JP2014525748A - Cry1Abと組み合わせたDIG3殺虫性結晶タンパク質の使用 - Google Patents

Cry1Abと組み合わせたDIG3殺虫性結晶タンパク質の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ユーロピアンコーンボーラーを防除するための方法および植物を含み、前記植物は、昆虫による抵抗性の発達を遅らせるか阻止するための、Cry1Ab殺虫性タンパク質およびDIG−3殺虫性タンパク質を含む。

Description

[背景技術]
人は、食物用途およびエネルギー用途のためにトウモロコシを栽培する。人は、ダイズおよびワタを含む他の多くの作物も栽培する。昆虫は、植物を食べて損傷し、それによってこれらの人の努力を台無しにする。害虫を防除するために毎年何10億ドルも費やされ、害虫が与える損傷に対してさらに数10億ドルが失われる。合成有機化学殺虫剤は、害虫を防除するために用いられる主な手段であったが、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)(Bt)に由来する殺虫性タンパク質などの生物殺虫剤が一部の領域である重要な役割を演じてきた。Bt殺虫性タンパク質遺伝子による形質転換を通して昆虫抵抗性植物を作出できたことにより、現代農業が革新し、殺虫性タンパク質およびその遺伝子の重要性および価値が高まっている。
今日までに登録され商品化に至った昆虫抵抗性のトランスジェニック植物を作製するために、数種のBtタンパク質が用いられてきた。このBtタンパク質としては、トウモロコシのCry1Ab、Cry1Ac、Cry1FおよびCry3Bb、ワタのCry1AcおよびCry2Ab、ならびにジャガイモのCry3Aが挙げられる。
これらのタンパク質を発現する市販製品は、2種のタンパク質の組合せ殺虫スペクトルが所望である場合(例えば、それぞれ鱗翅目害虫およびルートワームへの抵抗性を付与するために組み合わされた、トウモロコシのCry1AbおよびCry3Bb)、または2種のタンパク質のそれぞれ独立した作用により、これらのタンパク質が感受性昆虫集団での抵抗性の発達を遅らせるための手段として有用となる場合(例えば、オオタバコガのための抵抗性管理を付与するために組み合わされた、ワタのCry1AcおよびCry2Ab)を除いて、単一のタンパク質しか発現しない。SMART STAXは、いくつかのCryタンパク質を組み込む市販製品である。Cry1F抵抗性のユーロピアンコーンボーラー(ECB;オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)(Hubner))を防除するためのCry1Abに一部関する米国特許出願公開第2008/0311096号も参照されたい。米国特許出願公開第2010/0269223号は、DIG−3に関する。
昆虫抵抗性トランスジェニック植物の急速で広範な採用は、これらの植物によって生成される殺虫性タンパク質に対する抵抗性を有害生物集団が発達させるとの懸念を生んでいる。高用量のタンパク質を、緩衝帯と組み合わせて、異なる毒素と交互にまたは同時利用で利用することを含め、Btに基づく昆虫抵抗性形質の有用性を保存するためのいくつかの戦略が提案されている(McGaughey et al. (1998), "B.t. Resistance Management," Nature Biotechnol. 16:144-146)。
あるタンパク質に対して発達した抵抗性が別のタンパク質に対する抵抗性を付与しない(すなわち、タンパク質に対する交差抵抗性がない)ように、昆虫抵抗性管理(IRM)スタックで用いるために選択されるタンパク質は、それらの殺虫効果を独立して発揮する必要がある。例えば、「タンパク質A」に対する抵抗性について選択される有害生物集団が「タンパク質B」に感受性である場合、そこには交差抵抗性がなく、タンパク質Aおよびタンパク質Bの組合せがタンパク質A単独に対する抵抗性を遅らせるのに有効であろうと結論付けられるであろう。
抵抗性の昆虫集団が存在しない場合、作用機構および交差抵抗性能力に関連すると推測される他の特性に基づいて評価を行うことができる。交差抵抗性を示す可能性のない殺虫性タンパク質を同定することにおける受容体媒介結合の有用性が示唆されている(van Mellaert et al. 1999)。この手法に特有の交差抵抗性の欠如の重要な予測因子は、殺虫性タンパク質が感受性昆虫種の受容体をめぐって競合しないことである。
2つのBt毒素が昆虫の同じ受容体をめぐって競合する場合には、毒素の1つがその受容体にもはや結合せず、したがって昆虫に対してもはや殺虫性でないようにその受容体がその昆虫で突然変異するならば、昆虫は別の毒素(同じ受容体に競合的に結合する)にも抵抗性になる場合もある。すなわち、昆虫は両方のBt毒素に交差抵抗性である。しかし、2つの毒素が2つの異なる受容体に結合する場合には、これは昆虫がそれら2つの毒素に同時に抵抗性にならないことを示す指標であろう。
さらなるCry毒素は、公式なB.t.命名委員会のウェブサイト(Crickmore et al.; lifesci.sussex.ac.uk/home/Neil_Crickmore/Bt/)に記載されている。ほぼ60個の主要群の「Cry」毒素(Cry1〜Cry59)が現在あり、さらなるCyt毒素およびVIP毒素などがある。数字で表した各群の多くは大文字のサブグループを有し、大文字のサブグループは小文字のサブサブグループを有する。(例えば、Cry1はA〜Lを有し、Cry1Aはa〜iを有する)。
本発明は、DIG−3およびCry1Abがユーロピアンコーンボーラー(ECB;オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)(Hubner))の腸細胞膜調製物で部位への結合のために競合しないという意外な発見に一部関する。当業者であれば本開示に鑑みて認識するであろうが、これらのタンパク質(完全長タンパク質の殺虫性部分を含む)の両方とも生成する植物は、これらの殺虫性タンパク質のいずれか単独に対する抵抗性の発達を遅らせるか阻止するために用いることができる。トウモロコシは、本発明による使用に好ましい植物である。ECBは、対象の毒素組の好ましい標的昆虫である。
したがって、本発明は、DIG−3タンパク質と組み合わせたCry1Abタンパク質の使用に一部関する。これらのタンパク質の両方とも生成する植物(およびそのような植物を植える土地)は、本発明の範囲内に含まれる。
本発明はまた、3つ(以上)の毒素の三重スタックまたは「ピラミッド」に一部関し、Cry1AbおよびDIG−3が基礎となる組である。一部の好ましいピラミッドの実施形態では、選択される毒素の組合せは、ECBに対して3つの作用部位を提供する。一部の好ましい「3つの作用部位」のピラミッドの組合せは、対象のタンパク質の基礎となる組に加えて、ECBを標的にするための第三タンパク質としてCry1Fを含む。(Cry1AbがCry1Fa抵抗性のECBに対して有効であることは、US 2008 0311096から知られていた。)本発明によるこの特定の三重スタックは、例えば、ECBに対して3つの作用部位を有利に意外にも提供する。これは、緩衝帯地所の要件を低減または除去するのを助けることができる。
本発明は、組として一緒に、または3つ以上の毒素の「ピラミッド」の形で、トウモロコシのECBに対する昆虫抵抗性を提供する毒素Cry1AbおよびDIG−3の基礎となる組として本明細書で開示されているが、本発明に従って、好ましくはトウモロコシで、Cry1AbおよびDIG−3との他の組合せを用いることもできることを理解すべきである。
