JP2014516044A - 肺に投与するための活性成分を含有する生体適合性ナノポリマー粒子 - Google Patents

肺に投与するための活性成分を含有する生体適合性ナノポリマー粒子 Download PDF

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Abstract

本発明は、生体適合性ナノポリマー粒子を提供し、前記粒子は、生体適合性ポリマー、安定化剤および肺高血圧症または勃起不全を治療するための活性成分からなり、肺高血圧症または勃起不全を治療するための製剤を製造するために使用され得る。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、肺高血圧症または勃起不全に対抗する活性成分を含有する生体適合性ナノポリマー粒子を提供し、このような生体適合性ナノポリマー粒子は、人間の肺高血圧症または勃起不全を治療するために肺に投与するのに適する。前記生体適合性ナノポリマー粒子は、肺に投与するために必ず必要な噴霧化特性を有し、使用された活性成分の意図された、制御された、遅延された、および長く持続する放出を可能にする。
[発明の背景となる技術]
本発明は、内科学、薬理学、ナノ技術および医療工学分野に関する。
[技術水準]
肺高血圧症または勃起不全の特定活性成分治療は、主に強い血管拡張剤の静脈注射投与または経口投与を含む。肺高血圧症は、肉体的な負荷収容能力を著しく制限する深刻かつ生命に脅威的な疾病である。右心機能障害が後続的に表われる肺血管圧および血管抵抗の上昇は、診断を受けた後に治療がない場合、平均的にわずか2.8年間のみ生存できることになるほど、著しく低い平均余命となる。
血管拡張剤には、たとえば、ホスホジエステラーゼ抑制剤の部類が属する。ホスホジエステラーゼは、細胞内伝達子(2次メッセンジャー)である環状アデノシン1リン酸(cAMP)および環状グアノシン1リン酸(cGMP)の分解の原因となっている。ホスホジエステラーゼ−5は、cGMPを選択的に分解し得る。cGMPは、内皮弛緩要素である一酸化窒素(NO)によって活性化され、血管の弛緩に関与する2次メッセンジャーである。ホスホジエステラーゼ−5抑制剤がcGMPの不活性化を抑制するため、前記抑制剤は、一酸化窒素の血管拡張作用を強化させる。ホスホジエステラーゼ−5抑制剤は、元来、狭心症を治療するために開発されたが、今日では、主に勃起不全および肺高血圧症の治療に適用される。ホスホジエステラーゼ−5抑制剤の作用は、特にホスホジエステラーゼ−5抑制剤が強く発現する組織内で観察され得る。前記組織には、ホスホジエステラーゼ−5抑制剤が弛緩を引き起こす全身の血管および肺血管の平滑筋組織(smooth musculature)以外に、免疫能力のある細胞および血小板も属する。
肺高血圧および勃起不全を治療するためのホスホジエステラーゼ−5抑制剤のグループから選択された一種の活性成分は、シルデナフィル−クエン酸塩(Revatio(登録商標))であって、患者に対し毎日3回経口投与されるシルデナフィルである。しかし、シルデナフィルの経口投与は、重要な副作用と結び付く活性成分の全身アベイラビリティを誘導する。他のホスホジエステラーゼ抑制剤は、ホスホジエステラーゼ−3抑制剤およびホスホジエステラーゼ−4抑制剤である。
ホスホジエステラーゼ−3抑制剤(PDE−3抑制剤)は、心筋において受容体の下方調節(down−regulation)により、カテコールアミンの反応がない場合に、急性心不全症を治療するために許容されたホスホジエステラーゼ抑制剤グループの中から選択された薬剤の下位グループである。今日までに許容されている薬剤は、アムリノン、シロスタゾール、ミリノンおよびエノキシモンである。イヌに投与するために、活性成分ピモベンダンが許容されている。ホスホジエステラーゼ−3の抑制により、2次メッセンジャーであるcAMPの増加が引き起こされる。その他に、PDE−3抑制剤は、血管拡張性作用も有する。
ホスホジエステラーゼ−4抑制剤(PDE−4抑制剤)は、酵素であるホスホジエステラーゼ−4を抑制する物質である。ホスホジエステラーゼ−4は、2次メッセンジャーであるcAMPおよびcGMPを分解する。そのために、PDE−4抑制剤は、細胞内cGMP(環状グアノシン1リン酸)の濃度を増加させる。前記酵素は、他の何よりも肺内に存在する。ホスホジエステラーゼ−4抑制剤の典型は、ロリプラムである。PDE−4抑制剤は、消炎作用をし、他の何よりも適用分野であるCOPD、気管支喘息、うつ病および多発性硬化症のために調査された。しかし、これまでは、ただ一種の活性成分が薬剤として認可されている:ロフルミラスト(Daxas(登録商標))。
肺高血圧症を治療するための他の活性成分は、可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化剤および刺激剤である。前記活性化剤グループには、たとえば、シタシグアおよびアタシグアトが属する;前記刺激剤グループには、たとえば、リオシグアト、BAY41−2272、BAY41−8543およびCFM−1571が属する。
さらには、エンドセリン受容体拮抗剤(endothelin receptor antagonists)も、肺高血圧症を治療するために使用される。前記拮抗剤としては、たとえば、ボセンタン、ジボセンタン、テゾセンタン、マシテンタン、シタキセンタン、アボセンタン、クラゾセンタン、アンブリセンタン、ダルセンタン、アトラセンタン、エンラセンタンがある。
肺高血圧症を治療するための他の活性成分は、プロスタノイドである。前記物質には、たとえば、プロスタサイクリン、トレプロスチニルおよびイロプロストが属する。
肺に活性成分を投与する一種の選択的な経路としては、吸入が当業者にとって公知になっており、このような吸入によると、望ましくない全身性の副作用が避けられ得る。活性成分を肺に直接的に投与することは、たとえば、肺高血圧症を治療する際に、プロスタサイクリンアナログイロプロスト(Ventavis(登録商標))について、示されているように、呼吸器疾患の治療を容易にする。しかし、肺活性成分堆積後の相対的に短い薬理作用期間は、吸入療法による頻繁な活性成分投与を要求し、特に、夜間に治療ギャップ(therapeutic gaps)を引き起こす吸入治療法の一つの大きな短所である。
たとえば、生体適合性ナノポリマー粒子といったコロイド性物質は、適合した肺活性成分の伝達システムとして公知となっている。生体適合性ナノポリマー粒子内部にカプセル化された薬剤を肺内部へ直接伝達することにより、所望する作用場所において薬理作用の延長を引き起こす長期間のそして制御された状態の活性成分放出が達成され得る。
生体適合性ナノポリマー粒子の製造方法の選択は、実際に使用されるポリマーの物理化学的なパラメータに、そして前記生体適合性ナノポリマー粒子内部に包装される活性成分に依存する。ポリマーの選択は、生体適合性および生物分解性といった基準によって決定される。また、生体適合性ナノポリマー粒子は、たとえば、伝達物質と薬剤の十分な連合、そして噴霧化の場合に発生する力に対する安定性といった他の標準も対応させなければならない。このような厳格な要求条件は、生体適合性ポリマーからなるナノ粒子性活性成分伝達システムによって満たされる。
