JP2014524256A - 亜硝酸の還元による亜酸化窒素の生成及びリン回収を含むガス状亜酸化窒素の化学反応が含まれる微生物による亜酸化窒素の生成 - Google Patents
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Abstract
【課題】改良された窒素除去法を提供する。
【解決手段】金属製リアクタ装置に流体連通されたバイオリアクタを用いて、廃液中の有機窒素及び/または反応性窒素からN2Oを生成する方法を提供する。金属製リアクタ装置内では、N2Oが気相化学反応(例えば触媒分解)で消費され、酸素ガス及び窒素ガスを発生させる。発熱反応で生じた熱は、発電に用いることができる。あるいは、N2Oを燃焼反応(例えばメタンの燃焼)における酸化剤または共酸化剤として用いてもよい。
【選択図】図17B
【解決手段】金属製リアクタ装置に流体連通されたバイオリアクタを用いて、廃液中の有機窒素及び/または反応性窒素からN2Oを生成する方法を提供する。金属製リアクタ装置内では、N2Oが気相化学反応(例えば触媒分解)で消費され、酸素ガス及び窒素ガスを発生させる。発熱反応で生じた熱は、発電に用いることができる。あるいは、N2Oを燃焼反応(例えばメタンの燃焼)における酸化剤または共酸化剤として用いてもよい。
【選択図】図17B
Description
本発明は、全体として、バイオリアクタを用いて廃液から窒素化合物を除去する装置及び方法に関し、より詳細には、バイオリアクタを、該バイオリアクタから得られた亜酸化窒素を反応させる金属製の装置に流体連通することに関する。
亜酸化窒素(N2O)は、地球温暖化係数(GWP)が310、すなわち温室効果をもたらす程度がCO2の310倍であり、非常に強力な温室効果ガス(GHG)である。IPCCによって世界的に公表されている様々な排出シナリオのモデルによれば、N2O生成量が21世紀を通じて増加し続けることが示唆されている。このようにN2O量が増加すれば、その影響で、大気が保持する熱の量も著しく増加するであろう。
N2Oに加えて、他の形態の反応性窒素も、環境にとって大きな脅威となる。ハーバー法による窒素循環の人為的改変、集中的な作物栽培、そして化石燃料の使用により、陸上生態系の窒素循環における窒素の割合がほぼ倍増した。この人為的起源の窒素の自然体系への蓄積により、様々な環境問題及び公衆衛生問題、例えば、水生生物に対するアンモニアの毒性、栄養塩濃度が低い自然水域の富栄養化、酸素欠乏、及び海洋の海浜域・沿岸域における広大なデッドゾーン(酸欠海域)などが発生した。それゆえ、N2Oを減らす取り組みを、自然環境に取り込まれる反応性窒素を制御するストラテジーによって達成しなければならないことは明らかである。
廃水処理の従来の目的は、廃液中の窒素化合物を完全にN2ガスに変換することである。これは、窒素を酸化して硝酸イオンにし、その後硝酸イオンを還元してN2にすることによって達成される。N2Oガスは、意図的に生成されるわけではないが、多くの場合、低レベルであるがそれにもかかわらず温室効果ガス排出に関して問題のあるレベルで偶発的に発生する。環境に対して悪影響を及ぼすため、研究者がN2O生成速度の最大化を試みることはなかった。逆に、研究者はむしろ、これらのプロセスにおいてN2O生成を最小限に抑えるかまたは減少させることに重点的に取り組んでいた。
生活廃水には有機物及び還元型窒素(有機N及びアンモニア)が含まれ、これらは、可溶性の微粒子の形態で、かつ比較的低濃度で存在する。生分解性有機物の場合、多くの場合、エネルギーは嫌気性細菌群及び古細菌群を用いてメタンとして回収される。これらの微生物は、廃有機物を酸化させ、電子及び水素をメタンガスとして放出する。メタン発酵用に設計されているバイオリアクタは、世界中で多く見られ、その用途は、単純な低速の家庭用から高性能な高速の産業用まで様々な規模のものがある。これらの嫌気性バイオリアクタの大部分は「消化装置」である。その理由は、これらの主要な設計目標が、処分されるバイオマスの還元及び安定化だからである。
バイオリアクタは、窒素除去にも用いられる。バイオリアクタの機能は、N排出の悪影響、すなわち、アンモニアの魚毒性、富栄養化、乳幼児に対する硝酸塩の害、及び溶存酸素欠乏などを防止するために、窒素循環における様々な段階を加速させることである。従来のシステムでは、窒素の処理は図3Aに示すように行われていた。アンモニアは、酸化されて硝酸イオンになる。これは、硝化と呼ばれる2段階プロセスであり、1モルのNにつき2モルのO2が必要とされる。この酸素は、エアレーション(曝気)によって加えられる。エアレーションは、廃水処理プラントの運転費の約半分を占めるプロセスである。アンモニアを酸化して亜硝酸イオンを生成するステップは、硝化反応の中での律速段階であり、2つの異なる微生物群、すなわち、アンモニア酸化細菌(AOB)及び新たに発見されたアンモニア酸化古細菌(AOA)によって触媒される。大部分の亜硝酸イオンは、その後、幾つかの異なる亜硝酸塩酸化細菌(NOB)群によって酸化されて硝酸イオンになるが、いくつかの条件下、特に低O2濃度下では、硝化菌脱窒と呼ばれる亜硝酸イオン還元プロセスにおいて、AOB(及び、場合によりAOA)はN2Oを排出する。亜硝酸イオン酸化で生じた硝酸態窒素をその後脱窒してN2にすることができる。この段階では、1モルのNにつき5モルの電子が必要とされる。従来のシステムでは、脱窒に必要な電子は有機物から得ていたので、メタン生成に振り向けることができる電子の数が少なくなっていた。脱窒はまた、処分される廃棄物系微生物バイオマスを大量に生成する。
過去10年間にわたって、欧州の研究所においてN除去分野におけるイノベーション(すなわち、SHARON、OLAND、アナモックス(anammox:嫌気性アンモニア酸化)細菌の使用、CANONプロセス)が起きていた。これらのイノベーションは、窒素循環を「短絡」させるために微生物生態学の新しい解釈を利用している。結果的に、必要なO2及び還元力が大幅に減った。一例として、図3BにCANONプロセス(Completely Autotrophic Nitrification Over Nitrite)を示す。このプロセスでは、NOBを選択するバイオリアクタ条件下でAOBによる部分アンモニウム酸化により亜硝酸イオンを生成するステップが、アナモックス細菌による嫌気性アンモニウム酸化によりN2を生成するステップと同時に行われる。アナモックス細菌は、亜硝酸イオン及びアンモニウムを、ヒドラジン中間体を経てN2ガスに変換するので、それによりN2O生成が回避されるように見える。原理的には、このプロセスは、酸素を62%減少させ、還元力を90%節約することができるが、アナモックス細菌は倍加時間が約10〜12日と増殖速度が遅いという問題がある。別のN除去イノベーションでは、エアレーションに投じられるエネルギーを減少させかつメタンとして回収されるエネルギーを増加させることによって、廃水処理のためのエネルギー収支を劇的に変えることができる。しかし、今のところ、廃窒素そのものから直接エネルギーを取り出すことができる窒素除去法は存在しない。
