JP2014522879A - 腎疾患の治療のためのカルジオトロフィン−1の使用 - Google Patents
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Abstract
Description
(i)カルジオトロフィン−1(CT−1)、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体、
(ii)CT−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、機能的に同等なCT−1変異体をコードするポリヌクレオチド、
(iii)(ii)のポリヌクレオチドを含むベクター、および
(iv)カルジオトロフィン−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体を培地に分泌することができる細胞
からなる群から選択されるものである化合物に関する。
− 腎排泄機能の低下を軽減して、クレアチニンクリアランスの減少を軽減すること(図4、図21および図28B);クレアチニン(図2、図14、図19および図28A)、尿素およびそれらの誘導体(図3および図20)などの代謝産物の血中蓄積を軽減すること;およびタンパク尿の出現を減少させること(図5および図22);
− 尿流の変化によって測定される多尿を軽減すること(図13および図23);
− 腎損傷の尿マーカー:N−アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)(図6および図25)、「腎障害分子1」(KIM−1)(図7)およびプラスミノーゲン活性化抑制因子1(PAI−1)(図7)によって測定される腎毒性を軽減すること;
− 腎毒性に関与する血管作用および糸球体作用から保護して、糸球体ろ過率(GFR)(図8)および腎血漿流量(RPF)(図9)の減少を防ぐこと;および腎血管抵抗(RVR)(図10)の増加を防ぐこと;
− 腎毒性薬剤によってもたらされる体重減少を軽減すること(図16);
− 組織学的研究で観察される腎組織損傷を軽減すること(図24、図32および図33);
− 虚血−再灌流によって引き起こされる酸化ストレスを緩和して、酸素フリーラジカルの生成を減少させること(図29);
− 炎症反応の活性化を軽減して、ミエロペルオキシダーゼ活性(MPO)を減少させること(図30)、炎症誘発性サイトカイン(TNFα、IL−1β、IFN−γ)の生成を減少させること、ならびに血漿中IL−6およびIL−10レベルの減少を防ぐこと(図31)。
第一の態様では、本発明は、急性腎障害の予防および/または治療に用いられりカルジオトロフィン−1活性(CT−1)を誘導する化合物であって、前記カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物が、
(i)カルジオトロフィン−1(CT−1)、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体、
(ii)CT−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、機能的に同等なCT−1変異体をコードするポリヌクレオチド、
(iii)(ii)のポリヌクレオチドを含むベクター、および
(iv)カルジオトロフィン−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有するその機能的に同等な変異体を培地に分泌することができる細胞
からなる群から選択されるものである化合物に関する。
(i)カルジオトロフィン−1(CT−1)、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体、
(ii)CT−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、機能的に同等なCT−1変異体をコードするポリヌクレオチド、
(iii)(ii)のポリヌクレオチドを含むベクター、および
(iv)カルジオトロフィン−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体を培地に分泌することができる細胞
からなる群から選択されるものである使用に関する。
(i)カルジオトロフィン−1(CT−1)、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体、
(ii)CT−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、機能的に同等なCT−1変異体をコードするポリヌクレオチド、
(iii)(ii)のポリヌクレオチドを含むベクター、および
(iv)カルジオトロフィン−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有するその機能的に同等な変異体を培地に分泌できる細胞
からなる群から選択されるものである方法に関する。
配列番号1
配列番号2
− 血清クレアチニンレベルを減少させて、クレアチニンクリアランスを増加させる能力。これらのパラメータを測定するのに適切な方法は、本発明の材料および方法のセクションに詳述されている。
− 尿素レベルおよびその誘導体を減少させる能力。これらのパラメータを測定するのに適切な方法は、本発明の材料および方法のセクションに詳述されている。
−タンパク尿を減少させる能力。このパラメータを測定するのに適切な方法は、本発明の材料および方法のセクションに詳述されている。
− 多尿を軽減する能力(これは、本発明の材料および方法のセクションに詳述されているように、尿流の変化によって測定できる)。
− 腎損傷の尿マーカー、例えばN−アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)(本発明の材料および方法のセクションに詳述されているように測定される)、または「腎障害分子1」(KIM−1)分子およびプラスミノーゲン活性化抑制因子1(PAI−1)(これは、本発明の材料および方法のセクションに示されているように、ウエスタンブロットによって測定できる)の生成を減少させる能力。
− 糸球体ろ過率(GFR)および腎血漿流量(RPF)を増加させる能力、および腎血管抵抗(RVR)を減少させる能力(これは、最先端の技術水準で説明されている方法、例えば本発明の材料および方法のセクションに示されているものによって測定できる)。
− 腎臓切片の組織学的研究によって測定される腎組織損傷を軽減する能力(これは、最先端の技術水準で説明されている方法、例えば本発明の材料および方法のセクションに示されているものによって測定できる)。
− 酸素フリーラジカルの生成を減少させる能力(これは、最先端の技術水準で説明されている方法、例えば本発明の材料および方法のセクションに示されているものによって測定できる)。
− ミエロペルオキシダーゼ活性(MPO)によって測定される炎症誘発性シグナル伝達経路の活性化を防止する能力(これは、本発明の材料および方法のセクションに詳述されている方法によって測定できる)。
− 炎症誘発性サイトカイン(TNFα、IL−1β、IFN−γ)の生成を減少させる能力、ならびに血漿IL−6およびIL−10レベルを増加させる能力(これは、本発明の材料および方法のセクションに詳述されている方法によって測定できる)。
a)血清クレアチニンレベルの増加(絶対値、>0.3mg/dL;パーセンテージ、>50%;または定常レベルに対して1.5倍の増加)、または
b)乏尿(6時間よりも長い間、<0.5mL/kg/時)
につながる少なくとも1つの腎機能変化が観察される場合に、AKFが発症すると考えられている。
− 尿細管損傷:急性尿細管壊死(ATN)は、虚血または毒性機序による腎尿細管の病変である。すなわち、それは、腎前性媒体(虚血)への長時間曝露、または毒素(腎毒素)による直接損傷の結果である。最も多い原因は虚血であり腎前性AKIの原因が長時間にわたって維持される場合に起こる。原因が腎毒素である場合、抗生物質(アミノグリコシド、セファロスポリン)、放射線造影剤、NSAID、麻酔薬、内因性毒素(横紋筋融解によるミオグロビン尿症、溶血によるヘモグロビン尿症、高尿酸血症、高カルシウム血症)が関与していることが最も多い。ATNの典型的な「自己限定性」進行は、血清クレアチニンレベルが急増し(損傷段階)、続いて安定化し(プラトー段階)、そして最終的には7〜21日間でこれらの測定値が減少する(回復段階)。このパターンは、尿細管細胞の損傷および死亡、それらの再生、および腎尿細管機能の回復と相関している。しかしながら、血清クレアチニンレベルの変動は多くの変動要因に依存するので、すべてのATN症例には存在しない。最も広範に使用されているATNの実験モデルは、アミノグリコシドまたはシスプラチンなどの腎毒性薬物をラットに投与するか、または硝酸ウラニルなどの化合物を投与することである(Lopez−Novoa JM,et al.Kidney Int.2011;79:33−45)。
