JP2014521636A - ペプチドおよびポリペプチド分子の制御放出のためのマトリクス組成物 - Google Patents
ペプチドおよびポリペプチド分子の制御放出のためのマトリクス組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014521636A JP2014521636A JP2014522216A JP2014522216A JP2014521636A JP 2014521636 A JP2014521636 A JP 2014521636A JP 2014522216 A JP2014522216 A JP 2014522216A JP 2014522216 A JP2014522216 A JP 2014522216A JP 2014521636 A JP2014521636 A JP 2014521636A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- matrix composition
- another embodiment
- lipid
- fatty acid
- matrix
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/70—Web, sheet or filament bases ; Films; Fibres of the matrix type containing drug
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/0019—Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/08—Solutions
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/10—Dispersions; Emulsions
- A61K9/127—Liposomes
- A61K9/1271—Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes, liposomes coated with polymers
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/10—Dispersions; Emulsions
- A61K9/127—Liposomes
- A61K9/1271—Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes, liposomes coated with polymers
- A61K9/1273—Polymersomes; Liposomes with polymerisable or polymerised bilayer-forming substances
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P19/00—Drugs for skeletal disorders
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
- A61K38/04—Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- A61K38/10—Peptides having 12 to 20 amino acids
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
- A61K38/16—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- A61K38/17—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- A61K38/18—Growth factors; Growth regulators
- A61K38/1825—Fibroblast growth factor [FGF]
Abstract
Description
(a)第一の溶媒に、(i)生体適合性ポリマーと、(ii)極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分とを混合するステップと、
(b)溶液を生成させるために第二の溶媒にペプチド性分子を混合し、この溶液にポリエチレングリコールを添加するステップと、
(c)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分とステップ(b)で得られた溶液を混合するステップと、
(d)ステップ(a)で得られた溶液とステップ(c)で得られた溶液とを混合し、均一な混合物を得るステップと、
(e)溶媒を除去するステップと、を含み、
それによって、ペプチド性分子を含む均一なポリマー−リン脂質マトリクスを作製することを含む、生物学的に活性のあるペプチド性分子の送達ならびに持続放出および/または制御放出のためのマトリクス組成物を作製するための方法を提供する。
脂質
R1およびR2部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。一部の実施形態において、脂肪酸部分は飽和脂肪酸部分である。一部の実施形態において、脂肪酸部分は不飽和脂肪酸部分である。一部の実施形態において、少なくとも1つの脂肪酸部分は飽和している。あるいくつかの現在好ましい実施形態において、脂肪酸部分は両者とも飽和している。「飽和」とは、炭化水素鎖において二重結合がないことを指す。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、18の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、16から18の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、得られるマトリクスのゲル−液晶相転移温度が少なくとも40℃となるように選択される。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともアラキドイルである、別の実施形態において、脂肪酸部分は、パルミトイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、パルミトイルおよびアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、アラキドイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともミリストイルである。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
