン化した。いくつかの組換えコロニーを制限消化および配列決定によってスクリーニングした。正しい配列を有する1つのクローンをpMcTs102と名付けた(図13)。
実施例13:活性3−HP経路を含み、かつイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)adh9091遺伝子座で3−HPDHを発現する宿主系統の構築
前述した組込み構築物pMcTs77、pMcTs78、pMcTs102、pMcTs115の各々約10μgをApaIおよびKpnIで個別に消化した後、89mM Trisベース−89mMホウ酸−2mM二ナトリウムEDTA(TBE)緩衝剤を用いた1%アガロースゲル上でのゲル電気泳動によって分離した。各々約10μgの組込み構築物pMcTs108およびpMcTs116をApaIおよびSacIで消化し、TBE緩衝剤を用いた1%アガロースゲル上でのゲル電気泳動によって分離した。pMcTs77、pMcTs78およびpMcTs115については約5348bp;pMcTs102については約5485bpの断片;およびpMcTs108およびpMcTs116については約5408bpの断片を切除し、QIAquickゲル抽出キット(Qiagen,Inc.)を用いて、製造業者の指示に従い抽出した。プラスミドpMcTs77、pMcTs78、pMcTs102、pMcTs115、pMcTs116、pMcTs108からの線状構築物を系統McTs259(活性3−HP経路を含むが、在来のイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c3−HPDH遺伝子に欠失を有する:国際公開第2012/074818号パンフレットを参照)に形質転換した。各形質転換からの数個の単一単離物を組込み部位についてスクリーニングすると共に、他の遺伝子座がまだ修飾されていることを確認した。adh9091での組込みを、プライマー614627+612909および612908+614626と共に、製造業者の指示に従い、Phire(登録商標)Plant Direct PCRキット(Finnzymes)を用いて、PCRにより確認した。プライマー612908+614626を用いたPCR産物は、pMcTs77、pMcTs78、pMcTs102、pMcTs115、pMcTs116、およびpMcTs108組込み体について約1.97kbであった。プライマー614627+612909を用いたPCR産物は、pMcTs102組込み体については約3.4kbであり、pMcTs77、pMcTs78、pMcTs102、pMcTs115、pMcTs116、pMcTs108組込み体について約3.3kbであった。既存のadh1202遺伝子座およびYMR226c遺伝子座の完全性を、adh1202遺伝子座についてはプライマーセット:611245+612794、および611815+612795を用いて、またYMR226c遺伝子座についてはプライマーセット:613034+613241を用いて確認した。PCRについて正しいサイズバンドを有する形質転換体を表6に示すように設計した。
Figure 2014528726
実施例14:活性3−HP経路を含み、かつイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)adh9091遺伝子座で3−HPDHを発現する宿主系統からの3−HP生成
前述の系統McTs263、McTs265、McTs276、ShTh100、ShTh101、およびMBin556を振盪フラスコ内で増殖させ、サンプルを補因子特異性(前述の通り)、ならびに国際公開第2012/074818号パンフレットに記載のように、3−HP生成について分析した。国際公開第2012/074818号パンフレットに記載の対照系統MeJi412(在来のイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c3−HPDH遺伝子を含む活性3−HP経路を有する)およびMcTs244(活性3−HP経路を含むが、在来のイサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c3−HPDH遺伝子に欠失を有する)も、3−HPDH活性および3−HP生成について分析した。表7の結果から、イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)YMR226c遺伝子が欠失すると、検出可能な3−HP生成が起こらないこと、ならびにNAD(H)に対する特異性が増大した3−HPDHをコードする遺伝子の1コピーを用いて、3−HP生成を回復することができることがわかる。
Figure 2014528726
本明細書に記載および請求する本発明は、本明細書に開示する特定の態様によって範囲を限定されない。というのは、これらの態様は、本発明のいくつかの態様の例示として意図されるからである。あらゆる均等の態様が本発明の範囲に含まれるものとする。実際、本明細書に示し、説明したものに加えて、本発明の様々な変更形態が、以上の説明から、当業者には明らかになるであろう。こうした変更形態も、添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。矛盾が生じた場合、定義を含む本発明の開示内容が優先される。
いくつかの態様において、本発明は、以下の番号のパラグラフによって記載されうる:
[1]配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応する1つまたは複数(数個)の位置に置換を含む3−HPDH変異体であって、
配列番号2、4もしくは6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有し;しかも、3−HPDH活性を有する、変異体。
[2]以下:
a.配列番号2、4もしくは6に対して、少なくとも60%の配列同一性を有し;
b.低度の緊縮条件下で、配列番号1、3、5を有するポリヌクレオチドまたはその完全長相補体とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;ならびに
c;配列番号1、3、もしくは5に対して、少なくとも60%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド
から選択される親3−HPDHの変異体である、パラグラフ[1]に記載の変異体。