− 間質損傷:急性間質性腎炎(AIN)は、発熱、発疹、白血球増加症および好酸球増加症に関する腎機能の低下によって引き起こされる。急性間質性腎炎は、典型的には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、抗生物質、利尿薬などの薬物によって誘発されるが、いくつかの感染症(レジオネラ、レプトスピラ、サイトメガロウイルス、カンジダ)および新生物障害もこの症状に関連している。最も広範に使用されている実験モデルは、NSAID(インドメタシン)をラットに投与することである(Varghese J,et al.Eur J Pharmacol.2009;614:114−121)。
− 糸球体損傷:赤血球、タンパク尿またはその両方の存在は、糸球体疾患の存在を示唆している。血尿、赤血球の存在、高血圧および中程度のタンパク尿は、腎炎のプロセスを示唆している(すなわち、急性糸球体腎炎)。糸球体損傷のその他の原因は、悪性高血圧症、血管炎、溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、妊娠中毒症および強皮症である。最も広範に研究されている急性糸球体腎炎の実験モデルは、抗Thy抗体(メサンギウム増殖性腎炎)またはアドリアマイシンをラットに投与することである。
− 血管損傷:血管障害に続発する急性腎障害は、診断が困難であり得る。この種類の損傷の原因は、動脈硬化性プラーク、血栓症または塞栓症による腎動脈閉塞;および、血栓症または圧迫による腎静脈閉塞である。この種類の損傷の周知の実験モデルはない。
本発明者らは、腎毒性薬剤によってもたらされる腎障害を、カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物の投与によって和らげ得ることを実証した。
(i)カルジオトロフィン−1(CT−1)、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体、
(ii)CT−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、機能的に同等なCT−1変異体をコードするポリヌクレオチド、
(iii)(ii)のポリヌクレオチドを含むベクター、および
(iv)カルジオトロフィン−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体を培地に分泌することができる細胞
材料および方法
試薬および化学物質
マウス抗カルジオトロフィン−1抗体および免疫前ヤギIgGコントロールは、Digna−Biotech(Pamplona,Spain)によって提供されているものおよびR&D Systems(Minneapolis,MN)によって作製されたものであった。両薬物を0.9%生理食塩溶液に溶解させて、最終濃度5μg/mlとした。麻酔については、ケタミン(Ketolar,Pfizer)、ベンゾジアゼピン(Valium,Roche)およびアトロピン(Atropina,Braun)を2:2:1の割合で混合したものを使用した。術後期のために、0.3mg/mlブプレノルフィン(Buprex,Schering−Plough)を購入した。
雄性野生型C57BL/6マウス(Charles River Laboratories S.L.,UK)は、術前術後において、標準的な動物飼養条件下で飼育し、標準的なマウス飼料を与え、水を自由に与えた。I/R障害の誘発は、以前に記載されているプロトコル(Docherty,N.G.et al.2006.Nephrol.Dial.Transplant.(8):2106−19)を使用して行った。選択した虚血時間および転帰は、これらの動物の死亡率を最小限に抑えながら腎機能障害の再現性を最大にする知見に基づくものであった(Chatterjee P.K.et al.2003.Kidney Int.63:853−865)。
60mg/kg体重の用量で麻酔混合物(ケタミン−ベンゾジアゼピン−アトロピン)の腹腔内注射を使用して、動物を麻酔した;恒温ブランケットを使用して、中核体温を37℃に維持した。その後、正中線開腹術を実施した。I/R群のマウスを30分間腎虚血させた。この目的のために、左腎の腎動脈および腎静脈を特定し、微小血管用クランプを使用してクランピングした。虚血期間の終了5分前に、右腎を取り出した(右片側腎摘出)。腎臓のクランプを取り除いた後に、左腎をさらに5分間観察して再潅流を確認し、次いで37℃の生理食塩溶液1mlを腹部に注射した。最後に、vicryl3−0を使用して連続縫合により、切り口を二重に縫合した。虚血期間の15分前に、抗CT−1抗体またはヤギ免疫前IgGを前治療動物群に陰茎静脈により静脈内投与した。微小血管用クランプを適用しなかった以外はI/Rマウスと同じ外科手術を受けた偽手術マウスを、コントロールとして使用した(Rodriguez−Pena,A.et al.2004.Am.J.Transplant,4(10):1605−1613;Garcia−Criado,F.J.et al.1998.Transplantion,66(8):982−990)。
術後にマウスをケージに戻し、そこで麻酔から覚醒させ、24時間観察した。0.01mg/kg体重の用量でブプレノルフィンを皮下注射することによって、術後鎮痛を達成した(Aller,M.A.et al.2009.Liver Int.29(8):1132−40)。動物は、水およびマウス飼料を自由に利用できた。研究の間、体重および身体活動をモニタリングした。
腎機能を試験するために、以前に記載されているように(Morales,A.I.et al.2006.Toxicol.Appl.Pharmacol.210:128−135)、血液試料を採取した。外科手術の開始および虚血の24時間後の両方の時点で、ヘパリン毛細管(約200μl)を使用して、尾端からそれらを採取した。血液の遠心分離後、血漿と細胞の境界付近で毛細管に傷をつけて血漿の抽出を進め、さらなる分析のためにこれをエッペンドルフチューブ中に−20℃で保存した。
公開されている予備データ(Jerkic,M.et al.2004.Nephrol.Dial.Transplant,19:83−94;Morales,A.I.et al.2002.Antiox.Redox Signal,4:893−898)に基づいて、本発明者らは、この外科手術が可逆性の急性腎損傷を誘発し、正常な機能が7日後に回復することを観察した。本発明者らは、24時間から48時間までの間に損傷が最大になることを一貫して見出したので、I−R48時間後に腎臓試料を得ることを選択した。
腎機能不全の指標として、市販の診断キット(Roche Farma,Spain)による自動法(Reflotron Plus(登録商標);Roche Diagnostics,Barcelona,Spain)を使用して、血漿試料中の尿素濃度についての生化学的測定を実施した(Grande,M.T.et al.2010.Kidney Int.,77(6):509−518)。
以前に記載されているように(Rodriguez−Pena,A.et al.2002.Hypertension,40(5):713−20)、脂質過酸化の指標として、TBARs分析を使用して腎臓試料中のマロンジアルデヒド(MDA)レベルを測定した。リン酸塩/塩化ナトリウム溶液中で、組織をホモジナイズした。20%トリクロロ酢酸および0.67%チオバルビツール酸を含有していた反応混合物に、一定分量のホモジネートを追加した。次いで、この混合物を100℃で15分間煮沸し、9,000gで5分間遠心分離した。532nmの分光光度測定によって、上清中の吸光度を測定した。
