JP2014513104A - Pi3k/mtorのピリドピリミジノン阻害剤を用いたリンパ腫の治療方法 - Google Patents

Pi3k/mtorのピリドピリミジノン阻害剤を用いたリンパ腫の治療方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式Iの化合物を投与することを含む、血液学的悪性腫瘍を含む癌を治療するための方法を提供する。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年4月29日に出願の米国仮出願第61/480,991号、2011年6月7日に出願の米国仮出願第61/493,998号、および2011年12月2日に出願の米国仮出願第61/566,066号の優先権の利益を主張する。
リンパ腫およびリンパ性白血病を含むリンパ増殖性悪性腫瘍は、米国において、1年間で、約93,000の新しい症例を発生する一般的な悪性腫瘍である。
これらの悪性腫瘍を治療するために開発されている治療法は、様々なレベルの成功を収めている。例えば、30を超えるサブタイプの非ホジキンリンパ腫(NHL)のうちで、マントル細胞リンパ腫(MCL)は、症例の3%〜10%を占める。MCLは、診断時または再発時、様々な化学療法計画によって治療され得る。予後は、治療時におけるこれらの進歩を考えると改善しているが、全体的な平均生存期間は、4.8年にとどまる。
濾胞性リンパ腫(FL)は、すべての新たに診断されたリンパ腫の症例のうちの約20%およびすべての緩慢性NHLの約70%に相当する一般的な緩慢性B細胞NHLである。多くのリンパ腫と同様に、それは、毎年、24,000を超える新しい症例が診断されており、罹患率が増加している。放射免疫治療のみ、または化学療法との併用、ならびに骨髄移植手術のような、FLに対する可能な治療法が増加しているが、多くのFL患者が分子回避機構による不応性疾患を発症するか、または再発する。
B細胞慢性リンパ性白血病(CLL)は、米国では、最も一般的なタイプの成人白血病であり、毎年、約15,000の新しい症例がある。世界保健機関(WHO)の分類によれば、CLLは、成熟末梢B細胞腫瘍である小リンパ球性リンパ腫(SLL)と同一である(すなわち、異なる病期で1つの疾患)。様々な治療法の選択肢があるにもかかわらず、CLL/進行性SLLは、進行性疾患であり、一旦症状を示すと、患者は、18ヶ月から6年の範囲の比較的短い全生存率を有し、10年間の生存期待率は、22.5%である。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、最も一般的な悪性リンパ腫のサブタイプであり、すべての症例の約40%を構成する。過去数年間の治療の改善にもかかわらず、末期のDLBCLに罹患している患者の約1/3が治療に対して不応性となるか、または再発し、その大部分が、それらの疾患により死亡する。
結果として、リンパ腫およびリンパ性白血病を含むリンパ増殖性悪性腫瘍、特に、再発性または不応性リンパ腫またはリンパ性白血病であるリンパ増殖性悪性腫瘍を治療するための臨床的に有効な薬剤が継続的に必要とされている。より具体的には、再発性または不応性NHL、MCL、FL、CLL/SLL、およびDLBCLを治療するための臨床的に有効な薬剤が継続的に必要とされている。
したがって、リンパ増殖性悪性腫瘍、特に、再発性または不応性MCL、FL、CLL/SLL、およびDLBCLを治療するための方法が提供され、本方法は、治療的有効量の式I
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、または治療的有効量の式Iの化合物を含む薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、
式Iの化合物は、式中、
は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルアルキル、任意に置換されたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロアリールアルキルであり、
は、水素または1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのR基で任意に置換されたアルキルであり、
Xは−NR−であり、
は水素であり、
は任意に置換されたアルキルであり、
は水素であり、
は、フェニル、アシル、またはヘテロアリールであり、そのフェニルおよびヘテロアリールは、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換され、
それぞれのRは、存在するとき、独立して、ヒドロキシ、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノアルキル、またはアルコキシアルキルアミノであり、
それぞれのRは、存在するとき、独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロアリールは、独立して、それぞれ単独で、あるいはR内の別の基の一部として、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ(haloalkxy)、アミノ、アルキルアミノ、およびジアルキルアミノから選択される1個、2個、3個、または4個の基で任意に置換される。
別の態様では、非ホジキンリンパ腫(NHL)マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に罹患している患者の治療方法が、本明細書で提供され、有効量の2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物を、前記患者に投与することを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つの投与サイクルを含み、その投与サイクルは、28日周期であり、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩が、1日2回、約50mgで投与される。
別の態様では、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に罹患しているヒト患者の治療方法が、本明細書に提供され、臨床的に証明された安全かつ有効量の2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物を、前記患者に投与することを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つの投与サイクルを含み、その投与サイクルは、28日周期であり、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩が、1日2回、約50mgで投与される。
別の態様では、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に罹患しているヒト患者の治療方法が、本明細書に提供され、FDAに認可された量の2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物を、前記患者に投与することを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つの投与サイクルを含み、その投与サイクルは、28日周期であり、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩が、1日2回、約50mgで投与される。
別の態様では、薬学的組成物は、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に罹患しているヒト患者を治療するものが提供され、本組成物は、臨床的に証明された安全かつ有効量の2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩を含む。
治療前および化合物Aによる2回の治療サイクル後のMCLに罹患している患者のCTスキャンを示す。 サイクル1中の1日目および27日目、およびサイクル2中の毎日の治療から22日目の平均血漿濃度を示す。 マントル細胞リンパ腫の腫瘍におけるPI3K/MAPK経路阻害および化合物AによるKi67の減少を示す。
略語および定義
以下の略語および用語は、全体を通して示された意味を有する。
記号「−」は、単結合を意味し、「=」は、二重結合を意味し、「≡」は、三重結合を意味し、
は、単結合または二重結合を意味する。記号
は、記号が付けられる二重結合の末端上のどちらの位置も占める二重結合上の基を指し、すなわち、二重結合の幾何異性、E体またはZ体は、不明瞭である。基がその親式から離れていることが示される場合、記号
または
が、基をその親構造式から分離するために理論的には切断された、結合の末端において使用される。
化学構造が図示または記載される場合、別途明記されていない限り、すべての炭素は、4の原子価に一致するように水素置換を有すると想定される。例えば、以下の図式の左側の構造において、9個の水素があることが含意される。9個の水素は、右側の構造中に図示される。構造中の特定の原子は、置換として水素(明確に定義された水素)、例えば、−CHCH−を有するように、文字式で記載される場合もある。上述の説明的な技術は、そうでなければ複雑な構造の説明に簡潔さおよび単純さを提供するために、化学技術分野において一般的であることは、当業者によって理解されよう。
基「R」が、例えば、式
にあるように、環系に「浮遊している」ように示される場合、特別の定めのない限り、安定した構造が形成される限り、環原子のうちの1つからの示された、含意された、または明確に定義された水素の置換を仮定すると、置換基「R」は、環系のいずれの原子にも存在してもよい。
基「R」が、例えば、式
にあるように、縮合環系に浮遊しているように示される場合、特別の定めのない限り、安定した構造が形成される限り、環原子のうちの1つからの示された水素(例えば、上記の式中の−NH−)、含意された水素(例えば、水素が示されないが存在すると理解される上記の式にあるような)、または明確に定義された水素(例えば、上記の式中、「Z」が=CH−に等しい)の置換を仮定すると、置換基「R」は、縮合環系のいずれの原子にも存在し得る。示された例において、「R」基は、縮合環系の5員環または6員環のいずれかに存在し得る。前記式において、yが例えば2である場合、それぞれが、環上の、示された、含意された、または明確に定義された水素で置換されると再度仮定すると、2つの「R」は、この環系のいずれか2個の原子に存在し得る。
基「R」が、例えば、式
にあるように、飽和炭素を含有する環系に存在するように示される場合、式中、この例において、それぞれが環上の現在示されている、含意されている、または明確に定義されている水素を置換すると仮定すると、「y」は、1を超えることができ、特別の定めのない限り、得られる構造が安定している場合、2つの「R」は、同一の炭素に存在し得る。簡単な例では、Rがメチル基である場合、示された環の炭素上のジェミナルジメチルが存在し得る(「環状」炭素)。別の例では、同じ炭素上の2つのRは、その炭素を含み、環を形成し得、したがって、例えば、式
にあるように、示された環でスピロ環(「スピロシクリル」基)構造を生成する。
「アシル」は、−C(O)Rラジカルを意味し、Rは、本明細書に定義される、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルアルキルであって、例えば、アセチル、トリフルオロメチルカルボニル、または2−メトキシエチルカルボニル等である。
「アシルアミノ」は、−NRR′ラジカルを意味し、Rは、水素、ヒドロキシ、アルキル、またはアルコキシであり、R′はアシルであって、それらは本明細書で定義される通りである。
「アシルオキシ」は、−ORラジカルを意味し、Rは、本明細書において定義されるアシルであって、例えばシアノメチルカルボニルオキシ等である。
本発明の化合物に関連した「投与」およびその変形(例えば、化合物を「投与すること」)は、化合物の化合物またはそのプロドラッグを、治療を必要とする動物の系に導入することを意味する。本発明の化合物またはそのプロドラッグが、1つ以上の他の活性薬剤と組み合わせて提供される場合、「投与」およびその変形はそれぞれ、化合物またはそのプロドラッグおよび他の薬剤の同時および順次導入を含むと理解される。
「アルケニル」は、1〜6個の炭素原子の直鎖一価炭化水素ラジカル、または3〜6個の炭素原子の分岐一価炭化水素ラジカルを意味し、ラジカルは、少なくとも1つの二重結合を含み、例えば、エテニル、プロペニル、1−ブト−3−エニル、および1−ペント−3−エニル等である。
「アルコキシ」は、−OR基を意味し、式中、Rは、本明細書で定義されるアルキル基である。例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等が含まれる。
「アルコキシアルキル」は、本明細書で定義される、少なくとも1個、好ましくは1個、2個、または3個のアルコキシ基で置換される、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。代表的な例には、メトキシメチル等が含まれる。
「アルコキシアルキルアミノ」は、−NRR′基を意味し、Rは、水素、アルキル、またはアルコキシアルキルであり、R′はアルコキシアルキルであって、それらは本明細書で定義される通りである。
「アルコキシアルキルアミノアルキル」は、少なくとも1個、具体的には、1個または2個の本明細書で定義されるアルコキシアルキルアミノ基で置換されたアルキル基を意味する。
「アルコキシカルボニル」は、−C(O)R基を意味し、Rは、本明細書で定義されるアルコキシである。
「アルキル」は、例えば、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル(すべての異性体を含む)、またはペンチル(すべての異性体を含む)等の、1〜6個の炭素原子の直鎖飽和一価炭化水素ラジカル、または3〜6個の炭素原子の分岐飽和一価炭化水素ラジカルを意味する。
「アルキルアミノ」は、−NHR基を意味し、Rは、本明細書で定義されるアルキルである。
「アルキルアミノアルキル」は、本明細書で定義される1個もしくは2個のアルキルアミノ基で置換されたアルキル基を意味する。
「アルキルアミノアルキルオキシ」は、−OR基を意味し、Rは、本明細書で定義されるアルキルアミノアルキルである。
「アルキルカルボニル」は、−C(O)R基を意味し、Rは、本明細書で定義されるアルキルである。
「アルキニル」は、1〜6個の炭素原子の直鎖一価炭化水素ラジカル、または3〜6個の炭素原子の分岐一価炭化水素ラジカルを意味し、ラジカルは、少なくとも1つの三重結合を含み、例えば、エテニル、プロペニル、ブチニル、ペンチン−2−イル等である。
「アミノ」は、−NHを意味する。
「アミノアルキル」は、少なくとも1個、具体的には、1個、2個、もしくは3個のアミノ基で置換されたアルキル基を意味する。
「アミノアルキルオキシ」は、−OR基を意味し、Rは、本明細書で定義されるアミノアルキルである。
「アリール」は、一価の6〜14員の単環式または二環式炭素環を意味し、単環は、芳香族であって、二環式環のうちの環の少なくとも1つは、芳香族である。特別の定めのない限り、基の原子価は、原子価則が許容する、ラジカル中のいずれの環のいずれの原子にも位置し得る。代表的な例には、フェニル、ナフチル、およびインダニル等が含まれる。
「アリールアルキル」は、例えば、ベンジルおよびフェネチル等の、本明細書で定義される1個もしくは2個のアリール基で置換される、本明細書で定義されるアルキルラジカルを意味する。
「アリールオキシ」は、−OR基を意味し、Rは、本明細書で定義されるアリールである。
「カルボキシアルキル」は、少なくとも1個、具体的には、1個または2個の−C(O)OH基で置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
「シクロアルキル」は、3〜10個の炭素環原子の単環式または縮合二環式、飽和または部分的不飽和(しかし芳香族ではない)一価炭化水素ラジカルを意味する。縮合二環式炭化水素ラジカルは、架橋環系を含む。特別の定めのない限り、基の原子価は、原子価則が許容する、ラジカル中のいずれの環のいずれの原子にも位置し得る。1個または2個の環炭素原子は、−C(O)−、−C(S)−、または−C(=NH)−基によって置換され得る。より具体的には、シクロアルキルという用語には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘキサ−3−エニル等が含まれるが、これらに限定されない。
「シクロアルキルアルキル」は、本明細書で定義される、少なくとも1個、具体的には、1個または2個のシクロアルキル基で置換されたアルキル基を意味する。
「ジアルキルアミノ」は、−NRR′ラジカルを意味し、RおよびR′は、本明細書で定義されるアルキル、またはそのN−オキシド誘導体もしくは保護誘導体であり、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N,N−メチルプロピルアミノ、またはN,N−メチルエチルアミノ等である。
「ジアルキルアミノアルキル」は、本明細書で定義される、1個または2個のジアルキルアミノ基で置換されたアルキル基を意味する。
