JP2014513048A - ジビニルエーテル類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

2個のヒドロキシル基を有する化合物(以下にジオールという)をアセチレンと反応させることによるジビニルエーテル類の製造方法であって、・該ヒドロキシル基とアセチレンとの完全な反応を行わず、ゆえに、得られた生成物混合物は、該ジビニルエーテルに加え、なおそのモノビニルエーテルも含有し、かつ・該モノビニルエーテルを、抽出剤の存在下での抽出蒸留により該生成物混合物から分離することにより特徴付けられる。

Description

本出願は、2011年2月17日付で提出された米国仮出願61/443728を参照により包含するものである。
本発明は、2個のヒドロキシル基を有する化合物(以下にジオールという)をアセチレンと反応させることによる、ジビニルエーテル類の製造方法に関し、該方法は、
・該ヒドロキシル基とアセチレンとの完全な反応を行わず、ゆえに、得られた生成物混合物は、該ジビニルエーテルに加え、なおそのモノビニルエーテルも含有し、かつ
・該モノビニルエーテルを、抽出剤の存在下での抽出蒸留により該生成物混合物から分離する
ことにより、特徴付けられている。
ビニルエーテル類は、ジビニルエーテル類ともいい、レッペ法により製造することができる。この方法の詳細な説明は、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第38巻, p.77〜85に見出される。この方法の本質的な特徴は、ヒドロキシ化合物をアセチレンと反応させて、相応するビニルエーテル類にすることである。該反応は一般に、アルカリ金属塩基、例えば、ヒドロキシ化合物へのアルカリ金属水酸化物の添加により形成される、該ヒドロキシ化合物のアルコラートの存在下で行われる。
2個のヒドロキシ基を有する化合物(ジオール)の場合に、一般にまず最初に、該ジオールのモノビニルエーテルが形成され;その後初めて、更なるアセチレンが2個目のヒドロキシ基と反応してジビニルエーテルになる。ジビニルエーテルへの完全な反応のためには、長い反応時間が必要とされる、それというのも、なお存在しているヒドロキシ基の数が低下するにつれて、その反応確率がますます低くなるからである。また、該反応には、ジビニルエーテルへの完全転化を難しくする粘度増加が付随して現われる。該粘度増加の問題は特に、連続気相の不在下での該ジオールとアセチレンとの反応の際に起こる。アセチレンとのこの種の反応は、欧州特許出願公開(EP-A)第733401号明細書から知られている。その際に、該反応器は完全に充填され、かつ該アセチレンガスがその液相へ導通されるので、該アセチレンが連続気相を形成することなく、該アセチレンは該液相中に分散する。不連続法の場合に、該反応器内容物は均等化容器(Ausgleichbehaelter)中へ放圧され、かつ該反応混合物は該反応器中へ返送される。連続法の場合に、該反応器内容物は同様に均等化容器中へ放圧されるが;しかしこれは再び該反応器中へ返送されるのではなくて、連続的に下流の後処理に供給される。これらの方法は特に、該反応混合物の高い粘度により難しくなっている。
欧州特許出願公開(EP-A)第906 899号明細書からは、ゆえに、ジビニルエーテルへの完全転化が達成される前に、該反応を中断することが知られている。得られた生成物混合物から、モノビニルエーテルは、金属水酸化物の添加後に蒸留により分離される。この方法にとって不利であるのは、金属水酸化物の該添加が、0〜3%のモノビニルエーテル含量の場合にのみ、工業的に実現可能であり、かつ有意義であることである。3%よりも大きいモノビニルエーテル含量の場合に、該モノビニルエーテル金属塩は、高い粘度及び該塔底中での閉塞をまねく。
本発明の課題は、できるだけ単純で連続的に実施可能な、高い純度及び収率のジビニルエーテル類の製造方法であった。特に、追加の供給原料が必要とされない方法が望ましい。
それに応じて、冒頭に定義された方法が見出された。
本発明による方法の場合に、2個のヒドロキシル基を有する化合物(ジオール)をアセチレンと反応させる。
該ジオールは、好ましくは、500g/モル未満、特に300g/モル未満の分子量を有する脂肪族又は環式脂肪族の化合物である。好ましくは、該ジオールは、2個のヒドロキシル基以外に、更なる官能基又はヘテロ原子を有しない。
好ましいジオールは、式I
HO−X−OH
又は式II
Figure 2014513048
[式中、X及びYはC2〜C10−アルキレン基を表し、かつnは1〜10の整数を意味する]で示されるものである。