多形核細胞(PMN)の蓄積を指標として、製造業者の説明書およびガイドライン(Hycult Biotech,The Netherlands)にしたがって前述のマウス酵素に特異的な酵素結合免疫吸着測定(ELISA)キットを使用して、腎臓試料中のミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性を測定した。腎臓ホモジネート試料中のMPO濃度をng/mgタンパク質として表した。
製造業者の説明書およびガイドライン(R&D Systems,Minneapolis,MN)にしたがって前述のマウスサイトカインに特異的な酵素結合免疫吸着測定(ELISA)キットを使用して、血清TNF−αレベルを定量した。血漿中TNF−α濃度をpg/mlとして表した。
腎組織からの抽出物を調製し、標準的なプロトコルにしたがってウエスタンブロットによって分析した(Suzuki,Y.et al.2012.Biotech.Histochem.,87(4):241−8)。簡潔に言えば、100μgのタンパク質を含有していた抽出試料を10%SDS−PAGEゲル電気泳動によって分離し、PVDF膜に転写した。5%BSAでブロッキングした後、抗CT−1抗体(1:500希釈;R&D Systems)と一緒に、膜を4℃で一晩インキュベーションした。次いで、TBSTで3回洗浄してから、二次HRP標識抗マウスIgG(1:10,000希釈;Bio−Rad Laboratories)と一緒に、膜を1時間インキュベーションした。洗浄後、イメージリーダ(ImageQuant RT ECL,GE Healthcare,Spain)を使用して化学発光(chemiluminiscent)(ECL)HRP基質により、免疫複合体を検出し、バンドを測定した。また、マウスモノクローナル抗GADPH抗体(1:20,000;Ambion Applied Biosystems)で膜を再プローブして、各レーンにおけるタンパク質のローディングが等しいことを確認した。
ホルムアルデヒド固定した組織試料を、段階的に漸増するエタノール(60、80、96、100%)中で脱水し、トルエンで洗浄し、キシレンでクリアにした。次いで、各試料を60℃の融解パラフィンに入れて、ブロック(この断片が、適切に配向された組織である)を形成した。ミクロトームを用いて4μmの切片を切断し、スライドガラス上に付着させた(Morales,A.I.et al.2006.Food Chem.Toxicol.,44(12):2092−100)。
パラフィン固定した腎臓切片をスライドガラス上に載せ、光学顕微鏡を用いて検査するためにH&E染色した。切片1個あたり5個の画像を無作為に選択し、デジタルキャプチャし(倍率×400)、光学密度を分析した(Grande,M.T.et al.2010.Kidney Int.,77(6):509−518)。
ED−1染色(CD−68)の場合にはトリプシンを用いて、またはカルジオトロフィン−1染色の場合にはマイクロ波を用いて、切片を処理した。次いで、モノクローナル抗ED−1抗体(1:200)(M0814;DakoCytomation,Denmark)およびポリクローナル抗CT−1抗体(1:200)(AF438;R&D Systems,Minneapolis,MN)と一緒に、腎組織をインキュベーションした。加湿チャンバー中で、一次抗体とのインキュベーションを4℃で一晩行い、続いて抗体(1:100、Cy3−標識ウサギ抗ラット、Jackson Laboratories,Germany)との二次反応を行った。核DNAをDAPIで対比染色し、倍率×400で走査型スペクトル共焦点レーザー顕微鏡(TCS SP2,Leica)を使用して、免疫蛍光染色を可視化した(Grande,M.T.et al.2010.Kidney Int.,77(6):509−518)。
NCSSソフトウェアを使用して、統計分析を実施した。値は、n回の独立した実験の平均として表した。正規分布に従うデータからの値は、平均±平均の標準誤差(SEM)として表した。シェフェ補正検定を多重比較に使用した。正規分布に従わないデータについては、値を中央値として表し、クラスカル・ワリス検定を多重比較に使用した。一般に、過去の全試験で統計的に有意であると想定および判定された最大αエラーは、p<0.05またはZ>1.96であった。
本研究では、抗CT−1抗体によるCT−1遮断が、片側腎虚血のマウスモデルにおいて誘発した急性腎障害の重症度に及ぼす効果を調べた。
・群1。コントロール4時間群(コントロール−4時間、n=4);生理食塩溶液を単回ボーラス投与してから15分後に腎虚血(30分間)を行い、続いて片側腎摘出を行い、4時間再灌流したマウス。
・群2。コントロールIgG4時間群(コントロールIgG−4時間、n=8);ヤギ免疫前IgGを単回ボーラス投与してから15分後に腎虚血(30分間)を行い、続いて片側腎摘出を行い、4時間再灌流したマウス。
・群3。抗CT−14時間群(抗CT−1−4時間、n=8);抗CT−1抗体(50μg/kg、静脈注射(i.v.))を単回ボーラス投与してから15分後に腎虚血(30分間)を行い、続いて片側腎摘出を行い、4時間再灌流したマウス。
・群4。シャム4時間群(シャム−4時間、n=4);腎臓I/Rを適用しなかった以外は、生理食塩溶液を単回ボーラス投与してから15分後に上記外科手術を行ったマウス。
・群5。コントロール群(コントロール、n=10);生理食塩溶液を単回ボーラス投与してから15分後に腎虚血(30分間)を行い、続いて片側腎摘出を行い、48時間再灌流したマウス。
・群6。コントロールIgG群(コントロールIgG、n=10);ヤギ免疫前IgGを単回ボーラス投与してから15分後に腎虚血(30分間)を行い、続いて片側腎摘出を行い、48時間再灌流したマウス。
・群7。抗CT−1群(抗CT−1、n=10);抗CT−1抗体(50μg/kg、静脈注射(i.v.))を単回ボーラス投与してから15分後に腎虚血(30分間)を行い、続いて片側腎摘出を行い、48時間再灌流したマウス。
・群8。シャム群(シャム、n=6);生理食塩溶液を単回ボーラス投与してから15分後に上記外科手術を行い、続いて片側腎摘出を行い、48時間再灌流したマウス。
図34は、研究期間中のI/R48時間後における4つの実験群の動物の体重を表す。すべての時点において、シャム群のマウスはすべて、良好な様相、正常な運動性および体重の安定的維持を示した。しかしながら、I/R群は、再灌流期間の後に、有意な体重減少に伴う様相不良およびより低い運動性を示した。外科手術によって引き起こされた健康悪化は、抗CT−1治療マウスでは、コントロール群(生理食塩水またはヤギIgG治療マウス)のものと比較してわずかに大きかった。
図35は、実験期間中のI/R48時間後における4つの実験群のマウスの生存率を表す。外科手術をしなかったマウス(シャム群)はすべて正常な生存を示し、この群では死亡が観察されなかった。しかしながら、I/Rの動物はわずかな死亡を示し、虚血後24時間以内の生存は約90%(動物10匹のうちの9匹)であった。生存率は、虚血48時間後において、抗CT−1群では70%(動物10匹のうちの7匹)に減少し、コントロール群(生理食塩水または抗ヤギIgG治療マウス)では80%(動物10匹のうちの8匹)に減少した。
図36は、研究中のI/R48時間後における4つの実験群の血漿尿素レベルの変化を表す。結果は、シャム群では、血漿尿素濃度が依然として変化しなかったことを示している。腎臓をI/Rに付したマウスについては、虚血24時間後において血漿尿素レベルが増加して最大ピークに達した。腎機能不全のこの増加は、抗CT−1治療マウスではコントロール群(生理食塩水またはヤギIgG治療マウス)よりも大きかったが、これらの群の間で有意差はなかった。最終時点または虚血48時間後において、血漿尿素濃度は、すべてのI/R群においてほぼ正常なレベルに戻った。
図37は、I/R48時間後における4つの実験群の腎臓のマロンジアルデヒド(MDA)レベルを表す。シャム群と比較すると、I/Rに付したマウスの腎臓はMDAレベルの増加を示しており、これは、脂質過酸化が腎組織で増加していることを示唆している。抗CT−1治療マウスで観察された組織のMDAレベルは、生理食塩水コントロールで観察されたものよりも有意に高かった。
図40は、I/R48時間後における4つの実験群の腎臓のCT−1発現をウエスタンブロットによって評価したものを表す。すべてのI/R群のマウスでは、CT−1発現がシャム群と比較して増加した。抗CT−1抗体による治療は、その他の群と比較して、このタンパク質発現の有意な増加をもたらした。