非標識の相同的Cry1Ab(●)および非相同的DIG−3(■)による競合に対してオストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)からのBBMVにおける125I Cry1Ab(0.5nM)の特異的結合百分率を示す図である。Cry1Abによる相同的競合の置換曲線は、約0.5nMのCry1Abで放射性リガンドの50%の置換を示すS字形の曲線をもたらす。DIG−3は、100nM以下の濃度(アッセイでの125I Cry1Abの濃度より200倍高い)でその結合部位から125I Cry1Abのいかなる結合も置換しない。300nMだけで、DIG−3による125I Cry1Abの入札(biding)の約25%の置換が観察される。これらの結果は、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)からのBBMVに位置する受容体部位へのCry1Abの結合に関して、DIG−3が効果的に競合しないことを示す。
配列の簡単な説明
配列番号1は、完全長Cry1Abの例示的タンパク質である。(MR818)
配列番号2は、完全長DIG−3の例示的タンパク質である。
本発明は一部、Cry1AbおよびDIG−3がユーロピアンコーンボーラー(ECB;オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)(Hubner))またはフォールアーミーワーム(FAW;スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda))の腸で結合部位のために互いに競合しないという意外な発見に関する。したがって、これらのタンパク質のいずれか単独への抵抗性をECBが発達させることを遅らせるか阻止するために、Cry1Abタンパク質は、好ましくはトランスジェニックトウモロコシでDIG−3タンパク質と組み合わせて用いることができる。Cry抵抗性のECBによる傷害から植物(メイズ植物など)を保護することにおいて、対象のタンパク質の組は効果を発揮することができる。すなわち、本発明の1つの用途は、Cry1AbまたはDIG−3への抵抗性を発達させるかもしれないECB集団に起因する損害および収量減からトウモロコシおよび他の経済的に重要な植物種を保護することである。
したがって、本発明は、これらのタンパク質の一方または両方へのECBによる抵抗性の発達を阻止または軽減するための、Cry1AbおよびDIG−3を含む昆虫抵抗性管理(IRM)スタックを教示する。
さらに、本明細書で開示される本発明は、それらのタンパク質の一方または両方へのECBによる抵抗性を阻止するためのCry1AbおよびDIG−3を含むIRMスタックを教示するが、Cry1AbおよびDIG−3の一方または両方を単独あるいは併用で、これらのタンパク質の一方または両方へのFAWによる抵抗性を阻止するように適合させることができることは、本明細書で開示される発明の範囲内である。
本発明は、Cry1Abコア毒素含有タンパク質およびDIG−3コア毒素含有タンパク質を生成する細胞を含む、鱗翅目害虫を防除するための組成物を提供する。
本発明は、Cry1Ab殺虫性タンパク質およびDIG−3殺虫性タンパク質の両方を生成するように形質転換された、微生物または植物細胞である宿主をさらに含む。対象ポリヌクレオチド(複数可)は、好ましくは非バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)プロモーター(複数可)の制御下の遺伝子構築物中にある。対象ポリヌクレオチドは、植物での強化された発現のためのコドン使用頻度を含むことができる。
本発明は、鱗翅目害虫を防除する方法であって、前記鱗翅目害虫または前記鱗翅目害虫の環境を、Cry1Ab殺虫性タンパク質を含み、さらにDIG−3殺虫性タンパク質を含む組成物の有効量と接触させることを含む方法を提供することがさらに意図される。
本発明の実施形態は、DIG−3コア毒素含有タンパク質をコードする、植物による発現が可能な遺伝子およびCry1Abコア毒素含有タンパク質をコードする、植物による発現が可能な遺伝子を含むメイズ植物、およびそのような植物の種子を含む。
本発明のさらなる実施形態は、DIG−3殺虫性タンパク質をコードする、植物による発現が可能な遺伝子およびCry1Ab殺虫性タンパク質をコードする、植物による発現が可能な遺伝子が移入されたメイズ植物、およびそのような植物の種子を含む。
実施例に記載されているように、DIG−3および放射性標識されたCry1Abタンパク質を用いる競合的受容体結合性試験は、Cry1Abが結合するECB組織でDIG−3タンパク質が結合のために競合しないことを示す。これらの結果は、Cry1AbおよびDIG−3タンパク質の組合せが、これらのタンパク質のいずれかに対するECB集団での抵抗性の発達を軽減する効果的な手段になることができることも示す。したがって、本明細書に記載されるデータに一部基づき、高用量のためのCry1Abと一緒のDIG−3の同時生成(スタッキング)は、ECBを防除するためのIRMスタックで用いることができる。
他のタンパク質をこの組に加えることができる。例えば、本発明は、3つ(以上)の毒素の三重スタックまたは「ピラミッド」にも一部関し、Cry1AbおよびDIG−3が基礎となる組である。一部の好ましいピラミッドの実施形態では、選択される毒素は、ECBに対して3つの別々の作用部位を有する。一部の好ましい「3つの作用部位」のピラミッドの組合せは、対象のタンパク質の基礎となる組に加えて、ECBを標的にするための第三のタンパク質としてCry1Faを含む。本発明によるこれらの特定の三重スタックは、ECBに対して3つの作用部位を有利に、および意外にも提供する。これは、避難地所の必要を低減または除去するのを助けることができる。「別々の作用部位」は、所与のタンパク質のいずれも互いに交差抵抗性を引き起こさないことを意味する。
したがって、1つの利用選択肢は、第三毒素/遺伝子と組み合わせて対象のタンパク質の組を用いること、およびこれらの毒素のいずれかに対するECBでの抵抗性の発達を軽減するためにこの三重スタックを用いることである。したがって、本発明は、3つ(以上)の毒素の三重スタックまたは「ピラミッド」にも一部関する。一部の好ましいピラミッドの実施形態では、選択される毒素は、ECBに対して3つの別々の作用部位を有する。
本発明の利用選択肢には、ECBが抵抗性集団を発達させることができる(または発達させることが知られている)作物栽培地域で、対象タンパク質の2つ、3つまたはそれ以上のタンパク質を用いることが含まれよう。
Cry1Faは、例えばHerculex(登録商標)およびSmartStax(商標)製品で利用されている。対象の遺伝子の組(Cry1AbおよびDIG−3)は、例えばHerculex(登録商標)および/またはSmartStax(商標)などのCry1Fa製品に組み込むことができるであろう。したがって、対象のタンパク質の組は、これらのおよび他のタンパク質への淘汰圧を低減することにおいて有意になり得る。したがって、対象のタンパク質の組は、トウモロコシのための3遺伝子組合せの場合のように用いることができるであろう。
上記のように、さらなる毒素/遺伝子を、本発明により加えることもできる。例えば、ECBを標的にするためのCry1Beと一緒のCry1Abの使用については、WO2011/084631を参照されたい。ECBを標的にするためのCry2Aaと一緒のCry1Abの使用については、WO2011/075590を参照されたい。したがって、Cry1Beおよび/またはCry2Aaは、対象のタンパク質の組と一緒の複数のタンパク質スタックで用いることができるであろう(任意選択でCry1Faと一緒に)。
