JP2014521636A - ペプチドおよびポリペプチド分子の制御放出のためのマトリクス組成物 - Google Patents

ペプチドおよびポリペプチド分子の制御放出のためのマトリクス組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、生体適合性ポリマーおよびPEGと会合しているペプチド性分子を含む脂質飽和マトリクスを含む、ペプチド性分子の制御放出のための組成物を提供する。また、本発明は、ペプチド性分子を制御放出させるために、本マトリクス組成物を作製する方法および本マトリクス組成物を使用するための方法も提供する。

Description

本発明は、生体適合性ポリマーおよびPEGと会合したペプチド性分子を含む脂質−飽和マトリクスを含むペプチド性分子の制御放出のための組成物を提供する。また、本発明は、本マトリクス組成物を作製する方法、ならびにペプチド性活性分子を制御放出させるために本マトリクス組成物を使用するための方法も提供する。
ここ数十年の間、様々なペプチドまたはタンパク質の治療または診断効果の可能性が精力的に研究されており、このような医薬的に活性な薬剤の投与により、様々な疾患および臨床的障害の処置が行われている。しかし、ペプチド性分子の使用に対しては技術的な障壁があり、ペプチド性分子の送達ならびに持続放出および/または制御放出のための現実的で有効かつ安全な手段が必要とされている。
生物学的に活性な薬剤、特に治療用薬剤に対する脂質ベースの送達系は、薬剤科学の技術分野で周知である。一般に、これらは、低バイオアベイラビリティーまたは高毒性あるいはその両方を示す薬剤を処方するために使用される。一般に行われている容認された投薬形態の中でも、とりわけ、小型単一ラメラ小胞、多ラメラ小胞および多くの他のタイプのリポソームを含む、多くの異様々なタイプのリポソーム、油中水エマルション、水中油エマルション、水中油中水の二重エマルション、サブミクロンエマルション、マイクロエマルションを含む、様々なタイプのエマルション、ミセルおよび多くの他の疎水性薬物担体がある。これらのタイプの脂質ベース送達系は、標的化送達を可能にするか、または毒性を低下させるかまたは代謝的安定性を向上させるなどのために高度に特殊化させ得る。日単位、週単位以上の範囲での生物学的に活性のある薬剤の徐放性放出は、インビボでの脂質ベース送達系とは通常は関連しない特性である。
理想的には、持続放出薬物送達系は、使用する具体的な賦形剤のタイプおよび比率によって容易に制御される、速度的および他の特徴を示すべきである。有利に、持続放出薬物送達系は、親水性、両親媒性ならびに疎水性薬物のための溶液を提供すべきである。
制御放出できない方式での治療用薬剤の投与では、毒性となり得るかまたは望ましくない副作用が生じる濃度への到達時、および治療効果のために必要とされるレベル以下で下記に包含される他のとき、そのレベルが実質的に揺らぎ得ることが、長年にわたり認められてきた。制御放出のための装置および/または方法の使用の主要な目的は、治療用薬剤の全身レベルにわたり、より高度に制御することである。
治療用薬剤の制御放出を達成することを目的として、様々なストラテジーが開発されてきた。制御分散による放出は、これらのストラテジーの1つである。分散制御徐放装置を組み立てるために、様々な材料が使用されてきた。これらの材料には、非分解性ポリマー、例えば、ポリジメチルシロキサン、エチレン−酢酸ビニルコポリマーおよびヒドロキシルアルキルメタクリラートならびに分解性ポリマー、これらの中でも乳酸/グリコール酸コポリマーなどが含まれる。高放出能を可能にするタンパク質放出のために、エチレン−酢酸ビニルコポリマーから組み立てられる微多孔膜が使用されてきた。
制御放出のためのさらなるストラテジーには、治療用薬剤が固定されている基質からの化学的切断および/または薬剤が固定されているポリマーの生体分解を要する、化学的に制御される持続放出が含まれる。このカテゴリーにはまた、制御される非共有解離も含まれるが、これは、非共有結合により一時的に基質に結合されている薬剤の解離の結果として起こる放出に関する。この方法は、安定であるが、適切な基質へのタンパク質の永久的結合とはならない、複数の非共有、イオン性、疎水性、および/または水素結合を形成可能な巨大分子である、タンパク質またはペプチドの制御放出に特によく適している。
理想的には、持続放出薬物送達系は、使用する具体的な賦形剤のタイプおよび比率によって容易に制御される、速度的および他の特徴を示すべきである。有利に、持続放出薬物送達系は、親水性、両親媒性ならびに疎水性薬物のための溶液を提供するべきである。
本発明の発明者らに対する国際公開第2010/007623号および同第2011/0072525号は、生体分解性、非生体分解性または、非生体分解性ポリマーを含むブロックコポリマーおよび生体分解性ポリマーから形成される脂質−飽和マトリクスを含む1以上の活性成分の徐放性放出のための組成物を提供する。本マトリクス組成物を作製する方法、ならびに、活性成分の制御放出を必要とする対象の体内で活性成分を制御放出させるために本マトリクス組成物を使用するための方法も開示される。
当技術分野で近年進歩があったものの、複数の医薬的活性薬剤の脂質−飽和ポリマー性マトリクスからの持続放出またはプログラム放出または制御放出を、好ましくは同じまたはさらなる活性薬剤の即時放出と組み合わせて達成するように構成される医薬組成物の改善が必要とされている。
本発明は、生体適合性ポリマーおよびPEGと会合したペプチド性分子を含む脂質−飽和マトリクスを含むペプチド性分子の制御放出のための組成物を提供する。マトリクス組成物は、ペプチド性分子の局所送達または局所適用に対して特に適切である。また、本発明は、本マトリクス組成物を作製する方法および生物学的に活性のあるペプチド性分子を制御放出および/または持続放出させるために、本マトリクス組成物を使用するための方法も提供する。
本発明は、一部、ポリエチレングリコール(PEG)をさらに含む有機溶媒溶液中に存在する、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質および特に極性ペプチド性分子が、生体分解性ポリマー、非生体分解性ポリマーまたはそれらの組み合わせであり得る、少なくとも1つの生体適合性ポリマーを含む脂質ベースのマトリクスに効率的に負荷され得るという、予想外の発見に基づく。さらに、制御および/または徐放性の方式で本マトリクスからペプチド性分子が放出され得る。
本発明のマトリクス組成物は、生物学的に活性のあるペプチド性分子の送達のための従来の組成物およびマトリクスを凌ぐ長所があるが、すなわち、これは、生物学的に活性がある分子の細胞または組織への効率的な局所送達とその分子の制御放出および/または持続放出を組み合わせたものである。
ある態様において、本発明は、(a)極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分と会合している医薬的に許容可能な生体適合性ポリマーと、(b)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分と、(c)ポリエチレングリコール(PEG)と会合している少なくとも1つのペプチド性分子と、を含むマトリクス組成物を提供するが、このマトリクス組成物は、ペプチド性分子を持続放出および/または制御放出させるように構成される。一部の実施形態によれば、ペプチド性分子は極性である。一部の実施形態によれば、ペプチド性分子は親水性である。
現在の代表的なある実施形態によれば、ポリマーおよびリン脂質は、実質的に水不含であるマトリクス組成物を形成する。
「ペプチド性分子」という用語は、本明細書中で使用される場合、1以上のアミノ酸、一般的には2以上のアミノ酸から構成される何らかの構造を指す。この用語は、ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質を含むものとする。ペプチド性分子は、天然のペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質、修飾、組み換えまたは化学合成ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質であり得る。
「極性」という用語は、上記で定められるとおりのペプチド性分子と組み合わせられる場合、ペプチド性分子が、極性官能基を有する少なくとも1つのアミノ酸を含むことを意味する。例えば、陽イオン性側鎖(アルギニンおよびリジン)、陰イオン性側鎖(アスパラギンおよびグルタミン酸)および中性極性側鎖(アスパラギン、グルタミン、セリンおよびスレオニン)である。一部の実施形態によれば、これは、分子の全体的特徴が極性であることを意味する。一部の実施形態によれば、これは、分子が極性溶媒中で可溶性であることを意味する。
特定の実施形態によれば、ペプチド性分子は治療活性を有する。特定の実施形態によれば、ペプチド性分子は、酵素、ホルモン、抗微生物剤、抗体、抗癌剤、骨形成因子、成長因子または経口バイオアベイラビリティーの低いタンパク質またはペプチドから選択される。一部の実施形態によれば、ペプチド性分子は極性である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。ある種の典型的な実施形態によれば、ペプチド性分子は抗微生物ペプチドである。他の典型的な実施形態によれば、ペプチド性分子は酵素である。
特定の実施形態によれば、ペプチド性分子は、PEGと非共有結合している。作用の理論または機構に縛られることを望むものではないが、ペプチド性分子およびPEGの会合は、一般に、水素結合およびファンデルワールス力の引力作用を含む分子間相互作用の所産であることが示唆される。
特定の実施形態によれば、PEGは、1,000〜10,000の範囲の分子量を有する直鎖状PEGである。典型的な実施形態によれば、PEG分子量は、1,000〜8,000の範囲、より一般的には5,000以下である。本発明の教示に従い、生体分解性PEG分子、特により高い分子量を有する分解性スペーサーを含むPEG分子を使用することもできる。
分子量が5,000以下のPEG分子は、現在、医薬用途に対して承認されている。したがって、ある種の典型的な実施形態によれば、活性のあるPEG分子の分子量は5,000以下である。
一部の実施形態によれば、本マトリクス組成物は、少なくとも1つの陽イオン性脂質をさらに含み得る。特定の実施形態によれば、陽イオン性脂質は、DC−コレステロール、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDAB)、1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(エチルPC)、1,2−ジ−O−オクタデセニル−3−トリメチルアンモニウムプロパン(DOTMA)などからなる群から選択される。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
特定の実施形態によれば、生体適合性ポリマーは、生体分解性ポリマー、非生体分解性ポリマーおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態によれば、生体分解性ポリマーは、PLA(ポリ乳酸)、PGA(ポリグリコール酸)、PLGA(乳酸−グリコール酸コポリマー)及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリエステルを含む。さらなる実施形態によれば、生体分解性ポリマーは、キトサンおよびコラーゲンからなる群から選択される。他の実施形態によれば、非生体分解性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGアクリラート、PEGメタクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート、ラウリルメタクリラート、ヒドロキシルエチルメタクリラート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、ポリスチレン、誘導体化ポリスチレン、ポリリジン、ポリN−エチル−4−ビニル−臭化ピリジニウム、ポリ−メチルアクリラート、シリコーン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリプロピレン、塩化ポリビニル、ポリメタクリル酸およびそれらの誘導体のみからなる群から、またはそれらのコポリマー性混合物として、選択される。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
さらなる実施形態によれば、非生体分解性ポリマーおよび生体分解性ポリマーは、ブロックコポリマー、例えば、PLGA−PEG−PLGAなどを形成する。
特定の実施形態によれば、極性基を有する脂質は、ステロール、トコフェロール、脂肪酸、ホスファチジルエタノールアミンまたはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。ある種の特定の実施形態によれば、極性基を有する脂質はステロールまたはそれらの誘導体である。典型的な実施形態によれば、ステロールはコレステロールである。
特定の実施形態によれば、非共有結合を形成させるために、第一の脂質成分を生体適合性ポリマーと混合する。何らかの特定の作用理論または機構に限定されるものではないが、ポリマーおよび極性基を有する第一の脂質が、水素結合の形成を介して会合させられることが示唆される。
ある種の特定の実施形態によれば、第一の脂質成分は、ステロールまたはそれらの誘導体であり、生体適合性ポリマーは、生体分解性ポリエステルである。これらの実施形態によれば、非共有結合を介して、特に水素結合を介して、生体分解性ポリエステルがステロールと会合させられる。
一部の実施形態によれば、第二の脂質成分は、2つの脂肪酸部分を有し、脂肪酸部分の少なくとも1つは、少なくとも14の炭素を有するものであるかまたはその誘導体である、ホスファチジルコリンを含む。一部の実施形態によれば、脂肪酸部分のうち少なくとも1つは飽和している。一部の実施形態によれば、脂肪酸部分は両方とも飽和している。他の実施形態によれば、第二の脂質成分は、2つの脂肪酸部分を有し、脂肪酸部分のうち少なくとも1つは、少なくとも14の炭素を含有するものであるかまたはそれらの誘導体である、ホスファチジルコリンの混合物を含む。一部の実施形態によれば、脂肪酸部分のうち少なくとも1つは飽和している。一部の実施形態によれば、脂肪酸部分は両方とも飽和している。また他の実施形態によれば、第二の脂質成分は、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミンまたはその誘導体の混合物を含む。さらなる実施形態によれば、第二の脂質成分は、ステロールおよびその誘導体をさらに含む。典型的な実施形態によれば、ステロールはコレステロールである。またさらなる実施形態によれば、第二の脂質成分は、様々なタイプのリン脂質の混合物を含む。ある種の典型的な実施形態によれば、第二の脂質成分は、スフィンゴ脂質、トコフェロールおよびペグ付加脂質のうち少なくとも1つをさらに含む。
さらなる実施形態によれば、総脂質と生体適合性ポリマーとの重量比は、1:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である。一部の実施形態によれば、第一の脂質と第二の脂質との重量比は、1:20〜1:1の間である。一部の実施形態によれば、ペプチド性分子とPEGとの重量比は、20:1から1:1の間である。一部の実施形態によれば、PEGは、本マトリクス組成物の総重量の0.1%から10重量%の間の量で存在する。
特定の実施形態によれば、本マトリクス組成物は均一である。その他の実施形態において、本マトリクス組成物は、形および境界が生体適合性ポリマーにより定められる脂質ベースのマトリクスの形態である。またさらなる実施形態において、本マトリクス組成物はインプラントの形態である。
ある種の特定の実施形態において、本発明は、(a)生体分解性ポリエステルと、(b)ステロールと、(c)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有するホスファチジルコリンと、(d)ペプチド性分子と、(e)PEGと、を含むマトリクス組成物を提供する。
他の特定の実施形態において、本発明は、(a)生体分解性ポリエステルと、(b)ステロールと、(c)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有するホスファチジルコリンと、(d)極性ペプチド性分子と、(e)PEGを含むマトリクス組成物を提供する。
また他の特定の実施形態において、本発明は、(a)生体分解性ポリエステルと、(b)ステロールと、(c)少なくとも14の炭素を有する飽和脂肪酸部分を有するホスファチジルコリンと、(d)極性ペプチド性分子と、(e)PEGと、を含むマトリクス組成物を提供する。
特定の実施形態において、本マトリクス組成物は、少なくとも50重量%の脂質を含む。ある種のさらなる実施形態において、本マトリクス組成物は、標的部分をさらに含む。
特定の実施形態によれば、本マトリクス組成物は、実質的に水不含である。「実質的に水不含」という用語は、水の含有が1重量%未満である、水が0.8%未満、水が0.6%未満、水が0.4%未満または水が0.2%未満である組成物を指す。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。別の実施形態において、この用語は、本マトリクスの耐水特性に影響を与える量の水がないことを指す。
さらなる実施形態によれば、本マトリクス組成物は、基本的に水不含である。「基本的に不含」とは、含まれる水の量が0.1重量%未満、水が0.08重量%未満、水が0.06重量%未満、水が0.04重量%未満、水が0.02重量%未満である、組成物を指す。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。別の実施形態において、この用語は、含まれる水が0.01重量%未満である組成物を指す。
