本発明は、以下でロータリードライブと呼ばれる電気モーターに関し、特に制御するのが容易で、電磁場によって駆動され、過負荷耐性があり、高いトルク密度を有する電気ロータリードライブに関する。
例えば、EP1324465B1、EP0670621B1およびEP0901719B1に記載されている、従来技術による電気モーターは、電磁場によって回転するようにされることができるローターを有する。そのような電気モーターのトルクは低い。高いモーターパワーレベルは、高いローター回転速度によって達成される。このため、電気モーターはしばしば多段式変速機と組み合わされ、電気機械的効率が悪化して、設置スペース、重量、変速機あそびおよびノイズ放出が増加するという結果となる。電気モーターの高い回転速度とローターの高い質量慣性モーメントはまた、動的振舞いに望ましくない効果を有する。ステッピングモーターを例外として、電気モーターは、回転速度、姿勢または負荷を検出するための追加のセンサーを要求する。しかしながら、ステッピングモーターは、限定されたレゾルーション能力と破壊的なラチェットトルクを有する。
本発明の目的は、従来技術と比較して高いトルク密度、ダイナミクス、駆動の正確さおよび動作的安定性を有する電気モーターを利用可能とすることである。特に、モーターシャフトは、電気的制御信号を印加することによって規定された位置にまで動かされることおよび/または電気的制御信号によって予め規定された回転速度で予め規定された回転方向に規定されたやり方で回転させられることが、有利なことに可能であるようになる。
目的は、請求項1に記載されたロータリードライブ、請求項19に記載されたロータリードライブを動作させるための方法、請求項23に記載されたロータリードライブにおける負荷トルクを検出するための方法、および請求項24に記載されたロータリードライブの位置および姿勢を検出するための方法、によって達成される。それぞれの従属請求項は、発明によるロータリードライブと発明による方法の有利な展開を特定する。
発明によると、ロータリードライブが特定され、それは第1の本体と第2の本体を有し、そこでは、第1の本体が第1の本体の歯部システムを有し、それは第1の回転軸の周りの第1の円形円周に沿った周りに並び、第2の本体が第2の本体の歯部システムを有し、それは第1の回転軸の周りの第2の円形円周に沿った周りに並ぶ。第1の本体と第2の本体の歯部システムは従って、同心円状であると考えられることができる。この文脈において、2つの本体の歯部システムは、共通の平面かまたは好ましくはお互いと平行である異なる平面に並ぶ。第1および第2の本体の歯部システムは、第1の回転軸に対して等距離に配置された多数の歯によって形成されることができ、そこでは第1の回転軸に対する各歯の同一の点が与えられると、それらは各々与えられた本体内の一定の距離にある。第1の本体の歯と第1の回転軸の間の距離は有利なことに、第2の本体の歯と第1の回転軸の間の距離とは異なる。特に、歯部システムの直径は、各場合においてピッチ円の直径を有することができる。
第1の本体と第2の本体は有利なことに、キャリア構造(ハウジング)のモーターシャフトであることができる。特に、キャリア構造は、その中に第1の本体と第2の本体が回転可能に載置されるかまたはその中に本体の1つが回転可能に載置されもう1つがキャリア構造に接続されるかまたはその一部であるところの、ハウジングまたはモーターハウジングであるものと考えられることが、有利なことに可能であり、そこではアクチュエーターがキャリア構造に接続されることができる。
発明によるロータリードライブはまたコンバーターを有し、それはコンバーターの第1の歯部システム、その第1の歯部システムが第2の回転軸の周りの第1の間隙における円形円周に沿った周りに並ぶものと、コンバーターの第2の歯部システム、その第2の歯部システムが第2の間隙における円形円周に沿って第1の歯部システムに対して同心円状に周りに並ぶものと、を有する。コンバーターはまた、同義的にローリング体または単に第3の本体と呼ばれることができる。コンバーターは有利なことに、歯部システムとは別に、円筒状またはディスク形状の本体であることができる。
発明によると、第2の回転軸は、第1の回転軸と平行に配置され、そこから間隔を空けられている。軸は好ましくは、1つがもう1つの隣りに横たわる。
発明によるロータリードライブは、お互いと平行ではないアクションの方向をもった少なくとも2つのアクチュエーターであって、そのアクションの方向は従って、0°に等しくなく180°に等しくないお互いとの角度にある。但し、もし発明によるロータリードライブが2つより多くのアクチュエーターを有するならば、それらのアクチュエーターのいくつかにとっては、お互いに対する0°または180°の角度にあることが従って可能である。
コンバーターは、少なくとも2つのアクチュエーターによって1つの方向に各場合においてシフトされることができる。コンバーターはよって有利なことに、もしその他のアクチュエーターのアクションが無視されれば、アクチュエーターの内の与えられたアクチュエーターによって正確に1つの方向にシフトされるだけとなることができる。この意味では、アクチュエーターはまた、リニアーアクチュエーターであると考えられることができる。
発明によると、コンバーターの第1の歯部システムは、第1の係合領域において第1の本体の歯部システムとの係合にあり、コンバーターの第1の歯部システムは従って、第1の係合領域において第1の本体の歯部システムと噛み合っている。更には、コンバーターの第2の歯部システムもまた、第2の係合領域において第2の本体の歯部システムと係合し、つまり第2の係合領域においてこの歯部システムと噛み合っている。
第1の係合領域と第2の係合領域は有利なことに、コンバーターの第1の歯部システムと第1の本体の歯部システムのかまたはコンバーターの第2の歯部システムと第2の本体の歯部システムの円周の一部だけ、つまりその全円周の周りではない、に渡って伸びる。
発明によると、コンバーターは従って、第2の回転軸が第1の回転軸の周りの円形経路に沿った周りに並ぶようなやり方で、少なくとも2つのアクチュエーターによって各場合において1つの方向にシフトされることができる。
この文書中で回転軸が言及されたときにはいつでも、それはまず単に数学的な意味での回転軸を意味するものとして理解されるべきである。但し、対応するコンバーターまたは本体が、対応する回転軸の周りを回転すべく載置されるおよび/または回転軸上に横たわる物理的軸を有することができる。
コンバーターの第1の歯部システムが第2の回転軸の周りに並ぶところの第1の距離は好ましくは、コンバーターの第2の歯部システムが第2の回転軸の周りに並ぶところの第2の距離と等しくない。
発明によるロータリードライブでは、内部歯部システムまたは内側歯部システムが有利なことに外部歯部システムまたは外側歯部システムと係合している。第1の本体の歯部システムが従って内部歯部システムであることができ、コンバーターの第1の歯部システムが外部歯部システムであることができるか、または第1の本体の歯部システムが外部歯部システムであることができ、コンバーターの第1の歯部システムが内部歯部システムであることができる。また、第2の本体の第1の歯部システムが内部歯部システムでありコンバーターの第2の歯部システムが外部歯部システムであるか、または第2の本体の歯部システムが外部歯部システムでありコンバーターの第2の歯部システムが内部歯部システムであることも可能である。
発明によるロータリードライブは有利なことに、キャリア構造を有し、それは特に好ましくはハウジングであることができる。少なくとも2つのアクチュエーターが、キャリア構造またはハウジングに恒久的に接続されることが、有利なことに可能である。代替的にかあるいは追加的に、第1または第2の本体のどちらかが、キャリア構造に恒久的に接続されるおよび/またはキャリア構造の一部であることもできる。
もし発明によるロータリードライブがキャリア構造またはキャリア構造としてのハウジングを有していれば、少なくとも2つのアクチュエーターだけおよび可能な更なるアクチュエーターもがキャリア構造に恒久的に接続されることもでき、また第1の本体と第2の本体もがアクチュエーターとキャリア構造に対して回転可能であることができる。この改良では、発明によるロータリードライブは、特に有利なことに位相シフターとして使われることができ、そこでは第1の本体と第2の本体が第1の回転軸の周りを同じ速度で回転するが、この文脈では、第1の本体に対する位相を変更するために、第1の本体は第1の回転軸の周りを前向きにかまたは後向きに動かされることができ、第1の本体と第2の本体の間の回転位相が変更されることに結果としてなる。
発明によるロータリードライブの1つの有利な改良では、各場合において、シャフトが第1の本体および/または第2の本体に接続されることができるか、または第1および/または第2の本体の各々がシャフトの一部であっても良い。
アクチュエーターによって印加される力は有利なことに、各場合においてアクチュエーター上にかまたはそれから離れるように向けられている。この文脈では従って、それらが有利なことに1つの主方向にのみ力を印加するので、アクチュエーターがリニアーアクチュエーターと呼ばれることが可能である。この文脈では、主方向は、対応するアクチュエーターによって印加された力が平均して働く方向であるものと理解される。もし仮に様々なアクチュエーターのアクションの重ね合わせが、このようにしてアクチュエーターの1つの上に向けられていない力に結果としてなるのであれば、リニアーアクチュエーターはここでは、その他の影響が不在の時にアクチュエーターの方向にかまたはアクチュエーターから離れるように力を印加するものとして理解されるべきである。
1つの有利な改良では、発明によるロータリードライブは、第1の回転軸の周りに並ぶことができ、それが第1の回転軸に対して放射状の方向における第1および/または第2の本体に対するコンバーターの相対的な動きをブロックするようなやり方で配置され、それにより第1および/または第2の本体の歯部システムの相対的な動きがコンバーターの対応する歯部システムから脱係合されるであろう、少なくとも1つの偏心輪を有することができる。そのような偏心輪は、高い負荷トルクにおいてさえ特に信頼性のある動作を確かなものとすることができる。偏心輪は有利なことに、外側の周りに並び、第1および/または第2の係合領域と同じ方向かまたは反対の方向において第1の回転軸との関係で放射状に配置されている領域において少なくとも、内側の周りに並ぶコンバーターの接触領域と接触している、接触領域を有する。代替的に、偏心輪は、内側の周りに並び、第1および/または第2の係合領域と同じ方向かまたは反対の方向において第1の回転軸との関係で放射状に配置されている領域において少なくとも、外側の周りに並ぶコンバーターの接触領域と接触している、接触領域を有することができる。
1つの有利な改良では、偏心輪は、好ましくは円形であるプレート、リングまたは円筒であることができる。この文脈では、偏心輪は、第1の回転軸の周りを回転可能であるべく載置されることができる。その対称軸は、第1の係合領域の方向かまたは第1の係合領域から離れる方向におけるおよび/または第2の係合領域の方向かまたは第2の係合領域から離れる方向における、第1の回転軸との関係で放射状の第1の回転軸に対するオフセットであることができる。偏心輪は従って、その対称軸が第1の軸について平行にオフセットされて回転可能となるべく載置されることができ、軸方向オフセットは、第1の係合領域の方向かまたは第1の係合領域から離れる方向におけるおよび/または第2の係合領域の方向かまたは第2の係合領域から離れる方向における、第1の軸との関係で、向き付けられることができる。
発明によるロータリードライブは有利なことに、その重心が、第1の回転軸との関係でコンバーターのあらゆる位置においてコンバーターの重心と放射状に反対側であるか、または放射状にコンバーターの重心と同じ方向にあるようなやり方で配置されている、少なくとも1つのバランシング質量を有することができる。もし重心が、コンバーターの重心と同じ方向に横たわれば、不均衡が増幅され、もしそれが反対の方向に横たわれば、不均衡が補償される。
特に、偏心輪の重心は、第1の回転軸に対するコンバーターのあらゆる位置においてコンバーターの重心と放射状に反対側に横たわることもできるか、またはコンバーターの重心と同じ方向に横たわることができる。
アクチュエーターは有利なことに各々、コンバーターに直接的に力を印加する。それらは従って有利なことに、コンバーター上かまたはコンバーターの実際の車軸上に働く力を生成する。
特に、アクチュエーターが各々、第2の回転軸上に横たわる車軸にか、または第2の回転軸上に横たわり、その上にコンバーターが回転可能に載置されているコンバーターのロータリーベアリングに、力を印加する改良もまた有利である。アクチュエーターは好ましくは、車軸またはロータリーベアリングに恒久的に接続されることができる。この文脈では、それらは、特に、例えば、それらが接続されていない車軸またはロータリーベアリング上の対応するアクチュエーターのその端部によって、キャリア構造またはハウジングに、接続されることができる。
1つの有利な改良では、アクチュエーターは、電磁気力によって働くことができる。この場合には、コンバーターおよび/またはコンバーターのロータリーベアリングは好ましくは、強磁性材料を有するかまたはそのような材料からなっている。
発明の1つの有利な改良では、1つがもう1つ中に係合する少なくとも2つの歯部システムが、サイクロイド歯部システムおよび/またはエボルベント歯部システムであることができる。従って第1の本体の歯部システムが、コンバーターの第1の歯部システムとサイクロイド歯部システムおよび/またはエボルベント歯部システムを形成することが可能であり、および/または第2の本体の歯部システムが、コンバーターの第2の歯部システムとサイクロイド歯部システムおよび/またはエボルベント歯部システムを形成することができる。
更には、上記のようなロータリードライブを動作させるための方法が、発明によるものである。この文脈では、アクチュエーターは、それらが第1の回転軸の周りを回転する力をコンバーターおよび/またはコンバーターのロータリーベアリングに印加するかまたは生じるようなやり方で回転するように駆動されるおよび/または励磁される。この文脈では、各場合において、引力および/または反発力が、有利なことにアクチュエーターによってコンバーターおよび/またはロータリーベアリングに印加されることができる。
アクチュエーターの様々な駆動パターンが可能である。例えば、与えられた時に各場合において、従って正確に1つのアクチュエーターがアクティブであることができる。但し、複数のアクチュエーターが完全にアクティブであるかまたは、複数のアクチュエーターが位相オフセットのやり方でアクティブであることも可能である。
アクチュエーターは有利なことに、励磁化によって駆動されることができる。1つの有利な改良では、正弦波電流プロファイルでアクチュエーターを励磁することが可能であり、そこでは隣接するアクチュエーターは、隣接する位相からの電流で励磁され、そこでは2つの隣接する位相の間の位相差は、後者が回転軸を回転軸と垂直な平面中にして回転軸で取り囲むところの2つの隣接するアクチュエーターの間の角度に等しい。3個以上のアクチュエーターの数が有利なことに、回転軸の周りに等距離の角度間隔でここでは配置される。