対象のタンパク質の組合せのいずれかを生成する植物(およびそのような植物を植える土地)は、本発明の範囲内に含まれる。さらなる毒素/遺伝子を加えることもできるが、上記の特定のスタックは、ECBに対する複数の作用部位を有利に、および意外にも提供する。これは、緩衝帯地所の要件を低減または除去するのを助けることができる。したがって、10エーカー以上のこのように植えられる圃場は、本発明に含まれる。
本明細書で議論される遺伝子およびタンパク質のいずれかの配列を得るために、GENBANKを用いることもできる。特許も使用することができる。例えば、米国特許第5,188,960号および米国特許第5,827,514号は、本発明の実施で使用するために適するCry1Faコア毒素含有タンパク質を記載する。米国特許第6,218,188号は、本発明で使用するために適するCry1Faコア毒素含有タンパク質をコードする植物最適化DNA配列を記載する。
ECBと近縁の昆虫を標的にすることもできる。これらには、ステムボーラーおよび/またはストークボーリング昆虫を含めることができる。サウスウェスタンコーンボーラー(ジアトレア・グランジオセラ(Diatraea grandiosella)−ヘテロセラ亜目(Heterocera))が1つの例である。シュガーケーンボーラーも、ジアトレア(Diatraea)種(ジアトレア・サッカラリス(Diatraea saccharalis))である。本明細書に記載されるタンパク質の組合せは、標的昆虫の幼虫期を標的にするために用いることができる。成体の鱗翅目、例えばチョウおよびガは、主に花蜜を食し、受粉の重要な実行者である。ほとんど全ての鱗翅目幼虫、すなわちイモムシは植物を食し、多くは重大な有害生物である。イモムシは、植物の葉の表面もしくは内部、または根部または茎を食し、植物から栄養を奪い、多くの場合植物の物理的支持構造物を破壊する。さらに、イモムシは果物、織物ならびに保存された穀物および小麦粉を食し、売物のこれらの商品を破壊するかそれらの価値を激減させる。
本発明の一部のキメラ毒素は、Bt毒素の完全なN末端コア毒素部分を含み、コア毒素部分の末端を過ぎたある場所で、タンパク質は異種プロトキシン配列への移行を有する。Bt毒素のN末端の殺虫活性毒素部分は、「コア」毒素と呼ばれる。コア毒素セグメントから異種プロトキシンセグメントへの移行は、ほぼ毒素/プロトキシン接合部で起こることができるか、代わりに、元のプロトキシンの部分(コア毒素部分を過ぎて伸長する)を保持することができ、異種プロトキシン部分への移行は下流で起こる。
一般的な、完全長3ドメインのB.t.Cryタンパク質は、およそ130kDa〜150kDaである。Cry1Abは、1つの例である。DIG−3も、3ドメイン毒素である(サイズがおよそ142kDa)。
例えば、本発明の1つのキメラ毒素は、Cry1Abの完全なコア毒素部分(およそアミノ酸1〜601)および/または異種プロトキシン(およそアミノ酸602からC末端)である。好ましい一実施形態では、プロトキシンを含むキメラ毒素の部分は、Cry1Abタンパク質毒素に由来する。好ましい実施形態では、プロトキシンを含むキメラ毒素の部分は、Cry1Abタンパク質毒素に由来する。
Bt毒素は(Cry1Bなどの特定のクラス内でさえ)長さおよびコア毒素部分からプロトキシン部分への移行の正確な位置が多少異なり得ることを、当分野の技術者は認識する。一般的な、完全長Cry毒素は、長さが約1150から約1200アミノ酸である。コア毒素部分からプロトキシン部分への移行は、完全長毒素の約50%から約60%の間で一般的に起こる。本発明のキメラ毒素は、このN末端コア毒素部分の全長を含む。したがって、キメラ毒素は、完全長Cry1タンパク質の少なくとも約50%を構成する。これは、一般的に少なくとも約590アミノ酸である(および、およそ600〜650の残基を含み得る)。プロトキシン部分に関して、Cry1Abプロトキシン部分の全長は、コア毒素部分の末端から分子のC末端まで伸びる。
遺伝子および毒素。本発明による有用な遺伝子および毒素には、開示される完全長配列だけでなく、本明細書で具体的に例示される毒素の特徴的な殺虫活性を保持するこれらの配列の断片、変異体、突然変異体、および融合タンパク質も含まれる。本明細書で用いるように、遺伝子の「変異体」または「変形形態」という用語は、同じ毒素をコードするか、殺虫活性を有する同等毒素をコードするヌクレオチド配列を指す。本明細書で用いるように、用語「同等毒素」は、標的有害生物に対して請求されている毒素と同じか事実上同じである生物的活性を有する毒素を指す。
本明細書で用いるように、「Revision of the Nomenclature for the Bacillus thuringiensis Pesticidal Crystal Proteins」、N. Crickmore, D.R. Zeigler, J. Feitelson, E. Schnepf, J. Van Rie, D. Lereclus, J. Baum, and D.H. Dean. Microbiology and Molecular Biology Reviews (1998) Vol 62: 807-813、により、境界は約95%(例えばCry1Ab)、78%(Cry1AおよびCry1B)および45%(Cry1)の配列同一性を表す。これらのカットオフは、コア毒素だけに適用することもできる。
活性毒素をコードする遺伝子は、いくつかの手段を通して同定し、得ることができることは、当分野の技術者に明らかとなるはずである。本明細書で例示される具体的な遺伝子または遺伝子部分は、培養株保管所に寄託されている分離株から得ることができる。これらの遺伝子、またはその部分もしくは変異体は、合成的に、例えば遺伝子合成装置を用いて構築することもできる。遺伝子の変形形態は、点突然変異を作製する標準技術を用いて、容易に構築することができる。また、これらの遺伝子の断片は、市販のエキソヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼを標準手順に従って用いることによって作製することができる。例えば、これらの遺伝子の末端からヌクレオチドを体系的に切断するために、Bal31などの酵素または部位特異的突然変異誘発を用いることができる。活性断片をコードする遺伝子は、様々な制限酵素を用いて得ることもできる。これらのタンパク質毒素の活性断片を直接的に得るために、プロテアーゼを用いることができる。
例示される毒素の殺虫活性を保持する断片および同等物は、本発明の範囲内である。また、遺伝子コードの冗長性のため、様々な異なるDNA配列が本明細書で開示されるアミノ酸配列をコードすることができる。同じか事実上同じである毒素をコードするこれらの代替DNA配列を作製することは、当業者の技術の範囲内である。これらの変異体DNA配列は、本発明の範囲内である。本明細書で用いるように、「事実上同じ」配列への言及は、殺虫活性に実質的な影響を及ぼさないアミノ酸の置換、欠失、付加または挿入を有する配列を指す。殺虫活性を保持するタンパク質をコードする遺伝子の断片も、この定義に含まれる。