溶媒蒸発法は、生体適合性ナノポリマー粒子のために適した製造方法として公知となっている。この方法は、安定化−添加剤を含有する水相有機ポリマー溶液の乳化を含む。使用された安定化剤が、使用された生体適合性ナノポリマー粒子剤形の物理化学的かつ生物学的な特性を変形させるという事実は、当業者にとって公知となっているが、噴霧化された剤形の空気力学的な特性および生体適合性ナノポリマー粒子の安定性に対する前記剤形パラメータの正確な意味は、未だ知られていない。
要約して述べると、先行技術は、肺高血圧症または勃起不全を治療するのに適した活性成分を開示しているが、肺に投与する場合には、前記活性成分の薬理作用がただ非常に短くのみ行われ、および/または、全身(経口、皮下、静脈注射等)に投与する場合には、重要な副作用と結び付く。また、先行技術は、生体適合性ナノポリマー粒子の噴霧化された剤形の空気力学的な特性および安定性との関連においても短所を有する。
[課題]
本発明の課題は、肺高血圧症または勃起不全のための活性成分を含有し、長期間の、そして制御された状態の活性成分放出を可能にし、そして、人間に投与するのに適した、肺高血圧症または勃起不全を治療するための、噴霧化が可能で、かつ吸入可能な製剤を提供することである。
[課題の解決]
肺高血圧症または勃起不全を治療するための製剤を提供しようとする課題は、本発明により、生体適合性ポリマーおよび安定化剤、そしてホスホジエステラーゼ抑制剤(PDE抑制剤)グループまたはグアニル酸シクラーゼ活性化剤またはグアニル酸シクラーゼ刺激剤またはエンドセリン受容体拮抗剤またはプロスタノイドから選択された活性成分からなる生体適合性ナノポリマー粒子によって解決される。
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、乳化方法および後続する溶媒蒸発法によって製造されてよい。たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)からなり、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子相に形成される薄い保護用安定化剤層は、噴霧化時に前記粒子の安定性を改善する。本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の懸濁液は、肺内に堆積するのに適したエアロゾルに変形されてよい。本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の物理化学的特性(たとえば、サイズ、表面電荷、活性成分ローディング等)は、噴霧化によって影響を受けない。肺高血圧症の活性成分のためのこのような新たな肺活性成分伝達システムによって達成される延長された活性成分放出は、従来使用されていた治療剤に対して活性成分投与の頻度を減らし、このような事実は、患者の生活の質および治療に対する信頼度を向上させる。要約して述べると、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、肺高血圧症または勃起不全の治療のための前途有望な治療剤である。
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、生体適合性ポリマー、そしてホスホジエステラーゼ抑制剤(PDE抑制剤)グループまたはグアニル酸シクラーゼ活性化剤またはグアニル酸シクラーゼ刺激剤またはエンドセリン受容体拮抗剤またはプロスタノイドから選択された肺高血圧症または勃起不全を治療するための安定化剤および活性成分からなる。
生体適合性ポリマーは、たとえば、ポリエステル、ポリアンハイドライド、ポリオルトエステル、ポリホスホエステル、ポリカーボネート、ポリケタール、ポリ尿素、ポリウレタン、ブロックコポリマー(PEG−PLGA)、星形ポリマー(star polymer)または櫛形ポリマー(comb polymer)である。ポリエステルは、好ましくは、線形のポリ(ラクチド−コ−グリコライド)−コポリマー(PLGA−コポリマー)である。櫛形ポリマーは、好ましくは、電荷変形された分枝型のポリ(ビニルスルホネート−コ−ビニルアルコール)−グラフト−ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコライド)−コポリマー(P(VS−VA)−g−PLGA)またはスルホブチル−ポリビニルアルコール−グラフト−ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)−コポリマー(SB−PVA−g−PLGA)である。
制御された状態の活性成分放出(“controlled release”)のために使用される生体適合性ナノポリマー粒子を製造するのに適したPLGA−コポリマーがある。前記コポリマーは、たとえば、−しかし、あらゆるものを網羅するものではない−Resomer(登録商標)−群から選択されたコポリマーを含む。本発明の好ましい一実施例において、生体適合性ナノポリマー粒子は、次のようなResomer(登録商標)物質、Resomer(登録商標) Condensate RG 50:50 Mn 2300、Resomer(登録商標) R202S、Resomer(登録商標) R202H、Resomer(登録商標) R203S、Resomer(登録商標) R203H、Resomer(登録商標) R207S、Resomer(登録商標) RG502H、Resomer(登録商標) RG503H、Resomer(登録商標) RG504H、Resomer(登録商標) RG502、Resomer(登録商標) RG503、Resomer(登録商標) RG504、Resomer(登録商標) RG653H、Resomer(登録商標) RG752H、Resomer(登録商標) RG752S、Resomer(登録商標) RG753S、Resomer(登録商標) RG755S、Resomer(登録商標) RG756SまたはResomer(登録商標) RG858Sのうち、一種のResomer(登録商標)−物質を含有する。特に好ましい一実施例において、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、PLGA−コポリマーであるResomer(登録商標) RG502Hを含有する。
生体適合性ナノポリマー粒子を製造するのに適したP(VS−VA)−g−PLGA−コポリマーは、たとえば、P(VS−VA)−g−PLGA2−10、P(VS−VA)−g−PLGA4−10、P(VS−VA)−g−PLGA6−5、P(VS−VA)−g−PLGA6−10、P(VS−VA)−g−PLGA6−15またはP(VS−VA)−g−PLGA8−10である。
また、先行技術は、制御された状態の活性成分放出(“controlled release”)のために適した生体適合性ナノポリマー粒子を製造するために使用され得る適切な安定化剤も記述している。本発明によると、安定化剤は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤またはポリマーグループから選択される。非イオン界面活性剤は、たとえば、−しかし、あらゆるものを網羅するものではない−ツイン、スパンまたはプルロニックである。陰イオン界面活性剤は、たとえば、−しかし、あらゆるものを網羅するものではない−ナトリウムドデシルスルフェート(SDS)であり、両性界面活性剤は、たとえば、−しかし、あらゆるものを網羅するものではない−レシチンである。適したポリマーは、たとえば、親水性ポリマーであるポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレート、ポリビニルピロリドン(PVP)またはポリアクリレート、そしてプロテイン(たとえば、アルブミン)、セルロース、およびこれらのエステルといった天然ポリマーおよびエーテル、アミロース、アミロペクチン、キチン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、グリコーゲン、ポリアミノ酸(たとえば、ポリリシン)、デンプン、変形されたデンプン(たとえば、HES)、デキストランまたはヘパリンである。