発明によると、発明によるロータリードライブと共に、負荷トルクを検出するための方法が行われることもでき、そこでは負荷トルクが、アクチュエーターの電流、電圧および/または電荷の電気的変数の間の振幅および/または位相関係が、電子評価手段によっておよび/またはアクチュエーターの電気的インダクタンス、電気的キャパシタンスおよび/または電気的抵抗を評価することによって検出されるという点で、第1の本体とキャリア構造および/または第2の本体とキャリア構造の間および/または第1と第2の本体の間で決定される。
上記のようなロータリードライブの位置および/または姿勢を検出するための方法も、発明によるものであり、そこでは、アクチュエーターの電流、電圧および/または電荷の電気的変数の間の振幅および/または位相関係が、電子評価手段によっておよび/またはアクチュエーターの電気的インダクタンス、電気的キャパシタンスおよび/または電気的抵抗を評価することによって評価されることによって、キャリア構造に対するコンバーターのおよび/または第1の本体のおよび/またはキャリア構造に対する第2の本体のおよび/またはお互いに対する本体の、位置および/または姿勢が検出される。
第1の本体とキャリア構造の間および/または第2の本体とキャリア構造の間および/または第1と第2の本体の間の回転速度および/または位置および/または力を検出するために、有利なことにセンサーが存在していても良い。
1つの有利な改良では、ロータリードライブは以下の特徴を有することができる:
− 歯部システムをもった、回転可能に載置されたモーターシャフトと、
− 第1と第2の歯部システムを有し、コンバーターと呼ばれる、環状、円筒状またはディスク形状のエレメントであって、コンバーターは、モーターシャフトの歯部システム中においてその第2の歯部システムでロールされることができるものと、
− 歯部システムを有するモーターハウジングであって、コンバーターの第1の歯部システムがモーターハウジングの歯部システム中においてロールされることができるものと、
− 電気的に制御可能なアクチュエーターであって、それによりモーターシャフトに対して回転する力がコンバーターに印加されることができるものと、
− コンバーターがモーターハウジングの歯部システム中において積極的に係合するやり方でその第1の歯部システムでロールすると同時に、コンバーターが積極的にロックするやり方でモーターシャフトの歯部システム中においてその第2の歯部システムでロールし、モーターシャフトが回転するようにされるように、モーターシャフト軸と垂直な平面において円形シフト動きを行うように、コンバーターが電気的に制御可能なアクチュエーターによって励磁されることができるという結果となる。
本発明は、高いトルク密度と、高い位置決め精度と、コスト効率的な製造によって区別されるロータリードライブを提供する。これは、特に下記の方策によって、有利なことに達成されることができる。
1つの有利な改良では、コンバーターは、その第1と第2の歯部システムで、モーターハウジングとモーターシャフトの歯部システムとの相互作用を通した2ステージの伝送を形成することができる。
第1の伝送ステージは、コンバーターの第1の歯部システムの歯ペアリングと、モーターハウジングの歯部システムによって形成されることができる。
第2の伝送ステージは、コンバーターの第2の歯部システムの歯ペアリングと、モーターシャフトの歯部システムによって形成されることができる。
各伝送ステージは、積極的に係合するやり方で1つがもう1つ中でロールする歯ペアリングの歯の数における差によって提供される、別々の伝送レートを有することができる。
モーターシャフト、コンバーターおよびモーターハウジングは好ましくは、円形の歯部システムを有する。
モーターシャフトとモーターハウジングの歯部システムは好ましくは、1つの軸上でお互いに対して同心円状に配置される。お互いに対して同心円状に配置された歯部システムは、歯部システムが軸に対して同軸状に配置され、歯部システムのピッチ円の中心点がこの軸上に横たわることを意味すると、有利なことに理解される。
コンバーターは有利なことに、好ましくはモーターシャフトの軸と垂直に横たわる平面中で動きを行うように、電気的に制御可能なアクチュエーターによって励磁されることができる。電気的に制御されることができるアクチュエーターは好ましくは、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換し、引力または反発力および/または引力と反発力を本体に印加することができるアクチュエーターを意味すると、好ましくは理解される。
特に、アクチュエーターは好ましくは、線形に働くアクチュエーターであって、例えば偏心輪または電気モーターのような回転的なアクチュエーターではない。
特に、好ましくはモーターシャフトの軸と垂直な平面において電磁気アクチュエーターによって働く磁力と、モーターシャフトの軸の周りに並ぶ磁力が、有利なことにコンバーターに印加されることができる。現在知られている電磁石の全てのデザインが、電磁気アクチュエーターとして好適である。静電アクチュエーターも、アクチュエーターとして使われることができる。ソリッドステートアクチュエーターが同様に、コンバーターをシフトする前にアクチュエーターとして使われることができる。1つの好ましい実施形態では、アクチュエーターは、電気的に駆動されることができ、モーターシャフトの軸に対して放射状に配置されている、電磁石であることができる。
電磁石は各々が、例えば、その周りに導電性の絶縁されたワイヤの巻回からなるコイルが巻かれている強磁性材料のコアを有する。電磁石のコアは、有利なことに磁極片として具現化されることができる。コアと磁極片をもった全ての電磁石の配置は、ステーターと呼ばれることができ、個々の電磁石は、電気的に制御可能なステーター手段と呼ばれることができる。発明の一実施形態では、電気的に制御可能なステーター手段をもったステーターは、モーターハウジングに恒久的に接続されることができる。
特に、ソリッドステートアクチュエーターまたは静電アクチュエーター、例えば圧電アクチュエーター、電歪アクチュエーター、磁歪アクチュエーター、磁気形状記憶MSMアクチュエーター、バイメタルアクチュエーター、誘電体アクチュエーター、静電櫛歯アクチュエーターも、有利なことに電気的に制御可能なステーター手段として使われることができる。この場合には、コンバーターの円形シフトの役目を果たすそれらのアクチュエーターの配置は、ステーターと呼ばれることができ、アクチュエーターは電気的に切り替え可能なステーター手段と呼ばれることができる。
発明によるロータリードライブは有利なことに、複数のデザインで構築されることができ、そのいくつかが以下に記載される:
・ コンバーターによって取り囲まれた内部ステーターをもったロータリードライブ、
・ その内部にコンバーターが配置された外部ステーターをもったロータリードライブ、
・ 内部及び外部ステーターによって取り囲まれたコンバーターを有するロータリードライブ、
・ 上の3つの配置の組み合わせに対応する、複数のステーターを有するロータリードライブ。
特に、コンバーターは有利なことに、環状、円筒状、円形またはディスク形状であることができる。
もしステーター手段が、可変な電位差を印加することによってその間で電極配置制御可能な力が生成されることができる、2つの間隔を空けられた電極配置をもった静電アクチュエーターであるか、それからなっていれば、各場合において電極配置の1つをコンバーターおよび/またはコンバーターのロータリーベアリングに接続し、もう1つをモーターハウジングに接続することが可能である。
コンバーターおよび/またはコンバーターのロータリーベアリングは、この場合には、例えば、シリコン、プラスチック、金属のような、あらゆる望ましい材料を有するかまたはあらゆる望ましい材料からなっている。
もしステーター手段が、その他の非電磁気アクチュエーター、例えば圧電アクチュエーターであれば、それらは有利なことに、それぞれのアクチュエーターのアクションの方向においてそれらの端部の1つによって可能な限り堅く、およびそれぞれのアクチュエーターのアクションの方向と垂直な方向において可能な限り柔らかく、コンバーターおよび/またはコンバーターのロータリーベアリングに接続され、それらのもう1つの端部によってモーターハウジングに接続され、コンバーターおよび/またはコンバーターのロータリーベアリングに取り付けられた複数のアクチュエーターのアクションが、可能な限り少ない干渉をもって重ね合わせられることができるという結果になる。この文脈では、コンバーターおよび/またはコンバーターのロータリーベアリングもまた、例えば、シリコン、プラスチック、金属のような、あらゆる望ましい材料を有するかまたはそれらからなっていることができる。
発明によるロータリードライブのデザインと機能を説明するために、描写の明確さの理由から、電磁気ステーター手段、即ち電磁石がまず最初に参照される。この文脈では、少なくとも或る部分においては、コンバーターは、その上にステーター手段(電磁石)が電磁気力を印加することができる強磁性材料を有するかそれからなっている。
内部ステーターの場合には、ステーターの磁極片が、ソフト磁気コンバーターによって短距離で取り囲まれることができる。ソフト磁気材料は、ここでは強磁性材料であると理解される。距離は好ましくは、可能な限り小さくなるように選択され、コンバーター上に働いている磁力が最大となるがステーターの極とコンバーターの間の機械的な接触が除外されるという結果になる。コンバーター全体がソフト磁気材料からなっている必要はない。ロータリードライブの機能のためには、コンバーターが、磁極片と反対のエリアにおいて少なくとも部分的にソフト磁気材料を有しているか、またはそれらの或る部分において前記材料からなっていれば十分である。更なる実施形態では、コンバーターは、磁極片に面しているその表面上に永久磁石を有することができる。
外部ステーターをもったロータリードライブのデザインは、コンバーターが内部であり、短距離でステーターの磁極片によって取り囲まれていることを例外として、同じ様に構造化されることができる。
パワーをさらに増加するために、コンバーターは有利なことに、その中にリング形状またはベル形状のコンバーターが配置される環状ギャップがその間にある内部ステーターと外部ステーターによって取り囲まれることができる。
ロータリードライブが、コンバーターに力を伝送することができる複数のステーターを有することも可能であり、そこではステーターは内部および/または外部の両方であることができる。
特に、ステーターの磁極片は好ましくは、モーターシャフトとモーターハウジングの歯部システムに対して同心円状に配置される。モーターシャフト歯部システム、モーターハウジング歯部システムおよびステーターの中心点は好ましくは、1つの軸上に位置している。歯部システムとステーターの両方は有利なことに、各々この軸に対して垂直に向き付けられている平面中に横たわる。軸に沿ったそれらのエレメンツの縦方向の広がりは制限されない。
電気モーターの全ての既知のデザインと対照的に、発明によるドライブでは、放射状に働く磁力が有利なことに、電磁石の位相オフセット励磁化またはステーターの磁極を回転することによってコンバーターに支配的に印加されることができる。
特に放射状にコンバーター上に働く回転する磁力は有利なことに、モーターシャフトハウジングの歯部システム中でのコンバーターの歯部システムの、および同時にモーターシャフトの歯部システムの、従ってモーターシャフトの回転への、積極的に係合する係合とローリングに繋がることができる。
この目的のために、モーターシャフト歯部システム/コンバーターの第2の歯部システムとモーターハウジング歯部システム/コンバーターの第1の歯部システムのペアリングは好ましくは、それらが同じ偏心率を有するようなやり方で具現化される。但し、偏心率における小さな違いはロータリードライブの機能に悪影響を及ぼさない。特に、1つの歯部システムのピッチ円の中心点のもう1つの歯部システムのピッチ円の中心点に対する車軸オフセットは、歯部システムペアリングの偏心率として理解することができる。
軸方向では、即ち、モーターシャフト軸の方向では、コンバーターのシフトは有利なことに、ストップ、シムリング/ばねワッシャ−またはその他のエレメンツまたはデバイスによって制限されることができる。
放射状方向では、コンバーターの最大のシフトは好ましくは、モーターシャフト歯部システムのコンバーターの第2の歯部システムに対するおよびモーターハウジング歯部システムのコンバーターの第1の歯部システムに対する直径差によって制限される。特に、これら2つの歯部システムペアリングは有利なことにできる限り同じ偏心率を有する。
更なる機械的な手段(描写せず)によって、モーターシャフトの軸と垂直な平面中でのコンバーターの平行なガイドを支援することが、前記コンバーターのシフト及び回転を妨げることなく、追加的に有利なことに可能である。この目的のために、コンバーターは、例えば、その境界がモーターハウジングおよび更なるモーターコンポーネンツ中に面して好適にフィットされるか、または追加のガイド面、例えばサイドディスクまたはボールベアリング、ニードルベアリング、スライディングベアリングのようなベアリング手段が設けられる、ことができる。
ロータリードライブを駆動するために、コンバーターの歯部システムをモーターシャフト歯部システムおよびモーターハウジング歯部システムとの係合へと動かすことが有利なことに可能である。この目的のために、ステーターの磁極は、磁極によってコンバーターに放射状の合計力が印加されるようなやり方で励磁されることができる。結果として、モーターシャフトの初期設定が規定されることができ、モーターシャフトは最初その回転角度位置に保持されることができる。
この位相角から始めて、磁極の電気的励磁パターンがそれから、モーターシャフトの軸I−I’に対して円周的に回転されることができる。異なる励磁パターンがロータリードライブのために好適である。例えば、各場合において1つだけの磁極が励磁されることができ、励磁化は1つの磁極から別のものへ切り替えられることができる。これは、モーターシャフトのよりステップ状の回転に結果としてなる。モーターシャフトのより均一な回転が、例えば、各場合において、複数の磁極の位相オフセット励磁化を回転することによって、達成されることができ、そこでは磁極の電流の信号形状は好ましくは正弦波状である。コンバーターに回転する放射状の力を印加するための個々の磁極の励磁化の回転する信号形状は、しかしながら、非常に異なるタイプのものであることができる。例えば、磁極はまた、個々の磁極の間に異なる位相オフセットをもった三角形、ランプ形状、台形、鋸歯形状またはその他の信号形状で回転するやり方で励磁されることもできる。特に、リラクタンス原理(reluctance principle)も、発明によるロータリードライブのために好適である。