特に好ましくは、式I中のXは、C2〜C6−アルキレン基を表す。式Iの特に好ましい化合物は、1,2−ジヒドロキシエタン(エチレングリコール)、1,3−ジヒドロキシプロパン、1,4−ジヒドロキシブタン又は1,6−ジヒドロキシヘキサンである。
特に好ましくは、式II中のYは、C2〜C4−アルキレン基を表す。nは特に好ましくは1〜6の整数を表し、殊にnは1、2、3又は4を表す。
特に好ましい実施態様において、Yは、エチレン基を表し、かつnは、1〜4の整数を表す。
本発明による方法に特に好ましいジオールとして、式IIのジエチレングリコール(n=1)及びトリエチレングリコール(n=2)の化合物が挙げられる。
ジオールの混合物を使用することも考慮に値し、以下の説明は、ゆえに、混合物にも当てはまる;しかし、好ましくは、もしかすると通常の工業不純物を含みうる、純ジオールである。
該ジオールとアセチレンとの反応は、好ましくは触媒の存在下で行われる。好ましくは、該ジオールのアルカリ金属アルコラートが触媒として使用される。そのためには、該ジオールは、アセチレンとの該反応前に、固体又は水を含む形態の水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの添加により、相応するナトリウムアルコラート又はカリウムアルコラートへ部分的に変換される。好ましくは、0.1〜20モル%、特に0.5〜10モル%の該ヒドロキシ基がアルコラート基へ変換され、かつアルカリ金属水酸化物の量は相応して選択される。
該ジオールとアルカリ金属水酸化物との前記の反応は、不連続に又は連続的に実施することができる。該反応中に、該混合物は好ましくは脱水される。不連続な実施は、好ましくは減圧下及び200℃までの温度で、特に1〜100mbar及び140〜180℃で行われる。連続的には、該アルカリ金属水酸化物との反応は、その水の蒸留による分離を伴う反応蒸留として実施することができる。
好ましくは、アセチレンとの該反応のためには、アルコラート基の前記の含量及び1質量%未満、特に0.5質量%未満の含水量を有するジオールが使用される。
該アセチレンと該ジオールとの反応は、好ましくは80〜220℃の温度で、特に好ましくは140〜180℃で及び好ましくは1.0bar(常圧)〜50bar及び特に好ましくは5〜30barの圧力で行われる。
該反応は、任意の反応器中で行うことができ、例えば、撹拌槽、撹拌槽型カスケード、管形反応器又はループ型反応器を挙げることができる。好ましくは、該反応は、ループ型反応器中で行われる。
特に、該反応は、欧州特許出願公開(EP-A)第733401号明細書にも記載されているように、該アセチレンの連続気相を回避しながら行われる。そのためには、該反応容器は、好ましくは該ジオールで完全に充填され、かつアセチレンはその液相中へ所望の飽和度まで導入される。出口流は好ましくは、該反応混合物中の組成及びアセチレン濃度を決定するために、均等化容器中へ放圧され、かつ該反応器へ返送される。しかし、本発明は更にまた、特に連続法にも適している。連続法の場合に、該反応器内容物は、均等化容器中への放圧後に、好ましくは再び該反応器へ返送されるのではなくて、連続的に、下流の後処理に供給される。
本発明によれば、ジビニルエーテルへの完全な反応は行われない。該反応は、所望の量のモノビニルエーテルが生成物混合物中になお含まれている程度にまでのみ実施される。好ましくは、該生成物混合物は、ジビニルエーテル及びモノビニルエーテルの質量合計を基準として、
ジビニルエーテル 30〜98質量%及び
モノビニルエーテル 2〜70質量%
を含有する。
特に好ましくは、該生成物混合物は、ジビニルエーテル及びモノビニルエーテルの質量合計を基準として、
ジビニルエーテル 60〜95質量%及び
モノビニルエーテル 5〜40質量%
を含有する。
更に、該生成物混合物は、前記ヒドロキシ基のいずれもビニルエーテル基へ変換されていない未反応ジオールも、例えば、ジビニルエーテル及びモノビニルエーテルの質量合計の100質量部に対して0〜40質量部、特に0.5〜30質量部の量で、含有していてよい。その他に、該生成物混合物は、該アルカリ金属の塩基性塩を副生物としてもしくは未反応出発物質として含有する。
引き続き該生成物混合物を後処理する際に、まず最初に、該アルカリ金属の塩基性塩を分離することができる。これは、例えば、薄膜型蒸発缶中で行うことができ、該薄膜型蒸発缶に、全生成物混合物又は該生成物混合物の部分流のみが導かれる。
本発明による方法の本質的な特徴は、抽出蒸留による該生成物混合物からの該モノビニルエーテルの除去である。
該抽出蒸留は、事前の後処理、例えば前記の塩分離に続いて行うことができる。