N2O生成を回避するかまたは少なくとも最小限に抑えるように設計された従来の廃水処理システムと対照的に、本発明の種々の実施形態では、バイオリアクタを金属製コンバータ装置に流体連通し、該装置内においてN2Oを気相化学反応で消費する。意外にも、バイオリアクタのN2O生成量は、少ないよりはむしろ多い方が望ましい。それゆえ、一態様において、窒素化合物を含む廃液流をバイオリアクタシステム内に供給し、バイオリアクタシステム内で処理して亜酸化窒素を生成し、その後、亜酸化窒素をガス流に形成する方法が提供される。その後、バイオリアクタシステムに流体連通された金属製の装置において、亜酸化窒素ガスを気相で化学的に反応させてエネルギーを生成する。例えば、ガス状の亜酸化窒素を化学的に分解することにより酸素ガス及び窒素ガスを生成することができ、あるいはガス状亜酸化窒素が燃焼反応における酸化剤であってもよい。N2O分解反応の最も特筆すべき特徴の1つは、反応生成物が、酸素1/3及び窒素2/3の混合物(酸素富化空気)並びにエネルギーであるという事実である。従って、N2Oは、申し分ないクリーンエネルギー生産物質である。
本発明のバイオリアクタシステムは、1段階または多段階の連続反応段階を有し得る。或る場合には、バイオリアクタシステムの第1段階は好気性(硝化)であり、バイオリアクタシステムの第2段階は、嫌気性段階と無酸素段階(部分脱窒)を繰り返す。嫌気性/無酸素段階は、嫌気性段階中に細胞内貯蔵物質(例えば、グリコーゲン、PHAまたはPHB)を生成しかつ無酸素段階中に内在炭素(endogenous carbon)の酸化による亜酸化窒素への部分脱窒を行う生物を選択する(すなわち、内在炭素の貯蔵及び亜酸化窒素への部分脱窒が可能なコマモナス属細菌を選択する)ステップを含み得る。
バイオリアクタシステム内での処理は、亜酸化窒素の還元による窒素ガスの生成を阻害するための阻害剤(N2O還元酵素)を用いて、例えば、アセチレン(C2H2)を用いて、同時に硝酸イオンまたは亜硝酸イオンの部分脱窒により亜酸化窒素を生成するステップを含み得る。
あるいは、バイオリアクタシステム内で窒素化合物を処理して亜酸化窒素を生成するステップは、電子供与体として有機物を用いて、例えば、酢酸塩、揮発性脂肪酸、あるいはポリヒドロキシアルカン酸(PHA)またはポリヒドロキシ酪酸(PHB)グラニュール(例えば、コマモナス属細菌)を用いて、亜硝酸イオンまたは硝酸イオンの微生物還元により亜酸化窒素を生成するステップを含み得る。
いくつかの実施形態では、バイオリアクタシステム内で窒素化合物を処理して亜酸化窒素を生成するステップは、独立栄養脱窒が可能な独立栄養生物、例えば、脱窒中に電子供与体として水素またはアンモニアを利用する生物を用いて、亜硝酸イオンまたは硝酸イオンの微生物還元により亜酸化窒素を生成するステップを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、生物がN2Oを生成し得る主要メカニズムが、PHB(ポリヒドロキシ酪酸)の取り込み及びそれに続く細胞内での酸化を介しているという発見をうまく利用する。これは、生物が高レベルのN2Oを生成し得るメカニズムを提供し、本発明の技術を用いてリン(価値のある重要な栄養素)を回収するための手段を提供する。具体的には、本発明のそのような実施形態において、従属栄養脱窒は、PHAを含む内在炭素の取り込み及び酸化を介して、脱窒によりN2Oを生成するステップを含む。
本方法は、嫌気性段階と、リン酸をポリリン酸の形態で細胞バイオマスに取り込む無酸素段階とを繰り返すことによって、バイオリアクタシステム内で窒素化合物を処理して亜酸化窒素を生成するステップを含み得る。本方法はまた、細胞バイオマスからリンをポリリン酸として回収するステップを含み得る。
全体的な概要/フローチャート
本発明の好適実施形態の概要を図1のフローチャートに示す。ステップ100では、廃液に含まれる窒素化合物をバイオリアクタシステム内で処理し、亜酸化窒素を生成する。任意選択で、ステップ102において、バイオリアクタからの流出液中に溶解している亜酸化窒素生成物を分離することにより、気相亜酸化窒素生成物の量を増加させる。ステップ104では、バイオリアクタシステムに流体連通された金属製の装置を用いて亜酸化窒素を気相で化学的に反応させる。1つの構成では、ガス状の亜酸化窒素を化学的に分解して酸素ガス及び窒素ガスを生成する。この場合、ステップ106において、酸素を任意選択でバイオリアクタに返送してもよい。あるいは、ガス状の亜酸化窒素は燃焼反応における酸化剤であってもよいが、その場合には酸素は返送されない。
図2は、本発明の一実施形態に従う互いに流体連通されたバイオリアクタ−触媒コンバータシステムの概略図である。本システムは、廃窒素を熱発電用のN2O及びエアレーション用の空気に変換し、廃水中の可溶性及び反応性窒素種を除去するための低コスト経路を可能にし、強力な温室効果ガスであるN2Oの排出を回避し、廃液処理の酸素要求量の一部を相殺する酸素を生成する。本システムは、バイオリアクタ200と、それに流体連通された触媒コンバータ装置202とを含む。バイオリアクタ200からの気相N2O生成物をコンバータ202に供給する。さらに、バイオリアクタ200からの流出液中に溶解しているN2Oをセパレータ204に通過させて溶存N2Oを抽出することにより気相N2Oの増加をもたらし、それをコンバータ202に送る。コンバータ202内では、N2Oの触媒分解が起こり、窒素ガス及び酸素ガスが発生する。酸素ガスは、バイオリアクタ200に返送され、その好気性段階で使用することができる。加えて、コンバータ202内での分解反応から得られた熱エネルギーは、発電に用いることができる。
図9A〜図9Cは、本発明の幾つかの実施形態に従う3つの互いに異なるバイオリアクタ−触媒コンバータシステムを示す概略図である。図9Aに示されているように、廃液流900が、第1の、部分硝化のために低溶存酸素で作動する好気性リアクタ902内に送り込まれる。結果として生じた流出液は、第2の、硝化菌脱窒のための無酸素リアクタ904内に送り込まれ、溶存N2Oを含む流出液が得られる。ガスストリッパ906では、N2キャリアガスを用いて、流出水からN2Oが除去される。次にN2キャリアガスを分子篩908に通過させて気相N2Oを除去し、N2をガスストリッパ906に戻してリサイクルする。その後、N2Oガスは触媒分解セル910内で分解され、N2、O2、及びエネルギーが生成される。図9Bは、図9Aと同様に、廃液培地950が、互いに流体連通された分散バイオリアクタ952及び954を通って供給される実施形態を示している。第2のリアクタ954からのN2Oガスが触媒分解セル956に供給され、N2、O2、及びエネルギーを生成する。第2のステージリアクタ954からの流出液を限外ろ過膜モジュール958に通過させて、当該流出液を低N流出液と濃縮された生物流出液とに分離し、後者の一部を第1のステージリアクタ952に戻してリサイクルする。図9Cに示す実施形態では、廃液流980を、下方の有酸素領域及び上方の無酸素領域を有するリアクタ982を形成する付着増殖バイオリアクタに流入させ、リアクタ982の上部でN2Oを回収し、その後触媒分解セル984に供給する。リサイクル回路が、有酸素領域と無酸素領域の間のリアクタ982の中間部から流出液を取り出し、それを再循環させてリアクタの底部入口に戻し、飽和溶存酸素ストック溶液986及びアンモニウムストック988を加える。上記のデザインは、注意深く制御された低いレベルで供給された溶存酸素及び合成廃水の供給を用いて、温度及びpHを制御する機能を備えていることが好ましい。