発明によるロータリードライブは、多数の磁極を有することができる。例えば、以下の機能性がそれから実装されることができる。磁極は描写のためにP1からPXまで連続的に番号付けされる。一般性の制約無しに、描写の目的のためだけに、ロータリードライブは多数のPX個の磁極を有し、最初は磁極P1のみが完全に励磁されている一方で、その他の磁極は全て励磁されていないと仮定する。コンバーターはソフト磁気材料を有するかまたはそれからなっていると以下では仮定する。磁極P1の励磁化は、磁極P1によってコンバーター上に放射状に向けられた引力を生じ、その結果としてコンバーターの歯部システムがモーターシャフトとモーターハウジングの歯部システムとの完全な係合へと動く。隣接する磁極P2の励磁化と磁極P1の無励磁化の結果、磁極P2上に向けられた引力がそれからコンバーター上に働き、その結果コンバーターは、コンバーター表面と磁極P2の間の距離が最小であり新たな力の均衡が確立されるようになるまで、その第1の歯部システムをモーターハウジング歯部システム中にして、ロールする。磁極P1から磁極PXまでの励磁化の繰り返された順次進行の結果として、コンバーターは従って、その第1の歯部システムをモーターハウジング歯部システム中にして、ロールすることができ、結果として回転するようにされる。コンバーターの第1の歯部システムとモーターハウジング歯部システムの異なる直径と、結果として引き起こされた偏心率の帰結として、コンバーターの円形シフト動き(タンブリング動き)が、ここでコンバーターの内在する回転上に重ね合わされる。コンバーターのタンブリング動きのせいで、回転可能に載置されたモーターシャフトの歯部システムは従って、コンバーターの第2の歯部システム中で同時にロールし、その結果モーターシャフトは、コンバーターに対して回転するようにされる。加えて、コンバーターの内在する回転が、モーターシャフト外部歯部システムの歯の数とコンバーターの第2の内部歯部システムの歯の数の比で、モーターシャフトに伝送される。結果として得られるモーターシャフトのモーターハウジングに対する回転は、それらのコンポーネンツの追加から結果としてなる。従って、コンバーターの第1の伝送ステージが放射状に回転する磁力をコンバーターのタンブリング動きに変換する一方で、コンバーターの第2の伝送ステージは、タンブリング動きを、その上に第2の伝送ステージの回転動きが追加的に重ね合わされるモーターシャフトの純粋な回転に変換して戻す。
発明によるロータリードライブは従って有利なことに、放射状に回転するアクティブな力、特に電磁気牽引力と圧縮力を回転に変換することができる。異なる歯部システム構成とその組み合わせの可能性を通して、極度なステップアップからステップダウンまでの、伝送比の非常に大きな広がりが可能である。発明によるロータリードライブは、少数のコンポーネンツのみを要求し、極めてコンパクトなデザインのものである。特に、例えば偏心輪接続ロッドの形での、コンバーターのための機械的なベアリングを必ずしも要求しないが、そのようなロッドがオプションで提供されることができる。コンバーターと歯部システムのローリングキネマティクス(rolling kinematics)は従って、シフト動きを特に効率的に回転とトルクに変換する。サイクロイド歯部システムとの関係で、高い過負荷能力が提供されるが、ロータリードライブはまた、エボルベント歯部システムまたはその他の形の歯部システムを有することもできる。特に、発明によるロータリードライブは、モーターシャフトの機械的な角度位置と電気的位相の間に明確な割り振りがあるので、制御された動作のために好適である。
発明によるロータリードライブの以下の更なる実施形態も可能である。
コンバーターは、磁極片上に接触をするやり方でロールすることができる。力タイプの係合はここでは、摩擦係合と積極的な係合の両方であることができる。この目的のために、磁極片および磁極片の間の領域は、その中でコンバーターの第1の歯部システムがロールする、閉じられたかまたは部分的な歯部システム(第1の本体の歯部システム)を有することができる。
その歯部システムにおいて偏心的にロールするコンバーターは、それが最小の距離までだけモーターモードで磁極片の近くにまで、それと接触をすること無しに、動くようなやり方で配置されることができる。この距離は、歯部システムによっておよび/または偏心輪によって確かなものとされることができる。
同様に、ロータリードライブは、1つがもう1つにインターリーブされたおよび/または車軸に沿って配置された、複数のステーターおよび/またはコンバーターを有することができ、そこではステーターは内部および/外部の両方であることができる。コンバーターはまた、シャフトとハウジングの対応する歯部システム中でロールする、1つより多くの第1の歯部システムおよび/または1つより多くの第2の歯部システムを有することもできる。
ロータリードライブの機能のためには、もし磁極片に隣接する領域においてコンバーターが少なくとも部分的に強磁性材料を有していれば十分である。更なる実施形態では、コンバーターは、永久磁石を有することができ、アクチュエーターが牽引力および/または圧縮力をそこに印加することができるという結果になる。
特に、ステーターの磁極片は、1つのシャフトまたは複数のシャフトと1つのハウジングまたは複数のハウジングの歯部システムに対して同軸状に配置されることができる。1つのシャフト歯部システムまたは複数のシャフト歯部システムと1つのハウジング歯部システムまたは複数のハウジング歯部システム上のピッチ円の中心点は有利なことに、1つのシャフトまたは複数のシャフトに対する回転軸を構成するステーターの軸上に位置することができる。特に、歯部システムと磁極をもったステーターは、回転軸に対して垂直に向き付けられた平面中に横たわる。回転軸に沿ったこれらのエレメンツの縦方向の広がりは制限されない。
既知の電気モーターとは対照的に、発明によるロータリードライブは、ローターの代わりにロールする本体またはコンバーターを有する。有利なことに、ステーターの励磁された電磁石の磁場もソリッドステートアクチュエーターも、その同軸状の歯部システム、即ち、そのローリング軸の対称性の軸の周りの回転の形で、トルクをコンバーターに直接伝送しない。代わりに、コンバーターは、有利なことに、回転軸に対して垂直に横たわる平面において近似的に線形に働いているアクチュエーターによってシフトされる。
発明によると、コンバーターは、アクチュエーターが連続的に励磁された時にその係合領域がずらされる歯部システムを有し、コンバーターがシャフトおよび/またはハウジングの割り振られた歯部システム中でロールし、プロセス中に偏心的な動きを行う結果になる。コンバーターと磁極片の間の距離は従って、コンバーターの偏心的な動きの間に可変である。慣例的なデザインの電気モーターの場合には、ローターが、磁極片から同心円状に間隔を空けて載置され、純粋に回転的な動きを行い、偏心的な動きは行わない。従って、従来の電気モーターの場合にはローターと磁極片の間の距離は一定である。発明によるロータリードライブの場合におけるトルクの生成は、もし個々の磁極またはアクチュエーター、または複数のそれらが励磁され、その結果としてコンバーター上に働いている復元力成分が生成され、コンバーター上に働いている前記力成分が第1の本体(ハウジングまたはシャフト)と第2の本体(ハウジングまたはシャフト)の間のトルクとしてアクティブになるのであれば、外部負荷トルクが働く時にコンバーターが負荷無し状態に対して偏心的にシフトされる、という事実に基づいている。
少なくとも1つのシャフト、ハウジングおよびコンバーターの歯部システムは有利なことに、それらがお互いに噛み合うようなやり方でそれらがロールすることができるようなやり方で具現化される。
例えば偏心輪の形でのコンバーターの機械的ベアリングは、存在することができるが、機能的には必要ではない。
コンバーターは、少なくとも部分的に環状、円筒状、円形またはディスク形状であることができ、その縦方向の広がりにおいて異なる直径を有することができる。
コンバーターは有利なことに、複数の機能的に最適化されたエリアを有するおよび/またはそのようなエリアからなっている、ことができる。
強磁性粒子で満たされた材料、特に、例えば射出成形によって容易にコスト効率良く処理されることができるプラスチックも、有利なことにロータリードライブのために好適である。
コンバーターは、少なくとも部分的に、永久磁石および/またはその他の強磁性または非強磁性の材料を有するか、そのような材料からなっている、ことができる。
電気的および非電気的なアクチュエーターの全てのタイプ、特にリニア−アクチュエーターが、コンバーターのためのドライブアクチュエーターとして好適である。
特に、ロータリードライブはまた、異なるアクチュエーターの組み合わせで構築されることもできる。例えば、ロータリードライブは、電磁気アクチュエーターと圧電アクチュエーターを有することができる。
負荷の下で脱係合しない、または困難を伴ってだけそうする、自己ガイドする歯部システムもまた、有利なことにロータリードライブのために好適である。
歯部システムは、有利なことにエボルベント歯部システムかまたはサイクロイド歯部システムであることができる。
発明によるロータリードライブは有利なことにまた、非強磁性材料を有することもできる。これは、磁場中でのその動作のための特定の好適性に結果としてなる。電磁気アクチュエーター以外のアクチュエーターをもったロータリードライブは加えて、小さな電磁気漏洩場(EMC)だけを有する。
電磁気ロータリードライブ変種のデザインの全てはまた、ソリッドステートアクチュエーターまたはその他のアクチュエーターによって構築されることもできる。
もしアクチュエーター、特にソリッドステートアクチュエーターが、ドライブリングに接続されており、そこではコンバーターがドライブリング中に回転可能に載置されていれば、追加の電磁気アクチュエーターが存在していても良く、それもまたドライブリングにおよび/またはコンバーターに力を印加する。
ドライブリングが循環的に円形のやり方で動く時にコンバーターが偏心的に回転する、摩擦的に係合するかまたは積極的に係合するやり方でロールするという点で、アクチュエーターはまた、ドライブリングに機械的に結合されているか、またはそこに力を印加することができる。
ソリッドステートアクチュエーターは好ましくは、堅いやり方で、それらのアクションの主方向に、ドライブリングとハウジングの間に、取り付けられるが、ドライブリング上に働いている複数のアクチュエーターの曲がりと力が破壊無しに重ね合わされることができるように、後者に対して垂直な方向では十分に柔軟である。アクションの様々な方向を機械的に脱結合するために、アクチュエーターとハウジングおよび/またはアクチュエーターとコンバーターのロータリーベアリングおよび/またはアクチュエーターとドライブリングの間に載置されることができるキネマティクス(kinematics)が、従来技術から知られている。そのようなキネマティクスの例は、1つの軸に対する圧縮には抵抗性であるがそれに対して垂直方向では弾力性であるストラットや、平行構造、接続リンクおよびロッドキネマティクス(rod kinematics)、である。
もしコンバーター3がドライブリング4中に回転可能に載置されていれば、ドライブリング4のシフト動きのみがコンバーター3に伝送されるが、回転軸1−1’の周りのドライブリング4の回転的動きは伝送されない。ステーターリングのアクチュエーターの数とステーターリングの数は制限されない。
電磁気のもの以外のアクチュエーターが使われた時に、コンバーターおよび/またはドライブリングはまた、例えば、シリコン、プラスチック、金属、合金、複合材料のような、非強磁性材料を有することができるか、またはそのような材料からなっていることができる。
以下の例示的実施形態では、発明によるロータリードライブが、多数の図を参照してより詳細に記載され、機能が詳細に説明される。同一の参照番号はここでは、同一かまたは対応する特徴に対応する。例に示されている特徴はまた、特定の例とは独立に実装されることもできる。
図1は、平面図における断面図として、内部ステーターと、外部歯部システムをもったモーターシャフトと、モーターシャフトの外部歯部システムと比較して比較的大きな直径を有する外部歯部システムをもったモーターハウジングと、モーターシャフトとモーターハウジングの外部歯部システムに対応する2つの内部歯部システムをもった環状コンバーターと、をもったロータリードライブを示す。
図2は、内部ステーターと環状コンバーターをもった平面図における図1のラインK−K’に沿った、図1に描かれたロータリードライブを通る断面を示す。
図3は、モーターシャフトとモーターハウジングとコンバーターの3つの基本的要素の異なる配置によって構築されることができる、発明によるロータリードライブの4つの異なる基本的な形状を示す。
図3.1は、モーターシャフトの内部歯部システムと、モーターハウジングの外部歯部システムと、2つの歯部システムをもった環状コンバーターと、をもったロータリードライブを示す。
図3.2は、モーターシャフトの外部歯部システムと、モーターハウジングの内部歯部システムと、2つの歯部システムをもった環状コンバーターと、をもったロータリードライブを示す。
図3.3は、モーターシャフトの外部歯部システムと、モーターハウジングの外部歯部システムと、2つの歯部システムをもった環状コンバーターと、をもったロータリードライブを示す。
図3.4は、モーターシャフトの内部歯部システムと、モーターハウジングの内部歯部システムと、2つの歯部システムをもった環状コンバーターと、をもったロータリードライブを示す。
図4は、端部側においてモーターシャフトが追加に載置されている、外部歯部システムをもったモーターシャフトと、直径がより大きいモーターハウジングの外部歯部システムと、内部ステーターと、環状コンバーターをもった、ロータリードライブを示す。
図5は、モーターシャフトが両側上でモーターハウジングの外に導かれている、外部歯部システムをもったモーターシャフトと、直径がより大きいモーターハウジングの外部歯部システムと、内部ステーターと、環状コンバーターをもった、ロータリードライブを示す。
図6は、モーターシャフトとモーターハウジングの同じ直径をもった外部歯部システムと、内部ステーターと、環状コンバーターをもった、ロータリードライブを示す。
図7は、モーターシャフトの外部歯部システムと、直径がより小さいモーターハウジングの外部歯部システムと、内部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図8は、モーターシャフトの外部歯部システムと、直径がより大きいモーターハウジングの内部歯部システムと、内部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図9は、モーターシャフトの内部歯部システムと、直径がより小さいモーターハウジングの外部歯部システムと、内部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図10は、モーターシャフトの内部歯部システムと、直径がより小さいモーターハウジングの内部歯部システムと、内部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図11は、モーターシャフトの内部歯部システムと、直径がより大きいモーターハウジングの内部歯部システムと、内部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図12は、モーターシャフトの外部歯部システムと、直径が実質的により大きいモーターハウジングの内部歯部システムと、内部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図13は、モーターシャフトとモーターハウジングの同じ直径をもった外部歯部システムと、外部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図14は、モーターシャフトの外部歯部システムと、直径がより大きいモーターハウジングの外部歯部システムと、外部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図15は、モーターシャフトの外部歯部システムと、直径がより小さいモーターハウジングの外部歯部システムと、外部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図16は、モーターシャフトの外部歯部システムと、直径が実質的により小さいモーターハウジングの内部歯部システムと、外部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図17は、モーターシャフトの内部歯部システムと、直径が実質的により大きいモーターハウジングの外部歯部システムと、外部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図18は、モーターシャフトの内部歯部システムと、直径が実質的により大きいモーターハウジングの内部歯部システムと、外部ステーターと、環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図19は、モーターシャフトの内部歯部システムと、直径が実質的により小さいモーターハウジングの内部歯部システムと、外部および内部ステーターをもった環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図20は、結合されたやり方で環状コンバーターによって駆動される2つのモーターシャフトを有するロータリードライブであって、第1のモーターシャフトは内部歯部システムを有し、第2のモーターシャフトは直径がより小さい外部歯部システムと外部ステーターを有するものを示す。