R1およびR2部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、飽和脂肪酸部分である。「飽和」は、別の実施形態において、炭化水素鎖において二重結合がないことを指す。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、18の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、14〜18の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、14〜16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、16〜18の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、得られるマトリクスのゲル−液晶相転移温度が少なくとも40℃となるように選択される。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともミリストイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、パルミトイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、パルミトイルおよびアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、アラキドイルおよびステアロイルである。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
R1およびR2部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、飽和脂肪酸部分である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、得られるマトリクスのゲル−液晶相転移温度が少なくとも40℃となるように選択される。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともミリストイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、上記の脂肪酸部分の2つの組み合わせである。
R1、R2、R3およびR4部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、飽和脂肪酸部分である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、得られるマトリクスのゲル−液晶相転移温度が少なくとも40℃となるように選択される。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともミリストイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、上記の脂肪酸部分の2つの組み合わせである。
RおよびR’部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、飽和脂肪酸部分である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、得られるマトリクスのゲル−液晶相転移温度が少なくとも40℃となるように選択される。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともミリストイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、上記の脂肪酸部分の2つの組み合わせである。
R部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。別の実施形態において、スフィンゴミエリンは、天然のスフィンゴミエリンである。別の実施形態において、スフィンゴミエリンは、合成スフィンゴミエリンである。別の実施形態において、スフィンゴミエリンは、重水素化スフィンゴミエリンである。別の実施形態において、スフィンゴミエリンは、天然の同位体分布を含有する。
を有する化合物を指す。
左の2つの結合は、脂肪酸、一般には天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体と結合されている。別の実施形態において、脂肪酸は、長鎖(C24以上)である。別の実施形態において、脂肪酸は、飽和脂肪酸である。別の実施形態において、脂肪酸は、モノエン脂肪酸である。別の実施形態において、脂肪酸は、n−9モノエン脂肪酸である。別の実施形態において、脂肪酸は、2位にヒドロキシル基を含有する。別の実施形態において、脂肪酸は、当技術分野で公知の他の適切な脂肪酸である。別の実施形態において、セラミドは、天然のセラミドである。別の実施形態において、セラミドは、合成セラミドである。別の実施形態において、セラミドは、本マトリクス組成物に組み込まれる。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
特定の実施形態によれば、生体適合性ポリマーは、生体分解性である。現在の代表的なある実施形態によれば、生体分解性ポリマーはポリエステルである。
「ペプチド性分子」という用語は、本明細書中で使用される場合、1以上のアミノ酸から構成される何らかの構造を含むものとする。通常、ペプチド性分子は、2以上のアミノ酸から構成され、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質である。本発明のマトリクスは、ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質を含む、幅広い範囲のペプチド性分子を含み得る。ペプチド性分子の全てまたは一部を形成するアミノ酸は、20種類の従来からの天然のアミノ酸の何れかであり得る。特定の実施形態によれば、ペプチド性分子のアミノ酸の何れか1つは、従来のものではないアミノ酸により置換され得る。この置換は、保存的または非保存的であり得る。保存的置換は、元のアミノ酸を、元のアミノ酸とその特徴的特性(例えば、電荷、疎水性、立体的かさ高さ)の1以上において類似している、従来のものではないアミノ酸で置換する。「従来のものではないアミノ酸」という用語は、従来のアミノ酸以外のアミノ酸を指し、例えば、従来のアミノ酸の異性体および修飾体、例えば、D−アミノ酸、非タンパク質アミノ酸、翻訳後修飾アミノ酸、酵素的修飾アミノ酸、アミノ酸を模倣するように設計されるコンストラクトまたは構造(例えば、α−α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸、β−アラニン、ナフチルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ヒドロキシプロリン、O−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリジンおよびノルロイシン)および、例えば米国特許第5,679,782号で記載されるような、その他の従来のものではないアミノ酸が含まれる。ペプチド性分子は、非ペプチドバックボーン結合も含有し得、この場合、天然のアミド−CONH−結合は、ペプチドバックボーン内の1以上の部位で従来のものではない結合、例えばN−置換アミド、エステル、チオアミド、レトロペプチド(−NHCO−)、レトロチオアミド(−NHCS)、スルホンアミド(−SO2NH−)および/またはペプトイド(N−置換グリシン)結合で置換される。従って、本発明の教示に従うペプチド性分子としては、偽ペプチドおよびペプチド模倣物が挙げられ得る。本発明のペプチドは、(a)天然であり得るか、(b)化学合成により作製され得るか、(c)組み換えDNA技術により作製され得るか、(d)大きい分子の生化学的または酵素性断片化により作製され得るか、(e)上記で列挙される(a)から(d)の方法の組み合わせにより生じる方法によって作製され得るか、または(f)当技術分野で公知のようなペプチドを作製するための何らかの他の手段により作製され得る。
