JP2014524400A - 微量栄養素を含有する被圧縮塩化カリウム肥料及びその生産方法 - Google Patents

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Abstract

1つ以上の微量栄養素及び1つ以上の結合材料を含有する粒状被結合MOP肥料である。肥料はMOP供給材料と1つ以上の微量栄養素及び1つ以上の任意の結合剤とを圧縮して被結合MOP組成物を形成することによって調製される。次に被結合MOP組成物は破砕及び分粒などによってさらに処理され、微量栄養素を含有する被結合粒状MOP生成物を形成する。処理は、操作若しくは保管品質を落とすことなく、より優れた要素と顆粒サイズ分布とを有する微量栄養素を含有する肥料生成物を発生する。

Description

関連出願
本出願は、参照によってここに全体を導入するところの、2011年8月4日に出願された米国仮出願第61/514,952号の利益を主張するものである。
発明の分野
本発明は概して肥料組成物に関連する。より具体的には、本発明は圧縮処理によって微量栄養素を塩化カリウム肥料に取り込むことに関する。
必須植物栄養素は、主要栄養素、補助的な若しくは多量栄養素、及びわずかな若しくは微量栄養素を含む。主要栄養素は、炭素、水素、酸素、窒素、リン、及びカリウムを含む。炭素及び酸素は空気から吸収され、一方で水(水素源)、窒素、リン、及びカリウムを含む他の栄養素は土壌から得られる。窒素、リン、及び/又はカリウム源を含む肥料は、それらの栄養素が欠乏している土壌を補足するのに使用される。
従来の肥料規格によると、肥料の化学組成又は分析は必須主要栄養素である窒素、リン、及びカリウムの(重量)パーセントで表される。より具体的には、肥料の配合を表すとき、一番目の数字は“全窒素”(N)として元素基準で表される窒素の割合を表し、二番目の数字は“有効リン酸”(P2O5)として酸素基準で表されるリンの割合を表し、三番目の数字は“有効酸化カリウム”(K2O)として酸素基準で表されるカリウムの割合を表し、または(N-P2O5-K2O)の表現として知られている。
リン及びカリウム量はその酸化物の形態で表されるが、肥料にはP2O5又はK2Oは存在しない。リンは最も一般的には第一リン酸カルシウムとして存在するが、他のカルシウム又はリン酸アンモニウムとしても発生する。カリウムは通常、塩化カリウム又は硫酸塩の形態である。P及びKの酸化物の形態から要素表現(N-P-K)への換算は、次の式を使用して行われる。
%P=%P2O5x0.437 %K=%K2Ox0.826
%P2O5=%Px2.29 %K2O=%Kx1.21
別名塩化カリウム(potassiumchloride)KClとして知られている塩化カリウム(Muriate of potash)(MOP)は農業用肥料であり、最も一般的な肥料カリ源である。MOPは従来の採鉱又は溶解採鉱技術のいずれかによって、自然発生する地下鉱物源から一般的に抽出される。抽出されると、MOPは個々の顧客に所望される特定の工業、化学、人間若しくは動物栄養素、又は農業利用に適する、多くの異なる最終形態若しくはKCl生成物に処理され得る。
完成したMOPは、農業的消費の目的のために、一般的に粒状で販売される。純度及び顆粒サイズは、生成物が置かれる最終使用用途によって変化し得る。顆粒は、圧縮並びに、MOPのより大きな片をより小さな顆粒に砕く後続の粉砕及び分粒などによる、当業者に周知の粉砕及び分粒工程を使用して製造される。圧縮は、高圧でMOP供給材料を継続的に回転させ、終局産物の材料の結合を発生することを意味する。MOPの等級、故にその市場価値は、生成物の純度及び顆粒サイズの両方に依存する。一般的にMOPは特定の要求に所望される粒径にふるいにかけられる。
一般的なMOP供給原料は、所望される顆粒サイズより小さい、食卓塩に相当する顆粒サイズである。より大きな顆粒を得るために、この供給原料はまず、シートのような結合された生成物を製造するための単純なロール圧縮機若しくは同様のものなどの、圧縮処理を使用して圧縮される。後続の処理は一般的に、制御された破砕によってMOPシートを顆粒にすること含み、顆粒は次にふるいがけ又は産業で周知の他の分類方法によって所望のサイズ範囲に分類される。標準的な産業で周知のロール圧縮機の非限定的な例は、イリノイ州ウッドデールのK.R.コマレック社(K.R.Komarek, Inc)から入手可能なK.R.コマレックのB220B圧縮機(又は“B”モデル若しくは、高圧ブリケット及び圧縮成型機のいずれか)である。
MOP肥料が加えられた土壌を介して植物に有効になるカリウムなどの主要栄養素に加えて、微量栄養素及び補助栄養素はまた植物の成長に不可欠である。これらは主要栄養素の量よりも非常に少ない量で要求される。補助栄養素は硫黄(SO4)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)又はその組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。微量栄養素は、例えばホウ素(B)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、鉄(Fe)、塩素(Cl)、又はそれらの組み合わせを含み得るがそれらに限定されない。これより先の明細書を通して、簡易化のために、“微量栄養素”という用語は補助栄養素及び微量栄養素の両方を参照し含む。