左腎の切片をヘマトキシリン−エオシン染色し、I/R48時間後に光学顕微鏡法によって分析した。組織学的検査により、偽手術マウスの腎臓構造は正常であるが、I/Rを受けたものは有意な程度の腎障害を示したことが実証された。具体的には、腎臓は、尿細管構造の変性、尿細管の拡張、腫れ、尿細管細胞の壊死、および血管の鬱血を示した。血管周辺領域において、炎症性浸潤が見られた。抗CT−1群では、腎臓の薄片は、I/Rのみに付した腎臓と比較して、腎障害のこれらの組織学的特徴の重症度について著しい増加を示した。コントロールマウスおよびコントロールIgGマウスの間では、測定した上記組織学的パラメータのいずれについても違いはなかった(データは示さず)。
I/R48時間後に得た左腎の切片をマクロファージ特異的マーカー(抗CD68抗体)で染色した。I/R2日後(虚血48時間後)、CD−68陽性細胞(ED−1陽性)は、萎縮尿細管周辺の間質に主に現れた。I/R後のCD68陽性細胞数は、抗CT−1投与マウスでは、コントロール群よりも有意に多かった。コントロールマウスおよびコントロールIgGマウスの間では、マクロファージ浸潤について有意差は見られなかった。マクロファージ染色は、シャム群の腎臓において最小であった(データは示さず)。
材料および方法
試料の調製および分析
尿の入手
ラットを個々の代謝ケージに入れ、そこでは飼料および飲料を自由に利用できた。2日間馴化した後、24時間尿をメスシリンダー中に採取した。採取した尿を2,500rpmで8分間遠心分離してその残留物からそれを取り除き、クリーンな尿を採取し、後の分析のためにそれを−80℃で保存した。
尾の末端に小さな切り傷をつけることによって、ヘパリン毛細管中に血液試料を得た。ラット1匹あたり5本の毛細管を取り出し(200μL)、微量遠心機中で毛細管を11,000rpmで3分間遠心分離した。遠心分離したら、ヤスリを用いて細胞と血漿の境界付近で毛細管に傷をつけた。血漿を抽出し、後の分析のためにエッペンドルフチューブ中に−80℃で保存した。
各実験の終了時に、動物を殺処分し、死後研究のために腎臓を摘出した。摘出前に、腎臓をヘパリン生理食塩溶液で灌流して、その血管樹から血液を取り除いた。このために、10mg/kg体重の用量のペントバルビタールナトリウムを用いて、ラットを腹腔内麻酔した。腹腔を評価するために、腹部を切開し(開腹)、腸管腫瘤を分離して、腸骨分岐部の大動脈にカニューレを挿入した。カニューレを通して、20mLのヘパリン生理食塩溶液を37℃で灌流した。この後、腎臓をデカプセル化し、摘出し、矢状に二分割した。液体窒素中に浸漬することによって一方の腎臓および他方の半分を瞬間冷凍し、ウエスタンブロット研究を後で実施するために−80℃で保存した。組織学的研究のために、他方の半分は、pH7に緩衝し、メタノールで安定化した4%ホルムアルデヒド中に入れた。ホルムアルデヒド中で固定したら、この溶液中に24時間浸した後、エタノールをはじめとする漸増勾配の一連のアルコールに通すことによって、腎臓を脱水した。その後、オーブン中で、各試料を60℃の融解パラフィンに1時間入れて、ブロック(この中で、その断片が適切に配向される)を形成した。ミクロトーム(MICRON HM−310)を用いて厚さ3μmの切片を切断し、次いで切片をスライドガラス上に置いた。切片をキシレンで脱パラフィン処理し、試料を再水和して、100%希釈水に達するまで一連の漸減濃度のエチルアルコールに通した。
解凍および変質を防ぐために常にドライアイス中に維持しながら、2つの金属プレート間で振盪することによって、−80℃で冷凍保存した腎臓試料を粉砕した。次いで、各試料の組織粉末100mgを計量し、それによって組織抽出物を作製した。このために、各40mgの組織粉末について約400mLの溶解緩衝液(140mM NaCl、50mM EDTA、10%グリセロール、1%NP−40、20mMトリスpH=7.5、1mg/mlロイペプチン、1mg/mlアプロチニン、5mmol/lフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)、5mM NaFおよび1mmol/l pH=7.5 Na3VO4)と一緒に、それらをホモジナイズし、滴定装置(Politron)を用いて、試料をホモジナイズした。次いで、組織溶解物を14,000g、4℃で20分間遠心分離した。最後に、上清を回収し、その使用時まで−80℃で凍結した。ローリー比色法(Lowry et al.J Biol Chem.1951;193:265)に基づく市販のキットを使用して試料の総タンパク質を測定するために、1アリコートを使用した。
クレアチニンおよびクレアチニンクリアランスの測定
腎機能を測定するために、血漿クレアチニン濃度およびクレアチニンクリアランス(これは、糸球体ろ過率の測定である)を測定した。クレアチニンクリアランス(CrCl)は、式CrCl=UF×CrU/CrP(式中、UFは尿流(ml/分)であり、CrUは尿中クレアチニン濃度(mg/ml)であり、CrPは血漿中クレアチニン濃度(mg/ml)である)から計算した。半自動分析器(Reflotron,Roche)によって、尿中および血漿中クレアチニン濃度を測定した。
半自動分析器(Reflotron,Roche)を使用して、市販のキットの特異的反応ストリップによって血漿中尿素濃度を測定した。
ブラッドフォード比色法(Anal Biochem.1976;72:248−54)によって、尿中タンパク質濃度(タンパク尿)を測定した。24時間の尿中タンパク質排泄(UEprot)は、式:UEprot=CprotxFU24h(式中、Cprotは尿中タンパク質濃度(mg/mL)であり、FU24hは24時間の尿流(mL/日)である)によって計算した。
尿の入手で述べたように、代謝ケージ内の24時間尿を含有する容器の目盛を測定して、尿流(mL/日)を評価した。
その測定では、製造業者の仕様書にしたがって市販のキット(Roche製)を使用し、KC−Juniorソフトウェアを用いて結果を分析した。
ウエスタンブロット技術では、全腎組織ホモジネートのタンパク質100μg、または排泄画分に対応する一定容量の各動物の尿をポリアクリルアミドゲルにロードした。電気泳動によって分離した後、これらのタンパク質をPVDF膜(Inmobilon−P #IPVH00010,Madrid,Spain)に転写し、KIM−1(R&D Systems)およびNGAL(MBL)に対する抗体とハイブリダイズさせた。
2分子のチオバルビツール酸(TBA)を1分子のMDA(脂質過酸化の最終生成物)と45℃で反応させて、最大吸光度が532nmの安定な発色団を生成させることによる分光光度技術によって、マロニルジアルデヒドを測定した(Recknagel RO,Ghoshal AL,1966,Exp Mol Pathol 5:413−426)。
ヘマトキシリン−エオシン染色
この技術は、核、細胞質の酸性領域およびマトリックスを青色に染色し、細胞質およびその全塩基成分をピンク色に染色するので、組織細胞の形態構造を明らかにする。前述のように調製した腎臓の組織学的切片をヘマトキシリン溶液中に4分間維持し、次いでそれらを流水で洗浄して、それらをエオシン溶液中に3分間維持した。染色されたら、漸増濃度のアルコール(70°、90°、100°)で試料を再度脱水して、一滴のカナダバルサムでそれらを永久固定し、その上に、スライドカバーを封入剤(Tissue−Tec)と一緒に置いた。10Xレンズを備える光学顕微鏡に接続した高解像度ビデオカメラを用いて、画像をキャプチャした。コントラストを高めるために、緑色の光学フィルタを使用した。
過酸化水素および3%メタノールを用いて、切片の内因性シグナルを排除することによって、免疫組織化学的技術を開始した。次いで、切片をブロッキングし、その後に一次抗体および二次抗体と一緒にインキュベーションした。次いで、HRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)を試料に追加した。直後に、色素原の3,3’−ジアミノベンジジン(DAB)を追加した。コントラストのために、この調製物をヘマトキシリン中に少し浸漬した。最後に、漸増濃度の一連のアルコールによって切片を脱水し、それらを光学顕微鏡で観察できるように、その上にスライドカバーを封入剤(Tissue−Tec)と一緒に置いた。
