JP2014516961A - 多粒子医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

スプリンクル剤形での投与に適する多粒子医薬組成物であって、前記粒子が直径2mm未満であるとともに、a)不活性コア粒子と、b)前記不活性コア粒子を囲む内側層で、アトルバスタチンカルシウムと、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーと、崩壊剤とを含む内側層と、c)前記内側層を囲む外側味マスキング層で、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを含む外側味マスキング層とを含む多粒子医薬組成物。

Description

本発明は、多粒子医薬組成物に対するものである。詳細には、本発明は、スプリンクル剤形での投与に適する多粒子組成物に関するものである。
口当たりのよい剤形を作ることは、患者コンプライアンスにおいて非常に重要である。したがって、不快な味のマスキングは、多くの治療剤の製剤化において重大な検討事項であり、活性種と、被検者の口腔内の味覚受容体との直接接触を最小限にすることによって実現される。製薬業界では、薬剤を患者に経口投与するためのさまざまな固形製剤が用いられている。典型的な固形剤形としては、カプセル剤または錠剤が挙げられる。これらの従来の固形剤形は通常、飲み込むよう意図されているので、味をマスキングする必要性は生じない。せいぜい、錠剤のような固形剤形上の保護コーティング、カプセル剤形態の使用、または、単に圧縮錠剤の硬度を最適化して、飲み込まれる間に崩壊しないようにするなどの追加の特徴を製剤に加える場合があるに過ぎない。しかしながら、錠剤およびさらにはカプセル剤を丸ごと飲み込むのが困難な小児、高齢者、およびその他の多くの人々をその剤形が対象としている場合、製剤者が適用できる選択肢の1つは、軟らかい食品に振りかけることができるとともに、食品とともに飲み込んでも変化し得ない小粒子形態の組成物をもたらすことである。
アトルバスタチンカルシウムのスプリンクル剤形は、さまざまな目的を満たさなければならない。第1に、味のマスキングという要件を満たすように、アトルバスタチンカルシウムを唾液中に放出してはならない。その上、アトルバスタチンカルシウムを唾液中に放出してはならない一方で、第2の要件は、アトルバスタチンカルシウム流体を胃液に、望ましい迅速な速度で放出させて、望ましいレベルのアトルバスタチンカルシウム吸収度をもたらす必要がある点である。第3の要件は、分解を受けやすいアトルバスタチンカルシウムを製剤中で安定化させなければならない点である。本発明の医薬組成物は、単一剤形と比べると多粒子形態であるので、その多粒子は、容易には分解しないかまたは粒径が0.2mm〜1.5mmの粒子となって口内でほぼすべての方向にすばやく分散する従来の圧縮錠剤のような単一単位剤形よりも、「広い表面積」をもたらす。組成物の表面積が広いほど、口内の感覚器官と苦味活性成分が相互作用する機会が増える。したがって、多粒子組成物である味マスキングスプリンクル剤形を実現させるのは非常に困難である。例えば、寸法が約16mm×8.5mmである従来の圧縮錠剤の表面積は約500mm2の範囲であり、寸法が約19.5mm×10.5mmの錠剤の表面積は約800mm2である。これに対し、本発明の多粒子組成物の全粒子の累積表面積は、単一単位剤形の表面積の少なくとも3倍、詳細には少なくとも10倍である。例えば、平均粒径が0.6mmの粒子では、10mg〜80mgの範囲の活性成分投与量を充填するのに利用できる総表面積は、おおよそ1500〜5400mm2の範囲である。
上記のすべての目的を満たすスプリンクル剤形での投与に適する本発明の多粒子医薬組成物が発見された。
A.スプリンクル剤形での投与に適する多粒子医薬組成物であって、前記粒子が直径2mm未満であるとともに、
a)不活性コア粒子と、
b)前記不活性コア粒子を囲む内側層で、アトルバスタチンカルシウムと、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーと、崩壊剤とを含む内側層と、
c)前記内側層を囲む外側味マスキング層で、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを含む外側味マスキング層と、
を含む多粒子医薬組成物。
B.前記不活性コア粒子が直径約400〜700マイクロメートルである、Aに記載の多粒子医薬組成物。
C.外側味マスキング層を有する前記内側層における崩壊剤のメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーに対する比が約1〜2.5、好ましくは2である、A〜Bのいずれかに記載の多粒子医薬組成物。
D.外側味マスキング層を有する前記内側層におけるアトルバスタチンカルシウムのメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーに対する比が約1.1〜2.5、好ましくは約2である、A〜Cのいずれかに記載の多粒子医薬組成物。
E.メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを好適な溶媒に溶解させた溶液に、アトルバスタチンカルシウムを分散させることによって、前記内側層が形成されている、Aに記載の多粒子医薬組成物。
F.前記内側層が、アトルバスタチンカルシウムとメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを約1.0の比で含む、Aに記載の多粒子医薬組成物。
G.前記崩壊剤がクロスポビドンである、Aに記載の多粒子医薬組成物。