「ジアルキルアミノアルキルオキシ」は、−OR基を意味し、Rは、本明細書で定義されるジアルキルアミノアルキルである。代表的な例には、2−(N,N−ジエチルアミノ、)−エチルオキシ等が含まれる。
「縮合多環式」または「縮合環系」は、架橋または縮合環を含有する多環式環系を意味し、すなわち、2個の環は、それらの環構造中に1個を超える共有原子を有する。本願では、縮合多環式および縮合環系は、必ずしもすべてが芳香族環系であるとは限らない。典型的には、縮合多環は、例えば、ナフタレンまたは1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレンのように隣接した組の原子を共有するが、必ずしもそうである必要はない。スピロ環系は、本定義によると縮合多環式ではないが、本発明の縮合多環式環系は、それ自体、縮合多環の単一環原子を介してそれに結合するスピロ環を有してもよい。幾つかの例では、当業者によって理解されるように、芳香族系上の2個の隣接基はともに縮合され、環状構造を形成することができる。縮合された環構造は、ヘテロ原子を含有してもよく、1個以上の基で任意に置換されてもよい。そのような縮合基の飽和炭素(すなわち、飽和環構造)は、2個の置換基を含有することができることもさらに留意されたい。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
「ハロアルコキシ」は、−OR′基を意味し、R′は、本明細書で定義されるハロアルキル、例えば、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシ等である。
「ハロアルキル」は、トリフルオロメチル、2−クロロエチル、および2,2−ジフルオロエチル等の、1個以上のハロゲン、具体的には、1個〜5個のハロ原子で置換されたアルキル基を意味する。
「ヘテロアリール」は、−O−、−S(O)N−(nは、0、1、または2である)、−N−、−N(R)−から独立して選択される1個以上、具体的には、1個、2個、3個、または4個の環へテロ原子と、炭素である残りの環原子を含有する、5〜14個の環原子の単環式、縮合二環式、または縮合三環式一価ラジカルを意味し、単環式ラジカルを含む環は、芳香族であり、二環式または三環式ラジカルを含む縮合環のうちの少なくとも1つは、芳香族である。二環式または三環式ラジカルを含むいずれの非芳香族環の1個もしくは2個の環炭素原子は、−C(O)−、−C(S)−、または−C(=NH)−基によって置換され得る。Rは、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、またはアルキルスルホニルである。縮合二環式ラジカルは、架橋環系を含む。特別の定めのない限り、原子価は、原子価則が許容する、ヘテロアリール基のいずれの環のいずれの原子にも位置し得る。原子価点が窒素原子に位置する場合、Rは存在しない。より具体的には、ヘテロアリールという用語には、1,2,4−トリアゾリル、1,3,5−トリアゾリル、フタルイミジル、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、フラニル、インドリル、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル(例えば、2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イルまたは2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル等を含む)、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾジオキソール−4−イル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インドリジニル、ナフチリジン−3−イル、フタラジン−3−イル、フタラジン−4−イル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、テトラゾイル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル(例えば、テトラヒドロイソキノリン−4−イルまたはテトラヒドロイソキノリン−6−イル等を含む)、ピロロ[3,2−c]ピリジニル(例えば、ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イルまたはピロロ[3,2−c]ピリジン−7−イル等を含む)、ベンゾピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ならびにその誘導体、およびそのN−オキシドまたは保護誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
「ヘテロアリールアルキル」は、本明細書で定義される、少なくとも1個、具体的には、1個または2個のヘテロアリール基で置換される、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
「ヘテロ原子」は、O、S、N、またはPを指す。
「ヘテロシクロアルキル」は、3〜8個の環原子の飽和もしくは部分的不飽和(しかし芳香族ではない)一価単環式基、または5〜12個の環原子の飽和もしくは部分的不飽和(しかし芳香族ではない)一価縮合二環式基を意味し、1個以上の、具体的には、1個、2個、3個、または4個の環へテロ原子は、O、S(O)(nは、0、1、または2である)、N、N(R)(Rは、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、またはアルキルスルホニル)から独立して選択され、残りの環原子は炭素である。1個または2個の環炭素原子は、−C(O)−、−C(S)−、または−C(=NH)−基によって置換され得る。縮合二環式ラジカルは、架橋環系を含む。特別の定めのない限り、基の原子価は、原子価則が許容する、ラジカル中のいずれの環のいずれの原子にも位置し得る。原子価点が、窒素原子に位置する場合、Rは存在しない。より具体的には、ヘテロシクロアルキルという用語には、アゼチジニル、ピロリジニル、2−オキソピロリジニル、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、モルホリニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、テトラヒドロピラニル、2−オキソピペリジニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、パーヒドロアゼピニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、デカヒドロイソキノリル、テトラヒドロフリル、およびテトラヒドロピラニル、ならびにその誘導体、およびそのN−オキシドまたは保護誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
「ヘテロシクロアルキルアルキル」は、例えば、モルホリニルメチル、N−ピロリジニルエチル、および3−(N−アゼチジニル)プロピル等の、本明細書で定義される、1個または2個のヘテロシクロアルキル基で置換される、本明細書で定義されるアルキルラジカルを意味する。
「ヘテロシクロアルキルアルキルオキシ」は、−OR基を意味し、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクロアルキルアルキルである。
「飽和架橋環系」は、芳香族ではない二環式または多環式環系を指す。そのような系は、単一または共役不飽和を含有し得るが、そのコア構造において、芳香族または複素環式芳香族環は含有し得ない(しかしその上に芳香族置換を有し得る)。例えば、ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]フラン、2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン、7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、および1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−ナフタレンはすべて、「飽和架橋環系」の種類に含まれる。
「スピロシクリル」または「スピロ環」は、別の環の特定の環状炭素から生じる環を指す。例えば、以下に図示されるように、橋頭原子ではなく、飽和架橋環系の環原子(環BおよびB′)は、飽和架橋環系とそこに結合するスピロシクリル(環A)との間の共有原子であることができる。スピロシクリルは、炭素環式または複素脂環式であることができる。
「任意の」または「任意に」は、その後に説明される事象または状況が生じても生じなくてもよく、かつその説明は、該事象または状況が生じる場合および生じない場合を含むことを意味する。当業者は、1個以上の任意の置換基を含有すると記載されるいずれの分子に関しても、立体的に実行可能および/または合成的に実現可能な化合物のみが含まれることを意味するということを理解するであろう。「任意に置換された」は、用語内のすべての後続の修飾語句を指す。したがって、例えば、「任意に置換されたアリールC1−8アルキル」という用語において、任意の置換は、分子の「C1−8アルキル」部分および「アリール」部分の両方で生じ得、分子のいずれの部分は、置換されても置換されなくてよい。例示的な任意の置換の一覧は、以下の「置換された」の定義に示される。
「任意に置換されたアルコキシ」は、−OR基を意味し、Rは、本明細書で定義される任意に置換されたアルキルである。
「任意に置換されたアルキル」とは、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、シアノ、シアノアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキル−S(O)0−2−、アルケニル−S(O)0−2−、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル−NR−(Rは、水素、アルキル、任意に置換されたアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはシアノアルキルである)、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアミノアルキルオキシ、ジアルキルアミノアルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、ジアルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシアルキルオキシ、および−C(O)NR(RおよびRは、独立して、水素、アルキル、任意に置換されたアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはシアノアルキルである)から独立して選択される、1個以上の基、具体的には、1個、2個、3個、4個、または5個の基で任意に置換される、本明細書で定義されるアルキルラジカルを意味する。
「任意に置換されたアルケニル」とは、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、シアノ、シアノアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキル−S(O)0−2−、アルケニル−S(O)0−2−、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル−NR−(Rは、水素、アルキル、任意に置換されたアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはシアノアルキルである)、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアミノアルキルオキシ、ジアルキルアミノアルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、ジアルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシアルキルオキシ、および−C(O)NR(RおよびRは、独立して、水素、アルキル、任意に置換されたアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはシアノアルキルである)から独立して選択される、1個以上の基、具体的には、1個、2個、3個、4個、または5個の基で任意に置換される、本明細書で定義されるアルキルラジカルを意味する。
「任意に置換されたアミノ」は、基−N(H)Rまたは−N(R)Rを指し、それぞれのRは、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたヘテロアリール、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、−S(O)−(任意に置換されたアルキル)、−S(O)−任意に置換されたアリール)、−S(O)−(任意に置換されたヘテロシクロアルキル)、−S(O)−(任意に置換されたヘテロアリール)、および−S(O)−(任意に置換されたヘテロアリール)の基から独立して選択される。例えば、「任意に置換されたアミノ」には、ジエチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、およびフラニル−オキシ−スルホンアミノが含まれる。
「任意に置換されたアミノアルキル」とは、本明細書で定義される、少なくとも1個、具体的には、1個または2個の任意に置換されたアミノ基で置換される、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
「任意に置換されたアリール」は、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノアルコキシから独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意に置換された、本明細書で定義されるアリール基を意味するか、またはアリールは、ペンタフルオロフェニルである。「アリール」上の任意の置換基内で、そのアルキルおよびアルケニルは、独立して、単独で、あるいは別の基の一部として(例えば、アルコキシカルボニル中のアルキルを含む)、1個、2個、3個、4個、または5個のハロで任意に置換される。
「任意に置換されたアリールアルキル」は、本明細書で定義される任意に置換されたアリールで置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
「任意に置換されたシクロアルキル」は、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ニトロ、アルコキシアルキルオキシ、アミノアルコキシ、アルキルアミノアルコキシ、ジアルキルアミノアルコキシ、カルボキシ、およびシアノから独立して選択される1個、2個、または3個の基で置換された、本明細書で定義されるシクロアルキル基を意味する。「シクロアルキル」上の上記の任意の置換基内で、そのアルキルおよびアルケニルは、独立して、単独で、あるいはシクロアルキル環上の別の置換基の一部として、例えば、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、またはハロアルキルスルホニル等の1個、2個、3個、4個、または5個のハロで任意に置換される。
「任意に置換されたシクロアルキルアルキル」は、本明細書で定義される、少なくとも1個、具体的には、1個または2個の任意に置換されたシクロアルキル基で置換された、アルキル基を意味する。
「任意に置換されたヘテロアリール」は、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノアルコキシ、アルキルアミノアルコキシ、およびジアルキルアミノアルコキシから独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意に置換された、ヘテロアリール基を意味する。「ヘテロアリール」上の任意の置換基内で、そのアルキルおよびアルケニルは、独立して、単独で、あるいは別の基の一部として(例えば、アルコキシカルボニル中のアルキルを含む)、1個、2個、3個、4個、または5個のハロで任意に置換される。
「任意に置換されたヘテロアリールアルキル」は、本明細書で定義される、少なくとも1個、具体的には、1個または2個の任意に置換されたヘテロアリール基で置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
「任意に置換されたヘテロシクロアルキル」は、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノアルコキシから独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意に置換された、本明細書で定義されるヘテロシクロアルキル基を意味するか、またはアリールは、ペンタフルオロフェニルである。「ヘテロシクロアルキル」上の任意の置換基内で、そのアルキルおよびアルケニルは、独立して、単独で、あるいは別の基の一部として(例えば、アルコキシカルボニル中のアルキルを含む)、1個、2個、3個、4個、または5個のハロで任意に置換される。