本発明により有用な毒素をコードする遺伝子および遺伝子部分を同定するためのさらなる方法は、オリゴヌクレオチドプローブを用いることによるものである。これらのプローブは、検出可能なヌクレオチド配列である。これらの配列は、適当な標識によって検出可能になることができるか、国際出願公開第93/16094号に記載されているように本来的に蛍光性にすることができる。当技術分野で周知であるように、プローブ分子および核酸試料が2つの分子間で強力な結合を形成することによってハイブリダイズする場合、プローブおよび試料は実質的な相同性を有すると合理的に仮定することができる。好ましくは、ハイブリダイゼーションは、例えばKeller, G. H., M. M. Manak (1987) DNA Probes, StocktonPress, New York, N.Y., pp. 169- 170に記載されているような、当分野で周知の技術によってストリンジェント条件の下で行われる。塩濃度および温度の組合せの一部の例は、以下の通りである(ストリンジェンシーの低い順序で):室温で2×SSPEまたはSSC;42℃で1×SSPEまたはSSC;42℃で0.1×SSPEまたはSSC;65℃で0.1×SSPEまたはSSC。プローブの検出は、ハイブリダイゼーションが起こったかどうかを既知の方法で判定するための手段を提供する。そのようなプローブ分析は、本発明の毒素コード遺伝子を同定するための迅速な方法を提供する。本発明によるプローブとして用いられるヌクレオチドセグメントは、DNA合成装置および標準手順を用いて合成することができる。本発明の遺伝子を増幅するPCRプライマーとして、これらのヌクレオチド配列を用いることもできる。
変異体毒素。本発明の特定の毒素が、本明細書で具体的に例示された。これらの毒素は本発明の毒素の例示にすぎないので、本発明が例示毒素と同じか類似した殺虫活性を有する変異体または同等毒素(および同等毒素をコードするヌクレオチド配列)を含むことは容易に明らかなはずである。同等毒素は、例示される毒素とのアミノ酸相同性を有する。このアミノ酸相同性は、一般的に75%を超え、好ましくは90%を超え、最も好ましくは95%を超える。アミノ酸相同性は、生物的活性を担うか、最終的に生物的活性を担う3次元構造の決定に関与する毒素の重要な領域で最も高くなる。この点に関しては、それらの置換が活性に重要でない領域にあるか、分子の3次元構造に影響を及ぼさない保存的アミノ酸置換であるならば、特定のアミノ酸置換が許容され、予想することができる。例えば、アミノ酸は以下のクラスに入れることができる:無極性、無電荷極性、塩基性および酸性。1つのクラスのアミノ酸が同じ種類の別のアミノ酸で置換される保存的置換は、その置換が化合物の生物的活性を実質的に変更しない限り本発明の範囲内である。下記は、各クラスに属するアミノ酸の例のリストである。
Figure 2014525748
場合によっては、非保存的置換を加えることもできる。重要な因子は、これらの置換が毒素の生物的活性をあまり損なってはならないということである。
組換え体宿主。本発明の毒素をコードする遺伝子は、多種類の微生物または植物宿主に導入することができる。毒素遺伝子の発現は、直接または間接的に、殺虫剤の細胞内での生成および維持をもたらす。本発明の両毒素を発現するBt株を作製するために、接合転移および組換え転移を用いることができる。他の宿主生物体を毒素遺伝子の一方または両方で形質転換し、次に相乗効果を達成するために用いることもできる。適する微生物宿主、例えばシュードモナス(Pseudomonas)で、微生物を有害生物の位置へ施用することができ、そこでそれらは増殖して摂取される。結果は、有害生物の防除である。あるいは、毒素遺伝子を受け入れる微生物は、毒素の活性を長引かせ、細胞を安定させる条件の下で処理することができる。毒性活性を保持する処理細胞は、次に標的有害生物の環境に施用することができる。
Bt毒素遺伝子が適するベクターを通して微生物宿主に導入され、前記宿主が生きた状態で環境へ施用される場合、特定の宿主微生物が用いられることが必須である。対象の1つまたは複数の作物の「植物圏」(葉面、葉圏、根圏および/または根面)を占めることが知られている微生物宿主が選択される。これらの微生物は、特定の環境(作物および他の昆虫生息地)で野生型微生物とよく競合することが可能であるように、ポリペプチド殺虫剤を発現する遺伝子の安定した維持および発現を提供するように、および、望ましくは環境中での分解および不活性化からの殺虫剤の向上した保護を提供するように選択される。
多数の微生物が、多種類の重要作物の葉面(植物葉の表面)および/または根圏(植物根を囲む土)に生息することが知られている。これらの微生物には、細菌、藻および真菌類が含まれる。特に興味があるものは、細菌、例えばシュードモナス属(Pseudomonas)、エルウィニア属(Erwinia)、セラチア属(Serratia)、クレブシェラ属(Klebsiella)、キサントモナス属(Xanthomonas)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、根粒菌属(Rhizobium)、ロドシュードモナス属(Rhodopseudomonas)、メチロフィリウス(Methylophilius)、アグロバクテナム属(Agrobactenum)、アセトバクター属(Acetobacter)、ラクトバシラス属(Lactobacillus)、アルトロバクター属(Arthrobacter)、アゾトバクター属(Azotobacter)、ロイコノストック属(Leuconostoc)およびアルカリゲネス属(Alcaligenes);真菌類、特に酵母、例えばサッカロミセス属(Saccharomyces)、クリプトコックス属(Cryptococcus)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、スポロボロミセス属(Sporobolomyces)、ロドトルラ属(Rhodotorula)およびオーレオバシジウム属(Aureobasidium)などの微生物である。特に興味があるものは、シュードモナス・シリンゲ(Pseudomonas syringae)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、アセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)、アグロバクテニウム・ツメファシエンス(Agrobactenium tumefaciens)、ロドシュードモナス・スフェロイデス(Rhodopseudomonas spheroides)、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)、リゾビウム・メリオチ(Rhizobium melioti)、アルカリゲネス・エントロファス(Alcaligenes entrophus)およびアゾトバクター・ビンランジ(Azotobacter vinlandii)のような植物圏細菌種;ならびにロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)、R.グルチニス(R. glutinis)、R.マリーナ(R. marina)、R.オーランチアカ(R. aurantiaca)、クリプトコックス・アルビダス(Cryptococcus albidus)、C.ジフルエンス(C. diffluens)、C.ローレンチ(C. laurentii)、サッカロミセス・ロゼイ(Saccharomyces rosei)、S.プレトリエンシス(S. pretoriensis)、S.セレビシエ(S. cerevisiae)、スポロボロミセス・ロゼウス(Sporobolomyces roseus)、S.オドルス(S. odorus)、クルイベロミセス・ベロネ(Kluyveromyces veronae)およびオーレオバシジウム・ポルランス(Aureobasidium pollulans)などの植物圏酵母種である。色の着いた微生物が、特に興味がある。