H.前記崩壊剤が、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、およびクロスカルメロースナトリウムからなる群から選択される、A〜Eのいずれか1つに記載の多粒子医薬組成物。
I.前記崩壊剤がクロスポビドンであり、前記内側層の15重量%〜45重量%の量で存在する、Gに記載の多粒子医薬組成物。
J.前記外側味マスキング層内のメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーの量が、前記内側層の8重量%未満である、Aに記載の多粒子医薬組成物。
K.前記外側味マスキング層が水溶性ポリマーをさらに含む、Aに記載の多粒子医薬組成物。
L.前記水溶性ポリマーが低粘性セルロース誘導体である、Kに記載の多粒子医薬組成物。
M.メカニカルシェーカーで5分間、200rpmで攪拌することによって、前記組成物を10mlのリン酸緩衝液(pH7.4)と混合し、その混合物をろ過した場合、そのろ液が2%以内のアトルバスタチンカルシウムを示す、Aに記載の多粒子医薬組成物。
「不活性」という用語は、本明細書で使用する場合、その粒子が、治療活性成分を含まないことを意味する。不活性粒子としては、希釈剤、表面活性剤、安定性向上剤などのような賦形剤、およびこれらの混合物が挙げられる。本発明の医薬組成物で用いる不活性コア粒子の平均粒径は、約0.2mm〜0.8mm、好ましくは約0.3mm〜0.6mmの範囲である。このような不活性コア粒子は、押出造粒によって調製してもよく、あるいは、希釈剤の造粒によって調製することもできる。上記の不活性コア粒子は、規則的であることも、または不規則的であることもできるいずれかの形をした形態であることができる。すなわち、上記の粒子は、球形、楕円形、立方体、またはいずれかの他の形(顆粒状粒子など)であることもできる。1つの好ましい実施形態では、上記の粒子は球形状である。
「スプリンクル」という用語は、本明細書で使用する場合、その剤形が、食品、またはいずれかの食用物質もしくは液体(水、ジュースなど)の上に添加されるものであることを意味する。このようなスプリンクル剤形は、患者集団のうちの大きな割合を占めるとともに、錠剤、カプセル剤、および丸剤のような従来の剤形を飲み込むのが困難である高齢の患者に特に適する場合がある。スプリンクル剤形は、食品もしくは食用物質に振りかけてよい多粒子組成物が充填された小袋もしくはカプセル剤の形態、または、飲み込む前に個々の粒子の分散体をもたらすように、液体中に分散する分散性錠剤の形態であってよい。
本発明の1つの実施形態は、スプリンクル剤形での投与に適する多粒子医薬組成物であって、前記粒子が直径2mm未満であるとともに、
a)不活性コア粒子と、
b)前記不活性コア粒子を囲む内側層で、アトルバスタチンカルシウムと、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーと、崩壊剤とを含む内側層と、
c)前記内側層を囲む外側味マスキング層で、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを含む外側味マスキング層と、
を含む多粒子医薬組成物を提供する。
本発明の多粒子医薬組成物は、剤形を作るために、カプセルに充填したか、圧縮して錠剤にした被覆粒子、または、小袋に充填した散剤の形態であることができる。本発明の多粒子医薬組成物は、食品と一緒に投与すると、舌のような感覚器官と接触し得るので、本発明の組成物が、いずれのザラザラした感触、または食品もしくは飲料内に組み込まれた粒子の感覚も生じさせないことが大切なので、申し分のない組成物を実現させるには、本発明の組成物の粒径は非常に重要である。1つの実施形態では、本発明の医薬組成物は、食品または飲料(好ましくは酸性でないもの)のいずれかと混合されているスプリンクル粒子の形態である。本発明によれば、粒径の範囲は、コアおよび/または被覆粒子について指定され(例えば約0.100mm〜約2.5mm)、粒子の少なくとも75%、好ましくは85%、最も好ましくは95%の粒径が、指定の範囲(例えば約0.100mm〜約2.5mm)内、好ましくは0.2〜1.0mmであるように意図されている。内側層で被覆してから、外側味マスキング層で被覆した不活性粒子は、カプセル、例えば硬カプセルに充填しても、小袋に充填してもよい。本発明の組成物は、液体に加えると分散して個々の粒子に分散する錠剤の形態であることもできる。
本発明の医薬組成物で用いる不活性コア多粒子の平均粒径は、内側層で囲む前は、約0.2mm〜0.8mm、好ましくは約0.3mm〜0.6mmの範囲である。1つの実施形態では、不活性コアは、非晶質アトルバスタチンカルシウム、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、および架橋化ポリビニルピロリドンを含む内側層に囲まれている。この実施形態では、それらの粒子を囲んでいる内側層を有する上記の不活性粒子はさらに、外側味マスキングコーティングで被覆されている。1つの特定的な実施形態では、内側層を囲む味マスキングコーティングは、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを含む。