好ましい一実施例において、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、以下において簡略にPVAと称されるポリビニルアルコールを安定剤として含有する。PVAは、結晶質の水溶性プラスチック材料である。
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子はまた、ホスホジエステラーゼ抑制剤(PDE抑制剤)グループまたはグアニル酸シクラーゼ活性化剤またはグアニル酸シクラーゼ刺激剤またはエンドセリン受容体拮抗剤またはプロスタノイドから選択された肺高血圧症または勃起不全のための活性成分も含有する。肺高血圧症または勃起不全を治療するのに適したPDE抑制剤には、他の何よりも、ホスホジエステラーゼ−5抑制剤(PDE−5抑制剤)が属する。前記PDE−5抑制剤は、cGMP分解酵素であるホスホジエステラーゼ−5(PDE−5)を抑制することにより、細胞内cGMP(環状グアノシン1リン酸)の濃度を高める物質である。前記物質は、他の何よりも、血管の拡張を引き起こす。ホスホジエステラーゼのアイソフォーム5のための選択性により、不特定に多様なホスホジエステラーゼを抑制するメチルキサンチンカフェイン、テオフィリン、テオブロミンといった非選択的なホスホジエステラーゼ抑制剤と、たとえば、活性成分であるシルデナフィル、タダラフィルおよびバデナフィルといったホスホジエステラーゼ−5の選択的な抑制剤の間には違いがあり得る。好ましい一実施例において、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、活性成分シルデナフィルを含有する。シルデナフィルは、化学式 5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ−[4,3−d]ピリミジン−7−オンとしても当業者にとって公知となっている。特に好ましい一実施例においては、シルデナフィルとして遊離塩基が使用される。
PDE抑制剤には、PDE−5抑制剤以外にまた、ホスホジエステラーゼ−3抑制剤(PDE−3抑制剤)およびホスホジエステラーゼ−4抑制剤(PDE−4抑制剤)も属する。PDE−3抑制剤は、カテコールアミンの反応がない場合、急性心不全を治療するために使用される。ホスホジエステラーゼ−3を抑制することにより、2次メッセンジャーcAMPが増加する。また、PDE−3抑制剤は、血管拡張作用を有する。PDE−4抑制剤は、酵素であるホスホジエステラーゼ−4を抑制する物質である。ホスホジエステラーゼ−4は、2次メッセンジャーであるcAMPおよびcGMPを分解する。そのため、ホスホジエステラーゼ−4抑制剤は、細胞内cGMP(環状グアノシン1リン酸)の濃度を増加させる。前記酵素は、他の何よりも、肺内に存在する。PDE−4抑制剤は、消炎作用をする。
肺高血圧症を治療するための他の適した活性成分は、グアニル酸シクラーゼ活性化剤またはグアニル酸シクラーゼ刺激剤およびエンドセリン受容体拮抗剤である。
グアニル酸シクラーゼ活性化剤は、たとえば、シナシグアトおよびアタシグアトである;グアニル酸シクラーゼ刺激剤は、リオシグアト、BAY41−2272、BAY41−8543およびCFM−1571である。エンドセリン受容体拮抗剤は、たとえば、ボセンタン、ジボセンタン、テゾセンタン、マシテンタン、シタキセンタン、アボセンタン、クラゾセンタン、アンブリセンタン、ダルセンタン、アトラセンタン、エンラセンタンである。
肺高血圧症を治療するための他の適した活性成分は、プロスタノイドであり、前記物質は、たとえば、プロスタサイクリン、トレプロスチニルおよびイロプロストが属する。
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の特性化
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子が10nm〜10μmの幾何学的平均粒径を有することにより、結果的に、前記粒子は優れた噴霧化がなされ得、安定化剤層の厚さは、0〜50nmである。しかし、このとき、前記安定化剤層の厚さは、生体適合性ナノポリマー粒子の幾何学的平均半径よりも大きくない。好ましい一実施例において、生体適合性ナノポリマー粒子は、より長期間の有効成分放出を可能にするために、500nm〜5μmの幾何学的平均粒度を有し、または前記粒子が大食細胞内部へ吸収されることを防止するために、50nm〜250nmの幾何学的平均粒径を有する。
また、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、好ましくは、負(−)の表面電荷および負のゼータ電位を有する。しかし、代替的に、前記生体適合性ナノポリマー粒子は、正(+)の表面電荷および正のゼータ電位を有してよい。
本発明によれば、生体適合性ナノポリマー粒子は、肺高血圧症または勃起不全を治療するための活性成分を0〜50%(w/w)、そして、好ましい一実施例においては、1〜20%(w/w)含有する。
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、好ましくは、圧電、ジェット(jet)−、超音波−エアロゾル発生器、ソフト−ミスト−吸入器(soft−mist−inhaler)、定量吸入器(metered dose inhaler)または粉末式吸入器(dry powder inhaler)によって噴霧化されてよいが、言い換えると、肺内部への投与は、エアロゾル発生器を利用したエアロゾル(懸濁液、粉末)の吸入によって行われる。肺内部へ投与するための一種の他の可能性は、たとえば、カテーテル、気管支鏡または呼吸器療法装置(たとえば、チューブまたは気管カニューレ)を介した点滴注入方法である。
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の製造
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、たとえば、エマルション法および、後続する溶媒蒸発法によって製造される。本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、生体適合性ポリマー、そして肺高血圧症または勃起不全を治療するための安定化剤および活性成分からなる。前記本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の生体適合性ポリマーは、たとえば、ポリエステル(PLGA,PLA)、ポリアンハイドライド、ポリオルトエステル、ポリホスホエステル、ポリカーボネート、ポリケタール、ポリ尿素、ポリウレタン、ブロックコポリマー(PEG−PLGA)、星形ポリマーまたは櫛形ポリマーである。本発明によれば、前記安定化剤は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤またはポリマーグループから選択される。本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の活性成分は、ホスホジエステラーゼ抑制剤(PDE抑制剤)グループまたはグアニル酸シクラーゼ活性化剤またはグアニル酸シクラーゼ刺激剤またはエンドセリン受容体拮抗剤またはプロスタノイドから選択される。