遺伝子の安定した維持および発現を可能にする条件の下で、毒素をコードするBt遺伝子を微生物宿主に導入するために、多種類の方法を利用できる。これらの方法は当業者に周知であり、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,135,867号に記載されている。
細胞の処理。Bt毒素を発現するバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)または組換え体の細胞は、毒素活性を長引かせ、細胞を安定させるために処理することができる。形成される殺虫剤マイクロカプセルは、安定化され、マイクロカプセルが標的有害生物の環境へ施用されるときに毒素を保護する細胞構造の中にBt毒素(複数可)を含む。適する宿主細胞には、原核生物または真核生物のいずれかが含まれてよく、通常、哺乳動物などの高等生物体に有毒である物質を生成しない細胞に限定される。しかし、毒性物質が不安定であるか、哺乳動物宿主への毒性のいかなる可能性も避けるために施用量が十分に低い場合、高等生物体にとって有毒である物質を生成する生物体が用いられるかもしれない。宿主としては、原核生物および真菌類などの下等真核生物が特に興味がある。
処理時、細胞は通常そのままの状態であり、胞子の形態ではなく実質的に増殖形であるが、一部の例では胞子を利用してもよい。
微生物細胞、例えばBt毒素遺伝子(複数可)を含む微生物の処理は、その技術が毒素の特性に悪い影響を及ぼさず、毒素を保護する細胞の能力も低下させない限り、化学的または物理的な手段に、または化学的および/または物理的な手段の組合せによることができる。化学試薬の例は、ハロゲン化剤、特に原子番号17〜80のハロゲン原子である。より詳しくは、温和条件の下で、および所望の結果を達成するのに十分な時間、ヨウ素を用いることができる。他の適する技術には、グルタルアルデヒドなどのアルデヒド;塩化ゼフィランおよび塩化セチルピリジニウムなどの消毒剤;イソプロピルおよびエタノールなどのアルコール;ルゴールヨウ素、ブアン固定液、様々な酸およびヘリー固定液などの様々な組織固定剤(Humason, Gretchen L., Animal Tissue Techniques, W. H. Freeman and Company, 1967を参照);または細胞が宿主環境に投与されるときに細胞で生成される毒素の活性を保存し、長引かせる物理的(熱)および化学的作用因子の組合せによる処理が含まれる。物理的手段の例は、ガンマ線放射およびX線放射などの短波長放射、凍結、UV照射、凍結乾燥である。微生物細胞の処理のための方法は、米国特許第4,695,455号および4,695,462号で開示され、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
細胞は、環境条件への抵抗性を増強する強化された構造安定性を一般に有する。殺虫剤がプロ型である場合、細胞処理の方法は、標的有害生物の病原体による殺虫剤のプロ型から成熟型への加工を妨げないように選択されるべきである。例えば、ホルムアルデヒドはタンパク質を架橋し、ポリペプチド殺虫剤のプロ型の加工を妨げることができる。処理の方法は、毒素の生物学的利用能または生物活性の少なくとも実質的な部分を保持するべきである。
生成のための宿主細胞の選択で特に興味がある特性には、Bt遺伝子(複数可)を宿主に導入することの容易さ、発現系の入手可能性、発現効率、宿主での殺虫剤の安定性および補助的遺伝子能力の存在が含まれる。殺虫剤マイクロカプセルとして用いるための興味がある特性には、厚い細胞壁、着色および細胞内パッケージングまたは封入体形成などの殺虫剤保護特性;水性環境での生存;人畜毒性の欠如;摂取のための有害生物への誘引効果;殺滅の容易さおよび毒素を害さずに固着させること;などが含まれる。他の考慮事項には、製剤および取扱いの容易さ、経済性、貯蔵安定性などが含まれる。
細胞の増殖。Bt殺虫性遺伝子(複数可)を含む細胞宿主は、DNA構築物が選択有利性を提供し、細胞の実質的に全てまたは全てがBt遺伝子を保持するように選択培地を提供する、任意の便利な栄養培地で増殖させることができる。これらの細胞は、従来の方法に従って次に収穫することができる。あるいは、収穫する前に細胞を処理することができる。
本発明の毒素を生成するBt細胞は、標準技術の培地および発酵技術を用いて培養することができる。発酵サイクルの終了後、最初に当技術分野で周知である手段によってBt胞子および結晶を発酵培養液から分離することによって細菌を収穫することができる。取扱いおよび特定の標的有害生物への施用を容易にするために、界面活性剤、分散剤、不活性担体および他の構成成分の添加によって、回収されたBt胞子および結晶を水和剤、濃厚液剤、粒剤または他の製剤に製剤化することができる。これらの製剤および施用手法は、全て当技術分野で周知である。
製剤。誘引剤ならびにBt分離株の胞子、結晶および毒素、または本明細書で開示されるBt分離株から入手できる遺伝子を含む組換え体微生物を含む製剤化された餌粒剤は、土に施用することができる。製剤化された製品は、種子コーティングまたは作物サイクルの後期段階で根部処理もしくは植物全体処理として施用することもできる。Bt細胞の植物および土壌処理は、様々な不活性の材料、例えば無機鉱物(フィロシリケート、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩など)または植物材料(粉末状の穂軸、籾殻、クルミ殻など)と混合することによって、水和剤、粒剤または粉剤として使用することができる。製剤は、展着助剤、安定化剤、他の殺虫性添加剤または界面活性剤を含むことができる。液体製剤は水性または非水性であってよく、フォーム、ゲル、懸濁液、乳剤などとして使用することができる。成分には、流体力学的剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤またはポリマーが含まれてよい。
当分野の技術者によって認識されるように、特定の製剤の性質、特にそれが濃厚剤であるか直接的に用いられるものであるかによって、殺虫剤濃度は広く変動する。殺虫剤は少なくとも1重量%で存在し、100重量%であってもよい。乾燥製剤は約1〜95重量%の殺虫剤を有するが、液体製剤は一般に液相中に約1〜60重量%の固形分である。製剤は、1mgにつき約10から約10細胞を一般に有する。これらの製剤は、1ヘクタールにつき約50mg(液体または乾燥)から1kg以上で投与される。
製剤は、噴霧、散粉、散水その他によって、鱗翅目害虫の環境、例えば葉または土へ施用することができる。
植物の形質転換。本発明の殺虫性タンパク質の生成のための好ましい組換え体宿主は、形質転換された植物である。本明細書で開示されるようなBt毒素タンパク質をコードする遺伝子は、当技術分野で周知である様々な技術を用いて植物細胞に挿入することができる。例えば、大腸菌(Escherichia coli)の複製系および形質転換細胞の選択を可能にするマーカーを含む多数のクローニングベクターが、高等植物への外来遺伝子の挿入のための調製のために利用できる。ベクターは、例えば、とりわけpBR322、pUCシリーズ、M13mpシリーズ、pACYC184を含む。したがって、Bt毒素タンパク質をコードする配列を有するDNA断片は、適する制限部位でベクターに挿入することができる。生じたプラスミドは、大腸菌(E. coli)への形質転換のために用いられる。大腸菌(E. coli)細胞は適する栄養培地で培養され、次に収穫され、溶解される。プラスミドを回収する。配列分析、制限酵素解析、電気泳動および他の生化学的分子生物学的方法が、分析方法として一般に実行される。各操作の後、用いたDNA配列を切断して次のDNA配列に連結することができる。各プラスミド配列は、同じか他のプラスミドにクローニングすることができる。植物への所望の遺伝子の挿入の方法に従い、他のDNA配列が必要なこともある。例えば、植物細胞の形質転換のためにTiまたはRiプラスミドが用いられるならば、TiまたはRiプラスミドT−DNAの少なくとも右の境界、しかし多くの場合右および左の境界が、挿入される遺伝子の隣接領域として連結されなければならない。植物細胞の形質転換のためのT−DNAの使用は集中的に研究されており、EP120516、Lee and Gelvin (2008)、Hoekema (1985)、Fraley et al., (1986)およびAn et al., (1985)で十分に記載され、当技術分野でよく確立されている。