さらなる実施形態によれば、各マトリクス組成物は水不含である。別の実施形態において、この用語は、検出可能な量の水を含有しない組成物を指す。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
特定の実施形態において、本マトリクス組成物は、インビボで、放出されるペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の質量の一部または全てが統合される小胞に分解可能である。その他の実施形態において、本マトリクス組成物は、インビボで、活性ペプチド性分子および標的部分が統合される小胞に分解可能である。
さらなる態様によれば、本発明は、本発明のマトリクス組成物および医薬的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
特定の実施形態によれば、本発明のマトリクス組成物は、有機溶媒および水の除去後にインプラントの形態となる。別の実施形態において、インプラントは均一である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
特定の実施形態によれば、本発明の組成物からインプラントを作製するためのプロセスは、(a)バルク材料の形態で、本発明の方法に従いマトリクス組成物を作製するステップと、(b)このバルク材料を鋳型または望ましい形の固体容器に移す、
別の態様によれば、本発明は、
(a)第一の溶媒に、(i)生体適合性ポリマーと、(ii)極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分とを混合するステップと、
(b)溶液を生成させるために第二の溶媒にペプチド性分子を混合し、この溶液にポリエチレングリコールを添加するステップと、
(c)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分とステップ(b)で得られた溶液を混合するステップと、
(d)ステップ(a)で得られた溶液とステップ(c)で得られた溶液とを混合し、均一な混合物を得るステップと、
(e)溶媒を除去するステップと、を含み、
それによって、ペプチド性分子を含む均一なポリマー−リン脂質マトリクスを作製することを含む、生物学的に活性のあるペプチド性分子の送達ならびに持続放出および/または制御放出のためのマトリクス組成物を作製するための方法を提供する。
一部の実施形態によれば、第一の溶媒は、揮発性有機溶媒である。特定の実施形態によれば、第二の溶媒は、揮発性有機溶媒、極性溶媒および何らかのそれらの混合物からなる群から選択される。典型的な実施形態によれば、極性溶媒は水である。
特定の実施形態によれば、ステップ(c)は、(i)沈殿物を生成させるために、蒸発、凍結乾燥または遠心によって溶媒を除去し、(ii)第二の揮発性有機溶媒中で得られた沈殿物を縣濁することを場合によってはさらに含む。
具体的な溶媒の選択は、特定の処方において使用される具体的なペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質および他の物質および生物学的に活性のあるペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の意図される使用によって、および本明細書中に記載の本発明の実施形態に従い行われる。本発明のマトリクスを形成する特定の脂質は、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の望ましい放出速度により、および本明細書中に記載の本発明の実施形態に従い、選択される。
溶媒は、通常、得られる溶液の特性および生物学的に活性のあるペプチド性分子のタイプに従い決定される制御温度で行われる蒸発によって除去される。有機溶媒および水の残渣は真空を用いてさらに除去される。
本発明によれば、異なるタイプの揮発性有機溶液の使用によって、均一な耐水性の脂質ベースのマトリクス組成物の形成が可能となる。様々な実施形態によれば、第一および第二の溶媒は、同じであるかまたは異なり得る。一部の実施形態によれば、一方の溶媒は非極性であり得、他方は水混和性であり得る。
特定の実施形態によれば、生体分解性ポリエステルは、PLA、PGAおよびPLGA、キトサンおよびコラーゲンからなる群から選択される。その他の実施形態において、生体分解性ポリエステルは、当技術分野で公知の何らかの他の適切な生体分解性ポリエステルまたはポリアミンである。
特定の実施形態において、ステップ(a)の混合物中のポリマーは脂質飽和している。さらなる実施形態において、本マトリクス組成物は、脂質飽和している。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
様々な基質の表面を完全にまたは部分的に被覆するために、本発明のマトリクス組成物を使用することができる。特定の実施形態によれば、被覆する基質としては、炭素繊維、ステンレス鋼、ヒドロキシルアパタイト被覆金属、合成ポリマー、ゴム、シリコン、コバルト−クロム、チタン合金、タンタル、セラミックおよびコラーゲンまたはゼラチンからなる群から選択される少なくとも1つの材料が挙げられる。その他の実施形態において、基質としては、何らかの医療機器および骨充填剤粒子が挙げられ得る。骨充填剤粒子は、同種異系(即ちヒト由来)、異種(即ち動物由来)および人工骨粒子の何れか1つであり得る。ある種の典型的な実施形態によれば、コーティングの厚さは、1〜200μm、好ましくは5〜100μmである。その他の実施形態において、被覆した基質を用いた処置および被覆した基質の投与は、同様の非被覆基質の処置および投与のための当技術分野で公知の手順に従う。
(i)ポリマーと脂質含量、具体的には、少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有するリン脂質との間の重量比、(ii)バイオポリマーおよび脂質の生化学および/または生物物理学特性、(iii)ある組成物中で使用される様々な脂質間の比の4つの主要な因子を考慮して、本発明の組成物を用いた持続放出期間をプログラムすることができることを強調したい。ポリエチレングリコールとペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の温置は、持続放出時間にも影響を及ぼし得る。
具体的には、ポリマーの分解速度および脂質の流動性を考慮すべきである。例えば、PLGA(85:15)ポリマーは、PLGA(50:50)ポリマーよりもゆっくりと分解する。ホスファチジルコリン(14:0)は、ホスファチジルコリン(18:0)よりも体温で流動性が高い(剛性が低く、秩序性が低い)。したがって、例えば、PLGA(85:15)およびホスファチジルコリン(18:0)を含むマトリクス組成物に組み込まれるペプチド性分子の放出速度は、PLGA(50:50)およびホスファチジルコリン(14:0)から構成されるマトリクスに組み込まれる分子よりも遅い。放出速度を決定する別の態様は、本マトリクスに組み込まれるペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の物理学的特性である。さらに、治療用ペプチド性分子の放出速度は、第二の脂質成分の処方への他の脂質の添加によってさらに制御され得る。これには、ラウリン酸(C12:0)などの様々な長さの脂肪酸、膜活性のあるステロール(コレステロールなど)または他のリン脂質、例えばホスファチジルエタノールアミンなど、が含まれ得る。ポリエチレングリコールとのペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の温置時間も、本マトリクスからのペプチド性分子の放出速度に影響を及ぼし得る。
特定の実施形態によれば、ペプチド性分子の少なくとも30%が、ゼロ次速度過程で本マトリクス組成物から放出される。他の実施形態によれば、ペプチド性分子の少なくとも50%がゼロ次速度過程で本組成物から放出される。
本発明のこれらおよび他の特徴および長所は、続く発明を実施するための形態からより容易に理解され、認められるであろう。
図1は、本発明の一部の実施形態に係るマトリクスからのNBD−標識抗微生物ペプチドの放出プロファイルを示す。
本発明は、生体適合性ポリマーとともに脂質ベースのマトリクスを含む治療活性を有するペプチド性分子の徐放性および/または制御放出のための組成物を提供する。特に、本発明のマトリクス組成物は、活性分子の局所放出に適切である。また、本発明は本マトリクス組成物を作製する方法および、活性成分の制御放出を必要とする対象の体内で活性成分を制御放出させるために本マトリクス組成物を使用するための方法も提供する。
ある態様によれば、本発明は、(a)極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分と会合している、医薬的に許容可能な生体適合性ポリマーと、(b)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分と、(c)ポリエチレングリコール(PEG)と会合している少なくとも1つのペプチド性分子と、を含み、ペプチド性分子を制御放出させるのに適している、マトリクス組成物を提供する。一部の実施形態によれば、ペプチド性分子は極性である。
特定の実施形態によれば、生体適合性ポリマーは生体分解性である。他の実施形態によれば、生体適合性ポリマーは非生体分解性である。さらなる実施形態によれば、生体適合性ポリマーは、生体分解性および非生体分解性ポリマーの組み合わせ、場合によってはブロックコポリマーとして、を含む。
特定の実施形態によれば、本発明は、(a)医薬的に許容可能な生体分解性ポリエステルと、(b)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有するリン脂質と、(c)医薬的に活性のあるペプチド性分子と、(d)PEGと、を含むマトリクス組成物を提供する。
ペプチド性分子は、治療効果を有する何らかのオリゴペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質であり得る。特定の実施形態によれば、ペプチド性分子は、酵素、ホルモン、抗体、抗微生物ペプチド、抗癌ペプチド、抗癌タンパク質、骨形成因子、成長因子または経口バイオアベイラビリティーの低いタンパク質またはペプチドから選択される。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。ある種の典型的な実施形態によれば、ペプチド性分子は、抗微生物ペプチドである。他の典型的な実施形態によれば、ペプチド性分子は酵素である。
一部の実施形態によれば、脂質−飽和マトリクス組成物は、少なくとも1つの陽イオン性脂質を含む。「陽イオン性脂質」という用語は、生理的pHなど、選択されたpHで正味陽性電荷を有する多くの脂質種の何れかを指す。このような脂質としては、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(「DODAC」)、N−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(「DOTMA」)、N,N−ジステアリル−Ν,Ν−ジメチルアンモニウムブロミド(「DDAB」)、N−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(「DOTAP」)、3−(N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル)コレステロール(「DC−Chol」)およびN−(1,2−ジミリスチルオキシプロプ−3−イル)−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(「DMRIE」)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、本発明において使用することができる、多くの市販の陽イオン性脂質標品が入手可能である。これらには、例えば、LIPOFECTIN(登録商標)(GIBCO/BRL,Grand Island,N.Y.,USAから入手可能なDOTMAおよび1,2−ジオレオイル−sn−3−ホスホエタノールアミン(「DOPE」)を含む市販の陽イオン性リポソーム)、LIPOFECTAMINE(登録商標)(GIBCO/BRLから入手可能なN−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N−(2−(スペルミンカルボキサミド)エチル)N,N−ジメチルアンモニウムトリフルオロアセテート(「DOSPA」)および(「DOPE」)を含む市販の陽イオン性リポソーム)、ならびに、TRANSFECTAM(登録商標)(Promega Corp.,Madison,Wis.,USAから入手可能なエタノール中のジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(「DOGS」)を含む市販の陽イオン性脂質)が含まれる。DODAP、DODMA、DMDMAの脂質等は陽イオン性であり、生理的pH以下で正電荷を有する。何らかの具体的な理論または作用機構により縛られることを望むものではないが、本マトリクスの陽イオン性脂質は、細胞または組織への、ペプチド性分子を含む本発明のマトリクスの内在化を促進する。特定の実施形態によれば、細胞および/または組織は、ヒトの身体の一部を形成する。
他の実施形態によれば、生体分解性ポリマーは、陽イオン性ポリマー、例えば陽イオン化グアーガム、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミドコポリマー、四級化ポリビニルピロリドンおよびそれらの誘導体および様々なポリクオタニウム−化合物などを含む。
特定の実施形態によれば、第二の脂質成分のリン脂質は、少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有するホスファチジルコリンである。別の実施形態において、第二の脂質成分は、少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有するホスファチジルエタノールアミンをさらに含む。別の実施形態において、第二の脂質成分は、ステロール、特にコレステロールをさらに含む。
特定の実施形態において、本マトリクス組成物は、脂質飽和している。「脂質飽和」とは、本明細書中で使用される場合、何らかのペプチド性分子および場合によっては本マトリクスに存在する標的部分および存在し得る何らかの他の脂質と組み合わせられたリン脂質を含む脂質での、本マトリクス組成物のポリマーの飽和を指す。本マトリクス組成物は、どの脂質が存在するにせよ、飽和している。本発明の脂質飽和マトリクスは、合成乳化剤または界面活性剤、例えばポリビニルアルコールなどを必要としないというさらなる長所を示し、従って本発明の組成物は、一般的には実質的にポリビニルアルコール不含である。脂質飽和を得るためにポリマー:脂質比を決定するための方法およびマトリクスの脂質飽和度を決定する方法は当技術分野で公知である。
他の実施形態において、本マトリクス組成物は均一である。またさらなる実施形態において、本マトリクス組成物は、形および境界が生体適合性ポリマーにより定められる、脂質−飽和マトリクスの形態である。特定の実施形態によれば、マトリクス組成物はインプラントの形態である。
ある種の特定の実施形態において、本発明は、(a)生体分解性ポリエステルと、(b)ステロールと、(c)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有するホスファチジルコリンと、(d)治療効果を有する少なくとも1つのペプチド性分子と、(c)PEGと、を含むマトリクス組成物を提供する。他の典型的な実施形態において、本マトリクス組成物は、脂質飽和している。他の典型的な実施形態において、ペプチド性分子は極性である。さらに他の典型的な実施形態において、ホスファチジルコリンは、少なくとも14の炭素を有する飽和脂肪酸部分を有することである。
特定の実施形態によれば、生体分解性ポリエステルは、非共有結合を介してステロールと会合している。
本明細書中で提供される場合、本発明のマトリクスは、様々な厚さおよび形の三次元配置に形作ることが可能である。従って、形成されるマトリクスは、球状、立方体、棒状、管状、シート状を含む具体的な形をとるようにまたはストリングになるように作製することができる。マトリクスの調製中に凍結乾燥ステップを使用する場合、何らかの不活性材料製であり得、球状または立方体の場合は全ての側面でマトリクスと接触している状態であり得、またはシート状の場合は限られた数の側面で接触している状態である、鋳型またはサポートの形状によって形が決定される。本マトリクスは、インプラント設計に必要とされる場合、体腔の形態で形成され得る。マトリクスの一部を鋏、外科用メス、レーザービームまたは何らかの他の切断器により除去することによって、三次元構造で求められるあらゆる改良を行い得る。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
さらなる実施形態によれば、本発明のマトリクス組成物は、骨グラフト材料のコーティングを提供する。特定の実施形態によれば、骨グラフト材料は、自家移植、異物形成法および異種移植からなる群から選択される。さらなる実施形態によれば、本発明のマトリクスは、コラーゲンまたはコラーゲンマトリクスタンパク質と組み合わせられ得る。さらなる実施形態によれば、ヒドロキシルアパタイト被覆金属、合成ポリマー、ゴムおよびシリコン基質を被覆するために、マトリクスを使用し得る。一部の実施形態によれば、本コーティングの厚さは、200μm未満、あるいは150μm未満、あるいは100μm未満、あるいは90μm未満、あるいは80μm未満、あるいは70μm未満、あるいは60μm未満、あるいは50μm未満である。
脂質
「ホスファチジルコリン」は、ホスホリルコリン頭部基を有するホスホグリセリドを指す。ホスファチジルコリン化合物は、別の実施形態において、次の構造を有する。
Figure 2014521636