「任意に置換されたヘテロシクロアルキルアルキル」は、本明細書で定義される、少なくとも1個、具体的には、1個または2個の任意に置換されたヘテロシクロアルキル基で置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
「リンパ増殖性悪性腫瘍」は、リンパ腫およびリンパ性白血病を含むリンパ球様細胞の悪性疾患である。リンパ増殖性悪性腫瘍には、例えば、進行性B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、およびバーキットリンパ腫)、緩慢性B細胞リンパ腫(例えば濾胞性リンパ腫)、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)(例えば節外性MZL(MALTリンパ腫)、節性MZLおよび脾MZL(NCCN,2010))、ならびにリンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(Waldenstrom’s Magroglobulinemia)とも呼ばれる)を含む、30種を超えるサブタイプの非ホジキンリンパ腫(NHL)が含まれる。
本明細書で使用される、「化合物A」は、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンのその名称によって知られている、構造
を意味する。化合物Aは、第WO07/044813号に開示され、この全内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
「薬学的組成物」は、1)式Iの化合物またはその単一異性体(その化合物が、任意に、その薬学的に許容される塩として、およびさらに任意にその水和物として、ならびにさらに任意にその溶媒和物としてである)、ならびに2)本明細書に記載される薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を含む。
本明細書に記載される反応のそれぞれに対する「収率」は、理論的収量の百分率として表される。
本発明の目的のための「患者」には、ヒトおよび他の動物、特に、哺乳動物、および他の生物が含まれる。したがって、本方法は、ヒトの治療および獣医学的用途の両方に適用できる。好ましい実施形態では、患者は、哺乳動物であり、最も好ましい実施形態では、その患者は、ヒトである。
「有効量」または「薬学的に有効な量」または「治療的に有効な量」という用語は、所望の生物学的、治療的、および/または予防的結果をもたらすのに十分な量の薬剤を指す。その結果は、疾患の兆候、症状、もしくは原因のうちの1つ以上の減少、改善、軽減、低下、遅延、および/もしくは緩和、または、生物系の任意の他の所望の変化であり得る。癌に関しては、有効量は、腫瘍が退縮する、および/または腫瘍の増殖速度が低下する(例えば、腫瘍増殖を抑制する)、または他の望ましくない細胞増殖が予防もしくは遅延されるのに十分な量を含む。幾つかの実施形態では、有効量は、進行を遅延させるのに十分な量である。幾つかの実施形態では、有効量は、再発を予防または遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与で投与され得る。有効量の薬物または組成物は、(i)癌細胞の数を減少させる、(ii)腫瘍の大きさを縮小させる、(iii)末梢器官への癌細胞の浸潤を阻害する、遅らせる、ある程度まで遅延させる、好ましくは停止する、(iv)腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度まで遅延させる、好ましくは停止する)、(v)腫瘍増殖を阻害する、(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発を予防するまたは遅延させる、および/または(vii)癌に関連した1つ以上の症状をある程度まで軽減することができる。例えば、治療的使用における「有効量」は、再発性または不応性MCL、FL、CLL/SLL、もしくはDLBCLの臨床的に有意な減少をもたらすのに必要とされる、化合物Aもしくはその代謝産物、その薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、あるいは化合物Aもしくはその代謝産物、またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の量である。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの治療効果が得られる。治療効果は、MCL、FL、CLL/SLL、もしくはDLBCLの大きさの減少、転移の減少、完全寛解、部分寛解、病理学的完全奏効、全奏効率における増加、または安定した疾患であり得る。幾つかの実施形態では、匹敵する臨床的有用率(CBR=CR+PR+SD≧6ヶ月)は、抗癌剤での治療と比較して、化合物Aまたはその代謝産物もしくは薬学的に許容される塩を投与することにより得られる。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%またはそれ以上である。
化合物の「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を保有している塩を意味する。薬学的に許容される塩は、無毒であることが理解されよう。適切な薬学的に許容される塩におけるさらなる情報は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA,1985(参照により本明細書に組み込まれる)、またはS.M.Berge,et al.,“Pharmaceutical Salts,” J.Pharm.Sci.,1977;66:1−19に見出され得、これらは共に、参照により本明細書に組み込まれる。
薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ならびに酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1、2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、グルコヘプトン酸、4、4′−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、p−トルエンスルホン酸、およびサリチル酸等の有機酸で形成されるものが挙げられる。
薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、親化合物中に存在する酸性プロトンが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩等の金属イオンによって置き換えられたときに形成されるものが挙げられる。好ましい塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩である。薬学的に許容される有機非毒性塩基から得られる塩には、第1級、第2級、および第3級アミン、天然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環式アミン、および塩基性イオン交換樹脂が含まれるが、これらに限られない。有機塩基の例としては、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、トロメタミン、N−メチルグルカミン、ポリアミン樹脂等が挙げられる。例示的な有機塩基には、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインが含まれる。
「プロドラッグ」は、インビボで、例えば、血液中の加水分解によって変換され(通常は迅速に)、上記式の親化合物を得る、化合物を指す。一般的な例としては、カルボン酸部分を含む活性型を有する化合物のエステルおよびアミド型が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の化合物の薬学的に許容されるエステルの例としては、アルキルエステル(例えば、約1個から約6個の炭素を有する)が挙げられるが、これに限定されず、アルキル基は、直鎖または分岐鎖である。また、許容されるエステルには、シクロアルキルエステルおよびアリールアルキルも含まれ、ベンジル等が含まれるが、これに限定されない。本発明の化合物の薬学的に許容されるアミドの例としては、一級アミド、二級および三級アルキルアミド(例えば、約1個から約6個の炭素を有する)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の化合物のアミドおよびエステルは、従来の方法に従って調製され得る。プロドラッグについての完全な考察は、T.Higuchi and V.Stella,“Pro−drugs as Novel Delivery Systems,” Vol 14 of the A.C.S.Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に提供されており、これらの両方は、参照によりすべての目的のために本明細書に組み込まれる。
「代謝産物」は、動物またはヒトの体内で代謝または生体内変換、例えば、酸化、還元、もしくは加水分解によるようなより極性分子への、または共役体への生体内変換により生産される化合物またはその塩の分解または最終産物を指す(生体内変換の考察に関しては、Goodman and Gilman,“The Pharmacological Basis of Therapeutics” 8.sup.th Ed.,Pergamon Press,Gilman et al.(eds),1990を参照されたい)。本明細書で使用される場合、本発明の化合物またはその塩の代謝産物は、体内における化合物の生物学的活性形態であり得る。一例において、プロドラッグは、生物学的活性形態である代謝産物がインビボで放出されるように使用され得る。別の例において、生物学的に活性な代謝産物は、偶然に発見された、つまり、プロドラッグの設計自体がなされなかった。本開示を考慮すると、本発明の化合物の代謝産物の活性のアッセイは、当業者に既知である。
別記されない限り、本明細書で使用される、疾患、障害、または症候群の「治療(treating)」または「治療(treatment)」には、疾患、障害、または症候群を阻害すること、すなわち、その発症を抑えることと、疾患、障害、または症候群を緩和すること、すなわち、疾患、障害、または症候群の後退を生じさせることを意味する。当技術分野で既知であるように、治療との関連で、全身対局所的輸送、年齢、体重、一般的健康、性別、食事、投与時間、薬物相互作用、および病態の重症度に対して調整が必要であり得、それらは当業者による日常的な実験により確認できるであろう。
「予防」とは、ヒトにおいて生じる疾患、障害、または症候群を予防すること、すなわち、疾患、障害、または症候群の臨床的症状が、疾患、障害、または症候群にさらされるか、または罹りやすいが、疾患、障害、または症候群の症状をまだ経験していないか、またはその症状を示していない動物において発症しないようにすることを意味する。
実施形態
以下の段落は、本発明を実践するのに使用され得る多くの実施形態を示す。それぞれの例において、実施形態には、列挙される化合物、ならびに個々の異性体および異性体の混合物の両方が含まれる。加えて、それぞれの例では、実施形態は、列挙される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、および/または溶媒和物、ならびに任意の個々の異性体およびそれらの異性体の混合物が含まれる。
一実施形態では、方法は、有効量の式Iの化合物または代謝産物もしくはその薬学的に許容される塩を、患者に投与することを含む。
一実施形態では、癌は、リンパ増殖性悪性腫瘍である。
別の実施形態では、リンパ増殖性悪性腫瘍は、再発性または不応性MCL、FL、CLL/SL、またはDLBCLである。
以下に記載される代表的な化合物を含む以下の実施形態のいずれかは、本明細書で開示される方法のいずれかを実践するために使用され得る。
式Iの化合物
一実施形態では、式Iの化合物中のRは、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルアルキル、任意に置換されたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロアリールアルキルである。具体的には、Rは、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリールアルキル、または任意に置換されたヘテロシクロアルキルアルキルである。より具体的には、Rは、水素、アルキル、1個もしくは2個のヒドロキシで置換されたアルキル、アルコキシで置換されたアルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、またはヘテロシクロアルキルアルキルである。さらにより具体的には、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−エトキシエチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、3−イソプロポキシプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、または2−ピペリジン−1−イルエチルである。なおさらにより具体的には、Rは、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。なおさらにより具体的には、Rは、エチルである。
別の実施形態では、Rは、水素であるか、または1個、2個、3個、4個、もしくは5個のR基で任意に置換されたアルキルである。具体的には、Rは、水素であるか、または1個、2個、もしくは3個のR基で任意に置換されたアルキルである。より具体的には、Rは、水素であるか、または1個、2個、もしくは3個のR基で任意に置換されたアルキルであり、それぞれのRは、存在するとき、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、およびハロから独立して選択される。さらにより具体的には、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、3−アミノプロピル、3−(N−メチルアミノ)−プロピル、3−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピル、2−フルオロエチル、または2,2,2−トリフルオロエチルである。なおさらにより具体的には、Rは、水素またはエチルである。なおさらにより好ましくは、Rは、エチルである。
別の実施形態では、Rは、水素である。
別の実施形態では、Rは、任意に置換されたアルキルである。具体的には、Rは、メチルまたはエチルである。より具体的には、Rはメチルである。
別の実施形態では、Rはアシルである。より具体的には、Rはアルキルカルボニルである。さらにより具体的には、Rはアセチルである。
別の実施形態では、Rは、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換されたフェニルである。具体的には、Rは、1個または2個のR基で任意に置換されたフェニルであり、それぞれのRは、存在するとき、アリール、ハロ、アルコキシ、アリールオキシ、およびハロアルキルから独立して選択される。より具体的には、Rは、1個または2個のR基で任意に置換されたフェニルであり、それぞれのRは、存在するとき、フェニル、フルオロ、クロロ、メトキシ、フェニルオキシ、およびトリフルオロメチルから独立して選択される。さらにより具体的には、Rは、フェニル、フェニルで置換されたフェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、クロロおよびフルオロで置換されたフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、フェニルオキシフェニル、またはトリフルオロメチルフェニルである。なおさらにより具体的には、Rは、フェニル、2−フェニル−フェニル、3−フェニル−フェニル、4−フェニル−フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、4−フェニルオキシフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、または4−トリフルオロメチルフェニルである。
別の実施形態では、Rは、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換されたヘテロアリールである。
別の実施形態では、Rは、1個または2個のRで任意に置換された6員ヘテロアリールである。より具体的には、Rは、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、またはピリダジニルであり、これらのそれぞれが、1個のRで任意に置換され、Rは、存在するとき、ハロである。さらにより具体的には、Rは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、3−フルオロピリジン−4−イル、ピラジン−2−イル、ピラジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジン−3−イル、またはピリダジン−4−イルであり、これらのそれぞれが、1個または2個のRで任意に置換される。