腎臓中のSOA生成レベルを測定するために、O2 −ラジカルによるシトクロムCの還元を基準として、ミトコンドリアについてBoverisによって説明されているものの変法である技術にしたがった[Boveris A.Methods Enzymol.1984;105:429−435]。簡潔に言えば:
− 100μlのシトクロムC(75μM)、20μlのスーパーオキシドジスムターゼ(SOD;約264U)、25μlの試料および緩衝液(0.1Mリン酸カリウム+0.1mM EDTA;pH7.8)(1,000μlの容量に達するまで)を追加して、分光分析用のキュベット(1mlキュベット)を調製した;
− 試料は追加せずに、100μlのシトクロムC(75μM)、20μlのSODおよび緩衝液(1,000μlの容量に達するまで)を追加して、参照キュベットを調製した;
− シトクロムCの非特異的還元を研究するために、SODを含有しない別の類似キュベットを調製した;
− シトクロムCを還元し、続いて二段階(1.非特異的なシトクロムC還元(SODを含まない)、および2.スーパーオキシド依存性のシトクロムC還元(SODを含む))で分光光度を読み込んだ[λ550nm;pH7.8および温度25℃、6秒毎の間隔で1分間、キュベット1ml中、光路1cm];
− 参照キュベット中のシトクロムCが完全に酸化される場合、および観察される吸光度の増加が還元生成物の吸光度のみを表す場合を考慮して(Δ吸光度:還元−酸化)、モル吸光係数:ΔE550/21.0x103M−1cm−1を用いて、反応混合物中の吸光度単位の増加をSOAのnmoleに変換した;
− この方法では、スーパーオキシドアニオンSOAの生成をnmol/mgタンパク質/分で表した。
腎臓における好中球浸潤を評価するための指標として使用される好中球の特異的酵素であるミエロペルオキシダーゼの存在を、以下の方法によって腎臓試料で分析した(Mullane KM et al,J Pharmacol Methods 1985,14(3):157−167):試料が得られたら氷中で計量し、液体窒素中で凍結した後、それらの測定まで−80℃で保存した。その後、0.5%臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび0.146%EDTAを含む50mMリン酸カリウム緩衝液から構成される溶液(pH6.0)中、ホモジナイズ溶液10mlあたり組織1グラムの割合で、試料をホモジナイズした。次いで、それらをホモジナイズし、氷中で超音波処理工程に付し(10回、各5秒間)、このようにして細胞(とりわけ、好中球)を破壊し、溶液中のミエロペルオキシダーゼを遊離させた。遠心分離機内部の温度を3〜4℃に維持しながら、ホモジネートを15,000gで30分間遠心分離した。上清をデカントし、50℃で2時間インキュベーションして、その他の種類のペルオキシダーゼ、およびミエロペルオキシダーゼの測定を妨げるその他の化合物を排除した。0.167mg/mlのO−ジアニシジン二塩酸塩および0.005%過酸化水素を含む50mMリン酸カリウム緩衝液から構成されるアッセイ用緩衝液(pH6.0)を調製した。アッセイ緩衝液を含むブランクに対して、波長460nm(λ)および25℃で既知量のMPOを用いて、標準曲線を実施した。ミエロペルオキシダーゼ活性の単位(U)は、25℃で1分間あたりに1μmolのH2O2を分解する酵素の量と定義した。
製造業者の説明書にしたがってDuoSet ELISA Development Systemラットキットを使用してELISAによって、これらのサイトカインの血漿中レベルを測定した。すべての場合において、レベルは、pg/mlで表した。アッセイの原理:それは、「サンドイッチ」原理により複数の抗体を使用するELISAキットである。第一段階では、96ウェルプレートを、それらのそれぞれの上に接着した抗サイトカインモノクローナル抗体と一緒に使用して、対応するブランクと一緒に各ウェルにデュプリケートで追加した試料および標準中に存在するサイトカインを捕捉した。ディッシュを洗浄して非接着物質を排除した後、ペルオキシダーゼ標識抗サイトカインポリクローナルを追加した。次いで、プレートを再度洗浄して非接着物質を排除し、基質溶液を追加してペルオキシダーゼ触媒反応を開始した。酸性化によって、色変化を停止した。
急性腎不全を患う素因を有するラットに、ヨウ化造影剤ガストログラフイン(Bayer C.N.909622 EXO)を静脈内投与することからなるヨウ化造影剤腎症の実験モデルを使用した。この素因は、準毒性用量のゲンタマイシンで前治療することによって達成した(Quiros et al.,Kidney Int.2010;78:1006−1015)。
− コントロール群(C):生理食塩溶液を投与したラット(n=5)。
− ゲンタマイシン群(G):造影剤の投与6日前から、ゲンタマイシンを6日間腹腔内(i.p.)投与(50mg/kg/日)したラット。本発明者らの過去の研究では、この治療は、既存の最も優れたマーカーを使用しても、腎機能の検出可能な変化および尿細管病変を引き起こさないことが実証されている(Quiros et al,2010)(n=5)。
− カルジオトロフィン群(CT−1):造影剤の投与前に4日間連続で、カルジオトロフィンを静脈内(i.v.)投与(100μg/Kg/日)したラット(n=5)。
− ガストログラフイン群(Gg):単回用量のヨウ化造影剤を静脈内(i.v.)投与(10mL/Kg;3.7mg/Kg)したラット(n=5)。
− ガストログラフイン+ゲンタマイシン群(Gg+G):ゲンタマイシンによる治療が終了した翌日に、ヨウ化造影剤を投与したラット(n=6)。
− ガストログラフイン+ゲンタマイシン+カルジオトロフィン群(Gg+G+CT−1):ヨウ化造影剤、ゲンタマイシンおよびカルジオトロフィンを投与したラット(n=6)。
・血漿クレアチニン、血漿尿素、タンパク尿、微量アルブミン尿
・代謝ケージ内のクレアチニンクリアランス
・糸球体ろ過率(GFR;イヌリンクリアランス)、腎血漿流量(RPF;パラアミノ馬尿酸クリアランス)、腎血管抵抗(RVR)。
・腎毒性尿マーカー:NAG(N−アセチルグルコサミニダーゼ)、LDH(乳酸脱水素酵素)、GGT(γグルタミルトランスフェラーゼ)、KIM−1(腎障害分子1)、PAI−1(プラスミノーゲン活性化抑制因子1)、ビメンチン。
C群、G−群、Gg群およびCT−1群では、すべての動物が実験終了まで生存した。Gg+G−群およびGg+G+CT−1群では、各群の動物が1匹死亡した。
C群、G−群およびCT−1群の動物は、実験全体を通して健康な様子および正常な運動性を示した。しかしながら、ガストログラフインで治療した動物は、より悪化した様子および膨張した肢(これらは、その投与後15〜20分で回復した)を示した。それにもかかわらず、実験群間では、体重増加について大きな違いはなかった(図1)。
Gg+G群では、クレアチニンクリアランス(糸球体ろ過状態の指標)が減少し、排泄の低下、そしてそれ故にクレアチニン、尿素およびその誘導体などの代謝産物の血中蓄積につながった(血漿尿素濃度全体で測定)(図2〜図4)。同様に、Gg+Gの同時投与は、高タンパク尿を伴った(図5)。
NAGは、腎症の診断およびモニタリングに使用されるリソソーム酵素である。腎障害の結果として尿中のその存在が増加するので、尿細管損傷のマーカーであると考えられている。本発明者らの結果は、Gg+Gで治療した動物において、NAGが増加したことを示している。CT−1は、タンパク尿と同様にこの増加を軽減したが、これは、尿細管損傷に関する知見を裏付けている(図6)。
イヌリンクリアランスについて得られた結果では、ゲンタマイシンおよびヨウ化造影剤で治療した群(Gg+G)において、糸球体ろ過率(GFR)が減少し、CT−1により回復している(図8)。腎血漿流量(RPF)は、同様のパターンに従う:ゲンタマイシンおよび造影剤で治療した群では減少し、CT−1による同時治療では回復する(図9)。さらに、ゲンタマイシンおよびガストログラフインの投与は、腎血管抵抗(RVR)を増加させたが(図10)、これは、腎臓を通る血液の流れを妨げる血管収縮因子の放出が障害されていること(または、血管拡張因子の効果が阻害されていること)を示唆している(この種の薬剤について既に説明されている情報)。CT−1をゲンタマイシンおよびガストログラフインと同時投与することにより、RVRの増加が和らげられた。
体重約220グラムの雄性ウィスターラット24匹において、実験を実施した。動物の環境条件を一定に維持した:温度約20℃、湿度約60%および1日の明期(照光時間)12時間。
