JP2014511958A - 風力タービン装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 高速で運動中のブレード先端による騒音が生じず、ほとんどどこにでも位置付けることができる、より小型でよりコンパクトな風力タービン装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の風力タービン装置は、シャフトと、第１の風力タービンと、第２の風力タービンと、２部品オルタネーターとを備える。シャフトは長手方向軸を有し、第１の風力タービン、第２の風力タービン及びオルタネーターはシャフトに取り付けられる。オルタネーターは、第１の風力タービンと第２の風力タービンとの間に位置付けられ、オルタネーターは、（ａ）第１の風力タービンに固定される円形磁石部品と、（ｂ）第２の風力タービンに固定される円形巻線部品とを含む。そのため、有効な風がシャフトの長手方向軸に対して垂直な方向に吹くと、（１）第１の風力タービン及び円形磁石部品が第１の方向にシャフトの回りに回転するとともに、（２）第２の風力タービン及び円形巻線部品が第１の方向とは反対の第２の方向にシャフトの回りに回転し、それによって電気エネルギーを生成する。
【選択図】図１

Description

本発明は、風力タービンに関し、より詳細には、電力を生成する風力タービン装置に関する。

［関連出願の相互参照］
本ＰＣＴ特許出願は、米国特許法第１１９条（ｅ）項に基づき、２０１１年３月１７日に出願された米国仮特許出願第６１／４５３，８１１号、及び、米国特許法第１１１条（ａ）項に基づき、２０１２年１月１９日に出願された米国特許出願第１３／３５３，９９８号の優先権の利益を主張する。これらの関連する仮特許出願及び特許出願の内容は、あらゆる目的で引用することにより本明細書の一部をなすものとする。

風車及び風力タービンは久しく発電に使用されている。現在使用されている多くの風力タービンは高い塔の頂部に取り付けられており、垂直面内で該面に対して垂直な水平軸回りに回転する３つの細長いブレードを有する。ブレードの先端は高速で動き、不快な騒音を生じる。また、これらのユニットは非常に大きいため、通常は電力が使用されることになる場所から遠い、広大なオープンスペース内にしか設置することができない。

高速で運動中のブレード先端による騒音が生じず、例えば、建物の頂部、電柱、照明柱及び他の既存の市街構造物という、電力が使用されることになる場所のより近くである、密集した市街地区域において特に、ほとんどどこにでも位置付けることができる、より小型でよりコンパクトな風力タービン装置が必要とされている。

風力タービン装置は、シャフトと、第１の風力タービンと、第２の風力タービンと、２部品オルタネーターとを備える。２つのタービン及びオルタネーターはシャフトに取り付けられている。オルタネーターは２つのタービン間に位置付けられている。オルタネーターは、第１のタービンに固定される円形磁石部品と、第２のタービンに固定される円形巻線部品とを備え、そのため、有効な風が吹くと、第１のタービン及び円形磁石部品が第１の方向にシャフトの回りに回転し、第２のタービン及び円形巻線部品が第１の方向とは反対の第２の方向にシャフトの回りに回転し、それによって電気エネルギーを生成する。

本発明による風力タービン装置の斜視図である。 図１の風力タービン装置の前面図である。 図２の装置の前半分が取り外されている、該装置の前面断面図である。 図２の装置の上面図である。 図２の５−５の線に沿った断面図である。 ２部品オルタネーター４４の前面図である。 図６のオルタネーターの前半分が取り外されている、該オルタネーターの前面断面図である。