本発明は、ある部分、的確な溶媒中で溶解されたペプチド性分子をポリエチレングリコール(PEG)とともに温置することによって、脂質ベースのマトリクス内のペプチド性分子の捕捉が促進され、適切な条件下でのマトリクスからの分子の放出速度に影響があるという予想外の発見に基づく。溶媒は、ペプチド性分子のタイプに依存して、有機揮発性溶媒、水混和性溶媒または水であり得る。当技術分野で一般に使用される場合、ポリ(エチレン)グリコールは、一般に、ポリ(エチレングリコール)の直鎖状形態が最も一般的な市販のPEGであるため、このポリ(エチレングリコール)の直鎖状形態を指す。直鎖状PEGは、式OH−(CH2CH2O)n−OH(ジオール)またはmPEG、CH3O−(CH2CH2O)nOH(式中、nは平均反復エチレンオキシド基数である。)により表され得る。これらのPEG化合物は、1000〜300,000の範囲の様々な分子量で、例えば、Sigma−Aldrichから市販されている。直鎖状PEGは、単官能基のまたは二官能基の形態として入手可能である。PEGは、その鎖の何れかの末端に官能性反応基を含有し得、ホモ二官能基型(2つの同じ反応基)またはヘテロ二官能基型(2つの異なる反応基)であり得る。例えば、式NH2−(CH2CH2O)nCOOHのヘテロ二官能基のPEGは市販されており、PEG誘導体を形成させるのに有用である。平均分子量により表される多くのグレードのPEG化合物がある。医薬グレードPEGは、一般的には8000以下の分子範囲である。ある種の典型的な実施形態によれば、本発明の教示に従い使用されるPEGの分子量は5,000以下、通常は約2,000〜5000である。
本発明のマトリクス組成物は、場合によっては遊離脂肪酸をさらに含む。特定の実施形態において、遊離脂肪酸は、オメガ−6脂肪酸である。その他の実施形態において、遊離脂肪酸は、オメガ−9脂肪酸である。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、オメガ−6およびオメガ−9脂肪酸からなる群から選択される。さらなる実施形態において、遊離脂肪酸は、14以上の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、16以上の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、16の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、18の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、16〜22の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、16〜20の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、16〜18の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、18〜22の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、18〜20の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、リノール酸である。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、リノレン酸である。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、オレイン酸である。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、リノール酸、リノレン酸およびオレイン酸からなる群から選択される。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、当技術分野で公知の別の適切な遊離脂肪酸である。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、本マトリクス組成物に柔軟性を付加する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、インビボ放出速度を含め、放出速度を遅くする。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、特にインビボでの、制御放出の一貫性を向上させる。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、飽和している。別の実施形態において、少なくとも14の炭素原子を有する飽和脂肪酸の組み込みによって、得られるマトリクス組成物のゲル−液相転移温度が上昇する。
適切な条件下での本発明のマトリクス組成物に対する活性成分の90%の放出時間は、好ましくは4日から6ヶ月の間である。特定の実施形態によれば、放出時間は、1週間から6ヶ月の間、1週間から5ヶ月の間、1週間から5ヶ月の間、1週間から4ヶ月の間、1週間から3ヶ月の間、1週間から2ヶ月の間または1週間から1ヶ月の間である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
本発明のマトリクス組成物は、有機溶媒および水の除去後、インプラントの形態に形成され得る。溶媒の除去は、一般的には、室温から60℃の間の、ペプチド性分子の変性を引き起こさない特定の温度下での蒸発と、その後、真空にすることにより行われる。ある種の一般的な実施形態によれば、蒸発温度は50℃以下である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
本発明は、
(a)揮発性有機溶媒である第一の溶媒に、(i)生体適合性ポリマーと、(ii)極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分とを混合するステップと、
(b)溶液を生成させるために、ペプチド性分子を第二の溶媒に混合し、この溶液にポリエチレングリコールを添加するステップと、
(c)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分と、ステップ(b)で得られた溶液を混合するステップと、
(d)ステップ(a)で得られた溶液とステップ(c)で得られた溶液とを混合し、均一な混合物を得るステップと、
(e)溶媒を除去するステップと、を含み、
それによって、前記ペプチド性分子を含む均一なポリマー−リン脂質マトリクスを作製する、ペプチド性分子の制御放出のためのマトリクス組成物を作製するためのプロセスをさらに提供する。
(a)第一の溶媒に、(i)生体適合性ポリマーと、(ii)極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分とを混合し(この第一の溶媒は揮発性有機溶媒である。)、
(b)溶液を生成させるために第二の溶媒にペプチド性分子を混合し、この溶液にポリエチレングリコールを添加するステップと、
(c)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分とステップ(b)で得られた溶液を混合するステップと、
(d)均一な混合液を生成させるためにステップ(a)で得られた溶液とステップ(c)で得られた溶液とを混合するステップと、
(e)ステップ(d)で得られた均一な混合液に、基質を、添加するか、さっと浸すかもしくは浸漬するか、またはステップ(d)で得られた均一な混合液を基質に噴霧するステップと、