本発明の多粒子組成物の内側層には、崩壊剤が取り込まれている。崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低粘性ヒドロキシプロピルセルロース、ポラクリリンカリウムが挙げられるが、これらに限らない。クロスカルメロースナトリウムのような変性セルロースも崩壊剤として用いることができる。クロスカルメロースナトリウムは、カルボキシメチルセルロースの架橋化ポリマーである。より好ましくは、崩壊剤は、架橋化N−ビニル−2−ピロリドンの合成ホモポリマーである架橋化ポリビニルピロリドンである。クロスポビドンは独自の構造を有し、優れた吸着能と並外れた膨張速度をもたらす。これにより、新規のデリバリーシステムにおける優れた錠剤崩壊剤、および機能的な賦形剤となる。クロスポビドンは、その架橋化構造により、水およびあらゆる溶媒にまったく溶解しない。しかしながら、水中で非常に素早く膨張するので、極めて優れた崩壊剤となっている。一般には、メーカーでの命名に応じて商品名で呼ばれる。例えば、BASFは、クロスポビドンメーカーの1つであり、同社のクロスポビドンは不溶性「Kollidon」という。製品の差別化は主に粒径分布によって行われている。BASFは、Kollidon CL、Kollidon CL−F、Kollidon CL−SF、およびKollidon CL−Mという不溶性グレードのKollidonを供給している。別のメーカーはISPの「Polyplasdone XL」グレードである。Kollidon CL−FおよびKollidon CL−SFの平均粒径は、Kollidon CLおよびPolyplasdone XLの平均粒径よりもかなり小さい。Kollidon CL−Mは粒径が最も小さい。Polyplasdone XL−10は、粒径がKollidon CL−Fと同程度である。本発明の組成物で用いる別の崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムとしても知られるカルボキシメチルスターチナトリウムである。本発明の組成物の内側層に存在する崩壊剤の量は、結合剤として機能するメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーの量によって変えてよい。外側味マスキング層を有する内側層における崩壊剤の結合剤に対する比は、約1〜2.5、好ましくは約1.5〜約2.2の範囲であってよい。
1つの実施形態では、本発明の多粒子医薬組成物の内側層は、アトルバスタチンカルシウム、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、および架橋化ポリビニルピロリドンを含み、この架橋化ポリビニルピロリドンは、内側層の約15重量%〜50重量%、好ましくは20重量%〜35重量%である。1つの好ましい実施形態では、アトルバスタチンカルシウムは、非晶形の形態で存在する。アトルバスタチンのいずれかの他の塩を用いて、本発明の組成物を作製することもできる。アトルバスタチンカルシウムを用いる場合、アトルバスタチンカルシウムは、粒子が充填されたカプセル剤、錠剤の形態の圧縮粒子、または小袋に充填された散剤、のような単一剤形当たり、5mg〜120mgの範囲の量で用いられる。好ましくは、内側層に存在するアトルバスタチンカルシウムの量は、約10mg〜90mg、最も好ましくは20mg〜80mgの範囲である。
本発明の多粒子医薬組成物は、内側層と外側層とを含み、これらの層はいずれも、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよび中性メタクリル酸エステルから合成したカチオン性コポリマーであるメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを含む。Eudragit(商標)Eは、メタクリル酸ジメチルアミノエチルと中性メタクリレートに基づくカチオン性コポリマーであり、酸性環境において溶解し、かつ、約pH5未満で溶解するとともに、約pH5超で膨潤および透過する胃溶性フィルムコーティングをもたらす目的で、医薬製剤で用いられる。
Figure 2014516961
上記のポリマーの繰り返し単位は上記の構造を有し、式中、RはCH3基およびC49基を表し、上記のポリマーの分子量は約150000である。上記のポリマーは、さまざまな物理的形態で存在してもよい。Eudragit E 100という製品は顆粒状であり、Eudragit E 12.5という製品は、E 100の12.5%イソプロパノールおよびアセトン溶液であり、Eudragit EPOという製品は、E 100から作られた微粉である。このポリマーのさまざまなグレードがドイツのEvonikから市販されている。Eudragit(商標)Eのポリマーは、ジメチルアミノエチル基を有するメタクリル酸誘導体である。内側層におけるEudragit EPOの量は、内側層の5重量%〜約30重量%、好ましくは内側層の約10重量%〜約25重量%の範囲である。内側層におけるアトルバスタチンカルシウムのこのポリマーに対する比は1.0〜約2.0、好ましくは約1.18である。外側味マスキング層におけるEudragit EPOの量は、内側層に存在するEPOの10重量%未満である。好ましくは、この量は、内側層に存在するEPOの約4〜9重量%、最も好ましくは約8重量%である。別の観点においては、本発明の多粒子医薬組成物では、内側層におけるアトルバスタチンカルシウムのメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーに対する比が約1.0〜3.0の範囲、好ましくは1.5〜2.5の範囲、最も好ましくは約2であると言うこともできる。1つの実施形態では、この比は約1.0である。