窒素源/利用範囲
バイオリアクタに入ってそこで処理される窒素化合物は、廃水、農業廃棄物、肥沃な農耕用土壌、または埋立地浸出水中によく見られるような、有機窒素及び/または反応性窒素(例えばアンモニウム)を含み得る。窒素化合物は、ディーゼル燃料またはエタノール、炭化水素燃料のバイオマス生成物から生じたものであってもよい。
バイオリアクタの設計、生物、段階及び反応
好適実施形態では、バイオリアクタシステムは、亜酸化窒素の生成を増進するかまたは最大にするように設計される。本発明に従うバイオリアクタは、N2O生成を最小限に抑えかつN2生成を最大にするシステムを設計することに常に関心が寄せられていた従来のデザインとは異なっている。対照的に、本発明の種々の実施形態では、N2Oの生成は、N2の生成ではなく、硝化菌脱窒または従属栄養脱窒のためのエンドポイントである。このことは有利である。というのも、N2と違って、N2Oは、熱分解されてO2及び熱を放出することができるためである。
バイオリアクタシステム内での処理は、硝化及び部分脱窒、または硝化菌脱窒を含むことが好ましい。一実施形態では、バイオリアクタは、低い溶存酸素レベルでアンモニウムの独立栄養硝化−脱窒により亜酸化窒素を生成するように設計される。バイオリアクタシステムは、1段階または多段階の反応段階を有し得る。図2に示した実施形態では、バイオリアクタシステムの第1段階206は好気性であり、バイオリアクタシステムの第2段階208は無酸素である。様々な実現例において、バイオリアクタシステムの第2段階では、溶存酸素レベル酸素飽和度20%以下または酸素飽和度3%以下になるようにエアレーションを行ってもよいし、あるいはバイオリアクタシステムの第2段階が嫌気性であってもよい。
図4は、一実施形態に従ってN2O分解とともに好気性硝化−脱窒に関与するエネルギー反応及び生物を示している。これらの経路及び生物をバイオリアクタ内で利用することによりN2O生成を最大にすることが好ましい。本プロセスは、図3Cにも示されている。地元の廃水処理プラントからAOB富化培養物を直接得ることができ、実験室規模のバイオリアクタシステムにおいて、N2Oを生成することと、N2Oを還元してN2を生成するのに必要な遺伝子が欠けていることとが分かっている他のAOBを含むAOA及びAOBの他の富化培養物を純粋でかつ混合された培養物内で成長させることができる。そのような生物の例として、最近配列決定されたニトロソモナス‐ユウロペアが挙げられる。より一般的には、本発明のバイオリアクタは、独立栄養微生物の群落、例えば硝化菌脱窒が可能なもの、アンモニア酸化細菌(AOB)及び/またはアンモニア酸化古細菌(AOA)を用いることができる。他の実施形態では、バイオリアクタは、従属栄養脱窒微生物の群落を単独で、または独立栄養微生物の群落とともに用いることができる。
連続バッチ式リアクタ及び付着増殖流動層リアクタを含め、バイオリアクタシステムのための複数のデザインを用いることができる。一実施形態では、2つの分散型増殖ケモスタットリアクタが、直列で運転され、温度及びpH制御機能を備えている。図2に示したように、第1のケモスタット206は部分硝化(すなわち、NO2 −生成)のために運転されるが、下流のリアクタ208は硝化菌脱窒を経てN2Oの生成を最大にするように最適化される。バイオリアクタデザインの詳細は、反応化学量論及びエネルギー論をケモスタット物質収支及び経験的運動係数と一体化させるバイオリアクタシステムのモデルから決定することができる。
例えば、そのようなモデルを用いて行ったシミュレーションに基づいて、最初に、実験室規模のシステム内の第1のケモスタットに嫌気性消化装置の浮遊物または産業廃水を代表する高アンモニウム合成廃水の供給を提供することができる。NOBを選択するために、このリアクタ内で低レベル(〜1mg/L)の溶存酸素(DO)を維持することができる。O2の運搬は、中空繊維膜を通じて運ばれる加圧O2を用いて達成することができる。第2のリアクタ内における最適な窒素除去は、第1のリアクタからの流出液中のNO2:NH4 +の比約2を用いることができる。第1のリアクタ内での短くかつ厳しく制御された滞留時間(〜1.5日)は、上記モデルに基づいてこの比の選択を可能にすることになる。増殖速度が遅いアナモックス細菌を選択する一方でN2Oの生成量を最大にするために、下流のケモスタットは、モデルシミュレーションに基づいて、約5日間の滞留時間で、無酸素で運転される。このタイプのバイオリアクタシステムに関して評価されるべきプロセス変数には、各リアクタにおけるNH4 +負荷速度、温度(20〜35℃)、pH(6〜8)、DO、及び水理学的滞留時間が含まれる。群落構造のモニタリングは周期的なクローンライブラリを用いて行うことができ、末端標識制限酵素断片多型及び同遺伝子の存在量の日常的モニタリングは既知の方法を用いて行うことができる。NH4 +プローブによりNH4 +のレベルを、イオンクロマトグラフィーによって亜硝酸イオンを、それぞれモニタリングすることができる。ガス変位計を用いて、GC−ECD法によるガス組成のオフライン分析により、気相N2O生成をモニタリングすることができる。
図10Aは、本発明の或る実施形態に従う中空繊維膜バイオリアクタデザインの概略図である。廃水からのアンモニア除去は、中空繊維膜バイオリアクタにおいて「短絡」窒素(N)除去バイオプロセスによって達成される。中空繊維1000の一端にO2または空気を供給する。本プロセスは、中空繊維から出てアンモニア酸化細菌及び古細菌の混合群落から構成される周囲の生物膜に至るまでのO2の移動に依存している。バルク廃水(高NH4 +、低COD)は、硝化生物膜1002を通過する。バルク液体及び生物外膜が無酸素のままであり、亜硝酸塩酸化細菌が圧倒されるように、酸素は制限される。よって、NO2 −が最初に蓄積される。栓流運転では、中空繊維の下流部分及び周囲の生物膜はO2が少ない。硝化菌脱窒は、最終電子受容体として亜硝酸イオンを用いてさらなるアンモニア酸化を促進するので、N2Oが蓄積される。N2Oは、中空繊維のルーメンへ移動し、繊維から出た酸素に取って代わり、触媒分解のために捕獲される。リアクタ流出水(処理水)においては、高品質(低NH4)水が得られる。結果として生じた、膜壁に垂直な濃度プロフィールを図10Bに示す。このグラフは、図10Aに示した中空繊維膜バイオリアクタの軸に沿って長手方向距離に対して生成物及び反応物の濃度の変化を示している。
別の実施形態では、図11は、硝化及び硝化菌脱窒を同時に行う連続バッチ式リアクタ1100を示している。廃水からのアンモニア除去は、連続バッチ式リアクタ(SBR)内で、以下の2つの処理段階を繰り返す「短絡」窒素(N)除去バイオプロセスにより達成される。
I.嫌気性処理段階:部分硝化(図のように、アンモニアの微生物酸化による亜硝酸イオンの生成及びそれに付随する酸素の還元)が促進される。嫌気性処理段階は、自然起源のアンモニア酸化細菌(AOB)及びアンモニア酸化古細菌(AOA)の混合群落の活性に依存している。この段階では、低溶存酸素(DO)及び高温での運転を通じて亜硝酸塩酸化細菌(NOB)が選択されるので、硝酸の蓄積が防止される。この段階では、流入するアンモニアの約2/3が酸化されて亜硝酸になるように滞留時間が設計される。この部分硝化のための嫌気性処理段階では、NH4 ++1.502=>NO2+H2O+2H+。