[3]親3−HPDHが、配列番号2、4もしくは6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有する、パラグラフ[2]に記載の変異体。
[4]親3−HPDHが、少なくとも低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号1、3、もしくは5を有するポリヌクレオチド、またはその完全長相補体とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、パラグラフ[2]または[3]に記載の変異体。
[5]親3−HPDHが、配列番号1、3もしくは5に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされる、パラグラフ[2]〜[4]のいずれかに記載の変異体。
[6]親3−HPDHが、配列番号2、4もしくは6を含むか、またはこれから構成される、パラグラフ[2]〜[5]のいずれかに記載の変異体。
[7]親3−HPDHのアミノ酸配列に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する、パラグラフ[2]〜[6]のいずれかに記載の変異体。
[8]置換の数が、1〜20、例えば、1〜10または1〜5、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10の置換である、パラグラフ[1]〜[7]のいずれかに記載の変異体。
[9]配列番号2の9位に対応する位置に置換を含む、パラグラフ[1]〜[8]のいずれかに記載の変異体。
[10]配列番号2の9位に対応する位置にGlyを含む、パラグラフ[1]〜[9]のいずれか1つに記載の変異体。
[11]配列番号2の31位に対応する位置に置換を含む、パラグラフ[1]〜[10]のいずれかに記載の変異体。
[12]配列番号2の31位に対応する位置にAspまたはGluを含む、パラグラフ[1]〜[11]のいずれか1つに記載の変異体。
[13]配列番号2の32位に対応する位置に置換を含む、パラグラフ[1]〜[12]のいずれかに記載の変異体。
[14]配列番号2の32位に対応する位置にLeuを含む、パラグラフ[1]〜[13]のいずれか1つに記載の変異体。
[15]配列番号2の33位に対応する位置に置換を含む、パラグラフ[1]〜[14]のいずれかに記載の変異体。
[16]配列番号2の33位に対応する位置にSerまたはAsnを含む、パラグラフ[1]〜[15]のいずれか1つに記載の変異体。
[17]配列番号2の34位に対応する位置に置換を含む、パラグラフ[1]〜[16]のいずれかに記載の変異体。
[18]配列番号2の34位に対応する位置にAlaまたはProを含む、パラグラフ[1]〜[17]のいずれか1つに記載の変異体。
[19]配列番号2の35位に対応する位置に置換を含む、パラグラフ[1]〜[18]のいずれかに記載の変異体。
[20]配列番号2の35位に対応する位置にAlaまたはAspを含む、パラグラフ[1]〜[19]のいずれか1つに記載の変異体。
[21]配列番号2の36位に対応する位置に置換を含む、パラグラフ[1]〜[20]のいずれかに記載の変異体。
[22]配列番号2の36位に対応する位置にAlaを含む、パラグラフ[1]〜[21]のいずれか1つに記載の変異体。
[23]配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位のいずれかに対応する位置に少なくとも2つの置換を含む、パラグラフ[1]〜[22]のいずれかに記載の変異体。
[24]配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位のいずれかに対応する位置に少なくとも3つの置換を含む、パラグラフ[1]〜[22]のいずれかに記載の変異体。
[25]配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位のいずれかに対応する位置に少なくとも4つの置換を含む、パラグラフ[1]〜[22]のいずれかに記載の変異体。
[26]配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位のいずれかに対応する位置に少なくとも5つの置換を含む、パラグラフ[1]〜[22]のいずれかに記載の変異体。
[27]配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位のいずれかに対応する位置に少なくとも6つの置換を含む、パラグラフ[1]〜[22]のいずれかに記載の変異体。
[28]配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位のいずれかに対応する位置に7つの置換を含む、パラグラフ[1]〜[22]のいずれかに記載の変異体。
[29]配列番号2の位置に対応する、T/S9G、G/A31D/E、R32L、R33S/N、L/K/Q34A/P、E35D/A、およびK/R36Aから選択される1つまたは複数の置換を含む、パラグラフ[1]〜[24]のいずれかに記載の変異体。
[30]配列番号2の位置10に対応する位置に欠失をさらに含む、パラグラフ[1]〜[29]のいずれかに記載の変異体。
[31]配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、80、もしくは81を含むか、またはこれらから構成される、パラグラフ[1]〜[30]のいずれか1つに記載の変異体。
[32]変異体が、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する増大した特異性(例えば、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、もしくは1000倍を超える特異性)を有する、パラグラフ[1]〜[31]のいずれかに記載の変異体。
[33]変異体が、単離されている、パラグラフ[1]〜[32]のいずれか1つに記載の変異体。
[34]パラグラフ[1]〜[32]のいずれかに記載の変異体をコードするポリヌクレオチド(例えば、単離されたポリヌクレオチド)。
[35]パラグラフ[34]に記載のポリヌクレオチドを含む核酸構築物。
[36]パラグラフ[34]に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