・群I(コントロール、C、n=動物6匹)ビヒクルで7日間静脈内(i.v.)治療した動物。
・群II(カルジオトロフィン−1、CT−1、n=動物6匹)1日用量のカルジオトロフィン−1(100μg/kg体重)を7日間静脈内(i.v.)投与した動物。
・群III(シスプラチン、P、n=動物6匹)単回用量のシスプラチン(6mg/kg体重)を腹腔内(i.p.)投与した動物。
・群IV(カルジオトロフィン−1−シスプラチン、CT1−P、n=動物6匹)それぞれ群IIおよび群IIIと同じ用量および投与経路のカルジオトロフィン−1およびシスプラチンで治療した動物。
動物の生存は、毒物学的研究の変化についての有意なデータを表す。図11は、実験時間中の4つの研究群における動物の生存を表す。
動物の一般状態および体重は、薬物効果を視覚的に評価する際の重要な一面である。図12は、実験期間中の4つの研究群における動物の体重を表す。
尿流の変化は、薬理学的治療によってもたらされる腎障害についての特に意義深い追加情報を表している。図13は、4つの実験治療群における研究動物の尿流についての変化を表す。6mg/kgの用量のシスプラチンによる細胞増殖抑制治療は、軽度の二相性多尿症を誘導する。しかしながら、カルジオトロフィン−1およびシスプラチンの同時投与は、実験期間中の尿流について一定の変化を示しており、コントロール群およびカルジオトロフィン−1群に対して有意差はない。この事実は、シスプラチン腎症におけるカルジオトロフィン−1による明確な腎保護を表している(図13)。
腎機能の安全かつ有効なパラメータとして血漿クレアチニンの測定は、薬物腎毒性の特徴的なマーカーに相当する。図14は、研究期間中の4つの実験群の動物の血漿クレアチニンについての変化を表す。6mg/kgの用量のシスプラチンによる抗新生物剤治療は、主に胞増殖抑制治療の2日目から、血漿クレアチニンの著しい増加を誘導するが、この増加は、カルジオトロフィン−1で同時治療した動物群では有意に少なかった。100μg/kgのカルジオトロフィン−1で7日間連続で静脈内治療することにより抗腫瘍薬物によって誘発される腎毒性を保護および回復できるというこの事実により、シスプラチンによる急性腎障害は可逆性であることが分かる。カルジオトロフィン−1に関する限りは、カルジオトロフィン−1群は、評価した前記腎臓パラメータについて、コントロール群に対して変化を示していない(図14)。
様々な器官の重量についての変化は、薬物の毒性活性についての研究の補足情報を構成するものである。図15は、実験期間終了時における4つの研究群の様々な器官の重量(動物の体重に対する)を示す。
実験群:
a)コントロール(C):ビヒクルを1日1回静脈内投与(i.v.)(n=6)。
b)CT−1:CT−1(100μg/kg/日、静脈内投与(i.v.))を7日間、(n=6)。
c)G:ゲンタマイシン(150mg/kg/日、腹腔内投与(i.p.))を6日間。(n=6)。
d)G+CT−1:CT−1(100μg/kg/日、静脈内投与(i.v.))を7日間、および2日目からゲンタマイシンを6日間同時投与(150mg/kg/日、腹腔内(i.p.))。(n=6)。
コントロール群(C)およびCT−1群では、すべての動物が実験終了まで生存した。G群およびG+CT−1群では、各群の動物が1匹死亡した。
コントロール群(C)およびCT−1群の動物は、実験全体を通して健康な様子および正常な運動性を示した。しかしながら、ゲンタマイシンで治療した動物は、より悪化した様子、運動性の低下および毛のわずかな着色を示した。これらの症候は、G+CT−1群の動物では有意に軽減された。図16で観察されているように、Gを投与したラットの体重は、コントロール群およびCT−1群のものに対してわずかな減少を示した。CT−1は、Gによってもたらされた体重減少を部分的に緩和した。
コントロール群(C)およびG群では、実験の結果として、収縮期血圧(SBP)がわずかに増加した。このわずかな増加は、CT−1を投与した群では観察されなかった(図17、上のパネル)。心拍数は、実験全体を通してすべての群で等しくごくわずかに増加した(図17、下のパネル)。
殺処分時において、右腎および心臓の重量(体重に対する)は、治療の結果として変化しなかった。肝臓の場合、CT−1は一定の肝腫大を誘発したが、これは、G(G+CT−1)で同時治療した群では消失した。Gそれ自体は、肝臓の重量を相対的に減少させる傾向も示し、CT−1の肥大作用を和らげた。しかしながら、CT−1は著しい脾腫を誘発し、これは、Gによる同時治療によって改善されなかった(図18)。
Gは明らかな急性腎不全をもたらしたが、これは、尿素およびその誘導体(血漿尿素濃度として同時に測定)およびクレアチニンなどの代謝産物の血中蓄積(図19および図20)、ならびにクレアチニンクリアランスの劇的な減少(糸球体ろ過率の測定結果として)(図21)によって明らかになった。同様に、Gは高タンパク尿(図22)をもたらしたが、これは、この抗生物質の腎毒性についての専門書によれば尿細管に由来し、このコンパートメントの損傷および機能的変化に起因する。CT−1をGと一緒に投与することにより、クレアチニンクリアランスの減少、血漿クレアチニンおよび尿素濃度の増加、ならびにタンパク尿の増加が部分的に元に戻った(図19〜図22)。単独で投与したCT−1は、これらのパラメータのいずれも変化させなかった(図19〜図22)。
GおよびCT−1が作用した後の腎組織の状態は、腎臓切片の組織学的研究によって、および組織の損傷および修復過程に関連する組織および尿マーカーを測定することによって決定した。腎皮質を表す写真を有する図24に示されているように、ゲンタマイシンは、腎臓の皮質領域で大規模な尿細管壊死を引き起こし、そこでは、完全壊死した多くの尿細管および部分壊死したその他の尿細管が観察されるが、これはこの薬物の腎臓に対する効果についての知識と一致する。CT−1による同時治療は、尿細管損傷の拡大を中程度かつ部分的に防止し、完全壊死および部分壊死した尿細管はより少ないことが観察される。しかしながら、CT−1で同時治療した場合でさえも、ゲンタマイシンは、著しい尿細管損傷をもたらす。一般的には、これらの結果は、腎臓の損傷および修復マーカーについての生化学的分析と一致する。したがって、図25で観察されているように、Gで治療した動物では、N−アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)(これは、とりわけ尿細管損傷の指標となるリソソーム酵素である)の尿中排泄が非常に増加しており、これは、それがそのコンパートメントにおいてもたらす激しい損傷と一致する。CT−1はこのNAG排泄の増加、特に損傷の1日目にもたらされる準最大値を軽減する。CT−1がNAG排泄に及ぼす効果のプロファイルは、タンパク尿のものとほぼ同一であり、尿細管損傷に関する結果を補強している。
腎虚血/再灌流(I/R)は急性腎不全の典型的な原因であり、腎臓移植では、急性尿細管壊死または移植片機能の初期遅延または腎機能の遅延(DRF)を引き起こし得る。I/Rは急性拒絶反応の発生と相関しており(Matas AJ.et al.Transplantation.2000;69(1):54−58)、臨床的および実験的な証拠により、I/Rによる損傷が同種移植による慢性腎不全のリスク因子であることも同定されている。
1.IR4h C。生理食塩水血清。4時間の再灌流。
2.IR4h CT−1。400μg/kg。4時間の再灌流。
3.IR24h C。生理食塩水血清。24時間の再灌流。
4.IR24h CT−1。400μg/kg。24時間の再灌流。
5.IR3d C。生理食塩水血清。3日間の再灌流。
6.IR3dCT−1。400μg/kg。3日間の再灌流。
7.IR7d C。生理食塩水血清。7日間の再灌流。
8.IR7d CT−1。400μg/kg。7日間の再灌流。
9.IR14d C。生理食塩水血清。14日間の再灌流。
10.IR14d CT−1。400μg/kg。14日間の再灌流。
11.偽ラット群(Sim)。
I/Rによる腎障害に対するCT−1の保護効果を調べる目的で、生存研究を実施した。I/R14日後、未治療虚血群(IR14d C)は40%の死亡率を示したが、IR14d CT−1群では、動物の20%が死亡した(図27)。