挿入されたDNAが植物ゲノムに組み込まれると、それは比較的安定である。形質転換ベクターは、形質転換された植物細胞に、とりわけビアラホス、カナマイシン、G418、ブレオマイシンまたはハイグロマイシンなどの生物致死剤または抗生物質への抵抗性を付与する選択マーカーを通常含む。したがって、個々に使用されるマーカーは、挿入されたDNAを含まない細胞ではなく形質転換された細胞の選択を可能にするはずである。
DNAを植物宿主細胞に挿入するために、多数の技術を利用できる。それらの技術には、形質転換因子としてアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)もしくはアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)を用いるT−DNAによる形質転換、融合、注射、微粒子銃(微小粒子衝撃)、またはエレクトロポレーションならびに他の可能な方法が含まれる。アグロバクテリウム菌が形質転換のために用いられる場合、挿入されるDNAは特別なプラスミド、すなわち中間型ベクターまたはバイナリーベクターのいずれかにクローニングされなければならない。中間型ベクターは、T−DNAの配列に相同的である配列のために、相同組み換えによってTiまたはRiプラスミドに組み込むことができる。TiまたはRiプラスミドは、T−DNAの転移のために必要なvir領域も含む。中間型ベクターは、アグロバクテリウム菌ではそれ自身を複製することができない。中間型ベクターは、ヘルパープラスミド(コンジュゲーション)によってアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に移動させることができる。バイナリーベクターは、大腸菌(E. coli)およびアグロバクテリウム菌の両方でそれ自身を複製することができる。それらは、左右のT−DNA境界領域によって組まれる選択マーカー遺伝子およびリンカーまたはポリリンカーを含む。それらは、アグロバクテリウム菌に直接に形質転換させることができる(Holsters et al., 1978)。宿主細胞として用いられるアグロバクテリウム菌は、vir領域を運ぶプラスミドを含むものとする。vir領域は、植物細胞へのT−DNAの転移のために必要である。さらなるT−DNAが含まれてもよい。そのように形質転換される細菌は、植物細胞の形質転換のために用いられる。植物外植片は、植物細胞へのDNAの転移のために、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)またはアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)と都合よく培養することができる。選択のための抗生物質または生物致死剤を含んでもよい適する培地で、感染植物材料(例えば、葉片、茎、根の断片だけでなく、プロトプラストまたは懸濁培養細胞も)から完全体植物を次に再生させることができる。そのように得られる植物は、挿入されたDNAの存在について次に試験することができる。注射およびエレクトロポレーションの場合、プラスミドに特別に要求されるものはない。通常のプラスミド、例えばpUC派生体を用いることができる。
形質転換細胞は、植物内で通常の方法で増殖する。それらは胚細胞を形成することができ、後代植物へ形質転換形質(複数可)を伝えることができる。そのような植物は通常の方法で増殖させること、および同じ形質転換遺伝因子または他の遺伝因子を有する植物と交配することができる。生じる雑種個体は、対応する表現型特性を有する。
本発明の好ましい実施形態では、植物は遺伝子で形質転換され、そこではコドン使用頻度が植物のために最適化されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,380,831号を参照。一部のトランケーションされた毒素が本明細書で例示されるが、130kDa型(完全長)毒素がコア毒素であるN末端半分およびプロトキシン「尾部」であるC末端半分を有することは、Bt技術の分野では周知である。したがって、適当な「尾部」を、本発明のトランケーションされた/コア毒素と用いることができる。例えば米国特許第6,218,188号および米国特許第6,673,990号を参照。さらに、植物で使用するための合成Bt遺伝子の作製方法が当技術分野で公知である(Stewart and Burgin, 2007)。好ましい形質転換植物の1つの非限定例は、Cry1Abタンパク質をコードする植物で発現可能な遺伝子を含み、さらにCry1Beタンパク質をコードする第二の植物で発現可能な遺伝子を含む稔性のメイズ植物である。
近交系メイズ系統へのCry1AbおよびCry1Be決定形質(複数可)の転移(または遺伝子移入)は、回帰性の選抜育種、例えば戻し交配によって達成することができる。この場合には、所望の反復親が、Cry1AおよびCry1Be決定形質のための適当な遺伝子(複数可)を運ぶドナーの近交系(一回親)と先ず交配される。この交配の後代は、次に反復親と戻し交配され、続いて生じる後代において、一回親から移される所望の形質(複数可)について選択される。所望の形質(複数可)の選択を伴う反復親との3世代、好ましくは4世代、より好ましくは5世代以上の戻し交配の後、後代は移される形質(複数可)を支配する遺伝子座が異型接合的になるが、ほとんどまたはほとんど全ての他の遺伝子については反復親と同様である(例えば、Poehlman & Sleper (1995) Breeding Field Crops, 4th Ed., 172-175、Fehr (1987) Principles of Cultivar Development, Vol. 1 : Theory and Technique, 360-376を参照)。
昆虫抵抗性管理(IRM)戦略。例えばRoush et al.は、「ピラミッド化」または「スタッキング」とも呼ばれる、殺虫性トランスジェニック作物の管理のための2毒素戦略を概説している。(The Royal Society. Phil. Trans. R. Soc. Lond. B. (1998) 353, 1777-1786)。
彼らのウェブサイトで、米国環境保護庁(epa.gov/oppbppdl/biopesticides/pips bt_corn_refuge_2006.htm)は、標的有害生物に対して活性である単一のBtタンパク質を生成するトランスジェニック作物で用いるための非トランスジェニック(すなわち、非B.t.)緩衝帯(非Bt作物/トウモロコシの区域)を提供するための以下の要件を公表する。
「コーンボーラー保護Bt(Cry1AbまたはCry1F)トウモロコシ製品の特定の構造化要件は、以下の通りである:
構造化緩衝帯:
コーンベルトで20%の非鱗翅目Btトウモロコシ緩衝帯;
コットンベルトで50%の非鱗翅目Bt緩衝帯
ブロック
内部(すなわち、Bt圃場内)
外部(すなわち、任意交配を最大にするためにBt圃場から1/2マイル(可能であれば1/4マイル)以内に別個の圃場)
圃場内の帯状地
幼虫の移動の影響を低減するために、帯状地は少なくとも4条(好ましくは6条)の幅でなければならない」
さらに、National Corn Growers Associationも、彼らのウェブサイト:(ncga.com/insect-resistance-management-fact-sheet-bt-corn)で、
緩衝帯要件に関して類似した指針を提供する。例えば:
「コーンボーラーIRMの要件:
・トウモロコシ畑地の少なくとも20%に緩衝帯雑種を植える
・綿花生産地では、緩衝帯は50%でなければならない
・緩衝帯雑種の1/2マイル以内に植えなければならない
・緩衝帯は、Bt圃場内に帯状地として植えることができる;緩衝帯の帯状地は少なくとも4条の幅でなければならない
・標的昆虫の経済的許容限界に到達する場合だけ、緩衝帯を従来の殺虫剤で処理することができる
・Btベースの噴霧可能な殺虫剤を緩衝帯トウモロコシで用いることはできない
・Btトウモロコシのあらゆる農場に適当な緩衝帯を設けなければならない」
Roush et al.(例えば、1780頁および1784頁の右欄)によって述べられているように、標的有害生物に各々有効で、ほとんど交差抵抗性のない2つの異なるタンパク質のスタッキングまたはピラミッド化は、より小さな緩衝帯の使用を可能にする。成功したスタックは、緩衝帯10%未満の緩衝帯サイズが、単一(非ピラミッド化)形質のための約50%の緩衝帯と同等の抵抗性管理を提供することができることをRoushは示唆する。今日利用できるピラミッド化Btトウモロコシ製品については、米国環境保護庁は単一形質製品(一般に20%)についてよりもかなり低く(一般に5%)構造化された非Btトウモロコシの緩衝帯を設けることを要求している。
Roush et al.(前掲)および米国特許第6,551,962号によってさらに論じられているように、圃場での様々な幾何学的栽植様式(上記のような)および袋入種子混合物を含む、緩衝帯のIRM効果を提供する様々な方法がある。
上記の百分率または類似した緩衝帯比率は、対象の二重または三重のスタックまたはピラミッドのために用いることができる。単一の標的有害生物に対して3つの作用部位を有する三重スタックについては、目標は緩衝帯がゼロ(または、例えば5%未満の緩衝帯)である。これは、例えば10エーカー以上の商業用の土地に特にあてはまる。
本明細書で参照または引用される全ての特許、特許出願、仮出願および刊行物は、それらがこの明細書の明白な教示と矛盾しない範囲で、参照により全体が組み込まれる。
具体的に示されるか含意されない限り、本明細書で用いられるように、用語「a」、「an」および「the」は「少なくとも1つ」を示す。
以下は、本発明を実施するための手法を例示する実施例である。これらの実施例は、限定するものと解釈されるべきでない。特記されない限り全ての百分率は重量によるものであり、全ての溶媒混合割合は容量によるものである。全ての温度は、摂氏温度である。
[実施例]
Cry1Abタンパク質の125I標識
Cry1Abコア毒素のヨウ素化。Cry1Ab毒素(配列番号1)をトリプシンで活性化し、Iodo−Bead(Pierce)を用いてヨウ素化した。簡潔には、2つのIodo−Beadを500μlのリン酸緩衝食塩水、PBS(20mMリン酸ナトリウム、0.15M NaCl、pH7.5)で2回洗浄し、鉛シールドの後の1.5ml遠心管に入れた。これに、100μlのPBSを加えた。フード内で、および適切な放射能取扱い技術を用いることにより、0.5mCi Na125I(17.4Ci/mg、Amersham)をIodo−BeadのPBS溶液に加えた。構成成分を室温で5分間反応させ、次に高度に純粋なトランケーションされたCry1Abタンパク質の10μgを溶液に加え、さらなる5分間反応させた。Iodo−Beadから溶液を取り出し、それを20mM CAPS緩衝液、pH10.5 + 1mM DTTで平衡させた0.5mlの脱塩Zebaスピンカラム(InVitrogen)に加えることによって、反応を停止した。Iodo−Beadを各々10μlのPBSで2回洗浄し、洗浄溶液も脱塩カラムに加えた。放射性溶液を1,000×gで2分間の遠心によって脱塩カラムを通して溶出した。放射ヨウ素化されたCry1Abの放射純度は、SDS−PAGE、蛍光画像化およびガンマ計数によって測定した。簡潔には、4〜20%のトリスグリシンポリアクリルアミドゲル(1mm厚、InVitrogen)を用いて、SDS−PAGEによって2μlの放射性タンパク質を分離した。分離後、製造業者の説明書に従ってBioRadゲル乾燥装置を用いてゲルを乾燥させた。マイラー膜(厚さ12μm)で包み、Molecular Dynamics保存蛍光スクリーン(35cm×43cm)の下でそれらを1時間露光させることによって、乾燥ゲルを画像化した。Molecular Dynamics Storm820蛍光造影装置を用いてプレートを現像し、像はImageQuant(商標)ソフトウェアを用いて分析した。特異的活性は、1μgタンパク質につきおよそ4μCiであった。
BBMV調製プロトコル
可溶性BBMVの調製および分画。終齢オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)幼虫を一晩絶食させ、次いで、翌朝、氷の上で15分間冷やしたのちに解剖した。中腸組織を体腔から取り出し、外皮に接着した後腸を残した。中腸を、仕入先の推奨通りに希釈したプロテアーゼ阻害剤カクテル(SigmaP−2714)を追加した、9倍容量の氷冷ホモジナイゼーション緩衝液(300mMマンニトール、17mMトリス、塩基、pH7.5)に入れた。15ストロークのガラス組織ホモジナイザーで組織をホモジナイズした。Wolfersberger(1993)のMgCl沈殿法によってBBMVを調製した。簡潔には、300mMマンニトール中の等量の24mM MgCl溶液を中腸ホモジネートと混合し、5分間撹拌し、氷上で15分間静置させた。4℃で15分間、2,500×gで溶液を遠心分離した。上清を保存し、元の容量の0.5倍希釈のホモジナイゼーション緩衝液にペレットを懸濁して再び遠心分離した。2つの上清を合わせ、4℃で30分間、27,000×gで遠心分離してBBMV分画を形成した。ペレットを、プロテアーゼ阻害剤を追加した10mlホモジナイゼーション緩衝液に懸濁し、4℃で30分間、27,000×gで再び遠心分離してBBMVを洗浄した。生じたペレットをBBMV保存緩衝液(10mM HEPES、130mM KCl、10%グリセロール、pH7.4)に懸濁して、約3mg/mlタンパク質の濃度にした。タンパク質濃度は、標準としてウシ血清アルブミン(BSA)を用いてBradford法(1976)を用いることによって測定した。製造業者の説明書に従ってSigmaアッセイを用いて、試料を凍結させる前にアルカリ性ホスファターゼの測定を行った。BBMV分画中のこのマーカー酵素の比活性は、中腸ホモジネート分画で見られるものと比較して一般的に7倍増加した。BBMVを250μlの試料に等分し、液体Nで瞬間冷凍し、−80℃で保存した。
カクテル構成成分の最終濃度(μΜ)は、AEBSF(500)、EDTA(250mM)、ベスタチン(32)、E−64(0.35)、ロイペプチン(0.25)およびアプロチニン(0.075)である。)