農作物への微量栄養素の適用の一般的な方法は、土壌適用である。推奨される適用量は通常、元素基準で10lb/acreより少ない。別々の微量栄養素をこのような低量で適用するのは困難で、分布の均等性が乏しくなる傾向がある。微量栄養素を混合肥料に含有させることは、便利な適用方法であり、いくつかの方法は従来の適用装置でより均等な分布を可能にする。別途の適用段階を除くことによって、費用もまた減少する。混合肥料とともに微量栄養素を適用する4つの方法は、製造中に導入すること、粒状肥料とバルク混合すること、粒状肥料及び種にコーティングすること、並びに液体除草剤若しくは流体肥料と混合することを含み得る。
粒状肥料とのバルク混合は、微量栄養素化合物をリン酸、窒素、及びカリ肥料とバルク混合する方法である。この方法の主な利点は、通常の肥料適用量で任意の土地に推奨される微量栄養素量を供給する肥料等級が生成され得ることである。主な欠点は、混合操作中及び後続の操作で、栄養素の分離が生じ得ることである。微量栄養素はしばしば、バルク混合において分離し得る小さな粒子サイズである。操作及び移送の間のサイズ分離を低減する又は防ぐために、理想的な微量栄養素顆粒はリン酸塩、窒素、及びカリ顆粒と同じ大きさに近い必要がある。微量栄養素は植物栄養素に非常に小さな量で要求されるので、この方法は微量栄養素の顆粒が不均一に分配されて、たいていの微量栄養素元素は全体の生育期の間で数ミリのみ土壌溶液内を移動するので、即時の利益になるには植物の多くから概して遠すぎる結果となる。
コーティングは分離の可能性を減少させる。しかし、いくつかの表面結合材料は、袋詰、保管、及び操作の間に微量栄養素コーティングを維持せず、結果として粒状肥料要素から微量栄養素源が分離するので不十分である。
分離問題を低減するために複数の段階が実施された。例えば、“硫黄を含有する肥料組成物とその調製方法”と題する米国特許第6,544,313号に記載の肥料部分の硫黄又は硫黄プレートレットの場合や、“微量栄養素を有する肥料の生成方法”と題する米国特許第7,497,891号に記載の微量栄養素の場合などであり、両者は参照によってその全体を導入される。しかし、この調整方法は造粒過程を対象とする。
いくつかの微量栄養素ペレット化及び圧縮適用は、塩化ナトリウム(塩)及びキーゼル石(硫酸マグネシウム一水和物)などの生成物に存在するが、ロール圧縮機を使用してMOPなどの微量栄養素を主要栄養素に含有させることは、発明者の認識する従来技術では周知でない。
微量栄養素を追加することは、歴史的に見て、MOP採鉱機及び製粉機の処理境界の外部における下流の操作で実施された。増加する世界人口に供給するために、農作物の生産量を増やすことの立証された長期の必要性がある。故に、微量栄養素の土壌溶液及び最終的には植物の根域への導入を最大にする、圧縮された、粉砕された、及び分粒された、粒状MOPの付加価値がある肥料生成物を経済的に生成する必要性が残っている。
米国特許第6,544,313号明細書 米国特許第7,497,891号明細書 米国特許第7,727,501号明細書
本発明の実施形態は1つ以上の微量栄養素を有する被結合粒状MOP肥料を含む。1つ以上の微量栄養素は、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、塩素(Cl)、元素形態の硫黄(S)、酸化硫酸塩形態の硫黄(SO4)、及び様々な濃度におけるそれら組み合わせを含むが、それらに限定されない。肥料は、圧縮補助剤、着色剤、及び/又はヘキサメタリン酸ソーダ(SHMP)などの1つ以上の結合材料を含む。微量栄養素は、MOPに圧縮されると可溶性にとどまり、標準の肥料方法を使用して適用されるとすぐに溶ける。
本発明の実施形態によると、肥料はMOP供給材料と1つ以上の微量栄養素及び1つ以上の任意の結合剤とを圧縮して被結合MOP生成物を形成することによって調製される。次に被結合MOP生成物は、粉砕及び分粒などによってさらに処理され、微量栄養素を含有する被結合粒状MOP生成物を形成する。処理は、前述の微量栄養素適用と比較して、優れた若しくはより均等な要素及び顆粒サイズ分布を有する微量栄養素を含有する肥料生成物を、操作若しくは保管の品質を落とすことなく発生する。既存の乾燥適用と比較して、微量栄養素を含有する肥料の分布の均等さは、個々の植物が栄養素により良くアクセスすることを可能にする。
上記発明の概要は各例示の実施形態又は本発明のすべての実施を記載する意図はない。続く詳細な説明はこれらの実施形態をより具体的に例示する。
微量栄養素をMOP供給物に注入するためのプロセスフローシートである。 ハーシー0-0-62MOP(N-P2O5-K2Oに基づく)に微量栄養素(HM)を加えた試料の破砕結果を示すグラフである。 カールスバッド0-0-60MOP(N-P2O5-K2Oに基づく)に硫黄を使用した微量栄養素試験生成物MOPを加えた生成物生成量を示すグラフである。 カールスバッド0-0-60MOP(N-P2O5-K2Oに基づく)にモリブデンを使用した微量栄養素試験生成物MOPを加えた生成物生成量を示すグラフである。 カールスバッド0-0-60MOP(N-P2O5-K2Oに基づく)に微量栄養素試験生成物MOPを加えた破砕結果を示すグラフである。 カールスバッド0-0-60MOP(N-P2O5-K2Oに基づく)に微量栄養素試験生成物MOP生成物を加えた粉塵結果を示すグラフである。 カールスバッド0-0-60MOP(N-P2O5-K2Oに基づく)に微量栄養素試験生成物MOPの吸湿結果を示すグラフである。 