JP2014514599A5 - - Google Patents

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Description

マルチ凹面メニスカス壁を具備するレンズ
(関連出願の相互参照)
本出願は、2012年2月22日出願の米国特許出願第13/401,962号;2011年3月18日出願の米国仮特許出願第61/454,212号、表題「LENS WITH MULTI−CONCAVE MENISCUS WALL」(参照することにより、これらの内容に依拠し、かつこれらを援用する)、並びに2011年4月27日に出願の米国特許出願第13/095,786号、表題「ARCUATE LIQUID MENISCUS LENS」の優先権を主張するものであり、参照することによりこれらのそれぞれの内容に依拠し、かつこれらを援用する。
(発明の分野)
本発明は、概して、液体メニスカスレンズに関し、より具体的には、マルチ凹面セグメントを含むメニスカス壁を備える弓形液体メニスカスレンズを含む。
液体メニスカスレンズは、様々な産業において公知である。図1A及び1Bを参照しながら以下により詳細に説明されるように、既知の液体メニスカスレンズは、直線である軸線から固定された距離の点により形成される周囲表面によって円柱形状に設計されていた。既知の液体メニスカスレンズは、一般に第2の内面に平行であり、それぞれが円柱軸線に対して垂直である第1の内面を有する設計に制限されてきた。液体メニスカスレンズの使用の既知の例としては、電子カメラ及び携帯電話装置等の装置が挙げられる。
従来、コンタクトレンズ及び眼内レンズ等の眼科用装置には、矯正、美容又は治療的性質を有する生体適合性装置が挙げられている。例えば、コンタクトレンズは、視力矯正機能、美容効果、及び治療効果のうちの1つ又は2つ以上を提供することができる。それぞれの機能は、レンズの物理的特性によって与えられる。レンズに屈折性を組み込んだ設計によれば、視力矯正機能を与えることができる。レンズに顔料を組み込むことによって、美容効果を与えることができる。レンズに活性薬剤を組み込むことによって、治療効果を与えることができる。
より最近では、電子成分がコンタクトレンズに組み込まれた。いくつかの要素としては半導体装置が挙げられる。しかしながら、液体メニスカスレンズの大きさ、形状及び制御態様を含む物理的制約が、眼科用レンズにおけるそれらの使用を不可能にしてきた。一般に、「ホッケーパック」形状と呼ばれることがある、液体メニスカスレンズの円柱形状は、ヒトの眼で機能できる何かを助長してこなかった。
更に、湾曲液体メニスカスレンズは、平行な側壁を有する液体メニスカスレンズの従来の設計に必ずしも存在しない物理的課題を含む。
したがって、本発明は、弓形前方湾曲レンズと弓形後方湾曲レンズとを含む液体メニスカスレンズを提供する。レンズ内に収容される液体を引き寄せる、及び退ける、のうちの1つ又はその両方を助長し、別の液体とメニスカスを形成する物理的特色を有するメニスカス壁が、本発明に含まれる。
本発明によると、第1の弓形形状の光学部品は、第2の弓形形状の光学部品に隣接し、それらの間に空洞を形成する。生理食塩水溶液及び油は、空洞内に維持される。一般に、第1の弓形光学部品及び第2の弓形光学部品のうちの1つ又はその両方の周囲区域に位置するメニスカス壁に電圧を適用することにより、空洞内に維持される生理食塩水溶液と油との間に形成されるメニスカスの物理的形状が変化する。
本発明は、複合形状に形成されたメニスカス壁を含み、このメニスカス壁は本質的にマルチ凹面セグメントを具備し、その断面は互いに機械的に連通した複数の円環体セグメントを含む。
第1状態における従来の円柱形液体メニスカスレンズの例。 第2状態における従来の円柱形液体メニスカスレンズの例。 本発明のいくつかの実施形態による、代表的な液体メニスカスレンズのプロファイル切り出し断面。 本発明のいくつかの実施形態による、代表的な弓形液体メニスカスレンズの一部分の横断面。 弓形液体メニスカスレンズの更なる代表的な態様。 本発明の一部の実施形態による、弓形液体メニスカスレンズ内の液体メニスカス壁要素。 その非屈折状態の液体メニスカス境界を示す、液体メニスカスレンズ内のマルチ凹面メニスカス壁。 その屈折状態の液体メニスカス境界を示す、液体メニスカスレンズ内のマルチ凹面メニスカス壁。 比較のために、1つの図で液体メニスカス境界の屈折状態及び非屈折状態を示す、液体メニスカスレンズ内のマルチ凹面メニスカス壁。 弓形液体メニスカスレンズの残部とは別個に見たマルチ凹面メニスカス壁の断面。 レンズ内に形成された光学軸から凹面をなしているメニスカス壁の1セグメントの断面を示す図であり、弓形液体メニスカスレンズの残部から別個に見たときに、結果として得られた形状は円環体のセグメントを含む。
本発明は、液体メニスカスレンズのメニスカス空洞を画定する前方湾曲レンズ及び後方湾曲レンズのうちの少なくとも1つを有する液体メニスカスレンズを提供する。
用語集
本発明を対象としたこの説明及び特許請求の範囲においては、以下の定義が適用される様々な用語が用いられ得る。
接触角:液体メニスカス境界とも呼ばれる、油/生理食塩水溶液の境界面が、メニスカス壁と接触する角度。線状のメニスカス壁の場合、接触角は、メニスカス壁と、液体メニスカス境界がメニスカス壁と接触する点で液体メニスカス境界に接する線との間の角度として測定される。湾曲メニスカス壁の場合、接触角は、メニスカス壁に接する線とそれらが接触する点で液体メニスカス境界との間の角度として測定される。