代案的に、生体適合性ナノポリマー粒子はまた、ナノ−析出法(nano−precipitation)、塩析法(salting−out)、重合法または噴霧乾燥法によっても製造される。このような製造方法は、当業者にとって公知となっている。
粒子が蒸発法によって製造されると、まず、ポリマーは、肺高血圧症または勃起不全を治療するための活性成分の添加下で、溶媒内で溶解される。このとき、粒子の5%の理論的な活性成分量を得るために使用される活性成分の濃度は、ポリマーを基準にした場合、7%〜20%に達する。その後に続いて、有機相が安定化剤を含有する水相の一定容積に変換される。2つの相を混合し、超音波に露出させた後に続いて、有機溶媒が蒸発により除去され、懸濁液内において粒子が得られる。本発明により使用されるポリマーが、その中で少なくとも0.1%(w/w)まで溶解することができるのに適した溶媒は、たとえば、−しかし、あらゆるものを網羅するものではない−ジクロルメタン、クロロホルム、酢酸エチル、ベンジルアルコール、メチルエチルケトン、プロピレンカーボネートである。好ましい一実施例においては、ポリビニルアルコール(PVA)が安定化剤として使用される。
好ましい一実施例においては、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の製造のために1〜100g/lの生体適合性ポリマーおよび0.1〜25g/lの安定化剤が使用される。特に、好ましい一実施例において、製造のための生体適合性ポリマーの濃度は50g/lであり、安定化剤の濃度は10g/lである。
使用される活性成分として、PDE−5抑制剤であるシルデナフィルが使用されると、生体適合性ナノポリマー粒子の製造は、シルデナフィルの存在下に水相でpH値が2〜10の状態で行われる。シルデナフィルは、中性pH値においてpHに依存する溶解プロファイルおよび制限された溶解度を有する両性化合物である。
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子を製造するための一種の代案的な方法は、噴霧乾燥法である。この目的のために、0.1%〜10%のポリマーが肺高血圧症または勃起不全のための活性成分、たとえば、PDE−5抑制剤であるシルデナフィルを、(使用されたポリマーを基準にしたときに)1%〜20%添加した状態で、または添加していない状態で、たとえば、塩化メチレンのように水と混合できない溶媒内で溶解される。その後に続いて、前記溶液が濾過後、たとえば、ナノ−噴霧乾燥機のような噴霧乾燥機を利用して、製造業者の指示に応じて噴霧乾燥される。代案的に、噴霧乾燥機を使用する前記噴霧乾燥法は、エマルション法の製造段階に次いで、前記エマルション法には、溶媒蒸発法、ナノ−析出法、塩析法または重合法が続く。
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の用途
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、肺高血圧症または勃起不全を治療するための治療剤を製造するために使用されてよい。このとき、「生体適合性」という表現は、たとえば肺のような目標となる場所にある組織および細胞に対する適合性を意味する。
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の作用は、前記粒子内に含有されている肺高血圧症または勃起不全を治療するための活性成分を土台として、前記活性成分は、制御された状態で、連続してかつ48時間までの期間にかけての長期間の間、肺において、または肺の気管支もしくは境界面において生体適合性ナノポリマー粒子から放出される。
構造的な細部事項、空間的な配置状態および処理段階を含め、特許請求の範囲、詳細な説明及び図面において示されるあらゆる特徴および長所は、単独でのみならず、多様に組み合わされた形でも、本発明に重要であり得る。
動的光散乱法(DLS)によって決定される、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子のサイズ分布を示す図。黒線は粒子サイズの密度分布を示し、破線は粒子サイズの累積分布を示す。 噴霧器Aeroneb(登録商標) Professionalを利用した噴霧時に示された、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の安定性を示す図。前記安定性は、本発明に係る粒子の最初の特性に対する最後の特性の割合(特性/特性)(A)(PDI=多分散指数)として示されている。生体適合性ナノポリマー粒子の懸濁液の部分量は、噴霧工程において安定性分析のための噴霧の間に収集される。値は、平均値±標準偏差として指示された(n=4)。 本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子上に吸着されたポリビニルアルコール(PVA)層の厚さが、PVA濃度(cPVA)の関数(A)として示されている図。 PVA溶液内において製造された生体適合性ナノポリマー粒子のゼータ電位が、電解質−濃度の関数(B)として示されている図。 3.33*c1/2(濃度)に対するln|ゼータ電位|の上昇(k)が、吸着されたポリマー層の厚さを指示し(C)、(B)および(C)の白色および黒色の正方形は、製造されたばかりの(B)あるいは噴霧された(C)生体適合性ナノポリマー粒子の特性を示し、(C)の直線は、実験データの線形フィットを示し(R>0.99)、前記吸着されたPVA層が、代表的な伝送電子顕微鏡写真(D)において見ることができる(尺度=20nm)。値は、平均値±標準偏差として指示された(n=4)。 多様なpH値(円=pH4;正方形=pH8)において、実施例1に係る1%PVAで製造される本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子のシルディナフィル含量を示す図。本シルディナフィル含量は、理論的なシルデナフィル含量に応じて示されている。値は、平均値±標準偏差として指示された(n=4)。 10%の理論的なシルデナフィル含量を有する実施例1による多様な線形のPLGA−コポリマー(RG502H、RG502、RG503HまたはRG504H)(A)、または分枝型の(P(VS−VA)−g−PLGA)−コポリマー(B)で製造される、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子のシルディナフィル含量を示す図。値は、平均値±標準偏差として指示された(n=4)。棒上にある星印(*)は、PLGA−コポリマーRG502Hと比較される統計的に重要な差異を示している(p<0.05)。 シルデナフィルを本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子から体外において放出させる放出プロファイルを示す図。前記生体適合性ナノポリマー粒子の懸濁液の部分量は、生体適合性ナノポリマー粒子からシルデナフィルを放出させる放出プロファイルに及ぼす噴霧化の影響を分析するために噴霧化中に収集される。個別に使用されたPLGA−またはP(VS−VA)−g−PLGA−コポリマーは、図面の説明に相応して相違するシンボルによって示される。比較のために、遊離シルデナフィルの溶解プロファイル(黒色・正方形)がともに指示された。値は、平均値±標準偏差として指示された(n=4)。 実施例1.1に基づいて製造される(白色・円)製造されたばかりのナノ粒子に比べて、そして、実施例1.1に基づいて製造された後に続いて水溶液から噴霧乾燥される(複合粒子;黒色・円)製造されたばかりのナノ粒子に比べて、そして、遊離シルデナフィル(白色・四角形)に比べて、噴霧乾燥法によって製造される(RG502H粒子;黒色・三角形)粒子からの活性成分シルデナフィルの累積体外放出を示す図。値は、平均値±標準偏差として指示された(n=3)。