最終カールスバッド0-0-60MOP(N-P2O5-K2Oに基づく)に微量栄養素試験生成物MOPを加えた写真である。 本発明の一実施形態に従う微量栄養素を含有する被圧縮MOPの顆粒の試料のエネルギー分散型X線分析装置(EDS)スペクトルである。 図9の試料の走査型電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真である。 図10のSEMの塩素のEDSマップである。 図10のSEMのカリウムのEDSマップである。 図10のSEMのマンガンのEDSマップである。 図10のSEMのナトリウムのEDSマップである。 図10のSEMの亜鉛のEDSマップである。 図10のSEMの酸素のEDSマップである。 図10のSEMの硫黄のEDSマップである。 本発明の一実施形態に従う微量栄養素を含有する被圧縮MOPの粉砕された顆粒の試料のEDSスペクトルである。 図12Aの微量栄養素を含有する被圧縮MOPの全顆粒の試料のEDSスペクトルである。
本発明は様々な改良及び代替の形態に変更可能であるが、その詳述は図に例として示され、詳細に記載される。しかし、本発明を記載される特定の実施形態に限定する意図はないことを理解されたい。逆に、全ての改良、同等物、及び代替物は本発明の精神及び範囲内であることを意図している。
本発明の実施形態に従う結合肥料粒状生成物は概して、MOP肥料ベースと1つ以上の微量栄養素(又は補助栄養素)とを含む。1つ以上の微量栄養素は、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、塩素(Cl)、元素形態の硫黄(S)、酸化硫酸塩形態の硫黄(SO4)、又は様々な濃度におけるそれら組み合わせを含むが、それらに限定されない。上述のとおり、“微量栄養素”という用語は補助栄養素及び微量栄養素の両方を参照し含む。1つ以上の微量栄養素の濃度は、約0.001から約99.99重量パーセント、より具体的には約0.001から約10重量パーセントの範囲に及び得る。
MOP肥料ベースは商業的に入手可能な種々のMOP源のいずれかの場合があり、例えば約20重量パーセントから約80重量パーセントの範囲のK2O含有量(N-P2O5-KxOスケールで)を有するMOP供給材料などであるが、それに限定されない。1つの特定の非限定的な例ではMOP供給材料の化学分析は0-0-60wt%であり、他の非限定的な例ではMOP供給材料の化学分析は0-0-62wt%であり、さらに他の非限定的な例ではMOP供給材料の化学分析は0-0-55wt%である。
参照によってここに全体を導入するところの、“被圧縮粒状塩化カリウムとその製造方法及び装置”と題する米国特許第7,727,501号に記載のように、完成した被圧縮粒状MOP生成物の強度又は操作性を向上させるために、肥料は1つ以上の結合剤又は材料を含み、操作又は移送中に顆粒が摩耗若しくは破砕しにくくなる。結合剤は、圧縮される粒子の強度及び質を向上させるために圧縮回路の供給物に加えられる化学物質である。結合剤はMOP原料中の不純物を隔離又はキレート化するように作用しながら、圧縮される混合物に粘着特性をもたらす。結合剤は、例えばヘキサメタリン酸ソーダ(SHMP)、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)、ピロリン酸カリウム(TKPP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、リン酸ニアンモニウム(DAP)、リン酸一アンモニウム(MAP)、粒状リン酸一アンモニウム(GMAP)、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、でんぷん、デキストラン、リグニンスルホン酸、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、又はそれらの組み合わせを含み得る。結合剤に加えて又は代わりに、微量栄養素のいくつかそのものが結合剤として作用して粒子強度を向上させ得る。
本発明の一実施形態によると、微量栄養素を含有する被結合粒状MOP肥料は、1つ以上の微量栄養素を圧縮回路のMOP供給物に混合することによって生成される。微量栄養素は圧縮より前に供給物に加えられ得る。この混合されたMOP供給原料の圧縮と、粉砕及び分粒などの従来の更なる工程とが、粒状生成物全体に均一に分配される微量栄養素を含有する被結合MOP肥料顆粒を生成する。
被圧縮粒状MOPを製造するための製造ライン又は製造回路は概して材料供給装置を含む。材料供給装置は、様々な微粒子MOPの流れ、ふるい、回収又は除去されるMOP材料、1つ以上の微量栄養素、及び1つ以上の任意の結合剤を圧縮機に投入する、ベルトコンベア、空気コンベア、又は同様のものなどである。次に圧縮機が供給材料を被結合MOP中間物シート若しくは固形物(cake)に高圧で圧入して、被結合MOP中間物シート若しくは固形物は次に粉砕、分類、再分粒、若しくは所望の完成MOP生成物に再完成される。
図1は、本発明の生成方法の考えられる一実施形態に含まれる段階を図示するフローチャートである。具体的には、図1は微量栄養素を製造回路のMOP供給物に注入することを示す。微量栄養素は、MOP供給原料の単位あたりに加えられる各成分の量をより精確に制御できるようにするために、計量装置を含む注入機によって回路の様々な場所でMOP供給材料に加えられ得る。