液体メニスカス境界:生理食塩水溶液と油との間の弓形表面境界面。一般に、この表面は、片側が凹状でもう片側が凸状であるレンズを形成する。
メニスカス空洞:油及び生理食塩水溶液が維持される前方湾曲レンズと後方湾曲レンズとの間の弓形液体メニスカスレンズのスペース。
メニスカス壁:メニスカス空洞内にあり、それに沿って液体メニスカス境界が移動する、前方湾曲レンズの内側上の特定区域。
光学ゾーン:本明細書で使用する場合、眼科用レンズの装用者がそこを通して見ることになる、眼科用レンズの領域を指す。
部:光学部品上の2つの所定の流体の接触線の位置を収容するために十分な、前方湾曲レンズ部品又は後方湾曲レンズ部品のいずれかの内側面の幾何学的特徴。角部は通常、入隅よりむしろ出隅である。流体の観点からすれば、それは、180度を超える角度である。
ここで図1Aを参照すると、シリンダ110内に収容される油101及び食塩水溶液102を有する先行技術のレンズ100の断面図が図示される。シリンダ110は、2つの光学材料106のプレートを含む。それぞれのプレート106は、平坦な内面113〜114を含む。シリンダ110は、本質的に回転対称である内面を含む。一部の従来の実施形態では、1つ以上の表面は、疎水性コーティングを含むことができる。電極105も、シリンダの周囲上又はその周りに含まれる。電気絶縁体もまた、電極105に隣接して使用され得る。
従来技術によると、内面113〜114のそれぞれは、本質的に平坦又は平面的である。境界面112Aは、生理食塩水102Aと油101との間に画定される。図1Aに示すように、界面112Aの形状は、生理食塩水溶液102A及び油101の屈折率特性と組み合わされて、第1の内面113を通して入射光108を受容し、第2の内面113を通して発散光109を提供する。油101と生理食塩水溶液102との間の境界面の形状は、電極105に電流を印加することにより変化され得る。
図100Aは、100で図示される従来のレンズの斜視図を図示する。
ここで図1Bを参照すると、従来のレンズ100は、通電された状態で図示される。電圧を印加した状態は、電極115にわたって電圧114を印加することによって達成される。油101と生理食塩水溶液102との間の境界面112Bの形状は、電極115に電流を印加することにより変化される。図1Bに図示されるように、油101及び生理食塩水溶液102Bを通過する入射光108Bは、収束光パターン111に収束される。
ここで図2を参照すると、前方湾曲レンズ201及び後方湾曲レンズ202を有する液体メニスカスレンズ200の断面図が図示される。前方湾曲レンズ201と後方湾曲レンズ202は、相互に隣接して位置し、それらの間に空洞210を形成する。前方湾曲レンズは、凹状弓形内側レンズ表面203と、凸状弓形外側レンズ表面204とを含む。凹状弓形レンズ表面203は、1つ以上のコーティング(図2に図示せず)を有することができる。コーティングは、例えば、導電性の材料又は電気的に絶縁性の材料、疎水性材料又は親水性材料のうちの1つ以上を含むことができる。凹状弓形レンズ表面203及びコーティングのうちの1つ又は両方は、空洞210内に収容される油208と液体及び光学連通している。
後方湾曲レンズ202は、凸状弓形内側レンズ表面205と、凹状弓形外側レンズ表面206とを含む。凸状弓形レンズ表面205は、1つ以上のコーティング(図2に図示せず)を有することができる。コーティングは、例えば、導電性の材料又は電気的に絶縁性の材料、疎水性材料又は親水性材料のうちの1つ以上を含むことができる。凸状弓形レンズ表面205及びコーティングのうちの少なくとも1つは、空洞210内に収容される生理食塩水溶液207と液体及び光学連通している。生理食塩水溶液207は、導電性である1つ以上の塩又は他の成分を含み、そのため、電荷に引き寄せられるか、又はそれによって退けられるかのいずれかであり得る。
本発明によると、導電性のコーティング209は、前方湾曲レンズ201及び後方湾曲レンズ202のうちの1つ又はその両方の周辺部の少なくとも一部分に沿って位置する。導電性のコーティング209は、金又は銀を含むことができ、好ましくは生体適合性である。電圧を導電性のコーティング209に適用することにより、生理食塩水溶液中の導電性の塩又は他の成分を引き寄せるか、又は退けるかのいずれかを生じさせる。
前方湾曲レンズ201は、凹状弓形内側レンズ表面203及び凸状弓形外側レンズ表面204を通過する光に関して屈折力を有する。屈折力は、0であるか、又は正若しくは負の力であってもよい。一部の好ましい実施形態では、屈折力は、非限定的な例として、−8.0〜+8.0ジオプターの度数等の矯正コンタクトレンズに典型的に見られる度数である。
後方湾曲レンズ202は、凸状弓形内側レンズ表面205及び凹状弓形外側レンズ表面206を通過する光に関して屈折力を有する。屈折力は、0であるか、又は正若しくは負の力であってもよい。一部の実施形態では、屈折力は、非限定的な例として、−8.0〜+8.0ジオプターの度数等の矯正コンタクトレンズに典型的に見られる度数である。光学軸212は、後方湾曲レンズ202及び前方湾曲レンズ201を通って形成される。
様々な実施形態はまた、生理食塩水溶液207と油との間に形成される液体メニスカス211の形状の変化に関連する屈折力の変化も含むことができる。一部の実施形態では、屈折力の変化は、例えば、0〜2.0ジオプターの変化等、比較的小さくてもよい。他の実施形態では、液体メニスカスの形状の変化に関連する屈折力の変化は、最大約30又はそれ以上のジオプターの変化であってもよい。一般に、液体メニスカス211の形状の変化に関連するより大きな屈折力の変化は、比較的より厚いレンズ厚213に関連する。