５〜２５等の或る範囲が与えられている場合、これは、好ましくは少なくとも５、これとは別かつ無関係に、好ましくは２５よりも少ないことを意味する。

図１及び図２を参照すると、本発明による風力タービン装置１が示されている。シャフトは、垂直に、水平に、又はその間のどの角度にでも配向することができるが、この風力タービン装置は、垂直軸風力タービン又はサボニウス型風力タービンと呼ぶことができる。風力タービン装置１は、第１の風力タービンすなわち上側風力タービン２と、第２の風力タービンすなわち下側風力タービン４と、上側タービンと下側タービンとの間に位置付けられる２部品オルタネーター４４とを備える。２つのタービン及びオルタネーターはシャフト４０に取り付けられている。上側タービン２は、上側ディスク１０と、中間ディスク１２と、下側ディスク１４とを含む。上側ディスク１０と中間ディスク１２との間には、（ａ）垂直外縁４２を有するブレード２２及び（ｂ）垂直外縁４３を有するブレード２３が位置付けられている。同様にして、中間ディスク１２と下側ディスク１４との間にブレード２４及び２５が位置付けられている。下側タービン４は、同様の様式で、上側ディスク１６と、中間ディスク１８と、下側ディスク２０と、ブレード２６、２７、２８、２９とを有する。図示（図５を参照）のように、各ブレードは、シャフト４０に隣接した位置からシャフトから更に離れた位置まで延びている。よりはっきりと図１に示されているように、ブレード２２及び２３はともに、シャフト４０を中心にしてかつシャフト４０を通って延びる第１の略Ｓ字状の構成を規定し、ブレード２４及び２５はともに、ブレード２２／２３の第１の略Ｓ字状の構成に対して実質的に垂直に配向されている第２の略Ｓ字状の構成を規定している。同じブレード構成がタービン４に関して示されている。これにより、風が吹いてくる方向に関係なく、組合せブレード２２／２３又は組合せブレード２４／２５が風を捉えて上側タービン２を回転させることができるとともに、組合せブレード２６／２７又は組合せブレード２８／２９が風を捉えて下側タービン４を回転させることができるようになっている。

隣接したディスク、例えばディスク１０とディスク１２との間に、例えば、３０度、４５度、６０度、９０度、１２０度ごと等にブレードが存在する（図１は１８０度離間したブレード２２及び２３を示している）ことができるように、１つ、２つ、３つ又はそれよりも多くの更なるブレード（ブレード２２又は２３のような形状になっている）を加えることができる。代替的には、各タービンにおいて、隣接したディスク間に複数の組のブレードがある、１つ、２つ、３つ等の更なるディスクを加えることができる。組合せブレード２２／２３が組合せブレード２４／２５に対して垂直である程度と同様に、隣接した組合せブレード（ディスクによって隔てられている）は互いに対して垂直であることができるか、又は３０度、４５度若しくは６０度等の０度〜９０度の間の任意の角度にあることができる。あまり好ましくはないが、図２は、ディスク１０及び２０並びにブレード２２、２３、２８、２９を排除するように再構成することができる。

任意選択的には、（タービン２又はタービン４等の）更なるタービンを、Ａ−Ｂ−Ａ−Ｂ−Ａ−Ｂ等の構成（Ａ＝時計回り、Ｂ＝反時計回り）で、（シャフト４０等の）同じ細長い固定シャフトに取り付けることができ、本明細書に記載されているオルタネーター４４が、ＡタービンとＢタービンとの間の接触面ごとに位置付けられる。

６つのディスク１０、１２、１４、１６、１８、２０は実質的に同じである。各ディスクは、平坦な中央心部分間の厚さが２ｍｍ〜５０ｍｍ又は８ｍｍ〜４２ｍｍ又は１５ｍｍ〜３５ｍｍ又は２０ｍｍ〜３０ｍｍ又は約２５ｍｍであることが好ましい。図２及び図４に示されているように、各ディスクは、上面に、平坦な中央部分４９と、下面に、対応する平坦な中央部分５１と、テーパー状の上側周縁部分４６と、テーパー状の下側周縁部分４８とを有しており、したがって、各ディスクはテーパー状である周縁部分を有する。（ａ）部分４６及び４９が（境界線４５において）合流する場所から、（ｂ）部分４６及び４８が合流するディスクの外縁までの側方距離すなわち水平距離は、１ｃｍ〜１３ｃｍ又は２ｃｍ〜１０ｃｍ又は２ｃｍ〜８ｃｍ又は２ｃｍ〜５ｃｍ又は３ｃｍ〜８ｃｍ又は３ｃｍ〜５ｃｍ又は４ｃｍ〜７ｃｍ又は５ｃｍ〜１０ｃｍであることが好ましい。図３において部分４９と部分４６との間の角度４１で示されているような、各ディスク１０、１２、１４、１６、１８、２０のテーパー状縁におけるテーパー量は、２度〜１４度又は４度〜１０度又は約６度〜７度であることが好ましい。このテーパーにより、風がタービンに入り込むとベンチュリ効果が生じることでその効率が増大する。

ブレード２２、２３、２４、２５、２６、２７、２８、２９は実質的に同じである。図５に示されているように、ブレード２２及び２３は、シャフト４０を囲む楕円形中心部分３４から延びている。図５に示されているように、ブレード２２等の各ブレードは、風を捉える凹状面３１と、凸状面３３とを有する。凹状面３１の好ましい形状は、米国特許第７，３９３，１７７号に記載されており、この米国特許の内容全体は引用することにより本明細書の一部をなすものとする。図３に示されているように、溝７１、７２、７３、７４等の溝が、ディスクの平坦な中央部分４９、５１に設けられており、そのため、ブレード２２〜２９の縁をこれらの溝に嵌め込んで適所に固定することができる。