図21は、ディスク形状の質量バランシングエレメントと、モーターシャフトの外部歯部システムと、直径がより大きいモーターハウジングの外部歯部システムと、内部ステーターをもった環状コンバーターを有する、ロータリードライブを示す。
図22は、質量バランシングエレメントが別の補助的ステーター巻回によって駆動される、発明性のあるタイプのロータリードライブを示す。
図23は、モーターの不均衡を補償するためのディスク形状の質量バランシングエレメントの様々な構成可能性を示す。
図23.1は、ディスク形状の質量バランシングエレメントの第1の実施形態をもった、平面図でのロータリードライブを示す。
図23.2は、ディスク形状の質量バランシングエレメントの第2の実施形態をもった、平面図でのロータリードライブを示す。
図23.3は、ディスク形状の質量バランシングエレメントの第3の実施形態をもった、平面図でのロータリードライブを示す。
図24は、モーターの不均衡を補償するための非回転的に対称的な質量バランシングエレメントの異なる変種を示す。
図24.1は、非回転的に対称的な質量バランシングエレメントの固形の実施形態を平面図で示す。
図24.2は、非回転的に対称的な質量バランシングエレメントの切り抜きをもった実施形態を平面図で示す。
図24.3は、追加の重りまたは強磁性材料をもった、非回転的に対称的な質量バランシングエレメントの実施形態を平面図で示す。
図25は、コンバーターが、偏心輪によって載置されているロータリードライブを示す。
図26は、モーターの不均衡を補償するための偏心輪の2つの実施形態変種を示す。
図26.1は、図25によるロータリードライブのための切り抜きをもった偏心輪を示す。
図26.2は、図25によるロータリードライブのための追加の重りをもった偏心輪を示す。
図27は、内部ステーターとU字形状のコンバーターをもったロータリードライブの平坦なデザインを示す。
図28は、外部ステーターとU字形状のコンバーターをもったロータリードライブの平坦なデザインを示す。
図29は、両側上で外に導かれたモーターシャフトと内部ステーターをもったロータリードライブの平坦なデザインを示す。
図30は、出力エレメントが外部リングである内部ステーターをもったロータリードライブの平坦なデザインを示す。
図31は、コンバーターが複数のディスク形状および/または環状エレメントを有する、図30によるロータリードライブを示す。
図32は、複数の内部ステーターと、中空の円筒状のコンバーターと、両側上で外に導かれたモーターシャフトを有するロータリードライブの円筒状のデザインを示す。
図33は、モーターシャフトの歯部システムに対して対称的に配置された2つの内部ステーターと、中空の円筒状のコンバーターと、両側上で外に導かれたモーターシャフトを有するロータリードライブの円筒状のデザインを示す。
図34は、モーターシャフトの歯部システムに対して対称的に配置された比較的多数の内部ステーターを有する、図33によるロータリードライブを示す。
図35は、コンバーターの駆動エレメントとしてソリッドステートアクチュエーターをもったロータリードライブを示す。
図36は、図35の断面K−K’に沿った、ソリッドステートアクチュエーターをもったロータリードライブの平面図を示す。
図37は、それぞれのアクションの主方向がモーターシャフトの軸上に向けられていない、4つのソリッドステートアクチュエーターをもったロータリードライブを示す。
図38は、お互いに対して90度の角度で配置された2つの曲げアクチュエーターをもったロータリードライブを示す。
図39は、モーターシャフト軸の方向に向けられた4つの曲げアクチュエーターをもった円筒状のロータリードライブを示す。
図40は、図39に示された例示的実施形態の曲げアクチュエーターホルダーの領域におけるロータリードライブの断面描写を示す。
図41は、力の伝達を向上するための磁石手段を示す。
図42は、各場合において平面および斜視断面図での、ロータリードライブの基本的な変種を示す。
図43は、2つのシャフトとパワー分割をもったロータリードライブを示す。
図44は、設置されたコンバーターと更なるモーターコンポーネンツをもったロータリードライブを斜視図で示す。
図1は、発明によるロータリードライブの第1の例示的実施形態として平面図における断面描写を示す。図2は、図1における断面平面K−K’に沿った平面図で図1からのロータリードライブを示す。ロータリードライブは、第1の本体としてモーターハウジング1を有し、その中にはモーターシャフト2が、ベアリング8を使った第2の本体として、前記回転軸I−I’に対して回転可能となるべく載置されている。モーターシャフト2は、ベアリング8によってかシムリング、サークリップ、ディスクばね等のようなエレメンツ(描写せず)によってのどちらかで回転軸I−I’に沿った軸方向シフトに対してしっかり取り付けられている。更には、ロータリードライブは、磁極P1、PXを有する。磁極Pと各磁極のエレメンツ5、6、7は、シリアルなパラメータXでインデックス付けされ、そこではXは1≦X≦iの範囲内の整数であり、i≧2であり、i=整数である。数字iは従って、発明によるタイプのロータリードライブの磁極の最大数を指し示す。例えば、図2に示されているi=8をもったロータリードライブは、合計で8個の磁極P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7およびP8を有する。磁極の各々は、強磁性材料の領域5.1、5.Xを有し、それはそれを通して電流の流れと回転軸I−I’に対して実質的に放射状のやり方で外向けに働く磁場が電圧を印加することによって生成されることができる導電性の絶縁されたワイヤの巻回7.1、7.Xによって取り囲まれている。磁極P1、PXは、コンバーター3の強磁性材料との相互作用を通して電磁気アクチュエーターを形成する。代替的に、磁極自体がコンバーター3上に働くアクチュエーターになると考えられることもできる。これは、そうでないと言及されない限り、全ての図における例に適用される。磁極は、図2に描かれているように、好ましくはモーターシャフト軸I−I’と垂直な平面中に等距離の角度間隔で配置されている。更には、磁極P1、PXの各々は、その外側円周において、磁束を伝導する役目を果たす磁極片6.1、6.Xを有する。磁極のソフト磁気材料は、内部中央領域4においてお互いと接続されている。巻回パケット7.1、7.Xをもった磁極P1、PXの強磁性材料の近似的に星形状の本体は、ここではステーターと呼ばれる。ステーターは、中央領域4においてモーターハウジング1に恒久的に接続されている。そのモーター側端部において、モーターシャフト2は、外部歯部システムNWを有する。更には、モーターハウジング1は、モーターシャフト2の端部側と反対に横たわるその領域において、モーターシャフト軸I−I’に対して同心円状であり外部歯部システムNGを有するピン形状の持ち上げられた部分を有する。モーターシャフトの外部歯部システムNWとモーターハウジングの外部歯部システムNGは、コンバーター3と呼ばれる環状エレメントによって取り囲まれ、少なくとも磁極片6.1、6.Xの領域においてソフト磁気材料を有する。コンバーター3は、その2つの端部に、内部歯部システムNK2とNK1を有し、それらはモーターシャフトの外部歯部システムNWとモーターハウジングの外部歯部システムNGに対応し、モーターシャフト2とモーターモーターハウジング1の外部歯部システム中でロールすることができる。これを確かものとするため、コンバーター3の歯部システム領域が、余分な寸法をもってモーターシャフト2とモーターハウジング1のものを取り囲む。コンバーター3の内部歯部システムNK2は、モーターシャフト2の外部歯部システムNWよりも少なくとも1つ歯をより多く有する。コンバーター3の内部歯部システムNK1は同様に、モーターハウジング1の外部歯部システムNGよりも少なくとも1つ歯をより多く有する。歯部システムは、両方の歯部システムペアリングNK2/NWとNK1/NGについて、偏心率eが作り出され、それはできる限りモーターシャフト軸I−I’に対して同一であり、軸J−J’によって図1に表されているようなやり方で具現化される。コンバーター3の最大シフト経路は従って、偏心率eの2倍に相当する。図1にJ−J’によって表記されたコンバーター3の内部面の中央軸は、モーターシャフト軸I−I’に対して最大で絶対値±eによってシフトされることができる。モーターシャフト2とモーターハウジング1の歯部システムの直径は、ランダムに、特に異なるように、選択されることができる。モーターシャフト2が回転するようにするために、磁極P1、PXは回転するやり方で励磁される。
磁場力の結果として、コンバーター3は励磁された磁極の方向にそれぞれ引っ張られ、その結果としてコンバーター3の歯部システムがモーターハウジング歯部システムNGとモーターシャフト歯部システムNWとの完全な係合へと動く。コンバーター3上に働いている放射状に向けられた磁力ベクトルの方向は、磁極P1、PXの周波数ωelの回転する電気的励磁化と位相を合わせて変化し、その結果としてコンバーター3が、その内部歯部システムNK1をモーターハウジング1の外部歯部システムNG中にしてロールする。結果として、コンバーター3は、回転するようにされ、他方でそれはモーターシャフト軸I−I’に対する重ね合わされた円形シフト動き(=タンブリング動き)を行い、その動きは、コンバーター3の内部歯部システムNK2中のモーターシャフト2の外部歯部システムNWの同時ローリングに繋がる。結果として得られるモーターシャフト2のモーターハウジング1に対する回転方向と回転速度は、それらの効果の重ね合わせから結果としてなり、その結果として、歯部システムの構成と歯部システムデザインの組み合わせ(内部/内部、内部/外部、外部/内部、外部/外部)に依存して、非常に高い、中くらいの、または低いダウンステップと電気的駆動周波数ωelの回転の方向に対する正または負の回転方向を有するドライブを作成することができる。ロータリードライブのデザインと機能が、図2に対して更に描かれている。図2は、図1におけるラインK−K’に沿った断面に沿った平面図で図1に描かれたロータリードライブを示す。図2に示された例示的実施形態では、ロータリードライブは、8個の磁極P1...P8を有する。一般に、磁極はPXによって表記される。コンバーター3の歯部システムNK1とNK2は、図2ではモーターシャフト2の歯部システムNWとモーターハウジング1の歯部システムNGとの係合領域中にあり、より低い位置に脱係合している。これは、詳細拡大D1およびD1’によって図2に描かれている。8個の巻回7.1...7.8の各々は、モーター制御エレクトロニクス(描写せず)に接続されている電気的接続ライン9.Xを有する。コンバーター3は、巻回7.1...7.8の回転する励磁化を通してxy平面内で磁力によってシフトされることができ、そこではコンバーター3の歯部システムNK1とNK2は、モーターシャフト2の歯部システムNWとモーターハウジング1の歯部システムNGの中でロールし、その結果としてモーターシャフト2が回転するようにされる。
図3による例では、発明によるロータリードライブは、本質的なエレメンツとして、モーターシャフト2、モーターハウジング1およびコンバーター3と、コンバーター3のためのドライブアクチュエーターからなる歯部システムを有するコンポーネンツを有する。モーターシャフト2の軸とモーターハウジング歯部システムNGの中心点または中心軸は、共通の軸I−I’上に横たわり、従ってお互いに対して同心円状である。モーターシャフト2は、ベアリング手段(図3には描写せず)によって軸I−I’に対してモーターハウジング1に対して回転可能となるべく載置される。コンバーター3は、アクチュエーター、好ましくはステーターと磁極を有する電磁気アクチュエーター、静電アクチュエーター、ソリッドステートアクチュエーター、(圧電、電歪、磁歪、誘電体、MSM等)、熱アクチュエーター、空気圧および油圧アクチュエーター、空気力学アクチュエーター(風力プラント)、水力アクチュエーターおよび内燃機関アクチュエーター(例えば、2ストロークのピストンと4ストロークのスパークイグニションとディーゼルモーター)、それらは明確さの理由のために図3には描かれていない、によって、モーターシャフト2とモーターハウジング歯部システムNGの共通の軸I−I’の周りで偏心的にシフトされることができ、そこでは、コンバーター3の中心軸J−J’が、モーターシャフト2とモーターハウジング歯部システムNGの共通の軸I−I’の周りを偏心率eで円形経路上を動く。歯部システムは、コンバーター3が軸I−I’の周りでシフトする時に、それらが1つがもう1つの中でロールすることができるようなやり方で具現化される。DIN9107によると、半最大変位移動e=(Xmax−Xmin)/2は、全ての図と記載において偏心率eとして表記される。コンバーター3はオプションで、軸I−I’上に配置されている図3には描かれていない偏心輪によって回転可能で放射状に変位可能なやり方でガイドされることができる。図3に概略的に描かれた発明によるロータリードライブの変種は、コンバーター3の歯部システムが内部歯部システムであるか外部歯部システムであるかの関数として、以下のように差別化される。
図3.1:コンバーターの第1の歯部システムNK1が内部歯部システムであり、コンバーターの第2の歯部システムNK2が外部歯部システムである:2つの伝送ステージの回転速度は足し合わされる。モーターシャフトの回転方向は、コンバーターシフトの回転の方向と同じである。
図3.2:コンバーターの第1の歯部システムNK1が外部歯部システムであり、コンバーターの第2の歯部システムNK2が内部歯部システムである:2つの伝送ステージの回転速度は足し合わされる。モーターシャフトの回転方向は、コンバーターシフトの回転の方向と反対である。
図3.3:コンバーターの両方の歯部システムNK1とNK2が内部歯部システムである:第1の伝送ステージの回転方向は、電気的励磁化パターンの回転の方向と同じ方向であり、第2の伝送ステージの回転方向は、電気的励磁化パターンの回転の方向と反対方向である。2つの伝送ステージの回転速度は対向する。結果として得られるモーターシャフトの回転方向は、第1の伝送ステージと第2の伝送ステージの伝送比の比に依存し、両方共コンバーターシフトの回転の方向と同じ方向であることおよびその反対方向であることができる。