[37]パラグラフ[35]に記載のポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
[38]以下:
a.変異体の発現に好適な条件下でパラグラフ[37]に記載の宿主細胞を培養するステップ;および
b.変異体を回収するステップ
を含む、3−HPDHを生成する方法。
[39]パラグラフ[34]に記載のポリヌクレオチドで形質転換したトランスジェニック植物、植物部分または植物細胞。
[40]以下:
a.変異体の生成を実施可能にする条件下で、変異体をコードするポリヌクレオチドを含むトランスジェニック植物または植物細胞を培養するステップ;および
b.変異体を回収するステップ
を含む、パラグラフ[1]〜[34]のいずれかに記載の変異体を生成する方法。
[41]パラグラフ[1]〜[34]のいずれか1つに記載の3−HPDH変異体を取得する方法であって、親3−HPDHに、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応する1つまたは複数の位置の置換を導入するステップ;ならびに、変異体を回収するステップを含む方法。
[42]ポリペプチドが、以下:
a.配列番号2、4もしくは6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチド;
b.低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号1、3、もしくは5を有するポリヌクレオチドまたはその完全長相補体とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;または
c.配列番号1、3もしくは5に対して、少なくとも60%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドであり;
ここで、ポリペプチドは、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する増大した特異性(例えば、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、もしくは1000倍を超える特異性)を有する、3−HPDH活性を有するポリペプチド。
[43]配列番号2に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有する、パラグラフ[42]に記載のポリペプチド。
[44]少なくとも低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号1を有するポリヌクレオチドまたはその完全長相補体を有するポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、パラグラフ[42]または[43]に記載のポリペプチド。
[45]配列番号1に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされる、パラグラフ[42]〜[44]のいずれかに記載のポリペプチド。
[46]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも1つが、配列番号2と異なる、パラグラフ[42]〜[45]のいずれかに記載のポリペプチド。
[47]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも2つが、配列番号2と異なる、パラグラフ[42]〜[45]のいずれかに記載のポリペプチド。
[48]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも3つが、配列番号2と異なる、パラグラフ[42]〜[45]のいずれかに記載のポリペプチド。
[49]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも4つが、配列番号2と異なる、パラグラフ[42]〜[45]のいずれかに記載のポリペプチド。
[50]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも5つが、配列番号2と異なる、パラグラフ[42]〜[45]のいずれかに記載のポリペプチド。
[51]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも6つが、配列番号2と異なる、パラグラフ[42]〜[45]のいずれかに記載のポリペプチド。
[52]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の全てが、配列番号2と異なる、パラグラフ[42]〜[45]のいずれかに記載のポリペプチド。
[53]配列番号4に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有する、パラグラフ[42]〜[52]のいずれかに記載のポリペプチド。
[54]少なくとも低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号3またはその完全長相補体を有するポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、パラグラフ[42]〜[53]のいずれかに記載のポリペプチド。
[55]配列番号3に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされる、パラグラフ[42]〜[54]のいずれかに記載のポリペプチド。
[56]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも1つが、配列番号4と異なる、パラグラフ[42]〜[56]のいずれかに記載のポリペプチド。
[57]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも2つが、配列番号4と異なる、パラグラフ[42]〜[55]のいずれかに記載のポリペプチド。
[58]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも3つが、配列番号4と異なる、パラグラフ[42]〜[55]のいずれかに記載のポリペプチド。
[59]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも4つが、配列番号4と異なる、パラグラフ[42]〜[55]のいずれかに記載のポリペプチド。