図２に示されているように、風力タービン装置１は、固定シャフト４０と、スリップリング電磁機構３８とを備える。図３に示されているように、シャフト４０の回りでの上側タービン２及び下側タービン４の回転を容易にするベアリング６１、６２、６３、６４、６５、６６が設けられている。図５に示されているように、楕円形中心部分３４が、電線又は導電体を通すための第１の電線管６８と第２の電線管７０とを有する。楕円形中心部分３４は、各タービンの頂部から底部まで延びていることが好ましい。風力タービン装置は、シャフト４０が垂直に（図２を参照）、水平に、又は４５度等のその間のどの角度にでも配向されている状態で取り付けることができる。

図６及び図７に関して、低プロファイルの円形リング永久磁石である２部品オルタネーター４４が、ディスク１４の下面に取り付けられる上側金属プレート５０と、ディスク１６の上面に取り付けられる下側金属プレート５２とを備える。オルタネーターの円形磁石部品５８（永久磁石のアレイ）が上側金属プレート５０に取り付けられており、一方、オルタネーターの円形巻線部品６０（界磁コイル又は電気巻線）が筒状の金属スタンドオフ５６及び下側金属プレート５２を通って延びる取付け用ボルト５４によってディスク１６の上面に固定されている。

１本（又は複数本）の絶縁電線が電気巻線６０をスリップリング３８に接続しており、それによって、オルタネーターからの電気出力がスリップリング３８に伝送される。電線（複数の場合もある）は、オルタネーターから管６８及び／又は７０を通ってスリップリング３８まで通されることが好ましい。その場合、電力出力は、導電体及び（必要に応じて）機構を通じて、使用することができる電力系統又は他の伝送先に伝送される。

ブレード、ディスク及びシャフトは、アルミニウム、強化樹脂（炭素繊維、ガラス繊維、グラファイト等）、プラスチック複合材又は他の軽量の高強度材料から作製されることが好ましい。

各タービンの直径、各ディスクの直径、及びＳ字状の構成の一方の縁（４３等）からＳ字状の構成の他方の縁（４２等）までの直線距離は、２５ｃｍ〜５００ｃｍ又は４０ｃｍ〜３５０ｃｍ又は６０ｃｍ〜２００ｃｍ又は８０ｃｍ〜１５０ｃｍ又は９０ｃｍ〜１２０ｃｍ又は約１００ｃｍであることが好ましい。（ディスクからディスクまでの）各ブレードの高さは、３５ｃｍ〜７００ｃｍ又は５０ｃｍ〜５５０ｃｍ又は６０ｃｍ〜４００ｃｍ又は７０ｃｍ〜３００ｃｍ又は８０ｃｍ〜２００ｃｍ又は９０ｃｍ〜１５０ｃｍ又は約１００ｃｍであることが好ましい。（ａ）Ｓ字状の構成の一方の縁（４３等）からＳ字状の構成の他方の縁（４２等）までの直線距離対（ｂ）（ディスクからディスクまでの）Ｓ字状構成の高さの比は、５〜１、１〜５、３〜１、１〜３、２〜１、１〜２、１．５〜１、１〜１．５、１．２〜１、１〜１．２、または約１であることが好ましい。

本発明は、従来のやり方で又は当該技術分野において知られているようにして、街灯、電柱、電信柱、交通信号灯、携帯電話基地局、アンテナ、貯水塔、建物屋上、衛星放送用のパラボラアンテナ若しくは基地局又は他の高層構造物の頂部に取り付けられることが好ましい。

風力タービン装置１は以下のようにして機能する。図１に示されているように、シャフトに対して垂直な方向に有効な風が吹くと、上側タービン２が（頂部から見た場合に）時計回り方向に回転し、一方、下側タービン４が（頂部から見た場合に）反時計回り方向に回転する。上側タービン及び下側タービンが互いに反対方向に回転する、すなわち逆回転すると、これにより、オルタネーターの（上側タービン２に固定されている）磁石部品５８が（下側タービン４に対して固定されている）巻線部品６０の回転方向とは反対の方向に回転する。当該技術分野において知られているように、これにより、電気又は電気エネルギー若しくは電力が生成され、この電気又は電気エネルギー若しくは電力は、当該技術分野において既知の電線又は導電体を介して、電力系統、バッテリー、電力貯蔵機構に送られるか、又はエンドユーザーに直接送られる。