好ましい実施形態では、不活性コア粒子は、非晶質アトルバスタチンカルシウム、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、および、内側層の25重量%超で存在する架橋化ポリビニルピロリドンを含む内側層に囲まれている。これらの不活性コアは、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを含む外側味マスキング層に囲まれている。この実施形態では、内側層がアトルバスタチンカルシウムを崩壊および遊離させるように、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーの崩壊剤に対する比を用いることができる。好ましくは、崩壊剤の量は内側層の約25重量%〜50重量%の範囲、より好ましくは約40重量%である。迅速な吸収のために、内側層が、水性環境と接触したときに破裂し、アトルバスタチンカルシウムを放出するように、崩壊剤の量は、結合効果を示す他の賦形剤の量に応じて調節してよい。
さらに、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーとアトルバスタチンカルシウムを、いずれも水性媒質中の懸濁液として分散させることによって調製した内側層で不活性コア粒子を囲んだところ、望ましい薬物動態プロファイルが得られなかったことも本発明者らは発見した。これに対し、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを好適な溶媒(イソプロピルアルコール、または上記のポリマーが溶解可能ないずれかの他の有機溶媒など)に溶解させた溶液に、アトルバスタチンカルシウムを分散させることによって内側層を調製したところ、このようにして調製した医薬組成物では、飽食下および絶食下のいずれにおいてもバイオアベイラビリティが向上することが分かった。内側層がアトルバスタチンカルシウムの放出および吸収を阻害しないように、崩壊剤を含有させたところ、バイオアベイラビリティがさらに向上した。すなわち、崩壊剤を適当な量で含んでいた組成物は、望ましいバイオアベイラビリティを示した。
本発明の1つの実施形態では、コアは、アトルバスタチンカルシウムと、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよび中性メタクリル酸から合成したカチオン性コポリマーとの混合物で被覆されている不活性白糖球状顆粒である。内側層および味マスキングコーティング層における上記のカチオン性ポリマーの量の比は約3:1であることに留意してよい。この比により、アトルバスタチンカルシウムと、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよび中性メタクリル酸エステルから合成したコポリマーとを0.3〜約1の比で有する別段の苦味内側層をマスキングするには、コアを囲むコーティング中の微量、すなわち内側層の約5重量%の上記ポリマーで十分であったことが示されている。
本発明の多粒子組成物の内側層はさらに、滑剤、界面活性剤、抗酸化剤、およびこれらの混合物のような賦形剤を含んでもよい。さまざまな流動促進剤または付着防止剤としては、タルク、シリカ誘導体、コロイド状二酸化ケイ素など、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。用いることができるさまざまな滑剤としては、ステアリン酸およびステアリン酸誘導体(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、モノステアリン酸グリセリンなど)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、ヒマシ油およびその誘導体、ならびにろうが挙げられるが、これらに限らない。界面活性剤は、液体の表面張力を低下させて、拡散しやすくする湿潤剤である。界面活性剤は、疎水性基と親水性基の両方を含むので、有機溶媒と水の両方に溶解する。界面活性剤は、イオン性であっても非イオン性であってもよい。イオン性界面活性剤は、アニオン性であっても、カチオン性であっても、両性イオン性であってもよい。アニオン性界面活性剤としては、イセチオン酸アルキル、アルキル硫酸塩およびアルキルエーテル硫酸塩、ならびにそれらの塩、アルキルリン酸塩およびアルキルエーテルリン酸塩、ならびにそれらの塩、アルキルメチルタウリン酸塩、さらには石けん(例えば、長鎖脂肪酸のナトリウムまたはカリウム塩を含むアルカリ金属塩など)が挙げられる。非限定例としては、ケノデオキシコール酸、1−オクタンスルホン酸ナトリウム塩、デオキシコール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム塩、N−ラウロイルサルコシンナトリウム塩、ドデシル硫酸リチウム、コール酸ナトリウム水和物、およびラウリル硫酸ナトリウム(SLS)(ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)とも呼ばれる)が挙げられる。両性および両性イオン性界面活性剤の例としては、カルボキシ化合物、スルホン酸塩化合物、硫酸塩化合物、リン酸塩化合物、およびホスホン酸塩化合物が挙げられるが、これらに限らない。例としては、アルキルイミノアセテート、ならびにイミノジアルカノエートおよびアミノアルカノエート、イミダゾリニウムおよびアンモニウム誘導体、ベタイン、スルタイン、ヒドロキシスルタイン、アルキルサルコシン酸塩およびアルカノイルサルコシン酸塩などである。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば市販のTween(商標)という製品、例えばTween 20およびTween 800)、ポロキサマー(例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーであるPluronic(商標)F68およびF108Qという製品)、ポロキサミン(例えば、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドのエチレンジアミンへの連続添加に由来する四官能性ブロックコポリマーである、BASF Wyandotte Corporation(米国ニュージャージー州パーサイパニー)のTetronic(商標)908(ポロキサミン908としても知られる)が挙げられる。