微量栄養素及び任意で結合剤をMOP供給材料に加えた後、添加物とMOP供給材料とが混合される。混合段階は、これらの材料が供給機構を通してその連結した運搬の間に集まり若しくは混合されるようにすることによって受動的に行われてもよく、又は代わりに、圧縮前に微量栄養素と、任意の結合剤と、MOP原料とのより積極的な若しくは活発な混合をもたらすために、注入機及び圧縮機の間でMOP製造回路に加えられる特定の混合装置があってもよい。
ここで微量栄養素と適正に混ぜられた被混合MOP供給材料は次に圧縮される。圧縮処理は、ロール圧縮機若しくは同様のものなどの従来の圧縮装置を使用して実施され得る。生成された被結合中間物は次に、粉砕、ふるいがけ、又は所望の粒子サイズ若しくはタイプの完成生成物を生成するのに適する他の従来の分類方法などを使用して、所望の完成粒状生成物に更に処理され得る。これらの段階はまた、図1のフローチャートに示されている。
本発明の特定の一実施形態では、1つより多くの異なる微量栄養素を組み合わせて取り入れることが望ましく、これは予め混合された複数の微量栄養素の組み合わせを注入することによって、又は微量栄養素の所望の量をMOPに別々で置く又は注入することのいずれかによって行われ得る。1つ以上の微量栄養素及び/又は結合剤を並行して若しくは別々にMOP原料に加えることを可能にするための、いかなる付随する工程若しくは装置の変更は本発明の範囲内で考慮されることが理解されるであろう。
続く代表的な例は本発明の実施形態を更に明確にする。
例1
様々な微量栄養素と圧縮される多くのMOP肥料組成物が生成され、技術的な実施可能性を評価された。米国ミシガン州のモザイクハーシー(Hersey)カリ鉱山(これより“モザイクハーシー”)によって供給されるMOP供給材料は様々な異なる濃度で微量栄養素と圧縮された。MOPの化学分析は、98.8重量%のKCl、1.1重量%の塩化ナトリウム(NaCl)、283ppmのカルシウム(Ca)、11ppmの鉄(Fe)、59ppmのマグネシウム(Mg)、及び287ppmの硫酸塩(SO4)であった。MOP供給物の全水分含有量は0.1439重量%であった。モザイクハーシーによって供給されるMOP供給材料は、溶解採鉱技術を使用して生成される0-0-62%のK2O生成物(N-P2O5-K2Oに関して表される)である。MOP供給材料は、溶解採鉱技術から生成されるMOPの固有の性質の白色である。
ハーシー微量栄養素(HM)試料(下記の表1)の製造に使用される微量栄養素は、ホウ素(無水ホウ砂Na2B4O7の形態で)、亜鉛(硫酸亜鉛一水和物ZnSO4・H2Oの形態で)、亜鉛(酸化亜鉛ZnOの形態で)、マンガン(硫酸マンガンMnSO4・H2Oの形態で)、及び/又はモリブデン(モリブデン酸ナトリウム二水和物Na2MoO4・2H2Oの形態で)を含んでいた。
以下の組成物が生成された(これより“HM生成物”)。
各生成物は同じプロセスフローシートを使用して発生された。MOPと微量栄養素とがバッチ混合ドラム内で混合された。混合された生成物は次に圧縮回路に運搬された。使用される圧縮回路は、シヌソイダルフレーク(sinusoidal flake)を生成する圧縮機、フレーク破砕機、砕解機(粉砕機)、及び4x10タイラーメッシュ生成物をもたらす2デッキの振動ふるいを有した。大きすぎる及び小さすぎる顆粒はさらなる処理のために再循環された。
HM生成物の各々からの試料は、外部の独立研究所によってK2O含有量に関して分析された。表2は、微量栄養素化合物の含有量と62%K2OのMOP供給物とを基準にした分析値(独立研究所)対K2O理論値(%計算)を示す。
HM生成物の各々からの試料は、外部の独立研究所によって微量栄養素(ホウ素、モリブデン、マンガン、及び亜鉛)含有量について分析された。無水ホウ砂、モリブデン酸塩、硫酸マンガン一水和物及び硫酸亜鉛一水和物に見られる微量栄養素は、圧縮される顆粒に効果的に取り込まれる。
結果は表3に示される。
品質測定
HM生成物の各々は粒径分析のためにふるいにかけられた。下記の表4は、製品流の各々のサイズガイドナンバー(Size Guide Number)(SGN)及び均等性指数(Uniformity Index)(UI)を含む標準肥料混合測定を、基準値とともに示す。これらの分粒測定の式は次のとおりである
・SGN=d50(μm)/10、つまり試料の50重量%がより粗く50%がより細かい、ミリメートルでの粒子サイズの100倍、として規定される。
・UI=[(d5(μm)/1000/d90(μm)/1000)]*100、つまり材料の95%が保持される粒径を、材料の10%が保持される粒径で割り、100をかけたものとして定義される。
基準生成物(微量栄養素が添加されていない)のSGN及びUIはそれぞれ307及び36である。HM生成物のUIは基準と似ているが、SGNは小さい。HM生成物の平均SGNは271である。
HM生成物と基準状況と比較するために2つの破砕処理が行われた。これらは調整(conditioned)及び風化(weathered)破砕試験であった。風化破砕試験は72%の相対湿度に24時間さらされた生成物の硬度を評価するために使用される。調整破砕試験は26%の相対湿度に24時間さらした後の生成物の硬度を評価するのに使用される。調整及び風化破砕値の違いは行われる風化の量であるとする。
同じ又は同様のふるい分析の各HM生成物のための試験試料が測定された。風化破砕試験において、試料はそれぞれの相対湿度に24時間さらされた。振動期間の後、破砕された試料の量、つまり特定の大きさのメッシュのふるいで保持された破砕物の%が測定された。