実施例
以下の実施例1および実施例2は、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の製造あるいは特性化を記述している。実施形態においては、PDE−5抑制剤であるシルデナフィルが活性成分として使用され、それに相応するように一種のPDE−5抑制剤に対する例としてみなされなければならない。本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、以下において簡単な形態として粒子とも称される。ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコライド)−コポリマー(PLGA)は、以下において簡単にポリマーとも称される。
1.実施例1
1.1 エマルション法および後続する蒸発法を利用した、請求項14による本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の製造
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子を、たとえば、室温において、当業者にとって公知となっているエマルション法および後続する溶媒蒸発法によって合成した。この目的のために、まず最初に、商業的に入手可能であり、かつ、たとえば、Boehringer Ingelheim(ドイツ・Ingelheim所在)のResomer(登録商標) RG502H、RG502、RG503HまたはRG504Hとして関連され得る1〜100g/lのポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコライド)−コポリマー(PLGA)またはポリ(ビニルスルホネート−コ−ビニルアルコール)−グラフト−ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコライド)−コポリマー(P(VS−VA)−g−PLGA)を肺高血圧症または勃起不全を治療するための活性成分、たとえば、AK Scientific(米国・カリフォルニア州・Mountain View所在)から、遊離塩基として商業的に入手可能な、たとえば、PDE−5抑制剤であるシルデナフィルを1%〜20%添加した状態において、または添加していない状態において、たとえば、塩化メチレンのように水と混合され得ない溶媒内で溶解させた。本発明に係る生体適合性ナノ粒子の5%の活性成分の理論的な含量を得るために、使用されたポリマーを基準とした場合、活性成分を7%〜20%使用した。その次に、2mlの有機相(分散相)を、たとえば、1mMの4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸によってpH−8に設定され、たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)のような表面安定化剤を0.1〜15g/l分だけ含有する10mlの水相(定位相;constant phase)へと変換させた。PVAは、通常、Sigma−Aldrich(ドイツ・Steinheim所在)から、たとえば、Mowiol4−88(登録商標)として購買することができる。2つの相を混合した後に、乳剤を超音波で処理した。その後に続いて、前記有機相を、回転蒸発器を利用した溶媒蒸発法によって徐々に除去した。粒子を製造直後に使用した。代案的には、前記製造に続いて、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の噴霧乾燥が続く。この目的のために、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子(0.2%〜2%)を濾過した後に、たとえば、ナノ−噴霧乾燥機B−90(Buchi, Flawil、スイス)のような噴霧乾燥機を利用して、製造業者の指示に応じて噴霧乾燥させた。
1.2 噴霧乾燥法を利用した、請求項15による本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の製造
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子を、たとえば、噴霧乾燥法を利用して製造した。この目的のために、商業的に入手可能であり、かつ、たとえば、Boehringer Ingelheim(ドイツ・Ingelheim所在)のResomer(登録商標) RG502Hとして関連され得る0.1%〜10%のポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコライド)−コポリマー(PLGA)を肺高血圧症または勃起不全を治療するための活性成分、たとえば、AK Scientific(米国・カリフォルニア州・Mountain View所在)から、遊離塩基として商業的に入手可能な、たとえば、PDE−5抑制剤であるシルデナフィルを(使用されたポリマーを基準とした場合)1%〜20%添加した状態において、または添加していない状態において、たとえば、塩化メチレンのように水と混合され得ない溶媒内で溶解させた。その後に続いて、前記溶媒を濾過後に、たとえば、ナノ−噴霧乾燥機B−90(Buchi, Flawil、スイス)のような噴霧乾燥機を利用して、製造業者の指示に応じて噴霧乾燥させた。
2.実施例2
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の特性化
実施例1.1または1.2により製造された生体適合性ナノポリマー粒子を、以下における実施例2、ポイント2.1〜2.4に記載された方法および結果を利用して特徴化した。この目的のために、前記ナノポリマー粒子を製造直後に使用し、または、たとえば、Aerogen (Dangan, Galway、アイルランド)のAeroneb(登録商標) Professionalのような噴霧器を利用した噴霧直後に、製造業者の指示に従って使用した。
2.1 本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の直径、サイズ分布および表面電荷