II.低酸素処理段階:亜硝酸は通常は微生物アンモニア酸化の最終生成物であるが、一定の条件(とりわけ低DO)下では、少なくともいくつかのAOB(及び、場合によりAOA)が、最終電子受容体として亜硝酸を用いてN2Oを発生させることができる。実際には、「硝化菌脱窒」経路を経て亜硝酸を「吸入する」。SBR運転の段階IIは、この代謝をうまく利用することにより、残りの未酸化アンモニアからのN2O発生を促進し、それによってこの処理段階で蓄積された亜硝酸を還元する。エアレーションは、低いレベルにまで、理想的にはアンモニアの酸化によるヒドロキシルアミンの生成(NH3+0.5O2=NH2OH)を可能にする必要最低限まで、低下する。この後、続いて、ヒドロキシルアミンの酸化及び亜硝酸の還元による亜酸化窒素の生成(NH2OH+HNO2=N2O+2H2O)が同時に行われる。これらの低酸素状態を維持することにより、N2Oの最大生成が促進される。上記2つのリアクタ処理段階の後に、ガス分離ステップ及びN2Oの触媒分解が続く。SBRのための標準運転手順によって、バイオマス沈殿期間後にリアクタから高品質(低NH4 +)流出液が取り除かれる。この硝化菌脱窒のための無酸素処理段階では、NH4++2NO2+H+=>5/6 H2O+1.5N2O。
図12は、連続バッチ式リアクタ1200を用いた別の実施形態を示している。この実施形態では、嫌気性処理段階中には、グリコーゲン蓄積細菌(GAO)を選択し、PHB貯蔵ポリマーを生成する。好気性期間には、硝化及び脱窒が生じ、このとき、以下で図15を参照して詳細に説明するようにPHBポリマーが脱窒のための電子供与体の役割を果たす。
図13は、有機物が電子供与体の役割を果たす別の実施形態を示している。嫌気的に運転される第1のリアクタ1302では、気体形態及び溶存形態の両方のメタンが生成される。このリアクタからの流出液は第2のリアクタ1300内に流入し、そこで硝化及びメタン脱窒が起こり、N2O及びCH4ガスが発生する。部分脱窒が図14A〜図14Bに示す経路をたどる類似の実施形態において、電子供与体として他の有機物を用いることもできる。
10〜15mg/Lの流出メタン濃度が標準的であり、CH4/Lとして約40〜60mgのCODを構成する。典型的な下水の場合、このことは、全BODの20%もが溶存メタンとしてシステムから出ていく可能性があることを意味する。アンモニウム(NH4)も嫌気性リアクタの流出液の主成分である。この実施形態は、嫌気性リアクタの流出液から窒素及び可溶性有機炭素を除去するシステムを提供する。このデザインでは、低濃度の溶存酸素(DO)を維持するために第2のリアクタ1300が曝気される。NH4 +の微生物変換から得られた溶存ガス状生成物は、第2のリアクタからストリッピングされ、分解セル内で捕獲される。
第2のリアクタ1300は、複数の微生物プロセスを様々な代謝要件に結び付ける。1つの経路はメタン資化性生物の代謝に関与し、メタン資化性生物は、メタンを酸化して二酸化炭素(CO2)にすることによって、エネルギーを発生させる。
メタンの酸化における第1のステップは、メタンモノオキシゲナーゼ(mmo)酵素によって行われる。別の経路では、硝化を行うアンモニア酸化微生物の代謝が起こる。mmoに構造的に類似したタンパク質であるアンモニアモノオキシゲナーゼ(amo)酵素が、NH4 +の酸化における第1のステップを触媒する。一番下の経路は、脱窒に関与する。脱窒は、中間生成物として一酸化窒素(NO)及び亜酸化窒素(N2O)を用いて、硝酸(NO3)または亜硝酸(NO2)を還元してN2ガスにする微生物プロセスである。N2O(N2ではない)が代謝の最終生成物であるように、部分脱窒を行う脱窒生物(脱窒リアクタ内で数値的に優勢であり得る)もある。
メタン資化性、硝化及び脱窒微生物の代謝反応には、重複が存在する。例えば、2番目の経路は、メタン資化性生物によるNH4 +の可能な共代謝を説明している。mmo酵素は、基質特異性が寛容であるため、NH4 +及びその標的であるCH4を酸化することが分かっている。この共代謝変換の結果はヒドロキシルアミンであり、これは、亜硝酸還元と同時に行われるときに、N2O生成のための望ましい基質である。メチロトローフ(メタン資化性菌)は、NH4 +の酸化からエネルギーを取り出すことができない。
アンモニア酸化生物は、メタンを共代謝させることができる。このメタノールは、N2O生成のための部分脱窒のための潜在的電子源でもある。酸素制限条件下では、メタン資化性代謝の他の可溶性生成物、例えば酢酸などが生じることもあり、電子供与体として働き得る。要約して言えば、図13で説明したシステムは、溶存メタンの除去及びNH4 +からN2Oへの変換のために最適化されるべきである。
図15は、同時硝化脱窒(SND)のための超小型エアレーションバイオリアクタ1500を用いる別の実施形態を示している。図15は、単一リアクタ内で2つの異なる微生物プロセス(2つの異なる生物群を含む)が同時に起こる硝化−脱窒を示している。いくつかの他の実施形態では、アンモニアから亜酸化窒素への変換は、専らアンモニア酸化細菌(AOB)に依存している。対照的に、SNDリアクタは、同じ窒素変換を達成するが、独立栄養硝化生物及び従属栄養脱窒生物の両方を利用する。細胞貯蔵ポリマー(例えば、グリコーゲンまたはポリヒドロキシ酪酸)は、亜硝酸の部分脱窒によるN2Oの生成に必要な還元当量を提供する。SNDリアクタは、多くの運転形態の下で機能することができる。例えば、SNDは、運転条件が有酸素条件と無酸素条件との間でシフトする連続バッチ式リアクタ内で行うことができる。SNDは、バルクリアクタ液体に酸素が存在し続けているときに行うこともできる。リアクタ内の細菌は、凝集してフロックとなり、物質移動制限を導入することができる。微生物凝集塊内に形成される酸素濃度勾配は、エアレーションリアクタ内で脱窒生物のためのニッチ(適所)を作り出す。両プロセスの生成物として亜酸化窒素を生成することができる。
SNDは、リンの除去など他の栄養除去方法とうまく併用することができる。これらの併用プロセスでは、高レベルの部分脱窒(N2の代わりにN2Oの排出)が観察されるであろう。さらに、有酸素条件と無酸素条件を繰り返す動的プロセス制御下において、硝化及び脱窒リアクタ内で高レベルのN2Oを排出させることができる。そのような手順は、図12に示されている。