R1およびR2部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。一部の実施形態において、脂肪酸部分は飽和脂肪酸部分である。一部の実施形態において、脂肪酸部分は不飽和脂肪酸部分である。一部の実施形態において、少なくとも1つの脂肪酸部分は飽和している。あるいくつかの現在好ましい実施形態において、脂肪酸部分は両者とも飽和している。「飽和」とは、炭化水素鎖において二重結合がないことを指す。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、18の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、16から18の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、得られるマトリクスのゲル−液晶相転移温度が少なくとも40℃となるように選択される。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともアラキドイルである、別の実施形態において、脂肪酸部分は、パルミトイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、パルミトイルおよびアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、アラキドイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともミリストイルである。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、ホスファチジルコリンは、天然のホスファチジルコリンである。別の実施形態において、ホスファチジルコリンは、合成ホスファチジルコリンである。別の実施形態において、ホスファチジルコリンは、天然の同位体分布を含有する。別の実施形態において、ホスファチジルコリンは、重水素化ホスファチジルコリンである。一般的には、ホスファチジルコリンは対称ホスファチジルコリン(即ち、2つの脂肪酸部分が同一であるホスファチジルコリン)である。別の実施形態において、ホスファチジルコリンは、非対称ホスファチジルコリンである。
ホスファチジルコリンの非限定例は、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、ジパルミトイル−ホスファチジルコリン(DPPC)、ジミリストイル−ホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイル−ホスファチジルコリン(DOPC)、1−パルミトイル−2−オレオイル−ホスファチジルコリンおよび、本明細書中上記で列挙される脂肪酸部分の何れかで修飾されているホスファチジルコリンである。特定の実施形態において、ホスファチジルコリンは、DSPC、DPPCおよびDMPCからなる群から選択される。別の実施形態において、ホスファチジルコリンは、当技術分野で公知の何らかの他のホスファチジルコリンである。各ホスファチジルコリンは、本発明の個々の実施形態に相当する。
重水素化ホスファチジルコリンの非限定例は、重水素化1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(重水素化DSPC)、重水素化ジオレオイル−ホスファチジルコリン(重水素化DOPC)および重水素化1−パルミトイル−2−オレオイル−ホスファチジルコリンである。別の実施形態において、ホスファチジルコリンは、重水素化DSPC、重水素化DOPCおよび重水素化1−パルミトイル−2−オレオイル−ホスファチジルコリンからなる群から選択される。別の実施形態において、ホスファチジルコリンは、当技術分野で公知の何らかの他の重水素化ホスファチジルコリンである。
特定の実施形態において、ホスファチジルコリン(PC)は、本マトリクス組成物の総脂質含量の少なくとも30%を構成する。その他の実施形態において、PCは、総脂質含量の少なくとも35%、あるいは総脂質含量の少なくとも40%、またあるいは総脂質含量の、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%,少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%を構成する。別の実施形態において、PCは、総脂質含量の95%超を構成する。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
「ホスファチジルエタノールアミン」とは、ホスホリルエタノールアミン頭部基を有するホスホグリセリドを指す。ホスファチジルエタノールアミン化合物は、別の実施形態において、次の構造を有する。
Figure 2014521636


R1およびR2部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、飽和脂肪酸部分である。「飽和」は、別の実施形態において、炭化水素鎖において二重結合がないことを指す。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、18の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、14〜18の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、14〜16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、16〜18の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、得られるマトリクスのゲル−液晶相転移温度が少なくとも40℃となるように選択される。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともミリストイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、パルミトイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、パルミトイルおよびアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、アラキドイルおよびステアロイルである。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、天然のホスファチジルエタノールアミンである。別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、合成ホスファチジルエタノールアミンである。別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、重水素化ホスファチジルエタノールアミンである。別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、天然の同位体分布を含有する。一般的にはホスファチジルエタノールアミンは、対称ホスファチジルエタノールアミンである。別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、非対称ホスファチジルエタノールアミンである。
ホスファチジルエタノールアミンの非限定例は、ジメチルジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(DMPE)およびジパルミトイル−ホスファチジルエタノールアミン(DPPE)および、本明細書中上記で列挙される脂肪酸部分の何れかで修飾されている、ホスファチジルエタノールアミンである。別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、DMPEおよびDPPEからなる群から選択される。
重水素化ホスファチジルエタノールアミンの非限定例は、重水素化DMPEおよび重水素化DPPEである。別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、重水素化DMPEおよび重水素化DPPEからなる群から選択される。別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、当技術分野で公知の何らかの他の重水素化ホスファチジルエタノールアミンである。
別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、当技術分野で公知の何らかの他のホスファチジルエタノールアミンである。各ホスファチジルエタノールアミンは、本発明の個々の実施形態に相当する。
「ステロール」は、ある実施形態において、A環の3位にヒドロキシル基を有するステロイドを指す。別の実施形態において、この用語は、次の構造を有するステロイドを指す。
Figure 2014521636

別の実施形態において、本発明の方法および組成物のステロールは、ズーステロールである。別の実施形態において、ステロールはコレステロールである。
Figure 2014521636

別の実施形態において、ステロールは、当技術分野で公知の何らかの他のズーステロールである。別の実施形態において、ステロールのモルは、存在する総脂質の40%以下である。別の実施形態においてステロールは、本マトリクス組成物に組み込まれる。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、コレステロールは、本マトリクス組成物の脂質含量の総重量の10〜60%の量で存在する。別の実施形態において、この重量%は20〜50%である。別の実施形態において、この重量%は、10〜40%である。別の実施形態において、この重量%は、30〜50%である。別の実施形態において、この重量%は、20〜60%である。別の実施形態において、この重量%は、25〜55%である。別の実施形態において、この重量%は、35〜55%である。別の実施形態において、この重量%は、30〜60%である。別の実施形態において、この重量%は、30〜55%である。別の実施形態において、この重量%は、20〜50%である。別の実施形態において、この重量%は、25〜55%である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、本発明の組成物は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンまたはステロール以外の脂質をさらに含む。特定の実施形態によれば、さらなる脂質は、ホスホグリセリドである。他の実施形態によれば、さらなる脂質は、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロールおよびホスファチジルイノシトールからなる群から選択される。またさらなる実施形態において、さらなる脂質は、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトールおよびスフィンゴミエリンからなる群から選択される。またさらなる実施形態によれば、上記のさらなる脂質の何れか2以上の組み合わせが本発明のマトリクス内に存在する。特定の実施形態によれば、ポリマー、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ステロールおよびさらなる脂質は、全て、本マトリクス組成物に組み込まれる。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
またさらなる実施形態によれば、本発明の組成物は、ホスファチジルセリンをさらに含む。本明細書中で使用される場合、「ホスファチジルセリン」は、ホスホリルセリン頭部基を有するホスホグリセリドを指す。ホスファチジルセリン化合物は、別の実施形態において、次の構造を有する。
Figure 2014521636