図2は、HM生成物の各々は基準値と比べて改善された風化破砕値を有する一方で、調整破砕は基準値と比べてわずかに高い値を示す。図2の破砕値は生成物の品質における懸念事項を示さないが、もし望まれるのであれば、結合剤を使用して減少され得る。
ハーシーのAg粒状生成物を用いた破砕試験の他の一連において、破砕値は任意で700ppmのSHMP結合剤を追加すると10%より低く低減され得る(表5)。
例2
モザイクカールスバッドニューメキシコ(ダイナK(Dyna-K)とも称される)からのMOP供給材料は様々な微量栄養素と圧縮され、技術的な実施可能性を評価された。カールスバッドからのMOPは従来の坑内採鉱技術を使用して発生される。この工程から発生されるMOPは0-0-60%のK2O生成物(N-P2O5-K2Oに関して表される)であり、坑内採鉱技術から生成されるMOPの固有の性質の赤色である。
加えられる微量栄養素は0.5重量%のホウ素(3.47重量%のNa2B4O7・5H2Oによる)、1.0重量%のマンガン(3.03%のMnSO7・H2Oによる)、1.0重量%のZn(4.41重量%のZnSO4・7H2Oによる)、1.0重量%の銅(4.10重量%のCuSO4・5H2Oによる)、1.0重量%の鉄(4.98重量%のFeSO4・7H2Oによる)、及び0.05重量%のモリブデン(0.13重量%のNa2MoO4・2H2Oによる)を含んでいた。各実行は5重量%の硫黄を加えながら繰り返された。
圧縮方法において、初期ラム圧力は1000psi及び2500psiで、最終生成物生産量、つまりはじめの供給物重量と比較した実際の最終生成物の割合は、それぞれ51%及び75%であった。ここで、1000psiラム圧力は圧縮される材料に加えられる約20,000psiに相当する。粉塵量はより高いラム圧力で視覚的により低いことが認められ、これは試験の実施に使用された。
ホウ素及びホウ素/硫黄の組み合わせ品はよく実行され、それぞれ67%及び60%生成した。生成物からの悪い影響はなく、生成物は装置の問題なくよく流れた。
硫酸マンガン及び硫酸マンガン/硫黄の組み合わせ品は、いくらかの障害を伴うわずかな悪い影響を送りねじにもたらし、マンガンは圧送機に結合する影響があることを示した。生産量はそれぞれ67%及び64%であった。
硫酸亜鉛の亜鉛化合物及び硫酸亜鉛/硫黄の組み合わせ品は、約3から約5%の固有表面水分を有する。この水分は供給物に移動し、供給物を湿らせ、ホッパー内の流速に影響を与える可能性がある。しかし、生成量は影響されず、生成物はそれぞれ65%及び77%の生成量を示した。
硫酸銅及び硫酸銅/硫黄の組み合わせ品は異なる処理操作を必要とした。銅は湿った質感を有するが、亜鉛化合物で見られるのと反対に、この水分は混合しても必ずしも供給物に移動しなかった。銅は供給物に混合される前に粉砕されたフレーク状(1/4”粒子)で受けられる。供給物オーガのフライト(flights)が結合するリスクを低減するために、送り量が低くされた。最終生成物では青い粒子が観察された。
硫酸鉄及び硫黄の組み合わせは供給物の活動性に影響を与えたが、生産量は硫黄がない鉄化合物が加えられた時により高くなった。これは図3のグラフに図示される。
モリブデン酸ナトリウム及びモリブデン酸ナトリウム/硫黄の組み合わせは0.05重量%と0.13重量%の2つの割合で扱われた。再循環がシステムに入ると、安定した状態が達成され、生成量が増加し、実施時間が通常の操作時間より約20分上回り、通常は除かれる粉塵でさえ圧迫する。これは、生成物のグラムでの生成量と試験間隔とを比較する図4のグラフによって図示される。
概して硫黄化合物はMOP供給材料に概してよく圧入され、フレークの生成量は硫黄を加えることによってわずかに概して増加された。
完成生成物は分解(風化破砕)、粉塵化(dusting)傾向、及び吸湿特性を含む3つの品質試験を受けた。亜鉛及び亜鉛/硫黄生成物は、標準MOP生成物と比べて、増加した破砕特性、増加した粉塵化、及び増加した吸湿を有する傾向があった。破砕及び粉塵値は、もし望まれるのであれば、結合剤及び代替の除塵処理油を使用してさらに減少され得る。
鉄及び鉄/硫酸塩生成物は吸湿試験の間に黒色になる傾向があり、硫化水素の強い臭気を放出した。概して、硫黄処理された生成物は同じ添加物を有する無硫黄生成物よりも明るい外見を有した。
風化及び調整破砕は図5に図示され、粉塵化の結果は図6に図示され、吸湿の結果は図7に図示される。全生成物の外見の比較は図8に含まれる。
吸湿試験は、試料の吸湿が急に増加する相対湿度として規定される試料の臨界相対湿度を決定する。生成物の臨界相対湿度が高いほど、生成物が吸収する水分は少なく、故に操作及び保管の間によりよい生成物完全性を維持する。具体的には、吸湿試験は、例えば24時間、48時間、及び72時間で、26%の相対湿度(RH)、40%のRH、60%のRH、72%のRH、76%のRH、80%のRH、85%のRH、及び100%のRHにさらされるときなどの、様々な湿度設定での様々な時点における生成物による吸湿量(増加した重量%)を規定する。
粉塵化の結果は、試料の分解特性を調べるのに使用される摩耗試験である除塵試験から得られる。生成物摩耗は、多くの鉄球とともにある期間にわたって生成物を転がす事によって生成される。浮遊粉塵が回転機から取り出され、重量を計測される。短期の除塵試験は40%のRHに24時間さらされた試料に実施され、一方で長期の除塵試験は26から72%のRHに24時間サイクルで7日さらされた試料に実施される。
例3