[60]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも5つが、配列番号4と異なる、パラグラフ[42]〜[55]のいずれかに記載のポリペプチド。
[61]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも6つが、配列番号4と異なる、パラグラフ[42]〜[55]のいずれかに記載のポリペプチド。
[62]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の全てが、配列番号4と異なる、パラグラフ[42]〜[55]のいずれかに記載のポリペプチド。
[63]配列番号6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有する、パラグラフ[42]〜[62]のいずれかに記載のポリペプチド。
[64]少なくとも低度の緊縮条件、例えば、中度の緊縮条件、中度−高度の緊縮条件、高度の緊縮条件、または極めて高度の緊縮条件下で、配列番号5またはその完全長相補体を有するポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされる、パラグラフ[42]〜[63]のいずれかに記載のポリペプチド。
[65]配列番号5に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされる、パラグラフ[42]〜[64]のいずれかに記載のポリペプチド。
[66]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも1つが、配列番号6と異なる、パラグラフ[42]〜[65]のいずれかに記載のポリペプチド。
[67]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも2つが、配列番号6と異なる、パラグラフ[42]〜[65]のいずれかに記載のポリペプチド。
[68]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも3つが、配列番号6と異なる、パラグラフ[42]〜[65]のいずれかに記載のポリペプチド。
[69]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも4つが、配列番号6と異なる、パラグラフ[42]〜[65]のいずれかに記載のポリペプチド。
[70]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも5つが、配列番号6と異なる、パラグラフ[42]〜[65]のいずれかに記載のポリペプチド。
[71]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の少なくとも6つが、配列番号6と異なる、パラグラフ[42]〜[65]のいずれかに記載のポリペプチド。
[72]配列番号2に対応する9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位の全てが、配列番号6と異なる、パラグラフ[42]〜[65]のいずれかに記載のポリペプチド。
[73]配列番号2の9位に対応する位置にGlyを含む、パラグラフ[42]〜[72]のいずれか1つに記載のポリペプチド。
[74]配列番号2の31位に対応する位置にAspまたはGluを含む、パラグラフ[42]〜[73]のいずれか1つに記載のポリペプチド。
[75]配列番号2の32位に対応する位置にLeuを含む、パラグラフ[42]〜[74]のいずれか1つに記載のポリペプチド。
[76]配列番号2の33位に対応する位置にSerまたはAsnを含む、パラグラフ[42]〜[75]のいずれか1つに記載のポリペプチド。
[77]配列番号2の34位に対応する位置にAlaまたはProを含む、パラグラフ[42]〜[76]のいずれか1つに記載のポリペプチド。
[78]配列番号2の35位に対応する位置にAlaまたはAspを含む、パラグラフ[42]〜[77]のいずれか1つに記載のポリペプチド。
[79]配列番号2の36位に対応する位置にAlaを含む、パラグラフ[42]〜[78]のいずれか1つに記載のポリペプチド。
[80]配列番号2の10位に対応する位置の欠失をさらに含む、パラグラフ[42]〜[79]のいずれか1つに記載のポリペプチド。
[81]配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、80、もしくは81を含むか、またはこれらから構成される、パラグラフ[42]〜[80]のいずれか1つに記載のポリペプチド。
[82]ポリペプチドが、単離されている、パラグラフ[42]〜[82]のいずれか1つに記載のポリペプチド。
[83]パラグラフ[42]〜[82]のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、単離されたポリヌクレオチド)。
[84]パラグラフ[83]に記載のポリヌクレオチドを含む核酸構築物。
[85]パラグラフ[83]のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
[86]パラグラフ[83]のポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
[87]以下:
a.ポリペプチドの発現に好適な条件下で、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培養するステップ;および
b.ポリペプチドを回収するステップ
を含む、パラグラフ[42]〜[82]のいずれかに記載のポリペプチドを生成する方法。
[88]パラグラフ[83]のポリヌクレオチドで形質転換したトランスジェニック植物、植物部分または植物細胞。
[89]以下:
a.ポリペプチドの生成を実施可能にする条件下で、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むトランスジェニック植物または植物細胞を培養するステップ;および
b.変異体を回収するステップ
を含む、パラグラフ[42]〜[82]のいずれかに記載のポリペプチドを生成する方法。
[90]パラグラフ[42]〜[82]のいずれかに記載のポリペプチドを取得する方法であって、親3−HPDHに、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応する1つまたは複数の位置の置換を導入するステップ;ならびに、ポリペプチドを回収するステップを含む方法。