BBMVタンパク質への125I Cry1Abタンパク質の結合を測定する方法
BBMVへのl25I Cry1Abタンパク質の結合。結合アッセイで用いるBBMVタンパク質の最適量を決定するために、飽和曲線を作成した。125I放射性標識Cry1Abタンパク質(0.5nM)を、結合緩衝液(8mM NaHPO、2mM KHPO、150mM NaCl、0.1%ウシ血清アルブミン、pH7.4)中に0〜500μg/mlの様々な量のBBMVタンパク質と、28℃で1時間インキュベートした。全容量は、0.5mlであった。1.5ml遠心管から500μl遠心管に反応混合液の150μlを3反復で採取し、室温で6分間、14,000×gで試料を遠心分離することによって、結合した125I Cry1Abタンパク質を未結合のものから分離した。上清を静かに除去し、氷冷結合緩衝液でペレットを3回静かに洗浄した。ペレットを含む遠心器の底を切り取り、13×75mmガラス培養試験管に入れた。試料をガンマ計数器でそれぞれ5分間計数した。試料に含まれる計数をバックグラウンド計数(タンパク質なしでの反応)から引き、BBMVタンパク質濃度に対してプロットした。用いるタンパク質の最適量は、0.15mg/mlのBBMVタンパク質であると決定された。
結合動態を決定するために、飽和曲線を作成した。簡潔には、BBMV(150μg/ml)を、0.01から10nMの増大する濃度の125I Cry1Ab毒素と28℃で1時間インキュベートした。各濃度の150μlを3反復で採取し、試料の遠心および計数は前記の通りに実行して、全結合を測定した。全ての非特異的受容体結合部位を飽和させるために反応混合液に加えられた、1,000nMの相同トリプシン処理非放射性Cry1Ab毒素を添加して、非特異的結合は同様に測定された。特異的結合は、全結合と非特異的結合との間の差として計算された。
相同的(Cry1Ab)および非相同的(DIG−3)競合結合アッセイは、150μg/mlのBBMVタンパク質および0.5nMの125I放射性標識Cry1Abタンパク質を用いて実施した。Cry1AbおよびDIG−3(配列番号2)をトリプシンで活性化し、競合タンパク質として用いた。真の結合競合を保証するために、反応混合液に加えられた競合的非放射性標識Cry1AbまたはDIG−3毒素の濃度は0.03から1,000nMであって、放射性リガンドと同時に加えられた。インキュベーションは28℃で1時間実施し、その受容体毒素に結合した125I Cry1Abタンパク質の量は、非特異的結合を引いて前記のように測定した。100パーセントの全結合は、競合リガンドの非存在下で測定した。加えた競合的リガンドの濃度に対する全特異的結合の百分率として、結果を片対数グラフにプロットした。
結果の要約
図1は、非標識の相同的Cry1Ab(●)および非相同的DIG−3(■)による競合に対してオストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)からのBBMVにおける125I Cry1Ab(0.5nM)の特異的結合百分率を示す。Cry1Abによる相同的競合の置換曲線は、約0.5nMのCry1Abで放射性リガンドの50%の置換を示すS字形の曲線をもたらす。DIG−3は、100nM以下の濃度(アッセイでの125I Cry1Abの濃度より200倍高い)でその結合部位から125I Cry1Abのいかなる結合も置換しない。300nMだけで、DIG−3による125I Cry1Abの入札の約25%の置換が観察される。これらの結果は、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)からのBBMVに位置する受容体部位へのCry1Abの結合に関して、DIG−3が効果的に競合しないことを示す。
(参考文献リスト)
Figure 2014525748

Claims (23)

  1. Cry1Ab殺虫性タンパク質をコードするcry1Abポリヌクレオチド、およびDIG−3殺虫性タンパク質をコードするDIG−3ポリヌクレオチドを含むトランスジェニック植物であって、前記DIG−3ポリヌクレオチドが、配列番号2のコア毒素をコードするポリヌクレオチドの相補配列と42℃で、1×SSC中でハイブリダイズするトランスジェニック植物。
  2. Cry1Fa、Cry1BeおよびCry2Aaからなる群から好ましくは選択される第三の殺虫性タンパク質をコードするDNAをさらに含む、請求項1に記載のトランスジェニック植物。
  3. Cry1BeおよびCry2Aaからなる群から好ましくは選択される第四の殺虫性タンパク質をコードするDNAをさらに含み、前記第三の殺虫性タンパク質がCry1Faタンパク質である、請求項2に記載のトランスジェニック植物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の植物の種子。
  5. 非Bt緩衝帯植物および請求項1から3のいずれかに記載の複数の植物を含む植物の圃場であって、前記緩衝帯植物は前記圃場の全ての作物植物の40%未満を構成する、圃場。
  6. 前記緩衝帯植物が前記圃場の全ての作物植物の30%未満を構成する、請求項5に記載の植物の圃場。
  7. 前記緩衝帯植物が前記圃場の全ての作物植物の20%未満を構成する、請求項5に記載の植物の圃場。
  8. 前記緩衝帯植物が前記圃場の全ての作物植物の10%未満を構成する、請求項5に記載の植物の圃場。
  9. 前記緩衝帯植物が前記圃場の全ての作物植物の5%未満を構成する、請求項5に記載の植物の圃場。
  10. 前記緩衝帯植物がブロックまたは帯状地にある、請求項5に記載の植物の圃場。
  11. 非Bt緩衝帯植物からの緩衝帯種子および請求項4に記載の複数の種子を含む種子混合物であって、前記緩衝帯種子は混合物の全ての種子の40%未満を構成する、種子混合物。
  12. 前記緩衝帯種子が混合物の全ての種子の30%未満を構成する、請求項11に記載の種子混合物。
  13. 前記緩衝帯種子が混合物の全ての種子の20%未満を構成する、請求項11に記載の種子混合物。
  14. 前記緩衝帯種子が混合物の全ての種子の10%未満を構成する、請求項11に記載の種子混合物。
  15. 前記緩衝帯種子が混合物の全ての種子の5%未満を構成する、請求項11に記載の種子混合物。
  16. 種子を播いて請求項5から10のいずれかに記載の植物の圃場を作製することを含む、昆虫によるCryタンパク質への抵抗性の発達を管理する方法。
  17. 前記植物が10エーカーよりも多くを占める、請求項5から10のいずれかに記載の圃場。
  18. トウモロコシ、ダイズおよびワタからなる群から選択される、請求項1から3のいずれかに記載の植物。
  19. メイズ植物である、請求項18に記載の植物。
  20. Cry1Ab殺虫性タンパク質をコードするcry1Abポリヌクレオチド、およびDIG−3殺虫性タンパク質をコードするDIG−3ポリヌクレオチドを含む非全能性植物細胞であって、前記DIG−3ポリヌクレオチドが、配列番号2のコア毒素をコードするポリヌクレオチドの相補配列と42℃で、1×SSC中でハイブリダイズする非全能性植物細胞。
  21. コーンボーラー昆虫を防除する方法であって、前記昆虫または前記昆虫の環境を、Cry1Ab殺虫性タンパク質を含有し、さらにDIG−3殺虫性タンパク質を含有する組成物の有効量と接触させることを含む方法。
  22. 前記組成物が複数の植物細胞である、請求項22に記載の方法。
  23. 前記細胞を複製することを含む、請求項22に記載の組成物を生成する方法。
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