R1およびR2部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、飽和脂肪酸部分である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、得られるマトリクスのゲル−液晶相転移温度が少なくとも40℃となるように選択される。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともミリストイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、上記の脂肪酸部分の2つの組み合わせである。
他の実施形態において、ホスファチジルセリンは、天然のホスファチジルセリンである。別の実施形態において、ホスファチジルセリンは、合成ホスファチジルセリンである。別の実施形態において、ホスファチジルセリンは、重水素化ホスファチジルセリンである。別の実施形態において、ホスファチジルセリンは、天然の同位体分布を含有する。別の実施形態において、ホスファチジルセリンは、対称ホスファチジルセリンである。別の実施形態において、ホスファチジルセリンは、非対称ホスファチジルセリンである。
ホスファチジルセリンの非限定例は、本明細書中上記で列挙される脂肪酸部分の何れかで修飾されているホスファチジルセリンである。別の実施形態において、ホスファチジルセリンは、当技術分野で公知の何らかの他のホスファチジルセリンである。各ホスファチジルセリンは、本発明の個々の実施形態に相当する。
他の実施形態において、本発明の組成物は、ホスファチジルグリセロールをさらに含む。「ホスファチジルグリセロール」は、本明細書中で使用される場合、ホスホリルグリセロール頭部基を有するホスホグリセリドを指す。ホスファチジルグリセロール化合物は、別の実施形態において、次の構造を有する。
Figure 2014521636

左の2つの結合は、脂肪酸、一般的には天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体と結合されている。別の実施形態において、ホスファチジルグリセロールは、天然のホスファチジルグリセロールである。別の実施形態において、ホスファチジルグリセロールは、合成ホスファチジルグリセロールである。別の実施形態において、ホスファチジルグリセロールは、重水素化ホスファチジルグリセロールである。別の実施形態において、ホスファチジルグリセロールは、天然の同位体分布を含有する。別の実施形態において、ホスファチジルグリセロールは、対称ホスファチジルグリセロールである。別の実施形態において、ホスファチジルグリセロールは、非対称ホスファチジルグリセロールである。別の実施形態において、この用語は、以下の構造を有するジホスファチジルグリセロール化合物を含む。
Figure 2014521636

R1、R2、R3およびR4部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、飽和脂肪酸部分である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、得られるマトリクスのゲル−液晶相転移温度が少なくとも40℃となるように選択される。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともミリストイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、上記の脂肪酸部分の2つの組み合わせである。
ホスファチジルグリセロールの非限定例は、本明細書中上記で列挙される脂肪酸部分の何れかで修飾されているホスファチジルグリセロールである。別の実施形態において、ホスファチジルグリセロールは、当技術分野で公知の何らかの他のホスファチジルグリセロールである。各ホスファチジルグリセロールは、本発明の個々の実施形態に相当する。
またさらなる実施形態において、本発明の組成物は、ホスファチジルイノシトールをさらに含む。本明細書中で使用される場合、「ホスファチジルイノシトール」は、ホスホリルイノシトール頭部基を有するホスホグリセリドを指す。ホスファチジルイノシトール化合物は、別の実施形態において、次の構造を有する。
Figure 2014521636

RおよびR’部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、飽和脂肪酸部分である。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、得られるマトリクスのゲル−液晶相転移温度が少なくとも40℃となるように選択される。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともミリストイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともパルミトイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、両者ともアラキドイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、ミリストイルおよびステアロイルである。別の実施形態において、脂肪酸部分は、上記の脂肪酸部分の2つの組み合わせである。
別の実施形態において、ホスファチジルイノシトールは、天然のホスファチジルイノシトールである。別の実施形態において、ホスファチジルイノシトールは、合成ホスファチジルイノシトールである。別の実施形態において、ホスファチジルイノシトールは、重水素化ホスファチジルイノシトールである。別の実施形態において、ホスファチジルイノシトールは、天然の同位体分布を含有する。別の実施形態において、ホスファチジルイノシトールは、対称ホスファチジルイノシトールである。別の実施形態において、ホスファチジルイノシトールは、非対称ホスファチジルイノシトールである。
ホスファチジルイノシトールの非限定例は、本明細書中上記で列挙される脂肪酸部分の何れかで修飾されている、ホスファチジルイノシトールである。別の実施形態において、ホスファチジルイノシトールは、当技術分野で公知の何らかの他のホスファチジルイノシトールである。各ホスファチジルイノシトールは、本発明の個々の実施形態に相当する。
さらなる実施形態において、本発明の組成物は、スフィンゴ脂質をさらに含む。特定の実施形態において、スフィンゴ脂質は、セラミドである。さらに他の実施形態において、スフィンゴ脂質は、スフィンゴミエリンである。「スフィンゴミエリン」は、スフィンゴシン由来のリン脂質を指す。スフィンゴミエリン化合物は、別の実施形態において、次の構造を有する。
Figure 2014521636

R部分は、脂肪酸、通常は天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体である。別の実施形態において、スフィンゴミエリンは、天然のスフィンゴミエリンである。別の実施形態において、スフィンゴミエリンは、合成スフィンゴミエリンである。別の実施形態において、スフィンゴミエリンは、重水素化スフィンゴミエリンである。別の実施形態において、スフィンゴミエリンは、天然の同位体分布を含有する。
別の実施形態において、本発明の方法および組成物のスフィンゴミエリンの脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、得られるマトリクスのゲル−液晶相転移温度が少なくとも40℃となるように選択される。
スフィンゴミエリンの非限定例は、本明細書中上記で列挙される脂肪酸部分の何れかで修飾されているスフィンゴミエリンである。別の実施形態において、スフィンゴミエリンは、当技術分野で公知の何らかの他のスフィンゴミエリンである。各スフィンゴミエリンは、本発明の個々の実施形態に相当する。
「セラミド」は、以下の構造
Figure 2014521636