[91]細胞が、原核細胞である、パラグラフ[37]または[86]に記載の宿主細胞。
[92]細胞が、真核細胞である、パラグラフ[37]または[86]に記載の宿主細胞。
[93]細胞が、酵母細胞である、パラグラフ[92]に記載の宿主細胞。
[94]細胞が、イサタケンキア(Issatchenkia)属、カンジダ属(Candida)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、ピチア属(Pichia)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)、トルラスポラ属(Torulaspora)、ジゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)およびサッカロマイセス属(Saccharomyces)から選択される属に属する、パラグラフ[93]に記載の宿主細胞。
[95]細胞が、イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)、カンジダ・ランビカ(C.lambica)、またはサッカロマイセス・ブルデリ(S.bulderi)から選択される、パラグラフ[94]に記載の宿主細胞。
[96]細胞が、活性3−HP経路を含む、パラグラフ[37]、[86]または[91]〜[95]のいずれかに記載の宿主細胞。
[97]細胞が、以下:
PEPカルボキシラーゼ活性またはピルビン酸カルボキシラーゼ活性;
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性;
アスパラギン酸デカルボキシラーゼ活性;および
βアラニン/αケトグルタル酸アミノトランスフェラーゼ(BAAT)活性
を含む、パラグラフ[37]、[86]または[91]〜[96]のいずれかに記載の宿主細胞。
[98]細胞が、以下:
PEPカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド;
ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド;
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド;
アスパラギン酸デカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、および
BAATをコードする異種ポリヌクレオチド
から選択される1つまたは複数の異種ポリヌクレオチドを含む、パラグラフ[37]、[86]または[91]〜[97]のいずれかに記載の宿主細胞。
[99]以下:
a.3−HPの生成を実施可能にする条件下で、パラグラフ[37]、[86]または[91]〜[98]のいずれかに記載の宿主細胞を培養するステップ;および
b.3−HPを回収するステップ
を含む、3−HPを生成する方法。
[100]活性3−HP経路と、配列番号82に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは100%の配列同一性を有する3−HPDHをコードする異種ポリヌクレオチドとを含む宿主細胞。
[101]細胞が、原核細胞である、パラグラフ[100]に記載の宿主細胞。
[102]細胞が、真核細胞である、パラグラフ[100]に記載の宿主細胞。
[103]細胞が、酵母細胞である、パラグラフ[102]に記載の宿主細胞。
[104]細胞が、イサタケンキア(Issatchenkia)属、カンジダ属(Candida)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、ピチア属(Pichia)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)、トルラスポラ属(Torulaspora)、ジゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)およびサッカロマイセス属(Saccharomyces)から選択される属に属する、パラグラフ[103]に記載の宿主細胞。
[105]細胞が、イサタケンキア・オリエンタリス(I.orientalis)、カンジダ・ランビカ(C.lambica)、またはサッカロマイセス・ブルデリ(S.bulderi)から選択される、パラグラフ[104]に記載の宿主細胞。
[106]細胞が、以下:
PEPカルボキシラーゼ活性またはピルビン酸カルボキシラーゼ活性;
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性;
アスパラギン酸デカルボキシラーゼ活性;および
βアラニン/αケトグルタル酸アミノトランスフェラーゼ(BAAT)活性
を含む、パラグラフ[100]〜[105]のいずれかに記載の宿主細胞。
[107]細胞が、以下:
PEPカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド;
ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド;
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド;
アスパラギン酸デカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、および
BAATをコードする異種ポリヌクレオチド
から選択される1つまたは複数の異種ポリヌクレオチドを含む、パラグラフ[100]〜[106]に記載の宿主細胞。
[108]以下:
a.3−HPの生成を実施可能にする条件下で、パラグラフ[100]〜[107]のいずれかに記載の宿主細胞を培養するステップ;および
b.3−HPを回収するステップ
を含む、3−HPを生成する方法。

Claims (24)

  1. 配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応する1つまたは複数(数個)の位置に置換を含む3−HPDH変異体であって、
    配列番号2、4、もしくは6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有し;3−HPDH活性を有する、変異体。