本発明による方法の利点は、該抽出蒸留のために、該生成物混合物を、該反応から直接、その他の後処理なしもしくは副生物、触媒(塩分離)又は未反応出発物質の事前の分離なしに、使用することができることである。
該生成物混合物は、ゆえに、好ましくは該反応器から直接、該抽出蒸留に供給される。
抽出剤として適しているのは、該モノビニルエーテルが十分に可溶である有機溶剤である。特に、200g/モル未満のモル質量を有する脂肪族及び環式脂肪族の化合物が考慮に値する。特に適しているのは、少なくとも1個のヒドロキシ基又はカルボニル基を有する脂肪族又は環式脂肪族の化合物である。
特に、式I及びIIの前記のジオールが抽出剤として適している。
特に好ましい実施態様において、アセチレンとの該反応の際に使用されるジオールが、これらのジオールのモノビニルエーテルを該生成物混合物から分離するために、抽出剤としても使用される。
相応して、好ましくはジエチレングリコール
HO−CH2−CH2−O−CH2−CH2−OH
は、ジエチレングリコールジビニルエーテル
2C=CH−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH=CH2
製造の際に、かつ好ましくはトリエチレングリコール
HO−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−OH
は、トリエチレングリコールジビニルエーテル
2C=CH−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH=CH2
の製造の際に、抽出剤として使用される。
該抽出剤は、モノビニルエーテル及びジビニルエーテルの質量合計の100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部、特に好ましくは20〜80質量部、殊に30〜60質量部の量で使用される。連続操作の場合に、これらの質量部は、供給される流れの質量比に相当する。
該抽出蒸留は、特に60〜240℃で及び0.001〜1barの減圧で実施される。例えば、1〜50mbarの減圧で、適した底部温度は130〜190℃であり、かつ頂部温度は80〜120℃である。
該塔の底部中に、該モノビニルエーテルが豊富化されている混合物が得られる(塔底混合物)。
該底部の上方で、適した箇所で、所望のジビニルエーテルが豊富化されている混合物を取り出すことができる(生成物混合物)。
該塔底混合物からは、該モノビニルエーテルを分離することができ、かつアセチレンとの該反応へ返送することができる。該反応の際に使用されるジオールが、同時に該抽出剤でもある場合には(前記の好ましい実施態様を参照)、モノビニルエーテルの豊富化された塔底混合物の後処理を省くことができ、かつ全ての塔底混合物を後処理なしで、該アルカリ金属水酸化物との反応へ(上記参照)又は直接、該アセチレンとの該反応へ、返送することができ;この場合に、該抽出剤(すなわち相応するジオール)の量は、もちろん好ましくは、得られる塔底混合物の体積が、返送される反応器の利用できる体積を、超えないように選択され;特に好ましくは、該抽出剤の量は、得られ、かつ返送される塔底混合物の体積が、返送される該反応器の利用できる体積に相当し、かつこの体積を完全に利用するように選択される。
装置構成に応じて、特にそのトレイの数に応じて、該抽出蒸留の際に直接、所望の純度の該ジビニルエーテルからなる生成物混合物を得ることができる。選択的に、あまり費用のかからない装置設計の場合に、該ジビニルエーテルが豊富化されているが、しかしなおジオール及び場合により減損された量のモノビニルエーテルも含まれている生成物混合物を取り出すことができる。この生成物混合物は、次いで、更に蒸留により分離することができるので、所望の純度の該ジビニルエーテルが得られる。その際に生じるジオール及び場合により残りのモノビニルエーテルは、該抽出剤が該反応の際に使用されるジオールと同じである場合には、そしてまた、前記のように、後処理なしに返送することができる。
該抽出蒸留に適した塔は、特に連続的に操作される、不規則充填塔又は規則充填塔である。
適しているのは、不規則充填物並びに規則充填物を含有する、例えば下の部分に充填積重ね物(Fuellkoerperschuettungen)を含有し、かつ上の部分に規則充填要素(例えば取り付けられた薄鋼板)を有する、塔でもある。
該塔は、好ましくは少なくとも2、特に好ましくは少なくとも3の理論段を有していてよい。その理論段数は、例えば2〜100、特に3〜20であってよい。
抽出蒸留の場合に、例えば、