加国サスカッチェワン、エスターハージーのモザイクカリエスターハージーK1(これより“モザイクK1”又は“K1”)から供給されるMOP供給物は、2つの別のシステムで様々な微量栄養素と圧迫され、技術的な実施可能性を評価された。この例は第三者料金所(tolling)施設によって実施されるテストワーク(testwork)からの試験及び結果を実証する。MOPの化学分析は一般的に、96.25重量%のKCl、2.87重量%の塩化ナトリウム(NaCl)、300ppmのカルシウム(Ca)、300ppmのマグネシウム(Mg)、及び600ppmの硫酸塩(SO4)である。MOP供給物の全水分含有量は130℃で一般的に0.02重量%である。モザイクK1から供給されるMOP供給物は0-0-60%K2O生成物(N-P2O5-K2Oに関して表される)で、従来の坑内採鉱技術を使用して発生される。この工程から発生されるMOPは、坑内採鉱技術から生成されるMOPの固有の性質の赤色/ピンク色である。
K1微量栄養素(EM)試料(下記の表6)のこの生成に使用される微量栄養素はホウ素(無水ホウ砂Na2B4O7の形態で)、亜鉛(硫酸亜鉛一水和物ZnSO4・H2Oの形態で)、及びマンガン(硫酸マンガン一水和物MnSO4・H2Oの形態で)を含んだ。
以下の組成物が生成された(これより“EM生成物”)。
これらの生成物は同じプロセスフローシート(図1)を使用して発生された。MOP及び微量栄養素はバッチ混合ドラムで混合された。混合された生成物は次に加熱され、圧力回路に運搬された。圧縮回路はシヌソイダルフレークを生成する圧縮機、フレーク破砕機、砕解機、及び4x10タイラーメッシュ生成物をもたらす2デッキの振動ふるいを含んでいた。この回路で、大きすぎる及び小さすぎる粒子はさらなる処理のために再循環された。
圧縮方法において、1000psiのラム圧力が使用され、1000psiのラム圧力は圧縮される材料に加えられる約20,000psiに相当する。生成物生成量は29.3%から34.4%の範囲であった。微量栄養素生成物から生成パラメータへの悪い影響はなく、生成物は装置の問題なくよく流れた。
EM生成物の各々からの試料は外部の独立研究所によって微量栄養素(ホウ素、亜鉛、及びマンガン)含有量について分析された。無水ホウ砂、硫酸マンガン一水和物及び硫酸亜鉛一水和物は圧縮される顆粒に効果的に取り込まれる。
結果は表7に示される。
より小さな微量栄養素は粉塵と共に取り出される場合があるので、除塵システムにいくつかの調整が必要とされる場合がある。粒径分析を実施するためにEM生成物の各々がふるいにかけられた。下記の表8は基準値とともに製品流の各々のサイズガイドナンバー(SGN)及び均等性指数(UI)を示す。
基準生成物(微量栄養素が添加されていない)のSGN及びUIはそれぞれ292/280及び42/41であった。EM生成物のUIは基準値に似ているが、SGN値にいくらかの違いがある。EM生成物の平均SGNは279である。SGN及びUIを許容できる程度に維持することによって、発生する分離がより少なくなり、田畑における微量栄養素の分布を良くし、各植物への微量栄養素のアクセス性を上昇させる結果になる。
完成生成物は除塵油で処理され、品質ために初期の及び長期の粉塵化傾向試験にさらされた。粉塵率結果は下記の表9に示される。
これらの試験から、亜鉛のみの追加(EM-2)は基準値から粉塵値を向上させたが、本試験のサイクル期間の間により多くの水分を吸収し、生成物は実験工程の間に硬化していると視覚的にわかった。マンガンと亜鉛の組み合わせ(EM-3及びEM-4)はこのような吸湿性特性を示さなかった。そして、ホウ素の追加(EM-1)はより多くの粉塵を生成し(特に長期で)、残りの試料(全てマンガンを含む)は初期及び長期粉塵の両方に関して最も悪い結果を示した。しかし、いくつかの粉塵値は所望より高いが、もし望まれるのであれば、結合剤及び代替の除塵処理油を使用することで減少され得る。
例4
加国サスカッチェワン、エスターハージーのモザイクカリエスターハージーK1(これより“モザイクK1”又は“K1”)から供給されるMOP供給物は、2つの別のシステムで様々な微量栄養素と圧迫され、技術的な実施可能性を評価された。この例は第三者モザイクK1施設で実施されるプラント規模のテストワークの試験及び結果を実証する。再び、MOPの化学分析は一般的に、96.25重量%のKCl、2.87重量%の塩化ナトリウム(NaCl)、300ppmのカルシウム(Ca)、300ppmのマグネシウム(Mg)、及び600ppmの硫酸塩(SO4)である。MOP供給物の全水分含有量は一般的に130℃で0.02重量%である。モザイクK1から供給されるMOP供給物は0-0-60%K2O生成物(N-P2O5-K2Oに関して表される)で、従来の坑内採鉱技術を使用して発生される。この工程から発生されるMOPは、坑内採鉱技術から生成されるMOPの固有の性質の赤色/ピンク色である。
K1微量栄養素(EM)試料(下記の表6)のこの生成に使用される微量栄養素は亜鉛(硫酸亜鉛一水和物ZnSO4・H2O)、及びマンガン(硫酸マンガン一水和物MnSO4・H2Oの形態で)を含んだ。
以下の組成物が生成された(これより“EM生成物”)。
製造の間、2つの微量栄養素が容器から可変周波数駆動によって制御される2つの別のオーガに移送された。これらのオーガはスクリューコンベアに供給し、スクリューコンベアは2つの微量栄養素を予熱されたMOPと混合させ、混合物を圧縮システムに運搬した。圧縮回路はシヌソイダルフレークを生成する圧縮機、フレーク破砕機、粉砕機、及び4x8若しくは4x9のタイラーメッシュ生成物をもたらす2デッキの振動ふるいを有した。この回路において、大きすぎる及び小さすぎる顆粒はさらなる処理のために再循環された。この回路はまた4.5x8タイラーメッシュ生成物をもたらす完成/研磨ふるいを使用した。