  2. 配列番号2の9位に対応する位置に置換を含む、請求項1に記載の変異体。
  3. 配列番号2の9位に対応する位置にGlyを含む、請求項1または2に記載の変異体。
  4. 配列番号2の31位に対応する位置に置換を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変異体。
  5. 配列番号2の31位に対応する位置にAspまたはGluを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の変異体。
  6. 配列番号2の32位に対応する位置に置換を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の変異体。
  7. 配列番号2の32位に対応する位置にLeuを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の変異体。
  8. 配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、80、もしくは81を含むか、またはこれらから構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の変異体。
  9. 前記変異体が、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する増大した特異性(例えば、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、もしくは1000倍を超える特異性)を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の変異体。
  10. 3−HPDH活性を有するポリペプチドであって、配列番号2、4、もしくは6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有し、かつ、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する増大した特異性を有する、ポリペプチド。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の変異体またはポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  12. 活性3−HP経路と、3−HPDH活性を有する3−HPDH変異体をコードする異種ポリヌクレオチドとを含む宿主細胞であって、
    前記変異体が、配列番号2の9位、31位、32位、33位、34位、35位および36位に対応する1つまたは複数(数個)の位置に置換を含み;かつ
    前記変異体が、配列番号2、4、もしくは6に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する、宿主細胞。
  13. 前記変異体が、配列番号2の9位に対応する位置に置換を含む、請求項12に記載の宿主細胞。
  14. 前記変異体が、配列番号2の9位に対応する位置にGlyを含む、請求項12または13に記載の宿主細胞。
  15. 前記変異体が、配列番号2の31位に対応する位置に置換を含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の宿主細胞。
  16. 前記変異体が、配列番号2の31位に対応する位置にAspまたはGluを含む、請求項12〜15のいずれか1項に記載の宿主細胞。
  17. 前記変異体が、配列番号2の32位に対応する位置に置換を含む、請求項12〜16のいずれか1項に記載の宿主細胞。
  18. 前記変異体が、配列番号2の32位に対応する位置にLeuを含む、請求項12〜17のいずれか1項に記載の宿主細胞。
  19. 前記変異体が、配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、80、もしくは81を含むか、またはこれらから構成される、請求項12〜18のいずれか1項に記載の宿主細胞。
  20. 前記変異体が、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する増大した特異性(例えば、NADP(H)と比較して、NAD(H)に対する2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、もしくは1000倍を超える特異性)を有する、請求項12〜19のいずれか1項に記載の宿主細胞。
  21. 前記細胞が、酵母細胞(例えば、イサタケンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)酵母細胞)である、請求項12〜20のいずれか1項に記載の宿主細胞。
  22. 前記細胞が、以下:
    PEPカルボキシラーゼ活性またはピルビン酸カルボキシラーゼ活性;
    アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性;
    アスパラギン酸デカルボキシラーゼ活性;および
    βアラニン/αケトグルタル酸アミノトランスフェラーゼ(BAAT)活性
    を含む、請求項12〜21のいずれか1項に記載の宿主細胞。
  23. 前記細胞が、以下:
    PEPカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド;
    ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド;
    アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド;
    アスパラギン酸デカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、および
    BAATをコードする異種ポリヌクレオチド
    から選択される1つまたは複数の異種ポリヌクレオチドを含む、請求項12〜22のいずれか1項に記載の宿主細胞。
  24. 以下:
    a.3−HPの製造を実施可能にする条件下で、請求項12〜23のいずれか1項に記載の宿主細胞を培養するステップ;および
    b.前記3−HPを回収するステップ
    を含む、3−HPを製造する方法。
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