エマルション法および実施例1.1以下に記述されたところのような後続の溶媒蒸発法により製造される、製造されたばかりの生体適合性ナノポリマー粒子を、ポリマー濃度(5〜100g/l)およびPVA濃度(1〜50g/l)を多様に組み合わせた状態において、前記粒子の特性である直径、サイズ分布および表面電荷と関連して調査した。生体適合性ナノポリマー粒子の流体力学的な直径およびサイズ分布(多分散性−PDI;polydispersity)を動的光散乱法(DLS;dynamic light scattering)を利用して測定した。表面電荷のための尺度としてのゼータ電位は、たとえば、ゼータサイザーNanoZS/ZEN3600(ドイツ、Herrenberg, Malvern Instruments)を利用したレーザードップラー風力測定法(LDA;Laser Doppler Anemometry)によって決定される。すべての測定は、25℃の温度において部分標本として実施され、前記部分標本を、DLSのために濾過され再蒸留された水によって、あるいはLDAのための1.56mMのNaClによって希釈した。すべての測定を、生体適合性ナノポリマー粒子を製造した直後に、少なくとも10回反復される3回の決定として実施した。この場合、nは、以下において決定の回数を指示する。
0.1未満の値を有する粒子サイズ分布、すなわち、多分散指数(PDI;polydispersity indices)は、PLGA濃度が50g/lで一定に維持される状態において、PVA濃度が5g/l以上である場合に検出され、またはPVA濃度が10g/lで一定に維持されている状態において、PLGA濃度が10〜50g/lである場合に発見された。DLSを利用して決定される、製造されたばかりの生体適合性ナノポリマー粒子のサイズ分布は、図1に示されている。生体適合性ナノポリマー粒子のサイズは、100〜400nmである(図1の黒線)。50g/lのPLGA濃度および10g/lのPVA濃度で製造された生体適合性ナノポリマー粒子は、195.1±9.6nmの平均粒径サイズ(平均値±標準偏差、n=4)、0.078±0.002の狭いサイズ分布、すなわち、小さな多分散指数(PDI)(平均値±標準偏差、n=4)および5,7±0.8mVの負の表面電荷(平均値±標準偏差、n=4)、すなわち、負のゼータ電位を有する。
噴霧化後に生体適合性ナノポリマー粒子の安定性に対する尺度として、直径、サイズ分布および表面電荷を調査するために、活性成分シルデナフィル(遊離塩基)の理論的な含量が5%(w/w)である、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子を実施例1.1に従って製造し、噴霧器Aeroneb(登録商標) Professionalを利用した噴霧化前に、そして噴霧化後に特徴化した。この目的のために、前記生体適合性ナノポリマー粒子の噴霧化された懸濁液を収集し、Dailey等(Dailey LA, Kleemann E, Wittmar M et al.: Surfactant−free, biodegradable nanoparticles for aerosol therapy based on the branched polyesters, DEAPA−PVAL−g−PLGA. Pharm. Res. 20(12), 2011−2020(2003); Dailey LA,Schmehl T, Gessler T et al.: Nebulization of biodegradable nanoparticles: impact of nebulizer technology and nanoparticle characteristics on aerosol features. J. Controlled Release. 86(1), 131−144(2003))に記述されたところのように、定性的に調査した。前記生体適合性ナノポリマー粒子の懸濁液を5l/minの空気流率において噴霧化し、顕微鏡用スライドガラスを設置することにより、噴霧器のT字型マウスピース(mouthpiece)のすぐ前に収集し、このような状況は、顕微鏡用スライドガラス上におけるエアロゾル液体粒の浸漬を可能にする。このことから、結果的に表示される凝結流体を追加分析の目的で収集した。前記噴霧化された生体適合性ナノポリマー粒子の安定性を、前述されたところのように、DLSおよびLDAを利用して調査した。
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、197.1±1.7nmの平均サイズ、0.074±0.005のPDIを有する狭いサイズ分布、そして−5.1±0.3mMのゼータ電位を有する負の表面電荷を有する。粒子サイズ、PDIおよびシルデナフィル含量のようなパラメータ(2.3参照)は、図2に、噴霧化前および後の値の商として示されている。前記図は、噴霧化が前述したパラメータに対して重大な影響を及ぼさないということを示している。
2.2 本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の安定化剤の層厚
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の安定化剤としての機能をする、吸着されたPVA層の厚さを、DLS−およびゼータ電位−測定を利用してポイント2.1以下に記述されたところのように、電解質−濃度の関数として決定した。適した決定方法は、当業者にとって公知となっている。DLS測定と関連して、前記吸着されたPVA層の厚さ(δ)は、下記一般式(1)によるコーティングされていない(d0)およびコーティングされた(dads)生体適合性ナノポリマー粒子の粒子サイズの比較から導出した。
ゼータ電位測定から得られた層厚を、当業者にとって公知となっているGouy−Chapman−近似式(approximation)を利用して計算し、前記近似式は、静電気電位の減少を、下記一般式(2)による表面からの間隔の関数として記述している。
前記一般式において、ψは、表面からの間隔がxであるときの電位であり、ψは、表面電位であり、そしてk−1は、デバイ長(Debye length)である。電解質−濃度(NaCl)の増加は、デバイ長を減少させる。ゼータ電位は、滑り面における静電気電位として規定され、前記滑り面における静電気電位からは、ゼータ電位がただ生体適合性ナノポリマー粒子の固定された水性層外部においてのみ発生するという事実が推定される。方程式(2)から方程式(3)が得られる。
ゼータ電位(ψ)がNaClの多様な濃度(0,0.1,0.2,0.5,1,2および5mM)において測定され、kに対して3.33・c1/2に相応するように図示されると(この場合、cは電解質のモル濃度である)、濃度上昇は、吸着されたポリマー層の厚さを補償する。
図3は、製造されたばかりの粒子(白色の正方形)だけでなく、噴霧化された粒子(黒色の正方形)のために、生体適合性ナノポリマー粒子上に吸着されたPVA層の厚さを示している。図3Aにおいて、前記PVA層の厚さは、使用されたPVA濃度に依存して示されている。前記層厚は、製造されたばかりの粒子に対してだけでなく、噴霧化された粒子に対しても、10〜20nmに達する。このような結果は、伝送電子顕微鏡(transmission electron microscopic)写真によっても確認される。この目的のために、銅グリッド(たとえば、S160−3、Plano, Wetzlar、ドイツ)を生体適合性ナノポリマー粒子の希釈された懸濁液の薄い層でコーティングした。その次に、生体適合性ナノポリマー粒子を前記グリッド上で乾燥させ、伝送電子顕微鏡(TEM、たとえば、JEM−3020TEM、JEOL、Eching、ドイツ)を利用して300kVの加速電圧において照射した。図3Dは、本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の代表的なTEM−写真を示しており、この写真においては、PVA層(実施例1による製造時に使用された濃度は10g/lである)を明確に確認することができる。前記粒子のゼータ電位、より詳細に述べると、表面電荷は、テストされたすべてのNaCl濃度において負であった(図3B参照)。図3Cに示された直線は、実験データの線形フィット(linear fit)を示している。