(f)被覆した基質から溶媒を除去すること、を含む、ペプチド性分子の制御放出のためにマトリクス組成物で基質を被覆するためのプロセスをさらに提供する。特定の実施形態によれば、被覆する基質としては、炭素繊維、ステンレス鋼、ヒドロキシルアパタイト被覆金属、合成ポリマー、ゴム、シリコン、コバルト−クロム、チタン合金、タンタル、セラミックおよびコラーゲンまたはゼラチンからなる群から選択される少なくとも1つの材料が挙げられる。その他の実施形態において、基質としては、何らかの医療機器および骨充填剤粒子を挙げることができる。骨充填剤粒子は、同種異系(即ちヒト由来)、異種(即ち動物由来)および人工骨粒子の何れか1つであり得る。ある種の典型的な実施形態によれば、コーティングの厚さは1〜200μm;好ましくは5〜100μmの間である。
脂質飽和およびこれを測定するための技術
また、本発明は、医薬的に活性のあるペプチド性分子の持続または制御放出が望ましい様々な適応にも関する。したがって、特定の実施形態によれば、本発明は、本発明の医薬組成物を対象に投与し、それによって少なくとも1つのペプチド性分子を対象に投与する、少なくとも1つのタイプの治療的に有効なペプチド性分子を必要とする対象にそれを投与する方法を提供する。
I.第一の溶液の調製
ポリマー(例えば、PLGA、PGA、PLAまたはそれらの組み合わせ)およびステロール(例えばコレステロール)および/またはαもしくはγトコフェロールを揮発性有機溶媒(例えば、酢酸エチル、クロロホルムありまたはなし)中で混合する。本プロセス全体を室温で行う。このようにして、脂質−ポリマーマトリクスが得られる。
ペプチド、タンパク質またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの分子を揮発性有機溶媒(一般的にはN−メチルピロリドン、エタノール、メタノール、酢酸エチルまたはそれらの組み合わせ)または水中で溶解し、ポリエチレングリコール(PEG)1,000〜8000、一般的にはPEG5,000を添加する。ペプチド性分子を有機溶媒中で溶解する場合、リン脂質を直接添加する。ペプチド性分子を水中で溶解する場合、得られる溶液を通常は撹拌下で、リン脂質を含む揮発性有機溶媒(通常はN−メチルピロリドン、エタノール、メタノール、酢酸エチルまたはそれらの組み合わせ)と混合する。添加されるリン脂質は、
マトリクス中の全脂質の10〜90質量%、即ちリン脂質、ステロール、セラミド、脂肪酸などの10〜90質量%として存在する、ホスホコリンまたはホスファチジルコリン誘導体、例えば重水素化1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)またはジオレオイル−ホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイル−ホスファチジルコリン(DPPC)、ジミリストイル−ホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイル−ホスファチジルコリン(DOPC)、1−パルミトイル−2−オレオイル−ホスファチジルコリン、
場合によっては、ホスファチジルエタノールアミン−例えばジメチルジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(DMPE)またはジパルミトイル−ホスファチジルエタノールアミン(DPPE)−マトリクス中の全脂質の10〜90質量%として存在し、
場合によっては、NA薬の水ベース溶液の添加前に有機溶媒中で混合される、ホスファチジルエタノールアミンの様々な比率での、ホスホコリンまたはホスファチジルコリン誘導体またはそれらの組み合わせ
を含み、
場合によっては、陽イオン性脂質が、本マトリクス中の全脂質の0.1〜10モル%として含まれ、
場合によっては、0.1〜15質量%の遊離脂肪酸、例えばリノール酸(LN)またはオレイン酸(OA)を、本マトリクス中の全脂質の0.1〜10質量%としてもよく、
含む。
この混合物は、均一化されるか、超音波処理されるか、または医療機器の表面を被覆するために使用される。通常、室温で、および50℃以下で、このプロセス全体を行う。
撹拌下で第二の縣濁液(または溶液)を第一の溶液に添加する。最長で約5時間、撹拌を継続する。全て、具体的な処方、使用中の脂質の性質および具体的なペプチド性分子に従い、このプロセス全体を好ましくは室温で行い、必要であれば好ましくは60℃以下の温度であるが、何れにせよペプチド性分子の変性を引き起こさない温度で加熱する。得られた混合物は均一でなければならないが、僅かに混濁している場合もある。
表面の被覆を行う場合、被覆しようとする粒子または装置と段階IIIからの縣濁液を混合し、続いて、揮発性有機溶媒を蒸発させる。被覆プロセス全体を約30〜60℃、通常は約45℃の温度で行う。
本マトリクス組成物、被覆した粒子および被覆した装置を真空乾燥させる。有機溶媒および水残渣を全て除去する。ペプチド性分子を含む脂質ベースのマトリクスは、すぐに保存できる状態である。
使用した抗微生物ペプチドは、そのN末端が蛍光色素NBDで標識されるテンポリン−L(配列:FVQWFSKFLGRIL)である。
2.最終濃度が225mg/mLとなるように、DPPCをペプチド溶液に溶解した。
3.PLGA75/25を酢酸エチル中で溶解した(300mg/mL)。
4.コレステロールを酢酸エチル中で溶解した(30mg/mL)。
5.1体積のPLGA溶液を5体積のコレステロール溶液と混合した。
6.2体積のDPPC−ペプチド溶液を3体積のPLGA−コレステロール溶液と混合した。
7.100mgのリン酸三カルシウム粒子(TCP)を4mLガラスバイアルに量り取った。
8.0.15mLのPLGA−コレステロール−DPPC−ペプチド溶液をTCP粒子に添加した。得られた溶液を全溶媒が蒸発するまで45℃で温置するステップと、一晩真空にすることによって残存溶媒を全て廃棄した。
1.上記実施例2のようにペプチドをMeOH/EA中で溶解した。
2.0.5mgのPEG8,000をステップ1のペプチド溶液中で溶解した。
3.溶液を45℃で10分間温置した。
4.DMPCまたはDPPCをペプチド−PEG溶液中で溶解した(最終リン脂質濃度225mg/mL)。
5.PLGA75/25を酢酸エチル中で溶解した(300mg/mL)。
6.コレステロール(30mg/mL)を酢酸エチル中で溶解した。
7.1体積のPLGA溶液を5体積のコレステロール溶液と混合した。
8.2体積のDPPC−PEG−ペプチドまたはDMPC−PEG−ペプチド溶液の何れかを3体積のPLGA−コレステロール溶液と混合した。
9.200mg TCPを4mLガラスバイアルに量り取った。
10.0.2mLのPLGA−コレステロール−DPPC−PEG−ペプチド溶液またはPLGA−コレステロール−DMPC−PEG−ペプチド溶液をTCP粒子に添加した。
11.得られた溶液を全溶媒が蒸発するまで45℃で温置するステップと、一晩真空にすることによって残存溶媒を全て廃棄した。
抗微生物ペプチド、テンポリン−Lを含むマトリクス組成物で被覆した骨移植片TCP(リン酸三カルシウム)を0.2mLの2回蒸留水(DDW)により水和し、新鮮な新しい体積の上清で上清を置き換えることによって試料を毎日回収した。1体積の試料に1体積のMeOHを添加し、ボルテックスにかけ、16000rpmで2分間遠心することによって、ペプチドを抽出した。次に、MeOH/DDW中で上清を2倍希釈した。
PEG含むかまたは含まない、FGF(ヒトFGF−2 Sigma)を含むマトリクス組成物で被覆された骨充填剤粒子を上記実施例2および3に記載のとおり調製した。このマトリクス組成物において、リン脂質をメタノールおよび酢酸エチルの混合液中で首尾よく溶解し、次いでPEGを含むかまたは含まない僅か1体積のFGF溶液を10体積のリン脂質溶液と混合した。
Claims (51)