を有する化合物を指す。
左の2つの結合は、脂肪酸、一般には天然の脂肪酸または天然の脂肪酸の誘導体と結合されている。別の実施形態において、脂肪酸は、長鎖(C24以上)である。別の実施形態において、脂肪酸は、飽和脂肪酸である。別の実施形態において、脂肪酸は、モノエン脂肪酸である。別の実施形態において、脂肪酸は、n−9モノエン脂肪酸である。別の実施形態において、脂肪酸は、2位にヒドロキシル基を含有する。別の実施形態において、脂肪酸は、当技術分野で公知の他の適切な脂肪酸である。別の実施形態において、セラミドは、天然のセラミドである。別の実施形態において、セラミドは、合成セラミドである。別の実施形態において、セラミドは、本マトリクス組成物に組み込まれる。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
各スフィンゴ脂質は、本発明の個々の実施形態に相当する。
特定の実施形態において、本発明の組成物は、ペグ付加脂質をさらに含む。別の実施形態において、PEG部分は、500〜5000ダルトンのMWを有する。別の実施形態において、PEG部分は、何らかの他の適切なMWを有する。適切なPEG修飾脂質の非限定例としては、メトキシ末端基を有するPEG部分、例えば、下記で示されるような、PEG修飾されたホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジン酸(構造AおよびB)、PEG修飾ジアシルグリセロールおよびジアルキルグリセロール(構造CおよびD)、PEG修飾ジアルキルアミン(構造E)およびPEG修飾1,2−ジアシルオキシプロパン−3−アミン(構造F)が挙げられる。別の実施形態において、PEG部分は、当技術分野で使用される何らかの他の末端基を有する。別の実施形態において、ペグ付加脂質は、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン、PEG修飾ホスファチジン酸、PEG修飾ジアシルグリセロール、PEG修飾ジアルキルグリセロール、PEG修飾ジアルキルアミンおよびPEG修飾1,2−ジアシルオキシプロパン−3−アミンからなる群から選択される。別の実施形態において、ペグ付加脂質は、当技術分野で公知の何らかの他のペグ付加リン脂質である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
Figure 2014521636
特定の実施形態によれば、ペグ付加脂質は、本マトリクス組成物中の総脂質の約50モルパーセントの量で存在する。その他の実施形態において、この%は約45モル%、あるいは約40モル%、約35モル、約30モル%、約25モル%、約20モル%、約15モル%、約10モル%および約5モル%以下である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
ポリマー
特定の実施形態によれば、生体適合性ポリマーは、生体分解性である。現在の代表的なある実施形態によれば、生体分解性ポリマーはポリエステルである。
特定の実施形態によれば、本発明の教示に従い使用される生体分解性ポリエステルはPLA(ポリ乳酸)である。典型的な実施形態によれば、「PLA」は、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)およびポリ(DL−ラクチド)を指す。ポリ(DL−ラクチド)の代表的な構造は、下記に示される。
Figure 2014521636
他の実施形態において、ポリマーは、PGA(ポリグリコール酸)である。またさらなる実施形態において、ポリマーはPLGA(乳酸−グリコール酸コポリマー)である。PLGAに含有されるPLAは、当技術分野で公知の何らかのPLA、例えば鏡像異性体またはラセミ混合物の何れかであり得る。PLGAの代表的な構造は、下記に示される。
Figure 2014521636
特定の実施形態によれば、PLGAは、1:1乳酸/グリコール酸比を含む。別の実施形態において、この比は、60:40である。別の実施形態において、この比は、70:30である。別の実施形態において、この比は、80:20である。別の実施形態において、この比は、90:10である。別の実施形態において、この比は、95:5である。別の実施形態において、この比は、本明細書中で定められるようなインビボ徐放性放出プロファイルに対して適切な別の比である。別の実施形態において、この比は、50:50である。ある種の典型的な実施形態において、この比は75:25である。PLGAは、ランダムまたはブロックコポリマーの何れかであり得る。PLGAはまた、他のポリマー、例えばPEGなどとのブロックコポリマーでもあり得る。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、生体分解性ポリエステルは、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノアート、フマル酸ポリプロピレン、ポリオルトエステル、ポリ無水物およびポリアルキルシアノアクリラートからなる群から選択されるが、ただし、このポリエステルは、水素結合アクセプター部分を含有するものとする。別の実施形態において、生体分解性ポリエステルは、PLA、PGA、PLGA、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノアート、フマル酸ポリプロピレン、ポリオルトエステル、ポリ無水物およびポリアルキルシアノアクリラートからなる群から選択される何れか2つの単量体の組み合わせを含有するブロックコポリマーである。別の実施形態において、生体分解性ポリエステルは、上記で列挙される単量体の何れか2種類の組み合わせを含有するランダムコポリマーである。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
本発明の教示に係る生体分解性ポリエステルの分子量(MW)は、別の実施形態において、約10〜150KDaの間である。別の実施形態において、MWは、約20〜150KDaの間である。別の実施形態において、MWは、約10〜140KDaの間である。別の実施形態において、MWは、約20〜130KDaの間である。別の実施形態において、MWは、約30〜120KDaの間である。別の実施形態において、MWは、約45〜120KDaの間である。別の典型的な実施形態において、MWは、約60〜110KDaの間である。別の実施形態において、異なるMWのPLGAポリマーの混合物が利用される。別の実施形態において、異なるポリマーは両者とも、上記範囲の1つのMWを有する。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、生体分解性ポリマーは、少なくとも10アミノ酸である、1以上のタイプのアミノ酸を含有するペプチドからなるポリアミンの群から選択される。
「生体分解性」は、本明細書中で使用される場合、生理的pHで天然の生物学的過程により分解され得る物質を指す。「生理的pH」とは、身体組織のpH、一般的には6から8のpHを指す。「生理的pH」は、一般的に1〜3の間である胃液の高酸性pHを指さない。
一部の実施形態によれば、生体適合性ポリマーは、非生体分解性ポリマーである。特定の実施形態によれば、非生体分解性ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)アクリラート、ポリメタクリラート(例えばPEGメタクリラート、ポリメチルメタクリラート、ポリエチルメタクリラート、ポリブチルメタクリラート、ポリ−2−エチルヘキシルメタクリラート、ポリラウリルメタクリラート、ポリヒドロキシルエチルメタクリラート)、ポリ−メチルアクリラート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、ポリスチレン、誘導体化ポリスチレン、ポリリジン、ポリN−エチル−4−ビニル−臭化ピリジニウム、シリコーン、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリアクリラート、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、塩化ポリビニル、ポリビニルフルオリド、エチレン−酢酸ビニルおよびアシル置換酢酸セルロースのポリマーのコポリマー、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホナートポリオレフィン、ポリエチレンオキシドおよびそれらの混合物からなる群から選択され得るが、またこれに限定されない。
ペプチド性分子
「ペプチド性分子」という用語は、本明細書中で使用される場合、1以上のアミノ酸から構成される何らかの構造を含むものとする。通常、ペプチド性分子は、2以上のアミノ酸から構成され、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質である。本発明のマトリクスは、ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質を含む、幅広い範囲のペプチド性分子を含み得る。ペプチド性分子の全てまたは一部を形成するアミノ酸は、20種類の従来からの天然のアミノ酸の何れかであり得る。特定の実施形態によれば、ペプチド性分子のアミノ酸の何れか1つは、従来のものではないアミノ酸により置換され得る。この置換は、保存的または非保存的であり得る。保存的置換は、元のアミノ酸を、元のアミノ酸とその特徴的特性(例えば、電荷、疎水性、立体的かさ高さ)の1以上において類似している、従来のものではないアミノ酸で置換する。「従来のものではないアミノ酸」という用語は、従来のアミノ酸以外のアミノ酸を指し、例えば、従来のアミノ酸の異性体および修飾体、例えば、D−アミノ酸、非タンパク質アミノ酸、翻訳後修飾アミノ酸、酵素的修飾アミノ酸、アミノ酸を模倣するように設計されるコンストラクトまたは構造(例えば、α−α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸、β−アラニン、ナフチルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−ヒドロキシプロリン、O−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリジンおよびノルロイシン)および、例えば米国特許第5,679,782号で記載されるような、その他の従来のものではないアミノ酸が含まれる。ペプチド性分子は、非ペプチドバックボーン結合も含有し得、この場合、天然のアミド−CONH−結合は、ペプチドバックボーン内の1以上の部位で従来のものではない結合、例えばN−置換アミド、エステル、チオアミド、レトロペプチド(−NHCO−)、レトロチオアミド(−NHCS)、スルホンアミド(−SO2NH−)および/またはペプトイド(N−置換グリシン)結合で置換される。従って、本発明の教示に従うペプチド性分子としては、偽ペプチドおよびペプチド模倣物が挙げられ得る。本発明のペプチドは、(a)天然であり得るか、(b)化学合成により作製され得るか、(c)組み換えDNA技術により作製され得るか、(d)大きい分子の生化学的または酵素性断片化により作製され得るか、(e)上記で列挙される(a)から(d)の方法の組み合わせにより生じる方法によって作製され得るか、または(f)当技術分野で公知のようなペプチドを作製するための何らかの他の手段により作製され得る。
「ペプチド性分子」という用語は、ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質を包含することが明らかに理解されよう。現在の好ましい実施形態によれば、ペプチド性化合物は、極性官能基を有する少なくとも1つのアミノ酸を含む。
「ペプチド」は、単量体が、アミド結合を通じて一緒に連結されるアミノ酸であるポリマーを指す。「ペプチド」は、一般にはタンパク質より小さく、通常は全部で30〜50アミノ酸を下回る。
「ポリペプチド」は、一般に50アミノ酸を超えるアミノ酸の1つのポリマーを指す。
「タンパク質」は、本明細書中で使用される場合、通常は50アミノ酸を超えるアミノ酸のポリマーを指す。ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の、誘導体、類似体および断片は、それらが治療効果を保持する限り、本発明に包含される。
特定の実施形態によれば、ペプチド性分子は治療用活性を有する。特定の実施形態によれば、ペプチド性分子は、酵素、ホルモン、抗微生物剤、抗体、抗癌剤、骨形成因子、増殖または経口バイオアベイラビリティーの低いタンパク質またはペプチドから選択される。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。ある種の典型的な実施形態によれば、ペプチド性分子は抗微生物ペプチドである。
一部の実施形態によれば、ペプチド性分子は、抗炎症剤である。適切なペプチド性抗炎症剤の非限定例は、TNF、IL−1、IL−6、IL−8、IL−12、IL−15、IL−17、IL−18、GM−CSF、M−CSF、MCP−1、MIP−1、RANTES、ENA−78、OSM、FGFおよびVEGFからなる群から選択され得る。本発明での使用について企図される様々な抗炎症剤は、参照により本明細書中に組み込まれる、US2003/0176332に記載されている。
一部の実施形態に従い使用され得る抗癌剤の非限定例としては、免疫調整分子、例えば、腫瘍抗原、抗体、サイトカイン(例えば、インターロイキンなど(例えば、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン12など)、インターフェロン(例えば、インターフェロンE1、インターフェロンD、インターフェロンαなど)、腫瘍壊死因子(TNF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)および顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF))、腫瘍抑制因子遺伝子、ケモカイン、補体成分および補体成分受容体からなる群から選択される分子の投与のような、治療薬および分子が挙げられ得るが、それらに限定されない。
別の実施形態において、本発明の方法および組成物の活性薬剤は、骨の形成を誘導するかまたは刺激する化合物である。別の実施形態において、活性薬剤は、骨誘導因子(骨形成因子とも呼ばれる。)である。別の実施形態において、骨形成因子は、骨の形成を誘導するかまたは刺激する、何らかのペプチド、ポリペプチド、タンパク質を指す。別の実施形態において、骨形成因子は、骨芽細胞または骨細胞などの骨の細胞への骨修復細胞の分化を誘導する。一部の実施形態によれば、骨誘導性因子は、組み換えヒト骨形成タンパク質(rhBMP)である。最も好ましくは、骨形成タンパク質は、rhBMP−2、rhBMP−7またはそれらのヘテロ二量体である。しかし、BMP−1からBMP−13と呼ばれる骨形成タンパク質を含め、何らかの骨形成タンパク質が企図される。BMPは、Genetics Institute,Inc.,Cambridge,Mass.から入手可能であり、例えば、米国特許第5,187,076号、同第5,366,875号、同第4,877,864号、同第5,108,922号、同第5,116,738号、同第5,013,649号、同第5,106,748号に記載のように、当業者によっても調製され得る。本発明の実施形態による本マトリクス組成物に含まれ得る骨誘導性因子は、当技術分野で公知の上記のものの何れかにより得られ得るかまたは骨から単離され得る。骨から骨形成タンパク質を単離するための方法は、米国特許第4,294,753号に記載されている。
成長因子としては、骨を成長させるのに優れていることが示されている骨形成タンパク質、例えば、例えば米国特許第7,833,270号で開示されるような、BMP−1、BMP−2、rhBMP−2、BMP−3、BMP−4、rhBMP−4、BMP−5、BMP−6、rhBMP−6、BMP−7[OP−1]、rhBMP−7、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMP−16、BMP−17、BMP−18、GDF−5およびrhGDF−5が挙げられ得るが、これらに限定されない。
さらに、適切な成長因子としては、米国特許第7,833,270号で開示されるような、軟骨由来形態形成タンパク質、LIM石灰化タンパク質、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、形質転換増殖因子β(TGF−β)、インスリン関連増殖因子−I(IGF−I)、インスリン関連増殖因子−II(IGF−II)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)およびβ−2−ミクログロブリン(BDGF II)が挙げられるが限定されない。
ポリエチレングリコール
本発明は、ある部分、的確な溶媒中で溶解されたペプチド性分子をポリエチレングリコール(PEG)とともに温置することによって、脂質ベースのマトリクス内のペプチド性分子の捕捉が促進され、適切な条件下でのマトリクスからの分子の放出速度に影響があるという予想外の発見に基づく。溶媒は、ペプチド性分子のタイプに依存して、有機揮発性溶媒、水混和性溶媒または水であり得る。当技術分野で一般に使用される場合、ポリ(エチレン)グリコールは、一般に、ポリ(エチレングリコール)の直鎖状形態が最も一般的な市販のPEGであるため、このポリ(エチレングリコール)の直鎖状形態を指す。直鎖状PEGは、式OH−(CH2CH2O)n−OH(ジオール)またはmPEG、CH3O−(CH2CH2O)nOH(式中、nは平均反復エチレンオキシド基数である。)により表され得る。これらのPEG化合物は、1000〜300,000の範囲の様々な分子量で、例えば、Sigma−Aldrichから市販されている。直鎖状PEGは、単官能基のまたは二官能基の形態として入手可能である。PEGは、その鎖の何れかの末端に官能性反応基を含有し得、ホモ二官能基型(2つの同じ反応基)またはヘテロ二官能基型(2つの異なる反応基)であり得る。例えば、式NH2−(CH2CH2O)nCOOHのヘテロ二官能基のPEGは市販されており、PEG誘導体を形成させるのに有用である。平均分子量により表される多くのグレードのPEG化合物がある。医薬グレードPEGは、一般的には8000以下の分子範囲である。ある種の典型的な実施形態によれば、本発明の教示に従い使用されるPEGの分子量は5,000以下、通常は約2,000〜5000である。
一部の実施形態によれば、PEGは、本マトリクス組成物の総重量の0.1%から10重量%の間の量で存在する。特定の実施形態によれば、PEGは、本マトリクス組成物の総重量の0.1%から5重量%の間の量で存在する。特定の実施形態によれば、PEGは、本マトリクス組成物の総重量の0.1%から2重量%の量で存在する。一部の実施形態によれば、ペプチド性分子とPEGとの重量比は、20:1から1:5の間である。特定の実施形態によれば、ペプチド性分子とPEGとの重量比は、20:1から1:1の間である。ある種の典型的な実施形態によれば、ペプチド性分子とPEGとの重量比は、10:1から1:1の間である。
さらなる成分