I/R48時間後において、IRの動物では、血漿クレアチニンは偽群(Sim)の動物よりも著しく高かったが、IR CT−1群では、血漿クレアチニンはIR Cよりも著しく低く、偽群のラットに対して有意差はなかった。(図28A)。
血流が回復した4時間後において、虚血コントロール群(IR C)では、腎臓のスーパーオキシドアニオン(SOA)レベルは、偽群およびIR CT−1群よりも有意に高かった。CT−1群から得られたデータは、虚血コントロール群(IR C)のものよりも有意に低かったが、偽群のものよりも有意に高かった(図29)。好中球およびマクロファージの浸潤は、I/R誘発性組織炎症の重要な段階であるので、ミエロペルオキシダーゼ活性(MPO)を腎組織で測定した。虚血コントロール群(IR C)では、腎臓のミエロペルオキシダーゼ活性(MA)レベルは偽群よりも5倍以上高く、また虚血コントロール群ではCT−1群よりも有意に高かった。IR CT−1群の動物は、偽群で得られたものと類似の値を有していた(図30)。
虚血再灌流は、再灌流4時間後において、血漿の炎症誘発性サイトカインレベルの大幅な増加を誘導した。IR C群では、TNF−α(図31A)、IL−1β(図31B)およびIFN−γ(図31C)のレベルは、偽群よりもそれぞれ11倍、6倍および4倍高かった。CT−1による治療は、IRによって誘導されるこれら3つのサイトカインの上昇を遮断した。さらに、血漿のIL−6(図31D)およびIL−10(図31E)レベルは、虚血および再灌流後に減少した。CT−1を投与した動物では、この減少は観察されなかった(図31Dおよび図31E)。
再灌流24時間後において、コントロールの虚血腎臓では、壊死した尿細管細胞および空胞化した多くの尿細管細胞によって形成されたヒアリン残留物(hyaline residue)によって、多くの細胞が閉塞していることが、組織学的研究によって明らかになった。CT−1で治療した腎臓では、閉塞した尿細管および空胞化した細胞は、コントロールの腎臓よりも少なかった(図32)。再灌流48時間後において、コントロールの虚血腎臓は、剥離した多くの尿細管および多くの炎症浸潤領域を示した。CT−1で治療した腎臓では、剥離した尿細管および浸潤は、コントロールの腎臓よりも少なかった(図33)。
抗CT−1抗体の投与は、CT−1遮断の結果として炎症過程を誘発することによって、虚血/再灌流(I/R)に付したマウスにおける腎損傷の重症度の有意な増加を誘導する。セクションAで得られた結果は、I/R誘発性腎損傷からの腎臓保護におけるCT−1の役割を強調している。
1. 6mg/kgの単回用量のシスプラチンで雄性ウィスターラットを腹腔内治療することは、薬物による急性腎毒性の研究に適切なin vivo実験モデルである。
2. 100μg/kg/日の用量のカルジオトロフィン−1をラットに7日間静脈内投与することは、6mg/kgの用量のシスプラチンで誘発される腎障害に対して保護効果を発揮する。
Claims (60)
- 急性腎障害の予防および/または治療に用いられるカルジオトロフィン−1活性(CT−1)を誘導する化合物であって、前記カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物が、(i)カルジオトロフィン−1(CT−1)、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体、
(ii)CT−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、機能的に同等なCT−1変異体をコードするポリヌクレオチド、
(iii)(ii)のポリヌクレオチドを含むベクター、および
(iv)カルジオトロフィン−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体を培地に分泌することができる細胞
からなる群から選択されるものである、化合物。 - 前記急性腎障害が、腎前性原因による急性腎障害および腎性原因による急性腎障害の群から選択されるものである、請求項1に記載の用途の化合物。
- 前記急性腎障害が腎前性原因によるものである、請求項2に記載の用途の化合物。
- 前記腎前性原因による急性腎障害が、被験体を虚血に曝露することによって引き起こされる急性腎障害、および虚血後再灌流によって引き起こされる急性腎障害から選択されるものである、請求項3に記載の用途の化合物。
- 前記急性腎障害が腎性原因によるものである、請求項2に記載の用途の化合物。
- 前記腎性原因による急性腎障害が、腎毒性薬剤によって引き起こされるものである、請求項5に記載の用途の化合物。
- 前記腎毒性薬剤が、造影剤、抗生物質、免疫抑制剤および抗新生物剤の群から選択されるものである、請求項6に記載の用途の化合物。
- 前記造影剤が、ヨウ素含有造影剤、臭素含有造影剤、バリウム含有造影剤、ガドリニウム含有造影剤およびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項7に記載の用途の化合物。
- 前記造影剤がヨウ素を含有するものである、請求項8に記載の用途の化合物。
- 前記ヨウ素含有造影剤が、ジアトリゾ酸およびその塩、メトリゾ酸およびその塩、イオキサグル酸およびその塩、イオタラム酸およびその塩、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオプロミド、イオベルソール、イオジキサノール、メトリザミドならびにそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項9に記載の用途の化合物。
- 前記ヨウ素含有造影剤が1つ又はそれ以上のジアトリゾ酸塩である、請求項10に記載の用途の化合物。
- 前記ヨウ素含有造影剤が、ジアトリゾ酸ナトリウムおよびジアトリゾ酸メグルミンの組み合わせである、請求項11に記載の用途の化合物。
- 前記抗生物質が、アミノグリコシドおよびセファロスポリンの群から選択されるものである、請求項7に記載の用途の化合物。
- 前記アミノグリコシド抗生物質が、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルミシン、カナマイシン、ストレプトマイシン、シソマイシン、ネオマイシンおよびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項13に記載の用途の化合物。
- 前記アミノグリコシド抗生物質がゲンタマイシンである、請求項14に記載の用途の化合物。
- 前記免疫抑制剤が、シクロスポリンA、タクロリムス(FK506)およびエベロリムスから選択されるものである、請求項7に記載の用途の化合物。
- 前記抗新生物剤が、白金系化合物、代謝拮抗物質、DNAアルキル化剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤およびそれらの組み合わせの群から選択される、請求項7に記載の用途の化合物。
- 前記白金系化合物が、シスプラチン、カルボプラチンおよびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項17に記載の用途の化合物。
- 前記化合物がシスプラチンである、請求項18に記載の用途の化合物。
- 前記代謝拮抗物質が、メトトレキサート、ペントスタチン、5−アザシチジン、ヒドロキシウレアおよびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項17に記載の用途の化合物。
- 前記DNAアルキル化剤が、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、イホスファミド、マイトマイシンCおよびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項17に記載の用途の化合物。
- 前記トポイソメラーゼIまたはII阻害剤が、エトポシド、テニポシド、ドキソルビシンおよびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項17に記載の用途の化合物。
- 前記カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物が、腎毒性薬剤と一緒に同時投与されるものである、請求項6〜22のいずれか一項に記載の用途の化合物。
- 前記カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物が、静脈内経路によって投与されるものである、請求項1〜23のいずれか一項に記載の用途の化合物。