EM-4の11個の試料は、外部の独立研究所によって微量栄養素(亜鉛及びマンガン)含有量について分析された。亜鉛及びマンガン微量栄養素は圧縮される顆粒に取り込まれることが分かった。
結果は表11に示される。
再び、加えられた微量栄養素の濃度及び最終生成物の濃度の間には差がある。微量栄養素は粉塵損失と共にシステムを抜け出すと考えられるので、除塵システムに追加の調整が施され得る。加えて又は代わりに、微量栄養素は対象の濃度が満たされるように繰り返し定式化される必要があり得る。
EM-4生成物の7個の試料が粒度分析のためにふるいにかけられた。下記の表12は基準値と共に製品流の各々のサイズガイドナンバー(SGN)及び均等性指数(UI)を示す。
基準生成物(微量栄養素が追加されない)の一般的なSGN及びUIはそれぞれ300及び50である。結果は、田畑における微量栄養素組成物の均一な分布を得るために混合又は直接適用に適する、適切な大きさの結合粒状粒子を示す。
完成したEM-4の9個の試料が、分解(破砕)と吸湿特性とを含む品質試験にさらされた。両試験の結果は下記の表13に見られる。
結果は、微量栄養素が各肥料粒子に取り込まれた後で、水分及び生成物破砕は著しく影響されないことを示す。
走査型電子顕微鏡及びエネルギー分散型X線分析装置
図9−12Bを参照すると、例4からの微量栄養素を含有する被結合粒子MOP EM肥料生成物の4つの試料が、独立の外部研究所で走査型電子顕微鏡(SEM)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDS)を実施された。試料は、個々の顆粒内にある対象の各要素の相対的割合及び配分を決定し、各被結合MOP+微量栄養素粒子と微量栄養素の均一な分布を確かにするために、分析された。これらの試料の1つは、次に再び破砕されスキャンされ、結果を粒状形態の同じ試料から得られるスキャンと比較した。各試料について画像が集められ、次にEDSによって分析されてまずスペクトル図を生み出した。スペクトル図はカリウム(K)、塩素(Cl)、ナトリウム(Na)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、硫黄(S)、及び酸素(O)の組成物の分布を特定し、次に各要素の視覚的マップをSEM画像に形成する。顕微鏡写真及びEDSスキャンは図9−12Bに示される。
量的な結果はEDSによって決定することはできないが、SEM画像のEDSスキャンは、要素の存在を決定することができ、試料内の要素の相対的割合についての見解を提供することができる。Zn2+状態の亜鉛(ZnSO4として加えられる)はより低いエネルギーの反応を放出し、これはNaから発生される反応と同じエネルギーレベルを示す。微量栄養素を含有する粒状MOPの試料はNa及びZn2+の両方を有すると想定されるので、どちらの要素がスペクトルのピーク値の原因であるかを決めることはできない。故にZn及びNaと表される全ての結果は、Zn及びNaの組成物として考慮されるべきである。
図9及び11A−Fを参照すると、全ての5つの試料が一貫した結果を示し、多量の予期せぬ要素がなく、全ての同様の成分を含んだ。図9及び11A−Fに図示されるEDS結果から、高い割合のK及びClが予想されることを示すことがわかる。前述のとおり、“Zn及びNa”と表される反応は共にZn及びNaの存在を示すと考慮されるべきである。しかし、Zn及びMnの両方が硫酸塩(SO4)の形態で加えられるので、Mnからの反応がないところでS及びOが存在する領域を見るために、O及びSのEDSマップ(図11F及び11G)がMnのEDSマップ(図11B)と比較され得る。この比較によって、これらの硫酸塩反応が硫酸亜鉛によることを推定するのが合理的である。
図11A−11Fのマップに示されるように、成分、特にZn及びMnの分布は大きさが約≦100μmのより集中した小さい領域のみでかなり均一である。同じ試料の破砕された及び粒状形態の値で一致があるので(図12A−12Bを参照)、成分の分布は試料全体で均等な傾向にあることが推測される。
スキャンの間に全体の試料の概観が完了し、試料の予備のセット(sub-sets)に見られる大きな沈着物がない(つまり完全な粒子である)ことが確認された。
SEM及びEDSスキャンからの結果は、微量栄養素を含有する粒状MOPの構成成分の分布及び相対的比率が、試料の間で均等且つ一定であることを確かにした。マンガン及び硫酸塩の分布は、優れた信頼性を伴うと確かめられ、亜鉛の分布を提示するのに使用され得る。各顆粒内の微量栄養素の均等な分布は、田畑における微量栄養素のより良い分布と、各植物への微量栄養素のより良い利用性をもたらす。
本発明は、その必須な特質から逸脱することなく他の特定の形態で具現化される場合がある。故に、例示の実施形態は全ての点において例示であり限定するものでないと考慮されるべきである。

Claims (20)

  1. 1つ以上の微量栄養素を含有する被結合MOP生成物であり、当該MOP生成物は被圧縮MOP組成物から形成され、該組成物は
    約99.999重量パーセントから約0.001重量パーセントの量の塩化カリウムと、
    約0.001重量パーセントから約99.999重量パーセントの量の少なくとも1つの微量栄養素成分とを含み、
    該少なくとも1つの微量栄養素成分の各々は化合物中で金属イオンとして有効であるMOP生成物。