コンタクトレンズ等の眼科用レンズに含まれ得るそれらの実施形態等の本発明のいくつかの実施形態によると、弓形液体メニスカスレンズ200の横断レンズ厚213は、最大約1,000マイクロメートルの厚さである。比較的より薄いレンズ200の代表的なレンズ厚213は、最大約200マイクロメートルの厚さである。好ましい実施形態は、約600マイクロメートルの厚さのレンズ厚213の液体メニスカスレンズ200を含むことができる。一般に、前方湾曲レンズ201の横断厚は、約35マイクロメートル〜約200マイクロメートルであってよく、後方湾曲レンズ202の横断厚はまた、約35マイクロメートル〜約200マイクロメートルであってもよい。
本発明によると、集合屈折力は、前方湾曲レンズ201、後方湾曲レンズ202、及び油208と生理食塩水溶液207との間に形成される液体メニスカス211の屈折力の集合である。いくつかの実施形態では、レンズ200の屈折力は、前方湾曲レンズ201、後方湾曲レンズ202、油208、及び生理食塩水溶液207のうちの1つ以上の間での屈折率の差も含む。
コンタクトレンズに組み込まれる弓形液体メニスカスレンズ200を含むそれらの実施形態では、コンタクト着用者が動くため、生理食塩水207及び油208が、湾曲した液体メニスカスレンズ200内のそれらの相対位置で安定した状態を保つことが、更に望ましい。一般に、着用者が動くとき、油208が、生理食塩水207に対して浮動かつ移動するのを防止することが好ましく、したがって、油208と生理食塩水溶液207との組み合わせは、好ましくは、同一又は類似する密度で選択される。加えて、油208と生理食塩水溶液207は、生理食塩水207と油208が混合しないように、好ましくは、比較的低い不混和性を有する。
一部の好ましい実施形態では、空洞内に収容される生理食塩水溶液の容積は、空洞内に収容される油の容積より大きい。加えて、一部の好ましい実施形態は、後方湾曲レンズ200の内面205の全体と本質的に接触する生理食塩水溶液207を含む。いくつかの実施形態は、生理食塩水溶液207の量と比較して、約66容積%以上である容積の油208を含むことができる。一部の更なる実施形態は、生理食塩水溶液207の量と比較して、油208の容積が約90容積%以下である、弓形液体メニスカスレンズを含むことができる。
ここで図3を参照すると、端部分の弓形液体メニスカスレンズ300の断面が図示される。上述のように、弓形液体メニスカスレンズ300は、組み合わされた前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302成分を含む。前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302は、少なくとも部分的に透明である1つ以上の材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方は、例えば、PMMA、Zeonor及びTPX等のうちの1つ以上の一般に光学的に明澄なプラスチックを含む。
前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又は両方は、例えば単刃ダイヤモンド旋削旋盤加工、射出成形、デジタルミラー装置自由形成等のうちの1つ以上のプロセスを介して成形され得る。
前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のちの1つ又はその両方は、図示される導電性コーティング303を含むことができ、導電性コーティング303は、309〜310までの周囲部分に沿って延在する。一部の好ましい実施形態では、導電性コーティング303は、金を含む。金は、スパッタプロセス、蒸着又は他の公知のプロセスによって適用され得る。代替的な導電性コーティング303は、非限定的な例として、アルミニウム、ニッケル、及びインジウムとスズの酸化物を含むことができる。一般に、導電性コーティング303は、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又は両方の周囲区域に適用される。
本発明のいくつかの実施形態では、後方湾曲レンズ302は、特定の区域に塗布される導電性コーティング304を有する。例えば、後方湾曲レンズ302の周囲の周りの部分は、第1の境界線304−1〜第2の境界線304−2まで被覆され得る。金コーティングは、例えば、スパッタプロセス又は蒸着によって適用され得る。いくつかの実施形態では、前方湾曲レンズ301又は後方湾曲レンズ302の1つ以上の周囲部分の周りに、所定のパターンで、金又は他の導電材料を適用するために、マスクが使用され得る。代替の導電材料は、様々な方法を使用し、かつ後方湾曲レンズ302の様々な区域を被覆することにより適用され得る。
いくつかの実施形態では、例えば後方湾曲レンズ302の1つ以上の穴又はスロット等を通る導電性通路は、例えば、導電性エポキシ等の導電性充填剤材料で充填され得る。導電性充填剤は、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方の内面上の導電性コーティングとの電気的導通を提供することができる。