1つの好ましい実施形態では、内側層は、ラウロイルモノグリセリド、ポリエチレングリコール、界面活性剤(ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリンなど)、およびこれらの混合物のような滑剤を含む。これらのタイプの賦形剤を加えるのは任意である。1つの実施形態では、内側層はさらに、ブチルヒドロキシルアニソールおよびブチルヒドロキシルトルエンのような抗酸化剤を含む。抗酸化剤は、内側層に囲まれた不活性コア粒子を囲む味マスキング層にも存在してもよい。味マスキング層は、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを含む。加えて、味マスキング層は、低粘性セルロース誘導体(粘度が3cpsのヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)のような水溶性ポリマーをさらに含んでもよい。味マスキングコーティング組成物は、抗酸化剤、滑剤、および界面活性剤のような賦形剤をさらに含んでもよい。1つの好ましい実施形態では、味マスキング組成物は、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、低粘性ヒドロキシプロピルメチルセルロース、モノステアリン酸グリセリン、および1つ以上の抗酸化剤を含む。味マスキングコーティングに存在する低粘性水溶性ポリマーの量は、内側層の約2重量%〜約5重量%の範囲、好ましくは内側層の約4重量%である。味マスキングコーティングに存在する抗酸化剤の量は、内側層の約0.05〜0.3重量%の範囲である。
1つの実施形態では、本発明の多粒子医薬組成物は任意により、その組成物の個々の別々のゾーンに不活性粒子を含む。単一単位剤形に対する多粒子組成物であるので、本発明の組成物は、その医薬組成物内の別々のゾーンに存在し得る不活性粒子にさまざまな賦形剤を含められる柔軟性をもたらす。したがって、不可欠であるが、活性成分との適合性がない賦形剤でも、医薬の安定性に影響を及ぼすことなく(賦形剤との何らかの相互作用により、医薬の安定性に影響が及ぶこともある)、医薬組成物内に組み込むことができる。医薬組成物が、賦形剤と医薬が密接し合っている圧縮錠剤のようなマトリックス組成物である場合には、これは不可能である。
1つの実施形態では、不活性粒子は、いずれかの賦形剤を含み、この賦形剤は、バイオアベイラビリティ、溶解性、化学的または物理的安定性のような製剤要件を満たすように、賦形剤の性質および活性成分のタイプに応じて選択してよい。例えば、本発明の医薬組成物がアトルバスタチンカルシウムを含むと、不活性粒子は、溶解性または化学的安定性を高めることができる1つ以上の賦形剤を含むことができることを本発明者らは発見した。これらの成分は、医薬組成物内に存在しているが、活性成分と密接していないので、不適合であるが、不可欠である賦形剤を医薬組成物のこの部分に添加できる。メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを不活性粒子内で用いる実施形態では、その量は、不活性粒子の約5重量%〜約30重量%、換言すると、多粒子医薬組成物の総重量の約7%〜約15%の範囲であることができる。
本発明の医薬組成物が追加の不活性粒子を含む場合、内側層および不活性粒子に囲まれた不活性コア粒子は、特定の比率で存在してよい。例えば、そのコアと不活性粒子の比は、1:2〜1:8の範囲が最良であることが分かった。
本発明の医薬組成物は、直接圧縮法、乾式または湿式造粒法、流動層造粒法、溶融押出法、スプレードライ法、および溶液蒸発法を含め、当業者に知られているさまざまな技法またはプロセスによって製造でき、好ましくは、その製造プロセスは、流動層コーティング法を含む。その粒子は、ペレット、顆粒剤、ミニタブレット、圧密粉体などの形態であってよい。1つの好ましい実施形態では、不活性粒子はノンパレルシードまたは白糖球状顆粒の形態である。これらのノンパレルシードは、当該技術分野において従来から知られているもの、例えば、微結晶性セルロース、デンプン、糖(ラクトース)など、およびこれらの混合物で構成されたペレットであってよい。
1つの実施形態では、本発明の多粒子医薬組成物の内側層は、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーをイソプロピルアルコールのような有機溶媒に溶解させることによって調製した。これに、界面活性剤、滑剤、抗酸化剤などのようなその他の賦形剤とともに、非晶質アトルバスタチンカルシウムを分散させた。微結晶性セルロースもしくはラクトース、またはいずれかの他の希釈剤から構成された白糖球状顆粒のような不活性コア粒子の上に、この分散液を塗布した。これらの不活性コア粒子は、流動層プロセッサーのような従来の技法を用いて、上記の分散液で被覆する。内側層で被覆した粒子は、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーの味マスキングコーティング組成物でさらに被覆する。この味マスキングコーティング組成物はさらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような水溶性ポリマーを含んでもよい。本発明の組成物がさらに、活性成分を有さない不活性粒子を含む実施形態では、これらの粒子は、押出、造粒のような従来の技法によって調製し、その調製された不活性粒子は、崩壊剤、希釈剤、滑剤、抗酸化剤などとともに、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムのようなアルカリ性物質を有する組成物で被覆する。内側層に囲まれたこれらの不活性コア粒子を味マスキングコーティングでさらに被覆し、任意により、その不活性粒子をカプセルに充填するか、分散性錠剤に圧縮するか、小袋に充填するかのいずれかを行ってよい。硬カプセルに充填した被覆粒子は、スプリンクル剤形として用いてよい。