別の実施形態では、Rは、ピラジニル、ピリミジニル、またはピリダジニルであり、これらのそれぞれが、1個のRで任意に置換され、Rは、存在するとき、ハロである。さらにより具体的には、Rは、ピラジン−2−イル、ピラジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジン−3−イル、またはピリダジン−4−イルである。
別の実施形態では、Rは、1個または2個のRで任意に置換された5員ヘテロアリールである。具体的には、Rは、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、トリアゾリル、またはテトラゾリルであり、これらのそれぞれが、1個のRで任意に置換され、Rは、存在するとき、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、アルコキシカルボニル、またはハロである。より具体的には、Rは、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−1−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、これらのそれぞれが、1個のRで任意に置換され、Rは、存在するとき、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、N−tert−ブトキシカルボニル、またはクロロである。さらにより具体的には、Rは、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、これらのそれぞれが、1個のRで任意に置換され、Rは、存在するとき、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、N−tert−ブトキシカルボニル、またはクロロである。
別の実施形態では、Rは、チエニル、ピロリル、フラニル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、またはテトラゾリルであり、これらのそれぞれが、1個のRで任意に置換され、Rは、存在するとき、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、N−tert−ブトキシカルボニル、またはクロロである。具体的には、Rは、チエン−2−イル、チエン−3−イル、ピロール−2−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、イソオキサゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、トリアゾール−5−イル、テトラゾール−5−イルであり、これらのそれぞれが、1個のRで任意に置換され、Rは、存在するとき、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、N−tert−ブトキシカルボニル、またはクロロである。より具体的には、Rは、チエン−2−イル、チエン−3−イル、5−シアノ−チエン−2−イル、4−メチル−チエン−2−イル、4−メチル−チエン−3−イル、5−クロロ−チエン−5−イル、5−フェニル−チエン−2−イル、ピロール−2−イル、N−tert−ブトキシカルボニル−ピロール−2−イル、N−メチル−ピロール−2−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、N−ベンジル−ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、イソオキサゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルである。
別の実施形態では、Rは、チエン−2−イル、チエン−3−イル、ピロール−2−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、イソオキサゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、これらのそれぞれが、1個のRで任意に置換され、Rは、存在するとき、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、N−tert−ブトキシカルボニル、またはクロロである。
別の実施形態では、Rは、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、またはベンゾイソオキサゾリルであり、これらのそれぞれが、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換される。具体的には、Rは、インドール−2−イル、インドール−3−イル、インドール−4−イル、インドール−5−イル、インドール−6−イル、インドール−7−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−4−イル、ベンゾイミダゾール−5−イル、ベンゾイミダゾール−6−イル、ベンゾイミダゾール−7−イル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、ベンゾフラン−4−イル、ベンゾフラン−5−イル、ベンゾフラン−6−イル、ベンゾフラン−7−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−4−イル、ベンゾオキサゾール−5−イル、ベンゾオキサゾール−6−イル、ベンゾオキサゾール−7−イル、ベンゾイソオキサゾール−3−イル、ベンゾイソオキサゾール−4−イル、ベンゾイソオキサゾール−5−イル、ベンゾイソオキサゾール−6−イル、またはベンゾイソオキサゾール−7−イルであり、これらのそれぞれが、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換される。より具体的には、Rはインドール−6−イルである。
別の実施形態では、Rは、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロアルキルアルキル、または任意に置換されたアリールアルキルであり、Xは−NH−であり、Rは、水素であるか、または1個または2個のR基で任意に置換されたアルキルであり、Rはアルキルであり、Rは水素であり、Rは、フェニルまたはヘテロアリールであり、そのフェニルおよびヘテロアリールは、1個、2個、または3個のR基で任意に置換され、それぞれのRは、存在するとき、独立して、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、またはハロであり、それぞれのRは、存在するとき、独立して、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、アルコキシカルボニル、またはハロである。
別の実施形態では、Rは、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、これらのそれぞれが、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換される。
別の実施形態では、Rは、アルキルまたはシクロアルキルであり、Rはメチルであり、Rは、1個または2個のR基で任意に置換されたヘテロアリールである。具体的には、それぞれのRは、存在するとき、独立して、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、アルコキシカルボニル、またはハロである。具体的には、Rは、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、これらのそれぞれが、1個のRで任意に置換され、Rは、存在するとき、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、またはN−tert−ブトキシカルボニルである。
別の実施形態では、Rは水素である。
別の実施形態では、Rは、メチルまたはエチルである。
別の実施形態では、Rは、アルキルまたはシクロアルキルであり、Rはメチルであり、Rは、1個または2個のR基で任意に置換されたフェニルである。具体的には、それぞれのRは、存在するとき、独立して、ハロ、アルコキシ、またはハロアルキルである。
別の実施形態では、Rは、アルキルまたはシクロアルキルであり、Rはメチルであり、Rは水素である。
別の実施形態では、Rは、アルキルまたはシクロアルキルであり、Rはメチルであり、Rは任意に置換されたアルキルである。
式Iの代表的な化合物が下に示される。例は、例証にすぎず、決して本発明の範囲を限定するものではない。本発明の化合物は、International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)、International Union of Biochemistry and Molecular Biology(IUBMB)、およびChemical Abstracts Service(CAS)によって合意された命名規約の体系的な適用に従って名付けられる。名称は、ACD/Labs命名ソフトウェア8.00リリース、製品バージョン8.08を用いて生成された。
式IAの化合物
別の実施形態では、式Iの化合物は、式IAの化合物、
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、
は、水素またはアルキルであり、
はアルキルであり、
は水素であり、
は、フェニル、アシル、またはヘテロアリールであり、そのフェニルおよびヘテロアリールは、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換され、
それぞれのRは、存在するとき、独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロアリールは、独立して、それぞれ単独で、あるいはR内の別の基の一部として、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、およびジアルキルアミノから選択される1個、2個、3個、または4個の基で任意に置換される。
一実施形態では、Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、またはアリールアルキルであり、Xは−NH−であり、Rは、水素またはアルキルであり、Rはアルキルであり、Rは水素であり、Rは、フェニルまたはヘテロアリールであり、そのフェニルおよびヘテロアリールは、1個、2個、または3個のR基で任意に置換され、それぞれのRは、存在するとき、独立して、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、またはハロであり、それぞれのRは、存在するとき、独立して、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、またはアルコキシカルボニルである。
別の実施形態では、Rはメチルである。
別の実施形態では、Rは、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。
別の実施形態では、Rはアルキルである。
別の実施形態では、Rは、1個、2個、または3個のR基で任意に置換されたヘテロアリールである。
別の実施形態では、それぞれのRは、存在するとき、独立して、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、アルコキシカルボニル、またはハロである。
別の実施形態では、Rは、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、トリアゾリル、またはテトラゾリルであり、これらのそれぞれが、1個、2個、または3個のR基で任意に置換される。
別の実施形態では、Rは、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、これらのそれぞれが、1個、2個、または3個のR基で任意に置換される。
別の実施形態では、Rは、ピラジニル、ピリミジニル、またはピリダジニルであり、これらのそれぞれが、1個、2個、または3個のR基で任意に置換され、Rはメチルである。
別の実施形態では、Rは水素であり、Rはメチルであり、Rは、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、Rは、1個、2個、または3個のR基で任意に置換されたヘテロアリールである。
別の実施形態では、式IAの化合物は、
から選択される。
別の実施形態では、式IAの化合物は、
から選択される。
別の実施形態では、式IAの化合物は、
から選択される。
別の実施形態では、式IAの化合物は、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(化合物A)またはその薬学的に許容される塩である。
一般的投与
一態様において、本発明は、式IのPI3KおよびmTORの阻害剤、ならびに薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を含む、薬学的組成物を提供する。ある他の特定の実施形態において、投与は、経口経路による。式Iの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の純粋な形態で、または本明細書に記載される適切な薬学的組成物での投与は、同様の有用性を提供するための認められた投与様式または薬剤のいずれかによって実施することができる。したがって、式Iの化合物は、同一または別個のビヒクル中に投与することができる。投与は、例えば、錠剤、座剤、ピル、軟質カプセルおよび硬質ゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁液、またはエアロゾル等の固体、半固体、凍結乾燥粉末、または液体の投薬形態で、特に、正確な投与量の単純投与に好適な単位投薬形態で、例えば、経口的、経鼻的、非経口的(静脈内、筋肉内、または皮下)、局所的、経皮的、膣内、膀胱内、大槽内、または経直腸的であってもよい。
組成物は、活性薬剤として、任意に、別の薬剤と組み合わせて、従来の薬学的担体または賦形剤および式Iの化合物を含むことができ、加えて、担体および補助剤等を含み得る。
補助剤は、保存剤、湿潤剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、乳化剤、および調剤を含む。微生物の作用の予防は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の種々の抗菌剤および抗真菌剤によって確実に行うことができる。また、例えば、糖、塩化ナトリウム等の等張剤を含むことが望ましい場合もある。注射可能な薬学的形態の持続的吸収は、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン等の吸収を遅延させる薬剤の使用によってもたらすことができる。
必要に応じて、本発明の薬学的組成物はまた、例えば、クエン酸、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、ブチル化ヒドロキシトルエン等の、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、抗酸化剤等の少量の補助物質を含有してもよい。
製剤の選択は、薬物投与様式(例えば、経口投与に対して、錠剤、ピル、またはカプセルの形態での製剤)、および薬物物質の生物学的利用能等の種々の要因によって異なる。近年、薬学的製剤が、その表面積の増加、すなわち、粒径の減少により、生物学的利用能を増加させることができるという原理に基づいて、特に、不良な生物学的利用能を示す薬物に対して開発されている。例えば、米国特許第4,107,288号は、活性物質が巨大分子の架橋マトリックスに支持された10から1,000nmの範囲のサイズの粒子を有する薬学的製剤を記載している。米国特許第5,145,684号は、薬物物質が表面改質剤の存在下で、ナノ粒子(400nmの平均粒径)に粉砕され、次いで、液体媒体中に分散されて、著しく高い生物学的利用能を示す薬学的製剤を得る薬学的製剤の産生を記載している。
非経口的注射に適した組成物は、生理学的に許容される水性または非水性の滅菌溶液、分散液、懸濁液、または乳剤、および滅菌した注射用溶液または分散液に再構成するための滅菌粉末を含み得る。好適な水性または非水性担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、それらの好適な混合物、植物性油(例えばオリーブ油)、および注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが含まれる。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティングの使用、分散液の場合には要求される粒子径の維持、および界面活性剤の使用により、維持することができる。