本発明の別の態様において、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの一方又はその両方は、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302(図示せず)の一般に中央区域の光学ゾーンが光学的に透明な材料を含むことができ、周辺部ゾーンが導電性の材料を含む光学的に不透明な区域を含むことができる、複数の異なる材料から作製され得る。光学的に不透明な区域はまた、制御回路及びエネルギー源のうちの1つ以上を含むこともできる。
更に別の態様において、いくつかの実施形態では、絶縁体コーティング305が前方湾曲レンズ301に適用される。非限定的な例として、絶縁体コーティング305は、第1の領域305−1〜第2の領域305−2に延在する区域に適用される。絶縁体は、例えば、パリレンC(Parylene C)、テフロンAF(Teflon AF)、又は様々な電気的及び機械的特性並びに電気抵抗を備える他の材料を含むことができる。
いくつかの実施形態では、絶縁体コーティング305は、導電性コーティング303と、前方湾曲レンズ301と後方湾曲レンズ302との間の空洞内に収容される生理食塩水溶液306との間の分離を維持するための境界区域を作り出す。したがって、いくつかの実施形態は、正に帯電した導体303と負に帯電した生理食塩水溶液306が接触するのを防止するために、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方の1つ以上の区域でパターン化され、かつそこに位置付けられる絶縁体コーティング305を含み、導体303と生理食塩水溶液306の接触は、電気的短絡をもたらす。実施形態は、正に帯電した生理食塩水溶液306と負に帯電した導体303を含むことができる。
更に他の実施形態は、レンズ300の操作に関連する回路のリセット機能として、導体303と生理食塩水溶液306との間の短絡を可能にすることができる。例えば、短絡状態は、レンズへの電源を分断し、生理食塩水溶液306及び油307をデフォルト位置に回復させる。
一部の好ましい実施形態は、空洞311の内側上の区域309〜空洞311の外側の区域310に延在する導体303を含む。他の実施形態は、例えば、防水導電性エポキシ等の導電材料313で充填され得る、前方湾曲レンズ又は後方湾曲レンズを通るチャネル312を含むことができる。導電材料313は、空洞の外側に電気端子を形成する、又はそれに接続され得る。電圧は、端子に印加され、チャネル312の導電材料313を介してコーティングに伝導され得る。
絶縁体コーティング305の厚さは、レンズ性能のパラメータとして変化し得る。本発明によると、生理食塩水溶液306及び導体303を含む帯電した成分は、一般に、絶縁体コーティング305のいずれかの側に維持される。本発明は、絶縁体コーティング305の厚さと、生理食塩水溶液306と導体303との間の電場との間に間接的関係を提供し、生理食塩水溶液306及び導体303がより遠く離れて維持されるほど、電場は弱くなる。
一般に、本発明は、絶縁体コーティング305の厚さが増すと、電場の強さが劇的に落ちることを提供する。場がより近ければ、一般に球状液体メニスカス境界線308を移動するためのエネルギーがより利用可能になる。生理食塩水溶液306と導体303との間の距離が増すと、生理食塩水溶液306と導体コーティング303の電場がより遠くに離れ、したがって、球状メニスカス境界線308を移動させることがより困難になる。反対に、絶縁体コーティング305がより薄ければ、球状液体メニスカス308の移動が絶縁体コーティング305の欠陥に対してより敏感になる。一般に、絶縁体コーティング305の比較的小さい穴でも、レンズ300を短絡させる。
いくつかの実施形態では、同様にレンズ300内に収容される油307の密度と一般に同じ密度で生理食塩水溶液306を含むことが望ましい。例えば、生理食塩水溶液306は、好ましくは、油307の密度の10%以内である密度を含み、より好ましくは、生理食塩水溶液306は、油の密度の5%以内の密度、最も好ましくは約1%以内の密度を含む。いくつかの実施形態では、生理食塩水溶液306内の塩又は他の成分の濃度は、生理食塩水溶液306の密度を調節するように調節され得る。
本発明によると、弓形液体メニスカスレンズ300は、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302に関して油307の移動を制限することにより、より安定した光学品質を提供する。弓形前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方に関して油307の移動の安定性を維持する1つの方法は、油307と生理食塩水溶液306の相対的に一致する密度を維持することである。加えて、前方湾曲レンズ301と後方湾曲レンズ302の両方の内面の湾曲設計により、生理食塩水溶液306の層の相対的な深度又は厚さは、従来の円柱レンズ設計と比較して減少する。したがって、油の移動及び油306と生理食塩水溶液307との間のメニスカスの破損の可能性を回避するために、レンズ300内の油の位置の安定性が増す。
一部の好ましい実施形態では、生理食塩水溶液306は、比較的高い屈折率を提供する油307と比較して、低い屈折率を提供する。しかしながら、いくつかの実施形態では、油307と比較して高い屈折率を有する生理食塩水溶液306を含むことが可能であるが、そのような場合、油は、比較的低い屈折率を提供する。