苦い、苦味が少ない、中度に苦い、許容可能、または許容不可能といった感覚刺激性パラメーターを評価することによって、本発明の多粒子医薬組成物の味マスキング性について評価した。さらに、唾液を模した培地に放出される苦味活性成分の量によって、この評価を裏付けた。唾液環境に一番近い試験培地は、pH7.4のリン酸緩衝液であった。調製したすべての組成物に対し、上記の2つの試験を行い、申し分のない味マスキング組成物に到達した。味マスキング組成物成分(活性成分コアのみ、コーティングで被覆した活性成分コア、または、組成物全体、すなわち、不活性粒子とともに、コーティングで被覆された活性成分コアを有する活性成分コアなど)を試験したところ、活性成分コアのみの組成物の味は許容不可能で、唾液中に、活性成分の約5%が放出されたことが分かった。インビトロ溶解法を行って、pHが7.4(唾液のpHに相当する)の緩衝液と混合した場合の不快な味の医薬の放出を評価した。本発明の組成物の味マスキング性を割り出すために、本発明の組成物を10mlのリン酸緩衝液(pH7.4)と混合した。メカニカルシェーカーで200rpmにて5分間攪拌することによって、単一単位剤形の内容物をこの緩衝液と混合した。この混合物をろ過し、そのろ液の医薬放出率について分析した。
詳細には、1つの実施形態では、本発明は、高コレステロール血症を治療する方法であって、アトルバスタチンまたはその製薬学的に許容可能な塩の医薬組成物を投与することを含み、前記組成物がスプリンクル粒子の形態であり、口腔投与する前に、前記粒子を好適な食品または飲料に振りかける方法を提供する。高コレステロール血症を治療するこの方法は、マッシュポテト、プディング、アイスクリーム、およびその他の非酸性食料品または飲料のような食品を使用することを含む。
下記の実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、実例として用いるに過ぎない。
<比較例1>
Figure 2014516961
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所定の量のキシリトールを精製水に溶解させ、これに非晶質アトルバスタチンカルシウムを分散させた。所定の量のメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーをふるいにかけ、上記の分散液に加えた。この分散液に、その他の賦形剤、すなわち、ラウリル硫酸ナトリウムのような界面活性剤および抗酸化剤(BHAおよびBHT)を加えた。続いて、ポリソルベート80およびモノステアリン酸グリセリンを加えた。流動層プロセッサーを用いて、この分散液を不活性コア粒子上に塗布した。内側層で被覆されたこの不活性コア粒子をさらに、塩基性ブチルメタクリレートコポリマー、モノステアリン酸グリセリン、およびその他の成分の水性媒質分散液で被覆した。
表1のシリアル番号15〜19に記載されているすべての賦形剤をふるいにかけてから、水とともに造粒することによって、活性成分を含まない不活性粒子を調製した。得られた湿塊を押出機で押出し、押出物を球形化して不活性粒子を得た。その不活性粒子を低粘性ヒドロキシプロピルメチルセルロースの保護コーティングで被覆し、さらに、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーの味マスキングコーティングで被覆した。アトルバスタチンカルシウムを含む内側層と外側味マスキング層(I)で被覆された不活性コア粒子と、活性成分を含まない不活性粒子をコロイド状二酸化ケイ素で潤滑し、微結晶性セルロースと混合し、硬カプセルに充填した。
<比較例2>
Figure 2014516961
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ラウロイルマクロゴールグリセリド、モノステアリン酸グリセリン、ポリエチレングリコールを溶融した。この溶融塊を十分な量のイソプロピルアルコールに加えた。所定の量のメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを上記の溶液に加えた。続いて、非晶質アトルバスタチンカルシウムをこの溶液にゆっくり加えた。こうして得られた分散液を不活性コア粒子の上にコーティングした。さらに、溶融モノステアリン酸グリセリンとポリエチレングリコール6000を有するメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーの味マスキング外側層で、これらの被覆粒子を被覆した。上記の二重被覆不活性粒子を所定の量の微結晶性セルロースと混合し、硬カプセルに充填した。
<実施例1>
Figure 2014516961