図3.4:コンバーターの両方の歯部システムNK1とNK2が外部歯部システムである:第1の伝送ステージの回転方向は、電気的励磁化パターンの回転の方向と反対方向であり、第2の伝送ステージの回転方向は、後者と同じ方向である。2つの伝送ステージの回転速度は対向する。結果として得られるモーターシャフトの回転方向は、第1の伝送ステージと第2の伝送ステージの伝送比の比に依存し、両方共コンバーターシフトの回転の方向と同じ方向であることおよびその反対方向であることができる。
モーターハウジング1に対するモーターシャフト2の回転方向と回転周波数Ωについての以下の関係が一般的に適用される:
Ω={1−((NK2・NG)/(NW・NK1))}・ωel 式(1)
ここで
NG − モーターハウジング歯部システムの歯の数
NW − モーターシャフト歯部システムの歯の数
NK1 − コンバーターの第1の歯部システムの歯の数
NK2 − コンバーターの第2の歯部システムの歯の数
ωel − 電気的駆動周波数(回転周波数)
である。
図1と対照的に、図4は、モーターシャフト2が、モーターハウジング1に接続されたステーター4においてかモーターハウジング1自体においてのどちらかで、そのフロント側端部9において追加的に回転可能に載置された実施形態変種を示す。二重載置の結果として、モーターシャフト2上に働いている放射状力がより良く取り上げられることができ、モーターシャフト2の傾きが最小化されることができ、それは歯部システムの満足できる運用を全体的に支援する。この目的のために、ステーター4は、その中にモーターシャフト2のフロント側ピン10がベアリング9によって回転可能に載置される切り抜き11を有することができる。ボールベアリング、ニードルベアリング、スライディングベアリング等のような全ての既知のベアリング変種がベアリング9として使われることができる。
図5は、モーターシャフト2が両側上でモーターハウジング1の外に導かれており、図4で既に記載されたやり方で追加的に回転可能に載置されている、例示的実施形態を示す。
図6は、歯部システムが同一の直径を有するロータリードライブの特別な場合を示す。モーターシャフトの回転は、式(1)によると、歯部システムペアリングNK1とNG、NK2とNWが、この特別な場合には、2つの歯部システムペアリングの伝送比が同一ではないようなやり方で具現化されることを要求する。これは、例えば、異なる歯の数の差および/または異なる歯の幾何学的配置によって達成されることができる。
図7は、コンバーター3の歯部システムNK1とNK2が両方内部歯部システムである例示的実施形態を示し、そこでは歯部システムNK2の直径が歯部システムNK1のそれよりも大きい。特に、もし歯部システムが同じ歯係数(tooth modulus)と同一の偏心率eを有していれば、これは、ステーター極P1、PXの電気的励起周波数ωelの回転の方向にある回転方向をもったモーターシャフト2の回転に結果としてなる。
図8は、コンバーター3の外部歯システムNK1と内部歯部システムNK2をもった例示的実施形態を示し、それは、ステーター極P1、PXの電気的励起周波数ωelの回転の方向と反対方向にあるモーターシャフト2の回転に繋がる。
図9は、コンバーター3の内部歯システムNK1と外部歯部システムNK2をもった例示的実施形態を示し、それは、ステーター極P1、PXの電気的励起周波数ωelの回転の方向にあるモーターシャフト2の回転に繋がる。
図10は、コンバーター3の歯部システムNK1とNK2が両方外部歯部システムである例示的実施形態を示し、そこでは歯部システムNK2の直径が歯部システムNK1のそれよりも大きい。特に、同一の偏心率と歯部システムの同一の歯係数が与えられれば、これは、ステーター極P1、PXの電気的励起周波数ωelの回転の方向と反対方向にあるモーターシャフト2の回転に結果としてなる。
図11は、図10と比較して、直径NK1が直径NK2よりも大きい例示的実施形態を示す。これは、ステーター極P1、PXの電気的励起周波数ωelの回転の方向でのモーターシャフト2の回転に結果としてなる。
構成の可能性を明確にするために、図12は、内部歯部システムNK2の直径が外部歯部システムNK1の直径よりもかなり小さい変種を示す。
式(1)によると、全体的な伝送比Ω/ωelは、NK1、NK2、NG、NWの歯の数を幅広い限度内で選択することによって決定されることができる。もし可能であれば、歯部システムは、2つの歯部システムペアリングNK1とNG、NK2とNWについての偏心率が同一であるようなやり方で構成される。但し、ロータリードライブの機能のために絶対必要とされるのは、歯部システムの歯の係合である。偏心率は従って、歯の積極的に係合する係合が確かなものとされている限り、お互いに異なっていることができる。
図13は、外部ステーターまたはステーター極P1、PXをもったロータリードライブの変種を示す。磁極片6.1、6.Xは、強磁性のコンバーター3の外側から働く。図13は、歯部システムが同一の直径を有する図6に示された例示的実施形態と同様の特別な場合を示す。モーターシャフト2の回転は、式(1)によると、歯部システムペアリングNK1とNG、NK2とNWが、この特別な場合には、2つの歯部システムペアリングの伝送比が同一ではないようなやり方で具現化されることを要求する。これは、例えば、異なる歯の数の差および/または異なる歯の幾何学的配置によって達成されることができる。
図14は、コンバーター3の歯部システムNK1とNK2が両方内部歯部システムである、外部ステーターまたはステーター極P1、PXをもったロータリードライブの更なる変種を示し、そこでは歯部システムNK1のピッチ円の直径が歯部システムNK2のそれよりも大きい。
図15は、図14と相補的な例示的実施形態を示し、そこではコンバーター3の歯部システムNK1とNK2が両方内部歯部システムであるが、歯部システムNK1の直径が歯部システムNK2のそれよりも小さい。
図16は、コンバーター3の内部歯部システムNK2が、外部歯部システムNK1よりもかなり大きい直径を有する、外部ステーターまたはステーター極P1、PXをもったロータリードライブの変種を示す。
図17は、コンバーター3の外部歯部システムNK2が、外部歯部システムNK1よりもかなり小さい直径を有する、外部ステーターまたはステーター極P1、PXをもったロータリードライブの例示的実施形態を示す。
図18は、コンバーター3の両方の歯部システムが外部歯部システムである、外部ステーターまたはステーター極P1、PXをもったロータリードライブの例示的実施形態を示し、そこでは歯部システムNK1が歯部システムNK2と比較してより大きな直径を有する。
図19は、コンバーター3が外部ステーター極AP1、APXと内部ステーター極BP1、BPXによって駆動される、より高いトルクのための、ロータリードライブの例示的実施形態を示す。
図20は、2つのモーターシャフト2、4上でのパワー分割をもったロータリードライブの例示的実施形態を示す。もし両方のモーターシャフト2、4が、その上に外部負荷トルクが働く出力モーターシャフトであれば、機能は大まかには電気的に駆動されたディファレンシャルに相当する、即ち、モーターシャフト2とモーターシャフト4上に働いている外部負荷トルクに従って、ロータリードライブの電気機械的パワーが2つの出力モーターシャフトの間で分配される。もし、例えば、モーターシャフト2がモーターハウジング1に対して固定されていれば、全ドライブパワーがモーターシャフト4に伝送される。逆に、モーターシャフト4が固定されている時には、全パワーがモーターシャフト2に伝送される。もし両モーターシャフト上に等しく大きい負荷トルクが働けば、ロータリードライブのドライブパワーは、両モーターシャフトの間で分配される。もしモーターシャフト2とモーターシャフト4上に働いている外部負荷トルクが等しくなければ、パワー分割は外部負荷トルクの比に比例する。2つのモーターシャフトの間のパワー分割の原理は、この文書でカバーされる発明によるロータリードライブの全てのデザインと変種に適用されることができる。様々な変種は従って、特に描写はされない。
但し、図20に描かれたロータリードライブの場合、モーターシャフトの1つが、(駆動された)入力モーターシャフトであることもでき、それぞれのもう1つのモーターシャフトが出力モーターシャフト(パワーテイクオフ)であることができる。結果として、入力モーターシャフトは、例えばチェーン、歯付きベルト、シャフトのような機械的伝送手段によって、例えば電気モーター、内燃機関エンジン、風力によって、油圧力によって、または水力によってのような何らかのその他のドライブによって、直接的または間接的に駆動されることができ、出力モーターシャフトは、例えば車両のカムシャフトのような負荷を駆動することができる。もし入力モーターシャフトが機械的回転周波数ωEで回転すれは、入力モーターシャフトの出力モーターシャフトへの位相硬直的な結合(phase-rigid coupling)が、コイル7.X、コア5.X、および電気的回転周波数ωel=ωEをもった磁極片6.Xを有するかそれらからなっているステーター手段(例えば図20における電磁石)P1、PXの位相同期駆動によって達成されることができ、その位相硬直的な結合の間には、出力モーターシャフトは、入力モーターシャフトと同じ回転周波数ωEをもって位相硬直的なやり方(phase-rigid fashion)で動く。ロータリードライブの入力モーターシャフトのパワーは、コンバーター3を介した入力モーターシャフトから出力モーターシャフトへの積極的に係合する接続によって出力モーターシャフトに、ここでは事実上損失無しで伝送される。入力モーターシャフト回転速度および/または出力モーターシャフト回転速度を検出するために、ロータリードライブは、例えばホールセンサー、エンコーダーおよび電気的評価および駆動手段(駆動エレクトロニクスとMCソフトウェア)(図20には描写せず)のようなセンサー手段を有する。ωelを増加するかまたは削減することによって、入力モーターシャフトと出力モーターシャフトの間に正または負の差動回転速度を設定することが更に可能である。差動回転速度は、ωelの周波数変調および/または位相変調を通して経時的に可変とされることができる。例えば、ωelの周期的位相変調を通して、出力モーターシャフトを、前もっておよび/またはωEの絶対位相での入力モーターシャフトに対する後退した
位置に、周期的に動かすことが可能である。図20に示されているロータリードライブは従って、位相シフターの機能を行う。そのような位相シフターは、例えば、特性ダイアグラム依存のやり方で入口および出口バルブの流入時間と流出時間を制御するために車両内燃機関エンジンの場合にカムシャフトの調節のために、使われる。特に、ロータリードライブの出力モーターシャフトのメインドライブパワーは、ここでは入力モーターシャフトによって利用可能とされる一方で、ロータリードライブは、入力モーターシャフトに対して出力モーターシャフトを調節するのに要求されるパワーを利用可能にすることだけが必要である。入力モーターシャフトと出力モーターシャフトは、それらの機能において交換可能である、即ち、図20におけるモーターシャフト2、4の各々は、入力モーターシャフトかまたは出力モーターシャフトとしての役目を果たすことができる。
モーター軸I−I’の周りを偏心的に動かされたコンバーター3は、不均衡を構成する。そのような不均衡は、知られているように、破壊的なモーター振動とノイズを発生し、避けられるべきである。この目的のために、図21の例示的実施形態は、コンバーター3によって引き起こされた不均衡がモーターシャフトの軸I−I’の周りを位相同期のやり方で回転するバランシング質量9によって補償される解決策を特定する。特に、強磁性のバランシング質量9は、ステーター4とステーター極P1、PXとの関係でコンバーター3の磁力バイパスで駆動されることができる。図21に描かれているように、ステーター極P1が励磁された時、コンバーター3は前記ステーター極P1によって磁気的に引きつけられ、その結果として図21におけるコンバーター3の重心がy軸に沿って下向きに動かされる。同時に、コンバーター3の内部に載置されているディスク形状の強磁性のバランシング質量9が、コンバーター3によって伝送された磁力によってy軸に沿ってより上の位置に引っ張られる。バランシング質量9の距離と偏心率は、コンバーター3からのバランシング質量9の距離がここではそれらのエレメンツが接触すること無く可能なかぎり小さくなるようなやり方で寸法を与えられる。好適な寸法決めがされると、モーター不均衡の完全な補償が、コンバーター3とバランシング質量9の重心の対向する動きによって達成されることができ、その補償の間にはコンバーター3とバランシング質量9の共通の重心があらゆる動作状態においてモーターシャフトの軸I−I’上に留まるようになる。バランシング質量9は偏心的に回転しているコンバーター3と位相硬直的なやり方で動くので、ロータリードライブは全ての動作フェーズにおいて完全に均衡化される。バランシング質量9は、取り付けディスク10、ボールベアリング10およびばねワッシャー11のエレメンツによってステーターコア4に突き当てられて変位可能にあそび無しで保持される。コンバーターとの位相同期式のバランシング質量9のシフトの結果として、前記バランシング質量9は、その内部領域を、ステーターの、モーターシャフト軸に対して同心円状に配置された、ピン14上にしてロールし、結果としてそれ自体が回転するようにされる。基本的には、それは、ピン14上へのバランシング質量9の更なるボールベアリング載置を要求しないが、そのような載置がオプションで可能である。バランシング質量9の生来の回転は、ロータリードライブの機能上にいかなる影響も有しておらず、それを中断させることもない。図21に示されたコンバーター3の位置における歯部システムの係合状態は、詳細拡大D1とD1’、および見方の点で90度回転されているD2とD2’によって概略的に描かれている。
図22は、不均衡を補償するための更なる例示的実施形態を示し、そこではバランシング質量9が、巻回10.1、10.Xをもったステーター極H1、HXからなるかまたはそれらを有している追加の補助ステーターによってコンバーター3と位相同期式に電磁気的に駆動される。補助ステーター極H1、HXの励磁化は一方で、バランシング質量9とコンバーター3の共通の重心が全ての動作フェーズにおいてモーターシャフト軸I−I’上に横たわるようなやり方で起こる。バランシング質量9は、それ自体の慣性力を克服することを例外としていかなる仕事も行わないので、補助ステーター極H1、HXについてのエネルギー要求は低い。補助ステーターの巻回10.1、10.Xは従って、薄いワイヤでコンパクトに具現化され、オプションでメインステーター巻回7.1、7.Xに電気的に接続されることができる。図22に示されたコンバーター3の位置における歯部システムの係合状態は、詳細拡大D1とD1’、および見方において90度回転されているD2とD2’によって概略的に描かれている。
完全な不均衡補償を行うためのコンバーター3に対するバランシング質量9の寸法決めは、厚さによってとディスク形状のバランシング質量9の形状によっての両方で行われることができる。図23.1は、この点で例として、その厚さと密度が好適に選択されたバランシング質量9を示す。同様に、対向する不均衡が、バランシング質量の形状によって影響を受けることができる。これの例として、図23.2は、幅広いエッジをもったリングの形でのバランシング質量9を示し、図23.3には、薄いエッジをもったリングの形でのバランシング質量9を示す。ディスク形状または環状のバランシング質量9は、それらの内部表面を、ステーターまたはモーターハウジングの、モーターシャフトの軸I−I’の周りで対称的な、ピン14の外側上にしてロールする。バランシングディスクの内部に穴あけされた穴の直径とステーターピン14の外部直径の差に依存して、バランシング質量は、多かれ少なかれそれら自体で回転するが、それは機能に影響を及ぼさない。