- a.極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分と会合している生体適合性ポリマーと、
b.少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分と、
c.ポリエチレングリコール(PEG)と会合している少なくとも1つのペプチド性分子と、を含み、
前記ペプチド性分子を持続放出および/または制御放出させるのに適している、マトリクス組成物。 - 前記ペプチド性分子が極性である、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 前記PEGが、1,000〜8,000の範囲の分子量を有する直鎖状PEGである、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 極性基を有する前記脂質が、ステロール、トコフェロール、ホスファチジルエタノールアミンおよびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 極性基を有する前記脂質がステロールである、請求項4に記載のマトリクス組成物。
- 前記ステロールがコレステロールである、請求項5に記載のマトリクス組成物。
- 前記コレステロールが、前記マトリクス組成物の総脂質含量の2〜30モルパーセントの量で存在する、請求項6に記載のマトリクス組成物。
- 前記第二の脂質成分が、ホスファチジルコリンまたはその誘導体、ホスファチジルコリン類またはそれらの誘導体の混合物、ホスファチジルエタノールアミンまたはその誘導体、ならびにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるリン脂質を含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 前記リン脂質が、少なくとも14の炭素を有する飽和脂肪酸部分を少なくとも1つ含む、請求項8に記載のマトリクス組成物。
- 前記リン脂質が、少なくとも14の炭素を有する飽和脂肪酸部分を2つ含む、請求項8に記載のマトリクス組成物。
- DC−コレステロール、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDAB)、1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(エチルPC)、1,2−ジ−O−オクタデセニル−3−トリメチルアンモニウムプロパン(DOTMA)、ならびにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される陽イオン性脂質をさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 前記生体適合性ポリマーが、生体分解性ポリマー、非生体分解性ポリマーおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 前記生体分解性ポリマーが、PLA(ポリ乳酸)、PGA(ポリグリコール酸)PLGA(乳酸−グリコール酸コポリマー)、キトサン、コラーゲンおよびその誘導体及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載のマトリクス組成物。
- 前記非生体分解性ポリマーが、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGアクリラート、PEGメタクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート、ラウリルメタクリラート、ヒドロキシルエチルメタクリラート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、ポリスチレン、誘導体化ポリスチレン、ポリリジン、ポリN−エチル−4−ビニル−臭化ピリジニウム、ポリ−メチルアクリラート、シリコーン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリプロピレン、塩化ポリビニル、ポリメタクリル酸およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載のマトリクス組成物。
- 前記生体適合性ポリマーが、生体分解性ポリマーおよび非生体分解性ポリマーのコブロックを含む、請求項14に記載のマトリクス組成物。
- 総脂質と前記生体分解性ポリマーとの前記重量比が、1:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 前記ペプチド性分子とPEGとの重量比が10:1から1:1(上限および下限の値を含む)の間である、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 前記マトリクス組成物は均一である、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- スフィンゴ脂質をさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- トコフェロールをさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 実質的に水不含である、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロールおよびホスファチジルイノシトールからなる群から選択される追加のリン脂質をさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 14以上の炭素原子を有する遊離脂肪酸をさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- ペグ付加脂質をさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 前記物質の少なくとも30%がゼロ次速度過程で前記組成物から放出される、前記ペプチド性分子の持続放出のための請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 前記物質の少なくとも50%がゼロ次速度過程で前記組成物から放出される、前記ペプチド性分子の持続放出のための請求項25に記載のマトリクス組成物。
- 前記ペプチド性分子が治療活性を有する、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 前記ペプチド性分子が、酵素、ホルモン、抗微生物剤、抗体、抗癌剤、骨形成因子、成長因子または経口バイオアベイラビリティーの低いタンパク質またはペプチドからなる群から選択される、請求項27に記載のマトリクス組成物。
- 前記ペプチド性分子が抗微生物ペプチドである、請求項28に記載のマトリクス組成物。
- 前記ペプチド性分子がタンパク質である、請求項28に記載のマトリクス組成物。
- 前記タンパク質が酵素である、請求項30に記載のマトリクス組成物。
- (a)生体分解性ポリエステルと、(b)ステロールと、(c)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有するホスファチジルコリンと、(d)極性ペプチド性分子と、(e)PEGと、を含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
- 請求項1に記載のマトリクス組成物を含む、インプラント。
- 請求項1に記載のマトリクス組成物を含む治療用ペプチド性分子を必要とする対象に、該治療用ペプチド性分子を投与するための、医薬組成物。