1つの特定の投与経路は、治療される疾患状態の重症度に従って調整することができる便利な毎日の投薬計画を使用する経口投与である。
経口投与のための固形投薬形態には、カプセル剤、錠剤、丸薬、粉剤、および顆粒が含まれる。このような固形投薬形態では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム等の少なくとも1つの不活性の通常の賦形剤(または担体)、または(a)例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸等の充填剤または増量剤、(b)例えば、セルロース誘導体、デンプン、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアガム等の結合剤、(c)例えば、グリセロール等の湿潤剤、(d)例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム等の崩壊剤、(e)例えば、パラフィン等の溶解抑制剤、(f)例えば、第4級アンモニウム化合物等の吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコール、およびモノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸マグネシウム等の湿潤剤、(h)例えば、カオリンおよびベントナイト等の吸着剤、ならびに(i)例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等の潤滑剤、またはそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸薬の場合、投薬形態はまた、緩衝剤も含み得る。
上述した固形投薬形態は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶性コーティング、ならびに当技術分野でよく知られている他のものを用いて調製することができる。それらは、安定化剤を含有してもよく、それらが、遅延化する様式で、腸管のある部分に活性化合物または化合物を放出させるような組成物であり得る。使用することができる包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスである。活性化合物はまた、適切であるならば、1つ以上の上述した賦形剤と共に、マイクロカプセル化形態であり得る。
経口投与される液体投薬形態には、薬学的に許容される乳剤、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが含まれる。このような投薬形態は、例えば、本発明の化合物(複数可)、またはその薬学的に許容される塩、ならびに任意の製薬用アジュバントを、担体、例えば水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール等;溶解剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド;油、特に綿実油、ラッカセイ油、コーン胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール類、およびソルビタンの脂肪酸エステル;またはこれらの物質の混合物に溶解または分散すること等によって調製され、それによって、溶液または懸濁液を形成する。
懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトール、およびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロオキシド、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物等を含み得る。
直腸投与のための組成物は、例えば、本発明の化合物と、通常の温度では固体であるが、体温では液体であり、したがって適切な体腔で溶解し、そこで活性成分を放出する、例えば適切な非刺激性賦形剤または担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、もしくは坐薬ワックスとを混合することにより調製可能な坐薬である。
本発明の化合物の局所適用のための投薬形態には、軟膏、パウダー、スプレー、および吸入剤が含まれる。活性成分は、生理学的に許容される担体、および必要な場合は任意の保存料、緩衝液、または噴霧剤と、滅菌条件下で混合される。眼用調製物、眼用軟膏、パウダー、および溶液はまた、本発明の範囲内に入ると企図される。
圧縮ガスを用いて、本発明の化合物をエアロゾル形態に分散させることができる。この目的に適している不活性ガスは、窒素、二酸化炭素等である。
一般的に、意図される投与様式に応じて、薬学的に許容される組成物は、本発明の化合物(複数可)またはその薬学的に許容される塩を約1重量%から約99重量%、および適切な薬学的賦形剤を99重量%から1重量%含むであろう。一例において、組成物は、本発明の化合物(複数可)またはその薬学的に許容される塩が約5重量%から約75重量%であり、残りが適切な薬学的に許容される賦形剤である。
このような投薬形態を調製するための実際の方法は、当業者に既知であるか、または明らかであり、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences、18th Ed.,(Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990)を参照されたい。投与される組成物は、いずれにしても、本発明の教示に従い、疾患状態の治療のために有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む。
本明細書に開示される薬学的組成物では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、使用される特定の化合物の活性、化合物の代謝安定性および作用期間の長さ、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与様式および時間、排出速度、薬剤の組み合わせ、特定の疾患状態の重症度、および治療を受けている宿主を含む多様な要因に応じて変化するであろう、有効量で投与される。式Iの化合物は、1日当たり約0.1から約1,000mgの範囲の用量レベルで患者に投与することができる。約70キログラムの体重の正常なヒトの成人の場合、例えば用量は、1日体重1キログラム当たり約0.01から約100mgの範囲とされる。しかしながら、使用される特定の用量は変わり得る。例えば、用量は、患者の必要性、処置される病状の重症度、および使用される化合物の薬理学的活性を含む多くの要因に依存し得る。特定の患者への最適量の決定法は、当業者にはよく知られている。
固定された用量として製剤化される場合、このような併用製品は上述の投薬範囲で本発明の化合物を、その承認された投薬範囲で他の薬理学的に活性な薬剤を用いる。式Iの化合物は、代替的に、併用製剤が不適切なときには既知の薬学的に許容される薬剤と順次使用され得る。
幾つかの実施形態では、有効量は、腫瘍の大きさの減少、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定した疾患、全奏効率における増加、または病理学的完全奏効からなる群から選択される、少なくとも1つの治療効果を生じる。幾つかの実施形態では、有効量は、他の治療と比較して、改善された臨床的有用率(CBR=CR(完全寛解)+PR(部分寛解)+SD(安定した疾患)≧6ヶ月)を生じる。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、約20%以上である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%またはそれ以上である。幾つかの実施形態では、治療効果は、全奏効率における増加である。幾つかの実施形態では、全奏効率における増加は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%またはそれ以上である。
幾つかの実施形態では、匹敵する臨床的有用率(CBR=CR(完全寛解)+PR(部分寛解)+SD(安定した疾患)≧6回の投与サイクル)は、化合物Aを用いない他の治療と比較して、a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩の治療により得られる。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約30%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約40%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約50%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約60%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約70%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約80%である。
幾つかの実施形態では、匹敵する臨床的有用率(CBR=CR(完全寛解)+PR(部分寛解)+SD(安定した疾患)≧6ヶ月)は、化合物Aを用いない他の治療と比較して、a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩の治療により得られる。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約30%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約40%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約50%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約60%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約70%である。幾つかの実施形態では、臨床的有用率の改善は、少なくとも約80%である。
別の態様では、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、または慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に罹患している患者の治療に対する化合物Aの治療効果を評価するための方法が、本明細書に提供され、本方法は、患者の血液または組織試料中の少なくとも1つのバイオメーカーの治療前および治療後のレベルを判定し、比較することを含む。対照と比較した、患者の血液または組織中のバイオメーカーのレベルの差は、化合物Aの臨床的有用性の指標となり得る。例えば、患者におけるバイオマーカーのレベルの増加または減少は、臨床的有用性を示し得る。本方法は、例えば、病態が改善されているか、または悪化しているかを判定するために、化合物Aによる治療の経過を連続的に観察することができる定量的結果を提供し得る。
幾つかの実施形態では、バイオマーカーは、VEGF−A、PIGF、グルコース、インスリン、循環および組織マイクロRNA、循環血漿DNA、PI3K触媒サブユニットをコードする遺伝子の突然変異、ならびに標的特異性DNAマーカー(末梢血単核細胞)、循環癌細胞、血漿DNA、および癌試料)等の血漿中で見出される循環タンパク質マーカーであり得る。他の実施形態では、バイオマーカーは、PI3K触媒および/または調節サブユニットをコードする、または補体となる事象(例えば、PTEN、KRAS、BRAF、LKB−1)をサイレンシングもしくは活性化する、遺伝子の突然変異のような、癌DNAマーカーであり得る。他の実施形態では、マーカーは、化合物Aの安全性、耐容性、薬物動態学的、薬力学的、および潜在的有効性に対して遺伝子型を関連付けるSNP解析によって提供される、またはそれに関連付けることのような非癌DNAマーカー;リン酸化マーカー(癌組織試料、末梢血単核細胞、および循環癌細胞);リン酸受容体(pEGFRおよびpMET);MAPK経路(pMEKおよびpERK);PI3K経路(pAKT[2つのエピトープ]、pGSK3β、pPRAS40、p4EBP1、pFKHR、pNF−kB、pBAD、およびpCaspase9)であり得る。血液または組織試料中のマーカーの濃度を評価するための方法は、熟練した医師により容易に入手可能である。
一般的合成
本発明の化合物は、以下に記載される合成手順によって作製することができる。これらの化合物を調製する際に使用される出発材料および試薬は、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee,Wis.)、もしくはBachem(Torrance,Calif.)等の商業的な供給者から入手可能であるか、またはFieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1−17(John Wiley and Sons,1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1−5 and Supplementals(Elsevier Science Publishers,1989)、Organic Reactions,Volumes 1−40(John Wiley and Sons,1991),March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons,4th Edition)、およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)のような参照文献に記載される手順に従って当業者に既知の方法によって調製される。これらのスキームは、本発明の化合物を合成することができる幾つかの方法を単に例証するものであり、これらのスキームに対する様々な修正がなされ得、本開示を参照する当業者に示唆される。出発材料および反応の中間体は、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィー等が含まれるが、これらに限定されない、従来の技術を用いて、必要に応じて、単離および精製され得る。このような材料は、物理定数およびスペクトルデータを含む従来の手段を用いて特徴付けられ得る。
異なる規定がない限り、本明細書に記載される反応は、大気圧で、約−78℃〜約150℃の範囲、より具体的には、約0℃〜約125℃の範囲の温度、より具体的には、例えば、約20℃の室温(周囲温度)で起こる。別段の定めのない限り(水素化の場合のように)、すべての反応は、窒素雰囲気下で行われる。
プロドラッグは、当業者に既知の技術によって調製することができる。これらの技術は、概して、所与の化合物中の適切な官能基を修飾する。これらの修飾された官能基は、通常の操作によって、またはインビボで元の官能基を再生する。本発明の化合物のアミドおよびエステルは、従来の方法に従って調製され得る。プロドラッグについての完全な考察は、T.Higuchi and V.Stella,“Pro−drugs as Novel Delivery Systems,” Vol 14 of the A.C.S.Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に提供されており、これらの両方は、参照によりすべての目的のために本明細書に組み込まれる。
本発明の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は、それらの構造中に不斉炭素原子または四級化窒素原子を有してもよい。本明細書に記載される合成によって調製され得る式Iの化合物は、単一立体異性体、ラセミ体、ならびに鏡像異性体およびジアステレオマーの混合物として存在してもよい。また、化合物は、幾何異性体として存在してもよい。すべてのかかる単一立体異性体、ラセミ体、およびその混合物、ならびに幾何異性体は、本発明の範囲内にあるよう意図されている。本発明の化合物の一部は、互変異性体として存在してもよい。例えば、ケトンまたはアルデヒドが存在する場合、分子は、エノール型で存在してもよく、アミドが存在する場合、分子は、イミド酸として存在してもよく、エナミンが存在する場合、分子は、イミンとして存在してもよい。すべてのかかる互変異性体は、本発明の範囲内にある。特に、イミダゾール−5−イルおよびピラゾール−5−イルのそれぞれはまた、それらの代表的な互変異性型であるイミダゾール−4−イルおよびピラゾール−3−イルで存在することもできる。どの構造またはどの用語が使用されるかに関わらず、それぞれの互変異性体は本発明の範囲内に含まれる。