回転的に対称的な形状をもった図23に示されたバランシング質量と対照的に、図24は、非回転的に対称的なバランシング質量9を示し、それはモーターシャフト軸の周りを回転する。図24.1は、好適な厚さと密度をもった均質な本体の形での強磁性のバランシング重りを示し、その本体は、ベアリング8によってモーターシャフト軸I−I’に対して回転可能となるべく載置される。前記バランシング重り9は常にコンバーター3とバランシング重り9の間の距離が最小である位置に動くので、強磁性のバランシング重り9は、偏心的に動かされたコンバーター3によって伝送された磁力によってコンバーター3と位相同期式に動かされる。バランシング重り9はここでは電気的励起周波数ωelの回転周波数で回転する。
バランシング重り質量は、図24.2に概略的に示されているように、以降に形成された切り抜きまたは穴あけされた穴15によってか、または図24.3に示されるように、追加の重り16によって、調節されることができる。
コンバーター3から始まる磁場ラインとバランシング重り9上に働いている磁力の代わりにおよび/またはそれらに加えて、バランシング重り9は永久磁石を有することができ、その結果として、それは常にコンバーター3から最短距離の位置を採り、また電気的励起周波数ωelで位相硬直的なやり方で動く。この実施形態は、図24.3に描かれた実施形態と同様であり、そこでは数字16によって表記されたエレメントが今度は永久磁石を表す。
図25は、コンバーター3が偏心輪9によって回転可能で変位可能なやり方でガイドされる、発明によるロータリードライブの実施形態を示す。この目的のために、偏心輪90は、穴あけされた穴9.1をモーターハウジング1のボルト14上にして、偏心的に回転可能なやり方で載置される。同時に、偏心輪9は、その円筒状外部表面9.2をコンバーター3の内部の穴あけされた穴中にしてあそび無しで回転可能なやり方でフィットされる。偏心輪9の偏心率と寸法は従って、歯部システムが1つをもう1つの中に係合しロールすることができるようなやり方で、モーターシャフト歯部システムNWとモーターハウジング歯部システムNGに対するコンバーター3の偏心率eと歯部システムNG、NW、NK1、NK2にマッチさせられる。もし電磁気力がステーター極P1、PXによってコンバーター3に印加されれば、コンバーター3は従って、偏心的に動くことと回転することの両方ができる。モーターモードでは、偏心輪9は、モーターシャフト2の軸I−I’の周りを電気的励起周波数ωelで回転する。偏心輪9を、一方で、モーターハウジング1のボルト14上に摩擦無しで、他方で、コンバーター3中に、載置するために、従来技術に対応するベアリング手段、例えばスライディングベアリング、ボールベアリング、ニードルベアリング等が使われることができ、そこではベアリングはできるだけあそび無しで具現化されるべきである。図25に描かれた実施形態変種は、偏心輪9のスライディングベアリングを示す。特に、偏心輪9の好適な寸法決めによって、コンバーター3の積極的なガイドを達成することが可能であり、それは歯部システムペアリングNWとNK2、NGとNK1が常に係合していることを確かなこととする。
図25に示された変種の更なる利点は、モーターシャフト軸I−I’の周りを電気的励起周波数で位相硬直的なやり方で回転する偏心輪9が、偏心的にシフトされて回転しているコンバーター3によって引き起こされるモーター不均衡を補償する役目を果たすことができることである。図25に対して、図26.1は、偏心輪9の実施形態を示し、そこでは後者がこの目的のために切り抜きおよび/または穴あけされた穴15をその半分の面上に有する。切り抜き15は、ここでは後者がより大きな幅を有する偏心輪9の領域中に位置しており、図26.1の偏心輪の重心が正のy軸の方向に上向きにシフトされることに結果としてなる。コンバーター3の重心は、負のy軸に沿って、図25に示される位置において下向きにシフトされる。偏心輪9の切り抜き15を好適に寸法決めして配置することによって、コンバーター3と偏心輪9の全体的な重心が常にモーターシャフト軸I−I’上に横たわることを確かなこととすることが可能であり、その結果としてモーターは、完全な質量バランスを有して振動無しで働く。偏心輪9の切り抜き15の代わりに、図26.1に示されるように、偏心輪9がまたその比較的小さな幅の領域において追加の質量16を有することも可能である。図26.2は、これの例を与える。これはまた、比較的高密度をもった材料領域が関与しても良い。この方策はまた、偏心輪9の重心が望ましいやり方でシフトされることを引き起こす。図26.1と図26.2に描かれた方策はまた、お互いと組み合わされることができる。
図27は、内部ステーターをもったロータリードライブの特に平坦な実施形態変種を示し、その実施形態では、コンバーター3は、U字形状の環状のプロファイルの形で具現化される。
図28は、外部ステーターをもったロータリードライブの特に平坦な実施形態変種を示し、その実施形態では、コンバーター3は、U字形状の環状のプロファイルの形で具現化される。
コンバーター3が偏心輪手段9によって載置されるロータリードライブを例外として、ロータリードライブのその他の実施形態変種の全てにおいて、コンバーター3が傾くことは、後者がモーターハウジング1の、モーターシャフト2の、またはロータリードライブのその他のコンポーネンツの対応する表面によって平行にガイドされるという事実のおかげで、防止されることができる。スライディングベアリングとボールベアリングの両方、ニードルベアリングまたはその他のベアリング(例えば、磁気的、流体静力学的、流体力学的なベアリング)がコンバーター3の平行ガイドのために好適である。
図29は、発明によるロータリードライブの平坦な実施形態を示し、そこではモーターシャフト2、2’がモーターハウジング1、4を通してガイドされ、モーターシャフト2とモーターシャフト2’からなる2つの結合された出力シャフトが負荷を駆動するためにかまたは回転動きを支援するために利用可能であるという結果となる。例えば、モーターシャフト2’は、車両の操舵装置に接続されることができ、モーターシャフト2は、操舵輪に接続されることができ、そこではロータリードライブは、望ましいやり方で操舵を支援する力を印加することができる。
これと対照的に、図30に描かれた変種は、モーターシャフトが、外部ベアリング手段8によって回転可能とされるべく載置された外部リング2または外部ディスク2の形で具現化される、発明によるロータリードライブを示す。
図31に示された変種は、お互いと接続された2つのディスク3.1と3,2を有する設置されたコンバーター3を有するか、または前記コンバーター3は歯部システムNK1とNK2をそれらの外側円周上に有する前記ディスク3.1と3.2と、ディスク3.2に接続された強磁性リング3.3からなっている。これは、個々のエレメンツ3.1、3.2および3.3が、例えば打ち抜き加工によって、個別に製造されてテストされ、既知の接続および接合技術によってコンバーター3に接続されることができるので、特に経済的な製作を許容する。出力エレメントは、図31では、ベアリング手段8によってモーターシャフト軸I−I’の周りを回転可能となるべく載置された外部リング/ディスク2の形を有する。
発明による原理は、幅広い種類のデザインとアスペクト比をもったロータリードライブを製造するために好適である。これの例として、図32は、xy広がりに対して大きいz軸(モーターシャフト軸)に沿った縦方向の広がりをもったロータリードライブを示す。モーターハウジング1は、この目的のために、ステーター極AP1、APXをもった少なくとも1つのステーターリングだが、好ましくは図32においてインデックスA、B、CおよびDをもった複数のステーターリングを有する。各ステーターリングは、強磁性材料のコアA5.Xと、磁極片A6.Xと、巻回A7.Xを有する。特に、図32に描かれたロータリードライブは、図32において文字A、B、C、Dによって表記された複数のそのようなステーターリングを有し、その各々は、多数のステーター極APX、BPX、CPX、DPXを有する。個々のステーターリングは、お互いと異なる多数のステーター極を有することができる。但し、特に個々のステーターリングは、同数のステーター極を有し、図32で、各場合において、巻回A7.1、B7.1、C7.1、D7.1、巻回A7.2、B7.2、C7.2、D7.2、および巻回A7.X、B7.X、C7.X、D7.Xは、お互いと電気的に接続されているかまたは一緒に1つの巻回を形成するか、またはそうすることができるという結果となる。多数のステーターリングとステーター極は、ロータリードライブのパワーとトルクを増加する役目を果たす。
内部的にガイドされたモーターシャフト2は、モーターハウジング1中に二重に載置され、モーターハウジングを通してガイドされることができ、その結果として2つの接続が出力サイド上で利用可能である。モーターシャフト2は、ベアリング手段8によってモーターハウジング1中に回転可能に載置され、移動に対して軸方向にしっかり取り付けられる。その1つのハウジング側端部において、モーターシャフト2は、外部歯部システムNWをもったディスク形状の領域4を有する。中空の円筒状のコンバーター3は、少なくとも1つの内部歯部システムNK1とNK2を有する。同様に、モーターハウジング1は、コンバーター3の内部歯部システムNK1に対応する少なくとも1つの外部歯部システムNGを有する。巻回A7.1、A7.2、A7.3 ...やB7.1、B7.2、B7.3 ...からD7.1、D7.2、D7.3 ...の回転的な励磁化を通して、コンバーター3は、磁力によって回転的なやり方でシフトされ、歯部システムは1つがもう1つの中をロールする。結果として、コンバーター3は、回転するようにされ、そこでは偏心動きがコンバーター動き(タンブリング)に重ね合わされ、その結果としてモーターシャフト2が回転するようにされる。
図33は、図32に提示されたタイプのロータリードライブを示し、それは軸K−K’に対して鏡像対称性であり、そこではモーター中心においてディスク形状の領域4が外部歯部システムNWと共に位置しており、中空の円筒状のコンバーター3がその2つの端部において2つの外部歯部システムNK1を有し、その外部歯部システムNK1はモーターハウジング1の内部歯部システムNGと係合することができ、コンバーター3の電磁気的シフトによって1つがもう1つの中をロールすることができる。コンバーター3上に働いている傾きモーメントは、対称的なデザインによって最小化される。ロータリードライブは、少なくとも1つのステーターリングAとBをそれぞれディスク形状の領域4の右と左に有する。図33でディスク形状の領域4の左に横たわるステーター極は、AP1、APXによって表記され、その右に横たわるステーター極は、BP1、BPXによって表記される。モーターシャフト2は、両側上でモーターハウジング1の外に導かれている。
図33に描かれた変種の拡張として、図34は、ディスク形状の領域4の右と左に横たわるステーターリングがカスケードする可能性を示す。図34によるデザインは、対称の軸K−K’の左に4つのステーターリングA、B、C、Dと、対称の軸の右に4つのステーターリングE、F、G、Hを有する。原理的には、ステーターリングの数とモーターの長さについて何の制約も無く、このようにして非常に薄く、長くて、強力なロータリードライブを形成することが可能である。
発明によるロータリードライブは、電気的および機械的フェーズ(=モーターシャフト調節)が明白に相関しているので、純粋にオープンループの制御された動作(フィードフォワードコントロール)に好適である。
コンバーターと従ってモーターシャフトの位置と動きは、インダクティブ、キャパシティブ、光学的、インピーダンス測定、電流および電圧測定、またはその他の物理的方法によって決定されることができる。特に、巻回、例えばステーター極の7.1、7.Xは、それら自体が上記の物理的測定方法によるコンバーター位置とコンバーター動きと従ってモーターシャフト位置とモーターシャフト動きの決定のためのセンサーとしての役目を果たすことができる。更には、上記の測定方法は、モーターシャフト2またはモーターシャフト2、2’上に働く負荷トルクを検出するために好適である。巻回、例えば7.1、7.Xとそのインダクタンスを利用すると、追加のセンサーシステムはこの目的のためには必ずしも要求はされない。コンバーター動き/位置および/または回転速度および/または角度位置および/またはキャリア構造に対する第1の本体のトルクおよび/またはキャリア構造に対する第2の本体のトルクおよび/または第1の本体と第2の本体の間のトルクを検出するために、例えばモーターハウジングに対するコンバーターの位置を検出するホールセンサーのような、外部センサーを設けることも可能である。もしアクチュエーターが電磁石以外のアクチュエーター、特に圧電アクチュエーターであれば、それらはまた、その電流信号、電圧信号および電荷信号から[センサー情報を抽出し、それらをロータリードライブのオープンループおよびクローズドループ制御を行うのに使うこともできる。特に、負荷トルクはトルクであることができる。
一方で、電磁石と同じように、電界効果によって非接触のやり方でコンバーターに力を印加することができる全てのタイプのアクチュエーターが、発明によるロータリードライブのためのドライブエレメンツとして好適である。特に、静電アクチュエーター、特に静電櫛歯アクチュエーター(櫛歯ドライブ)と特にMEMS技術を使って製造された静電アクチュエーターもまた好適である。更には、発明によるロータリードライブは、部分的にかまたは全体的に、マイクロ機械的および/またはマイクロ電気機械的コンポ−ネントとして製作されることができる。
更には、発明によるロータリードライブはまた、コンバーター3に機械的に結合されたアクチュエーター、特に圧電アクチュエーター、磁歪アクチュエーター、磁気形状記憶アクチュエーター、誘電体アクチュエーター、熱−バイメタルアクチュエーター等、のためにも好適である。この点でのデザインと機能の説明を伴った更なる例示的実施形態が以下に続く。
図35に断面で、図36に図35における断面K−K’に沿って平面図で示されているロータリードライブは、コンバーター3を駆動するためのソリッドステートアクチュエーター5、5.Xを有する。特に圧電多層アクチュエーター(圧電多層スタック)がソリッドステートアクチュエーター5、5.Xとして好適であり、前記アクチュエーターは、電圧の極性と振幅の関数としてソリッドステートアクチュエーターのコンタクトピン7に電圧が印加された時に、より長くなるおよび/または縮まる。図35に描かれたソリッドステートアクチュエーターのアクションの主軸は、y軸に沿って伸びる。ソリッドステートアクチュエーター5、5.Xは、モーターハウジング1上にそれらの1つの端部によって、コンバーター3を取り囲む環状のドライブリング4上にそれらのもう1つの端部によって、支えられる。ソリッドステートアクチュエーターは、ソリッドステートアクチュエーター5.Xを取り囲むエレメンツ6によって、環境的影響、特に水分に対して保護されることができる。エレメンツ6はまた、ソリッドステートアクチュエーターを機械的にプリストレスし、それらをモーターハウジング1とドライブリング4の間に機械的にしっかり取り付ける、ばねエレメンツの機能を有することもできる。