前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302を相互に隣接した位置に固定するために接着剤308が使用されてよく、それによって、油307及び生理食塩水溶液306をそれらの間に保持する。接着剤308は、湾曲した液体メニスカスレンズ300から生理食塩水306又は油307の漏れがないように、シールとしての機能を果たす。
ここで図4を参照すると、生理食塩水溶液406と油407との間の液体メニスカス境界線401を備える湾曲した液体メニスカスレンズ400が図示される。一部の好ましい実施形態によると、メニスカス壁405は、402と403との間に延在する弓形壁の第1の角度の急な変化によって前方湾曲レンズ404に画定される。液体メニスカス境界線401は、1つ以上の導電体コーティング又は導電材料408に沿って電圧が印加され、除去されると、メニスカス壁405を上下に移動させる。
一部の好ましい実施形態では、導電性コーティング403は、生理食塩水溶液406及び油407を保有する空洞409の内側の区域から、生理食塩水溶液406及び油407を収容する空洞409の外側の区域に延在する。そのような実施形態では、導電性コーティング403は、空洞409の外側の点において導電性コーティング403に印加された電圧の、空洞内の導電性コーティングの区域への管路であり、生理食塩水溶液406と接触してもよい。
ここで図5を参照すると、前方湾曲レンズ501及び後方湾曲レンズ502を有する弓形液体メニスカスレンズ500の端部分の断面図が示される。弓形液体メニスカスレンズ500は、生理食塩水溶液503及び油504を収容するために使用され得る。弓形液体メニスカスレンズ500の幾何学構造並びに生理食塩水溶液503及び油504の特性は、生理食塩水溶液503と油504との間の液体メニスカス境界線505の形成を容易にする。
一般に、液体メニスカスレンズは、前方湾曲レンズ501及び後方湾曲レンズ502上に存在する、又はそれらを通る導電性コーティング、絶縁体コーティング、経路、及び材料のうちの1つ以上を有するコンデンサとして見ることができる。本発明によると、液体メニスカス境界505の形状、それによる液体メニスカス境界505と前方湾曲レンズ501との間の接触角は、前方湾曲レンズ501及び後方湾曲レンズ502のうちの1つ又は両方の少なくとも一部分の表面に印加される電圧に反応して変化する。
本発明によると、導電性のコーティング又は材料を介して生理食塩水溶液に印加される電流の変化は、メニスカス壁506に沿って液体メニスカス境界505の位置を変化する。第1の角部506−1と第2の角部506−2との間で移動が生じる。
好ましい実施形態では、液体メニスカス境界505は、第1の規模の電流がレンズに印加されるとき、例えば、電圧及び電流が非屈折状態、つまり静止状態と相関するとき等、第1の角部506−1にある、又はその付近にある。
第1の屈折状態とも呼ばれることもある第2の規模の電流の印加は、一般に第2の角部506−2の方向へのメニスカス壁506に沿った液体メニスカス境界505の移動と相関し、液体メニスカス境界の形状を変化させることができる。以下に詳述されるように、本発明によると、メニスカス壁に沿って含まれる複数の角部のそれぞれは、それぞれの屈折状態に関連付けられてよい。
いくつかの実施形態では、メニスカス壁506は平滑面である。滑らかなメニスカス壁506は、絶縁体コーティングの欠陥を最小化してもよい。更に、表面テクスチャーのランダム不規則性は、不均一な流体動作を生じ、それによりレンズに印加又は印加しないとき、不均一又は予期しないメニスカス動作を生じてもよいため、滑らかなメニスカス壁506が好ましい。一部の好ましい実施形態では、平滑なメニスカス壁は、メニスカス壁506に沿って約1.25ナノメートル〜5.00ナノメートルの範囲の山谷測定値を含む。
別の態様、一部の実施形態では、ナノ加工した表面等の規定テクスチャーが弓形液体メニスカスレンズの設計に組み込まれてもよい場合、メニスカス壁506は、疎水性であることが望ましい。
更に、別の態様、一部の実施形態では、メニスカス壁506は、レンズの光軸に対する角度であってもよい。角度は、0°(又は光学軸に平行)〜90°付近(光学軸に対して垂直)の範囲であることができる。図示されるように、一部の好ましい実施形態では、メニスカス壁506の角度は、弓形液体メニスカスレンズが、液体メニスカス境界505と絶縁体被覆されたメニスカス壁506との間の所与の電流接触角で機能するために、一般に、約30°と50°との間である。異なる材料を使用することにより、又は望遠視覚等の異なる光対物により、メニスカス壁506の角度は、0°又は90°に近くてもよい。
本発明によれば、メニスカス壁506の角度は、特定の電圧及び電流の印加時に、メニスカス壁506に沿ったある規模の移動に対応するように設計されてもよい。一部の実施形態では、メニスカス壁506の角度が増大すると、レンズの度を変更する能力が一般に所定のレンズの大きさ及び電圧パラメータ内に減少する。加えて、メニスカス壁506が光学軸に対して0°である、又はそれ付近である場合、液体メニスカス境界線505は、前方光学部品上にほぼ直線に導かれる。メニスカス壁の角度は、レンズの性能の様々な結果を提供するように調整され得るいくつかのパラメータのうちの1つである。
一部の好ましい実施形態では、メニスカス壁506は、約0.265mmの長さである。しかし、レンズ全体のサイズとともにメニスカス壁506の角度は自然に、様々な設計のメニスカス壁506の長さに影響を与える。