本発明はまた、式Iの化合物のN−オキシド誘導体および保護誘導体も含む。例えば、式Iの化合物が、酸化可能な窒素原子を含有する場合、窒素原子は、当技術分野で周知の方法によってN−オキシドに変換することができる。式Iの化合物が、ヒドロキシ、カルボキシ、チオール、または窒素原子(複数可)を含有する任意の基等の基を含有する場合、これらの基は、好適な「保護基(protecting group)」または「保護基(protective group)」で保護され得る。好適な保護基の総合リストは、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,Inc.1991に見出すことができ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。式Iの化合物の保護誘導体は、当技術分野で周知の方法によって調製することができる。
立体異性体のラセミ混合物または非ラセミ混合物からの単一立体異性体の調製および/または分離ならびに単離のための方法は、当技術分野で周知である。例えば、光学的に活性な(R)および(S)異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を用いて調製することができるか、または従来の技術を用いて分解することができる。鏡像異性体(RおよびS異性体)は、当業者に既知の方法、例えば、結晶化によって分離され得るジアステレオマー塩もしくは複合体の形成、例えば、結晶化、1つの鏡像異性体の鏡像異性体特異的試薬との選択反応、例えば、酵素的酸化もしくは還元、続いて、修飾されたおよび修飾されていない鏡像異性体の分離によって分離され得るジアステレオマー誘導体の形成によって、または例えば、結合したキラルリガンドを有するシリカ等のキラル支持体上、もしくはキラル溶媒の存在下等のキラル環境下でのガス液体もしくは液体クロマトグラフィーによって分解され得る。望ましい鏡像異性体が、上述の分離法のうちの1つによって別の化学物質に変換される場合、望ましい鏡像異性型を遊離させるために、さらなるステップが要求され得ることは理解されるであろう。代替的に、特定の鏡像異性体は、光学的に活性な試薬、基質、触媒、もしくは溶媒を使用した不斉合成によって、または不斉転換によってある鏡像異性体を他のものに変換することによって合成され得る。特定の鏡像異性体で富化された鏡像異性体の混合物に対して、主要成分の鏡像異性体は、結晶化によってさらに富化することができる(同時に収率は減少する)。
加えて、本発明の化合物は、非溶媒和型、ならびに水、エタノール等の薬学的に許容される溶媒との溶媒和型で存在することができる。概して、溶媒和型は、本発明の目的で非溶媒和型と同等であると見なされる。
本発明の化合物の調製のための化学は、当業者に既知である。実際には、本発明の化合物を調製するための1つを超えるプロセスが存在し得る。具体的な例については、M.Barvian et al.,J.Med.Chem.2000,43,4606−4616、S.N.VanderWei et al.,J.Med.Chem.2005,48,2371−2387、P.L.Toogood et al.,J.Med.Chem.2005,48,2388−2406、J.Kasparec et al.,Tetrahedron Letters 2003,44,4567−4570、およびそこに引用された参照文献を参照されたい。また、米国付与前公報第US2004/0009993 A1号(M.Angiolini et al.)(参照により本明細書に組み込まれる)、およびそこに引用された参照文献も参照されたい。以下の実施例は、本発明を例証するが制限しない。本明細書に挙げられるすべての参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。
が任意に置換されたアルキルであり、Rが、水素または任意に置換されたアルキルであり、Rが、メチルまたはエチルであり、Rが、フェニルまたはヘテロアリールであり、これらのそれぞれが、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換され(発明の概要に定義される通り)、Rが水素である、本発明の化合物は、スキーム1に従って調製することができる。
水等の溶媒中の市販の2−メチル−2−チオプソイド尿素硫酸塩の溶液に、炭酸ナトリウム等の塩基および式10の中間体を室温で添加する。反応混合物は、一晩またはそれよりも短時間、撹拌する。中和後、11を濾過によって回収し、続いて、真空下で乾燥させる。次いで、11をPOClで処理し、反応物を約2時間加熱還流し、次いで、乾燥するまで真空下で濃縮する。1は、さらに精製することなく次の反応に直接使用することができる。
式2の中間体は、式1の中間体を、水等の溶媒中で加熱しながら第1級アミンRNHと反応させることによって調製される。次いで、2を、約0℃で、メタノール等の溶媒中の一塩化ヨウ素で処理し、約一晩、または反応を完了するのに必要なそれよりも短時間、反応させて、3を形成する。完了後、残渣をアセトンで粉砕する。次いで、中間体3を、トリエチルアミン等の塩基の存在下で、ならびにPd(OAc)および(+)BINAP等の触媒の存在下で、DMA等の溶媒中で、アクリル酸エチルと反応させる。反応物は、約100℃に加熱し、約一晩、または反応を完了するのに必要なそれよりも短時間、反応させて、4を形成する。次いで、4は、カラムクロマトグラフィーによって任意に精製される。
5は、4を室温で、DIPEA等の塩基の存在下で、DBUで処理することによって調製される。次いで、反応混合物を加熱還流し、約15時間、反応させる。溶媒が蒸発した後、残渣をアセトンで粉砕し、濾過によって回収して、5を得る。
6は、5を室温で、DCM等の溶媒中のBr等の臭素化剤と反応させることによって調製される。次いで、反応混合物は、約一晩、撹拌する。得られた生成物を濾過し、次いで、DCM等の溶媒中に懸濁し、トリエチルアミン等の塩基で処理する。次いで、混合物を水で洗浄し、NaSO等の乾燥剤で乾燥させて、6を得る。
次いで、6およびDME−HO混合物等の溶媒中で式RB(OH)のボロン酸(またはエステル)を用いて、Pd(dpppf)等の触媒およびトリエチルアミン等の塩基の存在下で、室温で鈴木カップリングを行う。反応混合物を約4時間加熱還流する。室温まで冷却した後、反応混合物を水と酢酸エチルで分配する。分離後、有機層をNaSO等の乾燥剤で乾燥させて、7を得る。
次いで、7のメチルチオ基を、約4時間撹拌しながら、室温で、DCM等の溶媒中のm−CPBAで酸化する。減圧下で溶媒を除去した後、生成物を、ジオキサン等の溶媒中の式RNHのアミンで処理し、室温で約一晩撹拌して、式Iの化合物を得る。
代替として、Rが任意に置換されたアルキルであり、Rが、メチルまたはエチルであり、Rが、フェニルまたはヘテロアリールであり、これらのそれぞれが、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換され(発明の概要に定義される通り)、Rが水素である、式Iの化合物は、スキーム2に従って調製することができる。
式9の中間体は、式8の中間体を、無希釈POClと反応させ、加熱することによって調製される。次いで、9を、0℃で、水またはTHFおよびトリエチルアミン等の溶媒中の第1級アミンRNHで処理して、10を形成する。減圧下で溶媒を除去した後、中間体10は、0℃で、THF等の溶媒中の水素化アルミニウムリチウムと反応させる。反応停止させ、水性処理した後、溶媒の除去により、さらに精製することなく、結晶11を得た。室温で、塩化メチレンまたはクロロホルム等の溶媒中の二酸化マンガン(II)との11の処理により、濾過および溶媒の除去により、アルデヒド12を得た。アルデヒド12によるウィッティヒ反応を、還流THF中の(カルベトキシメチレン)トリフェニルホスホランと共に採用して、共通中間体4を得ることができる。次いで、スキーム1に記載される手順を用いて、4を使用して、式Iの化合物を調製することができる。
が任意に置換されたアルキルであり、Rが、メチルまたはエチルであり、Rが、フェニルまたはヘテロアリールであり、これらのそれぞれが、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換され(発明の概要に定義される通り)、Rが水素である、本発明の化合物は、スキーム3に従って調製することができる。
式14の中間体は、式13の中間体を、水等の溶媒中の第1級アミンRNHと反応させ、加熱することによって調製される。次いで、14を、約0℃で、メタノール等の溶媒中の一塩化ヨウ素で処理し、約一晩、または反応を完了するのに必要なそれよりも短時間、反応させて、15を形成する。完了後、残渣をアセトンで粉砕する。次いで、中間体15を、トリエチルアミン等の塩基の存在下で、ならびにPd(OAc)および(+)BINAP等の触媒の存在下で、DMA等の溶媒中で、アクリル酸エチルと反応させる。反応物は、約100℃に加熱し、約一晩、または反応を完了するのに必要なそれよりも短時間、反応させて、16を形成する。次いで、16は、カラムクロマトグラフィーによって任意に精製される。次いで、式Iの化合物は、スキーム1に記載されるのと同じ反応条件を用いること(4から5の調製時に開始すること)によって、16から調製することができる。
が任意に置換されたアルキルであり、Rが、メチルまたはエチルであり、Rが、フェニルまたはヘテロアリールであり、これらのそれぞれが、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換され(発明の概要に定義される通り)、Rが水素である、本発明の化合物は、スキーム4に従って代わりに調製することができる。
式20の中間体は、式19の中間体を、無希釈POClと反応させ、加熱することによって調製される。次いで、20を、0℃で、水またはTHFおよびトリエチルアミン等の溶媒中の第1級アミンRNHで処理して、21を形成する。減圧下で溶媒を除去した後、中間体21は、0℃で、THF等の溶媒中の水素化アルミニウムリチウムと反応させる。反応停止させ、水性処理した後、溶媒の除去により、さらに精製することなく、結晶22を得る。室温で、塩化メチレンまたはクロロホルム等の溶媒中の二酸化マンガン(II)との22の処理により、濾過および溶媒の除去により、アルデヒド23を得る。プロトン性溶媒中の炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウム等の塩基の存在下で、23およびアリールアセトニトリルを用いたKnovenegal型の縮合により、環化イミン24が得られる。無水酢酸を用いたイミンのアセチル化は、酸性水溶液の存在下で起こる加水分解前に必要であり、加熱して、25を得る。続いて、25を、室温で、m−CPBAを用いて、対応するスルホンに酸化し、アンモニウムで置換して、Iを得ることができる。
特定の化合物の合成は、第WO2007 0444813号に記載され、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
実施例
PI3K活性および化合物によるその阻害を測定するために好適なインビトロアッセイは、当技術分野で知られている。式Iの化合物は、生物学的実施例1および2に記載されるアッセイのうちの1つ以上を用いて試験されている。癌の治療におけるインビトロ有効性の測定のためのアッセイは、当技術分野で知られている(以下の生物学的実施例3、4、および5も参照のこと)。
実施例1
進行悪性腫瘍に罹患している患者に経口投与した化合物Aの安全性、薬物動態学(PK)、および薬力学を評価するための第I相用量漸増研究
固形腫瘍またはリンパ腫に罹患している対象における化合物Aの安全性、PK、および薬力学を評価するために、2つの投薬スケジュールを用いた、化合物Aに関する第I相非無作為化非盲検用量漸増研究が行われた。
患者は、それぞれの投薬スケジュールにおける最大9つの異なる用量レベルに関して、3人〜6人の対象のコホートを用い、従来の「3+3」の用量漸増設計で治療された。
患者は、28日間サイクルで、毎日2回(1日2回)または毎日(1日1回)のいずれかで、5、10、または50mgの化合物Aを受けた。薬物動態学および薬力学的分析が行われ、腫瘍反応が、8週間ごとに評価された。
結果
固形腫瘍を有する83人の患者およびリンパ腫を有する13人の患者を含む、96人の患者が、化合物Aを投与された。52人の患者は、1日2回のレジメン(30〜240mg/日)において投与され、31人の患者は、1日1回のレジメン(70〜100mg/日、およびリンパ腫を有する13人の患者は、50mgの1日2回のレジメン)において投与された。1日2回のスケジュールにおいて、25人の対象は、50mgの1日2回の構築された最大耐量(MTD)で治療された。最大投与量(MAD)は、120mgを1日2回である。1日1回のスケジュールにおいて、最大投与量は、100mgであり、構築された最大投与量は、90mgである。最も一般的な関連有害事象(患者の10%を超える)は、嘔気、下痢、食欲不振、肝酵素の上昇、皮膚および皮下障害、および嘔吐であった。グレードが3以上のAST/ALTの上昇が、4人の患者(3人の患者は、初めに120mgを1日2回投与され、1人の患者は、初めに50mgを1日2回投与された)において起こった。化合物Aの曝露は、1日2回および1日1回のスケジュールにおける漸増用量と共に増加した。中央値tmaxは、投与してから1〜3時間後であった。平均値t1/2,zは、定常状態で3〜9時間の範囲に及んだ。PI3KおよびERK経路シグナル伝達のロバストな薬力学的調節は、化合物Aの反復投与後の腫瘍および代用組織に顕著に表れた。例えば、pAKT−T308(57〜71%)、p4EBP1(62〜80%)、およびpERK(53〜80%)の投与後の減少が、50mgの化合物Aを1日2回投与された5人の患者から様々な固形腫瘍の対生検において見られた。11人の患者は、16週間以上研究が行われ、7人の患者は、24週間以上治療が行われた。マントル細胞リンパ腫(MCL)を有する1人の患者は、部分奏効を示し、12サイクルで治療された(図1)。III期のマントル細胞リンパ腫(RP LN、骨髄陰性)を有する75歳の女性患者は、2009年4月に診断され、2009年5月から8月にかけて、R−CHOPの6サイクルに対して病初では反応した。R−CHOP後にリツキシマブによる維持療法は、許容される進行を得た。
結論
単剤の化合物Aに対する最大耐量は、50mgを1日2回および90mdを1日1回であると確認された。活性は、長期に及ぶ疾患の安定を有する固形腫瘍患者および1人のリンパ腫対象(マントル細胞リンパ腫における1人の部分奏効)において観察された。化合物Aは、一般に良好な耐容性を示す用量で、固形腫瘍および代用組織において強力な薬力学的活性を示した。
実施例2
リンパ腫を有する患者における、PI3K/mTOR阻害剤を経口投与した化合物Aの安全性、薬物動態学、および薬力学の第I相用量拡大コホート研究
以下の第I相研究は、再発性または不応性リンパ腫を有する対象の拡大コホートにおける連続的な毎日の投薬レジメンとして投与された化合物Aの安全性および薬物動態学を評価するために設計された。
実施例5Aの結果によって示されるように、化合物Aは、50mgを1日2回または90mgを1日1回の最大耐量で、一般に良好な耐容性を示した。化合物Aの血漿曝露レベルは、漸増用量と共に増加することが見出された。最大耐量で、1日1回および1日2回の投薬レジメンは、定常状態で同様の平均血漿曝露を得るように思われた。
患者および方法
研究設計
これは、リンパ腫を有する対象における単剤として経口投与された化合物Aの第I相非盲検非無作為化試験であった。最大耐量の拡大コホートを計画した登録は、少なくとも15人の対象であった。
目的
第1の目的は、再発性または不応性リンパ腫を有する対象への連続的な毎日の投薬レジメンとして、1日2回、経口投与された化合物Aの安全性および耐容性を決定することであった。
第2の目的は、(a)連続的な毎日の投薬の化合物Aの血漿薬物動態学、および(b)腫瘍組織における化合物Aの薬力学的効果を決定することであった。
予備の目的は、(a)リンパ腫を有する対象における化合物Aの薬力学的効果、(b)化合物Aの予備的な有効性データ(奏効率)、および(c)1日2回、反復投与後の化合物Aの長期安定性および耐容性を決定することであった。
主要な適格基準
主要な適格性には、
●組織学的に確認された再発性または不応性リンパ腫の診断
●測定可能な疾患
●以下のように定義された十分な骨髄機能:
●ANC≧1000/mm3(ANC≧500/mm3を有する慢性リンパ性白血病)
●血小板≧30,000/mm3
●ヘモグロビン≧8g/dL
●アーカイブまたは未使用の腫瘍組織の可用性
●選択的PI3K阻害剤を用いた先行療法なし
●書面によるインフォームドコンセント
が含まれる。
結果
16人の患者が、リンパ腫コホートに登録した。予備的なデータは、2011年9月1日のカットオフ日の時点で示される。患者の基本特性は、表2.1に示される。
16人の試験対象が経験した最も一般的な有害事象を表2.2に要約する。
16人の対象における研究治療の詳細を表2.3に要約する。
表2.4は、有効性について評価した13人の対象における最良の奏効を要約する。
図2は、50mgの化合物Aを1日2回、経口投与した毎日の治療後の、1回目のサイクルの1日目および27日目(C1D1、D1D27)および2回目のサイクル中の22日目(C2D22)における化合物Aの平均値(SDの血漿濃度を示す。図2は、本研究に登録されたリンパ腫患者における薬物曝露が、50mgを1日2回投与した後の固形腫瘍を有する患者に以前見られたもの(破線で示される平均濃度)と同様であったことを示す。27日目における蓄積(AUCtau)は、約3倍であり、C2D22対C1D27(n=4)のAUCtau比は、0.91(64.4%)であった。