ドライブリング4は、図36に描かれているように、ベアリング手段9によって、コンバーター3に対して回転可能に載置され、そのようなそれらのために好適なのは、ニードルベアリング、ボールベアリング、スライディングベアリング、またはその他の従来技術に対応するベアリング手段である。コンバーター3は、モーターハウジング1の歯部システムNGとモーターシャフト2の歯部システムNWの中でロールできる歯部システムNK1とNK2を有し、結果としてモーターシャフト2が既に記載したやり方で制御可能な回転を経験することを引き起こす。モーターシャフト2は、ベアリング手段8によってモーターハウジング1中に回転可能に載置される。加えて、モーターシャフト2は、モーターハウジング1中の更なるベアリング手段10によって端部側領域11中に載置されることができる。結果として、モーターシャフトの特に高いレベルの放射状剛性が達成され、それは圧電アクチュエーターの強い力からすると有利である。ベアリング10をもった領域11におけるモーターシャフト2の追加のベアリングは、但し、ロータリードライブの機能にとっては無関係である。図35に描かれたロータリードライブは従って、図1と図14に示されたものと機能とデザインにおいて大まかには同様であり、電磁気アクチュエーターの代わりにここではソリッドステートアクチュエーターがコンバーター3の円形シフト動きを励起するのに使われるという違いがある。同じようにして、図36に平面図で示されたソリッドステートアクチュエーターをもったロータリードライブのデザインと機能は、図2に描かれた電磁気アクチュエーターをもったロータリードライブに大まかには対応する。
但し、(非積極的に係合するやり方で)電磁場によってコンバーターに力が伝送されるロータリードライブとは対照的に、ソリッドステートアクチュエーターのロータリードライブのメカニズムへの機械的に固定された(積極的に係合する)接続は、有利なことにコンバーター3に対して回転可能に載置されたドライブリング4を追加のエレメントとして有する。ドライブリング4におけるコンバーター3のロータリーベアリングによって、ソリッドステートアクチュエーター5によって生成された力と曲がりは、コンバーター3に、その回転および円形シフト動きが悪影響を受けること無しに、伝送される。このようにして、コンバーター3の回転する円形シフト動きは、ソリッドステートアクチュエーターの回転する電気的励起を通してもたらされ、そこでは歯部システムは、既に詳細に記載したやり方で1つがもう1つの中でロールし、モーターシャフトが回転することを引き起こす。ソリッドステートアクチュエーターの僅かなせん断荷重は、ロータリードライブの機能またはソリッドステートアクチュエーターのサービス寿命のどちらにも悪影響を及ぼさない。もし適当であれば、ソリッドステートアクチュエーターのせん断荷重は、ソリッドステートジョイント、接続リンク、平行キネマティクス(parallel kinematics)、偏心輪等のような追加のキネマティックエレメンツ(kinematic elements)によって更に削減されるかまたは全体的に避けられることができる。
図35と図36に示されたロータリードライブは、少なくとも2つのドライブアクチュエーターP、PXを有し、それらはそれらのアクションの主軸でお互いと平行に配置されておらず、モーターシャフト軸I−I’に角度を付けて配置されている。ドライブアクチュエーターの最大数iは、上向き方向においては制限されない。好ましくはモーターシャフト軸I−I’に垂直な平面中に配置されるドライブアクチュエーターは、ステーターリングと呼ばれる。発明によるロータリードライブは、モーターシャフト軸I−I’に沿って配置されたあらゆる望ましい数のステーターリングを有することができる。モーターシャフト軸I−I’の周りの等距離間隔での複数のドライブアクチュエーターの対称的な配置は、回転の均一性と駆動能力の点で特に有利である。図35と図36に示されたロータリードライブの場合には、各個別のドライブアクチュエーターのアクションの主方向Pは、近似的にモーターシャフト軸I−I’上に向けられている。
図33、図34、図35に描かれたロータリードライブは、特に、それらが1つより多くのコンバーター歯部システムNK1と1つより多くのハウジング歯部システムNGを有することができるという事実のおかげで、区別される。ロータリードライブが1つより多くの第2のコンバーター歯部システムNK2と1つより多くのシャフト歯部システムNWを有するという方策もある。これは、発明によるロータリードライブの全てに適用される。
図37が示すように、各個別のドライブアクチュエーターのアクションの主方向Pは、しかしながら、必ずしもモーターシャフト軸I−I’上に向けられている必要はない。図37に描かれた例示的実施形態は、4つのドライブアクチュエーターP1,P2,P3およびP4を有し、それらのアクションの主方向は、モーターシャフト軸I−I’と垂直な平面中に横たわり、そこでは各個別のアクチュエーターのアクションの主方向は、モーターシャフト軸I−I’に向けられていない。モーターシャフト2の回転動作のために、コンバーター3は、モーターシャフト軸I−I’の周りのxy平面における円形シフト動きを経験するように励起される。この目的のために、各場合において、お互いに反対に位置する2つのドライブアクチュエーター、例えばP1とP3またはP2とP4が、2つのドライブアクチュエーターペアの間に位相オフセットをもって、電気的に一緒に駆動される。図37による配置では、2つのドライブアクチュエーターペア、P1、P3とP2、P4も周期的信号電圧の間の位相オフセットは、好ましくは90度である。ドライブアクチュエーターPは、例えば対応する電気的バイアスによって、中央位置に対して、正と負の曲がりの両方、即ち収縮と拡張の両方を行うことができる。お互いに反対に横たわる2つのドライブアクチュエーターP1とP3、P2とP4の駆動は、ドライブリング4がxy平面中でシフトされるようなやり方で行われる。図37に示された配置では、これは、お互いに反対に横たわるドライブアクチュエーターには対向するバイアス電圧が印加されているという事実のおかげでもたらされる。従って、ドライブリング4のシフト動きだけが、ドライブリング4中のコンバーター3の回転的ベアリングによってコンバーター3に伝送されるが、モーターシャフト軸I−I’の周りのドライブリング4の回転的動きは伝送されない。ドライブアクチュエーターの長さの熱的変化は従って、コンバーターには伝送されず、ロータリードライブの機能に悪影響を与えないことができる。結果として、図37に示されたロータリードライブは、大きな温度変化に渡って高い度合いの動作的安定性を有する。ステーターリングのドライブアクチュエーターの数とステーターリングの数は、制限されない。
図38に示されたロータリードライブの平面図では、曲げアクチュエーター5.1、5.2、特に圧電曲げアクチュエーターが、偏心的コンバーター動きを励起する役目を果たす。
コンバーターは、図3によると、2つの歯部システムNK1とNK2を有し、それらはモーターハウジングの歯部システムNGとモーターシャフトの歯部システムNWの中でロールし、モーターシャフト2が回転することを引き起こすことができる。明確さの理由から、図38では、2つの歯部システムNK2とNWだけが示されているのは、他の歯部システムNK1とNGが、幾何学的に異なる平面中に横たわるからである。コンバーター3は、ドライブリング4中にベアリング手段9によって回転可能に載置される。曲げアクチュエーター5.1、5.2は、それらの脚側端部においてモーターハウジング1中に固定される。曲げアクチュエーター5.1、5.2の接続ライン7.1、7.2に電気信号電圧を印加することによって、後者は信号電圧と比例する動きをそれらの反対の端部において行うようにされる。曲げアクチュエーターは、それらが、モーターシャフト軸I−I’に対して垂直に横たわるxy平面中で主に動きを行うようなやり方で向き付けられる。図38では、曲げアクチュエーター端部の動きの方向は、矢印によって記号的に明瞭にされている。圧電曲げアクチュエーターの場合には、それらの動きの振幅は、典型的には約±500μmの領域中に横たわっていることができる。曲げアクチュエーターは、図38では、お互いに対して90度の角度によってxy平面中で回転される。
90度の好ましい位相オフセットをもって、周期的な、好ましくは正弦波的な、信号電圧を2つの曲げアクチュエーター5.1と5.2に印加することによって、それらはお互いに対して機械的な曲げを行うようにされ、それらは90度の位相オフセットを有し、圧縮には抵抗的だが弾力性のある圧縮ストラット6・1と6.2を介してドライブリング4に伝送され、前記曲げはモーターシャフト2の軸の周りのドライブリング4の円形シフト動きを形成するように重ね合わされる。結果として、コンバーター3の歯部システムNK1とNK2は、モーターハウジングの歯部システムNGとモーターシャフト2の歯部システムNWの中でロールし、その結果として、モーターシャフト2が回転するようにされる。圧縮ストラット6.1と6.2の代わりに、接続リンク、ジョイント等のようなその他のキネマティック構造(kinematic structures)(ここでは詳細には説明されない)も、少なくとも2つの曲げアクチュエーター5.1、5.2の個別の動きの中断無しの重ね合わせのために好適である。図38に示されたタイプのロータリードライブは、特に、プラスチックまたは金属における(マイクロ)射出成形によってか、例えばMEMSのような、マイクロ機械的製造方法による、特に、平面状モーターと小型化されたアクチュエータードライブのために好適であり、そこでは圧電曲げアクチュエーターの代わりに、静電櫛歯ドライブのようなその他のアクチュエーター原理を使うことも可能である。
従来技術によると、円筒状の電気モーターが普及している。図39は、4つの曲げアクチュエーター5をコンバーター3のためのドライブエレメンツとして有する、発明によるタイプの円筒状のロータリードライブを示す。ロータリードライブは、電磁気ロータリードライブのステーター極と同様の、4つのドライブユニットP1、P2、P3、P4を有し、それらはモーターシャフト軸I−I’に沿って向き付けられており、各々がお互いに対して90度で回転されている。各ドライブユニットは、ホルダーエレメントH1.1とホルダーセグメントH1.2を有するかまたはそれらからなるホルダーH1と、電気的接触面9と電気的接続ライン7をもった曲げアクチュエーター5と、エンドキャップセグメントG1.1と伝送セグメントG1.2を有するエンドキャップG1のエレメンツを有する。アクションの主方向、コンバーター3に面する端部における曲げ端部の動きがそのように呼ばれる、はxy平面内に横たわる。個々の曲げアクチュエーターのアクションの方向を中断無しで重ね合わせるために、ホルダーH1、H2、H3、H4は、図40に描かれているように、2部分デザインを有する。曲げアクチュエーター5は、フォーク形状のホルダーセグメントH1.2中に保持され、そこでそれは、例えば、接合される、プレスされる、半田付けされる、または溶接される。ホルダーセグメントH1.1は、平坦な薄い材料を有するかまたはそれからなり、ホルダーセグメントH1.2に対して90度で回転され、そこに接続されるかまたは1つのピースから製造される。もう1つの端部によって、ホルダーセグメントH1.1は、モーターハウジング1に恒久的に接続される。これは、図40に見ることができるホルダーHのクロス形状の構造に結果としてなる。コンバーター側で大きな曲げ力を生成するために、可能な限り堅い曲げアクチュエーターのモーターハウジング1への基点側取り付けが目指されるべきである。但し、これは、90度で回転された隣接する曲げアクチュエーターの動きを妨げるであろう。この理由のため、ホルダーHは、それらが曲げアクチュエーターをモーターハウジングに前記曲げアクチュエーターの動きの主方向で堅く接続するが、前記ホルダーHが前記動きの主方向と垂直な方向で可能な限り柔軟に振舞うようなやり方で具現化される。これは、薄い曲げ板の形のホルダーの構造(図39と図40に描かれている)によって達成されることができ、それは2つの隣接する曲げアクチュエーターの動きへの非常に小さな抵抗だけを供するが、曲げアクチュエーターを前記曲げアクチュエーターのアクションの主方向で基点側においてモーターハウジングに堅く接続する。曲げ板の代わりに、基点側ホルダーH1はまた、曲げアクチュエーターのブロードサイド上でお互いと反対に取り付けられたピンの形で具現化されることもできる。それらのコンバーター側端部において、曲げアクチュエーターは、エンドキャップG1、G2、G3、G4に接続され、それらのフォーク形状のセクションG1.1、G2.1、G3.1、G4.1が曲げアクチュエーターを受け取る。曲げアクチュエーターは、伝送セグメントG1.2、G2.2、G3.2、G4.2を介してドライブリング4に機械的に接続される。伝送セグメントは、ドライブユニットP1、P2、P3、P4が駆動された時に、それらがドライブリング4の平行シフトを確かなものとするようなやり方で具現化される。この目的のために、伝送セグメントは、例えば、ピン形状の形を有することができる。ドライブリング4は、ベアリング手段11によってコンバーター3中に回転可能に載置される。コンバーター3は、2つの歯部システムNK1とNK2を有し、それらはモーターハウジングの歯部システムNGとモーターシャフト2のディスク形状の領域10の歯部システムNWの中でロールすることができ、その結果としてモーターシャフト2が回転するようにされる。モーターシャフト2は、ベアリング手段8によってモーターハウジング1中に回転可能に載置される。コンバーター3によってモーターシャフト2に印加された放射状の力をより良く収容するために、モーターシャフトは、図39に描かれたように、複数載置を有することができる。ロータリードライブを動作させるために、各場合において、お互いと反対に横たわる曲げアクチュエーターは、コンバーター側端部が同じ方向に同期して動くようなやり方で、電気的に駆動される。このようにして形成された2つの曲げアクチュエーターペアは、図39と図40に描かれた構成において好ましくは90度の位相オフセットをもってお互いに対して駆動される。結果として、曲げアクチュエーターの個々の動きは、コンバーター3の円形シフト動きを形成するように重ね合わされ、その歯部システムNK1とNK2は、結果としてモーターハウジング1の歯部システムNGとモーターシャフト2の歯部システムNWの中でロールし、モーターシャフトを回転させる。4つの曲げアクチュエーターをもった図39と図40に描かれた円筒状のロータリードライブは、例としてだけのものである。ドライブユニットまたは曲げアクチュエーターの数とカスケードには制約はない。
電磁気ロータリードライブ変種の全てのデザインはまた、ソリッドステートアクチュエーターまたはその他のアクチュエーターによっても製作できるので、詳細な説明は与えられない。
発明によるドライブ原理は、比較的シンプルなデザインで、小さなスペースにおける高い伝送比、高いトルク、高いレベルの位置決め精度および高いレベルのダイナミクスをもった、電気的に制御可能なロータリードライブを許容する。
既知の電気的および非電気的アクチュエーターの全ての形がコンバーターのためのドライブアクチュエーターとして好適である。