10〜70質量%、特に15〜50質量%のモノビニルエーテル及び特に好ましくは20〜40質量%のモノビニルエーテル
2〜50質量%、特に2〜40質量%のジビニルエーテル及び特に好ましくは5〜30質量%のジビニルエーテル、
10〜90質量%、特に30〜90質量%のジオール及び及び特に好ましくは40〜80質量%のジオール
0〜20質量%、特に0〜10質量%のその他の成分
からなる塔底混合物及び
0〜15質量%、特に0〜5質量%のモノビニルエーテル、特に好ましくは0〜2質量%のモノビニルエーテル
60〜99.5質量%、特に80〜99.5質量%のジビニルエーテル、特に好ましくは90〜99.5質量%のジビニルエーテル
0.2〜20質量%、特に0.2〜10質量%のジオール及び特に好ましくは0.2〜5質量%のジオール及び
0〜10質量%、特に0〜5質量%のその他の成分
からなる生成物混合物
を得ることができる。
該生成物混合物から、該ジビニルエーテルを容易に99質量%超、特に99.5質量%超の純度で、蒸留により分離することができ、その際に該ジビニルエーテル中のジオールの含量は好ましくは0.5質量%未満及び特に0.2質量%未満である。該ジビニルエーテルは、相応する装置設計の場合に同じ純度で既に直接、該抽出蒸留から取得することもできる。
本発明による方法は、不連続に又は連続的に実施することができる。また、相応する装置設計が与えられる場合に、連続的に実施される処理工程を、不連続に実施される処理工程と組み合わせることができる。好ましい実施態様において、全ての処理工程を有する該方法が連続的に実施される。
本発明による方法は、不連続法並びに連続法に適している。本方法は工業的に単純に実施することができる。本方法を用いて、ジビニルエーテル類を高い収率及び純度で得ることができる。ジビニルエーテル類への高い転化の場合に生じ、かつ問題をまねく粘度増加を回避することができる。

ジエチレングリコールジビニルエーテルの合成
ジエチレングリコールはアセチレンと、塩基としてのKOHの使用(該アルコラートの形成)下に、以下の反応式により反応して、ジビニルエーテルもしくはジビニルエーテルとモノビニルエーテルとの混合物(部分転化の場合)になる:
Figure 2014513048
省略形:
ジエチレングリコール:DEG
ジエチレングリコールモノビニルエーテル:DEG−MVE
ジエチレングリコールジビニルエーテル:DEG−DVE。
1.モノビニルエーテルグリコールとジビニルエーテルグリコールとの混合物の製造
バッチ:ジエチレングリコール=16.2モル 1720g
ジエチレングリコールジビニルエーテル=1.8モル 280g
粒状KOH 50.0g。
該成分を、2.5リットルのオートクレーブ中へ入れた。アセチレンを、該オートクレーブに、圧力が19barになるまで供給した。該反応を、155℃、19bar及び700rpmのその撹拌機の回転数で行った。アセチレン550リットルが取り込まれた後(約7時間後)に、該反応を中断し、該オートクレーブを放圧し、室温に冷却した。
該エチレングリコールのモノビニルエーテル及びジビニルエーテルの混合物が得られた。ガスクロマトグラフィーによる分析は、68対29のDEG−DVE対DEG−MVEの比であった(面積パーセント)。
2.塩分離
DEGとアセチレンとの反応から得られた原料(約19%のDEG−MVEを有する)を、薄膜型蒸発缶を用いて連続的に110℃の蒸発器中の熱媒体温度及び10mbar絶対の圧力で、約300ml/hでかつ約10%の不活性底部希釈剤(Pluriol(登録商標) E600)を添加して、該塩基性塩を除去する。得られた留出物は、約14質量%のDEG−MVEを含有する。
3.抽出蒸留
約300g/hの供給流で、粗留出物(14%のDEG−MVEを有する)を、頂部抜出し、底部抜出し及び側部抜出し並びに構造化充填物(Sulzer DX、充填物高さ約0.95m)を備え、相応して寸法決定された蒸留塔の下部区間に送った。頂部で20:1及び側部抜出しで1:1の還流比に調節する。
該底部温度は105℃であった。
約20mbarの真空で、約74℃の頂部温度が確立される。
同時に、該側部抜出しの高さで約140g/hのDEGの流れを抽出剤として供給し、それにより、該塔の底部中のDEG−MVEの豊富化が達成される(約30%のDEG−MVE、60%のDEG及び10%のDEG−DVE)。
該塔の底部からの流れ(約204g/h)を目下抜き出すことができ、これを再び、該塩基製造又は該反応に供給することができる。
該塔の液体の側部抜出しで、約216g/hを抜き出し(約0.1%のDEG−MVE、1%のDEG及び99%のDEG−DVEの組成)、これを精製蒸留に供給する。該塔の頂部で、約15g/hの低沸成分を抜き出す。