弓形液体メニスカスレンズ500は、油504が後方湾曲レンズ502に接触する場合、故障すると一般に考慮されてもよい。したがって、好ましい実施形態では、メニスカス壁506は、第1の角部506−1と後方湾曲レンズ502との間に50マイクロメートルの最小限の離隔距離が可能になるように設計される。他の実施形態では、離隔距離が減少すると、レンズ破損の危険性が増加するが、最小限の離隔距離は、50マイクロメートル未満であってもよい。他の実施形態では、離隔距離は、レンズ故障の危険性を軽減するために増大されてもよいが、レンズ全体の厚さもまた増大をし、これも望ましくない。
更に、本発明の一部の好ましい実施形態の別の態様では、メニスカス壁506に沿って移動するように、液体メニスカス境界505の挙動は、ヤングの式を使用して、外挿されてもよい。ヤングの式は、乾いた表面上の湿った滴によって引き起こされる力の平衡を定義し、完全に平らな表面を仮定するが、基本的特徴は、弓形液体メニスカスレンズ500内に生成される電気的に浸水されたレンズ環境に印加され得る。
第1の規模の電気エネルギーは、例えばレンズが非屈折状態になるとき等、レンズに印加されてよい。第1の規模の電気エネルギーの印加中は、油504と生理食塩水溶液503との間で界面エネルギーの平衡が達成される。このような状態は、本明細書において液体メニスカス境界線505と呼ばれることがある。油504とメニスカス壁506、及び生理食塩水溶液503とメニスカス壁506は、液体メニスカス境界線505とメニスカス壁506との間に平衡接触角を形成する。電圧の大きさの変化を弓形液体メニスカスレンズ500に印加すると、界面エネルギーの平衡が変化し、液体メニスカス境界505とメニスカス壁506との間の接触角度に対応する変化が生じる。
絶縁体コーティングされたメニスカス壁506を有する液体メニスカス境界505の接触角は、液体メニスカス境界505の移動ヤングの式の役割に起因するだけではなく、接触角がメニスカス移動を制限するために弓形液体メニスカスレンズ500の他の特徴と連結して使用されるため、弓形液体メニスカスレンズ500の設計及び機能の重要な要素である。
メニスカス壁506の両端部で角部506−1、506−2等の不連続部は、液体メニスカス接触角の十分大きな変化をもたらす電圧の大きな変化を必要とし、角部のうちの1つを超えて液体メニスカス境界505を移動させるため、液体メニスカス505の移動のための境界としての機能を果たす。限定されない例として、一部の実施形態では、第2の角部506−2より下の工程507を有する液体メニスカス境界505の接触角が恐らく90〜130°の範囲内であり、一部の好ましい実施形態では、約110°である一方、メニスカス壁506を有する液体メニスカス境界505の接触角は、15〜40°の範囲内である。
レンズへの印加電圧は、液体メニスカス境界線505をメニスカス壁506に沿って第2の角506−2に向かって移動させ得る。液体メニスカス境界線505と絶縁体被覆されたメニスカス壁506との自然接触角は、顕著により大きい電圧が供給されない限り、液体メニスカス境界線505を第2の角506−2にとどまらせる。
メニスカス壁506の1つの端部で、第1の角部506−1は一般に、液体メニスカス境界505が典型的に超えて移動しない1つの制限を画定する。一部の実施形態では、第1の角部506−1は、角部縁として構成される。他の好ましい実施形態では、第1の角部506−1は、故障のより少ない可能性で生成され得る画定された小さな半径を持つ表面を有する。導電性、絶縁体、及び他の可能性がある望ましいコーティングは、半径を持つ表面の画定された半径を持つ縁がより確実にコーティングされ得る一方、角部縁の上に均一に、予想通りに付着しなくてもよい。
いくつかの実施形態では、第1の角部506−1は、約10マイクロメートルの画定された半径を有する約90°の角度で構築される。角部はまた、90°未満の角度で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、90°より大きい角度の角部、角部の頑丈さを向上するために使用され得るが、その設計はより大きいレンズ空間を取る。
様々な実施形態では、角部506−1、506−2の画定された半径は、5マイクロメートル〜25マイクロメートルの範囲内であってもよい。より大きな画定された半径は、レンズ設計の厳しい精度内のより多くの空隙の使用を費やすが、コーティングの信頼性を向上させるように使用されてもよい。この点では、レンズ設計の多くの他の区域にあるように、構成の容易さとレンズ機能の最適化と最小化サイズとの間にトレードオフが存在する。機能的、信頼性のある弓形液体メニスカスレンズ500は、幅広い変数を使用して作製されてもよい。
第2の角部506−2は、弓形液体メニスカスレンズ500に電圧が印加されるとき、油の移動を制限するように設計される特徴を含む。第2の角部506−2は、また、一部の実施形態では、概ね先の尖った端部を含むこともでき、又は他の実施形態では、第2の角部506−2は5〜25マイクロメートル、最も好ましくは10マイクロメートルの確定した半径を含んでもよい。半径10マイクロメートルは、角部としてよく機能し、単刃ダイヤモンド旋削旋盤加工又は射出成形のプロセスに使用して生成され得る。
前方湾曲レンズ501の光学区域508の開始部分まで延在する、垂直又はほぼ垂直のステップ507は、メニスカス壁506に対向する第2の角部506−2の側に含まれてよい。いくつかの実施形態では、ステップ507は120マイクロメートルの高さであるが、50〜200マイクロメートルの範囲であってよい。