- 治療用ペプチド性分子を必要とする対象に該治療用ペプチド性分子を投与する方法であって、請求項1に記載のマトリクス組成物を前記対象に投与し、それによって治療用ペプチド性分子を必要とする対象に該治療用ペプチド性分子を投与する、方法。
- 基質と、該基質の少なくとも一部に沈積される生体適合性コーティングと、を含み、前記生体適合性コーティングが請求項1に記載のマトリクス組成物を含む、医療機器。
- 前記生体適合性コーティングが多層を含む、請求項36に記載の医療機器。
- ペプチド性分子の送達ならびに持続放出および/または制御放出のためのマトリクス組成物を作製する方法であって、
a.揮発性有機溶媒である第一の溶媒に、(i)生体適合性ポリマーと、(ii)極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分とを混合するステップと、
b.前記ペプチド性分子を第二の溶媒に混合して溶液を作製し、前記溶液にポリエチレングリコールを添加するステップと、
c.少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分と、ステップ(b)で得られた溶液を混合するステップと、
d.ステップ(a)で得られた溶液とステップ(c)で得られた溶液とを混合し、均一な混合物を得るステップと、
e.前記溶媒を除去するステップと、を含み、
それによって、前記ペプチド性分子を含む均一なポリマー−リン脂質マトリクスを作製する、方法。 - 前記第二の溶媒が、揮発性有機溶媒および極性溶媒からなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
- ステップ(c)が、(i)蒸発により前記溶媒を除去し、(ii)得られた沈殿物を前記第二の揮発性有機溶媒中で縣濁することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
- 前記ペプチド性分子が極性である、請求項38に記載の方法。
- 前記PEGが、1,000〜5,000の範囲の分子量を有する直鎖状PEGである、請求項38に記載の方法。
- 極性基を有する前記脂質が、ステロール、トコフェロール、ホスファチジルエタノールアミンおよびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
- 極性基を有する前記脂質がステロールまたはそれらの誘導体である、請求項43に記載の方法。
- 前記第二の脂質成分が、ホスファチジルコリンまたはその誘導体、ホスファチジルコリン類またはそれらの誘導体の混合物、ホスファチジルエタノールアミンまたはその誘導体、ならびにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるリン脂質を含む、請求項38に記載の方法。
- 前記生体適合性ポリマーが、生体分解性ポリマー、非生体分解性ポリマーおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
- 前記生体分解性ポリマーが、PLA(ポリ乳酸)、PGA(ポリグリコール酸)、PLGA(乳酸−グリコール酸コポリマー)、陽イオン性生体適合性ポリマー及びそれらの組み合わせからなる群から選択される生体分解性ポリエステルである、請求項46に記載の方法。
- 前記非生体分解性ポリマーが、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGアクリラート、PEGメタクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート、ラウリルメタクリラート、ヒドロキシルエチルメタクリラート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、ポリスチレン、誘導体化ポリスチレン、ポリリジン、ポリN−エチル−4−ビニル−臭化ピリジニウム、ポリ−メチルアクリラート、シリコーン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリプロピレン、塩化ポリビニル、ポリメタクリル酸およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項46に記載の方法。
- 特定の構造のマトリクスを得るために、ステップ(d)の後、得られた溶液を鋳型に挿入し、続いて溶媒を除去する、請求項38に記載の方法。
- ステップ(d)の得られた均一な溶液に、基質を添加するか、浸漬するかまたはさっと浸し、続いて前記溶媒を除去し、それによって、前記ペプチド性分子を含む均一なポリマー−リン脂質マトリクスで被覆された基質を生成させる、請求項38に記載の方法。
- ステップ(e)が、最高60℃に加熱することによって、陰圧にすることによってまたはその両方によって、前記溶媒を蒸発させることを含む、請求項38に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201161512025P | 2011-07-27 | 2011-07-27 | |
US61/512,025 | 2011-07-27 | ||
PCT/IL2012/050278 WO2013014677A1 (en) | 2011-07-27 | 2012-07-26 | Matrix compositions for controlled release of peptide and polypeptide molecules |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014521636A true JP2014521636A (ja) | 2014-08-28 |
JP2014521636A5 JP2014521636A5 (ja) | 2015-09-10 |
Family
ID=47600590
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014522216A Pending JP2014521636A (ja) | 2011-07-27 | 2012-07-26 | ペプチドおよびポリペプチド分子の制御放出のためのマトリクス組成物 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20140271861A1 (ja) |
EP (1) | EP2736492A4 (ja) |
JP (1) | JP2014521636A (ja) |
CN (1) | CN103717206A (ja) |
AU (1) | AU2012288422B2 (ja) |
CA (1) | CA2838481A1 (ja) |
WO (1) | WO2013014677A1 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015114633A1 (en) | 2014-01-30 | 2015-08-06 | Yissum Research And Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Ltd. | Actin binding peptides and compositions comprising same for inhibiting angiogenes is and treating medical conditions associated with same |