表2.5のデータは、マントル細胞リンパ腫の腫瘍におけるPI3KおよびMAPK経路を阻害する化合物Aの能力を示す。これらの結果は、PI3KおよびMAPK経路のロバストな阻害、ならびにKi67増殖のほぼ完全な阻害を示す。この所見はまた、化合物Aで処置されたリンパ腫の腫瘍細胞のPTEN IHC染色およびKi67 IF染色を示す、図3にも反映する。PTENの発現は、標準的な手順を用いて、抗PTEN抗体(NCL−PTEN、クローン28H6、1/300で希釈、Novocastra Laboratories Ltd)を用いた、ホルマリンで固定したパラフィン包埋組織切片FFPE(5ミクロン)で免疫組織化学によって評価された。凍結保存された腫瘍生検試料を、5ミクロンで連続的に切断し、FFPE切片に変換された。
要約
化合物Aは、リンパ腫を有する対象において良好な耐容性を示す、二重のPI3K/mTor阻害剤である。リンパ腫を有する患者における化合物Aの薬物動態プロファイルは、固形腫瘍を有する患者において見られるものと一致する。PI3KおよびERK経路シグナル伝達のロバストな薬力学的調節は、PTEN不全のマントル細胞リンパ腫患者において顕著に表れた。MAPK経路の阻害は、間接的影響によるものであるように思われる。Ki67の染色によって示されるように、増殖のほぼ完全な阻害が、観察された。
実施例3
化合物Aによるリンパ増殖性悪性腫瘍の治療
これは、2段階の第II相非無作為化非盲検多施設研究である。患者は、3つの群のうちの1つに登録される、すなわち、1群は、再発性または不応性(R/R)のMCLを有する患者を登録し、2群は、R/Rのグレード1、グレード2、またはグレード3aのFLを有する患者を登録し、3群は、R/RのCLL/SLLを有する患者を登録し、4群は、R/RのDLBCLを有する患者を登録する(この最後の群は1段階の設計を使用する)。客観的奏効率は、FDAおよびヒト用医薬品委員会(CHMP)のガイドラインに従って、第II相研究に対する標準的な一次有効性エンドポイントである。奏効率等のサロゲートエンドポイントは、標的療法を評価する際に最良の評価基準ではないかもしれないが、薬物が腫瘍の縮小をもたらすことができるという証拠は、新しい薬物がさらなる評価を受けるに値することを示すための抗腫瘍活性の十分な証拠と見なされる。
研究の目的
本研究の第1の目的は、以下の再発性もしくは不応性リンパ腫または白血病のサブタイプ:MCL、FL、CLL/SLL、もしくはDLBCLのうちの1つを有する患者における化合物Aの有効性を評価することである。本研究の第2の目的は、(i)化合物Aにより治療されたMCL、FL、CLL/SLL、またはDLBCLのいずれかを有する患者において、6ヶ月(24週間)での、奏効期間、無増悪生存率(PFS)、およびPFSを有する患者の比率を評価すること、(ii)MCL、FL、CLL/SLL、またはDLBCLを有する患者において、化合物Aの安全性および耐容性を評価すること、ならびに(iii)MCL、FL、CLL/SLL、またはDLBCLを有する患者において、化合物Aの血漿薬物動態(PK)をさらに特徴付けることである。予備的な目的は、(i)MCL、FL、CLL/SLL、またはDLBCLを有する患者において、化合物Aの薬力学的効果を評価すること、および(ii)癌組織の分子プロファイリングに基づいて化合物Aに対する奏効および/または耐性の予測マーカーを画定することである。
研究設計
これは、少なくとも2つの標準的な治療レジメンに失敗した、再発性または不応性(R/R)のMCL、FL、CLL/SLL、またはDLBCLを有する患者における、28日間の投薬サイクルで、1日2回、経口で50mgでの化合物Aの多施設多国籍の非無作為化非盲検2段階第II相臨床試験である。患者は、疾患に基づいて3つの群のうちの1つに登録される、すなわち、
1群:R/RのMCL
2群:R/Rのグレード1、2,、または3aのFL
3群:R/RのCLLまたはSLL
4群:R/RのDLBCL
サイモンのミニマックス2段階の設計は、薬物が、研究される疾患群のうちの1つ以上でさらなる研究を保証するのに潜在的に有効であるかどうかを決定するために使用され、4群(DLBCL)は、1段階の設計を使用するであろう。客観的奏効は、リンパ腫のための国際ワーキンググループ(IWL)および慢性リンパ性白血病のための国際ワーキンググループ(IWCLL)の基準に従って、治験責任医師によって評価されよう。

調査対象集団
主要な試験対象患者基準:
●再発しているか、または少なくとも2つであるが4つを超えない事前の抗腫瘍療法に対して不応性になっている、組織学的および表現型的に確認されたマントル細胞リンパ腫(MCL)。
●再発しているか、または少なくとも2つであるが6つを超えない事前の抗腫瘍療法に対して不応性になっている、組織学的および細胞学的に確認されたグレード1、2、または3aの濾胞性リンパ腫(FL)。
●再発しているか、または少なくとも2つであるが6つを超えない事前の抗腫瘍療法に対して不応性になっており、IWCLL基準に従って治療を必要とする、組織学的および細胞学的に確認された慢性リンパ性白血病(CLL) 慢性リンパ性白血病(CLL)。
●再発しているか、または少なくとも2つであるが、6つを超えない事前の抗腫瘍療法に対して不応性になっている、組織学的および細胞学的に確認された小リンパ球性リンパ腫(SLL)。
○不応性疾患は、標準レジメンに応答しないか、または標準レジメンを完了する6ヶ月以内に進行するものとして定義される。
●再発しているか、または少なくとも2つであるが6つを超えない事前の抗腫瘍療法に対して不応性になっている、組織学的および細胞学的に確認されたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)。
○不応性疾患は、標準レジメンに応答しないか、または標準レジメンを完了する6ヶ月以内に進行するものとして定義される。
●MCL、FL、SLL、またはDLBCLを有する患者は、コンピュータ断層撮影(CT)(またはCTが行われない場合、磁気共鳴画像[MRI])または以前に照射を受けたことがないか、もしくは照射後大きさが増大しているコントラスト促進したPET/CTによって、最長横径で1.5cm以上を測定し、少なくとも2つの垂直方向で明らかに測定可能である、少なくとも1つの標的病変を有さなければならない。ベースライン18−フルオロ−デオキシグルコース陽電子放出型断層撮影(FDG−PET)が推奨されるが、必須ではない。
●少なくとも150ミクロンの最新のアーカイブまたは未使用の腫瘍組織の組織または組織ブロックが、MCL、FL、およびDLBCLには必要である。
●最小で、末梢血バッフィーコート試料が、CLL/SLLには必要である。
主要な除外基準
●研究登録の4週間以内の細胞毒性化学療法、生物学的作用物質、治験中の治療法、または6週間以内のニトロソ尿素またはマイトマイシンCによる治療。
●研究登録の2週間以内、または薬物もしくはその活性代謝産物(どちらか長いほう)の5半減期以内の、小分子キナーゼ阻害剤による治療。
●PI3K、mTOR、またはAkt阻害剤による事前治療。テムシロリムスによるMCLの事前治療は、この兆候に対して許可されている国から登録した患者において認められている。
●登録の2週間以内の放射線療法。
●登録の16週間以内の自家幹細胞移植。
●事前同種移植術。
●中枢神経系または軟髄膜に関する関与。
●陽性B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)またはC型肝炎抗体(抗HCV)血清。
投与レジメン
すべての患者は、研究参照手引き(Study Reference Manual)に記載される投与間に12(±1)時間の好ましい間隔を有し、1日2回(朝晩)、化合物Aを摂取する。
化合物Aは、因果関係に関わらず、1つ以上のグレード2以上の有害事象を経験する患者において、1または2の用量レベルで減少され得る。すべての化合物Aに関連したグレード2以上のトランスアミナーゼの上昇、耐えられないグレード2以上の皮膚発疹、およびグレード3以上の有害事象(AE)は、用量減少を要する。2を超える用量レベルの減少を必要とする患者は、研究から離脱させる。用量減少は、治療の投薬サイクル1で生じるいかなるグレードの腫瘍崩壊症候群には必要とされない。
1レベルの用量の再漸増は、用量減少をもたらした毒性がグレード3以下であり、減じた用量レベルで1投薬サイクル後に再び起こらない場合、認められる。
化合物Aを用いた投薬は、いかなるIMP関連の毒性が、グレード1以下またはベースラインに解決されるまで再開してはならない。
一次および二次エンドポイント
一次エンドポイントは、悪性リンパ腫の国際ワーキンググループ応答基準(IWRC)および慢性リンパ性白血病の修正された国際ワークショップのガイドライン(IWCLL)によって定義される、完全奏効/寛解(CR)または部分奏効/寛解(PR)を経験する患者の比率として定義される客観的奏効率(ORR)である。CRに対する基準を満たすMCL、FL、SLL、またはDLBCLを有するすべての患者は、CR評価後、6週間以上確認FDG−PETスキャンを有さなければならない。処置前の骨髄関与を有する患者(生検、フローサイトメトリー、またはIHCによって判定される)は、CRが分子解析を含む骨髄生検によって確認されない場合、PRであると見なされるであろう。
主要な二次エンドポイントは、(i)中央値PFS、6ヶ月(24週間)でPFSを有する患者の比率、奏効期間、(ii)安全性(有害事象および実験パラメーター)、ならびに(iii)投薬サイクル1、3、および6において測定されるであろう化合物Aの血漿濃度が含まれる。
評価スケジュール
投薬サイクルは、28日間の化合物Aを用いた投薬として定義される。有害事象データの回収は、インフォームドコンセント時に開始され、研究処置を行う施設訪問ごと、および研究処置の終了から30日後に行われる。電話による安全性評価は、施設訪問の間の特定の間隔で行われる。安全性評価(有害事象、バイタルサイン、心電図[ECG]、眼科検診、臨床検査、および併用薬)は、投薬サイクル1の1日目の化合物Aの開始前、研究フローチャートに従って、行われる。
腫瘍評価は、投薬サイクル2の終了時、次いで、2年間の期間、または疾患の増悪もしくは研究からの脱落まで、3回ごとの投薬サイクルで行われる。2年を超えて研究を継続する患者は、最低限の6回ごとの投薬サイクルで腫瘍評価を有する。
化合物Aの血漿濃度分析は、MCL、FL、CLL/SLL、またはDLBCLを有する患者において別々に行われる。血液試料は、予定された時点で、および可能であれば、IMP関連の重篤有害事象(SAE)があるときには、採血される。
血液または処理血液、毛髪、および腫瘍組織試料は、規定されたスケジュールにおける様々な確立された、探索的な薬力学的バイオマーカーの分析のために得られる。可能であれば、PD試料の回収は、予定されたPK時点と一致させる。
任意の研究腫瘍生検は、特定の時点で同意した患者から回収されるものとする。最大サンプリングは、ベースラインを含む3つの生検時点である。腫瘍組織は、化合物Aの作用機構に関連するバイオマーカーについて分析される。照合した血液および毛髪のサンプリングは、任意の生検が回収されるとき、必要とされる。
血液試料は、任意の遺伝薬理学的(PGx)インフォームドコンセント用紙に署名した患者から化合物Aの第1の投与前に得られる。PGx血液試料は、化合物Aの薬物動態または薬力学的変動に関連する内因子として、薬物代謝酵素(DME)および/または薬物輸送体の対立遺伝子多型を研究するために回収されるであろう。CLL患者については、さらなる口腔標本が、遺伝子型解析について同意した患者から得られるであろう。PGx血液および口腔スワップはまた、遺伝子型および/または腫瘍ゲノムシークエンシング解析のためにも使用され得る。PK/PD/PGx試料の回収、調製、保存、および出荷に関する詳細な指示書は、別々の実験室マニュアルにおける研究施設に提供されるであろう。
統計的考察
試料の大きさの決定
本研究は、以下の仮説に基づいて、それぞれの疾患群に対して0.05のアルファおよび90%の検出力を有するサイモンのミニマックス2段階の設計を使用する。
段階1の分析は、必要数の評価可能な患者が登録され、2つの有効性評価(投薬サイクル2および投薬サイクル5の完了時での)を完了するとき、それぞれの疾患群内で行われる。
4群は、1段階の設計(H0 0.1およびHa 0.30)を使用し、33人の評価可能な患者が登録されるであろう。
一次エンドポイントの分析
客観的奏効率(ORR)の第1の有効性分析は、必要数の評価可能な患者が登録されるとき、それぞれの疾患群内で行われる。具体的には、第1の有効性分析についてのデータ中断は、すべての患者が少なくとも6ヶ月間追尾されるか、または研究を中止する場合の最も早い日として定義される。これは、それぞれの疾患群について定義される。
有効性集団は、化合物Aの少なくとも2回の投薬サイクルを受け、ベースラインおよび少なくとも1回のベースライン後の腫瘍評価を提供するすべての登録された患者として定義される。また、早期の臨床的進展、毒性、または死亡によりベースライン後の評価を有さない患者も含まれるであろう。
それぞれの疾患群についての奏効率は、対応する95%のCIを有する、有効性集団内の客観的奏効(OR)を有する患者の比率に基づいて、計算される。
二次エンドポイントの分析
無増悪生存率(PFS)の中央値、および6ヶ月でPFSを有する対象の比率は、有効性集団に基づいてカプランマイヤーのアプローチを用いて推定される。有害事象および重篤有害事象の発生は、器官別大分類(system organ class)および優先使用語によって表集計される。臨床検査の結果が要約される。
安全性パラメーターの分析は、すべての処理した/安全性集団において、実験が行われる。すべての処理した/安全性集団は、施された処置の量に関わらず、IMPに供されたすべての登録された患者として定義される。
研究期間
本研究は、化合物Aの投与前の28日間のスクリーニング相、28日間の研究処置の投薬サイクルを有する処置中の相、および約30日間の処置後の安全性追跡調査相からなる。患者は、研究中止基準が満たされるまで化合物Aを継続して受け、最後の訪問時の処置後まで、または化合物A関連の毒性が消散するか、または元に戻せないと見なされるまで(どちらか遅い方)、研究を継続する。
疾患評価は、処置期間後、元のスケジュールに従って、または臨床的に示される場合、研究処置が修正されたIWRCまたはIWCLLのガイドラインによって、進行性疾患の文書化前に中止される場合、それより早く、得られる。
期待される登録期間は、約24ヶ月である。
化合物Aの投与
すべての患者は、投与間に12(±1)時間の好ましい間隔を有し、1日2回(朝晩)、化合物Aを摂取する。それぞれの50mgの投与量は、好ましくは、単一の50mgの投与量強度のカプセル剤として投与されなくてはならない。化合物Aは、グラス1杯(約8オンス(240mL)の水で摂取し、投与前の少なくとも2時間および投与後の1時間、食事は禁止され、1回の投与を逃した場合、通常の投与時間後の4時間まで摂取してもよい。4時間の時間帯外の投与が、施されるべきでないし、今後の時間で行われるべきではない。追加投与量は、化合物Aを摂取後、患者が嘔吐する場合、投与してはならない。患者は、他の併用薬を摂取してもよい(化合物Aが投与されるのと同じ時間に水で胃のpHを変化させる薬を除く)。治験用医薬品は、特定のプロトコル定義された訪問時に、研究施設で投与され、他の投与は、自己投与される。治験用医薬品は、研究施設で患者に配布され、調剤記録が保持される。追跡治療の訪問時、残りの化合物Aが計数され、処置追従が文書化される。
投与の遅延/修正
患者は、研究に登録されている間、有害事象(AE)についてモニタリングされ、いかなる新しいまたは悪化する有害事象の兆候がある場合、できるだけ早く、医師に知らせるように指示されている。一般的なアプローチとして、すべての有害事象は、最も早い毒性兆候時に、可能であれば、支持療法で処置されることを示唆している。
毒性に関する減少後の再漸増
有害事象の重症度によって異なるが、患者の用量レベルは、一旦有害事象が症状状態となれば、1用量レベルを再漸増してもよい。
薬力学的解析
癌組織、毛髪、および末梢血バフィーコートを含む血液は、治験責任医師および治験依頼者の同意、ならびに患者の承諾を有する薬力学的解析のために回収される。
研究には、奏効において患者の癌に既存する標的突然変異(PI3K触媒および/または調節サブユニット)の影響の調査、経路関連タンパク質(例えば、VEGF−A、グルコース、およびインスリン)の血漿レベルの変動、シグナル変換タンパク質および脂質(例えば、pAKT、pERK、pGSK3β、およびPIP3)のリン酸化反応の薬物誘発変化、ならびに有効性において標的調節剤(例えば、PTEN、KRAS、およびLKB−1)の補体となる遺伝子変化の貢献の評価が含まれ得る。
薬力学的解析のために回収されたそれぞれの標本型において解析され得る代表的な候補バイオマーカーを以下に提供する。

循環タンパク質マーカー(血漿)
●VEGF−A、PIGF、グルコース、およびインスリン
●循環および組織マイクロRNA
●循環血漿DNA
●PI3K触媒サブユニットをコードする遺伝子の突然変異
●標的特異性DNAマーカー(末梢血単核細胞)、循環癌細胞、血漿DNA、および癌試料)

癌DNA
●PI3K触媒および/または調節サブユニットをコードする遺伝子の突然変異。
●補体となる事象(例えば、PTEN、KRAS、BRAF、LKB−1)をサイレンシングもしくは活性化する