いくつかの実施形態では、ステップ507は、光学軸から約5°の角度をなしてよい。他の実施形態では、ステップ507の角度は、1°若しくは2°程に小さくてもよく、又は5°を超える角度であってもよい。光軸からより小さな角度である工程507は一般に、液体メニスカス境界505の接触角のより大きな変化を必要とし、メニスカス壁506から工程507に移動させるため、メニスカス移動のより有効なリミッタとしての機能を果たす。工程507から光学区域508の始まりまでの遷移は、半径25マイクロメートルである。より大きな半径は、レンズ設計内のより多くの空隙を不必要に消費する。より小さな半径は、可能であり、空隙を得るために必要な場合、実行されてもよい。レンズ内の他のものと同様にこの区域内の理論的角部よりむしろ画定された半径を使用する決定は、部分的に、レンズ要素のための射出成形プロセスへの可能性のある移動に基づく。工程507と光学区域508の始まりとの間の曲線は、射出成形プロセスの間、塑性流れを向上させ、最適強度及び応力ハンドリングを有するレンズを生じる。
ここで、図6Aを参照すると、いくつかの実施形態において、液体メニスカスレンズに含まれ得るマルチ凹面メニスカス壁601が描かれている。マルチ凹面メニスカス壁601は、液体メニスカスレンズを通して形成される光学軸に対して凹面をなす複数のセグメントを具備する。光学軸に対して凹面をなす複数のセグメントは、光学軸に関連した他の形状(例えば、直線形状、凸形状、又は段形状)を含むメニスカス壁のセグメントを点在させている場合もあれば点在させていない場合もあり得る。また、他の形状の特色及びセグメントも点在させてもよい。
一部の実施形態では、マルチ凹面メニスカス壁は、油602及び生理食塩水溶液603を含有する弓形液体メニスカスレンズ内の光軸から45度(45°)の角度で配置され得る。一部の実施形態では、液体メニスカス境界604Aは、マルチ凹面メニスカス壁601に印加された屈折力の第1の状態にある605Aにおいて、例えば、非屈折状態で、マルチ凹面メニスカス壁601に接触する。一般的に、いくつかの典型的な実施形態において、第1の屈折状態は、第1の角部607に最も近いマルチ凹面メニスカス壁601の端部付近の液体メニスカス境界を含む。
図6Bは、第2の屈折状態、例えば、メニスカス壁601に電流を印加した屈折状態の液体メニスカス境界604Bの位置を示す。非屈折状態を含む第1の状態に関しては、液体メニスカス境界604Bは概ね、マルチ凹面メニスカス壁601に沿って前方湾曲レンズ606の方へ移動した。屈折状態は、マルチ凹面メニスカス壁601中の凹面セグメントの間の不連続面609に概ねより近い液体メニスカス境界604Bも含み得る。
ここで、図7Aを参照すると、弓形液体メニスカスレンズのマルチ凹面メニスカス壁701構成要素の斜視図が、弓形液体メニスカスレンズの他の部分とは別個に示されている。図示されている実施形態において、マルチ凹面メニスカス壁701は4つの凹面メニスカス壁セグメント701−1から701−4を含む。凹面壁セグメントは、レンズを貫通する光学軸703に対して略凹面である。他の実施形態は、多かれ少なかれ凹面のメニスカス壁セグメント701−1から701−4を含んでもよい。いくつかの壁セグメントは、例えば、液体メニスカスレンズ物理的寸法、レンズの配置先として予期されるメニスカスのいくつかの設定位置、又は他の懸念事項に基づくものである場合もあり得る。
マルチ凹面メニスカス壁701は、レンズ全体の周囲の第1の角部702−1と第2の角部702−2との間の一貫した長さである。1つの凹面メニスカス壁セグメント701−1の斜視図は、図7Bに示されていて、その形状は円環体のセグメントを含んで構成されている。
図6Cは図6A及び6Bを組み合わせた図であり、非屈折状態604A及び屈折状態604Bの両方における液体メニスカス境界の位置を示している。本発明によると、図6Cに示されるようなマルチ凹面メニスカス壁601を光学軸から相対的な所定の角度に配置した液体メニスカスレンズは、メニスカス壁部分に電流を印加した結果として生じる液体メニスカス移動に対して、光学軸から相対的な同様の角度に配置された線形メニスカス壁を有する液体メニスカスレンズよりも一貫性及び反復性の高い制御をもたらす。線形メニスカス壁を含むレンズの実施例は、2010年6月29日出願の米国特許出願第61,359,548号、表題「LENS WITH CONICAL FRUSTUM MENISCUS WALL」に記載されており、参照することにより本明細書に援用する。
いくつかの好ましい実施形態では、液体メニスカス壁に電圧が印加され、対応する液体メニスカス境界がマルチ凹面メニスカス壁601に沿って前方湾曲レンズ606の方へ移動する。凹面メニスカス壁セグメント同士の間の不連続面609は、所定のゾーンにおける液体メニスカス移動を減速させるか中断させ、特定の付加電力の変更を達成すべく作用する。液体メニスカス境界は、それぞれの凹面セグメントに沿って進むにつれて減速し、不連続面609の両側での液体メニスカス境界接触角の変化により、それぞれの不連続面609付近で停止しやすくなる。本発明によれば、液体メニスカス境界604が不連続面609付近で停止した場合、液体メニスカス境界604上の不連続面609のチャネル効果により、液体メニスカス境界604はわずかに移動して不連続面609の第1の角部608側部で定着する。