US10682442B2 (en) | 2014-04-04 | 2020-06-16 | University Of Kentucky Research Foundation | Small molecule drug release from in situ forming degradable scaffolds incorporating hydrogels and bioceramic microparticles |
US9492594B2 (en) * | 2014-07-18 | 2016-11-15 | M.A. Med Alliance SA | Coating for intraluminal expandable catheter providing contact transfer of drug micro-reservoirs |
US11406742B2 (en) | 2014-07-18 | 2022-08-09 | M.A. Med Alliance SA | Coating for intraluminal expandable catheter providing contact transfer of drug micro-reservoirs |
US10182993B2 (en) * | 2015-04-06 | 2019-01-22 | Patheon Softgels Inc. | Compositions for colonic delivery of drugs |
EP3700965A1 (en) | 2017-10-27 | 2020-09-02 | Massachusetts Institute of Technology | Poly (beta-amino esters) and uses thereof |
EP3870629A1 (en) * | 2018-10-26 | 2021-09-01 | Massachusetts Institute of Technology | Polymer-lipids and compositions |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09510477A (ja) * | 1994-06-18 | 1997-10-21 | ユニバーシティ オブ ノッティンガム | 薬剤移送用ポリマーミクロ粒子 |
JP2007524628A (ja) * | 2003-06-26 | 2007-08-30 | シヴィダ・インコーポレイテッド | In−Situゲル化薬物輸送システム |
WO2010007623A1 (en) * | 2008-07-14 | 2010-01-21 | Polypid Ltd. | Sustained-release drug carrier composition |
US20100196482A1 (en) * | 2007-04-04 | 2010-08-05 | Massachusetts Institute Of Technology | Polymer-encapsulated reverse micelles |
WO2011007353A1 (en) * | 2009-07-14 | 2011-01-20 | Polypid Ltd. | Sustained-release drug carrier composition |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6423345B2 (en) * | 1998-04-30 | 2002-07-23 | Acusphere, Inc. | Matrices formed of polymer and hydrophobic compounds for use in drug delivery |
MXPA03002918A (es) * | 2000-10-02 | 2004-04-20 | Arizeke Pharmaceuticals Inc | Composiciones y metodos para el transporte de agentes biologicamente activos a traves de barreras celulares. |
EP1601326A4 (en) * | 2003-02-12 | 2011-05-11 | Ceremed Inc | RANDOM ALKYLENE OXIDE COPOLYMERS FOR MEDICAL AND SURGICAL USES |
US20040247624A1 (en) * | 2003-06-05 | 2004-12-09 | Unger Evan Charles | Methods of making pharmaceutical formulations for the delivery of drugs having low aqueous solubility |
US8277831B2 (en) * | 2004-02-17 | 2012-10-02 | Advanced Technologies And Regenerative Medicine, Llc. | Drug-enhanced adhesion prevention |
US7906140B2 (en) * | 2004-06-17 | 2011-03-15 | Virun, Inc. | Compositions for mucosal delivery of agents |
WO2008105773A2 (en) * | 2006-03-31 | 2008-09-04 | Massachusetts Institute Of Technology | System for targeted delivery of therapeutic agents |
US8703167B2 (en) * | 2006-06-05 | 2014-04-22 | Advanced Cardiovascular Systems, Inc. | Coatings for implantable medical devices for controlled release of a hydrophilic drug and a hydrophobic drug |
WO2010083337A2 (en) * | 2009-01-15 | 2010-07-22 | The Regents Of The University Of Califorinia | Composite nanostructures and methods for making and using them |
CN101555212B (zh) * | 2009-05-22 | 2012-06-20 | 戴立忠 | 能输送生物活性物质的合成小分子化合物及其应用 |
-
2012
- 2012-07-26 CA CA2838481A patent/CA2838481A1/en not_active Abandoned
- 2012-07-26 AU AU2012288422A patent/AU2012288422B2/en active Active
- 2012-07-26 CN CN201280037604.2A patent/CN103717206A/zh active Pending
- 2012-07-26 EP EP12816978.6A patent/EP2736492A4/en not_active Withdrawn
- 2012-07-26 WO PCT/IL2012/050278 patent/WO2013014677A1/en active Application Filing