非癌DNA
●化合物Aの安全性、耐容性、薬物動態学的、薬力学的、および潜在的有効性に対して遺伝子型を関連付けるSNP解析
●リン酸化マーカー(癌組織試料、末梢血単核細胞、および循環癌細胞)
●リン酸受容体(pEGFRおよびpMET)
●MAPK経路(pMEKおよびpERK)
●PI3K経路(pAKT[2つのエピトープ]、pGSK3β、pPRAS40、p4EBP1、pFKHR、pNF−kB、pBAD、およびpCaspase9)
薬力学的変化を評価する際、記述統計学(対t検定等)を用いて、濃度時間データを記載し、ベースラインに対する相対的変動を分析する。必要に応じて、このデータは、メタ分析の一部として他の研究からのデータと合わせてもよい。薬力学的分析の結果は、利用可能な薬物動態および安全性データと合わせて評価されてもよい。

奏効基準
マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(修正されたIWG基準,2007)
完全寛解(CR)は、以下のすべてを必要とする。
●疾患および疾患関連の症状のすべての臨床的証拠の完全消失
●通常、FDG集積(FDG−avid)リンパ腫は、処置前PETスキャンを受けていない患者において、または治療の前のFDG PETスキャンが陽性であった場合に存在する、つまり、PET陰性である限り、いかなる大きさの治療後残渣腫瘤も認められる。可変FDG集積リンパ腫または未知の結合活性を有するFDGは、処置前PETスキャンを受けていない患者において、または処置前PETスキャンが陰性であった場合、存在する。
●すべてのリンパ節および結節腫瘤は、CTで、正常なサイズ(リンパ節に関して、最大横径は、1.5cm以下、治療前、1.5cmを超える)まで退行しなければなければならない。治療前、長軸が1.1〜1.5cm、短軸が1.0cmを超えていた、以前に病変した結節は、治療後、短軸が1.0cm以下に減少されていなければならない。
●身体検査またはCTスキャンに基づいて治療前に肥大していると考えられる場合、膵臓および/または肝臓は、身体検査で触診可能できない状態でなければならない、また画像研究によって正常な大きさであると考えられなければならず、リンパ腫に関連する小結節は、消失していなければならない。しかしながら、正常であると見なされる大きさの膵臓が、リンパ腫を含有する場合があり、一方、肥大した膵臓が、分析、血液量の変動、造血成長因子の使用、またはリンパ腫以外により生じるもの等に反映する場合があるため、膵臓関与の決定は、常に信頼性のあるものではない。
●骨髄が治療前のリンパ腫によって関与する場合、その浸潤物は、反復骨髄生検上で取り除かれていなければならない。この測定が行われる生検試料は、適したものでなければならない(少なくとも20mmの単方向コアを目的として)。試料が形態学によって確認されない場合、免疫組織化学によって陰性でなければならない。免疫組織化学によって陰性であるが、フローサイトメトリーによりクローン性リンパ球の小集団を示す試料は、患者予後の明らかな差異を示す利用可能なデータを示すまでCRであると見なされる。

部分寛解(PR)は、以下のすべてを必要とする。
●最大6個の最大優性結節または結節腫瘤のSPDの少なくとも50%減少。これらの結節または腫瘤は、それらが、少なくとも2つの垂直方向で明らかに測定可能である場合、それらが、体の異なる領域からのものである場合、そして、縦隔および後腹膜の部位が関与するときは、縦隔および後腹膜領域の疾患を含む場合、選択されるべきである。
●他の結節、肝臓、または膵臓の大きさが増加しない。
●膵臓および肝臓の結節は、SPDで、または単一の結節に対して、最大横径で、少なくとも50%退行しなければならない。
●膵臓および肝臓の結節以外、他の器官の関与は、通常、評価可能であるが、測定できない疾患である。
●骨髄評価は、試料が治療前に陽性であった場合、PRの測定に関しては、不適切である。しかしながら、陽性であった場合、細胞型は、特定すべきである(例えば、小腫瘍性B細胞)。前述の基準によってCRを有するが、持続性の形態学的な骨髄関与を有する患者は、部分的応答者(partial responder)であると見なされる。骨髄が、臨床的なCRをもたらした治療前に関与したが、治療後の骨髄評価がない場合、患者は、部分的応答者であると見なされる。
●新しい部位の疾患がない。
●典型的には、FDG集積リンパ腫。処置前PETスキャンを受けていない患者において、またはPETスキャンが、治療前、陽性であった場合、処置後PETスキャンは、少なくとも1つの以前に関与した部位でなければならない。
●可変FDG集積リンパ腫/未知のFDG結合活性。処置前PETスキャンを受けていない患者において、または処置前PETスキャンが陰性であった場合、CT基準を使用しなければならない。

慢性リンパ性白血病
完全寛解(CR)は、以下のすべてを必要とする。
●4×10/L(4000/μL)を下回る末梢血リンパ球(血液および白血球百分率によって評価される)
●ベースラインのスキャンが異常であった場合、身体検査および画像によるリンパ節腫脹症がない(リンパ節が直径で1.5cmを上回る)。
●ベースラインのスキャンが異常であった場合、身体検査および画像による肝腫大または脾腫がない。
●全身症状(B症状)がない。
●以下の値を上回る血球数:
○外因性増殖因子を必要としない1.5×10/L(1500/μL)を超える好中球
○外因性増殖因子を必要としない100×10/L(100000/μL)を超える血小板
○赤血球輸血または外因性エリスロポエチンを必要としない110g/L(11.0g/dL)を超えるヘモグロビン
●骨髄穿刺液および生体は、以下の所見を有さなければならない。
○年齢別の正常コレステロール値。
○30%未満の有核細胞がリンパ球である。
○Bリンパ結節がない(IHCによって確認される)。
●微小残存病変(MRD):CRの特質は、4色フローサイトメトリー(MRDフロー)または対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドPCRのいずれかによってMRDについて評価されなければならない。患者は、MRDの不在下で、10000個の白血球当たり1未満のCLL細胞を有する血液または髄を有するとき、CRを有するものとして定義される。血液は、患者が、過去3ヶ月以内に、モノクローナル抗体(例えば、アレムツズマブ、リツキシマブ)を受けていない場合、この評価を作成するために使用することができる。患者が、過去3ヶ月以内に、モノクローナル抗体療法を受けたことがある場合、骨髄は、MRD評価のために使用されなければならない。
●不完全な骨髄の回復を有する完全奏効(CRi):CRについてのすべての基準を満たしているが、CLLには関連しないが、薬物毒性に続発する骨髄細胞減少および持続性貧血または血小板減少症または好中球減少症を有する患者。骨髄が低細胞性である場合、4週間後、または末梢血球数が回復するまで、反復判定が行われなければならない。
●結節性部分奏効(nPR):CRについてのすべての基準を満たしているが、IHCによるBリンパ結節の骨髄の兆候を有する患者。

部分寛解(PR)は、以下を必要とする。
●血球数は、以下の結果のうちの1つを示さなければならない。
○外因性増殖因子を必要としない1.5×109/L(1500/μL)を超える好中球
○外因性増殖因子を必要としない100×109/L(100000/μL)を超える、またはベースラインを上回る50%の改善のある血小板数
○赤血球輸血または外因性エリスロポエチンを必要としない、110g/L(11.0g/dL)を超える、またはベースラインを上回る50%の改善のあるヘモグロビン
●そして、以下の3つの結果のうちの2つを示さなければならない。
○治療前の値から血中のリンパ球数の50%以上の減少。
○以下によって定義される、身体検査または画像によるリンパ節腫脹症の減少:
■最大6個のリンパ節の生成物の合計、または治療前に検出された肥大したリンパ節の最大直径のいずれかで、リンパ節の大きさにおいて50%以上の減少。
○いかなるリンパ節の増加もなく、新しい肥大したリンパ節がない。
●小リンパ節群(2cm未満)では、25%未満の増加は、有意であると見なされない。
●身体検査または画像による肝腫大または脾腫の50%以上の減少。
前述の発明は、明瞭さと理解のために、例証と実施例を用いて、ある程度詳細に記載されている。本発明は、様々な特定の実施形態および技術を参照して記載されている。しかしながら、本発明の精神および範囲内でありながら、多くの変更および修正が行われてもよいことは理解されるべきである。添付の特許請求の範囲内で、変更および修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、上記の説明は、限定的ではなく例示的であることを意図すると理解されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、むしろ、以下の添付の請求項の参照、およびそのような請求項が権利を与えられる同等物の範囲全体によって決定されるべきである。本出願において引用されるすべての特許、特許出願、および刊行物は、あたかも各個々の特許、特許出願、または刊行物が、そのように個々に示されている場合と同じ程度まで、すべての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (26)

  1. 患者における癌の治療方法であって、有効量の(a)式IAの化合物であって、
    式中、
    は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、
    ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、
    は、水素またはアルキルであり、
    はアルキルであり、
    は水素であり、
    は、フェニル、アシル、またはヘテロアリールであり、前記フェニルおよびヘテロアリールは、1個、2個、3個、4個、または5個のR基で任意に置換され、
    それぞれのRは、存在するとき、独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり、前記シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロアリールは、独立して、それぞれ単独で、あるいはR内の別の基の一部として、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、およびジアルキルアミノから選択される1個、2個、3個、または4個の基で任意に置換される、化合物、またはその代謝産物もしくは薬学的に許容される塩を、前記患者に投与することを含み、
    前記癌は、再発性または不応性NHL、MCL、FL、CLL/SLL、およびDLBCLからなる群から選択される、方法。
  2. 前記式IAの化合物のRは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、またはアリールアルキルであり、Rは、水素またはアルキルであり、Rはアルキルであり、Rは水素であり、Rは、フェニルまたはヘテロアリールであり、前記フェニルおよびヘテロアリールは、1個、2個、または3個のR基で任意に置換され、それぞれのRは、存在するとき、独立して、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、またはハロであり、それぞれのRは、存在するとき、独立して、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、アルコキシカルボニルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記式IAの化合物のRはメチルである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記式IAの化合物のRは、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記式IAの化合物のRはアルキルである、請求項1または4に記載の方法。
  6. 前記式IAの化合物のRは、1個、2個、または3個のR基で任意に置換されたヘテロアリールである、請求項1〜5に記載の方法。
  7. 前記式IAの化合物のRは、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、トリアゾリル、またはテトラゾリルであり、これらのそれぞれが、1個、2個、または3個のR基で任意に置換される、請求項1〜6に記載の方法。
  8. 前記式IAの化合物のRは、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、これらのそれぞれが、1個、2個、または3個のR基で任意に置換される、請求項1〜7に記載の方法。
  9. 前記式IAの化合物のRは水素であり、Rはメチルであり、Rは、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、Rは、1個、2個、または3個のR基で任意に置換されたヘテロアリールである、請求項1〜8に記載の方法。
  10. 前記式IAの化合物は、
    から選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記式IAの化合物は、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜10に記載の方法。
  12. ヒト患者におけるリンパ増殖性悪性腫瘍の治療方法であって、有効量の2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩を、前記患者に投与することを含み、前記方法は、少なくとも1つの投与サイクルを含み、前記投与サイクルは、28日周期である、方法。
  13. 2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩は、1日2回、約50mgで投与される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記リンパ増殖性悪性腫瘍は、再発性または不応性NHL、MCL、FL、CLL/SLL、およびDLBCLからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記有効量は、腫瘍の大きさの減少、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定した疾患、全奏効率における増加、または病理学的完全奏効からなる群から選択される、少なくとも1つの治療効果をもたらす、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記有効量は、他の治療と比較して、式、臨床的有用率(CBR)=CR(完全寛解)+PR(部分寛解)+SD(安定した疾患)≧6ヶ月)による改善された臨床的有用率(CBR)をもたらす、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記臨床的有用率の改善は、約20%以上である、請求項15に記載の方法。
  18. 前記治療効果は、全奏効率における増加である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記全奏効率における増加は、約10%以上である、請求項18に記載の方法。
  20. 化合物Aなしで施された他の治療と比較して、前記式、臨床的有用率(CBR)=CR(完全寛解)+PR(部分寛解)+SD(安定した疾患)≧6回の投与サイクル)による、匹敵する改善された臨床的有用率(CBR)が、a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩の治療により得られる、請求項19に記載の方法。
  21. 前記臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%である、請求項19に記載の方法。
  22. 化合物Aを用いない他の治療と比較して、匹敵する臨床的有用率(CBR=CR(完全寛解)+PR(部分寛解)+SD(安定した疾患)≧6ヶ月)が、a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩の治療により得られる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%である、請求項22に記載の方法。
  24. 有効量の2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩を含む、ヒト患者におけるリンパ増殖性悪性腫瘍の治療時に用いる、組成物。
  25. 前記2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容される塩は、1日2回、約50mgの一用量に配合される、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記リンパ増殖性悪性腫瘍は、再発性または不応性NHL、MCL、FL、CLL/SLL、およびDLBCLからなる群から選択される、請求項24または25に記載の組成物。
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