本願発明者は、生物がPHB(ポリヒドロキシ酪酸)の取り込み及びそれに続く細胞内での酸化を介してN2Oを生成し得ることを発見した。このことは、生物が高レベルのN2Oを生成しかつリン回収(廃水中の大切な栄養素)のための手段を提供することができるメカニズムを示唆しているので、極めて重大である。そのような生物学的リン除去(enhanced biological phosphorus removal:EBPR)技術では、PHAを含む内在炭素の取り込み及び酸化により、N2Oへの脱窒が起こる。この新たなEBPR技術は、亜硝酸を還元して亜酸化窒素にする従属栄養脱窒生物によって、または嫌気性処理段階と無酸素処理段階を繰り返すN2O生成バイオリアクタ内に存在する他の生物によって、リンを回収することができるという発見に基づいている。脱窒生物は、ポリリン酸(poly-P)(細胞に取り込まれかつ細胞内炭素源であるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)の酸化と関連しているリン含有グラニュール)を蓄積することが観察された。過渡的供給方式を含む運転モードでは、上記生物はPHAを蓄積し、亜硝酸を還元して亜酸化窒素にすることが観察された。この特定のメカニズムは、従来のEBPRプロセスにおいて亜硝酸を酸素と交換することによってN2Oの形態でエネルギーとしてリン及び窒素廃棄物を回収するための経路を提供する。EBPRを伴うこれらの実施形態は、廃水から窒素及びリンをともに除去し、さらに再生可能エネルギーを発生させることによって、長年にわたるニーズを満たす。これは、大量の化学薬品を必要としない持続可能な生物学的なリン回収方法を提供する。EBPRは、嫌気性段階と、リン酸をポリリン酸(poly-P)の形態で細胞バイオマスに取り込む好気性段階とを繰り返すことにより、リンを除去する。その後細胞が除去され、リンがpoly-Pとして回収される。従来のEBPRは廃水処理に酸素要求量を課し、窒素廃棄物を処理するための経路を与えない。本発明は、好気性段階を、亜硝酸を含む無酸素段階に変更することによって、EBPRを向上させることができる。この変更は、リンの回収、廃窒素の除去、窒素廃棄物からのエネルギーの回収を可能にし、エアレーションを減らすかまたは除くことによりEBPRのエネルギー要求量を低下させる。図17Aは、概略的な窒素処理を示している。ここで、第2、第3のステップにおいてそれぞれ窒素からリン回収(P回収)及びエネルギー回収が行われる。
図17Bは、EBPRを行う本発明の一実施形態を示す概略図である。窒素、有機物及びリンを含有する流入廃水(原水)を処理することにより、エネルギー及びリンを回収する。プロセスステップの詳細は以下の通りである。
1.微粒子有機物を嫌気的に消化することによりバイオガス(CH4及びCO2)を生成する。このバイオガスを燃焼させてエネルギーを回収することができる。
2.嫌気性消化装置遠心分離液から得られたアンモニアを酸化して亜硝酸を生成する。
3.リン酸蓄積脱窒生物が可溶性有機物(すなわち、揮発性脂肪酸、酢酸)を消費することにより、細胞内でポリリン酸(poly-P)をPHAに変換し、無機リン(Pi)を放出する。
4.PHAを酸化し、亜硝酸を亜酸化窒素に還元する。無機リンが細胞に取り込まれ、ポリリン酸に変換される。
5.溶液からストリッピングにより溶存亜酸化窒素を除去し、N2O分解及び/または燃焼からエネルギーを回収する。残りの可溶性アンモニアは、部分的に酸化して亜硝酸を生成し、再循環させて無酸素リン取り込み段階に戻し、還元して亜酸化窒素を生成する。
6.リサイクルした細胞のごく一部が浪費され、細胞内でリンがポリリン酸グラニュールとして回収される。
1.微粒子有機物を嫌気的に消化することによりバイオガス(CH4及びCO2)を生成する。このバイオガスを燃焼させてエネルギーを回収することができる。
2.嫌気性消化装置遠心分離液から得られたアンモニアを酸化して亜硝酸を生成する。
3.リン酸蓄積脱窒生物が可溶性有機物(すなわち、揮発性脂肪酸、酢酸)を消費することにより、細胞内でポリリン酸(poly-P)をPHAに変換し、無機リン(Pi)を放出する。
4.PHAを酸化し、亜硝酸を亜酸化窒素に還元する。無機リンが細胞に取り込まれ、ポリリン酸に変換される。
5.溶液からストリッピングにより溶存亜酸化窒素を除去し、N2O分解及び/または燃焼からエネルギーを回収する。残りの可溶性アンモニアは、部分的に酸化して亜硝酸を生成し、再循環させて無酸素リン取り込み段階に戻し、還元して亜酸化窒素を生成する。
6.リサイクルした細胞のごく一部が浪費され、細胞内でリンがポリリン酸グラニュールとして回収される。
細胞内リン蓄積を伴う亜硝酸の還元による亜酸化窒素の生成は、合成廃水の場合に、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)蓄積を伴い、亜硝酸から亜酸化窒素への部分脱窒を伴い、かつリン取り込みを伴って、亜硝酸から亜酸化窒素への転化率が62%であることを本願発明者は実験的に実証した。実際の嫌気性消化装置濾液を処理するバイオリアクタシステムにおいて、繰り返しサイクルによる亜硝酸から亜酸化窒素への転化率が80〜85%であることも、本願発明者は実証した。
本発明の種々の実施形態では、幾つかの異なる方法でNO2 −の部分無酸素還元によるN2Oの生成を行うことができる。1つの手法によれば、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)として貯蔵される化学的酸素要求量(COD)が、NO2 −の部分従属栄養還元によるN2Oの生成のための電子供与体として用いられる。部分従属栄養脱窒の場合、最初に廃液活性汚泥から得られた酢酸及び亜硝酸が供給された群落に様々な選択条件を課すことができる。実験では、酢酸及び亜硝酸を連続的に供給したときにはN2Oは検出されなかったが、酢酸及び亜硝酸をパルスとして(非連続的に)加えたときにはN2Oが生成された。酢酸及び亜硝酸を同時に加えたときには(同時供給)、N2O変換効率は9〜12%であったが、酢酸及び亜硝酸を別々に加えたときには、N2O変換効率は60〜65%であった。別々に基質を加えることは、微生物群であって、酢酸を加えた後の嫌気性期間中にポリヒドロキシ酪酸(PHB)を蓄積し、その後、それに続く無酸素期間中にPHBを消費し、NO2 −を還元する該微生物群のために選択されることが分かった。
この部分従属栄養脱窒手法は、以前に脱窒従属栄養生物によるN2O生成に関与していた諸因子、すなわち、(1)低COD/N、(2)高亜硝酸レベル、(3)過渡的供給方式(すなわち、豊富及び欠乏)、(4)低pH(すなわち、高濃度の遊離亜硝酸)、及び(5)低溶存酸素の再検討に基づく。総じて、N2Oへのより広範な変換は、(1)CODの利用が限られていること、(2)パルス式供給システムにおける内因性CODの酸化、または(3)高NO2 −レベルでのN2O還元の阻害と関連していた。
PHBを貯蔵する生物を選び出し、それを亜硝酸還元のための還元当量源として用いるために、別々に供給する方式を用いてもよい。水からの窒素除去効率は98%、NO2 −からN2Oへの変換効率は62%であり得る。
鉄
本発明のいくつかの実施形態では、リアクタは、気相及び水相において亜硝酸イオンを部分還元して亜酸化窒素(N2O)を生成する別のプロセスを用いる。一実施形態によれば、窒素化合物を処理して亜酸化窒素を生成するステップは、非生物的Fe(II)を介して亜硝酸塩を還元して亜酸化窒素及びFe(III)を生成するステップと、鉄還元細菌を用いてFe(III)からFe(II)を再生するステップとを含み得る。非生物的Fe(II)を介して亜硝酸イオンを還元してN2Oを生成するステップ。図16Aに示すように、ステップ1601でAOBアンモニア酸化が起こり、続いてステップ1602で非生物的亜酸化窒素ガス放出が起こる。ステップ1604では、残存亜酸化窒素が窒素ガスを用いてストリッピングされ、ステップ1602及び1604で得られた亜酸化窒素は、触媒分解リアクタ1606に供給され、そこで窒素ガス及び酸素ガスとともにエネルギーが生成される。窒素ガスはステップ1604に、酸素ガスはステップ1600にそれぞれ返送される。図16Bは、ステップ1600におけるAOBによるアンモニア酸化を示しているが、図16Cは、Fe(II)が亜硝酸イオンと反応してN2O及びFe(III)を生成するステップ1602を示している。鉄還元細菌、例えばジオバクターやメチロトローフなどは、酢酸やメタンなど炭素含有化合物の酸化をFe(III)の還元と同時に行い、それによってFe(II)を再生することができる。あるいは、プロセス投入物として廃Fe(II)を加えてもよい。FeCl2は、「廃酸洗液(spent pickle liquor)」と呼ばれる鉄鋼業の廃棄物であり、既に多くの廃水処理施設においてリン酸除去のために用いられている。