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抗酸化剤BHTおよびBHTをイソプロピルアルコールに溶解させた。ラウロイルマクロゴールグリセリドを溶融し、これに加えた。ポリエチレングリコール6000を上記溶媒に加えた。所定の量のメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーをイソプロピルアルコールのような好適な溶媒に溶解させた。所定の量の非晶質アトルバスタチンカルシウムをこれに分散させた。続いて、デンプングリコール酸ナトリウムとモノステアリン酸グリセリンを加えた。この分散液を不活性コア粒子の上に塗布した。内側層で塗布された不活性コア粒子をさらに、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーと低粘性ヒドロキシプロピルメチルセルロースとモノステアリン酸グリセリンとの混合物を有する味マスキングコーティング層で被覆した。表3のシリアル番号17〜21に記載されている所定の量の賦形剤を混合することによって、活性成分を有さない不活性粒子を調製した。このブレンドをふるいにかけ、造粒した。この湿塊を押出し、球形化してから乾燥した。内側層および外側味マスキング層(I)で被覆された上記の不活性コア粒子と、活性成分を含まない不活性粒子をコロイド状二酸化ケイ素で潤滑し、硬カプセルに充填した。
<実施例2>
Figure 2014516961
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Figure 2014516961
抗酸化剤BHTおよびBHTをイソプロピルアルコールに溶解させた。ラウロイルマクロゴールグリセリドを溶融し、これに加えた。ポリエチレングリコール6000をこの溶媒に加えた。所定の量のメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーをイソプロピルアルコールのような好適な溶媒に溶解させ、非晶質アトルバスタチンカルシウムをこれに分散させた。続いて、架橋化ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)とモノステアリン酸グリセリンを加えた。この分散液を不活性コア粒子の上に塗布した。内側層で塗布された不活性コア粒子をさらに、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーと低粘性ヒドロキシプロピルメチルセルロースとモノステアリン酸グリセリンの混合物の味マスキングコーティング層で被覆した。表4のシリアル番号17〜21に記載されている所定の量の賦形剤を混合することによって、活性成分を有さない不活性粒子を調製した。このブレンドをふるいにかけ、造粒した。湿塊を押出し、球形化してから乾燥した。内側層および外側味マスキング層(I)で被覆した上記の不活性コア粒子と、活性成分を含まない不活性粒子をコロイド状二酸化ケイ素で潤滑し、硬カプセルに充填した。
<実施例3>
Figure 2014516961
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抗酸化剤BHTおよびBHTをイソプロピルアルコールに溶解させた。ラウロイルマクロゴールグリセリドを溶融し、これに加えた。ポリエチレングリコール6000を上記の溶媒に加えた。所定の量のメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーをイソプロピルアルコールのような好適な溶媒に溶解させ、非晶質アトルバスタチンカルシウムをこれに分散させた。続いて、架橋化ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)とモノステアリン酸グリセリンを加えた。この分散液を不活性コア粒子の上に塗布した。内側層で塗布された不活性コア粒子をさらに、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーと低粘性ヒドロキシプロピルメチルセルロースとモノステアリン酸グリセリンの混合物の味マスキングコーティング組成物で被覆した。内側層と外側味マスキング層で囲まれた不活性コア粒子をコロイド状二酸化ケイ素と混合し、硬カプセルに充填した。
<実施例4>
Figure 2014516961
Figure 2014516961
Figure 2014516961
Figure 2014516961
抗酸化剤BHTおよびBHTをイソプロパノールに溶解させた。ラウロイルマクロゴールグリセリドを溶融し、これに加えた。ポリエチレングリコール6000を上記の溶媒に加えた。所定の量のメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーをイソプロパノールのような好適な溶媒に溶解させた。非晶質アトルバスタチンカルシウムをこれに分散させた。続いて、架橋化ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)とモノステアリン酸グリセリンを加えた。この分散液を不活性コア粒子の上に塗布した。内側層で塗布された不活性コア粒子をさらに、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーと低粘性ヒドロキシプロピルメチルセルロースとモノステアリン酸グリセリンの混合物の味マスキングコーティング組成物で被覆した。表6のシリアル番号17〜21に記載されている所定の量の賦形剤を混合することによって、活性成分を有さない不活性粒子を調製した。このブレンドをふるいにかけ、造粒した。この湿塊を押出し、球形化してから乾燥した。内側層および外側味マスキング層(I)で被覆された上記の不活性コア粒子と、活性成分を含まない不活性粒子をコロイド状二酸化ケイ素で潤滑し、硬カプセルに充填した。
<実施例5>