本発明のマトリクス組成物は、場合によっては遊離脂肪酸をさらに含む。特定の実施形態において、遊離脂肪酸は、オメガ−6脂肪酸である。その他の実施形態において、遊離脂肪酸は、オメガ−9脂肪酸である。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、オメガ−6およびオメガ−9脂肪酸からなる群から選択される。さらなる実施形態において、遊離脂肪酸は、14以上の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、16以上の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、16の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、18の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、16〜22の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、16〜20の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、16〜18の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、18〜22の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、18〜20の炭素原子を有する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、リノール酸である。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、リノレン酸である。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、オレイン酸である。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、リノール酸、リノレン酸およびオレイン酸からなる群から選択される。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、当技術分野で公知の別の適切な遊離脂肪酸である。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、本マトリクス組成物に柔軟性を付加する。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、インビボ放出速度を含め、放出速度を遅くする。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、特にインビボでの、制御放出の一貫性を向上させる。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、飽和している。別の実施形態において、少なくとも14の炭素原子を有する飽和脂肪酸の組み込みによって、得られるマトリクス組成物のゲル−液相転移温度が上昇する。
別の実施形態において、遊離脂肪酸は、本マトリクス組成物に組み込まれる。
別の実施形態において、遊離脂肪酸は、重水素化されている。別の実施形態において、脂質アシル鎖の重水素化により、ゲル−液相転移温度が低下する。
各タイプの脂肪酸は、本発明の個々の実施形態に相当する。
特定の実施形態によれば、本発明のマトリクス組成物は、トコフェロールをさらに含む。トコフェロールは、別の実施形態において、E307(α−トコフェロール)である。別の実施形態において、トコフェロールは、γ−トコフェロールである。別の実施形態において、トコフェロールはE308(γ−トコフェロール)である。別の実施形態において、トコフェロールはE309(δ−トコフェロール)である。別の実施形態において、トコフェロールは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロールおよびδ−トコフェロールからなる群から選択される。別の実施形態において、トコフェロールは、本マトリクス組成物に組み込まれる。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
本発明のマトリクス組成物は、場合によっては、生理学的に許容可能な緩衝塩をさらに含むが、これらは当技術分野で周知である。生理学的に許容可能な緩衝塩の非限定例は、リン酸緩衝液である。リン酸緩衝液の典型例は、40部のNaCl、1部のKCl、7部のNa2HPO4・2H2Oおよび1部のKH2PO4である。別の実施形態において、緩衝塩は、当技術分野で公知の何らかの他の生理学的に許容可能な緩衝塩である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
本マトリクス組成物の放出速度および一般的特徴
適切な条件下での本発明のマトリクス組成物に対する活性成分の90%の放出時間は、好ましくは4日から6ヶ月の間である。特定の実施形態によれば、放出時間は、1週間から6ヶ月の間、1週間から5ヶ月の間、1週間から5ヶ月の間、1週間から4ヶ月の間、1週間から3ヶ月の間、1週間から2ヶ月の間または1週間から1ヶ月の間である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
(i)ポリマーと脂質含量、具体的には、少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有するリン脂質との間の重量比、(ii)使用されるバイオポリマーおよび脂質の生化学および/または生物物理学特性、および(iii)ある組成物中で使用される様々な脂質間の比の3つの主要な因子を考慮して、本発明の組成物を用いた持続放出期間をプログラムし得る。ポリエチレングリコールとのペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の温置時間も放出速度に影響を与え得る。
脂質飽和を達成するための、総脂質とポリマーとの比は、本明細書中で記載のように多くの方法によって決定され得る。特定の実施形態によれば、本発明の組成物の脂質:ポリマー重量比は、1:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、この比は、1.5:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、この比は、2:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、この比は、3:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、この比は、4:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、この比は、5:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、この比は、6:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、この比は、7:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、この比は、8:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、この比は、1.5:1から5:1(上限および下限の値を含む)の間である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
例示の目的のための別の実施形態において、ポリマーが主に40KDa PLGA(乳酸−グリコール酸コポリマー、1:1比)である場合、総脂質と40KDa PLGAとのモル比は、通常、20〜100(上限および下限の値を含む)の範囲である。別の実施形態において、総脂質と40KDa PLGAとのモル比は、20〜200(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、モル比は、10〜100(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、モル比は、10〜200(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、モル比は、10〜50(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、モル比は、20〜50(上限および下限の値を含む上限および下限の値を含む)の間である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
インプラントおよび他の医薬組成物
本発明のマトリクス組成物は、有機溶媒および水の除去後、インプラントの形態に形成され得る。溶媒の除去は、一般的には、室温から60℃の間の、ペプチド性分子の変性を引き起こさない特定の温度下での蒸発と、その後、真空にすることにより行われる。ある種の一般的な実施形態によれば、蒸発温度は50℃以下である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、インプラントは均一である。別の実施形態において、インプラントは、材料を鋳型中で凍結乾燥するプロセスにより製造される。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
さらなる実施形態によれば、本発明は、本発明の教示に従うペプチド性分子を含むマトリクス組成物を含むインプラントを提供する。
本発明は、(a)バルク材料の形態で、本発明の方法に従い、マトリクス組成物を作製するステップと、(b)このバルク材料を望ましい形の鋳型または固体容器に移するステップと、(c)このバルク材料を凍結させ、(d)このバルク材料を凍結乾燥させる、、本発明の組成物からインプラントを作製するプロセスをさらに提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、本発明のマトリクス組成物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態によれば、本医薬組成物は、さらなる医薬的に許容可能な賦形剤をさらに含む。さらなる実施形態において、本医薬組成物は、非経口的に注射可能な形態である。その他の実施形態において、本医薬組成物は、点滴可能形態である。またさらなる実施形態において、賦形剤は、注射に適合性がある。さらなる実施形態において、賦形剤は、点滴に適合性がある。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
100nmから50mmの範囲の微小胞の作製のための本発明のマトリクス組成物の使用も本発明の範囲内である。
特定の実施形態によれば、本発明のマトリクス組成物は、有機溶媒および水の除去後、ミクロスフェアの形態となる。他の実施形態において、ミクロスフェアは均一である。特定の実施形態によれば、ミクロスフェアは、噴霧乾燥のプロセスにより製造される。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、本発明は、本発明のマトリクス組成物製のミクロスフェアを提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明のミクロスフェアおよび医薬的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、本発明のミクロスフェアの粒径は、およそ500〜2000nmである。別の実施形態において、粒径は約400〜2500nmである。別の実施形態において、粒径は約600〜1900nmである。別の実施形態において、粒径は約700〜1800nmである。別の実施形態において、粒径は約500〜1800nmである。別の実施形態において、粒径は約500〜1600である。別の実施形態において、粒径は約600〜2000nmである。別の実施形態において、粒径は約700〜2000である。別の実施形態において、粒子は、医薬投与に適切な何らかの他の大きさである。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
本発明のマトリクス組成物を作製する方法
本発明は、
(a)揮発性有機溶媒である第一の溶媒に、(i)生体適合性ポリマーと、(ii)極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分とを混合するステップと、
(b)溶液を生成させるために、ペプチド性分子を第二の溶媒に混合し、この溶液にポリエチレングリコールを添加するステップと、
(c)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分と、ステップ(b)で得られた溶液を混合するステップと、
(d)ステップ(a)で得られた溶液とステップ(c)で得られた溶液とを混合し、均一な混合物を得るステップと、
(e)溶媒を除去するステップと、を含み、
それによって、前記ペプチド性分子を含む均一なポリマー−リン脂質マトリクスを作製する、ペプチド性分子の制御放出のためのマトリクス組成物を作製するためのプロセスをさらに提供する。
特定の実施形態によれば、第二の溶媒は、揮発性有機溶媒および極性溶媒からなる群から選択される。典型的な実施形態によれば、極性溶媒は水である。
ある種の典型的な実施形態によれば、本方法は、(a)(i)生体分解性ポリエステルおよび(ii)ステロールを第一の溶媒、好ましくは揮発性有機溶媒に混合するステップと、(b)第二の揮発性有機溶媒または水およびポリエチレングリコール中で溶解されたペプチド性分子を含有する異なる容器に、(1)第二の揮発性有機溶媒中のホスファチジルコリンおよび/または(2)この揮発性有機溶媒中のホスファチジルエタノールアミンを混合し、(3)得られた溶液をある温度で混合し、(4)得られた物質を遠心によってまたは凍結乾燥によって場合によっては沈殿させ、選択された揮発性溶媒中で場合によってはこの沈殿物を再縣濁するステップと、(c)ステップ(a)から得られた生成物とステップ(b)から得られた生成物とを混合し、均一化するステップと、を含む。
特定の実施形態によれば、生体分解性ポリマーは、PLGA、PGA、PLA、キトサン、コラーゲンまたはそれらの組み合わせからなる群から選択される。一部の実施形態によれば、コラーゲンは、何らかの天然または合成コラーゲン、例えばウシコラーゲン、ヒトコラーゲン、コラーゲン誘導体、海生コラーゲン、組み換えまたは、そうでなければ人工コラーゲンまたはその誘導体もしくは修飾されたもの(例えばゼラチン)であり得る。コラーゲンは、I、II、IIIまたはIV型など、何らかのネイティブまたは変性表現型のものであり得る。その他の実施形態において、生体分解性ポリエステルは、当技術分野で公知の何らかの他の適切な生体分解性ポリエステルである。またさらなる実施形態によれば、生体分解性ポリマーはポリアミンである。第一の有機溶媒内での極性基を有する少なくとも1つの脂質(非限定例は、ステロール、特にコレステロールである。)とポリマーの混合は、通常は室温で行われる。場合によっては、α−および/またはγ−トコフェロールを溶液に添加する。脂質−ポリマーマトリクスが形成される。
通常は撹拌下で、少なくとも1つのリン脂質を含む揮発性有機溶媒(N−メチルピロリドン、エタノール、メタノール、酢酸エチルまたはそれらの組み合わせからなる群から選択されるが、これらに限定されない。)と、少なくとも1つのペプチド性分子およびポリエチレングリコールを含有する溶液を混合する。特定の実施形態によれば、リン脂質は、ホスホコリンまたはホスファチジルコリンまたはその誘導体である。他の実施形態によれば、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミンまたはその誘導体である。さらなる実施形態によれば、第二の揮発性有機溶媒は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンまたはその誘導体の組み合わせを含む。特定の実施形態によれば、ホスホコリンまたはホスファチジルコリンまたはその誘導体は、本マトリクス中の全脂質の10〜90質量%で存在し、即ち10〜90質量%のリン脂質、ステロール、セラミド、脂肪酸などである。他の実施形態によれば、ホスファチジルエタノールアミンは、本マトリクス中の全脂質の10〜90質量%で存在する。
また他の実施形態によれば、ホスファチジルエタノールアミンとホスホコリンまたはホスファチジルコリン誘導体またはそれらの組み合わせを様々な比率で有機溶媒中で混合し、その後、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質およびPEGを含む溶液に添加する。
別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンも、第一の脂質成分中に含まれる。
別の実施形態において、(a)生体適合性ポリマーを含有する混合物を均一化し、その後、ペプチド性分子およびPEGを含有する混合物とそれを混合する。別の実施形態において、ステップ(a)の混合物中のポリマーは、脂質飽和している。別の実施形態において、本マトリクス組成物は、脂質飽和している。通常、このポリマーおよびホスファチジルコリンは、本マトリクス組成物に組み込まれている。別の実施形態において、活性ペプチド性分子も、本マトリクス組成物に組み込まれている。別の実施形態において、本マトリクス組成物は、形および境界が生体分解性ポリマーにより定められている、脂質−飽和マトリクスの形態である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、飽和脂肪酸部分を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、14〜18の炭素原子を有する。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、ホスファチジルコリンは、飽和脂肪酸部分を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも14の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、少なくとも16の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、14〜18の炭素原子を有する。別の実施形態において、脂肪酸部分は、16〜18の炭素原子を有する。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、非極性有機溶媒中の総脂質とポリマーとのモル比は、この混合物中のポリマーが脂質飽和するようなものである。例示の目的のための別の実施形態において、ポリマーが主に50KDa PLGA(乳酸−グリコール酸コポリマー、1:1比率))である場合、総脂質と50KDa PLGAとのモル比は、一般的には10〜50(上限および下限の値を含む)の範囲である。別の実施形態において、総脂質と50KDa PLGAとのモル比は、10〜100(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、モル比は、20〜200(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、モル比は、20〜300(上限および下限の値を含む)の間である。別の実施形態において、モル比は、30〜400(上限および下限の値を含む)の間である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
上記方法および本発明の他の方法の構成要素のそれぞれは、本発明のマトリクス組成物の対応する構成要素と同様に定められる。
別の実施形態において、本作製方法のステップ(a)は、揮発性有機溶媒、一般的には非極性溶媒にホスファチジルエタノールアミンを添加することをさらに含む。別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、ステップ(c)に含まれる同じホスファチジルエタノールアミンである。別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、当技術分野で公知の何らかの他のホスファチジルエタノールアミンであり得る異なるホスファチジルエタノールアミンである。別の実施形態において、ホスファチジルエタノールアミンは、ステップ(c)のホスファチジルエタノールアミンおよび異なるホスファチジルエタノールアミンからなる群から選択される。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、本作製方法のステップ(c)は、溶媒、一般的には揮発性有機溶媒、より一般的には水混和性溶媒に、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリンおよびホスファチジルイノシトールからなる群から選択されるリン脂質を添加することをさらに含む。