別の実施形態では、亜硝酸イオンを還元して亜酸化窒素(N2O)を生成するステップは、電子供与体として有機物を用いて、例えば、酢酸イオンまたはアルガリゲネス・フェカリス由来のポリヒドロキシアルカン酸グラニュールを用いて、亜硝酸イオンの微生物還元により亜酸化窒素を生成するステップを含み得る。この手法は、アルガリゲネス・フェカリス及び関連生物が電子供与体として酢酸イオンまたはポリヒドロキシアルカン酸グラニュールを用いて亜硝酸イオンを還元してN2Oにするの能力を利用する。
別の代替案として、バイオリアクタシステム内で窒素化合物を処理して亜酸化窒素を生成するステップは、アンモニウムを酸化して亜硝酸イオンを生成するステップ及びFe(II)を還元してFe(III)を生成するステップを同時に行うために、例えばフェアモックス(Feammox:鉄還元アンモニア酸化)細菌を用いて、アンモニアの微生物酸化及びFe(III)の還元を同時に行うステップと、それに続いてFe(II)を用いて非生物反応によって亜硝酸イオンから亜酸化窒素を生成するステップとを含み得る。この手法は、アンモニアの微生物酸化及びFe(III)の還元を同時に行うステップと、それに続いてFe(II)を用いて非生物反応によって亜硝酸イオンからN2Oを生成するステップとを含む。この手法により、有機物を酸化することなくN2Oを生成し、上流の嫌気プロセスにおいてメタンに変換され得る有機物を増加させることが可能になる。
鉄に関する上記2つの実施形態はまた、リンを鉄沈殿物(FePO4)として除去し、Fe(III)固体との収着または共沈によって金属除去を向上させるという利益をもたらし得る。これらの実施形態は、Fe(II)種が亜硝酸イオンと非生物的に反応することにより亜酸化窒素を生成するという事実をうまく利用する。同時に行われる第一鉄の酸化及び亜硝酸塩の還元により、第二鉄沈殿物が得られる。第二鉄の還元による第一鉄の生成を用いて、本システム内で鉄循環を確立し、外部からFe(II)を投入する必要性をなくすことができる。第二鉄/第一鉄循環を確立する1つの方法は、鉄還元生物を用いてFe(II)を再生する上記の実施形態である。これらの生物は、急速に成長し、非常に丈夫で、よく特徴付けられている。この構成では、一次処理で得られた可溶性COD流出物の一部を第二鉄の還元のための還元力として用いることができた。この構成は、(1)第二鉄の還元による第一鉄の生成と、それに続く(2)第一鉄の酸化及びそれに伴う亜硝酸イオンの還元による亜酸化窒素の生成との2段階サイクルでのバッチ運転を可能にすることになるであろう。上記の他の実施形態は、フェアモックス生物を用いてアンモニア酸化により第二鉄を還元することによって鉄循環を持続することもできる。さらに、第一鉄濃度が低いときに、通常のpH値及び反応物濃度において、アンモニア酸化を第二鉄還元と同時に行うことは、熱力学的に望ましい。このストラテジーは、より単純で、CODを使用しない;メタン生成のための追加CODを有効活用し、亜硝酸イオンから亜酸化窒素への変換を1段階で行うことを可能にする。
亜酸化窒素の分離及び濃度
バイオリアクタからの亜酸化窒素生成物は、金属製の装置内において気相で化学的に反応させる前に様々な方法で処理することができる。このタイプのバイオリアクタシステム内の高い流入NH4 +レベル下で、高蒸気圧のN2O(20℃で50.8atm)が、分解及び発電のためのN2Oを第2のケモスタットのヘッドスペースから直接回収することを可能にすると期待される。しかし、N2Oの水に対する溶解度は比較的高い(25℃、1atmで1.08g/l)ので、気相N2Oの割合を増加させるために、流出水からの溶存N2Oのほぼ完全な分離を促進するための分離メカニズム204を含めることが望ましいであろう。その結果として、本方法は、流出水に溶解した亜酸化窒素の一部をバイオリアクタから分離するためのセパレータ(204,図2)を用いて、亜酸化窒素生成物の気相の量を増加させることにより、生物学的に生成されたN2Oの、水相から含有気相への効率的な物質移動を提供するステップを含み得る。この目的を達成するために、様々な技術を用いることができる。例えば、図5Aに示すような小型のガスストリッピングカラム500を用いることができる。カラム500では、N2キャリアガス気泡502が、溶存N2O504を含む溶液に導入される。N2気泡502はこの溶液からN2O504をストリッピングし、その後、カラムの頂部からN2/N2Oガス混合物506が気泡として捕獲される。25℃において、分子篩によってN2キャリアガスから気相N2Oを分離することができ、N2ガスをリサイクルして戻すことによりストリッピングカラムの底部において新たな気泡を形成することができる。あるいは、図5Bの断面図に示されているように、第2のケモスタットリアクタからの真空分離を用いるセパレータを組み入れてもよい。真空の中央カラム510は、N2Oを選択的に透過させる透過性膜512を介して、溶存N2O516を含む流出液が入っている環状カラム514から分離されている。パーベーパレイションにより、溶存N2Oは、膜512を通過して中央カラム510に入るときに流出液から直接抽出される。
いくつかの実施形態では、ケミカルリアクタに流入する前にガス流中の気相亜酸化窒素の量を濃縮することが望ましいであろう。例えば、図6は、ガス流中のN2Oを濃縮するための装置の1つの可能な実現例を示している。この装置はチャンバ600を有し、チャンバ600は選択膜602によって上下のサブチャンバに分けられている。N2OとN2の混合物がポート604から上サブチャンバに流入し、ポート606から流出する。上サブチャンバ内のN2Oガスは、選択的に膜602を通過して下サブチャンバに入り、ポート608から流出し、高濃度のN2Oガス流を生成する。代わりに、様々な他の技術を用いてN2Oの濃縮を行うこともできる。
亜酸化窒素ガスの分解
好適実施形態では、バイオリアクタの出口条件で作動するように設計された金属製リアクタ装置内で、ガス状の亜酸化窒素を分解して窒素ガス及び酸素ガスを生成させる。分解は、様々な方法で、例えば、触媒的に、外部加熱装置によって熱的に、または発熱分解を通して行うことができる。この分解反応は、本発明の種々の実施形態においてN2Oを発生させるバイオリアクタシステムと併用した場合に、新たな再生可能エネルギー源を作り出し、分解反応の生成物が酸素濃度の高い空気であるので、このエネルギーの発生に伴う温室効果ガスの生成はゼロである。さらに、亜酸化窒素分解から得られたO2生成物をバイオリアクタシステムに戻してリサイクルし、アンモニアからN2Oを生成するのに必要な部分アンモニア酸化のための酸素要求量のかなりの割合を相殺することができる。