2.3 本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子中に含まれる活性成分の含量
実施例1に従って製造された生体適合性ナノポリマー粒子のPDE−5抑制剤の含量を決定するために、たとえば、1mlの生体適合性ナノポリマー粒子の懸濁液を16873xgにおいて30分間、25℃で遠心分離させた。その後に続いて、上澄み液を慎重に除去し、そのうちカプセルに包まれていないPDE−5抑制剤の量を決定した。遠心分離から得られるペレットを冷凍乾燥し、計量した後に続き、たとえば、PLGAおよびシルデナフィルのための溶媒として適したクロロホルムの形態で溶解した。溶解されなかった部分(安定化剤)を遠心分離によって分離させた。その後に続いて、カプセルに包まれているPDE−5抑制剤の量を決定するために、有機相から部分標本を除去した。PDE−5抑制剤の濃度を分光光度計(たとえば、Ultrospec(登録商標)3000、Pharmacia Biotech、Freiburg、ドイツ)を利用するUV/Vis分光学によって決定した。すべての部分標本の吸着を、291nmの波長において測定した。生体適合性ナノポリマー粒子(PLGA−BNPP)内に含有されているPDE−5抑制剤(PDE5H)の含量を、検量線を参照して計算し、下記一般式(4)において規定した。
活性成分シルデナフィル(遊離塩基)の理論的な含量が5%(w/w)である本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子を、実施例1に基づき、1%のPVAで製造して特徴化した。シルデナフィルにおいて占める本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子の実際含量は、4.05±0.15%(w/w)であり、pH値に依存する理論的な活性成分含量の関数として、図4に図示されている。それにより、最大2%(w/w)を含有するpH4(黒色・円)において、前記粒子の活性成分含量は、最大5.5%(w/w)を含有するpH8(黒色・正方形)よりもはるかにより少ない。
理論的な活性成分含量が10%である場合に、選択された線形のPLGA−コポリマーまたは分枝型P(VA−VS)−g−PLGA−コポリマーに依存する活性成分含量は、図5に示されている。線形のPLGA−コポリマーにおいて、前記本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子は、5〜5.5%(w/w)のシルデナフィルを含有する最大含量を有し、前記粒子は、実施例1に基づいてPLGA−コポリマーResomer(登録商標) RG502Hで製造された(A)。分枝型P(VA−VS)−g−PLGA−コポリマーにおいて、シルデナフィルの含量は、有機ポリマー溶液の粘性およびポリマー電荷に応じて5%〜8%(w/w)(B)である。
シルデナフィル含量は、粒子サイズおよびPDIといったパラメータ(2.1参照)とともに、図2に、噴霧化前および後の値の商として示されている。前記図は、噴霧化がシルデナフィル含量に対して重大な影響を及ぼさないということを示している。
2.4 本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子からの活性成分の放出
活性成分PDE−5抑制剤を体外から(in vitro)放出させるための調査を、リン酸緩衝生理食塩水(phosphate−buffered saline)内において、たとえば、7.4のpH値で、500分間、37℃において実施した。本研究を、5%(w/w)の理論的なPDE−5抑制剤含量を有する生体適合性ナノポリマー粒子で実施した。前記生体適合性ナノポリマー粒子の懸濁液の部分標本をガラスチューブへ移し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4+0.1%ナトリウムドデシルスルフェート(SDS)からなる媒質で希釈した。後続する培養は、37℃において、部分標本の攪拌下で行われた。実験的なアッセイ(experimental assay)に並行して、PDE−5抑制剤を同一条件下で媒質内において単独で培養した。部分量を事前に決定された時点で除去し、遠心分離した。PDE−5抑制剤の放出をKorsmeyer−Peppas方程式を参照して、下記一般式(5)
/M=k.t(5)
に基づいて算出し、前記式においてM/Mは、部分的な物質放出であり、tは放出時間であり、kは活性成分−ポリマー−システムに対して特徴的な運動定数であり、nは活性成分放出のメカニズムを特徴化する指数である。
本発明に係る生体適合性ナノポリマー粒子から体外においてPDE−5抑制剤であるシルデナフィルを放出する過程は、500分までの時間にわたって行われる(図6参照)。このとき、ポリマーRG502Hを含有する粒子からの放出は、90分までにわたって行われ、ポリマーP(VS−VA)−g−PLGA8−10を含有する粒子からの放出は、500分までの時間にわたって行われる;ポリマーP(VS−VA)−g−PLGA2−10、P(VS−VA)−g−PLGA4−10およびP(VS−VA)−g−PLGA6−10を含有する本発明に係る他の粒子からの放出時間は、90〜500分である(図6参照)。この時間中には、95%を超過するシルデナフィルが本発明に係る粒子から放出された。このとき、Aeroneb(登録商標) Professionalを利用した噴霧化は、シルデナフィルの放出率に対して何らの影響も及ぼさなかった。実施例1.1による製造工程に続く噴霧乾燥も、シルデナフィルの放出運動力学に何らの影響も及ぼさなかった(図7参照;白色・円(噴霧乾燥されていない)と比較される黒色・円(噴霧乾燥された))。
代案的に、実施例1.2に基づく噴霧乾燥法によって製造され、6%のシルデナフィル含量を有する本発明に係る粒子からの放出に対する調査をリン酸緩衝生理食塩水内において、たとえば、7.4のpH値において0.1%のナトリウムドデシルスルフェート(SDS)を添加して、700分間、37℃で実施した。部分標本を図7に指示された時点で除去し、遠心分離し、そして、シルデナフィルの累積放出をUV/Vis−分光法によってポイント2.3以下に記述されたところのように決定した。
本発明に係る生体適合性粒子を実施例1.2に基づく噴霧乾燥法によって製造すると(RG502H粒子)、活性成分であるシルデナフィルの放出は、480分までの時間にわたって行われる一方(図7参照;黒色・三角形)、実施例1.1に基づいて製造され(白色・円)、代案的に、続いて噴霧乾燥されるシルデナフィル粒子(複合粒子;黒色・円)は、90分までの時間にわたって放出される(図7参照)。

Claims (21)

  1. 肺動脈高血圧症または勃起不全を治療するための製剤を製造するための生体適合性ナノポリマー粒子であって、
    前記粒子は、生体適合性ポリマーおよび安定化剤および肺高血圧症または勃起不全を治療するための活性成分からなることを特徴とする、生体適合性ナノポリマー粒子。