  2. 当該MOP生成物は、前記被圧縮MOP組成物を粉砕及び分粒することで形成される複数の被結合MOP顆粒を含む、請求項1のMOP生成物。
  3. 前記少なくとも1つの微量栄養素成分は、前記被結合MOP顆粒の各々にわたって均等に分布され、それにより前記微量栄養素の均等な適用を栽培地にもたらし、圧縮されていない乾燥混合物と比べて、前記微量栄養素が栽培地における植物の根域により良くアクセスするのを促進するように適合する、請求項2のMOP生成物。
  4. 前記複数の被結合MOP顆粒は、材料の操作及び移送中若しくは顆粒のサイズ移行による分離を低減する又はなくすように、ほぼ均等な粒度分布を有する、請求項2のMOP生成物。
  5. 塩化カリウム源が、N-P2O5-K2Oの規定に基づいて、0-0-60重量パーセントのK2O又は0-0-62重量パーセントのK2Oの化学的分析を有するMOPを含む、請求項1のMOP生成物。
  6. 前記塩化カリウム源が、N-P2O5-K2Oの規定に基づいて、0-0-60重量パーセントのK2Oの化学的分析を有するMOPを含む、請求項5のMOP生成物。
  7. 前記塩化カリウム源が、N-P2O5-K2Oの規定に基づいて、0-0-62重量パーセントのK2Oの化学的分析を有するMOPを含む、請求項5のMOP生成物。
  8. 前記少なくとも1つの微量栄養素は、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、銅(Cu)、元素形態の硫黄(S)、酸化硫酸塩形態の硫黄(SO4)、及びその組み合わせを含む群から選定される、請求項1のMOP生成物。
  9. 前記1つ以上の微量栄養素は組成物内に約0.001から約10重量パーセントの範囲で存在する、請求項1のMOP生成物。
  10. 前記組成物は結合剤をさらに含む、請求項1のMOP生成物。
  11. 前記結合剤は、ヘキサメタリン酸(SHMP)、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)、ピロリン酸カリウム(TKPP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、リン酸ニアンモニウム(DAP)、リン酸一アンモニウム(MAP)、粒状リン酸一アンモニウム(GMAP)、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、でんぷん、デキストラン、リグニンスルホン酸、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、又はそれらの組み合わせを含む群から選定される、請求項10のMOP生成物。
  12. 微量栄養素を含有する被結合MOP生成物を製造する方法であり、
    約99.999重量パーセントから約0.001重量パーセントの量の塩化カリウムと、約0.001重量パーセントから約99.999重量パーセントの量の、各々が化合物中で金属イオンとして有効である少なくとも1つの微量栄養素とを含有するMOP組成物を供給すること、
    該MOP組成物を圧縮して被圧縮MOP組成物を形成すること、及び、
    前記MOP組成物を顆粒に粉砕して被結合MOP生成物を生成することを含む方法。
  13. 前記被結合MOP生成物の顆粒を大きさで分類することをさらに含む、請求項12の方法。
  14. 前記顆粒の粒度分布はほぼ均等で、一致しない顆粒は一致するまで大きさを変えられる、請求項13の方法。
  15. 前記少なくとも1つの微量栄養素は、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、元素形態の硫黄(S)、酸化硫酸塩形態の硫黄(SO4)、及びそれらの組み合わせを含む群から選定される、請求項12のMOP生成物。
  16. 前記MOP組成物を供給することは、前記複数の微量栄養素を塩化カリウムに供給することを含み、前記微量栄養素の各々は別々に加えられて圧縮前に混合される、請求項12の方法。
  17. 前記MOP組成物を供給することは、前記複数の微量栄養素を塩化カリウムに供給することを含み、前記微量栄養素は塩化カリウムに加える前にまとめて混合される、請求項12の方法。
  18. 圧縮より前に結合剤を前記MOP組成物に加えることをさらに含む、請求項12の方法。
  19. 前記結合剤は、ヘキサメタリン酸(SHMP)、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)、ピロリン酸カリウム(TKPP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、リン酸ニアンモニウム(DAP)、リン酸一アンモニウム(MAP)、粒状リン酸一アンモニウム(GMAP)、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、でんぷん、デキストラン、リグニンスルホン酸、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、又はそれらの組み合わせを含む群から選定される、請求項18のMOP生成物。
  20. 前記1つ以上の微量栄養素は前記組成物内に約0.001から約10重量パーセントの範囲で存在する、請求項12の方法。
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