本発明の実施例1、実施例2、実施例3、および実施例4に従って調製したカプセル剤をSud−chemie,Inc.製のOxy−Guard(登録商標)バリアボトルに充填した。これらのボトルは、通常のボトルと比べて100倍、酸素の侵入を効果的に阻止するとともに、水分に対する優れたバリア性ももたらす。Oxy−Guardボトルは、脱酸素剤PharmaKeep(登録商標)とともに用いた。PharmaKeep(登録商標)は、最終カプセル製剤と少量の酸素を充填した後(酸素は、保管中にも容器に入りこむ場合もある)、容器内の上部空間に含まれる酸素を吸収することが報告されている。実施例1〜4のカプセル剤を充填したOxy−Guard(登録商標)ボトルを40℃/75%RH、25℃/60%RH、および30℃/65%RHのようなさまざまな保管条件下で3カ月保管した。本発明の組成物の不純物について解析し、安定性調査の結果は下記の表7に示されている。解析は、Zorbax RX−C8を用いて、勾配法によるHPLCによって行った。不純物を定量化し、下記に示した。
Figure 2014516961
安定性調査の結果から、本発明の医薬組成物が安定していたことが分かる。詳細には、実施例2、3、および4は、実施例1よりも安定性が高いことが分かった。
<実施例6>
比較例1、比較例2、ならびに、実施例1、2、3、および4の多粒子組成物に対して、単回投与、オープンラベル、無作為化、2方向クロスオーバー比較バイオアベイラビリティ調査を行った。この調査のために、健常な成人ボランティアに登録してもらった。飽食下および絶食下で、試験物または対照の単回経口投与を周囲温度の水240ml(±2ml)によって行った。投与する前(0.00時間、投与前)、および、投与してから0.25時間、0.50時間、1.00時間、1.50時間、2.00時間、2.50時間、3.00時間、3.50時間、4.00時間、4.50時間、5.00時間、5.50時間、6.00時間、6.50時間、7.00時間、8.00時間、10.0時間、12.00時間、16.00時間、20.00時間、24.00時間、36.00時間の時点に、血液サンプルを採集した。Lipitor(登録商標)錠剤を対照組成物として用いた。調査の結果は下記の表8(t=24時間の時点における吸収度)および表9(t=∞における吸収度)に示されている。
Figure 2014516961
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吸収度のT/R比の90%信頼区間が0.8〜1.25の制限内にあることを観察するのが重要である。本発明の実施例では、データにより、非晶質アトルバスタチンカルシウムを含む内側層に崩壊剤が存在することの有意性が示されている。本発明の多粒子組成物は、Lipitor(登録商標)という商品名の市販製品との比較において、飽食状態および絶食状態のいずれにおいても、望ましいバイオアベイラビリティ(吸収度)をもたらすことができると結論付けることができる。
したがって、本発明の組成物では、望ましい味マスキング性、吸収度の観点において対照と同程度のバイオアベイラビリティが得られると分かったとともに、安定的であることもわかった。すなわち、本発明の組成物は、満たさなければならない重要なパラメーターのすべてを満たす。

Claims (9)

  1. スプリンクル剤形での投与に適する多粒子医薬組成物であって、前記粒子が直径2mm未満であり、
    a)不活性コア粒子と、
    b)前記不活性コア粒子を囲む内側層で、アトルバスタチンカルシウムと、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーと、崩壊剤とを含む内側層と、
    c)前記内側層を囲む外側味マスキング層で、メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを含む外側味マスキング層と、
    を含む多粒子医薬組成物。
  2. 前記不活性コア粒子の直径が400〜700マイクロメートルの範囲である、請求項1に記載の多粒子医薬組成物。
  3. 外側味マスキング層を有する前記内側層における崩壊剤のメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーに対する比が約1〜2.5である、請求項2に記載の多粒子医薬組成物。
  4. 前記内側層におけるアトルバスタチンカルシウムのメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーに対する比が約1.5〜2.5である、請求項1に記載の多粒子医薬組成物。
  5. メタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを好適な溶媒に溶解させた溶液に、アトルバスタチンカルシウムを分散させることによって、前記内側層が形成されている、請求項1に記載の多粒子医薬組成物。
  6. 前記内側層が、アトルバスタチンカルシウムとメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーを1の比で含む、請求項1に記載の多粒子医薬組成物。
  7. 前記崩壊剤が、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、およびクロスカルメロースナトリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の多粒子医薬組成物。
  8. 前記崩壊剤がクロスポビドンであり、前記内側層の15重量%〜40重量%の量で存在する、請求項7に記載の多粒子医薬組成物。
  9. 前記外側味マスキング層内のメタクリル酸メチルメタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーの量が、前記内側層に存在するポリマーの8重量%未満である、請求項1に記載の多粒子医薬組成物。
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