本発明は、特定の実地形態を参照して説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ、要素が同等のものと置き換えられることがあり得ることは、当業者によって理解されるであろう。更に、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の教示に対し、特定の状況又は材料を適合するように、多くの修正が行われ得る。
したがって、本発明は、本発明を実施するうえで考えられる最良の態様として開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、付属の請求項の範囲及び趣旨に包含されるすべての実施形態を含むものである。
〔実施の態様〕
(1) 光学レンズであって、
前方湾曲レンズ外面及び前方湾曲レンズ内面を備える前方湾曲レンズであって、前記前方湾曲レンズ外面及び前記前方湾曲レンズ内面の両方が、弓形形状を備える、前方湾曲レンズと、
後方湾曲レンズ内面及び後方湾曲レンズ外面を備える後方湾曲レンズであって、前記前方湾曲レンズ内面及び前記後方湾曲レンズ内面がそれらの間に空洞を形成するように、前記前方湾曲レンズに隣接して位置する、後方湾曲レンズと、
前記前方湾曲レンズ内面と前記後方湾曲レンズ内面との間に形成される前記空洞内に収容されるある容積の生理食塩水溶液及び油であって、それらの間にメニスカスを構成する、ある容積の生理食塩水溶液及び油と、
前記前方湾曲レンズ及び後方湾曲レンズのうちの一方又は両方に形成された光学軸から凹面をなしている円環体の複数のセグメントの一般形状を含むメニスカス壁であって、前記生理食塩水溶液と油との間に形成された前記メニスカスとの境界をなす、メニスカス壁と、を備える、光学レンズ。
(2) 前記後方湾曲レンズ内面と前記後方湾曲レンズ外面の双方が、弓形形状を備える、実施態様1に記載の光学レンズ。
(3) 前記メニスカス壁の少なくとも一部分上に導電性コーティングを更に備える、実施態様2に記載の光学レンズ。
(4) 油の前記容積が、前記空洞内に収容される前記生理食塩水溶液の容積未満である、実施態様3に記載の光学レンズ。
(5) 油の前記容積が、生理食塩水溶液の量と比較して、約66容積%以上を構成する、実施態様4に記載の光学レンズ。
(6) 油の前記容積が、生理食塩水溶液の量と比較して、約90容積%以下を構成する、実施態様4に記載の光学レンズ。
(7) 油の前記容積が、前記生理食塩水溶液の密度とほぼ等しい密度を有する、実施態様3に記載の光学レンズ。
(8) 油の前記容積が、前記生理食塩水溶液の密度の約10%以内の密度を有する、実施態様3に記載の光学レンズ。
(9) 油の前記容積が、前記生理食塩水溶液の密度の約5%以内の密度を有する、実施態様3に記載の光学レンズ。
(10) 前記導電性コーティングが、前記空洞の内側の区域から前記空洞の外側の区域に延在する、実施態様3に記載の光学レンズ。
(11) 前記空洞の外側の前記導電性コーティングの区域が、前記液体メニスカスレンズに電圧を提供するための電気端子を形成する、実施態様10に記載の光学レンズ。
(12) 前記生理食塩水溶液及び前記油がメニスカスを形成し、電圧を前記空洞の外側の前記導電性コーティングの区域に印加することにより、前記メニスカス壁に沿った前記メニスカスの接触位置に変化をもたらす、実施態様10に記載の光学レンズ。
(13) 前記電圧が、直流を構成する、実施態様11又は12に記載の光学レンズ。
(14) 前記電圧が、約20.0ボルトを含む、実施態様11又は12に記載の光学レンズ。
(15) 前記電圧が、約18.0ボルト〜22.0ボルトを含む、実施態様11又は12に記載の光学レンズ。
(16) 前記電圧が、約5.0ボルトを含む、実施態様11又は12に記載の光学レンズ。
(17) 前記電圧が、約3.5ボルト〜約7.5ボルトを含む、実施態様11又は12に記載の光学レンズ。
(18) 前記前方湾曲レンズ外面が、約0以外の屈折力を有する、実施態様4に記載の光学レンズ。
(19) 前記前方湾曲レンズ内面が、約0以外の屈折力を有する、実施態様4に記載の光学レンズ。
(20) 前記後方湾曲レンズ外面が、約0以外の屈折力を有する、実施態様4に記載の光学レンズ。
(21) 前記後方湾曲レンズ内面が、約0以外の屈折力を有する、実施態様4に記載の光学レンズ。
(22) 前記前方湾曲レンズ及び前記後方湾曲レンズのうちの1つ又は両方を通るチャネルと、前記チャネルを充填する導電材料とを更に備える、実施態様4に記載の光学レンズ。
(23) 前記チャネルを充填する前記導電材料と電気的に導通している端子を更に備える、実施態様22に記載の光学レンズ。
(24) 電圧を前記端子に印加することが、前記メニスカスの形状に変化をもたらす、実施態様23に記載の光学レンズ。
(25) 前記前方湾曲レンズの前記内面の少なくとも一部分に沿って絶縁体コーティングを更に備え、前記絶縁体コーティングが、電気絶縁体を備える、実施態様4に記載の光学レンズ。
(26) 前記絶縁体が、パリレン(登録商標)C(Parylene C)及びテフロン(登録商標)AF(Teflon AF)のうちの1つを備える、実施態様25に記載の光学レンズ。
(27) 前記絶縁体が、前記導電性コーティングと、前記前方湾曲レンズと前記後方湾曲レンズとの間の前記空洞に収容される生理食塩水溶液との間の分離を維持するための境界区域を備える、実施態様25に記載の光学レンズ。
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