  2. 前記生体適合性ポリマーは、ポリエステル、ポリアンハイドライド、ポリオルトエステル、ポリホスホエステル、ポリカーボネート、ポリケタール、ポリ尿素、ポリウレタン、ブロックコポリマー(PEG−PLGA)、星形ポリマーまたは櫛形ポリマーから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  3. 前記ポリエステルは、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコライド)−コポリマー(PLGA)であることを特徴とする、請求項2に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  4. 前記櫛形ポリマーは、ポリ(ビニルスルホネート−コ−ビニルアルコール)−グラフト−ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコライド)−コポリマー(P(VS−VA)−g−PLGA)、またはスルホブチル−ポリビニルアルコール−グラフト−ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)−コポリマー(SB−PVA−g−PLGA)であることを特徴とする、請求項2に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  5. 前記安定化剤は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤またはポリマーグループから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  6. 前記ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)であることを特徴とする、請求項5に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  7. 前記活性成分は、ホスホジエステラーゼ抑制剤(PDE抑制剤)グループまたはグアニル酸シクラーゼ活性化剤またはグアニル酸シクラーゼ刺激剤またはエンドセリン受容体拮抗剤またはプロスタノイドから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  8. 前記PDE抑制剤は、PDE−5抑制剤シルデナフィルであることを特徴とする、請求項7に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  9. 前記シルデナフィルは、遊離塩基として存在することを特徴とする、請求項8に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  10. 前記生体適合性ナノポリマー粒子は、圧電、ジェット(jet)−、超音波−エアロゾル発生器、ソフト−ミスト−吸入器、定量吸入器または粉末式吸入器によって噴霧化され得ることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  11. 前記生体適合性ナノポリマー粒子は、
    −10nm〜10μmの直径を有し、
    −0〜50nmの安定化剤層厚を有し、
    −肺高血圧症または勃起不全を治療するための活性成分を0〜50%(w/w)含有し、そして
    −前記活性成分を48時間までの時間にわたって放出することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  12. 前記生体適合性ナノポリマー粒子は、特に好ましくは、より長期間の有効成分放出のために500nm〜5μmの直径を有し、または、前記粒子が大食細胞内部へ吸収されることを防止するために50nm〜250nmの直径を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  13. 前記生体適合性ナノポリマー粒子は、特に好ましくは、肺高血圧症または勃起不全を治療するための活性成分を1〜20%(w/w)有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の生体適合性ナノポリマー粒子。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の生体適合性ナノポリマー粒子を製造するための方法であって、
    a)有機相を形成し、かつ、溶媒内において生体適合性ポリマーおよび活性成分を溶解させるステップ、
    b)安定化剤を含有する水相において有機相を乳化させるステップ、
    c)前記有機相および水相を混合するステップ、および
    d)溶媒を除去し、懸濁液内において粒子を得るステップを含むことを特徴とする、生体適合性ナノポリマー粒子を製造するための方法。
  15. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の生体適合性ナノポリマー粒子を製造するための方法であって、
    a)有機相を形成し、かつ、溶媒内において生体適合性ポリマーおよび活性成分を溶解させるステップ、および
    b)有機相を噴霧乾燥させるステップを含むことを特徴とする、生体適合性ナノポリマー粒子を製造するための方法。
  16. 請求項14または15による生体適合性ナノポリマー粒子を製造するための方法であって、
    前記生体適合性ポリマーは、ポリエステル、ポリアンハイドライド、ポリオルトエステル、ポリホスホエステル、ポリカーボネート、ポリケタール、ポリ尿素、ポリウレタン、ブロックコポリマー(PEG−PLGA)、星形ポリマーまたは櫛形ポリマーであることを特徴とする、生体適合性ナノポリマー粒子を製造するための方法。
  17. 請求項14または15による生体適合性ナノポリマー粒子を製造するための方法であって、
    前記安定化剤は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤またはポリマーであることを特徴とする、生体適合性ナノポリマー粒子を製造するための方法。
  18. 請求項14または15による生体適合性ナノポリマー粒子を製造するための方法であって、
    前記活性成分は、ホスホジエステラーゼ抑制剤(PDE抑制剤)グループまたはグアニル酸シクラーゼ活性化剤またはグアニル酸シクラーゼ刺激剤またはエンドセリン受容体拮抗剤またはプロスタノイドであることを特徴とする、生体適合性ナノポリマー粒子を製造するための方法。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項による生体適合性ナノポリマー粒子を、肺高血圧症を治療するための治療剤を製造するために使用する、生体適合性ナノポリマー粒子の利用。
  20. 請求項1〜18のいずれか一項による生体適合性ナノポリマー粒子を、勃起不全を治療するための治療剤を製造するために使用する、生体適合性ナノポリマー粒子の利用。
  21. 請求項19による生体適合性ナノポリマー粒子の利用において、
    前記治療剤を、吸入法、滴下法、気管支鏡または呼吸装置を介して投与することを特徴とする、生体適合性ナノポリマー粒子の利用。
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