地球規模のN2O分解反応は、発熱反応である。反応:N2O→1/2 O2+N2+82kJのエネルギー図を図7に示す。この分解反応は、850℃を超える温度で相当な速度に達し、約250kJ/molの活性化エネルギーによって始まる。しかし、この活性化エネルギーは、ロジウムなどの金属触媒及び/または非常に低い濃度のメタンの存在下で、大幅に削減することができる。N2O中の少量の炭化水素または水素は、分解速度を大幅に増加させ得ることに留意されたい。適切に設計され、よく特徴付けられたシステムは、非常に少ない量のメタンとともに安全に作動する。さらに、非常に低いメタン濃度の存在は、N2O分解反応速度を著しく増加させる。
亜酸化窒素の分解が触媒的に行われる場合には、図8に示すように、例えば触媒担体で作られた球形粒子上に堆積させた触媒802を含むチャンバ800に、適切な高濃度のガス状の亜酸化窒素を含むガス流を流すことにより、亜酸化窒素の分解を行うことができる。反応が開始されたら、放出されたエネルギーを用いて触媒材料を高温に維持し、反応を持続させる。過剰なエネルギーは、例えばスターリングサイクル熱機関を用いて、発電用の熱として取り出すことができる。しかし、窒素の濃度が十分に高くない場合には、分解反応を持続させるために、触媒材料を外部から加熱する必要があるであろう。本発明の種々の実施形態において用いるのに適したN2O分解装置は、好適には、高温酸化環境における安定した連続運転の持続が可能であり、さらにハウジング壁の熱劣化を最小限に抑える。チャンバ800は、高温セラミック製または高温合金製のものであってよい。触媒802は、金属または金属酸化物、例えば、遷移金属または遷移金属酸化物などであってよい。触媒には、ロジウム、ロジウム酸化物、鉄または鉄酸化物が含まれる。触媒担体は、γ相酸化アルミニウム、ゼオライトまたは高表面積セラミックを含み得る。金属製リアクタ装置のいくつかの実施形態は、触媒床を予熱するための内蔵型セラミックグロープラグ、高温酸化抵抗のためのハステロイXチャンバ、及びセラミックイットリア安定化ジルコニア触媒後(aft catalyst)床担体を含み得る。種々の実施形態において、構造劣化を最小限に抑えて長い稼働寿命を確実なものにする高温耐熱耐火物セラミックス、例えばセラミックマトリックス複合材料(CMC)酸化アルミニウムなどを用いることができる。N2Oの分解反応速度を増加させ、非常に低い流速での分解の維持に資するように、非常に低い濃度のメタンを分解チャンバ内に注入してもよい。分解熱損失を最小限に抑えるために、例えば酸化アルミニウム層により装置チャンバの断熱を行うことができる。断熱材の熱伝導率をさらに低下させるために、複数のナノ層コーティングを用いてもよい。
一実施形態では、少量のN2OガスにN2ガスを例えばそれぞれ2%及び98%の割合で混合した混合気体を用いて、低濃度の触媒分解が行われる。例えばチャンバ800にヒートテープを巻き付けることによってチャンバ800は加熱され、球形粒子は、N2Oに対して大きくかつ高温の触媒表面積を示すように多孔性である。あるいは、非常に高い(例えば約90%)濃度の流入N2Oガスを用いて、ヒートテープまたは他の外部加熱装置を用いずに自動継続的な触媒分解を生じさせることもできる。
酸化剤または共酸化剤としての亜酸化窒素ガス燃焼
本発明のいくつかの実施形態では、亜酸化窒素を、金属製リアクタ装置内で分解するのではなく、代わりに、燃焼反応、例えばメタンまたは他の燃料の燃焼において酸化剤または共酸化剤として用いることができる。例えば、CH4+4N2O=>CO2+2H2O+N2+熱。
利点、廃水処理の例
本発明の種々の実施形態は、従前の方法よりも優れた点が多い。
1.この技術は、処理プラントで回収可能なメタンの量を3倍にすることができる。都市の下水の場合、これは、処理される廃水1リットル当たり最大約0.1Lのメタンガスであり得る。還元力のために廃有機物を用いる従来の窒素除去方法と対照的に、本発明の技術は、有機物の代わりにアンモニアを用いる。その結果として、さらに多くの有機物をメタン生成に利用できる。
2.硝化に用いられるO2量は、従来の方法が必要とする量よりも60%少ない。エアレーションは処理プラントの運転費用の約50%を占めるので、この還元は重要である。
3.従属栄養脱窒(多量のバイオマスを作り出すプロセス)がもはや必要ではないので、廃バイオマスは大幅に減少する。廃バイオマスの処分は、処理プラントで2番目に大きな運転費である。
4.デルフト大学(Delft University)で最近開発された公知のアナモックス技術は、アナモックス細菌を利用している。アナモックス細菌は成長が非常に遅い細菌であり、結果として、リアクタは起動が遅く、正常に機能しなくなった時に元の状態に戻すのに時間がかかる。対照的に、本発明の技術で用いる生物は、それよりも丈夫でかつ倍加時間も短い。
5.小型の亜硝酸分解リアクタは、廃水システムのコンパクトな分散操作によく適している。
6.温室効果ガスであるN2Oの排出量は、温室効果ガスであるメタンの生成及び捕獲工程などのように、経済的インセンティブを生むN2Oの生成及び捕獲工程を通じて減少させられる。
1.この技術は、処理プラントで回収可能なメタンの量を3倍にすることができる。都市の下水の場合、これは、処理される廃水1リットル当たり最大約0.1Lのメタンガスであり得る。還元力のために廃有機物を用いる従来の窒素除去方法と対照的に、本発明の技術は、有機物の代わりにアンモニアを用いる。その結果として、さらに多くの有機物をメタン生成に利用できる。
2.硝化に用いられるO2量は、従来の方法が必要とする量よりも60%少ない。エアレーションは処理プラントの運転費用の約50%を占めるので、この還元は重要である。
3.従属栄養脱窒(多量のバイオマスを作り出すプロセス)がもはや必要ではないので、廃バイオマスは大幅に減少する。廃バイオマスの処分は、処理プラントで2番目に大きな運転費である。
4.デルフト大学(Delft University)で最近開発された公知のアナモックス技術は、アナモックス細菌を利用している。アナモックス細菌は成長が非常に遅い細菌であり、結果として、リアクタは起動が遅く、正常に機能しなくなった時に元の状態に戻すのに時間がかかる。対照的に、本発明の技術で用いる生物は、それよりも丈夫でかつ倍加時間も短い。
5.小型の亜硝酸分解リアクタは、廃水システムのコンパクトな分散操作によく適している。
6.温室効果ガスであるN2Oの排出量は、温室効果ガスであるメタンの生成及び捕獲工程などのように、経済的インセンティブを生むN2Oの生成及び捕獲工程を通じて減少させられる。
本発明の種々の実施形態は、家庭用及び工業用の廃水処理及び埋立地浸出水中の窒素管理を劇的に変化させる可能性があり、さらには、バイオディーゼル、エタノール及び他の燃料のバイオマス生成に影響を与える可能性もある。これらのプロセスでは、窒素含有バイオマスから燃料を分離しなければならず、窒素含有バイオマスはその後廃棄物になる。廃窒素から亜酸化窒素への変換は、電力生産を可能にし、温室効果ガスの排出を回避し、他の有害な形態の窒素の排出を防止する。