- 2012-07-26 US US14/235,075 patent/US20140271861A1/en not_active Abandoned
- 2012-07-26 JP JP2014522216A patent/JP2014521636A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09510477A (ja) * | 1994-06-18 | 1997-10-21 | ユニバーシティ オブ ノッティンガム | 薬剤移送用ポリマーミクロ粒子 |
JP2007524628A (ja) * | 2003-06-26 | 2007-08-30 | シヴィダ・インコーポレイテッド | In−Situゲル化薬物輸送システム |
US20100196482A1 (en) * | 2007-04-04 | 2010-08-05 | Massachusetts Institute Of Technology | Polymer-encapsulated reverse micelles |
WO2010007623A1 (en) * | 2008-07-14 | 2010-01-21 | Polypid Ltd. | Sustained-release drug carrier composition |
WO2011007353A1 (en) * | 2009-07-14 | 2011-01-20 | Polypid Ltd. | Sustained-release drug carrier composition |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2736492A1 (en) | 2014-06-04 |
WO2013014677A8 (en) | 2013-09-06 |
US20140271861A1 (en) | 2014-09-18 |
WO2013014677A1 (en) | 2013-01-31 |
CA2838481A1 (en) | 2013-01-31 |
AU2012288422B2 (en) | 2016-08-11 |
CN103717206A (zh) | 2014-04-09 |
EP2736492A4 (en) | 2015-06-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2012288422B2 (en) | Matrix compositions for controlled release of peptide and polypeptide molecules | |
JP5404402B2 (ja) | 医薬適用のための乾燥した再構成したベシクル形成 | |
AU2012288422A1 (en) | Matrix compositions for controlled release of peptide and polypeptide molecules | |
Wang et al. | Bisphosphonate-derivatized liposomes to control drug release from collagen/hydroxyapatite scaffolds | |
Fu et al. | Self-assembling peptide-based hydrogels: Fabrication, properties, and applications | |
KR100374482B1 (ko) | 유전자 또는 약물을 효과적으로 전달하는 지질미립구,제형 및 이들의 제조방법 | |
US8268344B2 (en) | Particle-containing complex porous materials | |
US9616032B2 (en) | Sustained-release nucleic acid matrix compositions | |
Mi et al. | Injectable nanoparticles/hydrogels composite as sustained release system with stromal cell-derived factor-1α for calvarial bone regeneration | |
JP2008520600A (ja) | 局所投与のための医薬組成物におけるまたはそれに関する改善 | |
JP2016530252A (ja) | 組成物および送達系 | |
CN107405412A (zh) | 通过递送bmp编码rna诱导骨生成 | |
US20100104623A1 (en) | Agent for enhancing the resistance of liposome against biological component, and liposome modified with the agent | |
EP3758681B1 (en) | A lipid-based coating composition, and an object having a lipid-based coating | |
Oh et al. | Plasmid DNA-loaded asymmetrically porous membrane for guided bone regeneration | |
US20180214570A1 (en) | Gel composition and method for producing gel composition | |
US20060188573A1 (en) | Composite materials and particles | |
KR101629563B1 (ko) | 성장인자를 함유한 생분해용 폴리머-쉘화된 메소포러스 나노구가 삽입된 치료용 폼 스캐폴드 | |
KR101916941B1 (ko) | 플라스미드 디엔에이 전달용 고분자 나노입자 조성물 및 그의 제조방법 | |
KR102604867B1 (ko) | 방광 내 주입용 온도 감응성 부유 하이드로겔 약물전달체 | |
KR100342835B1 (ko) | 유전자 또는 약물을 효과적으로 전달하는 지방유제, 제형 및 이들의 제조방법 | |
Matosevic | Liposome-Scaffold Systems for Drug Delivery | |
RU2211027C2 (ru) | Способ конструирования, проверки и применения ассоциатов макромолекул и комплексных агрегатов с повышенной полезной нагрузкой и контролируемой степенью ассоциации/диссоциации | |
Mallapragada et al. | SYMPOSIUM NN |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150723 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150723 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160421 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160502 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20161129 |