本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、それらの変更を行うことができるとともに、幾つかの特徴を他の特徴を伴わずに用いることができることが考えられる。そのような変形形態の全ては、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内にあるとみなされる。

Claims (12)

1. シャフトと、第１の風力タービンと、第２の風力タービンと、２部品オルタネーターとを備える風力タービン装置であって、前記シャフトは長手方向軸を有し、前記第１の風力タービン、前記第２の風力タービン及び前記オルタネーターは前記シャフトに取り付けられ、前記オルタネーターは、前記第１の風力タービンと前記第２の風力タービンとの間に位置付けられ、該オルタネーターは、（ａ）前記第１の風力タービンに固定される円形磁石部品と、（ｂ）前記第２の風力タービンに固定される円形巻線部品とを含み、そのため、有効な風が前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な方向に吹くと、（１）前記第１の風力タービン及び前記円形磁石部品が第１の方向に前記シャフトの回りに回転するとともに、（２）前記第２の風力タービン及び前記円形巻線部品が前記第１の方向とは反対の第２の方向に前記シャフトの回りに回転し、それによって電気エネルギーを生成する、風力タービン装置。
2. 前記第１の風力タービンは複数のブレードを有し、各ブレードは前記シャフトに隣接した位置から該シャフトから更に離れた位置まで延び、前記第２の風力タービンは複数のブレードを有し、各ブレードは前記シャフトに隣接した位置から該シャフトから更に離れた位置まで延びる、請求項１に記載の装置。
3. 前記第１の風力タービンは一対のブレードを備え、該一対のブレードはともに、前記長手方向軸を通って延びる略Ｓ字状の構成を規定する、請求項１に記載の装置。
4. 前記第１のタービンは、第１のディスクと、第２のディスクと、少なくとも２つのブレードとを備え、前記シャフトは各ディスクの中心を通って延び、各ブレードは前記第１のディスクから前記第２のディスクまで、前記シャフトに隣接した位置から該シャフトから更に離れた位置まで延びる、請求項１に記載の装置。
5. 前記第１のタービンは第３のディスクを備え、かつ前記シャフトは前記第３のディスクの中心を通って延び、前記第２のディスクは前記第１のディスクと前記第３のディスクとの間に位置付けられ、少なくとも２つのブレードが前記第２のディスクから前記第３のディスクまで、かつ前記シャフトに隣接した位置から該シャフトから更に離れた位置まで延びる、請求項４に記載の装置。
6. 前記２つのブレードは、前記第１のディスクから前記第２のディスクまで延びるとともに、第１の略Ｓ字状の構成を規定し、前記２つのブレードは、前記第２のディスクから前記第３のディスクまで延びるとともに、前記第１の略Ｓ字状の構成に対して実質的に垂直に配向されている第２の略Ｓ字状の構成を規定する、請求項５に記載の装置。
7. 請求項１に記載の装置であって、該装置は、前記シャフトに取り付けられる第３の風力タービンを更に備え、前記第２の風力タービンは前記第１の風力タービンと前記第３の風力タービンとの間に位置付けられ、第２のオルタネーターが前記第２の風力タービンと前記第３の風力タービンとの間に位置付けられ、前記第２のオルタネーターは、前記第２の風力タービンに固定される第１の部品と、前記第３の風力タービンに固定される第２の部品とを含み、そのため、前記有効な風が前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な方向に吹くと、前記第３の風力タービンが、前記第１の風力タービンが前記シャフトの回りに回転するのと同じ方向に前記シャフトの回りに回転する、請求項１に記載の装置。
8. 前記第１のディスクはテーパー状である周縁部分を有する、請求項４に記載の装置。
9. （ａ）少なくとも前記第１のディスクから前記第２のディスクまで、かつ（ｂ）前記シャフトに対して平行かつ隣接して延びる、第１の電線管を更に備える、請求項４に記載の装置。
10. 前記Ｓ字状の構成の一方の縁から該Ｓ字状の構成の他方の縁までの直線距離は、２５ｃｍ〜５００ｃｍである、請求項３に記載の装置。
11. 前記第１のディスクから前記第２のディスクまでの距離は、３５ｃｍ〜７００ｃｍである、請求項４に記載の装置。
12. 少なくとも一方のブレードは、前記第１のディスクの溝及び前記第２のディスクの溝の中に延びる、請求項４に記載の装置。

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