別の実施形態において、本作製方法のステップ(c)は、水混和性揮発性有機溶媒にスフィンゴ脂質を添加することをさらに含む。別の実施形態において、スフィンゴ脂質は、セラミドである。別の実施形態において、スフィンゴ脂質は、スフィンゴミエリンである。別の実施形態において、スフィンゴ脂質は、当技術分野で公知の何らかの他のスフィンゴ脂質である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、本作製方法のステップ(c)は、オメガ−6またはオメガ−9遊離脂肪酸を水混和性、揮発性有機溶媒に添加することをさらに含む。別の実施形態において、遊離脂肪酸は、16個以上の炭素原子を有する。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
混合時、ステップ(a)の混合物中でポリマーが脂質飽和しているので、均一な混合物が生成される。別の実施形態において、均一な混合物は、均一な液体の形態をとる。別の実施形態において、混合物の凍結乾燥または噴霧乾燥時、小胞が形成される。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、作製方法は、ステップ(d)の生成物中に存在する、溶媒および、場合によっては水を除去するステップをさらに含む。特定の実施形態において、溶媒および水の除去には、混合物の霧化を利用する。その他の実施形態において、混合物を乾燥加熱空気へと霧化する。通常は、加熱空気への霧化により、全溶媒および水がすぐに蒸発し、続く乾燥ステップが不要になる。別の実施形態において、水不含溶媒へと混合物を霧化する。別の実施形態において、噴霧乾燥によって液体除去を行う。別の実施形態において、凍結乾燥によって液体除去を行う。別の実施形態において、液体窒素を使用して液体除去を行う。別の実施形態において、エタノールと予め混合した液体窒素を使用して液体除去を行う。別の実施形態において、当技術分野で公知の別の適切な技術を使用して液体除去を行う。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、本発明の方法は、本組成物を真空乾燥するステップをさらに含む。別の実施形態において、蒸発のステップ後、真空乾燥のステップを行う。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、本発明の方法は、ステップ(d)の生成物を加熱することによって溶媒を蒸発させるステップをさらに含む。溶媒が除去されるまで、室温から90℃の間、より一般的には50℃以下の典型的な温度で、加熱を継続する。別の実施形態において、蒸発ステップ後、真空乾燥のステップを行う。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
本発明は、
(a)第一の溶媒に、(i)生体適合性ポリマーと、(ii)極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分とを混合し(この第一の溶媒は揮発性有機溶媒である。)、
(b)溶液を生成させるために第二の溶媒にペプチド性分子を混合し、この溶液にポリエチレングリコールを添加するステップと、
(c)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分とステップ(b)で得られた溶液を混合するステップと、
(d)均一な混合液を生成させるためにステップ(a)で得られた溶液とステップ(c)で得られた溶液とを混合するステップと、
(e)ステップ(d)で得られた均一な混合液に、基質を、添加するか、さっと浸すかもしくは浸漬するか、またはステップ(d)で得られた均一な混合液を基質に噴霧するステップと、
(f)被覆した基質から溶媒を除去すること、を含む、ペプチド性分子の制御放出のためにマトリクス組成物で基質を被覆するためのプロセスをさらに提供する。特定の実施形態によれば、被覆する基質としては、炭素繊維、ステンレス鋼、ヒドロキシルアパタイト被覆金属、合成ポリマー、ゴム、シリコン、コバルト−クロム、チタン合金、タンタル、セラミックおよびコラーゲンまたはゼラチンからなる群から選択される少なくとも1つの材料が挙げられる。その他の実施形態において、基質としては、何らかの医療機器および骨充填剤粒子を挙げることができる。骨充填剤粒子は、同種異系(即ちヒト由来)、異種(即ち動物由来)および人工骨粒子の何れか1つであり得る。ある種の典型的な実施形態によれば、コーティングの厚さは1〜200μm;好ましくは5〜100μmの間である。
一部の実施形態によれば、蒸発よって、例えば、被覆基質を37℃の温度のインキュベーターに入れることによって、または減圧下で乾燥を継続することによって、または溶媒除去を加速するために陰圧にすることによって、被覆した基質からの溶媒の除去を行い得る。最後に、いくつかの場合において、残留溶媒を除去するために、別の陰圧ステップを使用する。「陰圧」という用語は、本明細書中で使用される場合、大気圧を下回る圧力を指す。
脂質飽和およびこれを測定するための技術
「脂質飽和している」とは、本明細書中で使用される場合、治療用ペプチド性分子および場合によっては本マトリクスに存在する標的部分と組み合わされた、リン脂質および存在し得る何らかの他の脂質での、本マトリクス組成物のポリマーの飽和を指す。本明細書中に記載のように、本発明のマトリクス組成物は、一部の実施形態において、ホスファチジルコリン以外のリン脂質を含む。その他の実施形態において、本マトリクス組成物は、リン脂質以外の脂質を含み得る。本マトリクス組成物は、存在する脂質が何であれ、飽和している。「飽和」は、本マトリクスが、本マトリクスに組み込まれ得る、利用されるタイプの脂質を最大量含有する状態を指す。脂質飽和を達成するためのポリマー:脂質比を決定するための方法およびマトリクスの脂質飽和度を決定する方法は当業者にとって公知である。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
ある種の典型的な実施形態によれば、本発明の最終的なマトリクス組成物は、ペプチド性分子、特に治療活性を有するペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質の送達のために設計された従来から知られる脂質ベースのマトリクスと対照的に、実質的に水不含である。言い換えると、水溶液中で活性成分が最初に溶解される場合でも、脂質ポリマー組成物を調製するプロセス中に全溶媒を除去する。最終組成物で実質的に水不含であることによって、生体活性ペプチド性分子が分解または化学的修飾、特に酵素分解から保護される。水が存在する体内環境に本組成物を適用する際、本マトリクス組成物の外面は、生体液に接触するが、一方で実質的に水不含の内側部が残存活性成分を保護するので、ダメージのない活性成分の持続放出が可能となる。
特定の実施形態によれば、「実質的に水不含」という用語は、組成物が含有する水が1重量%未満であることを指す。別の実施形態において、この用語は、組成物が含有する水が0.8重量%未満であることを指す。別の実施形態において、この用語は、組成物が含有する水が0.6重量%未満であることを指す。別の実施形態において、この用語は、組成物が含有する水が0.4重量%未満であることを指す。別の実施形態において、この用語は、組成物が含有する水が0.2重量%未満であることを指す。別の実施形態において、この用語は、本マトリクスの耐水特性に影響を与える量の水がないことを指す。
別の実施形態において、本マトリクス組成物は、基本的に水不含である。「基本的に不含」とは、組成物が含む水が0.1重量%未満であることを指す。別の実施形態において、この用語は、組成物が含む水が0.08重量%未満であることを指す。別の実施形態において、この用語は、組成物が含む水が0.06重量%未満であることを指す。別の実施形態において、この用語は、組成物が含む水が0.04重量%未満であることを指す。別の実施形態において、この用語は、組成物が含む水が0.02重量%未満であることを指す。別の実施形態において、この用語は、組成物が含む水が0.01重量%未満であることを指す。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
別の実施形態において、本マトリクス組成物は、水不含である。別の実施形態において、この用語は、検出可能な量の水を含有しない組成物を指す。可能な形態の各々が、本発明の個々の実施形態に相当する。
本発明のマトリクスを調製するプロセスは、水溶液が使用され得るステップを1ステップのみ含む。この溶液を有機揮発性溶媒と混合し、その後全ての液体を除去する。したがって、本発明のこのプロセスは、脂質飽和を可能とする。脂質飽和は、本マトリクス組成物にインビボでのバルク分解耐久能を付与し、したがって本マトリクス組成物は、数週間または数ヶ月のスケールの徐放性の放出を媒介することができる。
別の実施形態において、本マトリクス組成物は、乾燥している。「乾燥」という用語は、別の実施形態において、検出可能な量の水または有機溶媒がないことを指す。
別の実施形態において、本マトリクス組成物の水浸透性は最低限に抑えられている。水浸透性を「最低限に抑える」とは、本明細書中に記載のように、添加した水の通過に対する浸透性を最小限に抑えるように決定されている量の脂質の存在下で、主に有機溶媒中で本マトリクス組成物を作製するプロセスを指す。本明細書中に記載のように、トリチウムタグ付加した水を含有する溶液で小胞を水和させることによって、必要な脂質の量を決定することができる。
別の実施形態において、「脂質飽和」とは、ポリマー性バックボーンの外側縁により定められるような脂質マトリクス内の内的空所(自由体積)の充填を指す。何らかの他のタイプの脂質、ペプチド性分子および場合によってはマトリクスに存在する標的部分と組み合わせて、さらなる脂質部分が相当程度までマトリクスにもはや組み込まれ得ない程度まで、リン脂質でこの空所を満たす。
「零次放出速度」または「零次放出速度過程」とは、ポリマーマトリクスからの生体活性ペプチド性分子の、一定の、直線状、連続的、持続性および制御放出速度を意味し、即ち時間に対するペプチド性分子放出量のプロットは直線状である。
生体活性ペプチド性分子の治療的適応
また、本発明は、医薬的に活性のあるペプチド性分子の持続または制御放出が望ましい様々な適応にも関する。したがって、特定の実施形態によれば、本発明は、本発明の医薬組成物を対象に投与し、それによって少なくとも1つのペプチド性分子を対象に投与する、少なくとも1つのタイプの治療的に有効なペプチド性分子を必要とする対象にそれを投与する方法を提供する。
ある種の典型的な実施形態によれば、本発明は、医薬組成物を対象に投与する、少なくとも1つのタイプの抗微生物ペプチドを必要とする対象にそれを投与する方法を提供する。
次の実施例は、本発明の一部の実施形態をより完全に例示するために与えるものである。しかし、これらは、本発明の幅広い範囲を限定するものとして解釈してはならない。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書中で開示される原理の多くの変更および修飾を容易に考え出し得る。
実施例1−ペプチド性分子の送達のための薬物担体組成物の作製のためのプラットフォーム技術
I.第一の溶液の調製
ポリマー(例えば、PLGA、PGA、PLAまたはそれらの組み合わせ)およびステロール(例えばコレステロール)および/またはαもしくはγトコフェロールを揮発性有機溶媒(例えば、酢酸エチル、クロロホルムありまたはなし)中で混合する。本プロセス全体を室温で行う。このようにして、脂質−ポリマーマトリクスが得られる。
II.第二の溶液の調製
ペプチド、タンパク質またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの分子を揮発性有機溶媒(一般的にはN−メチルピロリドン、エタノール、メタノール、酢酸エチルまたはそれらの組み合わせ)または水中で溶解し、ポリエチレングリコール(PEG)1,000〜8000、一般的にはPEG5,000を添加する。ペプチド性分子を有機溶媒中で溶解する場合、リン脂質を直接添加する。ペプチド性分子を水中で溶解する場合、得られる溶液を通常は撹拌下で、リン脂質を含む揮発性有機溶媒(通常はN−メチルピロリドン、エタノール、メタノール、酢酸エチルまたはそれらの組み合わせ)と混合する。添加されるリン脂質は、
マトリクス中の全脂質の10〜90質量%、即ちリン脂質、ステロール、セラミド、脂肪酸などの10〜90質量%として存在する、ホスホコリンまたはホスファチジルコリン誘導体、例えば重水素化1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)またはジオレオイル−ホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイル−ホスファチジルコリン(DPPC)、ジミリストイル−ホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイル−ホスファチジルコリン(DOPC)、1−パルミトイル−2−オレオイル−ホスファチジルコリン、
場合によっては、ホスファチジルエタノールアミン−例えばジメチルジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(DMPE)またはジパルミトイル−ホスファチジルエタノールアミン(DPPE)−マトリクス中の全脂質の10〜90質量%として存在し、
場合によっては、NA薬の水ベース溶液の添加前に有機溶媒中で混合される、ホスファチジルエタノールアミンの様々な比率での、ホスホコリンまたはホスファチジルコリン誘導体またはそれらの組み合わせ
を含み、
場合によっては、陽イオン性脂質が、本マトリクス中の全脂質の0.1〜10モル%として含まれ、
場合によっては、0.1〜15質量%の遊離脂肪酸、例えばリノール酸(LN)またはオレイン酸(OA)を、本マトリクス中の全脂質の0.1〜10質量%としてもよく、
含む。
この混合物は、均一化されるか、超音波処理されるか、または医療機器の表面を被覆するために使用される。通常、室温で、および50℃以下で、このプロセス全体を行う。
III.ペプチド性分子−PEG混合物とポリマーの混合
撹拌下で第二の縣濁液(または溶液)を第一の溶液に添加する。最長で約5時間、撹拌を継続する。全て、具体的な処方、使用中の脂質の性質および具体的なペプチド性分子に従い、このプロセス全体を好ましくは室温で行い、必要であれば好ましくは60℃以下の温度であるが、何れにせよペプチド性分子の変性を引き起こさない温度で加熱する。得られた混合物は均一でなければならないが、僅かに混濁している場合もある。
IV.溶媒の除去
表面の被覆を行う場合、被覆しようとする粒子または装置と段階IIIからの縣濁液を混合し、続いて、揮発性有機溶媒を蒸発させる。被覆プロセス全体を約30〜60℃、通常は約45℃の温度で行う。
蒸発によって、被覆される基質を37℃の温度のインキュベーターに入れることによって、または減圧下で乾燥を継続することによって、または溶媒除去を加速するために陰圧にすることによって、揮発性有機溶媒を場合によっては除去し得る。
段階IIIからの溶液は、場合によっては乾燥加熱空気へと霧化され得る。
あるいは、炭化水素が含有され得る水ベースの溶液へと段階IIIからの溶液を霧化し、液体窒素に覆われたエタノールまたはエタノールなしの液体窒素のみへと霧化し得、その後、窒素および/またはエタノール(上記のような)を蒸発させる。
V.真空乾燥
本マトリクス組成物、被覆した粒子および被覆した装置を真空乾燥させる。有機溶媒および水残渣を全て除去する。ペプチド性分子を含む脂質ベースのマトリクスは、すぐに保存できる状態である。
実施例2:PEGのない、抗微生物ペプチドを含むマトリクスの調製
使用した抗微生物ペプチドは、そのN末端が蛍光色素NBDで標識されるテンポリン−L(配列:FVQWFSKFLGRIL)である。
1.MeOH/EA中でペプチド(1mg)を溶解し、PEGなしのマトリクス処方物を生成させるために、この溶液を使用した。
2.最終濃度が225mg/mLとなるように、DPPCをペプチド溶液に溶解した。
3.PLGA75/25を酢酸エチル中で溶解した(300mg/mL)。
4.コレステロールを酢酸エチル中で溶解した(30mg/mL)。
5.1体積のPLGA溶液を5体積のコレステロール溶液と混合した。
6.2体積のDPPC−ペプチド溶液を3体積のPLGA−コレステロール溶液と混合した。
7.100mgのリン酸三カルシウム粒子(TCP)を4mLガラスバイアルに量り取った。
8.0.15mLのPLGA−コレステロール−DPPC−ペプチド溶液をTCP粒子に添加した。得られた溶液を全溶媒が蒸発するまで45℃で温置するステップと、一晩真空にすることによって残存溶媒を全て廃棄した。
実施例3:PEGを伴う抗微生物ペプチドを含むマトリクスの調製
1.上記実施例2のようにペプチドをMeOH/EA中で溶解した。
2.0.5mgのPEG8,000をステップ1のペプチド溶液中で溶解した。
3.溶液を45℃で10分間温置した。
4.DMPCまたはDPPCをペプチド−PEG溶液中で溶解した(最終リン脂質濃度225mg/mL)。
5.PLGA75/25を酢酸エチル中で溶解した(300mg/mL)。
6.コレステロール(30mg/mL)を酢酸エチル中で溶解した。
7.1体積のPLGA溶液を5体積のコレステロール溶液と混合した。
8.2体積のDPPC−PEG−ペプチドまたはDMPC−PEG−ペプチド溶液の何れかを3体積のPLGA−コレステロール溶液と混合した。
9.200mg TCPを4mLガラスバイアルに量り取った。
10.0.2mLのPLGA−コレステロール−DPPC−PEG−ペプチド溶液またはPLGA−コレステロール−DMPC−PEG−ペプチド溶液をTCP粒子に添加した。
11.得られた溶液を全溶媒が蒸発するまで45℃で温置するステップと、一晩真空にすることによって残存溶媒を全て廃棄した。
実施例4:本処方物からのペプチドの放出
抗微生物ペプチド、テンポリン−Lを含むマトリクス組成物で被覆した骨移植片TCP(リン酸三カルシウム)を0.2mLの2回蒸留水(DDW)により水和し、新鮮な新しい体積の上清で上清を置き換えることによって試料を毎日回収した。1体積の試料に1体積のMeOHを添加し、ボルテックスにかけ、16000rpmで2分間遠心することによって、ペプチドを抽出した。次に、MeOH/DDW中で上清を2倍希釈した。
NBDの蛍光を追跡することによって(Ex485nm、Em520nm)、溶液に放出された抗微生物ペプチドの量を評価した。ddw/MeOH中でのペプチドの2倍連続希釈液の蛍光強度からの一次標準曲線に対してプロットした結果を図1で与える。この結果から、本マトリクスへのポリエチレングリコールの添加によって、タンパク質放出期間および速度が顕著に向上したことが明らかに示される。
実施例5−本発明の一部の実施形態による、本マトリクス組成物で被覆された骨充填剤からの繊維芽細胞増殖因子(FGF)の持続放出
PEG含むかまたは含まない、FGF(ヒトFGF−2 Sigma)を含むマトリクス組成物で被覆された骨充填剤粒子を上記実施例2および3に記載のとおり調製した。このマトリクス組成物において、リン脂質をメタノールおよび酢酸エチルの混合液中で首尾よく溶解し、次いでPEGを含むかまたは含まない僅か1体積のFGF溶液を10体積のリン脂質溶液と混合した。
本マトリクス組成物からのFGFの放出を開始させるために、被覆された骨充填剤粒子の試料をDDWで水和した。試料中の溶液を置き換え、毎日回収して、分析まで4℃で維持した。
具体的な実施形態の先行する説明によって、本発明の全般的な性質が完全に明らかとなり、これは、最新知識を適用することによって、不要な実験を行わず、包括的な概要から逸脱することなく、他の者がこのような具体的な実施形態を様々な適応に対して容易に改変および/または改造でき、従って、このような、改造および改変は、開示される実施形態の意義および同等物の範囲内で理解されるべきであり、そうであるものとする。本明細書中で使用される用語または専門用語は、説明を目的とするものであり、限定を目的としたものではないことを理解されたい。様々な開示機能を遂行するための手段、材料およびステップは、本発明から逸脱することなく、様々な代替的形態をとり得る。