4.精製蒸留(バッチ/連続)
該抽出蒸留の側部抜出しからの流れは目下、該精製蒸留において更にDEGを除去しなければならない。そのためには、該流れは約221g/hで、構造化充填物を備えた別の蒸留塔(側部抜出しを有しない単純な頂部−底部分離)の底部中へ送られる。
該底部温度は、その際に約112℃であるべきである。
約20mbarの真空で、約85℃の頂部温度が確立される。
該塔中で、頂部で3:1の還流比に調節する。
該塔の頂部で、少なくとも99%の純度を有する約209g/hの有用生成物(及び約0.1%のDEG)を抜き出す。
該塔の底部から、約12g/hの流れを抜き出し、これを再び該塩基製造又は該反応に供給することができる。
5.該抽出蒸留からの底部生成物の返送及び改めての反応
該抽出蒸留からの底部生成物1596gを改めてアセチレンと反応させた。該底部生成物は次の組成を有していた:
ジエチレングリコールジビニルエーテル 3.9%
ジエチレングリコールモノビニルエーテル(6.1モル) 50.6%
ジエチレングリコール(6.5モル) 43.5%
分析(元素分析)によるカリウム含量:1.5%。
該反応をそしてまた2.5リットルのオートクレーブ中で、前記のように行った。
ガスクロマトグラフィーによる分析は、94.5面積パーセントのDEG−DVEであった。DEG−MVEの含量は、もはや測定することができなかった。

Claims (13)

  1. 2個のヒドロキシル基を有する化合物(以下にジオールという)をアセチレンと反応させることによる、ジビニルエーテル類の製造方法であって、
    ・該ヒドロキシル基とアセチレンとの完全な反応を行わず、ゆえに、得られた生成物混合物は、該ジビニルエーテルに加え、なおそのモノビニルエーテルも含有し、かつ
    ・該モノビニルエーテルを、抽出剤の存在下での抽出蒸留により該生成物混合物から分離する
    ことを特徴とする、ジビニルエーテル類の製造方法。
  2. 該ジオールが、500g/モル未満の分子量を有する脂肪族化合物又は環式脂肪族化合物である、請求項1記載の方法。
  3. 該ジオールが、式I
    HO−X−OH
    又は式II
    Figure 2014513048
    [式中、X及びYは、C2〜C10−アルキレン基を表し、かつnは、1〜10の整数を意味する]
    の脂肪族ジオールである、請求項1又は2記載の方法。
  4. 該ジオールが、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコールである、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 得られた生成物混合物が、ジビニルエーテル及びモノビニルエーテルの質量合計を基準として、30〜95質量%のジビニルエーテル及び5〜70質量%のモノビニルエーテルを含有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 該ジオールとアセチレンとの反応を連続気相の不在下で行う、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 副生物、触媒又は未反応出発物質の事前の分離を行わずに、全生成物混合物を該抽出蒸留に供給する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 該抽出剤を、モノビニルエーテル及びジビニルエーテル100質量部に対して5〜100質量部の量で使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 該抽出を60〜240℃及び0.001〜1barで実施する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 該抽出蒸留の際に分離されたモノビニルエーテルを、該反応へ返送する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 該抽出剤が、該反応の際に使用されるジオールである、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 分離されたモノビニルエーテルを、ジオールとの混合物で該反応へ返送する、請求項11記載の方法。
  13. 連続法である、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
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