コンバーターの機械的ガイドを支援するおよび/またはコンバーターの強制的なガイドをもたらす手段が、発明によるタイプの全てのロータリードライブにために提供されることができ、あらゆる動作状態において、歯部システムがしっかりとした係合にあることに結果としてなる。例えば、偏心輪または接続リンクのような機械的な手段に加えて、特に磁気的手段がこれのために好適である。ステーター手段P1、PXがそれら自体で歯部システムの十分な係合力を既に提供していない限り、更なる能動的および受動的手段、特に磁石手段が、係合力をブーストするために存在していても良い。図41に示されるように、磁石手段13、14は、それらがステーター手段P1、PXによって生成された歯部システムの係合力を支援またはブースとするようなやり方で、コンバーター3の(内側および/または外側上の)円周状に配置されても良い。磁石手段は、例えば、リングまたはディスク12を有するかまたはそれからなり、磁極13(南極)と14(北極)が前記リングまたはディスク12の円周状に交互に配置されている。コンバーター3は、少なくともそれらのエリアにおいて、強磁性材料からなるかまたはそのような材料を有する。特に、コンバーター3上に働いている磁石手段のアクションの主方向は、モーターシャフト軸I−I’に対して放射状である。コンバーター3は、モーターシャフトの軸I−I’の周りのタンブリング動きを行い、そのタンブリング動きの間は、ロータリードライブが運用されていながら、ステーター手段からのコンバーター3の最小距離の角度位置がモーターシャフトの軸I−I’の周りで回転するおよび/または例えばロータリードライブのモーターシャフトが静止している時でさえ、あらゆる角度位置をとることができる。特に、この理由のために、永久磁石が、歯部システムの係合力を支援するための磁気的手段として好適であるのは、そのような磁石手段が、強磁性物体、例えばコンバーター3またはコンバーター3の強磁性領域、から短距離の領域、図41におけるxmin、において、比較的大きな距離の領域、図41におけるxmax、においてよりも大きな力を生成し、従って歯部システムの係合力を望ましいやり方で増加するからである。磁石手段は、例えば、多数の放射状に配置された永久磁石または放射状に磁化された材料または電磁石をもったディスクまたはリングを有するかまたはそれからなることができる。
特に、発明によるタイプのロータリードライブは、モーターハウジングの歯部システムNGの歯の数に対するコンバーターの第1の歯部システムNK1の歯の数の差が1であるおよび/またはモーターシャフトの歯部システムNWの歯の数に対するコンバーターの第2の歯部システムNK2の歯の数の差が1である、歯部システムを有することができる。
特に、発明によるタイプのロータリードライブは、歯部システムNK1、NK2、NGおよびNWについて、サイクロイド歯形状および/またはエボルベント歯形状を有することができる。
図42は、図3に描かれたロータリードライブの基本的変種を詳細な描写で示す。
図42に描かれた変種は各々、第1の本体1、第2の本体2および第3の本体3を有する。本体1と本体2は、共通の回転軸I−I’に対して同軸状に配置され、回転可能に載置される。回転ベアリングは図42には描かれていない。本体1は、歯部システムNGを有し、本体2は歯部システムNWを有する。歯部システムNGおよびNWは、回転軸I−I’に対して同軸状である。本体3は、2つの歯部システムNK1、NK2を有し、そこでは歯部システムNK1、NK2のピッチ円の中心点がローリング軸J−J’上に横たわる。歯部システムNK1は、歯部システムNGの中でロールすることができ、歯部システムNK2は、歯部システムNWの中でロールすることができる。ローリング軸J−J’は、回転軸I−I’に対して偏心率eを有する。
回転軸I−I’と垂直な平面において本体3上に働いている力を印加することができるアクチュエーターは、明確さの理由から図42には描かれていない。回転的にシフト可能なやり方で本体3を強制的にガイドするために存在していても良いが、システム中にいかなるエネルギーも入力しない偏心輪は、同じ理由から図42には描かれていない。
平面中で回転軸I−I’に垂直に働いており、回転軸I−I’の周りで偏心的に本体3をシフトする力は、アクチュエーターによって本体3に印加されることができ、そこでは本体3の軸J−J’が偏心率eをもった円形経路上の回転軸I−I’の周りを動く。この文脈では、歯部システムNK1は、歯部システムNGの中でロールし、歯部システムNK2は、歯部システムNWの中でロールし、その結果として、本体1は本体2に対して回転軸I−I’の周りを回転するようにされる。ロータリードライブのパワーは、本体1へと本体2へに分岐する。
もし本体1または2の一方が、例えばキャリア構造(ハウジング)に接続されていることによって、回転的に固定されたやり方でしっかり取り付けられていれば、ロータリードライブのパワーは、(モーター)シャフトになるもう一方の本体に完全に出力される。
もし本体1が、それがキャリア構造に接続されているという点で回転的に固定されていると仮定すれば、このキャリア構造はハウジング1と呼ばれ、本体2はシャフト2と呼ばれる。
第1の本体の歯部システムと第3の本体(コンバーター)の第1の歯部システムから形成された歯部システムペアリングは、第1のコンバーターステージ(伝送ステージ)を形成する。
第2の本体の歯部システムと第3の本体(コンバーター)の第2の歯部システムから形成された歯部システムペアリングは、第2のコンバーターステージ(伝送ステージ)を形成する。
図42に示された基本的変種は、特に、以下の特徴と性質を有する:
図42.1:歯部システムNK1が内部歯部システムであり、歯部システムNK2が外部歯部システムである:2つのコンバーターステージの回転速度は足し合わされる。シャフト2の回転方向は、コンバーター3のシフトの回転の方向と同じである。
図42.2:歯部システムNK1が外部歯部システムであり、歯部システムNK2が内部歯部システムである:2つのコンバーターステージの回転速度は足し合わされる。シャフト2の回転方向は、コンバーター3のシフトの回転の方向と反対である。
図42.3:歯部システムNK1とNK2が両方共内部歯部システムである:第1のコンバーターステージの回転方向は、電気的励磁パターンの回転の方向のそれと同じ方向であり、第2のコンバーターステージの回転方向は、前記電気的励磁パターンの回転の方向と反対である。2つのコンバーターステージの回転速度は対向する。結果として得られるシャフト2の回転方向は、第1のコンバーターステージの伝送比の第2のコンバーターステージのそれに対する関係に依存し、コンバーター3のシフトの回転の方向と同じ方向であるのとそれと反対であるのの両方であることができる。
図42.4:歯部システムNK1とNK2が両方共外部歯部システムである:第1のコンバーターステージの回転方向は、電気的励磁パターンの回転の方向と反対であり、第2のコンバーターステージの回転方向は、前記電気的励磁パターンの回転の方向と同じ方向である。2つのコンバーターステージの回転速度は対向する。結果として得られるシャフト2の回転方向は、第1のコンバーターステージの伝送比の第2のコンバーターステージのそれに対する関係に依存し、従ってコンバーター3のシフトの回転の方向と同じ方向であるのとそれと反対であることができる。
図43は、2つのシャフト2、4へのパワー分割を有するロータリードライブの更なる例示的実施形態を示す。
この文脈では、第1の本体と第2の本体は、キャリア構造1(ハウジング)中に回転可能に載置される。
回転可能に載置された第1の本体が、図43のシャフト4を構成する。回転可能に載置された第2の本体は、図43のシャフト2を構成する。両方のシャフトは、ベアリング手段8によって回転軸I−I’に対してハウジング1中に同軸状に載置される。シャフト4は、歯部システムNGを有する。シャフト2は、歯部システムNWを有する。コンバーター3は、ローリング軸J−J’に対して同軸状に配置された2つの歯部システムNK1とNK2を有する。ローリング軸J−J’は、回転軸I−I’に対して偏心率eを有する。コンバーター3の歯部システムNK1は、シャフト4の歯部システムNGの中でロールすることができ、コンバーター3の歯部システムNK2は、シャフト2の歯部システムNWの中でロールすることができる。コンバーター3全体は従って、偏心的に経典するやり方で歯部システムの中でロールすることができる。コンバーターのローリング軸J−J’のシャフトの回転軸I−I’に対する偏心率はeである。式(1)が適用され続けることができ、そこではΩが各場合においてシャフト4との関係でシャフト2の回転速度と回転方向を特定する。
もし両方のシャフト2、4が、その上に外部負荷トルクが掛ることができる出力シャフトであれば、図43に示されたロータリードライブは、偏心的に駆動されたディファレンシャルの性質を有する、即ち、ロータリードライブの電気機械的パワーは両出力シャフトの間で分配される。もし、例えば、シャフト2がハウジング1に対して固定されていれば、全ドライブパワーがシャフト4に伝送される。逆に、シャフト4が固定されている時には、全パワーがシャフト2に伝送される。もし両シャフト上に負荷トルクが働けば、ロータリードライブのドライブパワーは、両シャフトの間で分割される。2つのシャフトへのパワー分割の原理は、この出願でカバーされる発明によるロータリードライブの全てのデザインと変種に適用可能であり、その目的のために、第1の本体と第2の本体は回転可能に載置されシャフトとして具現化される。従って、異なる変種は別々には扱われない。但し、図43に描かれたロータリードライブの場合には、シャフトの1つが、(外部駆動された)入力シャフトであることもでき、それぞれのもう1つのシャフトが出力シャフト(出力シャフト)であることもできる。この目的のために、入力シャフトは、例えばチェーン、歯付きベルトのような機械的伝送手段によって、または例えば電気モーター、内燃機関エンジン、風力によって、油圧力によって、または水力によってのような何らかのその他のドライブによって、直接的または間接的に駆動されることができ、出力シャフトは、例えば車両のカムシャフト、コンプレッサーまたはジェネレーターのような負荷を駆動することができる。もし入力シャフトが機械的回転周波数ωEで回転すれは、コイル7.X,コア5.Xおよび磁極片6.Xを有するかそれらからなり、電気的回転周波数ωel=ωEをもった、図43に描かれた磁極P1、PXをもった電磁石のような、アクチュエーターの位相同期駆動によって、入力シャフトの出力シャフトへの位相硬直的な結合をもたらすことが可能であり、その間は、出力シャフトは、入力シャフトと同じ回転周波数をもって動く。ロータリードライブの入力シャフトの機械的パワーは、ここではコンバーター3を介した入力シャフトの出力シャフトへの積極的に係合する接続によって出力シャフトに伝送される。入力シャフト回転速度および/または出力シャフト回転速度を検出するために、ロータリードライブは、例えばホールセンサー、エンコーダーおよび電気的評価および駆動手段(駆動エレクトロニクスと動きを制御するためのソフトウェア)(図43には描写せず)のようなセンサー手段を有することができるか、または位置情報および/または負荷情報がアクチュエーターの電気的変数から抽出される。機械的回転周波数ωEに対してωelを増加するかまたは削減することによって、入力シャフトと出力シャフトの間に正または負の差動回転速度を設定することが可能である。差動回転速度は、ωelの周波数変調および/または位相変調を通して経時的に可変なやり方で構成されることができる。例えば、ωelの周期的な周波数変調および/または位相変調を通して、ωEの機械的位相での入力シャフトに対する出力シャフトの前進した方向および/または後退した方向における周期的な調節を行うことが可能である。図43に示されているロータリードライブは従って、位相シフターの機能を行うことができる。そのような位相シフターは、例えば、特性ダイアグラムの関数として入口バルブと出口バルブを制御するために車両内燃機関エンジンにおけるカムシャフトの調節のために、使われる。特に、ロータリードライブの出力シャフトのメインドライブパワーは、ここでは入力シャフトによって利用可能とされる一方で、ロータリードライブは、位置係合を維持するのにと入力シャフトに対して出力シャフトを調節するのに要求されるパワーを利用可能にする。シャフト2,4とコンバーター3の間の積極的に係合する力フラックス(force flux)を支援するために、コンバーター3は、例えば偏心輪を使って、それが軸J−J’の周りの旋回に対して回転され、軸I−I’に対して偏心的に動かされることができるようなやり方で、載置されることができる。偏心輪のためのパワー要求は、後者が同調されている(entrained)ので、低い。加えて、偏心輪は、好適な質量分布を通して、コンバーターの偏心動きによって引き起こされた不均衡を補償することの役目を果たすことができる。入力シャフトと出力シャフトは、それらの機能において交換されることができる、即ち、図43におけるシャフト2、4の各々は、入力シャフトかまたは出力シャフトとしての役目を果たすことができる。
図44は、ロータリードライブの斜視図、その機能的エレメンツおよびそれらの配置を示す。図44aは、なかんずく、ハウジング1、シャフト2およびシャフト2のためのベアリング手段8をもった、組み立てられたロータリードライブを示す。図44bは、電磁石のコイル巻回7をもったステーター5と、強磁性材料で作られたコンバーター3のリング3.3を示す。図44cは、代わりにコンバーター3をもったステーター5を前面図で示し、図44dに後面図で示す。図44fに描かれたように、コンバーター3は、強磁性リング3.3、中空の車軸3.4と、2つの歯車3.1と3.2から構築されることができる。構築されたデザインは、コンバーターの製造を許容し、要求に適合された材料が使われることができる。
この目的のために、エレメンツ3.1、3,2、3.3、3.4は、お互いに機械的に接続される。このようにして形成されたコンバーター3は、シャフト歯部システムNWの中でロールすることができる、外部歯部システムNK2をもった歯車3.2を有する、図44c参照。コンバーター3の歯車3.1は、ハウジング歯部システムNGに中でロールすることができる、外部歯部システムNK1を有する、図44d参照。ロータリードライブの個々のコンポーネンツの配置は、特に図44eの断面図において、見られることができる。電磁石のステーター5、磁極片6、コイル巻回7と、強磁性材料で作られたコンバーターの中空の車軸3.4、リング3.3と、シャフト2と、歯車3,1、3.2は、部分的に視認可能である。図44gに示されるように、コンバーター3は、シャフト2上に載置された偏心輪9を通してガイドされることができる。不均衡に付いて補償するために、偏心輪9は、質量16と切り抜き15によって形成された、その回転軸に対して非対称的な質量分布を有し、偏心輪の重心が回転軸に対してコンバーターの重心と反対であるという結果となる。偏心輪9は、シャフト2上にその内部表面9.1によって、およびコンバーター3の中空の車軸3.4中にその外部表面9.2によって、回転可能に載置される。
発明による例のロータリードライブは、特に:
− 少なくとも1つの歯部システムをもった少なくとも1つのモーターシャフト、
− 少なくとも1つの歯部システムをもったモーターハウジング、または歯部システム無しで少なくとも1つの歯部システムをもった第2のモーターシャフトをもったモーターハウジング、
− モーターシャフト軸に対して放射状の方向に動くことができ、お互いに対して同心円状に配置されモーターハウジングとモータ−シャフトの歯部システムの中でロールすることができる少なくとも2つの歯部システムを有するエレメント、
− 偏心回転動きを許容する、モーターシャフトとモーターハウジングの間の可動なエレメントの配置、
− 可動なエレメント上に働く機械的力を生成するための切り替え可能なステーター手段、
− 切り替え可能なステーター手段を駆動するための手段、
− 切り替え可能なステーター手段の電気的変数を検出するための手段、
− 可動なエレメントの位置を検出するための手段。
を有することができる。
発明によるドライブ原理は、比較的シンプルなデザインで、小さなスペースにおける高い伝送比、高いトルク、高いレベルの位置決め精度および高いレベルのダイナミクスをもった、電気的に制御可能なロータリードライブを許容する。