本発明の利点を説明するために、この技術を実施するための潜在的エネルギー利益の例として、パロアルト水質管理プラント(Palo Alto Water Quality Control Plant)を考える。N2O生成を最大にするように処理プラントバイオリアクタを運転したとすれば、このプラントで1日当たりおよそ2000kgのN2Oを潜在的に生成することができる。このN2O生成速度(23g/秒)では、発電量は43kWになる。これを大局的に見ると、平均的な家庭の1日当たりの消費電力は約7kWhである。エネルギー変換効率を30%と仮定すれば、N2Oの分解により発電される43kWで、約40家庭に電力を供給することができる。この分解速度を達成するのに必要なリアクタは、今まで開発されたリアクタの3〜4倍の大きさでしかないであろう。これは、微生物プロセスを経て生成されるN2Oがパロアルトのものよりも10倍大きくなり得るサンノゼなどの廃水処理プラントにおいて、さらに大きなエネルギーの生成につながる。上記のエネルギー利益は、窒素の形で利用可能なエネルギーにのみ対処する。さらなるエネルギー利益は、このプロセスを炭素除去のためのメタン発酵と同時に行う場合には有機物を還元力の供給源として用いることを回避し、それによってメタンの生成量を増加させることができるという事実から得られるであろう。典型的な下水の場合、従来の廃水処理プロセスと比較して3倍多いメタンを生成し得る可能性がある。上記のエネルギー分析には、同時に行われる炭素除去のためのメタン発酵から得られる酸素の大幅な減少及び窒素除去のためのN2O生成/分解からもたらされる利益が含まれていない。大規模に行われると、この技術は、重要な再生可能エネルギー源であり得る。
Claims (11)
- 窒素除去方法であって、
(a)窒素化合物を含む廃水流をバイオリアクタシステム内に供給するステップと、
(b)前記バイオリアクタシステム内で前記窒素化合物を処理して亜酸化窒素を生成するステップと、
(c)前記生成された亜酸化窒素から亜酸化窒素ガス流を生成するステップと、
(d)前記バイオリアクタシステムに流体連通された金属製リアクタ装置内で前記亜酸化窒素ガス流を化学的に反応させるステップとを含み、
前記ステップ(b)における前記バイオリアクタシステム内での前記処理が、好気性処理段階である第1の処理段階と、嫌気性処理段階及び無酸素処理段階の繰り返しである第2の処理段階とを含み、
前記第2の処理段階が、嫌気性処理段階中に細胞内貯蔵物質を生成しかつ無酸素処理段階中に内在炭素の酸化によって引き起こされる部分脱窒による亜酸化窒素の生成を行う生物を選択するステップを含むことを特徴とする方法。 - 前記細胞内貯蔵物質が、グリコーゲン、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)またはポリヒドロキシ酪酸(PHB)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記生物が、内在炭素の貯蔵及び部分脱窒による亜酸化窒素の生成が可能なコマモナス属細菌であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 窒素除去方法であって、
(a)窒素化合物を含む廃液流をバイオリアクタシステム内に供給するステップと、
(b)前記バイオリアクタシステム内で前記窒素化合物を処理して亜酸化窒素を生成するステップと、
(c)前記生成された亜酸化窒素から亜酸化窒素ガス流を生成するステップと、
(d)前記バイオリアクタシステムに流体連通された金属製リアクタ装置内で前記亜酸化窒素ガス流を化学的に反応させるステップとを含み、
前記ステップ(b)が、亜酸化窒素の還元による窒素ガスの生成を阻害するための阻害剤(N2O還元酵素)を用いて、硝酸または亜硝酸の部分脱窒により亜酸化窒素を生成するステップを含むことを特徴とする方法。 - 前記阻害剤がアセチレン(C2H2)であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 窒素除去方法であって、
(a)窒素化合物を含む廃液流をバイオリアクタシステム内に供給するステップと、
(b)前記バイオリアクタシステム内で前記窒素化合物を処理して亜酸化窒素を生成するステップと、
(c)前記生成された亜酸化窒素から亜酸化窒素ガス流を生成するステップと、
(d)前記バイオリアクタシステムに流体連通された金属製リアクタ装置内で前記亜酸化窒素ガス流を化学的に反応させるステップとを含み、
前記ステップ(b)が、酢酸、揮発性脂肪酸、またはコマモナス属細菌由来のポリヒドロキシアルカン酸(PHA)若しくはポリヒドロキシ酪酸(PHB)グラニュール等の有機物を電子供与体として用いて、亜硝酸または硝酸の微生物還元により亜酸化窒素を生成するステップを含むことを特徴とする方法。 - 窒素除去方法であって、
(a)窒素化合物を含む廃液流をバイオリアクタシステム内に供給するステップと、
(b)前記バイオリアクタシステム内で前記窒素化合物を処理して亜酸化窒素を生成するステップと、
(c)前記生成された亜酸化窒素から亜酸化窒素ガス流を生成するステップと、
(d)前記バイオリアクタシステムに流体連通された金属製リアクタ装置内で前記亜酸化窒素ガス流を化学的に反応させるステップとを含み、
前記ステップ(b)が、独立栄養脱窒が可能な独立栄養生物を用いて、亜硝酸または硝酸の微生物還元により亜酸化窒素を生成するステップを含むことを特徴とする方法。 - 前記独立栄養生物が、脱窒中に電子供与体として水素を利用することを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 窒素除去方法であって、
(a)窒素化合物を含む廃液流をバイオリアクタシステム内に供給するステップと、
(b)前記バイオリアクタシステム内で前記窒素化合物を処理して亜酸化窒素を生成するステップと、
(c)前記生成された亜酸化窒素から亜酸化窒素ガス流を生成するステップと、
(d)前記バイオリアクタシステムに流体連通された金属製リアクタ装置内で前記亜酸化窒素ガス流を化学的に反応させるステップとを含み、
前記ステップ(b)が従属栄養脱窒を含み、該従属栄養脱窒が、PHAを含む内在炭素の取り込み及び酸化、またはメタンの酸化を介して、脱窒によりN2Oを生成するステップを含むことを特徴とする方法。 - 窒素除去方法であって、
(a)窒素化合物を含む廃液流をバイオリアクタシステム内に供給するステップと、
(b)前記バイオリアクタシステム内で前記窒素化合物を処理して亜酸化窒素を生成するステップと、
(c)前記生成された亜酸化窒素から亜酸化窒素ガス流を生成するステップと、
(d)前記バイオリアクタシステムに流体連通された金属製リアクタ装置内で前記亜酸化窒素ガス流を化学的に反応させるステップとを含み、
前記ステップ(b)が、嫌気性段階と、リン酸をポリリン酸の形態で細胞バイオマスに取り込む無酸素段階とを繰り返すステップを含むことを特徴とする方法。 - 前記細胞バイオマスからリンをポリリン酸として回収するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
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