Claims (51)

  1. a.極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分と会合している生体適合性ポリマーと、
    b.少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分と、
    c.ポリエチレングリコール(PEG)と会合している少なくとも1つのペプチド性分子と、を含み、
    前記ペプチド性分子を持続放出および/または制御放出させるのに適している、マトリクス組成物。
  2. 前記ペプチド性分子が極性である、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  3. 前記PEGが、1,000〜8,000の範囲の分子量を有する直鎖状PEGである、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  4. 極性基を有する前記脂質が、ステロール、トコフェロール、ホスファチジルエタノールアミンおよびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  5. 極性基を有する前記脂質がステロールである、請求項4に記載のマトリクス組成物。
  6. 前記ステロールがコレステロールである、請求項5に記載のマトリクス組成物。
  7. 前記コレステロールが、前記マトリクス組成物の総脂質含量の2〜30モルパーセントの量で存在する、請求項6に記載のマトリクス組成物。
  8. 前記第二の脂質成分が、ホスファチジルコリンまたはその誘導体、ホスファチジルコリン類またはそれらの誘導体の混合物、ホスファチジルエタノールアミンまたはその誘導体、ならびにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるリン脂質を含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  9. 前記リン脂質が、少なくとも14の炭素を有する飽和脂肪酸部分を少なくとも1つ含む、請求項8に記載のマトリクス組成物。
  10. 前記リン脂質が、少なくとも14の炭素を有する飽和脂肪酸部分を2つ含む、請求項8に記載のマトリクス組成物。
  11. DC−コレステロール、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDAB)、1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(エチルPC)、1,2−ジ−O−オクタデセニル−3−トリメチルアンモニウムプロパン(DOTMA)、ならびにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される陽イオン性脂質をさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  12. 前記生体適合性ポリマーが、生体分解性ポリマー、非生体分解性ポリマーおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  13. 前記生体分解性ポリマーが、PLA(ポリ乳酸)、PGA(ポリグリコール酸)PLGA(乳酸−グリコール酸コポリマー)、キトサン、コラーゲンおよびその誘導体及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載のマトリクス組成物。
  14. 前記非生体分解性ポリマーが、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGアクリラート、PEGメタクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート、ラウリルメタクリラート、ヒドロキシルエチルメタクリラート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、ポリスチレン、誘導体化ポリスチレン、ポリリジン、ポリN−エチル−4−ビニル−臭化ピリジニウム、ポリ−メチルアクリラート、シリコーン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリプロピレン、塩化ポリビニル、ポリメタクリル酸およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載のマトリクス組成物。
  15. 前記生体適合性ポリマーが、生体分解性ポリマーおよび非生体分解性ポリマーのコブロックを含む、請求項14に記載のマトリクス組成物。
  16. 総脂質と前記生体分解性ポリマーとの前記重量比が、1:1から9:1(上限および下限の値を含む)の間である、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  17. 前記ペプチド性分子とPEGとの重量比が10:1から1:1(上限および下限の値を含む)の間である、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  18. 前記マトリクス組成物は均一である、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  19. スフィンゴ脂質をさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  20. トコフェロールをさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  21. 実質的に水不含である、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  22. ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロールおよびホスファチジルイノシトールからなる群から選択される追加のリン脂質をさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  23. 14以上の炭素原子を有する遊離脂肪酸をさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  24. ペグ付加脂質をさらに含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  25. 前記物質の少なくとも30%がゼロ次速度過程で前記組成物から放出される、前記ペプチド性分子の持続放出のための請求項1に記載のマトリクス組成物。
  26. 前記物質の少なくとも50%がゼロ次速度過程で前記組成物から放出される、前記ペプチド性分子の持続放出のための請求項25に記載のマトリクス組成物。
  27. 前記ペプチド性分子が治療活性を有する、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  28. 前記ペプチド性分子が、酵素、ホルモン、抗微生物剤、抗体、抗癌剤、骨形成因子、成長因子または経口バイオアベイラビリティーの低いタンパク質またはペプチドからなる群から選択される、請求項27に記載のマトリクス組成物。
  29. 前記ペプチド性分子が抗微生物ペプチドである、請求項28に記載のマトリクス組成物。
  30. 前記ペプチド性分子がタンパク質である、請求項28に記載のマトリクス組成物。
  31. 前記タンパク質が酵素である、請求項30に記載のマトリクス組成物。
  32. (a)生体分解性ポリエステルと、(b)ステロールと、(c)少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有するホスファチジルコリンと、(d)極性ペプチド性分子と、(e)PEGと、を含む、請求項1に記載のマトリクス組成物。
  33. 請求項1に記載のマトリクス組成物を含む、インプラント。
  34. 請求項1に記載のマトリクス組成物を含む治療用ペプチド性分子を必要とする対象に、該治療用ペプチド性分子を投与するための、医薬組成物。
  35. 治療用ペプチド性分子を必要とする対象に該治療用ペプチド性分子を投与する方法であって、請求項1に記載のマトリクス組成物を前記対象に投与し、それによって治療用ペプチド性分子を必要とする対象に該治療用ペプチド性分子を投与する、方法。
  36. 基質と、該基質の少なくとも一部に沈積される生体適合性コーティングと、を含み、前記生体適合性コーティングが請求項1に記載のマトリクス組成物を含む、医療機器。
  37. 前記生体適合性コーティングが多層を含む、請求項36に記載の医療機器。
  38. ペプチド性分子の送達ならびに持続放出および/または制御放出のためのマトリクス組成物を作製する方法であって、
    a.揮発性有機溶媒である第一の溶媒に、(i)生体適合性ポリマーと、(ii)極性基を有する少なくとも1つの脂質を含む第一の脂質成分とを混合するステップと、
    b.前記ペプチド性分子を第二の溶媒に混合して溶液を作製し、前記溶液にポリエチレングリコールを添加するステップと、
    c.少なくとも14の炭素を有する脂肪酸部分を有する少なくとも1つのリン脂質を含む第二の脂質成分と、ステップ(b)で得られた溶液を混合するステップと、
    d.ステップ(a)で得られた溶液とステップ(c)で得られた溶液とを混合し、均一な混合物を得るステップと、
    e.前記溶媒を除去するステップと、を含み、
    それによって、前記ペプチド性分子を含む均一なポリマー−リン脂質マトリクスを作製する、方法。
  39. 前記第二の溶媒が、揮発性有機溶媒および極性溶媒からなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
  40. ステップ(c)が、(i)蒸発により前記溶媒を除去し、(ii)得られた沈殿物を前記第二の揮発性有機溶媒中で縣濁することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
  41. 前記ペプチド性分子が極性である、請求項38に記載の方法。
  42. 前記PEGが、1,000〜5,000の範囲の分子量を有する直鎖状PEGである、請求項38に記載の方法。
  43. 極性基を有する前記脂質が、ステロール、トコフェロール、ホスファチジルエタノールアミンおよびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
  44. 極性基を有する前記脂質がステロールまたはそれらの誘導体である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記第二の脂質成分が、ホスファチジルコリンまたはその誘導体、ホスファチジルコリン類またはそれらの誘導体の混合物、ホスファチジルエタノールアミンまたはその誘導体、ならびにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるリン脂質を含む、請求項38に記載の方法。
  46. 前記生体適合性ポリマーが、生体分解性ポリマー、非生体分解性ポリマーおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
  47. 前記生体分解性ポリマーが、PLA(ポリ乳酸)、PGA(ポリグリコール酸)、PLGA(乳酸−グリコール酸コポリマー)、陽イオン性生体適合性ポリマー及びそれらの組み合わせからなる群から選択される生体分解性ポリエステルである、請求項46に記載の方法。
  48. 前記非生体分解性ポリマーが、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGアクリラート、PEGメタクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート、ラウリルメタクリラート、ヒドロキシルエチルメタクリラート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、ポリスチレン、誘導体化ポリスチレン、ポリリジン、ポリN−エチル−4−ビニル−臭化ピリジニウム、ポリ−メチルアクリラート、シリコーン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリプロピレン、塩化ポリビニル、ポリメタクリル酸およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項46に記載の方法。
  49. 特定の構造のマトリクスを得るために、ステップ(d)の後、得られた溶液を鋳型に挿入し、続いて溶媒を除去する、請求項38に記載の方法。
  50. ステップ(d)の得られた均一な溶液に、基質を添加するか、浸漬するかまたはさっと浸し、続いて前記溶媒を除去し、それによって、前記ペプチド性分子を含む均一なポリマー−リン脂質マトリクスで被覆された基質を生成させる、請求項38に記載の方法。
  51. ステップ(e)が、最高60℃に加熱することによって、陰圧にすることによってまたはその両方によって、前記溶媒を蒸発させることを含む、請求項38に記載の方法。
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