- 前記カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物が、配列番号1のヒト由来CT−1である、先行する請求項のいずれか一項に記載の用途の化合物。
- 前記カルジオトロフィン−1が、100μg/kg/日の用量で投与されることを特徴とする、請求項25に記載の用途の化合物。
- 前記カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物が、腎排泄機能の低下を軽減するものである、先行する請求項のいずれか一項に記載の用途の化合物。
- カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物の投与が、IL−6ファミリーメンバーの可溶性受容体またはその断片の非存在下で実施されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の用途の化合物。
- 前記可溶性受容体が、CT−1受容体またはその断片である、請求項28に記載の用途の化合物。
- カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物の投与が、後腎間充織成長因子の非存在下で実施されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の用途の化合物。
- カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物と、腎毒性薬剤とを、共にまたは個別に含んでなる組成物。
- 前記カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物が、
(i)カルジオトロフィン−1(CT−1)、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体、
(ii)CT−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、機能的に同等なCT−1変異体をコードするポリヌクレオチド、
(iii)(ii)のポリヌクレオチドを含むベクター、および
(iv)カルジオトロフィン−1、またはCT−1と少なくとも60%の同一性を有する、その機能的に同等な変異体を培地に分泌することができる細胞
からなる群から選択されるものである、請求項31に記載の組成物。 - 前記腎毒性薬剤が、造影剤、抗生物質、免疫抑制剤および抗新生物剤の群から選択されるものである、請求項31または32のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記造影剤が、ヨウ素含有造影剤、臭素含有造影剤、バリウム含有造影剤、ガドリニウム含有造影剤およびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項33に記載の組成物。
- 前記造影剤がヨウ素を含有するものである、請求項34に記載の組成物。
- 前記ヨウ素含有造影剤が、ジアトリゾ酸およびその塩、メトリゾ酸およびその塩、イオキサグル酸およびその塩、イオタラム酸およびその塩、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオプロミド、イオベルソール、イオジキサノール、メトリザミドならびにそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項35に記載の組成物。
- 前記ヨウ素含有造影剤が1つ又はそれ以上のジアトリゾ酸塩である、請求項36に記載の組成物。
- 前記ヨウ素含有造影剤が、ジアトリゾ酸ナトリウムおよびジアトリゾ酸メグルミンの組み合わせである、請求項37に記載の組成物。
- 前記抗生物質が、アミノグリコシドおよびセファロスポリンの群から選択されるものである、請求項33に記載の組成物。
- 前記アミノグリコシド抗生物質が、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルミシン、カナマイシン、ストレプトマイシン、シソマイシン、ネオマイシンおよびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項39に記載の組成物。
- 前記アミノグリコシド抗生物質がゲンタマイシンである、請求項40に記載の組成物。
- 前記免疫抑制剤が、シクロスポリンA、タクロリムス(FK506)およびエベロリムスから選択されるものである、請求項33に記載の組成物。
- 前記抗新生物剤が、白金系化合物、代謝拮抗物質、DNAアルキル化剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤およびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項33に記載の組成物。
- 前記白金系化合物が、シスプラチン、カルボプラチンおよびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項43に記載の組成物。
- 前記化合物がシスプラチンである、請求項44に記載の組成物。
- 前記代謝拮抗物質が、メトトレキサート、ペントスタチン、5−アザシチジン、ヒドロキシウレアおよびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項43に記載の組成物。
- 前記DNAアルキル化剤が、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、イホスファミド、マイトマイシンCおよびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項43に記載の組成物。
- 前記トポイソメラーゼIまたはII阻害剤が、エトポシド、テニポシド、ドキソルビシンおよびそれらの組み合わせの群から選択されるものである、請求項43に記載の組成物。
- 同時投与、個別投与または連続投与されるものである、請求項31〜48のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物が、静脈内経路によって投与されるものである、請求項31〜49のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物が、配列番号1のヒト由来CT−1である、請求項31〜50のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物が、腎排泄機能の低下を軽減するものである、請求項31〜51のいずれか一項に記載の組成物。
- IL−6ファミリーメンバーの可溶性受容体またはその断片を含まない、請求項31〜52のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記可溶性受容体が、CT−1受容体またはその断片である、請求項53に記載の組成物。
- 後腎間充織成長因子を含まない、請求項31〜54のいずれか一項に記載の組成物。
- 診断剤として用いられる組成物であって、カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物と造影剤とを含んでなる、組成物。
- 抗生物質による腎毒性の予防および/または治療に用いられる組成物であって、カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物と抗生物質とを含んでなる、組成物。
- 免疫抑制剤による腎毒性の予防および/または治療に用いられる組成物であって、カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物と免疫抑制剤とを含んでなる、組成物。
- 抗新生物剤による腎毒性の予防および/または治療に用いられる組成物であって、カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物と抗新生物剤とを含んでなる、組成物。
- 診断剤を調製するための、カルジオトロフィン−1活性を誘導する化合物と造影剤とを含んでなる組成物の使用。
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